このページではjavascriptを使用しています。JavaScriptが無効なため一部の機能が動作しません。
動作させるためにはJavaScriptを有効にしてください。またはブラウザの機能をご利用ください。

スマートフォンサイトへ移動

三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 令和2年度 委員会会議録 > 令和2年4月17日医療保健子ども福祉病院常任委員会 会議録

令和2年4月17日  医療保健子ども福祉病院常任委員会 会議録

                                                           資料はこちら       


医療保健子ども福祉病院常任委員会
会議録
(開会中)
 

開催年月日  令和2年4月17日(金曜日) 午前10時1分~午前11時43分
会議室     501委員会室
出席    8名
          委員長      中瀬古 初美
          副委員長     倉本 崇弘
          委員          杉本 熊野
          委員          北川 裕之
          委員          中村 進一
          委員          津田 健児
          委員          青木 謙順
          委員          西場 信行 
欠席    なし
出席説明員
   [子ども・福祉部]
          部長                    大橋 範秀
          副部長                   藤川 和重
          次長                     中澤 和哉
          子ども虐待対策・里親制度推進監 内山  忍      
                                    その他関係職員
委員会書記
        議事課             班長       中西 健司
        企画法務課        主事       水谷 健太
傍聴議員   1名
                     小島 智子
県政記者   なし
傍聴者    1名
議題及び協議事項
第1 常任委員会(子ども・福祉部関係)
 1 所管事項の調査
 (1)三重県児童虐待死亡事例等検証委員会報告書について
 
【会議の経過とその結果】
 
〔開会の宣言〕
 
第1 常任委員会(子ども・福祉部関係)
 1 所管事項の調査
 (1)三重県児童虐待死亡事例等検証委員会報告書について
    ア 当局から資料に基づき説明(中澤次長)
    イ 質問
○中瀬古委員長 それでは、御質問等がありましたらお願いいたします。

○青木委員 報告書というものの内容を御説明いただきました。その報告書の本書の最後の11ページの検証結果の「おわりに」というところがあるんですけれども、「検証結果について、機関内のすべての職員で共有し、話し合い」とあるけれども、今後これを基にしっかりということで、今後またいろんな深みのあるいろんなものをされてということになると思うんですけれども、事件があってから2年半がたっているんですけれども、その中で、現場の児童相談所等で、この報告書は予想どおりだったのかというところも含めながら、その2年半の間にどんな現場の感覚というか、こうだったらよかったのにとか、ここに問題があったんだなとかいうことが、この報告書が出る前に、現場の感覚として、どのような意見が出ていたのか、分かれば教えていただきたいと思います。

○中澤次長 委員会が立ち上げられ、計13回審議いただいて、後半のほうは委員会、秘密会で、委員だけという形で議論いただいたんですけれども、最初のほうとか各児相から、材料、状況、委員から求められる資料の提出等を行っていく中で、各委員から様々な質問、御意見をいただく中で、いろんな気づき、今回いただいたような、個人単位でリスクを把握するんじゃなくて、家族として見ていく必要があるとか、あるいはその家族の状況の変化を、時点を踏まえてしっかりと捉えていく必要があると。こういった議論は早い時点からありましたので、そういったことも含めて児童相談所のほうでしっかりと、内部検証等もさせていただいて検討して、今般、条例の改正も行ったところですけれども、例えばその中に、虐待があらゆる家庭において起こり得るという認識とか、ちゅうちょなく一時保護を行うというのは、それ以前から三重県の児童相談所において取り組まれていたところですけれども、転居時の情報提供であったり、市町との連携・協力体制の整備など、こんなことを条例にも盛り込んでいくというような形で、その中で、そして県庁にもいろいろ情報を提供していって、そういった検討はされていたということでございます。

○青木委員 ということは、家庭単位のリスクアセスメントの実施ということが大きな課題というか、当初からそれは、事件直後からずっと児童相談所等も認識があって、それがここに表れている、それが一番大きかったということですかね。

○中澤次長 そういうことでございます。

○青木委員 個人というと、どうしてもお姉さんのほうに注意がずっと、この報告書を見せていただくと、その変化によってということで、どうしても本人の認識が薄くなったというか、そういったところは感じるわけでありますけれども、そういう意味では非常に大事な部分かなと思います。
 とりあえず、その事前のことを聞きたかったので、一旦終わります。

○中瀬古委員長 ほかにございませんか。

○中村委員 いろいろ資料をありがとうございました。
 今聞かせてもらって率直な思いを述べさせてもらいますと、何年も前から児童虐待の問題については、自分も本会議で何度も議論をしてまいりました。今回、久しぶりにこの常任委員会へ入って、その議論をしている。議会として、みんなそれぞれの情報を持って、三重県から虐待をなくそうということで一生懸命やってきて議論をしている。
 それと並行して、今回の検証委員会がされていた中で、自分にずっと残っているのは、我々、目黒区のほうもお邪魔させてもらって、課題の中で、行政間の異動によって情報が消えていったりとか、そんなような関係機関の連携ができなかった、これも何とかせないかんなとか、そんなことを思いながらやっている。我々、よそまで見に行って、どうやって虐待をなくそうという議論をしている。並行してこれがされていた。最後の、短い期間ですけれども、常任委員会として方向を出そうというときに、同じように並行して、まさに常任委員会の議論が終わった後にこれが出てきたということ。
 このことについて、行政当局として、議会がそうやって一生懸命やっているけれども、これはこれでという、その辺のつながりというか、私としては、これをもっと早く、こういう課題について考え方を出してもらう、途中でもいいからきちっとした情報が欲しいなということ。自分がちょっと勉強が足らんだんかも分かりませんけれども、まずは議会の動きとの関係、この検証委員会の結論がまさに議会が終わってから出てきたことについて、改めまして考え方を聞かせてください。

○中澤次長 先ほどちょっと申し上げましたように、地裁の判決を受けて、第1回の会議は、平成30年度の終わり、31年1月から開催いたしまして、その後、この令和2年の年明けまで検討をされてきました。その上で、事実確認等を行って、最終の報告として、委員会として提言をまとめられたのが3月19日、そしてその後、知事との日程調整もあって、3月30日になってしまったんですけれども、途中の情報ということも御意見としていただいたんですけれども、途中段階では、申し上げましたように、委員会の中で、委員だけでクローズドで検討されているという状況、それを途中段階で執行部として出すということも、非常に難しいことでありましたので、時期としては、3月の上旬に開かれた、少なくともあの常任委員会にのせられればよかったかなというのは思うんですけれども、検証委員会としての自立性の中で、こういう日程になりまして、ただ、これがスタート、執行部としてもこれまでも検討してきましたけれども、このいただいた提言を受けて、これから体制づくり、各事務所での反省、体制づくりもしっかりやっていきますので、今後も議会のほうでその進捗について様々御意見とかをいただけたらなというふうに思っております。

