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令和2年10月14日  差別解消を目指す条例検討調査特別委員会 会議録

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差別解消を目指す条例検討調査特別委員会
会議録
(開会中)

 

開催年月日   令和2年10月14日(水曜日)午前10時1分~午後2時8分
会 議     601特別委員会室
出席     11名
           委員長     北川 裕之
           副委員長     山崎  博
           委員       石垣 智矢
           委員       小林 貴虎
           委員       小島 智子
           委員       山内 道明
           委員       山本 里香
           委員       稲森 稔尚
           委員       藤田 宜三
           委員       東   豊
           委員       中村 進一
欠席     なし
出席説明員   出席を求めず
事務局職   企画法務課政策法務監兼班長  袖岡 静馬
参考人       1名
               芙桜会(芙蓉桜華性的マイノリティ連合会)会長
            近藤 聡 氏
委員会書記
           議事課     主査 中西 孝朗
           企画法務課  主任 長谷川 智史
傍聴議員     1名
                      杉本 熊野
県政記者     3名
傍聴者        3名
調査事項
 1 参考人からの意見聴取について
 2 差別の解消に関する条約及び法令について
 3 その他
 
【会議の経過とその結果】
 
〔開会の宣言〕

1 参考人からの意見聴取について
(1)参考人意見陳述

○北川委員長 それでは、参考人からの聞き取りを行います。
 映写の準備をいたしますので、少しお待ちくださいませ。
 それでは、性的マイノリティーに対する差別の状況等について、近藤様から御説明をお願いいたします。

