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保健・医療・福祉 総合情報

三重県社会福祉審議会議事録(平成18年3月28日開催分)

平成18年9月22日作成 健康福祉部健康福祉企画室

<目次>

  1. 議題  三重県社会福祉審議会委員長の選出について
  2. 報告1 「障害者自立支援法について」
  3. 報告2 「三重県次世代育成支援行動計画について」

開会

○福田健康福祉企画室長
 失礼いたします。定刻より少し早いですが、みなさまお集まりでございますのではじめさせていただきます。
 本日は、委員の皆様方には大変ご多忙の中、ご出席を賜り、誠にありがとうございます。
会議に入ります前に一言お断り申し上げます。
 県では、地球温暖化防止の一環として、環境負荷低減を図るために、冷房の温度を28℃に設定するとともに、快適に勤務することができるように、現在、夏のエコスタイルを実施しております。このため、本日もこのようなノーネクタイ等の軽装で出席しておりますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
 皆様方も楽にしていただいて審議にご参加いただければと思います。
 では、ただいまから三重県社会福祉審議会を開会させていただきます。
 会議に先立ちまして、三重県健康福祉部長 向井正治からご挨拶を申し上げます。

○向井健康福祉部長
 みなさん、こんにちは。ご紹介いただきました健康福祉部長の向井でございます。
 本日は委員の皆様方にはご多忙の中、ご出席いただきまして誠にありがとうございます。
 今、現在の福祉行政をめぐる情勢ですが、さまざまな制度改正が進んでいるところでございます。例えば、介護保険につきましては昨年10月にホテルコストの導入があり、本年4月には全面施行となりました。また、障害分野につきましては三障害を一本化する障害者自立支援法が4月から利用者負担について一部施行され、10月からは本格施行されます。少子化につきましては、合計特殊出生率が発表され、全国では1.25、三重県では1.29ということでしたが、日本の歴史局面始まって以来、人口減少に入ったと言われております。それにより、政府でもさまざまな施策が打ち出されるところと聞いております。
 先日、政府は来年度の概算要求の枠組を発表しました。景気は回復基調にあると言われていますが、国の財政面での圧縮基調は続いています。そういった中で様々な福祉問題について対応していかなければならないところですが、現在、県では総合計画である「県民しあわせプラン」がスタートして3年を迎え、一つの締めくくりの年を迎えています。同時に来年以降の戦略計画を策定する年でもあります。そういったことから、この審議会でも意見をいただきながら、これからの4年間に向かっての福祉施策のご意見を賜れば反映させていきたいと考えています。
 お手元にこの3年間を総括する「県政報告書」を配布させていただきました。インターネットにも掲載しておりますので、ご意見をいただきたいと思います。
 県民の方々一人ひとりが主体的に関わっていくことによって人と人との信頼が深まるものと思います。また、「新しい時代の公」というこれまでのパブリックだけが主体となる考え方から、幅広い主体により施策を展開していこうとしています。その施策の中にも「文化力」という幅広い視点をあわせて取り入れていくこととしています。
 本日は、さまざまな意見をお聞きして、施策に取り入れていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

○福田健康福祉企画室長
 事務局からご説明させていただきます。
 本日の委員の出欠についてでございます。三重大学の浅野聡様、同じく麻野雅子様、
名張市立名張小学校長の上森様、県町村会副会長の大野様、県労働者福祉協議会の小野様、県市長会長の河上様、公募委員の中谷様におかれましては、所用のためご欠席との連絡を受けております。
 本日、事務局といたしまして、健康福祉部長の向井のほか、関係職員が出席しておりますが、出席者名簿をもって紹介にかえさせていただきます。申し遅れましたが、本日の進行を務めさせていただきます健康福祉企画室長の福田でございます。よろしくお願いします。
それでは、会議に入らせていただきます。
本日の会議は、先ほど説明しましたとおり、7名の委員がご欠席されていますが、委員総数20名中13名の委員にご出席いただいておりますので、委員の過半数11名に達しておりますので、本会議は有効に成立しておりますことを、ご報告申し上げます。
 次に議長の選任についてでございます。議長につきましては、三重県社会福祉審議会要綱第4条に「審議会の議長は、委員長とする」と定めてございます。
 これまで委員長を務めていただきました土井委員長が委員を退任されましたので、三重県社会福祉審議会条例第5条に基づきまして、委員長職務代理である石井様に議事の進行をお願いしたいと思います。
 それでは、石井様、よろしくお願いします。

