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令和3年2月15日  差別解消を目指す条例検討調査特別委員会 会議録

資料はこちら

差別解消を目指す条例検討調査特別委員会
会議録
(開会中)


開催年月日   令和3年2月15日(月曜日)午前10時1分~午後3時5分
会 議     601特別委員会室
出席     11名
          委員長     北川 裕之
          副委員長   山崎  博
          委員      石垣 智矢
          委員        小林 貴虎
          委員      小島 智子
          委員      山内 道明
          委員      山本 里香
          委員      稲森 稔尚
          委員      藤田 宜三
          委員      東   豊
          委員      中村 進一
欠席    なし
出席説明員   
       [環境生活部]
          人権課長   岡村 益幸
事務局職  企画法務課政策法務監兼班長  袖岡 静馬
委員会書記
           議事課       主査 中西 孝朗
          企画法務課   主任 長谷川 智史
傍聴議員    8名
          喜田 健児
          中瀬 信之
          中瀬古 初美
          下野 幸助
          杉本 熊野
          稲垣 昭義
          舟橋 裕幸
          津田 健児
県政記者    なし
傍聴者      10名
協議事項
 1 新型コロナウイルス感染症にかかる人権相談プラットフォーム会議について(環境生活部)
 2 差別解消に向けた課題等に係る各委員意見の整理について
 3 その他
 
【会議の経過とその結果】
 
〔開会の宣言〕
 
1 新型コロナウイルス感染症にかかる人権相談プラットフォーム会議について(環境生活部)

〇北川委員長 それではただいまから、差別解消を目指す条例検討調査特別委員会を開会いたします。
 本日はまず初めに、前回の委員会において御要望のありました、新型コロナウイルス感染症にかかる人権相談プラットフォーム会議について、当局から聞き取りを行います。そののち、前回に引き続き、差別解消に向けた課題等に係る各委員の意見について、委員間討議を引き続いて行いたいと思います。
 なお、本日も午後3時頃を終了の目安として進めさせていただきたいと思います。換気等もありますので若干ずれ込むかもわかりませんが、それくらいの時間を終了の目安として進めたいと思いますので、御了承願います。
 それでは、まず当局から聞き取り調査を行います。お手元に配付いたしました資料に基づき、環境生活部から、先日5日に設立会の開催がありました新型コロナウイルス感染症にかかる人権相談プラットフォーム会議について説明を受け、その後、質疑を行います。
 なお、本日の調査は、当委員会での委員間討議の参考に資するために、人権相談プラットフォーム会議の概要を聞き取るものであり、会議の在り方等について、当委員会として意見を言う場ではございませんので、その点御留意願います。
 少し硬い言い方になりましたけれども常任委員会マターですので、調査していただいて、議論していただくのはいいんですけども、最後こうこうこうしなさいとか、こうすべきとか、こうしてねっていうことが、うちの委員会から申し上げるという立場にはないので、その点だけ含みをいただきたいというふうに思います。
 また、執行部の出席者につきましては、役職等を問わず、詳細の説明ができる職員に出席を求めておりますので御了承願います。それから、資料については、当局の資料と併せて、参考に感染症対策条例も、机上に置かせていただいていますので、御参照ください。
 それでは、環境生活部岡村人権課長、説明をお願いいたします。

 ア 当局から資料に基づき説明(岡村課長)
 イ 質問

〇北川委員長 御説明ありがとうございました。それではただいまの説明を受けまして、各委員の皆様から御質問が あれば、お願いをいたします。

〇山本委員 制度として、相談の内容や、それぞれ相談者の方の実態っていうのは千差万別なので、きっとその対応はこれから苦労することにはなると思うけど仕組みを作ると。
 一つ心配なのは、相談しやすい形の中で匿名で相談されて、助言、アドバイス、そして後押しということに、そこまで丁寧にしていただくわけですが、これまでも女性相談などで、相談員が、結局はいろいろアドバイスをしても、一歩踏み出しやすいようにしているわけなんだけど、結局付き添って、それぞれのところに、一緒に行ったり、相談内容を伝えるのに仲介したりとかいうことを実際にされて、苦労されているんですけれども、そういった実質的な、そこへ後押しをして相談できやすいようにするまでなんですが、その助言の中で、誰々が付き添うことができますとか、そういうことまで含まれる体制として、いろんな方がみえるので、この背景にそこまであるんでしょうか。

〇岡村課長 問題だとは思っているんですけども、今の相談体制という形で関わらせていただきますので、犯罪被害者の聞き取りもしていただいたと思うんですけども、あちらですとコーディネーターという方がいらっしゃって、特に、そういう犯罪被害者という特殊な状況に置かれた人権侵害の被害者に対して、より完全に寄り添った形で、伴走しながら支援していくという形の支援までを想定しているんですけども、今、私たちの与えられているその相談の体制というのは、いわゆる、一応助言と言いますか、いわゆる言葉の範囲内まででございますので、こうしたらいかがですかとかいうようなところまでですので、ちょっとそこら辺までは、件数的キャパの問題とかもいろいろあろうかと思いまして、まずは、このやり始めてどれだけ大変な問題になるかというのも少しわからない中でも進めているような状況でありますので、次の段階でそういうのが必要であるかどうかというのもまた検討していかなければいけない課題かとは思っています。

〇山本委員 課題として捉えてらっしゃるということの中で、とにかく始めて相談しやすいように、その相談先の方にも丁寧に、事前に説明をしてあるから、行きやすいですよみたいな形で今から始められるということだと思います。
 実際どのように展開していくかわかりませんけど、今までの性被害者のこともそうだけど、女性相談の多くの女性相談員が、結局、付き添わなければいけないし、その御家族を家庭の中に入って支援までしないと、なかなか難しいということが、それは相談した後で進展していくことだと思うんですが、所定のところで、今実態を見ていただいてその時には臨機な、また、後での付け足しというか、そういうようなことも、たくさんのメンバーの方に入っていただくので、そういうところの支援もいただけると思うので、そこのところをやっぱり課題として持っていっていただきたいなというふうに思います。今すぐにということは、この制度の中ではそこまでだということですけど、実態としてつかんでいただいて進めていただきたいなと思います。

〇北川委員長 よろしいですか。ほかに御質問はいかがでしょうか。

〇藤田委員 そもそも、このプラットフォームというのは、新型コロナウイルス感染症にかかるものだけなんでしょうか。まずそれを確認させてください。

〇岡村課長 こちらタイトルにありますように、新型コロナウイルス感染症にかかるというふうに限定させていただいています。といいますのも、いわゆる12月に制定させていただきました、感染症対策条例へのまず第一歩、相談体制を確保するという形がございましたので、こういうようなものを打ち立てていくという形で発案をさせていただいたものでございます。

〇藤田委員 それは、そうすると、この条例に基づいて作っていただいたということなんですが、それは何条に該当しますか。

〇岡村課長 具体的には第10条の第4項でございますね。県は、感染症の発生、まん延に起因する人権に関する問題について、教育活動及び啓発活動を通じた正しい知識の普及、次です。相談に応ずる体制の確保その他の必要な対策を講ずるものとするという形で、何か寄り添える支援ができないかということで考えさせていただいたものです。

〇藤田委員 ちょっと私が気になったのは、この点なんです。この条例で、相談体制を作るという、体制を確保するという、この表現であるにもかかわらず、先ほど、山本委員が質問されたように、ほかの障がい者の条例、それから犯罪被害者の条例で置いているような、コーディネーターであるとか、支援員という、こういうものが、この条例では置けない。今、助言の内容はそこまでなんですという説明をされたんですが、この文言ではその体制ができないということですか。

〇岡村課長 他の条例をちょっと詳しく把握しているわけではないんですけれども、そういう相談員を置くとか、この前の障がい者の差別の条例の方ございましたけど、そういう項目があってシステム的に回っているものだというふうに認識していまして、この文言だけでっていうような言い方ではございますけれども、我々の相談体制よりは少し手厚い形ではさせていただいているというものでございます。

〇藤田委員 我々のよりも、深いというかもう少し入り込んだ体制というのは、どういう意味ですか。

〇岡村課長 説明が足らなくて申し訳ありません。人権センターで、今、人権の相談等を受けていますけれども、そちらでは、さすがにその相談内容を、例えば警察署の方に直接共有してというような体制まではとってないという意味で申し上げました。

〇藤田委員 わかりました。おっしゃるように、今までの体制よりはこれ、もう一歩も二歩も進んでいただいたというふうに思うんですが、やっぱり、先ほど山本委員がおっしゃったように、それぞれの方が、最後までどんなふうにやっていくんだっていうような内容までの体制をやっぱりしないと、本当の助言の体制にならないかなというふうに思いましたんで、やっぱりこういう表現では、助言までしかいかないんだっていう確認だけ、私はちょっとここでは確認をさせていただきたいというふうに思って質問させていただきました。また後ほど質問させていただきますけど、その確認だけしたかったということです。

〇北川委員長 ほかの御質問いかがでしょうか。

〇小島委員 条例ができて、先ほど第10条の4項とおっしゃいましたけれども、それで、やっぱりこういう動きにつながったということは、本当に意味があるなと思いますし、非常に早く動いていただいたことには感謝を申し上げたいと思います。その上で、まず確認をさせていただきたいというか、例えば、この図の中のマル2の支援要請の条件って、ア、イ、ウって書いてあるんですけれども。これ、アンドですよね。ア、イ、ウは全部アンドだと思うんですけれども。例えば、こういうことを想定しているということがありましたら、御紹介いただきたいと思うんですけれども。よろしくお願いします。

〇岡村課長 先ほどの資料に3例ほど挙げさせていただいたのが、代表的なものでございまして、なかなかこちらの方の定義は難しいとは考えています。
 今の実例で考えますと、ある料理店の方のSNSで、根拠のないデマで損害を受けたというような案件もございました。これは、新聞報道等もされたと思いますのである程度、ちょっと御説明できるかなというふうに考えているんですけども、あの場合ですとその市の方にも御相談をされましたし、その後、警察署の方に御自分でやられたという形で、いわゆる御自分でできる場合というか、様々できたからよかったようなものっていうのはあるんですけど、そういう場合は直接やっていただけるんですけれども、あの場合でちょっともう御自分でできない、でも、悩んでいらっしゃるという場合に、市を通じて、このプラットフォームに相談があった場合に、先ほどのような、後押しをするような支援ができるんじゃないかというふうに考えています。
 ちょっと例としてはそんなにたくさんあるものではないと思っていますので、仮にそういう実例であればそういう支援ができたんじゃないかなということで説明申し上げました。

〇小島委員 警察が入ってですとか、それできちっと解決に向かうであろう案件は、ちょっとこんな言い方をしたら語弊があるかもしれないけれども、解決策は明快であるというふうに思うんですね。けれども、この人権相談プラットフォームに寄せられる様々な相談は、そうではない。どうしたら解決できるかが、なかなか難しい案件がほとんどであろうと想像されます。
 そこで、第1の相談窓口に市町等がありますけれども、例えば、市町等からプラットフォームにこれは上げていこうという判断はどなたがされると想定してらっしゃいますか。

〇岡村課長 こちらはチラシなりで、いわゆる広報なりで考えているのが、相談者の方の御判断で上げてくださいというふうにお願いをしている形ですので、それに、先ほどの事例3例ほどですけれども、例えばこういうものなら上げてくださいというふうに御案内を差し上げている状況です。

〇小島委員 差別を受けたと思う人の申出によって、市町等あるいは人権センターの窓口等に相談が持ち込まれて、これはというものについてはプラットフォームにということなんですが、例えば、被害、加害ということが、相手があって明確な場合、それは誰の権限で、その何て言うんですかね、被害者の申立てだけで本当にそれが事実であるかどうかということの確認がなしに、プラットフォームに上がってくるということはないっていうことですか。

〇岡村課長 事実関係が明らかであるかどうかは、図の一番右の方の各支援実施機関、いわゆる例えば警察とかでそういう事実関係を確認するとかそういう話になるもので、いわゆる相談窓口に来た内容につきましては、御本人の申入れをまずは受け入れて、それに基づいて支援を要請するという形になろうと思います。
 ですので、それが事実であるかどうかとかいうような、厳密な確認みたいなものは、窓口がしなければいけないってこともないと思いますし、我々も、その提示されている内容に関してお受けするんであればこういうような対応ができるんじゃないかと思いますというふうにお返しするという流れになるというふうに考えています。

〇小島委員 そうするとどこに問題点があって、どなたに非があるかって個人的な場合、そこはなかなかこの仕組みにおいては、明らかにされにくいですよね。申し出てきた方の思いに寄り添ったというふうに書いてありますが、現実に、具体に寄り添うわけではなくて、お気持ち的に寄り添っていただくっていうお話だったと思いますけれども、問題点は明確にされないということですね。そのことをまず確認させてください。

〇岡村課長 まず、前提が相談でございますので、相談に関しては、いわゆる申し出いただいている内容をまずは全面に受け取るということでございますので、それが間違いじゃないんですかとかいうような話はよっぽどじゃなければしないと思います。それらを元に提案をさせていただきますので、いわゆる相手方に確認を取るような行為は、我々はできませんし、やりませんということになります。

〇小島委員 ありがとうございます。それから、先ほど犯罪被害者支援条例等には、コーディネーター等が書き込まれていてそういう仕組みがあるけれども、あるいは言葉の範囲内でキャパの問題もあるというふうにおっしゃいました。解決に向かうかどうかという判断なんですけれども、あくまでも相談者の自己責任だと思うんです。どうしたほうがいいよというのを受けて、そこから先動くかどうかはその方の責任ですよね。そういう受け取りでよろしいですか。あくまでも解決に向かうのは方法については、こうしたらどうですかとサジェスチョンをするけれども、そのことを受け入れて、自分が動いて解決にまで導くかどうかは、その方の力、あるいは責任であると。

〇岡村課長 まず、相談業務、相談というのは、まさにそういう情報を経て、自らのいわゆる判断というか選択のもとに、どうやっていくかというふうにお考えいただき、それまでの過程の支援だというふうに考えています。ですので、できるだけ多くの選択肢を与えられるようにというような形で、皆さんが集まって整理したものを与えたいというのが、今回の趣旨になるということで御理解いただきたいと思います。

〇小島委員 ありがとうございました。結構です。

〇北川委員長 ほかの皆さん御質問はいかがでしょうか。

〇小林委員 窓口を市町に置くということなので体制としても29市町と連携が取れているということでよろしいですね。

〇岡村課長 今回この相談窓口と書かせていただくところまで、実は組織的に何かをするという方法ではありません。例えば、民間の相談窓口等もございますし、市町というのもいわゆるよろず相談という形で、コロナにかかわらずいろんな相談がみえるというのを前提として、ここに、などというふうに書かせていただいたものですので、いわゆる全県的に相談のいわゆるシステムを、これを基に整備したというものではありませんのでそこら辺御理解ください。

〇小林委員 窓口広くというのはとてもいいことだと思うんですが、やっぱり行政機関ってのは比較的県と近しい関係にあると思うので、ここはもう少し深く踏み込んで、直接しなきゃいけない連携が整備されてもいいのかなあと思うんですが、いかがお考えですか。

〇岡村課長 もちろん市町が、相談を受けた内容が大きい小さい関係なく、いわゆる市町の方から、いわゆる報告という形で情報提供は、人権センターとかは得ておりますので、全く情報交流がないというわけではないです。
 ただ、自動的にそういう案件が全部上がってくる、例えば件数が定期的に報告されるというようなそういうシステマチックないわゆる体制は、法やそういうもので決まっているものではございませんので、あくまでも情報共有をさせていただいて、より相談体制を整備していくためにどういうふうに連携していくかということで、お考えいただければというふうに思います。

〇小林委員 前回、似たようなことはお伺いしたと思うんですが、障がい者の関係のところですけども。やっぱりこういったものっていうのはこれ、こと新型コロナウイルス感染症っていうのはおそらく、一度駆逐されたら、次は10年後とか、そんなことになって、みたいなものはないと思うんですが、やはりほかのウイルス感染症で、また、日本全体がとか、あるいは世界全体がっていうことっていうのは、やはり想定されることなんだろうと思うんですよね。そういう時にも要するに機能するんだろうと、こういう相談体制がですね、と思うんです。そうすると、その原因は違った病気であったとしても、対応って何やったというところっていうのは当然出てくるわけで、それを踏襲するための、例えば情報の蓄積であったりとか、データベース化であったりだとか、あるいは、こないだ全然別の事例でデモを三重県初ということで、選管の相談、AI使って判断して回答するみたいなものがあったんですが、そういったところまでこの情報を蓄積して今後に生かすようなことってのは考えておみえなのかなということをお伺いしたいんですけども。

〇岡村課長 残念ながら統計的にどういう分野の件数が何件あったかというのは、少なくとも人権センターで、その人権相談窓口の範囲内で、分析っていいますか統計はとっていますし、それで、どういう分類の相談が多かったかというようなことは把握はできるかもしれませんけども、いわゆる、その内容に関してのそういう詳細な分析というものが実際のところ、今委員の方から御提案いただいた中にはその背景としてあるんじゃないかという御質問だと思いますので、ちょっとそこまで、例えばそういうAIとかいうようなものも含めては、ちょっともう想定できない状況で、ちょっと今後の課題にするかどうかも少し難しいかもしれないと思っているんですけど、そういう御意見も当然かとは思っています。

