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令和3年12月13日  差別解消を目指す条例検討調査特別委員会 会議録

資料はこちら

差別解消を目指す条例検討調査特別委員会
会議録
(開会中)

開催年月日   令和3年12月13日(月曜日) 午後3時45分~午後4時45分
会  議     601特別委員会室
出 席    11名
              委  員  長   北川 裕之
              副委員長     山崎   博
              委        員    石垣 智矢
              委        員    小島 智子
              委        員   山内 道明
                        委        員    山本 里香
                        委        員    稲森 稔尚
                        委        員    藤田 宜三
                        委        員    石田 成生
                        委        員    東     豊
                        委        員   中村 進一
欠 席     なし
出席説明員    出席を求めず
事務局職    企画法務課政策法務監兼班長  水谷 憲司
委員会書記
               議事課       主幹 櫻井  彰
               企画法務課  主任 長谷川 智史
傍 聴 議 員      なし
県 政 記 者     なし
傍   聴   者     なし
協議事項
1 執行部意見への対応について
2 関係団体・機関意見への対応について
 
【会議の経過とその結果】
 
〔開会の宣言〕
 
1 協議事項
(1)条例案素案の検討について
〇北川委員長 本日は、前回に引き続き、執行部意見への対応についての委員間討議を行うとともに、関係団体・機関意見への対応についての委員間討議を行いたいと思いますので、よろしくお願いします。
  それでは、委員間討議に入ります。
  まず、執行部意見への対応について、前回の委員会で検討できなかった部分について、お手元に配付の資料1に基づいて、事務局から一括して説明をいただきます。重たい項目については前回主に議論させていただきましたので、重たい軽いということではないんですが、残りの部分は一括して説明をさせていただくということをお許しいただきたいと思います。
  それでは、法務監、お願いします。

