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三重県同和教育基本方針

1973年(昭和48年)3月28日制定
1999年(平成11年)2月26日改定
※三重県同和教育基本方針は、2009年(平成21年)に三重県人権教育基本方針に一元化しました。

同和問題の解決を図ることは、行政の重要な責務であり、県民一人ひとりが取り組むべき課題である。もとより、日本国憲法においても、基本的人権が尊重されることや個人として尊重されることなどが明示されている。また、世界人権宣言の趣旨に基づき、国際人権規約や子どもの権利条約などの人権に関する様々な条約が採択され、差別の撤廃と人権文化の構築が国際的な重要課題となってきている。

三重県においても、1973年(昭和48年)策定の「三重県同和教育基本方針」に基づき、県内すべての学校・園において、部落問題学習を中心とした実践や学力・進路保障の取り組みが広がってきた。また、県内の市町村においても、社会教育における同和教育の推進体制が整備されてきている。

しかしながら、同和地区幼児・児童・生徒の学力や進路状況をみると、依然として低学力傾向や進学率・中退率の較差があり、そこには生活や健康の課題が存在している。また、学校や地域社会において部落差別事象が相次いで発生している。これらの背景には、部落差別を助長・容認する社会意識やしくみが依然として根強く残っている実態がある。それゆえに、同和地区住民の基本的人権が保障されていない状況がある。部落差別はまさに現代社会の中に存在しており、社会意識やしくみの変革こそが重要な課題である。

そこで、「人権が尊重される三重をつくる条例」に則り、県民一人ひとりが、差別の現実に深く学ぶとともに、自らの人権意識を高め、部落差別は重大な人権侵害であり、同和問題を自分に関わる重要な問題であるととらえ、部落差別をなくそうと積極的に取り組むことができるよう、確かで深まりのある同和教育の推進に努めていかなければならない。

そのため、三重県教育委員会は、同和問題の早期解決を図るために、部落差別を許さず、主体的に差別をなくしていこうとする人間の育成をめざして、学校教育や社会教育のあらゆる場において、以下の基本方針のもとに同和教育が推進されるよう、積極的に施策を行うものである。

  1. 同和教育は、日本国憲法および教育基本法の精神に基づき、同和対策審議会答申の趣旨並びに「人権が尊重される三重をつくる条例」に則り、これを総合的に推進する。
  2. 学校教育においては、すべての学校・園で、部落差別をなくそうとする意欲と実践力をもつ幼児・児童・生徒の育成が図られるよう部落問題学習を中心とした教育内容の深化・拡充に努める。
    また、同和地区幼児・児童・生徒の就学・進学を支援・奨励するとともに、未来を切り拓く豊かな実践力をもった幼児・児童・生徒の育成をめざした健康保障、学力・進路保障の取り組みの充実に努める。
  3. 社会教育においては、すべての市町村で同和教育の推進を図り、生涯学習の場における同和教育の充実に努めるとともに、すべての住民が自主的・組織的な同和教育活動を展開できるよう支援する。
  4. すべての教育関係者の、同和問題を解決する積極的な姿勢の確立と、同和教育を推進するための資質や実践力の向上をめざした研修の充実に努める。また、深い認識と資質をそなえた人材の確保と指導者の育成を図る。
  5. 同和教育を進めるにあたって、学校・家庭・地域社会が一体となった推進体制を確立し、市町村間や学校間の連携が強化されるよう条件整備に努める。また、同和教育関係諸機関および市民団体等との積極的な連携・協力体制の確立に努める。

学校教育における同和教育の推進

1すべての教育関係者は、同和問題に対する正しい認識を深め、部落差別を解消するための自らの責務を自覚し、同和教育に取り組む。

(1)同和問題に対する正しい認識を深める。

部落差別は、現在の社会の中に厳存しているという事実認識にたち、その現状を的確にとらえる。
同和問題は、部落差別によって同和地区住民の基本的人権が侵害されているところに本質があるという認識にたつ。
同和問題の解決は、一人ひとりが自己にかかわる課題として自覚していくことを通して達成されるものであるという認識にたつ。
日本の社会に存在する様々な意識や慣習や制度の中に、部落差別を温存し、助長しているものがあるという認識にたつ。
被差別の人々の生きざまに学び、継承してきた文化について正しく理解する。

