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平成28年2月4日 教育警察常任委員会 会議録

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教育警察常任委員会

会 議 録

(開 会 中)

 
開催年月日     平成28年2月4日(木) 自 午前10時49分~至 午後0時8分

会  議  室     502委員会室

出 席 委 員     8名                      

             委 員 長      小島 智子

             副委員長       村林   聡

             委    員      山本 里香

             委    員      杉本 熊野

             委    員      稲垣 昭義

             委    員      津田 健児

             委    員      日沖 正信

             委    員      中森 博文

欠 席 委 員     なし

出席説明員   

      [教育委員会]

             教 育 長                             山口 千代己

             副教育長                            信田 信行

             次長兼総括市町教育支援・人事監(教職員担当)  木平 芳定

             次長(学校教育担当)                    山口  顕

             次長(育成支援・社会教育担当)             中嶋  中

             次長(研修担当)                       中田 雅喜

             教育総務課長                         長﨑 敬之

             教育政策課長                         宮路 正弘

             教育財務課長                         中西 秀行

             学校経理・施設課長                     釜須 義宏

             教職員課長                          小見山 幸弘

             福利・給与課長                         紀平 益美

             高校教育課長                         長谷川 敦子

             小中学校教育課長                      上村 由美

             学力向上推進プロジェクトチーム担当課長       山田 正廣

             特別支援教育課長                      森井 博之

             生徒指導課長                         芝﨑 俊也

             人権教育課長                         松村 智広

             保健体育課長                         阿形 克己

             社会教育・文化財保護課長                辻  善典

             研修推進課長                         大川 暢彦

             学校防災推進監                       清水 英彦

             特別支援学校整備推進監                  山口  香

             子ども安全対策監                      山口  勉

             人権教育監                          赤塚 久生

                                                  その他関係職員

委員会書記   

             議  事  課  主幹   西  典宏

             企画法務課  主幹  新開 祐史

傍 聴 議 員     なし

県 政 記 者     2名

傍  聴  者     1名

議題及び協議事項

Ⅰ 常任委員会(教育委員会関係)

 1 所管事項の調査

  (1)次期「三重県教育ビジョン(仮称)」最終案について

 

【会議の経過とその結果】

 

〔開会の宣言〕

 

Ⅰ 常任委員会(教育委員会関係)

〇小島委員長 調査に先立ち、当局より発言の申し出がありますので、これを許します。

〇山口教育長 一言、発言させていただきます。
 昨日2月3日、教育委員会定例会におきまして、県立高校教員2名の処分を行ったところでございます。1名は遺失物横領、1名はセクハラということでございましたが、公教育への信頼を著しく損なうものであり、改めておわび申し上げます。
 これまでも、昨年はリーフレット等を発行して注意喚起を一人ひとりにお願いしていたところではございますが、このような事態になりまして、これまで取り組んできたことについて、さらに深化を深める必要があろうと思っております。
 教員はそもそも、常に自己の使命と職責の重大さを認識して職務に当たる必要があると思っているところでございます。県教育委員会といたしましては、今後あらゆる機会を捉えまして教職員の服務規律の確保を徹底し、信頼回復と再発防止に取り組んでまいりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

 1 所管事項の調査

  (1)次期「三重県教育ビジョン(仮称)」最終案について

    ①当局から資料に基づき説明(信田副教育長)

    ②質問

〇小島委員長 では、ただいまの説明に対し御質問等がありましたらお出しいただきたいと思います。

〇山本委員 細部ではなくて構成上のことで、前回の教育ビジョンとこれからの教育ビジョンなんですが、前回は第4章というところで、それぞれのビジョンの実現に向けての役割の記述があって、そしてこの4の「行政」の役割というところに、これがいい言葉かどうかはあれですが、質の高い教育環境の創造ということが明記されていて、教育環境というのは広く本当にあるわけですけれども、そのことがあって、今回のものの中にもその環境整備という意味合いとかはいろんなところに出てきているんですけれども、最後のところで、ビジョンの実現に向けてっていうことの中にはさらっとというか、ほかのところにこういうふうな(資料を示す)、構成を変えたんですよね、変えたからこうなってるんだと思うんですけど、こういったことがちょっと薄いというかな、こういうふうに変えた意味、前回のときは最後のところにそれぞれの役割を個別に明記してあるんです、それは、このことを建前というか基本としてつくっているんだと思うんですけど、今回も一応同じような、ビジョンの実現に向けてという中にはこれの記載が薄いんですけど、それは例えばこちらのほうを強化したからとかそういう意味があるんですかね。そこの全体的な構成上のことでお伺いをしたいと思います。

宮路課長 今回、次期教育ビジョンにつきましては、三重県教育施策大綱の三重の教育における基本方針を載せさせていただいたり、三重の教育宣言の後ろに各役割を入れさせていただいておりますので重複になってしまうということもありまして、全体としては、今の教育ビジョンも詳しく書けば書くほど重複した内容がいろんなところに出てくるということで、見てもらいやすいように内容を精査する中で、最後の実施に当たってのところは、やっぱりPDCAを回して実行に移すことが大事だっていうことで、そこを重点に書いたということでございます。

〇山本委員 教育施策大綱っていう形があるしということで、全体としては言いたいこととかというのは基本的には同じなんだけど、その場所を、重複もあるからということで、この前段のところの、今言われたことは、こちらでいくと17ページからずっとある、ここのところでその役割は書いてありますね、20ページに。20ページに「行政」の役割っていうのは、下に6行書いてあるんですけど、ちょっと何か薄いような気がしたので、意味合いとしては同じことを言ってるんだと、まとめられた、ここがその部分ですよね、言われたところが。諸条件という、教育環境は教育条件でもあるしということを考えたときに、すごく薄くなってるんじゃないかなというふうには思うんですけれども、それは十分に網羅しているというお考えですね。