○近藤参考人 皆様、おはようございます。
 芙桜会の近藤聡でございます。本日は、当事者の多様な意見を聞くため、参考人として招致をいただき、ありがとうございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
 ただ1点、ちょっと先に申し上げますが、別の会議では、当事者の多様性を考慮しているとは言いがたい議事進行をしていると少々感じております。
 まず、私についてでございますが、1974年8月に大阪市西成区の病院で生まれました。小中と9年間いじめに遭いましたけれども、ぐれもせず、家族の愛に恵まれ、大学卒業後、外資系航空会社に就職、約23年半勤務いたしましたが、その間に3年間、企業内労働組合の委員長も務めております。
 人生最初のカミングアウトは2006年6月28日にいたしました。現在は、芙桜会の活動に専念しております。
 本日は、リスクマネージメントの観点に重きを置きながら、7項目に分け御説明いたします。
 まず最初に、性的要素における少数者やその関連する事項について共通の認識を持つべく、説明の大前提となる情報について御説明いたします。その上で、本特別委員会における当会の主張を述べさせていただきます。また、カミングアウトとアウティングについてもお話しいたします。そして、問題の本質とは何かを皆様と御一緒に考えたいと思います。
 以上の話を踏まえ、三重県に何ができるのかについて御提案を申し上げ、まとめで終了とさせていただきます。
 当会では、性的マイノリティーという言葉はマイノリティーとマジョリティーという何かしら優劣などの区分や存在自体、存在の全てが皆さんとは違うという区別や差異を意識させる必ずしも適切とは言いがたい言葉であると考えているため、性的マイノリティーという言葉は性的要素における少数者、そして、性的マイノリティー以外の皆さんは性的要素における多数者と、今回の説明ではあえてこのように説明いたします。
 そして、LGBTは、彼らが日本に在する全ての性的要素における少数者の代表でも代弁者でもないことが昨今の社会的騒動から見ても明らかですので、LGBTが全ての性的要素における少数者を意味するものではないと明確に申し上げます。この説明は後ほどいたします。
 このように、まどろっこしいことをあえてするのは、私たちの存在が皆さんとは別のところにあるような、ある意味我々と皆さんとの間に距離があるかのようなイメージを払拭したいがためです。何となく問題なんだろうなという段階から、これこれこういう原因だから問題なんだと気づいていただける、御理解いただける段階に進めたいとも考えております。
 さて、まず皆さんに質問をさせていただきます。
 歴史上、差別を禁止した国で差別はなくなったのでしょうか。答えはここにございます画像を見ていただければ分かりますように、差別のなくなった国はございません。あのアメリカでさえ、ブラック・ライブズ・マター、この運動が激しく社会を二分する内戦の様相を呈しております。これは差別禁止の危うさを示してくれていると思います。
 次に、差別禁止をうたった場合に起こり得る問題について考察してみたいと思います。
 東京都が平成30年10月に公布した東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例、こちらを参考にしたいと思います。
 この条例は、その第4条で、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的扱いをしてはならないと、差別禁止を明記しております。さて、この条例を施行して何が起こったか、皆さんは御存じでいらっしゃいますでしょうか。何と、東京都が慶弔休暇や結婚祝い金などの職員向け福利厚生制度を適用しないのは不当な差別だとして、同性パートナーがいる都の職員2人が都の人事委員会に改善を求めたのです。この措置要求は、都の人事委員会が実際に休暇制度などの利用が申請されておらず、規制の改正を伴う立法的な措置は制度上予定されていないことを理由に却下したのですが、東京都が条例をつくることに前のめりになり、成立を急いだために、差別の定義を十分にしないまま差別禁止を条例化してしまったため、その弊害が顕著に出た事例ではないかと思います。一言で差別禁止といっても、簡単には条例にはなじまないことを教えてくれていると私は思います。幾ら形をつくっても、心がついてこなければ意味がないということではないでしょうか。
 次に、別の視点から、差別禁止をうたった場合に起こり得る問題について考察してみたいと思います。
 こちらは、女子大へのトランス女性の入学を認めたという毎日新聞の記事です。女子大は女子のための大学ですよね。そこにトランスジェンダーの女性の入学を認めないのは差別であると大学が判断をし、自主的に、自らその門戸をトランス女性に開いたわけです。ところが、一つ大きな問題があって、性自認が在学中に男性に変わっても退学させないとおっしゃっているところがあるんです。三重県が東京都と同じように、性自認や性的指向を理由とする差別を禁止するのであれば、例えば湯の山温泉や伊勢志摩のホテルや旅館も、当然条例に従って、性自認や性的指向を理由とする差別をしない対応をしないといけません。となりますと、トイレ、更衣室、浴場、男女で分けられているところに性自認が女性の人もアクセスできなければ差別となります。性自認が女性の人と聞いて、今皆さんはどういうイメージを頭の中に描いていらっしゃいますか。極端なことを申し上げるかもしれませんけれども、私が今、女性だと宣言したら、女性なんですよ、今。これが性自認です。誰が何を言おうとも、性自認が女性ですから、私は女性です。これを聞いて、素直にそのとおり問題なしと言える方はどのくらいいらっしゃいますか。
 差別の定義もままならず、また、性的要素における少数者の理解も十分とは言えない状況で、差別禁止ありきで話を進める危険性を感じていただけたら幸いです。そういったことを踏まえ、当特別委員会における当会の主張を九つのポイントで御説明いたします。
 一つ目、日本は法治国家であります。したがいまして、条例、特に罰則規定のついたものは法律ができて初めてつくられるべきであると考えます。国政レベルで検討されているLGBTの新法の成立を待ってからでも全く問題はないと考えます。
 二つ目、三重県が国より先に差別を定義することは、三重県が今後負う責任の範囲が想像以上のものになるのではないかと心配になるのですが、いかがでしょうか。
 三つ目、差別の定義は国が行うべきものです。なぜなら、三重県が差別の定義を日本で初めて行ったとしても、他の自治体がそれに追随するのかどうか分からないからです。三重県では差別と認定されることが、愛知県や和歌山県では問題ないとされるようなことが起こった場合、当事者を含む県民の皆様の混乱を生じないか危惧するところであります。
 四つ目、我々が検討するべきは、差別を禁止することではなく、差別のない社会をつくることです。差別を禁止することは、一見すると崇高なもののように聞こえますけれども、裏を返せば、差別が必要ということでもあります。禁止の対象となる差別が必要だからです。したがって、差別を禁止するのではなく、差別を必要としない、差別のない社会をつくることが理にかなうのです。差別のない社会にするためには、差別をしないことが必要です。では、差別をしないために何をすればいいのかを考えてみましょう。禅問答みたいなことを申し上げているかもしれませんけれども、差別をしないためには何をすればいいかを考えるのは、結構壮大なプランになるはずなんです。取り組む価値はかなり高いと考えます。
 五つ目、理解の一致ができれば差別は解消します。なぜなら、同じ理解であれば違いを見い出せないから、異論も何もなくなるからです。この理解の一致については、例を挙げて後ほど詳しく御説明いたしますが、みんなが差別のない社会の実現のために必要なものを考え、それを実践していく中で、差別は差別でなくなっていくのです。
 六つ目、差別の定義が国で検討されなければならないことを前提にすると、差別を禁止するにしても、差別とは何かが分からない限りは禁止しても意味をなさないのです。また、性的要素における少数者についての理解もままならない状況でもある以上、理解できていないものに対する差別禁止もさることながら、差別をした際の罰則規定や差別されてきた方への被害者救済は時期尚早だと考えます。
 七つ目、私たち人間は、できれば自由でいたいと考える生き物であります。だからこそ、自分らしく生きたいと、そういう欲求が生まれるのではないでしょうか。ときどき、欧米諸国は人権意識が高く、日本よりも進んでいると言われることがありますけれども、欧米諸国が細かく法律や何やで様々なことを規定するのは、細かくあれをするな、これをするなと規定しないと、社会システムをうまく機能させられないことの裏返しでもあるのです。そこに住む住民やそこで営む事業者などの意識が高度なものであれば、そもそも細かい規制は不要です。
 八つ目、差別が国で定義されていない状況であることや性的要素における少数者への理解がままならない状況であることを踏まえると、人権が尊重される三重をつくる条例、これの対象として、性的要素における少数者を加えることで十分対応できると考えます。
 九つ目、現状においては、差別禁止条例を罰則規定や被害者救済とセットで制定した場合、真の理解と共存共栄が果たせないことは明白だと考えます。なぜなら、皆さんも経験したことがおありだと思うんですけれども、自分が納得していないにもかかわらず、謝罪したときの気持ちは何とも言えない嫌なものではないでしょうか。それが蓄積すると、怒りや不満が爆発するはずです。そんなことは我々が一切求めていないものである以上、差別禁止をうたうことに賛同することは、現時点では難しいのです。
 さて、先ほど申し上げました理解の一致が大切であることを裏づけるため、幾つかの例を挙げてみたいと思います。
 まず、なぜ男子トイレ、女子トイレの区分があるのでしょうか。それは、社会に女子トイレは女子が入るところという意見の一致があるからです。では、LGBTとはどういうものなのか、意見の一致はあるのでしょうか。LGBTは趣味や娯楽の話だなどといまだに言われる状況において、意見の一致があるとは考えられません。人権とは普遍的なものであります。それゆえに意見の一致が大前提になるのです。人によって解釈が違うとか時代や社会の要請によって変化するようなものではあってはなりません。誰に聞いても、性的要素における少数者の定義が同じものになるまで、まずは理解の増進、そして理解の一致が必要なのです。ゆっくり、じっくり、確実にです。
 理解の一致を前提とした場合、現時点では、高齢者の方々や地方に住む方々との間に相互理解と寛容を醸成しなければなりません。現在、足立区議会議員のLGBTに対する不適切発言が問題とされていますが、発言者の御年齢を考えると、その方が御自身を社会のマイノリティーと捉え、急に出てきた得体のしれないLGBTというものに異を唱えたと考えることも妥当ではないでしょうか。LGBTって何か分かりますかと聞いて、分かると答えられる高齢者の方はほとんどいないのではないでしょうか。
 また、都会と違って地方でカミングアウトするのは、自分の生活圏のことを考えると、生存権を脅かす大きな問題と断言いたします。私の友人に、とある県庁所在地でカミングアウトして生活している人がいるのですが、彼いわく、カミングアウトしたことで逆にコミュニティーから孤立した。それは、私とつき合っていることが分かると、その人の素性が地元に知れてしまうからだと教えてくれました。これは都会にはない特に地方の現実であり、現時点では無視することができないものだと考えます。
 繰り返しになりますけれども、国において差別の定義がなされていない状況及び我々に対する理解が十分とは言えない状況にある以上、同和、男女格差、在日外国人、そして性犯罪被害者のように、それはだめだよね、守ってあげないといけないよねという意見の一致があるとは到底考えられません。理解も足りないのに差別を禁止すれば、人々はわけの分からないものに自分の行動が制限されるのかと反発をし、不満を抱くことになるでしょう。そんな懸念が幾らでも出てくる状況において、性的要素における少数者に対する差別を罰則規定や被害者救済とセットにして禁止する理由は一体何でしょうか。大変言い方が乱暴で恐縮ではありますけれども、私にはさっぱり分かりません。
 ここで、神奈川県川崎市が施行した川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例を見てみたいと思います。
 この条例のように、罰則規定を設けた形での条例の導入は、こと性的要素における少数者の問題において、同和等他の差別と比較しても、差別的言動の事例が明確にはならず、取締りを強化すれば言葉狩りになる可能性もあり、行政における負担も相当なものになると想像します。また、何かよく分からない状態で罰則規定などを導入することは、三重県の魅力を削ぎ、県民の生活意欲や事業者の事業意欲を低下させ、三重県に住むのはリスクがありそうと、三重県を敬遠する作用をもたらす危険性があると考えます。やはり性的要素における少数者としては、罰則規定を設けた形での条例の導入は、現時点では賛同することはできません。
 さて、ここからは、少し細かいところに踏み込んでいきたいと思います。
 カミングアウトについてです。
 まず最初に申し上げますが、カミングアウトはしなくてもよい。むしろ伝えないほうがうまくいくケースが多いものです。はっきり申し上げまして、私もそうですけれども、カミングアウトをして、自分のプライベートのデリケートな部分を公にしている人よりも、クローゼットといって、そんなことは一切公にしていない人がほとんどなんです。その人がマジョリティーなんです。声を上げる人、三重県ですから、見える人の声だけを聞いてばかりいると、おかしくなります。三重県だけに、見えない人の声も聞かないといけないんです。よく性的指向と性自認のことを自分の意思ではあらがえない悩みを抱えているかわいそうな人などという人がいますけれども、悩みだと思っていない人だって幾らでもいるわけです。一方的に性的マイノリティーはかわいそうな人、不幸な人と思われること自体、偏見、差別です。
 カミングアウトは、自分のとてもデリケートな部分、性的要素を公にする行為をいいます。しかし、先ほども申し上げましたように、性的要素における少数者が皆カミングアウトをするわけではありません。ほとんどの人はカミングアウトをしないのが現実です。なぜなら、カミングアウトが自分のアイデンティティーを確立してくれるものでも人生を保証してくれるものでもないからです。カミングアウトするもしないも個人の自由であり、しないことを非難されるものではございません。自分が性的要素における少数者であることを知られたくない人もいることをぜひとも忘れないでいただきたいんです。
 それと、さきに御紹介しましたように、都会と違って地方でカミングアウトするのは、自分の生活圏のことを考えると、家族関係、親子関係に大きな影響を与えると言っても過言ではありません。また、私たちが望む社会は、カミングアウトなど不要な真に自由で平等な社会です。性的要素を理解してもらうまでもなく、一人の人間としてありふれた日常を穏やかに生きていきたいのです。
 次に、カミングアウトと対をなすアウティングについてお話をいたしますけれども、アウティングが性的要素における多数者だけがすると思うのは、事実をちゃんと見ていないと思います。私はアウティングという言葉を悪い意味では使っておりませんので、悪いアウティングとかという言葉が出てまいりますけれども、カミングアウトとアウティングの話をするときに、私が非常におかしいと思うのは、カミングアウトをされた人間が話してくれてありがとうと言いましょうと言われることです。そんなことはないんですよ。カミングアウトをした人間が話を聞いてくれてありがとうです。
 アウティングは他人の秘密を公にする行為ですけれども、それを全て悪いものとすることには私は賛同できません。なぜなら、カミングアウトとアウティングの関係性、原因と結果は、本人と関係する他者との間の人間関係や信頼関係によって大きく変化するからです。例えば、私が誰かにあなたのことが好きとカミングアウトしたときに、告白された人に一切それを第三者に公言するなというのは、逆に差別的というか不利益を負わされていると言えるのではないでしょうか。当然、俺こんなこと言われたんだけれども、どうしたらいいと思うと、第三者に相談することもあるでしょう。それを本人が了承していない形で知られたくない秘密を暴露したというのは、酷ではないですか。
 例えば、またゲイバーでは、芸能人の○○さんてホモなんですって、やだ、私ファンなのよ、ワンチャンあるかしら、あんたみたいな不細工にはないわよと言って、末代まで呪ってやると私もあんたもゲイなんだから末代よという、そういう話が繰り広げられておりますけれども、これも取り締まっていただかなくてはならないのではないでしょうか。その芸能人にとって、許可を取らずにアウティングしたということになるのではないでしょうか。
 私は、もし悪質なアウティングを禁止するというのなら、カミングアウトもアウティングも何をもって悪質なのかを判断する基準が曖昧である以上、カミングアウトされない権利、あるいはカミングアウトを忘れる権利も保障する必要があると考えます。そんな大事な秘密を僕一人で抱え続ける自信はないので勘弁してほしい、この気持ちを無視することは現時点ではできないと考えます。アウティングは、起きることを前提にしないと解決できない話だと思います。また、改めて申し上げますが、アウティングは異性愛者だけがするイメージはもう持たないでいただきたいです。同性愛者であれ、性的要素における少数者であれ、することなんです。誰でもやり得る問題であるというふうに御理解をいただきたいということなんです。
