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令和3年9月30日  差別解消を目指す条例検討調査特別委員会 会議録

資料はこちら

差別解消を目指す条例検討調査特別委員会
会議録
(開会中)
 

開催年月日   令和3年9月30日(木曜日) 午前10時0分~午前11時58分
会議室      601特別委員会室
出席     11名
           委員長     北川 裕之
           副委員長   山崎  博
           委   員   石垣 智矢
           委   員   小島 智子
           委   員   山内 道明
           委   員   山本 里香 
           委   員   稲森 稔尚
           委   員   藤田 宜三
           委   員   石田 成生
           委   員   東   豊
           委   員   中村 進一
欠席     なし
出席説明員   出席を求めず
事務局職   企画法務課政策法務監兼班長  水谷 憲司
委員会書記
           議事課     主幹  櫻井  彰
           企画法務課  主任  長谷川 智史
傍聴議員    1名
          杉本 熊野
県政記者    2名
傍聴者      2名
協議事項
1 条例案素案の検討について
 
【会議の経過とその結果】
 
〔開会の宣言〕
 
1 条例案素案の検討について
〇北川委員長 本日は、会派からの意見を踏まえ、条例案素案について、引き続き委員間討議を行いたいと思いますので、よろしくお願いします。
 なお、本日の進め方ですが、まず、前回の委員会で条例案素案に対して各委員からいただいた御意見への対応について説明を行い、その次に各会派からの御意見を御説明いただき、その後、まとめて委員間討議を行いたいと思いますので、御了承願います。
 それでは、委員間討議に入ります。
 まず、前回の委員会で各委員からいただいた条例案素案に対する意見及び意見への対応について、お手元に配付の資料1に基づいて、事務局から説明願います。

〇水谷政策法務監 それでは、お手元の資料1について御説明させていただきますが、この資料1のほうは、前回、9月15日の特別委員会で御議論いただいて、その御意見に基づいて修正いたしました部分と、その他、若干の文言整理などを入れたものというふうになっております。各会派にお持ち帰りいただいたものをベースにしておりますので、修正部分等に下線がなくてちょっと見にくくて恐縮でございますが、前回の条例案素案(修正案)以降の修正部分につきまして、幾つか御説明させていただきたいと思います。
 それでは、資料1の2ページ目、前文のほうを御覧ください。
 前文の1段落目の3行目から4行目にかけまして、「この基本的人権は」何とかかんとか、「永久の権利である」という記述につきましては、前回の稲森委員の御意見を踏まえまして、ここにこのようなフレーズを、日本国憲法第97条を参考にしまして付け加えております。
 続きまして、6ページを御覧ください。
 第2の定義のところでございますけれども、こちらは文言整理でございますが、(3)の人権侵害行為で、「他人の権利利益を侵害する行為」の前に、「不当な差別その他の」というフレーズを、また、人権問題の定義の前に、「人権侵害行為その他の」という言葉をつけております。内容的には、以前の委員会でも、ベン図といいますか、包含関係の図で御説明した内容どおりなんですけれども、これは前文にあったものをこの定義規定に移してくる際に、こういったフレーズがないと、あの図のようになるということが文言上少し分かりにくいと考えられましたので、包含関係を明確にするために、今申し上げたフレーズを付け加えさせていただいております。
 続きまして、9ページをお願いいたします。
 9ページの基本理念の趣旨に関する論点としまして、米印で1点追加しておりまして、「委員意見を」、これは小島委員、藤田委員の御意見の中で、慣行や慣習の見直しといったものも盛り込むべきという御意見がありましたので、それを一旦、ここの課題という形でまとめさせていただきました。内容としましては、「「不当な差別その他の人権問題の解消に当たって障壁となるような社会における制度、慣行、観念等の改善を図ること」という趣旨を基本理念に盛り込むことを検討する」というふうに記述させていただいております。
 表現ぶりにつきましては、政治分野における男女共同参画の推進に関する法律とか、あるいは本県の男女共同参画推進条例などを参考に、この課題の書きぶりをこのように書いておるところでございます。
 この課題につきまして、そもそもこういった課題、社会的障壁ということを課題に置いていただいたということでよかったかどうかを御確認いただきますとともに、この課題について、また条文にどのように取り込むか、本日、御議論をお願いできればと思います。
 続きまして、11ページをお願いします。
 基本理念の2つ目でございまして、マル2のところでございます。
 この「公然と摘示する行為」のうち、前回、小島委員、その他の委員方から御意見をいただいて、前は「公然と摘示する行為」の前に、「文書の頒布、掲示その他これらに類する方法で」という摘示する行為の方法が書かれていたんですが、これは必要がないのではないかという御意見があり、削除いたしました。また、条文としては、この全体の網かけを取るとともに、趣旨等に4つ目のポツを追記いたしまして、こういった属性情報の摘示行為の禁止の考え方を記載してございます。
 続きまして、少し飛んで22ページをお願いします。
 第10のマル1のところでございますが、2行目で「その他の人権侵害行為を受けることのない」というふうになっておりましたが、他の前文とか、あるいは目的規定と合わせて、「受けることのない」ではなしに、「行うことのない」ということで、こちらのほうの文言整理をさせていただきました。
 続きまして、23ページをお願いします。
 こちらは趣旨等の3ポツ目ですけれども、前回の小島委員の御意見などを踏まえまして、なお書きで、施策の実施状況の報告・公表の内容に含まれるものとして、事案やそれへの対応の状況、あるいは実態調査や情報の収集等の結果なども含まれると考えられるということをこちらのほうに追記して、年次報告への記載事項を加えた形になっております。
 続きまして、25ページをお願いいたします。
 第12の条文の中のマル2の(2)でございますが、「関係機関への通告、通報その他の通知を行うこと」の前に、「必要に応じ」というフレーズを加えさせていただきました。この「必要に応じ」がない従来の案ですと、この「通告、通報その他の通知」を絶対に行わなければならないように読めてしまうんですが、今回、相談関係で、いろんなものを扱うということで、事案によっては必ずしも通告等が必要にならない、例えば相談を受けたところで完結してしまうような場合などもあり得るのかなということで、そういった通告、通報等が必要でない場合もあり得るというふうに考えられましたので、それが読み取れるようにということで、「必要に応じ」というフレーズを加えさせていただいております。
 続きまして、27ページの第13のマル1の3行目、「(2)において同じ」というフレーズの前に、「以下」という文言を加えさせていただきました。これは極めてテクニカルなものなんですけれども、今後、条例案等となった場合に、以下、この節において同じというふうな条文に多分なるはずでして、それをこの素案の中でも反映するということで、文言を整理させていただいたテクニカルな追加でございます。
 続きまして、31ページをお願いします。
 第14のマル3でございますが、1行目の「助言」の後に、「マル1による助言に限る。以下(2)において同じ。」という括弧書きのフレーズを加えさせていただきました。これがない従来の素案のままですと、この素案の中の「助言」というので、広く相談を受けた場合の「助言」と第13で言っている申立てを受けて助言、説示、あっせんを行う場合の「助言」とが紛れる可能性がありまして、ここで言いたいのは、不当な差別に係る紛争の解決を図るための体制につながっていくような、今後、三重県差別解消調整委員会の意見を聴いたり、勧告や公表の対象となるようなものに限る必要がありますので、この「マル1による助言に限る。以下(2)において同じ」というふうなフレーズを足させていただいたという文言整理というか、より正確な記述にするための整理でございます。
 続きまして、37ページをお願いいたします。
 条文の中のマル12ですが、書き出しのところ、「マル1~マル11に定めるもののほか」ということで、これは以前「マル1~マル8」となっておりましたが、この専門委員の記述を足したときに、いわば項ずれしておりますのを反映しておりませんでしたので、申し訳ございません、「マル1~マル11に定めるもののほか」ということで文言整理のほうをお願いしたいと思います。
 あと、41ページでございます。
 こちらのマル1のほうでございますが、こちらは前回、小島委員の御意見もありまして、学校教育等を通じた人権教育につきましての記述について、三重県人権教育基本方針などの記述も踏まえまして、ここの中の記述をこのマル1全体にございますように、「学校教育等を通じて、誰もが等しく基本的人権を有するかけがえのない個人として尊重されるものであることその他の人権尊重の理念を体得させ、不当な差別その他の人権問題の解消に向けて主体的に取り組むことができる人間性を育むため」云々というような記述に修正させていただき、併せて、趣旨等の2ポツ目もそれに合わせたような表現とさせていただいております。
 最後でございます。50ページ目。
 以前、人権施策審議会の設置とその審議会の組織等というのが2つの条文に分かれておったものを、石田委員の御意見を踏まえまして、第25の三重県人権施策審議会という1つの条文にまとめましたので、それに伴って、この条文のほうもマル1からマル8までというふうにいたしますとともに、第26、52ページ以降も、条ずれといいますか、番号がずれるような格好でさせていただいております。
 以上が、前回、9月15日で御説明いたしました素案の修正版以降の修正内容でございます。よろしくお願いします。