委員長の選出 

○石井委員長職務代理
 失礼いたします。委員長職務代理の石井でございます。
 それでは、本日の審議事項であります、委員長の選出について委員長が決まるまで私の方で進めさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
 委員長の選出につきましては、社会福祉法第10条の規定によりまして、委員の互選によるとなっています。この場で、皆様方の中でので、どなたか、ご推薦いただけませんでしょうか。よろしくお願いします。

○金津委員
 前回、県社会福祉協議会長の土井さんが委員長をされて、土井さんの後を森下氏が就任されました。よって、委員長についても森下氏にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 【異議なしの声あり】

○石井委員長職務代理
 ただいま、三重県社会福祉協議会長の森下様を委員長に推薦いただきましたが、皆様ご異議ございませんか。ご賛同いただける方は拍手をお願いします。

 【委員から拍手あり】

○石井委員長職務代理
 ありがとうございました。皆様から拍手をいただきましたので、森下様を委員長といたします。どうぞよろしくお願いします。

○森下委員長
 ただいまご推薦を賜りました森下でございます。力不足でございますし、不手際があるかもしれませんが務めさせていただきたいと思いますので、よろしくお力添えいただきますようお願いいたします。
 冒頭、一言ご挨拶を申し上げたいと思います。
 ただいま向井部長からのご挨拶にありましたように、大変厳しい福祉改革が進められています。世の中の流れに連動いたしまして、規制緩和、小さな政府、官から民へ、措置から契約へというふうに様々な改革が進んでまいりました。いわゆる基礎構造改革でございます。改革の意義は十分理解しているつもりでございますが、その裏で社会のなかの弱い立場の方々について、一部取り残されているといったことを認めなければならないと思っています。大変難しい局面でございますが、ここにお集まりの委員のみなさんの幅広いご意見・ご審議を通じて、よりよい福祉につながっていけばと心から願う次第でございます。どうぞよろしくお力添えの程をお願いしたいと思います。
 それでは、さっそくではございますが議事を進行させていただきたいと存じます。本日は事項書に従いまして進めますが、報告事項が2件であります。
 まず始めに報告事項(1)の「障害者自立支援法」について、事務局の報告をまずお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

報告事項1「障害者自立支援法について」 

○脇田障害福祉室長
〔別紙資料1に基づき説明〕

○森下委員長
 ただいまの事務局からの報告につきまして、ご意見、ご質問があればお伺いいたしたいと思います。高鶴委員さん、どうぞ。

○高鶴委員
 障害者自立支援法に対して一番懸念を持っているのは、県単事業である小規模作業所と生活ホームが今後どのように推移していくのかです。自己負担金の徴収がゼロということは今後あり得ないだろうと思っていますが、法施行により、入所施設については4、5人が退所していき、通所施設についてはかなり定員割れをしている地域があると聞いています。これまで小規模作業所を立ち上げ、法人化を進めながら、障害者が家に引きこもることなく社会参加できるように私たちは努力してきたのに、今回の法律によりどのように進んでいくのか、大変危惧しています。
 今、障害程度区分の認定調査が行われ、その結果が出てくると思いますが、介護保険がモデルであることから、知的障害がある人については、例えば朝、本人が起きようとしないから、「起きなさいよ」というふうに抱き起こすことがあったとしても、機能的に抱き起こさなければいけない人はおりませんし、褥そうなんて重複障害の人以外にはない。聞くところによると身体障害の上肢下肢の方は調査結果が思ったより高く出て、精神障害と知的障害ではなかなか高く出てこない、視覚障害や聴覚障害の方も高く出ないと聞きます。各種障害者手帳が交付されているのに非該当となった場合にはどうするのでしょうか。精神障害や知的障害の方は支援が必要だから、それぞれの障害者手帳を交付されているのに割り切れない思いになります。
 あと、福祉医療費制度(支援費医療)が国の事業でなくなって県・市町の事業となっていくと、かなりの負担になってくるのではないかと思っています。入所施設ではほとんどお金が残らないのに、一部の市を除いては、立替払をしなければならないが、戻ってくるお金が2、3ヶ月後になる。お金が戻ってきたとしても、次の診察の医療費に必要となるので、ほとんど自転車操業となっているのが実態です。できましたら、立替払をしなくてもいいようにしていただきたいと思っていますが、これを要求した場合、県の財政負担はどうなっていくのか不安に思っています。
 それから、成人施設に入所されている18~20歳の方については、障害年金も支給されておらず、親御さんの収入によって利用料が支払われている。私の子どもがお世話になっている施設でも20歳以下の方がいらっしゃいますが、着る物も買えない方もいる。私の子どものために買った靴について、サイズがあわなかったのでどなたかにあげてくださいと言ったら、施設職員が「あの人にあげてください」と飛びついて来られた。国はこの年齢の方への対策をとらなければならないと認識しているようですが、どのような形で行われるのか、もし情報がありましたら、お聞かせ願いたい。

