飼い主のいない猫の減少に向けた取組(TNR活動の支援)
これまでの猫による生活環境への被害では、狂犬病予防法でけい留、登録等が義務とされている犬と異なり、飼い主が特定できない、又は飼い主がいないことから、飼い主への指導及び助言に限られる中では有効な手立てがなく、その解決が困難となる事例を多く抱えていました。また、保健所に収容される猫は、飼い主がいないと推測され、自活も厳しい子猫が多くを占めており、これが結果として殺処分数を押し上げる原因ともなっていました。
これらの根本的な解決には、地域の住民、団体等が協力して、飼い主のいない猫をゆるやかに減少させていくことが有効であると考え、平成26年度から公益財団法人どうぶつ基金の支援を受けて、「さくらねこ無料不妊手術事業」(※)を開始しました。
現在は、どうぶつ基金に加え、三重県獣医師会伊賀支部、地域のボランティアの方々の協力を得て、伊賀保健所管内(伊賀市、名張市)で毎年200匹以上の飼い主のいない猫の不妊・去勢手術を実施しています。
また、平成29年5月には、三重県動物愛護推進センター「あすまいる」が開所されたことを契機として、全県下に本事業を展開し、平成30年度からはクラウドファンディングによる寄附金も活用しながら、各地域での飼い主のいない猫の減少に向けた取組を推進しています。
※公益財団法人どうぶつ基金が不妊手術・ワクチン・ノミ駆除薬の費用を全額負担する「さくらねこ無料不妊
手術事業」に参加し、地域猫活動を行うボランティア 団体等と連携してTNR事業を行います。「さくらねこ
無料不妊手術事業」とは、飼い主のいない猫に対し「さくらねこTNR(Trap/捕獲し、Neuter/不妊去勢手術
を行い、Return/元の場所に戻す、その印として耳先をさくらの花びらのようにV字カットする)」を実施す
ることで繁殖を防止し、「地域の猫」「さくらねこ」として一代限りの命を全うさせ、飼い主のいない猫に
関わる苦情や、殺処分の減少に寄与する活動です。
年度 | オス | メス | 合計 |
平成26年度 | 33匹 | 41匹 | 74匹 |
平成27年度 | 75匹 | 135匹 | 210匹 |
平成28年度 | 33匹 | 90匹 | 123匹 |
平成29年度 | 85匹 | 129匹 | 214匹 |
平成30年度 | 68匹 | 124匹 | 192匹 |
平成31年度(令和元年度) | 75匹 | 116匹 | 191匹 |
令和2年度 | 80匹 | 149匹 | 229匹 |
令和3年度 | 115匹 | 121匹 | 236匹 |
令和4年度 | 82匹 | 133匹 | 215匹 |
令和5年度 | 122匹 | 143匹 | 265匹 |
令和6年度 | 105匹 | 144匹 | 249匹 |