〇北川委員長 ありがとうございます。
 内容に関わっての部分はまた全体の中で議論をさせていただこうと思いますが、何か今の説明の中でちょっと分かりにくかったとか、質問的なことはございますか。

          〔発言の声なし〕

〇北川委員長 特にありませんか。
 なければ、続いて、各会派に持ち帰っていただいて、御検討いただいた条例案素案についての御意見をそれぞれの会派からどなたかお一人に代表して御説明いただきたいというふうに思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、まず、新政みえ、お願いします。

〇小島委員 新政みえで検討させていただいた結果ということでお話をさせていただきます。
 おおむね了解ですが、大きく4点、今日はお伝えしておきたいと思います。
 まず、1点目は、先ほども出していただいたんですけれども、9ページのところに米印があります、差別そのものをなくす、未然防止も含んで解消する、という取組と、それを生む土壌としての社会構造の変革を促すべきだということで、その社会構造の変革を促す辺りがやっぱり書き込みをするべきだろうという意見です。この米印のところで、文言がこれでいいかどうかはまだ少し検討の余地があると思いますが、こういう考え方を、例えば第3条の基本理念の(7)として入れるとか、そういうことは必要なのではないかという意見が出ました。
 そして、直接的な差別解消もそうですけれども、この社会構造の変革をする、意識変革をするということこそ、実は県や全ての県民の責務なのではないかという意見も出されました。場合によっては、例えば県の責務や県民の責務のあたりにもこういう考え方というのを書き込む必要があるのではないかということです。それが1点目です。
 2点目は、どこにどう表すかというのは別なんですけれども、何回も「不当な差別」という言葉が出てきます。けれども、差別は、1つの属性に対する効果、単体で起こる場合もありますし、複合的に起こる場合もあります。例えば、女性という属性、それに障がいがあるということが加わると、なお厳しいということが現実あると思うんですけれども、複合差別の考え方を文章として書き込めるのか、逐条解説あたりでやっぱりこういうことがたくさん起こるということを認識するということは必要ではないかという意見です。
 それから、3点目が人権教育のところです。
 書きぶりを変えていただきましたが、第19条のマル1のところです。「県は、学校教育等を通じて、誰もが等しく基本的人権を有するかけがえのない個人として尊重されるものであることその他の人権尊重の理念を体得させ」、ここで考え方をきちんと理解して自分のものにしていくということがうたわれています。
 その次です。「不当な差別その他の人権問題の解消に向けて主体的に取り組むことができる」、ここにまた「人間性」と出てきます。ここでは、「人間性」ではなくて、実際に行動できる力、行動力というのか、実践力というのか、そういうことが必要なんだろうと思いますので、上で理念等が書かれていますから、2つ目は「行動力」ではないか、そんな意見が出されています。
 それから、4点目、最後ですけれども、附則の見直し規定に関わってです。
 最後の6番、「必要があると認められるときは」というふうにありますけれども、例えば障がい者差別解消条例は3年をめどにというような記述があるわけでして、ここについては人権施策基本方針、それから第四次人権が尊重される三重をつくる行動プラン、それから人権問題に関する三重県民意識調査あたりのPDCAをどうやって回すかという中で何年がいいのかというのは、またその中で、あるいは執行部とのやり取りの中で決めればいいと思いますけれども、やはり何年ごとというふうにある程度年月を区切って見直しをしていく必要があるのではないかという意見があります。
 以上、4点、申し上げておきたいと思います。

〇北川委員長 続いて、自由民主党、お願いします。

〇石垣委員 自由民主党からは2点御意見がありましたので、お話をさせていただきたいと思います。
 どこという形ではなく、全体的なところでの御意見をいただいた形なんですが、1点目は、人権侵害行為というものが、そもそも何がその行為に当たるのかというのがこの条例の内容では不明確というところで、もちろん今後の基準であったりとか、いろいろマニュアルを策定する中での部分だと思いますが、この不明確さ、例えば知事が替わるたびに考え方、基準が変わる、こういう可能性が出てくるのが非常に心配だということなので。もちろん今後の、条例案ではなくマニュアルの部分になってくるのかも分かりませんが、この辺りが非常に心配だというお声が1点。
2点目が、今回は事業規模として、兆候であるところの相談内容から、それこそ訴訟前の案件を扱うような、規模としてかなり広く大きなものでありますので、もちろん、まだ現在、行政側の意見を聞いておりませんので、非常にこれが県行政で扱えるものなのかどうかということも心配の声が上がっておりました。
 ですので、やはり行政側とよく調整していただくことを望むというところで自由民主党の中からは声が上がってきましたので、この2点について御意見を申し上げます。

〇北川委員長 続いて、草莽、東委員お願いします。

〇東委員 この案について会派で説明をしましたら、おおむね了ということでございました。

〇北川委員長 続いて、公明党、山内委員お願いします。

〇山内委員 公明党におきましても、こちらの素案のほうで了ということで。

〇北川委員長 続いて、日本共産党、山本委員お願いします。

〇山本委員 この素案については、流れとしては了としたいと思うんですけれども、3点、ちょっと思うところがあります。
 まず、以前からも言っておりました定義のところですけれども、その中で、ページ数で言うと6ページに今の資料ではなっておりますが、定義のところで、「人種等の属性」ということの説明等の中で、「被差別部落の出身である」ということが明示されております。
 前回も申しましたけれども、この「被差別部落」という形が、今までのいろいろな歴史の中で問題があり、そしてその解消に向けて努力してきて、まだなお残存しているということについての認識は共通しておりますけれども、部落差別の解消の推進に関する法律でも定義には入れていない。定義というものをつくらなかったわけですね。それは国会論戦の中で定義をつくるということはしない形で進み、ただ、もちろん部落差別を解消するためのその法ができているわけですけれども、そういう中で、これは鳥取県の条例を基にして記述があるわけですが、憲法上の「門地」という形でいいというふうに私は思っています。
 そして、この「門地」の説明を前にしていただいたんですけれども、「門地」ということでも、「出自」という言葉があると思うんですけれども、結婚差別のことがよく部落差別の中で現存、本当に大きく残っていると言われるわけですけれども、部落差別だけではなく、結婚差別の中には、生まれ、そして育ち、生い立ちなども含めてあるというふうに認識していますので、この部落差別も含めて、「出自」というような文言であるとか、「門地」という言葉がもう先に出ているのでそれで済ませるとかということが妥当ではないかというふうに思っています。日本国憲法の表現で最低十分だということです。
 それについては、11ページにも趣旨等の中に文言が出てきますので、そこの辺りも気にはなります。条文ではないですけれども、気にはなります。
 それから、先ほど新政みえのほうからもありました米印にあって、検討事項になっている9ページの社会的な構造というか、状況の変化を求めるということは、やはり今とても大切なことで、決して個人の枠の中だけでこれは進められるものではないということで、記述が入るとなおいいというふうに考えます。
 3つ目です。
 第13以降、助言、説示、あっせんということで、こういうことがきちんと進められるということがとても大切だと思うし、そのことについては先ほども出たけれども、本当に扱いが難しいことまで広く出てくる中で、ヘイトの問題であるとか、自由ってどういうところまでかとか、権利ってどういうふうに考えるかということが根本にあると思うんですけれども、今までの様々な差別問題を解決に向けて頑張ってきた中で、一定、団体の深い介入という中で、三重県も大変混乱したというか、大変な思いをした部分がありますけれども。これは部落差別についてですけれども、参議院の附帯決議の「過去の民間運動団体の行き過ぎた言動等、部落差別の解消を阻害していた要因を踏まえ、これに対する対策を講ずることも併せて、総合的に施策を実施すること」という、この部分、これは大切なことだと思っています。条文に書くということではなくて、助言、説示、あっせんということを進めていくに当たって、やはり共通の認識を持っておくこと、それらに対する、そんなことがもうあってはならないし、今後ないとは言い切れませんので、そういうような形のことをきちんと認識しておくということが必要かというふうに思います。