○森下委員長
 ありがとうございました。大変切実なご意見でしたが、お答えできますか。

○脇田障害福祉室長
 先ほど資料で少しご説明しましたが、国では小規模作業所の運営費補助について「地域活動支援センター」へ移行することが想定されていますが、法人化や利用定員、職員配置の要件等で移行がなかなか難しい状況にあります。出来るだけ今の小規模作業所運営費補助制度を残しながら、新しい体系に移行できるところは支援していくように県と市町が協議しているところです。
 グループホーム・生活ホームについては、資料の26ページをご覧いただけますでしょうか。グループホームについては、施設で生活している人が親御さんの元気なうちから地域で暮らしていけるよう、三重県でも施策の目標として取り組んでいるところです。そういった中で、年金等の収入の関係もあり利用者負担も増える状況ですが、グループホームの移行支援として家賃補助を行っていきます。県内の平均家賃を調べまして、市町とも相談しながら3年間ですが、障害者団体からの要望もあったこともあり、平成18年度予算に盛り込まさせていただきました。このグループホームですが、国の報酬基準単価が低くなりました。これにどう対応していくか、大きな課題となっていまして、現場の意見を聞きながら今後検討していきたいと考えています。
 次に障害程度区分の認定ですが、おっしゃられたように知的・精神障害者の方の障害程度への反映がされにくいといったことが試行段階でも出ていました。A項目の79項目において反映されないと障害程度が低く認定される可能性があるので、認定調査員に対しては聞き方・視点等について研修会を開催してフォローアップをしています。それから先日は市町の審査会事務局の職員を集め、どういう問題があるのか意見交換会を行い話し合いをしました。審査会の判断基準についてはできるだけ平準化して、これまでサービスが受けられてきた方にはこれからもサービスが受けられるようにしていきたいと考えています。
 18~20歳までの障害児者への支援については、特別児童扶養手当を支給するといった議論もあったようですが、国の制度設計でもあり、自治体レベルでの検討は非常に困難かと思っています。

○森下委員長
 今の質問に補足してお願いしたいのですが、先ほどの資料(12ページ)に「障害児施設の利用が変わります」ということで、措置制度から利用契約制度に変わりますと説明がありましたが、例えば特別養護老人ホームでは措置は極めて限定的なものとなっていますが、先ほどの説明では措置はかなり多いと言われました。この点については何か根拠はあるのでしょうか。

○脇田障害福祉室長
 措置と契約の取扱については、厚生労働省から会議で「措置として取り扱う場合」の提示があり、保護者が行方不明であったり、精神疾患があるため行為制限や判断が難しい方あるいは保護者の虐待の例など「措置」に該当する場合がかなり多いと思われ、特別養護老人ホームの場合と比較して、措置による入所が多くなると想定しており、全体の3~4割になると思っています。先日開催された児童福祉専門分科会でも、措置基準について審議いただいたと聞いています。

○金津委員
 県のほうで小規模作業所についての検討委員会を立ち上げていただいているのですよね?県社会福祉協議会でしたかな?

