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平成12年度第5回三重県公共事業再評価審査委員会審議概要

  1. 開催日時 平成12年12月19日(火)9時30分から16時15分まで
  2. 開催場所 勤労者福祉会館6階講堂
  3. 出席者
    • 委員
      • 渡辺委員長、大森委員、木本委員、朴委員、速水委員、福島委員
    • 事務局
      • (県土整備部)原田部長、長岡公共事業推進審議監、紀藤砂防課長、高杉道路整備課長、川口河川課長、田中港湾課長、他
      • (農林水産商工部)森本技監、鈴木技監、坂井漁業振興課長、他
  4. 審議の概要
    • 再評価対象事業の審議
      • 宇賀川通常砂防事業
      • 国道167号鵜方磯部バイパス
      • 国道365号員弁バイパス
      • 二級河川相川広域基幹河川改修事業
      • 二級河川足見川広域一般河川改修事業
      • 二級河川名張川広域一般河川改修事業
      • 二級河川前川統合河川整備事業
      • 以上7事業については継続を了承された。
      • 長島港西長島地区港湾事業について、費用便益分析の試算結果を報告し了承された。
    • 再評価対象事業の事業説明及び審議
      • 養殖場造成事業阿曹浦地区養殖場
      • 漁港修築事業宿田曽漁港
      • 漁港修築事業波切漁港
      • 漁港修築事業和具漁港
      • 漁港修築事業五ヶ所湾漁港
      • 漁港修築事業船越漁港
      • 漁港修築事業神島漁港
  5. 主な質疑
    • 宇賀川通常砂防事業について
      委員 自然環境に配慮(魚道の設置及び植生ブロックの採用等)したため、費用が増加し、その結果費用便益比が低下したとの説明だったが、自然環境に配慮することにより事業全体の効果は向上しているのではないか。そういった効果は見込まないのか。
      事務局 自然環境に対する効果の把握が現状では困難であり、今のところは算定していない。
      委員 全体として自然環境に配慮した多自然型工法をとっていくというのは時代の流れだが、その結果大変コストが高くなる。しかし、環境先進県をめざす三重県としてはコストを抑えながら一定の効果を出す工夫が必要ではないか。新しい工法等が出たときには必ずコストがアップし、その後の技術開発等によりコストが下がっていくのが普通だが、行政としては一定の費用の中でより高い効果を目指していくといった基本的な姿勢を持たないといけない。
      委員 自然環境に配慮といいながら、実際はお金を使って人工的な構造物をつくっている。どうしても不自然な感じが否めないが。
      事務局 砂防事業の場合、上からくる土砂をとめ現状の不安定な河道を固定するためには、河川の勾配を緩くするための床固工などの横断構造物や侵食を防止するための護岸工などの整備が必要となる。たしかに、生息する魚等のためには無い方がよいかもしれないが、土砂を止めようとするとどうしても横断構造物も必要となる。そのための代替として魚道を設置している。
      委員 しかし、河川に土砂を流して海まで運ぶといった、砂を流すといった方向に転換するかもしれない。これまでの「土砂を止める」から土砂循環といった方向へ進むので、そのあたりの配慮もお願いしたい。
      また、多自然型工法については今後各部門でバラバラに進めるのではなく、三重県方式として統一的な取り組みを要望する。
      事務局 多自然型川づくりは平成3年頃から本格的に取り組んできたが、非常にコストがかかる点が問題となっている。このため、今年度から多自然型工法のガイドラインづくりに取り組んでいる。次年度以・~は、勉強会等を本格的に進めるとともに、専門の担当者を配置して取り組むこととしている。
      委員 多自然型工法の検討等にあたっては、周辺に住む方も巻き込む形で、川を守る意識の向上を促すような形で進めて欲しい。そのためには、わかりやすい説明資料、ビジュアルに訴える資料づくりを心がけて欲しい。
      委員 多自然型川づくりというと、川づくりがベースになっている。従来型の砂防事業、河川事業ありきで、自然に戻そうと思うからお金がかかるのは当たり前の話である。そうではなくて、自然のままの川を基本に、住民の生命財産を守るために最小限に手を入れるといった発想に立たないといけない。その辺の発想の転換を図らないと効率のいい事業というのはできない。