〇小林委員 わかりました。それではちょっと本題に入っていきたいと思うんですが、相談の種類っていろいろあると思うんですね。その中で相談をされた被害者、本人の支援っていうのが当然あるんだろうと思います。これに関して何かしらのケアであったりとか、とりあえず聞くことがまず何よりも最重要課題だということで、その場で、ある程度解決がつく、ないしは、心身のものであれば、そちらに対しての相談ということで、多分助言ができるんだろうと思うんですね。
 それで、例えばその制度の充実なんてことを求める声もあるんだろうと思うんですが、これはまた、制度を作る側でそれを取り置いて、何かしらの改正が必要であれば対応するということになるんだろうと思うんですが。
 当然、先ほど小島委員もちらっと言われたような加害への関与っていうものが想定される場合もあるんだろうと思うんです。それは、もう答弁いただきましたので、あくまでも事実認定もしないと。準司法的な組織ではないんだということでお話をされました。
 この条文には禁止が明確に書いてありまして、差別をしてはいけないと、その他の権利利益を侵害する行為はしてはならないと、差別禁止条項を記載した上で、その加害への関与まで踏み込まなかった理由があればお聞かせください。

〇岡村課長 差別をしてはいけないというのは最初に私も委員会の方でさせていただきました、人権条例にも書いてあることですし、元を正せば、憲法の方で、もともと差別をしてはいけないということは明記をされているんですけども、それを、どういうプロセスでやるかというのは、やはり法的に背景が必要だとは考えておりますので、今、我々にはそういう形での、いわゆるミッションといいますか、そういう権限なりは与えられていない。それをやるところについては、例えば先ほどの警察署であるとか、法務局という形のところが所管をしているので、私たちは、そういう事実関係というところも含めて、そちらの方へお譲りし、まずは相談の方を豊かにしていくという使命ではないかというふうに考えているというところです。

〇北川委員長 ほかの皆さんいかがでしょうか。

〇山内委員 2点ちょっと確認をさせていただきたいんですけども。
 1点目なんですが、2ページの相談内容の共有の同意のところなんですが、相談者が同意した場合に限られるということなんですけども、同意しないケースも考えられるのか、また同意しなかった場合はどうなるのかとかですね。おそらく同意をしていただくことが望ましいと思うんですが、同意を得るためにどんな説明をされるのかとか、そういったところをちょっと教えていただきたいんですが。

〇岡村課長 匿名で相談したいというような場合もあろうかと思いますので、いわゆるその氏名やそういう住所やとかいうような、そういうパーソナルな部分は、言えないけれどもというようなので上げていただく可能性はあると思います。ただ、その場合ですと、後のそういう後押しとかいうような場合は、少しちょっと紹介の方がしにくくなりますので、そういうところを考えながらも、いわゆる、今やろうとしていることは、相談窓口の中間支援ですので、必ずしも直接的に御本人というよりは、相談窓口の方が困っている内容を専門的な見地で支援するという観点で、関われるんであれば、必ずしも本来だと同意をしないとその相談内容は出せないんですけど、名前は言わないから、ちょっと内容だけ相談してもいいっていうふうな形は、あるかもしれないなというふうに考えています。

〇山内委員 ありがとうございます。ある程度、丁寧に推進をしていただける状況というのを確認させていただきました。
 もう1点ちょっと細かいところなんですけども、5ページのところの資料2の情報の公表の第9条のところで、感染症の患者、医療従事者等に対する差別や権利利益の侵害行為の防止ということで、この医療従事者等に、例えばその保健所の職員であったり、専用の相談窓口の職員が含まれるのかどうか、ちょっと教えていただきたいんですが。

〇岡村課長 こちらの情報については医療保健部の方のまず条例ですもんで、ちょっと私が少し把握してないということで申し訳ないんですけれども。この部分については、情報の公開の方を、いわゆる感染管理等のいわゆるバランスの中でやっていく必要のあるものは公表していくという内容になっていますので、少し今回のちょっとその相談の内容とは異にするものですので、申し訳ないですが今お答えできない状態です。

〇山内委員 ありがとうございました。

〇石垣委員 すいません、1点確認をさせてください。新型コロナウイルス感染症にかかる人権プラットフォーム会議ということで、まずは相談者の方々が広く相談できる、その体制整備というところだと思うんですけれども、この相談者の方が相談をされてから、窓口から支援要請があってプラットフォームで対応案の提示をして、助言に至る、この相談者から相談があってから、助言に至るまではどれぐらいのスパンを考えられているのか、ちょっとお聞かせいただきたいと。

〇岡村課長 条件の方にもありますけど、その緊急性への対応によって、スピード感は変わってくると思います。個別会議という形でとはなっていますけれども、いわゆるその会議の日程を合わせてなんて言っていると対応できないような状況も出てきますので、いわゆる個人情報の漏えいに十分留意した上で、メールなり、なんなりで、各機関の方へまず情報の方を共有して、出せる提供、していただく内容を、いわゆる文面でやるという、文書会議というのも、書面会議のような形も、緊急的にはやらなければいけないというふうには考えていますので、できたら、その膝詰めでいろんな検討を、いろんなことをしてらっしゃる機関ですので、その他のところでのヒントも与えていただくんだといいんですけれども、少なくとも、それぞれの所管が責任を持ってこういうことができるということだけは、まずは返せるような形の、いわゆるそのタイムリミットというのを考えながらやらせていただこうと思っています。ただ、これまだ実例等はございませんもので、そういう形で考えているというところで御理解ください。

〇石垣委員 そうすると内容によって早急に対応しなきゃならないものは即座に参集と書いてありますけれども、人が集まる、日程調整とかではなくて、それこそオンラインの会議だとかも踏まえながら早急に対応するという理解でよろしいでしょうか。

〇岡村課長 そういう前提もあるというふうに考えてやっています。

〇北川委員長 ほかに御質問ある方、いかがでしょうか。

〇中村委員 今、質問と答えをずっと確認をさせていただいて、自分自身確認させてもらったのは、あくまで今回、私も、条例ができることによって、少しでもコロナで差別されている方たちの心が和むような、そんな差別解消の部分を作ってほしいなと思っておったんですが、今の話ですと、条例自体ずっと本当にプラットフォームができて非常に私自身もよかったなというふうに思っております。
 ただ、お話聞かせてもらいまして、確認させてもらったような、やっぱりこれは、あくまでも中間支援であると。それから、届出の後押しをしていくんだ。だけども、これはコロナに関連したとこだけなんだって限定があるということ。それから、私らから言うと、たくさんある差別の中の、一つの解消の一部、まずそのように捉えさせてもらっているんですが、それでよろしいでしょうか。

〇岡村課長 まさに今、喫緊の課題として上がっている問題として条例も制定されたということですので、委員言われましたように新型コロナウイルス感染症に関してという形でさせていただいていますけども、構造的には全て同じ差別の問題はありますが、今回着手させていただいているのは、この部分だけということで御理解いただきたいと思います。

〇中村委員 ここの委員会で以前に、最近の差別の状況、このコロナに関連して差別の状況という資料を、少し拾ったやつを、あまりにもその中身がもう読むにも耐えない、ネットの部分ですけども、耐えないもんですから、ちょっとあれですけれども。部落差別、ヘイト、障がい者に対するそのことと、このコロナを関連させた差別用語は、ネットにもう僕らが信じられんぐらいたくさんあるんですよね。で、その中に、例えばあれですけれども、くそちょんこ北に帰れとか、ブラジル人はカスばかりとか、こういうような、ほかにも、他の国の方たちにもひどい言葉がずっと飛び交っているんですけれども。こんな中で、もし、思春期の子がそれを見て、該当というか、そこの国の方たちがそれを見て、もう人は全部強くないですからね。もうショックを受けて、親が、うちの息子これ見て大変やと最寄りの市なり行政に駆け込んで、もう何かもうおかしくなっていった、何とかしてよっていう、そういうことが出てきた場合っていうのは、どこまで対応できるのか。

〇岡村課長 今、事例で出していただいたのがヘイトスピーチというような形になろうかと思うんですけれども、まず、そういう侮辱であるとかの名誉毀損とかいうような内容に関してはいわゆる個人を確定する必要がありますので、なかなかそのヘイトスピーチというのは、ある特定の団体に対して、団体や、そういうグループに関しての、いわゆる誹謗中傷になるわけですので、いわゆるその誰が被害者かっていうような確定のところが少し難しいというのが課題だと思っています。
 そういう意味でインターネットでのそういう書き込みに関しては誰が被害者というのが本当は、書き込みの削除の前提となるところがあるんですけれども、例えば部落差別、そういうヘイトスピーチに関しては、そういう一般のグループに対しての書き込みに関してもこれは適切じゃないということで、法務局の方が、そのプロバイダーなりに削除要請なりをするような方針は法務局の方で決めてらっしゃると思いますので、我々はこういう状況がありましたというのは、法務局の方にいわゆるお知らせといいますか、情報の方は提供させていただくという体制にはなっています。
 ただ、次の段階として、より相談された内容の方で、個別にやっぱりそういうものを読んで非常に心痛めてらっしゃるという方も当然あるんですけれども、その部分については、お子さんであればその学校であるとか、そういう周りを支える方々でのそういう支援の方を豊かにしていかなければちょっと対応できない形になりますので、元を断つという話と、それから、個人を支えるという話については、また別々の手法で、アプローチしていかなければいけないんじゃないかなというふうに、私としては考えているんですけれども、どちらにしても、直接的に我々が最終的な決定を下せるようなところではございませんもので、私たちが相談を機に派生していく先としては、そういうところを想定しているということでお聞きいただければと思います。

〇中村委員 ありがとうございます。コロナ関連で、そういう差別事象があるかどうかという問合せに対していただいた資料が、今みたいなのが入っておりましたんで、もちろんヘイトとか、部落差別とかそういったことには、いわゆる複合的な、そういうケースもあるので、非常に難しい。だからこそ、これもう本当に何度も何度も何度もこの会議開いて、あるいは新しい条例、このプラットフォームのこの相談体制は、体制として大事ですけれども、さらに何とかできんだろうかっていうのを議論しておりましたんで。ありがとうございました。

〇北川委員長 ほかに御質問の方いらっしゃいますか。

〇藤田委員 ちょっと具体的なことを教えてください。この相談窓口というのは、民間も含めてっていうふうにおっしゃられたように聞いたんですが、同時に市町も、システム的には行き渡ってないっていうような言い方もされましたけども。具体的に、誰でも、このプラットフォームに、こんなことが起きているけども何とかしてもらえませんかっていうことが言えるってことですか。

〇岡村課長 今、私たちがまず始める前の問題ですので、ちょっとなかなかはっきり言いにくいところがあるんですけども、いろんな窓口があって、そこでこれらに関することが出てきてお困りになったという前提でいきますので、民間のいろんなよろず窓口みたいなものにかかってきたときも、こちらへ声をかけていただければということで、例えば我々の人権センターの方でやっている相談ネットワークというのもございますけど、そちらでは、相談員のいわゆる人権資質を上げるために、研修会を開いて、いろんな人権課題に関しての、その学びを相談員がしていくという形でフォローをしているんですが、今考えている中でそういうところに参加いただいた、そういう相談窓口の相談員の方に、こういうのをやりますのでっていうふうにお声掛けしようと思っています。
 ただ、最初にも申し上げましたように、市町も含め、そういう相談機関というものが、こういうふうな形で組みますというふうに、人権条例はそういう、国の方でも、組織化されているものではありませんので、そこについては、自動的にそういう相談が上がってくるというシステムがないということで申し上げたつもりです。すいません。そういうふうに御理解ください。

〇藤田委員 わかりました。要は、正式というか、要は要綱やなんかで決めて、情報が上がってきたらここに集約してくださいよというようなところまではやらないけれども、いろんなところで、相談があった場合には、プラットフォームで受けますよと、こんな感じでいいですか。

〇岡村課長 そのとおりです。ですので、まさにいろんな相談が来ると思いますので、我々もいろんな対応していかなければいかんというふうには思っています。

〇藤田委員 大体骨格はわかってきましたけども、例えば市町に相談があったと。そこで、先ほどおっしゃられた三
つの物差しで、ここへ上げるか上げないかという、この辺のところで、その判断は、それぞれの窓口にも任せられているということになるわけだと思うんですが、その辺のこれだけでもっと言えば、重大な権侵害かどうか、それから、緊急性、緊急対応が必要であるって、これ書いていただいていますけども、これを市町の担当者に判断を任せるということですか。
 非常にこれ、わかりにくいかなというふうに思うんですが、担当者としては、その辺はどんなふうに、もっと具体的なものを作られて、その窓口に配布するっていうそういうことなんでしょうか。ちょっとその辺具体的なことを教えてください。

〇岡村課長 まずは今例示をした内容を基に、少しそういう例示を増やすかもしれませんけども、いわゆる定義を仮に行ったとしてもまたそれに対する解釈というのが出てきますので、結局どう解釈するのかというのを、永遠に語っていく話になるんではないかというのが、まず一つです。
 ただ、いわゆる任せるという話は、少し小さくても別に上げてもいいじゃないっていう考えも働くわけですので、我々にとってはこの問題は条件に合わないから受けませんというよりは、お受けさせていただくときに、全ての案件をちょっと受け取ることはできないということと、それから、今、背景に、一緒に協力してもらおうとしているところが、先ほどの警察署であるとか法務局のように、実際に、やれますよっていうところをラインナップしているわけですので、そこにお声掛けできるような案件に絞らせていただいたという形で考えていただいて、いわゆる相談内容を入口でトリアージしているというそういう意図ではありません。
 あくまでも、上がってくる内容について、これはっていうような内容も上がってくるかもしれませんけど、そこは真摯にお答えをさせていただく。いわゆる相談窓口へのお返しになりますので、これはこういうふうになると思いますよというようなお考え、私たちの方策というか、案の方をお示しはさせていただくというところはさせていただくんだけど、それに対して、これは条件にありませんから無理ですっていうような形でするような、四角四面な対応をするというつもりではないというふうにお考えいただきたいと思います。

〇藤田委員 そうするとやっぱりこのプラットフォームの事務局としても、来た時に、内容について、お互いに相談をしながら、話し合いをしながら、これいきましょうか、こうしましょうかっていうようなことをやって、プラットフォームにかけてきますよとこういうふうに理解したらいいですか。

〇岡村課長 支援は一方的にといいますか、その現場の方がお困りやというふうな前提でお受けしますので、これはそちらでできるでしょうっていうようなその交渉をするというよりは、お受けして相談窓口もいろいろな窓口であって、人権だけが限らないような相談窓口でかかってくることを前提とする場合、本当にそれが、警察へ届け出るということ自体もちょっと御理解されてないような場合もあろうかと思いますし、そういう場合は先ほど言ったような、直接我々が対応しましょうかというような手段も考えられるんじゃないかなということも含めて考えていますので、こういう場合は対応します、こういう場合はしませんというようなところまで、ちょっと地道に線を引く意味ではなく、できればこういう趣旨のもとで、御賛同くださいというのも、相談窓口の方に呼びかけているというような形でお考えいただければと思います。

〇藤田委員 大体感じはわかりました。もう1点、確認をしたいんですが。この条例のもとで、このプラットフォームをやりましたと。小林委員の方から質問があって、法的な範囲について警察やとか、そういうところへ行く分については、もうそちらで判断をしていただくことになるっていうような回答をいただいたんですが、その法的な範囲の中に、例えば、相談員であるとか、コーディネーターを置くということは、入るんですか、入らないんですか。

〇岡村課長 今の質問というのは実施機関の方に、そのコーディネーターを置かれるという趣旨をお尋ねでしたでしょうか。ちょっとすいません、理解が足りなくて申し訳ありません。

〇藤田委員 要はプラットフォームでそんなことはやってないんですけども、この新型コロナウイルス感染症でいろんな人権の相談がきましたと、それに、その内容について寄り添っていきますよという書きぶりになっているので、それでは、犯罪者支援の時のコーディネーターであったり、あるいは障がい者であったら相談員っていうのを置いて、それぞれの方に寄り添った形で解決の方向へ持っていきますよという、そういうやり方を現にやっているわけですよね。で、ここでは先ほどお話しされたように、そこまでの助言ではないんですってこういう回答だったんですけども、それは、法的な範囲に入るからやれないんですということなのか。あるいは、行政上、資金の問題であったり、人の問題であったり、いろんな問題があろうかというふうに思いますけども、そういうことは、どちらの理由といいますか、いわゆる法的にそんなことはできないんですよということなのか。いやそれは、今のところ考えていませんという、行政上できるんだけども考えていませんということなのかどっちなんですか。

〇岡村課長 私の私見に近いような形になりますけども、それぞれの今、例として挙げていただいた障がい者であるとか、犯罪被害者の部分については、いわゆる法律であるとか条例であるとかその背景を、いわゆる特別に支援をしていくというようなその趣旨も含めてのかなり手厚い体制を明記してやっているという前提でやっているというふうに考えています。今、我々が、我々というのは常に人権センターを含めての話で言っていますけれども、そこでやっている相談というのは、そういう背景はちょっとない中で、いわゆるアドバイスというもののプラスアルファ助言みたいなところだけですので、今、できる、できないという話でいく場合は、既存のシステムの中ではちょっと対応しかねると、ちょっと過剰なところになってしまうのと、それのいわゆる裏打ちするような人材であるとか予算というものが今、御用意されていませんという説明になろうかと思っています。
 ただ、いわゆる行政指導の範囲内でいろいろ関わらせていただくところは、皆無ではございませんので、そういうような事情を聞く場合もありますけれども、それを全てというような形でちょっと保証するようなシステムではないというふうには考えいただければと思います。

