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まちかど博物館 体験レポートvol.7 ~火縄博物館 ~


 「火縄博物館」は、2017年に一度閉館した「まちかど博物館」です。
 
 火縄作りは、同館のある名張市上小波田の伝統産業です。しかし、今、その技術を持つ人がいなくなる危険に晒されています。そこで、岩嵜義孝さんは、少なく見積もっても400年もの歴史がある産業文化を後世に残すため、6人のメンバーで2018年に「上小波田火縄保存会」を結成しました。
 
 岩嵜さんは、再び火縄作りを見てもらえるよう、同会の活動の一環として、亡くなったご親戚が運営していた「まちかど博物館」も再建することにしました。

 
伊賀まちかど博物館 火縄博物館
http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/matikado/da/detail?kan_id=835273

 
 
 「火縄」というと、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは「火縄銃」でしょう。火縄は、銃を発砲するため火薬に引火させる火種になります。
 
 火縄は、火元から移した火を、比較的安全に、一定時間継続して携帯するための道具と説明することができます。その用途は火縄銃に限らず、「お正月に、神社仏閣で起こした火を家に持ち帰り、雑煮を炊く火種にする」といった風俗行事などでも用いられています。
 
 現代でも、火縄銃に関するお祭りや、映画・テレビの撮影などで、空砲ではありますが火縄銃を発射することがあります。火縄には、そういう舞台演出の小道具としての需要が、わずかながら存在します。しかし、それ以上の需要が、この風俗行事によって生まれます。
 
 
 火縄は全国のいくつかの地方で作られていますが、青竹のみを材料に作る火縄は、この上小波田にしかありません。火縄の品質は「火がどれほど長持ちするか」で決まります。上小波田の火縄は大変品質が良いそうです。上小波田の火縄は、長さ10cmで1時間燃え続け、燃え尽きるまでに途中で火が消えることが非常に少ないとのことでした。
 
 いつ頃から上小波田で火縄が作られ始めたかは、よくわかっていません。ただ、江戸時代に伊賀国名張を統治した藤堂家に、この地方で作られた火縄が納められていたことはわかっています。西暦1670年に、藤堂家が伊賀青山の水路を防衛する鉄砲隊を組織するため、100丁分の火縄を「小波田村」に注文したという文書が残っているそうです。岩嵜館長は「戦国時代あたりに伊賀忍者が作り始めた可能性もあるのではないか」とおっしゃっています。
 

  江戸時代から昭和になるまで、この上小波田村の農閑期の産業として、盛んに火縄が作られました。最盛期には、一つの神社だけで7000本を納めたこともあると記録されています。しかし、平成に入ると作り手が減ってしまいました。需要自体はなくなっていないのに、一度、作り手がたった1人にまでなりました。そのため「上小波田火縄保存会」が結成されました。同会が火縄製作を再開すると、すぐに1000本単位の引き合いがかかりました。6人の会員の技術と経験値は一定ではなく、製作を軌道に乗せるのに手間取りましたが、最近、伝統的な技法を保存しながら大量の需要に対応する目途がたってきました。

 その技法は、下の一番左の写真の通りです。見ている分には、決して難しいものではありません。しかし、実際にやってみると、想像以上に大変で、難しい作業でした。私の体験の様子は、下の一番右の写真をご覧ください。
 
 まず、ナタで竹を「かく」作業に、とても強い力が必要です。竹はとても固く、制作シーズンである真冬でも、この作業は汗だくになるそうです。その上で、縄を作るのに適した削り方をする必要もあり、経験を積まないと身につかない技術だといいます。また、縄を「なう」のにも技術が必要です。太さを一定に、一本で何mもの長さに長く伸ばしていかないといけません。しかも、大変多くの本数を作るので、これらの作業にはスピードが要求されます。

 私がナタを使っても、会員の方の見本とは似ても似つかない、ペラペラのものができてしまいました。また、一生懸命縄の形に縒(よ)り上げようと頑張ったのですが、全くきれいにまとまってくれません。お恥ずかしい限りでした。しかし、実際にやってみることで、この産業文化をより身近に感じることができるようになります。こちらに来館される方は、是非体験もされることをお勧めします。


 なお、見学及び体験の際、以下の点をご注意ください。
 
 まず、見学の際は、必ず電話でのご予約をお願いします。館長さんたちの作業予定日に合わせたご見学日程を相談する必要があります。お正月用の需要が跳ね上がる12月は、皆さん作業に没頭するので、体験が難しい場合があることもご了承ください。

 また、火縄作りでは、竹の粉が大量に舞います。竹の繊維が刺さるような形状をした粉ですので、通常の布地の衣服にまとわりつくと厄介です。洗濯してもなかなか取れません。そのため、写真でもわかるように、会員の皆さんは粉を払いやすい服で作業をされています。体験を希望される方は、レインコートのような服の上下をご用意ください。農家の倉庫を作業場にして公開していますので、製作シーズンは冷え込みます。体験の前にレインコートなどを服の上に重ね着すると良いでしょう。

  
伊賀まちかど博物館 火縄博物館
518-0613 名張市上小波田968
0595-65-3132
開館日:11月~3月10日頃まで開館
(時間は随時、要予約)
体験あり(火縄製作及び火縄点火)

 

(上)まず、竹の皮をナタで「かく」(削る)。 (中)その皮を縄状に「なう」(縒る【よる】)。 (下)干して乾燥させれば完成です!

(上)火縄に火をつけてみました。これで1時間ほどもちます。 (中)これが火種となり、別のものに火を移すことができます。 (下)最後まで火は消えず、燃え尽きました。品質の良さの証です。

私も体験しました! (上)まずはナタで竹をかきます。 (中)左は保存会の方の作ったものです。きれいに「かく」のは難しいです。 (下)「なう」のもやってみました。こちらも難しく、なかなかちゃんと「縄」になりません・・・。

本ページに関する問い合わせ先

三重県 環境生活部 文化振興課 〒514-8570 
津市広明町13番地
電話番号:059-224-2176 
ファクス番号:059-224-2408 
メールアドレス:bunka@pref.mie.lg.jp

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