    • 河川改修事業4箇所について
      委員 多自然型工法への変更、構造物の耐震化の必要性等があったにしても、10年間で全体事業費が倍になるというのは納得できない。当初計画に問題はなかったのか。また、多自然型という言葉はいいが、コストについては問題である。
      事務局 当初において、コスト意識が希薄であったこと、また費用とか予算に関する意識も希薄であったと反省している。また、多自然型川づくりについては、工法、特に護岸工法に議論が集中するが、多自然型川づくりは、多様な生息・生育環境の保全のために、自然の河川形態をできるだけ残して無理な直線化等は行わない、河口から上流まで生物が行き来できるようにするということを基本に考えていきたい。また、工法については、民間と協働で検討していきたいと考えている。
      委員 民間と言うが、行政の公共事業担当者がもっと勉強をして始めて、民間の努力が引き出せる。
      また、費用増加の理由に精査というのが多く見られる。上げられている理由にしても、何故現時点で出てくるのか、当初想定できなかったのかという点で説明力が不足している。
      事務局 事業採択時の調査の問題がある。従来は、採択後に詳しい調査を実施し、事業内容を見直していくというやり方であったため、現況の把握といった点で制限があった。また、事業実施段階にならないと判明しないものもある。
      委員 事業費が倍以上になっている事業などは、当初の治水としての目的から逸脱し公園事業のようになり始めているのではないか。事業費が増加した場合に、もう一度ゼロベースで事業を検討し直すシステムが必要ではないか。
      事務局 あくまでも、河川事業の目的は流域の安全安心を高めることである。ただし、その進め方に問題がある。多自然型にこれだけの費用をかけていいのかという点である。今後、コスト縮減を図りながら、河川改修の目的を達成していきたい。
      委員 必要だから費用が増えるといった発想ではなく、予算枠の範囲で重点的に実施する箇所を選別する、また真剣にコスト縮減の努力を行うといったことが重要ではないか。
      事務局 現在の河川護岸の工法としては、間知ブロック積みが一般に使われているが、現在民間と協働で、コストアップが少ない多自然型のブロックの開発を進めており、コストの縮減に努めていきたい。
      委員 多自然型川づくりは、自然の川を一旦壊してもう一度自然をつくるのだから、ある意味では長い時間を人間の工法で買うようなもので、費用がかかるのは当たり前だ。河川改修の方法として、下流から連続的に行うのではなく、手をつける所とそうでないところを区分し、残せるところは残すという発想が必要ではないか。
      事務局 流域の市街化等の進展によっても違ってくる。市街化の進んだところでは、安全確保の観点から全川に渡って改修を行わざるを得ない。そうでないところは、残せるところはそのまま残していくことがベターであり、流域の状況を勘案し判断していくことになる。
    • 国道167号鵜方磯部バイパス、国道365号員弁バイパスについて
      委員 長い期間に渡って工事を行う場合には、工事中も含めてわかりやすい道路標示をお願いしたい。
      事務局 工事中も含めて、迂回路、どちら方面といった表示をしていく。
    • 漁港修築事業6箇所について
      委員 五ヶ所湾漁港については、平成4年度に事業着手して、平成9年度までに12億円を使ってケーソン1函20mを設置したが、どういう効果を発揮しているか。
      事務局 防波堤としては、最低限300m整備しないと一定の効果はない。ただあえて効果というと、基礎のマウンドができており、伊勢エビ等の増殖効果が実際に見られる。
      委員 気象情報等の把握が容易となったため、避難港としての必要性が小さくなったとの説明だったが、平成4年度の着手時点でも、機器の進歩というのは判っていたのではないか。県民への説明責任を果たすためにも、技術の進歩とどの時点でどう判断したのかをしっかり説明する必要がある。
      事務局 確かに平成4年度時点でも機器の発達はあったが、沿岸で操業する小型漁船まで広がることは想定していなかった。
      委員 それは、コストダウンの要素が予想できなかったのか。
