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三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成31年度 委員会会議録 > 令和元年10月7日 戦略企画雇用経済常任委員会・教育警察常任委員会連合審査会会議録

令和元年10月7日 戦略企画雇用経済常任委員会 教育警察常任委員会連合審査会会議録

資料はこちら

戦略企画雇用経済常任委員会・教育警察常任委員会
連合審査会
会議録

(開会中)

 

開催年月日   令和元年10月7日(月曜日) 午前10時0分~午前11時35分
会 議 室    全員協議会室
出席委員    17名
   [戦略企画雇用経済]
          委員長        東   豊
          副委員長    小島 智子
          委員           小林 貴虎
          委員           野口  正
          委員           藤田 宜三
          委員           稲垣 昭義
          委員           服部 富男
          委員           舘  直人
          委員           中川 正美
   [教育警察]
          委員長       田中  智也
          副委員長      田中  祐治
          委員               平畑  武
          委員              石垣  智矢
          委員             藤根  正典
          委員             津村  衛
          委員             長田  隆尚
          委員             今井  智広

欠席委員    なし
出席説明員 
   [戦略企画部]
          部長                               福永 和伸
          副部長兼ひとづくり政策総括監                横田 浩一
          戦略企画総務課長                       藤本 典夫
                                               その他関係職員
   [教育委員会]
          教育長                               廣田 恵子
          副教育長                             宮路 正弘
          次長兼総括市町教育支援・人事監(教職員担当)   梅村 和弘
          次長(学校教育担当)                     長谷川 敦子
          次長(育成支援・社会教育担当)             森下 宏也
          次長(研修担当)                        吉村 元宏
          教育総務課長                         桝屋  眞
          教育政策課長                         上村 和弘
          教職員課長                          早川  巌
          小中学校教育課長                      大塚 千尋
          学力向上推進プロジェクトチーム担当課長        水野 和久
          特別支援教育課長                     赤尾 時寛
          生徒指導課長                        梅原 浩一
                                              その他関係職員
委員会書記
          議事課     班長          中西 健司
          議事課     主幹          黒川 恭子
          企画法務課  課長補佐兼班長   田米 正宏
          企画法務課  主幹          小端 邦彦
傍聴議員    1名
                                                山本 里香
県政記者    2名
傍聴者         3名
調査事項
1 次期「三重県教育施策大綱」中間案について

【会議の経過とその結果】

〔開会の宣言〕

調査事項
1 次期「三重県教育施策大綱」中間案について
(1)当局から資料に基づき説明(横田副部長)
(2)質問

〇東委員長 それでは、御質疑があればお願いします。

〇小林委員 別冊のほうなんですが、14ページ、人間形成の基礎を担う幼児教育の充実、基本的な取組方向としていろいろ書いていただいてあります。遊びや多様な体験活動をとおしてということで、健康な心と体、自立心、協同性、道徳性・規範意識の芽生え、社会と関わる意識、思考力の芽生え、生命を尊重する気持ち、数量・文字等への関心、言葉で伝え合う力とかなりたくさんのことが書いてあると思うんですが、その下の主な取組内容のところに移りますと、教育そのものに関して書いてあるところが1番と2番かなと思うんです。それ以下は、その枠組み的なことが書いてあるように感じるんです。私立幼稚園のことであったり、認定こども園のことであったり、あるいは幼保連携のことであったりだとか、教諭、それから保育士の合同研修といったような形。例えば対比してみますと、その次の3番、これはもう少し就学後の子どもたちのことに関して書いてあるんだろうと思うんですが、30項目、こっちには書いてあるわけです。
 ですから、もう少し教育の内容のことに踏み込んでもらえないのかなというところなんですけども、せっかく上には、例えば道徳性であったりだとかということが書いてあるわけですし、文字・数量ということも書いてあるけれども、それをどう取り組むのかというところが下に反映されていないように思うんですけど、いかがでしょう。

〇横田副部長 御指摘ありがとうございます。
 限られた中で表現しようと思って、全体的にですけど、端的にわかりやすいような形で書かせていただいております。
 そういった中で、例えば14ページ、15ページですと、施設関係のこととか、それから、こうしていきますと主な要素を端的に書いてしまいましたけど、特に目的、それから施設とか教育の内容がわかるような表現に、記載させていただいて、余り長々と書けないんですけど、より県民の方にわかるような形に随所でさせていただいたと。

〇小林委員 ありがとうございます。
 数年前ですけども、幼稚園の指導要領だったりとか、保育指針というのが改正されて、保育指針は、もう少し若年とか、乳幼児のことまで書いてあるわけですけれども、後半の就学前教育などのことに関してはかなり改正されて、共通の目標、就学前までの目指すべき目標というものがしっかり書かれてあります。幼児教育というところは、教科書があるわけでもないので、どうしても捉えがたい部分というのが多々あるんだろうとは思うんですが、先般読んだ本では、やっぱり幼児教育にまず投資するべきということが書いてありましたので、この辺は、具体的でないにしても何かしらもう少し踏み込んでいただきたいなというところがありますので、ぜひ御検討いただければと思います。
 もう1点、これで最後にしようと思うんですが、20ページ、21ページになるのかな、ここは、高等教育あたりなんだろうと思います。高校生がというようなことも書いてありますし、成年年齢が18歳ということも書いてありますし、権利と責任や法や租税ということが書いてありますので、恐らくそれぐらいの世代のことを書いてあるんだろうと思うんです。
 これからの社会のことを踏まえていただいていて、13番とかでは、高校生が、グローバルな視野や地域社会に貢献しようとする「志」を持てるようにということで、学校の枠を越え、地球規模の課題等を題材とした学習を推進しますということを、小学校、中学校ではできないことをこの世代において考えていただいているんだろうと思うんです。
 16番に行くと、子どもたちが、郷土三重への誇りを持って地域や世界で活躍できるよう、郷土に関する教材や伝統文化・伝統工芸にふれる体験活動等をとおして、郷土教育を充実しますと書いてあります。
 もう一方の説明資料にも、例えば知事の意見として大学入学などで県外に出ていっても三重に戻ってくることを含めて、この地で生き抜いていってほしいというようなことが書かれてありますので、それを踏まえて郷土の誇りというようなことをここで書いていただいているんだろうと思うんです。
 ただ、1点、そのグローバルな人材、日本から出ていってということを考えたときに、新しい学習指導要領には、郷土とあわせて、やはり国土、国ということを明記してございます。これは、教育基本法を改正されたときにも新たに加えられた内容だと思います。
 やはり自分の国のことをわかっていないと、グローバルな人材としてはちょっと、国を知ってからこそ初めてグローバル人材だというふうに私は認識をしておりまして、高校生にもなれば、もっとしっかり自分の足固め、文化・伝統、ほかのところにも書いていただいてありますけども、グローバル人材というところと対比してぜひ国のこと、国に対する誇りであったり、愛着というところも加筆をいただけないかなと思うんですけど、いかがですか。

