現在位置:
  1. トップページ >
  2. スポーツ・教育・文化 >
  3. 文化施設 >
  4. まちかど博物館 >
  5. まちかど博物館のご案内 >
  6.  まちかど博物館体験レポートvol.12 ~ギャラリー抹茶処・洛庵~
担当所属:
  1.  県庁の組織一覧  >
  2. 環境生活部  >
  3. 文化振興課
  • facebook
  • facebook share
  • twitter
  • google plus
  • line
令和04年03月24日

まちかど博物館体験レポートvol.12 ~ギャラリー抹茶処・洛庵~
掲載日:2022.03.24

目次
はじめに
ギャラリー
茶室
開館の抱負

館の概要


 

はじめに


 今回は、津まちかど博物館「ギャラリー 抹茶処 洛庵」をご紹介します。
 
 同館は、国道23号沿い、西阿漕バス停の真ん前という好立地にあります。令和3年10月に建てられたばかりの純和風の木造家屋の中に、ギャラリーと茶室を備えました。

 令和4年2月、「津・まちかど博物館もりあげ隊」の委員会により承認され、同年3月より、まちかど博物館として活動を開始しました。

 

目次に戻る

 

ギャラリー


 建物に入ると、壁一面の大きな展示ケースが迎えてくれます。

 飾られているのは、全て、館長さんの夫である副館長さんのコレクションです。

 仕事柄、県内の各地に滞在していた副館長さんは、いつしか萬古焼に魅せられました。四日市萬古、桑名萬古など、萬古焼には県内で様々な流れが生まれていますが、副館長さんはそれらを一つひとつ追いかけています。初期のコレクションは茶碗が中心でしたが、お茶とお花の有資格者である館長さんと結婚した後には、茶器全般や華道、香道の道具も集めるようになりました。

 コレクション歴は50年になります。その数500点以上。その中から50点ほどずつ、同館で順番に展示していく予定です。

 


 ケース内には、茶碗、急須、菓子鉢、皿、鉄釜など、茶器がたくさん並んでいます。

 自身で集めた品々ですから、副館長さんはその由来や特徴を熟知しています。形の美しさなどをただ眺めたり、自身ですでにお持ちの知識で鑑賞したりしても十分楽しめますが、持ち主の副館長さんにいろいろ教えてもらうと、さらに楽しさが増します。

 

 

 



 また、茶室には掛け軸が付き物です。もちろん副館長さんもコレクションしています。

 展示ケースに掛け軸も飾られます。さらに、ギャラリー横の「床の間(寄付:よりつき)」にも、掛け軸がかけられています。当課職員が訪れた3月には、地元の日本画家・粉川洛木(こがわらくぼく)の桜の絵が飾られていました。直前まで、同じ画家の梅と小鳥の絵がかけられていたそうです。季節を意識し、その折々に合わせた掛け軸が、約3週間ごとにかけ替えられ、訪問客を迎えます。

 


 お茶にかかわる故人の書籍や書簡(手紙)も集めています。字自体の観賞に加えて、内容も楽しんでもらいたいという考えから、副館長さんは、書のコレクションの読解を専門家に依頼しました。その成果も惜しみなく教えてもらえます。




 副館長さんは、新しい物も集めますが、より惹かれるのは古い物です。江戸時代から昭和までの品を中心に集めました。個人の自由なコレクションですから、副館長さんがとくに気に入った物ばかりです。その結果、誰が見ても面白い品、個性的な品が揃いました。見ていて飽きません。


 森有節の「有節萬古」は比較的多く集まり、40点以上収集されました(令和4年3月現在)。令和4年4月から、特別展として、「有節展」を同館で開催することが決まっています。

 普段の「常設展」では、コレクションの中から、バラエティーに富んだ品を選んで展示しますが、折を見て、テーマを絞った特集展示を予定しています。「有節展」の他には、川喜田半泥子関連の品を展示する「半泥子展」や、全て急須を展示する「急須展」などを考えています。

 通常時の「常設展」は、多くのまちかど博物館と同じように、予約した人のみが入館できる方式で開催します。それに対して、特別展開催時は、休館日なしで毎日開館する予定です。常設展より気軽に入場できますので、その機会にご来館できるようでしたら、ぜひお見逃しなく。

目次に戻る


 

茶室

 同館のもう一つのメインコンテンツです。茶道の有資格者である館長さんが、教室を開く場所です。その上で、まちかど博物館を訪れた人にも、こちらでお茶などを振る舞っています。