 さて、ここからは、しばらく性的要素における少数者が抱える問題の本質を考えていきたいと思います。
 まず、我々が問題とするもののほとんどは、自己認識と他人からどう思われているかのギャップから来る居心地の悪さです。例えば、なよっとしているからおかまといじめられる場合、それは他者が考える男らしさとの間のギャップがいじめの根拠になっていると考えられます。また、女性に見えなくて気持ち悪いと避けられる場合、それは他者が考える女らしさとの間のギャップが避けられている根拠になっていると考えられます。このように、自分が認識する私と他人が評価する私との間のギャップが様々な問題を生んできたように感じます。しかし、それを差別禁止で取り締まるとしたら、憲法で定められた内心の自由との抵触の問題が生じかねないのではないでしょうか。なぜなら、男らしさ、女らしさを追求することを禁止することはできないからです、単純に言って。したがって、そんな人もいるよねと、そういう理解の一致への転換を図ることがまずもって必要だと考えます。時間はかかります。しかし、確実に差別をなくすためには、そんな人もいるよねという理解を広めること以外に解決するすべはございません。
 さて、ここからは、性的要素における少数者が抱える問題の本質を考えるために、より具体的に見てまいりましょう。
 まずは、我々の内部で起こっている問題についてです。性的要素における少数者の取り巻く問題は、単に当事者ではない人々との間で起きているわけではなく、当事者間並びにLGBT運動家と当事者の間でも起きているのです。そういったこともあり、やはり当会としましては、現状においては新しいシステムやルールをつくらずとも、まずは問題を解決できないか、状況を改善できないかという対応からスタートするのがベストであると訴えるのです。
 LGBTはL、G、B、Tの頭文字を取った性的要素における少数者を表す言葉だと御認識の方も多いと思います。私もごく最近まではそのように理解しておりました。しかし、実際には、非当事者を含めたLGBT運動という社会を変える運動を意味する言葉であり、とあるLGBT運動家は、LGBTとはその運動に連帯する人々の言葉である。カミングアウトできない人間は救う必要はないと言ってはばかりません。実際、現在ちまたを賑わわせている騒動を見ても、LGBTが性的要素における少数者を意味するものではないと御理解いただけるのではないでしょうか。
 多様性を訴え、社会に理解と包摂を求めてきたはずのLGBT運動が性的要素における少数者に対してさえも排他的で自分たちと異なる意見や立場に対し寛容さを失っています。なお、LGBT、LGBTQ、LGBTQプラスなどと特定のジェンダーの頭文字しか表さないこと自体がマジョリティー信仰を表し、マイノリティーに対する差別意識がかいま見られるという意見が存在することを申し添えます。2019年のネットニュースでは、既にアメリカでLGBTの余りに強烈な要求や過激な他者への攻撃が理由で、LGBTに対する社会の許容度の低下を指摘していますが、日本でも先鋭化したLGBT運動により、静かに暮らしている我々が世間からの反発の矢面に立たされるのではないかと危惧いたします。
 特徴的なLGBT運動の問題点について、二つの例を挙げて御説明いたします。まず、2020年2月に起こった映画「バイバイ・ヴァンプ!」の騒動についてです。本件は、60秒ほどの予告編を見て、とあるLGBT運動家が差別映画だと騒ぎ出したことが発端です。映画関係者に事実確認をせず、またたく間に上映禁止の署名活動が開始され、そこに現役の国会議員まで、表現規制について言及することも含め抗議運動に参加する事態となりました。抗議運動は映画館、映画に協力した団体、自治体にまで及び、その間も映画関係者は十分な説明の場も設けられることなく、誹謗中傷も含めて批判にさらされました。特に署名活動は、運動終了後に映倫、監督との話合いが持たれ、やはり一般的な申し入れを映画関係者が受ける形で終了しております。その後、この問題は放置され、映画関係者の名誉回復もなく、一方的な批判を受け、名誉を傷つけられたままです。
 次に、LGBT運動の問題点は、LGBT運動家やその支持、協力者に異を唱える当事者にも攻撃の矛先が向くことにあります。例えば、とあるレズビアンの女性は、あるとき何気なく上げたツイートが原因となり、長期間にわたって執拗に複数のゲイの、といっても匿名ですので、ゲイを装っているのかもしれませんが、複数のアカウントから攻撃をされ、最終的には身の危険を感じ、アカウントを閉鎖するに至っております。特に複数のアカウントが協力をして、対象者の過去のツイートまで徹底的に調べるのと同時に対象者の住所等の個人情報まで調べ、それをもってして、対象者を糾弾するサイトまで立ち上げているのですから、たちが悪いのです。
 我々は多様性を標榜しながら差別の名の下に自分たちの気に入らないものを徹底的に攻撃する姿勢を断固として認めません。これこそ差別や偏見による問題行為ではないのですか。一部のLGBT運動家とその協力者も取り締まってもらわないと困ります。私がLGBT運動の問題点を指摘し、声を大にして将来起こり得る我々への社会からの反発を憂慮するのは、このスライドにもございますように、例えば、現在大きな騒動に発展している足立区議会議員の不適切発言について、私がLGBT運動にも問題がある旨ツイッター上で表明したことに対する反応が従来とは変わってきているのが明らかになってきたからです。
 LGBTが、こちらですね、ブラック・ライブズ・マターと同様に危険なもの、恐ろしいものとして認識されていることや、私の身を案じる返信がそれを表しています。このような反応は今までにはなかったもので、今後のLGBTへの社会の許容度の変化を見る上で注視していこうと考えております。
 次に考えてみたいのは、政治家の不適切発言についてです。
 今までで主に問題とされたLGBTに対する不適切発言は、こういったものがありました。2018年7月18日、杉田水脈衆議院委員、新潮45論考、2019年9月11日、上田勇作鹿児島市議、本会議代表質問、2020年9月25日、白石正輝足立区議、委員会一般質問、今回は、現在大きな騒動になっている足立区議会での不適切発言について御説明いたします。
 現在世間を騒がせている足立区議会での問題については、既に性的要素における少数者のために行われているものではなく、先ほど2点、LGBT運動における問題を指摘する例を挙げましたが、それらと同様に、対象者と真摯に向き合う前に差別主義者、偏見まみれの人々が政治をやっているなどとエスカレートをし、対話もない中で議員辞職を要求し、さらには所属する政党批判にまで及んでおります。白石議員の話の真意を確認することもなく、また冷静に対話をし相互理解をつくっていく過程を経ず、一方的に、我々には差別に感じるのだから許してはいけないと反差別の運動をエスカレートしているのです。そして、ヘイトスピーチとも取れる発言で議員辞職を求める署名活動や街宣行動までやれてしまうところに、こちらにお集まりの皆さんは恐怖を覚えないんでしょうか。
 私が白石議員でありましたら、なぜ正しいことを私は言ったのに、ここまでひどい批判にさらされ、謝罪や議員辞職まで要求されなければならないのかと憤りを禁じ得ないと思います。一方的に差別主義者のレッテルを貼られ、連日のように感情にまかせたひどい誹謗中傷が届く、そんな状況下で冷静に話せない相手とどうやって話をするんですか。礼節を欠いた無礼な人間をどうして信用しないといけないんですか。
 12日の段階で、20日の本会議で発言の撤回と謝罪をする旨発表がありましたが、それに対し、大勝利と反応しているわけです。何が大勝利なんでしょうか。調子に乗るのもいい加減にしろと申し上げたいわけです。LGBTのためでもなく、こんなものは反差別の運動でもありません。差別を増幅させる運動です。えせ行為です。今行われていることこそ、白石議員やその支持者、足立区民への人権侵害にほかならないのではないでしょうか。そして、LGBTを利用したえせ行為である以上、我々性的要素における少数者に対する人権侵害でもあります。これこそ取り締まらなくてはならない行為ではないでしょうか。理解し合い、和解できたかもしれないものさえ、その可能性を潰し、一方的に批判された側に、静かにそして確実に不満や反発を広げるしかない意味のない運動だと言わざるを得ません。その不満や反発は、いずれ社会に分断と混乱をもたらします。
 今回のような無理解から生じた不適切発言にこそ理解の一致、理解の増進が必要です。憎しみを理解に変えるのは、無理解を理解に変えるより何倍も時間がかかります。北風と太陽ではございませんけれども、たとえ厳しい北風で謝らせても、決して心はついてきません。真に相互理解と寛容が社会に広くなければ、禍根を残すだけで、差別などなくなるわけがありません。
 足立区で起こっている問題は、三重県の問題でもあります。そして、日本全体の問題でもあります。もし今起こっている問題を見ても、差別禁止条例をつくるとおっしゃるのであれば、差別を利用する行為も厳しく取り締まらなければ公平ではありません。社会に差別の定義がなく、我々に対する理解も乏しい中で、性的要素における少数者として三重県が差別禁止条例の制定に踏み込むのは、現時点においては反対です。どうか、差別禁止ではなく、理解増進で差別のない社会の実現のために議論を進めていただきたいのです。
 行政担当者も入れていいのかもしれませんが、政治家の不適切発言や対応については、ことさらに差別判定の基準が厳しく、批判及び抗議の内容も過剰かつ熾烈です。不適切な発言や対応には差別するなど微塵も考えなかったものも多く、何が問題か分からない、そういう気持ちも無理はないと思うのですが、彼らは、分からないお前はより悪質だと言って、さらに攻撃を強めるのです。これでは、きちんと話せば本当は理解し合えたかもしれないのに、理解し合えないで終わってしまいます。謝って済むものは謝って済ませればいいのであり、お互いに差別するのだという認識を持って、相手に再チャンスを与えることも必要です。
 振り上げたこぶしをどのように下ろすのかは、本当に性的要素における少数者のことを考えている人であれば、当然考えることです。私たちは、世代、価値観、育った時代背景、生活環境等が異なる人々と共生しており、共に生きることからは逃れられない以上、相互理解と寛容の姿勢を失ってはいけないのです。
 皆さんがアンケートを取られたりしてその回答や、あるいは陳情に訪れた皆さんからのお話を聞くと、社会全体、家族、教育、職場、医療、こういった分野に意見が分類できるはずです。罰則を設け差別や偏見を取り締まる前に、理解を増進すれば解決する問題が多くあるのではないでしょうか。また、学校、各種教育関係機関、医療機関、労使などと協力をし、理解増進と各環境の整備をセットで進めることによって解決できないのでしょうか。そして、一つ一つの要望を性的指向、性自認のどちらに関係する問題かを見極めていくのも大切です。主語の大きい主張、主語の曖昧な主張には注意が必要です。
 新型コロナウイルス感染症拡大の状況下における特殊事例については、カミングアウトしていない人のセクシャリティーが予期せぬことでアウティングされる可能性、そして医療リソースが新型コロナウイルス対策に充てられ、性的適合手術が遅れる可能性があるという話を聞きます。それに加え、追跡アプリが普及しないことも指摘しておきます。ただ、これらが全て性的要素における少数者特有の問題かと言われたら、ちょっと違うんじゃないでしょうか。なぜなら、最初の例では、自宅からネットで会議に参加したら会社には報告していない同棲中の彼氏が映ってしまい、自分がゲイであることが明るみになってしまった、あるいはその可能性があるなんていう話がありますけれども、そもそも何で会社に報告していないんだとか、会議の時間はちょっと外出しておいてもらえるかなと、同棲しているんでしょう。何でそういう準備をしなかったのかというところから考えないといけない話ではないでしょうか。
 医療における問題でも、命に関わるケースや未知のウイルスに対応することを優先することは、この社会に住む者としてお互いさまの精神で対応できないのかという視点もときには必要だと思います。追跡アプリにしても、日本ではプライバシー保護の観点を国民がよく理解していることを表していると考えますし、性的要素における少数者の特質性でいうならば、公表していないことが行動を追えばわかってしまうということもあるでしょう。でもこのばれるということは、やはり性的要素における少数者だけの問題ではないのではないでしょうか。
 本日のプレゼンテーションは、三重県にできることは何かを考えるため、リスクマネジメントをも重視し、様々なお話をさせていただきました。性的要素における少数者の問題については、まず問題が性的要素における少数者固有の問題かを問いかけることからスタートし、全体に共通の問題と個人レベルの問題とに分け、さらにLGBとTの問題に分けることにより、効率的かつ機会を逸しない対応を取ることが肝要と考えます。新しいルールを設ける前に、既存の制度や組織で対応できるものはそれらを積極的に活用するべきです。
 こと三重県におかれましては、三重県単独での取組に敬意を表するとともに、三重県、県内各市町、そして県民、事業者、教育関係者などの協力者の3者が協力をして、持ち場を分担して取り組んでいくことが欠かせないと考えます。一人で抱え込まないでと電話相談センターのポスターも言っているんですけれども、みんなで協力をしていただいて、なおよい施策を打っていただけるようお願い申し上げます。
 では、具体的にどういったことができるのか、3点を御提案させていただきます。
 まず、パートナーシップ制度の導入です。
 今や同棲カップルの関係性を婚姻相当に認める目的を持ったいわゆるパートナーシップ制度は、総人口の約3割強をカバーする自治体で導入されております。しかし、現在までに申請したのは、1000組を少し超えたぐらいの状況です。これは、性的要素における少数者が8.9%存在すると言われる状況において、余りにも少ない数字に見えるはずです。パートナーシップ制度を本当に導入してよいかは慎重であるべきだと考えます。なぜなら、パートナーシップ制度はゴールではありません。冒頭に御紹介しました性自認の問題など制度の根幹を揺るがしかねない問題も存在するため、導入してもそんなに長い時間必要とされるかどうか疑わしい側面もあるからです。あってもなくても変わらない、そんなものにどうして皆さんは執着なさるんですか。
 また、元来我々は特別養子縁組制度を使って、親子の関係にはなりますが、家族になる選択をしてきております。その数は決して少なくはないのです。これは差別の問題なんでしょうか。福祉の問題なんじゃないんでしょうか。パートナーシップ制度がなくても、既存のルールを変えることによって対応できることはたくさんあるのではないでしょうか。国が性的要素における少数者にどのように対応するのか、その指針、方向性をはっきりとしないままに時間が過ぎていく状況下で、都道府県をはじめとする自治体に負担がかかっているとも言えます。
 次に、LGBTトイレです。カミングアウトなどしない人や自分のプライベートなことを知られたくない人がいるにもかかわらず、強制的にカミングアウトさせるようなLGBTトイレ、誰がこんなものを要求したんでしょうかね。ゲイやレズビアン、バイセクシャルはトイレを使用するのに何ら問題はありません。トランスジェンダーも他人からの好奇の目にさらされたくないから、心穏やかにトイレを使いたいのです。また、我々性的要素における少数者以外の様々な事情を抱えた方々の利用も考えると、LGBTトイレではなく、多目的トイレのように、誰もが安心快適にトイレを使用できるように環境を整えるのが現時点では最善策ではないでしょうか。
 三つ目の提案は、ジェンダーフリー制服についてです。
 昨今、制服の男女差をなくすという目的でジェンダーフリー制服を導入する学校が増えておりますけれども、導入の理由に、性的要素における少数者を考慮してなどと、私たちの存在を持ち出すのは失礼です。それこそ差別的です。このプレゼンテーションでも様々な例を用いて申し上げているように、男らしさや女らしさを否定してはならないのです。大事なのは選択肢を増やし、生徒が自分で選ぶ機会を用意することではないでしょうか。
 写真は、某航空会社の女性客室乗務員の写真ですけれども、スカートもあればパンタロンもあります。スカーフの巻き方や髪型も人それぞれです。基本的なルールは存在しても、それをどう運用するのかは、生徒や本人の選択や責任に任せるべきではないでしょうか。
 以上をもちましてプレゼンにおける説明は終了となります。
 最後にまとめをさせていただきますが、理想の社会の実現のためのプロセスは、人権問題として趣味や好みの問題ではなく、人権問題として我々の問題を考えるとともに、いかなる差別もない社会、差別を利用しない社会を実現することです。自分が共感できないものや寛容になれないものは到底受け入れられないのですから、理解増進からスタートするとともに、既存のルールやシステムをアップデートすることから始めるべきです。そうやって社会の相互理解と寛容を醸成し、理解の一致に立ったとしてもやっぱりだめだと、最後の最後に最終手段として差別禁止とならないと、強制をされてよく分からないものを受け入れろと言われても、真の理解や共感は得られません。
 本日は、貴重なお時間をいただきましてありがとうございました。随分と御無礼を申し上げましたが、これぐらい言わないと聞いてもらえない、変わっていただけないと、そういう危機感で申し上げました。申し訳ございません。ただ、私のみならず、三重県、そして日本中の多くの性的要素における少数者の皆さんが三重県の先進的な取組を応援しております。今日はしっかりと私の意見を反映した形にしてくださることと理解しております。どうぞ引き続き、我々にお力添えを賜りますよう何とぞよろしくお願いします。ありがとうございました。