〇宮路副教育長 今御指摘いただいたとおり、国全体のことを見ることも、高校生の段階では重要だと考えております。
 一方で、三重県で伊勢志摩サミットを開催されたときに、ジュニア・サミットというのがございました。そこに出た生徒の話を聞くと、外国の子どもたちは、政治とかも含めてですけども、身近なことをきちっと話ができると。英語ができても中身がやっぱり、地元の三重のことを聞かれても知らないことがたくさんありましたというような回答もありました。
 やはり、これは、発達段階に応じてだと思うんですけども、近くのことからだんだん広げていくような郷土教育というのが大事かなと思いまして、その中で、国全体のことも理解が進むように、教科でも習っておりますけども、習っていない部分も含めてやっていく必要があると思いまして、ここでどういう表現ができるかについては、また検討させていただきたいと思います。

〇小林委員 ぜひよろしくお願いします。
 やっぱり身近なことの、今起こっていることの、なぜこんな現象が起こっているのかという原因が少し前の歴史にあって、それはまたその前の歴史にあって、国家間の関係であったり、経済的なもの、文化的なもの、いろんなものが絡んでいます。それこそ日本の生徒たちが外国の生徒たちと対話して感じたこと、そのものだろうと思いますので、ぜひ、そういったときにも対応できる、それこそ、本当にグローバル人材を育てていくという意味において、御注力いただければと思いますので、よろしくお願いします。
 以上です。

〇東委員長 ほかにございませんか。

〇藤田委員 まず、ちょっと教えてほしいんですけども、次期「三重県教育施策大綱」中間案をずっと読ませていただくと、幼児教育からかなり、成年のところまで書き込んでいただいてある。期間として非常に長い期間の内容だというふうに読ませていただきました。
 その中で、特に学校教育で取り上げていく内容というのがあろうかなというふうに思うんですが、教育施策大綱の中で、先ほど小林委員からは、もう少し細かくという話があったんですが、かなり細かいところまで書き込んであるんですけども、こういう細かいところまで学校教育で全てやるという考え方でこれを書いていただいておるのか、その辺のところ、学校教育とこの教育施策大綱との関連を、勉強不足かもしれませんので、ちょっとお聞かせいただけますか。

〇横田副部長 11ページの図を見ていただきますと、御指摘のように、特に人生100年時代となりまして、生まれて、育ち、学校に通い、それから社会に出て、社会を担い、それから職業としてはリタイアされた後も、人生をより豊かなものにしていくという大きな流れがあると思います。
 そういったところは、全て人づくりといいますか、人材が関係すると思いますので、これを大きな柱として捉えてございます。
 特に、学校教育との関係としましては、マル2のところが半分に分かれるんですけど、マル2の後半ぐらいから、高等教育機関も含めてまぐらいまでが青少年期であり、学校教育期間であろうかと考えています。
 そういった中で、各要素に従って整理させていただいておりまして、特に、教育施策大綱は、大綱と題名もありますように、大きな方向性、考え方を示させていただいて、三重県の施策をそういうふうに導いていくという考えでございます。
 特に、具体に学校教育につきまして、現在も検討中でございますけども、教育ビジョンを現在改定しておりまして、そこの中で、同じような柱、特にマル3の子どもの未来の礎となる「確かな学力・豊かな心・健やかな身体の育成」、それから、高校教育で言うところのマル7までのところを教育ビジョンでもってより詳しく、それから、そこには資料も添えながら三重県の施策をどうしていったらいいかという方向性を示しておりますので、いわゆる大綱と、その具体的な取組を示す教育ビジョンといったことで、教育ビジョンのほうで取組をさらに明確にしているという位置づけになっているところでございます。

〇藤田委員 せっかく教育委員会の方が見えていますので、ここでいろいろ掲げられていますけども、これは教育委員会としては、個別具体に、これに従って全て細かく教育ビジョンというものの中に取り入れてやっていくという理解でいいんでしょうか。これに基づいて教育ビジョンがつくられると。かなり細かいところまで書いてあるのかなというふうに思うんですが、それを教育委員会としては、全てやっていくんだという考え方でいいんでしょうか。
 その辺の関連性がちょっとわかりにくいので、その辺のところを教えてもらえたらと思います。

〇宮路副教育長 教育委員会としましても、先ほど、横田副部長のほうから説明がありましたように、教育ビジョンの策定をしておるところでございます。その中でもっと詳細にとか、施策も多く書いておるところですけども、基本的には、この教育施策大綱と教育ビジョン、それから、みえ県民力ビジョン・行動計画というのは、整合を図りながら策定を進めておるところでございまして、ここに示されたことについては、ビジョンの中でも記述をしまして、取組方向として掲げて、推進していくという考え方でございます。

〇藤田委員 形はわかりました。またその内容についてはいろいろ意見も述べさせていただきたいと思いますので。

〇東委員長 ほかにございませんか。

〇藤根委員 16ページのところなんですが、1つ考え方を聞かせていただきたいと思います。
 主な取組内容の2番のところで、「カリキュラム・マネジメント」を充実しますという形で記述をしていただいているんですが、確かな学力、豊かな心、健やかな身体の育成ということに絡んで、カリキュラム・マネジメントの充実という部分を入れた背景といいますか、考え方についてお聞かせいただけないでしょうか。

〇長谷川次長 カリキュラム・マネジメントですけれども、これは、校長がリーダーシップを図りながら、学校全体の教育目標を地域にも示しながら、この大きな3番にありますように、確かな学力、豊かな心、健やかな身体というのを育成するためにPDCAを回しながら学校を組織的に動かしていくというふうな考え方なので、個々の取組も大事ですが、組織的に学校を動かしていくことの必要性というところで記述させていただいております。

〇東委員長 マイクを近づけて。

〇長谷川次長 はい。
 カリキュラム・マネジメントというのは、学校全体で組織的に行うというふうな趣旨でございます。
 個々の施策に加えて、校長のリーダーシップのもと、地域に開かれた教育課程を示しながら組織的に学校を回していくという意図でございます。

〇藤根委員 ありがとうございました。
 当然、学校教育目標というのがあって、それぞれの学校がカリキュラムを編成して、それを、今お話しいただいたようなPDCAを回しながら改善につなげていくという、このマネジメントが大切だと、学力向上においても、それから豊かな心や健やかな身体の育成に関してもそれが大事なんだというふうに思っています。
 御答弁にありましたように、私も個々の教員がしっかりと子どもたちと向き合いながら活動していく、力量を上げていく、そういった取組とともに、やはり言っていただいたような計画的、組織的な学校全体としての考えというのがしっかりないとだめだというふうに思うんです。
 ですので、そういった学力も心も体も、やはり学校の条件整備であったり、教育条件整備であったり、学校経営であったりというところの中核になると思いますので、ぜひこの学力、心、体のところへ、このカリキュラム・マネジメントという部分の考え方をしっかりと生かしたような取組というのが必要だというふうに思っていますので、学校全体としてそういう力を向上させていくという方向で引き続き進めていただけたらというふうに思います。
 以上です。