〇北川委員長 最後に、草の根運動いが、稲森委員お願いします。

〇稲森委員 ここに至るまでいろいろ意見も言わせていただいて、いろいろ反映もしていただいてきましたので、この内容でおおむねいいと思います。また、各会派の皆さんの意見を聞かせていただきながら考えていきたいと思います。

〇北川委員長 各会派から、それぞれ持ち帰っていただいて御議論いただいた内容について御報告いただきました。
 それぞれ各会派から報告いただいた内容について、もし、お話しいただいた内容はどういうことかということで御質問があれば出していただけますか。

〇藤田委員 山本委員にお聞きしたいんですが。「被差別部落」という表現が内容的にはまずいという御意見ですか。その理由がちょっと明確に分からないんですが。

〇山本委員 被差別部落、部落差別がまだ現存しているということは、この間の学習の中で、あるということを私も認識しています。この長い歴史の中で、それを解決するために多くの方が努力し、その中で大変つらい思いもあった中で、今、新しい法律の中で、部落差別解消推進法が出ていますけれども、そのつくるときの論議も皆さんは御存じやと思いますけれども、同和対策事業特別措置法がある中で、指定された地域というのはあったわけですけれども、それは今は形としてはなくなっています。だけれども、人間って生まれてからの歴史がありますから、それを引きずる形でまだ差別が残っているということは事実です。けれども、現在、被差別部落ってどこですかともし私が聞かれたら、被差別部落というのは今の時代ありませんというふうに答えるわけです。例えば、三重県人権センターにそんな問合せがあったときも、そんな、何を言っているんですかというふうにお答えになるというふうに聞いていますけれども、そういう中で、今、裁判でも、現存するということ自体を否定すると、研究のためにということでいろいろ言うておりますけれども、そういう中ですので、公式のこういうところに記述するということは、私としては、今は控えたほうがいいのではないかと。
 ただ、差別はありますよね。その差別は、今言ったように、例えば「出自」であるとかということやと、もう少し広くなって、もっと漸進的なというか、広い範囲で生まれや生い立ちということの中に、言葉として「被差別部落」という言葉を使わないけれども、その中に含まれるし、もっと広い意味で充実した内容になるのではないかと。
 「門地」という言葉については、前回お答えいただいたことで、生まれた場所みたいな形でお話があったと思うんです。だから、イコール被差別部落のことだけではないというふうなお答えやったと思うんですが、そういうことからいくと、「門地」で解消されるのか、それを「出自」とするほうがもっと充実したものになるのかと考えたときに、充実したものにするということでは、よりこれから先のことを見通した条例をつくるときに有効ではないかなと私は思っております。

〇藤田委員 ありがとうございました。考え方の確認だけさせていただきました。

〇北川委員長 ほかに質問はありますか。また議論は後でさせていただきますが、確認の質問だけですけれども。

          〔発言の声なし〕

〇北川委員長 じゃ、ちょっと早いんですけれども、換気も兼ねて、正副委員長のほうでいただいた御意見の整理もさせていただいてと思いますので、ちょっとお時間をいただくことも含めて、暫時休憩をさせていただきます。再開は10時45分とさせていただきます。

(休  憩)
 

〇北川委員長 休憩前に引き続いて、委員会を再開いたします。
 各会派から御意見をいただいた内容について、順番に委員会の中で議論なり確認をしていきたいというふうに思います。
 まず、新政みえからいただいた意見が4つございましたけれども、1つ目は、社会構造の変革というところの促進というか意識改革といいますか、社会構造の変革という部分について、少し書き込みが不足しているのではないかという御意見がありました。前文にも社会構造についての内容については書き込んでいるところではありますけれども、解消の仕組み等は、個別の事案に対して相談、助言、説示、あっせん、勧告という流れはつくっていますけれども、おっしゃるように社会構造の変革の部分について、さらに書き加えてはどうかという御意見がございました。
 前回もいただいた意見の中で、9ページの基本理念のところの米印には、社会構造と丸々一緒の内容ではないですけれども、社会における制度、慣行、観念等の改善を図ることという趣旨を基本理念に盛り込むことということを課題として上げております。
 このことについて、そういう内容を書き込むべきだということ、それから、書き込むとしたらどこに入れるべきか、この辺りについて各委員の皆さんから御意見がありましたら、いただきたいと思います。

〇山本委員 ここで紹介していただいている文言ですけれども、これは採用すればいいなと思います。慣行とか観念というのはなかなか変えられるものではないけれども、慣行や観念をつくっているのは、大きく社会制度だと思います。その制度を変えていくということがあって、慣行や観念もそれに伴って変わってくる部分でもあるので、やっぱりこの文言で取り入れていくということは必要かなと思います。

〇北川委員長 ほかの皆さんはいかがでしょうか。

〇中村委員 山本委員のおっしゃるとおりだというふうに思います。
 全体にあちらこちらで、社会構造というのを変えていかないかんという匂いはするんですけれども、具体的にはっきりとそういった表現をしてあるところがないので、先ほど小島委員がおっしゃいましたけれども、この基本理念の(7)に書き加えるという形でも、やっぱり見た人に社会を変えていかなあかんのやということがすんなりと入るように、分かりやすく挙げていくということが大事かと思います。表現についてはまた議論していただければというふうに思いますが。

〇北川委員長 基本的にこの内容について、社会構造の変革という内容を条文の中に書き込むべきだということでは、皆さんの共通認識ということでよろしいですか。
 加えて、どこにという部分については、前回の議論の流れの中で、基本理念の前段の部分、9ページの第3のところへという意見、並びに小島委員のほうから、県の責務や県民の責務、ここにもあってもというか、あるべき話ですよねという声もいただいたわけですけれども、場所についてはいかがですか。

〇小島委員 基本理念に沿って県や県民の責務が生まれるわけなので、ここにきちんと書き込みがあれば、それに沿って責務が課されるということであれば、この基本理念にきちんと書いていただいたらいいのかなというふうに思います。
 先ほど、法務監の御説明の中に、この辺は男女共同参画に係る法や条例の中でというふうにありまして、そのとおりなんですが、障害者基本法とか障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の中にも、社会的障壁をどうやってなくすかということの中に、まさしくこの「制度」、「慣行」、「観念」というのは出てくるわけで、その辺りが社会を変えるために必要な、変えるべき内容だというふうに思うので、これはぜひお願いしたいと思います。

〇北川委員長 基本理念が全体的な考え方のベースを示すところではあるので、そういう意味では、第3の9ページのところに7番目として項目を追加して入れるという形で正副委員長で整理させていただいてよろしいですか。

