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平成29年10月17日 働き方改革調査特別委員会 会議録

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働き方改革調査特別委員会
会議録
(開会中)

開催年月日   平成29年10月17日(火)  午後3時25分~午後3時56分
会  議  室    601特別委員会室
出 席     13名
            委  員 長    石田 成生
            副委員長   稲森 稔尚
            委   員   廣 耕太郎
            委   員   山本 里香
            委   員   野村 保夫
            委   員   下野 幸助
            委   員   彦坂 公之
            委   員   野口  正
            委   員   後藤 健一
            委   員   北川 裕之
            委   員   服部 富男
            委   員   中嶋 年規
            委   員   長田 隆尚
欠 席     なし
出席説明員   出席を求めず
参 考 人    1名
           白河 桃子 氏
委員会書記   
           議  事  課   班長    中西 健司
              企画法務課   主幹    羽田 香織
傍 聴 議 員    なし
県 政 記 者    3名
傍  聴  者    1名

調査事項
Ⅰ 参考人からの意見聴取
 1 働き方改革について
Ⅱ その他
 
【会議の経過とその結果】
 
〔開会の宣言〕
    
 Ⅰ 参考人からの意見聴取
 1 働き方改革について
 (1)参考人への質問
○石田委員長 本日は、働き方改革について参考人からの聞き取り調査を行います。
 8月17日の委員会で決定したとおり、本日は白河桃子様に参考人としてお越しいただき、聞き取り調査を行ってまいります。
 本日の調査の進め方についてですが、先ほどの議員勉強会で白河様から伺ったお話を中心に質疑を行いたいと存じます。また、参考人に御退室いただいた後に委員間討議を行いたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 この際、参考人に一言御挨拶申し上げます。本日は大変お忙しい中、またお疲れのところ引き続いて本委員会のために御出席いただき、まことにありがとうございます。委員会を代表して心から御礼申し上げますとともに忌憚のない御意見をお述べくださいますよう、お願いをいたします。
 それでは、委員の皆様から御質疑等をお願いいたします。なお、念のため申し上げますが参考人は委員長の許可を得て発言し、また、委員に対しての質疑をすることができないことになっておりますので、御了承願います。
 それでは、御質疑をお願いします。

○中嶋委員 今日はありがとうございました。
 まず、本日の資料でいきますと32枚目のスライドになるんですが、この評価と報酬の設計まで踏み込まないと本当の意味の働き方改革が働かないというかワークしないというふうな御説明をいただいたところであるんですが、ここに書いていただいているのがいろんな先進事例とかあるんですが、この評価と報酬の設計のあり方の基本的なところの考え方というのがあれば、それぞれの例に共通するようなところとかそういう考え方についてもう少し教えていただきたいと思っておりまして、お願いしたいと思います。

○白河参考人 基本的なところとしては、前の時短というのは残業削減でコスト削減なんですね。ですから、その削減された分は働く人に還元されませんでした。今はさらに高次のものを求めているので、社員の多様な働き方を促進するという意味でやっているので、ただのコスト削減ではないということで、それで社員がやる気を失ってしまっては何の意味もないので、残業代が削減された分というのはしっかり社員に還元されるという仕組みに、だんだんなってきているところが一つの特徴。それからもう一つは、今、社員の給料というもののフラット化というのが進んでいます。昔は人に対してのお給料でした。つまり、例えばAさんはすごく若いころに頑張ってくれたから、50歳ぐらいでは高いお給料にしてあげようというのが、昔の、人に対してのお給料だったんですね。ところが、今の若手の方というのはどんどん成果主義になってきていますので、例えば1960年代生まれのAさんは人に対しての給料だったのが、今度は1980年代生まれのBさんは事に対しての給料ですね。つまり今年のパフォーマンスがどのぐらいだったか、今年どのぐらい成果を上げたかというところが基準になってきますので、報酬体系がどんどんそういう流れになっています。ですから、そのような多様な働き方に加えて、どういうふうに社員の報酬を設計していくかというところも問われていると思います。