〇東委員長 答弁はよろしいですか。

〇藤根委員 何かありましたら。

〇長谷川次長 今言っていただいたように、学校全体で進めていくということが、新しい学習指導要領で出てきましたカリキュラム・マネジメントという言葉ですので、進めてまいりたいと考えております。

〇東委員長 ほかにございませんか。

〇稲垣委員 私が今ちょっと感じている問題意識というのが、小中学校で不登校になって、なかなか学校にも行けずに、学ぶこともなく、義務教育は一応卒業して、社会にも出ず、引きこもっていたりだとか、いろんな形で、いわゆる昔、読み書きそろばんと言った基本的な力というか、基礎的な力というのが備わらずに大人になっている、あるいはなっていく数が非常に増えているんじゃないかなという危機感、認識を持っているんですけど、教育委員会としてはそういう認識はあるか、ないか、まずお答えいただけますか。

〇長谷川次長 子どもたちがいろんな理由で不登校になりますと、どうしても学校に出ていきにくい一つの原因として学力に対する不安というものがあるというふうには認識しております。
 ですので、様々な相談体制とか、関係機関とも連携しながら不登校の状態をサポートして、学校に出てこられる、または適応指導教室に行ける、何らかの関係の人と連携をとれるというふうなところへ進めていけるというふうに施策を進めていきたいというふうに思っております。

〇稲垣委員 そうすると、例えば小学校、中学校の不登校の数とか、そういう数というのは把握されているんですかね。
 それから、その方たちが卒業された後のフォローはなかなかできていないと思うんですけれども、そういうことへの対応というのは、何らか認識としてデータがあるのかどうか、特に不登校の数というのは把握されていますか。

〇長谷川次長 平成29年度の数字となります。1000人当たりの小学校の子どもの不登校のパーセントとしては6%、566人です。

〇稲垣委員 もう一回お願いします。

〇長谷川次長 6%、566人ということになります。

〇稲垣委員 566人というのは1000人当たりですか。

〇長谷川次長 全体で566人。中学校は1549人。高等学校は538人ということです。三重県です。

〇稲垣委員 済みません、もう一度、全体で小学校566人で6%、中学校は1549人で何パーセントになりますか。

〇長谷川次長 小学校566人で、1000人当たりの児童数が6人。申しわけございません。そして、中学校の1000人当たりの児童数が32.5人、高等学校が1000人当たりの生徒数が14.1人ということでございます。

〇稲垣委員 そうすると小学校は0.6%で、中学校が3.2%ですね。
 先ほど、この子たちに学校教育以外のいろんなフォローをしていくって、施策でやっています、あるいはやっていきますということなんですけど、何らかの形でフォローができているのか、あるいは対応しようとしても全くフォローができていない、いわゆる、先ほど私が申し上げた読み書きそろばんという基礎的な力をつけているのか、つけていないのかというところについての把握はできていますか。

〇長谷川次長 読み書きそろばんについて、できているか、できていないかの把握というのはできていない状況です。

〇稲垣委員 なかなかその把握をするのは難しいと思うんですけど、ただ、この教育施策大綱の中に、ぜひですね、これはページでいうと8ページ、9ページのあたりの、特に(3)の誰一人取り残さないというようなところなのかなというふうに思うんですけれども、これだけの義務教育を、本来受けなければいけないことを何らかの理由で受けられていなくて、そのまま成長して大人になっているという方がかなりいる、そして、またこれからも増えていくだろうという想定の中に、ぜひこれから4年間で、先日、知事のほうからも夜間中学については検討していきたいというようなこと、調査していきたいということがあったんですけど、基本的には、夜間中学の対象というのは、主には日本語がなかなかできていない外国人を想定していると思うんですけれども、やっぱり日本語の基本的な読み書きができなくて卒業して、大人になっている可能性の高い日本人も結構いるんじゃないかなということを思っています。これから夜間中学を県として調査していく中で、ぜひ教育の観点からも、今の子どもたちが読み書きについて、日本語の基礎的なところが不足している可能性があるんじゃないかなという視点で、ここの書きぶりをどうしてもらうかにもよるんですけど、不登校への対応はちゃんとやっていきますと、不登校生徒に対しての、今の生徒に対しての取組は書いてもらってあるんですけど、例えば義務教育の力が不足している人に対する学び直しの機会をちゃんとつくっていくとか、そういった捉え方を、ぜひそういう視点を入れていただきたいと思うんですが、それについての考え方はどうですか。

〇横田副部長 御指摘ありがとうございます。
 御指摘いただきましたように、義務教育を修了しないまま学齢期が経過した方ですとか、それから、不登校の方ですとか、外国人生徒、等々ございますので、どのような形でどこにどう記述するかというのはちょっと検討させていただきたいんですけど、その趣旨を踏まえまして、いろいろ検討させていただきたいと思います。

〇稲垣委員 当然、外国人の方、ここに書いてある書き方でいくと、国籍等いろんな理由によって、家庭の経済的な事情によってというのは書いてあるんです。そういう方への対応というのは、しっかり考えていきたいと。加えて、恐らく、今、なかなか把握できていないと思うんですけど、先ほど言っていただいた、検討したいということですので、義務教育の中で、本来つけているべき力をつけずに大人になっている人たちへの対応、そして、もう一つそれに加えると、例えば8050問題とかも言われていますけど、80歳の親に50歳のひきこもりということの数字も実際出ました。ひきこもりに対するという言い方がいいのかどうかわからないですけど、このことに対する取組とか、そういう視点というのは、この中には入っていないように思うんですけど、先ほどの延長線上で、教育という視点から捉えていただくというのも要るんじゃないかなと思うんですが、それについてはいかがですか。

〇横田副部長 同じく、特にSDGsで言いますと、誰一人取り残さないという大前提がございますので、そういった大きな視点が大事ですし、それが今回の特徴にもなっておりますので、幅広い形の中で検討させていただきたいと思います。
〇稲垣委員 9ページのところに生涯学習という意味では、主体的にこれからまた学ぼうという人への機会を提供していくというのは当然入れていただいてあって、そういう視点も要ると思うんですけど、加えて、先ほど何度も申し上げているように、それが欠けている方、それを習得してこなかったけれども、その機会がなく、今、社会に出ている方とかに対する、いわゆる生涯学習の視点かもわかりませんし、学ぶ機会の提供というのを、ぜひそういう視点を入れていただきたいなというふうに思います。
 それから、最後にもう1点、21ページですけれども、18番のところで、STEAM教育を推進しますということを書いていただいていまして、これについてちょっと中身を聞きたいんですけど、恐らく想定は高校生かなと思うんですが、これは、専門高校だけじゃなくて、普通科高校とかも広く対象にしてこういうことを県として取り組んでいくという考え方でよかったですか。

〇長谷川次長 STEAM教育というのは、サイエンスとかテクノロジーとか、それに加えてアートの視点を入れた教育と言われています。そして、今回、これを取り入れたのは、主に高校生対象ということで、職業系だけではなく、それ以外の学校についても広くSTEAM教育をやっていくというのが、これからの時代に求められる教育というふうに捉えております。