(2)幼児・児童・生徒(以下「子ども」)が学習の主体であるという認識にたち、同和教育に取り組む。

すべての幼稚園・学校(以下「学校」)において、子ども一人ひとりが大切にされる同和教育の推進体制を確立する。
部落差別を解消する自らの責務を自覚し、信念と情熱をもって同和教育に取り組む。
同和問題の解決を自らの課題とし、差別を見抜く感性を磨き、部落差別を解消するための力量を高める研修に努める。

2すべての学校において子どもや家庭・地域社会の生活の実態を的確かつ総合的にとらえ、部落差別を解消するうえでの課題を明らかにする。

(1)子どもの学校・家庭・地域社会での生活の実態を総合的に把握し、教育課題を明らかにする。

一人ひとりの生活の実態を学校生活のあらゆる場面で多面的にとらえる。
家庭訪問等を通じて一人ひとりの家庭や地域社会での生活の実態を的確にとらえる。
日常的な対話を通じて子どもの思いや願いを受け止める。
被差別の側におかれている子どもの生活を通して、その子どもをとりまく集団や社会の課題を明らかにする。

(2)家庭や地域社会の生活の実態を総合的に把握し、教育課題を明らかにする。

家庭訪問等を通じて保護者や地域住民との対話に努め、子どもの生活の背景となる家庭や地域社会の実態を的確に把握する。
同和問題や同和教育に関する地域の意識の実態把握に努め、教育課題を明らかにする。

3すべての学校において子どもを主体とする同和教育の充実に努めるとともに、地域ぐるみの推進体制を図る中で、総合的・系統的に同和教育を推進する。

(1)学校教育目標の中に、次のような同和教育の目標を明確に位置づける。

一人ひとりの子どもが同和問題の解決を自らの課題としてとらえ、部落差別をなくしていこうと積極的に行動できる資質を育てる。
人権尊重の精神に徹する意識を高め、共感し、互いを尊重し合い、共に部落差別をなくしていこうとする仲間づくりを進める。

(2)一人ひとりの子どもや集団の実態をふまえ、差別を解消するための課題や指導のねらいを明確にした全体計画をたて、系統的・日常的に取り組みを進める。

子どもの生活実態や、被差別の側におかれた子どもをとりまく集団の課題を的確に把握し、全体計画を立てる。
子どもが、同和問題についての正しい認識をもち、自らの差別性や社会に存在する様々な差別問題と重ねながら、自ら課題解決に取り組むための実践力を身につけることをめざして部落問題学習を進める。
子どもたちが仲間とともに主体的に部落差別をなくしていこうとする豊かな実践力を身につけるための活動を進める。
すべての教科・領域を通じて総合的に取り組みを進める。

(3)同和教育を進めるにあたっては、家庭、地域、関係する学校及び関係機関と密接な連携を図り、地域ぐるみの同和教育推進体制の確立に努める。

子どもの姿を通して同和教育の実践内容を家庭、地域、関係機関に届け、部落差別を解消するための共通課題を明らかにする。
学校間において、子どもの実態や課題等についての日常的な情報交換に努めるとともに、各学校における同和教育の実践交流を進める。
PTA活動に同和教育を位置づけるよう努める。
保護者や地域住民とともに、同和問題の解決をめざして地域に開かれた学校づくりに努める。

4子どもの健康、学力・進路を保障する取り組みの充実を図り、そのための学校づくり・環境づくりを進める。

(1)子どものいのちとくらしを守るため、その基盤となる健康保障の取り組みを進める。

部落差別が子どもの健康阻害をもたらしている現実を認識し、健康を保障していくための課題を明らかにする。
すべての教職員が健康保障において果たす役割を明確にし、すべての教育活動の中で健康保障の取り組みを推進する体制づくりに努める。
健康に関する課題を解決していくための条件整備に努め、教育内容の創意工夫や充実を図る。

(2)すべての子どもが部落差別を解消する生き方を通して自己実現を図り、未来を切り拓く豊かな実践力を身につけるよう学力・進路保障の推進に努める。

同和地区の子どもの低学力傾向や不登校・中途退学等の状況、進学率の較差等の実態を把握し、その課題の克服に向けた条件整備に努める。
同和地区の子どもの就労を保障していくための課題を明らかにし、関係機関と連携を深めながら、その解決に努める。
子どもが自分に誇りや自信をもつことができる教育内容の創意工夫を図るとともに、一人ひとりが大切にされる学校づくりに努める。
一人ひとりの子どもが主体的に力強く生き抜く力を身につけるための取り組みを進める。

