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令和3年12月7日  花や木で健やかな三重をつくる条例策定調査特別委員会 会議録

資料はこちら

  花や木で健やかな三重をつくる条例策定調査特別委員会
会議録
(開会中)
 

開催年月日    令和3年12月7日(火曜日)午後1時1分~午後4時12分
会   議   室    601特別委員会室
出 席 委     11名
               委   員   長      小林 正人
               副 委 員 長       藤田 宜三
                委      員      山本 佐知子
                委      員       中瀬古 初美
                委      員        野村 保夫
                          委      員        山本 里香
                          委          員       濱井 初男
                          委          員      杉本 熊野
                          委          員      東   豊
                          委          員      津田 健児
                         委          員      中川 正美
欠 席     なし
出席説明員   出席を求めず
参考人      2名
           愛知名港花き卸売事業協同組合 副理事長  細野 時久 氏
           千葉大学環境健康フィールド科学センター 自然セラピー研究室 特任研究員
            グランドフェロー 宮崎 良文 氏
 
委員会書記
                議事課       班長  平井 利幸
                企画法務課    主任  松井 祥嗣
傍 聴 議 員    なし
県 政 記 者    なし
傍  聴  者    なし
協議事項
1 参考人からの意見聴取について
(1)花き市場の状況について
(2)花きの持つ効用について
2 その他
 
【会議の経過とその結果】
 
〔開会の宣言〕

1 参考人からの意見聴取について
(1)参考人意見陳述
〇小林委員長 それでは、参考人からの意見聴取を行います。
 参考人の方からは、切り花や鉢物の市場の状況などについてお聞かせいただければと存じます。
 それでは、細野時久様、よろしくお願いいたします。

〇細野参考人 それでは、私、愛知名港花き卸売事業協同組合の細野でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 私から花の動向等を御報告させていただきます。
 まず、中部圏を中心とした全国の花の需要動向、新型コロナウイルス感染症の影響下、ここ2年出ておりますが、その旨、御説明させていただきたいと思います。
 この2年はどんな状況下かと振り返ってみますと、令和2年の初めは海外での話ということで、あまり話題になることはありませんでした。令和2年2月3日、新型コロナウイルス感染症大規模クラスターが発生したダイヤモンドプリンセス号の寄港を境に、一気に状況が一変するような状況でございました。これに伴って、海外の状況も一段と厳しいものが出て、輸入品の入荷も支障が出るような状況でありました。
 そして、2月29日、首相会見でのイベントの自粛、学校の臨時休業などが要請されると一気に事態が進みまして、緊急事態宣言が発令するとともに、過去に類のない状況となっていきます。特に婚礼や葬儀や業務の需要が激減し、令和2年度初め4月には前例のないほど低迷いたしました。その資料といたしまして、資料別紙1ということで御用意させていただいていますので、御覧いただければ幸いと存じます。
 これは東京都中央卸売市場の市場統計ということで、東京都が発表しているデータですが、市場の状況は、今はインターネットや情報が早いものですから、動きとしてはほぼ全国的な同一のような単価体でも動きますので、一番大きい東京都の消費動向が一番分かりやすいと思うものですから、これを御用意させていただきました。
 これを見ていただきますと、これは前年対比で全部出しているようなデータでございますが、2020年1月、2020年2月と新型コロナウイルス感染症がさほど国内で動きがなかったときは、前年対比を100%を超えるような状況で進んでおりましたが、3月、4月となると新型コロナウイルス感染症の影響が発生して、大きく激減するような状況であります。特に2020年4月に関しては、前年対比4割以上にマイナスとなるような危機的な消費動向になっております。
 説明させていただきますが、学校の臨時休校、イベントということで、年度の変わり目というのは離任式なり、就職、退職も大きく需要期でございますが、この3月が全て自粛ということで、ここのような大きな数字になっています。
 現状、順次、回復傾向にはございますが、新型コロナウイルス感染症対策をして後年のほうもコロナ前の状況ではございませんが、平静を取り戻しつつあるという状況ではあります。ただ、やはり婚礼に関しても人数の制限はかかっていますので、現状のようにまだ戻ってはないという状況ですね。ただ、パーソナルスペースを取るということで、1テーブル当たりの人の座る人数が減っている分、座席のテーブル花に関して思ったよりは減らないという状況であります。
 ただ、一番大きいのは、やっぱり葬儀関係には大きく影響が出ております。葬儀につきましては、コロナ前から家族葬ということで規模の縮小化が進んでいるところに加えて、新型コロナウイルス感染症で弔問客を自粛していただくという形になっているものですから、そういう点ではどうしても葬儀の規模が一段と家族葬に傾斜していくような状況で、花の消費が厳しくなっています。特にそういう点では、花でも葬儀関係に使われていたユリや輪菊に大きな影響が出ているような状況でございます。
 また、このデータを見ていただくと分かりますが、非常事態宣言が発令中、第1回目が4月7日から5月25日、第2回としては、年を変わった1月7日から3月31日に非常事態宣言が出ていますが、この統計の部分を見ていただくとおり、先ほど4月、5月がかなり低迷しています。また、年明けから1月、2月が低迷しているというのが、非常事態宣言で人が動かない、飲食店の規制ということで、こういうところでやはりお店単価での店飾りなんかでも、かなり花の消費があったというのが実感するような数字がここに出ております。
 また、資料を今度2のほうを御覧いただけますでしょうか。
 こちらは家計調査の年報の切り花、園芸品の1世帯当たりの支出金額を月ごとに表わしているものでございますが、これを見ている限りは、一般消費に関しては大きな影響を受けてないです。やはり新型コロナウイルス感染症で自粛ということはありますが、自宅で花を楽しむという状況はありますので、そういう点では切り花を飾る、また、家でいることが長くなったということで、庭を手入れするということで、園芸品に関してはかなり逆に伸びているような状況であります。そういう点でも、今後もっと家庭消費を伸ばす計画をしていくのが、これからの業界の生きる道かなと感じております。
 今、消費動向は説明させていただきましたので、次は、2点目としては全国の花の供給状況ということで、御説明させていただきます。
 これにつきましては、資料3を御覧いただけると幸いです。
 御用意させていただいたのは、今年の6月29日に農林水産省から出た農林水産統計の資料でございます。
 ここに生産状況が詳しく載っておりますので、かいつまんで説明させていただきます。令和2年度の算出金額としては、切り花で32億5200万本、都道府県別の支出割合としては、愛知県が18%で最多でございます。続いて沖縄県が8%、静岡県が6%、それに福岡県、長野県と5%ずつで続くという状況であります。品目としては、菊が40%、カーネーションが6.3%、切り枝6.3%、バラ6.2%、ガーベラが3.9%で、この品目が200万本を超える年間の出荷量を誇っております。
 また、鉢物に関しましては、出荷量は1億9100万鉢で、都道府県別で割合を見ますと、愛知県が24%で最も多く、続いて埼玉が9%、岐阜県が8%、静岡県が7%、千葉県が5%となっており、この5県で全国の出荷量の5割を占めるような状況であります。
 続きまして、輸入の状況を御説明させていただきます。
 資料4を御覧いただけると幸いです。
 これまで輸入の状況は、国内生産が減少するとともに輸入が伸びてきた実績があります。ただし、ここ10年間の状況としては、金額ベースでは増加傾向でありますが、数量的には4億本台を推移しているというところでございます。こちらに10年間の資料としてありますが、下の統計部分ですね。年比較ということで、この場合、輸入統計ですので、キロベースになっておりますので、本ベースではございません。その辺、御承知おきいただきたいと思います。
 2010年で4350万トン、それが2019年で44万1000万トン、コロナ前でほぼ横ばいのような状況であります。新型コロナウイルス感染症で2020年、輸入が滞りましたので、ここで大きく減少しているような状況でありますが、ここ10年間は入荷量としては一進一退の状況があります。ここの大きな要因といたしましては、海外でも中国をはじめかなり消費が伸びているところもございます。また、日本はこの10年、円安傾向でかなり厳しいような状況で、やはり海外の消費国に買い負けているような状況で、伸びが滞っている部分があります。
 それで、2020年にかなりここで10%ほど落ちているというような状況でございますが、この部分が状況としては、ここに関しては海外での商取引の部分もございますが、影響といたしましては、やはり人の往来も新型コロナウイルス感染症で世界的に動きが止まっているところ、航空機需要がかなり縮小しているということで、航空便の物流を確保することがかなり難しい状況になっています。
 また、輸入業者でも船便を使った取引も始めているところがございますが、船便もやっぱりこのコロナ禍で人が動かないということで、アメリカをはじめ港湾設備でコンテナの荷下ろしが全く動かないということで、コンテナが世界流通で滞っているところもありまして、なかなか花で新たに取っていくということが難しい状況です。特に工業製品とは違って、花にはその四季の需要期というものがあるものですから、この需要期に合わせて荷物を取っていきます。1年間安定してコンテナを用意するということは可能ですが、なかなか需要期に通常期の倍ぐらいの量を確保するというのが今は難しい状況であります。
 また、海外に応じて、生産状況も新型コロナウイルス感染症で海外の労働者の移動もできなくなっているところもありまして、海外の生産状況もなかなか難しくなっているというような状況であります。
 しかしながら、花の消費は一例を挙げますと、母の日ですとマザーズデーといってアメリカが中心です。今、海外のカーネーションの産地としては、南米のコロンビアが一番多い状況であります。日本に関してもここに見ていただきましたように、輸入国上位3国ということで、この10年間、統計を出させていただいていますが、かなりコロンビアの入荷量が多いような状況でありますが、コロンビア産のカーネーションは今年の母の日ですとアメリカが買い占めるような状況で、なかなか日本の需要に賄えるものを確保するというのでも、商社のほうも苦労するような状況でございました。
 今、大きく消費動向、生産状況、輸入状況として3つ触れさせていただきましたが、今は消費に関してやはり伸ばしていくというということが一番重要なことでありまして、当市場としてもどういうことをやれているかということで、ちょっと御報告させていただきますと、なかなかこの新型コロナウイルス感染症で人を集めるというのが難しい状況でございますので、市場としての動きは、今かなり手足を縛られるような状況であります。
 例年、今まで当社、2010年に松原という名古屋市内の地区で5社が独自でそれぞれ経営していた花市場が、5社が合併いたしまして、2010年3月にここの愛知名港花き地方卸売市場を立ち上げました。そこで大きな市場としてスペースも確保できましたので、イベントを組むということで、年に2回の市場開放と、すぐ道路を挟んだ南側に名古屋市中央卸売市場の食肉市場がございます。そこの市場と組んで年1回、食肉・花き市場まつりということで大きくイベントを組んで、大体3000人から4000人ぐらいの規模で集客するようなイベントをここ10年やってきたんですが、新型コロナウイルス感染症でそういう集客ができないということで、ここ2年間に関しては歯がゆい思いをしているような状況であります。
 また、愛知県としましても、やはり生産県でございますので、振興するということで、フラワーバレンタインをはじめいろんな関連事業は行っておりますので、それについては当市場としても積極的に参画して、消費拡大を図っているところでございます。
 また、当市場の卸売会社である名港フラワーブリッジにおいては、SNSの発信を強化いたしまして、業者向けの案内ではなく、一般消費者が見ても楽しめるような内容のブログ等もやっておりますので、もし御興味ありましたら当市場の卸売会社のホームページも御覧いただけると幸いです。
 また、今回のお話をいただいたときに、花の一般消費を浸透させる取組や行政への提案ということでお話をいただきましたので、そこについてちょっと触れさせていただきます。愛知県としてやっている事業といたしまして、花きの需要回復事業ということで、今、愛知県だけではなく、市町村を交えて、民間も含めて花の展示場所、一般の人たちに多く見ていただくということで、そういうのをやっております。そして、民間のほうで苦しんでいる冠婚葬祭業者にも新たな花の使い方ということで提案していただくということで、花きの活用スタイルの創出事業ということで今取り組んでいるところでございます。
 聞き及んでいるところとしては、三重県でも花の展示やフラワーウォーク、花育活動を行うとされているとお聞きしております。ぜひあと三重県だけではなく、市町を巻き込んだ大きな全県的な取組も需要喚起をしていただけると幸いと思います。
 特にコロナ禍において暗い気持ちになりがちな昨今、花に対して癒やし効果、リラックスができる効能を多くの人に知らしめて、花の消費を伸ばしていくのが一番重要と思います。そういう点では、今1つとして考えているところとして、病院の再度活用ということで、昔はお見舞い花というのは当然のことにあったような状況ですが、なかなか今、花の持込みができる病院等は少なくなっているような状況であります。そういう点では、病室はなかなか難しいとは思いますが、やはり人が入ってくる玄関先や待合室等に花を飾って、そこでリラックス、癒やしを体感していただけるような空間をつくっていくのも1つ案ではないかなと考えております。
 特に三重県には語呂合わせで、三重ということで3月8日というのが「みえ」とも呼べます。今、花業界ですといい夫婦の日って11月22日にそういうふうに新たな呼び方があります。三重県にとってはそういう3月8日という、「みえ」と呼べる語呂合わせの月日があるものですから、何かそこで事業を行ってみてはいかがでしょうかというのが1つ思うんですが、結構インパクトがあるんじゃないかなと思います。特に3月上旬というのは、需要期を控えている前段のところでございますので、3月はお彼岸がありますし、先ほど触れさせていただいた中旬以降、お彼岸需要、また人が動く人事異動があって、冠婚、歓送迎会が華やかに行われるところということで、需要が伸びる一定前の段階ということで、そこで何か消費活動をしていくのがやはり花を身近に感じるいいきっかけになるんではないかなと思っております。
 特にまたこの3月というのは、三重県の産地である伊勢農業協同組合やみえなか農業協同組合から良質な花が出荷される時期でもあります。特に当市場では、三重県のバラはトップブランドとして扱わせていただいていますので、そういう点でも地元の地産地消ということでうたっていただけると幸いだと思います。
 最後になりますが、三重県の花きの条例を策定するに当たっての助言をということで話をしてほしいという話もありましたので、今ちょっと触れさせていただきましたが、生産振興がやはりすごく重要な点ではありますが、生産振興するとともに、販売先をやはり創出していくことが重要でございますので、花文化の創出、花効果のPR、需要拡大の振興策の策定をお願いしたいと思います。
 甚だ簡単ではございますが、私からのお話とさせていただきます。どうも本日はありがとうございます。
 