○脇田障害福祉室長
 県社会福祉協議会に小規模作業所連絡協議会があります。

○金津委員
 その県社会福祉協議会の小規模作業所連絡協議会による検討と先ほど説明された県の検討とはミックスされているのでしょうか。

○脇田障害福祉室長
 小規模作業所については市町の関わりが強いのですが、県では4月以降、地域の県保健福祉事務所が管轄地域の市町と小規模作業所にヒアリングを実施し、また個別相談を受け、障害者自立支援法に基づく新体系への移行について意向を聞きました。その声を受けて、県と市町との間でどのような対策を講じればいいか、あるいは利用者負担をどのようにすればいいかといった検討の場を3回持ちました。今日も3回目の検討会を開いているところであり、要件等最終的なツメを行っている段階です。もちろん小規模作業所連絡協議会の研修会で何度も意向や希望をお聞きしております。

○金津委員
 私は小規模授産施設の施設長をしています。運営にあたって県と町からの補助金を頂戴しているのですが、経過措置期間である5年の間に施設のあり方について考えろということだと思い、利用者にアンケートを実施しました。その声を聞いていますと、やはり今の形態を持続して欲しいという声が非常に多い。小規模作業所として存続して欲しい、無くなってしまうと引きこもりの障害者を作ってしまうのではないかという不安がある。今のところにいたいという気持ちもあると思われますが、他の施設へ移ることや他の制度を利用することは難しいといったアンケート結果がでている。一施設のアンケートだけで全ての意見であるといったことは言えませんが、他の事業所にも同様の声があると思いますので、もっともっと議論してもらわないといけないかなと思います。
 それと先日、県職員の方に菰野町へ来ていただいて、障害者自立支援法の説明をしていただきました。その際には利用者やその保護者にも来ていただいてお話を聞いていただきましたが、県担当者は言明されませんでしたが、5年間のスパンのなかでどこまで今までの状態を続けてもらえるのか、わからない状況です。これは批判ではありませんが、今までの制度が無限に続くのがいいのですが、障害者自立支援法においてそうはならないことは理解しているけれども、具体的にその期限が迫ってきたときに、また同じ議論を重ねなければならないのでしょうか。先ほどの説明のなかで三重県版の制度づくりを検討していると言われたが、三重県は三重県としてやれる範囲で、国にはない、違った視点でこの障害者自立支援法を対象者のみならず、県民に対してもう少しアピールしてほしい。これが20数名預かっている一施設長の率直な意見です。

○森下委員長
 ありがとうございます。ご意見ということでお承りしますが、何かお答えいただけますか。

○向井健康福祉部長
 このご意見については、各方面からもいただいており、知事が市町長と意見交換する膝詰めミーティングや県議会などからも意見をいただいています。
 先ほど脇田が説明したとおり、国の制度設計にかかる部分が多いですが、県としましては障害者自立支援法の精神については間違っていないと思っています。障害者を保護する立場から自立を支援するという立場に立って、そのために必要なことを提供していくといった考え方は私どもも賛同しております。ただ、それを制度設計して、実際に適用していくなかでさまざまな課題が生じています。厚生労働省の当初の制度設計において適切なものになっていないことについては、施行4ヶ月経過して、現場で起こっている利用者負担の問題等、厚生労働大臣へ他県に先駆けて伝えていきたいと考えています。5年間の猶予はありますが、新体系へいかにスムーズに移行させるか、現場の方と意見を交わして国へも伝えていきたいと思います。
 また、さらに制度要望のなかでも国ではどうしようもできない部分もあります。例えば小規模作業所に対する支援等でありますが、そういった要望についてはどういったやり方がいいのか、財政上の制約もありますが、現場で使い勝手のいいものを考えていきたいと思います。

○森下委員長
 おっしゃるとおりだと思います。また一方で苦しいお立場だと思います。現場では、自立できない方に自立を、選択する力がない方に選択せよと言われて、地域移行ということで事実上、切り捨てられている。おっしゃられるとおり、国のシステムではありますが、障害者の分野に利用契約の考え方を持ち込んだことが間違っているという声が多いこともご承知おきください。

