このページではjavascriptを使用しています。JavaScriptが無効なため一部の機能が動作しません。
動作させるためにはJavaScriptを有効にしてください。またはブラウザの機能をご利用ください。

スマートフォンサイトへ移動

三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成28年度 委員会会議録 > 平成29年3月7日 予算決算常任委員会 会議録

平成29年3月7日 予算決算常任委員会 会議録

資料はこちら

予算決算常任委員会

会 議 録

(開会中)

 

開催年月日   平成29年3月7日(火) 自 午前10時0分~至 午後3時20分

会議室        全員協議会室    

出席委員     46名

           委員長     舘  直人

           副委員長    中嶋 年規

              委員        中瀬古初美  廣 耕太郎  山内 道明

                    山本 里香  岡野 恵美  倉本 崇弘

                    稲森 稔尚  下野 幸助  田中 智也

                    藤根 正典  小島 智子  彦坂 公之

                     濱井 初男  吉川  新  木津 直樹

                    田中 祐治  野口  正  石田 成生

                    大久保孝栄  東   豊  津村  衛

                    杉本 熊野  藤田 宜三  後藤 健一

                    北川 裕之  村林  聡  小林 正人

                    服部 富男  津田 健児  奥野 英介

                    今井 智広  長田 隆尚  日沖 正信

                    前田 剛志  舟橋 裕幸  三谷 哲央

                    青木 謙順  中森 博文  前野 和美

                    水谷  隆  山本  勝  山本 教和

                    西場 信行  中川 正美

欠席委員              芳野 正英

出席説明員

【予算議案及び予算関連議案に係る総括質疑】

       知事                         鈴木 英敬

       副知事                      石垣 英一

       副知事                      渡邉 信一郎

       危機管理統括監                稲垣 清文

[防災対策部]

       部長                        福井 敏人

       副部長                      東畑 誠一

       防災対策総務課長               米田 昌司

[戦略企画部]

       部  長                      西城 昭二

       副部長兼ひとづくり政策総括監        福永 和伸

       戦略企画総務課長               岡村 順子

[総務部]

          部  長                      嶋田 宜浩

       副部長(行政運営担当)            日沖 正人

       副部長(財政運営担当)              紀平  勉

       参事兼税務企画課長              横山 円吉

       財政課長                      下村 卓矢

[健康福祉部]

       部長                        伊藤  隆

       医療対策局長                  松田 克己

       子ども・家庭局長                岡村 昌和

       副部長                       井戸畑 真之

       健康福祉総務課長                野呂 幸利

[環境生活部]

       部長                       田中  功

       廃棄物対策局長                渡辺 将隆

       副部長                      森  靖洋

       環境生活総務課長               明石 典男

[地域連携部]

       部長                        服部  浩

       スポーツ推進局長               村木 輝行

       南部地域活性化局長             亀井 敬子

       副部長                      辻 日出夫

       地域連携総務課長               上村 一弥

[農林水産部]

       部長                       吉仲 繁樹

       副部長                      前田 茂樹

       農林水産財務課長              濵地 宣広

[雇用経済部]

       部長                       廣田 恵子

       観光局長                    水島  徹

       伊勢志摩サミット推進局長          村上  亘

       副部長兼雇用経済企画総括監       横田 浩一

       雇用経済総務課長              森下 宏也

[県土整備部]

       部長                       水谷 優兆

       副部長(企画総務担当)           山神 秀次

       副部長(公共事業総合政策担当)     永納 栄一

       県土整備総務課長              梅村 和弘

[出納局]

       会計管理者兼出納局長           城本  曉

       副局長兼出納総務課長           伊藤 久美子

[企業庁]

       庁長                       松本 利治

       副庁長                      小野 美治

       財務管理課長                 池田 三貴次

[病院事業庁]

       庁長                       加藤 敦央

       副庁長                      加藤 和浩

       県立病院課長                 岩﨑 浩也

[教育委員会]

       教育長                      山口 千代己

       副教育長                    木平 芳定

       教育財務課長                 中西 秀行

[警察本部]

       本 部 長                     森元 良幸

       警務部長                    中道 一輔

       参事官会計課長                射場 重人

[人事委員会事務局]

       事務局長                    青木 正晴

[監査委員事務局]

       事務局長                    小林 源太郎

委員会書記

        議事課  班長  中村 晃康

        議事課  主幹  吉川 幸伸

        企画法務課  主幹  羽田 香織

        企画法務課  主任  今井 宗直

傍聴議員  なし

県政記者   2名

傍聴者    10名

議題及び協議事項

1 議案の審査(予算議案及び予算関連議案に係る総括質疑)

(1)平成29年度三重県一般会計予算

(2)平成29年度三重県県債管理特別会計予算

(3)平成29年度地方独立行政法人三重県立総合医療センター資金貸付特別会計予算

(4)平成29年度三重県母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算

(5)平成29年度三重県立小児心療センターあすなろ学園事業特別会計予算

(6)平成29年度三重県立子ども心身発達医療センター事業特別会計予算

(7)平成29年度三重県就農施設等資金貸付事業等特別会計予算

(8)平成29年度三重県地方卸売市場事業特別会計予算

(9)平成29年度三重県林業改善資金貸付事業特別会計予算

(10)平成29年度三重県沿岸漁業改善資金貸付事業特別会計予算

(11)平成29年度三重県中小企業者等支援資金貸付事業等特別会計予算

(12)平成29年度三重県港湾整備事業特別会計予算

(13)平成29年度三重県流域下水道事業特別会計予算

(14)平成29年度三重県水道事業会計予算

(15)平成29年度三重県工業用水道事業会計予算

(16)平成29年度三重県電気事業会計予算

(17)平成29年度三重県病院事業会計予算

(18)伊勢志摩サミット基金条例案

(19)職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案

(20)職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例案

(21)三重県特別会計条例の一部を改正する条例案

(22)三重県安心こども基金条例の一部を改正する条例案

(23)三重県手数料条例の一部を改正する条例案

(24)三重県家畜保健衛生所手数料条例の一部を改正する条例案

(25)三重県道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例案

(26)三重県県税条例の一部を改正する条例等の一部を改正する条例案

(27)三重県都市公園条例の一部を改正する条例案

(28)公立学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案

(29)三重県立高等学校条例の一部を改正する条例案

(30)旧三重県立幼稚園教員養成所条例の一部を改正する条例案

(31)三重県総合博物館条例の一部を改正する条例案

(32)三重県立美術館条例の一部を改正する条例案

(33)三重県営ライフル射撃場条例の一部を改正する条例案

(34)三重県総合文化センター条例の一部を改正する条例案

(35)企業庁企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例案

(36)三重県病院事業庁助産師及び看護師修学資金返還免除に関する条例等の一部を改正する条例案

(37)病院事業庁企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例案

(38)三重県発電用施設周辺地域企業立地資金貸付基金条例を廃止する等の条例案

(39)農林水産関係建設事業に対する市町の負担について

(40)国営宮川用水土地改良事業に対する市町の負担について

(41)土木関係建設事業に対する市町の負担について

(42)平成28年度三重県一般会計補正予算(第7号)

(43)平成28年度三重県県債管理特別会計補正予算(第2号)

(44)平成28年度三重県母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付事業特別会計補正予算(第2号)

(45)平成28年度三重県立小児心療センターあすなろ学園事業特別会計補正予算(第3号)

(46)平成28年度三重県就農施設等資金貸付事業等特別会計補正予算(第2号)

(47)平成28年度三重県地方卸売市場事業特別会計補正予算(第2号)

(48)平成28年度三重県林業改善資金貸付事業特別会計補正予算(第2号)

(49)平成28年度三重県沿岸漁業改善資金貸付事業特別会計補正予算(第2号)

(50)平成28年度三重県中小企業者等支援資金貸付事業等特別会計補正予算(第2号)

(51)平成28年度三重県港湾整備事業特別会計補正予算(第2号)

(52)平成28年度三重県流域下水道事業特別会計補正予算(第3号)

(53)平成28年度三重県水道事業会計補正予算(第3号)

(54)平成28年度三重県工業用水道事業会計補正予算(第3号)

(55)平成28年度三重県電気事業会計補正予算(第3号)

(56)平成28年度三重県病院事業会計補正予算(第3号)

(57)農林水産関係建設事業に対する市町の負担について

(58)土木関係建設事業に対する市町の負担について

(59)平成29年度三重県一般会計補正予算(第1号)

(60)平成29年度三重県県債管理特別会計補正予算(第1号)

(61)平成29年度三重県立小児心療センターあすなろ学園事業特別会計補正予算(第1号)

(62)平成29年度三重県立子ども心身発達医療センター事業特別会計補正予算(第1号)

(63)平成29年度三重県流域下水道事業特別会計補正予算(第1号)

(64)平成29年度三重県水道事業会計補正予算(第1号)

(65)平成29年度三重県工業用水道事業会計補正予算(第1号)

(66)平成29年度三重県電気事業会計補正予算(第1号)

(67)平成29年度三重県病院事業会計補正予算(第1号)

(68)知事等の給与の特例に関する条例案

(69)平成29年度三重県一般会計補正予算(第2号)

【会議の経過とその結果】

〔開会の宣言〕

1 議案の審査(予算議案及び予算関連議案に係る総括質疑)

(1)予算議案及び予算関連議案(61件)

○舘委員長 それでは、質疑に入ります。
 まず、新政みえから御質疑をお願いします。

○廣委員 おはようございます。新政みえ、伊勢市選出の廣耕太郎でございます。
 今日は総括質疑をさせていただくわけですが、これは私、初めてでございまして、それで、総括質疑をずっと突き詰めていけば、何か議案質疑になってしまうんじゃないかなと。これはわからなくて、某先輩議員に「総括質疑と議案質疑はどこが違うんですかね」と聞きましたら、「そんな深く考えなくていいんだ」と。いろいろ、どんな質問でもいいと。何でもありやというふうに言われまして、何でもありという言葉は私、大好きなんですが、代表がそう言うんです、代表じゃない、某議員が言われ…、そういうことで、質問をさせていただきたいと思うわけでございます。
 予算にかかわる質問でございますが、私が来ると、私の一丁目一番地は、やっぱり県民の命を守るということで、防災についてというようなことでございますが、この防災については次回の一般質問のほうにちょっと残しておきまして、今回は、別に二丁目というわけじゃないんですが、そういった質問になろうかと思います。
 予算、初めて聞きまして、シーリングが55%というふうなこと、私も初めてで、えっ、シーリング55%ということは、何か税収が55%になったんかなと、えっ、こんなにまずいんかなと、低くなったんかなと思ったんですが、そういうわけではないんですね。ただ、財源が厳しいのはそういうことでございまして、ただ、本当に税収を上げなきゃいけないなというふうに私は思うわけでございます。
 政策的な予算が55%になったというだけの話でございますが、いかにして税収を上げなきゃいけないか。実際、県では下がっております。去年、2490億円のが、今年は二千四百五十数億円で、県税としては四十二、三億円のダウンとなっています。そしてまた、地方消費税も640億円から560億円と、大体80億円ぐらいダウンになっておる。ですから、この税収をやっぱり上げなきゃいけないなというふうなことが第一になってくるのかなというふうに思っております。この県の税収というのは、民間企業で言うと、利益なのかなと思うんです。
 私は、議員になる前は、民間企業で営業マンをしていました。そのときには、実際売り上げというよりは経常利益、いわゆるケイツネ、これをどれだけ上げるかというのでノルマを課せられまして、毎日もう朝から晩までずっと仕事をしておりました。三重の営業所の所長をしておりましたんですが、場所はヤマニの前ですね、そこに事務所を構えてずっと営業をしておりましたんですが、やっぱりノルマが厳しい。このノルマが達成できなかったら、我々は降格になるし、給料も下がるわけです。それが続いたら、次はもう会社をやめなければいけない。そういうふうな厳しいのがやっぱり民間企業です。私もノルマが達成できなかったら、「走れコウタロー」が「走れプータロー」になってしまうわけでございまして、何とかしてノルマを達成したらなあかんなというので、毎日本当に一生懸命仕事をしておったわけですが、じゃ、県の職員の方々の意識はどうなのかなと。本当に税収をがっと上げやなあかんという意識を持っておられるのかな、どうかなというのは、ちょっと疑問に思う点が多々あります。
 民間は、一生懸命利益を上げるためにいろんなことをやるわけですが、確かに先行投資といいますか、新しい事業をやろうと思うと、イニシャルコストがかかってくる。非常に厳しいです。そういうときに、やっぱり県がバックアップをしてあげるような、そういったことをするのが大切なのかなというふうに思っております。
 例えば、ポンジュースってありますね、愛媛県の。あれも、県のほうがかなりバックアップをした、そういうふうに聞いております。ポンジュースという名前、ネーミングですね、あの名前も、その当時の愛媛県知事の久松さんがその名前をつけたというふうに聞いておりますし、愛媛県は蛇口をひねるとポンジュースが出てくるという、そんな都市伝説も流れ、実際、松山空港の2階では、蛇口をひねるとポンジュースが出てくるんです。これも一つの宣伝になっておるそうなんですが、まあ言ったら、そういったことも大事なんじゃないかなというふうに思うわけでございます。
 そこで、今回は税収確保に効果的な事業について、ちょっと質問をさせていただきたいと思っております。
 まず、もうかる農林水産事業の実現を目指している農林水産課のフードイノベーション、これについて、お聞かせを願いたいと思います。

○吉仲部長 もうかる農林水産業を目指しての中で、今フードイノベーション課が取り組んでおる事業について御質問がありました。
 フードイノベーション課は特に、農林水産部の中ではちょっと異質といいますか、いろんなことをやっています。まずは、やはり農林水産業の皆さんにおいては、生産するものをいかに高く売っていくか、付加価値をつけていくかということで、6次産業化ということで御支援をさせていただいています。そういったことで、いろんな6次産業化の取組を支援しながら、それが製品につながっていくというようなことになると思いますし、あるいは、その延長線といいますか、それでさらにいろんな連携ということがやっぱり必要になってきます。例えば、いろんな食品メーカーに三重のミカンを使っていただくだとか、そういったものによって、例えばジュースが開発されていくだとか、あるいは、大手の航空会社と、その機内食に三重の食を使うことによってPRができるとか、あるいは、伊勢志摩サミットを契機にみえパンをつくっていただいて、今でもずっとそれがみえパンということで、それの中にいろんな三重の農産物、水産物が使われてくるというような形で、そういったことの支援をさせていただいています。
 いずれにしましても、農林水産業のいろんな視点を生かして6次産業化に取り組むこととあわせて、いろんなネットワークをつくっていくというような事業をさせていただいておるところでございます。

○廣委員 今、6次産業化でいろんなネットワークをつくっていくというような話がありました。例えばそのネットワークというのは、どのようにして、どんなネットワークをつくっていくのか、ちょっとお聞かせください。

○吉仲部長 フードイノベーション・ネットワークということで、いろんな、例えば大学、あるいは企業、そして生産者に声かけをしまして、自由に参加いただくというようなネットワークでございます。

○廣委員 ありがとうございます。そういったネットワークを利用して進めていくということは理解をさせていただきました。
 それでは、その三重の食を売っていくという話の中で、6次産業化もいいんですが、実は、前回もちょっとお話をさせてもらったかもわかりませんけれども、三重のお米ですね、結びの神という米を三重県が開発されまして、そして今、売っておるのかどうなのかということなんですが、実にいいネーミングだと思うんです。結びの神、神という名前をつけられるのは、やっぱり出雲か伊勢かというか、今回、伊勢志摩サミットがあったものですから、まさにこの今、一番耳にすっと入ってくるいいネーミングかなという、この結びの神をぜひもっともっと売っていただけないかなと思うんですが、もうそれを売る方策を考えていらっしゃるのかどうか、ちょっとそこをお聞かせください。

○吉仲部長 結びの神につきましては、県が今まで開発した中でヒットしたものだと思っています。12年くらい地道な研究を続けて、平成23年でしたと思うんですけれども、三重23号としてデビューをしました。それを今、結びの神という名前がいいというネーミングが、実は知事がネーミングをさせていただいておるところでございます。それで、それを、やはり冷めてもおいしいとか、そのものが大変我々で自信を持って勧められるものですので、実は、今まで首都圏なんかには弱かったんですけれども、3年ほど前から、三重テラスもありまして、そういったところを通じて首都圏のいろんな米を扱うところへいわゆるプロモーションをかけまして、そこを拠点として徐々には増えていくというような足がかりをつかんでいます。あるいは、関西でいきますと、生協と組んで結びの神のPRをやるとかいうことでやっています。
 それで、今後どうしていくかということなんですが、当然JAとか関係市町との連携のもとですけれども、しっかりつくるということをやっぱりベースにしながら、特に東京オリ・パラへ向けて、伊勢志摩サミットで少し注目を集めましたし、プレスセンターでも結びの神を提供して好評を得ましたので、そういったことをPRしながら、首都圏であったり、引き続き関西等へうまく売り込んでいきたい。当然、三重県の中でも認知度を高めていくことは重要だと思っております。そういうことをやっていきたいと思います。

○廣委員 ありがとうございます。
 結びの神の作付面積というのは、確かに問題はあるかと思うんですが、ただ、鶏と卵で、売れるものならつくっていこうと。私も知らなかったんですけれども、せっかく知事がネーミング、名前をつけられたんなら、なおさら力を入れて売っていただければというふうに思っております。
 そこで、また違う視点なんですが、フードイノベーションの今回の来年度の予算は、1億6000万円ぐらい計上しておられるわけですが、実は、今年度も1億数千万円の予算の中で、大体1億円執行していなかったのかなというふうに思います。調べてみますと、昨年度も1億6000万円予算を計上しておるのに、1億3000万円返しておるんですか、執行していないんですか、三千数百万円しか執行していないんです。何のためにこんなに予算を計上したのに使っていないのかというか、そこら辺の理由をお聞かせください。

○吉仲部長 今のは、みえフードイノベーション総合推進事業のことだと思いますけれども、確かに最終補正で今回も減額をいたしました。この事業については、基本的に国の10分の10事業ですので、そういったものを我々で有効に活用したいという大前提はあります。そういう中で、やはり事業者の、先ほど最初に申し上げました6次産業化とかそういったものにソフト、ハードで支援できる事業ですので、普及所を通じてある程度聞き取りといいますか需要調査をして、大体予算計上させていただいておるところですが、過去、平成25年、26年の実績が1億五、六千万円くらいといったところでありましたので、そういったものに対応できるような予算規模ということで、去年も一昨年も計上させていただきました。
 ただ、国の10分の10といえども自己負担がございますので、そういった経営判断ですとか計画の熟度がちょっと足らなかったということで、やろうとしておった人が手をおろしてしまうというようなことがありましたので、結果的に我々もちょっとフォローをさせていただいたんですけれども、事業に取りかかれなかったということで、執行しなかったというようなことでございます。
 それで、今年も同じ額より少しまた上乗せして要望しておるじゃないかという御指摘やと思うんですけれども、それは、今年は事業を統合しまして、少し入れた格好でこの事業を組みましたので、予算規模としては、補助事業としては大体同じくらいの規模を要望しました。それとあわせて、今回からこの補助メニューが、今までは補助率が10分の3だったのですが、中山間等においては2分の1という、少し有利な制度に変わりましたので、これは、せっかくこういうふうにして制度が有利なことになるので、もっと使っていただきたいという思いと、少し要望を聞きますと結構いけそうなところもありましたので、今回はそういう格好で要望させていただいておるところです。
 いずれにしましても、しっかり制度を周知させながら、しっかり掘り起こしといいますかフォローをして、せっかく予算を確保したからにはしっかり執行できるように努力していきたいと思っています。
以上です。

○廣委員 熟度が達しなかった云々って、私もよくわかりませんが、せっかくとった予算でございますので、執行していただけるようにお願いをしたいと思っております。
 あと、これは濱井議員もちょっと言われたかと思うんですが、みえ農業版MBA養成塾というのが、一般質問でありましたが、私はそのMBAを取るといいますか、これは資格試験なのかなと思うし、それで資格を取ったら、その資格を取ってどういうふうなメリットがあるのか。また、それはどなたが合否をつけるのか。そういうところをちょっとお聞かせください。

○吉仲部長 MBAという名前で講座は開設をいたしますけれども、資格を取得とかいうことではございません。要は経営力のある、将来法人をしょって立つような、例えば伊賀の里モクモク手づくりファームが今本当にあれだけ大きくなられまして、ああいうところの中心の経営者になるような人物を育てたいということで、三重大学の大学院と連携して相互に講座を受講できるような仕組みをつくりながらやるということでして、そこを出られた方は将来確実に経営者となっていくというような形で、それを全面的にサポートするということで、そういった講座を開設するのとあわせて、地域、それから市町、我々県、そして、できれば金融機関等も含めて、支えるための協議会をつくってしっかり定着させていくというような仕組みをつくっていきたいという、全体でやっていくということですので、MBAの塾を卒業したという免許みたいなものではございません。
 以上です。

○廣委員 それは塾ということでございますので、定員とかそういったものもあろうかと思います。大体どれぐらいの受講生を目指しておられるのか、目標数値ですね、そういうところもあれば、ちょっとお聞かせください。

○吉仲部長 今申し上げたような経営者の育成ですので、大体5人くらいまでだと思っています。3人から5人くらいにしっかりそこで勉強して巣立っていただければなというような形で思っています。ただ、それは増えれば非常にありがたいんですけれども、今、集中的にそういった経営者となりますと、そんなにも、10人もということにはならないなというふうに考えています。

○廣委員 今後、もうかる農林水産業だったら僕もしたいなという人が、増えてくるかもわからないと思うんです。今5人というふうに言われましたけれども、もしも増えてきたときには、それは十分対応はできるものなんでしょうか。

○吉仲部長 それはもちろんありがたい話でして、対応はします。ただ、やっぱり最初のスタートが肝心やと思っていまして、しっかり、3人にしろ5人にしろ、そういった人たちを輩出できる講座にするということに全力を挙げていきたいと思っています。