○中村委員 一議員として、私だけか分かりませんけれども、完全に無視されたみたいな感じが残っているんですね。実際に、仕組みとか段取りとかと違うて、どうやってこの虐待をなくそうかなということで、日々、我々も、議会の視察で行くこともありますし、自分からそういった、平素も回ったりして、いろいろ、どうやったら虐待はなくなるのかとやっている。本気でこちらで皆さんやってみえると思うんですけれども、そのことと、知事の都合がどうのこうのとか、何やらかんやとか、そんな程度で常任委員会の議論というのは完全に無視されていく。無視されてというか、情報が入らない。具体的にきちっとした情報が入らない、そんな思いが今しております。
 それも言うても仕方がないんですけども、今回のことでもう一度ゼロからということでありますけど、メンバーは替わりますけど、次の常任委員会もしっかりと議論してくれるんじゃないかなというふうに思うんですけども。
 先ほど概略のことで気になっておりますのは、この子たちは言葉はどうなんですか。日本語はぺらぺらというか、いろんなことを訴えられる。お父さんからこんなことをされたか、ぺらぺらとしゃべられる範囲内の子なんでしょうか。

○中澤次長 姉は自分で、こんなことをされたというふうにきちっと話ができます。姉は大丈夫です。

○中村委員 何でこんなことを聞くかというと、児相もしっかり入って、鈴鹿市も入ってやっているわけなんですけれども、どこまで、子どもだから言葉が分かりにくくて、中身まで入れなかったのかどうかということが気になったのと、それから、四日市市へ引っ越されたわけですけれども、どこかの事件と全く一緒のように思われます。そんな事例も、我々ももっと詳しく知っておれば、とにかく再発防止に向けてのいろんな議論をしたいんですけども、そういった情報もほとんどない中でという、そんな思いがあるものですから、個人のプライバシーもあるか分かりませんけれども、その辺の情報をもっと議会側に提供すべきじゃないかなというふうに思うんですが、どうでしょうか。

○大橋部長 まず、先ほどの議会が無視されたんではないかということでございますが、3月31日、この常任委員会が終わった後に報告書がまとめられたのは、本当に検証委員会のスケジュールの問題であり、我々は、意図的に常任委員会の終結を待って、開催を待って報告をまとめてもらってとか、そんなことは一切ございません。
 一方で、今、委員からの御指摘もありましたが、開催しています情報以外に、検証委員会は独立したところでございますので、その独立性は担保しつつも、常任委員会に対しての情報提供の在り方につきましては、足らなかったところもあるのかなと真摯に受け止めておりますので、今後、そこら辺については、検証委員会の独立性と常任委員会との関係性につきまして、改めてしっかり考えさせていただきたいと思います。

○中村委員 今説明していただいて、検討委員会からの報告書の中身を聞かせてもらったんですけど、本当にこうしたら防げたというのは、そういうことできちっと書いてあるんやと思うんですけど、自分としてはなかなか読み切れないところもあったりしますので、そういった意味で、せっかく時間をかけて検討委員会をやっていただいて、提言された。並行して、私だけか分かりませんけども、医療機関に入って、本当に医療機関と連携というか、情報提供をやっとったら本当によかったのかとか、あるいは子ども単位から、家庭単位の視点でもっと幅広くということなんやけども、本当に子どもの視点というのをもっともっと大事にすべきだったんじゃないかとか、疑問がいっぱい湧いてきて、それを解消するところがこれからなくなってしまうのが非常に残念ということを申し上げて、あとは皆さんでいろいろ議論いただきたいと思います。この辺にしておきます。

○杉本委員 関連してなんですけれども、この第三者の委員会の事務局はどこですか。最終的にこの文書をまとめられたのはどこでしょうか。

○大橋部長 文書については、委員会がまとめられております。

○杉本委員 文書は委員会がまとめるんですけど、実際にこの文字を書いてまとめる作業は。

○大橋部長 委員会です。

○杉本委員 委員会のどなたかですか。

○大橋部長 はい。

○杉本委員 そうすると、執行部は最初の頃はという話でしたけれども、その委員会には、執行部は事務局としてとか、何らかの形で関わっていないですか。

○中澤次長 13回の会議の中でヒアリングという形で行われたのは、最初の4回です。以降、部長が答弁させていただいたように委員で論点を整理して、そして文書とかを構成するのも委員の中でやっていただいておるということです。
 ただ、検討の後で議論されたことの確認という意味合いもあるので、検討が終わった後で児相を呼び込んで意見交換するというふうな形で進められております。

○杉本委員 普通は会議するときって、事務局的なところがあるじゃないですか。いつしますとか、発送したりとか、それから意見の記録をとったりとか。そういう作業は誰がされるんですか。どこがするんですか。

○中澤次長 それも検証委員会の中でやっています。

○杉本委員 検証委員会がどなたか外部の方を呼び込んでというのは、どなたがされるんですか。

○大橋部長 先ほど次長から説明がありましたけど、途中からは全く委員だけで会議は開かれておりまして、まとめも委員長を中心として文書化されたということでございます。ですから、いわゆる事務局がそこにいるという体制ではなかったと聞いております。

○杉本委員 分かりました。
 その委員会に対して、今、条例の検討をしております、それから、3月11日が最終の常任委員会ですと。そのあたりで議論ができるように、最終が1月16日なので。1月16日が最終で、3月19日まで2カ月ありますから、少しまとめを早くしてもらえないかなという思いを持ったりとか、そういうお願いをしたりとかはできないものなんですかね。

○中澤次長 常任委員会の時期についてはお伝えしておると思いますとしかよう言わないんですけれども、しておるんですけれども、そういった節目の時期というのは、委員におかれても一定程度は意識して作業はしていただいているんですが、ただ、やはり思いのほか、原稿の初校からその校正も全部、委員でやっておられますので、繰り返し繰り返し校正をするという作業でかなり手間取ったというふうに聞いております。

○杉本委員 ちょうど条例改正の年でしたが、結果として、このことが条例改正には生かされていないというふうに私としては思っているんです。非常にまずい報告の時期やったなと思っていて、条例改正がこれで十分だったのかということを今思っているものですから、そんな質問をさせていただきました。状況は分かりました。

○中瀬古委員長 ほかにございませんでしょうか。

○津田委員 先ほどの質問と関連するんですけれども、県の職員が検証委員会に同席していたということは事実なんですか。

○中澤次長 委員から同席を求められる場面、あるいは説明を求められる場面では同席をしていたということで、最初の4回までは、いろんな材料提供、情報提供を、その説明という形で同席していましたが、5回目以降は、基本は委員だけで開催する。後で、こんな検討をしましたと、意見交換というような形で職員が、議論の終了後、討議の後、児相との意見交換という形でされていたと。

○津田委員 議論をして、そのまとめに取りかかるときには県の職員はいなかったということになるんですか。

○大橋部長 先ほどの説明と重複するんですけども、途中までは児相の職員からのヒアリング等を行っておりましたが、7回目以降は完全に委員のみでの協議ですので、とりまとめ等についても、職員はその委員会の中には全く入っていなくて、委員会が終わった後、委員長等に呼ばれて、こういう議論があったということを聞かされていただけということです。