〇小島委員長 答弁を求めますか。

〇山本委員 確認だけ。

〇宮路課長 先ほども言いましたように、重複感とかをなくすために各施策の中で書ける部分は書かせていただいてっていうことで、ここには大きくまとめた全般的な役割ということで簡潔に記述をしておるところでございます。

〇山本委員 この件については最後にしますけど。
 ここの、「質の高い教育環境の創造」っていう言葉がすごくすてきだと思っていたんです。前回の、これをもっと以前に見せてもらったときに。そういうことからすると、内容の中には盛り込んだとおっしゃるわけですから、それは充実してもらわなあかんのですけれども、個別の施策の中にはもちろん描かれているとは思うんですが、ちょっと残念だなと思ったので。

〇小島委員長 ほかに御質問はございますか。

〇津田委員 学びのセーフティネットの構築の部分で、生活保護世帯に属する子どもたちの高等学校等進学率で、今回も卒業っていうことでなくて高校入学っていう目標を掲げて、入学率を目標を掲げてやっていると。教育委員会の考え方は、まずは進学率だということでございます。前回、みえ県民力ビジョンのときに外国人も同じような趣旨の質問をさせていただきました。外国人もやっぱり入学する率ではなくて卒業率、将来的には大学進学率だと思うんですけども、これは、次期教育ビジョンは4年後でしたっけ、やっぱり将来的には高校卒業率あるいは大学進学率を目標に、とりあえずはこうしたっていうことの確認をさせていただきたいと思うんですけれども、4年後は卒業率を掲げたいということでよろしいんでしょうか。

〇宮路課長 おっしゃるように、最終的なゴールとしてはやはり、貧困の連鎖とかっていうことを考えますと、まず高校へ行って、その次は就職、進学が同じようになっていくというのが理想かと考えております。まあ、4年後と言われますとちょっとそこはまだ現時点で難しいところ、この進学率を上げるだけでも大変なことやと思ってますので、まずここを4年間頑張るというのが第一義かなと考えております。最終的には委員がおっしゃるように、同じようにしていくっていうのが目標になっていくと思っております。

〇津田委員 生活保護世帯の高校等進学率は93.5%で、一般の方々は98%台で、どちらもまあ高いのかなと思うんですけども、ちょっと自分が気にしてるのは、飯野高校の外国人のコースがあるじゃないですか。果たしてあれが成功しているのかなと思うと、中退率だとか、この前も数字をちょっと挙げていただいたと思うんですけども、うまく機能しているのかなというような自分の心の中の疑念がちょっとあるもんで、やっぱり進学率だけに集中してしまうと、ああいうことになるのではないかという心配をしているので、やっぱり将来的には卒業率っていうのを目標に頑張っていただきたいなというふうに思います。

〇小島委員長 答弁は求めますか。

〇津田委員 以上でいいです。

〇小島委員長 ほかにございますか。

〇杉本委員 まず、策定主体のことなんですけれども、三重県と三重県教育委員会になるっていうことなんですが、けれども決めるのは教育委員会の議決で確定するっていうことなので、私はこれは三重県教育委員会の策定でいいのではないかと思っているんですね。理由はそこに書いてあるんですが、そうすると、こだわりますけれど、(資料を示す)ここは知事になるんですか、教育長になるんですかっていうのが気になるため、まずそこをお聞かせください。

〇宮路課長 今、検討しておるところなんですけども、教育長、それから知事にメッセージをいただくような形も一つ、案としてはあるからというところで検討しとるところでございます。

〇杉本委員 ぜひ教育長でお願いしたいと私は思います。
 私は、やっぱり今回の策定の手順はこれでいいのかなって思っています。関係性かな、手順というか関係性ですね。教育ビジョンは県民の意思を反映するっていうことで、やっぱり教育改革推進会議がずっと広く県民の声を、ツイッターを踏まえながら積み上げてつくって教育委員会で決定すると。それを実現していくために、県民の教育への思いを実現していくために、知事部局がどうやって施策をつくっていくかということになるし、みえ県民力ビジョン・第二次行動計画にどう反映させていくかっていうことになると思うんです。今回、やっぱりそこら辺の整理がこれでよかったのかなって思うのは、教育施策大綱もつくり、教育ビジョンも同時進行しながら、最後はみえ県民力ビジョン・第二次行動計画から入れましたとか、教育施策大綱から入れましたっていう形になっています。連携というのは、あってしかるべきやと思うけれども、やっぱり県民の意思を反映する教育ビジョンがあって、それをどう行政が反映するかっていうところが主流にあるべきやっていうふうに思っています。そこが一番気になるので、ここに三重県って書くのがいいかどうかっていうのは、私は書かないほうがいいっていうふうに思います。これは教育委員会が決定をし、教育長が責任を持ってっていうところが教育ビジョンだっていうふうに思っています。それはもう、意見として申し上げます。
 それから、まあいっぱいあるんですけど、いっぱい言うと1日以上かかってしまうので、また、まず125ページの学力のところについて、ずっと気になりながら今日初めて申し上げるんですけれども、求めている子どもの姿っていうのが取組の背景に書いてあるんですね。「自ら課題を発見し、その解決に向けて主体的・協働的に探究する力や、成果を表現し、実践に活かしていける力を、子どもたちに育むことが求められています」。これが私は、求められる子どもたちのいわゆる学力だなっていうふうに思っているんです。それを培っていくのはやっぱり教員の授業力やと思うんです。ところが、教員の授業力を高める手だてが、指導主事の学校訪問とか指導教諭の配置っていうところになっているんですけれども、アクティブ・ラーニングのことも触れてはもらってあるんですが、やっぱりそれぞれの学校の中でいかに授業研究を高めていくか、互いに校内で授業力を高め合う環境づくりがどれぐらいできていくかっていうところが、私は授業力の向上には一番大切やっていうふうに思っているんです。
 ここのことについて、研修担当の方として今まで一度も御発言を、次長にはしていただいてないんですけれども、授業力の向上について、この間、余り議論もされてこなかったし書き込みもないと思うんですけれども、私は本当にここを求めていく、本当に学力の向上を求めていくんであれば、そこの部分の記述がすごく必要だと思っているんですけれど、いかがなんでしょうか。