〇石田委員 異論はございません。
 差別事象が起こったときに、それをもぐらたたきのように潰していくだけではなくて、差別事象が起こらなくても、社会全体に、ふわっとしたのか分かりませんが、そういう風潮だったりがあるのを変えていきましょうという趣旨だと理解しております。
 そう理解したときに、山本委員が言われた「制度」ということも使われましたかね。その「制度」というのはどのような「制度」なのか分からないところがあるんですが、「社会構造」と言っちゃうと、「社会構造」って、こういう差別の心のだけじゃなくて、かなり広範な趣旨に取れるのかなと思うので、もう少し、社会の何々の構造とか、何か表現の仕方がないのかなと今思っているところなんですね。何て言うのがいいのかな、すみません、ちょっと思いつきませんけれども、「社会構造」と言うと、もっといろんなことが入るので、もうちょっと人権に絞れた表現がないのかなと思うのが一つなんです。
 それで、冒頭申し上げましたように、差別事象が起こってきたのを潰していくんじゃなくて、それが出ないような、いわゆる社会の土壌汚染的なものを解決していく話だと思うんですが、そうなると、どちらかというと、起こったことを解決していくんじゃなくて、起こらないように社会全体の空気を変えていくとなると、人権啓発とか人権教育とリンクさせるのがいいのかなと思うので、もしここに入れるんなら、第19の人権啓発、人権教育のところも何か一工夫が要るかもしれないなとちょっと思っているところです。
 すみません、ずばっと答えをよう言わんところはありますが、思ったことを申し上げました。

〇北川委員長 おっしゃっているニュアンスは分からせていただきますので。入れるという方向の中で、例えば逐条解説の中で、いいのかどうか分からないですけれども、社会構造あるいは慣行、制度的なところで例示できるようなものがあれば例示するという方法もありますし、少し正副委員長で預からせていただいて。
 人権教育のところは、そういう書きぶりは全くなかったんでしたっけね。そうですね。その辺りは皆さん、いかがですか。
 当然ながら、その考え方、理念だとか、先ほどお話の出た実践力や行動力ということに加えて、社会構造や社会制度、慣行、こういうものを変えていくということが必要だという意識づけも人権教育、人権啓発の中で必要なのかも分かりません。文言的に可能であれば、ちょっと正副委員長で考えさせてください。
 1つ目のところはよろしいでしょうかね。基本的には、基本理念のところに付け加えるということで進めさせていただきたいと思います。
 それから、2つ目には、複合的な差別のお話がありました。
 これについても、確かに書きぶりとしてはあまり入っていないところではありますが、どこに触れるかということはありますけれども、複合的な、1つの属性に限らない、当然、複数の属性に関わっての差別があって、より困難な状況を強いられている被差別の方というのは例としてたくさんあるわけですので、その部分についての書き込みを入れるべきかなというふうには思いますけれども、入れていくべきかどうかと、併せて、どこに触れておくべきか、この辺りの御意見はいかがでしょうか。
 考え方だというのであれば、9ページの第3の基本理念の中に書き込んでいく、あるいは逐条解説の中で、そういう考え方、困難さがある複合差別についての解消はしっかり図っていかなきゃならないということを入れていくということ、あるいは、その後の不当な差別その他の人権侵害行為等の禁止の中で複合的な差別というのは駄目ですよねということを書いていくということもありますでしょうし、それから、相談体制の中で、より困難さを極める複合的な差別について、いろんな関係機関と連携しながらきちんと対処すべきですよねということを上げていくか、幾つかの選択肢があるかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。

〇山本委員 複合的な問題というのはより大きくなるとは思いますが、個別であったって差別はいけないと前段にずっと書いてあるので、相談体制のところで複合差別についての重要性、問題の大きさとかということを十分認識してということを入れることがよいのかなというふうに思います。趣旨等のところで。

〇北川委員長 おっしゃるように、そもそも差別は駄目だと宣言していますので、それが単一の属性であろうが、複合的なものであったとしても、そもそもそれはいけないよということになっているということから考えると、相談体制の中で、山本委員のほうからは趣旨等ということで、逐条解説にということになりますけれども、そういうことに対する対象を万全の態勢でやるべしということを書き込んでいくという御意見でしたけれども、どうでしょうか、そういう形で入れさせていただきましょうか。

〇小島委員 相談体制のところで入れていただくということもいいと思いますが、例えば、その前段、定義のところに不当な差別と書いていただいてありますよね。「人種等の属性を理由とする」云々と書いてあるんだけれども、ここの条文が難しければ、例えば逐条解説の中で、その属性は複数にまたがる場合があるということを書いておく。どちらからの相談になるか分からないけれども、そのときに、多分、相談体制が複数にまたがってということが起こり得るので、この辺りの属性は単一ではないということを明らかにしていただくという方法もあるかと思います。

〇北川委員長 ほかに御意見はございますか。

〇山内委員 今の小島委員の意見に賛成なんですけれども、障がい者差別でもあったと思うんですが、やっぱり複合する差別って多いケースもあるというふうに聞いていますし、実際あると思います。さらに、複合しやすいという感覚も持っておくことが大事かなという意味では、今の小島委員の意見に賛成です。

〇北川委員長 ほかにいかがでしょうか。

          〔発言の声なし〕

〇北川委員長 いずれにしても、皆さんの御意見としては、このことについてきちんと対応していくべきという声には変わらないので、1つは、複合的な差別があるという認識をまず定義の中で持っていただくということでは、正副委員長に預けていただいて、中に入れるか逐条解説に入れるかはお任せいただいて整理させていただきたいと思いますし、併せて、現場でどう対応していくかということについても重要なことなので、相談体制の中でも逐条解説、趣旨等で触れていくことができれば少し考えてみたいと思いますが、そういう形でよろしいですか。

          〔発言の声なし〕

〇北川委員長 3つ目、いただいた意見の中で、人権教育のところですね。第19、41ページになります。
 マル1のところについてお話しいただいて、理念の体得と、主体的に取り組むことができる人間性を育むという部分について、どちらも理念的な部分ではあるので、より求められるのは実際の実践力や行動力ではないかということで、そうした書きぶりに変えたほうがいいのではないかという御意見でした。このことについてはいかがでしょうか。

〇山内委員 さっき休憩時間にいろいろお話をさせていただいた中で、ちょっとだけ発言させていただくんですけれども、「行動力」は、すばらしい意見だなというふうに思って聞かせていただいて、ぜひその方向でと思う一方、今回、その解消に向けて主体的に取り組んでいただきたい人というのは全員だと思うんですね。それは当然、差別を受けた方、またそこを支援する周囲の方と、あと傍観者の方もやっぱりしっかりと行動変容していってほしい、さらには加害者の方も変革してほしい、そういった期待もしっかり持っていかないといけないという部分で、それぞれ大きく4つに分けたときに、解消の形が異なってくるかというふうに思います。最終的には行動に表していただきたいんですけれども、加害者とかはやっぱり内面の変革をしっかりしていっていただきたいというところでは、「行動力」としてしまうとかなりハードルが高いというか、差別を受けた方と周囲の方に限定的なニュアンスにならないかなという部分。また、加害者の人が内面的に変革をしていくんだという、その変わっていくこと、逆に周囲はその変革を信じるというか、そういう力を養っていくということも大事なのかなというふうに思っています。
 解消ということに関して、何をもって解消するかというのがあまり定義づけられていないんですけれども、その場でしっかり解消できる場合と、一番大事なのは被差別者に解消したと感じていただくことが大事なんですけれども、それは時を経る場合もありますし様々なケースがあるので、「行動力」というところからヒントを得て、ちょっとざくっとなってしまいますけれども、総合的に「人間力」という言葉が一番しっくりくるのかなと個人的には思っています。

〇北川委員長 ほかに御意見はいかがでしょうか。

          〔発言の声なし〕

〇北川委員長 特に御意見がなければ、小島委員からは、「実践力」、「行動力」というお話がありましたし、山内委員からは、そのことも含めて「人間力」ということでの表現のお話をいただきました。少し正副委員長で預からせてもらって整理させていただくことでもよろしいですか。