〇山崎副委員長 そもそも、人権相談のプラットフォームの会議の概要を聞き取るというところで、それから大分意見がもう、言う場ではなく、出ましたのでこの辺でいかがでしょうか、委員長。

〇北川委員長 ほかによろしいですか。簡潔にお願いします。

〇小島委員 わかりました。最初に申し上げたんですけれども、ずっと聞き取りをさせていただく中で、実はこのプラットフォーム会議の資料1の中に、解決に向けた対応案ですとか、それから、支援要請を直接して、支援機関が入って解決へって書いてあります。解決って何かって、どんなことだと思われて、この仕組みにそうやって書き込まれているかっていうことをお伺いしたいんですね。というのは、一番初めに申し上げましたが、司法が関わるような場合は、これで解決になる。例えば書類送検されました、そこで、やっぱりおかしいよということがきちっと問われました。解決に向かっていくと思うんですけれども、そうではないことの方が恐らく多いんだろうなって、今までのいろんな例を見ていても想像するわけです。ここに解決と書いていただいてありますが、解決って、どういうことに至れば解決といえるか、そのことだけ確認させていただきたいと思います。

〇岡村課長 まずそれは個別の相談に対しての解決という、流れで少し説明するんであれば、まず相談者がどうお考えかというようなところがありますので、先ほどありましたように、いくつものいわゆる解決策、解決案っていう形で、我々がお示しをして、その中で、結論はないかもしれません。そういうようなものを聞いた上で、御自分がどう、何が、自分としてしっくりくるのかというのもありますし、何かをしようと思えば何かを犠牲にすることもありますので、それを許容できるかどうかというようなところも含めて、御判断をいただかなくちゃいかんと思います。
 その中で、まさに相談という中で、こうした方がいいじゃないという言い方はできないんですけれども、こういう悩みがありますよというのはいろいろお聞きするようなことはあると思いますので、そういう相談の範囲内で、御自分の納得される、いわゆる解決という、一般的な言い方ではないかもしれませんけれども、そういうものを目指していきたいなというふうには考えています。

〇北川委員長 よろしいですか。換気休憩のタイミングになりますけれども、ほかになければ、これで当局の聞き取り調査を終了したいと思います。当局にはお疲れ様でございました。
それでは、暫時休憩をいたします。再開を11時15分とさせていただきます。

          (休  憩)

2 差別解消に向けた課題等に係る各委員意見の整理について

〇北川委員長 次に委員間討議に入ります。お手元に配付の資料1の、5ページを御覧ください。
 本日は項目3の差別解消に向けての基本的考え方についての中の、マジョリティー、マイノリティーについての項目から討議を進めさせていただきたいと思います。
 前回同様に、執行部の聞き取りに関しての委員間討議、特別にありませんので、この委員間討議の中に含めて、御意見も頂戴できればと思いますし、また記載をいただいている委員をはじめ、それ以外の方も含めて、たくさん御意見出していただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。それでは御意見のある方、どうぞ。

〇小島委員 たくさん意見を挙げているので、責任上もあって発言をさせていただきたいなと思います。
 2016年にいろんな法律ができたことで明らかになったことは、当事者側の問題ではなくて、マジョリティーのやっぱり差別というのは問題であるということが明らかにされたんだろうというふうに思っています。例えば、いじめの問題を例に挙げて考えたときに、いじめている側、いじめられている側ありますけれども、ただその差別の問題って、ただ単にその二項対立というだけではなくて、そこで傍観をしている、何もしない、そこにどうやって、やっぱり光を、メスを入れていくかということが必要なんだろうというふうに思っています。ですので、傍観することというのは結局差別を温存することにつながっていくと思いますし、マジョリティー側が、自分の持っている特権に全く気づかずに、無意識のうちにとよく言われますけれども、差別をしていることがあるのではないか。そういう認識を持ちながら、お互いが、できるだけ気持ちよく生活ができる、そういうことを目指していくべきではないかなというふうに思っています。また後ほど。

〇北川委員長 ということで、意見を書いていただいている小島委員の方から、御意見いただきましたけれども、この項目に関して、ほかの方でも御意見ありましたらどうぞ。

〇山内委員 私もちょっと記載をさせていただいています。傍観者のアプローチが必要ということが、小島委員の方からありましたけれども、実際にその傍観者の方が、行動変容して行動を起こしていく。その差別の実態を目の当たりにした時に、禁止するような、また注意をするような行動に起こしていく。なかなかハードルが高いと思うんですけども、まずそういったものを、光景を目にした時に、自分に何ができるのかっていうのを考えていけるような仕組みっていうのを、この条例の運用等を通じて、仕掛けがあるというか、仕組みがあったらいいのかなと。そういったところから傍観者の皆さんへのアプローチの第一歩があるのかなという感覚で書かせていただいています。

〇山本委員 お二方とも同意見なんですが、その差別の現場にあった時に、その差別の現場を見て、自分はしないからいいわと、自分はしないというふうに認識するだけじゃなくって、やはりそこで差別はいけないということを発信できるような、ということを促すような状況が必要だなというふうに思います。
 そして、マジョリティー、マイノリティーということについて、委員会の中で経験してきたことの中で、県は多様性という言葉を様々使っているんですけれども、私はここで改めて、今日は県に対する質問ではないんですが、ここでも含めて、多様性を尊重するとはどういうことかということをやっぱりしっかりと考えなければいけないし、県が言う多様性を尊重するというのはどういうことなのかっていうのを改めて伺いたいなというふうに今思っています。ここでもその認識が必要かなというふうに、マジョリティー、マイノリティーということの中で特に思っています。つけ足しました。

〇北川委員長 ほかにはいかがでしょうか。

〇小島委員 意見がないようですので、少しだけお時間をください。自分にどういうマジョリティー性というか、特権性があるかとかいうことで、ある在日の若者の、これは偽らざる思いです。彼は結婚して2人の子どもがいますけれども、子どもを授かった時は本当にうれしかった。彼は、本名で生きていますけれども、今後子どもたちがつらい思いすることなく伸び伸びとこの日本社会で生きてほしいと思っている。でも、名字を、名前はどちらでもいくようなものをつけましたが、名字を本名と通名どちらを名乗らせるかっていうことをなかなか決めきれなかった。大人になればなるほど、自分も経験したけれども日本社会に出れば、生きにくさを感じていく。子どもには差別に負けない子になってほしいと願いながらも、非常に厳しい現実があるということは自分がよくわかっている。そこからなんですよね。自分が親になって自分の子どもに通名を選ばざるを得ないということ。私の祖父母が約75年前にそういうふうにした。私の親が約40年前。その彼に通名を選ばざるを得なかった現実があって、そして今、自分の子どもに通名を選んでいる自分がいるっていうこと。
 このことを考えたときに、やっぱり共にいろんな差別をなくしていきたい、ここで生きていきたいという思いが、ものすごくあるので、この差別解消条例の、この委員会には非常に期待するものであるし、地域社会の中で誰もが不安なく伸び伸び生きられるそんな希望を持っていたいというような御意見をいただきましたので、マジョリティー側の、これは自分への自戒も含めて、ぜひ皆さんにお伝えをしておきたいと思います。ありがとうございました。お時間いただきました。

〇北川委員長 いくつか御意見を出していただいておりますけれども、重ねてでも結構ですし、それ以外のことでも結構ですし、御意見ありましたら、お願いしたいと思います。いかがでしょうか。

〇中村委員 マジョリティー、マイノリティーの問題のところでいいのかどうかわからないんですけれども、小島委員にお聞きしたいんですけども、教えてほしいんですけど。私の友人から、今、差別解消のこういう議論をしているという話をさせてもらっているんで、フェイスブックなどでも知っていただいて、関心持っていただいて、今、オリンピックの会長の森さんの話が、こんな議論やっているんやで、中心になって、どんな議論をされているのっていう話があったんですよね。
 いろんな見方、いろんな形があるんですけれども、あの中にやっぱり、男性と女性というのがあって、年齢とかいうのもありますけれども、その中で、今回起こっている問題が、女性蔑視みたいな、それが外国から日本を見て、あるいは、日本国内の中で若い人たちからもいろんな意見が出ている、そんな状況の中で、この問題をこのマジョリティー、マイノリティー、この議論から、わかりやすく整理されるとどんな形になるんかなと。
 私自身も、毎日のように新聞に載ってくるので、どなたがどんな考え方だったっていうのをちょっと見ながら思っているんです。これまさに男社会と、何年も、今現存する日本の男社会が、男側のマジョリティーが、女性のマイノリティーに対しての、起こっている課題の一つかなというようには見えるんですけども、ちょっとその辺、たくさん書いてもらってあるんで、その辺に当てはめるとどうなるのか聞かせてもらいたいなと。

〇小島委員 ありがとうございます。私見ですけれども、人数の多い、少ないの問題ではないということをまず確認しておきたいと思います。そうでなければ、女性は半数以上おるやんかっていう話になっちゃいますので、そうではないです。ジェンダーギャップ指数を取り上げて考えたときに、政策等々と、それから経済の分野において、日本は女性の地位が大変低いということが、これはもう如実に数字としてあらわれています。そこには、かぎ括弧つきの男性ってあえて言わせていただきますけれども、その方たちがやっぱり特権的に自分たちの権利として、ずっとなんて言うんですかね、利益っていうのかな、として、持ち続けてきたんだろうというふうに思うんですね。
 ですから、この今回のことで、個人的にどうこうというよりも、女性の側からたくさんの批判の声が上がっているのは、やっぱり政策決定とか、経済とか、そういうところでずっとマイノリティーの側に置かれてきた女性たちの声だというふうに私自身は思います。だから、山本委員も前回もおっしゃいました、東委員もおっしゃいましたけれども、男女、性の多様性とはちょっと別という意味でも、あえてかぎ括弧つきって言いますけれども、そこはやっぱり構造的なものがある。というふうに思いますので、女性のマイノリティー性はそういうところにあるというふうに私は思います。

〇中村委員 ありがとうございました。これだけ、男女差別というか差別解消に向けての、我々が議論をしている中で、これだけわかりやすいというか、話題性のある、県民の皆さんにも、差別の問題について考えていただくすごく大きなテーマだというふうに思うし、わかりやすいテーマだというふうに思うし、そういった意味で、このマジョリティー、マイノリティーについての考え方をもし条例の中に注入していくんであれば、今回のことも生かせる、生かしていく必要があるんじゃないかなと。そんなことをちょっと感じましたんで、発言させていただきました。

〇小島委員 合理的な理由のない属性による区別とか制限とか排除、これが問題であるということを確認をしたいというふうに思います。本来ならば個人的なことで済むことが、そうではないというところに、差別が起きる大きな要因があるというふうに思いますので、かぎ括弧つき男性女性の話も、同じではないかというふうに思います。

〇北川委員長 ほかの皆さん方、御意見はどうでしょうか。たくさん出しておいていただけると後の整理がしやすいですけども、どうですか。

〇山内委員 問題提起なんですけれども、傍観者へのアプローチっていう部分に関しての一つの考え方で、前回ヘイトスピーチ等において、大阪府、東京都、川崎市では非常に重たい部分があると。ただ、三重県の実情ではそうでもないと。そういったところ、地域の実情にも合わせて検討してくことが大事だという御意見もあって、私もそのとおりだなという感覚でおったんですけども、ちょっと、今様々皆さんの御意見いただいて考えている中で、いわゆる傍観者へのアプローチっていう部分では、他者の苦痛にどこまで寄り添っていけるかっていうところを考えると、確かにヘイトスピーチは、三重県ではないんですけども、他の地域で非常に苦しんでいる方がいらっしゃるとか、あと同和教育に関しても、地域によってかなり温度差がありまして、しっかり教育されているところとそうでないところでは、非常に皆さんの捉えている感覚も違うと。そういった部分においては、たとえ他地域、自分のところの地域でなかったとしても、他地域にしっかりと目を向けていくというところにおいては、地域の実情にとらわれすぎないことも非常に重要なのかな、そういった観点も、傍観者のアプローチにつながっていくんじゃないかなっていうところをちょっと思ったので、発言をさせていただきたいと思います。

〇東委員 ちょっと余談かもしれない話をちょっとさせていただきます。小島委員の発言から、一つヒントを得て、こういうこともあるかなあって紹介をさせていただきたいなと思うのは、私は県議会議員をさせていただいて10年になるんですが、一貫して、一つのテーマを取り組んでいることが、少子化対策で、大きいくくりですが、その中で、妊娠、出産、育児という視点で、いろんな形で調査をしてきました。
 マイノリティーとか、マジョリティーとかっていう中でいくと、この妊娠をする、出産をする、育児をするっていうのは、社会の中で少数者なんですね。社会として、その少数者を受け入れる度量がないって私は思います。それは現実問題として、例えば産前産後ケアの話を、4、5年前から取り組んで、ずっと県内の助産院を、何カ所か調査をさせていただいて、産科の医師の立場の人も聞かせていただきましたが、全く寄り添ってないってのがわかりました。全く寄り添ってないっていうのは、当事者からみてっていう意味です。私は本人ではないので、それを聞き取るだけなんですが、つまり、多数派がずっと意見の中で、社会を進めてきたんで、女性が子どもを持つっていうのは非常に少数の社会の中で、数の問題ではなくて、少数意見だというふうに思います。
 このマジョリティー、マイノリティーの話をくっつけるとすると、それに気がつくか、気がつかないか。それはマジョリティー側にあります。これはマジョリティー側の責任だというふうに思います。
 だから、どんな小さい意見でも、憲法にもあるように、除外行為をしない。絶対排除してはいけないです。取り込んで相談をし、話し合う。拒否行為という、例えば子連れだから駄目っていう拒否行為をされる公の施設ってたくさんあります。それ自身もそうだと思うんですね。
 なので、これは多数派の責任で、社会を作ってきた責任上、この少数派をどう取り組んでいくのか。これはこの委員会で直接関係するかどうかわからないけど、実態としてそうだと思いますね。というふうなことを思います。ちょっと参考までにこの項でお話をさせていただきました。

〇北川委員長 ほかの皆さんはどうでしょうか。よろしいですか。ここはそんなに異論がないのかなあというふうに思いますが。差別というのはマジョリティー側、差別する側がマジョリティー側であった場合が多いわけですけども、マジョリティー側の問題であって、気づきも、それから意識変革も含めて、社会側、マジョリティー側に、解決の責任があるということになるかなと思うんですけども、そういうまとめ方でよろしいでしょうかね。御異議ございませんか。
 それでは次のかぎ括弧の項目に入らせていただきます。差別の定義ということですが、これについては、もう既に、前回も含めて、いろいろと御議論が出てきているところですので、ただ項目としてありますので、ここでしっかり、改めて議論をいただきたい、討議をいただきたいというふうに思います。
 二名の方が書き込みをしていただいているわけですけれども、その方も含めて順次御意見をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

〇藤田委員 長く書いておりますんで、発言させていただきますけども。ここで、私が書いたのは、それぞれ、どんな人間でもやっぱり、差別することなくっていうよりも、その個人の尊厳というものがやっぱり尊重されなければならない。あらゆる分野で活動し、市民生活をしていく上で、自由であり平等であるという、このことをやっぱりお互いに、保障し合っていくという、これがやっぱり人権を尊重するという基本的な考え方かなというふうに私は思っておりまして、まずそのときに差別って何だろうなというところで私が書かせてもらったんですけども、やっぱりちょっと一般論的に書かないとまずいなと思ってこんなふうに書かせてもらいました。
 要は、ある個人を、その個人の意思とは無関係に、属性を決める。属性の中に入れる。その上で、合理的な判断がなされないような、説明のつかないような区別、それからそれによる排除、それによる制限。そういうことをすることによって、その人の尊厳を踏みにじったり、具体的に市民生活をしていく、その上で、不平等であったり、不自由であったり、こういうことを強いるということが私は一般論として、私は差別に当たるというふうに思っています。そういう意味では、一定の定義といえるのかどうかわかりませんけども、定義ができるんではないかというのは、私の個人的な考え方です。それを書かせていただきました。

〇北川委員長 ありがとうございます。ごめんなさい。もう1段抜けてたんで、3人の方に書いていただいているのですいません。順次御発言をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

〇山内委員 私もちょっと書かせていただいておりますが、ちょっと自分自身のこれまでの発言を見直して、少し誤解があると思ったので、改めてなんですけども、これまで私は何が差別に当たるか、そういった定義をしていくことが重要だという言い方をしていたと思うんですが、ちょっと行き過ぎた発言になっていまして、定義というよりは、ここに書いてあるように、人種、皮膚の色、言語、宗教と、いわゆる差別が発生し得るような分類というか、ジャンルというか、そういったところをきちっと網羅をしていくことが重要で、それは世界人権宣言、日本国憲法の内容にきちっと沿うことが必要ですね、漏れないことが大事ですねっていう、そういったことをちょっと言いたいがためにちょっとそういった言い方をしておりましたけども、ちょっと内容が違っていたらすいません。修正をさせていただきたいと思っています。
 その上で、先ほど藤田委員からありましたが、定義ってなかなか難しいと思うんですが、そういった分類をきちっとしていくことで、枠組みをしっかりと選択肢として与えられることで、いわゆるこれが差別なんじゃないかというふうに声を上げていく。そういった仕組みがあって、いわゆる差別として定義をしていけるような仕組みっていうのが必要なんじゃないかなというふうに、そういった意味で定義を捉えています。