〇中田次長 おっしゃるように、子どもたちの学力を高めていく、幾つかの要因の中の大きな一つとして、教員の授業力の向上というのは大きな課題だと思います。私どものほうで教職員の資質向上とコンプライアンスの推進の101ページのところに、教職員の資質向上の部分はちょっと記載をさせていただき、また103ページの成果指標の部分で、授業で主体的・協働的に学習に取り組んでいると感じる子どもたちの割合というふうに指標をさせていただき、これには教職員の方々へのアンケートをとったとき、どういう研修をしたいか、どういう研修を受けたいかのときに、アクティブ・ラーニングであるとか、子どもたちが協働的に、また主体的に学べるような授業方法の工夫改善をということで、新たにネットDE研修を1本つくらせていただくとか、あるいは管理職研修とか悉皆研修の中にそれを入れていくとか、また自主的な研修をしっかり支援していくとか、各学校の主体的な研修を三重県総合教育センターとしてもしっかり支援していく、そういったような観点で、今、委員がおっしゃいました部分をしっかり入れていこうと思います。
 143ページをお開きいただけますでしょうか。143ページの授業力の向上の部分、教員の資質向上の部分、143ページのあたりに、今、委員がおっしゃったようなところを特に記載させていただきました。(1)授業力の向上、①の部分の4段目、「自主的研修の促進に向けた研究団体活動を支援します」とか、先生方の主体的、また自主的な研修もしっかり支援をしながら、学校が子どもたちにつけたい力をしっかり県教育委員会としても見据えて支援してまいりたいなと、そういう思いで記載をさせていただきました。

〇杉本委員 そこに記載があるのは十分承知をしております。で、やっぱり学力の向上の中核はそこだと思うんです。それが何らかの形で学力の向上のところに記載されてないから、余計に違和感を覚えます。なぜかというのは、目指す子どもの姿がそこに書いてあって、自ら課題を発見し云々ってなっているのに、何度も申し上げていますけれども、はかる指標が全国学力テストの平均点の向上っていうか、要するにテストにあらわれる点数だけ、学力テストの点数にあらわれる、点数に収れんされていくっていう形になっているので、やっぱり学力の向上っていうところが非常に狭い範囲で語られてしまうっていうか、そこがすごく気に、最後までやっぱりそこは気になっていて、やっぱり学力の向上の中核に当たる部分をここに書くべきやと私は思います。それはみえスタディ・チェックとかワークシートやら振り返る活動やらとか単にそんだけの問題ではなくって、もっと広いものが学力の向上には求められている、そこをやっぱりここに記載すべきやっていうふうに思っています。学力テストの点数はいいけれども、力のない子って、そういう形に教育をしていってはいかんと思うので、そのあたりの中核部分をきちっとここへはめ込んでいただきたいなっていうのを思います。学力テストの点数だけを競うような教育になってはならないというふうに思っています。
 それから、心の教育のところなんですけれども、131ページの。よく気になるのがやっぱり心の教育って気づきとか考えるっていうところがすごく心を耕していくっていう、見詰めていくっていうことが大事やと思うんですけれども、心配するのは、知識を教える道徳教育に流れていかないように配慮していく必要があるなって思います。ですので、132ページのところに、「私たちの道徳」を活用した道徳の授業参観の実施って書いてあるんですけれども、これをするのはいいんですけれども、これをしていなければ道徳教育をやっていないとか、これこそが一番大事なんだっていうことにならないように配慮していく必要があると思うんです。そういう、教科書に書いてある知識を教えるだけではちっとも心は育ちませんので、それは導入であったり、必要なときにそれが入っていくっていうのは大事やって思いますし、活用することも大事だとは思いますけれども、道徳教育、心の教育っていうのは、やっぱり気づきであったりとか考えたりすることであるとか、そういうことだと思いますので、体験の部分は入れ込んであるんですけれども、ともすると教科書を教える、そういうことにならないような形がいいと思うんですけれど、大丈夫かなっていうふうに感じてしまう記述内容ではないかなっていうふうに思っております。なので、とはいえ、そうはならないとは思うんですけれども、そのあたりがもし加筆できるようであれば、また考えていただければなっていうふうに思っているところです。
 それから、98ページの学校の適正規模のところなんですけれども、学校の果たす役割に配慮しながらっていう一文が入ったことはまあ評価できるかなとは思うんですけれども、この適正規模ってどこで決めている適正規模ですか。まずそれを教えてください。

〇宮路課長 ここで言う適正規模につきましては、県立高等学校活性化計画の中で県立高等学校の適正規模・適正配置っていう中に、適正規模っていうのを定めております。

〇杉本委員 もとの数字は国のですか。それとも県独自のですか。

〇宮路課長 国は、高校のほうは示しておりませんが、小中学校のほうは示しております。それを参考にしながら三重県の状況を考えて、今、三重県独自に、これぐらいが一番適切であろうということで考えております。

〇杉本委員 今後、その適正規模の議論を決めるときに、学校の果たす役割に配慮しながらっていうところも今回入りましたので、適正規模の数字っていうのが今後変わる可能性はありますか。