〇水谷政策法務監 それでは、前回検討できなかった部分ということで、お手元の資料1のほう、若干、前回の修正も入ってはおりますが、それ以外の部分について御説明させていただきますので、まず、5ページをお開きいただけますでしょうか。
  執行部側からの意見としては、この紛争解決体制の申立てに関して、相談を経ても解決が期待できないということを誰が判断するのか、その基準は何かとか、あるいはこういった制度を設ける趣旨や考え方を示してほしいという意見がございましたので、それについて整理したものでございます。
  概略を説明いたしますと、その解決が期待できないかどうかの判断は、1段落目にございますように一義的には申立人が行うものでございますが、ただし、知事において申立て内容を精査して、相談による対応が十分尽くされていないと判断する場合には差し戻すことができるものと考えられまして、どのような場合がそれに当たるのかといいますと、3段落目にございますように、例えば、専門機関を紹介されたのに、そこに相談等をしていないというような場合に該当する可能性があるというふうに考えられます。
    この体制を条例で規定する趣旨につきましては、最終段落ですが、相談の次の段階としての措置を設けることによって、当事者間の問題解決を援助するということで、この制度を設けたというふうに整理しております。
  続きまして、8ページを御覧いただけますか。
  執行部からの意見としまして、この紛争解決体制の調査に関して「正当な理由」というのが何か所か出てまいりますので、それについての内容の説明を求める、考え方とかあるいは例示を求めるものでございます。
  まず、第14のマル2、調査への協力義務の例外となるような正当な理由がある場合につきましては、法令に特段の定めがあるとか、客観的に調査に協力することが困難な合理的な理由がある場合で、例えば、医師、弁護士等が職務上知り得た秘密についての調査協力を拒否する場合などが考えられます。
  その次の第13のマル2、これは属性情報の収集が認められるという場合の正当な理由に関して、下から2段落目ですけれども、例えば、労働安全衛生法に基づいて従業員の健康の保持増進のために、その情報を健康診断等によって収集・把握する場合などが考えられるというふうに記載してございます。
  続いて、次の9ページでございますが、今度はこの第15で、助言、説示又はあっせんに従わないような正当な理由というのはどのような場合があるかということについては、「例えば」のところにございますように、健康上の理由により助言、説示又はあっせんで求められた措置を取ることが困難であると認められる場合などでございます。
 なお、第12のマル2(1)の相談対応における「調査」につきましては、あくまでも対話を通じた相談対応の中で行われるということですので、紛争解決体制の中での協力義務と同様の協力義務は、相談対応のほうでは規定しないということを最終段落で書いてございます。
 少しめくっていただいて、12ページをお願いいたします。
 執行部からの意見としまして、「人権侵害行為」の定義について、単なる金銭トラブルをはじめとする不法行為を除くために、素案で「他人の権利利益を侵害する行為」とある部分を「人権を違法に侵害する行為」というふうに修正できないかという提案がございました。これにつきましては、素案のほうでの定義につきましては、国の人権委員会設置法案における人権侵害行為の解釈と同じようなものを想定して、金銭トラブルも含めた民法第709条の不法行為に該当する行為は、条例案素案の人権侵害行為にも該当するということになります。
  そこで、「権利利益」という言葉を使っておりますけれども、これは法令や県の条例でも使っておったり、またここで言う「利益」というのは、名誉感情や平穏に生活する利益など法律上保護される利益を指しておることから、これを「人権」と置き換えた場合には、先ほど申し上げたようなものの侵害が含まれるかどうか、疑義が生じることになります。
  また、定義の中に「違法に」というのを加えるかどうかにつきましては、この特別委員会の中でも委員間討議によって採用しないこととなった経緯がございます。
  また、執行部意見のように修正したとしても、相手方に非のある金銭トラブルについては、やはり財産権という人権を民法上侵害している行為ということから、これらは人権侵害行為からは除外されることにはならないんじゃないかと考えられまして、以上申し上げたようなことを検討しました結果、現在の「人権侵害行為」の定義を維持してはどうかというふうに記載してございます。
 続きまして、13ページを御覧ください。
 執行部意見の中で、「助言」や「調査」、「関係者間の調整」、「説示」、「あっせん」などについて、それぞれの考え方を説明してほしいということがございまして、これらのうち全てではないんですが、特別委員会の中でもペーパーで整理したものがございまして、それらをベースにそれぞれの用語の考え方を、下にございますように整理させていただいたところで、これまでの特別委員会での議論を踏まえたものでございますので、13ページから14ページにかけて、それぞれ逐条解説のほうに記載したいと考えております。
  続きまして、15ページを御覧ください。
  基本理念についての部分でございますが、基本理念の中で、どういったものが人権侵害行為に当たるのかということを、具体的に挙げたほうが分かりやすいんではないかというふうな意見で、鳥取県人権尊重の社会づくり条例なども引用してございます。
  15ページの対応案では、この鳥取県人兼尊重の社会づくり条例を参考に、素案の中の第2の(3)の人権侵害行為に、他人の権利利益を侵害する行為の例示として、現在は「不当な差別」だけなんですが、15ページ中ほどの四角にございますように、「いじめ、虐待、プライバシーの侵害、誹謗中傷」といった例示を加えて、より分かりやすくするというふうにしてはどうかという対応案としております。
 続きまして、16ページをお願いいたします。
 執行部意見の中で、相談体制や紛争解決体制における「その他の関係者」というのが出てまいりますが、それらがどのような者を想定しているのかという問いでございます。
 これに関しましては、まず、相談体制におけるその他の関係者については、幅広く相談の受入れを行うべきという観点から、現在、素案の記述の中の「その他の関係者」というのを修正して「その他の者」ということで、より広く修正してはどうかと考えております。
 続いて、次の段落の紛争解決体制ですが、こちらのほうは一定の当事者性を持つ者に限定することが必要なので、考え方は変えておりませんが、逐条解説において「その他の関係者」の例示を記載することとして、例えば弁護士などの支援者、関係する行政機関、当事者が子どもである場合の教員等といった例示を加えて、分かりやすくすることを考えております。
 17ページを御覧ください。
 三重県差別解消調整委員会の所管について、何を所管してどのような権限を有するのか教えてほしいという執行部意見がございましたので、これについて整理しております。
  三重県差別解消調整委員会の所管及び権限としては、知事が意見を諮問してきた場合に、それに対して調査審議を行って答申することでございまして、具体的には第14のマル1のようにまず不当な差別に該当するかどうかの判断の妥当性及びマル2で助言、説示又はあっせんの案の内容の妥当性についての調査審議や答申というふうに考えられます。
  続きまして、最後、19ページをお願いします。
  教育委員会事務局からの、これはペーパーではなかったんですけれども、御指摘事項の中で、第19の人権及び人権啓発のマル1、2の部分で、「何々のため、必要な人権教育」という「ため」と「必要な」の間がかなり条文が空いていて、そこの間に「市町、関係機関等と連携し」といったフレーズが入って、この「必要な」のかかり方が分かりにくかったので、この「市町等と連携し」の語順を変えて、県は市町等と連携し、必要な人権教育あるいは啓発を行うというふうな形で意味が分かりやすいような修正をいたしたいと思います。
 また、ほかの条文も同様でございます。
 以上、前回御検討いただけなかった部分についての説明でございます。