(2)参考人への質疑
〇小林委員長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御意見等を受けまして、委員の皆様から質疑等をお願いいたします。
 なお、念のため申し上げますが、参考人は委員長の許可を得て発言し、また、委員に対しては質疑をすることができないことになっていますので御了承願います。
 それでは、御質疑があればお願いいたします。

〇津田委員 どうもありがとうございました。
 愛知県と連携しながらという最後のお話の中に、冠婚葬祭事業者の方と何かいろいろとやっておられて、いろんな提案をされておられるということをお聞きしたんですけれども、具体的にはどういうことをやっておられますか。

〇細野参考人 今、愛知県として回復事業として行っているのは、予算規模としては1億2000万円を立てております。今年の9月から来年の2月までの約半年間で、今回、愛知県として事業者を募って、入札という形で行っています。今回、入札で落札したのがJTBですが、JTBが各つてを使って市町村の展示場所を確保して、そこに愛知県内の今、予定しているのが二十数件の各地区に花屋に委嘱して、定期的に花をそこに集中的に展示していただきます。また、量販店であるイオンとか葬祭業者を含めて、今までの定番の花祭壇だけではなく、花の使い方でもっと新たな祭壇をということで今やって、これに関しては来年の年明けの計画になっていますので、私どももちょっと事業内容としては分からないのですが、当市場としては、そういうふうな花を使うものに対しての積極的な集荷と納品を今やっているとこです。

〇津田委員 分かりました。
 それと、花の文化の創出ということを言われましたけれども、花の文化というと華道なんかすぐ思い出すのですが、参考人が思われる新しい花の文化の創出というのは、何かいいものが頭の中に入っておられるんだったら教えていただきたいなと思います。イメージでも結構です。

〇細野参考人 そうですね。かなり花を飾るというのは、今、考えていかなきゃいけないとこがあって、一般家庭にもう一度花を戻すかという部分においては、まず花瓶がない家庭が結構増えているということで、花をもらったけど生ける場所がない、ものがないというので、生け方のことも考えていかなきゃいけないと思います。今花屋なんかで使っていただくのも、花束でももうそのまま立てて置く、もう花瓶代わりになるような感じで、もう既にそこに置いとけばいいような花束をつくるというところもあります。
 また、品目で使い方の新たな形がかなり、インスタグラムなんかでもよく出ているという話ですが、インテリアとして使う部分があります。生の花ですとそのままでどうしても枯れてしまって、扱いが難しかったりするとこがございますが、その商品をドライフラワーにしてインテリアとして使うというのが、かなりそういうふうで結構、だから花屋ではなくてインテリア業者もそういうふうに扱っています。そういう点は、インテリア業者で一番伸びているのが、観葉植物が結構、花屋ではなくてインテリアショップで売られるようになりましたし、また、一例挙げるとパンパスという、説明がしづらいんですが、そういう花というか、花木であるのですが、それを乾燥させてばっと炎が広がるようなものがありまして、それを部屋で飾っていくというのが、ちょっと御用意してなかったので、インスタグラムで一遍パンパスで拾っていただくと画像が出てきます。
 それはもう私が今こういう立場になるまで、直接販売は私自身やってないですから、昔、直接自分が競り売り人として現役でやっていたところは、大体それはお盆から秋までの商品ですが、卸値で盆では80円、彼岸とか秋用として150円ぐらいで売るのが、かなり苦労してそのぐらいの卸単価で売っていたのです。ところが、今年売ってみると、もう1本600円でも飛ぶように売れるのですよ。何でかというと、そういうふうにインテリアとして、部屋飾りとして1本小売単価が3000円とか4000円で売れます。普通の花の感覚ではなくて、インテリアとして部屋飾りとして使うという部分があって、そういうふうな使い方をするので、単価が全然違うような状況になってきています。
 そういうことを見つけてやはり使っていくというのと、今は染めに対してすごく抵抗感がないものですから、いろいろ今、染め花に関してはいろんなものが染められるようになりました。カスミ、バラ、カーネーションは当たり前ですが、今、輪菊も染められます。輪菊というとどうしても葬儀に使っていたこととかあって、本来だったら天皇の紋章みたいなので、菊というのは高貴なものという、だから葬儀に使うというのになってきたと思うのですが。あまりにも葬儀に使われることで、仏花で、逆に今の人のイメージだと家に飾るにはという部分がありますが、今は染めたり、また菊でも洋マムという言い方で、また通常の輪菊とは違った咲き方の花も増えてきています。そういう点では部屋への一般家庭で飾る分には向いてるんじゃないかと思います。
 特に菊なんかは日持ちがいいものですから、扱いによってどうしても水替えとかしなきゃいけないので、そこの最低限の知識をもう一回再構築して、アピールしながら、またいろんなところで、医療機関なんかでも癒やしの効果や認知症の回復にもいい影響が出ているような研究結果も出ているもんですから、そういう点でもいろんな方法で新たな使い方ができないかなと考えているところであります。三重県としてもそういう点でもぜひ科学的な根拠でアピールするところをしていって、一般消費のPRに努めていただければ幸いと思います。