○廣委員 ありがとうございます。
 それでは、次にちょっとこの食の問題につきまして、三重県のものを売っていって外貨を稼ぐ、これは非常に大事なことだと思うんですが、この食に対して売り出すときに、雇用経済部と農林水産部とで、同じようなことをというか、やっておられるような気がするんです。そのすみ分けというのはどういうふうになっておられるのか、ちょっとお聞かせください。

○吉仲部長 我々は1次産業をつかさどるところでして、例えば農林水産の生産現場、それでしっかりいいものをつくり出していく、そして、それを加工したりいろんな形で使う、いわゆる食品産業の部分が雇用経済部ということで、絶えず連携はさせていただいておるところでございます。

○廣委員 例えば食のフェアなんかをやる場合、仮に東京駅で三重県の食の、松阪市がそういったことで出ると。そういうときに、県としても協力していこうかというときには、これはどちらがどういうふうにして協力する、2つとも行くんですか。

○吉仲部長 連携してということになると思うんですが、例えば東京とかマッチング交流会とかがあるわけですけれども、これはどちらかというと企業というか実需者の皆さんに農林水産物を買ってほしいという場を設けますので、どちらかというと食品業界を主としてしたほうがいいですので、雇用経済部が主体となってやるということでやっています。場合によって、そういうものがどういうことに重きを置いとるのかということで、御相談に乗りながら対応させていただくことになると思うんですが、基本的には、もう一回言いますけれども、生産物とか何かをしっかり売り込むというときには、我々がしっかり前面に出させてもらいます。それを食品産業として、例えばサービス産業を中心にしたような形のものであれば、雇用経済部が窓口をさせてもらいます。

○廣田部長 雇用経済部のほうで、みえ食の産業振興ビジョンというのを策定しております。それは、先ほどの水産物、農産物、林産物、そういう素材を磨き上げて、そして、それで商品開発をして、そして、流通に乗せて販路拡大をして、そして、そこにかかわる雇用関係というか、飲食業、それから土産物店、そういうサービス産業系についても雇用が広がったりとか、あるいはレベルアップしたりするように、人材育成するようなところも含めて全体の絵を描いているのが雇用経済部ということになります。
 ですので、三重県の、フェアというふうに委員からおっしゃいましたけれども、もちろん第1次素材も含めて、加工品も含めて海外へ売っていく、あるいは国内での販路開拓をするというようなところは、全て私ども雇用経済部で担っております。
 連携というふうに吉仲部長が申し上げましたのは、その素材をどう加工していったらいいのか、あるいは素材そのものを消費者の皆さん、あるいはBtoBでビジネス業界の皆さんに売るときには、もちろん雇用経済部が主になって農林水産部と連携をして情報発信していくと、そういうふうに御理解いただければというふうに思っております。

○廣委員 ありがとうございます。ちょっとうわさで、そういったフェアがあると両方から来るんやというようなことを聞いたことがあるものですから、そういった横のつながりといいますか、情報交換を密にしていただきたいなと、そういうふうに思っております。
 雇用経済部は、去年は「高み」という言葉を使われまして、今年は「稼ぐ」ですか、すごくいい言葉だなというふうに私は思うわけですが、観光の産業化の推進というのをずっと続けておられて、それについてどれだけ推進されて、今後どうしていくのかというのをちょっとお聞かせください。

○水島局長 観光産業というのは、もちろん集客をしていただくということで、純粋の観光関連産業はもちろんなんですけれども、例えば農林水産業、旅館とかで提供する食事とか、土産物とか、周辺にまつわるサービスとか、運輸とかいろんな部分で、非常に裾野は広い産業と言われております。ですので、観光、お客さんに来ていただくということを核に、いろいろな産業のほうにその効果というのが広がっていくということをできるだけ進めていきたいと。旅館だけがもうかればいい、ここの施設だけがもうかればいいというんじゃなくて、その地域にいかにお金を回していくかということを意識して取り組もうということでやっております。

○廣委員 ありがとうございます。そういったところへたくさん観光客に来ていただけるよう、これからもいろんな方策を講じていただきたいと思うんですが、観光客のことでちょっとお聞きしたいんですが、今回、観光については、MICEとかいろんな誘致を考えていらっしゃるというふうに聞いております。じゃ、実際、具体的にどういったセールス方法を用いるのか。PRしていきますとは言うものの、どういうふうにPRするのか。CMでやるのか、雑誌でやるのか、SNSも含めて、具体的な方法をちょっとお聞かせ願いたいと思います。

○水島局長 やはり情報発信ということになりますと、できるだけたくさん露出するということが大事になりますので、ボリュームというのも大事なんですけれども、例えば媒体とかを使おうと思いますと、当然それにコストがかかりますので、費用対効果としてどうなのかということもありますし、予算の厳しい中でどこまでかけるんだということになってまいります。そのあたりは、一般のそういう有料の発信みたいな部分と、それから、例えば今、インフルエンサーとかブログがお好きな方とか何かで来ていただいた方に発信をしていただく、これはもう無料でございますので、できるだけそういうような、来ていただいた方に投稿していただく仕組みみたいなことも、ちょっと考えていく必要があるのかなというふうには思っています。
 具体的な対策としては、当然、団体旅行みたいなツアー、これも大事なものなので、旅行会社とかそういうところはしっかりPRしていくことも大事ですけれども、一方で、今は個人旅行ということで、もう御自分でいろいろインターネットとかで検索をして、御自分で行き先も決めて旅程も組んでということになりますので、そういう方々に、全世界でいろいろ観光地はあるわけなので、その中でいかに三重県というものに関心を持ってもらうか、まず振り向いてもらうかということを意識して取り組んでいきたい、このように考えております。

○廣委員 ちょっと具体的といいますか、ちょっと抽象的といいますか、具体的にマスメディアは使っていくのかとか、紙媒体は使っていくのか、そういうことはあり得るんでしょうか。

○水島局長 当然、マスメディアの効果は大きゅうございます。昨年も「ブラタモリ」とか「アド街ック天国」とか、そういう全国ネットの人気の番組で三重県を取り上げていただくと、翌日になるとすぐ県外のお客さんから、テレビで映ったあそこはどういうところなんですかとかお問い合わせがございますので、当然そういうマスメディアの力というのは物すごいものがあるというふうに思っています。ただ、その番組を例えば買うとかいうことになると、これまた莫大な予算がかかりますので、いかにそういうことじゃなくて話題でほぼ予算をかけずに取り上げていただくかということも大事になってくるかと思います。
 一方では、いわゆるブログとかそういったもので非常にフォロワーの多い方もみえますし、例えば、みえの国観光大使でやっていただいているような方々とか影響力のある方々に発信をしていただく、取り上げていただくということで、この分は無料で拡散をしていくということになりますので、そのあたりも、いかに皆さんの歓心を買うようなところのテーマをうまく取り上げていただくかということを仕掛けていくというのが大事なのかなというふうに考えています。

○廣委員 今、「ブラタモリ」とかいろいろ出てきましたけれども、これはたまたまそういうふうに取り上げてもらったわけで、三重県がアプローチしてそういうふうになったわけじゃないと思いますので、極力そういった動きもしていただきたいなというふうに思っておるわけでございますが、こういった、いわゆる観光客を増やしていくんやという、これは非常によくわかるんですが、例えば民間で言えば、先ほど言わせてもらったように、僕らはノルマというのがあったわけです。そういうことを考えると、昨日の前田議員の一般質問でありましたけれども、大体、観光客がこれだけ、こういう推移になってきますというようなのがあったんですが、県としての目標数値といいますか、それがわかれば。我々はこれぐらいの数値を目標にやるんだというものはつくっておられるんでしょうか。

○水島局長 今、三重県の観光の目標というのは、観光消費額というのを目標にしておりまして、これを平成31年度までに5000億円以上にするというふうにしております。観光消費額というのは、入込客数掛ける消費単価ということになりますので、当然来ていただくお客さんの数を増やすということも大事なんですけれども、もう一方では使っていただくお金、これを増やすということで、両面で取り組んでいる。数も増やしたいけれども、使っていただくお金も増やしていきたいということで考えております。
 特に、消費単価を増やすというほうでは、やはり滞在時間を延ばしていただく。1カ所行ってすっと帰られたんでは、使うお金も限られていますので、もう一カ所行っていただく、もう一食食べていただく、もっと言えば、もう一泊していただくというような形でやっていく必要があると思っていまして、そのためには周遊性を高めるということで、ここだけということじゃなくて、その周辺にはこんなことがありますよとか、こんな楽しいことがありますよということを、いろいろ連携して出していくということが大事かということで取り組んでいきたいというふうに考えております。

○廣委員 客単価を上げていく、確かにそうだなというふうな気はいたします。それを考えますと、私が伊勢市選出だから言うわけじゃないんですが、伊勢神宮に参拝される方は、年間で今年は873万人おったんですかね。ルーブル美術館が860万人と聞いていますから、それよりも多い方々が伊勢に来ておられる。その方々の単価を少しでも上げれば、物すごく経済効果は上がっていくし、いいんじゃないかなと思うんですが、そこら辺のお考えはないんでしょうか。

○水島局長 御指摘のとおりでございまして、お伊勢さんにそれだけの数が来ていただいておると。ですから、この方々に、例えば熊野のほうへ行っていただくとか、それから斎宮というのもありますよとか、それから、帰りのほうには伊賀へ行ったら忍者がいるんですねみたいな形で県内を回っていただく。お伊勢さんからそのまま高速に乗って帰られたんでは、やはりもったいないので、それをどうするかということにしっかり取り組んでいかなきゃいけないと思っていますが、そのためには、やっぱりそれぞれの地域でそのお客様方の歓心を呼ぶようなものというもの、素材というのはいろいろあると思いますので、それを磨き上げていく、それと、それを有機的にうまく、相手に刺さるように発信していくことが大事かというふうに思っております。

○廣委員 ありがとうございます。リサーチによりますと、何か伊勢へ来たらそのまま和歌山のほうまで抜けていってしまうというような話も聞いておりますので、ぜひ三重県のほうで泊まっていただけるような施策を考えていただきたいと思います。
 あと、ちょっとこれは違うんですが、航空宇宙産業、これも税収が上がる一つの事業なのかなと思うんですが、まずその航空宇宙産業について、どのような施策なのかをお聞かせ願いたいんですけれども、よろしくお願いします。

○廣田部長 航空宇宙産業につきましては、20年後には需要が2倍になるということで成長産業と位置づけていまして、三重県の中には空港も何もないんですけれども、やっぱり自動車産業で培われてきた高度な技術がございますので、それをもう少し上げれば航空宇宙産業のところに入り込めていくというふうに考えております。そのために、航空宇宙産業についてもビジョンをつくっておりまして、そこで参入する企業をどんどん増やしていこうということで、いろんなことを支援していくと。その中には、もちろん人材育成もあり、そういった認証取得の支援もあり、そういうような事業を一昨年度からやっているところでございます。

○廣委員 航空宇宙産業におきましては、愛知県や岐阜県は、三重県に先駆けて特区をつくってやっておられる。しかし、三重県も国際戦略総合特区制度、これを活用した事業環境整備に取り組むと書いてあるんですが、これはどういったことでしょうか。

○廣田部長 愛知県、岐阜県の紹介が委員からございましたけれども、愛知県、岐阜県、それから三重県も含めて、それから長野県も含めてですけれども、やっぱり連携しながら航空宇宙産業をやっていくということで特区がありまして、そこで、どこまで続き、どういう時点で改正されるかわかりませんけれども、余りなかった四日市の事業所についても入ったりして、どんどん事業所も増やし、そこの中で特区制度を活用させていただこうというふうな制度でございます。

○廣委員 航空宇宙産業というのは、やっぱりMRJといいますか、新しい飛行機の開発が非常に影響あるんじゃないかなと思うんです。今ちょっと延期になっていますね。それによって、やっぱり企業もかなり苦しいんじゃないかなと思うんです。松阪のクラスターですか、結構もう足どめを食らわされとるというか、そういうことで、ちょっと苦しんじゃないか、そういうときに支援というのは何かあるんですか。

○廣田部長 MRJの延期というのは、報道でされているとおりだというふうに認識しておりますけれども、松阪のクラスターについても、決してMRJだけにということではなくて、いろんな技術を持っておりますので、もちろん情報交換とかいろんなお話をお聞きしておりますと、ほかのところにも、高度な技術があるので、入っていけるということで聞いておりますので、特別に県庁のほうがそのことに対する支援というのは今のところ考えておりません。側面的にどこかの企業につなぐとかそういうことがあれば、そういうふうな情報提供をしたり、あるいは国の制度を活用してこんなんしたらどうですかとか、そういうことはしております。もちろん全体の金融支援というのは昨年度からもやっておりますので、それとは別に特別な支援、今回MRJが遅れたことについてというのは考えてはおりません。

○廣委員 ありがとうございます。確かにクラスターにおかれましては、エアコンとかそういうところもやっておられますし、そういうことかなと思います。この航空宇宙産業というのは、私もすごく興味のあるところでございますので、今後とも力を入れていただきたいなと思っております。
 最後にちょっと、私は伊勢市で言うわけじゃないが、全国菓子大博覧会、これはどれだけもうかるのか。ポスト菓子博じゃないんですけれども、終わった後はどうしていくのか。また、もっともっと今回はこんなことも考えとるというようなことがあれば、ちょっとお聞かせ願いたいんですが、よろしくお願いします。

○廣田部長 菓子博につきまして、菓子博そのもので経済効果というのは、実行委員会が姫路菓子博とか、ひろしま菓子博を、それと同じような考えで幾らということは出しておられますが、県としましては、先ほど観光局長も回答させていただいたと思いますけれども、やっぱり来ていただいて、そこで観光していただいて、泊まってもらって、消費してもらうと。そのこと自体が非常に、60万人ですので、その1人が幾ら使うかというのは掛け算すれば出てくるかと思うんですけれども、そういうふうな形で実際に効果があるというふうに考えております。
 もう一つは、将来的にですけれども、ポストサミットの位置づけで人を呼び込む、それから、交流ということにこの菓子博も位置づけをさせていただいておりますけれども、私ども雇用経済部の観点から言うと、やっぱり食の産業振興につながるんではないかということで、非常に一生懸命になって応援しております。それは、今回もアオサとか伊勢茶とかかんきつ類を使ってということで、それを素材として商品開発がされ、それをまた流通に乗せて発信して、それをつくる人材が養成できるというような、非常に間接的ではあるかもわかりませんけれども、県の食の産業振興につながっていくということで、私ども雇用経済部というのは支援をしているというふうに御理解いただきたいと思います。

○廣委員 ありがとうございます。
 先ほどサミットの話もありました。しかし、やっぱり忘れてしまうんですね、時間がたつと。ましてや、伊勢志摩サミット、その前のサミットはどこのサミットでしたと聞かれても、多分どこやろと言う、それはドイツですよね。エルマウ・サミットですけれども、それは皆さんも知らないと思うんです。やっぱり忘れてしまうんです。だから、今早くやらないといけない。もう1年たつわけですから、もう今のうちにといいますか。この菓子博もそうです。あの菓子博のこういう商品ですよというのは、もう今から考えておかないと、終わってからすぐに出さないと忘れられてしまう。そういった意味でも、スケジュール的なことはどういうふうにお考えでしょうか。

○廣田部長 実際には、部分的な工芸菓子とかいうのは、1月11日だと思いますが、100日前イベントのときに、あるお餅の復刻版であるとかそういうのも出していたと思いますが、大手の事業者のほうから、伊勢志摩で、あるいは三重県でとれるような素材を生かしたこういうものというのが今、開発の最終段階まで来ているところでございます。やっぱり楽しみにとっておきたいというのもありまして、3月の中下旬ぐらいから、こんな商品、あんな商品というのを、しかも菓子博限定で売るというようなことを発表していきます。それで、3月の、もう始まっているんですけれども、いろいろパックツアーとかにも菓子博の形を入れたものがありますので、そういうようなものについてもどんどんPRしていきます。名古屋圏、大阪圏については、特にこれからもコマーシャルで流すようにしておりますし、この間、3日か4日前だったと思うんですが、50日前のときにいろいろ民放のテレビの中で、いせわんこの縫いぐるみとか着ぐるみが出てコマーシャルをさせていただいたりとか、3社か4社かあったと思います。そういう段階でどんどん何か深めて、おもしろい、楽しい、わくわくするようなということを伝えていくということで今、実行委員会ともいろいろ話をして詰めているところでございます。そのうち出ますので、楽しみに、よろしくお願いしたいと思います。

○廣委員 楽しみにしておきたいと思いますが、赤福も今回だけ紅白の赤福、そういったものも売り出すというか出すということですので、ぜひそれも今回に限らず、この菓子博の特別の商品として県が折衝していただいて、ずっと売っていただけるようなこともできないかなと思っております。
 最後に、鈴木知事のほうから、税収に対する思いといいますか、どのようにしていけばいいのか、その言葉をお聞かせ願いたいと思います。

○鈴木知事 今日は大変重要な経営の視点からの御質問をありがとうございました。経営は今、廣委員がおっしゃったように、利益を追求するという視点のみならず、何か事業をやる前にどういうニーズがあるのかマーケティングをしてみるとか、そして、実際に具体的に突き詰めてアクションをするとか、あるいは現場を大切にするとか、危機感を持ってやるとか、大変重要な視点がたくさん含まれているものであるというふうに思っております。
 今日、御指摘いただいた事業などについては、当然とりわけ重要な視点だと思っておりますので、しっかり御指摘の視点を踏まえてやっていきたいと思いますし、県の税収については、県税収入自体のトータルは減っていますけれども、法人の関係は増えています。消費税の関係が減っているという現状ですので、さらに法人のところも伸ばしながら、消費税のところはエネルギーの関係が結構多いんですけれども、消費も伸ばして県全体の活性化につなげていけるように、危機感を持ってしっかりやっていきたいと思います。

○廣委員 ありがとうございます。終わります。

○彦坂委員 おはようございます。新政みえ、鈴鹿市選出の彦坂でございます。
 私のほうから、予算議案、予算関連議案69本に絞って総括質疑をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 つかみなしでいきたいと思いますけれども、来年度の予算ということでは、昨年秋の平成29年度当初予算調製方針から、るる大変厳しい財政状況だというのはオウム返しのように聞いております。そんな中でありますけれども、一般職員の皆様方の給与をカットするという、いみじくも今、民間企業は春闘真っ最中でございまして、来週15日が大手の集中回答日で、その後、五月雨式に中小企業に行くということでありますけれども、関係団体との交渉でありますので、労使自治というのを尊重してここでのコメントは避けたいと思いますけれども、本当に職員の皆様方には御苦労をかけるなという思いであります。
 それでは、何点か質問させていただきますけれども、議案第91号「平成29年度三重県一般会計補正予算(第1号)」で、平成29年度の予算の財源確保策ということで、先ほど申し上げましたけれども、一般職員の特例的な給与減額を来年度から平成31年度までの3カ年をかけて実施すると。このことに伴いまして、平成30年度及び31年度の2年間の給与減額分に相当する金額について、環境保全基金から18億438万8000円繰り入れ(一時借り入れ)を行うということであります。厳しい予算編成の中、本年度は水道事業会計から55億円借り入れに続く、総務部長が以前おっしゃっていました、緊急避難的な措置ということでありますけれども、このどこに手当てするかということでは、退職手当約38億円に充当するということで、向こう3年間にわたる職員の人件費で穴埋めするということでありますか、言いかえれば先食いをするようなことなんでしょうけれども、この環境保全基金からの繰り入れについて、いまいち理解できないので、向こう3年間ということでありますので、全体的なスキームをまず総務部長から答弁していただきます。

○嶋田部長 御案内のとおり、平成29年度当初予算では、最終的に38億円の財源との乖離額が発生しまして、そのうち31億円を職員の協力を得まして給与の削減ということで埋めることにしました。さはさりながら、その削減方法を3カ年に分割してするということになりまして、平成29年度分は御指摘のとおり18億円、どうしても乖離額がありますので、それについては環境保全基金から借り入れをすることになりました。これは、普通の基金条例、ほとんどそういう規定があるんですけれども、基金条例では、「財政上必要があると認めるときは、確実な繰戻しの方法、期間及び利率を定めて、基金に属する現金を歳計現金に繰り替えて運用することができる」と。これはいわゆる繰り替え運用という制度でございまして、今回、環境保全基金の借り入れはこの規定に基づいて行うものであります。こうした手法は異例ではあるんですけれども、総務省の行政実例においても、一定の運用の手続を踏むことで可能であるというような見解も踏まえまして、臨時的な措置として行っておるところであります。
 この借り入れは、1年以内の借り入れということでなっておりますので、平成29年度の今後の、例えば前年度の決算剰余金等が、歳出不用額等によりまして29年度内に一旦この全額を償還いたします。そうすると、また31年度分の給与削減分が足りませんので、また来年度同じように残りの9億円を借りて、また年度内に返すということになります。といいますのは、そういうふうに一旦、先ほど委員のほうからも前借りじゃないかということなんですけれども、今回あわせて給与条例を出しておりまして、それは3カ年こういうふうに給与削減をするということで確実に給与額が減りますので、それが担保となってこういう借り入れをするということであります。
 以上でございます。

○彦坂委員 先ほど部長からありましたように、環境保全基金条例によりますと、使途については地域の環境保全に関する知識普及事業であったりだとか実践活動、あるいは活動の基盤整備だとか、その他地域の保全活動に関する事業等々、これらに使うぞということで使途が明確になっているわけでありますけれども、その一方では先ほどありましたように、繰り替え運用のほうでは、知事が必要と認めたら、確実な繰り戻しというのが前提となって繰り替えて運用できるということで、再度、くどいようですけれども確認させていただきますけれども、これはあくまでも一時的な借り入れという、いただいた議案書の中には、繰り入れ、控え目で(一時借り入れ)というふうになっていましたけれども、これは戻すということでこの条例に反しないということでよろしいんでしょうか。確認させてください。