〇北川委員長 ほかの皆さんいかがでしょうか。

〇小林委員 この項目に書いて記載したものの1人ですので、追加して説明をしたいと思いますが、ここの特別委員会ですけども、差別解消を目指す条例検討調査特別委員会ということですので、我々はここにいる以上は、三重県の条例、現在あるものも含めて、機能しているのか、新しいものが必要なのか、あるいは、既存のものを改正する必要があるのかないのかということを話し合っているんじゃないかなというふうに思っています。哲学として差別がどうってことはまた一つあるんだろうと思うんですが、我々行政として対処すること、差別を解消するという、ダイバーシティ社会を築き上げるためにおいて必要な措置、施策ということの中で条例ということを考えるのであれば、個別具体的に考えざるを得ないのではないかなというのが見解です。
 我々、地方自治体で、例えば女性の問題、あるいは外国人の問題、あるいは障がい者の問題、それから部落差別の問題、それから本邦外出身者に対する差別的言動という法律がありましたけども、それぞれの法律によって示されているものがあると思いますが、そこを踏まえた上での議論に、地方自治体というのはなるんではないかというのが、前回も繰り返しお話しさせていただいたとおりです。
 その上で、例えば障がい者差別に関しては、具体的な定義が元法の方でされていて、誰が障がい者なのか、そして、対応すべき自治体であったり、行政機関であったり、それから事業者であるということが定義してあります。なので、具体的な行為として、特にあそこに書いてあるのは、就労に対する差別的扱いということが焦点にあったんだろうと思っておりますが、そこを是正していくため必要な措置だというふうに考えています。
 対して、どの差別に関する定義なのかということが、ここでは書かれてないので、あくまでも今まで話題に挙がったものだけで限定をさせていただくことになりますが、繰り返しですけども、部落差別というものに関しては、理念法であって、全体として、みんなでやめていこうねと、こういったことはよくないよねということを認識することこそが解決の今の対応なんだと。同和三法があったときには、地域のインフラの整備という具体的な目的があったので、定義をして、どこの地域でどんなふうに、どんな財政支出をするのかということがあったわけですから、それが具体的なその当時の必要な政策だったんだろうと思うんですが、それは現状が変わったと、インフラ整備も地域の事情とも、前にも繰り返しですけども、国の参考人の中で格段に良くなったと思う、どこの地域かわからないぐらい良くなったんだという前提があります。当事者の方々の声を踏まえて、今できたのが、部落差別解消法という理念法で、みんなでなくしていきましょうね、まだ差別が残っているという現実があるので、考え方を変えていきましょうということ、これが適切な方法だったというふうに認識をしています。
 加えて本邦外出身者に関しても、地域によって事情の差があることで、それぞれ考えてくださいねということですが、理念として、国全体でこういった、地域を分断してしまうような暴力的な言動、あるいは一方的な言論と言えないような形で突きつける暴力に関しては、この先進国日本としてあるべき、看過することができないという認識の下に、みんなでなくしていきましょうねというところだったと思います。
 ところがいずれに関しても、例えば、ヘイトスピーチが何なのかという定義をしておりません。それは厳密に言ってしまうと、じゃ、裏解釈をして、これだったら言ってもいいんでしょ、あれだったら言ってもいいでしょうということを助長してしまいかねないということも国の中で議論されているところであります。ですので、定義をするべき解決方法、定義をしないべき解決方法、理念として、皆で認識をしていきましょうという解決方法も、それぞれの事案に対してあるんだろうと思っておりますので、全体として差別が何かということを定義することってのは非常に難しいというのが私の見解です。

〇北川委員長 ほかの皆さんいかがでしょうか。

〇小島委員 全体的に、先ほど藤田委員が、一般的にこんなふうに定義するとおっしゃいましたけれども、そのことは可能なのではないかなというふうには思っています。前回も言わせていただきましたけれども、例えば部落差別解消推進法は、なんて言うのかな、同和対策事業が行われていたのは、いわゆる部落、同和地区とされているところをよくしましょう、ということだったというふうに思うんですけれども、この部落差別解消推進法は、全く発想転換した法律だと私は思っていまして、その地域に課題があるのではなくて、周りの課題であるということを高らかに宣言したものというふうに思っています。受け身の発想からの決別というふうにいえるのかなあというふうに思いますけれども。
 課題と前回も申し上げました。それぞれの地域に課題があって、その解決のためにどんな政策を立案するかは、まさしく私たち地方自治を担うものに、関わるものに与えられているというふうに思いますから、そのことをどうやって具体にしていくのかっていうことが大切なんではないかなと思います。理念が書き込まれています。すばらしい理念だというふうに思うので、この理念をどうやって具現化するか、具体の姿にしていくかということ。それはまさしく、条例を新しく作るかどうかその議論は別として、今この場ではまだいたしませんけれども、私たちは考えていくべきことなんだろうというふうに思っています。

〇北川委員長 重要なところの項目でもありますので、できるだけ多くの皆さんの御意見をいただきたいと思いますけどもいかがでしょうか。

〇石垣委員 差別の定義の部分ですけれども、先日の差別の禁止のところでお話をさせていただいたようなことと同じ内容もあるんですが、まず、この差別の考え方に関しては、やはり差別というもので、絶対にいけないものであって、これ許してはならないという考え方は、皆さんの共通認識でありますし、これは、ここの委員の皆さんだけではなくて誰もが思っていることだと思います。
 この差別の定義という部分に関してあらゆる差別の定義をどういうふうに定めるかという部分に関しては、非常に差別行為やその考えというのは、先ほど小林委員もおっしゃっていただいたようにそれぞれの差別事案によっていろんな形があるので、差別イコールこれだという定義というのは非常に難しいというふうに私は考えております。
 もちろん差別はいけないという共通認識はある中でも、その考え方の中には、それぞれの背景として文化や歴史、宗教、価値観であったりだとか、それぞれの考え方、そこに至るまでのプロセスの中にも様々な背景があってですね。これが一概に差別だという定義、特にこのあらゆる差別という部分の定義というのは、非常に定めるというのは難しいというふうに私は考えております。先日の差別の禁止という部分でもお話をさしていただいたところとかぶるんですけれども、非常に定義というのは難しいというふうに私は考えております。

〇北川委員長 ほかに皆さんいかがでしょうか。

〇小島委員 原因がどこにあれ、保障すべき人権は変わらないと思うんですよね。そのことが、藤田委員のここの全ての人に人権、個人の尊厳が尊重され云々、自由で平等な活動の享有が保障される権利が保障されなければならない、その人権を、個人をある集団の中に属させ、その集団を不当な区別、合理的な理由のない、排除、制限等をもって、その人の尊厳を踏みにじり、市民生活における不平等、不自由を強いることが差別に当たる。これは原因、事由がどこにあれ、変わらない普遍的なものだというふうに思うんですね。このことが原因によって変わるということが起こり得るのかなあって、どういうときにこれが変わるということが起こりうるのかっていうのが、自分はちょっと思いつかないんですけれども。石垣委員、例えば、じゃあこれが変わるんだとしたら、どういう場面において変わり得るとお考えでしょうか。

〇石垣委員 変わるというよりは、あらゆる差別の定義、定め方というところに関しては、先ほどもお話をさせていただいたように、あらゆる差別事案によって、これが差別だ、これが差別ではないっていう考え方が、非常に定まってないというところが、私はお話をさせていただいたところで、やはり、誰が見ても差別だよねっていうところのこの定義って、慎重に議論をするべきだし、検討も、皆さんがいろんな立法事実を踏まえながら話をしていかなければならないところなので、あらゆる差別の定義は定めるのは非常に難しいのではないかと。
 ただ、その差別というものに関しては、絶対にしてはならないし、許すこともない。この共通認識はあるけれども、定めるというのは、なかなか難しいんじゃないのかなという話をさせていただいたということでございます。

〇小島委員 であるならば、例えば一般的な定義をきちっとした上で、それぞれの中で、個別に具体にどういうことが考えられるかということを、明らかにしていくという、これは方法論ですけれども、あるわけなんで、何て言うのかなあ。その原因によって変えられるような、そんな浅いものではないと思います、人権保障っていうのは。逆に言えば、例えばいろんな差別を受けているという方々に、たくさん来ていただいて、ここでも聞き取りをさせていただいたんですけれども、その方々の言うことをずっと聞いていく中で、やっぱり何が保障されていないのか、どんなことに苦しんでいらっしゃるのか、その辺りっていうのは、私は共通項を見出せるというふうに考えているので、そういう発言をさせていただきました。

〇小林委員 我が県が持つ、人権が尊重される三重をつくる条例。ここには人権の尊重、不当な差別をなくすという目的が書いてあると思います。不当な差別ってのはどういうものかっていうのは、ここでは定義をされてないと思うんですね。ただ、理念として不当な差別は許しちゃいけないということが書いてあるんだろうと思います。
 憲法の第14条にいきますと、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。これ、差別的行為を禁止しているんだろうと思うんですね。というのは心情に関してはここ、踏み込んでないんですよね。
 差別は何なのか、我々が是正すべき差別っていうのはやはり、我々、少なくとも、政治に関わる、行政に携わる者として、具体的なものでなければならないと思うので、それがどのように解決をしていくかということにつながってくるという意味においては、やはり個別の対応ということになってくるんだろうと思いますので、理念として、差別が何なのか、何なのかっていうか、差別はしてはいけないってことも既に書かれているところだと思うんです。
 それで、先ほど小島委員が言われたような、じゃあ何が保障されてないのか、それからどんなことに苦しんでいるのかって言うのは、突き詰めて、それぞれに対応していかなきゃいけないところだと思いますので、個別具体的なことを条例に書くことは非常に難しいんではないかというのが、前回も話したとおりの見解です。
 ただ、繰り返しですけども、県の責任として、県の目的として同和、子ども、女性、障がい者及び高齢者などと書いてあって、様々なものを包含する条例になっていますし、その下に基本方針ってのが書かれて、基本方針の中に、具体的な対策であったりとか、啓発の方法と書かれています。ですから、どんなように解決していくかというのは、条例そのものよりは、やはり基本方針を掘り下げていくことが、現実的なんではないかというのが、前回同様の見解です。その中で、今回話題に上がったものであれば、部落差別であれば非常に書きぶりが古い、今回新しく2016年に変わったものに対応しているとちょっと思えない部分があるのも事実ですし、本邦外出身者に対する差別的言動ということに関して全く記述がないということもあるので、アップデートするには全くやぶさかではないというふうに思っております。

〇北川委員長 ほかにはいかがでしょうか。

〇石垣委員 小林委員もおっしゃったように、対策や方法という部分は条例という形ではなくて、我々も資料としていただいています行動プランの方でしっかりと運用方法等はしていただく形。また、この下にも差別の実態調査とあるんですけれども、あらゆる差別ではなくてそれぞれの個別の差別に関しては、やはり具体的な対策や方法を持ってというところの私はお話をさせていただいた中で、やはりあらゆる差別という定義という部分では難しいというところの話をさせていただいたので、今後、差別の実態調査というところもあるんですけれども、やはりその対策や方法というところは、しっかりとした計画性を持った行動プランによって、差別をなくす、またその差別の啓発等も含めて行政側としては進めていかなければならないというふうな意味での差別の定義でお話をさせていただいております。

〇山本委員 今のお話を聞いておりますと、理念としての差別はいけないということは共通理解で、これまでもあるも
のの中に、例えばそれは間違っているわけではなくって、それに、これまで、ここで進めてきたのは書き足しやそういうことが必要かという話になっているので、そのあと理念と、解決のための方向性というところは、やっぱりこの、今ここで区別してというか、これは、差別の定義をどのようにするかということが行動にどう関わっていくかということにはなるけれども、全体としての理念としては今ここで共通理解があって、そして少し書き足さなければいけないなというような状況なんじゃないかなと思うんです。そして、その個別については、様々これまでも意見の応酬がありましたけれども、なんていうかな、扱いは違う部分も確かに出てくるんであろうかというふうに、今出ているんじゃないかと思います。ただ、総じて差別はいけない。そして、今までのところにやっぱり書き出すべきというレベルではないでしょうか。

〇稲森委員 今の差別禁止は難しいとかっていうお話を聞いていて、日本国憲法に基づいて、理念として、この条例の中に差別禁止を掲げることと、個別的な事案を認定したり、あるいは罰則をどうしていくかという段においての、差別とは何かっていうことと、少し混同してしゃべっておられるから話がおかしくなるわけで、山内委員も書いてあるとおりに、藤田委員も書いておられるとおりに、世界人権宣言や日本国憲法の第14条に基づいて、明確にこの差別は禁止しているという理念を、この条例の中に据えて、個別のことについては、どうしていこうかっていうのはまた別途、議論をしていくべきではないかというふうに思いますが。条例の中で。

〇藤田委員 理念上差別は駄目だとこうおっしゃった。じゃ、その理念上の差別っていうのは何だろうかというのを私は書いたつもりなんです。個人の意思とは無関係に、相手方が属性を決めて、それによって、合理的な説明のない区別をして云々かんぬん。この表現は、差別の内容として、石垣委員は、理解していただけますか。差別、一般論としてのその差別。差別はしてはいけないという話をされた内容として、この内容は、おっしゃっている差別と、どうですか。

〇石垣委員 すいません。私の理解不足で、もう一度、ごめんなさい。説明を。

〇藤田委員 理念としての差別は、これはもう絶対駄目だっておっしゃられた。もうおっしゃるとおりだと思うんですが、そこで言う、石垣委員の言う、その差別という、その内容について、私はこういうふうな、これはあるとこで話をして、僕自身が非常に分かりやすかったもんですから、なるほどなと。自分の意思とは無関係に、その個人を一定の属性、例えば、先般あった学生にマスクをせなあかんなって、お前が来たら、せなあかんなってこういう話があったと思うんですが、教育委員会で一定の処分されたというふうに聞いていますけども、要は、新型コロナウイルス感染症が出た家庭の子弟だという一つの属性を持って、その彼を見て、お前が来たから、マスクせなあかんなていうことを言ったと。そのことは本人にとっては非常に衝撃的だったと。これは一定の区別をして、制限まではいきませんけども、そういう流れになっていった。これはなんでも、どんな場面でも、例えば部落差別でも、この人は部落の人だという一つの属性を、勝手に相手方が決めて、そのことについて区別をして、制限まではいきませんけども、例えば、就職の場合だったら、制限をするということにつながるかもしれませんけども、そういうことが、現に我々、聞き取りをした時に、そういうことがある。結婚なんかも非常に僕は、そんなことっていうふうに思いましたけども、区別をし、制限をし、そのことをもって、結婚をやめさせるような事実があった。
 で、こういうその一つの物差しとして、私はこれ提案しているんですが、この、いわゆる一般論として、それが差別かな、どうなのかなっていう一般論としての、この考え方っていうのは、石垣委員のおっしゃっている差別っていう、したらあかんぜっていう差別のこの表現としては、何か問題ありますか。

〇石垣委員 それぞれの、先ほど藤田委員おっしゃっていただいた、その個別具体的な内容というところに関しては、しっかりと蓄積をしながら、こういう差別がありましたという相談があったりだとか、こういうものの蓄積っていうのは非常に大事であるっていうことだと思います。
 なので、差別というのは駄目だというところで、またこれが差別だっていうところの判断っていうのは、やはり、私は司法の場の判断っていうところが非常に大きいので、差別の定義、これが差別でこれが差別じゃないっていうところは、やはり司法の場に委ねるっていうところが、大きな一つの要素なのかなというふうに思っております。

〇藤田委員 そうすると、マスクの話があって、その先生は県の一つの、どういう仕組みかちょっと僕は正確にわかりませんけど、仕組みの中で、それは、当初は差別じゃないっていう話があったんだけども、これは差別だと、処分をされたと。これはそうすると、司法関係ないですよね。司法って、司法のところで、裁判所で判断されたわけではないんですよ。
 私は、やっぱり我々県として、行政として、前々から言っていますけども、そういうことをちゃんと形にして、やっぱりなくしていこう。おっしゃるようにね、啓発をし、積み重ねてなくしていく。それぞれの差別っていうのはいっぱいありますから、それに応じた対応をしていかなあかん。おっしゃるとおりです。おっしゃるとおりですが、それぞれの差別の中で、差別と言われとる中で、我々がこれ、差別の問題として考えていかなければならないなという判断をするときに、一つ我々としては持っている必要があるんではないか。それは、憲法にあるっていうことだけではなしに、我々が地方議員として、この県の行政として考えていくときに、1人の人間を、その人が本当に尊厳を持って生きていく上で、勝手に一つの属性に押し込めて、そのことで合理的な説明のない区別をして、制限をしていく、排除していく、こんなことはいかんなっていう。こういうことをやっぱり、単なる差別は駄目ですよっていうことではなしに、こういうことをやっぱり掲げていく必要があるんではないかという意味で僕は書かせてもらったんですけども。この辺をぜひ理解いただきたいなというふうに思うんですけども。