〇宮路課長 今後の教育改革推進会議であるとかいろんな協議会での意見も踏まえながらのことですので、可能性がゼロではないと思いますけども、ただ、長年続けて計画的に、こういうものでありますので、あんまりどっかで何か特に事情がなくて変えていくのもどうかなっていう意見もあります。

〇杉本委員 以前と違うのは、やっぱり人口減少の時代を迎えて、地方をどうやって今後創生していくかっていうことが課題になっていくっていうところが状況の変化としてあると思うんですね。なので、そんなところをしっかりと踏まえた適正規模の議論を今後していただけることを私は期待したいと思います。
 あと一つだけにします、いっぱいあるんですが。外国人の子どものことなんですけれども、133ページ、グローカル人材の育成のところに、多文化共生の視点っていうのがどれぐらい入っているのかなっていうのが気になっております。三重県ほど学校内に外国人の子どもたちがいる県はないわけですから、やっぱり異文化理解だとか相互理解とか多様な価値観っていうのは、そこで学べる部分がすごくあると思います。そういった取組は、三重県で、飯野高校もそうですけれども、今、みえ夢学園高校もそうですけれども、ほかの県と比べてやっぱり評価できる取組があると思うんですね。特に県立高校、小中ももちろんですけれども、県立は高いものがあると思うんです。まあ、課題はありますけれども。なので、そのあたりのところがグローカル人材の育成のところに視点として入ってくるっていうのが大事ではないかなって思います。そのあたりはどうでしょうか。

〇山口教育長 グローカル人材の育成ということで御指摘をいただいたところなんですけども、基本施策と重点取組っていうのがございまして、そこはもう御存じだと思うんですけども、やはり基本的なものは委員が言われたように、35ページ、36ページのグローバル教育の推進っていうところで、異文化理解とか多文化共生っていうようなことを記させてもらいながら、そして重点取組としてグローカルといって、グローバルだけじゃなしにローカルをきっちりと身につけてもらいたいということで、ここはちょっと重点にやっていきたいなということですので、学力の育成と学力の向上もありましたけども、我々としては基本的な話は前のほうで、これはやっぱり隅々まで三重県内の小・中・高校、特別支援学校の先生も子どもたちも家庭も御協力いただきながら基本施策を進めたいと。で、はっきり言って、指標としてまだまだ成果が低いよねっていうところ、5ポイントも進学率が低いとか、そういうところはやっぱり重点的に取り組まなあかんのではないかということで後ろへ持ってきとるっていうことで、構成としてはそういうような構成になっておりますので、今後そのあたりについても、グローカルのほうでも入れたほうがいいのかどうかということについては、今後検討させてもらいますけども、基本的には何回も出てくることは避けたほうがいいんではないかと。現場の小中の校長先生だとか県立の校長先生方の中からは、余り分厚いものをつくっても誰も読まへんもんで、できたらコンパクトにまとめてほしいなというような要望もいただいておりますので、そういうところで基本施策と重点取組って分けながらやってきておるということで、この35、36ページと133、134ページをどうリンクさせながら進めるかということについても、また御意見を賜れればと思いますので、よろしくお願いします。

〇杉本委員 こちら35ページに書いてあるのもよう存じ上げているんですけれども、後ろがグローバルじゃなくてグローカルだから余計に気になるんですよ。地方も視点に入れるんやったら、多文化共生のところはグローカルには必要ではないかっていうふうな考えで発言をさせてもらっています。でも、全体的にどちらかというと、県内に暮らしている外国につながる子どもであったり人の視点が、多文化共生のところは全体的なトーンとして弱いかなっていうのも感じているので申し上げております。でも、今後検討していただくということなので、ぜひ検討していただきたいのと、35ページのところが出ましたので申し上げますと、国際バカロレア認定校については、調査研究ということになっているので、それでいいのかなと思いますが、常任委員会で調査に参りましたら、なかなかハードルは高いようでございますので。まあ、知事の政策集にあるのでここへ書いていただいているんだろうなとは思いますが、なかなかハードルは高いなという感想を持っておりますが。うなずいていただいているので、そういうことで。
 以上でございます。

〇小島委員長 ほかにございますか。

〇津田委員 知事の思いを入れるかどうかは、最終案に対する議会の意見が杉本委員の意見だけになるとちょっと知事も困るかなと想像できると思うんです。そもそも、教育ビジョンというのは、教育基本法の第17条の教育の振興計画を求めなさいと。求めている団体というのは地方公共団体だと。地方公共団体の長は知事だと。やっぱり知事の思いを載せるっていうことは全然おかしくないので、私はそう思うのと、やっぱり教育長は選べませんけれども、知事は県民が選べますし、もっと厳密に言うと、教育委員会のトップは教育長じゃなくて教育委員長なので、そういうことを考えると、県民の代表である知事の思いと、実際教育行政をつかさどる教育長、両方の思いが出ていくっていうことは極めて普通なのかなっていう、最終案としての意見が2つあるっていうことで、バランスをとっていただけれなばと思っています。
 以上です。