○中嶋委員 ありがとうございます。
 そうしますとその評価のあり方というんですかね、その人物評価というか人事評価というか、そこもかなり重要なものだと思うんですが、パフォーマンスだけで測りやすい、営業なんていうのは幾ら売り上げたとかそういうのでわかりやすいと思うんですが、そういうふうに測りづらいような、例えば教員なんかもそうだと思うんですけれども、なかなか数値で表せないとか、その成果が、そういう方々の評価というものの課題というのはやっぱり残る、そこは知恵の出しどころというところになるわけでしょうか。

○白河参考人 今まで数字で測れないものはそういう評価ではないという感じだったんですけれども、例えば営業の人は数字で測れるけれども、人事の人は測れないとか経理の人は測れないということが昔はあったんですが、ある程度のKPIを設定して定性評価だけではなく、定量評価するというのがまず今後の主流になってくると思います。だから、全てのものにはちゃんと効果測定を設定するということですね。なるべくそうするとフェアな評価に近づいてくる。
 それからもう一つは、上司が1人で評価するというのがだんだんなくなってきています。今の人たちは結構平和主義なので、Bのオンパレードになるという話を聞きました。例えばその評価がその人の将来を左右するということになると非常に重いので、さすがにDはつけられないので、全員がBになっちゃうということです。
 そこで、それを打破するために、ある企業では、例えばこれはお給料とかには反映するけれども、この人の出世には関係ありませんと。出世はその直属の上司じゃなくて違う人が考えますとか、そういうふうにしたりとか、それからもう一つは、複数で評価するということですね。今、外資系なんかも360度評価とかいうのも入っていますけれども、やっぱりたった1人の人の評価だとどうしてもバイアスが入ってしまう、その人との関係性が悪いと評価が低くなったりする。そこである程度、二、三人とかの人が評価に加わるとそれほど間違った評価にはならないということで、人間で防ぐという手があります。
 それから、もう一つは、今、マーサーという結構有名な評価のシステムがあって、ITのシステムでかなり自動的に評価をする。ただ、もちろんもとになるものを入れるのは人間ですけれども、さらにそこに数字的なものとかしっかり加わってきますので、その評価を入れるところも出てきています。人間が評価するのはストレスが高いからなんですね。
 それから、もう一つは、社内の人を比較しないという評価も主流になってくると思っています。社内のAさんとBさん、どっちが上かということを決めるのが非常にストレスも高いですし、時間的なコストもかかるんですね。そこにコストがかかるよりは、新しいことをやったほうがいいということで、グーグルとかアクセンチュアもそうなんですけれども、社内のAさん、Bさんを比較して序列をつけるということはもうやめてしまいました。

○中嶋委員 ありがとうございました。かなり精神的な部分もお話しいただきましたので、大変参考になりました。ありがとうございます。
 全然違う質問なんですけれども、オフィスワークの方だとか、それから今日もお話しありました製造ラインの方だとか、働き方改革の話という例を随分聞かせていただいたと思うんですが、我が県の場合、観光地も抱えていまして、観光地の例えば旅館だとかホテルだとかそこで働くサービス業の方々の生産性がなかなか上がらなくて、長時間労働で人手不足でというふうな悪循環になっていまして、そういうサービス業、特にホテルとか旅館というふうな接客サービスを伴う方々の生産性向上なり働き方改革で、何か示唆になるような事例だとか、こういうふうなところがポイントじゃないのかなという御示唆をいただければありがたいなと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○白河参考人 旅館に関しては、実はちゃんと取材したことはないんですけれども、よく旅館を改革される星野温泉の星野さんとか、そういう方の記事とかを読んでいると、今まで習慣的にやってきて、今人手が足りないので長時間労働になっていることをかなり整理していますよね。例えば私の知っている方がやっているところは小さな旅館なんですけれども、お掃除とかは全部外注にしています。旅館の人はやらない。そのかわり、お掃除だけの人の入る時間もあるけれども、そうじゃないときは、その人たちは1日働かなくてもいいわけです、旅館の従業員の人は。切り分けられる仕事を切り分けて外部に出すというのも一つのやり方ですし、それから、一番印象的なのは、サービス業の場合、従業員が幸せで初めてお客さんへのサービスも向上するのだと。最終的なクライアントは誰ですかというとお客さんなんですけれども、日本はお客様は神様だけど、従業員の幸せは余り考えない設計だったんですね。イケアの方を1億総活躍のヒアリングに呼んだときに、イケアはスウェーデンの企業ですけど、お客様も社員も幸せにとその方がおっしゃったんですね。私、そのことがすごく印象的で、今の多くの会社が、社員の幸せが最終的にはお客様の幸せにつながるということをかなり自覚して働き方改革をやっていらっしゃると思います。