      事務局 制度資金などの機器導入ための条件整備が行われた。それにより小規模な漁業者までが積極的にそういった機器を取り入れるという予想をしていなかった。
      委員 制度資金等ソフト施策を積極的導入したことにより、避難港といったハード設備の必要性が無くなったというのであれば、行政の姿勢を高く評価するが。
      事務局 制度はつくったが、行政として積極的にとまではいっていない。
      委員 五ヶ所湾漁港について、中止するという判断については評価する。ただし、12億円も使った以上、ただやめればいいと言うことではなく、県としてのけじめ、総括が必要である。何故、平成4年度の着手時点で中止の判断ができず、どういう状況の変化から現時点で中止するのかについて県民にきちっと説明する必要がある。
      委員 五ヶ所湾で避難港を中止した場合、もう避難港はいらなくなるのか。もし、いらないので有れば当初の計画がなんだったのかとなる。また、避難港がいるので有れば、中止した場合の代替案はどう考えるのか。
      事務局 万が一の安全を考えると、避難港の確保は必要と考える。しかし、非常に多額の費用と時間を要するため、本漁港については中止とする。代替案については今後の検討となるが、既存の漁港をどう活用するかも含めて検討していく。
      委員 避難港といった大規模な公共事業よりも、広域化したネットワーク、協力システムにより、必要な安全性を確保することが必要だ。
      事務局 代替案については、今後検討していく。また、中止の理由としては、県財政の悪化をあげているが、これだけではなく、気象情報をとるための漁船機器の発達が大きい。また、これまで12,3億円の事業費を既につぎ込んだが、これ以上継続するとさらに巨額のムダを生みかねないと判断した。
       また、地元は地域の防災対策として期待している面もある。今後、この残ったケーソンの使い道についても検討していきたい。
      委員 五ヶ所湾漁港は避難港といった特殊な目的を持った漁港であり、当初の計画時点でもっと議論すべきだった。また、五ヶ所湾の地形を見ると、本当にここに避難港を整備すべきだったのかといった疑問もある。それから、この地域は過去に津波等の被害を受けているのか。
      事務局 チリ津波、伊勢湾台風などにより被害を受けている。地先の砂浜も後退してきており、地元としては不安を持っている。
      委員 この防波堤は、当初からそういった地域の防災も考慮して考えられたのか。
      事務局 あくまでも、避難港として模型実験等もやりながら決定したもので、海岸保全としての位置づけはなかった。
      委員 残されたケーソンの取扱いはどうなるのか。危険だと思うが。万一、取り除くとするとどういう費用で、いくらぐらいかかるのか。
      事務局 確かに危険ではあるが、危険なときには付近を通らないようお願いしていきたい。また、今後のケーソンの取扱いについては地元も含めて検討していく。撤去については、県単独事業で対応することになり、約4億円程度必要だ。
      委員 補助金の取扱いはどうなるのか。
      事務局 計画自体がずさんで無い限りは、国費の返還は求められないと考えている。ただし、今後は国と協議をしていかなければいけない。
      委員 ・宿田曽の新しい堤防が既存堤防と非常に近接しているが何故か。
      ・漁港の開口部が非常に狭い場合、沖合に防波堤をつくるのではなく、ゲートで対応できないか。
      事務局 ・宿田曽の既存堤防は老朽化しており、嵩上げが困難なため、越波を防ぐため新しい堤防を外洋側につくることにした。
      ・県営の漁港については、規模が大きいためゲートでは費用も高く、維持管理費も高くなる。
    • 養殖場造成事業阿曹浦地区について
      委員 費用便益分析にあたっては、養殖される真珠の価格、魚価が基本になっているが、本当に40年先まで予想できるものなのか。
      事務局 真珠については、現在ある三重県平均との単価差が解消されるということで、便益を算出している。魚価については、現時点の単価を基にしている。40年先を見通せるかと言うことですが、現時点ではこうした試算をせざるを得ない。
      委員 費用便益分析では、魚による便益が真珠に比べると2倍以上になっている。しかし、養殖場の利用図では、半分半分になっている。経済的な面からは、魚の効果が大きいが、この利用面積の配分の根拠は。