〇小島委員長 ほかに御質問等ございますか。

〇山本委員 この次期「三重県教育ビジョン(仮称)」中間案に対するパブリックコメントの中で、議会に対するもので変更したところを先ほど説明していただきまして、この九十何名かの方から寄せていただいた中で、先ほどからちょっと出てました学力のこととかアクティブ・ラーニングについても大分たくさんの御意見をいただいているっていうことがあると思います。このことは、この教育ビジョンだけではなくて全体像の教育のあり方を三重県がどうしていくかということに大きくかかわっていきますので、今までもたびたびいろんな意見が出ているところだと思うんです。これについては意見もありますけど、今日はもう、この場では言いません。
 一つ、皆さんからいただいた中で、主権者教育の問題が出ておりますけれども、この主権者教育は本来ならば今までだってずっとしてこなければいけなかったし、そういう記述があってしかるべきだったのが、今回、18歳選挙権のことで、やっぱりこの中にきっちりと記述を入れておくべきことなんではないかと思うんです。そのことについてのお答えは、総合的な中で考えるというようなことが多分書かれていると思うんですけれども、まあ、私はよしとしませんけど、生き抜いていく力っていうことを言われるなら、それこそ主権者教育は生き抜く力だと思います。やっぱり自分自身の主体性を持って生きていくことが大切だと、多分、アクティブ・ラーニングだって、そういうことの勉強をさせていこうという思いはしっかりそのままあると思うんですね。表現として、生き抜いていく力に私は賛成しませんが、でもそういうふうなことで考えれば、大きな学力として、人権のところに入れるのか、どこに入れるのかっていうのはあると思うんですよ、それで人権教育が主権者教育であることも、私はイコールだとは思ってるんですが、例えばこの主権者教育についての記述について、これをやっぱりどっかにきっちりと入れないといけないと思うんです。もちろん主権者を育てる教育を(資料を示す)これ全部でしているんです。全部でしているんですけれども、パブリックコメントでも寄せられている部分も含めてで、そのことについてお答えいただきたいのが一つです。
 それと、こだわるようなんですけど、給食と食育の問題です。69、70ページです。本当に食育を推進するっていうことは、まあ、他人に胃袋をつかまれてしまっては生きていけませんので、ということも含め、今また、新たなわけではないです、いろんな食品の問題は起こってきておりますけれども、この69、70ページで、その中に、学校給食の充実、はもちろん大事だと思うし、学校給食を通して、生きた教材としての活用っていうことが食育の中のもちろん、小・中、高校は給食という立場は今、大きくはないけれども、小・中学校での食育の生きた教材としての給食っていうことを、ここにこんだけ書いてもらってあるんですよ。生きた教材だって。
 ですから、この観点からいって、中学校給食に関して、県内でも進行は大分していますけれども、やっぱり打ち出すべきだと私は思っています。ここに書けないまでも、お考えを私は聞きたいと思います。実施主体は市町です、市町の責任です、だから、それは越権行為になるっていうことではないと私は思うんですよ。だってここに小学校、中学校の給食のことやら朝御飯のこととかを書いてあるんですから。ということで、少し具体的に中学校給食、あるいは小学校は、大きな事情があってできないところが、してないところはほんの一部ありますけれども、食育としての中学校給食についてのお考えを聞いた上で、学校給食を食育の生きた教材として活用するというところの、自分自身の中で納得というか考えを持ちたいのですが。
 まあ、2つです。お願いします。

〇長谷川課長 主権者教育に関してでございますが、新たに、施策名として主権者教育というふうな項目は設けていないんですけれども、例えばキャリア教育の中で41ページの中に、社会へ参画する力の育成として、主権者として、社会への参画と貢献に対する意欲・態度の育成というふうな内容でありますとか、また政治的な教育ということも必要ということで、主権者としての自覚と責任および政治に対する関心を高める教育については、様々な活動を通して推進していきたいというふうに考えております。
 また、重点取組として134ページのところもあわせてなんですけれども、(4)となっております、意欲を持って社会に参画し、未来を切り拓く力の育成として③のところに、3行目でございますが、主権者としての自覚と責任および政治に対する関心を高める教育ということで、各教科だけでなく、総合的な学習、特別活動などを通じて推進をしていきたいというふうに記述はさせていただいているところでございます。

〇阿形課長 中学校給食のことについて、考え方ということの御質問だと思います。山本委員のお言葉をおかりして、市町、設置者の責任であると、越権行為になるということの前提の中、中学校給食を進めることは、生きた教材として給食の場、時間とを使うということ、そのことが非常に有効であるということは考えております。しかしながら、設置者の事情とかいろんなところはありますが。
 一方で、食育そのものを推進する上では、生きた教材である学校給食とともに、教科での指導であったり学校教育活動の給食以外の場面でも食育ということが推進されると考えます。教科での指導やそういったことで、中学校で給食をしていない学校の中ではそれが推進されていくよう助言をしていきたいと考えています。とはいっても各地域の現状を把握し、中学校給食の情報の収集や提供を未実施の市町には提供していきたいと考えております。
 以上でございます。

〇山本委員 ありがとうございました。
 まず、給食にかかわる問題ですが、文部科学省のほうも食育と給食ということは大きく位置づけているし、法によって義務教育では給食を提供することが基本になっている、ただ市町の問題だと。ただ、三重県全体として、皆さんが各市町から状況調査をして国へ出します、その状況調査の中で三重県は実施率が低いと。まあ、大分上がってきたと思います。けれども低いということになってて、まあ、数値を追うことだけが全てではないけれども、そういう、事実の数値ですね。目指す数値とか学力の数値とはちょっと違う、事実の数値ですよね。これは厳然たる政策というか、まあ、県がやってないにしても、自治体実施のそういう政策としての数値の現実は、大変ほかの県に比べて低いと言われている中ですので、やっぱり県としてどう取り組んでいくか、考えを持つかということが大切なんだと一つは思います。
 ですから、ここに生きた教材として中学校給食があるよという文言があるということが、そういうふうなことの指針であるというふうに理解をしてくれということだと思うんですけれども、あとはもう市町に実際いろいろな事情があるからということで、いろいろな順位をつけてそれぞれの市町がするに当たっても、このこういう考え方っていうのはとっても大事だということを、もう少しきつく示してほしいなと私は思いますけれども、この中に包含されているというふうに納得をいたしました。あるほうがいいですよねということですよね。
 それから、先ほどの主権者教育、もちろん就職をするときにとか職につくときにということで、キャリア教育の中にの位置づけであるとか、最後のところでありましたけれども、ひとつやっぱりこれは、今まで遅れてきているということをきっちりと認識して、教育の至るところにこの主権者教育という、まあ、これは当たり前のことなんですよね、書かなくったって本来当たり前のこと、個人を形成していくことを助けていく教育ですから当たり前のことなんですけど、特に、好みませんけれども、生き抜いていく力っていうのは、私はもうずっと考えてて、それこそしっかりした主権者として生きていく力をつけてやることなんじゃないかなっていうふうに、余り感心しないけど思いましたんで、そうしますとそれこそ大上段に構えていくことが、私は、細部に記述してあることはわかってますけれども、もう少し、例えば学力ということの中に入れていくことが必要ではないかなという意見を持っております。意見としてお示しします。
 終わります。