〇津田委員 さっきの認知症に効果があるってどなたがおっしゃったことなのか、どこかのマガジンか雑誌にですか。

〇細野参考人 すぐにはどうこうという話はできないですが、1つとしてそういう効果があるということで、認知症用にやる地元の小売業者の名古屋生花小売商業協同組合が積極的に今売出しというか使っていますが、認知症用のアレンジキットというのがあります。スポンジにもう順番で何を挿すかという、スポンジに形、四角だったり三角だったり、ここに刺しなさいよというような形があって、そこに順番に挿していけばアレンジメントが1つつくれるというのが、セットでやっているのがあるものですから、そういうのを実際、介護施設とかに使っていただくとかやっているのも、1つ事業としてはやっているところがあります。

〇津田委員 花を見てというか、花を使って、花の遊び方、花で……分かりました。
 以上です。

〇中瀬古委員 2点聞かせていただきたいと思うのですが、1点、先ほどおっしゃったパンパスとかって何だろうと調べさせてもらったら、今、本当に皆さん、そうですね、ばっと広がるのですよね。
 私、最初にこの特別委員会が始まったときに、スワッグのことについて聞かせていただいたんです。今やっぱり若い方々に限らず、その需要とか人気というのがすごく広がっているなと思っていまして、それと類似してくるのかなと思っているんです。コロナ禍でとてもそういう意味ではお花に対するものとかって、やっぱり癒やしの効果を求めたりとかというので、変わってきた部分があるとおっしゃいましたし、あるとすごく思うんです。
 スワッグはもう一つ前からかもしれないですけれども、今、多肉の植物であったりとか、あまり世話をしなくても、ちょっと家の中での需要が大きかったりというところで、男性に受けているものが結構多肉植物とかのものでも、私、表現できないのですが、すごい変わった無機質的な感じのものなんだけど、すごく男性に人気があるということを聞かせてもらったり、多肉であったりこうやってすごく変わってきているんだなと思っています。
 やっぱり文化という部分の生け花という華道と、もう一つ今の若い方々がもうちょっと手軽にというところと、今そんなことがあるんじゃないかなと思っています。今後そういうところは、今お話をいただいた愛知名港花き卸売事業協同組合は、どんなふうに変化していくだろうと考えておられるのかということを聞かせていただきたいのが1点と、もう一つは、愛知県で市町村を交えての取組ということをおっしゃいましたけれども、そこのところをもう少し詳しく聞かせていただければと思うのですが。お願いします。

〇細野参考人 そうですね。今、男性、女性を問わず、他の自治体としても環境づくりというのは今進んでいるかなと思います。特に新たな学び創出ということで、セットと、先ほど触れたところでいうとフラワーバレンタインということで、バレンタインに関して、今まで普通チョコを女性からもらうという愛のアピールという形とともに、海外ではお花を一般的には男性が女性なりに贈る、一番母の日も大きいですが、それに次ぐ花の消費日というのが海外では実例であるものですから、それを今国内でも実践できないかということで、ここ何年もやっているところがあります。それに関しては、随分そういう点では男性がその日に花屋に来店する機会が増えてきているのかなと感じています。
 ただ、残念ながらやっぱり日本人は恥ずかしがり屋なのか、花屋に聞くとやっぱり外国人のほうが多いよと、そういうときに来るのは。いろんなところが、あと日本人にももっと広がっていけばいいのかなと感じております。先ほど愛知県の需要拡大ということでやっているのは、愛知県もいろんな花の生産の農法振興ということで、品種選考もやっているものですから、一例を挙げますと、やっぱりかがり弁菊ということで、花の先が割れて咲くような菊が今あります。それを今週も納品させて、どうしても展示で使っていただきます。こういう品種があるんだよということでアピールしていくということで、今、動いているところです。
 残念ながら、この品種に関しては、夏場の高温ですと先が花火のように割れていくというのがないものですから、どうしてもこの冬場の限定の花ということもありますので、今そういうふうな形で売出しをしているところです。
          〔「ありがとうございました」の声あり〕

〇小林委員長 いいですか。あと1点、名古屋市と関係のところというのはよかったでしょうか。

〇中瀬古委員 すみません。2点目のところで、菊というのが名古屋市との、市町村というところでということで、理解させてもらってよかったのでしょうか。もう少しそれをよりどんなふうにというところが、ほかのところでもあるようでしたら教えていただきたいと思います。

〇細野参考人 そうですね。代表としてやはり愛知県の花き消費回復事業ということで、愛知県の商品を使ってほしいということがあって、かがり弁菊にはこれでやっと1年、品種登録してからまだ1年ほどしかたってない商品ですので、積極的に使ってほしいということで、愛知県自体が生産者に苗を供給してつくらせて、それはこの事業で全部買い取って、使ってほしいということで動いているような状況です。

〇中瀬古委員 今のお話は、県が苗を市町と生産者がですか。生産者がそれをもっと使えるようにということで、何かそれを取組としてそういうような働きかけをしているということで、一緒に取り組んで、よりそれが発展していくような形として、現在、動いているという理解でよかったんでしょうか。

〇細野参考人 はい、そうですね。ですから、愛知県としてもせっかく品種登録までした開発品種ですので、もっと世に知らしめたいということで、積極的に動いているということですね。ですから、ここ何年も選別が始まってから、私自身、最初の選別のときから参加させていただいていますが、いろんな面で県事業として、今回は花き消費回復事業ということでやっていますが、東山動物園の装飾や白鳥庭園の飾りつけとか、そういうときにもこれを積極的に使っていただくようにというのが、事実、今やっている話としてあります。

〇中瀬古委員 ありがとうございます。はい、分かりました。

〇濱井委員 今、お二人の方が大体聞かれましたので分かりましたけれども、花の文化の創りですが、それによってまちづくり、県土、風土のつくりですが、先ほど愛知県がそんな動きがあるようなことを言われました。全国的に見てどこかそういう県、あるいは市町と一緒になって、あるいは地域の方と一緒になって、花の文化ということで進めておられるような他府県というのは御存じでしょうか。
 私どもは福岡市へ行ってきましたら、福岡市では、もともと緑のまちづくりを進めておられたところを強い市長のリーダーシップをもって、花と緑のまちづくりというふうに、現在、進められておるわけです。公共施設周辺あるいはその内外、それから道路空間とかいうところへ花とか花木を植えていく取組を地域ぐるみ全体で市の中でやっておられるわけです。県も国土交通省も入れながらやっておられるのですが、そういう取組というのは全国的に見てどこか御存じでしょうか。

〇細野参考人 私も地元を中心に活動しているものですから、あまり他府県の情報というのはなかなか。ここの近隣の東海3県は理解しているところがありますが、遠方のところまでというところは、なかなか情報としてはきちっと持ってないところですが、やはり花きの振興に関する法律の制定に伴って予算立てもありますので、いろんなところでそのような話は聞き及んでいるところであります。やはり花の一般家庭に伸びますと同時に、やっぱり花を目につくようなところになっていかなきゃいけないので、各学校の花育活動も含めて、もう一度、学校花壇の再構築、それとか道路の環境整備のところで中央分離帯、その他含めて緑化の方向は、やはり全国的にはやっている傾向があるということでございます。

〇濱井委員 分かりました。
 これからも我々もそうですけども、花育ということが大事で、花を見たときに人間は感性的にきれいなものはきれいだと見ますし、それから花を植えて花を育てることによって、人への愛情といいますか、思いやりというのを育みます。そういう花育というのは大事なことなので、それは全国的にやっておられますので、これからももっともっと進めていかなあかんと思っています。それは感想だけですが、ありがとうございました。

〇津田委員 新型コロナウイルス感染症で花が売れたということはあちこちで聞くんですが、議会も花を飾っていまして、花を見ながら質問を聞かずにきれいだなと思っていたりするのですが、この前、藤田副委員長がこの花は何か南米産、中南米産だねというふうに、私、日本の花……。
          〔「アフリカです」の声あり〕

〇津田委員 アフリカですか。日本の花だと思っていたら、そうじゃないと言われていたんですが、新型コロナウイルス感染症で花が売れても日本の生産につながるようなことではなかったんですか。今回の新型コロナウイルス感染症による消費が拡大したことは日本の生産につながっていないということだったのですか。