〇石田委員 今は、第19の人権教育及び人権啓発のマル1の4段目の「主体的に取り組むことができる人間性を育むため」のこの「人間性」を、「行動力」とか「実践力」とか「人間力」とかに変えたらどうかという、そういうお話。

〇北川委員長 そうですね。

〇石田委員 分かりました。オーケーです。

〇北川委員長 それから、4つ目に、新政みえからいただいていたのは、附則のところの見直し規定の件で、今は、「必要があると認められるときは検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする」となっていまして、具体的に障がい者差別解消条例のように、おおむね5年で見直しとかというふうなことにはなっておりません。御意見としては、やっぱり年数を決めて見直し規定にしておくべきではないかという御意見だったというふうに思うんですが、これについて委員の皆さんからの御意見はどうでしょうか。考え方として、メリット、デメリット、いろいろあるとは思うんですけれども。

〇中村委員 やるかやらんかというか、年数を全く決めないでそのままつくっていくというよりかは、やはりきちっと年数を挙げれば間違いなしにずっと動いていくわけですから、ただ、執行部のほうの事情といいますか、ほかのいろんなこともあるんで、今、年数は何年と言うんじゃなしに、執行部からその辺の意見もしっかりと聞いた上で、何らかの形で年数を決めていくという方向がいいんじゃないかなというふうに私も思います。

〇北川委員長 ほかに御意見はどうでしょうか。
 中村委員のほうからは、年数を決めた見直し規定にしたほうがいいのではないか、ただし、その年数については執行部から意見を聞いて判断すべきではないかという御意見でした。

〇小島委員 少し付け加えます。
 先ほど、人権施策基本方針とか第四次人権が尊重される三重をつくる行動プランとかいろんなことを申し上げたんですけれども、これはやっぱり様々な事情で何年と決まっていないというか、行動プランって4年のときもあれば5年のときもあるとか、それから、基本方針も9年から10年なんですね。はっきり何年で必ず変えるとかでなく、やっぱりちょっと柔軟性があって、だから、おおむねでいいと思うんですけれども、全部を織り交ぜて、どうやって起こったことの解消に向かっていくか。上に向かってスパイラルというか、そういうPDCAを回すために、この条例もその中の一つとして、やっぱり何かがあったときの次年度に見直しをかけるとか、何かそういう仕組みが必要なのかなというような意見も出ていたと思いますんで。そういう考え方です。

〇北川委員長 お話が出たので、正副委員長として、今度、執行部とのやり取り、意見の聴き取りをしますけれども、やっぱりどこかで執行部との意見交換の中で、今の見直し規定のことも含めてですけれども、他の行動プランや調査、あるいは基本方針も含めて、どういうサイクルで、またそこにPDCAをどうかけていくかというのは非常に重要なところになると思うので、その辺は執行部からの聴き取りの中で議論させていただきながら、また場合によっては、やっぱりそういうのも図式化してもらって分かりやすい形で我々が飲み込んで、その上で、じゃ、条例もどれくらいのサイクルで見直しをしていくべきですよねという議論があったほうがいいのかなというふうに思いますので。どうでしょうか、中村委員からもお話がありましたけれども、年数は決めていく方向で議論を進めるとして、ただし、どの程度でというのは執行部との意見交換の中で判断していってはどうかということでしたが、そのような形で置かせてもらってもいいですか。

          〔発言の声なし〕

〇北川委員長 よろしいですか。
 では、次に、自由民主党からいただいた御意見で、1つ目に人権侵害行為が何に当たるか、不明確ではないかなと。場合によっては知事が替わるたびに変わってしまうような危険性もあるのではないかという御意見がありました。
 これは定義にも関わることなので、少し法務監のほうから考え方を示していただけるとありがたいですけれども、よろしいですか。

〇水谷政策法務監 ここでの人権侵害行為の定義で考えておりますのは、例えば民法の不法行為のような、故意または過失によって他人の権利などを侵害した者というようなものとほぼ同義なのかなと思っておるんですけれども、もしこの定義のまま、今の案で不明確ということであれば、例えば、「他人の権利利益を違法に侵害する」とか、「違法に」ということをさらに追加することも考えられますし、あるいは、そのことを侵害するという言葉の中に内在しているというふうに解釈することも、いずれも可能かなと思います。
 ただ、そういった民法の不法行為にどんなものが当たるかというのは、これまでの裁判などでずっと長い蓄積がありますので。知事が替わるからといって変わるものじゃなしに、そういったものは長い蓄積で決まってきてはいるものの、分かりやすくするということであれば、それらのうちの代表的なものを、例えば逐条解説のほうに幾つか例示的に書くということは可能かなと思うんですが、条文的には一応これで、先ほどの「違法に」という言葉を足すか足さないか程度で、あとはこのような規定ぶりでいけるのではないかなというふうに考えられます。

〇北川委員長 法務的には、判例等の蓄積もあって、一定の確固たるものがあるという認識の中で、知事が替わって簡単に変わっていくものではないよという考え方を示していただきましたけれども、何か質問、御意見はございますか。

〇山本委員 ちょっと言葉で。他人の権利利益を違法に侵害する。適法な侵害ってあるんですか。法にかなった侵害。

〇水谷政策法務監 正当防衛的なものというのはあるかとは思います。緊急避難的なものとか。ごく例外的ではありますが、そういったものを除くために「違法に」ということはあり得るかと思います。

〇山本委員 ありがとうございました。

〇北川委員長 ほかに御質問、御意見はございますか。

〇小島委員 定義の話ではないんですけれども。障がい者差別解消条例においても、この知事のところまでいっているものというのはなかったように思うんですよね。相談を経てもなおその解決が期待できないのでということで、差別解消調整委員会まで上がってきているものってありましたっけ。

〇北川委員長 というか、根本的に人権侵害行為は相談体制までの中にくくっていますので、申立てのほうには、今の条例の立てつけの中でははまってきません。

〇小島委員 例えば人権侵害行為であっても、不当な差別であっても、市町に相談に行く場合もある、県に相談が来る場合もある。そして、一旦受け取って様々なことをしてもなお、その解決が期待できない、ここは人権侵害行為と直接関わりはないですけれども、それでもなお納得がいかない、解決ができない。なので、多分何重にも、フィルターという表現がいいのかどうか分かりませんけれども、段階を追って解決のチャンスや解消していくチャンスというのは考えられるのかなというふうに思うので、人権侵害行為が何を指すかということはコンセンサスを持っておく必要があると思いますけれども、それをもって、とても心配するということはあまり必要がないのかなと個人的には思います。

〇北川委員長 再確認ですけれども、今申し上げたように、判断がということを言われたんですが、判断するとするならば、相談体制の中で、これって人権侵害の相談として受けたんやけれども、人権侵害と言えるのやろかどうやろかというところの判断というレベルかなと思うんですよね。申立て以降は差別事案に限定していますので、知事がそこで判断をするという対象にはならないので、あくまでもその手前のところで、逆に言うと、相談体制の中ですので、ある意味いろんな相談がありますから、基本的には受けざるを得ないし、受ける話だと思いますので。あとは、解決しないという際に、当然、人権侵犯事件として法務局につないでいくということもあり得ますので、最終的にはまた法務局が判断されるんだろうと。人権侵害の相談として受けて、じゃ、これは人権侵犯に当たりますよねという判断は当然、法務局が判例も含めてすることになりますので、ここの定義の厳密さが、当然厳密でないといけない部分はありますけれども、それによって大きな問題が発生するということはあまり想定しにくいかなというのを、委員長の頭のレベルでは思うんですが、いかがでしょうか。

〇小島委員 私も先ほどそういう意見を申し上げたんですが、それでもやっぱり心配ってあると思うんですね。だから、具体的に、例えばどんなことをベースに一回考えてみるとか、そういうことが必要なんじゃないかなというふうに思うんですけれども。このことはこうだよねとかという共通理解ができれば、心配が払拭されていく具体の方法になるんじゃないかなと思います。