〇小島委員長 ほかにございますか。

〇津田委員 いいですか、最後にちょっと。
 135ページの英検準1級の話なんですけれども、今さら言ってももうだめなのかもしれませんけれども、英検にこだわらずに、TOEFLだとかTOEICも入れてもらいたいなと。例えばTOEFLが、今どういう計算をしているのかわかんないんですけど、600点以上だとか、TOEICが何点以上か、というのは、例えば(1)に海外留学とか書いてあるじゃないですか、海外の大学というのは英検を求めてなくて、やっぱりTOEFLだとか違うものを求めているんだと思いますけれども、学校の先生が英検、英検で集中してしまうと、やっぱり英検をわかっているから英検を教えようとすると思うんですけども、その中の一部TOEFLも何点以上だよっていう話になると、やっぱりTOEFLに関心が行きますし、また子どもたちにもTOEFLを教えようとする、だから、海外留学との関係の相乗効果も出てきますので、英検にこだわるっていうか、必要はないのかなというふうに、前も話をしたと思うんですけども、ちょっと要望としてさせていただきたいと思います。

〇上村課長 ここの数値は国の調査の数値を使っておりまして、そこの国の調査のただし書きの中には、英検準1級以上とは、英検準1級以上以外にTOEFLの何点以上ですとかTOEIC何点以上というようなものも含むというような記述がありますので、この数値というのはそれらも含んで示されているものなんです。さらに詳しい書き込みがなくて誤解を招くかもしれませんので、またその辺については考えていきたいと思います。

〇津田委員 そうであれば、私のような早とちりをする人もいるので、TOEFLだとかTOEICも入れてもらったほうがええかなとは思いますけど、それは皆さんにお任せします。
 終わります。

〇小島委員長 書き方については、御検討いただいてまたということでよろしいですかね。
 あと、ほかにございますか。

〇日沖委員 一つだけ済みません。私にとりましては、この教育ビジョンというものが膨大なものでありますし、なかなかこれを全部吟味して的確な意見を言うっていう力の乏しい面もありますので、細かい話になって申しわけないんですけれども、基本的なところの20ページなんですけれども、学校から行政までそれぞれの役割がまず基本として示していただいてあって、一番下の行政の役割のところなんですけれども、県と市町の主体的なそれぞれの役割っていうものが書かれているのがあって、もちろん理解はできるんですが、これを何遍も眺めとっても何か違和感があって、何かなというふうに思って見とると、とにかく後段で市町等教育委員会が義務教育、幼児教育に対しては自らの判断において展開して、説明責任を果たす役割があるんだということで、市町教育委員会の自立、自主性というものがきちっとここにうたわれているんですけれども、その前の行の、ちょっと細かいことで本当に申しわけないんですけど、「また、市町等教育委員会との意見交換、情報交換を密にし、その主体性も尊重しつつ」、この「も」が何となく県に従っとるっていう、つけ足しみたいな、この主体性が。それで、ここが「を」になればすっきりするんじゃないかなと思うんですけど、本当に細かくて申しわけないんですけども、何となく主体性も尊重しながら指導したんのやでという感じに受け取れてしまうんですけども、私だけでしょうか。ちょっと捉え方を。

〇宮路課長 これはまあ、議会の本会議でも御意見いただいたところだと思います、教育施策大綱について。今、ここの部分は、教育施策大綱の記述との整合を図って、教育施策大綱で記述されとる文章を入れてあります。ただ、今も、先ほどからも意見がございますように、例えば給食の問題でも県がもっとやるべきだとかっていう、県として全体の水準を上げるとか維持向上していくっていう県がやるべきことっていう意味の中で、こういう表現を使っているっていうことで、後ろにある主体性も尊重するというのは当然のベースとしてあるわけでございまして、いろんな中の施策には、もっと県が全体的にしっかりやるべきだっていう御意見もたくさんある中でのこういう言葉かなと。まあ、教育施策大綱と合わせながら様子を見て考えさせていただきますけども、ここは同じ表現でいったほうがいいのかなっていうことで、こういう記述をさせていただいてます。

〇日沖委員 教育施策大綱に合わせなければならないっていうことなんですね。

〇宮路課長 合わせなければならないっていうことではないですけども、本当に細かいところで、ここにこだわるかどうかっていうのは難しいところですけども、基本的にはここの部分は同じようなことが教育施策大綱でも書かれておりますので、そこから引用してきておるっていうことでございます。