〇小林委員 関連ですので、時間ちょっと経過していますけど申し訳ないです。先ほど藤田委員が出された教員の不祥事のことに関しては、教育委員会の中で処罰する組織があって、その中でも、基準にのっとって準法規的措置をされているんだろうと思います。それは組織の中で、教員というものに対するある程度の管理責任があるということで、任命をして、当然採用しているわけですから、その中のことだということなので、それを県民全般に当てはめるとちょっと無理があるんじゃないのかなっていうのが、今の見解です。
 加えて、これ大阪府の事例なんですけども、先ほど藤田委員がおっしゃった、これ全てが成文化されたものでないことは当然承知した上で、書いていただいたものを読んだ上で、感じたことですが、自由で平等な活動の享有が保障される権利が保障されなければならないと。個人をある集団の中に属させ、その集団を不当な区別、排除、制限等をもってと書いてあるんですね。その人の尊厳を踏みにじりと書いてあります。これ、条文として検討したときに、これそのまんま例えば書いたらどうかということなんですが。などということになってしまうと、範疇が広がってしまう可能性があるわけですよね。
 それが大阪の場合、これ具体的に、ヘイトデモがあって、この裁判に関しては、ヘイトデモを撮影した動画を拡散したということに関して、大阪市が条例にのっとって氏名を公表した、このことに関する不服があって、裁判を起こしています。で、この中で、原告側、要するに、動画をアップした側が、条例が非常に広範であると、これは憲法に違反するんじゃないかということで、法廷闘争しています。なので、結果的には、これは、大阪市の条例が明確に、どういったものがヘイトスピーチであって、また本邦でも危惧されているということで、地域を分断するであったりだとか、具体的にその動画で流れていた文言、政治活動とはかけ離れたものも含まれていたということも、全体的に包含して、判決が出ています。
 だから、条例で書くということになってしまうと、こういった僅かなことでも、広く受けとめることができるようなものが入ってしまうと、後に条例を作ったことが原因になって、じゃあ、ここだったらこういうことやってもいいでしょ。やった上で、三重県が訴えられて、法廷闘争しなきゃいけないという危惧があるということも重々ご承知いただければと思います。
 なので、今の、現条例、人権が尊重される三重をつくる条例に書かれている内容で十分、我々は対処できると思いますし、差別はいけないんだということをうたってありますし、それをさらに今回せっかくここで特別委員会を開かせていただいたわけですから、県民に改めて、我々、新しいものを加えて、こういうようなことも我々対応していくんだよと、みんなと一緒に、部落差別であったり、ヘイトスピーチなくしていこうねという考えが広まることの方が大事なんじゃないかというふうに思います。定義よりも。

〇北川委員長 ごめんなさい。ちょっとかなり時間が押してますんで、本来はこのやりとりを続けて切れるところでというのが理想なんですが、あまり押してもあれなので、大変失礼ながらちょっとこれ、暫時休憩をさせていただきます。再開は午後1時15分でお願いいたします。

          (休  憩)

〇北川委員長 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
項目は差別の定義のところで、最後、小林委員に発言をいただいたところで、休憩に入らせていただきました。引き続き御意見のある方は、挙手の上お願いいたします。

〇藤田委員 先ほど小林委員の方から、等ってつけると、裁判のというお話までありましたんで、私の文言というのは、条約の人種差別撤廃条約、そして女性差別撤廃条約、障害のある人の権利に関する条約、この条約を読ましていただいて、そこでなるほどと。合理的説明のない区別。それから、排除、制限ということを、政治的であったり、経済的であったり社会的、あるいは文化的な公的活動に制限を加えてはならん、平等でなければならんという表現ですので、決してそのことで、個別具体の話については、それはそれぞれの対応を考えていく必要があると思いますけども、こういう文言を条例の中に入れることによって、そのことをもって拡大解釈をもってという話には、私はつながらんというふうに思っています。
 当然、ここでどういう表現をするかというのは検討いただきたいとは思いますが、やっぱり憲法があって、条約があって、法律があるという考え方からすれば、こういう表現はあってしかるべきかなというふうに私は思いますし、恐らくこの考え方というのは、世界標準な考え方かなというふうには思います。

〇北川委員長 ほかにはいかがでしょうか。

〇小島委員 定義というところと直接は関係ないかもしれませんが、藤田委員がマスクの話をされて、その時に、小林委員がそれは教育委員会の判断でと、もうそのとおりやったというふうに思うんですね。教育委員会の処分規定みたいなものには差別云々っていうのは実はありません。けれども、教育委員会においては、マスクの発言が差別的な発言であったというふうに、教育長は言っているわけです。
 教育委員会の中においては、そういう仕組み、誰が判断をするかということが明確で、それによって、被害を受けたという生徒にとって、教員がそれは駄目だったねっていうことだったというふうに思うんですね。それは県民間になったときに、どこにそんな仕組みがあるのかなっていうことを考えたとき、やっぱり仕組みがないよなっていうのは、改めてこのマスクの件を考えたときに、思わせていただきました。
 差別をする側にどう返すかっていうことが必要なわけであって、その辺りの仕組みづくりというのは、やっぱりそういう例からも考えることが必要というふうに思わせていただきましたので、発言をいたします。

〇山内委員 私もちょっと、一つ発言させていただきたいんですけども、定義という部分におきましては、この藤田委員が記載をされている内容は支持させていただきたいなというふうに思っています。
 その上でいわゆる、先ほど来様々議論されておりますけれども、あくまで私の思いといたしましても、今回議論させていただく上で、差別を受けた側、被差別側に立って、どこまでしっかり議論できるかっていうところが大事なのではないかというふうに思っています。仮に、差別をしてしまった、その発言にあった事象があったとして、した側の方、またした側の事象が、そういった意図ではなかったとしても、差別だと感じた側の方にどれだけ寄り添った考え方で、今回の議論を深めていくことができるかっていうところが大事なんだろうというふうに捉えています。ですので、どこまでも差別を受けた側に立っていきたいと。
 その上で先ほどの司法でとか、今教育委員会でって話もありましたけれども、この差別解消に向けては、この特別委員会では、その一つの方策としては、対話を通じてしっかり解消していく。そういったところも視野に入れて議論したいなというふうに思っています。
 先ほど小林委員から、現条例で十分対応できるんじゃないかという発言がありましたけども、そういったことも今後検証していくというふうになっておろうかと思いますので、それはまた後の議論でいいのかなというふうに思っています。

〇北川委員長 ほかにはいかがでしょうか。大体出していただいたところという理解でいいですか。
 この差別の定義は、前回からも議論いただいていますし、今回もいろんな御意見を出していただいて、後々、具体的な条例の在り方を議論する中でも当然重要な視点になってくるかと思います。今日の時点では、いろんな考え方を示していただいたということで、今後、このことについては、議論を深めさせていただくというところで、今日のところは、閉めさせていただこうと思いますが、御異議ありませんか。よろしいですか。
 それでは、5ページの大項目、4番目、差別解消に向けた方策について、この項に入らせていただきたいと思います。一番初めのかぎ括弧、差別の実態調査。このことについては中村委員だけが書き込みをしていただいてあるわけですが、中村委員を含めて、それぞれ皆さん方から御意見を頂戴したいというふうに存じますが、いかがでしょうか。

〇中村委員 今回のこの特別委員会で様々な方々から、差別の実態といいますか、そういったものをお聞かせいただきました。その中で、我々特別委員会として、たくさんの方々からお話を聞かせてもらったんですけども、行政として、やはり県も、そして市町、そしてまた様々のNPOと、関連機関等、支援団体等は、様々な差別の実態をつかんでみえるんではないかという、そんな思いもありまして、条例を作っていくとしたら、やはりそういったものを、まず調査をして、把握をする必要があるんではないかなと。そんな、思いでここへは書かせていただきました。
 先ほどから条例、差別の定義とかいろんな議論もされていますけれども、調査するに当たってそういったことも大事かなというふうに思うんですけれども、たまたま見ていました、法務省の人権擁護局が、差別調査、これ部落差別ですけれども、実態調査の結果報告ということで、国もやっているんですけども、まさに差別をさらに助長するような、そういうことにならない形での調査ということで、具体的にそういうことを挙げておりますので、そういったことも含めまして、国の調査もあれば、それぞれの関係機関の調査もあるというふうに思いますので、そういったものを、しっかりと把握した上で、条例づくりに向けて動いていく必要があるんじゃないかと、そんな思いでここへは書かせていただいたところです。

〇北川委員長 この項目について、書き込みいただいてない方の御意見がありましたら出してください。

〇小林委員 実態調査ということに関しては私も賛同するところでありまして、条例を作るか作らないかということの検討が、ここの中心課題になるわけですから、すなわち立法事実があるのかどうかというところはとても重要なことなんだろうと思います。
 ここでも一度説明をいただいたことがあると思うんですけども、鳥取県が、条例を一度作りました。鳥取県人権条例ですね。これは最終的に地元の弁護士会から様々な意見が出されて、結局これは取下げというか解消されているんですが、その中でも指摘されていることが、鳥取県の具体的な人権侵害の実態を調査することなく制定されたものだということが書かれているんですね。どうも具体的なことわからないですけども、県議会の中での会派のいろんな分裂があったりだとかいうところの中で出てきたという評価がされています。これ第三者の文書なんですけども。大田原さんという方が投稿されているものなんですが、これは非常に部落差別、同和問題ということに関して焦点を置いた条例だったというふうに判断をされています。
 対するところの、これ大阪市のいわゆる本邦外出身者に対する条例。これには審議会があって公開をするということがあるんですけども、先ほど判例をお話ししたとおりなんですが、ここでは、ヘイトデモがかなり行われているっていうのは、これも明らかな実態事実なんですが、平成24年の4月から27年の9月、3年6か月間において、大阪市において行われたものの件数が164件。全国で行われたものの14.2%を占めるという事実があったことに加えて、生野区の区議会からも、是正なり対策を求める意見が出ていたという現実もあって、その上で、表現の自由を一定規制するものであるということを認定しながら、しかしながら、それを対処すべき必要性が、現実があると、社会を分断している暴力的なヘイトデモが行われているという現実を踏まえて、これが合憲だという判断をくだされています。
 ですので、これ、ヘイトデモと、それから鳥取県の場合は、部落差別ということになりますけども、それも個別具体的な話で、女性の問題であったりとか、ほかの問題は全く別の調査が必要になるんだろうと思うんですけども、どんな条例を作るかにおいて包括的なものというのはやはり、今以上のものは厳しいという前提の中で、個別具体的にどんなことに対応しなきゃいけないのか、どんなことが今対応できてないのか、しっかり調査を行った上で、現実的に対応できる方策を考えていくべきだというふうに思っています。

〇北川委員長 ごめんなさい。ちょっと委員長の捉え方が違っているのかわかりませんけど、差別解消に向けた方策についての差別の実態調査ということなので、条例を作る手前の実態調査の話と、条例の中にある実態調査という話と、ちょっとなかなか混同してしまいがちなんですけど、皆さんどちらに受けとめていただいているんですかね。私は後者の方かなと思って。

〇小林委員 差別を解消するということを目的として、どのような手段が必要なのかということを考えた上で、具体的な対処策を検討するに当たって、それが条例が必要なのか、あるいは他のものが、他のいわゆる方法があるのかということを検討していく上において、実態調査する必要が。

〇北川委員長 手前の話ということですね。

〇小林委員 はい。

〇北川委員長 ほかに皆さん御意見はいかがでしょうか。

〇小島委員 手前なのかどうなのかっていうことで、ちょっと混乱していますけど、いろんな方に来ていただいて参考人招致をしました。それはまさしく我々の委員会としての調査であったと思っています。その中で、それぞれの参考人の方々から、もちろん三重県の方でない場合もありましたけれども、差別が現存するということをお伺いいたしました。解決されずにあるということもまた、その中で明らかになったわけであります。
 私たちはそれを基にして、その差別解消をどうしたらいいかということを議論していて、差別解消に向けた方策についてという議論に入ってきたんだというふうに思っています。ということを考えれば、差別解消に向けて動きます。実態調査はさらに細かくきちっとする必要がありますね、というニュアンスだというふうに私は捉えています。ですから、実態調査をした上で、条例云々をどうするかという結論を導き出すものではないというふうに発言をしておきたいと思います。

〇北川委員長 ほかの皆さんいかがでしょうか。ちょっと論点が二つありまして申し訳ないんですが、ちょっと書いていただいている数もお1人だけなので、逆に、御意見出していただいたらありがたいですけども。

〇山本委員 私もこれまで参考人の方に伺ってきて、実態及びどう求めてみえるかというようなこともお聞きする中で、参考人招致をするということをそのためにしたわけですから、作るというか、書き加えも含めて、今後、もし、この中村議員が言われるように、調査がということであれば、私たちがその条例を作るなり、書き換えなり、書き込みをしていくに当たって、詳しいところで何か、個別に、しなければいけない時にそこをさらに深く調べるとかいうことは必要かと思います。今までしてきたことの積み上げということであれば、今、小島委員が言われたようなレベル、そこの到達点なんだというふうに思います。

〇北川委員長 ほかに御意見はいかがでしょうか。

〇小島委員 事態はっていうか、刻々といろいろ変わるわけで、人種差別撤廃条約に関して、何委員会でしたか詳しい名前忘れましたけれども、そこから勧告は2年に1回、恐らく出ています。ていうのは、その人種差別等々に関して、事態は刻々と変わるということだからです。4年とかではなく2年に1度です。ですから、例えばこの差別の実態調査についても、条例をどういう形であれ考えていく場合に、やっぱり、それほど間を置かずに、何年かに1度きちんと、どういう変化があるかとか、社会状況に大きな変化がある場合、その影響がどの程度出るかとか、そういうことも含めての実態調査の必要性というのも、ここで考えなければいけないのではないかと思います。

〇北川委員長 ほかにはいかがでしょうか。

〇小林委員 条例がどういう条例なのかっていうことを、まだテーブルにも上がってない状況で、どんな話をしたらいいのかとも思うんですが、一般的に、条例というものを作って、例えば、今まで出ている差別に関して解消をするということで、一定の行動を県民に促す、求めるということがされるのであるとするならば、条例を作ることによって何かしらの、例えば規制であったり、改善を求めるということが入ってくるんだろうと思います。
 すなわち、それを行政が、公権力を使って、県民に何かしら一定の方向を求めるということは、それに対して相反する作用が出てくることも十分に考えられるわけで、そこを精査しなければならないと思うんですね。そのために、立法事実があるかどうかということは徹底的に調べる必要があるし、それは全国的なということじゃなくて三重県独自のものをちゃんと調べる必要があると思います。
 たまたま読んだからということですけども、例えば、部落差別の解消法に関する国の議論では、少なくとも4人の方、参考人に来ていただいています。部落解放同盟の方、それから、自由同和会の方、それから、解連の方、そして、過去の事例に関わった弁護士、それぞれ見解が皆さん一緒ではありません。
 同じ、同和問題、部落差別ということを取り扱っても考え方が異なるという現実を踏まえた上で、じゃどう部落差別のことに関する条例を仮に三重県が作るとしたとしても、まだまだここでやった調査ってのは不十分ではないかと思います。拙速であってはならないと思うので、何かしらの条例に県民に対する行動規範ということなのであれば、よくよく吟味した上で、三重県における立法事実があるかどうかの調査が必要だということを改めて繰り返しておきたいと思います。

〇北川委員長 ほかにいかがでしょうか。

〇稲森委員 すいません、今の小林委員からお話伺っていて、話始まって少し経ったぐらいで大体話の飛躍っていうのが見られるかなっていうのは思うんですけれども、県民の意識変容を求めていったり、教育や啓発をすることなどで意識変容を求めていくことを、イコール公権力の行使とか、県民の権利を、義務を課したり、権利を制約したりということに直結しないわけですから、だからそこでなぜ、ことさらその立法事実、立法事実っていうことをおっしゃって、あたかもその県民の権利を制限するっていうことに直結されるのかっていうことが、理解しがたいわけなんです。先ほどからも差別の定義のところからも、話の中で議論の飛躍とかがあって、話が全体としてかみ合わないようになっているんではないかなというふうに思います。

〇小林委員 具体的に大阪市の条例に関しては、行為の規制が書かれています。表現の自由に対する規制です。それから、我が県でもある障がい者に関しては、雇用であったり、それから、行政の対応において、罰則がついてない、でも禁止事項が書かれて、一定の行動を求めています。行動変容を求めているということになります。ならば、何かしらの禁止をつけて、そして、何かしらの改善をするということが、個別具体的に個人に対して行われるものなのか、あるいは県民全体として、理念として捉えられるのか、それは、若干変わってくるんだろうと思いますけども、理念であれば、それほど大きなことではなく、啓発ということで、今回挙がったような、本邦外出身者であったり、部落差別に関しては、元法があるということも含めて、我々の現存の条例に書き込むということは全く問題ないことですし、 ここで改めて県民の皆さんとともに、解消しなきゃいけないねという心は十分必要だと思います。
 ただ、一方で、それが何かしらの禁止事項になり、それが、例えば加害と言われる人たちに対する直接的な行動ということになれば、これは当然、権利の対立が生じるわけで、実際、問題があったのかなかったのか、差別行為があったのかなかったのか、不利益が生じたのか生じなかったのか判断する必要が出てくると思います。そうなるとこれは、その認定機関というのを地方自治体が持つことはできません。法律上不可能です。なので、司法でやらなければいけないってことになるので、そこを条例で書くことは非常に難しいと考えています。

〇稲森委員 そうすると大阪市の例も、氏名の公表ということで、そこで一定の表現の自由が規制されたとしても、公共の福祉に反するようなヘイトスピーチを認められないんだという、合憲であるっていうような判決もはっきり出ているところかと思うんですけれども、その辺はどういうふうにお考えなんですか。そういう司法の判断も含めて、積み重ねがあって、このヘイトスピーチを規制するっていうことの安定性っていうのが広がってきているんではないかなというふうに思います。
 それからもう一つ最初に言った部分なんですけれども、県民の意識を変えていく、県民に何か責務を課すということではなく県民に役割を担ってもらうということは、これ決して、県民の権利を制約したり、義務を課すということではないと思いますし、これイコール公権力を行使して、何か動かすということでもないと思うので、そこはしっかり分けて議論をしていかないと、全体の条例づくりの議論というのが進んでいかないというふうに思います。