○津田委員 これ伊勢新聞なんですけれども、5日、報告書を村瀬委員長が知事に渡したときの記事なんですが、それをちょっと読みますと、私は、本当に救えた命ではないかということを思っているんですけれども、これまでの手続では拾えない事案という報告をされて、知事に対して発言をされています。私と全然考え方が違うなということなんですけれども、救うことができた命ではないかというような発言は、委員の中からなかったですかね。

○中澤次長 記者会見等の概要なんですけれども、委員長の御発言としては、現在の運用、法体系の中で対応できたかというと、なかなか困難だっただろうなという認識はかなり持っていると。当時の児相として、制度としては限界があったのかなというふうには思っているという御発言をされています。

○大橋部長 正式な文書ではありませんが、委員だけの議論の中では、児童相談所に対して、この報告書以上に厳しい意見が出ていたということは聞いております。

○津田委員 普通は、お母さんから虐待がありました、長女のお姉さんが隔離されました、お姉さんから、内縁の男性から無理やり靴下を詰め込まれたとか、あるいはたたかれたと、そういう男性がいるということを認識したと。お産で入院されたと。そこにその内縁の夫らしい方が見舞に妹と来られたということを児相が知ったときには、当然、お姉さんは無理やり靴下を入れられる、たたかれるというのは余りあり得ないことなんですけれども、報告書にも書いてありますけれども、2人きりでおるということが分かった時点で隔離するとか、1回は行ったそうですけれども、そのままほっぽらかしということは、今までの手続の不備ということではなくて、今までのルールでないからと、報告書にはそのようなことが書かれていますけれども、隔離するかその男性に会いに行くということは、常識的にやるべきことではないかなというふうに思います。そう考えると、100%とは言いませんけども、やっぱり救える命ではなかったかというふうに考えるんですが、部長はどう思われますか。

○大橋部長 率直な話として、報告書は、あくまで第三者の報告書、検証委員会の報告書と思うんですけども、後から振り返った場合に、委員御指摘の、節目節目でもう少し、報告書にもありますけども、立体的にその家族の状況を捉える視点は必要ではなかったのかというふうに思っております。
 そういうのを妨げた要因が何だったのかということについて、単にこの報告書を供覧するんではなく、事件発生当時、多分したんだと思いますが、もう一度この報告書を基に、それぞれの児相で自分事としてどうだったかという検証はしっかりしていただかなきゃいけないと思うとともに、さっきの節目節目というところでございますが、医療機関のアバウトな情報提供を求めるんじゃなくて、こういうところが確認できていない、例えば、内縁の男性ともう別れたと言っているけど、本当なのか確認できていないとか、こういう情報が足らないとか、そういうところの情報共有とか、他市町へ異動したときの情報の共有の在り方とかいうものについて足らない部分は確かにあったと、報告書を読ませていただいて、改めて感じているところでございます。

○津田委員 聞くところによると、何人かの委員から、救えた命であるという発言があったそうです。県に対しても厳しい意見があったそうでございます。救えた命ということをちゃんと考えていただいておると思うんですけれども、しっかりと認識をしながら対応を考えていただきたいと思います。
 そうなってくると、人の配置、以前、いろいろ答弁がありましたけれども、計画でさえ三重県は、心理士や福祉司、そうですけども、ぎりぎり計画はクリアしていますけど、ほぼぎりぎりなので、また予決の委員会でも、三重県は時間外が47都道府県で一番多いという民間のリサーチもございますので、そういうことも真剣に考えていただきたいと思いますし、私は四日市市の笹川に住んでいるんですけれども、よく自治会長や学校関係者の方から、友達とか親族の方々と一緒に暮らしているということは、中南米の方は結構当たり前だそうでございますので、そういったことも反省を踏まえて考えていただいていると思いますけれども、よろしくお願いいたしたいなと思います。

○大橋部長 委員御指摘のとおり、我々は、国から示されているいわゆる新プランの数値をぎりぎりクリアすればいいというふうには考えておりません。採用につきましても、これまでより柔軟な採用、年齢制限も含めて、そういうので、全国での争いになるんですけれども、児童福祉司の確保、心理司も含めて積極的に対応したいとともに、ぎりぎりの数字じゃ足らないなと私なりに思っているのは、やはり三重県は、ほかの県よりも外国につながる児童の割合が高く、言葉の問題だけじゃなくて、さっき御指摘のあったコミュニティーの特殊性とかもあって、より時間がかかるというふうに認識しておりますので、体制の整備についてもしっかり取り組んでいきたいと思っております。

○津田委員 人のことはしっかりとやっていただきたいなと思いますし、また学校でもそうなんですけども、校長先生なんかは二、三年ぐらいで代わっていて、本当にいいのかなって、昔から思っているんですけれども、児童福祉司も、一般の行政職ではなくて、もうちょっと専門性が高められるように、4年、5年とかそれ以上ということも真剣に県のほうで考えていただきたいなと思います。

○大橋部長 数の問題だけじゃなくて、質の問題も当然すごく重要ですので、人事のあり方みたいなところと、あと人材育成ですね、そういうことも含めてしっかりと取り組んでいきたいと思っております。

○中瀬古委員長 ほかにございませんか。

○杉本委員 リスクアセスメントシートの話なんですけれども、これまでにも何回か見せてほしいというお願いを個別にさせてもらったことがあるんですけれど、駄目ということで、私は一度も見たことがないんです。なので、1番の指摘というのはちょっとショックでした。どんなアセスメントシートになっとるのって。家族間のことは、きちっとアセスメントシートの中に何らかの形で入っているんやろなって思っていたんです。
 アセスメントシートを今後検討していただくということはされるんだろうと思うんですが、そのことの確認と、もう一つ、それを本当に児相の中だけでやって、ほかの人は誰も見ていない、議会が見るとまでは申しませんけれども、点検するところがなくて大丈夫なのかということ、申し訳ないですけれども思っています。
 それから、アセスメントシートを共通のものにという話も、これまでずっとしてきていると思うんです。結局、今回、AIのことで、やりますということなので、共通のものになっているんだろうというふうに思ったんです。この報告書を読むと、児相のアセスメントシートは一緒だけれども、市町とのそれはまだ共通になっていなかったということが、これまたちょっと衝撃を受けて、それも共通にすべきですよというのは、10年前の議会が議決したときにも課題として、個別だったかもしれませんけれども、上がっていたというふうに私は記憶しているんです。
 今、児相のアセスメントシートは一緒だけれども、市町はばらばらなので、結局、共通言語とまでは申しませんけれども、共通のツールが三重県全体ではないということ。市町を異動したときには特にそのことが隙間として出てくるということが、今回の報告書で分かったなと思っているんです。そのあたりの検討はもう入っておられるのかどうか。アセスメントシートを今後、家庭単位に変えていく、市町との共通のものにしていくという作業はどこがやられるんですか。