○宮村委員
 要望になろうかと思いますが、先ほど室長の説明のなかで安心させていただいたのは、5年間のあいだで障害のある人の行き場がなくならないようにするんだという力強い言葉をいただき、みなさんが理解して楽しみにしているご様子を私が拝聴してよろこんでいるところであります。
 障害者自立支援法のネーミングを聞いたときに「自立」と言う言葉が入っていて、非常によろこびました。私も障害がある子どもたちとともに長く生活をしてきて、彼らにとって自立とはなにかと一緒に考えてきました。もちろんADLの改善等もあるのですが、養護学校高等部卒業後の就労の問題が一番大きいと思います。18歳から60歳までの間で自立するということは就労することしかないのではと思います。この新しい法律において就労のための支援をどれほどするのか、楽しみに聞かしていただいておりました。
 3月18日の中日新聞記事の抜粋なんですが、6都府県11政令市が利用料1割負担にかかる軽減策を行うとあり、三重県もそれに含まれていました。とにかく三重県はすごいなと思いました。法律の施行に伴い、三重県は障害のある人や低所得者に対する配慮を前向きに考えていただいていることに対して非常にうれしく思い、先ほどの室長の説明になるほどと実感した次第であります。
 もう一つ、法律の施行で思ったことは、これで県庁にも障害のある人の雇用が進むんじゃないかなということです。現在、県等においては障害者雇用率が2.1%と記憶していますが、現在も私が以前勤めていました学校の卒業生が教育委員会事務局で仕事をしてくれていますけれども、これも障害のある人の雇用促進に対して前向きに対応していただいていることかなと思っています。企業には全労働者の1.8%の障害のある人を雇用するように求められていますが、知的障害者、精神障害者、身体障害者それぞれ「または」で結ばれているため、どうしても知的障害者の雇用が難しくなる部分があります。これは技術を取得するために時間がかかることが理由にありますが、精神障害者も含めて県が率先して姿勢を示していただければありがたいなと思っています。
 それに伴って、法律に違反している事業所がたくさんいると思いますが、そういう事業所が法律を違反しているのになぜ公開されないのでしょうか。このことについては、雇用促進協会が随分お骨折りいただいているのですが、何とか自立を進めるために、事務局に生活部の方は見えませんが、健康福祉部も影から支援していただければと思います。
 それと、県の施設である「はばたき」の事業を縮小させるという話を聞きましたが、差し支えなければ今の状況を聞かせていただきたいと思います。
 最後になりましたが、前回の審議会でも話しましたヘルパーの資質向上についてですが、介護保険法に基づくヘルパーについては、高齢者の心のケアについて研鑽をされていますが、障害のある人に対する心のケアについてはまだまだ進んでいないように見えます。また、さまざまな障害のある人に出会っていないこともあって、例えばダウン症の人はどういう人なのかといったことも言われる方もおり、机上では学習していますが、関わりがないために現場でとまどうこともあるそうです。ヘルパーを介護福祉士にスキルアップすることに向けた研修がこの秋から始まるそうですが、ぜひともその研修の中に障害のある人に対する理解とそのあり方について、時間をとっていただいて、心のケアにつとめていただけたらと思います。

○森下委員長
 今、質問が出たはばたきについて説明いただけますか。

○伊藤長寿・障害分野総括室長
 はばたきについてでございますが、この3月に県の更生施設としての一定の役割は果たしたとして休止状態になっています。更生施設については、今回の障害者自立支援法のモデル施設として活用していただくように考えており、現在、その運営を担う社会福祉法人の募集をしています。私どもの目論見としては来年4月に民間施設として運営していただきたいと考えています。
 また、雇用については障害者自立支援法の中で最も重要な点であると考えており、労働関係の部局とはこれまでも事業を一緒になって行っていますが、更に努力してまいりたいと考えています。

○森下委員長
 やり場のない意見が多いかと思いますが、特に意見がございませんでしたら次に移ります。
 ただ、宮村委員から意見がありましたように、三重県は障害者福祉に前向きに取り組んでいる県だと考えています。当事者がほんとうにつらい想いをしないようにご尽力をしていただきたいと思います。