〇小林委員 繰り返しですけど、理念法なのか、禁止法なのかによって全然変わってくると思うんですね。理念法においては、繰り返しですが、明確な定義が必要がないと思います。むしろ定義がない方が、いろんなものを網羅できるんだろうと思います。それは、部落差別においても、本邦外出身者に対する差別的行為に関しても、同じ議論が国会でなされ、全会一致でこれが可決されるということになっています。前回の議事録、繰り返しですけども、例えば本邦外出身者、日本人に対するヘイトスピーチはどうなんだ、アイヌ人に対してはどうなんだ、あるいは適法居住者でなければどうなんだいうことが議論されました。これはあくまでも立法事実として、ヘイトデモの対象になっている在日の韓国朝鮮人の方々に対するヘイトスピーチなんだということを前提としていながら、でも、それを理念として明確に書き込まない、定義をしないからかといって、それらの人に対するヘイトデモを行ったり、それを許していいという社会をつくろうとはしてないという見解だったと思います。
 なので、今の三重県条例に関しては、その条例そのものに禁止事項がなく、あくまでも理念として、ダイバーシティ社会を推進していくんだということにとどまっていますので、条例としては、今のままでいいんだろうと思います。ただ、具体的な行動は当然、基本姿勢、基本方針や行動計画に書かれています。それが具体的な個別具体的な対策になるんだろうと思います。
 ここは積み上げていく必要があると思います。現時点では不十分だと、いうことの認識は、恐らくここに参席している皆が共通認識しているものだと思います。小島委員も言われました。中村委員も言われました、また差別が残っているじゃないか。それすなわちだと思います。
 なので、これは個別具体的に対応しなきゃいけないと思いますが、対応の方法は、先ほどの三法の中でも違ってくる。障がい者においては、禁止事項を作った。ヘイトに関して、それから部落に対しては、理念法だったということが明らかなわけですから、それを全て同じように取り扱って、おんなじように、禁止事項をつけることってのは難しいと思います。
 なので、立法事実として、理念法として、今あるままの条例をさらにアップデートしていくことは当然大事だし、県民と一緒に新た認識をしていく、新しく法律ができたんだから認識を改めようねということであれば、おそらく今の記述を書き換えれば、県民の皆さんに周知する方法ってのは十分あり得るんじゃないかと思います。なので、立法事実として、条例を作るまでのことかどうかということをしっかり精査しなきゃいけないんじゃないかという見解です。

〇北川委員長 ありがとうございます。よろしいですか。正副委員長で、協議をするというようなことでもないんですけど、この差別の実態調査っていう項目が、私、委員長的には、いわゆるその方策の、条例を作る際の方策の一つとして、考えるかどうかっていう、論点の位置付けだったので、当然、立法事実も含めて条例の在り方を議論するのにも当然必要なことなんですけども、申し訳ないですけど、この段階で新たな、何かその調査をして、実態調査的なことをして、そしてフィードバックして、ここで議論するっていうのは、さすがに申し訳ないですけども、ちょっと時間的に難しいと思います。
 したがって、それは申し訳ないですけど今までの参考人招致であったり、それから、人権に関わる県の調査であったり、それから法務局の様々な人権に関わる調査であったり、そういった実態を踏まえた上で、ここを御議論をいただきたいというふうに思いますけれども、よろしいでしょうかね。

〇中村委員 私の方の説明が曖昧やったんか、ちょっと伝わり方がまずかったかなという感じはしておりますが、それぞれ今差別解消に関する条例を、現実に、和歌山県でもそうですし、いろいろなところが条例を作っています。そういった中で、現実に今差別があると。これをどう解消するかということで、その現実の差別がどれぐらいあるのかということもありますけれども、引き続き、差別の調査をしていくということが条例の中にうたわれているところもいくつかございますので、そういった部分も見据えた上で、発言もさせていただいた。条例の中に、調査も必要ではないか、そんな思いを持っておりました。
 それで具体的にその調査のやり方等につきましては、国自体がもう既に、調査の結果報告書ということでちょっと見ているんですけれども、まさに各市町が、地方団体が把握している、どれぐらいの差別事件、差別事例があるのか、そういったこととか、あるいは何度も話題になっております、インターネット上の実態に係る調査だとか、そういった具体的なものも調査をしておりますので、そういったものも、条例を作っていくんであれば、その中へ入れていくべきではないかなとそんな思いも入れさしていただいて、発言させていただいたところです。

〇北川委員長 ほかに御意見ございますか。

〇稲森委員 さっき、うまく言えなかったところもあるんですけれども、理念条例か、禁止条例かってこの二元的にどっちかみたいに語るやり方には無理があるっていうふうに思っていて、その理念を掲げて、じゃあ差別をなくす、その理念に向かってどういう仕組みを入れて、どういう措置を講じることができるかっていうそういうグラデーション的に考えていくべきで、もうAかBか、こっちが駄目だからこっちが駄目だみたいなそういう議論というのは、なかなかよくないんかなというふうに思いました。感想として。ですので、そういうふうな考え方に基づいて、その理念に基づいて、どういうことが、具体的に、実効性を持ってやっていけるかっていうそういう議論をしていきたいなと思いました。

〇小林委員 具体的な措置に関してお聞かせいただけますか。

〇稲森委員 例えば、障がい者差別のところであるような、紛争解決の、そういう仕組みを入れたり、大阪市でやっている氏名の公表というのを、一つの検討の俎上に上がるような措置として、差別を解消していく抑止力の一つになるんではないかなというふうに思っています。だから、理念条例か禁止条例かというふうに、二元的に考えるんではなく、グラデーションという中で、どこまでできるだろうかという検討を、この中でしっかりやっていくべきなんじゃないかなというふうに思いました。

〇小林委員 障がい者差別と、それから部落差別と、それから本邦外出身者に対する言動、それぞれ違うということも再三お話しているつもりですが、具体的にその措置を考えてみえる差別対象、解決をしなきゃいけない差別対象ってのは何ですか。

〇稲森委員 だからそれはみんなグラデーションという中で、禁止か理念かっていうふうに二元的に考えるんではなく、みんなで議論をしていったらいいと思います。

〇小林委員 いや、禁止か理念かということじゃなくして、どの差別問題に関する解消ということですか。

〇稲森委員 ごめんなさい。禁止か理念かというふうにおっしゃられたので、そうではなくグラデーションで考えていこうという問題提起をさせていただいたにすぎない話です。

〇小林委員 先ほど来、出てくるもの以外にも、三重県の条例、基本方針には、様々な対象とすべき差別事案が書かれています。中には、アイヌ、それから、刑期を終えた人、保護観察中の人、災害と人権、性的マイノリティー、貧困、それからホームレス、北朝鮮による拉致などがあるわけですが、これらは、それら全てが同じような形で、網羅的に解決する方法が可能だと考えですか。

〇稲森委員 ですので禁止か理念かという考え方ではなく、グラデーションの中で、皆で議論をして結論を出していきたいと思います。

〇小島委員 今踏み込むべきではないっていうか、条例をどうするかとか、そういうことではなくて、これどういうことが必要だと思うかとか、書き込みが必要かなんていうことまでも踏み込んでないんじゃないですかね。どうやって考えるか、今何があるから何をするためにこれが必要であるとか、不必要であるとか、これをもうちょっと推進しなきゃいけないとか、そういう話をしているんだというふうに思うので、今もうこの議論は、どこまで突き詰めてもきっと今現段階では答えが出ないんだろうというふうに思います。ですからこの先進めていただいて、その議論の中で、現行条例がどうであるかとか、何が足りないかとか、新規が必要であるとか、そういう議論に結びつけたらいかがでしょうか。

〇北川委員長 御意見いただきましたので、よければ、差別の定義についても、差別実態調査についても、いろいろ御意見をいただきましたけれども、これは具体的に各論のところでまた議論になるかと思いますので、また議論を深めていただくということでよろしいでしょうか。
 では、次の項目にいかせていただきます。かぎ括弧の教育・啓発について、これはたくさんの方がたくさん書いていただいていますので、順番問いません。書いていただいてない方も含めて順次、御意見を出していただければと思います。どうぞ。

〇山内委員 4人の方が声を上げられていらっしゃいますけど、ちょっと私の方が先に説明というか、補足をさせていただきたいと思う。読んでいただいてそのとおりなんですけれども、この四番の項目が差別解消に向けた方策ということですので、これまで様々な啓発教育をしてきている中で、まだ差別が現存していると、こういった状況をいかに打開していくかっていうところが重要で、そういったことを議論していきたいなという思いなんですが、人権教育及び人権啓発の推進に関する法律第3条なんかには、国民の発達段階に応じて、体得できるよう、多様な機会の提供、効果的な手段の採用という、そういった文言があります。こういったところから、実際に行動変容に資するような日頃からの習慣づけとか運動論、こういったところも非常に重要なんではないかというふうに思っております。その他いろいろ書いてありますけども基本的なそういった考え方の中で、ここで意見を言わせていただいています。

〇北川委員長 この項目については、教育・啓発、県教育委員会と、それから環境生活部から聞き取りをさせていただいていますので、そこでのことも含めて、委員間討議で出していただければと思いますのでよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。

〇稲森委員 ここに書かせていただいているとおりなんですけれども、新型コロナウイルス感染症を契機にして、いろんな既存の差別が噴き出してきたっていうようなお話が、参考人招致の中からでも、松村さんのお話からもあったと思います。自分の見聞きしてきた中でも、ヘイトスピーチだったり、あるいは部落差別につながるような表現が、いろんなところで書き殴られているような実態についても見てきましたし、そういうふうにお聞かせをいただきましたけれども、日頃何気なくやっていたような、人権学習とか、毎年毎年行われているような講演会とか、行かせてもらっていますけれども、日頃あまり特に意識していなかったけれども、こういう社会が、先行きが見通せないときとか混乱したときに、普段から健康づくりとか体力づくりをしているような感覚で、そういう場面に出くわしたらどういう対応ができるのかっていうことが試されているんだなというふうにこのコロナを通じて感じましたので、日常からこういう教育や、あるいは子どもたちだけではなく、社会教育ですとか、生涯学習という分野で、そういう人権感覚を磨いていくっていうことが、何よりも大事なんではないかなというふうに思いました。
 先日も福島県で地震がありましたけれども、その後もその朝鮮人がどうやとかっていう、デマのようなことが流れていましたんで、それがコロナであろうが、大きな自然災害であろうが、そういうところをたたきたい人っていうのは何でも、何であってもいいんだろうというふうにも思いますので、なおさらこういう、日常から人権感覚を磨いていくっていうことと、差別を許さないっていうそういう感覚を磨いていくっていうことは大事なんだなというふうに、そのコロナを契機にして特に実感をするようになりました。

〇藤田委員 私もこれ書かせていただいていますので、その内容をお話をさせていただきたいなというふうに思っています。おっしゃるように、やっぱり、教育・啓発っていうのはものすごく大事だし、そのやり方についても、内容を深化させるっていうのは、大変重要なことだというふうに思っています。
 で、私が、そのあと条例制定により対応する方法って、こう書かせていただいたんですけども。これは障がい者差別解消条例のように、現実に差別、いろんな差別があろうかと思います。先ほど小林委員がおっしゃられたようにいろんな差別があると思います。その差別があったときに、まず相談に行ける場所が要るだろうと。その相談を受けたときに、その相談にきっちり対応できる仕組みが要るんだろうというふうに思っています。その仕組みの中で、相談をし、これは先ほどプラットフォームの話で出てまいりましたけども、専門の担当者をやっぱりきっちり置いて、その人たちに、その人たちと話し合いをしながら、差別というのは、差別をする側もあるわけですから、その人たちとの間の話し合いをしながら、それをお互いに、そうかという気づきを、確認をしながら解消していくと、そういう手続ができるような仕組み、中には、確信犯でやっている方もいらっしゃいますので、そういう人たちについては、確かに法的なことも含めて対応する必要があるかもしれませんけども、少なくとも、いわゆる触法、あるいは法に抵触するような話以外でも、そこまでいかないところの、差別はいっぱいあるわけですから、そういうものこそやっぱり、県の行政として話を聞いてどうなんだという話の中で、あっせんをし、それでも駄目なら勧告をしっていうようなことも含めて、仕組みを作るという意味、これが方法という意味で、私書かせていただいたんですけども、その両輪で進めるということが、やっぱり差別をなくしていくというところにつながっていくというふうに思っておりますので、そういう意味で、ここへ書かせていただきましたんで、御理解いただきたいというふうに思います。

〇北川委員長 ほかに御意見いかがでしょうか。

〇小林委員 先ほど鳥取県の人権条例の例を出させていただきました。大田原弁護士、これに関して解説をして、その経緯が話されているわけですけども。この鳥取県の場合は、認定機関を持つことにしておりました。まず第一段階として被害者に対する助言、関係公的機関等の紹介、あっせん等の援助等々ありまして、調整、犯罪等もある場合は告発するというのがあります。その上で、次の段階として、生命若しくは身体に危険を及ぼす行為、公然と繰り返される差別的言動誹謗若しくは中傷などの重大な人権侵害が現に行われ、又は行われたと認められる場合、必要に応じて次の措置が加重されると書いてあります。一番、加害者に対して当該人権侵害をやめ、又は同様の行為を将来行わないように、勧告。二番、加害者に対し、研修等への参加を勧奨。三番、正当な理由なく一番の勧告に従わない場合は、その旨の公表というふうに書いてありました。
 私は、先ほどからずっとお話ししているように、どの差別問題かによりけりで、温度差はあるんだろうと思うんですけど、対応はそれぞれ個別に変わってくると思います。全てにおいてバランス、どこまでするのか、どこまでやるべきなのかということだと思うんです。障がい者の就労に関しては、事業者との間の折衝が必要で、どんな改善が必要なのか。これを加害者と言ってしまうのは、私は少し問題があると思うんですが、改善を求められた側と、具体的に、専門的な知識を持った人間が、どういう職場の環境を改善していくのか、これとっても大事なことだと思いますし、状況を改善するものだと思います。ところが、他のものに関してここまでやっていいかどうかというのは一概には言えないと思います。この弁護士の見解ですが、このように、ですのでごめんなさい、繰り返しですけども、教育はとっても大事だと思いますし、啓発活動こそが、解決の方法だと思いますし、こと部落差別に関して言えば、部落解放同盟の方もここに来てお話しされていましたし、教育に始まり教育に終わるということに関しては全く賛同するところであります。
ただ、どこまで教育をするのか、どのように教育をするのかということに関して言及させていただきます。大田原弁護士の見解ですが、このように、救済手続として、事実認定に基づき、地方自治体が事実認定をするということです。いわゆる準司法的業務ですね。勧告に続く公表という制裁手続を行い、用いる点で鳥取県人権条例は、パリ原則による準司法的機関としての方向を志向するものである。しかし、その制裁手続は強すぎないかという問題があり、研修への参加、勧奨についても、これが強制的な色彩を帯びると、内心の自由への侵害が危惧されることになる。そのため本来なら、迅速かつ実効性ある不服申立てが、手続に保障されなければならないとあるわけで、ここにおいても、あんまり強制的に教育をするというのはよろしくないんじゃないかという見解があります。
 これは、先般、お話をさせていただいた部落差別及びヘイトスピーチに関しても同じような議論が国会でなされていて、繰り返しですけども、最終的には司法の場で判断されること。それが差別だったのか。差別だったのかどうかという言い方が非常によろしくないと思いますね。人権侵害があったのかどうかということに焦点を全て絞るべきだと思います。
 思想信条の自由というのは、いいか悪いかは別にして守られているので公的に踏み込める限界を超えていると思います。なので、具体的に差別的行為があったことに関して、差別禁止に関してはどの法律に関しても規定があって、その行為を是正するということになっていると思います。
 なので、その行為が、その被害を受けたという方にとって、是正すべき人権侵害なのか、著しく権利を侵害されたのかということを、個別具体的に判断しなきゃいけないので、最終的に認定するかどうかというのは、司法の場で判断されるべきだという見解が様々な議論の中で出ていることを付け加えておきたいと思います。

〇北川委員長 ちょっと修正させてくださいね。相談体制とか仕組みの議論は5番目なので、教育・啓発をしっかり議論していただけますか、すいませんね。御意見どうですか。大事なところなので。

〇小島委員 ちょっと教育なんですけど。法務監にお聞きしたいんですが、勧告とか氏名の公表というのは制裁に当たりますか。その辺りの御見解を確認しておきたいと思います。すいません。

〇袖岡法務監 制裁という、一般的な制裁という意味では、制裁的なものというふうなことはいえるのではないかとは思いますが、いわゆる罰則とかそういうものとはちょっと性質が違うものかなというふうには考えられます。