○中澤次長 例えばこの報告書の中には、就学していない子の就学確認の手続についても、四日市市においては独自のものをつくられたということがあります。地域の実情を踏まえつつ、市町の非常によい事例だと思いますので、そういうのを全体化していくようにきちっと進めていきますし、あと、言われましたように、市町から別の市町へ転居されたときの情報伝達の仕方、あるいは内容というのがやっぱりきちっとしていかなきゃいけないという指摘もいただいています。そのところについても、今後、厚生労働省において情報共有システムの構築も進められているということですので、そのシステムの内容を踏まえて、市町への導入ということも進めていかなきゃいけないですし、子育て支援課や児童相談センターが中心になってしっかり市町のほうへ音頭取り、情報提供もさせていただいて進めていきたいと考えております。

○杉本委員 中澤次長の今のお答えは何か弱いなと、思わせてもらったんです。今度条例改正されて、市町の役割というのもしっかりと法改正に基づいてできたわけですから、本当に三重県の市町含めて全体でしっかりやっていくぞというか、共通のアセスメントシートを作っていくぞという意気込みが感じられないんですけれど。

○大橋部長 先ほど委員御指摘のAIは、そのために我々は導入しているつもりでございます。今回の案件でも、母親からの相談があったことで、母親に寄り添い過ぎた、子どもの視点よりもですね。そういうところもあったというふうに思っておりまして、AIの場合は、そういうものは全部客観的な評価しか出ませんし、例えば家族の状況とか兄弟の状況が確認できない、未確認という情報を入れた瞬間にリスクがすごく跳ね上がるというシステムに今回なっておりますので、そういう意味でも、足らないところ、もっと確認しなきゃいけないところが明確にされるシステムになっております。そういうシステムを、今年度、全児童相談所の全ワーカーが運用しますので、それでシートも改善して、全市町につなげていけるよう、方針としては我々は持っております。それは、紙媒体になるのか、本当のシステムが全部統一されるのかというのはここではまだ申し上げられませんが、全県下で同じような基準で同じようなシートで統一的に、こういう不幸な事件が二度と起こらないようにするという意気込みで進めておりますので、そこは弱いということじゃなくて、そのつもりで進めております。

○杉本委員 AIのシステムが家族単位になっているんでしょうか。子ども単位であったものを家族単位にしなさいと指摘を受けたのですから、AIでシステム構築しようとしているものが、家族単位になっているのかどうか。なっていないとしたら、AIのシステムそのもの修正する必要があると思うんですけれど、いかがでしょうか。

○中澤次長 家族の情報はきちっと入れられるようになっております。今回、内縁男性ということで、そこの情報がうまく取り込めていなかったということはあったようです。AIのシステムとしては、家族情報とか、あるいはその動態等も随時入れて進行管理していけるようにはなっているんですけれども、本事案については、AI事例には入れていた事例ではありませんし、その内縁男性という情報はきちっと進行管理はされていなかったと。
 うまく言えていないですが、内縁男性の方がいることは把握していたけれども、ケースの中で、姉の虐待に対する、妹は直接的な暴力は受けていないという認識がされていて、心理的虐待という捉え方の中で、内縁男性が登場したという要因で、姉に対してどうかというところを直接的に量っていたんですけど、妹に対してというところの評価が弱かった。報告書のとおり言っていますけれども、そのような状況でございます。

○杉本委員 私は、既にあるAIのシステムの中で、この1番目の提言が盛り込まれているのかどうかを聞いています。

○大橋部長 盛り込まれております。家族状況とかはですね。そこが不明になると、すごく危険度が高いというふうなシステムになっておりまして、今回の案件をAIに入力すると、大変高いリスクがあるというふうに判断されております。それもシミュレーションしております。そういう意味でも、我々は今回の対応が足らなかったというふうに判断しております。

○杉本委員 仕方ないことなんですかね。それがちゃんとできているかということを議会は確認できないんですよ。アセスメントシートが非公開と言われますので、確認できないんです。これからもずっと確認できないんですかね。

○大橋部長 例えばですが、一つ一つの情報は超のつく個人情報です。プロトタイプで昨年度はまだ台数がすごく少なかったのですが、本年度には一定の台数が入りますので、どういう入力をしたらどういうものになるのかというのを、常任委員会の場で御説明する、メンバーは代わってしまうことになりますが、それはさせていただかないといけないのかなと。それで、そのメリットと、いいことだけじゃなくて、課題みたいなものをちゃんと説明させていただく機会は設けさせていただきます。

○杉本委員 お願いしたいと思います。
 もう一個だけ。アセスメントシートがそっくりそのままAIのシートになるんですか。その辺がわからない。

○大橋部長 基本的には、アセスメントシートを基にシステムはつくっておりますが、システムの専門家も入っていて、こういう情報も必要だとかいう助言もいただいて、改善をしておりますので、今まで使っていた紙が全くそのままではない。足らないところもあるよと言われておりますので。ただ、ベースは、これまで我々が蓄積した5000件程度のシートの成果でございますが、それは改良しております。

○杉本委員 そのアセスメントを家族単位の視点からもやる必要があると言われているわけですから、シートそのものも改善していく余地はあるということですよね。

○大橋部長 今回の指摘は、そのシートが家族単位じゃなかったというよりも、今回の本人に対する視点が家族単位じゃなかったということですので、そのシートが欠落していたということじゃなくて、本来ならばそこへ記入すべきものがされていなかったということで、反省すべきだというふうに思っております。

○杉本委員 次年度の常任委員会でそこは議論していただくということで、市町のアセスメントのあり方と県全体で共通のものにというところを目指してやっていっていただくことを確認させてもらいました。
 あと一点。外国人だったんです。今日のあれではありませんが、亀山も外国人だったんです。今回、この検証委員会でそこの視点では何も触れられていないんですけれども、そんな議論はなかったのか、あったのか。また、外国人であったということの課題は、今、執行部としてはどう思ってみえますか。

○中澤次長 この評価委員会において、外国人家庭だからという視点は確かにあったとおっしゃっていて、けれども、あえてその対応とか課題には踏み込まなかったと、はっきりとおっしゃっています。なぜかというと、そこをなかなかうまく文字化することができなかった。外国人だからこうとかということを文字化することができなかったからというふうには伺っております。
 ただ、この亀山の新聞報道とかを見ても、やっぱり日本の家庭のありようと随分違うというところがあります。いつの間にか子どもが増えているとかということがあったりしますので、そういった点については、客観的な物差しとかAIのデータ的な経験値の蓄積はこれからだと思うんですけれども、そういう問題意識は、現場のワーカーたちは持っておりますし、やっぱりここは注意をして、家族構成とかがどんなふうに動いているか注意しなきゃいけないという意識は、現場のワーカーたちは持っておりますし、そういった点を注視して取り組んでいきたいと考えております。