報告事項2「次世代育成支援行動計画について」 

○太田福祉・子育て分野総括室長
〔別紙資料2に基づき説明〕

○森下委員長
 ありがとうございました。大変大きな課題でありますので、難しいと思いますが、ご意見・ご質問があればお願いします。

○田中委員
 次世代育成支援行動計画が施行され、取組の成果が進んでいるとお伺いし、嬉しく思います。いろいろな社会情勢の変動に伴い家庭環境も移り変わる中で、多様化する保育サービスに対応しながらも、いろいろな問題に出会う度に、子どもを取り巻く環境の変化や悲惨な事件等が報道される度に、保育園の果たすべき役割を考えさせられます。
 子ども時代を子どもが子どもらしく元気に育ち、生きる力を育み合う場を提供していく保育園でありたいと思います。
 次世代育成支援の取組がなされている企業があり、入園に際しての慣らし保育期間を設けたり、お子さんの具合の悪い時など、育児中のお母さんに対しての取組がなされているそうです。このような企業で働いてみえるお母さんから保育の大変さを理解されて保育士の仕事への気遣いやご協力をいただくようになりました。
 また、女性の社会進出や子育て不安から、年度途中の入所希望の需要の増加や多様化する保育サービスに応じながらも応じきれない保育士の働き手不足があるのが現状となっております。

○森下委員長
 いかがでしょうか。他にありますか。

○前田委員
 この前の児童福祉専門分科会でもお話させていただきましたが、子育て支援の取組は大変ありがたいことであり、大事なことであり、この少子化の中の取組として進めていただくことはとても賛成です。
 ただ、私は学校における相談を行っていて、子ども達の生の声を聞いているのですが、その中で思うのは、子育て支援の中で例えば子どもが病気になっても仕事を休めないときに、子どもをどこか預けられるような、ささえあいの中の11ページに書いてある病後児保育や休日保育といった事業は、働くお母さんにとっては大変ありがたいことだと思うのですが、病気の子どもをよその人に預けていくということは子どもに対してとても心苦しいことだと思いますし、預けられた子どもたちも健康状態が悪いときはお母さんに甘えたいのに、預けられてしまうと心身ともに休めないという気持ちになってしまいます。体調の悪いときに自宅でゆっくりお母さんのそばで休みたいのは子どもだけではなく、大人でも一緒だと思います。子育て支援という大きな取組の中には子どもと親が一緒にいられる時間を確保するという意味での子育て支援であることを是非声をあげて言いたいです。
 今日配られた新聞記事を見てうれしく思ったのは、子育てに配慮した企業経営に期待とか企業と連携をとるといった記事がでて、さきほどの説明を聞いてとてもほっとしています。大人の側から見た子育て支援ということに焦点をおいてしまうと、子どもと親の心の距離が離れてしまいます。なんでお母さんは病気の僕を、私を置いていくのだろう、僕より仕事のほうが大事なんだというように子どもは思ってしまいます。お母さんはなぜなかなか帰ってこないのだろう、僕はみんなよりどうして最後のお迎えになるんだろう、みんなは定時に帰るのに僕は延長なんだろう、休みなのに預けられるのだろうと思ってしまいます。親を必要とする時期は長い人生のなかでも一時だと思います。「親子の心が離れないような家庭」ができる子育て支援を是非やっていただきたいと思います。
 現場で子どもたちから聞くのは、お母さんがいないとか、お母さんは仕事で忙しくて話を聞いてくれない、どうしたらいいんだろうと私のところに駆け込んで来ます。そんな時には「お母さんにちょっと話を聞いてと言ってごらん」と答えますが、子どもたちからすると「忙しそうでそんな暇はなさそう」と顔色を窺っている感じがして、私の前で涙をボロボロこぼすお子さんがいます。このまま子どもが大きくなると不満をいっぱいためたまま我慢するようになって、その結果、不登校や引きこもりといった形に表れるようにもなると、何のための少子化対策なのかわからなくなります。
 心も体も健全な子どもたちを育てることを目指すのであれば、ぜひ乳幼児期の子どもと親がゆとりを持って一緒に過ごせる時間を作れるように、残業もしなくていいよう、企業も配慮していくような子育て支援をしていただきたいと思います。

○森下委員長
 ありがとうございます。他にご意見があればどうぞ。

○宮村委員
 17年度の取組状況について、いろいろご説明いただきましたが、昨年度、重点的に推進する主な項目のなかに、児童虐待に関わる相談体制の充実について重点課題であると聞いていましたが、今回の資料にその内容を探しかねますのでそのご説明と、毎年児童虐待件数が5百数十人あると聞いていますが、重点的に取り組まれたことによって少し減少しているのではないかと期待をしています。その数値について把握されていれば教えていただきたい。