〇小島委員 ありがとうございました。罰則等とはちょっと別であるっていうことを確認させていただきました。
 教育のところで発言をさせていただきます。教育・啓発が大事であるということは、もう誰しもが賛同するところだと思いますが、例えば、学校で起きたいじめ事件を考えたときに、その時に学校の中にはいろんな仕組みがあって、両方の子どもたちから話を聞き、どこに問題点があるかということを、互いの納得の上で解決をしていくという、そういうことなんだろうと思います。障がい者差別解消条例の中にも、必要な助言、調査及び関係者間の調整を行うことという16条の文言があって、その辺りが解決に向けての一つの大きな行動であることは、あるかなと思うんですが、この教育の中でのいじめ問題を考えたときに、その仕組みはあるんだけれども、でも、マスクの件では、その指導者であるべき、残念ながら、教員の方にその認識が足りなかったという現実もあるということ。だから簡単に教育というけれども、何をもってどこまで求めるかっていうのは、非常に大きな問題をはらんでいるって課題があるということを確認しておきたいと思います。
 それから、いじめの問題を考えたときに、司法にかかるもの、例えば相手を殴っただとか、お金を取っただとか、そういう事例が具体的に起きたときは、語弊があるかもしれないけれども、はっきりとした目に見える解決に向かいやすいと思いますけれども、そうではなくて、お互いの中にいろんな思いがありながら、いじめが起きたとき、これは非常になかなか難しいのじゃないかなと経験からも思います。誰もが未熟であり、大人も含めて、気付き合いというのが非常に大切だということを、教育や啓発の部分では思ったりもいたします。何度も申し上げますが、この学校の中にあるお互いの話をきちんと聞きながら、どこに課題があったのか明らかにして解決に向かう。この仕組みこそ、私は社会の中に作るべきなのではないかなというふうに思います。

〇北川委員長 ほかにいかがでしょうか。どうでしょうか。

〇山内委員 1点ちょっと補足なんですけども、さっき傍観者のアプローチで午前中発言させていただきましたが、この教育・啓発、自分自身が差別をしない、また、差別を受けたときにしっかりと声を上げていく、そういった感覚は重要なんですけども、まさしく傍観者を作らない、また傍観者にならないための教育・啓発っていう考え方も重要ではないかなというふうに思っています。
 ちょっと話を戻して、決してそういう意味ではないんですけども、先ほどの三重県内の立法事実に基づいてという話があったんですが、ちょっとこれも午前中、発言させていただきましたが、他地域の実情にもしっかり目を向けていくっていうのも、傍観者を作らないための一つの在り方なのかなと、また地域でヘイトスピーチが起こって三重県が起こっていないので、どこまでどうだというよりは、他地域で起こっていることも、我がことと捉えて、どう捉えていくかっていうような議論も大事なのかなというところ、ちょっと発言させていただきたいと思います。

〇北川委員長 ほかにいかがでしょうか。教育・啓発について、非常に重要な施策の一つだという認識はおそらく皆さん何も変わらないんだろうと思います。ただ、その手法だとか、やり方、範囲も含めて、いろんな考え方があろうかと思います。あまりこのことについても各論で議論をするという段階ではないのかなというふうに思いますので、すごく大ざっぱで申し訳ないですけども、啓発は非常に重要だということで、欠かせない施策だという位置付けをさせていただいて、この項は済まして、次の項に移らせていただこうと思いますがよろしいでしょうか。
 じゃあここで、少し早いですけども、切れ目のところで換気休憩を取らせていただきます。再開は、14時15分でお願いいたします。よろしくお願いします。

          (休  憩)

〇北川委員長 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。教育・啓発のところを示させていただいたので、次のところ、情報の蓄積・分析・共有というところで、これはお1人の方が書いていただいていますけれども、皆さんから書いていただいたことも含めて、御意見いただきたいと思います。いかがでしょうか。

〇小林委員 私だけしか書いていませんので、追加で補足させていただきたいと思います。
 今日の午前中もお話があったとおり、今回のプラットフォームの件で、どういう体制で行っているのかという具体的なこともお聞かせいただいたと思いますが、そこでもお尋ねさせていただいたんですけども、29市町窓口があるだろうと。もちろん、広く一般に誰からでも相談を受けるようにするんだという話でしたが、組織体制として、連携をとりながら県と市で、全県下における、このコロナ禍に起因する差別事案に対して、対策をとっていく。加えて、その後どういう相談に対して、どういう見解で、どんなふうにつなげたのかということは、残念ながら、蓄積されるような体制ではないというふうに伺いました。
 それから前回も、障がい者差別に関しての、子ども・福祉部からの回答で、森岡課長からの発言、その後のとこですけども。参加していただいている市町のメンバーっていうのは、1名代表と。市町の相談、事例を、協議会の中で共有はしているけども、県下29市町あるわけですから、他の28町は直接そこで情報の共有ができているわけではないということも確認しました。
 それから環境生活部からの回答で、森阪課長のお話でしたが、犯罪被害者救済に関する対応に関しても、事例集というのがあるのかなということでお伺いしましたが、そういったものではないということでした。
 ほかの差別事案に関しても様々な相談が、例えば人権センターに届けられるんだろうと思うんですが、これを市町が具体的にどう実行していくのか、過去にどんな事例があったのか、それに沿ってどういう対応をすべきかということを積み上げていくことが、具体的な個別の、今でもまだあるんだという差別を解消していく、一つ一つ終わらせていくということに関して、一番具体的な対策ではないのかなというふうに考えて、この文言を書かせていただきました。
 幸いにして今、三重県、人権を尊重する三重県づくり条例の中には、網羅的に、目的のところで、等ということで、そこに記載をされてない差別事案に関しても対応できる状況がつくられています。定義されてないからですね。なので、今の人権センターでも、対応することは可能だと思います。これ、もちろん行政的な判断で、予算が要るのかとか、あるいはどんな枠組みをしていくのかということで、定めていく必要はあるのかもしれませんが、結局、そこの相談対応の蓄積、そして経験を継承していくということが、私は今までの規定の中で不十分だと思いますので、その不十分さがあるがゆえに、既差別がなくなってないということだと思いますので、こここそ触るべき一番肝心なところではないかというふうに思っております。

〇北川委員長 ほかに御意見いかがでしょうか。いかがですか。

〇石垣委員 この情報の蓄積・分析・共有というのは、非常に重要な部分だと私も考えております。三重県内でも人権センターに関しては、これは環境生活部が所管となっておるところで、また、先ほど小島委員がおっしゃったようないじめの相談等は教育委員会で、子ども・福祉部もそうですし、女性の相談所となると子ども・福祉部であったりだとか、あと、先ほどの冒頭に説明をいただいた、新型コロナウイルス感染症に関する相談等ってなってくると、所管は環境生活部っていうふうな形になっていますけど、実質、医療保健部の方でいろいろと話がされるというような形になってくると、県の中でもいろんな相談窓口っていうのが違う中で、また、職員もずっとそこにおられるわけではないので、どんどん職員も代わられていく。そういった中で、しっかりとその情報の蓄積をしていった形が、今だけではなくて、あとにも、やはりしっかりと解決手段として、蓄積をしていくっていうところ。そして、それぞれ情報共有をしていく。 
 こういう県内の中でも、情報共有する必要性ってのは非常に大きいんじゃないのかなと思いますので、この辺りは重要だと捉えております。

〇北川委員長 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。ここは恐らくそんなに皆さん、共通認識というか、いろんな聞き取りをしていただいた中で相談対応の蓄積が十分ではないと。そのことがやはり差別の解消に向けてのやっぱり一つの大きなキーポイントであると。単なる蓄積だけじゃなくって分析、そしてまた情報の共有、こういった方までが必要ですよというところは、皆さん共通認識ということでよろしいでしょうか。
 それではその次のかぎ括弧で、議員、公務員の責務ということで、お1人の方に書いていただいておりますが、ほかの方も含めて御意見がありましたらどうぞ。

〇藤田委員 ここに書いたのは、やっぱり差別をなくしていく、やっぱり先頭に立っていくべき、我々っていうのは、責務があるだろうと。当然、公務員にもあるんだろうと。そういう、一般県民の皆さんよりも重い責務を持たせるべきではないかっていう、そういう意味で書かせてもらいました。私は、学校の先生でもやっぱりそういうことかなあというふうに思っておりますし、そういう点で、先ほど例に挙げさせていただいた、マスクの話も、一つの差別的発言ということで、処分されたのかなあというふうに思っております。で、やっぱりそういう意味、いわゆる、ちょっと語弊があるかもしれませんけども、先導していくというか、こういう差別というものは、憲法もしかり、条約もしかり、そういうところでなくしていこうというのが基本的な世の中の流れですので、そういう責任を負っているというふうに思って、この文章を書かせていただきました。

〇北川委員長 ちょっと少し、個別具体的な項目になっちゃっているので、ちょっとごめんなさい。正副的にも置き場がなかなか難しくて。置き場がなくてというと怒られるな。ここに置かせていただいているので、申し訳ないですけど。何かほかに皆さんから、重ねて御意見がありましたらどうぞ。

〇稲森委員 以前からも申し上げていますけれども、公職者の相次ぐ差別発言とかが与える社会的な影響っていうのは非常に重いわけで。これがやっぱり議員提案の条例の一つの特色として、こういうことを打ち出していくっていうのは十分ありというか、大事なことなんだろうというふうに思います。執行部提案だったらなかなかここまでできないと思うので、しっかり議員をはじめ、公務員の責務っていうのを、位置づけるということは大切なことなんではないかなというふうに思います。

〇小島委員 同感です。公務員は、差別的な言動をしてはいけないですけれども、議員も当たり前のことだと思います。特に私たち、この特別委員会のメンバーとしては、あれだけの皆さんに来ていただいて、おっしゃりにくいことをおっしゃっていただいたり、もう1回傷口を開いてお話しいただくようなことも、こちら側から求めたわけですから、それは当たり前だというふうに思います。

〇北川委員長 ほかにいかがでしょうか。どうでしょう。これ、議員提出条例ということにも鑑みて、特に、議員、公務員、県一般の県民以上に重い責務を発するべきではないかと。具体的にどういう表現かというところは、また各論での議論になるかとは思いますけども。全体的にこの思いを持って我々は委員会に臨んでいるということで、共通認識ということにさせていただいてよろしいですか。
 それでは、次の項目に移らせていただこうと思います。5番目の項目、差別解消に向けた仕組みについて、というところで7ページになります。
 一番初めのかぎ括弧が相談体制とあります。先ほども少し話が出たところでありますけれども、引き続いて御意見、書いていただいているのはお1人ですけれども、その方以外の方も含めて、御発言願います。

〇山本委員 そこに書かせていただいた相談対応、今風にSNSなどの対応も、時間延長なども、来年度も進められるようなことも聞いております。充実をしていくってことは大事だと思うんですが、このラインというSNSを使っての相談っていうのは、即座に返ってくることでないと、なかなかその相談者の方は、やっとラインで相談したのにっていう、離れていってしまうというのがあって、今の体制では時間も延長はしていくにつけ、土日の対応も、相談内容によっては出てきてくるんですが、どうしてもそのリアルタイムでは、即座っていうことではないので、そこのところをやっぱり充実をしていくということも考えながら、これは、条例なりを書き加えたりするときに、そこに入れるかどうかは別として、計画とかそういうことの中に盛り込むようなことなんじゃないかと思いますが、そういう実態があるということ。で、当局というか、それはやっぱり働き手の方の問題もあるわけで相談を受ける方の、深夜営業とかいうことになったらそれはまた大変なことになる。委託事業なんかになると、委託先では、問題のええ加減なというか、なかなか不十分な対応しかない委託先もあるように、全国では聞いているので、そこのところを十分に考えながら、このSNSの相談対応も、これから充実をさせていくべきだというふうに思っています。
 その中で特に性差別による被害相談っていうのが、これもやっぱり時間的に、即座に対応しなければいけないという部分を含んでいることとともに、どうも今までの被害の遭われた方の話を聞くと、警察等の対応が大変つらかった、女性の警官が対応してくれる場合もあるそうですけれども、それでも大変しんどい、きつかったというようなことを聞いていたりします。ここに私、文章として、病院との連携、連携ではなくて今は連携しているんです。今はもう既に併設の、そういった相談窓口というか相談対応ができるようなところが、大阪府とか和歌山県ではそういう対応もとってきているということですので、そういうことも見通しながら、やっぱり必要で、短期ではなくて、心理的な面の医療も必要だということで、アフターケアの、そこら辺のとこまで、特に性被害についてということで、これ性差別とかありますけどね、性差別による性被害ということで必要だと思っています。
 あともう一つ、前回ちょっと言わせてもらったかもしれませんが、男性、女性というと性被害っていうのは、女性に多いし、子どもに多いのは事実なんですけれども、中には、男性の相談者も十分受け付けられるような、ただいま男性相談っていうのもやっていますけれども、なかなかハードルが高いというか、なかなかその思いが伝えられないという実態の、相談者から聞いています。問題なのは県とか公的機関の相談体制とともに、男性がDVとか家族内の、そういうような形で、相手方の女性に訴えられたり、その問題になっているときに、司法の家裁の場でも、きちんと事情聴取してくれないんだと男性の方が。ということを、そんなことがあるのかと思いましたけれども、複数件聞いています。確かに女性が被害に遭うことは多くって、どちらにおいて私も片方の言っていることだけでは物事はわかりませんが、そういったきちんと判定というか、きちんと話をしてもらうところで、やっぱり女性にしても男性にしても、同じように対応していただくということを、どこへ求めていくのかということですけれども、そういう体制として必要なんだなというふうに思います。

〇小島委員 午前中に、新型コロナウイルス感染症にかかる人権相談プラットフォーム会議の聞き取りをさせていただきました。そのやりとりの中で、最終あくまでも自己責任であるということを確認させていただいたり、課長の言葉の中に、寄り添いと言いながら、そうはしきれないのでそれは問題だと思っているとかですね。相談業務の限界でありますとか、あくまでも情報共有でシステマチックになってないんだというような御発言もあったように聞いています。
それで、本当に、この相談が、相談した方の解決につながるのかどうか、解決とは何を指しますかっていうことも聞かせていただきましたけれども、よくはっきりわからなかったなというふうに思うんですが。ちゃんと加害、被害とあるのなら、聞き取りを誰の責任で行って、どこに解決を求めていくのかというのが、やっぱり明らかにはなかなかならなかったなというふうに、聞き取りをして思いました。
 障がい者差別解消条例の中のこの相談の中には、やっぱり関係者間の調整をするというのも入っているわけです。その中には、じゃあ誰が責任者ですかっていうと県あるいは知事というふうになっているわけなんですけれども、その辺りの、誰がということをはっきりしていくということも非常に必要だと思いますし、この相談体制の充実は大事ですけれども、それがどういうふうに具体に生かされるのかということもまた、その先の、次の解消のための仕組みに入っていってしまいますけれども、必要なのではないかと思います。

〇稲森委員 今の小島委員の御意見そのものなんですけども、午前中お話を聞いていて思ったのが、知事が条例作ったから、ただやっているだけなんだなっていうふうに、失礼な言い方ですけども、やっぱ思いがなくって、情熱がないと駄目なんだなっていうふうに思ったので、その思いとか情熱をやっぱりここの条例の中で、考えていかなきゃいけないんだなと。相談して、その先、どうにもならないのであったら、相談しても同じ泣き寝入りをしなければならないっていうふうになるので、そこは、しっかり私たちが取り組んでいかなきゃいけないんだなというふうに思いました。

〇小島委員 何度もすみません。差別解消を目指さないといけないので、それが差別された側の責任にされることの、何か不思議さを、午前中聞かせていただいていて思いました。だから自己責任にはしない、その仕組みをこそ作るべきだというふうに思います。

〇北川委員長 そしたら、初めに、山本委員の方から、細かく、SNSに対する対応について、これについては、即応性も必要だし、一方で、女性差別による性被害も含めてだと思うんですけども、アフターケアも含めて、きちんとケアができるような、そういう相談体制が必要だということ。また、男性のことを対象の話も、伺ったところです。かなり各論的なところになりますので、また具体的なところで、再度また議論いただければと思いますし、一方、相談体制については午前中、プラットフォームについてお聞きしましたけれども、相談体制というこの文言の受けとめ方もあるかとは思いますけれども、解決にどうつなげていくべきなのか、この辺りは次のかぎ括弧、解消のための仕組み、これとリンクする話でもありますので引き続き合わせて、もう限られた時間ですので、討議をさせていただいたらと思いますが、御意見いかがでしょうか。たくさん書いていただいていますので、書いていただいている方含めて、御意見を出していただければありがたいですが、いかがでしょうか。

〇藤田委員 解消の仕組みの話でいいんですよね。私のこの書いた内容をもうちょっと説明させていただきます。何%の方が差別の被害を受けているという中で、そのうちの46%が、何もせず、我慢をしたっていう回答をいただいておりました。これ、調査結果ですけども、皆さんもこれは持っていただいているというふうに思います。
 それに対して、障がい者の差別を解消していくための条例であったり、犯罪被害者の皆さんの支援の条例っていうのをちょっと読ませていただいて、その方法について、提案をさせていただいたということなんです。
 要は、午前中にあったプラットフォーム。前までは人権センターへ相談をしに行くということだったらしいんですが、プラットフォームという形で、何人かのそれぞれの方の御意見も聞く体制にはしていただいたというふうにはなっておるんですが、先ほどちょっとお話させていただいたように、窓口を、これは差別をされたなというふうに思った方が相談に行ける窓口をきちっと決めておく。そこで、これ一番大事だと思うんですが、責任を持って対応していただける方、寄り添っていただける方というのを明確にやっぱりしておいて、具体的にどういう対応をしていくのかということを進めていくということと、必要な場合においては、それが本当に深刻なものなのかどうなのかという判断をするような組織もいるのかなというふうに思っています。で、この内容についてはいろんな皆さん方の意見があろうかというふうに思いますので、考えていただけたらいいなというふうに思いますが。
 そういう仕組みをやっぱり作っていくというのが、この特別委員会に課せられた大きな課題かな、任務かなというふうに私は思っておるということを申し上げたというのが、この私の意見でございまして、その辺のところを御理解いただきたいというふうに思います。