〇稲垣委員 ありがとうございます。
 4年間の、この取組を大綱の中にしっかり書き込んでいただいておるというのは、非常に意義があるかなと思っていまして、ぜひ力を入れてやっていただきたいなと、期待したいというふうに思います。
 以上です。

〇東委員長 ほかにございませんか。

〇田中委員長 関連なので、ちょっとここで手を挙げさせていただいたんですけど、誰一人取り残さないということで記述がありますよね。先ほど稲垣委員が、様々な場面で取り残されている子どもたちに対して、または、そういう人に対してどうしていくのかということについてお伺いになったんですけれども、自分の中の整理では、教育ビジョンがありますよねと、ところが、教育基本法の第17条第2項の教育の振興に関する施策の基本的な計画ということで、法に基づく計画であって、地方教育行政法の改正によって教育施策大綱をつくるということになって、自分の中では、教育施策大綱とは、三重の教育にかかわる大局的な視点、見地から、こういうものですよというふうにお示しするものなのかなというふうに理解をしているんです。
 そんな中で、誰一人取り残さないということは、現時点で取り残してしまっている子どもなり、三重県に住む人がいるという認識だというふうに思っているんですけど、そのあたりは三重県行政として、どの方たちを取り残してしまっているという現状認識を持っておみえですか。
 事細かに聞くつもりはありません。大体、先ほど、稲垣委員が御指摘したような不登校の子どもたちであるとか、引きこもっている若者というか、ある程度青年層であるとか、そういうことですけれども、そういう認識がまずは前提でないと、誰一人取り残さないということを、余り言えないんじゃないかなというふうに思うんですけど、その辺はいかがですかね。

〇福永部長 SDGsの考え方を今回全部の施策に視点として盛り込んだということなんですけども、SDGsの大きな視点が幾つかある中で、大きく3つの視点を重要視しようということで盛り込んでいます。その中の1つは、包摂性という視点で、これは、誰一人取り残さず、全て一緒に社会で生きていくんだという部分の考え方ですので、それを教育に当てはめますと、例えば、今、御質問のあった不登校ですとか、あるいは子どもの貧困とか、そういったところで何らかの不利な状況を過ごしていただいている方、そういう人をそういうことのないようにしていこうという考え方であると思っています。

〇田中委員長 ありがとうございます。
 厳しい状況の中で、それでも必死で生きている子どもたちが確かにいて、個人的には、すぐ身近にはそういう子どもは、幸いにしてというのはちょっと語弊があるのかもわからないですが、余りおみえになりません。
 だけど、学校現場へお邪魔をしたりとか、いろんな子どもたちにたくさんかかわっている方、職業としてかかわっている方のお話を聞くと、三重県の中にも、確かにそういう子どもたちがいて、そういう子どもたちにどう対応していくのかということが、この教育施策大綱の中には、イズムとして流れていないとあかんのかなというふうには思っている中で、そうなってくると、11ページ以降の教育施策のところに、どんなふうにちりばめられているのかというと、若干その辺が弱いのかなと。
 具体的なことになるがゆえに、なかなか見えにくい部分があるのかもわからないんですけど、ここにあります、あそこにありますということは、もうあえて求めませんけれども、11ページ以降の教育施策のところは、教育委員会と連携をしていただいているとは思うんですけれども、そういう視点でもう一度ちょっと考えていただきたいなというふうに要望しておきます。
 あと、細かい嫌味なおじさんみたいなことを一言だけ言わせてください。
 人生100年時代ですよね。人生100年時代って誰が言ったんですかということですよね。医学的なエビデンスはあるんですかね。日本が長寿化してきて、健康寿命も延伸してきていて、私たちの年代でも子どものころの今の60代とか、70代よりもずっとお元気で、しっかりしておみえになって、しっかりしているというのは、人生を謳歌しているというか、御自身の思いをしっかり達成して、自己実現をしている高齢者の方がたくさんいるという時代にはなってきていると思うんです。けれども、その100年って、100年生きると言ったのは、どこかのビジネススクール、イギリスかどこかの人が、2007年に生まれた人の2人か3人かに1人は100歳になるよと言っただけで、何か医学的な根拠はないように思うんですけど、その辺はどう認識してみえますか。

〇横田副部長 医学的なエビデンスといった意味では、ちょっと私では答え切れないんですけども、御指摘いただきましたように、これまで人生50年が長くなって、いわゆる職業としてリタイアされた後も自分の人生をより豊かにして人生を送っていくという中の一つの目標といいますか、スローガンといいますか、そういった中で、一つの人生100年というものが出てきたかと、私は思っております。
 ですから、単に学校教育だけやなしに、より人生を豊かにするために、より幸せを味わっていただくために、人生の後半についてもより厚くしていただきたいといった意味で人生100年時代というものを使わせていただいております。

〇田中委員長 終わりにします。
 政府のほうで人生100年構想会議でしたか、何かが立ち上がっていて、それを受けて三重県としてもという形なので、これを削除したり、変えるということはできやんということは、もうわかっておるんですけど、ただ、人生100年と余り言い切ると、100年生きたくても生きられない人たちも確かに存在するわけで、そういう人たちをも取り残さないような三重県の教育であっていただきたいなということを要望して終わります。
 以上です。

〇東委員長 ほかにございませんか。

〇長田委員 教育施策大綱の中の3番、三重の教育における基本方針の中の(1)に、新しい時代を「生き抜いていく力」の育成というのが書かれています。
 細かいところを読んでいきますと、その中に、学ぶ意欲の向上ということが出てくるんですが、この学ぶ意欲の向上というのは、教育施策の中のどの辺に反映されておるのかお教え願いたいんですが。
 学ぶ意欲の向上と書いてあるのは、別冊の7ページの下から2行目ですが。

〇横田副部長 例えば社会的にも、家庭的にも、心の中にもいろいろな葛藤を持ってみえる方がおみえになって、その方々が自分をかけがえのない存在として感じられて、学ぶ意欲ということで、これまでいろんなプレッシャーとか、外的な要因がありますので、それを取り除く中で、その方々に学んでいただけるような環境を他部局とともに整えることが大事だと思いますし、例えば特別支援教育にしましても、いろんな障がいのある方がございますので、そういった方々に寄り添えるような教育、それから不登校ですとか、虐待、そういったことをきちんと支援していくといったところもございますので、幅広に多くの方々が学びについて前向きに向かっていけるような支援をしていきたいという考え方です。

〇長田委員 それでは、学力の向上という視点からの、この学ぶ意欲の向上という視点は入っていないですか。

〇宮路副教育長 学力の向上の視点でいきますと、別冊の16ページになるんですけども、ここの施策、全体に、いわゆる知・徳・体の育成をしていくという施策でございます。
 その中で、まず、基本的な取組方向の中に、3行目でございますけども、知・徳・体を育むことによって、子どもたちが自分のよさを認識し、失敗を恐れず夢と志を持って可能性に挑戦していくという前向きな表現で、意欲につながるような言葉を入れています。
 それと、意欲という言葉は使っていないので、今後、どうするかというのは、また考えさせていただければと思うんですけども、主な取組内容の3つ目、いわゆる主体的・対話的で深い学びというところが、主体的のところに、やっぱり子どもたちの意欲を引き出すような授業をしていくというのがまず入っておりますので、具体に学ぶ意欲という言葉がここでは出てこないんですけども、全体としては、そういうための指導の取組の記述をさせていただいておるという意味でございます。