○中嶋委員 ありがとうございました。

○石田委員長 よろしいですか。
 じゃ、ほかに。

○野口委員 例えば正規と非正規の方の関係というのと、よく同一労働、同一賃金の問題があると思うんですけれども、そこら辺からいくと、社員との関係とかアルバイトとかそういう人たちの関係というのはかなり難しいんかなと私は思っておるんですよ。そこら辺はどうなんですか。

○白河参考人 それも同一労働、同一賃金になると、フラットになるはずなんです、本当のところは。例えば先ほどのイケアは全正社員、全員を正社員にしちゃったんですね。ただ、正社員だけど、時間長く働く人も短く働く人もいるというような設計で、私が時間を短く働く人はモチベーション下がりませんかと聞いたんですね。資生堂なんか、まさにそういうことが起きているので。そしたら、どんな時間であろうとイケアの社員としてベストを尽くすということをみんなコミットして入っているからと言われて、あ、労働時間が長い人は一流の社員で、短い制約のある人は二流の社員だという区別をしないからこういうふうな環境になるのかなと思いました。済みません、私の私見ですけれども。

○野口委員 先ほど言ったように、成果主義というわけじゃないですけれども、成果の問題というのが出てくると、やっぱり人間ですから能力というのも当然出ると思うんですけれども、そこら辺の中で働き方というのはどういうふうに位置づけていくんですか。考えたらいいんですか。

○白河参考人 成果主義とよく言われますけれども、なかなかその成果を測るのはさっきおっしゃったように難しいので、それは業種、業態、その会社によってかなり違うと思います。しかし、共通しなければいけないところは、みんなから見て完全にフェアではなくても、なるべくフェアであることとか、それから、成果主義と言っても個人の成果で測る場合とチームの成果で測る場合がある。働き方改革の場合、どうしてもチームで結果を出していかないと。イノベーションというのはチームでしか起きないので、1人のすごい人が起こすわけではないんですよね。なので、どちらかというと、チームで適正に評価をしてあげるというところも大きくなってくるのではないかと思います。

○野口委員 ありがとうございました。

○彦坂委員 彦坂と申します。ありがとうございました。
 1点教えてほしいんですが、御意見いただきたいんですけれども、県内の企業というのは99.8%が中小、小規模企業なんです。先ほど先生からいただいた資料を見ると、いろんな進んでいるところは大手、どちらかというとどこかで聞いたことあるなという会社が多くて、三重県ではエムワンの例が出ていましたけれども、小さくても自分のところで全部完結するところ、要は小売業みたいなところは結構フットワークもよく、小さくてもいろいろなことを改革できると思うんですけれども、例えば製造業の場合、バリューチェーンといって親会社にぶら下がっているところが多くて、今変わってきているのは、今まではA社に対して護送船団方式で密接にくっついていたんですけれども、これがボーダーレスというんですか、いろんな企業にぶら下がっていかないと経営が成り立っていかないと。働き方もいろんなものを親会社から求められているので、中小企業のところが非常に悩ましいというように私は思っているんですけれども、何か参考になるようなことがあったらお伺いしたいんですけれども。