〇細野参考人 先ほど輸入の状況も説明させていただく中で、やはり海外の入荷状況も難しくなっている中、やはり国産品の見直しはかなりかかってきているところがあります。国内の生産品は市場経由率が高いですが、当然のことながら、輸入品に関しては輸入商社が動いていますので、輸入商社が市場外で動かしているところが多分にあります。国内産と輸入品の大きな違いは、輸入品に関しては大量物流・納入ができるということで、量販店等、価格が安定してなおかつ量がそろうということで、輸入品にシフトしていたところがありますが、新型コロナウイルス感染症での中、供給がかなり不安定になったということで、国内の回帰が今起こっているところもあります。
 ですので、母の日、先ほど触れさせていただきましたが、中南米アメリカのコロンビア産のカーネーションはアメリカの買い付けが強くて、日本からなかなか買い取るのが難しくなったということで、量的に減りましたという話もありますが、それを前提で売るつもりでいた業者は海外産を入れる予定が急遽入らないという話になって、慌てて国内産を買い付けに走ったというような状況もあります。その点、今、我々当市場では安定供給できるように、国内産にもう一回頑張っていただきたいなということで、販売を強化していくというふうに進めているところでございます。

〇津田委員 海外から持ってこれないもので、国内の供給を増やそうということでしょうけれども、簡単にそういうのをできるものですか。

〇細野参考人 正直なところ厳しいような状況です。本日は資料としては持ってきていませんが、実際の日本の花の生産状況ということでここ10年を振り返ってみますと、ほぼ毎年きれいに花の生産面積というのは2%ずつ落ちてきています。ですので、今もう一度ここで踏ん張り直さなきゃいけないというところで、何とか我々としてもしていきたいなということで、官民合わせて協力体制を組んで、いろんなことができないかなということで、こういうふうなお話をいただいたのも積極的に、三重県としてもやっていただきたいですから、私も今回来させていただいています。どうしても今この新型コロナウイルス感染症の中で一般消費は多少歩留まりというか、伸びるチャンスがあるところがあるものですから、ここでもう一度振り返っていきたいなという部分があります。
 ただ、やっぱり一番ネックなのは、円安と原油高というところで、生産に対する苦労、今大体、普通、冬場に花の加温はA重油で加温しているところが大きいです。今、リットル100円を超えるような世界になっていますので、つくっただけでちょっと経費がかかり過ぎて厳しいような状況です。ここを何とか打破していかないと厳しいのかなというのは正直なところあります。

〇津田委員 花の文化の創出だとか、学校花壇の再構築だとか、花育だとかいろいろお話いただきましたけれども、もし我々が愛知県の県議会だったとして、率直にこんなんやってほしいというのがあれば、こんな議論を進めてほしいというのがあれば、教えていただきたい。

〇細野参考人 やはり僕視点の感想を言わせていただくと、昔に戻りたいなというのがあります。僕の子どもの頃というのは、花って結構身近にあったのですよね。バスや市電に乗っても、一輪挿しが運転席とか車掌のところに飾ってあったり、先ほど病院の話もしておりましたが、お見舞いって持っていくといったら花を持っていったのが当たり前でした。ところが、今、何か衛生が何とか、看護士に負担がかかるからということで、病院から排除されるような、過去からずっとそういう経緯で来て、ちょっと遠慮されていましたが、そこをもうひとつ戻せないかなというのがありますね。
 やはり生活に身近になるというのが一番大事だと思うのですよ。今、スワッグの話ではパンパスグラスのインテリアの話に触れましたが、やっぱり身近にあると、身近に感じられるから、続けて置いとこうかなということで皆さんが使われます。あるのが当たり前に戻す方策をどうにか考えていくのが一番かなというのが。そのためにはどういうものがあるのだろうと。インテリアとして飾れることもあるでしょうし、そういう研究結果をつけて、癒やしの部分でもっとアピールできることができないかなと思います。
 あの業界ですと、今ビタミンFと、フラワーといって、そういう癒やし効果ということをアピールしていったらどうだろうということで、形はあってもなかなか、ビタミンフラワーとネットで検索すればぱっと出てくるんですが、皆さんの周りにはまだ全然認知されてないというふうな状況があります。ですから、普通のビタミンCは健康にいいよみたいな感じで、体はどうか、癒やしの部分で、花でビタミンをというイメージで、ビタミンフラワーということでアピールしていきたいなということで、業界では言っているとこがあるのですが。なかなかそこに関しては、まだ認知がされてないかなという残念な結果です。

〇津田委員 今日からビタミンFの宣伝をさせていただきます。ありがとうございました。

〇濱井委員 私もその件でちょっと。
 コロナ禍においては需要を増やしていっていかなきゃならんと、この話はありましたが、実際、生産者にとってはウッドショックと同じで、コロナ後を見たときに、このまま生産をしとっていいのかなというようなところもあると思うんです。ですから、今言われましたように、年々といいますか、10年来2%ずつ落ちてきています。そういう状況の中でもうかる生産者といいますか、花づくりというのが大事なんで、そうなりますとやっぱり需要をとにかく増やしていかなあかんと、コロナ後においてもこの話やと思うんです。そこの花の文化とかそういうのがつながってくるんだと思うんです。
 講師のお考えですけれども、その可能性、これから減ってきていますが、やっぱり今言われましたような文化をつくっていくことにおいては、今後上がってくるだろうという期待ですか。その可能性は雰囲気的にどうですか。生産者もありますから、どうなんですかね。生産者の反響といいますか、今とにかくつくれつくれという動きがあるようですが、生産者はどういうふうな感じでおられるんですかね。抽象的で分かりませんかね。

〇細野参考人 かなりそういう点では難しいのも事実だと思います。
 ただ、今までどおりのつくり方をしていたのではやはりなかなか難しいと思いますし、産地としてもどういう方向性を出していくというのが重要だと思います。
 ですので、やっぱり今まで産地によっては、葬儀の需要を賄えるように供給体制、また、品質の選抜もしていたところを今はやはり一般消費、家庭消費をメインとしたほうがいいだろうということで、生産体系のシフトというのをやっているところもあります。決して花が全くなくなるということはあり得ないと思いますから、やはり計画的な生産、我々自体も今販売に関しては、今までですと競りが中心の販売というのがありましたが、実際、今我々の取扱いの4分の3は注文、競り前で販売するような状況で、なかなかそういうふうにひもづけして販売していかないと、今、物流のほう自体が難しいです。
 今、花ですと、先ほども触れたところもありますが、やっぱり季節で扱う量が減ったり増えたりしますので、海外の物流だけじゃなくて、国内の物流も確保するのがかなり難しくなっているような状況であります。
 ですので、昔は競りで売れるから、右肩上がりですからどんどん売れるので、どんどん入れていってくださいよという話ですが、先ほどのようにやっぱり販売も消費も厳しくなっているんじゃないですかという話の中、出荷をしたけど二束三文で運送コストも出なかったよという話になっては、なかなか続かないものですから。運送部分を確保するためにも、実際の販売の大半はもう先に終わっているような状況で、そこにトラックの空いているスペースに委託品というか、競り売り分が乗ってくるような感じで、今は物の動かし方というのは動いていると思います。

〇濱井委員 ありがとうございます。
 後継者ですけれども、卸売市場もそうですが、物流の部分のところでもそうですが、今後継者はどんな感じですか。

〇細野参考人 そういう点では、うまくつながっている産地とつながってない産地が極端になっています。ですから、生産面積がやっぱり減っていくのは仕方ないです。どうしても生き残れないところは発生する。世代交代がうまくいかないところは事実あると思います。やはりでも花で生きていくのだという強い意思を持って世代交代しながら、そういうつくり方の内容の転換をして、供給していくのだと自負を持ってやられているところは、やはりきちっとされているかなと思います。

〇濱井委員 ありがとうございました。

〇山本(佐)委員 今、生産者のお話、私も伺おうと思ったら濱井委員がしていただいたのでよかったのですが、今度は売るほうですね。やっぱり私たち子どもの頃って、なりたい職業って花屋って結構多かったのですが、どうでしょう。今、販売形態として、小売店とあとは量産店というか、大型店舗で売っていたり、あとネットで売っていたりとかもあると思うのですけれども、どういうような割合で推移しているのでしょうか。やっぱり小売店が結構もうどんどん減ってきているのか、そういった流れというか、もし教えていただければありがたいです。

〇細野参考人 そうですね。やはり流れとしては、販売に関しては主力になっているのは、小売店から量販店に切り替わっている傾向になっているのは事実であると思います。量販店といっても一番身近に買物に行ったついで買いもありますので、家庭商品に関してはそういう部分で量販店で買われるようなところもありますし、やっぱり贈り物とかその他であると専門店にという部分もありますね。ここにきてやはりなかなか店舗に行くのが、コロナ禍ということもあったり、遠方に送るということになるとやっぱり通販を使う形で、ネット販売も伸びているのは事実であります。
 ですので、用途で販売チャンネルが変わってきているかなと思います。そういう点で、あと量販店でももっと広げるために、専門店化しているような量販店もありますし、花屋でも店舗を持ちながらネット通販のほうに力を入れている花屋もいらっしゃいますし、いろんな立場といいますか、状況を判断して多角化の方向はあるかなと思います。