○北川委員長 近藤様、御説明ありがとうございました。
 それでは、質疑応答に入る前に、換気のため、5分間休憩をいたしますので、よろしくお願いします。
 暫時休憩いたします。
          (休  憩)

○北川委員長 それでは、休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
 それでは、先ほどの御説明を受けまして、委員の皆様から御質疑をお願いいたします。
 なお、念のため申し上げますが、参考人は挙手により委員長の許可を得てから御発言をお願いいたします。また、申し訳ないですが、委員に対しては質疑をすることができませんので、御了承願います。
 それでは、御質疑がありましたらお願いいたします。

○中村委員 今日はありがとうございました。
 今まで自分自身の持っておった、今持っている価値観とはまた違う部分がたくさんありました。それは全体として思ったのは、もっともっとLGBTの皆さん方の状況というか少数の皆さんの立場というものを深く我々つかんでいかんといかんなと。そのことと、それからやっぱり差別禁止条例、こんな状態であれば、本当に三重県が先頭になってつくっていかないかんなという思いを今の話を聞かさせてもらって強くしたんですけれども、我々こうやって参考人の方にお越しをいただいて、お話を聞く最大の目的は、やっぱりどんな差別事象があるのか、先生のお話の中で、友人の方の話もちょっと出ましたけれども、今までも部落差別であり、それからヘイトであり、いろんなところの具体的な例なんかもちょっと聞かさせてもらって、これは、じゃ、三重県ではどんな形にしていくべきかということを議論する場でもありますので、よろしかったら、先生の貴重な今までの体験、そしてまた一般の皆さん方から、こんなことがあった、そんな経験とか、それを解消する仕組みをつくるのが我々の役割なんで、その辺の具体的な事例があれば、もう少し深く教えていただきたいと思います。

○近藤参考人 大変恐縮なんですけれども、性的要素における少数者の問題において具体的な差別事案という話になると、どうしても主語が誰なのか、どういう規模なのか、どういう範囲なのかということを突き詰めないといけないんですね。といいますのは、先ほどカミングアウトの話をさせていただきましたけれども、例えば、ここにいる私はゲイだとカミングアウトしておりますので、皆さんの御認識として近藤聡はゲイであると、性的要素における少数者の1人であるということを認識していただいておりますけれども、じゃ、大変失礼なんですが、小林さんがもし性的要素における少数者でいらっしゃるとしたら、何をもって小林さんがもし性的要素における少数者かを皆さんは理解するんでしょうか。例えば、性的要素における少数者を識別することができるような、おでこに星形のほくろが3つ並んでいるのが性的要素における少数者の印なんだというように、客観的にその人がそうであるというようなものが、例えば同和とか男女格差とか、男女格差だったら女性だから格差があるわけですよね。そういったように、客観的にこれだという共通点がないんですよ。だって、カミングアウトしていなくて生きている人が幾らでもいるわけです。事例を出してくださいといって幾らでも出せるんですけれども、果たしてそれが私と友人だけの話なのか、性的要素における少数者全体の話なのかというのは違いますので、具体的にここで、こういう話があります、ああいうケースがありますと言っても、余り意味がないんですよね。
 私は性的要素における少数者、これに対する共通の差別というのであれば、性的要素における少数者だから誰も就職できないとか、行政サービスを受けられないとか、あるいは中東なんかでございますけれども、広場で公衆の面前で男性同性愛者のカップルが2人絞首刑に処せられるとか、そういうことがあるのであれば、それは明確に差別であると私は思いますけれども、そのレベルの差別がこの日本にあるのかということですので、同和の人とか男女の格差とかそういったものと並列にして考えるのはまだ早いということで、大変恐縮なんですけれども、具体的にどうというのは、私の経験でお話することは幾らでもありますけれども、それが性的要素における少数者全体の話だと思われるとちょっと困りますので、それを前提にして、お話は個別に、また後でお名刺でも交換させていただいてお話をさせていただくということが適当ではないかなと考えます。

○中村委員 ありがとうございました。我々、差別解消の条例づくりの方向で動いている中には、やっぱり例えばアウティングとか、これは性的差別だけではなしに、ほかの部落問題もそうですけれども、そのことによって大変大切な、そのことが個人の心にぐさっと刺さって、それで亡くなってしまうというケースもあるやと聞いておりましたので、そういったことをなくすためには、やっぱり憲法第14条で全ての国民は平等である、差別はしてはならないと上がっておりますので、そんな国のほうのというよりかは、まずは我々地方自治体の議員なので、しっかりとその辺を対応していきたいなというふうに思いましたので、具現化するためには、やっぱり具体的な例を、いつも悩むところなので、こちらへお越しをいただいた方から実際のそういうケースを語ってもらうというのは、大変だというふうに思うんですが、ちょっと今の話で厳しいというふうに思わさせていただきました。
 いずれにいたしましても、きちっと我々としてはルールづくりに向けて動かないかんかなと、そんなことをちょっと今回のこのお話で感じさせていただきました。

○稲森委員 貴重なお話ありがとうございました。
 少しお伺いしたいんですけれども、まず最初の冒頭のところで、差別禁止で差別がなくなった国がありますかということなんですけれども、日本の法律ですとか地方自治体の条例、現状を見ていますと、差別禁止というよりは、それこそ理解増進ということが日本の法律なり条例の主流だと思うんですけれども、海外も含めてで御所見があったらでいいんですけれども、理解増進で差別がなくなったというような国とか自治体とかというのはあるのかどうかということを少し教えていただきたいと思います。