〇日沖委員 じゃ、もう結構です。

〇小島委員長 よろしいですか。

〇日沖委員 はい。

〇小島委員長 ほか、いかかでしょうか。

〇中森委員 いろいろと目標値などを訂正、修正していただき、ありがとうございます。
 2点あるんです。1点目が98ページ、高等学校の特色化・魅力化の中の工業高校の専攻科について、積極的にこうやって整合していただいたということで、それはまあそれで、教育施策大綱の記載と整合していただいたんでいいんですけども、4年先と10年先を見込んだということからすると、北勢地域に工業高校の専攻科を設置しますという、ストレート過ぎて、例えば、どういう表現がええのかは別ですけども、「まずは」とか「北勢地域から」とか、「北勢地域をはじめ」とか、いろいろ含みがないと、将来、10年先、北勢地域に設置したらもうそれで終わりかみたいな誤解を何かしてしまうおそれがあるかなというような気がするので、ちょっと余りにもストレート過ぎかなという気がしたもんで、まあ、「まずは」とか「北勢地域から」とか、何か、いろんな表現があってもいいんではないかなというふうに思うんですけれども。まあ、そもそもこれは、主たる目的は技術者育成と地域に根差した若者が定着するようなものづくりであったりそういうところ、建設とか製造業に従事される方の直接若者が三重県に定着するということが基本にあるわけですよね。そこで、高等教育機関が流出するということで県内に勉強できる場をつくろうと、そのためには高校の専攻科も必要やねと、こういう動きがあって、北勢地域に多い工業高校の中に専攻科を設けると、一歩前へ出たということですわね。その流れを総合的に考えたら、そういう表現のほうがいいんではないかなというふうに思うんですけども、いかがでしょうか。

〇山口教育長 4年間の計画ということで、4年の間に「まずは」って言うと、4年の間にまだほかにもできるのかなとかいろんな考え方もあるもんですから、ここは4年の間には北勢地域にはつくらせてほしいなというイメージで書かせてもらったんで、今後、認知度が広がって各地域でこういう専攻科を設置してほしいっていう要望等が出てくれば、当然それは県政の中で考えていく話かなと思っております。まあ、北勢地域っていうことにこだわらずに、教育委員会としては子どもたち、あるいは若者の定着にいいものであればどんどん知事にも要求をしていかなきゃいけないなとは思っておるところでございますので、そのあたりは御理解をいただければなと思っております。
 以上です。

〇中森委員 よろしくお願いします、しかお願いできないですけども、そういう思いを御理解いただきたいというものです。
 もう1点、ここのページに関係ある小中一貫教育については、制度改正から積極的に取り組む中で、ここでは小中学校両方の教員免許を有する教員の適切な配置等に努めますということと関連して、実践していくたびに、小中一貫教育が進めば、6・3制そのものに対して、いろいろと国が決めることかもわかりませんけども、積極的に三重県からも6・3制をも見直すというんか、いいか悪いかは別やけど6・3制そのものもいろんな、フレキシブルに変えていったり、場合によっては就学前教育をも含めた一貫教育をいろいろと検討していくんではないかなと、動きにはなるんではないかなと、このような感覚を持ったりするんですけども、その辺がちょっとまだ10年先を見越してないんかなという気はするので、もう少し積極的な表現もあってもいいかなと思うんですけども、どうでしょうかね。

〇山口次長 小中一貫教育につきましては、義務教育の学校制度として、今、制度がまだ動き出すところでございまして、それに合わせて国費も活用しながら、県内でも先進的な取組を幾つか意欲的に進めていただいております。県としても全部を包括する形で幅広い視野を持った指導・助言、サポートをしてまいっとるところですので、御指摘を踏まえてさらに検討してまいりたいと思っております。

〇中森委員 ありがとうございます。
 まあ、夢のあるというんですか、子どもたちの希望とか未来のために、そういうような前向きな、さすが三重県やなというような教育ビジョンにしていただきたいなという思いでございますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。

〇杉本委員 県と市町との関係をもう一回質問させてください。
 先ほど、教育施策大綱があるから変えられないという御答弁だったんですが、前回の教育ビジョンでは「を」なんです。前回の教育ビジョンでは、「市町の主体性を尊重しつつ」、「市町の取組に対する一層の支援・協力に努めます」と。その前段に、「地方分権のさらなる進展が予測される中で、市町の果たすべき役割がますます重要となり、それぞれの市町が、自らの判断と責任において、地域の現状と課題を踏まえた教育行政を展開するという視点が一層重視されてくる」という認識を示されて、市町の主体性「を」尊重しつつなんですね。この地方分権の流れが、教育行政において変わってきているということでしょうか。そこをちょっと確認させてください。

〇宮路課長 現行の教育ビジョンと考え方を変えているつもりはございません。地方分権の流れも、地方創生という、余計進んでおりますので、そこは一切変えておりません。

〇杉本委員 変えてないけれども、「主体性も」っていうことは、変わっているんです。県と市町の教育委員会の関係が、明らかに地方分権から中央集権へと流れが変わってきたのかなって私は読み取れると思うんですけれども、そのあたりについてはどうでしょうか。

〇宮路課長 繰り返しになりますけども、県としてやはり積極的にっていう部分も必要かと思います。県全体の中で進めていく意味で、こういう表現が出てきたんだと思うんですけども、その役割分担であるとかそういうところについては、一切考え方は変わってないと考えております。

〇杉本委員 積極的に進めていくっていうことであれば、そのような表現にしていただきたい。より一層県の教育委員会として頑張るんやと。市町を支援するんやと。連携も強化するんやと。そういう形で書いていただきたい。これを「主体性も」って書いてしまうと地方分権から中央集権に、もう一回地方分権を弱めて、中央集権というか上からのそういうところを強化するのかなっていうふうにしか、これはとれないです。この表現の変化っていうのはそうとしかとれやん。そこをやっぱり、教育施策大綱のところがもとになっとるんやったら、そこへしっかりと言っていただきたいと思うし、私は、ほかの行政で、教育以外のところの分野でこんな表現は使わないと思いますよ。福祉であっても雇用、経済のところでも、こういう表現は使わないと思うんです。なぜここだけこんな表現を使うのかっていうところに、私は物すごい怒りを覚えますね。そこのところは、もう一度、ここでこんな意見があったっていうことを強く、戦略企画部のほうに伝えていただきたいと思います。
 以上です。