○嶋田部長 御指摘のとおり、今回、環境保全基金で措置するのは、あくまで目的外使用で使用するわけじゃなくて、いわゆる取り崩すわけじゃなくて、あくまで借り入れでございます。したがいまして、その借り入れの繰りかえ運用の条件が、年度内に確実に返すということですので、確実に返すということで、環境保全基金そもそもの目的に何ら支障を来すものではないというふうに考えております。

○彦坂委員 ありがとうございました。確実に返すということで条例には反しないということで理解させていただきますけれども、もう一つ質問させていただきますけれども、環境保全基金というのは平成2年から、地域住民に対する環境保全に関する知識の普及であったりだとか、先ほどありました環境保全活動の展開や廃棄物の発生抑制、あるいは再生原料等の推進を目的に創設された基金なんだろうというふうに思います。この基金というのは、法人県民税の超過課税分、これが今年度で言うと3.1億円ぐらいですか、産業廃棄物税となってくると13億円、これで構成されているわけでありますけれども、条例に反しないということでありますけれども、今回の処置は一時借り入れとはいうものの、本来目的税であるところを一般財源化するということには変わりないと思います。ややもすると課税根拠を失いかけるような状況になるんだろうと思いますので、納税されている方は、先ほど申し上げた環境保全に関するもろもろの推進活動に使ってくださいという思いで多分、納税されているはずなんです。こういった納税していただいている方々への説明責任、これをどう果たしていくのかということをお伺いしたいと思います。

○嶋田部長 御指摘のとおり、この環境保全基金は、産業廃棄物税と、超過課税、それと、もともと基金運用益でやっている国費の事業ということになっています。先ほども申しましたように、これはあくまで借り入れであって、基金そのものを取り崩すわけではないと。かつ、年度内に支障を来さないように繰り戻すということでございますので、その辺はしっかり納税者の方々に説明をしてまいりたいと思います。

○彦坂委員 今、答弁がありましたように、納税者の方々への説明をきちっと果たしていっていただきたいなというふうに思っています。
 これは今回聞きませんけれども、基金から借り入れるだけのお金があるということですので、将来的には、この基金は、全体像はちょっとわかりませんけれども、使わないである基金がたまっているような状況でありますので、またどこかのタイミングで、これらのいろいろな今後の方向性については議論させていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、2点目、南部地域の活性化のふるさと納税南部まるごと発信事業についてお伺いします。
 この事業は、実は今回いただいた、みえ県民力ビジョンの第二次行動計画の取組概要の冊子の中では、本年度横ばいになっていて、今回、平成29年度400万円ということでありますけれども、お伺いするところによりますと、平成27年度に実はこの事業があって、基金から充当してやりましたということであります。本年度につきましては、地方創生加速化交付金というのを利用してやられたということで、平成29年度で3年目を迎える事業なんだろうというふうに理解いたします。ふるさと納税については、近年まれに見る、認知度でいきますとヒット政策というふうに言われております。一方で、返礼品にまつわるいろんな話も上がってきているわけでありますけれども、その話はこっちへおいておいて、これまでの取組内容と成果、平成29年度の事業はどのようなものを予定されているのかお伺いしておきたいと思います。

○亀井局長 南部地域活性化のふるさと納税まるごと発信事業でございます。これは今御紹介いただいてきましたように、平成27年度の補正予算でいただきまして、平成28年度に取り組んでまいりました。具体的な取組内容といたしましては、まず、昨年度は南部地域の10市町が連携をいたしまして、連携してそこの全体の地域の情報発信をするということで、ガイドブックを作成いたしました。そのガイドブックの作成をいたしまして、例えばいろんなところに置いていただくとか、イベントなんかで配布するとか、あと、ふるさとチョイスというのがございますけれども、ふるさとチョイスでバナー広告を打ったりとか、そういったことで非常に注目を集めまして、昨年度、大変多くの寄附金をいただいたところでございます。
 今年度はさらに取り組む市町の範囲が増えまして、10から13と、南部地域13市町全て入っていただきまして、エリアで発信をするということのメリットが大変大きいことから、今年度もそういった意味ではふるさと納税の収納率が上がっているという、現時点でございますけれども。
 ただ、それよりも、そもそもの事業の取組につきましては、こういった地域を知っていただくと、一つ一つの市町が単独で情報発信をするよりも、エリアで発信をするほうが非常にスケールメリットがありますし、そういう意味では、こういう取組をしているのが全国的には珍しいということでございますので、アピール力が非常に高くなるということで、そういった、納税額が増えてきているということにもつながっているのかなというふうに思っております。
 そういったことを来年度もさせていただくわけなんですけれども、来年度も引き続きそういった地域で発信するということのメリットを生かして、しっかりやっていきたいなというふうに思っております。

○彦坂委員 ありがとうございました。
 先ほど紹介いただきました、特産品まるごとガイドブック、これですね、何か香典返しにいただくセレクトギフト、そんなような感じなんですけれども、これと、あとホームページなんかを見ますと、東京のほうでこの特産品の試食会なんかをやられて、大変好評だったなんていうのが載っておりましたけれども、1つお伺いしたい、これは南部地域活性化局長に聞いていいのかよくわからないですけれども、三重県29の市町が取り組んでいますよね、このふるさと納税というのは。何でこの南部地域だけなのかということであります。このふるさと納税に係ることは、どう考えても地理的不利条件だとかそんなのは関係ないような気がするんです。地理的不利条件だから、ふるさと納税をより寄附していただくためにこういう活動をやるというのは、僕はちょっとそぐわないような気がするんです。
 それともう1点、予算の説明書を見ると、この事業は、住み続けたくなるまち、南部地域をそういうところに選んでもらうためにやるんですよ、こういう方々にアプローチしていくんですよということでありますけれども、このふるさと納税をすることによって、住みたくなるという感覚にはどうしても結びつきにくいというふうに思っているんですが、この辺の見解についてお伺いします。

○亀井局長 この事業は南部地域活性化基金を使っております。今さらなんですけれども、この基金は南部地域の活性化を図るということで、複数市町が連携をして、これが前提なんですけれども、南部地域において働く場の確保であるとか定住の促進に向けて取り組む事業ということで使わせていただいております。このふるさと納税まるごと発信事業なんですけれども、先ほども申し上げました、13市町が一体となって広報に取り組むということで、PR活動にスケールメリットが生じるでありますとか、あと、全国的にも注目度が高まって、より多くの方に南部地域の特徴というか情報が発信をされると、発信力が強まるというようなことが挙げられます。
 そもそもこのふるさと納税というので、うちがやっている事業というのは、ふるさと納税という制度を通じて地域を応援していただく、こういった趣旨でやっております。ですので、そういった制度の趣旨に加えまして、例えば特色ある地場産業でありますとか、それの生産者、あと観光資源とか地域ならではの魅力、こういったものを発信いたしまして、南部地域のファンづくりを進めたいというふうに思っております。ひいては、ファンになっていただいて、南部へ来ていただいて、消費の拡大とか交流の促進、もう一歩進めてこういった取組を行う中で、南部を気に入っていただければ定住の促進ということで、U・Iターンにもつながるかなと、そういったところを考えながら進めております事業でございます。
 いずれにしましても、南部地域活性化基金を活用して活性化を図るというような事業の中身でございますので、この基金の目的に沿った事業であるというふうに思っておりますので、御理解をいただければというふうに思っております。

○彦坂委員 1つだけフォローしておきますと、平成26年度と比較して27年度、この事業がスタートしてから、これは別に三重県だとか南部だけでなく、全国的なトレンドかわからないですけれども、非常に増えていることは事実なんです。例えば紀宝町なんかは175倍に増えています、1年で。御浜町32倍、紀北町38倍ということで、伊勢市なんかは、逆に件数は減っているんですけれども金額が多くなったりだとか、これが、このガイドブックやら、そういう取組がそれに結びついたかどうか、確からしさはちょっとわからないですけれども、増えているということであります。
 ただ、さっき言いましたように、局長はいろいろ販路拡大だとか南部地域のファンを増やすんだということでありますけれども、本来、地域資源を生かした産業振興の取組等々を支援するんであれば、県当局でもいろんな事業があります。例えば農林水産部が所管する新商品開発国内外販路開拓支援事業だとか、ポストサミットの取組ですけれども、海外への販路拡大、集客交流の拡大や、雇用経済部が実施する地域の魅力発信・販路拡大支援事業だとか、地域資源を活用して、掘り起こして、どんどん販路拡大だとか集客をどんどん増やしていこうという、そんなような事業が実は、御存じだと思いますけれども、あるんです。こういったことに乗っかって南部地域活性化、また、それに新たな視点を加えて基金を使って盛り込んで、新たな事業を起こしてやっていくというところのほうが、非常に効果的じゃないかなというふうに思っていますので、こういうことはいかがでしょうかということで局長にちょっとお伺いしたいと思います。

○亀井局長 ありがとうございます。
 この基金の事業は、市町がこういった事業を連携してやりたいというような発案をいただいて、例えば有識者とか県と、あと13市町の課長が入った南部地域活性化推進協議会というのがございますけれども、そこでいろいろ有識者の意見も聞きながら、この基金の目的に沿った事業なのか、南部の活性化に資する事業なのかということをいろいろ議論しながら決めていっているものなんです。ですので、県のほかの事業をそのまま基金をのせてということはなかなか難しいんですけれども、例えば過去に連携事業としてやったことがあるんですけれども、平成25年度から27年度の3年間かけて、企業立地セミナー開催事業というんですけれども、東京とか大阪で、これは6つの市町ですか、伊勢市を中心に6つの市町が連携いたしまして、企業誘致のためにセミナーを都市部で開催して、そこへ地元の企業に来ていただいて、PRをするというような事業がございました。これにつきましては、うちの基金の事業ではございますけれども、雇用経済部とも連携をさせていただいておりますし、それから、今年度取り組んでおります、これは農林水産部との連携事業でございますけれども、漁協連携というのがございます。伊勢湾漁協と外湾漁協で、とれるものが違いますので、相互に連携をして、例えば移動販売なんかもしていくというような事業でございますけれども、これも伊勢農林水産事務所のほうとしっかりと連携をしながら取り組ませていただいております。
 そういうことで、これからいろんな県の事業で、基金で応援するのに市町が取り組みたいというようなものがあれば、そういった協議会なんかでしっかりと議論しながら事業化するということも可能だというふうには考えております。

○彦坂委員 ありがとうございました。ぜひいろんなことを精査しながら進めていっていただきたいと思います。
 最後に、働き方改革についてお伺いしたいと思います。
 知事は、今定例会の冒頭の知事提案説明の中でも非常に重要な位置づけということで、これまでもいろんな取組をやってこられたというふうに思います。来年度の予算の中で、働き方改革総合推進事業ということで一部新しい事業が盛り込まれておりますけれども、このことについてちょっと説明いただきたいと思います。

○廣田部長 働き方改革につきましては、国の交付金の制度とかを活用して、いろんな形で既に始めております。
 具体的に言うと、一番わかりやすいのが、小さな企業に対してもやっぱり働き方改革というのはどんどん進めていっていただきたいというのがございまして、まず経営者を対象にしたセミナーを開催して、その中からキーパーソンを決めて、その人がその企業の中で働き方改革を進めようと、そういった専門家をそこの企業に派遣して、それでいろいろ調整しながらとか、改善を提案しながらというようなことをずっとやっております。
 来年度につきましては、やっぱり今回は働き方改革アドバイザーみたいな制度をちょっと設けまして、働き方改革に取り組んで成功したような企業の方に実際小さな企業に入ってもらって、こんなにしたらこんなに売り上げが上がったよというような例も結構ございますので、そういったことをアドバイザーをつくって相談支援なんかをやっていくと。そういうのを新たに来年度はやりたいというふうに思っております。ほかのセミナーでありますとか、あるいは専門家派遣でありますとか、それをみんなで事業報告会をして、共有するというふうなことは今年度もやっておりますし、来年度も引き続きやっていきたいと、そんなふうに考えております。

○彦坂委員 ありがとうございました。
 昨日、知事も、働き方改革というのは、ただ労働時間、時間軸だけではないというふうにおっしゃいました。私も全くそのとおりだというふうに思っています。特に今、部長からありましたように、三重県内の企業というのは99%以上が中小企業でございますので、大手はある意味、労働組合もあったりして、それぞれの取組というのが進んでいくんだろうというふうに思っていますけれども、やっぱり小さいところは非常に厳しいということであります。
 三重労働局のデータを見ても、例えば有休休暇にしても、中小のほうは取得率というのが年々下がってきています。これは景気の動向だとか、景気というか、景気がよくなればそれだけ仕事量が増えるということでこういうことになるので、一概には言えないですけれども、こういったところもぜひ特化してお願いしたいのと、もう一つ、今年の1月に育児・介護休業法が改正されまして、有期雇用者の育児休業の取得だとか介護休業の分割取得、あるいは半日取得だとか、そういうことが可能になりますので、その辺の法改正のところもぜひ中小企業の経営者の方々にもPR、これは県がやるかどうかわからないですけれども、そういう機会があればぜひPRしていただきたいなと思っております。

○廣田部長 やっぱり大企業と小さな企業というところですけれども、やっぱり小さな企業というのは現場に非常に近いところにありますので、逆に言うと何か法律が改正されたりとか、新しい制度ができたりというのは、私たちが丁寧に説明することによって伝わりやすいということがあったり、あるいは規模の小ささによって、先ほども申し上げましたように、売り上げが増大したりとか、あるいは、小さな、本当に自らがこういうふうに変えたいということが非常に実践しやすいというところもありますので、そういうことを私たちは丁寧にこれからも伝えていきたいというふうに考えております。

○彦坂委員 ぜひお願いします。以前つくった、みえ産業振興戦略のビジョンの中にも、三重県の企業というのは収益率が非常に悪いというデータも出ておりますので、働き方改革をすることによって、そういうことは改善していくんだよということをぜひ広くPRしていただいて、そのことが中小企業の振興にもひいてはつながっていくというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
 以上で終結します。

○津村委員 尾鷲市・北牟婁郡選出の津村衛です。どうかよろしくお願いします。
 さて、先ほど彦坂委員のほうからもお話がございましたが、今回の様々な予算につきましては、まるで本当にオウム返しのように、連日のようにいろんな議論が行われております。
 ちょうど昨年の今ごろは、今年度平成28年度当初予算のことについて議論がございました。そのときは、極めて異例の対応として、企業庁の水道事業会計から40億円、そして電気事業会計から15億円、55億円の一般会計への繰り入れの議論であったり、様々な議論が行われましたが、そのときも「極めて異例の対応として」という発言がございました。
 今回上程されています平成29年度当初予算に関しましては、知事提案説明の中では、「平成29年度当初予算は、極めて深刻な財政状況の中にあっても、県民の暮らしを守る取組や真に必要な投資には予算を確保することを基本方針として編成しました」というふうに、昨年も「極めて」、今年も「極めて」というような形で、そういうふうな発言がございました。今回は、当初予算編成時には55%のシーリング、そして、先ほどもお話がございましたが、環境保全基金から18億円の繰り入れなど議論が行われているところであります。さらには、知事20%をはじめ、副知事15%、教育長、公営企業管理者、代表監査委員、危機管理統括監が10%で、部長、次長、管理職等で2.3%から3.7%を平成29年度給与削減する。また、一般職員が、期末・勤勉手当の0.085カ月分を3年間にわたって削減するということで提案されているところでございます。
 そこまでして平成29年度当初予算を編成できたという、まさしく極めて厳しい状況であるというふうに認識をしています。しかも、厳しいのはこの平成29年度だけではとどまらず、これも答弁にもございましたが、今後は財政健全化に向けた集中取組の期間に、財政健全化に向けた道筋を確実につけられるように、経常的支出を段階的に引き下げていくなど、より一層知恵を絞りながら抜本的な見直しを行うが、平成30年度以降も引き続き厳しい状況であるというふうな答弁をいただいているところでございます。
 サミットの開催の成功というのは、オール三重で取り組んだ結果であるというふうに私も理解をしております。そのオール三重の中には、県民であったり、企業、団体はもとより、警察官、教員も含めてオール県職員が取り組んだのも、これもまた事実でございます。もちろん今回の給与削減は、削減の金額の問題ではなく、たとえ1円であったとしても、サミットにあれほど尽力をしたオール県職員の給与が削減となるのかと違和感を感じるのは、私だけではないとは思います。
 しかし、この問題は、労使交渉でも既に一定の結果が出ておりますので、よしあしの中身の議論ではなく、奥の手、最後の手段とまで言われているこの給与削減にまで踏み込んだ知事の思い、これを聞かせていただきたいなというのとともに、3年間給与削減という痛みを伴ってもらう県職員の方々に対しても、じゃ、3年たったら県財政が豊かになるのか、働く職場環境はどうなるのか、県民に対してだけではなく県職員にもその道筋を示していくのが、やはりリーダーとしての、知事としての責任であるというふうに私は思っております。あわせて、今後の財政再建についても、知事としての確固たる決意をお答えいただきたいと思います。

○鈴木知事 まず、今般の予算編成、そして今、津村委員のほうから、昨年も「極めて」、今年も「極めて」というふうにおっしゃっていただきました。これは、我々が累次説明させていただいていますとおり、この財政の悪化の原因が構造的な要因によるものであるということでありますので、先ほど委員からも御紹介があったとおり、来年度以降も「極めて」という言葉が出てくるというふうに思います。
 しかしながら、先ほど委員からも決意をということでおっしゃったとおり、一日でも早く、一年でも早く、「極めて」というふうに申し上げなくてもいいように、財政健全化に向けた集中取組の期間を中心に、これこそオール三重でしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。
 そして、職員の人件費の削減の部分につきましては、昨年12月7日の時点で平成29年度当初予算要求状況を御説明させていただいたときに、219億円の財源不足がありました。その後、歳入の確保、歳出の精査、そういうものをさせていただきましたけれども、どうしても最後、約31億円足りないというようなことがあった中で、県民のサービスを低下させないと、そういうようなことで職員に協力を求め、大変職員には申しわけなく思うところでありましたけれども、職員の協力を得てその31億円を確保することができました。改めて、この職員のメンバーの協力に、県民のサービスを低下させないという思いに感謝をしたいというふうに思いますし、その職員、また、市町や団体の皆さんでも多く御協力いただきました。そういう皆さんの御協力をいただいての今回の予算編成、上程に至っているということを改めてかみしめて、しっかり効果の出る事業を執行していきたいと思います。
 そして、職員のメンバーには、こういうような協力をしてくれたこともありますし、もともとやらなければならないことではありますけれども、しっかり職員がモチベーションを高めて仕事ができるような勤務環境の整備、あるいは仕事と家庭の両立の支援、そういうところにもこれからもしっかり力を入れて、やりがいとモチベーションを持って職務に当たれるように努力をしていきたいと思います。

○津村委員 ありがとうございました。知事の思いをしっかりと聞かせていただきました。
 確かにこの削減によって、職員のモチベーションが下がるということはないとは思いますが、やはり知事のその熱い思い、そして、ここにお集まりの管理職の皆様が、今後しっかりと県職員たちのサポートもしながら、県民サービスを低下させないように、よりよい三重県をつくるために、しっかりと努力をしていただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いします。
 それで、先ほどの話で、給与削減をしてまで平成29年度当初予算が編成できたとはいえ、今後の財政状況は一転、好転するというものではないのは、先ほどの説明があったとおりだと思います。ですので、今後様々な行財政改革取組を行う必要があるわけなんですが、様々な取組の中の一つとして、やはり時間外勤務手当について取組をしっかりと進められているとは思いますが、その状況について少し質問させていただきたいと思います。
 例年、時間外勤務手当につきましては本給の約4%を置くということで、当初予算では毎年度約31億円を計上されています。実際のところ、決算としては例年約50億円となっております。ちなみに、サミットがありました平成28年度につきましては35億円計上されていましたが、最終補正では51億円強となっております。1人当たりの時間外の勤務時間は、平成12年度が108時間、その12年後、平成24年度がピークなんですが、226時間とほぼ倍の時間外の勤務であります。もちろん、災害などがありますので、不測の事態があるということもありますので、一概には言えませんが、現在は1人当たり年間約200時間で推移しております。200時間で推移していますが、やはりこの時間外というのが慢性的になっている、残業ありきになっているのではないかというふうに思っているところでございます。
 この時間外勤務手当の中には、県庁の各部局の職員と警察本部も入っています。あるいは教育委員会の事務職なども含まれております。各部局別の時間外勤務手当の推移の資料もいただいているんですが、部局によって人数や職務の内容がもちろん違いますので、単純に比較はできませんが、各部局によってかなりの差がございます。
 この時間外勤務手当、年間50億円、これをゼロにするということはもちろん無理な話なんですが、この50億円を少しでも抑制していくということは、今後の県財政を考える上でも、また、そもそも働きやすい職場環境づくり、ワーク・ライフ・マネジメントの推進の面からも非常に重要であると思います。もちろんサービス残業をさせようというものではございませんし、ゼロにするのがいいというわけではございませんが、今後の時間外勤務手当の削減の取組についての考え方と取組について御回答ください。

○嶋田部長 時間外勤務の削減ということでございますけれども、県では平成26年度からワーク・ライフ・マネジメントの取組として、労使協働で取組を進めておるところでございます。これは目標を決めまして取り組んでおるわけなんですけれども、時間外勤務時間数については、平成31年度時点で25年度から30%削減をすると。年間500時間を超えて、時間外勤務をしている超長時間職員については、平成28年度は25年度と比較しまして50%削減するというような目標を立ててやっておるわけでございます。
 具体的に管理職が中心となってマネジメントをしておるわけなんですけれども、管理職は、勤務評定のもとになっておる組織マネジメントシートということで、それぞれの所属について、こういった取組でこのぐらいの時間外勤務を削減していくという目標を立てます。また、一般職員につきましても、個人個人の時間外勤務について、ワーク・ライフ・マネジメントシートというものを活用しまして、こういう時間数にして、そのためには管理職にはこういうふうなことをしてほしい、あるいは、職場の同僚にはこういうことをしてほしいというようなことをシートに書きまして、毎年度初めに管理職である所属長とそれぞれの所属員が面談をして、全員がこういう取組をしていこうということを協議をしておるところです。そういった取組を行いながら、管理職はマネジメントをしておるということであります。
 それを支える全庁的な取組としましても、毎週水曜日と金曜日にノー残業デーを設けるというようなことで、定時退庁を促進しておるということとともに、今年度、効果的な働き方を推進するということで、試行的ではありますけれども、昨年の7月11日から10月31日まで時差出勤勤務ということも試行をしておるところであります。それと、所属長のそういった時間外勤務削減のマネジメントを支援するためにも、所属長研修なんかも実施しておるというようなことであります。
 以上でございます。