○太田総括室長
 児童虐待の取組については、資料2ページの「②7つの分野で取り組む次世代育成」の「⑦保護を必要とする子どもへの支援」の中で虐待を受けた子どもたちの保護や対応について取り組んでいるところです。専門里親登録数を目標項目としてあげていますが、児童相談所の取組等についてはここで位置づけられています。
 17年度は重点プログラムとして児童虐待の問題に取り組んでいますが、相談件数については重点的に取り組むことによって少なくなるよりも、むしろネットワークが出来て早期に発見することによって相談件数が増えてくる時期があるのではないかと思っています。それがいつまでなのかわかりませんが、16年度は526件であり、17年度は533件と増加しているものの、伸び率は鈍化していると思います。ただし、県の相談件数だけが鈍化しているのかもしれません。実は17年度から児童福祉法の改正が行われ、市町の窓口でも児童虐待相談を受けることになっていまして、そういった意味から三重県全体では件数は増加しているともいえます。
 相談件数が多いから状況が悪くなっているということも考えられるかも知れませんが、早く発見して相談に行こうという体制ができているとも考えられます。十分な分析はできていませんが、市町と連携しながら取り組んでいるところです。

○森下委員長
 ほかにありますか。どうぞ。

○中嶋委員
 水をさすような発言をするかも知れませんが、先ほど太田総括室長が昭和22年からの出生率の変化を説明されていましたが、みなさんのご意見を聞いていますと、職場環境の充実や保育所のこと、児童虐待に対することなど、子どもを産みやすく、また育てやすくする金銭的な補助も含めた方策を言われていましたが、それでもやはり子どもの数は減っています。
 なぜでしょうか。これは人生観といいますか、生き様と言いますか、子どもをつくらない、独身貴族がいいと言う考え方で、経済的にも優雅に暮らせるほうを選択しているのです。こういう人生観、家族の大切さ、生き様の問題といったことを教育に取り入れなければならない。これは教えることですぐ効果がでるものではありませんが、教えだした子どもが成人に到達してはじめて家族は大切なんだ、子どもは3人持とうというぐらいの気持ちになると思います。
 人間であっても次の世代を作り、育てるという動物学的な責務に目覚めるはずです。現在、先進国どこでもそうですが、同性結婚を認める国まで出てまいりました。20世紀に科学が発達し、生活が向上した先進国ではどこでもグローバルな問題ではありますが、心の教育、生き様といいますか、自分の人生はどうするべきなのか、どういった生きがいを持つのかといったことを教育委員会も含めて考えるべきです。子どもを育てる環境ばかりに一生懸命になってお金で釣ったところで子どもは増えないということははっきりしているわけですから、やはり基本となるところは教育なのではないでしょうか。
 水をさすような意見ですが、このような基本的な問題も考えていかないと出生率
1.57以降の改善はみえてこないと思いますので、その視点からでも進めていただきたいと思います。

○森下委員長
 ただいまのご意見も本当にそうだなと思います。しかし具体的な対策も必要だと思いますので頑張っていただきたいと思います。中嶋委員がおっしゃられるように、生物学的な考察も必要かも知れません。大きな問題だと思います。全く制度のないところで子どもがどんどん生まれている国もあります。
 本当はもっと意見をいただきたいところですが、時間が超過してしまいました。ただいま出ました意見につきましては、県当局におかれましてはご考慮をいただきまして今後の福祉行政に反映していただきたいと心から願うばかりです。
 今日は施設の話はほとんど出ませんでしたが、児童養護施設には大変負担がかかっていると思います。また、報告事項1の関連でいいますと知的障害者施設もそうですが、本日の報告事項に関連する施設は大変失礼な言い方ではございますが、財政的に楽ではない施設が多くございます。市場システムにうまく乗って先頭を走るような分野ではありませんので、状況が厳しいことをご理解いただきたいと思います。
 本日の審議会はこれで終了いたします。

○福田健康福祉企画室長
 本日は長時間にわたり、ご審議を賜り、誠にありがとうございました。
 これをもちまして、三重県社会福祉審議会を閉会いたします。委員の皆様、本日はどうもありがとうございました。

本ページに関する問い合わせ先

三重県 子ども・福祉部 子ども・福祉総務課 企画調整班 〒514-8570 
津市広明町13番地(本庁2階)
電話番号:059-224-2305 
ファクス番号:059-224-3406 
メールアドレス:kfsoumu@pref.mie.lg.jp

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