〇山本(佐)委員 生産者や卸の方からすると、どうでしょう。そういった販売形態がどんどん変わっていくということは、どういう影響といいますか、例えば量販店が多いと、割と種類が決まっているのがたくさん出るのかなということを考えていたりとか、あと何か付加価値の高いちょっと珍しいお花がなかなかやっぱりそういう量販店では需要があんまり、売りにくかったりとか、そんなイメージがあったりします。量販店が逆に多いと安定的に売れるので、割と市場を下支えしているのじゃないかとか、そんなイメージはあるのですが、実際はやっぱり売れる出口がどんな組合せであってもたくさんあれば、生産者としては売り口が多いのでいいかなという感じですか。そこら辺の関係は特別あったりしますか。

〇細野参考人 量販店というか、先ほど競りにかかるのはもう25%から20%ぐらいに今は縮小傾向ですよということで、その前にもうひもづけで売ってしまうことが中心になってきましたという話で、やはり我々市場としても産地との連絡調整というのは密にして、出荷体制、出荷計画に基づいて、当然、事前情報も得ますし、また、気象条件にあってやはり前に倒れたり後ろに、という部分がありますので、山とか谷ができますから、その辺の情報はきちっとつかむようにしています。
 なおかつ、その山で値崩れを起こさないように、一番いいのは量販店等、ある程度ロットで扱えるところに相談して、産地フェアですね。今回この週で量的に出てきそうだという話だと、三重県のフェアをやりませんかとか、品目で多いものがあれば、この冬場だったらチューリップが需要期よりずれる形で出るのだったら、チューリップのフェアを開催しませんかと提案して、そこにお店でチューリップをばっと並べてもらってアピールしていくというのを、提案型の販売はやっているところです。

〇山本(佐)委員 ありがとうございます。

〇小林委員長 よろしいですか。
 まだまだ御質疑されたい方あるかと思いますけども、時間の関係でこれで質疑を終了させていただきます。
 この際、細野参考人に対し、委員会を代表して一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中、本委員会のためにご出席いただきありがとうございました。
 このたび頂戴いたしました貴重なご意見は、今後の本委員会での議論に反映し、役立てていきたいと存じます。
ここで、参考人が退室されますので、暫くお待ちください。
          〔参考人 退室〕

〇小林委員長 ここで、会場設営の都合上、20分程度休憩をはさみたいと存じます。再開は14時30分からとしたいと存じます。
 暫時、休憩いたします。

          (休  憩)

          〔宮崎参考人 入室〕

(3)参考人意見陳述
〇小林委員長 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
 それでは調査に入ります。
 この際、参考人の宮崎良文様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は大変お忙しい中にもかかわらず、本委員会のための御出席いただき誠にありがとうございます。
 委員会を代表して心から御礼申し上げますとともに、忌憚のない御意見をお述べくださいますようお願いいたします。
 それでは、参考人からの意見聴取を行います。
 参考人の方からは、花卉の持つ効用として、花・森林セラピーなどについてお聞かせいただければと存じます。
 宮崎良文様、よろしくお願いいたします。