〇長田委員 わかりました。
 じゃ、16ページの3番のところに学ぶ意欲というのが入っておるというふうに考えさせていただいてよろしいわけですね。
 それと、もう1点。全体の中の、「教育への県民力の結集に向けて」というところなんですが、ここの書きぶりが、何々することという命令調なんですが、これはこういう書き方なんですか。37ページから後のところです。

〇横田副部長 項目立てという意味で体言どめにさせていただいておりまして、何々することということで、ちょっと言葉としては優しくないので、その辺はいろいろ工夫させていただきたいなと思います。

〇長田委員 そうですね。例えば「地域」の役割なんかでも、地域でしなさいよ、みたいな感じにとれるので、ちょっとその辺だけ工夫していただければと思います。よろしくお願いします。
 以上です。
〇東委員長 ほかにございませんか。

〇中川委員 新しい時代を「生き抜いていく力」の育成という文言があるんですが、昨日も武道の大会があったんですけども、そこで私が申し上げたのは、1つは、やはり最後まで諦めないという気持ちです。2つ目は、やはり基本、基礎という、これは大事。それから、3つ目は、礼儀等々の話をするんですけれども、そのあたりの文言がなかなかないんですよね。
 1つあるとすれば、21ページの13番に志という言葉が入っておるんですけども、今申し上げた点は、どういう形の中でこの記述が入っておるのか、ちょっと教えていただきたいと思います。

〇横田副部長 単語といった記述ではございませんけど、例えば5ページにございますように、教育の意義としましては、個人的意義の中で、一人ひとりの可能性を「開花」させ、「生き抜いていく力」を育み、人生を豊かに輝かせる。それから、社会的意義としましては、社会に発展という「実り」をもたらす活動という中で、様々な人生を送っていただくということになります。
 また、その丸の4つ目でございますけども、教育こそが新しい時代を牽引する「イノベーションの源泉」という言葉も使わせていただいています。ですので、個人と、社会、それからそれを駆動させていくことといった中で、構造を書いております。
 そういった中で、それぞれの方々が、学力を向上させて学んでいっていただくということを大きくここで提唱させていただいております。

〇中川委員 精神論かもわからんけれども、頑張る意欲、忍耐心とか、忍耐力とか、そのあたりが物すごく大切だと思うんですよ。そのあたりを余り感じないものですから、そのあたりを反映していっていただいたらと思うわけであります。

〇福永部長 7ページの基本方針の1つ目のところに、生き抜いていく力の説明が書いてあるんですけれども、最初のところから生き抜いていく力の説明をしてありまして、ここで、変化を前向きに受け止め、確固たる自分の軸を持ち、他者との絆を大切にしながら、失敗を恐れず夢と志を持って可能性に挑戦し、豊かな未来を切り拓くという表現で、生き抜いていく力の説明をしてございます。これは、また、このページの一番下の丸のところでも、非常に厳しい状況にいる子どもたちでも、人生を大切に歩んでいけるようという形で、生き抜いていく力のことについて触れておりまして、このあたりを総合しますと、今、中川委員がおっしゃったような意味になるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

〇中川委員 わかりました。
 もう1点だけ。この中で、文化という言葉がたくさん出てきておるかと思います。やはり、私が危惧しておるのは、地域文化が、後継者がいないとか、衰退しておるということで、それをどう食いとめ、発展させるかということで、郷土教育とか、あるいは次世代の育成ということが書いてあると思うんですけども、32ページ、あるいは21ページで、文化というのを、もう一遍きちっとまとめていただいたほうがいいんじゃないかな、整合性を発揮していただいたほうがいいんじゃないかなと、こんなふうに思うんですが、その辺はどうでしょうか。

〇横田副部長 21ページとか32ページ、33ページのあたりに地域とか、文化、伝統、郷土といったところでまとめておりますが、ちょっとわかりにくい部分もございますので、工夫させていただきたいと思います。
〇東委員長ほかにございませんか。

〇小島副委員長 皆さんのいろんな意見を聞きながら、やっぱり8ページに少しこだわらせていただきたいと思います。
 誰一人取り残さないは、先ほど答弁いただいたんですけども、共通のスタートラインとは何を指すかということです。
 新しい社会のいろんな変革の中で、それぞれが自分の置かれているところで精いっぱいというニュアンスだと思うので、この共通のスタートラインという言葉がとても気になりますが、どういうニュアンスでこの言葉を使っておられるか、そこにどんな願いが込められているかということをお聞かせいただけませんか。

〇横田副部長 よく公平とか均等とかいう言葉が議論されますけど、そういった中で、個人個人にとってそれぞれのスタートラインは違うと思います。ですけども、それがハンディがあるようなスタートラインではいけませんので、まずはハンディを取り除いた中での、皆が質的な共通のスタートラインに立てるような形の質的なものとここでは言いたいと思っております。
 特に後半で、特別支援教育ですとか、児童虐待ですとか、子どもの貧困とかいったことがありますけど、具体にはそこの要素にかかっていくという形でございます。

〇小島副委員長 であれば、この、共通のという言葉の使い方はいかがなものかというふうに思います。
 それぞれが、足りないところをしっかりと教育という名のもとに補いながら、そこからどれだけ頑張れるかというニュアンスがわかるような書きぶりにぜひしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 本当に厳しい障がいのある子どもたちもたくさんいますし、その子たちはこれから長い人生を生きていきますので、そのお一人おひとりを浮かべながら、ぜひ文字づらにもしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 それから、2つ目は、先ほどいろんな方がおっしゃいました、本当に時代の変わり目でいろんなことが起こる中で、教育は、特に学校教育においては、それぞれの地域や、あるいは種別もありますし、人数等もあるかもしれません、それぞれの教育活動は、ある程度の基準の中で自由性を大きく求められるべきだというふうに思っていますけれども、再度確認をさせていただきたいと思います。
 この大綱は、あくまでも大綱的な基準という考え方であって、学校教育の細かいところまで規定するものでないという捉えでよろしいですか。

〇福永部長 この大綱の位置づけは、もともと4年前に初めて策定したところから議論になっていたところでございますけれども、あくまでも教育の大きな方針を出すということで、こちらとしても思っております。
 ですので、今日の別冊の中間案でいきますと、10ページのところまでの部分が大きな方針ということで、本当の意味のあるというか、大綱というべき部分だと思っています。
 一方で、大綱は、詳細を書いてはいけないというものではないので、三重県知事としては、この大きな方針を示した上で、やはり県民の皆さんに対して責任もある立場ですので、一定の教育施策を一覧の形で示すという形で1回目の教育施策大綱をつくっております。
 その考え方を引き継いでおりまして、あくまでも11ページ以降の部分につきましては、知事だけでこれをお示ししているのではなくて、教育委員会とも相談をして、総合教育会議にもかけて、そして、合意を得られたものを載せていますので、そういう意味では、知事が独断でこれを書いたというものではないので、教育委員会との合意も図られた上で出しているというものになります。