○津村委員 ありがとうございます。今るる説明いただきました、いろいろな取組を行っていただいておりますので、引き続きこれを抑制していく、抑制が目的ではなくて、やはり仕事そのものの中身であったり、いわゆる管理職の仕事のマネジメント能力の向上にもつながりますし、それが結果的にワーク・ライフ・マネジメントとして働きやすい職場改革につながると思いますので、ぜひともしっかりと取組を続けていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、次の質問に移らせていただきます。平成29年度ポストサミット事業について質問をさせていただきたいと思います。
 サミットにつきましても、今回の議会でもいろいろと取り上げて議論が行われているところでありますが、そもそもサミットというのは何だったのかということをいろいろと考えると、サミットというのはやはり国際会議でありまして、そこで話し合われる会議の内容というのが一番重要でありまして、そもそも経済効果を第一に目的にした事業ではないというところを、まずやっぱり押さえなければいけないのかなというふうに私は考えております。
 もちろん、サミットが開催されることによって全世界から注目をされるわけですので、観光客も増えるし、おもてなしも含めてオール三重で受け皿をつくっていきましょうねというのは当然のことですし、それを事業にやっていくということは自然な流れかなというふうに思っています。しかしながら、そこに経済効果が1071億円、あるいはパブリシティ効果が3098億円という数字がどんと出たことによって、昨日の前田議員の話にもありましたが、誤解をされることがあったのではないかなというふうに思いますし、私自身もどちらかといえば誤解していました。経済効果が1071億円どんとある、ああ、そうか、バラ色なんだな、すごく地域が潤うんだな、三重県が元気になるんだな、税収が増えるんだなと、そういうふうに思っておりました。しかし、いろいろと調べているというか説明をよく聞いてみますと、この数字がどこから出てきたかといいますと、これはサミット事業に関係する国であったり、県であったり、市町の予算、そして民間の投資のうち生じる費用を測定して、それを連関表へ入れる、それによって出てきた直接効果であったり、第1次波及効果である金額、第2次の波及効果である金額、これを合計したのが1071億円という数字であって、県としてサミットを開催するにあって、この1071億円を目標にするとか、これを目指して頑張るとか、そういうものではないということなのかなというふうに私自身は解釈しているわけなんですが、その考え方について、まず、そういうことなのかどうか、ちょっと確認させてください。

○鈴木知事 津村委員がおっしゃったとおり、1071億円、それからパブリシティ効果の3098億円ですか、は、実際に投入した予算、あるいは実際にCMなどで使われたもの、それを広告換算するとこうということですので、目標ではなくて、こういうふうな仮定を置けばこういうことが出てくるというものでありますし、なぜそういうことをお示しすることにしたのかということについては、一定の税金を投入する中にあって、税金を投入するからこそ費用対効果というか、そういう、一定こういうものもありますというのをお示ししなければ、やはり税金を投入するに当たってその責任を果たせないのではないかということで、そういう試算も公表させていただいたということで、委員のおっしゃるとおりであります。

○津村委員 ありがとうございます。今、知事がおっしゃったように、税金を投入する以上、県民の方々にもしっかりと説明をする必要がありますし、理解を得るためにも一つの試算として出していただいたということなんですが、同じような考えでいきますと、やっぱりポストサミット事業の経済効果と言われているこの数字、いわゆる県外観光客数の増加で1485億円であったり、国際会議の開催件数の増加で4億円という経済効果というのも、同じように連関表であったり波及効果測定モデルに入れて出てきた数字であって、それを目標であったり、それを目指して取り組むということではないということでよろしいでしょうか。

○鈴木知事 一定の試算をさせていただきましたので、やっぱり税金を投入するからには、効果が大きいほうがいいというのはもう間違いないと思いますけれども、その経済効果、試算させていただいたやつが、一定の前提のもとで出した経済効果が目標であるということではありません。

○津村委員 わかりました。
 とはいえ、先ほど来お話がありましたように、税金を投入するわけですから、ポストサミット事業というものに対して、やっぱりどこかにしっかりとした評価指標を置くべきではないかなというふうに思います。それは必ずしも経済的な効果だけを持った指標ではなくて、それ以外の、いわゆる、ポストサミット事業も3つの大きな柱があったかと思います。人と事業を呼びこむ事業であったり、あるいは、それ以外の次世代に継承するとかというようなあたりは、必ずしも経済的な効果として出てくるものではないですし、すぐに、今年度やって今年度とか来年度に結果が出るものではない事業ばかりだと思いますが、やっぱり一定の成果指標、これを示していくことが、より県民の方々にサミットのレガシーをしっかりと感じていただける、県民の実感として感じていただけるのではないかなというふうに思いますので、そのあたりの成果指標をしっかりと立てていくというあたりについての考え方をお聞かせください。

○鈴木知事 税金を投入させていただきますので、効果を検証する仕組みは、大変重要であるというふうに思っています。今回ポストサミット事業で掲げさせていただいているものは、予算の細々事業につきまして、それぞれの事業ごとにどういうことを成果とするかというのはもちろん考えておりますし、加えて基本事業というレベルにおいて、みえ県民力ビジョン・第二次行動計画にそれぞれ目標を書かせていただいております。例えば今回の高校生の海外へのインターンシップとか留学の部分については、関連する基本事業のところで高校生の留学生の数を、もう何人とかという目標を掲げていますので、そこにはまっていくようなものなどについては、基本的に第二次行動計画の成果指標を見ながら検証をしっかりしていくということでありますけれども、御指摘の趣旨も踏まえまして、ポストサミット事業全体としてどういう検証をしていくのかというその手法については、これから検討させていただきたいというふうに思います。

○津村委員 ありがとうございました。しっかりとした成果指標をつくること、具体的な目標をつくることによって、県職員の方々も、やっぱり取り組む事業についての真剣度も変わってくるのかなというふうに思いますので、ぜひとも成果指標についてしっかりと検討いただきたいなというふうに思います。
 図らずも質問がこれで終わりとなってしまいますので、残された時間を次の方にお渡ししたいと思います。ありがとうございました。

○舘委員長 ここで新政みえより関連質疑の申し出がありますので、申し合わせの時間内でこれを認めることといたします。

○三谷委員 8分残していただきました。補欠ですが、最後を締めさせていただきたい、こう思っております。
 先ほど廣耕太郎委員が、総括質疑は何でもありやと代表が言うたと、こういうお話ですが、誤解があるといけませんので少し補足をさせていただきますと、私が申し上げましたのは、予算というのは時の権力、つまり、知事の政権意思が最も端的に具体的に出るものだから、知事の基本的な政治姿勢も含めて何でもありやと、こういうことを言ったわけで、何でもいいから聞けという話では当然ありませんので、その点誤解のないようにひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 総括質疑が近づいてきますと、執行部の方がいろいろ寄ってこられます。タイプとしては2つありまして、もううちの部長もこれで終わりやで、余りいじめないようにというお話が1つ。それから、もう一つは、いったい何聞くんやと、いろんな形で探りに来られるわけです。例えば、三重テラスは聞きますかと。いや、あれは常任委員会でやると。10日の日に総括が出るので、それを踏まえてしっかり議論させてもらいますよと。みえリーディング産業展はどうしますんやと。あれは知事がぶった切ったので、やはり部長に聞く話ではなしに知事に聞く話だろうというようなことは対応をさせていただきました。
 1つ知事に確認させていただきたいんですが、例えば、みえリーディング産業展も含めてですけれども、この議会で様々な予算議論をさせていただきます。これからまた常任委員会で続くんですが、この議会での議論の行方によっては、知事査定も含めて予算の復活だとか見直しだとか、そういうものはあるわけですか。

○鈴木知事 我々としては十分に精査を重ねて議案を上程させていただいておりますので、最初から必ず修正するという姿勢で臨んでいるというものではありません。

○三谷委員 ということは、議論の行く末によっては、そういう修正をする可能性もある、裏返して言えばそういうことになるわけですね。必ずするということではないにしてもです。

○鈴木知事 繰り返しになりますけれども、論理的にはそういう可能性はありますし、もちろん地方自治法において予算のチェック、審議をしていただく議会の役割でありますから、そこに修正の必要があるということであれば、それはそういう御意見をいただくというのが我々は当然だと思いますけれども、我々としては、繰り返しますけれども、精査に精査を重ね、みんなで知恵を重ねていろんな方々にも協力を得て出してきている予算であるということであります。

○三谷委員 それなりの議論をさせていただく中で、なかなか予算そのものの金額の修正だとか、そういうのは非常にもう難しい。特に予算議案というのは1つですから、部分的にここを否決するとかというのはなかなか難しい話になってきますから。ただ、やはり議会の議論を踏まえて、正すところは正していただくということでなければ、議会の議論というのは非常にむなしいものになりますので、その点はひとつ心にとめておいていただければありがたいなと、こう思います。
 その上で、いろいろ通告というか聞き取られた部分はやめて、それ以外のところで少し御質問させていただきたいなと、こう思うんですが、経営方針の中で食の産業振興があります。その中で、今度の「東京オリンピック・パラリンピックで求められる食材等調達基準やその後の海外展開に向けた国際的な」云々で、「GAPなどの認証を取得した、三重県ならではの農林水産物の供給体制の整備や認知度の向上のため」にやっていきますと、こう書かれています。この「三重県ならでは」というのは、どこに係るのかなとよくわからなかったんです。「農林水産物」に係るのかな、それとも「供給体制」に係るのかな、両方に係るのかなということなんですが、農林水産物ならまだしも、供給体制ということになると、今オリ・パラに向けては日本中がまさにそこへ向かって走りかかっているわけです。三重県ならではのその取組というのはどこにあるのか、それをまず教えてください。

○吉仲部長 まさしく三重県の産物について、三重県の風土で生かされてきたということで、例えば伊勢志摩サミットで使われたものは、一つ売り込みのポテンシャルは持っておると思います。あわせて、例えばナバナとかそういったものは三重県が日本一の生産量ですが、あわせてそこに機能性や何かを追求すれば、これは三重県ならではのものになると思います。ただ夏場での提供になりますので、それを例えば加工業者と組んで冷凍しながら提供していくとかそういったことで、物における三重県ならではということもありますし、あわせて産地規模でそういったもののGAPなどに取り組んで独自性を届けていくという、これはよその県でもやるかもしれませんけれども、私としては、三重県独自といいますか、三重県がしっかりそれを産地と一緒になって取り組んでいくということを三重県ならではということで、意気込みを込めたつもりでございます。

○三谷委員 GAPなんかが三重県ならではとはとても思えませんので、しっかりとお考えをいただきたいなと、こう思っています。
 知事査定を見ていましても、みえリーディング産業展の産業フェアのほうは、要求どおり認めるけれども平成29年度限りだと書かれているんですが、このオリ・パラに関しては、要求どおり認めるというのが全部並んでいるんです。だから、やはりこれだけ、先ほどの政権意思じゃないですけれども、知事の思いというか意思がここに明確に出てきているものの一つだと、こう思うんです。先ほどの質問の中でも成果指標を設けていくということなんですが、オリ・パラなんていうのは、かなりはっきりした数字が出てくると思うんですが、これは成果指標をつけられる御意思はありますか。

○吉仲部長 個別の事業について目標を持って進めていきたいと思っています。

○三谷委員 ぜひ議会でもよくわかるような検証ができる、そういう成果指標をお願いしたいなと、こう思います。
 1分ありますので、警察本部に少しお伺いをしたいなと思うんですが、平成29年度当初予算のポイントを拝見させていただきますと、これは知事もおっしゃっていますが、今回、交通安全施設の予算を大幅に増額して、老朽化して危険度の高い信号機は全て工事します、こういうふうになっています。せんだって愛知県で、信号機ではなしに老朽化した交通標識が壊れて3歳の子どもがけがをしたという事件がありました。それを受けて愛知県は、55万本ぐらい交通標識が愛知県ではあるらしいんですが、20年以上の古い老朽化した交通標識を全部調べ直して対応をしていきますよという方針を発表されておりますが、本県では交通標識はどれくらいあって、そういう老朽化した、つまり20年を超えるようなものは幾つぐらいあって、それに対する対応はどういうふうに考えられていますか、お願いします。

○森元本部長 お答え申し上げます。
 三重県内では、昨年末現在ですけれども、大型と路側式とに標識は分かれますが、大型が7271本、路側式が10万7628本で、合計11万4899本ございます。それで、設置後20年以上経過した道路標識の本数ですが、大型につきましては4959本とはっきり判明しておりますが、路側式の簡易なほうの道路標識につきましては、設置年月日が記録されていないものが相当数ございまして、正確な本数がわからない状況であります。しかしながら、的確な維持管理は極めて重要ですので、現在、警察本部で行っておりますのは、全ての道路標識に管理番号を付しまして、例えば設置場所ですとか建てかえた時期などの情報を一元化して、それにより管理することとしております。
 今後の対策ですけれども、まず予算面で、平成29年度当初予算におきましては、標識に限った経費として、28年度当初予算と比べて約2.4倍の予算を確保しております。これまでの管理方法ですが、警察官の日常のパトロールと工事業者による点検を通じまして、倒壊の危険があるか、あるいは退色しているか、傾きがあるかといった点を踏まえて優先順位をつけて措置しておりますけれども、昨年秋ごろから標識の倒壊事案がちょっと相次ぎまして……

○舘委員長 答弁は簡潔に願います。

○森元本部長 はい。
 ちょっと数が相次ぎましたもので、本年1月、2月を特別点検期間といたしまして緊急点検を行って、優先順位の措置に誤りのないようにしておきたいと考えているところです。

○三谷委員 これは安心・安全にかかわる話ですので、ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 時間がまいりました。次回はもう少し時間をとって登壇したいと思いますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。

○舘委員長 以上で新政みえの質疑を終了します。
 ここで暫時休憩いたします。
 なお、再開は午後1時といたしますので、よろしくお願いします。

              (休  憩)
 

○中嶋副委員長 休憩前に引き続き委員会を再開します。
 総括質疑を継続いたします。
 まず、自民党から御質疑をお願いいたします。

○田中(祐)委員 松阪市選出、自民党の田中祐治でございます。
 自民党のトップバッターを務めさせていただきます。会派の持ち時間は87分あるわけでございますけれども、1人30分弱でございますので、早速始めさせていただきたいと思います。
 知事いわく、奮励努力の平成29年度当初予算についてお伺いをいたします。
 県の財政悪化が市町の予算編成や財政に与える影響についてでございますが、平成29年度の事業の見直し一覧表によりますと、平成28年当初予算と比較すると、市町予算と関係があるものと思われるものとされている事業のうち、選挙費用など、当然減となるものを除いた13事業のうち、11事業が前年度比マイナス予算となっております。このことから、市町の予算編成にも影響が生じたのではないだろうとかというふうにお察しするわけでございますが、市町においても、県と同様に、予算編成は同時期に行うわけでございます。市町会から三重県の当初予算編成に当たり、緊急要望を出されたというふうに伺っております。
 市町との調整はいつ行ったのか、また、調整には問題がなかったのか、まずお伺いをいたします。

○嶋田部長 市町との調整でございますけれども、その前に、県の財政というのが非常に深刻化しておりまして、そのため、昨年4月に庁内検討組織を立ち上げさせていただきました。財政状況については、去年の7月から8月にかけまして、私も市町を訪問させていただいて、三重県の現状について説明をさせていただいたところであります。
 その後、9月21日だったと思いますけれども、市町の財政担当課長を対象とした会議を開催させていただきまして、平成31年度までの財政健全化の方針である三重県財政の健全化に向けた集中取組の素案、それの内容説明と意見交換をさせていただいたところであります。
  その上で、平成29年度の予算調製に当たりましては、当初予算調製方針においても、「市町等に影響のある事業の廃止・見直しを行う場合は、時機を逸することなく市町をはじめ関係者に対して丁寧な説明と十分な協議、調整を行うこと」というふうにしています。これは私が市町を訪問させていただいたときも、何よりも一番よく求められたのが、市町の予算を決めるぎりぎりになって、県のほうからこの事業をやめますとか、そういったことがくれぐれもないようにということを強く言われたところであります。
 こういったことを受けまして、市町の財政に影響するような事業見直しを検討した部局においては、その方向性を個別に説明する機会を設けさせていただきました。また、年が明けて、2月13日以降ですけれども、当初予算編成の資料を市町にも配らせていただくとともに、14日には、県と市町の地域づくり連携・協働協議会の調整会議において、市町の企画担当課長に対して県の予算の状況、当初予算について、御説明をさせていただいたというような経緯をたどっております。
 以上でございます。

○田中(祐)委員 ありがとうございます。入念な調整等をしていただいたんかなと、そんなふうにも理解をさせていただきました。
 そんな中で、県から市町に対する補助金の件についてでございますけれども、県の補助金削減に伴いまして、市町が事業を断念したりとか、また、市町の独自の予算で事業を組んだりとか、いろんな工夫をしていただいているというふうに思ってはおります。そんな中におきまして、市町において、国からの補助金があっても県の補助金が出ないため、事業化できないというところもあるんではないかなというふうに思います。例えば、地籍調査費の補助金なんですけれども、国の補助は2分の1、県は4分の1、それで、市町は4分の1というふうになっているわけでございますけれども、市町からの要望があった場合、県はこの4分の1の補助金に対しましてどのように対応されるのか、お伺いをいたします。

○服部部長 地籍調査の関係でございますけれども、地籍調査につきましては、これまでの負担金と、本年度から新たに整備をされました社会資本整備の交付金、この2つを合わせまして、非常に厳しい財政状況の中ではありますけれども、昨年度から110%ということで、地籍調査全体としては予算を確保させていただいているところでございます。
 ただ、国の状況を聞いておりますと、この2つのもともとの制度と新しい交付金、これを合わせて、やっと前年度並みの予算を確保されているということがございまして、負担金のほうにつきましては、特に配分の状況が非常に厳しいというふうにお伺いをしております。これにつきましては、できるだけ配分していただくようにこれまでも要望しておりますけれども、今のところ、国が負担をしていただいた分について、県のほうは適切に対応できるものというふうに考えておりまして、引き続き、国のほうにつきましては配分をできるだけしていただくように、要望を続けていきたいというふうに考えております。

○田中(祐)委員 ありがとうございました。
 これも問題なく処理をしていただいたんかなというふうに感謝を申し上げます。
 市と県はやっぱり上下関係でなく、対等な立場であるというふうに思っておるわけでございますので、どちらかが強いとかそういうことなく、うまく調整をしていただきながら行政のほうを進めていただければというふうに思っております。
 そして、話は変わりますけれども、みえ県民力ビジョンの第二次行動計画によりますと、「未事業化区間の早期事業化を国等に一層強く働きかける必要があります」というふうに記載をしてございます。国の補助金があっても、県の負担が伴ってくるわけでございますので、この県の負担によっては、事業が進まないという状況にも陥る可能性もあろうかというふうに思いますけれども、その辺はどのように対処されているのか、お伺いいたします。

○水谷部長 御質問は、直轄事業の進捗にかかわることだと思います。直轄事業は規模も大きいというところはあるんですけれども、一般財源の中で見てみると、一般財源の中では、公共事業全体の中で占める割合は約2割程度です。ということで、そんなに大きな部分を一般財源の中では占めているわけではありませんので、そういう状況の中ということもあって、今年度の国内示額と同等額は今の状況でも確保はしております。全体の中で2割しか占めていないということもありますので、もし我々が準備している予算以上の内示があったとしても、それは、公共事業全体に対する影響というのは限定的であって、部分的な予算の組み替えを補正の中でやらせていただくことによって、工事というか、十分進捗が図れるものと考えていますので、直轄事業が増えることによって、予算がないことによって直轄事業を縮小するとか抑制するというようなことは考えておりませんし、やる必要はないと考えています。

○田中(祐)委員 ありがとうございます。
 ちょっと公共工事の件につきましてお伺いしたいわけですけれども、三重県における県土整備部の所管の公共事業は、平成29年度は前年比85億円の減、546億円となっているわけでございますけれども、これまでの推移を見ておりますと、年々縮小傾向にあります。平成8年度は1552億円あったわけでございますけれども、29年度は3分の1まで縮小されております。昨日、前田議員からも、この件につきましては少し触れられましたけれども、公共事業へのしわ寄せが非常に強いというふうに思っているわけでございますけれども、その辺はいかがですか。お伺いしたいと思います。

○嶋田部長 本県の財政状況は、先ほど来から説明させていただいていますように、義務的経費、特に社会保障関係経費だとか公債費の増加が他の経費を圧迫しているというような状況で、特に公債費については、全国のトレンドが既に減少に転じているのと反対に、本県は増加する厳しい財政状況にあるということがあります。
 こうした中で、公共事業については選択と集中を図り、そして、優先順位をつけながら実施していくことが重要でありまして、県民の皆さんの命と暮らしを守ることを最優先にして、第二次行動計画だとか経営方針(案)を踏まえて、必要な社会資本整備を進めていきたいというふうに考えています。特に、近い将来発生が懸念される南海トラフ地震や年々激化する風水害への対応のための防災・減災対策には注力をしていくこととしております。
 平成29年度当初予算の公共事業は、先ほど御指摘のありましたように、厳しい財政状況を踏まえて、28年度当初予算と比較しまして県全体では一般会計ベースで84億円余りの減となっています。前年度の89.3%余りの699億円になりました。また受託事業、災害復旧事業費を除いたベースでは100億円減となり、前年度の85%減の595億円になっているところでございます。
 しかしながら、事業別に見ますと、直轄事業だとか国補事業、災害復旧事業など、厳しい財政状況においても効果的に社会資本整備を進めることができる事業だとか、あるいは、県民の皆さんの命と暮らしを守るための必須の事業については、必要額を確保しているというふうに考えておるところであります。また、県単事業についても、県民の皆さんからの要望を踏まえつつ、事業の必要性、緊急性の高いものからしっかりと取り組んでみたいというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。