〇北川委員長 ありがとうございます。
 今、説明させていただいた内容について、御意見並びに質問がありましたらお願いいたします。
 文言整理といいますか、言葉の説明的なものが多かったかとは思うんですが、特にここがというところはございませんか。

          〔発言の声なし〕

〇北川委員長 では、もしあればまた後ほど最終確認させていただくとして……。

〇小島委員 「その他の者」に修正するというのは、反対をするわけではないんですが、例えば、ヘイトスピーチのような、誰々さんと言っているわけではなくてもその属性について差別的な言動があった場合に、聞いた人が、その属性があって、これはやっぱり差別に当たるとか人権侵害であると思ったときに相談ができるというふうに考えると、「その他の者」をどうやって考えればいいのかなと思ったので。
  下のほうの、そのときは誰が言っていたとかはっきりする場合だと思うんですね、もちろん。でも、「弁護士などの支援者、関係する行政機関、当事者が子どもである場合の教員等が想定される」旨を記載することとすると、抜け落ちる人がいないのかなというのは、今すぐこれでいいと、ちょっとよう言い切らんのですけれども、その辺りは考える必要はないんですかね。

〇北川委員長 漏れのリスクということですか。

〇小島委員 はい。

〇北川委員長 第12の相談体制のところは、今、「その他の関係者」となっているのを、より幅広く相談の受入れを行うべきということで、ここを「その他の者」に変えるということですね。
  第13の申立ての部分についての「その他の関係者」については、一定の当事者性を持つ者に限定することが必要との観点からと書いていただいていて、これは「その他の関係者」のままということでいいのかどうかの確認と、今、小島委員から言われたそういう漏れのリスクの考え方について、法務監、お願いします。

〇水谷政策法務監 まず、紛争解決体制のほうにつきましては、「その他の関係者」という言い方、第13の言い方をそのままにしておくと。相談体制のほうは広げるけれども、紛争解決体制のほうは関係者に絞るという意味でございます。
  それで、漏れに関してでございますけれども、第13のところで、申立てを行える者というのが、マル1で、不当な差別を受けた者で、その家族、その他の関係者とございますので、かなり広めに一定の関係性を有する者であれば該当する、逆に言うと何も関係性がない人は申立てができないけれどもといった構成になっておろうかと思います。

〇小島委員 不当な差別を受けた者になりますよね。

〇北川委員長 はい、直接は。

〇小島委員 そうですよね、直接的には。はい、理解しました。すみませんでした。これでいいと思います。

〇北川委員長 ほかの委員の皆さんはいかがでしょうか。

          〔発言の声なし〕

〇北川委員長 特になければ、後で前回の修正の話もありますので、もし、あっと思われる部分があれば、そのとき、またおっしゃっていただけますか。
  それで、付け加えて、12ページの「人権侵害行為」の定義のところなんですけれども、今の素案の人権侵害行為の定義を維持するという整理にさせていただいていますが、もともと執行部の意図としては、単なる金銭トラブルのようなものまで対象となることに懸念があるという書き方でしたので、定義から除くのは法制的になかなか難しいということではありますが、単なる金銭トラブルのような事案の相談があった場合には、例えば弁護士会等のしかるべき機関に紹介などをする、いわゆる相談体制の中の県の相談機関で調査や関係者間の調整まで求めるものではないということで、委員の皆さんは共通認識をいただいているということでよろしいでしょうか、念押しですけれども。
 
         〔「はい」の声あり〕

〇北川委員長 それでは、以上で一旦、執行部意見への対応についての委員間討議を終了いたします。
  次に、関係団体・関係機関からの意見への対応についての委員間討議を行います。
 関係団体・機関からの意見聴取については、去る11月17日に書面にて実施することをお決めいただいたことを受けて、正副委員長において、お手元に配付の資料2に記載の10の関係団体・機関に対して、意見照会を行いました。
 その結果、2団体(三重県人権教育研究協議会、三重弁護士会)及び三重県市長会を通じて3市(津市、鈴鹿市、伊賀市)から、合わせて17件の御意見を提出いただきました。
 いただいた御意見について、正副委員長で対応案を取りまとめさせていただきましたので、お手元に配付の資料3に基づいて、事務局から一括して説明願います。