〇小島副委員長 ありがとうございます。
 教育委員会ともども同じ考えで進めていただいているということと認識をいたしました。
 続けます。3点目なんですが、やっぱりダイバーシティの推進だとか、SDGsだとかという考え方を大事にしていくのであれば、私はどこかにインクルージョンの考え方のその言葉自体も入れていただけたらなというふうに思うんですけれども、これは教育委員会にお聞きしたいと思います。どこからその考えを読み取ればよろしいですか。

〇宮路副教育長 全て、いろんなダイバーシティの考え方なり、いろんな要素が含まれることと思います。それがいろんなところでばらけているわけですけども、例えば特別支援教育であれば、23ページでございますけども、障がいのある子どもたち一人ひとりの教育的ニーズに応じた学びの場においてというところを出しまして、これは、保護者、本人の希望とか、いろんなことを相談しながら決めておるわけですけど、そこで教育を行っていくこと、もう一つは、今回、取組方向で書かせていただいておるんですけれども、障がいのある子どもたちと障がいのない子どもたちが交流等を通じながら学ぶことによって互いに理解を深め、尊重する態度を育んでいくというところで示させていただいております。
 取組としては、交流学習等の取組にとどまっておりますけども、理念としてはそういう考え方が中で生きたものとして書いていることになっていると。

〇小島副委員長 たしかに24ページの8番に、交流及び共同学習を進めますと書いていただいてあるんですが、これではやっぱり理念が狭過ぎると思います。大綱であるならば、このインクルージョンの考え方を、やっぱりどこかにきちっと書き込んでいただくのが必要ではないかなというふうに思いますので、ぜひお考えをいただきたいなと思いますが、これは、どなたが答えていただけますか。

〇横田副部長 御指摘ありがとうございます。
 特に県民の方々にもよくわかるような内容にしていきたいというのもありますので、ちょっと表現を工夫しながら、教育委員会と相談しながらまた精査していきます。

〇小島副委員長 いっぱいあるので、言っておきたいと思います。
 20ページの主権者教育のところなんですけれども、子どもたちの発達段階に応じた主権者教育はとても大事だと思いますが、権利と責任を感じながらと書いていただいてあります、やっぱり発達段階はいろいろですので、責任というこの中にどんなお考えが入っているのかわかりませんけれども、子どもの権利条約の中にある、4つの権利をしっかりと保障していくという理念での権利という意味だと思いますし、権利と責任のバランスとか、考え方をきちっと、整合性を図りながらぜひお進めいただきたいということは申し上げておきたいと思います。
 それから、最後です。6ページです。
 おかしいとかいうことじゃなくて、疑問があるので教えていただけますか。
 時代が変わりつつあって、Society5.0もそうですし、いろんなこと、SDGsも、フィフスゼネレーションとかのこともいっぱいありますけれども、見据える社会の姿と教育の役割のところに、元号のことが書かれているんです、ずっとこの大綱が前回から続いていっている中で、元号がこういう意味だからそこに心を寄せて、何か大綱として変えるものがあるんですかということを疑問に思います。このあたりを入れられた意図をお教えいただければと思いますので、よろしくお願いします。

〇横田副部長 社会の変化が著しい中で、日本国が新しい時代に向かって歩みを進めていこうといった明るい時代であると考えております。
 そういった明るい要素であることを踏まえまして、一人ひとりが明日への希望とともに、それぞれの花を大きく開かせたいという思いを込めておりますので、令和だからどう、平成だからどう、昭和だからどうという意味じゃなくて、前向きに大きな時代を紡いでいきたいという趣旨で書かせていただいております。

〇小島副委員長 一つの大きなきっかけになったことは間違いがないと思いますが、時代が変わったからといって、何か変わるわけではなく、時代をつくるのは県民一人ひとりだというふうに思いますので、そのことを申し上げて終わりたいと思います。ありがとうございました。

〇東委員長 ほかにございませんか。

〇今井委員 頭の中がちょっとこんがらがっておるんですけども、本冊の4ページに、今の大綱と次期の大綱の変わった部分というところがあるんですけども、教育施策の左のほうで、マル3、マル4、マル5が、新しいところでは1つに集約されておると。確かな学力、豊かな心、健やかな身体、これが1つになっておるんですけど、この教育施策大綱のほうでは、なぜこれを1つにしたかというのは、書き込みがちょっと見当たらないんですけども、これをまず1つ教えてもらいたいのと、左のほうの11個ある教育施策が、次期大綱では10個になっておるということで、この3つが集約されたというのが大きい理由と、もう一つは、個性を生かすというところが特に増えてきたんだと思っております。
 その中で、10番のところで、地域の活力を支える産業人材等の育成というのを、地域の未来を創る多様な人材の育成というふうに変えていただいております。これは、時代の変化、課題やこれからの未来に向けて、別冊のほうでは医療や福祉、介護、農林水産業、様々な産業だけではなく、また、AI等のことだけではなくということで書いてもらってあるので、前の4年間は、地域を元気にするための産業人材等というのを特出しで出してあるということは、特にここに力を入れておったけども、今後は幅広く時代に必要な、そういったところに切りかえていくんだという狙いがあるのか、そのあたりをまず2つ教えてください。

〇宮路副教育長 前段の学力と心と身体をなぜ1つにしたかというところでございますけども、現行の大綱では3つに分かれておりまして、学力のところに社会参画力の育成というのと合わせて示されておったと考えております。
 今回、子どもたちの人格形成をしっかり図っていくという教育の目標から考えますと、それぞれは大事にしながら、やっぱりメッセージとして一体的に育んでいくことが大事ですということを示すことが一つの大きな理由でございます。
 もう一つは、これがベースになって、新しい時代で生き抜いていく力ということが示されておりますけども、社会参画力とか、いろんなほかの、先ほど出ましたSTEAM教育とか、新しい教育、それから、感性を働かせる教育なんかも合わせまして、まとめた施策として整理をさせてもらった関係でこういう形の示し方をしておるところでございます。

〇横田副部長 後段でございますけども、先ほど来、人生100年時代ということで新たな概念が出てまいりまして、そこでは、単に産業を発展させるとか、再雇用でその人たちに活躍してもらうだけやなしに、人生をより豊かにするために、どういった社会がいいか、生活がいいか、御本人たちに対して、例えばリカレント教育といったようなことも出てきております。
 そういった中で、今回、幅広に再度組み直して、整理し直して位置づけたものでございます。
 ですので、より幅が大きくなったといいますか、視点としては大きくなったという感覚で思っていただいたほうがいいと思います。