 

社会教育における同和教育の推進

1社会教育関係者(行政職員・社会教育に関係するすべての人々)は、同和問題に対する正しい認識を深め、部落差別を解消するための自らの責務を自覚し、同和教育に取り組む。

(1)同和問題に対する正しい認識を深める。

部落差別は、現在の社会の中に厳存しているという事実認識にたち、その現状を的確にとらえる。
同和問題は、部落差別によって同和地区住民の基本的人権が侵害されているところに本質があるという認識にたつ。
同和問題の解決は、一人ひとりが自己にかかわる課題として自覚していくことを通して達成されるものであるという認識にたつ。
日本の社会に存在する様々な意識や慣習や制度の中に、部落差別を温存し、助長しているものがあるという認識にたつ。
被差別の人々の生きざまに学び、継承してきた文化について正しく理解する。

(2)部落差別を解消するための自らの責務を自覚し、同和教育に取り組む。

すべての社会教育関係者は地域社会に根ざした同和教育を実践する。
すべての社会教育関係者は同和問題の解決を自らの課題とし、差別を見抜く感性を高め、部落差別を解消する姿勢を確立するための研修に努める。

2行政と地域社会が一体となった同和教育推進体制を確立し、県内全域において部落差別を解消する取り組みの充実を図る。

(1)すべての市町村において、同和教育を推進する体制の確立をめざす。

すべての部局にわたる同和教育推進体制を確立し、行政総体での取り組みを推進する。
地域社会における同和教育推進の組織づくりに努め、部落差別の解消に向けた住民の自主的・継続的な取り組みを促進する。

(2)すべての市町村や関係機関と連携を深め、効果的な同和教育の推進に努める。

学校、関係機関及び社会教育関係団体との連携を密にし、地域ぐるみの同和教育の推進に努める。
同和教育の推進状況を把握し、市町村間の連携を図り取り組み等を交流するなかで、広域的な同和教育の推進に努める。

3社会教育関係者の同和教育推進のための資質向上を図る。

(1)同和教育担当者の実践力の向上を図る。

同和教育推進の取り組みを効果的に行うための理論と企画力を高める研修を推進する。
参加者が意欲的に取り組める学習を展開するための多様な学習形態・手法等を身につける研修を推進する。

(2)すべての行政職員に対して同和教育を推進するための研修を充実する。

行政組織において研修の推進体制を確立する。
継続的・系統的な研修を行う。

(3)同和教育を進めるにあたっては、家庭、地域、関係する学校及び関係機関と密接な連携を図り、地域ぐるみの同和教育推進体制の確立に努める。

地域社会のなかで、同和教育の指導者として活動できる人材を確保するとともに、その資質の向上を図る。
指導者が活動できる機会を設ける。

4地域社会の実態をとらえ、課題を明確にし、内容や形態に工夫をこらした学習活動を推進する。

(1)地域社会の実態を的確にとらえ、課題を明らかにする。

実態・意識調査や住民との懇談を通して、地域の実態を的確にとらえる。
実態・意識調査の分析に基づき、同和教育推進上の課題を明らかにする。

(2)地域社会における課題を克服するため、計画的・系統的な学習活動の推進に努める。

住民の生活課題に即した教材の開発と活用に努め、不合理な因習や差別を許さない社会意識の高揚を図る。
理論的理解を深めるとともに、感性にも訴え、意識変革を促すような学習形態の工夫に努める。

5生涯学習の場における同和教育を積極的に推進する。

(1)地域住民の自主的・組織的な学習活動を促進する。

教育集会所等における同和地区住民の学習活動の活性化を図る。
教育集会所等の施設を、周辺地区住民も含んだ学習活動の拠点とし、多様な活動を促進する。

(2)地域住民の自発的な学習活動意欲を喚起する取り組みを進める。

公民館等における講座・学級において同和教育の推進を図る。
社会教育関係団体の諸活動における同和教育の促進に努める。




 

本ページに関する問い合わせ先

三重県 教育委員会事務局 人権教育課 企画調整班 〒514-8570 
津市広明町13番地(本庁7階)
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