○近藤参考人 これも建設的な議論ではないと思いますけれども、理解増進ということで差別がなくなった国も当然ございません。ただ、申し上げておきたいのは、じゃ、差別禁止といって何を差別として認め禁止するのかということについて、皆さん多分何も考えていらっしゃらないと思うんですよ。差別禁止をしたら何とかなるだろうというレベルなんじゃないんでしょうか。だって、差別、この今の2人の委員の皆さんから御質問いただいた中でも、結局具体的な話というのは、当事者、私から意見を聴取するということでお聞きいただいたのは大変ありがたいことなんですけれども、その前にネットを調べたら幾らでも出てくる話があるわけじゃないですか。その辺は見ていただいて、とにかく主語が大きいもの、主語が曖昧なものが溢れかえっていることに当事者もいらだちを隠していないわけです。
 そういった中で、じゃ、差別を禁止してなくなったのかという話で、差別を禁止して差別がなくなった国はないと申し上げましたけれども、何でなくならないのかということを考えたら、やはりなぜそれに対して差別をしてはいけないのかという理解が前提にないからだと思うんですね。だって、多分ここの特別委員会に御出席の皆さんは意識が高い皆様なので、いらっしゃらないとは思いますけれども、先ほどもプレゼンテーションでも申し上げましたように、性的要素における少数者の問題は趣味、「しこう」といっても指が向かうという「指向」ではなくて、嗜みとか遊びみたいなそっちのほうであって、これは問題ではないと、趣味とかそんなものに構っている必要はないとおっしゃる方だっているわけです。それでそういう発言だと曲解されて、今、足立区の問題が大きくなっているわけじゃないですか。それは差別でも何でもなく、無理解なんですよね。性的要素における少数者のことをみんなが同じように理解をすれば、そこから考えないと、片方では趣味だと言っている人が幾らでもいるところで差別してはいけませんと言っても、趣味でやっている人に何で差別とかそんなことを言うんだという話になって、差別禁止したとしても意味が通らないわけですよ。
 皆さんが性的要素における少数者というのは趣味や遊びみたいなものでやっているんじゃないといって私たちに寄り添ってくださっていることを否定しているんじゃないんですよ。趣味や遊びの話だと言っていらっしゃる方にそうじゃないんだよということを理解していただかないと、何か分からないものに対して差別するなと言われて誰が受け入れるんだという話なんですね。ただ、今、稲森委員がおっしゃってくださったことと、上っているところは違う方向から上っているけれども、目指しているところは同じなので、そこを皆さんで御議論いただきまして、どういう順番、てにをはです。てにをはと言っていいのかな、順番ですよね。何を1番に持っていくか、2番に持ってくるのかということが今それぞれの委員の皆さんで御意見が分かれているところなのかなと思うんですけれども、私の申し上げたいのは、まずはみんなで、私たち性的要素における少数者の理解を等しく同じものにしていく努力をお願いをしたいということでございますので、よろしくお願いします。

○稲森委員 参考人の御意見というのはよく分かったんですけれども、理解増進ということで理解増進をしたケースというのはこれから出てくるということで理解していいのかということと、杉田水脈衆議院委員、上田勇作鹿児島市議の不適切発言ということも個別に挙がっていましたけれども、こういう方々への理解増進というのは、今でこそ偏見などというのは取り除かれたというふうに考えているんでしょうか。そういうアプローチの方法で。

○近藤参考人 2点ございますけれども、理解増進がこれから出てくるということでしょうかということについての私からのお話は、理解増進で三重県が日本で最初に一歩踏み出していただけると信じております。これから出てくるのかということではなく、これから出てきていただきたいわけです、三重県に。そういうことでございます。
 そして、杉田水脈衆議院議員ともう一方、ごめんなさい、今すぐ出てきませんけれども、その2点のことについてどう思われているのかということですけれども、個人的に申し上げるならば、差別や偏見ではなかった話だと私は理解しております。細かいことが申し上げられないケースでもありますので、あえてここの場では申し上げませんけれども、必ずしも差別や偏見まみれで発言したものであったというふうには私は考えておりません。

○稲森委員 参考人の考え方として理解をいたしました。
 それでは、もう一個、パートナーシップ制度のお話もありましたけれども、慎重な検討が必要ということですけれども、パートナーシップ制度のメリットですね。慎重に検討していく上でのデメリットというのをもう少し詳しく教えていただきたいのと、大都市と地方との違いということも強調されましたけれども、その辺も併せてお伺いしたいと思います。

○近藤参考人 大変恐縮ではございますが、メリットもデメリットもない。スライドのほうで御紹介をいたしましたが、今4000万人とちょっとぐらいの人口をカバーする自治体でパートナーシップ制度というものが導入されているというふうに報道がされております。私たち人口の8.9%が性的要素における少数者であるというふうに言われておりますから、この4000万人ちょっとを8.9で計算をすると、360万人ぐらいの性的要素における少数者がいないといけない話になるわけですね。ところが、実際にこれを単純に2で割りましてカップル数とするならば、180万カップルいるであろうというところで申し上げるならば、今の認定割合というのは、0.06%、8.9%いるであろうと言われている私たちの中での0.06%です。この1000をちょっと越える数字というのは、2015年だったと思いますけれども、渋谷区で日本で初めてパートナーシップ制度が導入されて以来の累積数ですよね。これを考えたときに、全国で総人口の3割だというふうにいっている中で1000組ちょっとというのは余りにも、これをパートナーシップ制度をしなければ成り立たないものなのかということを考える段階に来ているのではないかなと思うんです。
 逆に思うのは、このパートナーシップ制度でいただける書類で何ができるのかということを考えたら、2人の関係性を保障してくれるものでもないわけですよね。2種類あるからです。一つは、渋谷区のように条例で定めるもの、世田谷区のように、条例ではなくて要綱で定めるもの、つまり議会を通さなくていいと。後者のものは簡単な手続で費用もほとんどかからず、ただ法的な効力がほとんどない紙切れです、はっきり申し上げて。
 本来パートナーシップ制度というのは、2人の関係性を婚姻制度の枠外にいる私たちに対して明らかに何かしてほしい、形にしてほしいというもので始まったはずなんですけれども、ことそれで何が得られるのかに話が偏っているように感じます。となるのであれば、今のルール、例えばどういうことができますといったら、同棲カップルが県営住宅に入居できるようになるとかというんですけれども、パートナーシップ制度の証明書がなくても入れるようにしてもらったらいいんじゃないですか。どういうルールがあるのか分かりませんけれども、本当に私、単なる当事者の1人として、愛する旦那なりと一緒に入りたいと思ったときに、何でこのパートナーシップ制度の紙切れを取らないと県営住宅に入れないんだと逆に思いますけれども。県営住宅に入るとか区営住宅に入るとかいろいろ言われておりますけれども、ほかの異性愛のカップルが紙切れも何もなく入れるのに、私たちはその紙切れを取るというプロセスを取って入らないといけないんであれば、この紙切れを取るというプロセスを取ってでも入れるようにしていただけるようにするのが議員の皆様のお仕事なんじゃないかなと私は思うんですね。
 でも5年もたって1000組ですよ、1000組。たったですよ。ということは、それはもしかしたらこういうことを言うかもしれません。私たちは自分たちのことを公にするには世間のハードルが高過ぎるから言えないんだと、だから1000組なんだというかもしれませんけれども、申し訳ないんですけれども、たった1000組です。はっきり申し上げて。当事者としても。なぜならこんなもの要らないと言っている当事者は幾らでもいるからです。皆さんにとって政治とは、かわいそうな人、苦しんでいる人、辛い思いをしている人が一人でもいるなら私たちはそれを助けてあげないといけない、それが政治家の使命なんだと、その尊いお気持ちは私は否定するつもりは全くないんですけれども、例えば子どもに恵まれない、不妊治療をしている夫婦の皆さんへの補助とか、片親で子どもを育てている家庭への補助であるとか、そういったところにまず話を、まず皆さんを集中していただくということも大事なのではないかというふうに思うわけです。
 全国でたった1000組、これが例えばどこかの県で1000組という話ではないわけですね。5年かけて。逆にいいましたら、この1000組のためにそんな制度を導入するんですかというふうに考えるその発想の転換も、議論の上で必要なのではないかということをこの場をかりて提案をさせていただきたいと思います。

○稲森委員 大都市と地方の課題は。

○近藤参考人 大都市と地方都市の課題というのは、先ほど申し上げましたように、地方においてはまだまだ私たちの理解がないということです。都会においても足立区でああいうことが起こっているということは、もっと私たちが社会としっかりと自分たちについて話をしていかないといけない。これは相互理解と寛容でございますけれども、それをまだ続けていかないといけないという段階にあるということを如実に証明していることであると思います。特に地方においては、何だ、LGBTって。90歳のおじいちゃんは言っていると思います。90歳のおじいちゃんが考える家族の在り方、60歳、50歳、40代、私のように40代の人間が考える家族の形の在り方、そして20代、10代の若い人たちが考える家族の在り方というのは全然違うわけです。それを飛び越えてパートナーシップ制度というのを導入しても、理解されていないものを形だけ用意してやりました、どうですかと言われても、何の共感も得られないと思うんです。共感を得られないものを導入されても、何のうれしみもないですよ。それだったら、民間で証明してくれたほうがまだいいですよ。どこかのホテルが同性挙式をやってくれて、そこでやったことを証明してくれるとか、そういうことで結構ですよ。
 まだ全然この人たちの結婚とか、2人になるとか、つがいになるとか、そういうことについての理解がままならないのに、形だけどんどん先行しても魂がこもっていないものは何にもならないということなので、そこをやはりいろんなことで先進的に取り組んでいただいている三重の皆様にはお考えいただきたいんです。

○稲森委員 ただ、私は、理解が深まっていない社会の中で、1000組を超える方がパートナーシップ制度の宣誓なりそういうものを受けているということは非常に大きいものがあるんじゃないかなと、私は選挙区が伊賀市でして、2016年から同性パートナーシップ制度を始めて、今5組だったと思うんですけれども、市内でそういうのを利用されている方、実は傍聴にも後ろに来られていて、シマダさん、カノウさんという方が移住をされてきたということなんですけれども、一つは私が大きかったというのは、このパートナーシップ制度という具体的な仕組みがあったからこそ地域の理解が、理解がないというふうにおっしゃいましたけれども、地方都市だからこそそういう地域のつながりとかを生かしながら、小さなコミュニティー単位の人権の勉強会で講師をしていただくとか、あるいは学校の中で講師をしていただくということで、周りの支援者が増えてきたなという実感がこの具体的な制度を動かしてきた実績としてすごく感じられるんですけれども、その辺の同性パートナーシップ制度が動き出してきた成果というのは、私は十分感じているところなんですけれども、その辺はどういうふうにお考えでしょうか。制度があるから理解が結果として増進されるのではないかというふうに思うんですけれども。

○近藤参考人 パートナーシップ制度があるから理解が進むとは思いません、私は。パートナーシップ制度があろうがなかろうが、私たちはこの世に生きているわけですから、この存在を認めてもらわないといけないので、パートナーシップ制度があるから私たちを認めるとか理解が深まるということではなく、この私の生き様を見て理解をしていただかないといけないので、そんなものから入ってもらう必要はないと思います。そういう理由でパートナーシップ制度が必要だと思っておられるんだったら、要らないと思います、それは。