○白河参考人 今、大手がしっかりやらなきゃいけないなと思っていて、上流から規制するというのは私は正しいと思っているんですね。例えばサントリーは取引先全てに健康ケアを求めるということをかなり徹底されていて、そうすると、サントリーの広告をつくっている広告代理店も夜の会議をしたりとかできなくなるんですね。そういったようなことが上流から起きるように仕組みをつくるというのも、ある程度行政のやることかなと思います。国の規制ももちろんそうなんですけれども。
 それと、もう一つは、中小企業自身もこれは経営課題なので生き残りをかけていろいろ工夫されているということですね。よく中小企業はできないと言いますけれども、広島県が働き方改革の調査を県内でしたところ、うまくいっているというところはそんなになかったんですけれども、実は数少ないうまくいっている企業はみんな中小企業でした。なぜなら規模が小さいので、社長がやると言ったらすぐできるんですね。やることも、大手の企業だと国が言っているから何かやらなきゃ的な感じで、割と目的とかがあいまいだったりするんですけれども、中小企業の場合は、この社員をやめさせないためにはどうしたらいいかという物すごく切実な課題になってくるんですね。ある会社でバリューチェーンという意味だったら、今、1社に依存しないで複数の取引先にばらけさせて、あまりむちゃなオーダーをするようなところは切る、こちらから断るというようなことができるように変えてきたという企業はうまくいっているわけです。だから、中小企業もある程度むちゃをいう顧客はもう自分から断るようなことができるというのが一番いいのかなと思っていますし、それからもう一つは、今インターネットの時代なので、ある企業が突然、グローバルな取引が入ってきて、英語ができる人が1人しかいなくて、その女性がずっと担当していたんですけれども、彼女が出産して引っ越しをするので通勤時間が車で2時間になって、もうやめますということになったんですね。ところが、その同じようなことをできる人材をすぐには見つけられないんです、地方ですから。そこでみんなで考えて、彼女だけがテレワークができるようにしたんです。そうすると、通勤の4時間が節約になるんですね。ところが、中小企業ですから周りの目とか社員の関係もありますので、彼女だけ特別扱いなのかということにどうしてもなる。そこで、断腸の思いで一回やめてもらって、非正規社員として時間給の契約で雇って、しばらくして、やっぱり彼女は本当にいてもらわないとうちの会社困るよねということがみんながわかって、納得してから正社員に戻したと言っていました。
 このように本当に切実に、この仕事のためにこの人が必要だからやめないでほしいということで工夫した企業の働き方改革はすごく成功していると思います。

○彦坂委員 ありがとうございました。
 バリューチェーンでいくと親会社というんですか、オーダーするほうがきちっとそういう意思を持って当たるということと、中小企業は今人材不足なので、人に焦点を当てつつ変えていくということですね。
 それともう1点、ちょっと関係ないんですけれども、愛知県の某自動車企業が無定量化給で残業時間の規制を撤廃する、労基法のうちなんですけれども14万円でしたか払うというようなことだったんですけれども、どうですか、もしコメントあれば。

○白河参考人 やっぱりああいう業界の標準になるような大きな企業がそういうことをやるとすごい影響があるなと思っているんですけれども、1つはあの制度を悪用する人も出てくるかもしれないということですね。早く帰ったほうが得なんですが、日本人は真面目なので、例えば30時間分の残業代が込みですと言われたら、30時間働かなきゃ申しわけないと思って長時間労働になる人と、30時間分上乗せされているんだから早く帰っちゃおうという人とが出てくるんですね。だから、そこは風土の問題で、これだけもらっているけれども、早く成果を出して早く帰ったほうがこのお給料に対して自分は得だと思うような風土になっていれば、それはすごくいいことだと思います。しかし、その風土を変えないままでやっちゃうと、やっぱり30時間もらっているんだから30時間働かなきゃいけないよねということで、さらにもっと働く人が出てきて、長時間の人が評価されるというような体質が変わらないままだと、結局長時間になっちゃうと思います。