〇宮崎参考人 今日はどうもありがとうございます。20分か25分程度を使って説明させていただいた後、たくさんの質疑応答をさせていただきたいと思っていますので、多くの質問よろしくお願いいたします。
 前で説明をさせていただきます。
 今日は花・森林セラピーを科学するということで、自然と人というのは大きく言うとどんな関係にあるのか、あるいは快適性というのがテーマになるので、これをどう考えたらいいのか。さらに、実際にどんな方法で測るのか、実験例としてどんなものがあるのか、我々が考えている将来展望としてはどんなものがあるのか。このあたりを説明させていただこうと思っています。
 まず、自然と人の関係ですけれども、これは2002年にネイチャーという雑誌に論文が出て、化石研究から人というのはもう600万年から700万年前に人になったんだということが分かっているんです。ずっとこの間、自然の中にいたのは間違いない事実なんですね。一応、人口化というのを産業革命とすることが多いんですけど、仮にそうすると二、三百年です。ずっと来て、遺伝子というのは二、三百年では変わることできないんですね。ですから、私も皆さんも全員が人に対応した体を持つ、遺伝子も脳も皮膚も全てそういう体を持って、今のこの人がここで働いているという状況ですね。ですから、急激な都市化ということで、そこに摩擦が生じてストレス状態になります。なかなか気がつかないけれども、全体としては刺激が多過ぎる状態にあるということです。
 特にここ2年間の新型コロナウイルス感染症ということで、次のまたストレス状態が生じています。このあたりを上手に自然というものを使って、僕はもう基本的に思っているのは、この後もお話ししますが、自然というのは本来、予防医学という観点から医療費の削減にまで貢献しているんです。ですけれども、データが全然ないものだから、正当に評価されてないんですね。データをためることによって、きちんともっと上手に使ってもらうということが、日本もアメリカもヨーロッパも、今、医療費の削減が非常に大きい課題ですから、そこに貢献します。この話がそれで、今お話ししたようにストレス状態にあります。
 このように横でリラックスするのは当たり前です。人の体が自然体にできているんですから。勝手に自然にしちゃうんですね。それを今までアンケートでしか調べようがなかったんです。アンケートを取ってエビデンスが取れたと言っていたのですが、花を見ていいですかと言ったら、いいに決まっているんです。そんなもんを取ってもしようがないです。研究にならないわけですよ。体がどうなっているか、ストレス状態でどう体が変化して、花を見たとき、匂いをかいだときにそれがどういうふうに軽減しているのか、脳の活動を取ったり、体の活動を取ったり、あるいは場合によってはストレスホルモンも取ったり、そういうことでエビデンスをためるというのが今重要です。
 私は15年前からこういう研究を始めたんですけれども、ここにやろうとしてびっくりしたのは、日本でも世界でも1つもデータがないです。最初にやったのはバラです。今、日本も世界もバラは非常に人気があるので、バラでやろうとしたらアンケートしかないですね。バラを見たときに体がどうなるかって1個もデータがないです。それで今やり始めて、そのデータも今日御紹介しますけれども、今これをやっています。
 実は、次の話として、免疫の話を取っていかなきゃいかんのですよ。リラックス状態というのは、実はストレス状態になっていると免疫機能って低下しているんです。これはもう免疫とストレス状態って関連しているということは、ほかの研究から分かっています。これがリラックスすると改善するのですね。これが何かというと、予防医学的効果という言い方です。
 要するに花を見たり森に行ったりしても、病気を治すことはできないんです。病気になりにくい体をつくるという、これが今はもう世界の大きな方向ですね。特効薬をつくるという時代は終わったんですね。ですから病気になりにくい、今コロナ禍を見てももうそういうことは明らかです。次の方向としてはこれをやっていかないといけないんだけれども、森林セラピーでは実際に森林セラピーを3泊4日とかしてまた免疫機能を測る、そんな実験をやっているんですけれども、花についてはまだ今できていないということです。
 正直に言うと、こういう実験をやるにはやっぱり500万円とか1000万円とか、その程度のお金は研究費でかかるんですね。ですから、そういう観点も含めてまだできていないです。ただ、これをやっていかないと、実際のここの話には持っていけないです。ここの話をするには、計量経済学とか経済学者とも組まないといけないですが、これが非常に大きなストーリーとして我々が持っている話で、ここまでは今何とかできています。ただ、手前味噌ですが、このデータを出しているのは世界でも我々の研究室だけですから、データは極めて少ないです。
 何でかというと、枠組みが縦割りです。花の研究している人は花の研究しかしないんです。人の研究している医学部の人は花に興味ないんです。だからもう縦でお互いにクロスしないというのが一番大きいです。これは日本も世界も全て同じです。木材も森林もみんな一緒ですけどね。ですから、農学という実学が持っているそこのところで、花は何のためにあるかといったら最終的には人のためです。人にプラスをもたらす。だけど、花の研究はやるが、人の研究は日本も世界もどこもやってないです。物すごい大きな矛盾を抱えた研究分野です。
 我々のほうはBack-to-nature theoryって、ニュージーランドのこの人が、私がこんなのやっていてこういう名前をつけてくれた、自然に帰れセオリーだそうです。だからそれはいいのじゃないかなと思います。大事なことはこれです。はっきり言うと、今でしたら実践しかないんです。だからやっぱり科学的事実を基に両輪で走るということです。今この1個だけで、一輪車で走っている横からぽんとやられるとすぐ倒れちゃってもうどうにもなんないです。ほかの分野の人たちから何かちゃんと根拠あんのかと言われたら、僕は医学部で9年助教をやっていましたが、医学部の人なんかはだから非常に花とか木材の世界に対しては厳しい目を持っているんですね。何の根拠もないじゃないといつも言われますよ。そういう部分があるので、やっぱりここをきちんとそうやってお互いにやり取りするというね。
 快適性とはって、これ直接は関係ないのですが、ちょっとお話します。これ定義はありません。私は人と環境間のリズムの同調、シンクロした状態だと思っています。要するに一体化した状態です。例えば今のようにちょっと笑っていただいたりすると、非常に私も話しやすいわけですよ。講演会もそうですよね。だって音楽だってそうだと思うんですよ。絵だってそうですよね。やっぱり同調する、シンクロした状態を取れるかどうか。会議だってシンクロしている会議というのは非常にうまく進むし、いい成果が出るわけです。花あるいは自然ということで見てみると、勝手にシンクロするんですね。だって人の体が自然に対応するようにできちゃっているんだからです。だから勝手にシンクロするので、勝手に快適になります。これをエビデンスとしてはっきりさせて、花の価値を上げるということです、非常にはっきり言うと。
 もう一つは、快適性の整備、種類の整備、これについて言うと、受動的快適性と能動的快適性という言い方、乾先生という方がもともと消極的快適性、積極的快適性という考え方を出しておられて、それを私がモディファイしたのです。受動的快適性というのはマイナスの除去です。例えば物すごく寒くてがたがた震えているときに、温かい部屋へ入ると全員が気持ちいいんですよね。真夏、物すごく暑いところでだらだら汗かいているときに、涼しい喫茶店へ入ると全員気持ちいいと。マイナスの除去です。
 私、小学校5年生のとき東京オリンピックがありましたけど、あのときの日本はまだこっちだったんですね。エアコンもないし、テレビの画面の上に今日のNOx濃度なんて書いてあって出ていたんですよ。外出は控えましょうなんてやっていたのですから、本当に。子どもながらに覚えていますよ。今そんなことはないですね。
 今、求められているのは能動的快適性、プラスアルファの獲得ですよ。これは花を含めた自然セラピーはこちら側です。今、日本も世界も一応先進国と言われるところは、もうみんなこちらに今移行しつつあるのですね。だけれども、研究者はこっちばっかりまだやっているのです。なぜかというと、個人差が大きくて論文になりにくいのですね。能動的快適性、花だって例えばユリの香りが好きな人もいれば、嫌いな人って必ずいます。こういうふうに非常にばらつくと、俗に言う。でも、それが実態ですから。これをどういうふうにしていくか、社会もこれを今求めています。ちょうどここからここに行く過渡期ですよね。これを求めているのだけど、社会自体は中途に今あるという、そういう話です。
 ですから、多分、一般に暮らしのある方々というのは、これは理解できるんだけど、何かいいことないかなという、こっちを待っていたのが現実ですよね。例えば花セラピーの1、2、3を教えてくださいというのは、メディアなんかの取材がよく来るわけです。それないんですよ、個人差が大きいから。だからそこのところを自分で求めるということが非常に大事とちょうど過渡期ですよね、今、社会全体が動こうとしています。
 快適性評価は、この辺を簡単にやります。
 簡単に言うと、血圧とか心拍数って人前に出てどきどきします。私、今ちょっとどきどきしているのですけどね。これってストレスがかかるとか、そうすると上がります。だけど、これは物すごく鈍い指標です。心拍数がどきどきするって、花を見てというと変化しません。だけど本当は体が変化しているのですね。それを取ることができるようになったのが、心拍変動性といいます。簡単に言うと、心臓はどきどきと打っているのですが、以前は規則正しく打っていると思われていたんですよ。よく調べたら、長く打ったり短く打ったり揺らいでいるということが分かってきて、この揺らぎ方が非常に体の状態を鋭敏に反映しています。そういうことが分かってきて、それを使えるようになったのですね。ですから、もう本当にこれよりも極めて精度がいいです。
 それから、脳の活動も、皆さんは脳波というのが非常に、脳波のアルファ波を取ると何でも分かるという幻想があると思うんですが、あれはもう幻想ですね。脳波のアルファ波を取っても何も分かりません。感度も精度も悪くて。脳波は電気信号ですけど、今は光を使う方法に変わっているんです。頭の中に近赤外光を入れて戻ってくるという光です。これは臨床でももう普通に使えていますし、それに変わったことによって、この後御紹介するデータが取れるようになってきました。あとはストレスホルモンですね。以前、血液だったのですけど、唾液で取れるようになったので、まあ使いやすいです。残念ながら免疫機能だけはまだ血液を使わないといけないんですよ。だからこれがちょっと医学部と一緒に組まないとできない。ちょっと何かあんまりこんなことずっと話したら……。
 さっき言った心拍変動性とはこんなので、やり方自体としては、電極、一番簡単な心電図を取ります。これは変わりません。それから、指で取る事もできます。ドラセナ3鉢を見ただけでリラックスしたときに測る副交感神経活動が上がるんですから、高校生ですけど。これがもうびっくりですよ。近赤外分光法は、こういうのをここにべたべたと両面テープで貼ります。だからもう3秒で貼りつけられますから、非常に簡便です。
 それで、内分泌は唾液をこういうふうに取ります。それから、実験室の中ではこんな感じで匂いを出して、脳波を取って心拍変動性を取って、大体これでいいです。場合によったら血圧も取りますが、指で取れますから、こんな感じで取るということですね。外で取るときは、これは脳の活動を取って心拍変動性を取って、森で歩いたり森で座ったり、都市を歩いたり都市で座ったり、こんなところで同じことをやって違いが出れば、環境の違いですから、そういう方法です。
 いよいよ実験のところまでいきました。例えば先ほどお話しのように、今度はバラの実験をやってみようと。私、その中で森林総合研究所というところにいたので、対象が木材と森林だったのです。千葉大学に来て園芸学部の関連センターに行ったので、もともと花が好きなのです。やってみようと思って、もうびっくりですよ。アンケートしかないです。これはどうしたことかと思って、こんなのをつくりまして、実験をやってみました。高校生でやってみたり、オフィスワーカーでやってみたり、それから医療従事者でやってみたり、そうするとこれ114人の結果ですが、バラを見ただけですよ。
 これは副交感神経活動、さっきの心拍変動性で測れるのですが、リラックスしたときに上がるんですよ。そうするとバラを見ただけで15%上がって、ストレス状態で上がる交感神経活動は16%下がるんですよね。要するにこれはややこしいことはつけていませんが、統計的有意差があるというデータです。統計的有意差があると論文になるんですね。だからもうこういうことが初めて分かったんです。体の中でこんなことが起きているということが。ただ、もちろんアンケートも同時に取っていまして、快適でリラックスするというんですよ。それは予想どおりであり、取るまでもないです。
 次に、赤いバラで見ました。これをやってみたら、これは5年前に現在の天皇陛下と雅子様が研究室に来られて、レクチャーをさせてもらって、さっきのピンクのバラの話をしたら、赤いバラはどうですかと、現天皇陛下、そのときは皇太子殿下でしたが、に言われて、これはもうすぐやんなくちゃというので、やったのがこれです。バラを見る見ないという脳の活動で、さっきのです。
 そうすると1秒ごとに取ると、バラを長いときは3分間ですが、バラを見るだけで脳の活動がこうやって沈静化していくんですね。要するに脳って働き過ぎているんです。今の世の中、脳は働かせたほうがいいという話がいっぱいあるが、あれは間違いです。脳はリラックスさせて、何か来たときに対応できるようにしないといけないんです。年中働いているとパフォーマンスの幅が減って、効率は悪くなるんです。ですから、僕の言い方でいうと、本来の人としてのあるべき状態に近づけるということです。700万年も持っていた。それがこれに表れています。
 次に、ドラセナ、高校生。これは農水省のプロジェクトでやって、今グリーン業界の調子がいいから、ドラセナでやってくれと言われまして、もう正直言って僕はドラセナなんかで出ないんじゃないかなと思っていました。こうやって理科室で借りて、高校生でやったんですよ。そしたら、バラよりは少ないんだけど、ドラセナを見るだけでもやっぱり変化するんですね。統計的有意差があって、ドラセナで効果があると言っていいんです。これずっと下についているのは、論文化されたものです。我々は英語の論文しか書かないです。何でかというと、世界に発信するのに日本語では誰も引用しないし、通じないんです。全て世界でサーキュレーションをするという、それが一番重要です。
 パンジーでやってみて、造花でやれと。パンジーの造花がなくて、もう何か冴えない、今はあまりお見せしたくないんだが、自分たちでつくったんですよ。これを買ってきて、これを塗って、こんなんでやってみました。理科室でやっているんですがね。そうすると、これは交感神経活動、上へ行くとストレスに星がついていますが、これは違いがあると理解してもらえばいいですね。だからパンジーを見ることによってパンジーの造花に比べて下がっているのです。ストレス状態が軽減しています。造花を見たってそれほど気持ち悪いわけじゃないですよ。普通にあるなというものですから。
 次、匂いの話です。
 これは匂いの供給装置から匂いがするんですね。最初、精油を使いました。使いやすいので、バラの精油、オレンジの精油です。これ空気。90秒ですが、これ1秒ごとの計測です。バラでもオレンジでも、匂いをかぐことによって脳の活動が沈静化しています。前頭前野がリラックスするんです。これは非常に重要です。
 次に、本物のバラでやってみたんですね。香りのあるバラを使って、生花でやっています。そうすると、これは平均値で示していますが、副交感神経活動が上がって、これ統計的有意差はないんだけど、交感神経活動が下がります。要するに典型的なリラックス状態が得られました。
 次、このときは心拍数も取ったのですが、これを見ていただければ分かるように心拍数だと差がないんです。要するに今までだと、これをやったので体は変化してないという結果になっちゃったんですね。だけど、新たな方法が出てきたことによって、体は実際に変化しているということが分かるようになったということです。これはほかの誰もやってないですよ。だからもう千葉大学の園芸学部もそうだし、海外もそうだし、もう皆さんがもっとやったらいいと思います。花は何のためかと。花のための花の研究をしているようなものですよ、今。そうではなくて、人のための花の研究をしないといけないのです。
 森林セラピーの話、ちょっと簡単に、もう今20分弱もたちました。
 こんな感じで森を歩いたり、こうやって都市を歩いたりして実験をやりました。そうすると、322人のデータを取ったら、副交感神経活動が倍です。やっぱりこれは物すごく大きい差があるんですね。こんなことが分かった。やはり大きい規模でやったら、大きい変化があるということです。これ387人のデータで、座っているとき、今度。さっき歩いている。座ったときのほうもやっぱり半分ぐらい、55%増えます。これはストレスホルモンも測ったんです。そうするとやっぱり下がるんですね、座っているだけで、体の中のストレスホルモンは。脳の活動も測って、目をつぶったときからぽんと上がっているので、活動するんだけど、都市部でやるとこうしてばっと増えるが、森の中でするとこうやって、ここの部分というのは森の効果です。だから、こういうようなことが分かってきたということです。今、簡単に三百何人と言っていますけど、これ2億円をかけた実験ですから、実験だけで。そのぐらいやらないと、10年で2億円かけてやった実験ですね。
 次に、今やっているのが、実際に9時から3時までの、よく1日タイプの実験をやっているんですね。座ったり、こんなことやったり。そうすると次の日、森林セラピーをやった後、ここからここ、ここからここと下がるんです。それは普通だと思います。運動もしていますしね。
 次に、アドレナリンを測ってみました。こういうストレスホルモンです。そうすると、やっぱり下がります。前の日と比べたんですね、前日、日常の状態と。共にやると下がります。血中のコルチゾールも下がります。
 次に、もうちょっと綿密にやってみようということで、鳥取県智頭町というところで実験やったのです。これが3日前です。血圧の高い人を集めました。133mmHg。森林セラピーをやると正常値になって、これが残念ながら3日から5日後ではっきりしないんだけど、そうすると3日から5日後でも低い状態ではあるんですね。もうちょっとやろうというので、別の被験者をもう一回集めてやってみました。133mmHg。森林セラピーをやったら117、126mmHg、正常値ですよ、これ。だから5日間はもつんですね、日常生活に戻って。そんなことが分かりました。本当は7日、10日とやればよかったが、こんなにもつとは思わなかったから、もう5日でやめちゃったんですけどね。こんな効果があります。そうやって、ちょっとこのあたりは女性でやってもよかったという話です。
 将来展望にいきます。
 今ここでの話をしたんですけれども、個人差っていっぱい出るんですよ。だからそれで、森林セラピーの話で個人差の話をします。実際には個人差と言われているものが個人差じゃなかったというお話です。
 約100人のデータが、こうやって森で歩いて、同じ人間が都市も歩きます。同じ運動量で同じ時間を歩きます。そこのところで、15分歩いた後から前の血圧を引いたのですね。普通、森の中歩くので、血圧が下がってもらいたいですよ。普通はリラックスするのだから、下がってほしいんだけど、上がる人はこんなにいっぱいいるんですよ。物すごく大きい個人差と呼ばれるものがあります。大体みんなはここで実験を終わっちゃうんですよ。平均で差がないという。
 なんだけれども、横軸に絶対値を取ったんですね。要するに血圧の最低血圧が高い人と低い人といるわけですよ、もともとが。そうすると、これをこっちに持ってきただけですよ。高い人は下がって、低い人が上がるということが分かったんです。それがこういうふうにばらばらと見えていました。要するに生体調整効果という名前をつけたんです。正常値に持っていくという効果があるんです。同じ人が都市を歩くとそういう効果がないんです、真横になっちゃって。要するに生体の低い人を上げて高い人を下げるという効果は、森だからあるということが分かったんです。これを花とかでもやりたいんですよね。
 次、もう最後のところで、あと二、三分で終わりにしますが、今やっているのは高ストレス状態のある方々を対象にするというところで、1つターゲットにしています。というのは、もう若い人の研究って随分とやったんです。20代の男性、女性です。だけれども、元気です。それよりももうちょっと元気のグレーゾーンの人、高ストレスの人たちです。
 それで、例えばギャンブル依存症、うつ患者、脊髄損傷の人、それから高齢リハビリの方は、森へ行けないので、森林浴盆栽をつくりまして見てもらいました。そうすると、東京の門前仲町にあるうつ病院との共同研究ですけれども、こんなものをつくっているんですね、そこの先生が。自然が好きです。下は小川が流れて滝があるんですがね。こっちを見るとビルがあります。そうすると、交感神経活動が51%下がって、これは39%です。さっきは十数%でしたかね、高校生。だからやはり今の社会の方向は、グレーゾーンの方が病気にならないで元へ戻すというところがポイントです。それがここから出ているのです。
 それで、これはリハビリ病院でやった分で、平均84歳です。そういう方々に見てもらいます。それでもこういうふうに、要するに戻る力が残っている人ですよ、その代わり。もううつ状態で物すごい重度の人がやっても無理です、変化しないからです。だけど、戻る力がある人、今それが社会のポイントですから。そうすると、80歳代の人でもこういう変化を起こすんですね。
 それで、次、もともと元気な方で、これ八代英太さんです。元議員をやられていた。お笑いから議員になられました。脊髄損傷を起こして、彼がいろいろと段取りしてくれたのですが、ここなんか倍ですよ。体は不自由だけれども、もともと元気な方だから、メンタル的にも非常に前向きです。そうすると、こういう大きな変化が起きます。
 ですから、ちょうど具合が悪い、もう強いストレス状態にある、一般人でもストレス状態の方々、皆さんもストレス状態であります。僕もそうです。みんなそうですから。そういう強い方々に効果があるというね。だから、次はこういうことを少しデータとしてためていったらいいと思います。バラでこれですからね。こっちは倍ですからね。だからそういうことが起きます。ですから、このあたりを少しずつためていきながら、何とかこれに行って、予防医学のところの効果を明らかにして、自然というものは医療費の削減まで貢献しているんだというストーリーを持って今研究しているということです。
 ちょうど25分ですね。ちょっと大慌てでお話をしましたが、どうも御清聴ありがとうございました。
 