○稲森委員 パートナーシップ制度は、私にとっても直接のメリットはないんですよ。必要としている当事者がいるということで、その方が必要としていたら、僕はそれがいいのではないかなというふうに基本的に思っているんですけれども、パートナーシップ制度を、最初にメリットもデメリットもないというふうにおっしゃいましたけれども、特段制定をしても問題はないということで理解でよろしいでしょうか。

○近藤参考人 私の発言をどう理解されるかというのは人それぞれだと思うので、そういう私の発言でそういう言い方をされるんだったら導入しても大丈夫だということをおっしゃっているんですよねと言われるのは、ちょっとはっきり申し上げて、この三重県まで来てそういうふうに揚げ足を取られるようなものの言い方をされるのはちょっと不快ではありますけれども。
 伊賀市というのは今人口は9万人ぐらいいらっしゃるんですよね、たしか10万人か9万人ぐらいだったと思いますけれども、そこで5組ということは、9万人のうちの8.9%といったら大体8000人ぐらいが性的要素における少数者であると仮定をした場合に、そこでの5組というのはどうなんですかね。それで伊賀市で理解が深まってきたと言われても、ちょっと矛盾しているように思いますが、私は。分かりますか、たった5組のためにそこまで頑張らなくていいんじゃないですかと、もっとやるべきことがほかにあるんじゃないですかということです。
 私たちを理解していただくために伊賀市が頑張ってくださっていることはすばらしいことだと思うんですけれども、パートナーシップ制度で理解をしてもらうということではなく、パートナーシップ制度も伊賀市がやるということを止めるつもりはないので、伊賀市のほうでやるんだと、伊賀市民の皆さんがパートナーシップ制度は伊賀市に必要なんだと御判断されているその総意に反対するつもりはございません、そんなことを反対する権利はございませんので。ただ、実績として5組しかないということをどう捉えるかですよね。5組しかなくて理解が進んでいると言われても、8.9%いるはずなんだけれどもなというふうに考えると、これは見方の違いだと思いますけれども、もっと違うアプローチが自治体にとって必要なのではないかなと、そういうことも考える時期なのではないかなと、もう5年たっているわけですから、導入当初みたいに、導入することが全てハッピーなんだみたいなことではなく、やはり導入した後にどういう推移を通ってきて今があるのかということを検討する段階に入っていると私は考えるので、伊賀のほうでも、やはり本当にこれでいいのかということを検討していただくということも大事なんじゃないですか。2016年ぐらいでしたよね、たしか導入されたのって。もうですから4年ぐらいということになりますから、そろそろアップデートをするということを、やはりもっと広く、8.9%というと8000人いるわけですから、やはり広く市民なり伊賀のほうにいらっしゃる皆さんに改めて問うてみるということは、性的要素における少数者当事者だけじゃなくて、やはり広く有権者の皆様あるいは市に住んでいらっしゃる市民の皆様等に問いかけてみるというのも一ついいことなのではないかなと思いますけれども。
 ただ、申し訳ないんですけれども、パートナーシップ制度があるから理解が進むとは思いません、申し訳ないんですが。

○稲森委員 僕しゃべり過ぎですね。

○北川委員長 ちょっと限られた時間ですので。はい。

○稲森委員 感想を言えば、理解増進で理解増進が進むんかなという結論が僕の受け止めとしてあるんですけれども、感想として申し上げさせてもらいます。すみません。

○近藤参考人 感想は感想としてお聞きするんですけれども、私はマイノリティーとして、マイノリティーの中のマイノリティーとしてお話をさせていただいているわけですから、特別委員会においてマイノリティーの話を聞くということで多様性ということでお話を聞いていただいているはずのところ、それを否定されるようなことを申し上げられるのは非常に不快だということはちょっと申し上げておきたいと思います。ありがとうございます。

○北川委員長 ちょっと不快と言われると、あくまでも参考人聞き取りの場なので、そのあたりは申し訳ないですけれども、十分お考えいただきながら発言をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

○藤田委員 まさにお話をお伺いしとって、最後のほう、三重県にできることは何かというところで、やっぱり選択肢を増やして、制服の件ですけれども、生徒に選ばせる機会を。私はこの点についてはもうまさに同じ考え方なんです。要は、おっしゃるように、理解をどう深めていくかということについてはもう全く同じ考え方ではありますけれども、そのことと、今、ちょっとパートナーシップの話が出たので関連しての発言をさせていただくんですけれども、伊賀市民の中で5組というお話をお伺いして、少ないという話をされましたけれども、少なくとも5人いらっしゃる。全国で1000組いらっしゃる。こういうことは、これはその方たちの選択肢を増やすという点では有効なのかなというふうに私は思うんですが、その辺のところで、何かそのことでマイナスになるようなところがあればお聞かせいただきたいというのと、その辺のところの御意見をお伺いできますか。

○近藤参考人 まず、パートナーシップ制度はゴールではございませんので、通過点ですので、皆が求めているものは、私たちも結婚したいということですよね。婚姻したいと、好きな人と結ばれたいと、好きな人と自分の人生を歩んでいきたい、自分の人生を全うしたい、完全燃焼したいと、その通過点に過ぎないと申し上げているわけです。その通過点の1000組というのが、1000カップルじゃないですからね。同じ人が2回も3回もできるわけですから、この1000組というものが果たしてどうなのかというところも精査しないといけないと思いますけれども、申し訳ないんですが、たった1000組だと思います。というのは、私たち日本人が1億2000万人ですか、いる中で8.9%といったら何万人いるんだという話ですよね。カミングアウトしている人がほとんどいないわけですよ。ことこのパートナーシップという話をすると、カミングアウトしている、自分たちの存在を表に出せる人のメリットだけを考えて議論されているきらいがありますけれども、カミングアウトできない人、カミングアウトしてもできないで生きている人、自分がそうだということを言わずに生きている人、そういう人のことをやはり考えていただきたいんですよ。
 パートナーシップ制度、あってもなくても使いませんから、ほとんどの人は、申し訳ないんですけれども。そこを申し上げているんです。だからそれでもやるんだというなら結構ですけれども、ほかにお金もかけないといけないところがあるじゃないですかとか、そういう意見もあるので、参考人としてお伝えしているんですけれども。マイナス要素もだからないんですよね。なかったって困っていないですし、別に。好きな人とつき合って一緒に住んでいるわけですから。みんながみんなパートナーシップを求めていると思われるのは困るという御認識をいただきたいわけです。
 それと、費用対効果でしっかり見ていただきたいわけです。何億、何十億と予算をかけていただいて出てきたものが5組、10組の話だといったときに、県民に対してどういうふうに申し開きをするのかということも大事なんではないでしょうか。それよりも、分かりますよと。性的要素における少数者の人が8.9%いることは分かりますけれども、命に関わることであるとか子どものことであるとか、子どもが生めないことであるとかにかけてもらえないかなというところも検討したらいかがですかということが私たち当事者の中でも多くあるということをこの場をかりてお話しをさせていただく次第でございます。

○藤田委員 後半でおっしゃられたことというのは、私ども県議会議員としていろんな課題を持ってみえる皆さん方の課題を解決するために、今日ここにお集まりの委員の皆さんは、それぞれの部署で真摯に取り組んでいただいておるというふうに私は思っておりますし、その中の一つとして、いろんな選択肢があってしかるべきだというふうに私は思っておりますし、そのことの一つがパートナーシップ制度であるならば、やはり今のお話の中で人数が少ないんだということの内容で、もっとほかへやったほうがいいんではないかということについてはちょっと私の感覚とは違うなというふうには思わさせていただきましたけれども、そういう考え方もあるのかなというふうには思いますけれども、後半の部分というのは、議会人としていろんな課題をいただいておりますし、その課題については何としてもという思いで関わっていることだけは申し上げたいというふうに思いますし、同時に、おっしゃったように、カミングアウトできない人たちがたくさんいる、これも事実だと思います。そこにこそ私は大きな問題があって、そのことで生きづらくならないような三重県をつくりたいというのがここへお集まりの委員の皆さん方だと思いますので、その辺はいろんな方法も考えながら対応したいなと思っておりますし、その一つとして、LGBTに限ったことではありませんけれども、差別があるのであれば、それはなくしていこうというふうに思います。やはり、啓発と条例、仕組みというのは両輪で回していくべきだというのは私の思いですので、私の意見を申し上げて終わりにします。

○山本委員 多様な本当に広がりのある問題の中で、今日は一端を教えていただきましてありがとうございます。
 今、既存の制度で対応することも大事だという、もちろんそういう欠陥がいろいろ今の制度の中でもありますから、そういう対応を求めながらも、なかなかそれが現実追いついていかないということの中で、パートナーシップ制度などがちょっと広がってきているとは思うんですが、ですから一番初めに言われた制度の問題、大事だと思うんですけれども、今のお話で、本来は結婚という婚姻制度ということがあなたとしては望んでいるところじゃないですかとLGBTの方がというお話がありましたが、ということは、意識の醸成や理解を進める中で、最終的に婚姻法というか、戸籍法、民法の改正というところへ、最終的にですよ、望みとしてはそういうことがやっぱり必要だということをもって考えていらっしゃるのかということが一つ。
 それから、本当に形をつくっても実際に理解されなくておれば意味がないということは、それは事実だと思うんですが、これ、今、理解を求め啓蒙していくことの中で、未来予想図としてはこの後、どういうふうな、例えばどのくらい先にとか、未来予想図として今思い描いてみえる一人ひとりがLGBTに限らず、豊かな一人ひとりが個人が達成されるようなということを今思い描いてみえるのかということが二つ目です。
 それと、今お話を聞いていて、LGBTということでお話をいただいているんですが、今はSOGIということへ広げて活動しているというか研究をして運動しているというところもあるんですけれども、このLGBTからSOGIへ進化をしていくというこの中で、そのことについては、だからSOGIというのはみんな一緒のそれぞれの多様性なんだということなんですが、そこのところの考え方についてどう考えていらっしゃるかと、三つお願いしたいと思います。