〇水谷政策法務監 それでは、資料3によりまして、関係団体・機関からの意見及び対応案について御説明させていただきます。
  まず、ナンバー1です。条例の題名に関する御意見でございます。
  御意見の趣旨は、人権課題というのは必ずしも差別に限らないのに、題名に「差別のない」という文言が入ることで、人権を尊重することが狭い意味に捉えられかねないのではないかということを懸念するというものでございます。
 この意見に対する対応(案)としましては、条例の題名はあくまでも仮称であって、御意見も踏まえて今後特別委員会として検討しますというふうに記載してございます。
 続いて、ナンバー2、前文に関する御意見です。
 第5段落において、差別の問題を行為者の問題だけでなく社会構造の問題として捉えている点は高く評価できるという御意見を頂戴しております。
 対応(案)については省略いたします。
 続きまして、ナンバー3、第1、目的についてです。
 この条文の中で「事項を定めること等」という部分があるんですけれども、この「等」は何を指しているのか明らかにされたいということでございます。
 この点に関しまして、まず、対応(案)に記載しておりますように、「等」は、当初は三重県人権施策審議会の設置を想定したものでございましたけれども、既存のほかの県条例などを精査した結果、審議会の設置も「施策の基本となる事項」の中に含まれていると解される例が多数ありましたので、そうするとこの「等」は要らないということで削ることといたしたいと思います。
 また、「基本理念を定める」ということに関しまして、この素案のほうでは触れておりませんでしたが、ほかの県条例を見た結果、これについては書いてある条例が多数ございましたので、ここの部分を「人権尊重に関し、」の次に「基本理念を定め、及び」というフレーズを入れるということで、併せて修正してはどうかと考えております。
   続いて、ナンバー4、第2、定義に関する御意見です。
   趣旨としては、部落差別は差別する側とされる側とで範囲にゆらぎがあるので、「被差別部落の出身者であること等」としてはどうかという御意見でございます。
  対応(案)といたしましては、御指摘のとおり、部落差別に関しては被差別部落の出身であること以外の事由も差別の理由となり得ると認識しておるところですが、これを条文上端的に表現することは困難なため、例えば「鳥取県人権尊重の社会づくり条例」などを参考に、被差別部落の出身者であることを「人種等の属性」の例示として明らかにした上で、ただし、その定義は「被差別部落の出身であることその他の属性」であって、当然、出身以外の被差別部落に関する属性も含まれるということを逐条解説に記載するというふうな対応(案)としています。
  続いて、ナンバー5、第4、基本理念のうちの不当な差別等の禁止の部分でございます。
  不当な差別その他の人権侵害行為の禁止を明確に規定していて、高く評価できるという意見を頂戴しております。
  続いて、ナンバー6、第5、県の責務に関する意見です。
  不当な差別的言動が行われるおそれがある場合の公の施設の利用基準に関する規定を設けるべきというものでございます。
 対応(案)といたしましては、特別委員会ではこれまでも委員間討議を重ねてきた結果、公の施設の利用制限には慎重であるべきであって、事前に利用制限の基準を設定することには課題が多いが、県が人権侵害行為に加担するような事態が生じないよう、県が設置する公の施設における人権侵害行為の防止について、県の責務として努力義務を設けるという結論に達したというふうに記載してございます。
  続いて、ナンバー7です。第8、特定電気通信役務提供者の責務。
  いわゆるプロバイダーの責務に関する部分ですが、御意見としては、SNSや動画共有サイトは、削除を要請しても削除されない事例が多いため、事業者の責務を明らかにして削除に結びつけられるようにしてほしいというものでございます。
 対応(案)といたしましては、インターネット上で人権侵害行為が行われている場合に、プロバイダーによる削除等の措置が促進されるようにこの規定を設けたものであり、条例等の効力の属地主義の考え方によって、県において事業活動を行っているプロバイダーのみが対象となりますということを記載してございます。
  続いて、ナンバー8です。第12、相談体制に関する御意見です。
  御意見としては、理念のみにとどまらずに、具体的に相談体制や紛争解決体制の規定を設けている点については、高く評価できるという御意見を頂戴しております。
  続いて、ナンバー9、第12、相談体制に関する御意見です。
  相談があった場合に県が行う「調査」の範囲が不明確であり、また調査権そのものがあるのかという問いでございます。
  これに対する対応(案)としては、執行部意見への対応の中でも同様の記載をしておるところですけれども、相談対応における「調査」には、事実関係を明らかにするための様々な取組が想定され、また相談対応における「調査」は、相談における必要な対応の一環として任意の取組として行われるのに対し、紛争解決体制における「調査」は、条例上の根拠、第14のマル2のことですが、に基づいて、相手方その他の関係人に協力義務を課した上で行われるものであるというふうな説明としております。
