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令和元年12月31日

まちかど博物館 体験レポートvol.6改訂版 ~紙の昆虫館(丸弥果樹園)~
改訂日 2020.8.18


 今回ご紹介するのは、「玉城まちかど博物館」の「紙の昆虫館(丸弥果樹園)」です。




 


 同館の館長さんは、見並俊博さんです。

 同館の展示品は、全て見並さんが制作しています。

 こちらの博物館の展示物は「昆虫」です。ただし、本物ではありません。「昆虫」たちはすべて紙でできています。予め言われていなければすぐには紙だとわかりません。見並さんの作品を見て、「ところで、紙でできた昆虫はどこですか?」と尋ねた人もいたそうです。

 

 

 

 見並さんの本業は果樹園農家です。とくに梨作りについては、親御さんの代から名人といわれ、その美味しさには定評があります。そんな梨作りに負けない情熱を注いでいるのが「紙の昆虫制作」です。もう40年も続けておられます。

 いわゆる「紙切り」の芸に興味を持ったのがきっかけでした。ほとんど独学で培った技術で、切るだけなら一つ30秒から1分で完成させます。道具も選びません。その場にある普通のハサミとコピー用紙からでも、見事な昆虫が生まれていきます。「やってみよう思ったのは、全くお金がかからない趣味だからです。」とのことでした。

 
 

 ※取材日:2019.12



 その技術を出発点に、見並さんはさらに独自の方向性を確立しました。微細なデティールを切り抜くハサミの技巧に加え、使う紙の質や色を工夫することで、極めてリアルな昆虫を制作します。これまでに数万体を作りました。

 


 さらに、様々な表現にも挑戦しています。

 
 

 伊勢型紙と合わせたものです。
 
 
 
 

 見並さんに「なぜ昆虫なのですか?」とお聞きしてみました。

 「農業は、昆虫と切っても切れない関係があるからです。」がお答えでした。花に受粉させ果樹を実らせるのに蝶や蜂の存在が必須だったり、草を食べてしまう「害虫」に悩まされたり、農家に生まれ育ったことで、見並さんに昆虫への強い関心が生まれました。


 見並さんの「紙の昆虫」たちは、とても精密でリアルな造形をしています。

 それは、見並さんが、昆虫への強い関心から、昆虫を非常によく観察し、その姿をリアルに知ることになったからでした。

 昆虫の身体の形や仕組みを知り尽くしているからこそ、速く正確に紙から切り出すことができるというわけです。シルエットを平面で切りとるだけでなく、折り曲げたり、切れ目を入れて紙同士を組み立てたりすることで、昆虫の形を立体的に作ることも朝飯前です。

 

 



 見並さんの作品は大半が外国の昆虫ですが、単に図鑑で見るだけではなく、現地に出かけ、現物を自分の目で見て制作します。その制作姿勢の基礎には、生まれたときから暮らしの中にあった、農業のプロとしての科学的な観察眼がありました。


 そんな見並さんから、印象的なお話を伺えました。

 見並さんには、「紙の昆虫制作」を子どもに教える機会が多くあります。そのとき、一緒にいる親御さんには、お子さんの顔を切ってもらうことにしています。紙でお子さんの顔の輪郭を作るということです。

 親御さんが自分のお子さんの顔を切ると、大変上手な人が多いそうです。

 見並さんは、「親が子育てをするとき、自然と我が子のことを見ています。よく見ているものほど、上手く切ることができるのです。」と。



  このまちかど博物館では、その「紙の昆虫制作」を体験することができます。

 ただし、体験には予約が必要です。予約の際には、「何人が参加するか」「時間をどれくらい予定するか」との情報が必要です。その内容によって、受講者に何をどう切ってもらうか予定を立てるからです。

 また、果樹園農家である見並さんには、一年のうち大変忙しい時期がいくつかあります。非常に多くの種類の果物を栽培している関係で、何月なら大丈夫ということもないということでした。どれくらい前に予約していただくかにもよりますが、ご希望の日時に必ず対応できるわけではないことにはご留意ください。

 体験をご希望の方は、必ずお電話等で情報を伝えた上で、日時・時期と段取りをご相談いただきますよう、お願いいたします。


 もちろん私も体験してみました。

 「昆虫の身体は必ず左右対称なので、切るときはまず紙を半分に折ること」や、「ハサミの刃の根元で切る方が細かい作業ができること」など、基本的なレクチャーを受けて、はじめての「紙切り」挑戦です。
 

 第一段階では、見並さんのお手本をなぞって、切り取り線を白い紙に書き入れ、それに沿って切ります。熟練の技に導かれて、かなり歪ながら、それなりに形になりました!

  
 

 そして、ここからが本番です。お手本を目で見ながら、見並さんと同じように、何もない白い紙にハサミを入れます。


 

 ・・・。
 
 やはり「自然に対する科学的な観察眼」は、一朝一夕には身に付きません・・・。
 


 
 奥にある見並さんのお手本と比較すると出来の差は歴然です。初挑戦はトホホな出来でした。

 しかし、苦笑いも笑顔です。失敗も含めて、とても楽しい体験でした!お子さんだけでなく、大人の方にも大変おすすめです。


  
<お問い合わせ先>
紙の昆虫館(丸弥果樹園)

開館時間
7月末~10月末 10:00~17:00 ※併設される梨の直売所のオープン期間。
 この期間であれば予約不要(ただし体験希望は要予約)
 それ以外の時期には要予約
 体験希望は随時。ただし果樹園業務の繁忙期には要相談。
 
住所
度会郡玉城町冨岡266

電話
7月末~10月末 0596-58-5039
 それ以外   0596-58-6049

詳しくは県ホームページの同館ご紹介ページをご覧ください。




※ご見学等の際は、十分な感染症対策をお願いいたします。


 

本ページに関する問い合わせ先

三重県 環境生活部 文化振興課 〒514-8570 
津市広明町13番地
電話番号:059-224-2176 
ファクス番号:059-224-2408 
メールアドレス:bunka@pref.mie.lg.jp

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