 建てたばかりの新しい茶室が清々しいです。純和風の柱や調度の木目は美しく、とても風情があって、落ち着いた雰囲気に包まれます。

 


 お茶をいただきました。

 結婚前からお茶を続けて45年になる館長さんが、作法に則り点ててくれます。そんな風に言うと、つい緊張してしまいそうですが、何の心得もなくても、気を楽にして、専門家のおもてなしに、ただ身を委ねれば問題ありません。誰でもお茶の世界に触れることができます。

 


 まずお菓子をいただき、その後、点(た)てたての抹茶が目の前に運ばれてきました。

 館長さんが修めた表千家では、抹茶をあまり泡立てません。さらりとした口ざわりでした。鉄釜で沸かしたお湯が柔らかく、ほんの少しの苦みがアクセントになって、とても美味しかったです。

 


 正座が辛い人のために、和室で使える椅子もあります。それまで茶道を楽しんでいた人でも、ご高齢になると正座で足に痛みを感じ、茶室から遠ざかってしまう人もいるそうです。館長さんはそれに心を痛め、誰でもお茶を楽しんでほしいとの思いから、格式などにとらわれず用意しました。

 そして、茶室の外にはベンチが用意されていました。茶室で生徒さんがお茶を習っている様子を見学するための設備です。和服で見学することを想定し、ちょうど帯の位置に板が渡らせてあります。土壁に帯がひっかからないようにとの配慮です。

 


 こちらでは、空間の全てで、本格的な茶道を目指しています。

 その上で、楽しむ側に苦痛や心労がないように、心が砕かれています。茶道には堅苦しく厳しいイメージもありますが、この「まちかど博物館」では、あくまでももてなす側が、もてなすことに真剣に取り組んでいる、そんな風に感じました。

目次に戻る


 

開館の抱負


 茶道を学んでいた館長さんと、茶道具をコレクションしてきた副館長さんが、お互いに影響を与え合いながら、それぞれの趣味を突き詰めて、長い時間が経ちました。館長さんは茶道と華道の有資格者となり、副館長さんは茶道具類のコレクションを充実させました。副館長さんが集め、館長さんが実際に使うことで、お互いメリットがあったと、お二人は楽しそうに笑います。

 そうやって培ったものと集まったものを、自分たちで楽しむだけでなく、多くの人と分かち合いたいと作ったのが、この茶室とギャラリーです。


 館長さんと同世代の女性には、教養としてお茶をたしなむ人が多くいました。しかし、結婚や子育てなど、様々な事情で、ほとんどの人が続けられていません。そんな中、館長さんはずっとお茶を続けました。それは、お茶室の空気感が好きだからでした。仕事や生活のストレスで疲れた心を、お茶は本当に癒してくれました。そんな安らぎを、多くの人にも感じてもらいたいと、館長さんは思っています。

 副館長さんは、茶道を、和の文化の集大成だと語ります。お茶の点前(てまえ)はもちろん、茶室、庭、掛け軸、茶碗をはじめとする茶道具など、茶道を形作る全てが、和の文化で彩られています。生活様式が変わる中でも、茶道は日本の伝統文化を色濃く伝えていると考えています。古い物を集めるのも、今の物にはない魅力と歴史が感じられるからです。

 館長さんたちは、お茶を通じて、日本の文化を、若い人や外国の人にも触れてほしいと願っています。いろんな人にまちかど博物館に来てもらって、何度もリピートしてもらいたいとおっしゃっていました。


 少しでも多くの人に来てもらいたいと、博物館の立地に、国道23号線沿いという訪れやすい場所を選びました。大変な量の車が行き交う国道ですが、一歩館に足を踏み入れると、不思議なほど落ち着いた空気になります。

目次に戻る


 

館の概要


ギャラリー 抹茶処 洛庵
小笠原尚美(おがさわらなおみ)館長

津市幸町15-25

電話
090-2263-3940
059-225-0252(留守番電話・折り返しのため要連絡先)

FAX
059-225-0252

国道23号線沿い 西阿漕バス停前
駐車場4台

特別展期間中は休館日なし 10:00~16:00
常設展の観覧は要予約(日時応相談)

特別展期間中は予約不要
それ以外の期間は要予約

希望者に抹茶・菓子の接待(有料)
予約にて初めての茶道、生け花の体験をしていただけます。




目次に戻る




 

本ページに関する問い合わせ先

三重県 環境生活部 文化振興課 〒514-8570 
津市広明町13番地
電話番号:059-224-2176 
ファクス番号:059-224-2408 
メールアドレス:bunka@pref.mie.lg.jp

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

ページID:000260572