  続いて、ナンバー10、第14、助言、説示及びあっせんに関する意見でございます。
  御意見の趣旨としては、素案の中の第14の趣旨の記載における「基礎調査」の範囲とか、マル2の「正当な理由」とは何かを問うものでございます。
 対応(案)として書いておりますのが、この紛争解決体制における「調査」というのは、助言、説示又はあっせんを行うに当たって必要となる差別事案に係る事実関係の情報について、相手方その他の関係人の協力を得て、明らかにするための取組であること。「正当な理由がある場合」とは、法令に特段の定めがある場合など、客観的に見て調査に協力することが困難な合理的な理由がある場合であるということを記載しております。
  なお書きとしまして、あくまでもこれは訓示的なものであって、罰則等の制裁措置があるわけではないので、もし従わなかった場合には条例に基づく義務違反である旨を伝えるということにとどまるということも記載してございます。
  続きまして、ナンバー11、6ページでございます。第15、勧告に関してでございます。
  御意見の内容は、悪質な事案に対する勧告に実効性を持たせるために、命令に関する規定を設けて、命令を受けた者が、当該命令に従わなかったときには、その氏名、住所等も含めた公表の規定を設けることも検討すべきというものでございます。
 対応(案)としては、これまでに委員間討議を重ねてきた結果、今回の条例では対話を重視して不当な差別等の解消を図ることとしていることや、公権力の行使には慎重であるべきであるといったことを踏まえ、行政指導としての助言、説示及びあっせん並びに勧告の仕組みを設けるとともに、関係人の秘密を除く公表について定めるという結論に達したものであるということを書いてございます。
  続いて、ナンバー12です。第17、助言、説示及びあっせん並びに勧告の状況の公表に関する意見で、公表については個人情報が明らかにならないように、相当な注意が必要であるというふうなコメントを頂戴しております。
  対応(案)としましては、御指摘を踏まえて、逐条解説の中で、公表に当たっては関係情報を結びつけることなどによって、申立人、相手方その他の関係人の個人情報の露見や属性の暴露につながらないように、公表内容を慎重に検討することが必要である旨を記載したいということを書いてございます。
  ナンバー13です。第18、三重県差別解消調整委員会に関する御意見でございまして、調整委員会の委員については弁護士が選任されることを要望するというものでございます。
  対応(案)としましては、もともと弁護士の任命を想定されていたところかと思いますが、逐条解説において、委員として弁護士を任命することが想定されるという旨を記載するというふうに書いてございます。
 次のページ、ナンバー14でございます。第19、人権教育及び人権啓発に関する意見で、「就学前」とかあるいは「保育」についても、「人権保育」の観点での記述が必要ではないかというものでございます。
 対応(案)といたしましては、逐条解説において、「学校教育等」の中には幼稚園や保育園での就学前教育も含まれるという旨を記載することとしています。
  続いて、ナンバー15、第20、人権侵害行為による被害に係る支援の部分でございます。
  御意見の内容としては、見出し中の「支援」とあるのを「救済」とするとともに、改めて具体的な内容を記述してほしいというものでございます。
 対応(案)としましては、この第20の見出しを「人権侵害行為による被害の救済」というふうに改めて、その具体的内容につきましては、様々に考えられるため、条文上ではいずれの人権侵害行為にも共通するような「情報の提供」のみを例示して、逐条解説のほうで、「「必要な支援」には、被害の態様に応じて、関係機関につなぐことや福祉サービスの提供、安全の確保などが含まれ得る」という旨を記載することとしております。
  ナンバー16、同じく第20、人権侵害行為による被害に係る支援の部分についての意見でございまして、県が市町や関係機関等と連携して提供する「情報」とはどんなものかという問いでございます。
  対応(案)として書いてございますのが、「情報」の内容としては、例えば救済に関する制度として犯罪被害者等見舞金制度とか、あと救済に関する法テラスなどの機関、あるいは救済に関する団体として民間シェルター運営団体などに関する情報を提供することが想定されます。
 最後、8ページのナンバー17でございます。
   御意見は第21、実態調査に関するもので、実態調査によって新たに不当な差別が生じないように取り扱う必要があるが、一定の生活状況、例えば経済・教育・文化・就労・結婚や交際・識字などの生活情報に関する調査は必要であるという御意見でございます。
  対応(案)としましては、逐条解説の中で、実態調査の具体的手法として、不当な差別等の当事者の生活実態等の調査が想定される旨を記載したいと考えております。