(4)参考人への質疑
〇小林委員長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御意見等を受けまして、委員の皆様から質疑等をお願いいたします。
 なお、念のため申し上げますが、参考人は委員長の許可を得て発言し、また、委員に対しては質疑をすることができないことになっていますので、御了承願います。
 それでは、御質疑があればお願いいたします。

〇杉本委員 どうもありがとうございました。
 私、津市の出身ですが、津市美杉町に森林セラピーの拠点が8か所あって、プログラムが8プログラムありますので、またぜひ皆さん、一緒にこの委員会で行かせていただけるとうれしいなと思っています。
 先ほど造花とバラを比べておられたと思うのですが、私はこのバラの花を贈られると、やっぱり送り主の気持ちだとか、形状とか色の美しさということに喜びを感じるんですが、癒やされ効果は、これは私の感じですよ。野の花、野のアザミであるとか、路地のコスモスであるとか、癒やしって感じるのは、野にあるときのほうが癒やされるなという感じを花については思っています。そのあたりである意味人工的に栽培されたバラの花と野の花との違いというのは、先生、実験されたことがあるのか、その辺についての何か御見解があるのか。
 ひょっとしたら森林浴に近いものが野にはあるのではないかということを思っているのですけれども、そのあたりのところと、バラの匂いの話をされましたけれども、ある意味、花は香水という形で古くから癒やし効果として、形状ではなくて匂い成分という形で、人間のリラックス効果に寄与してきたんじゃないかなと思っているのですが、そのあたりはいかがでしょうか。

〇宮崎参考人 非常にいい質問をいただいてありがとうございます。
 美杉町の実験は私がやりました。それでデータを出させてもらって、非常にいい思い出だったというのを覚えています。
 それで、まず野の花との差ですが、野の花と栽培のそこを比べた実験はありません。ただ、これまで我々が花の実験だけでも1000人以上の実験をやっています。そういう中で見てみて、1つ、もうこれ全体を通して言えることなんですけれども、ポイントはその人が何を好きかということです。例えば森林でもそうですけれども、秋の森林が好きな人と春の森林が好きな人がいるんですね。それは春が好きな人は春にリラックス効果が高いんですよ。これはある程度データでも出ているんですね。秋が好きな人は秋が高いです。ですから、野の花が好きな人は野でリラックスします。
 要するに1つの実験の中でも全員がすごく好きという実験はないのですよ。どちらでもない、中には自然でも嫌いという人が出るんです。そうすると、好きという人は強い生理的な効果があって、どちらでもないという人は生理的に変化しないんです。だから要するに自分が何を好きか、消費者が何を好きかが一番のポイントです。
 それから、あと香水の話です。
 これは、嗅覚というのは非常に強い人への影響を持ちます。ですから、ここの分というのは、非常に実際に香水にも使われていますし、ということですが、これも結論から言うと好きかどうかです。匂いの場合にはもう特に大きいですね。大脳辺縁系に嗅覚だけは直接作用することが分かっているので、情動の反応というのは物すごく大きいです。皆さんも匂いかいだとき、ほかに比べてすごく変化が大きいですよね。あれはそういう性質を持っているので、香りというものが非常に注目されるということです。
 でも、先ほど申し上げたように、ユリの実験なんかやると嫌いという人も出てくるんです。そういう人は効果ありません。ですから、好きな人がやります。それともう一つ、多分アロマセラピーという分野があるので、それを皆さんはお気にされていると思うのですが、アロマセラピーというのは経験的にずっと知られてきて、それはそういうところをきちんと我々もその分野を理解しないといけないんですけれども、私が考えている大きい問題は、アロマセラピーでは平均値を使っているんですね。平均値というのは、例えばある香りではリラックス、ある香りでは覚醒とか、もう決まっているんです。だけれども、リラックスする香りが嫌いな人って必ずいるんですよ。嫌いな人はリラックスしないんです。だからもう根本的なそういう問題があります。でも、アロマセラピーって物すごく長くて、その当時というのが方法もありませんでしたから、経験に基づいてずっとやってこられて、そこはそこで重要視、重きを置く必要があるだろうと思います。
 ただ、今基本は個人差というのが非常にこの分野のポイントになります。もっと言うと、自分が好きかどうか。それで、能動的快適性というお話をしたのは、自分で好きなものを選択するということが一番のポイントです。ちょっと長くなりました。