○彦坂委員 ありがとうございました。
 あそこは労使関係というのは非常にきっちりしているので、そんなことはないんだろうと私個人は思っています。ありがとうございました。

○下野委員 私も同じ質問をしようかと思っておったんですけれども、ありがとうございました。
 それで、私も21ページ、先生のプレゼン資料の残業上限のポイントというところで、もう1点質問させていただきたいのは、先生のお話を聞いていて、やっぱり残業というのが1つの大きな課題になってくるかと思うんですけれども、先ほども定量的にアウトプットをという話があったと思うんですけれども、私もそういうことだと思うんですけれども、目標設定をするときに、何かポイントとかあったら教えていただきたいなというのが1点と、もう1点は、関連するんですけれども、39ページのところで、よく私も見るんですけれども、言葉は悪いですけれども、日本人はずっと長くいて、上司の顔色といいますかそういった部分で1人当たりの労働生産性というのが低い状況なんですけれども、これというのは日本の文化というか、上司が帰らなければだめだというお話もあったと思うんですけれども、その上司自体がマインドを変えるときのポイントについても、何か御意見ありましたら教えていただきたいと思います。

○白河参考人 この上司のマインド、昭和マインドを変えるというのは、実は一番難しいところで、この間、アクセンチュアと日産の志賀会長の出る大きなイベントがあって、そこで一緒にパネルディスカッションをしたんですね。そのときにいろんな話をしていたときに、ぽろっと、評価の会議をしていると、こいつは長い時間頑張っているからさという人が必ずいるんだよねとアクセンチュアの社長が言ったら、日産の志賀会長もあれだけ長いことやっているにもかかわらず、そうなんだよね、どうしてもそういう人がまだいるんだよねと言っていたので、そこは何か最後の感情なのかなという気がしますが、ただ、大和証券とか見ていて思うのは、10年やっていると後から入ってくる人はそういう会社だと思って入ってくるんですね。ですから、19時前に終わるのが当たり前の会社で、その中で成果を出さねばいけないのだというマインドで新人の人たちは入ってきて、その人たちはみんなそういう仕事の仕方をしているので、逆にそういう人たちから見ると、昔の働き方って何なんですか、信じられないみたいになってしまうんですね。だから、こらえていると企業のDNA自体が変わってくるので、体制が変わってくるというところはあると思います。
 あと、もう一つは、上司を変えるのはさらに上の経営陣の説得と、それからもう一つは評価ですね。やっぱり評価を変えるのも大きいと思います。

○下野委員 今おっしゃった評価を変えるというのも大きな労力というか経営者サイドの考え方に依存してくると思うんですけれども、そこの部分も、昨年カルビーの社長のお話を聞いていると、結構すぱすぱっと変えていく、あるいは女性の登用も積極的にやっているというのはすばらしいなと思うんです。そこは経営者それぞれの気質というか判断による部分なんでしょうかね。済みません、御意見ありましたら。

○白河参考人 企業にとってはあくまで経営課題なので、今後勝ち残っていくためにはこれをやらなければもう勝てないという危機感のある人から変わるんですよね。なので、その経営者の危機感の持ち方だと思います。
 カルビーの松本会長は、この改革は経営者しかできないと言っています。なぜなら、既に長時間労働によって既得権益を受けている人がたくさんいて、その人たちから既得権益を奪うので。持っているものを奪われるのは物すごい抵抗がありますよね。全体的に賛成だけど、自分のお給料が減ったり評価が下がったりするのは嫌だという人はすごく多いので、そこをいかにうまくやっていくかというのは一番のポイントなのかなといつも思います。