○田中(祐)委員 少し現状と答弁とが違うんかなというふうに思いますけれども、本当に平成8年度から約20年で3分の1まで縮小されているということを、非常に疑問に思うわけでございます。先ほどの答弁では、命と暮らしを守ることを最優先にしたいというふうに御答弁をいただきました。年々減っている中で、なかなかこの数字が物語っているのと先ほどの答弁とは違うというふうに思うわけでございまして、公共工事というのは、先ほども部長のほうから御答弁ございましたように、利便性だけではなく、人命や暮らしを守るというふうにお答えをいただきました。そしてまた、地域の雇用や経済にも欠かすことのできない事業であるというふうに思っておるわけでございますけれども、そこで、知事にお伺いをしたいわけですが、公共工事に対する知事のお考えはどのようなのか、お伺いしたいと思います。

○鈴木知事 今、田中委員がおっしゃったとおり、地域の経済の活力を生み出したり、過去は、工事による雇用とかのフロー効果が注目されておりましたけれども、現在はむしろ、安全が守られることにより経済が発展するとか、道路ができることによって交流人口が増加し効果が出るという、ストック効果のほうにおける経済の発展というようなこととか、あるいは命、暮らしを守るという機能、そういうのがあるというふうに思っておりますので、新規でつくるものも維持修繕していくものも大変重要であろうというふうに思っておりますが、当然、事業の限られた財源がありますから、優先順位を決めてやっていくということであろうというふうに思っております。

○田中(祐)委員 わかりました。ストック効果、命優先というお話をいただきました。
 そこで、命の件に関連しまして、交通安全施設の整備についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 交通安全施設整備事業の予算削減については、これまでの議事録を振り返ってみますと、教育警察常任委員会の委員長報告、そしてまた議案質疑、そして昨年度、自民党の総括質疑で津田委員に取り上げていただいておるわけでございますけれども、津田委員からは、横断歩道が塗ってあるのかないのかわからないような危険な箇所がどんどん増えていくと指摘した上で、生きていたら来年もしっかりと見ていきますというふうに述べられているところでございます。生きておみえになりますので、しっかりと今、注目されているというふうに思うわけですけれども、この交通安全施設整備事業は、これまで政策的経費の枠組みの中で取り組むというふうにされてきたことから、平成28年度当初予算編成においては、前年度比の予算額70%以下という要求に従いまして、1億円余り減額の3億8000万円余となりました。平成29年度も55%のシーリングの中で、さらに減額を心配していたわけでございますけれども、シーリングを外していただきまして、約6億3000万円プラスの10億1000万円余というふうにしていただきました。この件は津田委員も大変満足されていることと思っておりますし、財政が大変苦しい中の予算の確保だったというふうに思っております。
 この増額の経緯と平成29年度当初予算編成において、他の政策的経費もシーリングを外した事業があれば、お伺いをしたいと思います。

○森元本部長 交通安全施設の整備でございますが、これまで委員御指摘のとおり、政策的経費の中で取り組むことと整理されておりました。警察本部としては、優先度をつけながら、鋭意取り組んできたところでございますけれども、シーリング枠が御案内のとおり、年々非常にタイトになっている現状でございまして、計画的な施設の更新が大変困難な状況でございました。そこで、平成29年度当初予算編成におきましては、こうした事情を踏まえまして、警察本部としては、交通安全施設の老朽化対策をトッププライオリティーと位置づけ、その緊急性につきまして財政当局に訴えてまいりまして、知事査定を経て、28年度当初予算を大幅に上回る大規模臨時的経費として措置されたところでございます。
 このように、交通安全施設整備につきましては、今回、特別にシーリングの枠外とする大規模臨時的経費で計上したところということでございますので、県警のその他の事業につきましては、全てこれまでの要求基準や区分にのっとった整理となっております。

○田中(祐)委員 ありがとうございます。特別な配慮をいただいたというふうに理解をさせていただきました。予算が2倍以上になったからといって、交通事故が半分になったりとかすることはないというふうに思っておりますけれども、整備によって事故が減少して、本当に大切な命が一人でも助かれば、すばらしい予算編成だなというふうに思っておりますし、これまでも命にかかわることに関して、シーリングで予算を削ったというところにも、私は問題があるというふうに思っております。やはり、命にかかわる部分に関しましては、今後も御配慮をいただきたい、そんなふうに思います。
 次に、交通安全施設整備事業と道路維持修繕事業の予算の整合性についてでありますけれども、横断歩道の塗りかえと黄色のセンターラインなどは、警察本部の交通安全施設整備事業の予算で、もう一方、外側線と白色のセンターラインは県土整備部の道路維持修繕事業の予算となっております。これは、セットとして工事が施工される場合が多いというふうに理解をしているわけですけれども、知事提案説明では、「摩耗し見えにくくなった全ての横断歩道を塗り替える」という御説明をいただいております。横断歩道の塗りかえに伴い、外側線や白色のセンターラインなども塗りかえられると思っておりますが、横断歩道の塗りかえに伴う白線の予算措置もとられているのか、お伺いをいたします。

○水谷部長 道路管理者が行っています区画線の引き直しと、横断歩道等の引き直し等の件ですけれども、例えば、バイパスの整備などで、新たに区画線を引いたりとか横断歩道を設置するような場合は、その施工とか工事の内容でありますとか施工時期について調整を行っていますし、場合によっては、一体に施工する場合もございます。しかしながら、供用中の道路のラインの引き直しであったりとか、横断歩道の引き直しについては、それぞれの管理者が行っています。
 それは、例えば我々道路管理者としては、引いている区画線、外側線は自動車の運転者の視線誘導、安全の確保というのが一番の目的ですし、当然のことながら、横断歩道は横断をする歩行者、自転車等の安全確保ということで、目的というか事業の優先順位の考え方が少し違いますので、なかなか施工場所が一致するというところがないような状況ということもありまして、それぞれの管理者によって施工をやっております。
 そうはいうものの、道路利用者全体の安全性の確保でありますとか事業の実施の効率性という点で、一体発注することによって有効なこともあろうかと思いますので、まずは、年度当初に施工場所でありますとか施工内容、施工時期等の情報共有をしながら、一体化のことについて有効性等の検討を進めていきたいなというふうに考えています。

○田中(祐)委員 わかりました。やっぱり一体性でやるということによって経費もかからないので、これから、単独でやるのではなく、しっかりと調整しながら進めていっていただければ、削減にも結構つながるかなというふうに思います。
 そして、先ほど安全に関する件でございますけれども、次は、激化する豪雨に対するための対策についてお伺いしたいと思います。
 中山間地域では、今もなお地すべりや土石流が発生して、多量の土砂流出と堆積土砂が人命や生活基盤に直接的な影響を与えているというような状況にあるわけでございますけれども、中でも、堆積土砂というのは河床の上昇をもたらして、水位を上げて、洪水とか氾濫等の発生の原因につながっているわけでございますけれども、さらには生態系、そして景観、また農業用水の取水にも大きく影響しているというふうに思っております。
 これらを踏まえまして、まず質問させていただきますけれども、県としては、これまでも堆積土砂により低下している河川の流下能力を回復をさせるため、堆積土砂の撤去を行っていただいているところでございます。平成29年度の河川堆積土砂の撤去予算は6億5500万円、撤去予定量は24万立方メートルというふうになっておりますが、堆積土砂の現状と土砂撤去量の推移、そしてまた28年度末でどれぐらいの堆積土砂が残っているのかお伺いをいたします。

○水谷部長 県管理河川における河川の堆積土砂撤去の状況でございます。私どもといたしましては、大規模な山腹崩壊が発生しました平成23年の紀伊半島大水害、その前の状態に何とか戻せないかということで、様々な取組をしております。加えて、通常の雨、大災害とか災害が発生しないような普通の雨でも、年間10万立方メートル程度の土砂流出があると考えていまして、それらについても適切な撤去を進めていくということで取り組んでおります。
 具体的な取組の方針としましては、これらの撤去について、通常の雨、今も言いましたように、通常年間10万立方メートル程度入ってくるという想定をしている土砂に対しては、通常の河川事業で撤去をしたいと考えています。また、災害が発生するような大雨等の異常出水については、災害復旧事業を活用しながら撤去をしていきたいと考えていますし、これに加えて、砂利採取を活用しながら、全体量の減少に取り組んでいきたいと考えております。
 この3つの取組によりまして、例えば、平成26年度末には約299万立方メートルあった堆積土砂が、今年度事業がうまく進めばというところがあるんですけれども、平成28年度末には230万立方メートルに減る見込みでございます。平成29年度につきましても、先ほど御紹介がありましたように、これに要する費用として6億5500万円を計上しておりまして、約9万立方メートルの土砂を県の事業として撤去する予定でございます。
 県の河川事業として撤去するのは9万立方メートルで、それに加えて、何とか例年並みの砂利採取も活用しながら、その砂利採取では15万立方メートルを見込んで、合わせて24万立方メートルの撤去ができないかというふうに考えておるところでございます。

○田中(祐)委員 ありがとうございます。
 徐々には減ってきているというふうに伺ったわけですけれども、何年かかったらなくなるんかなと、いろいろ指折りもするわけでございますけれども、最終的にはなくならないわけでございます。そんな中で、先ほど説明の中で、砂利採取というお話がございました。結構土砂がたまっておりまして、砂利採取業者とも話しているわけですけれども、仕事もないのに砂利ばかりとっておれんわなという話なんですけれども、確実に砂利をとっていただいている現状というのはあるんですかね。それとも年間どのくらいの砂利採取業者が砂利採取をされているのか、そこら辺をお伺いしたいと思います。

○水谷部長 砂利採取の活用は、県予算という視点からいくと非常に有効な方法でありまして、県としても何とか少しでも増やしていきたいなということで、様々な支援策なんかも講じてはおるんですけれども、委員御指摘のように、そもそも砂利の需要がないと進まないという構造の中で、ここ数年は約15万立方メートルをとっていただくということで、ずっと推移をしているというか、15万立方メートル程度のものは確実にとっていただけるような状況にはなっております。

○田中(祐)委員 わかりました。15万立方メートルとっていただくということで、これは、たしか県へ1立方メートル当たり216円入ってくるというふうに思うわけですけれども、しっかりと我々もそこら辺を砂利採取業者にPRして、少しでも県の負担を少なくしていきたい、そんなふうにも思っております。
 それとあと、なかなか減らないという状況の中で、先ほど、今年はシーリングから交通安全施設の件を外していただいたということですけれども、その辺はもう少し予算を増して何とかならないんですか。費用対効果のことを考えますと、もし氾濫した場合大変な被害が起こるわけで、それに対する復旧でかなりかかるというふうに思うわけですけれども、もうちょっと早急に土砂撤去を進めるということは考えておみえにならないのか、お伺いしたいと思います。

○水谷部長 県で行います河川の堆積土砂撤去につきましては、河川の維持管理費というか、維持管理の事業の中で取り組んでいます。今回の予算編成の中で、堆積土砂撤去につきましては、特定政策課題枠の中での要求ができるというふうに我々で判断しまして、特定政策課題枠の中での要求をしましたが、河川の維持管理費全体を見てみますと、そのほとんどが通常の管理業務ということで、特定政策課題枠になじみにくい事業ということでなかなか厳しい状況にありまして、今現在もその維持管理予算の中で、堆積土砂撤去については全体の中の25%ほどを占めていまして、河川維持管理予算の中でのかなり圧迫というか、厳しい状況になっています。
 河川の施設につきましては、老朽化が進んでいるものでありますとか、堤防とか排水機場などの点検をやらねばならないもの、また、その点検に基づく修繕をやらなければならないものということで、河川維持管理費全体としてたくさんの費用が必要となっていますので、なかなかその中で、河川の堆積土砂撤去にかかる費用の大幅な増額をしていくというのは難しい状況にあるのかなというふうには考えています。

○田中(祐)委員 非常に難しいというような御答弁をいただいたわけでございますけれども、本当にこの件は何度も申しますけれども、この土砂被害によって、逆に後から大変な費用がかかることもございますので、その辺は、また今後もしっかりとお考えをいただきたいというふうに思います。
 私の持ち時間がもうあと2分ほどになってまいりましたので、最後に、地域医療構想についてお伺いをしたいと思います。
 この件は、9月の一般質問でも取り上げさせていただきました。平成37年の医療需要、そして医療提供体制の方向について、平成28年度末までに県が地域医療構想を策定する運びとなっております。あともうしばらくあるわけでございますけれども、現在の状況をお伺いしたいと思います。

○松田局長 地域医療構想の現在の状況についての御質問でございます。
 地域医療構想は、今年度末までに策定する必要がございまして、それぞれの地域医療構想区域での調整会議が全て先週末で会議を終えまして、あと3月中旬の医療審議会での審議を経て答申を得て策定するという段取りになってございます。
 地域医療構想につきましては、いろいろ御懸念の御意見も多数いただいておりまして、パブリックコメントにおきましては、八十数名の方から二百数十件の御意見をいただいております。これは全国的に見ますと一番多い意見をいただきまして、今後、地域医療調整会議で2025年に向けて議論を進めるに当たって、大変貴重な意見をいただいたと思っておりまして、今後、各地域での議論をしっかり進めてまいりたいと考えております。

○田中(祐)委員 ありがとうございました。平成37年までなので、まだしばし時間はあろうかと思いますけれども、ベッド数の削減の2900床とか、大きな課題があるように思っております。そしてまた、地域医療構想の受け皿となる地域包括ケアシステムの構築がなかなか進んでいないというふうに思いますので、その辺はしっかり進めていただくことをお願い申し上げまして、私の時間が来ましたので、終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。

○木津委員 皆さん、こんにちは。俳聖松尾芭蕉翁の生誕の地、伊賀市選出の木津直樹でございます。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 まずは、平成29年度は大変厳しい予算編成の中、以前から要望がありました道路の白線につきまして、大変目に見えた大修繕を行っていただくということについては、本当にありがとうございます。私も昨年12月の一般質問で取り上げましたが、特に高齢者の方のドライバーの事故が多発している中で、操作ミスもございますけれども、特に高齢者の運転される方は、白線がしゅっと引いてあると、とにかく運転がしやすい、特に夕方、白線に沿って運転をして一旦停止、そしてまた右折、左折とかがしやすいということで、大変期待もしていますし、またうれしいことと思います。大変厳しい予算の中、今必要な予算につきましては大幅な予算措置をしていただきまして、対処をやっていただくということは、本当にありがとうございます。心から感謝を申し上げたいと思います。
 それでは、田中委員に続きまして、2番目の総括質疑を行いたいと思います。
 先ほど、田中委員から地域医療構想について少しお話がありましたので、私も引き続き、関連して質問を行いたいと思います。
 地域医療構想につきましては、2025年を視野に、機能分担、そして連携についての考え方を行うということでございますけれども、現状、伊賀地域におきましては、名張市立病院、そして上野総合市民病院、そしてまた同規模の民間病院の3つの中で輪番制を行っているということで、大変救急医療が問題になっております。
 この地域医療構想を見ておりますと、伊賀地域は全ての面で下回っているということで、上回っているのは死亡率と高齢化率ぐらいかなということしか書かれていないので、読み込んでもなかなか読み切れないところがあります。
 そういった中で、自治体病院ですので、県が直接てこ入れするというのはなかなか難しいところがあるかもわかりませんけれども、伊賀地域の医療を考えますと、やはり県がリーダーシップをとって、指導または支援をいただきたいかなと思っておりますので、今後の伊賀地域にとりましての地域医療構想について、まずはお聞きいたしたいと思います。

○松田局長 伊賀地域の地域医療構想についての御質問でございます。
 伊賀地域につきましては、国立社会保障・人口問題研究所の推計によりますと、2015年から2025年までの10年間で、1万4000人の人口減少が見込まれております。また、65歳以上75歳未満人口も2020年ごろをピークに減少すると。また、75歳以上人口につきましても2030年ごろをピークに、その後減少するということでございまして、そういった人口減少を踏まえて、そのときにおける疾病の状況、疾病ごとのニーズというものを加味した上で、あるべき医療提供体制をどうするのかという議論を伊賀地域でやっていただいているというわけでございます。
 そういうふうに高齢者が増えてまいりますので、あわせて、在宅医療の需要が増加してくるという状況でございますので、伊賀地域におきましては、3つの観点から今後検討をしていく必要があるというふうに考えておりまして、1つは、先ほど委員のほうからも御指摘がありましたように、3つの基幹病院における救急も含めた急性期をどうしていくのかという観点、それから、伊賀地域は、回復期、それから慢性期についても実は不足しておりますので、そこを充実していかなあかんという問題がございます。それと3点目は、在宅医療提供体制の整備ということでございまして、こうした3つの課題につきましては、今後2025年に向けて、各地域の会議の中でも同様なんですけれども、関係者間における自主的な取組と管理者間の協議を基本に取組を進めていくということでございます。
 お尋ねの公立病院については、どういう役割を果たすかというのは、これについてもしっかり議論してまいりたいと思っておりますけれども、実は来年度、保健医療計画もあわせて策定することになりますけれども、その中でも、厚労省のほうから地域の基幹病院については、救急医療や災害医療等を担う医療機関がどのような役割を担うか明確にすること、そしてまた、公立病院が担う医療機能がどうであるべきかということについてもしっかり議論して計画を策定するようにということでございますので、今後、地域における議論をしっかり進めてまいりたいというように考えております。
 以上でございます。

○木津委員 ありがとうございました。
 その中で、まだまだ医師、看護師不足と思うんです。以前から三重県では、医師修学資金貸与制度ということが行われておりまして、いよいよ種をまいていただいて、今ちょうど実になる、花が咲くという時期と思っておりますけれども、その辺の状況を聞きたいんですけれども、よろしいですか。

○松田局長 医療従事者の確保についてのお尋ねでございますけれども、医師修学資金貸与制度について、先ほど例を挙げられましたけれども、まさにこれから花開くという状況でございまして、この医師修学資金貸与制度につきましては、平成16年度に設置したものでございまして、卒業後に医師として県内で勤務する意思のある者に対しまして、返還免除条件つきで貸与しているというものでございます。実は、平成29年2月末現在で、貸与者の総数は550人ということになってございまして、27年度末までに初期臨床研修を終了して、28年度時点で県内医療機関で勤務を開始した医師数というのは、累計で86人ということになってございまして、これは29年度におきましては135人に増えてくると。さらに、平成33年度当初には380人まで増える見込みということで、県内医療機関で勤務する医師の段階的な増加が期待されておるということでございます。
 あと、医師の総数確保という観点で非常に有効なんですが、医師の地域偏在に対しても、やっぱりしっかり取組を進める必要がございまして、それにつきましては、三重大学と三重県で設置しております地域医療支援センターにおきまして、そういった偏在解消の一環として、ローテーションしながら、地域で勤務していただくというプログラムを策定しておりまして、そこへしっかり後期研修の方を採用してそこに着任していただくように、引き続き取組を進めていきたいということでございます。
 以上でございます。

○木津委員 若い研修医の方は、その病院で事例が多いですとか、また、いろんな研修できる機材の充実とか言われると思うんです。その辺もしっかりと県のほうでも確保というか、していただきたいと思います。医療につきましては一番大事なところでございますので、厳しい財政の中でございますけれども、しっかりと行っていただきたいと思います。よろしくお願いいたしたいと思います。
 さて、次に、定番の農業問題の質問でございます。
 今、国会におきまして、生産資材や農産物の流通業界の再編を促す農業競争力強化支援法をはじめ収入保険制度を創設するための農業災害補償法改正案、土地改良法改正案など、大きな制度変更を伴う農業改革関連法案が審議をされようとしておるところでございます。できるだけ早い段階から審議をしていただいて、今国会での成立を目指していただくということでございますし、また、白熱した議論も期待するところでございます。
 三重県では、大変厳しい財政の中、編成されました農業政策でございますけれども、農業者からは、平成28年度の政策をそのまま引き継いでいただくのか、そしてまた補助金のカットはないのかということで、いろいろ心配しておりますので、農林水産部の平成29年度当初予算についての具体的な内容を、お聞かせをお願いいたしたいと思います。

○吉仲部長 平成29年度の農林水産部の予算の特徴といいますか、そういった御説明をさせていただきます。大変厳しい財政状況の中ではありましたけれども、我々もやはり、もうかる農林水産業というのを農業者の皆さん、林業者の皆さん、水産業者の皆さんとともに進めていきたいという思いの中で、まず、ベースとなるのは生産振興であります体質強化、これはやっぱりベースにあると思っています。そうしたベースの上に立って、今回、当初予算では3つほど特徴を出させていただいたと思っています。
 まず、サミットのレガシーを生かす中で、東京オリ・パラを契機とした農林水産物の首都圏を含めた販路拡大、そして、自然などを生かした集客促進ということで、昨年、伊勢志摩国立公園がナショナルパーク化を目指すということで選定されましたし、三重まるごと自然体験を進めていく、こういったポテンシャルを生かして、しっかり外から人を呼び込んでいく、こういったものをしていきたい、1つ目がそういったことです。
 2つ目が、こういったものをしっかり進めていくためには、やはりしっかり次代を担っていただく次代の経営感覚を持った人材育成というのが必要と思っています。そういう中で、特徴的なものとして、農業大学校にみえ農業版MBAの講座を開設、あるいは林業の将来を担っていく担い手として、みえ森林・林業アカデミー、仮称でございますけれども、そういった設置の準備、これが2つ目でございます。3つ目として、やはり迫りくる災害に対して、安心・安全ということで、熊本地震の課題も踏まえて、大規模自然災害への備えとして災害に強い農林水産業の基盤づくり、こういった3本柱でしっかり進め、いいかえれば攻めと守りというものをしっかりやっていきたいと、こんな形で特徴を出させていただいたつもりでございます。