〇北川委員長 ありがとうございます。
  まとめて説明させていただいたので申し訳ないですけれども、一方で、いただいた意見やそれに対する対応案については、どちらかというとこれまでの議論にあった内容がたくさん含まれておりますので、これをまとめて委員間討議にかけたいというふうに思いますけれども、今の説明の内容について質問や御意見がありましたらお願いいたします。

〇東委員 最初の津市が出してきた、「差別のない」というのを頭につけるのがちょっと狭義、狭くなるんじゃないかという、若干疑義があるという御意見をいただいています。
  最初からそれは自分の心の中でもあったんです。あったんですが、人権というとあまりにも広い感じが逆にして、やっぱり差別という社会的な問題が、言葉による、行為による差別というのが、今の時代でクローズアップされてきたという意味からすると、むしろ狭く捉えたほうが社会的な反響があるんじゃないか。反響と言うとおかしいかな、インパクトがあるんじゃないかなというふうに、私は自分の中では整理しました。
  でも、津市から出てきたので、これは皆さんの御意見がどうなのかというのは確認したいなというふうに、最初から私は「差別のない」というほうが条例としてはよりはっきりするんじゃないかなと思った次第で了としてきたんですが、ただ御指摘いただいたらそういう面もあるよなとは思うんですが、一応「差別のない人権が尊重される」でいいと思うんですけれども、ただこの委員会でやっぱりちゃんと意思を固められたほうがいいかなというふうに思います。

〇北川委員長 対応(案)にも書かせていただいているように、当初から、前文と題名については最後にということで置かせていただいていますので、東委員の思いも含め、スタートの議論にもありましたので、多分、共通の認識かなというふうに思っております。
 改めて、そこの部分については、最終の段階でしっかり議論させていただきたいと思うんですが、よろしいですかね。

〇小島委員 また後で議論ということなんですが、この段階で賛同の意を表しておきたいというふうに思います。

〇北川委員長 ほかに御意見はいかがでしょうか。
  念のためですけれども、これは直接いただいた団体に対応(案)、この回答を戻すということではなくて、我々が議 論した上で、中間案に向けてどう反映していくかという形を取らせていただきますので、その点も含んでいただいて、もしほかに御意見等がなければ、この形で対応(案)としては考えていくということにさせていただいてもよろしいですか。

〇山内委員 二、三、確認だけなんですけれども、一つには6ページ、第15、勧告のところで、川崎市の条例では、地域を定めて、「又は行わせてはならない旨を命ずることができる」というところがあって、それに対して、そういった文言を入れてはどうですかというお話が三重弁護士会から来ているということで、対応(案)のほうもあるんですけれども、これは別に公表するわけではなくて、その方に注意をする、命令をするということが川崎市では規定されているということですか。川崎市の条例に書いてある内容というのは、公表とかではなくて、本人に注意をするという内容ですか。

〇北川委員長 ナンバー6は、利用制限の……。

〇山内委員 6ページのナンバー11。

〇北川委員長 6ページのナンバー11ね、すみません。

〇山内委員 結論から言うと、この川崎市の条例の内容は、書き込んでもそれほど議論なんかを蒸し返すような、そんなに重たい内容じゃないのかなと思ったものですから、公表するわけではないので、どうなのかなとは思っていたんですけれども、対応案のほうではあまりなじまないんじゃないかという内容なんですけれども、ちょっと確認だけと思って。

〇水谷政策法務監 川崎市の差別のない人権尊重のまちづくり条例の中の記述でございますけれども、ここでは第15条のと書いていますが、全体の条文の概要を申し上げますと、不当な差別的言動を行ったり、行わせた者、ヘイトスピーチに関してですけれども、そういった者に対して、まず勧告をして、勧告に従わなかった者に対しては第14条で命令をして、第15条で命令に従わなかった者に対しての公表まで含むといったことでかなり権力的、公権力の行使に該当するような制度設計というような形になっているもので、本県のほうではもう少し対話重視といったことなので、という検討経過を右の対応(案)のほうで書かせてもらった次第でございます。