〇今井委員 教育ビジョンでは中間案のとことで書かれておるんです、1つ目の理由が。教育施策大綱のほうに、今、こちらにはちゃんと書いてもらっていますよね、それが大事な狙いといいますか、今後の取組の基本になってくると思うので、そのあたりのところは、教育施策大綱のほうで書き込めないのかなというふうに思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。戦略企画部のほうが、ちゃんとわかってもらっておるかということです、この3つを1つにしたということを。そこをしっかりと御理解いただきたいと思います。
 もう一つ、産業人材等のほうは、前の4年間が特出しをしてやってきたのかなというふうに思うんですけども、人口減少問題やら、地域の活性化ということで、今後、幅広に地域の未来を創る多様な人材の育成、地域の課題等も踏まえてそれぞれの人材の育成をしてもらうということでは、後ろのほうで細かく書いてもらっていますので、その辺は、認識を変えたということで理解させていただきました。
 それと、もう一つ、次は、12ページのところで、「教育の原点」である家庭教育と子育て支援の充実のところで、ここに出てくる言葉が、一番上の枠の中、子どもの基本的な生活習慣の形成とか、2番のところにも、家庭における子どもたちの基本的な生活習慣・学習習慣・読書習慣の確立を図りますということで、ここで言う、基本的なというのは、どういうことなんでしょう。
 時代が変化、子どもたちを取り巻く社会状況、環境も変化しておって、生活スタイルというものも、もしかしたら変わってきておるかもわかりませんけど、ここで言う基本的な生活習慣、特に私は生活習慣というところに関心を持っておるんですけど、教育委員会、もしくは戦略企画部のほうで、教育施策大綱の中で基本的な生活習慣というのはどういうものなのか教えてもらっていいですか。

〇福永部長 何か定義があるわけではないですけれども、生活習慣全てというわけにいきませんので、食べるとか、寝るとか、そういう一番もとになる生活習慣のことを指しているというふうに認識しております。

〇今井委員 子どもたちの生活習慣においてということですよね。

〇福永部長 基本、子どもたちの生活習慣ということです。

〇今井委員 例えば先ほどの学ぶ、豊かな心、また、スポーツもそうだと思いますけども、生活習慣というのが、よい習慣を身につける、これは大人もそうなんですけども、子どもを通して大人もよい習慣をということだと思うんですけども、抽象的に基本的な生活習慣と言っても、子どもたちに説明ができないというふうに思いますので、より学力・学習状況調査等で携帯電話を触っておる時間とか、夜更かし、朝御飯を食べておるかとか、様々あると思いますけど、やっぱりこの生活習慣というのが全ての子どもたちを今後つくり上げていくもとになると思いますので、ここの部分をもう少しわかりやすくしていただければなというふうに思います。
 それで、もう一つ、最後のところで、「教育への県民力の結集」に向けての最後の38ページのところで、県と市町との役割分担ということで、市町の役割というところで、最後に責任を確実に果たしますという言葉、それで締めております。
 県の役割のところで、「主体的な役割を果たします。また、教育施策を進めるにあたり、市町との意見交換、情報交換を密にし、その主体性を尊重するとともに、一層の支援に努めます。」になっておるんです。これはどういうことなんですか。確実に果たしますというこの文言というのは、市町にはオーソライズされておるんですかね。
 最後のところで、県は努力義務にしておるんですけど、このあたりはどうなんですかね。

〇横田副部長 御指摘ありがとうございます。
 現場的にも、それから小中学校という意味でも、より子どもたちに近いという市町の役割がありますので、そういったところをより確実に機能を果たしていただきたいというようなことの思いから、ちょっと強目の言葉になっていますけども、この辺も整理しながらそれぞれの役割をより正確にあらわせるように、特に県民の方々にわかりやすいような表現にいろいろ工夫させていただきたいと思います。

〇今井委員 果たしていただきたいという思いはよくわかるんですけども、ここにこうやって、確実に果たしますというような形で市町の役割として、県が書いておるという形とすれば、一番近い現場で御尽力いただいておる市町のほうと、この文言、書き込み、教育施策大綱についてしっかりと共有をしていただきたいと思いますし、県の姿勢を、ずっと前に書いてもらっていますけども、この資料の中では最後になっちゃうので、そう見ておるんですけど、最後のところが、努めますというのは、ここは、ちょっとどうかなと。もっと強い決意を示していかないといけないということでは、特に市町のほうに、確実にというところ、義務的なところを課したわけですから、県も最後のところは市町に対する意見交換や情報交換等をしっかりとやりながら、一層の支援を果たしますと書くべきところだと思いますので、よろしく御検討いただきたいと思います。

〇福永部長 ありがとうございます。
 至極もっともな御指摘でございますので、検討させていただきます。

〇東委員長 ほかにございませんか。

〇舘委員 本当に細かい中で、いろいろと御意見が出てきましたけれども、一番根本的なとこら辺をちょっとお聞きしたいというか、ちょっと感じたことを申し上げますが、この大綱、先ほども位置づけのお話が出てきて、これからの教育、県としての方針等々、基本施策ですよね。
 それは、知事、教育委員会、そして総合教育会議の中で諮られて、意思統一をして出されました。そして、これを広く次期ということで新しく県民の皆さんに御理解をいただきながら県民力を結集してやっていこうという方向だというのはよくわかります。
 そして、先ほど、今井委員から言われましたけれども、私もこの、県民力の結集に向けてということで、それぞれの役割を書かれておって、最終にこれがあるのはちょっと、何じゃこれというふうに思っていたんですけれども、それを今述べていただいたのでそうですけれども、この役割の中で見ていくと、(1)からずっと学校から以降がありますけれども、家庭であったり、地域であったりというのは、まさに御協力いただく県としてのしっかりとしたものを示していただいて、御理解を得ていただいていこうということやと思います。
 先ほどもちょっと、現場は子どもたちに最も近い位置なんだという話があった。現場のことが今のままで本当にいいんかなという思いがしているのは、現大綱と次期大綱、現大綱の中で、どういうふうな形の中で現場の声とか、現場の思いとかいうことが精査されてきたというか、検証がされているんかなという部分とともに、例えば、学校の役割の中でも、教職員は高い志を持って云々というようなことであったり、それは、地域の皆さんの理解をいただいていくんや、そして、教職員の資質の向上を図っていくんだということは大きく期待されている部分とともに、県としてやらなければならない、教職員になろうとする方が減ってきているというのも、現状やと思うんですよね。そんな中で、そういうふうな努力をしなければならない。
 もう一つ、現場のことを申し上げれば、質の高い教育環境を創造するんだという中で、その環境を整備・実現するというふうなことがありますけれども、実際の話、各学校に行って、校長先生等々からのいろいろな要望で、環境、施設等の整備ということも、大きく問題提起をされてきているし、今までもしているんだろうと。それがまだ完全ではないというのは、皆さんのよく理解されるところでありますけれども、この役割の中で、その部分も含めて、大綱を今後の教育の方針、施策の基本としていく考え方というのは、もっとしっかりとこの中にうたう必要があるんではないかなと、このように私は感じるんですけども、いかがでしょう。