○木津委員 ありがとうございました。
 3つの施策を聞かせていただきました。サミットのレガシーを生かした東京オリ・パラ関連の事業につきましては、この後、前野委員から質疑があると思いますので、私のほうでは控えさせていただいて、ベースとなります農業分野における生産振興の取組を聞きたいと思います。
 まずは、TPP協定も少し雲行きが怪しくなってきたかなと思っておりますけれども、いずれにせよ、日本の農業者が将来展望を持って経営を持続し、国際競争力をつけていかなあかんということになりますので、引き続き、収益力の強化など体質強化を図っていくことが大事かなと思っております。
 県は、こうした国の対策を活用しながら、どのように農業者の経営力の強化、そしてまた取組を行っていくのかをお聞きしたいと思います。

○吉仲部長 体質強化についての御質問ですが、今、委員からも御紹介がありましたが、国のほうで、TPP絡みで予算が出ております。また、国のほうはTPPいかんにかかわらず、体質強化、それから経営安定対策はしっかり進めていくということで、予算もついております。
 県としてはそういった国の事業を有効に活用しながら、特に、特徴的な事業として紹介をさせていただきますと、高収益な産地を育成するということで、産地パワーアップ事業、これも国の事業でございますけれども、この事業をしっかり進めていきたいと思っています。平成28年度の具体的なことを少し紹介させていただきますと、鈴鹿市、松阪市あたりでは大豆の産地ということで、作業機械の導入であったり、伊勢市ではネギを従来進めていただいていまして、そういったものへのハウス整備等、そして、亀山市あたりでは、これは少し産地パワーアップ事業とは違いますけれども、畜産関係の経営体安定ということで、酪農の整備、そして、伊賀市では、これはまた事業としては違いますが、経営体育成ということで高度なトラクターの導入などに有効活用いただいたような事例があります。
 また、経営安定としましては、これはベースとなるところの需要に応じた小麦、大豆の生産拡大、あるいは牛肉及び豚肉の経営安定対策としてマルキンということですけれども、そんな対策をやってきておりますし、引き続きこれもやっていきたいと思っています。
 また平成29年度、特にこういった事業を引き続き進める中で、例えばトマトであったり、肉牛であったり、養鶏であったり、そんな事例も今、要望も聞いておりますので、そういったものにしっかり応えながら、県としても需要を掘り起こして、しっかり経営安定対策、攻めの農林水産業へ結びつけていくように、ベースとなるところをしっかり頑張っていきたいというふうに思っています。
 以上でございます。

○木津委員 まさしく産地パワーアップ事業はTPPを見据えた事業であったかなと思っております。また、各地で販売額10%アップを、そしてまた、生産・加工・出荷コストを10%ダウンといいますか、いろんな事例も出てきていると思います。そして、やはり大変厳しい財政の中で、国の補助金でありますとか、いろんな制度を活用していただいて、アンテナを高く張っていただいて、有効に活用していただきたいと思います。
 次に、災害に強い農林水産業の基盤づくりについてお聞きいたします。
 三重県内の農業用ため池は、およそ3160カ所あると聞いております。全国でも大変多い県かなと思われますし、そのうち、伊賀市でも1200カ所を超えるため池があるということでございます。ため池につきましては、江戸時代以前につくられたものもたくさんありまして、耐用年数は200年ということでございますので、更新時期が近づいている、過ぎているため池も大変多いと思います。最近は、南海トラフ地震、またゲリラ豪雨などなどありますので、豪雨による決壊等々も考えられます。その中で、今、着実に取り組んでおりますハザードマップの作成、また、備えるべきことに着実に取り組むことが大変大事かなと思っております。
 そこで、平成29年度はもとより、今後、農業用ため池の整備、ハザードマップの作成など、どのように取り組んでいくのか、よろしくお願いいたしたいと思います。

○吉仲部長 農業用ため池については、さきの3.11の東日本大震災でも、農業用ため池の決壊により貴重な命が奪われるという大変な災害が発生しました。そういったことを受けまして、南海トラフ地震あるいは年々厳しさが増す風水害対策に取り組んでいく必要があると思っています。
 ただ、限られた予算の中で、効率的にしていくため、平成27年度に三重県農業農村整備計画を策定いたしました。そういう中で、しっかり安全・安心な農村づくりに向けて、農業用ため池の決壊を防止する耐震対策というものについて、計画的に進めていくこととしています。
 今、委員からも御紹介がありましたが、特にソフト対策としては、ハザードマップの作成というのを今推進しておりまして、平成29年度では、計画では45カ所でございます。伊賀市は非常にため池が多いということで今紹介がありましたが、その中でも、伊賀市については10カ所程度を予定しておるわけでございます。ハード対策としては、いなべ市、桑名市はじめ7カ所ぐらいで耐震対策を予定していきたいというふうに考えています。
 予算規模でございますが、当初予算といいますか12月補正等を含めまして、ほぼ前年並みの予算は確保できたところでございますので、しっかり地元の皆さんと調整をしながら進めていきたいと思います。今後もハード、ソフト両面で安全・安心を守るべく、市町の皆さんと特に連携をする必要がございますので、地元の皆さんとしっかり連携をしながら、進めていきたいというふうに考えています。

○木津委員 南海トラフ地震も予想されて、湾岸にかなり津波対策等々予算も出ているわけでございますけれども、山間も山津波といいますか土砂崩れ、そしてまた、ため池の決壊等々ございますので、しっかりと山間部のほうも、防災対策、減災対策を施していただくことをお願いしたいと思います。
 そして、時間的に最後になるかと思います。県民の安全・安心を守るという観点から。今シーズンも高病原性鳥インフルエンザが大変多くございました。北は北海道から南は宮崎県まで、10件の鳥インフルエンザが発生したかなと思っております。こうした中で、聞きますと、県内の民間家禽農場242戸に対して必要な措置もしていただいたと聞き及んでおります。また、鳥インフルエンザが一旦発症しますと、全羽殺処分、そしてまた埋設ということで大変大がかりなことかなと思います。
 そしてまた、伊賀のことだけ言うのは何ですけれども、伊賀は大変養鶏場が多うございます。三重県の養鶏の数が745万6000羽で、そのうち伊賀地域が227万6000羽ということで、県下約3割の養鶏がおるということでございますので、大変住民の皆さんは心配ですし、また、ないかもわかりませんけれども、人に対する伝染もあるということでもありますので、気になるところでございます。一旦発生しますと、大変な社会現象にもなりますので、予防の面でも非常に大事かなと思います。
 そこで、現在、鳥インフルエンザの対応につきまして、平成29年度の取組、そしてまた今年度の取組を聞きたいと思います。

○吉仲部長 鳥インフルエンザ対策ですけれども、今委員から御紹介がありましたように、伊賀は、全体の頭羽数の3割を占める非常に大規模な事業者がみえるということで、そういうことも承知しておるところでございます。鳥インフルエンザは、若干野鳥からの関係もありますので、少し野鳥の状況も御紹介しながら、対策について話をさせていただきたいと思うんですけれども、今シーズンは昨年11月28日に青森県のアヒルで、まずは第1報が発生をいたしました。その後、7の道県の10農場で発生し、全国で約140万羽という家禽が処分をされているような極めて厳しい状況です。北は北海道から九州の宮崎県までということで、全国的にどこで起きてもおかしくないような状況です。
 一方、野鳥については、本県では12月14日、明和町のオオタカ1例で陽性反応が出まして、確定をしました。その後、しっかり野鳥についても観察をして、環境省のほうからは特定の重点監視というのは外れましたけれども、全国では、22の道府県216例で野鳥から見つかっています。そういう中、幸いなことに、三重県では起きておりませんので、今、委員からも御紹介がありましたが、特に養鶏農場の皆さんに対して、鳥インフルエンザに警戒し、未然防止というのが大事ですので、日常的な指導の中で、経営者への野鳥等の侵入を防ぐための防鳥ネットの確認、それから、当然、人等が出入りしますので、車とか人の消毒の徹底、そして、農場、特に鶏舎内の部外者の立ち入り制限ということを徹底させていただいています。
 また、各地区の家畜保健衛生所では、24時間体制の相談窓口も設けてやってきています。今御紹介ありました2月には、やはり一番鳥インフルエンザの発生率が高くなります。三重県でも、過去2月に発生したことがありますので、そういったことで特に警戒すべき時期ということで、1月20日に県全域に消毒命令を出させてもらいました。民間の家禽農場142農場全てに対して、消石灰の無償配布を行いました。量でいきますと、20キログラム袋で1万1097袋を配布し、その消毒として、2月末までに改めて消毒の徹底注意の喚起を行い、徹底をして、全てのところで消毒を一旦は完成しました。
 また、万が一の発生に備えまして、防疫体制の強化として、県内各地での演習でありますとか図上訓練、それから、いざ発生しますと、埋却処分をしますので、農場における埋却地の確保、それから中央家畜保健衛生所等における必要な防疫資材の整備ということで、防護服などを再点検して整備をしておるところでございます。
 引き続き、平成29年度においても、本年度の取組に係る評価検証をしながら、防疫体制の強化に努めることとして、しっかり農場への指導、あるいはモニタリング検査、野鳥の検査などについて取り組んでまいりたいというふうに思っています。
 いずれにしましても、起きないことが第一ですので、しっかり徹底をして、農業者の皆さんにも意識を高く持っていただいて、取り組んでまいりたいと思っています。
 以上でございます。

○木津委員 ありがとうございました。
 農家はじめ住民の皆さんは大変敏感になっております。県でも努力をしていただいているのは十分理解いたしました。今後も引き続き、関係者と一体となりまして、鳥インフルエンザの予防に努めていただきたいと思います。
 平成29年度も必ず日本のどこかで鳥インフルエンザは発生すると思いますので、万全の対策をお願いいたしまして、私のほうからの質問を終わります。
 ありがとうございました。

○前野委員 自民党会派、津市選出の前野和美でございます。午後の大変お疲れのところを、しばらくおつき合いいただきたいと思います。
 午前中は、新政みえのほうから、平成29年度当初予算について大変厳しい、厳しいという、そんなお話もいただきながら、知事の抱負も聞かせていただいて、29年度は、一安心かなという感じも実は受けさせていただいておりますが、我々自民党も、知事のほうにいろんな要望を出させていただいて、それも特定政策課題枠として取り上げていただいているのかなということで、それなりに満足しながら、29年度当初予算を見せていただいておりました。
 その中で、当初予算調製方針、いただいたやつをずっと読ませてもらっておりますと、やっぱり非常に厳しいというように言わざるを得んなという、そんな状況でございまして、特に、これを1つずつ読んでいますと、どこかの党が事業見直しをしたような、それ以上にもっと厳しい財政状況を進めてもらっているのかなという、そんな感じもいたしております。
 質問に入らせていただきたいと思うんですが、まず、先日、全員協議会の場でも、平成29年度当初予算の概要について当局から説明をいただきました。歳出の状況のうち、経費別の前年度比を見てみると、社会保障関係経費と公債費が大幅な増となっておりまして、やはり義務的経費が県財政を圧迫しているということははっきりとうかがわれるわけでありますが、このうち、社会保障関係経費は国の施策による部分が非常に大きくて、高齢化社会の中にあって、そう簡単に県のほうで改善できるということは難しいのかなと、そんなふうに思ったりもしております。しかし、公債費については、平成34年度に見込まれているピークに向けて増加を続けている中なんですが、県財政の健全化に向けた集中取組の中で、今後、この県債発行については当分の間、投資的経費を抑制していくとともに、県債の償還期間を適切な範囲で延長していくと、こういうことを申されておりますので、そこで、総務部長にまずお伺いしたいと思うんですが、公債費の償還期間の延長による財政への効果は、具体的にどの程度見込まれるのかなということで、御答弁をいただければありがたいと思います。よろしくお願いします。

○嶋田部長 御質問にありました償還期間の延長の効果なんですけれども、まず、素案でも記載してありますように、今後、県債の発行について、公債費負担の平準化を図っていこうということで、その手法として、まず新発債、新規発行の県債については、適切な範囲において、より長い償還期間にするということが1点、それと、10年に1遍ぐらいずつ、借りかえの起債はしておるんですけれども、借換債においても借りかえ時に総務省の許可年限があるんですけれども、その年限の範囲内で、借りかえ後の償還期間を可能な限り延長していこうというような2つの方法論を今考えておるところであります。その償還期間の延長による効果なんですけれども、起債の償還は、制度的に2年ないし3年は元金が据え置かれていますので、今、この平成29年度やっても、2年ないしは3年はすぐ元金の償還が来ませんので、なかなか効果がすぐに見えてきません。
 しかしながら、公債費のピークと言われています平成34年度時点でどの程度に今やったらなるかということを試算しますと、おおむね30億円程度引き下げることができるというような見込みを持っておるところでございます。
 以上でございます。

○前野委員 今、御答弁をいただきましたが、県債の償還には据置期間があるということで、その効果があらわれないということではなしに、長期スパンで見てくると、償還期間の延長によって一定の効果が得られると、そういう説明だったと思うんですが、それと、公債費負担の平準化をそれで図っていこうと、こういうことでございまして、一定、30億円も捻出できるということですので、一安心かなという、そんな感じを実は受けました。
 それからもう一つ、退職手当債についてちょっと伺いたいと思うんですが、給料の高い人が退職して若い人にバトンタッチをする、そのことによって人件費が削減されて、退職手当債の償還財源が確保できる、こういうことだと、これまで説明を聞いてきたと思うんですが、奥野委員がここでよく言われるんですけれども、道路や学校を建設するための投資的な起債は、将来世代も道路を利用したり学校に学んだりということで、一定、将来世代にも負担を求めることができるんじゃないかと、こういうお話をよくされます。しかし、退職手当債の場合は、将来世代に利益なき負担というふうに我々は感じるんですけれども、世代交代をして人件費も削減する、その削減したもので退職手当債の償還をしていこうということなんですが、それだけではなしに、退職手当引き当てをしながら積み立てているという民間企業の手法なんですが、この辺も含めて、退職手当債というのはどんなふうに考えておられるのか。またこれは、10年間退職手当債が延長されることになりましたよね。その辺の財政への影響というものはどのように出てくるのか、その辺をお聞かせください。

○嶋田部長 もともと退職手当債は、発行する条件といいますのが、まず今年度、職員人事異動があったとしたら、来年度どれだけ人が減るかというような人数で、許可額が決まってきます。といいますのも、起債ですから償還していかなくてはいけないということで、その財源は、おのずと人数が減るわけですから、例えば100名減ったら、10年償還ですので、100名の10年分の人件費が以後落ちるわけですね。そういったことの見通しの担保のもとに発行しておるということでありますので、必ず発行する条件は人が減っているということになるということであります。

○前野委員 人が減った分で退職手当引当金を補っていこうということなんですね。十分理解しました。今後の県財政の中でそれがどのように影響していくかということに答えていただいていませんでしたので、ひとつよろしくお願いします。

○嶋田部長 人が減っていくことも含めまして、三重県の人口構造は、今、非常に高齢化になっています。今後5年間ぐらいは非常に高いレベルで推移するんですけれども、それ以後は徐々に減っていくということで、既に今年度も人件費は減少傾向には出ています。ただ、退職手当そのものは高どまりしているということで、この部分がよその県とは違う部分であるということであります。

○前野委員 もう一つ、民間のように退職積立金を準備していくという予定は考えてもおりませんか。

○嶋田部長 一般会計においては、普通そういうことはやっておりませんので、考えてはおりません。

○前野委員 将来世代に対して負担を残すだけというような退職手当債の色合いが非常に強いですので、単年度会計といえども、そういう、減債積立金みたいな感じで、退職手当金を積み立てるという方法もちょっと考慮してもらったらどうかなと、そんなふうに思いますので、ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それから、今後の県債発行については、当分の間、投資的経費を抑制していくということですので、みえ県民力ビジョン・第二次行動計画に掲げた県債残高の減少傾向を維持するため、どのように取り組んでいくのか、また、県債発行抑制に留意しつつ、将来への投資は必要と考えるんですが、最後に、知事の考え方を聞かせてください。

○鈴木知事 今、最後に、前野委員がおっしゃったとおりだと思います。一般質問でもお答えさせていただきましたけれども、県債発行においては、ちゃんと必要なものに果敢に取り組んでいくという運営方法と、持続可能な財政運営をするための方法と、この2つをしっかりバランスをとって、両立させていくということが大事だと思っています。
 先ほど来、嶋田部長のほうからも申し上げているとおり、平成34年度が公債費のピークですので、残高を減少傾向に持っていくということについては、平成24年3月に目標を掲げてからずっと順調に減っていますけれども、残高を減少させるということについては、しっかり、例えば新規の箱物みたいなものを抑制していくとか、あるいは情報システムの更新みたいなやつとか、新規のシステムみたいな構築、そういうのを抑制的にやっていくとかいうようなことで、やっていかなければならないというように思っておりますが、一方で、必要なものに果敢に取り組んでいくということについては、今回も交付税措置のある緊急防災・減災事業債とかを活用しながら、中期財政見通しを補正があっても超えないぎりぎりのラインまで発行させていただいておりますので、そういう必要なものを果敢にやる運営と持続可能にやっていく運営の両立で、しっかりやっていきたいと思います。

○前野委員 どうもありがとうございました。知事という立場の中で、あれもやりたい、これもやりたいという思いは我々以上にあります。その中で、今のような状況ですので、大変厳しいとは思いますが、しっかりと県のかじ取りをこれからもよろしくお願い申し上げたいと思います。
 次に移らせていただきまして、先ほど木津委員から農業分野における生産振興の取組、体質強化というのと、防災・減災対策ということで、ため池の整備、それから高病原性鳥インフルエンザについて質疑がありましたが、私のほうからは、さきに木津委員から紹介させてもらったんですが、サミットのレガシーを生かした東京オリ・パラに向けた県の農林水産物の販売拡大、海外市場における販路拡大など、平成29年度の新規事業を中心にお伺いしたいと思います。
 東京オリ・パラって、この間の一般質問からこの言葉はよく出てくるんですが、テレビを見ている人から東京オリ・パラって何やって聞かれましたので、ちょっとテレビで見ている方に説明するんですが、東京オリンピックとパラリンピックのことでございますので、御承知おきをいただきたいと思います。
 東京オリンピック・パラリンピックに向けて、三重県の農林水産物の販売拡大を進めていこうという取組で、複数の事業、7つ事業があるんですが、東京オリ・パラを契機にといった記述がされております。既に御承知の方もおみえになると思いますが、現時点で認定されている東京オリ・パラの概要について簡単に説明をいたしたいと思いますが、東京オリンピックは2020年7月24日から8月9日の17日間の開催で、参加選手は1万500人、パラリンピックは8月25日から9月6日までの13日間で、4200人の選手と言われております。
 また、東京大会では、ロンドン大会とほぼ同様にスタッフが16万人、それからメディアが2万人、観客については1010万人というふうに推定をされておりまして、そのうち日本人が84%、外国人が16%というふうに見込まれております。こうした世界各地から大勢の人々が集まる東京オリ・パラに向けて、農林水産物では、7事業4833万円が計上をされております。
 そこで質問なんですが、今後こうした事業により、東京オリ・パラを契機として、県の農林水産物の販売拡大を具体的にどんなようにして進めていくのか、まずお聞かせをいただきたいと思います。

○吉仲部長 答弁は東京オリ・パラで言わせていただきます。
 東京オリ・パラを契機として販路拡大を図っていくという事業で、3本の柱にしております。
 まず1本目は、やはりこのオリ・パラに向けてしっかり農林水産物を売り込んでいくためには、体制を整えていかないかんということで、生産者の体制でございます。そのために、意識醸成を図るためにセミナーを開いたり、まずは協議会を立ち上げたいと思っています。それがまず1本目。
 それから、2本目としまして、オリ・パラに採用されるためには、一定のGAPですとか、そういった認証を取得する必要がございますので、高度なGAPでありましたり、あるいは水産でいうと海のエコラベル等、あるいは森林関係ですが、FSC、そういったものの調達基準をしっかり満たすための体制の構築ということで、そういったことに向けた研修でありますとか、また、そういったものをどんどん加工食品で提供するために、加工食品メーカーへの売り込みであったり、あるいはナバナなど、三重の特徴のある野菜がありますので、そういったものは機能性ということで、スポーツ選手あるいは、いろんな方に機能性を売り込んでいくような取組も進めたいと思っています。それが2本目です。
 3本目としましては、オリ・パラを契機に、委員からも今、御紹介がありました、いろんなたくさんの外国人であったり関係者がみえます。特に、首都圏の高級ホテルでありますとか、あるいはケータリング事業者等には、やはり量ということもありますし、特徴あるものを売り込めるかということがありますので、具体的には、高級ホテルであります、そんなところへ選りすぐりの結びの神ですとか、伊賀米のブレンドしたものとか、あるいは伊勢茶の高級ボトル、あるいは三重県では、玉竜という被覆植物を全国で最も多くつくっていますので、それを壁面緑化に提供するとか、サミットで尾鷲のヒノキ材がテーブルに使われましたので、ああいったFSC認証材の製品としての売り込み、こういったものをかけていきたいということで、これが3つ目でございます。
 こういった取組を総合的に進めまして、オリ・パラを契機に首都圏、さらには海外にもしっかり売り込めるようなものにしていきたいというふうに考えています。
 以上でございます。