〇山内委員 ありがとうございます。よく分かりました。
  勧告と、関係人の秘密を除く公表まではするということですね、県の場合。

〇水谷政策法務監 本県の場合は、条例案素案では、もう少し公権力の行使ではないような構成に、制度設計になってございます。

〇北川委員長 公表は、事例の公表という形をとらせていただきましたので、氏名等は上げないということで、それを上げることについては罰則ではないですけれども、かなりペナルティーに近い結果をもたらしますので、議論で事例の公表ということになったかと思うんですけれども、よろしゅうございますか。

〇山内委員 ありがとうございます。思い出しました。

〇北川委員長 ほかの点ではいかがですか。

〇山内委員 7ページのナンバー14なんですけれども、これはなるほどという御指摘で、「就学前」と「保育」のところなんですが、「学校教育等」なので、これは公立、私立問わずということでよろしいんですよね。

〇水谷政策法務監 おっしゃったとおりで、学校教育という捉え方をしているので、その主体が公立であれ私立であれ、同じかと存じます。

〇北川委員長 これは、学校教育と特出ししただけで、教育全体を含むという理解でよかったんですよね。したがって、社会教育も含めてということでよかったですよね。

〇水谷政策法務監 第19の条文で、特にそういった限定をしておらず「学校教育等を通じて」といった記述になっておりますので、広く含めるような格好かと存じます。

〇北川委員長 ほかの皆さんはいかがでしょうか。

〇山本委員 8ページ、ナンバー17のところで、伊賀市から、実態調査等で新たに不当な差別などが生じないように取り扱う必要があるということは、今、私たちが言っているわけですけれども、そのことについて、例えば部落問題には限らないけれども、シングルマザーの方とか生活保護受給者の方とか外国人の方とかの個別の施策をするに当たって、この書いてある意味を考えると、個別の施策をするに当たって状況が分からないといけないので、そういう場合の調査についてはいいんじゃないのかということを問うているんだと思うんですね。
  それに対して、それが不当な新たな差別を生じない形であればいいよという説明が、この対応になっているんですか。再度、それを確認するという意味で。大切なことは、調査はいろいろあると思うんですが、施策に反映するために、これが新たな不当な差別を生じないように留意しなければいけない、生活実態調査などをするときはということを、私たちがうたったことを再度ここで確認しているという対応でいいんですか、この読み方というのは。

〇水谷政策法務監 おっしゃるとおりかと思いますが、素案の第21、実態調査の中でも、実態を把握するための調査を行うというマル1と、その場合には新たな差別等の問題が生じないよう留意というマル2がございますので、それをとめ直してもらったような意見であり、また対応案についても生活実態調査も想定されるものの、書いてはございませんが、当然マル2の新たな不当な差別が生じないようということは当然かかってこようかと思います。

〇山本委員 そこを押さえてもらっているということなんですが、伊賀市のことで言えば、かねてから気になっているのは、特定な地域を限定しての調査が行われているということに対して批判がある、問題だというふうに言われているわけで、その特定の地域であったり、属性に関わる調査であったりしたときにも、その貫かれる意味というのは、新たな差別を起こすようなものはと今までも言われていても、特定の地域に対して調査をしているので、そういうことに関してはどういうふうに私たちは考えるのかというのはあると思うんですが。
 対応として言っているということは、私たちの間違いはないと思うんですけれども、ここにどういう背景があるのかなというのがすごく気になるんです。特定のところの調査ということは大変慎重にしなければいけないと思うので。ただ、いろんな調査をしていますよね。外国人の方の状況を知りたいからとか、そういう中で、特にこのことは大きく問題になっていると思うんですけれども。
   対応としての考え方はこれで確認しました。ありがとうございます。

〇北川委員長 ほかにどうでしょうか。

          〔発言の声なし〕

〇北川委員長 よろしければ、この対応案で、中間案に向けて対応していくということでよろしゅうございますか。
 
          〔「はい」の声あり〕

〇北川委員長 それでは、思いのほかスムーズに進んでまいりましたので、最後に前回委員間討議をしていただいて、それをこの資料1に反映をしてございますので、その内容について法務監から説明をいただいて、確認していきたいと思います。