〇北川委員長 皆さんから御意見いただきたいと思いますがいかがでしょうか。

〇小島委員 そこに書かせていただきましたけれども、三重県では、障がいの有無にかかわらず誰もが共に暮らしやすい三重県づくり条例が制定されています。そこでは、差別の禁止、差別解消のための体制、施策の策定と実施状況の監視、それから三重県障がい者差別解消支援協議会設置の義務化、相談事例等の共有、検証、調査研究等が盛り込まれています。具体にそこに三つ挙げさせていただきました。これ、知事に対する必要な助言、あっせんの申立て、それから、これ24条ですけれども、知事は、三重県障がい者差別解消調整委員会の意見を聴くものとする。これ、知事が、附属機関として置くんですけれども、専門的な方がその中に入っているので、知事が、その方たちから意見を聴くという仕組みですね。それから場合によっては当該者に対して、これ事業者ですけれども、必要な措置、具体の行動が足りなければそれをとりなさいということを勧告するいうことができるというふうになっています。
 その次の三重県犯罪被害者等支援条例。これも、解決の主体が誰であるか、知事として書いてあるんですね。誰に責任があって、解決をしていくのかということが明らかにされることが必要だというふうに、この二つの条例からも思います。
 障がいがある方はこんなふうに県からいろんな仕組みを作って救済されるところまでいく。犯罪被害者の方は、見舞い金とかもあったと思います。具体の支援がいっぱいある。
 じゃあいろんな属性を基にして差別を受けた方が、この救済制度よりも低い次元っていう言い方が合っているかどうかわかりませんけれども、そこで収まっていていいのかどうかという、県民のいろんな属性によってそこに違いがあっていいのかなというふうに思うので、私はこの二つの条例の、その解決に向かう仕組みというのは大いに参考にすべきと思います。

〇小林委員 一番近い方からですけども、最後に言われた小島委員の障がい者に関することですが、三重県の条例で具体的な対策がとられているということなんですが、これも元法の根拠があるからだと思うんですね。障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の、3条、国及び地方公共団体の責務として、国及び地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、障害を理由とする差別の解消の推進に関して必要な施策を策定し、及びこれを実施しなければならない。これ、努力義務じゃなくて責務になっているので、この裏付けによって、先ほど出てきた三重県の条例では、事業者との間をとったりだとか、解決に向けての具体的なところまで、行政の仕事としてすることが、行うことができる、是正勧告もすることができるということになってきます。
 繰り返しですけども、その他、同じその三法、人権三法と言われている、部落差別及び本邦外出身者に対する差別的言動に関しては、このような記述がありません。すなわち、これ、根拠がないわけですね。
 どこまで踏み込んで、どんな制裁をするのかということ、対策をするのかということになってくるわけですけども、その前段で藤田委員が言われたような、プラットフォームのようなものを、この特別委員会で作るべきだという発言がありました。そのことに関して見解をお話ししたいと思うんですが、まず、そもそも、部落差別及びヘイトスピーチに関しては、前段にも、前回もお話をしたように、公権力で国民の自由を奪うことになる、濫用のおそれがあるという発言が、提案者の西田議員からありました。禁止行為、禁止規定行為が逆にほかのことに使われてしまって公権力の暴走につながってしまう、それを我々一番警戒しなければならないという発言があります。それから、逢坂議員からなぜ禁止にしなかったかということで、西田議員が、最終的に司法の場で判断されるべきだということです。で、共産党の仁比先生から言われた、なぜ禁止を置かないのかということに関しても、かつてあった治安維持法のようなもの。 
 こういった形で、法律が今はないので、この法律においても禁止規定に係るようなものは作らなかった。差別の事案によって対応が違ってくるのは当然だと思うんですね、環境が違いますので。
 加えて先ほどの鳥取県の弁護士会の見解ですけども、非常に重要なことなので読ませていただきますが、先ほども引用させていただきました、準司法的判断をするには救済機関の独立性が必要であると。パリ原則では国内人権機関は政府から独立することが規定されている。国の法律の規定によって政府から独立した人権救済機関を設けることは可能である。実際現存します。しかしながら、地方公共団体では、地方自治法の規定により、行政機関から完全に独立した救済機関を設置することができず、よって現状においては、行政組織の附属機関とせざるを得ないと。 
 そして、独立性を欠いたままで、準司法的機関というより強大な権力を持った行政機関が人権救済の名目で、私人間の紛争に介入していこうとすることが、その権限濫用の危険性と相まって集中的に批判の対象となった。それから、私人間の紛争に行政機関が権力的に介入することなど、絶対に認められないという否定的な見解があったと。それから、行為が公然となされ、かつ第三者の確かな証言や証拠がある場合であっても、救済機関に独立性がなければ公正な判断が行われるか疑問であるという見解。司法解決によるべきであると。落書きなど行為者が特定できない行為については、一般啓発のほかにない見解があります。これから、矢田中の話をすると余りにも話が長くなるので、弁護士の話はこれぐらいにしておきますが、具体的に人権侵害があった、それが、例えば非常に大きな侵害であって、命に関わるもの、あるいは財産を収奪するようなものである場合には、これは緊急性があって司法に委ねざるを得ないと思います。
 では、その全ての差別といったことになって、どこまでそれが取り扱うべきなのかということになってくると、これ、判断はつかないと思います。これを、先ほどの繰り返しですけども、地方自治体が何かの権限を持たせて、そこで判断してしまうということは、権限の濫用になりうるという懸念があるという事実が過去にあって、この条例がなくなったということを我々踏まえておくべきだと思います。

〇北川委員長 ほかに御意見いかがでしょうか。

〇小島委員 鳥取県の例は、第三者機関が、その第三者性が担保されるのかどうかというのが非常に大きな問題になったというふうに認識をしています。だから、そこは必ず担保されるべきというふうに思うんですけれども。
 るるいろんな法務委員会等でやりとりがあったことは、私も議事録を読んで存じ上げています。その中でいろんな方がいろんな発言をされています。実はもっと踏み込んだ法律を提案されている方々もおみえになりました。
 けれども、私たちは、もうそれ、2016年の前ですから、もうかなり5年、6年前のいろんなやりとりになるわけですよね。そこから後、この法ができた後、全ての地方公共団体等において、本当に差別がなくなったのかどうか、この三重県においてどうかということを我々はやっぱり考えるべきだと思います。そういうことを考えると、例えば部落差別解消法施行後の各種の条例制定を見ると、例えば、いろんな県、和歌山県なんかも作られていますし、福岡県とかも作っているわけですね。あと市町も作っているので、法を超えるのではなくて、法の理念を、先ほど申し上げましたが、どう具現化するか我々は考えるべき。そう思います。
 ですから、過去のいくら誰がどう言ったっていうのをどれだけ持ってきても、それは、三重県で作るべきなのか、いろいろ方法ありますけれども、そのあたりを阻害する要因にはなりえないと私は思います。

〇藤田委員 そういう現状の中で、法体系の中で、先ほど小島委員もおっしゃったようにですね。現実的に、和歌山県で、部落差別に関してですけれども、禁止の条例ができているわけですので、このことを作ることを、人権三法を作る過程の中で出てきた意見をもって、地方でそういうことをやってはならないというところにはつながらないんではないかっていうのは、私もそんなふうに思います。
 それは、この中の委員の皆さん方いろいろ情報集めていただいて決めていただければいいと思いますが、私は、現に、そのあと、県であったり市であったり、条例を作ってきているわけですので、三重県の状況に即した形で条例を作るということは、その内容にはならないというふうに私は思います。これもう、それぞれの委員の皆さんの考え方ですので、そのことについて、私個人の意見を述べさせていただいたということです。

〇小林委員 どういう対策をするのかというようなところでもバランスという話を私、差し上げたと思うんですが、それぞれのバランス、どこまでするべきなのかということに尽きるんだろうと思います。対策をする上において、条例を作る必要があるのか、禁止まで作る必要があるのか、あるいは、現行条例を改正する方がいいのか、どちらが効果的なのかということです。
 それは、和歌山県には和歌山県の実情があるでしょうし、福岡県には福岡県の実情があるでしょう。だからこそ、我々はこの三重県独自の立法事実があるかどうかということを正確に判断すべきだというふうに考えています。なので、ここでの調査研究があったという話が前段にありましたけども、三重県が、例えば部落差別に関してどんな課題があって、どれぐらいの人たちが、どんな状況に悩んでいるのか、それが、どのように解決すべきなのか、その上で、立法事実があるのか、条例を作るまでのことなのか、あるいはほかに手段があるのかということをしっかり検討した上で最終判断をすべきだと思います。なので、私は調査が必要だという話もさせていただきましたし、三重県が、三重県の状況に応じた、三重県独自の判断をすべきだということに関して、全く異論はないと思います。

〇中村委員 小林委員の今のお話も聞かせてもらって、私たちは、本当に何度も言いますけれども、こんなにたくさんの参考人の方々のお話を聞かせていただきました。本当に人に話したくないようなことを、ここでお話をしていただいたということは、現存する差別、それぞれ違う差別ですけれども、それを何とか解決を、解消をしてほしいという思いで来てくださいました。それだけで、まずは、それだけで、私どもが、条例を作るのに向かって走っていく、進めていく、そういう理屈はもうはっきりしているんじゃないかなというふうに私は思っておりますし、調査の話、私も調査すべきっていうふうに申し上げました。私どもがあくまで聞いたんは、それぞれの代表の方々の話でありますし、まだ生まれているものがあるかもわからない。先ほど少しいただいた資料から、ごく最近のネット上も、信じられない、考えられないような、そういう差別の言葉、差別のヘイトもそうですし、そして部落もそうですし、障がい者の方に対してもそうですけども、そういう言葉はもう本当にたくさん出てきている。そういう事実は、我々はここで確認をみんなでしたわけです。差別は本当になくさないかんな。そのためにはどんな仕組み作ろうかなという議論をずっとしてきておるわけであります。
 先ほどからも出ましたけれども、全国の地方議会の中には、地方団体の中に含めまして、小林委員がさっきおっしゃったように、どこどこを、それぞれの地域の事情をありながらということですけれども、やっぱりそのやる気っていうか、こんだけの差別があるのか、これなくすにはどうしたらいいか、なかなかひとくくりでの差別の定義が難しいんであったら、どんな形にしたらいいのか。もちろんこれは国際的な、いろいろ出てきている、もうどこでも同じような定義があるわけでありますけども、もうそれがあって、僕は十分だというふうに思うんですけれども。
 そういったことを考えると、三重県として、よそに遅れをとっているけれども、もっと前へ進んでいく、そういう気概が大事じゃないかなというふうに思います。その辺に向けての、やはりお知恵をいただきたいなと。そのことが、やはり我々は、ずっとこれ、時間かけてやっている意義になるんじゃないかなと、そのように今感じさせていただいております。

〇藤田委員 やはりその差別の量だとか、数だとかいう問題で私はないと思うんですね。我々が調査をしてきた、今、中村委員がおっしゃったけども、調査をしてきて、現実にあるということを、この委員会の中で確認をしてきたわけですので、これは解決をしていく。これはそういうことを本当に、そのことで、みずからの市民生活に影響が出ているというのであれば、行政として、それに対して、仕組みを作って解決していく。そういう仕組みを、可能な範囲でやっていくというのが、我々のこの特別委員会の責務だというふうに私は思います。それぞれの委員の皆さん、考え方はあろうかと思いますが、この差別の事実に対して、どう対処するのかというのは、それぞれの委員の責務だと私は思っていますので、解決をしていくような仕組みはぜひ必要だというふうに思います。その内容については、具体的にどうするのが一番いいのかということを、この中で考えていけばいい方法だということだというふうに思っています。

〇北川委員長 ほかに御意見いかがでしょうか。

〇東委員 ここにちょっと書かせていただいたので発言させていただきます。抑止と救済ということ。この時はちょっと書いたんですが、付け加えさせていただきます。
 午前中の相談窓口ということがございました。私は、その中で発言申し上げたんですが、マジョリティーとマイノリティーっていう話ですね。弱者、いわゆる少数者が相談窓口に行くというなんか前提なんですね、恐らく。それをじゃあ少数者の人の困りごとを相談来ますっていう感じで、具体的に寄り添うっていう言葉がよく使われますので、寄り添っていただく、相談する相手がいるよねっていう心強さのところが一つは支えるんだと思うんです、相談事業っていうのは。この相談っていうのは、実はそのマジョリティー側の相談であれば、相談が相談に終わらずに、解消窓口、課題解決をしていく窓口と多分なるんじゃないかと思うんですね。ものは表裏一体ですので、同じ課題でも多くの方がそうやって言っていますよって言ったら、窓口はもういてもたっても入れずもう即行動に移すんだと思うんですね。 
 法的手段に訴えるなりというのがありますので。私は、このことは前々から考えているんですが、社会をすごく、パラダイムシフトってもう変える転換点。特にそのコロナをきっかけにいろんな転換点があると思うんですが、今までの社会の作り方じゃない、違うものをやっぱり体制とするべきじゃないかなっていうのが、この解消のための仕組みの一つ。つまり、相談窓口とかっていう、弱者のためのではなくて、多くの人が困っているということを受け付ける能動的なポジティブな組織にすべきじゃないかなというふうに思います。
 そして、もっと申し上げたいのは、抑止ですね。今のは救済の部分ですが、抑止は、これはもう最も大事なことで、皆さん共通認識だと思うのは、教育と啓発の部分です。
 以前、この委員会で、人権啓発教育の成果ということで小林委員、小島委員が指摘をされてらっしゃいます。条例を知っていますかということに対して、本当に71%、その前は74%の方は知らないって、条例があることすら知らないんですね。もう一つ、83%の人が研修会に出たことありませんって言ってるんですね。これは何を、これから理解するかっていうと、行政の悪口を言うわけじゃないですが、努力が全然方向違いだというふうに思ってもいいぐらいだと思います。民間企業だったら、こういうことはあり得ないと思うんですね。理解されていない。条例があることを理解していない人が7割以上いる。それから、講習会開いているけども、一生懸命やっています。一覧表を見ても、もう各地で桁数、総人数でも相当な人数はありますが、これでも、8割以上の人が参加したことないというのは、これはやっぱりやり方なんだと思うんですね。条例というよりも、やっぱりその基本計画とか、行政のやることに、もっとこう視点を変えて取り組めば、私は抑止につながると思います。
 人権って、私ども子ども、小学生とか、中学生とかポスターを人権週間でかけております。人権とか書いていますが、これ、ちょっと言葉を選ばないといけないですけども、この人権という意味を理解をして、そしてそれで表現をしているか、どの程度習熟というのか、理解をしてそれ反映しているのかっていうことは、私は直接わからないので、現場を持ってないですからわからないですけども、もっとこういう事業をするんだったら、講演会するんだったら、よく言われるように心を込めて、魂を入れた形の人権教育っていうのが、第一歩じゃないかなあというふうに思います。
もちろん、そこに携わる人たち、現場で教育の現場にいらっしゃる方々、それから社会教育に携わっている方々が、やっぱりその量ではなく、やっぱ質を磨きあげていく、質を向上させていく、人権に対する取組を。そんなようなことが、この解消のための仕組みを作るには私は欠かせないことだというふうに思います。
 だから、県民の人たちは、三重県にはどんな条例があるかわからない。それよりも身近に、どういうことが、人権大事だよねっていうことの啓発活動をやっているのかということの方が、大事だというふうに思います。そういった意味で、ここを一行書かせていただきました。

〇小林委員 先ほど東委員が言われた、心のこもっていない人権啓発じゃ意味がないんだと、数じゃなくて質なんだという話をされたと思います。
 いつだったっけかな。前回、私が議場で登壇させていただいた、11月ぐらいだったと思いますけども、拉致被害者のことに関してお尋ねをさせていただいたと思います。その時に、もう10年以上前に、文科省が作ったアニメがあって、これに対して作文も書いてくださいねという啓発をしているんだけども、実際、それを実施している数もあまり把握ができてなかったり、報告もなかったり、非常に残念に思った経験があります。市議会議員もしていましたし、行政がやりましたというアリバイづくりみたいな言い方、非常に辛辣で、好きではないんですが、そんなことって多々あると思います。
 なので、東委員が言われたような、啓発のやり方、本当に解決をするための啓発になっているのか、教育になっているのかっていうことは、今までも十分課題だったと思うし、これからも課題になってくると思いますし、先ほどの拉致被害者のことは基本方針に書かれている取組の一つなわけですから、それ一つをとってみても、まだまだ不十分じゃないのかということを私も賛同するところです。

〇北川委員長 討議の途中ではあるんですけども、15時を回ってしまいました。御意見ある方もいらっしゃるとは思うんですが、この続きは、次回の委員間討議としてさせていただこうと思うんですが、どうしてもという方いらっしゃいますか。ここで委員間討議を終了させていただきます。
 次に、次回の委員会ですけれども、本日に引き続いて、この差別解消に向けた仕組みについて、この項目について、引き続いて委員間討議をさせていただきたいと思います。日程の詳細については、この後の委員協議で御協議いただきたいと存じますので、御了承願います。

3 その他

○北川委員長 特に、ほか、御意見ございますでしょうか。

          〔発言の声なし〕
 
〔閉会の宣言〕
                        三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
                                    差別解消を目指す条例検討調査特別委員長
                                                            北川 裕之 
 
 
 

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