○前野委員 ありがとうございました。
 平成29年度は、オリ・パラに向けて売り込んでいく生産者の意欲の醸成、それから高度なGAPの認証取得、それから首都圏の高級ホテルやケータリング事業者、そしてまた建設業者における県の農林水産物の認知度向上に向けて取り組んでいきたいと、こういうことでございました。
 次に、東京オリ・パラの食材調達基準、特に今話がありましたGAPについてお聞きしたいと思うんですが、組織委員会から公表されている農産物の調達基準の案では、高度なGAPの認証取得が必要となっており、その上で、有機の農畜産物や障がい者が主体的に生産した農産物、農場HACCPのもとで生産された畜産物などが推奨されていると、こういうことになるようです。しかし、GAPといいましても、様々な種類がありまして、どの程度まで高度なものが必要になるのかと。また、今後も農家がGAPの認証を取得するためには、どのような課題があるのかなという、そんなことも非常にわかりにくいなという感じもいたしております。
 GAPは、消費者に安全な農産物を供給するための管理方式でもありまして、食の安全・安心の求めに応じて、既に農業者によってHACCP、いわゆる食品衛生管理やトレーサビリティー、栽培履歴、これらによって農業生産工程管理として行われているのではないかなというふうに私は思っております。しかし、GAPによる基準を明確にしたものは、現在、国内には存在しないのでありまして、農業生産者はこのGAPへの取組をどんなふうに捉えているのかなということで、せんだって、実は、農家組合の総会がありましたもので、その雑談の中だったんですが、GAPを説明しながら、農業生産工程管理についてどんな意見を持っていますかということで聞いてみました。
 決められた基準を守る農業、それから生産者の自負と意欲があらわれる行為、農産物を有利に販売するための農業、こんな話が戻ってきました。みんなの意見をまとめてみますと、産地間競争や農家個人の努力によるところが非常に大きい。オリンピックや海外展開を進めていくには、それぞれの農業がどうなのかという見比べる物差しがやっぱり必要なのかなという、こんな最終的なみんなの意見にまとまりましたんですが、日本のGAPによる評価はできておりませんけれども、これからはしっかりその認識をしながら農家も頑張っていかなあかんなという、そんな話でございました。
 それは、消費者の皆さん方もある程度共通認識があると思うんですね。日本の場合は、農薬や肥料にはそれに関する法律があったり、環境保護に関する法律もあって、それに関する通達や仕様書もありますので、三重県のように、法律を補う食の安全・安心の確保に関する条例なんかもあって、日本の食品は安心、安全という強い思いが消費者の方にはあってもらうのではないかなというふうに思います。
 ファーマーズマーケットやスーパーの地物売り場では、生産者の顔が見えると好評ですけれども、市場を経由しない農産物であるために、新鮮なのはわかるんですが、GAPまではというと、ちょっと公表もされておりませんし、消費者の皆さんは顔が見えるから大丈夫だろうと、信頼して購入していただいているんだなというふうに思っています。
 そこでお聞きするんですが、このGAPの認証取得に向けた県のこれからの支援は、非常に難しい課題だと思いますので、ちょっと御答弁いただけたらと思います。よろしくお願いします。

○吉仲部長 委員から紹介いただいたように、GAPについて生産者の中に様々な御意見があることは承知しております。我々は、三重県では、当然、安全・安心なものをつくっていただいていますし、いわゆる農薬基準とかをしっかりと守っていただいていますので、それは基本的に守られていると考えています。GAPということで、いろんな、高度なものから基本的なものまであるんですが、今、三重県で進めておるのは基本的GAPということで、今、委員から御紹介がありましたように、農家の皆さんが安全な農薬使用とか適正な使用ということで、産地部会で生産者部会と取り組んでいただいています。これは基本的GAPということで、約8割の産地で取り組んでいただいておると思います。
 ただ、今回、オリンピック・パラリンピックで求められてきますのは、そういったものは最低限としながらも、いわゆる環境保全であったり、働く方の労働安全性とか、あるいは人権とか、そういったものまでちゃんと守られているかと、それをPDCAでチェックして、次につなげるような仕組みの中でやられておるかという仕組みが必要になってまいります。
 したがって、今やられております基本的なGAPにプラスして、こういったものが求められるということでまずは研修をし、セミナーを開いて、皆さんに基礎知識をいただきながら、指導者がやっぱり要ると思いますので、そういった指導者育成等に取り組んでいきたいというふうに考えています。

○前野委員 大変ありがとうございました。今、御答弁がありましたように、今現在、農家の方々に一生懸命努力をしてもらっている安全性の基本の部分、これにさらに働く方の労働安全性とか人権問題、そういうものを含めてGAPとして認証取得をしていかなければ、東京オリ・パラに向けて、三重県の優秀な農産物をなかなか出せないなという、そんなことを強く思いましたんですが、これからもしっかりとサポートをしていただきまして、農家のために御尽力をいただきますようにお願い申し上げたいと思います。
 それから、東京オリ・パラ関連事業の成果目標と、最後に、海外市場における販路拡大、これもちょっと聞きたかったんですが、もう時間がありませんので、また次、私は6月に一般質問が待っておりますので、そのときにこの課題は残しておいて。そのとき、まだ吉仲部長にはおってもらえますね。もうおらんですか。おらんな、またそのときに深い議論をしたいなと思ったんですが、残念でございますが、本当に長い間御苦労さまでございました。今日はこれで終わらせていただきますんで、どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。

○中嶋副委員長 次に、鷹山、御質疑をお願いいたします。

○東委員 皆さん、こんにちは。品格を尊び気概に富む会派、鷹山、尾鷲市・北牟婁郡選出の東豊でございます。
 大会派が終わり、いよいよ少数会派に入ってまいりました。あと50分ですね。皆様、本当に肉体的なお疲れもあろう中で、16分間に実は増えたんですね。私、以前、去年は14分間で、この秋は15分間、1分ずつ延びていまして、2分間、少し増えたということで、気持ちのゆとりができてまいりました。
 早速、総括質疑をさせていただこうと思いますが、3点ほど用意をさせていただきました。
 私は、鈴木知事になって一緒に議会に加わらせていただきまして、特に力の弱いところ、ぱっと華やかなところじゃなくて、割と静かな弱いところに政治は光を当てるべきだという心構えでまいりまして、先般から大変厳しい中で予算組みをされていらっしゃるということを聞きました。私もそう思っている中でですが、サミットの成果を生かし、三重県が国内外から観光でも投資でも居住でも選ばれる三重県となるよう、あるいは防災対策とか、それから今から質問するのは未来を担う人づくり、少子化対策の、特に自然減対策についてどうするのかという視点でお尋ねをしたいというふうに思います。
 平成27年は合計特殊出生率が1.56と非常によかった、全国の中でもよかったということで、1つの成果がはっきりとされたんだと。ただ、一定、水谷隆議員も一般質問で言われていましたが、1.82は道半ばであるということで、さらなる「希望がかなうみえ 子どもスマイルプラン」に基づく取組をされてきたところですが、私はその中で、3年ほど前に一般質問でも取り上げさせていただきました産後ケアについての予算についてお尋ねをしたいんです。
 平成26年度から多分始まったんだと思うんですが、予算の推計を見てみますと、新年度予算は毎年毎年下がってきていまして、200万円前後行くわけですが、来年度は172万3000円と、4年間の中で一番少ない予算となっています。ただ、産後ケアに取り組む市町というのは、当時は津市と名張市でしたか、その2つぐらいだったんですが、非常に増えてきまして、新年度は14市町が産後ケアに取り組むということで、これは県の皆様の関係部局のお力で広められたということですが、14ですから、あと半分ですね。15市町につきましては、特に私どもの南勢志摩から東紀州にかけては、取組の状況がちょっと遅いということもあって、1つは予算の確保、来年度14市町が手を挙げようとしているのに、具体的に予算が少なくなってきている、それは実際、いろいろ審査があって、該当する母子の方がいらっしゃると思うんですが、そのハードルは年々下げていくべきだと思うんです。下げていって、なるべく利用してもらえればいいと思うんですが、増えてきたときの補正予算の確保を、心構えをちょっと聞かせていただきたいなということが1つ。
 それからもう1点は、残りのあと15市町がなかなか取り組めていないということがあって、これもいち早く取り組んでいただきたいなということが大きいんです。
 3つ目に、これはちょっと知事にお尋ねをしたいんですが、当初から、産後ケア、つまり日本版のネウボラとか三重県版のネウボラという中で、保健師、それから助産師、この数が非常に大事でありまして、全国平均からすると、はるかに、最下位をずっと来ているわけですね、10万人当たり何人というのが。この辺の取組で、知事として御所見を、少子化対策の自然減対策の中では、非常に目に見えにくいけれども大事なところだと、例えば、産後鬱とか、それから育児ノイローゼとかというのが実際問題として非常に水面下であるので、その対応は切れ目のない妊娠、出産、育児のトータルで、その辺の人材確保という面で御答弁をいただけたらなというふうに思います。

○鈴木知事 では、最初の事業の2点については、後ほど局長から答弁させますけれども、最後の助産師の確保の部分について。これは私が知事に就任したときは、人口10万人当たりの助産師の数が47位というような現状でありました。現在、まだ45位ぐらいというような状況でありますけれども、本当にうちも2人子どもを産むときに助産師の皆さんに大変お世話になったりしましたので、まず助産師の皆さんの必要性とか、あるいは活躍していただく場とか、そういうのをもっとつくっていかなければならないだろうというようなこと、それから、助産師の皆さんのキャリアアップとか、そういうこともしっかり考えていかないといけないだろうというようなことで、これまでいろんな研修とかにも取り組んできましたが、うちとしては1つ、医師会の皆さんの御協力も得て、チャレンジだったのは、助産師出向システムというのをつくりました。
 つまり、大きな病院にいらっしゃる助産師の皆さんで、通常分娩とかをなかなか経験できずにいらっしゃって、なかなか自分の能力を発揮できない、一方で、小さなクリニックとかで助産師が足りなくて困っている、ここに助産師の方がいてくれたら、この地域で通常分娩できるのにというようなことで両方の思いをマッチングするため、助産師の皆さんに大きな病院からクリニックに出向していただいて、助産師の皆さんの活躍の場、地域での助産師の皆さんの必要性の認識、そういうのをつくっていこうというようなことをやってきまして、大分御理解を得て、今やらせていただいているところですけれども、そういうような形で、私も三重県助産師会の皆さんとお話しさせていただいたり、場所も行かせていただいたりしておりますけれども、そういう皆さんのキャリアアップ、その活躍の場の確保、そして多くの皆さんに助産師の確保の必要性を認識していただく、そういうのをやっていくことが大変重要じゃないかなと、これからもしっかり取り組んでいきたいと思います。

○岡村局長 それでは、私のほうからは、残りの2点につきまして御答弁申し上げたいと思います。
 産後ケア事業は御存じのとおり、出産直後の産婦さんに産婦人科とか助産所で心身のケアを行うという事業でございますけれども、確かに予算額については、今年度210万円程度が来年度は170万円程度というふうに減額はしております。ただ、先ほど委員からも紹介がありましたように、市町事業でございますので、実施市町数につきましては、今年度10市町から14市町に増えているというようなことがありまして、一方で、予算額は減っているということなんですが、厳しい財政状況もありまして、予算の積算をかなり精査いたしまして、来年度予算の計上につきましては、今年度の最終の決算見込み額をベースに新たに増える4市町分の見込み額を足して積算したということもありまして、そういう関係もありまして、形的には減った形になっておりますが、市町の数としては増えておりますので、市町の理解も進んでいるのかなと思っております。さらにこういった取組をするように進めていきたいと思っておりますし、また、先ほど補正予算に対する確保という話もありましたけれども、そういった中で進める中でも、補正予算のほうの、対応が必要となってまいりましたら、財政当局のほうとも十分に協議しながら対応していきたいというふうに思っております。
 それから、あとの残りの市町への展開といいますか、拡大ということでございます。これは、まさに市町の御理解と、あと実際に受け入れいただく医療機関、産婦人科とか助産所の御理解というのが大事かなと。両者のマッチングが大事かなということで考えておりますので、そういったとこら辺に対しても県が橋渡し役的ということで、働きかけなり協力依頼をしながら、しっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。

○東委員 ぜひ一生懸命取り組んでいただきたいと思います。
 それから、時間がないので、2点目に移りますが、これは伊勢志摩サミットの効果と絶対言えると思うんですが、速報値で、宿泊旅行統計調査の数値では、宿泊者が1000万人を超えたと。非常に喜ばしいことだというふうに思います。これは伊勢志摩サミットからポストサミットに移行するのにも非常によかったというふうに思いますし、これからもどんどん進めていただきたい経済の循環になるわけですが、訪日外国人については、これは下がっているわけですね。もちろん中国が非常に減ったということもあるわけですが、ちょっと中身をはしょりますが、端的に申し上げますと、フリーWi-Fiは、ひところ、2年ぐらい前まで、県予算も組んで一生懸命増やしましょうと言っていらしたんですが、ここに来て、箇所数が増えていない。全県でも、民間はさておいたとして、1200カ所ぐらいしかフリーWi-Fiの箇所がない。これをある程度目標を決めて、例えば先月、愛媛県に行きましたけれども、愛媛県は今年、えひめ国体を迎えるわけですが、2500カ所に今年度はしようと目標数値を挙げていて、それで取り組んでいますと。特段、トップクラスじゃないわけです、拡充率は。
 でも、三重県もある程度、何カ所と目標をつけていかないと、これは多分予算がなくても、民間の御協力をいただきながら、知恵を出しながら増えていくんじゃないかなというふうに思うので、端的に御答弁をいただければと思います。予算がなくてもやれる事業だと思うので、外国人に対応するフリーWi-Fi、それから、JRとか乗り物のWi-Fi化が必要ですね。データローミングは、外国人は結構高いんです。高どまりで、我々日本人は3GとかLTEとかというので無料ですけれども、外国人はしないですね。なので、そこらあたりを、知事はこの間のぶら下がり会見か何かで、Wi-Fiが非常に課題だというふうなことをおっしゃっていましたので、時間の関係で、端的に御答弁いただければと思います。

○水島局長 御指摘のとおり、訪日外国人消費動向調査なんかでも、やっぱり一番欲しいというのはWi-Fiということでございます。御指摘のとおり、今現在1200カ所前後かと思っておりますが、当初は、やはり先導的にやっていくという意味もあって、補助金をつけさせていただいてやっておったんですけれども、今は民設民営ということで進めていただいておりますので、民間でやっていただいているのを県のほうで目標はこれだけだと置くのは、ちょっと差し出がましいかなというような感じもございまして、特に目標ということはどうかと思うんですが、できるだけ1カ所でも多くということは必要かと思っていますし、御指摘のとおり、公共の場所、そういったところでは本当に必要かと思っていますので、その辺はしっかり頑張っていきたいと思います。

○東委員 ありがとうございます。とにかく頑張っていただいて、増やしていただく機運を盛り上げてほしいと思います。
 時間の関係で、3点目に移ります。
 平成28年度三重県一般会計補正予算(第7号)の熊野古道センター運営事業費についてです。私どもは尾鷲市・北牟婁郡に住んでいまして、南に住んでいまして、熊野古道センターの1597万円を起債、国の補助がほとんどで、県単費でつけていただいた、これを見ますと、つまり今申し上げた多言語対応化ということが目的らしいんですが、その中身について、1分ぐらいでお話を具体的にいただければと思いますが、いいですか。

○亀井局長 補正予算で、観光庁の補助金を申請しておりまして、中身につきましては、熊野古道センターの中の、今ある3種類の映像があるんですけれども、地域や自然、歴史、文化を外国人の方に理解していただけるように、例えば祭りや民俗などといった、その3種類の映像を英語化すると。それに合わせまして、必要となるパソコンとかモニターの入れかえなども行うというものでございます。

○東委員 要望でいきますが、熊野古道センターの県の施設なんですが、無料Wi-Fiが飛んでいるのは交流棟だけなんです。展示棟と、あんなにすてきな庭に無料Wi-Fiが飛んでいないので、簡単なことだと思うので、ぜひその予算の中でできればやっていただきたい。
 もう一つは、田中部長のところですが、県総合文化センターとか総合博物館とかがアウトリーチ事業とか活動を一生懸命やりますというお題目があるんですが、熊野古道センターは地域振興施設なんですね。こっちは博物館法にのっとった博物館で、学芸員という、調査とか保存とか、それから分析とかという機能が熊野古道センターにはちょっと薄いところがありまして、何を言いたいかというと、機能をアウトリーチの中で学芸員を派遣するとか、あるいは共同で何かをするとかというものを少し濃厚に捉えていくと、それぞれが有機的に活動するのではないかなと。どなたに御答弁いただけるかわかりませんが、その方向って、南部地域活性化局ですか。それともどちらですか。要は、共同して、連携してやるべきじゃないかという話ですが。

○中嶋副委員長 答弁は簡潔にお願いいたします。

○田中部長 アウトリーチ事業については引き続きやっていきますし、長期的な派遣というのは難しいかもわかりませんけれども、アウトリーチ活動の延長の中で、収蔵であるとか調査研究であるとか、協力、連携できるところは、これからも一生懸命やっていきたいと思います。
 以上でございます。

○東委員 ありがとうございました。今後の取組に期待をしたいと思いますし、熊野古道センターが10周年たちました。次の10年を見据えて、新たな取組に期待をするところです。ありがとうございました。

○中嶋副委員長 次に、公明党、質疑をお願いいたします。

○山内委員 公明党、四日市市選出の山内道明です。公明党のほうは、10分しかございませんので、早速進めさせていただきたいというふうに思います。
 平成29年度当初予算(案)の基本事業名、緊急輸送道路の機能確保につきましてです。
 これは厳しい財政の中でありますけれども、約44億2000万円の予算計上をされております。事業概要の中に、「災害時に人員や物資などの交通(輸送)が確保されるよう、緊急輸送に資する県管理道路の計画的な修繕や整備を進めます」というふうにございます。これは、災害時は特にインフラの劣化等、非常に弱い部分に災害が発生するというふうに考えられます。こういった観点からなんですけれども、主に下水管の老朽化によるものや、海岸とか河川の護岸背面土砂の吸い出し等が原因とされております、いわゆる陥没を発生させるおそれのある路面下の空洞化について、また、同じく陥没につながると思われます橋梁の劣化等の状況について、その調査と対策についてお伺いしたいというふうに思います。

○水谷部長 それでは、道路の陥没、空洞化のことについてお答えします。
 例えば、平成27年度では、道路に埋設された占用物件のふぐあいによる空洞化が1件ございました。これにつきましては、通常の道路パトロールの中で、路面の変状、沈下を見つけまして調査したところ、空洞化を見つけて、占用物件の管理者と協議の上、早急に対応したことで交通に大きな支障がなく、安全が確保できました。これらにつきましては、毎年開催しています道路占用者会議において緊急時の連絡体制の確保でありますとか役割分担などの準備ができていたことと、会議を通じて関係者の顔の見える関係ができていたことから、このような早期の対応ができたのではないかなと思っていますし、引き続き、道路パトロールの担当者に対しては、空洞化が疑われるような路面の変状というのはどういうようなものなのかというようなことについての情報を共有するとともに、道路占用者会議を通じて、道路の埋設物の管理者に対しても、管理の重要性のことについて確認をしていきたいと思いますし、緊急時の対応体制についても、引き続き確保していきたいなというふうに思っております。

○中嶋副委員長 橋梁のことを。

○水谷部長 橋梁における空洞化というのは、きっと言われるのは、橋台背後における空洞化ということになかろうかと思いますが、通常、橋台背後は特別に慎重な対応をしてあるので、そこで大きな心配事が発生することはないのではないかなというふうには思っています。

○山内委員 ありがとうございます。
 今、部長のほうからは、過去の事例を通して、表面上の目視で発見して対応ができたという御答弁をいただいたんですけれども、全国的な様々なお話を聞いていると、やはり空洞は、きちっとした調査をしないとなかなか発見が難しいというふうに私のほうも伺っております。
 そういった中で、今回はちょっと要望という形にもつながるんですけれども、全国的にも、やはり国の国土強靱化計画の流れで、事前防災とか予防防災という観点で、計画的にもしくはスポット的に空洞の調査が進められているという状況がございます。県内でいいますと、例えば四日市市のほうは、5カ年ほどの計画でということで、予算をとるということではないんですけれども、その都度確保しながら、捻出しながら進めているということで、やはり緊急輸送道路を中心に優先的に進めているということです。
 過去の調査の中では、かなり、中心市街地、私もよく通る道路で、大四日市まつりの会場にもなっているような大きな交差点なんですけれども、そこでかなり大き目の空洞が見つかって、掘り起こして調査をしたところ、やはり空洞があって修繕をしたと、そういう実績も伺っています。
 基本的にはなかなかやはり、道路の正常の目視の状況では発見が厳しいかなというふうに思っておりますので、地域住民の安全とか安心の確保、また、災害に備えるまちづくりの観点でも、調査をしていくというのは重要な考え方なのではないかなというふうに思っています。
 また、三重県のほうは、県道が南北に長いせいもあって、他県と比べても非常に総距離が長いというふうにも聞いています。そういった意味から、緊急輸送道路等、優先順位を決めて、計画的に調査を進めていただければと、厳しい財政面の中ではあるというふうに思うんですけれども、お願いしたいというふうに思っています。
 やはり事後保全と予防保全という観点の中で、将来的なコストの削減とかリスクの低減とか、そういったことを考えると、非常に重要な視点ではないかなというふうに思いますし、有効ではないかなというふうに思っています。また、国土交通省の防災・安全交付金も活用できるのではないかというふうに聞いておりますので、またお調べいただければと思います。
 その上で、もう1点なんですけれども、将来的に検討いただいて、もし調査をということになったときに、ちょっとこれは私のほうに情報として入ってきておるんですが、見えない部分での調査になりますので、調査のレベルとか精度が非常に重要であると。技術的な差によって、調査結果が大分変わりますよということを聞いておりますので、もし調査にということになった暁には、きちっと技術の担保というか、様々な実績の情報収集もいただいて進めていただければというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、もう一つ、質問させていただきます。
 こちらは、基本事業名、発達支援が必要な子どもへの支援の中の医療支援事業についてであります。
 こちらは約2100万円の予算計上をしていただいております。これは昨年の一般質問でも取り上げさせていただいたんですけれども、今日は、少し突っ込んでお聞きしたいというふうに思っています。この事業は、本年6月、三重県立子ども心身発達医療センター開院に伴いまして、中でも小児医療分野の機能の強化、また、専門医療をベースとした地域の支援機能強化について、私自身も期待を非常に強くさせていただいているところなんですけれども、この事業概要に、「医療従事者等を対象とした研修会を開催するなど、地域の関係機関によるネットワークづくりを進めます」というふうにございます。特に、この医療従事者等というのがどういった方を指すのかという部分と、そういった研修の内容とか、どういったスキルをつけていただくとかという、計画も含めて、少し詳しくお伺いさせていただければと思います。