      事務局 現状の湾内で実施している真珠養殖について適正養殖密度を計算し、それ以上の筏を新たに造成する養殖場へ持っていくとして計算すると20ha必要となる。次いで、阿曹浦地区の1漁家あたりの漁業所得を県の1世帯あたり平均所得水準に近づけることを目標に、魚類養殖の生産額から養殖面積20haを決めた。
      委員 ・平成13年度から許可が出るとのことだが、既に筏を移動する方が多いか。
      ・外洋で育てると、高品質の良い真珠ができるのか。
      事務局 ・漁場造成自体は地元漁業者の要望も強く、40台という少ない中では競争となる見込みである。
      ・湾奥では2級品が多いが、過去に沖合で養殖したものを見ると、県平均単価或いはそれ以上となっている。
      委員 利用計画を見ると、便益の低い真珠から先に養殖場を使う形になっている。便益の低いものを優先するする事に納得がいかないが。
      事務局 基本的に、魚類養殖については沖合のものは施設が大きいため、水深の深いところが必要になる。真珠については比較的浅い所の方が静かなため、真珠養殖に適している。このため、陸域側の部分は真珠として使う方が適していると考えている。
      委員 8ミリの高級品の真珠の場合、ブランドが重要になってくる。そうした販売作戦、戦略まで考えていかないといけないのではないか。真珠生産量の推移を見ると、三重県だけでなく全国的にも大きく減少しており、厳しい状況だと思うが。
      事務局 真珠の場合は、感染症の問題、母貝の確保という課題があり、今後どうなるかの見通しはつかない。しかし、三重県は40年代後半の不況を克服し、また盛り返してきた経緯もある。業界自体は、非常に自立心の強いこともあり、三重県の真珠は復活すると確信している。
      委員 真珠のような嗜好品の場合、消費量だとか輸出量といった消費者に近いところのデータが出てくると説得力がある。生産量は下がっているが、消費量は下がっていないとなると理解できるが。
      また、三重県の漁業を考えると、真珠のみ、魚類のみといったことではなく、地域として多様性を持っていた方が地域としての安定度があると思う。
      委員 第一次産業全体として、地域の自然特性に左右されるため、どうしても地域に目がいくが、視野はグローバルに持って、計画を立てないといけない。
      委員 南島町のこの事業が計画され、他にも同様に赤潮等で苦しんでいるところでも計画が進むと、生産が増え価格低下を起こすのではないか。
      事務局 真珠業者の新たな養殖場に対する要望は強いと思うが、海面は真珠業者以外の魚類養殖業、沿岸漁業など多くの人が使っており、そういった人の合意を得る必要があることから、そう多くの要望が上がってくるとは考えられない。
      委員 養殖場を沖合につくった場合の環境面の評価を行っているのか。また、海が荒れた場合には、筏はまた湾奥へ移動するのか。
      事務局 防波堤を設置する場所の水深は9~10mと深く、通常は海藻が生育しないが、ブロックを置くことにより浅場ができ、藻場が形成されることによる水質浄化が期待される。また、非常に海が荒れた場合は、筏はすぐに移動でき作業性としては心配いらない。
      委員 防波堤を700m設置し、養殖場を40ha造成する根拠について教えて欲しい。また、長くすればするほど費用便益比が向上するのか。今後、社会経済情勢や財政情勢が変化する中で、平成21年までに700mの造成を進めるのか。
      事務局 阿曽浦地区の漁家所得を県下1世帯あたりの所得水準に引き上げるためには、700m必要である。これが短いと生産額が上がらないため、所得も少なくなる。また、これ以上長くすると地形的に水深が深くなり、費用が大きくなる。こうした海底地形なども勘案し延長を決定している。この事業については、地元負担が6分の1で、これを町と漁協で7:3の割合で負担している。漁協の経営状態も苦しい状況ではあるが、現時点では問題ないと判断しており、計画通り進めたいと考えている。
      主な質疑概要についての文責は事務局にあります。

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三重県 県土整備部 公共事業運営課 公共事業運営班 〒514-8570 
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