〇北川委員長 定義としての文言整理の仕方は先ほど法務監から話がありました。少し正副委員長で整理させていただいて、併せて、当然、蓄積もあるということですから、そういう意味では事例的にピックアップして説明できる部分ができればちょっとトライしてみたいと思います。という形で、正副委員長に預けていただいてよろしいですか。

〇石田委員 うちの会派から出たことで、どうしてくれというよりも、ちょっと懸念がありましたので、会派へまた説明をしに行く種が欲しいという意味で協議を願っております。
 その中で、先ほど法務監から、入れるとすれば「違法に」とかありましたが、それは入れないほうがいいかなと思って。「違法に」と書いちゃうと、入り口のところで違法かどうかをジャッジしなきゃいけないことが起こり得るのかなと思って、せっかくの御提案でしたけれども、入れないほうがいいかなと思います。

〇石垣委員 私も説明させていただくときに、知事が替わったときに考え方が変わるんじゃないかということに関して、今、結構皆さんに捉えていただいていたんですけれども、ここが我々会派の言いたいことではなくて、人権侵害行為というものはそもそも何が行為に当たるのか不明確というところが、今後の議論の中で非常に心配な部分であるというところの懸念点といいますか、そういう思いを述べられたということで、ここをこうしてくれという話ではないということだけ付け加えてお話をさせていただきたいと思います。

〇北川委員長 少し事例も含めて、理解がしやすいものを正副委員長で事務局と考えさせていただきたいと思います。お時間をください。よろしいでしょうか。
 2つ目に自由民主党からいただいていたのが、相談から申立てが流れとして、解決の仕組みとして設定されている中で、かなり幅広く捉えていくと、執行部側でなかなか対応が大変な面も出てくるのではないかという御心配もいただいていて、執行部との意見調整というか、そこをしっかりやってほしいという御意見だったと思います。
 そういう意味では、10月28日ということで執行部との意見交換を設定させていただいていますので、ここで丁寧に忌憚のない意見を執行部からもいただいて、我々からも議論させていただいてというふうに思いますので、その時間をしっかり取らせていただくということで御理解いただいてよろしいでしょうか。

          〔発言の声なし〕

〇北川委員長 それから、日本共産党からいただいたのも3点ありまして、1点目が、「人種等の属性」のところの「被差別部落の出身であること」ということの表現について、歴史的にも問題があって、その差別としても残存しているのは認識するけれども、国の法律において定義をしなかったことも含めて、ここのところについては表現を再考してはどうかという御意見だったと思います。そのことについて、委員の皆さんからはいかがでしょうか。「門地」とか「出自」という話もありましたけれども。

〇石田委員 山本委員の御提案に賛同できます。
 御説明いただきました被差別部落はもう現存しないという趣旨からやと思いますので、正確に言うと、「かつての被差別部落」ということなんですよね。「かつて」をつけても、現存しない文言は入れないほうがいいんじゃないかという意味で、「門地」とかに変えたらどうかということなので、賛成できます。
 そして、ある地域からの出身ということで差別を受けているのは、いわゆる被差別部落だけじゃなくて、そうじゃないところもそこの出身ということで差別が実際にありますので。だから、「門地」等の文言に変えることで私たちも理解できます。

〇北川委員長 ほかに御意見はいかがでしょうか。

〇小島委員 これは皆さんの議論で最終的にこういうふうにしようということで決めていけばいいと思いますけれども、身元調査等の関係もあります。今そこに住んでいるとかということだけではなくて、例えば、住んでいる土地を変えればそれでいいのかということでもなくて、本当に本当にいつまでも追いかけてくるという実態があると思います。これは事実ありますので、そういう何か特殊性みたいなもの、それはこの条文の中でそのもの、この言葉を入れる、入れないということではなくても、やっぱりその考え方自体は、きちっと残しておくべきだというふうに思います。三重県においては、解決すべき、なかなか解決できていない、そういう大きな問題、というふうに思うので。ここに「門地」って書くとかということもありやと思うし、ただ、やっぱり逐条解説の中でその辺りはきちんと書き込んでおきたい、精神は残すべきというふうには思いますが。

〇北川委員長 ほかに御意見はいかがでしょうか。

〇中村委員 私もこの特別委員会へ参加させていただいて、かなり議論も進んできている中で、先般、もう一度、議員になる前かな、こういった課題に取り組んでおった当時の資料をちょっと見ました。水平社宣言が起きてから運動に入るまで、運動というか、そういったことを勉強する部分で、そのときに、こんなもん、100年たったらなくなるぞという言葉をさっきちょっと思い出したんですけれども。先輩がそう言われたことを思い出したんですけれども。併せて、特別委員会でたくさん参考人の方にお越しいただいてお話をずっと聞かせていただいておりますと、とてもとても、100年で全く何も変わっていない、その当時の事例集があって、虐げられていたというか、そういった立場の人たちが集まって団結して、その具体的な課題が部落差別ということで明快で、それが今なおあるんだなと。これはやっぱりはっきりと書かないと駄目だなと、自分はそう思っております。
 たまたま先般、東京地方裁判所でしたか、示現舎の問題が出ました。これも被差別部落の名前が書いてある。今ちょっとNHKの見出しを見ると、被差別部落地名をまとめた書籍の公表禁止と賠償を命じる判決というふうに書いてある。これって、三重県議会でいろいろ差別解消の議論をしているけれども、こういった表現というのは全然触れられていないと、「門地」って何やろとかという感じになってしまうんじゃないかな。
 県民に、こういう差別がまだ残っていますよ、それをなくすために今いろんな差別を包括してこういう条例をつくっているんですよということを見せるとしたら、やっぱり分かりやすく表現としては残したほうがええんかなと。長いことこういうことに関わってきた自分としては、そういう思いを感じながら今の議論を聞かせていただきました。

〇石田委員 今、中村委員が「門地」って分からへんぞとおっしゃって、それは確かにそのとおりだなと思っていて。ただ、被差別部落というのは一つの定義があるんですよね。でも、出身地を理由に差別って、被差別部落だけに限らない出身地があるので、ここは分かりやすく言うと、先ほどの主張は一緒で、被差別部落というのは現存しないということと、そこに限らないということを申し上げました。ただし、「門地」は分かりにくいので、「出身地」であるとか、そういう一般的に見て分かる文言がいいなと思います。

〇山本委員 100年の全国水平社の歴史の中で、やはり大きな変化は起こっていると思います。ただ、なくなってはいない。これは事実です。そういう中で考えたときに、今後に向けてということを考えると、東京地裁の判決も、名鑑ということはあり得ないということですよね。だから、先ほど「かつての」という話がありましたけれども、かつては確かにそれが特定されて、いろいろ施策が伴ったけれども、今はもうそれはあり得ない、ただ、差別は現存しているという、この2つなんですよね、東京地裁の判決は。ですから、その差別をなくしていくについても、ここで文言をここに載せることが、イコール部落差別をなくしていくことにはつながらないと私は思っています。
 そして、言われたように、「門地」という言葉がなかなか分かりにくいということがありますが、これは憲法にも書かれていることなので、分からないということであれば、「門地」について逐条解説の中で解説をするとか、分かりやすい言葉があればいいと思いますけれども、「門地」よりももっと日常的に使われるのは「出自」だと思いますけれども、それすらも分かりにくいと。結局、言われたように、その場所だけでなくて、場所を変えていっても、被差別部落の出身だった方を追跡されてということがあるとするならば、その育ちとか経緯とかそんなことも全部含めれば「出自」になるというふうに私は思っています。だから、広くそのところを解決するためにというか、広く包含して、生まれとかそういった中で、そこに書いてあるほかの言葉、ここには出身は書いてありますからね、「被差別部落の出身」、「国籍」、「民族」、「言語」、「宗教」、「政治的意見その他の意見」、「性的指向」や「性自認」、「障がい」や「感染症等の疾病」云々と。この中に「社会的身分」とありますけれども、「社会的身分」以外で、育ちとか出生も含めてというのが「出自」だと私は思っていますけれども、このことは言葉の問題ですので。広く部落差別を解消するにはどうしたらいいかという方針はそれぞれ考え方が違うと思うので、私としては、ここでこれをあえて載せるということは逆行するというふうに思っています。