○近藤参考人 大変恐縮ではございますが、性的要素における少数者が皆不幸だと、大体の議論の中で、あたかも性的要素における少数者がみんな不幸だというような、そういうことではないということを改めて申し上げたいと思います。性的要素における、その性的要素で生きているんじゃないということです。皆さんもそうじゃないですか。ここに今お集まりの皆さんが自分の性的要素を意識してお仕事されているかということです。働く、労働をするということにおいて、自分のセクシャリティを前面に出して仕事をすることはありません。ですので、性的要素というものは本当に小さなパーツなわけです。ですので、性的要素における少数者が性的要素が皆さんと違うということで不幸になっているというような誤解はしてほしくないんですね、まず。
 その上で申し上げるならば、今、民法改定を支持するのかと言われたんですけれども、婚姻のことに関連してと言われましたけれども、LGBTではなく、性的要素における少数者が全員婚姻を求めているわけではないので、そこは誤解なきようにしていただきたいんですよ。だって、皆さんもそうですよね。だって、御近所に結婚していない人はいっぱいいらっしゃるでしょう。男女の関係の中で。その制度ができたからといって、みんなが結婚できる、結婚したくてもできない人だっているわけですから、導入されたから使うかどうかというのは別ですので、使うというのが乱暴な言葉かもしれませんけれども、その上で申し上げるならば、最終的に同性間婚姻というものが日本において認められるようになるためには、憲法改正しかありません。なぜなら、憲法が最高法規だからです。
 2020年1月30日の予算委員会での、安倍前首相の立憲民主党の同性愛者の議員への回答、あれは画期的な回答だったと思いますけれども、安倍前首相は性的マイノリティー、性的要素における少数者の存在を否定することなく、同性婚の議論は大いに結構じゃないかと、憲法審査会で議論しましょうと彼に言ったわけです。物すごくいい答弁を引き出したと思っております。私はその路線で国が真摯に同性間の婚姻を議論し、憲法改正を含めて国民に性的マイノリティーの存在を、そういう人もいるよねと理解の一致を得て同性間婚姻が認められるということを夢見ておりますので、ぜひとも御協力をいただけたらなというふうに考えております。
 性的マイノリティーが幸せになるのはいつかというのは非常に難しい問題で、もう既に私は幸せを感じておりますので。

○山本委員 幸せという意味じゃないです。

○近藤参考人 何をもって幸せと感じるかは人それぞれですし、幸せな人が私は幸せですとか言いませんので、それは軽々には言えないと思いますけれども、その人それぞれに何をもって幸せとするのか、何をもって自分の目的を果たしたと言えるのかはまちまちですので、何とも言えませんけれども、何年かかろうとも理解を深めていくということがとても大事だというふうに思っておりますので、何年ぐらいという、そういうことはちょっと申し上げられないかなと思います。
 ただ、一つの視点として、短期、中期、長期、もしいろんな議論が尽くされて、本当にパートナーシップ制度が我々の理解を増進することに重要に資するものであるということが広く理解の一致を得られるのであれば、短期、中期、長期のどれかにパートナーシップ制度というのが設けられてもいいとは思いますけれども、最終的には憲法で同性間婚姻というものが認められるという形での憲法改正で認められるという形でのゴールがあるとするならば、恐らく、短期、中期の中でそういうことを検討するべきではないのかなというふうには今思いましたけれども。
 最後、SOGIについては、SOGIっていうのはどこかの団体がつくった造語ですので、私はSOGIという言い方はしていないんですね。これは私たち性的要素における少数者をいうのは、性的指向と性自認だけなんですよ。性的指向というのは誰を好きになるかというか、誰に興味を持つかということでの外向きの方向性ですけれども、それに該当するのはLGBになります。性自認というのは自分をどうアイデンティファイするか、自分をどう認識するかですから、内向きの方向性ということでいうなら、T、トランスジェンダーという、それだけなので、SOGIということではなくて、性的指向と性自認ということでお話を進めていただくこと、イコール全ての性的要素における少数者のことをカバーしているわけですから、余り難しく考えていただきたくないということでございます。
 アメリカのフェイスブックだったら、ジェンダーということでいうと何か58種類とか設定されているそうですけれども、どんどんどんどん増えていくわけですよ。だから、どんどんどんどん解釈していくとどんどんどんどん訳が分からなくなってくるということもきっとあると思いますので、議員の皆様におかれては余り難しいところまで踏み込まなくてもいいんじゃないかなというふうには、常にいろんな方をお話させていただく中で感じているところではございますけれども。
 ただ、SOGIということでどこかの団体がつくった頭文字のものを引用されてお話されるのも、別にそれが御都合がいいということであれば別に止める必要はないと思いますので止めませんけれども、SOGIということは私たちの中で一般的な言葉ではございませんので、それがどこでも通用すると思っていただいているのであれば、ちょっとそれは、すみません、そんなことはないということをここで御説明をさせていただく次第でございます。

○山本委員 考え方として伺わせて、私は幸せか幸せじゃないかとか、そういう価値観で今お伺いをしたわけではありませんので、それぞれ個人個人がどの方も、一番初めのほうで言われたように、社会の一員として自己達成、自己達成の方法はいろいろありますし、そのときにアイデンティティという意味合いで、自分の生活や自己の発信というのが疎外なく、皆さんそれぞれ考えがありますので、外に発信することだけがすてきなことでもないですけれども、疎外なく自分自身が生きられればいいなという中で、今こういう問題が取り上げられてきたんだと思うんです。
 いろいろと新しい価値観でお話も伺いまして、ありがとうございました。

○北川委員長 すみません、時間がかなり残り少なくというか、おおよその予定の時間近くにはなっているんですけれども、少なくとも12時までかなというふうに考えますと、あと何名いらっしゃいますか、質問される方。
 では、どうぞ。

○小島委員 今日はありがとうございました。
 最後の三重県にできることは何かというところで、ジェンダーフリー制服のことを書いていただいてあります。まさしくそのとおりだというふうに思いまして、かつてというか何年か前ですけれども、三重県でも異装届、装いが異なる届けです。それを出して、ようやくトランスジェンダーの女性であって男性でという方がいましたけれども、それはやっぱり違うと思いますし、全ての子どもたちがそれぞれのことを認められるという学校にしていくべきだと思いますけれども、ずっとお聞きをしてくる中で、今学校にいる子どもたちも、既に違和を抱えて悩んでいる子どももいるでしょうし、異性愛が当たり前のような教育内容の中で、とても違和感を抱えて今教室に座っている子どもたちもいるかもしれません。
 私たちはこういう差別解消を目指していく中で、どういうメッセージが子どもたちに伝わることが大事だと思われますか。

○近藤参考人 教育ということは非常に大事なことだと思います。未来の日本のためにも、そして未来の私たち性的要素における少数者の人たちの暮らし、人生においても教育というものはとても大事だと思うんですけれども、例えばイギリスにおいてどういうことが起こっているかというようなことで非常に話題になるんですけれども、今日も何かニュースになっているとかいう話を聞きましたが、お母さんがトランスジェンダーイデオロギーに非常に傾倒しておりまして、自分の息子を娘として育てていると。8歳の男の子をですね。教育においては、あなたはトランスジェンダーでいいのよという教育もされていると聞きます。皆さんも思い出していただきたいんですけれども、いろんな世代の方がいらっしゃるので思い出す場面は違うとは思いますけれども、皆さんを自分の時間軸を高校生とか中学生、あるいは小学校五、六年の頃、第二次性徴が起こり始めたような頃にどんなことを考えていたかといったら、自分の性とか自分の人生とかそういったものに定まった方向性というのはなかなかなかったんじゃないかなと思うんです。
 私ももしかしたら感覚がちょっと女性的で、女性とよく話をしていましたから、女性が、女生徒と言ったらちょっと年いっているみたいになりますけれども、女の子と自分の将来とかということを語り合っていたときのことを考えると、まあ今思えば青二才というか、世間を知らない中で、ファンタジーの世界の中で自分の将来を憂えていたなと思うところもあるわけなんですけれども、これを持ち出したことの理由は、自分とは何かというものは揺れ動くわけですよね。恐らく我々も今こうやって40、50、60になっても、自分の人生とは何だったんだろうかということをやっぱり考えあぐねているところはあると思うんです。
 学校教育で何をするべきか、どうしたらいいですかということで言うならば、決めつけないことだと思うんですよね。日本でそんなことを言う人はいないと信じておりますけれども、あなたはトランスジェンダーなんだとか同性を愛しなさいみたいな話はしてはいけないと思いますね。私も子どもがおりませんので、ゲイですから、さっき冗談で末代の話をしましたけれども、私はDNAは残せませんから、子どもとか教育の話はなかなか縁遠いところがありますけれども、自分が小学生、中学生になったときに、例えば今イギリスで、10代のときに、私はトランスジェンダーなんだ、そうだ、私はそうなんだといって乳房を取ってしまうんですね。で、二十歳ぐらいになって、いや、違う、私は女性だと気づいたときにはもう遅いわけですよ。そうやって取り返しのつかないことをしているケースというのが報告されているわけです。トランスジェンダーイデオロギーとかセルフID、これは何かというと、自分で性別を決めるという考え方で、セルフIDというのはそれに法的に根拠を与えてあげましょうという話ですけれども、先ほど冗談で、私が今女と言えば女になるんだという話をしましたけれども、それでいいんだよということを子どもに教えて、子どもが誤った判断をしてしまったときに誰が責任を取るのかといったら、その子どもになるわけですよ。結局は最終的に。だって、御紹介はしましたけれども、それをどうするかはあなたが決めることですよと、あなたの人生じゃないですかと言えるわけですよね。多分何を言っているんだというふうにお怒りの気持ちもわいてくるような話をしておりますけれども、過剰なLGBT教育というのは非常に危険であろうというふうに危惧はしておりますけれども。
 ちょっと曖昧な話になって、具体的なことが言えなかったのはあれですけれども、私もこれから教育の場にはいろいろと関わっていきたいなと、友人にも教育関係者がおりますから、いろんな話を海外の事例を見ると非常に問題があると、そういうのが日本で起こってはいけないと思いますので、いろいろと勉強を重ねて、これからも関わっていきたいなというふうに考えているところでございます。