○杉本委員 今度の亀山のところも検証委員会、つくっていただきたいので、そこではそのあたりのところも踏み込んだ検証ができるようにしてほしいなと思っているんです。検証委員会は、出されてきたその書類等で検証していくわけですから、それができるような形にしていただきたいなと思っています。
 検証委員会ができるかどうかはまだ決まっていませんけれども、できたとして、その検証を待ってから外国人の子どもへの虐待について考えます、では遅いと思うんです。2例も外国人が続いたわけですから、そこは現場のケースワーカーではなくて、やっぱり県として、部として、児相だけに任せるんではなくて、外国人の多文化共生の部署もあるわけですし、取り組んでいく必要があると思うんですけれども。
 今回、外国人だったから不就学だった。日本人というか日本国籍の子だったらというか、外国につながっていない子どもだったら、不就学ということはほぼほぼ、日本の場合は少ないです。でも、外国人だから不就学だった、外国人学校へ行っていますということで見過ごされてしまったというところはあると思うんですね。私は、今の時点、今年度というか来年度、外国人の子どもについての児童虐待、SOSの上げ方とか、何かあったときにきちっと強く入って把握できるのかとか、そういう体制はやっていくべきやと思っているんですけれども、どうですか。

○中澤次長 この事案は北勢児相でしたが、各児童相談所において、自分のところでこうした事案があった場合に、どんなふうに対応していくのか、どういうふうに対応しなければならないのかというふうに検証していくことになっています。その議論は児相任せにしておきませんので、それぞれの、紀州はどう考える、伊賀はどう考えているとかっていう議論を深めていく中で議論していけたらなというふうに思っています。

○大橋部長 全児相で検証してほしいというのは、部長の指示事項としてやっていくんですけども、先ほど言いましたように、県として外国籍の割合は高いですが、地域によってかなり違う。例えば伊賀や鈴鹿はそれに当たるケースは多いと思うんですが、そうじゃないところにおいてレアケースになった場合に、レアケースだからというのを言い訳にしないためにも、先ほどいただいた視点は検証の中でしっかりと、外国につながる子どもたちみたいに、そういう視点も持つとともに、こういうコミュニティーの特殊性みたいなものも共有していかないといけないと思っていますので、今の視点は各児童相談所における検証で、任すんではなくて、してもらうんですけれども、共通課題として認識してやっていってもらうつもりです。

○杉本委員 この検証の後になるのか、私は検証過程で、と思うんですけれども、児相任せにせずに子ども・福祉部がしっかりと支援する、サポートする、環境生活部も含めて、その体制の中で検証をしていってほしいなと思うんです。多分、施策というか必要なことは、児相だけではなくて、子ども家庭支援室というか、市町の子育てのところとか、外国人の対応のところとか、そういうところの取組がなかったら、児相だけでどうにかなる問題ではありませんので、検証過程の中で感じ取っていただくという取組をしていただきたいなと思うんですが、いかがでしょうか。

○大橋部長 後ろに振るわけじゃないですけど、そのために推進監がおりますので、県庁がちゃんとグリップしてですね、現場の個々の対応はセンターを中心として児相でやっていただくのが当然なんですけれども、責任を持って。こういう全体につながる質の向上とか制度の在り方みたいなものは、本庁が中心となってしっかりやっていきたいと思っております。

○杉本委員 これから市町がどれだけ一緒にやっていけるかというか、やっていただけるかというところがすごく大事やと思っているので、この検証の段階から、何か情報の共有をしていくということがすごく大事やと、推進監にお願いしたいと思っております。要望したいと思います。

○大橋部長 推進監に振ったわけじゃないので。確かに今、私が指示しているのは、あくまで児童相談所それぞれで検討してくださいということなんですけども、要対協とも今回の事案は共有すべきだというふうに思っておりますので、そういう視点は忘れずにしたいと思います。

○杉本委員 新型コロナウイルス感染症の影響で、日本じゅうで働く人は本当に大変ですけれども、働く実態、経済実態が落ち込んでいくスピードは、私の聞いている範囲では、外国人のところは速いです。経済的なことが背景にあるのは、今回の条例改正でも盛り込まれた。今回初めてですよね、第3条に経済的な要因が背景にあるということが盛り込まれました。今の感染拡大により、虐待が起こっていく、増えていくということは推測できるわけです。そのあたりの体制は本当に強化してやっていただきたいと思います。

○中澤次長 外国人の支援、あるいは市町の在り方、市町にどのように取り組んでいただくかという、そこも非常に大事なところだと思います。令和2年度の予算では、市町支援と言うとちょっと偉そうなんですけれども、市町の体制構築のアドバイザーをつけて、各市町のそれぞれの強み、弱みみたいなところをしっかり分析してもらって、県との情報共有、連携をもっと密にするという意味でも、そのアドバイザーを派遣して、目指すところは、拠点の整備ということを各市町で進めていただくことを大きな目標で考えているんですけど、そういう市町との連携、情報の行き来の中で、外国人の問題も大きな問題ですので、具体的に、県だけで考えているんじゃなくて、各市町ともいろんな情報交換、意見交換しながら進めていくような体制をつくっていきたいと考えております。

○杉本委員 もう一点あるんですけど、また後にします。

○中瀬古委員長 ほかにございませんでしょうか。

○北川委員 皆さんいろいろお話をいただいたのであれですが、二、三。
 一つは、冒頭からも出ていますように、報告の在り方ですけども、改めて私からも苦言を申し上げておきたいと思います。対象は児相も子ども・福祉部もということですが、その中に入ってコントロールするという類いの検証委員会ではありませんから、そこは理解させていただくんですが、5月の所管事項概要で説明があったんだったらごめんなさいですけど、意向としてどれくらいの期間で検証を終えて、どの時点で内容について議会や県民に報告をしていくというタイムスケジュールがあらかじめあって、その旨は伝えた上で調整していくべきということを改めてお願いさせていただく。我々も、どの時点でどういうふうに出てきて、それを委員会で議論して反映させていくかというところが見られないと駄目だと思う。もちろん主体は検証委員会なので、議論によってはもっと延びたよとか早く終わったよというのは当然あると思うんですけれども、その辺のところをしっかりと明示いただくようにお願いしたいというのが1点目です。
 二つ目は、こうやって提言を出していただいたということで、改めて子ども・福祉部として、その改善策の提案、提示というのは大体どの時期に出していただくのでしょうか。

○中澤次長 この事案が発生してもう2年を経過して、各児相において、これまでの内部検証とかの中でも議論してきたことはあるんですけれども、この検証報告を受けて、現在もやってもらっているんですけれども、今から進めていくという形になります。もともと児童虐待については、9月でしたかね、年次報告とかは議会のほうへ、常任委員会のほうへ出させていただいていますし、9月というお約束ではないんですけれども、議論していただく場というのは、年次報告を出したりとか、そういうタイミングの中でまた御相談させていただいて、進めていきたいなと思っています。