○下野委員 ありがとうございました。

○石田委員長 ほかにいかがですか。

○野村委員 先ほど中嶋委員が言われたような評価のことなんですけれども、どうしてもまだ腹に落ちないものですから。市役所を例に挙げますと、窓口の対応があると思うんですがその評価で、窓口の対応をやっている中で、例えば税の収納でトラブルを起こした、そのトラブルがよかったとか、この人がやると仕事は早いけどトラブルが多いとか、逆に遅いけどトラブルが少ないとか、いろいろあろうかと思うんです。それを誰かが評価をすると思うんですけれども、先ほど先生がチームで評価するというようなことを言われたんですけれども、そのあたりの評価というのはどうしても主観的なものが、好きとか嫌いとかいろいろなものが入ってしまって、本当に評価をできるのかなというふうに思ってしまうんですけれども。そのあたり、自分としては一生懸命、先ほど日産の社長が言われた、あの子は頑張っているんでねというのが出てくると思うんですね。そのあたりのところも含めて判断してしまうと思うんです。そのあたりをフラットなところでというふうになると難しいような気がするんですけれども、何か教えていただければお願いします。

○白河参考人 企業の場合は簡単なんですよね。経済的な合理性なので、それで本当に会社のためになっているかというところなので、幾ら一生懸命やっても会社のために成果を出していないというのは、そんなに評価は高くないんですね。ただ、行政サービスなんかの場合は、経済的な合理性のかわりに何をするかというところが問題で、何を指標にするかが問題だと思うんですけれども、その場合、個人の成長とかそういったものも1つの指標になるんですね。歩みはのろくても確実に成長している人というのはもちろん評価されるべきですし、それから、日立のAIの幸福度を測るとという話をしたときにすごくおもしろいなと思ったのは、チームで測るというのはこういうことなのかなと思ったんですけれども、コールセンターですごく受注成績のよくないAさんという人がいるとします。ところが、そのAさんがいる日といない日だと売り上げが違うんですね。だから、そのAさんは個人の売り上げという意味では生産性は高くない人なんですけれども、実はチームに何か見えない貢献をしているらしいんですよね。だから、そういうことも含めて非常に生産性の評価というのは難しいんですけれども、個人がすごい成績を上げたからというだけではなくて、それに助力している人というのもたくさんいるわけで、そこも測らなきゃいけなくて、例えばこの間、女性の製薬会社の営業の方にどうやったら女性が働きやすくなるのかということをインタビューしたときに、彼女たちが一番言っていたのは、MRは個人で成績がつきますが、ワーキングマザーである私を助けてくれて、例えば夜、私が行けない講演会に代わりに出てくれるような人たちがいると、その人たちにも適正な評価をしてくれないと働きにくくてしようがないと。自分ではなくてほかの人をちゃんと評価してくれということを一番言われたんですね。そういうことをちゃんと考えていかなきゃいけないのかなと思いました。

○野村委員 その職場のチームワークといいますか、輪といいますか、そのことがやっぱり大切なことであって、それからの積み上げというか判断ですかね。ありがとうございます。

○石田委員長 ほかございますか。
 白河参考人はこの後の都合で4時までにはこの委員会を閉じたいと思いますので、よろしくお願いします。
 ほかいかがでしょうか。

          〔「なし」の声あり〕

○石田委員長 なければ質疑を終了いたします。
 この際、参考人に対し委員会を代表して一言お礼を申し上げます。本日は大変お忙しい中、本委員会のために御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。このたび頂戴しました貴重な御意見は今後の本委員会での議論に反映して役立てていきたいと存じます。
 それでは、以上で参考人からの聞き取り調査を終わります。ありがとうございました。
 ここで参考人が退室されますので、しばらくお待ちください。

          〔参考人 退室〕

(2)委員間討議     なし
 
Ⅱ その他
○石田委員長 御協議いただく事項は以上でございますが、ほかに何かございませんか。

          〔「なし」の声あり〕

〔閉会の宣言〕
                   
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
働き方改革調査特別委員長  石田 成生

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