〇横田副部長 御指摘ありがとうございます。
 細かい話でいきますと、27ページとか28ページあたりの地域との協働と信頼される学校づくり等々に挙げている中に、教職員のことですとか、学校現場のことが書いてありますけども、御指摘いただいたような、大きな意味での現場、それから、その中で信頼される学校づくりというところがまだ薄いかもわかりませんので、その辺は検討させていただいて、どのような形が一番いいのかというのは、示させていただきます。

〇舘委員 ばくっとした全体的な感じのことを指摘したんかなというふうには思いますけれども、また個々に対しては、またそれをどのようにされるかというのは、記述等々においてもまだわからない部分がありますけれども、しかしながら、やっぱり子どもをしっかりと教育し、子どもを育てる環境をつくっていくのは、しっかりとした教育をしていくのもそうですけれども、現場が一番大事だなという思いを、細かいことも記載していただいて、いろいろな施策の方向というのは示していただいてありますけれども、それを成功させるには、県民の皆さんは当然ですけれども、行政として、また教育委員会として、学校として、ともどもに力を合わせてやっていくのが一番重要やというふうに感じたので申し上げました。よろしくお願いします。

〇福永部長 現場に関することは、先ほど副部長もちょっと申し上げましたけども、27ページにある7番の施策、地域との協働と信頼される学校づくりのところで、我々がやろうとしていることは大きく位置づけておりまして、最後の37ページのところは、それを2つの柱に集約して書いてございますので、今、委員がおっしゃったいろんなお話がどの程度反映されるかは検討してみますけれども、一応このような形で提示をさせていただいていますので、そのあたりは御理解ください。

〇東委員長 ほかにございませんか。

〇長田委員 先ほどの舘委員のところに関係するんですが、最後のページに行政の役割と県と市町との役割とあるんですが、この行政と県と市町の違いは何なんですか。

〇福永部長 行政は、ここでの定義は、学校とは別の、要は県庁や市役所の行政部門のことですので、ここで言う県と市町との役割分担としているのは、行政の中の役割分担という趣旨でございます。

〇長田委員 ということは、行政は市町部局だけではなくて、そこに教育委員会も入っているということでよろしいわけですか。ということは、行政があって、行政は県プラス市町やということですね。

〇福永部長 そのとおりでございます。

〇長田委員 お聞きするとよくわかるんですが、そうすると何で分けておるのかなという気もしますので、またその辺のところをよろしくお願いしたいと思います。

〇福永部長 同じ行政といいましても、市町と県で立場の違う部分がございますので、広域的な団体としての県の役割をここにしっかり位置づけて、市町とこれからしっかり連携しようという趣旨で設けております。

〇長田委員 そういう意味ではなくて、市町と県を分けるのは構わないんですが、(6)の項目と(7)の項目が要るのかなという意味合いです。

〇横田副部長 記述がわかりにくくて済みません。(1)の学校の役割から(6)の行政の役割までは、役割のことが整理してございまして、その上で、(7)としては、その行政の中の県と市町との役割分担ということで、ちょっと中の書き方が変わっています。ですから、こちらの書き方の誤解を招くような形になりますので、この辺はよりわかりやすいようにさせていただきたいと思います。

〇長田委員 結構です。

〇東委員長 ほかにございませんか。

          〔「なし」の声あり〕

〇東委員長 ないようですが、委員長の私から、ちょっと発言させていただきたいなと思います。
 別冊のほうの23ページの特別支援教育の推進という項目がございまして、ちょっと手元に4年前のを持っていないんですが、4年前のこの特別支援の部分と、今回出された特別支援の項目につきましては、データを見ると、項目がかなりボリュームアップし、数としては多いんです。言葉の使い方とか、視点も少し違うようなイメージを持ちます。
 つまり、何を言いたいかというと、4年前の発達支援の定義、あるいは施策よりも、今回のほうがかなり深く掘り下げているというイメージがあるんですが、その辺についてちょっと御答弁いただきたいなと思うんですが。

〇宮路副教育長 特別支援教育は、現行の教育施策大綱では、自立と社会参画をめざした特別支援教育の推進ということで、中では2つの考え方、小中学校、高校、それから特別支援学校全体を通じた特別支援教育と、特別支援学校におけるキャリア教育の視点ということで整理をしておりました。
 一定、取組も進みながら、今回の大綱の中に入っている、教育委員会として入れたいなと思った施策としては、やっぱりまだ課題として残っているところとか、続けてやっていくべきというものは、若干表現も変わっているところはありますけども、残しながらいろんな法改正でありますとか、取り巻く環境の変化に対応して、新たにすべきものをできるだけ入れていきたいということで、項目が少し増えたのと、内容が若干変わっているというような考え方で整理をさせていただいております。

〇東委員長 今、御説明があったとおり、法改正がかなり進んでいるということと、障がいを持つ子どもの、いわゆる仕分けがかなり綿密になってきた、指導項目がかなりきめ細かくなってきたということの、時代認識が絶対必要やと思うんです。
 それが前提で、主な取組内容の1番から6番までの項目につきましては、文章そのものが、こなれていないというんですか、必要なものを出してきただけという印象です。つまり発達支援の現場から見て、子どもと、支援の組織と、保護者という、ここら一帯があって、子どもにどうやって手を伸ばすか、差し伸べるかという視点があると、言葉の使い方があちこち行かないような気がするんですが、印象ですが、いかがですかね、その辺の御専門の方がいらっしゃると思うんですが。
 例えば、CLMもありますが、個別の指導計画がなかなか行き届いていなかった、現場の教職員もなかなか理解し得なかったところが、今般はかなり深く掘り下げているような感じがするんですが、その辺の認識をお尋ねします。

〇宮路副教育長 今言っていただいたのは23ページの取組内容の2番、CLMのところでございますけども、今の期間中に、一定周知とか、いろんな接続というのを取り組んできたところなんですけど、やっぱり、今御指摘いただきましたように、まだまだうまく接続ができていなかった部分も反省としてはございます。
 短い文章の中で表現をしておりますので、そういう細かいところの機微は、表現が行き届いていない部分、それから最初に御指摘いただいた、こなれていない部分というのは、こういうことをやりたいという表現を入れているだけになっていますので、背景とかがなかなかここに落とし込めていなかったり、保護者の方とか、いろんな思いがなかなか入れにくいというか、入っていないというのは事実かもわかりませんけども、そういうこともできるだけ伝わるように、教育委員会としても考えさせていただきたいと思います。

〇東委員長 今、御答弁いただいたとおり、いろんな新しい情報がどんどん出てきますし、例えば発達支援事業所とか、放課後等デイサービスとか、現場がそれぞれありまして、保護者との関連と、学校教育と、地域の支援の連携が絶対大事だと思うので、そういうイメージを持って文章を書かれると、よりわかりやすいんじゃないかなというふうに思いまして、ぜひお知恵を出していただければと思います。もう答弁は結構ですので。
 ほかにございませんか。

            〔「なし」の声あり〕

〇東委員長 それでは、質疑がなければ、これで質疑を終了いたします。
 当局には御苦労さまでした。

            〔当局 退室〕
(3)委員間討議   なし

〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
戦略企画雇用経済常任委員長  東   豊
教育警察常任委員長        田中 智也

 

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