○北川委員 時間のかかる対応策もあれば、早急にできることもあると思うんです。先ほどお話が出ているように、新型コロナウイルス感染症の関係で学校も休校になっていますので、家庭内での滞在時間が長いということで虐待のリスクが高まっているというのは、再三報道の中でも言われていることですし、ましてや外国人ということになると、先ほどの話に、まさに経済的なリスク、リーマンショック以上と言われているわけですから、かなり高まっている中で、できることはできるだけ早急に手を打っていただきたいなというふうに思います。
 そういう意味で、9月がいいのかどうかというのは微妙なところがあるんですけども、やれるものからどんどんやって、これはできました、次はこれですというような形、まとめてじゃなくて、やれるところから随時出していっていただきたいなというふうに思います。
 提言の内容も多岐にわたっていて、何か児相の見過ごし的なこととか市町の対応力の弱さとか、以前からずっと言われてきたことと余り変わらないようなところはあるんですけれども、この提言の内容、例えば就学状況の関係なんかですと学校、教育委員会とかも絡みますし、ただし、この提言全体についての改善策の責任は子ども・福祉部が管轄としてやっていただけるということでしょうか。例えばこの提言の5番は学校関係であって、うちは関係ありませんわということではないんですよね。この全体的な改善策の総括的な責任は子ども・福祉部が持っていただくということですか。

○中澤次長 環境生活部であったり教育委員会であったり、いろいろ御相談させていただくところはたくさんあると思うんですけれども、子ども・福祉部において対応をしっかり取りまとめしていくということになります。

○北川委員 改めてですけど、できることから順次手を打っていただきたいと思います。そんな状況ですので、よろしくお願いしたいと思います。

○中瀬古委員長 ほかにございませんか。

○杉本委員 条例に関わってなんですけど、前の条例は3つの指針がついていました。今回、3つの指針はない状態なんですけれど、今後、指針はつくっていく方向ですか。それともつくらないつもりでしょうか。

○中澤次長 今回の改正において、かつてあった指針をなくしたということです。今回の改正の中で指針をなくしていった方向性はそのままで、改めて指針という形で考えていくことは、今のところ考えていないです。なぜかというと、かつてこの条例ができた当時というのは、国の通知とか、いろんな文献とか資料というものもまだまだ非常に薄い時代だったんですけれども、そうしたもののいろんな蓄積の中で、国として、通知だったり、あるいは要綱だったり、そんな形で、こんなふうにしなきゃ、対応しなきゃいけないというのもきちっと整備されてきております。うちの児童相談所において、そういった要綱等に基づいて対応しているので、そういった意味では、改めて指針という形で、昨年度は、別途整備し直す必要はなかろうということでなくさせていただいたと認識しています。今のところ、それをもう一回定め直すということは考えておりません。

○杉本委員 もう一回、指針か条例の改正をすべきと思っています。今回の報告書がもう少し早い段階で常任委員会に示されておれば、条例改正の議論にもっと反映できた部分があるなと思っています。
 それから、三重県の特徴として、1つは外国人の問題。今まで死亡事例、この子で何件目ですかね。鈴鹿の子も入れると4例目ですかね。

          〔「4例目です」の声あり〕

○杉本委員 4例のうちの2例が外国人です。そういった三重県の特徴があるということと、AIを使って先進的に市町も一緒になって連携しながらやっていこうという、三重県のすごく積極的な思いがありますので、そういったところは、やっぱり条例化ではなく、もっと細かいところまでというんやったら、指針をつくるべきやと私は思っています。そのあたりのところは今後になりますけれども、そんなふうに考えていますけれども、そのあたりで、三重県の特徴、あると思いませんか。

○中澤次長 この検証報告をいただいて、先ほど、子ども・福祉部としてすぐできるもの、ちょっと時間がかかるものを含めてしっかり見直して、またお示ししていくというお話をさせていただきました。そうした中で、改めてその指針とかいったものが必要なのかどうかということもきっと御意見とかもいただくでしょうし、また議論させていただけたらなというふうに思っています。

○杉本委員 ぜひ条例改正含め、指針の策定も含め、今後議論させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。部長、どうでしょうか。

○大橋部長 指針そのものは、先ほど次長からも説明しましたけど、いろんな実際の取組やほかの計画の中に内包されているとあの時点では判断して、指針の必要性はないだろうというふうには思いますが、この条例改正の検証とか、今回の検証委員会の報告書の再検証とか、そういう取組の中で、全国的には必要がないけど、三重県にとっては必要だという視点も一つあると思いますが、そういうものの必要性が出てきたら、完全否定するということではないという方針でございます。
 ただ、今の状態では大丈夫かなというふうに思っておりますが、新型コロナウイルスの関係で、実は2月、3月、対前年で虐待件数が減っているぐらいなんですよね。本当に減っているのか、休業中で学校からの通報がない、こもっているのかとか、それはⅮⅤも一緒なんですよね。そういうこともあって、今回のことで割とその問題が浮き彫りにされる部分も出てくると思いますので、そういうような状況も踏まえて、きっかけとして条例改正の検証もしっかりとさせていただきたいと思っております。

○杉本委員 よろしくお願いします。

○中瀬古委員長 ほかにございませんでしょうか。

○北川委員 1点だけ。ちゃんと聞き取れなかったので。答弁していただいたんやけど。
 先ほど中澤次長の話で、検証委員会の議論の中で外国人の視点はあえて、と言われたましたが、その部分をもう一回聞かせてください。

○中澤次長 委員の中で、あえて踏み込まなかったと。問題意識としては委員の中でもかなりあったというふうに伺っているんですけれども、それを質的に、量的に評価するのが難しかったということと認識しています。外国人だからという評価の仕方はなかなか文字化するのが難しかったというふうにおっしゃっています。

○大橋部長 我々はその議論の中に入っていないので、この報告書をいただくときに委員長との個別のお話合いの中で私が勝手に解釈したことですが、一つは、今回の事案は、外国人だからということで逃げられないというか、そもそも外国につながる子どもであっても、この足らなかった部分は何か許されるものじゃないというのが1点です。そういう意味での厳しい視点。もう一つは、先ほど次長が説明した、外国につながる子どもだったからというところ、そこまで評価はできなかった、検証委員会の中ではですね。そういう二つの要素が働いたのかなというふうに、委員長との面談の中では思っております。そういう意味では、厳しい視点で委員会は示されたんだろうというふうに思っております。

○北川委員 部長が言われた前段の部分はまさにそのとおりと思います。外国人だからということではなくて、この地域に根差している家族、そしてその子どもは三重県全体で守り育てていかなきゃいけないことなので。一方で、視点がないと言われると困るところもあって、この不就学の問題も含めて、やっぱり外国人特有の言語のこととか、課題としての視点は当然あるはずなので、そこはきちんと見ていってほしいなと思いますし、県内でも外国人が多い市と、そうではない市がありますけれども、これはよく私らも言うんですけど、多いところはいろいろ課題や問題が見えやすいし声も上がるんですけど、少ない地域は逆になかなか声が上がりにくかったり見えなかったりということもあったりするので、この部分を、この事案も含めて、29市町ひとしく情報共有、あるいは危機感を認識してもらう機会というのはあるんでしょうか。