○小島委員 決め切っていくということではもちろんなくて、全ての人がいろいろあるけれども、この性の課題だけではありません。ここに書いてある同和地区出身であるかだとか、例えば在日という属性を持っているかとか、いろんなことがあると思うんですけれども、それぞれやっぱりきちんと認めていけるということがきっと現場では必要なんだろうと思います。
 でも、とはいえ、高校生ぐらいになると、やっぱり違和があったりいろんな悩みがあるという、先ほど紹介した方もオープンに新聞に出ていらっしゃいましたけれども、三重県の生徒でありました。その子たちが将来三重県という社会に出てくるときに、自分がどうやって受け入れられるのかというか生きていけるのかという、何て言うのかな、安心ができるような、そんなものが必要なのじゃないかと。だから今、この委員会の中で立場、問題はいろいろですけれども、そのことをやっぱり解決をしていくためにどうしたらいいかを考えたいと思っているんですね。
 そう思ったときに、ここは別にLGBT条例を云々する会ではない、全体的な差別解消なんですね。例えば必要だと思う人が必要だと思うときに、何らかの制度や仕組みがあれば、それはもしかしたら安心につながるかもしれませんし、三重県から出ずにここで生きようと、そう子どもたちが判断をする1つの判断材料になることがあるかもしれないというふうにも思うわけです。そのあたりについて、ぜひとか今、がんがん話をするということではなくて、何のために何が必要かというふうに考えていきたいなと思うんですね。今ずっとお話を聞いていると、私は一旦制度や仕組みは導入したらいいと思いますが、真に目指していらっしゃる姿をこの中から読み解いたり、今日のお話の中で受け取らせていただくと、最終的に、何もなければ本当はいいんだろうなというふうに思わせていただきますが、その過渡期として、もうやっぱり教育や啓発は、ほかの問題でも長いことやってきたわけですよ。じゃ、今差別がなくなっているのかというと、そうではない。じゃ、どうするかといったときに、具体の何か仕組みや制度って一度入れてみて、本当にそれが機能させなくちゃいけないと思いますけれども、そういうことが必要なんじゃないかなと思って聞かせていただきました。すみません、質問じゃないです。
 何かあれば。

○近藤参考人 今の小島委員とあと先ほどの山本委員のお話で、非常に今二つの話がつながったんですけれども、今、小島委員がきちんとお互いを認めていくというふうにおっしゃいました。最後のほうで山本委員が皆が疎外なくいられるようにしないといけないと。それを足立区議会で起こっていることをちょっと思い出したときに、あの発言には非常にまずいところはあったと私も思うんですけれども、あの発言の裏には、やはり理解が足りなかった。それで理解さえしていれば、もっと違う言い方ができたであろうと、もっとあの発言を違う形で解釈をすれば、もっと違う形でポジティブな形で化学反応が起こせたのではないかと考えたときに、認めるとか理解をするということはやはり相手が自分とは違わないんだと。要はこういう生き方があってもいい、こういう人がいてもいい、自分はそういういろんな人の中の一人なんだと。だからみんなと違っていたとしてもやっていけるんだという安心感が、これは一つの見方ですけれども、あの方がちょっとやっぱり感じていたのは疎外感だったんじゃないかなと、今お二人のお話を聞いて思いましたので、やはり私たちも疎外感を感じて生きてきたことは確かですし、でも逆に、ほかの普通と言われる人たち、常識と言われる人たちの中にも疎外感を感じることってあるでしょうから、そこを、この人たちが疎外感を感じているんだから、だから助けてあげようではなく、たまにはちょっと広い目で見て、もっと総合的に広くお互いに認め合って生きていく社会をつくっていく、かなり高度な話だと思うんですけれども、でもとても大事なことなんじゃないかと思って、今日は今お二人のお話がすごく融合して、私の中ではこれが本当に大事なことなんだなというふうに思って感動しております。回答ということではなくて、感想みたいになってしまいましたけれども、非常にいい気づきを与えていただけたような気がして感謝しております。

○小島委員 目指すべきところは遠くに置いて、ただ、今何をしなければいけないかを具体に考えなければいけないというふうには思っています。その区議のことをそうやっておっしゃいましたが、私たちは議会人ですので、議会人は議会人としての義務もあるし、それから私は一般の方々よりも、特に人権については高い見識が必要だというふうに思っておりますので、いかがかなと思うところは個人的には大いにありますということをお伝えしておきたいと思います。
 私たちに求められているもの、住民の代表ですから、そういう意味でも襟を正して、そのあたりは、私どもは理解が足りなかったでは済まされないのではないかなというふうには思います。
 ありがとうございました。

○北川委員長 そろそろ時間が延びているところでございますけれども、ほかによろしいですか。御質疑ございませんか。
          〔発言する声なし〕

○北川委員長 なければ、これで質疑を終了いたします。
 この際、参考人に対して委員会を代表して一言御礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中、本委員会のために御出席をいただき、ありがとうございました。このたび頂戴しました貴重な御意見は、今後本委員会での議論に反映し役立てていきたいと存じますので、よろしくお願いしたいと思います。
 また、私から一言申し上げましたけれども、参考人招致はあくまでも議論の場でございますので、御理解いただきたいというふうに思います。
 本日は誠にありがとうございました。
 それでは、以上で参考人からの聞き取り調査を終わります。近藤様、ありがとうございました。
 参考人が退出されますが、参考人からの聞き取りに関しての委員間討議につきましては、午後の条約、法令の調査の後、午後の調査分と併せて行いたいと思いますので、ここで一旦お昼の休憩とさせていただいて、再開は午後1時とさせていただきたいと思います。
 それでは、暫時休憩いたします。お疲れさまでした。
          (休  憩)

2 差別の解消に関する条約及び法令について

○北川委員長 休憩前に引き続いて委員会を再開いたします。
 改めてですけれども、この後、差別の解消に関する条約及び法令の調査を行いまして、その後、次の参考人招致の出席要求について諮らせていただいて、その後、3番目に、今日の参考人招致とそれから条約、条例の勉強も含めて委員間討議という順序で進めさせていただきますので、御承知おきをいただきたいと思います。
 まずは、差別の解消に関する条約及び法令について調査を行います。
 それでは、差別の解消に関する条約及び法令の概要について、お手元に配付の資料1により事務局から説明させますので、お聞き取り願います。
 なお、内容が多岐にわたりますけれども、申し訳ないですけれども、一括して説明を受けて、その後まとめて質疑の時間を設けたいと存じますので、御了承願います。
 それでは、事務局、袖岡政策法務監から説明をお願いいたします。
                           (事務局説明)

○北川委員長 まとめて説明をいただきました。ありがとうございます。
 換気休憩の時間となりますので、約10分間程度休憩ということで、再開を14時とさせていただきます。
 暫時休憩いたします。
          (休  憩)

○北川委員長 委員会を再開しますけれども、質問に入っていただく前に、事務局から発言の申出があります。

○袖岡法務監 すみません、先ほどの資料1につきまして少し訂正がございます。
 9ページを御覧いただきたいと思うんですけれども、9ページの一番下のところの米印で、本法案に基づく組織の概要についてはという2行がございますが、すみません、これは少し途中でこういう図を入れておったんですが、削除した関係で、本当は削るべきものでございますけれども、削るのが漏れておりましたもので、ここで訂正させていただいております。どうも申し訳ございませんです。

○北川委員長 それでは、先ほどからの事務局からの説明に対して御質問等がありましたらお願いいたします。いかがですか、御質問。
          〔発言する声なし〕

○北川委員長 なければ差別の解消に関する条約及び法令についての調査を終了いたします。
 
3 その他
(1)参考人出席要求について

○北川委員長 次に、参考人の出席要求について御協議願います。
 先日の委員会において調整中である旨をお伝えいたしました性暴力、性被害の状況等についての参考人の人選について、正副委員長で協議、調整した結果、お手元に配付の資料2、参考人出席要求候補者名簿のとおり、おやこひろば桜梅桃李代表であります心理カウンセラーの柳谷和美様に10月23日金曜日にお越しいただくことで調整をいたしました。
 柳谷様は、性暴力被害の当事者としてその経験を伝え、性暴力被害をなくしていくため講演等の活動をされており、貴重な御意見等をいただけると考えております。
 それでは、お諮りいたします。
 柳谷和美様に参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
          〔「異議なし」の声あり〕

○北川委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたします。
 次に、参考人招致当日の委員会の運営方法ですが、正副委員長に御一任願えますでしょうか。
          〔「異議なし」の声あり〕

○北川委員長 よろしいでしょうか。では、そのようにさせていただきます。
 
(2)委員間討議

○北川委員長 それでは、次に、委員間討議を行います。
 委員間討議は引き続き公開で行いますので、御留意の上御発言を願います。
 本日の参考人からの聞き取り及び差別の解消に関する条約及び法令の聞き取りについて、御意見等のある方はお願いいたします。

○小島委員 今日、様々お話をお伺いして、その中で、例えば部落問題とか男女とか在日、それから性犯罪被害者等々について、LGBT等に関する理解はまだ進んでいないけれども、それ以外の問題については、それはだめだよねというふうに意見の一致が見られるところですというふうな御発言があったように思います。その一致がありながら、やっぱり実態として差別がなくなっていないことに課題があるなというふうに、改めて今日お聞かせいただきながら考えたところです。ですので、その認識があるのであれば、では何が足りなくて何をしなければいけないのかというのを当委員会としてやっぱりしっかりこれから考えるべきというふうに思いました。

○北川委員長 ほかに御意見ございませんですか。
          〔発言する声なし〕

○北川委員長 特になければ、あと、条約、法令のほうも説明をいただいて、特に質問等は出ませんでしたけれども、この条約、この法令の説明が足らないとか、そんな不足のところも特にございませんでしたですか。よろしいですか。
          〔発言する声なし〕

○北川委員長 なければ、御協議いただく事項は以上でございますが、特に何か御意見がございましたらお願いいたします。
          〔発言する声なし〕

○北川委員長 特になければ、以上で委員間討議を終了いたします。
 最後に次回の委員会についてですが、10月23日金曜日午後1時30分から開催し、参考人からの意見聞き取りを行います。なお、参考人からの意見聞き取りを行った後、いつもどおり委員間討議を行いますので、御承知おきください。
 
〔閉会の宣言〕
                           三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
                                          差別解消を目指す条例検討調査特別委員長
                                                                 北川 裕之
 


 

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