〇北川委員長 ほかに御意見はいかがでしょうか。

〇藤田委員 「門地」、「出自」は、非常に分かりにくいというのがあれなんです。
 私は、中村委員のように部落差別をなくすというような運動に関わっていなかったものですから、そういうことに対しての差別意識というのは、過去には私の中にもないとは言えません。そんなには気にしない人間の一人ですけれども。
 私は、やっぱり分かりやすくないと駄目やと思っているんです。憲法というのは、そういう文言を精査しながらつくられたものであろうというふうに思いますけれども、やっぱり県の条例というのは、分かりやすいというのが一番だと思うんです。今、現実に問題になっているのは、前にお話をお伺いしたように、結婚の問題で、この部落差別に関しては非常に大きな問題やと私は思っています。
 山本委員が言われたように、それだけではない、あるいは石田委員が言われたように、差別をされる対象というのは被差別部落だけではないですよ、それも分かりますけれども、裏でぼそぼそ話をされるわけですよね。ここで我々が直面している、あの人は被差別部落出身の人やで、そやで、結婚するのはあかんぞというようなことが現にあったという話を伺ったわけですから、明らかにそういう言葉で、三重県の中で話がされて、そのことが差別を受けた側の皆さんにとっては大変重要な被害というか、そういうものを受けられる方が現実的にあるとするならば、ダイレクトにその表現を残したほうが条例としては分かりやすい。今、山本委員が言われましたけれども、そのことが差別につながるという、そこら辺が僕は頭の中でぴんとこないんですけれども、被差別部落出身ということを理由にして移動してもついて回るというようなことが現実にあるのであれば、その言葉はダイレクトに残して、我々の議会としての意思として明確にするという必要があるんじゃないかというのが私の個人的な意見です。
 なぜその言葉をあえてなくすのか。現実にある部落差別、被差別部落というものが法律であったり、いろんな行政の中からなくなった、そのなくされたという事実はあるにしても、現実にその差別があるんであれば、そのことはやっぱりストレートに書いていくほうが、県民にとって分かりやすいというふうに思います。

〇北川委員長 ほかにはいかがでしょうか。

〇稲森委員 まず、定義のところなんですけれども、ここはやっぱり用語をより分かりやすく、例示しながら解説していくという意義がある。定義というのはそうだと思うんですけれども。「出自」というふうにしてしまうと、自分に置き換えて考えたらどうかなと考えたら、その「出自」によって自分が差別をされたり人権侵害を受けたりすることがあるんかなと考えたときに、伊賀の田舎者だからといって人権侵害を受けるかもしれないですけれども、同時に部落差別を受けるというリスクとか恐怖というのはまた、そういう意味では違うのかなというふうに思いますので、やっぱりそこは1つにしてしまわないほうが、より実態としてある部落差別の存在をはっきりさせるということは大事なんじゃないかなというふうに思います。
 地名とかを公表することが違法であるというような判決が出て、それは当然じゃないかと思ったんですけれども、ヤフーとかのコメント欄を見ていたら、またそれがひどくて、もう同和地区が、被差別部落が何か利権だとか特権を受けているんだというような書き込みでずっとあふれていて、やっぱりマジョリティーにいる側がどれだけ安全なところにいて特権に守られているかということを、我々マジョリティーの側がもっと自覚しなければいけないかなというふうに思いましたので、この「被差別部落」というのを残しつつ、そこははっきりさせたほうが現状には合っているんじゃないかなというふうに思います。

〇北川委員長 ほかに御意見はございますか。

〇東委員 これについては物すごく大きな課題だと思います。ただし、山本委員のおっしゃることは理解するとしても、現に部落差別問題というのはなくなっていない状況であるので、書き込むことは書き込んだほうがいいと思います。

〇北川委員長 ほかに御意見はいかがでしょうか。

〇山内委員 私も部落差別についてはこの特別委員会で学ばせていただいている立場の人間なんですけれども、やはり実際に差別がなくなっていないという現状が一番大事なのかなという思いで、非常に難しい課題ということで、皆さんのお話を聞かせていただいて、藤田委員の御意見が私の中で一番しっくりきたかなという思いがありますし、また、石田委員も言われた、今はそういった地域がないので、書くんであれば「かつて」だということを言われましたけれども、逆に、かつてとか過去、被差別部落と呼ばれた地域の出身であるとか、そういった書き込みができるのであれば、そうすることでいまだにこういった差別が残っているのかといったメッセージ性もあると思いますので、やはりこの重要性から考えると、きちっとこうやって書き込んでいくことは大事かなという感覚で考えています。

〇北川委員長 このことについて、ほか。

〇石垣委員 私も非常に難しい課題というか問題だなというふうに思っているのと、先ほど石田委員がおっしゃった「出身地」というのが私にはしっくりきたところがあって、「出身地」によって非常にこういった差別等が行われているというところのお話を、この我々委員会の中で聞かせていただいたところもありましたので、生まれた場所がどうだとかというところを「出身地」と言うほうがより分かりやすいのかなと。皆さんが分かりやすくというところだと、この「出身地」というところのほうがしっくりくるのかなというふうな思いでありますので。非常に難しい課題の部分だとは思うんですけれども、私は「出身地」という言葉が非常にしっくりくるんじゃないのかなというふうなところだけ御意見を述べたいと思います。

〇北川委員長 ほかに御意見のある方はいらっしゃいますか。

〇小島委員 「被差別部落の出身である」という属性がなくなれば部落差別はなくなると考えると、この属性は物すごく大きな意味を持っていると思うんですね。なので、やっぱりはっきりさせておくほうがいいかなというのと、もう一つは、部落差別自体が何かという定義は、確かに法にはありませんけれども、社会通念上、共通理解ができるというふうに答弁がされているんですね。そうすると、被差別部落の出身ということを県民が見たときに、社会通念としてどういう問題でどういうことが起きているかというのは割と多くの人が頭の中ですぐ理解できると思うので、そのことはやっぱりこの県の条例としてはとても必要ではないかと思います。この言葉がどこででも使われていないかというとそうではなくて、国立市の条例にも、これは平成31年につくられていますけれども、はっきり書き込みがあるので、やっぱり外すべきではないかなというふうに思います。

〇北川委員長 多くの御意見をいただきました。「被差別部落」という文言はもう使わずに、「門地」だとか「出自」だとか、あるいは「出身地」、こういう表現のほうがいいのではないかということから議論を始めていただきました。一方で、部落差別は現にこれだけ長い期間を経てもなくなっていないこと、そしてまた、大変厳しい事例も参考人招致も含めて聞かせていただいた経過の中で、「被差別部落の出身であること」という定義はやはり外せないのではないかという御意見もたくさんいただきました。
 定義については、社会通念上、認識されているという説明もいただいたわけですけれども、この定義について、これは、ごめんなさい、もう委員長の一委員としての思いでお話をさせていただくと、私もここの「被差別部落の出身であること」という属性は絶対外せないというふうに思っています。部落差別解消推進法ができたということはやはり大きなことで、その目的の中に「部落差別は許されないものである」ということが明記されています。参考人招致でいろんなお話を聞かせていただいた経過も含めて、やはり出身、出自、門地という中から派生する差別の一種類という程度のものでは、とてもそういう言葉に収まり切ることのない大きな日本社会が抱えている差別問題だと私は認識していますので。この定義は、当然ながら後ろの差別の基本理念にある禁止事項、「不当な差別その他の人権侵害行為をしてはならない」ということにつながっていく重要な定義の部分ですので、まさに「被差別部落の出身であること」という属性でもって差別をしてはならないという宣言は、この条例の中に欠かせないものだというふうに私は思っています。
 そういう思いに尽きるかなというふうに思っていまして、正副委員長でこの文言をまとめてきた経過もあって、山本委員からも数度いただいてきた御意見ではあるんですけれども、正副委員長としては、「被差別部落の出身」という定義は入れていきたい。今日、石田委員、石垣委員からも御意見を頂戴した中ではあるんですけれども、ぜひ入れていきたいという思いを持っております。いかがでしょうか。