○大橋部長 先ほど杉本委員からもその視点の御指摘をされて、児相だけで情報共有、検証するのではなく、そこの問題点みたいなもの、検証委員会が外国につながる子どもたちという視点を報告書に記さなかったからといって、我々がその視点をなくすということではございませんので、それも含めて、要保護児童対策地域協議会がいいのか、どういう場を使うかは分かりませんが、市町とも問題点の共有は図りたいと思っております。

○北川委員 よろしくお願いします。

○杉本委員 児童虐待の死亡事例4事例のうち2事例が外国人で50%ですが、県内で外国人の子どもの数の比率は50%はないです。虐待死をする確率は外国人の子どもが非常に高い。高い確率で虐待死亡事例が発生するという事態は重く受け止めて、今後のいろんなものを進めていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。

○大橋部長 そこは、外国人だからといって色眼鏡で見るのではなく、ただ、客観的に、先ほど津田委員からもありましたけど、コミュニティーの特殊性、これまでの日本の家族関係、文化ではちょっと理解できない部分もあるというところは、特殊性というふうに思っておりますので、そういう視点はしっかり持つべきだというふうに認識しておりまして、そこは北川委員がおっしゃるとおりで、そういうケースが多いところはそういう認識を持ちやすいんですけども、そういうケースがレアなところになると、そこの視点が抜け落ちる場合もございますので、そこら辺をしっかりとしていきたいと思っております。

○杉本委員 外国人の捉えは、色眼鏡でということじゃなくて、支援策が必要やということで、外国人はそれだけ経済的に厳しい家庭が多いとか、情報が不足しているのではないかとか、訴えたくても言語の壁があってできないとか、そういうことで特別に支援が必要やということで申し上げたんです。

○大橋部長 私も、杉本委員がそういうふうな意見だということを答弁したのではなく、まさにおっしゃるとおりで、昨年度、この常任委員会でも御議論いただいた地域福祉支援計画でも、生きづらさを感じる人々の中に外国人をちゃんと入れておりますので、児童虐待だけじゃなくて福祉全般でもその視点はきちんと持っていきたいと思っております。

○杉本委員 この前、特別委員会からの報告で、かけがえのない三重県民として、私たちは外国人とパートナーとして共にやっていきましょうというのが、最初にあったと思うんですね。そういう視点でぜひお願いしたいと思います。

○中瀬古委員長 ほかにございませんでしょうか。

○中村委員 さっきの部長の、新型コロナウイルスの関係で、虐待の相談件数が減っているという話は、何かの新聞にも、全国的にもDVとかの件数が減っているという記事とともに、内面化、中へ入り込んでいるんではないかというコメントもありました。今、話を聞かせてもらって、三重県も同じ状態かなというふうに思わせていただきましたので、お願いしたいんですけれども、DVも含めて、調査がなかなか難しいですよね。中に入っておって、虐待する人もされる人も逃げるところがなくなってしまって、電話もしにくい状況になっているんだというふうに思いますよね。そういったところに対して、たしかいろんな方法を考えてみえるみたいなことがあったんですが、県として、実際にそういうのが起こっていますし、事件とかに発展する可能性もあるので、その辺の対応というのは何かあれば。

○大橋部長 これは全員協議会でもまた予算の議論にもなってくるんですが、例えばのお話なんですけれども、先日、NPOの代表の方から知事に、今回の学校休業において、貧困で困っている家庭がより厳しい状況に置かれていて、それに対して子ども食堂が開かれない。もっともっとこれが困っているという状況の中で、フードパントリーをしているというか、そういう動きもあるという中で、予算の関係もあるので余り詳しくは申し上げられないんですけれども、これまではどちらかというと子ども食堂やなんかでも、場を設けて、そこに来てくださいみたいなことだったんですけれども、本当に支援の必要な方に、その情報とともに支援がどうできるのかという視点は持たないといけないというふうに思っております。貧困、経済的な問題で、どうしても親子共にストレスがたまって、虐待に、またDVにいくということもあると思いますので、そういうような視点、件数が減っているから何もやらなくていいとかいうふうには思っておりませんので、NPOの方や現場の方と意見交換しながら、県としてどんな支援ができるのかは考えていきたいと思っております。

○中村委員 きちっとしたデータを持っているわけではないんですが、件数が減っているという話と、中へこもってしまっているということが実際起こっとって、事実としたら大変なことというふうに思いますので、その辺の対応は、補正予算という形になるか分かりませんけれども、ちょっと意識して取り組んでいただければというふうにお願いしておきます。

○中瀬古委員長 ほかにございませんか。

○青木委員 簡単な確認でございます。1ページの再発防止の提言の2の(1)で、先ほど委員と執行部が言われている中で、やたら家族単位というやりとりがあったんですけれども、ここで家庭単位をあえて使っているというのは、同じ意味で使ってみえるのか、少し意味をなしてこういう使い方をされたのか、内容のことも含めてちょっと分からない。
 これが1点で、もう一つは、子ども単位のリスクアセスメントから家庭単位という視点になるけど、この家庭単位というのは、要するに家庭単位内における一人ひとりの子ども単位という意味でしょうか。

○中澤次長 虐待の通告を受けた、その子一人というとらまえ方をしがちなところに対する、家庭単位という表現の仕方です。これは、二番目のその日々の変化に即したというところも含めて、ピンポイントで、どこかの時点のその子と捉えるんじゃなくて、もっと長い時間軸で、もっと幅広い関係性の中で見ていこうと。その意味を家庭という形で表現させていただいておるということです。

○青木委員 二つ聞いたんです。

○中澤次長 もう一つ、済みません、教えてください。

○青木委員 いわゆる家庭単位内における一人ひとりの子ども単位という意味ですかということ。

○中澤次長 家庭全体としてとらまえた中での、このケースの場合ですと、姉であり妹でありという、そういうとらまえ方になると考えています。

○青木委員 家庭単位で薄まってしもたらあかんので確認するんだけど、一人ひとりの子どもに視点を当てるというのは変わらないんですねということを言いたかったんです。

○大橋部長 基本は子どもなんですけど、その子どもにおけるリスクを評価するときには、母親とか父親という関係性だけじゃなくて、家庭全体の力関係とかその変化というものをしっかりと捉えるということでございます。

○青木委員 了解です。

○中瀬古委員長 ほかにございませんでしょうか。

          〔「発言を求めます」の声あり〕

○中瀬古委員長 ただいま傍聴議員から発言を求められましたので、委員の皆さんにお諮りしたいと思いますが、いかがでしょうか。

          〔「どうぞ」の声あり〕

○中瀬古委員長 よろしいですね。

○小島議員 発言を認めていただいてありがとうございます。
 根本的なことを1点、まずお伺いをします。
 この件が起こってから、県民力ビジョンの中の県民指標、今、主指標に変わりましたけれども、その児童虐待によって亡くなった子どもの数というのはゼロで来ていました。ただし、ただし書きがついていました。今調査中であるのでということだったと思います。もしというか、このゼロが1になる、それはどの時点をもって、県としては1件と書き込みが行われることになるでしょうか。まずお聞かせください。