〇小島委員長 ほかにございますか。

                〔「なし」の声あり〕

〇村林副委員長 98ページの学校の適正規模・適正配置の部分です。先ほど杉本委員からも御質問があって、ありがたいなと思いながら聞かせてもらっていたんですけど、みえ県民力ビジョン・第二次行動計画のほうでこの適正規模・適正配置の記述の部分で、個別具体的に検討する事項であるという旨を記載していただきたいというように、この委員会で私から発しましたところ、最終的に議会の意見というところまでまとめていただいて、今、上がっていっとると思うんですけれども、先ほどもありましたとおり、この「学校の果たす役割」という一文が入ったことはありがたいですし、評価もいたしますけれども、議会の意見として上がっていった部分を反映していただいたとまでは、これでは言えないのではないかと思います。ですので、やはりこの適正規模・適正配置については個別具体的に判断する事項なのであるということを、以前の資料にありましたように記載していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

〇宮路課長 教育施策大綱の記載の件のときに、個別具体的な状況を踏まえて検討が必要な事項とさせていただいて、今度、みえ県民力ビジョン・第二次行動計画のときに、今、委員がおっしゃったように意見をいただきました。個別具体的な検討が必要な事項っていうことにつきましては、地域の状況であるとか学校の、今もおっしゃいました果たす役割であるとか学校の特色であるとかって、学校でそれぞれ違いますので、それを見ながら検討をしていく、考えていくっていう意味の個別具体的な検討でありました。で、個別具体的な状況で表現をしますと、わかる人にはわかるのと、それから、とり方がいろいろ出てくると思います。なので、ここで示した我々の意思としては、地域の状況、学校の果たす役割、または学校の特色、学科の特色などをトータルに考えながらやっていく必要があるというのが個別具体の状況だと考えておりまして、その表現のほうが一般にはわかりやすいということで、この表現にさせていただきました。

〇村林副委員長 それは今、個別具体的にいろいろ判断いただいておるということに関しては、感謝も申し上げますけれども、記載の部分はいまだに一律であるという部分がどうしても最終的には見えるわけです。この記載も前段にいろいろ書いてはいただいておりますけれども、最終的には適正規模・適正配置に取り組むという締め方でありまして、先ほど杉本委員からもありましたけれども、じゃ、その適正規模・適正配置というのはどうなんですかというふうにさかのぼっていくと、まだこの記述ではどうしても一律というふうに読み取れてしまう部分があるんですね。ですので、思いとして、あるいはやり方として、個別具体でやっていただけるというのであれば、ならばこそなお、この記述でそれが読み取れるように、例えば適正規模・適正配置についてはというところから始めて、最終的には個別具体的に判断いたしますというような、きっちりとわかるような明記の旨を、まあ今後、3月に向けてお願いしたいと要望して終わらせていただきます。

〇小島委員長 よろしいですか。

〇村林副委員長 はい。

〇小島委員長 ほかに委員方、ございますか。

                〔「なし」の声あり〕

〇小島委員長 最後に1点だけお願いします。全体的な話です。
 1ページに、「保護者、地域住民、市町等に対しては、このビジョンが示す理念の共有と、教育活動への積極的な参画、連携を期待しています」とあります。やっぱりこれだけ長い時間をかけて教育改革推進会議の皆さんにもいろんなことをお話し合いいただき、この中でもいろんなやりとりをさせていただくわけです。そして、学校の役割、それから家庭、地域、企業等、あるいは行政の役割ということも20ページに明記をされていますが、誰が責任を持って、この教育ビジョンで話し合われた理念、あるいは具体的にやっていただきたいことを家庭とか地域とか企業に伝えるかということが、非常に大きな問題だというふうに思っています。学校はその中の一つということで、この20ページには書かれていますので、全てのところに、学校から家庭へ、学校から地域へというような、それもありだとは思いますけれども、その1本の矢印で済む問題ではないと思いますので、誰がここに、この教育ビジョンの理念を届けていくかということもまた、ぜひこれからまたお話し合いがあるんでしょうけれども、どうしますかということはお話し合いいただきたいと思いますし、もしそのことが会議の中で出ているのであれば、少しここで御披露いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

〇宮路課長 おっしゃったように、実効性を持つ計画とするためには、やっぱり県民全ての、できるだけの方に知っていただいて、共感いただくことが大事かと。そのために、わかりやすくっていうのも必要ですし、それから今おっしゃったような伝え方のルートを幾つか持つ、いろんな形をしていくっていうことも必要だと思います。今までの議論の中でも、その方策っていうよりは、やっぱり周知をしっかりすべき、それから実行をしっかりすべきっていう意見はいただいておりますけども、今おっしゃった、学校だけでなくっていうような形の議論はされておりませんので、今後また検討させていただきたいと思います。

〇小島委員長 ぜひよろしくお願いします。どうしても内向きの議論になりがちだというふうに思いますし、求めているものはそうではないということがこの全体の中からも読み取れるわけですので、そのあたり、広がりを持った周知、取組をぜひお願いしたいと思っております。
 そのほか、全体にないようですけれども、よろしいでしょうか。

                〔「なし」の声あり〕

〇小島委員長 よろしいですか。
 では、なければ次期「三重県教育ビジョン(仮称)」最終案についての調査を終わります。

 2 委員間討議

  (1)所管事項調査に関する事項        なし

 

〔閉会の宣言〕

 

三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。

教育警察常任委員長 

小島 智子

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