〇石田委員 委員会としてまとめていくのに、委員長もそのようにおっしゃいましたので。被差別部落はないものの差別はあるということで、残すべきだという御意見が結構多数なので、理解させていただきます。それを入れたところで、出身地、先ほども言いましたように、被差別部落の定義以外の出身の差別もあると、その以外のところが、これだけにしちゃうと入ってこなくなっちゃうので、それを入れるための一工夫も出てくるのかなと思います。

〇北川委員長 その辺は少し文言的に詰めたいというふうに思います。

〇山本委員 委員会で案をつくっていくわけで、もちろん私としてはそのことにはこだわっていますけれども、皆さんで進めていっていただきたいと思います。
 今言われたように、被差別部落の問題というのがあるということは確実にあるということの中で、それ以外でも土地のというのがあります。ただ、よく言われる結婚差別の問題や、最近では就職差別ではなくなっていると信じていますけれども、土地だけではなくて、例えば、両親がそろっていないであるとか親の職業であるとか兄弟の云々であるとか、そういう様々なことで、数としては、深刻度合いをはかることはできません。それぞれに差別がある中の皆さんは大変だから、被差別部落がどうで土地がどうのと重さのてんびんにかけられないと思いますけれども、そういう中で、そういうことを含めると「出自」かなということで、それは含められるかなと思って発言しておりましたけれども、そういう問題があるということを、ここに例として挙げられている「社会的身分」でもない、出生にまつわる、家族にまつわる、人はそんなことを、情けないけれども、今でも言われるような状況が残っているとすれば、そこの部分というのにも光を当てることが必要だというふうに思って、含めて漸進的な意味合いで発言させていただいておりました。

〇北川委員長 今おっしゃった様々な形態が想定されますので、出身、出自、あるいは出身地、身分、この辺りも含めて少し文言整理を事務局とさせていただきたいと思いますが、「被差別部落の出身」というところについての定義というのは、多くの方からも入れるべきだという声をいただきましたので、委員会としてはその方向で何とかまとめさせていただきたいと思うんですが、前に進めさせていただいてよろしいでしょうか。

          〔発言の声なし〕

〇北川委員長 じゃ、よろしくお願いいたします。
 それから、同じく日本共産党からいただいた2つ目は、社会構造のお話で御意見をいただきましたが、これは冒頭、新政みえの意見の中で議論していただきましたので、よろしいかと思います。
 3つ目に、第13からの不当な差別に係る紛争の解決を図るための体制の中で、過去の様々な経緯をお話しもいただいたところでございますけれども、これはこの委員会でそういう認識というか、過去にそういう課題がありましたよねという認識を持ってくださいねという御意見ということでよろしかったんでしょうか。

〇山本委員 もちろん委員会での認識もそうだし、この条例をつくることにおいての、紛争の解決はとても大切なことなんだけれども、これを進めるに当たって役割をされる方も、県自身も、みんながそのことを十分に留意するということが大事だというふうに思っているので、それは共通認識という意味合いで、どうやってその共通認識をするかというのはあるんですけれども、やっぱりそういった過去の経過を学習してということだと思います。
 それと、前々回に紹介させていただきましたけれども、運動の中で、軽微な差別ならあったほうがいいなどというような考え方で差別解消を訴えられるということは、もういかんせん、本当に許せないと思います。ですから、そういうことも含めて私たちはきちんと認識を持つということが大事ということで共通理解を持ちたいと思います。

〇北川委員長 そういう意味でも、この部分というのは公的な部分で進めていく制度ですし、三重県差別解消調整委員会も入って様々な判断をしていくという中で、公平性や中立性や様々な立場、そういう意味で担保されていくものというふうに正副委員長で理解させていただいていますので。まさにそのための体制かなというふうに思っておりますので、御理解いただければと思います。
 以上で、個々に出していただいた各会派からの意見についての委員間討議をさせていただきましたが、ほかにこの際、全体的なことで改めて御意見はございますか。

〇石垣委員 1点、すみません。
 私もちょっと御意見を述べるだけ述べさせていただきたいんですけれども、先ほどの「被差別部落の出身であることその他の属性をいう」という文言の部分で、皆さんの御意見はすごく理解させていただきました。
 私が「出身地」というところをやはり入れていただくべきじゃないかということをお話しさせていただいて、いろいろと今、新型コロナウイルス感染症の状況の中で、例えば車のナンバーの地域名によって、あの車が来るなみたいな石が投げられるとかという、これがまさしく出身地、出身地なのかどうか分かりませんけれども、これがまさしく地域性の部分なのかな、であったりだとか、よくニュースで言われていた、東京から帰ってきた家には翌日落書きのビラが貼られていたとか、これも言うてしまえば出身地、地域性の部分なのかなということを考えると、「被差別部落の出身で」というところの文言に関しては理解させていただくんですけれども、やはり逐条解説でも、そういった地域性であったり、出身というところでも、現存、非常に多く差別があるというところの理解もぜひ何かしらの方法で、委員長に文言を考えていただくということやったんですけれども、そういったところの考え方も、文言でどう入れるかというところではあるんですけれども、何とか御理解をいただきながら進めていただきたいなということだけ申し述べたいと思います。

〇北川委員長 定義のところですので、非常に重要なところでありますので、いただいた意見を考えながら。大前提として全ての属性を拾えるわけではありませんので、当然ながら「その他の属性」という中で一定の包含していく力を条文的には持つわけですけれども、一方で、やはり拾うべきというか明示すべき属性というのも、おっしゃったような事案も含めて、考えられるものはできるだけ例示していくというのも一つの定義の意味合いでもありますので。いただいた意見は十分に正副委員長と事務局で詰めさせていただきたいと思います。
 ほかにはいかがでしょうか。

          〔発言の声なし〕

〇北川委員長 では、最後に1点。
 まず、御意見がもうほかになければ、条例案素案についての委員間討議を終了させていただきたいと思います。
 条例案素案については、先ほどからいろいろ申し上げてきましたけれども、今日いただいた御意見を踏まえて、修正、精査を行って、整理させていただきたいと思います。その上で、修正がかないましたら執行部のほうに意見を求めたいというふうに思っております。何度も申し上げておりますように、修正、精査については正副委員長に御一任いただくということでよろしいでしょうか。

          〔発言の声なし〕

〇北川委員長 当然ながら、修正、精査した条例案素案については、出来上がり次第、委員の皆さんに事前にお配りさせていただきたいと思います。
 1点、そこで確認なんですけれども、米印でペンディングで残していました、助言・説示・あっせんの申立ての対象について、団体に限るのか個人も含めて全体的にかというところが米印で残させていただいていた部分ではあるんですけれども、各会派からの御意見等もそこについての特段の御意見がない中で、執行部とのやり取りに出させていただく素案としては、この委員会の中では個人も含めるべきというお話でしたから、その案で執行部との意見交換は進めさせていただくということにさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。

          〔発言の声なし〕

〇北川委員長 次に、次回の委員会ですが、調整がつけば、先ほどの話のとおり、現時点での条例案素案について県の関係部局からの意見聴取を行い、引き続き条例案素案の検討を行いたいと思います。日程等、詳細についてはこの後の委員協議で御協議いただきたいと存じますので、御了承願います。
 本日御協議いただく事項は以上でございますが、特に何か御意見がございましたらお願いします。

          〔発言の声なし〕
 
〔閉会の宣言〕

 三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
 差別解消を目指す条例検討調査特別委員長
 北川 裕之
 

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