〇水谷政策法務監 それでは、本日お配りした修正版資料1の、先ほど飛ばしていきました3ページを御覧いただけますでしょうか。
  3ページの「調査」という文言に関しまして、前回の特別委員会で、相談体制の中での「調査」と紛争解決体制の中での「調査」、同じ「調査」というのを用いるのは分かりにくいという御意見があった一方、それぞれ条文の中の、特に重みがあって、紛争解決体制については条例の根拠を持ってやるという重みもあるし、意味も異なる。一方、違う言葉にして、逆に範囲が狭まってしまうおそれもあるなどといった御意見もありまして、この点について、正副委員長のほうで再度御検討いただきました結果で、このアンダーラインをつけた部分が修正部分でございます。
  ここに書いておりますのが相談体制における「調査」ですが、紛争解決体制における「調査」と区別するために、相談体制における「調査」を別の言葉に置き換えることも検討しましたが、例えば事実関係の確認などとした場合に範囲が狭まってしまうおそれがあるということと、あともう一点、障害者差別解消条例のほうでも同じような言葉遣いをしておりますので、そちらとの均衡も考慮して、この点については「調査」という用語のままとしたいというふうに考えておりまして、ただし、相談体制における「調査」と紛争解決体制における「調査」の違いについては、逐条解説のほうで丁寧に記載するというふうな整理になってございます。
 続きまして、次の4ページを御覧ください。
 (4)相談の継続が困難な場合の対応についてということで、前回、これも議論がございまして、いつまでも行政が抱えているのはどうかというようなことで、打切りに関するような記述が必要ではないかという御意見、あと一方で、それを書くことで拡大解釈されるのではないかと、そもそもこの条例が相談者にとことん寄り添うというような面もあるんじゃないかという議論がございました。
  こちらについても正副委員長のほうで御検討いただきまして、1段落目、アンダーラインの部分を御覧ください。継続することが困難と判断される場合に、前は「更なる必要な対応を求めるものではない」というふうに書いてございましたが、ここを「重ねて同様の対応を求めるものではない」ということで、同じ対応を重ねてする必要はないというような記述の仕方をしてはどうかということで、整理してもらっています。
  あと、その下の「また」の段落のところでは、その後の紛争解決の申立てに関する部分ですけれども、どんな相談もずっと受け続けるわけじゃなくて、あくまでも不当な差別に係る相談において、相談対応の継続が困難な場合には次のステップへ行くように促すことも必要な対応に含まれるということで、どんな場合に次のステップへ行くことを促すのかということで、丁寧に趣旨を書こうということで、この「不当な差別に係る相談事案において」というフレーズを追加しております。
  続きまして、11ページを御覧ください。
  条例案素案の最後の附則の部分に関するところで、前回の御意見で、条例の見直しについて、定期的な見直しが必要であるということと、必要がある場合でいいのではないかという御意見がございましたけれども、こちらについても正副委員長のほうで御整理いただきまして、アンダーラインをつけておりますように、執行部意見では、必要があると認められる場合に検討するということでしたけれども、委員間討議を踏まえて、まず定期的な条例の規定の見直しが必要であるということで、条例案素案の検討規定についてはそのまま維持することとしたいとしております。
 その上で、素案のほうでは「おおむね〇年ごと」になっておりましたのを、どうするのかにつきましては、行動プランが通常4か年の計画となっていることから、その改定に合わせて条例の規定内容の見直しも行うということも想定して、「おおむね四年ごと」に検討を加えるという趣旨を規定することとしてはどうかという記載としております。
 最後、18ページを御覧ください。
 適用上の注意に関する規定でございます。こちらにつきましては執行部意見では、「適用上の注意」という規定を置いてほしいという意見がございましたけれども、委員間討議を踏まえて、日本国憲法の保障する人権を不当に侵害しないことは当たり前なので、今回罰則や規制的な措置も規定しないので、必要性が乏しいということで、条例案素案のとおり規定しないというふうに、前回御討議いただきましたので、その旨、アンダーラインのとおり書いてございます。
 前回の資料1からの修正部分は以上でございます。

〇北川委員長 正副委員長のほうで前回議論のあった部分について、下線の形で修正、加筆等をさせていただきました。
  これについて、御意見がありましたらよろしくお願いします。
 特にございませんか。よろしいですか。

          〔発言の声なし〕

〇北川委員長 それでは、執行部意見への対応案の修正についての委員間討議を終えたいと思います。
   次に、次回の委員会ですが、前回及び今回の委員間討議の結果を踏まえ、条例案素案をバージョンアップした条例案中間案のたたき台を正副委員長から提示し、それについての検討を行いたいと存じますが、日程等詳細については、この後の委員協議で御協議いただきたいと存じますので御了承願います。
  本日御協議いただく事項は以上でございますが、特に何か御意見がございましたらお願いします。よろしいですか。

          〔発言の声なし〕
 
〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
差別解消を目指す条例検討調査特別委員長
北川 裕之

 

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