○岡村局長 現在、小児心療センターあすなろ学園のほうで、児童精神の専門の医療・福祉施設ということで支援を行っているところですけれども、児童精神に特化した専門医師が少ないということもあって、県内にいろんな精神科とか小児科の医療機関はあるんですけれども、児童精神ということに限った専門的なところは少ないということもありまして、そういったところに対しても、あすなろ学園での取組、情報とかそういったことの理解を深めていただきたいということで、そういう形で研修会を実施しているところです。
 そういうことで、やはり発達障がいの子どもたちに対しては、早期に地域で発見して、早期に支援するということが大切かなと思っておりますので、そういった形で支援ができるように、地域においても、そういうふうな支援体制を構築していくというふうな目的で実施しておりまして、年1回程度でございますけれども、発達障がい等に係る専門的な研修を医師の方、あるいは看護師の方、また保健師、保育士というふうな方で参加をいただきまして、今年度は93名の参加をいただきまして、研修会を行っておりますので、来年度もそういう形で取組を進めていきたいと思っておりますし、そういった取組に御理解をいただいた医療機関の方に登録もいただきながら、そういった形で受診ができるということを県のホームページにも載せながら、地域の人にも知っていただいて、身近な地域での医療体制といいますか支援を進めていきたいというふうに考えております。

○山内委員 ありがとうございました。非常に的を射て御答弁いただきました。
 先ほどございましたように、この医療従事者等ということで、医師、看護師、保健師ということで御紹介いただきましたけれども、中でもやはり医師というのが重要な位置づけになってくるのではないかなというふうに考えています。特に現状、小児医療の分野での医師の不足は心配されておりますし、とりわけ、先ほどありましたように、児童精神科、小児整形外科、こちら診療体制の構築となりますと、さらに厳しい状況でございます。
 地域での受け皿となる医療機関の専門性の向上とともに、今回の新設によりまして、小児分野の研修医にとっても、非常に充実した研修プログラムが提供されるというふうに聞いております。一朝一夕にとはいきませんけれども、医師の確保、また、専門医育成に着実につなげていただきますようによろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。

○中嶋副委員長 次に、日本共産党、御質疑をお願いいたします。

○山本(里)委員 日本共産党、四日市市選出の山本里香です。
 10分ですので、早速に質疑に入らせていただきます。
 予算関連の総括質疑ということで、今日ここに予算に関する補助金等にかかわる資料と、こういうのが配られておりますけれども、この中の、毎度のことで申しわけありません、廣田部長に質疑をさせていただきたいと思います。
 前回もこういった場でさせていただいたんですが、この中には、47の企業のための補助金がいろんなタイプで出されております。その中で、前回も問題にしました粉飾決算のあった東芝に、来年度もまたこの中に予算がついております。8261万円ということでついておりますし、それから、シャープは、このことも昨年度にも問題にいたしましたが、2億円の予算がつけてあります。その他、金額にしてみれば、大きい、小さいや、中小企業の内容のものもありますけれども、企業の補助金があります。
 では、2つのことについてだけ、集中してお伺いをしたいと思います。前回、東芝への補助金については、決算認定が最終されないということで、決算の時期に保留になっておったのが、それは確認ができたら次の年度でされますという話があったし、それがどうなっているのか、そして、そういうことがあってなお今回、大変苦しい財政状況の中で、いろいろな見直しが行われてきたと思うんですけれども、この企業補助金に関してはどのような見直しがされてここに出てきているのか。そして、シャープについても、これが2億円のものが出されております。この2つの会社についての状況と、雇用がその後、シャープはどうなっているのか、そして、東芝の問題については、四日市工場はどのように話ができているのかということを教えていただきたいと思います。

○廣田部長 何点か御質問をいただいておりますが、補助金の見直しについての御質問からお答えしたいと思います。
 まず、補助金の見直しについてですけれども、厳しい財政状況というのは十二分に承知をしておりまして、企業への補助金というのは、やっぱり設備投資してもらったものに対していろいろ期限があるとか、そういうのがあるんですけれども、相手方と交渉しまして、なるだけ年度割を遅くまでして、例えば3年で払うと思っていたものを5年にしたりとか、許す期間の償還期限の中で、そういうふうに延ばしたりをすると。そういうようなことが1点と、もう一つは、国等の財源とかが活用できないかということで、県費の一般財源ではなくて、ほかの国の基金事業でありますとか、そういうのも活用できないかということで、いろいろ探し出しまして、県費を少しでも削減するようにというような見直しはいたしております。
 それから、東芝につきましては、まだ平成27年度の決算がこちらに額が来ておりませんので、保留の状態が続いております。それから、シャープにつきましては昨年度も同様の御質問をいただきましたが、3月の段階で確認に行って払っておりますので、今年度も、これから3月31日までの間にシャープに行って確認をして、適正に執行されていれば、事業が確認できれば、補助金の交付というのを執行させていただく、そのような状況になっております。
 以上です。

○山本(里)委員 状況と雇用についてお答えいただきませんでしたが、そういった状況の中で、平成29年度も今、予算の提示がなされたと。全体としての企業補助金としては、いろいろな精査をなさって、県費の縮小ということをされたということですので、またその細かな実態がわかるどのように削減されたかの資料をいただきたいと思います。
 それでは、2つ目の質問に移ります。
 先ほど、知事は、マーケティングをしてニーズをしっかり調べて、具体的に突き詰めて、現場を大切に危機感を持って事に当たっていくというか、いろいろ事業をしていくということを午前中におっしゃいました。そういった中で、今回の予算案の中に、四日市港管理組合負担金が16億1252万円あります。もちろんこれは、補助金で四日市港管理組合に出しますので、そこで行われる事業、それも三重県に無縁ではないわけです。昨年度ちょっと額が少なくなってということで、予算化されております。
 この中に国直轄事業の臨港道路霞4号幹線の事業費が、これは向こうに確認をしたんですが、24億9200万円含まれていて、3分の2が国費で、そして、あと3分の1を県55.6%、四日市44.4%ということでいきますと、県が来年度の予算の中で、霞4号幹線に9億円ほどの金額を使うというような形に、めぐりめぐって予算がなっているわけです。
 当初計画は420億円で4車線だったものが、今、2車線になって269億円の総予算の中で進められているということになっているんですが、四日市港管理組合議会のときに、石垣副知事には私から、このことで質問させていただいてお答えいただいたこともあるんですが、そのことが実際は、先ほど知事が午前中におっしゃった実態、それから現場、ニーズというようなもろもろのことをきちっと精査して、今までのことが行われていたかというと、当初計画当時からのコンテナ輸送の数も、目標値もどんどん下げられて変わっていったりして、当初の様子と大分違ってきている。そして、ここからです。もうこれをやめろとは言えませんので、三重県としてやめろと言ってもらったって、もう大分できてきて、平成29年度の末に仕上がるということですので、これを今後、また負担金を出し続けて、4車線にしていくなんていうことが当初はあったわけですが、そのことがもうやめましょうねと三重県として言えないのかなと。今、来年度の予算は2車線の予算です。けれども、そういうことの考え方について、今後のことをお伺いしないといけないなと思います。
 それと同時に、リニア中央新幹線を一生懸命推進したいと当初予算の説明会でも700万円のことで言っていただいておりましたけれども、このことも霞4号幹線の事業と同じように、当初の今ある人数算定とか、それから経済的なことも含めて、社長がもうペイしないと言っているような事業なんですけれども、そういうようなことをこれから進めていくということを大声で言ってみえるんですが、本当にそういう形で県民の皆さんに御説明できるのかなということで、この2点について考え方をお示しいただきたいと思います。

○鈴木知事 1問目は、さすがに四日市港管理組合議会でお願いしたいというふうに思いますけれども、かなりこじつけで御質問いただきましたので、答弁させていただきますけれども、まずはしっかり供用開始をして、その事業効果をしっかり発現させると。国道1号や23号の渋滞、それから物流コストを下げていく、それによる企業の競争力の強化、そういうのは重要ですから、しっかり供用開始をやって、事業効果を発揮させていくということだと思います。
 それから、2点目のリニアについても、質問の御趣旨がはっきりわかりませんが、今回の700万円についても、一日も早い早期の開業に向けて連携をしていこう、これから10年後には名古屋まで来る、20年後には大阪まで行く、今、岐阜や名古屋や、みんな、やっているところの情報収集をしっかりして、今からできる準備をして、一日も早く開業し、一日も早く経済的な効果を地域に、三重県に恩恵をしっかり渡していこう、波及させていこうというような思いで、今からできる準備をしっかりやるための予算でありますので、それについて、しっかりと県民の皆さんにも大変重要な予算であるということを説明していきたいと思います。

○山本(里)委員 ありがとうございます。
 でも、三重県は、四港組合にとっては負担金を出しているわけですから、関係がないわけはないと思って、こじつけと言われてしまったら私も大変悲しいですけれども、状況は、道路の状況も富田山城線ができ、北勢バイパスがこれから開通していくようなことになりますと、今の道路交通センサスでも、B/C、費用弁償が1を下回り、2車線だと0.5に近いところで平成22年度も出ておりますので、そういうことも含めて公共事業のあり方ということがあると思います。
 それから、リニアですけれども、これはもう本当に今日は時間が短かったので、もっと具体的なことで、一般質問などでも取り上げてやっていきたいなと思うんですが、多くの皆さんが理解をして、これはうれしいと、生活に、暮らしに、夢を語ることは大事ですが、悪夢になってはいけません。一日も早いこういうことが本当にいいのかということは、いろんな論議がありますので、これも社長がペイしないと言っている、リニアだけでペイしない部分はどこで来るのかといったら、それが国のお金であったり、三重県が導入する駅以外のもので、いろんなことになってきますので、そのことも含めて、また一般質問で取り上げたいと思います。ありがとうございました。

○中嶋副委員長 次に、能動、御質疑をお願いいたします。

○長田委員 亀山市選出、能動の長田でございます。今日はリニアと違う質問をしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 ちょうど5分ということで、私どもからは5分になります。今回から人数が減った関係で時間の増えた会派もございますが、私ども1人会派は、1人でも5分に魂を込めて頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 昨日、水谷隆議員から一般質問の中で、中小企業・小規模企業の振興についてという質問がございました。その中で、特に今回私が取り上げさせていただきますのは、みえ中小企業・小規模企業振興推進協議会事業についてお伺いしたいと思います。
 平成29年度当初予算を見てみますと、「地域の実情に応じた中小企業・小規模企業振興を具体的かつ計画的に推進するため、県内5地域に設置した「みえ中小企業・小規模企業振興推進協議会」において、中小企業・小規模企業の振興や中小企業・小規模企業が抱える課題の把握及び解決策の検討等を行うとともに、地域課題解決のための具体的な取組(プロジェクト)を支援します」とありまして、29年度は257万2000円が計上されております。平成26年に制定された三重県中小企業・小規模企業振興条例に基づき、平成27年度には中小企業・小規模企業地域課題解決プロジェクト支援事業費補助金もあり、それを活用して、例えば、北勢地区においては、「よっかいちお菓子フェスタ「東海道筋の美味しいもん四日市宿のおもてなし文化のクロスオーバー」」という事業を実施したと思いますが、本年度当初予算では390万7000円あったものが来年度では257万2000円と、どんどん減額されています。
 そこでお伺いしますが、来年度のこの事業は、本年度までの地域課題解決に向けた具体的な取組を継続的に、あるいはレベルアップして支援していくのか、それとも本年度また新たな課題が発見され、それに向けて新たなプロジェクトに向かって進んでいくのか。そして今後、来年度に向けて、そして再来年度に向けて、この事業の継続性、今後の方向性についてお伺いしたいと思います。

○廣田部長 まず、このワーキンググループに対する支援は、補助金として平成27年度から創設をしました。それは平成26年度4月から条例を施行しまして、やっぱり地域でいろいろ課題を解決しようと思ったときに、何かちょっとした元手があると取り組みやすいという発想のもとに、創設しました。委員から御紹介いただきましたように、だんだん減ってきています。それはやっぱり厳しい財政状況の中でということで減ってきている、それはどうしようもないことでございますが、最後の御質問のステップアップしたものに対してもつけますし、それと新しい課題が見つかったものにもつけますし、厳しい予算の中ではありますけれども、よりよく、地域が主体となってこれをやろうということで提案をしていただいて、より広域に、より活性化に結びつくようなものについては、ステップアップも、今のものも、つけていこうというふうに考えております。
 次の翌年度からどうするかということなんですが、雇用経済部としては、やっぱりこの事業を非常に大切にしておりますので、地域の課題解決のためのインセンティブとして働くように、総務部等に要求を重ねていきたいというふうに考えております。

○長田委員 先ほど御紹介させていただきましたのは、5つのプロジェクトの中で、5つの地域に三重県を分けております。たまたま今紹介させていただいたプロジェクトは四日市市が中心なんですが、北勢でやったわけですけれども、いなべ市の方は結果的に参加されなかった。そして津市の方が参加されておるということもございます。5地域がどうかという問題もあると思いますが、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。

○中嶋副委員長 答弁は簡潔にお願いします。

○廣田部長 最初に5地域に分けたというのは、やっぱり地域ごとによって、製造業、ものづくりが発達しているところ、それから地域資源、自然の資源のものを活用したところということで、課題分けをしていたんですが、確かに、伊勢志摩の方が自分たちの地元でアンテナショップ的なことをしていたけれども、それはサミットを契機に、やっぱり売っていこうという気持ちになって四日市に行ったとか、そこの中で新たに参加する人ができたというようなことについては、非常に私自身は喜ばしいことだというふうに思っておりまして、県全域が交流ができるような体制に経済の部門もなっていけばいいというふうに考えております。

○長田委員 ありがとうございます。
 そうしましたら、とりあえず5地域ですが、いろんな連携の中で、地域を超えた形、あるいは地域を絞った形の中で、ますます今後進めていただきますことをお願いしまして、質疑にかえさせていただきます。
 ありがとうございました。

○中嶋副委員長 次に、大志、御質疑をお願いいたします。

○倉本委員 大志、桑名市・桑名郡選出の倉本崇弘です。
 私は、一般質問でも少し触れさせていただきましたMICEについて、当初予算に関係するところで質疑をさせていただきたいと思います。
 特に、来年度から営業委託をされるという御説明をいただきました。この委託先がどういったところをイメージされているのかということと、もう1点、今後どういった展開をお考えで、こういった、直接やるのではなく委託に変えることによってどのように変化してくるのか、そのあたりをお教えいただければと思います。

○水島局長 MICEについてでございますが、まず委託先でございますけれども、国際会議を企画・運営する会社、PCO(プロフェッショナルコングレスオーガナイザー)というところがあるんですが、恐らくそういうようなところと契約をさせていただくことになると思います。
 MICEの場合は、大体、首都圏と関西圏で、全国で開催されるMICEの半数以上はそういった地域でやられておりますので、今申し上げたのは、PCOですとそういうところにコネがあるというか、実際に営業活動もされていますので、そういった中で、地方開催を考えてみえる、伊勢志摩サミットをやった三重県に関心があるよというようなところを探り出していただいて、話をつけていただければというふうに思っております。
 今後の展開ということですが、やはり職員だけでやるというのはマンパワーに限界がございますので、できるだけそういうようなものを有効に活用して、主催者の方が県内にみえる場合はいいんですけれども、やはり県外にみえる方の会議をこちらへ持ってこようと思うと、そういうお力をかりる必要があるのかなと、こういうふうに考えております。

○倉本委員 ありがとうございます。
 そうすると、職員と委託先とが両方一緒に行くといった考え方でいいでしょうか。ノウハウが蓄積されるのかどうなのかという点でお聞きしています。

○水島局長 そのあたりは、多少、形態によって、ケース・バイ・ケースかなと思いまして。委託先のほうが話をかなり煮詰めてくる場合もあれば、幾つかの候補の一つだよというところで、職員と一緒に売り込みに行ったりとかいうことも出てくると思いますので、そのあたりはちょっとケース・バイ・ケースかなというふうに思っております。
 ただ、そういうことをやることによって、我々職員のほうも人脈を広げたり、そういうセールスのノウハウみたいなものを学んでいくということはあるのかなというふうに思っております。

○倉本委員 ありがとうございます。
 一般質問でもお聞きしましたが、最終的な市町に委ねていくような方向性だということもお聞きいたしました。そうなってくると、それは、県職員のほうでしっかりとノウハウを蓄積していただいて、それが将来的には市町に渡っていく、そういう理解でいいでしょうか。

○水島局長 実際に開催場所というのが絞られてくれば、当然、その市町にMICEを受けていただくような組織がしっかりあれば、そういう方々と一緒に、むしろ県のほうが一歩引いていかせていただくということもあるかと思いますので、そういう中で、一緒に市町の方のノウハウというのも蓄積されていくのかなというふうに考えています。

○倉本委員 最後に、契約をする際なんですが、この委託先を選定する際なんですが、これは先ほど、1社ぐらいのことをお話しされていたと思うんですが、具体的には、やはり1社ぐらいになってくるんでしょうか。そうすると、随意契約とかそういった形になるんでしょうか。

○水島局長 全国的に何社かそういう会社というのはあると思いますので、そういう中で、形式としては一般公募ということになります。できるだけ多くの事業者に御参加いただければというふうには思っております。

○倉本委員 できるだけ公正な入札をしていただければと思いますし、しっかりとノウハウを蓄積していただいて、委託先にそのまま投げてしまって何もこちらには残らないということはないように、しっかりと年々レベルアップを図っていただけるような取組をしていただければと思います。
 以上で私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○中嶋副委員長 次に、草の根運動いが、御質疑をお願いします。

○稲森委員 草の根運動いがの稲森稔尚です。
 まず、当初予算編成について、少しだけ確認をさせていただきたいと思います。
 午前中からも、31億円の財源を埋めるために、職員人件費のカットを担保にして予算編成をしたというお話がありましたけれども、年度末の財政調整基金の残高ですとか、あるいは不用額の状況を見ていると、本当にそこまでやる必要があったのかなという思いがあります。
 職員の皆さんの予算編成作業や、あるいは県民の皆さんや市町に対して財政危機をあおり過ぎなのではないかなという思いがあるんですけれども、その辺はどういうふうに考えているか、今後の状況を見ながら人件費の復元ということは可能性として考えられるのかどうか伺います。

○嶋田部長 何度も御説明させていただきましたように、三重県の財政は構造的な問題で、今回もぎりぎりまで、私どもも予算編成に、何とか人件費に触れずにできないものかという模索をしてきましたけれども、最終的に1月に、どうしても31億円財源が足らないという結果になった次第であります。
 先ほど、素案でも説明させていただいていますけれども、構造的な問題でありますので、私どもも道筋はつけたいと思っていますけれども、急に好転するということはなかなか難しいというふうに考えておるところでございます。したがって、人件費の復元ということも言われましたけれども、なかなか困難なのかなというふうに思っています。

○稲森委員 次の質問に移ります。
 これは、菓子博ではないんですけれども、3月は自殺対策強化月間ですというポスターを、後で返してくれということなので、健康福祉部からお借りしてきました。ぜひこういうことに取り組んでいるということを皆さんに知っていただきたいなという意味合いもあって質問をさせていただきますが、自殺対策基本法が改正されて、この4月で施行からちょうど1年を迎えます。新年度の三重県の自殺対策の取組をまず確認させていただきたいのが1つと、その改正の内容ですけれども、市町村に自殺対策計画の策定を義務づけるという内容になっています。また、メンタルヘルスだけとか、そういう対策ではなく、より包括的な生きるための支援にしていこうという内容になっていますが、今後の市町に対する計画の策定をどういうふうに支援していくかということもお答えいただきたいと思います。

○松田局長 自殺対策についての御質問でございますけれども、自殺対策につきましては、委員に挙げていただきましたように、自殺対策強化月間、3月でございますが、また、自殺予防週間ということで、WHOが9月10日から16日まで、世界自殺予防デーということで啓発に努めておるところでございます。啓発事業としては県民公開講座とか、あと三重県は自殺対策情報センターを三重県こころの健康センター内に置きまして、こういったパンフレットも作成しまして、相談事業に応じさせていただいております。
 それから児童生徒を対象とした自殺予防教育、これはこころの医療センターの、ユース・メンタルサポートセンターMIEの協力を得て、毎年度10校以上でやらせていただいておるということでございます。ということで、引き続き取り組ませていただきたい。特に、三重県の場合、やっぱり中高年の自殺者が多いんですが、若年層の自殺者というのは横ばい状態から増加傾向でございますので、そこに対して力を入れていきたいということでございます。
 それから、委員から御指摘のありました自殺対策基本法の一部改正によりまして、来年度以降、市町において計画を策定する必要がございます。これに対しましては、夏ごろに国のほうのガイドラインが出てまいりますので、それに基づいて、県としても必要な技術支援なり、あるいは自殺の統計データを提供して、各市町の状況に応じた計画づくりを支援してまいりたいと。それから、あわせて三重県のほうも、第2次……

○中嶋副委員長 答弁は簡潔にお願いします。

○松田局長 済みません、三重県自殺対策行動計画を改定、県の計画を改定する予定でございますので、一緒になって取り組んでまいりたいということで考えております。
 以上でございます。

○中嶋副委員長 稲森委員、持ち時間になりましたので、終結をお願いします。

○稲森委員 よりきめ細かい自殺対策の充実をお願いして、質疑を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

○中嶋副委員長 以上をもちまして予算議案及び予算関連議案に係る総括質疑を終了いたします。

〔閉会の宣言〕

三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。

予算決算常任委員長  舘 直人

ページID:000204155
ページの先頭へ