○中澤次長 この検証報告をいただいたことをもって、これは平成29年になるんですけれども、1件というような形でカウント、今までずっとゼロ件だったんですけれども、ここのところを修正していくことになります。

○小島議員 検証委員会の報告書が提出され、知事が受け取った時点ということですか。

○大橋部長 基本的には、そこで判断するというふうになると思いますので、令和元年度の評価がそう変わっていくというふうに。ただ、1がカウントされるのは、この事件が起こったときということになると思います。

○小島議員 単に数字の問題ではなくて、どこで児童虐待死が起こったと捉えるかということが、県に主体性がきちっと生まれるかどうかということに非常に大きな影響があるというふうに思っています。ですので、どうしてゼロなんだとずっと言ってきたんですけれども、1として数字が上がる時点というのは確認させていただきました。
 2点目は、もうたくさんの方が言っていただきましたので、外国人家庭特有の課題というところで、もう細かいやりとりはいたしませんけれども、もしまた検証委員会が立ち上がるようなことがあれば、検討委員にその方を入れてくださいというのはなかなか難しいかもしれませんが、関係機関のヒアリングの中で。具体的に外国人の方が日本で暮らす上での不安定さとか将来への見通しのなさとか、そういうことをきちっと理解している方からの聞き取りを強く要望します。日本人が日本の国の中で育っている中で、分かり得ないことがきっとたくさんあるというふうに思うからです。そのことを強く要望いたしますが、いかがでしょうか。

○中澤次長 聞き取りにおいては、児相ほか、それぞれいろんな関係機関の意見を聴かせていただくんですけれども、そういった中でしっかりと、外国人というだけではなく、その方の置かれている状況をきっちりと説明できる、あるいは代弁できる、そんな方が必要なケースにおいてはきっちり考えていきたいと思います。

○小島議員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 この件は検証委員会でこういうふうに報告されましたが、その後、この母親と姉と生まれた子どもがどうしているかというその暮らしについては、やっぱり環境生活部の中で、外国人そのものをどう支援していくかということと非常に大きく関わると思います。もちろん福祉もそうですけれども。そういう意味で、庁内でまずしっかり連携をとっていただいて、県民の一人としてしっかり守っていくんだということを強く推進いただきたいと思います。要望させていただきまして発言を終わります。ありがとうございました。

○中瀬古委員長 では、三重県児童虐待死亡事例等検証委員会報告書の調査を終わります。
 
 ウ 委員間討議
○中瀬古委員長 では、ご意見のある方はお願いします。

○北川委員 先ほどの質問で、9月ぐらいに改善策をというふうにおっしゃったんですけれども、この案件に対しての処理経過を委員会に報告いただく必要はないんでしたか。この後、メンバーは代わりますけど。

○中瀬古委員長 メンバーが代わって、処理経過の報告を求めることについてこれから本会議への委員長報告として、本日の所管事項に関して執行部の報告を求めるという話ですね。

○杉本委員 処理経過の報告は求めるんやけれども、それは次年度の委員会に報告を求めるというところ。今年度はもう無理ですやん。

○中瀬古委員長 はい。次へ求めていくということで。

○杉本委員 そうと思いますけど、6月なのか9月なのか、それは別として、せっかくこのように調査したので、これについての報告は求めていくというふうにしていただきたいです。

○中瀬古委員長 経過報告を求めていくということですね。次の委員の皆さん方にお任せをしますけれども、その中で求めていくということで。

○杉本委員 はい。

○中瀬古委員長 ということで、次の委員ですけれども、そこで求めていくというような御意見も頂きましたが。

○北川委員 先ほども申し上げましたけれども、できることは早く手をつけていただきたいので、後でまとめてというんじゃなくて、次々と出していただきたいなというふうには思います。

○中瀬古委員長 では、今の北川委員のお話で、できるだけ、なるべく早くにそれを出していただいていくというようなことで、報告を求めることにつきましては、新委員の皆さんになりますけれども、そちらのほうへ報告を求めていくことにしたいと存じますが、それにつきまして御異議はございませんでしょうか。

          〔「異議なし」の声あり〕

○中瀬古委員長 では、御異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
 では、ほかに何か御意見はございませんでしょうか。

○津田委員 検証委員会の報告を受けて、改善策、対応策の報告を求めるということだと理解しているんですけれども、これは報告しないつもりでいたんやろか。

○中澤次長 どう言ったらいいんでしょう、虐待の年次報告というのはそもそも定例で毎年行っていくということがございますので、そういった中で、これは来年度の常任委員に相談しながら、去年のその検証報告は3月30日に出されて、それについて御意見も頂いて、それについて児相として対応しているものについてどのような形でというのはまた相談させていただいて、出せる時期は、今、できるだけ早くという御意見も頂きましたけれども、年次報告を9月に出す、その時期を一つの目安にして、出せるものがあれば、6月にも出していく、あるいは9月の年次報告と併せて何かを出すとか、そんなことをまた相談させていただこうというふうに考えております。

○津田委員 今回は四日市市で起きた事件ですけれども、次、亀山の検証委員会が立ち上がって、また同じような報告書が上がってくるというふうに理解しているんですけども、今回に限らず、検証委員会の報告を受けて執行部がこれをどのような反省点として、対応策をこうやっていきますという報告は、今回は経過処理を求める委員長報告の対応としてやってもらわなあかんですけれども、私の要望としては、次、亀山もありますし、きちっと常任委員会には報告していただきたいなと、これは要望ですけれども、よろしくお願いしたいと思います。

○大橋部長 時期は別として、我々は、この検証委員会の報告書が出されたことを常任委員会に報告しないなんていうことは全く考えていなくて、それは時期が時期だったことから、委員改選後の所管事項概要調査のときがいいのか、その次がいいのかというのは御相談させていただこうかなと思っておりまして、もし次の委員会が開かれるんであれば、それもきちんと報告はさせていただくという、その方針に変わりはございません。
 ただ、これまでは最後にという感じだったんですけれども、各委員から御指摘がありましたので、検証委員会の中立性を保ちつつも、途中経過、どういうような議論というか、どういうような課題が検討されているかというようなことは、やり方は御相談させていただきながら、最初と最後で終わりというような姿勢、これまで我々がそういう姿勢であったんであれば、それは改めたいと思っております。

○中瀬古委員長 今、大橋部長が、途中でもしっかり報告をというようなことでしたので、そんな報告をお願いしたいと思います。
 それでは、ほかに意見はございませんでしょうか。

          〔「なし」の声あり〕

○中瀬古委員長 なければ委員間討議を終了いたします。

〔閉会の宣言〕

三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
医療保健子ども福祉病院常任委員長
中瀬古 初美

ページID:000240405
ページの先頭へ