〇杉本委員 もう少し。同じお答えになるとは思うのですけれども、花卉の文化という考え方あるんですが、花卉の文化というとやっぱり生け花であったり、それから盆栽であったりとか、庭園であったりとかになると思うのですが、私は文化度が上がっていくに従って、リラックス効果はひょっとしたら半減するんじゃないかという感じを思っているんですね。それも結局は最後先生がおっしゃったように、好きか嫌いかになるのかも分からないですが、感じとしてはそんな感じを受けているんですけどいかがでしょうか。

〇宮崎参考人 私はそう思いません。文化度とリラックス効果というのは、僕は関係があるかどうかは、あるかもしれないが、もちろん分かってないのですけれども、そこがリンクするということはないと私は思っています。

〇杉本委員 ありがとうございます。

〇濱井委員 個人差を言われました。幼い頃から花を親しんだり自然に親しんだり、そういう経験をしている人とそうでない人、この差というのが大人になってからもかなり違うと思うんです。そういう御研究はされているんでしょうか。

〇宮崎参考人 これは何か学会発表の質問を受けているような非常に質の高い質問で、このあたりのデータってあまりないんです。ないのですけれども、一部そういうデータが出ていて、直接は関係しないのですが、もともとずっと田園部に住んでいる人と、それから都市部に長く住んだ人の脳の活動を取った研究があるんです。そうすると、田園部に住んでいる人のほうが脳のあるリラックスに関係する部分が有意に活動しているという論文があって、面白いのは今度その人たちが反対になると、どうもその優位な部分というのがまた逆転するんだという、そういう論文もあるんですよ。これ森林関係の論文なんですけどね。だからそれが1個あります。
 なかなかこれは難しいです。我々、実はそういうのもあって、学生実験をするときにどんな、森林セラピー実験も1000人ぐらい取りましたので、小さい頃のずっと履歴とかも調べたのですが、その1000人ぐらいじゃ出ないんですね。それと、ずっと田舎に住んでいる子っていないのですよ。大体、引っ越しちゃっていて、もうぐじゃぐじゃになっちゃうというね。
 なんですけれども、なかなかそこは難しいのですが、僕は繰り上がってそこのところが差が出る出ないということはないと思うんですけれども、影響はあるんじゃないかなというのが、僕の今のうっすらした印象です。将来的にはそこの、要するに内か育ちかっていう部分なんですよ。要するに遺伝子型、先天的な部分と、それから育ちという、都市環境で育ったのか、自然環境で育ったのか、どの程度です。これは明らかに今分かっているのは、ミックスした形が表現型というのですが、形として出ているんですね。そのミックスした割合がどれくらいかというのが、まだよく分かんないんですよ。これはかなり難しいです。
 ちょっと話が長くなるけど、あと1分だけ。これは双子を研究しないといけないんですよ、双子研究。遺伝子が一緒の人間を集めてきてそこをやるのだけど、一卵性双生児をそんな1000人集めるというのはなかなかできないです。そういうことを行動遺伝学でやっている人いるんですけどね。だからそういう部分の難しさもやはりあります。ただ、非常に今そこの部分というのは、学会でも一般的にも話題になっている部分ですね。

〇濱井委員 よく森林環境教育とか、それから保育についても、山の中へ連れていってということをやります。今、盛んに言われとるわけですが、これの効果で個人差あるのでしょうけれども、そういうことを幼い頃からしておけば、五感を働かせて感性豊かになるのじゃないかと、こんなふうに思っておるわけです。先ほどのお話から察するとそれもあるのでしょうが、なかなか正確的な分類が違うのかというようなことはまだ分かってない部分はあるんやと思うのですが、私はこれ大事なことかなと思いますんですけれども、いかがでしょうかね。

〇宮崎参考人 そこ非常に重要なポイントで、実際には森の中、あるいは都市を歩くというのは、長いのは6時間やっているのですが、短いのは15分ですよ、たくさんのさっき、データ800人とか。15分でも十分な差が出るんです。ということは、森に子どもたちを連れていって15分いる、1時間いるだけで、十分な効果があるとまず予想されます。
 それで、実は今、今年から始めたのですが、大阪にある発達障がい児の施設がありまして、そこの子どもたちをそういう自然のところへ連れていく効果というのを今実験始めたのです。ですから、やはり普通に育てているお子さんというのも重要なのですが、これからの社会を考えたときに、やっぱり発達障がい持っておられるお子さんたちにこういう自然がどういう効果があるのかというのがポイントだろうと思うし、僕はよりさっきの高ストレス状態の方々に大きな変化が出たように、発達障がいの方々にも強い効果があるんではないかと期待しています。これ一、二年で結果出ると思います。今もう実験始めましたから。

〇濱井委員 ありがとうございます。
 大人の場合も医学的な効果があるというようなことを言われました。本当に自然とか花とかいう部分については、やっぱり効果的なものがあるのかなと、こういう感じがしてきました。ありがとうございます。
〇宮崎参考人 実際にこういうふうに我々が研究していても、それが社会にどういうふうに還元できるかといったときに、論文だけ書いて、しかも我々は世界に発信しなきゃいけないので英語で書くのですが、英語で書いたものが日本の一般には伝わらないんですよ。もちろん書籍にしたりもするのですけれども、やはりこういうところで皆さんに知ってもらうとか、こういう形を通して県としてこういう花のよさというのをアピールしていただくというところが、僕、研究者サイドから言うと、社会貢献という、社会還元にデータ使ってもらえるというのは非常にありがたいんですね。ですから、ぜひ具現化をお願いしたいなと思っています。

〇中瀬古委員 ありがとうございました。
 とても興味深い研究を聞かせていただきました。ありがとうございます。
 何点か聞かせていただきたいなと思うのですが、今それこそこのコロナ禍と言われる中で、やはりグリーン、緑のものであったりとか、お花を贈られてとてもうれしいとか、それを見てというようなお話があるということも実際いろいろ言われているんですけれども、そこを先生からのお話の中で、個人差が大きいということが、すごくおっしゃっている中の大きいところかなと思いました。
 そんな中で、これが好きかどうかというところだと。その好きかどうかというのと、それはイコール心地よいというところは、これがイコールというものになるのかということが1点です。
 それから、そのほかにも先生が、田園部に住んでいる人と都市部に住んでいる人の研究のことをおっしゃって、これは田園部に住んでいる人のほうが有意に活動しているということが分かりましたということでしたが、その有意差というのをもうちょっと聞かせていただきたいなと思います。
 私はいわゆる田園部か都市部かといったら、私、生まれ育ちが中山間の山の中の人間なんです。都会の例えば東京のほうに行ったときに、ビルばっかりです。でも、そんな中で街路樹が地方に比べると、街路樹のすばらしいところを見ると、それってほっとするところとか、何かこの街路樹はやっぱりふだんの私たちの中にはあんまりないところで、すばらしいなと思って、そういうような気持ちになるって、何かそれって回帰とか懐古とか、そういうようなものになるのか、それともそれはどんなふうに捉えたらいいのか。
 それはそれぞれ個人差があるよとおっしゃったら、そこまでなのかなと思うんですけれども、そういうことを聞かせていただきたいのが1つと、それからもう一つなのですが……。
          〔「あまり幾つも僕、覚えられないので、多分、次いくと忘れちゃうと思うのでよろしいですか」の声あり〕

〇宮崎参考人 3つほどあったと思うのですが、好き、心地よいという、これはなかなか言葉というのは難しくて、十人十色なんですね、好きの。それで、これをもう少し一元化して言うと、一体化しているかどうかという状態だと思っているんです。一体化している。そのときというのは心地いいんですよ。例えば今、質疑応答、非常に僕も気持ちよく答えさせていただきますが、これは例えば全然リズムが合わなければ、何か面白くないし気持ちよくないと思うんですよね。講演会でもそうだし、お芝居でもみんなそうなんですよね。
 僕は言葉で取るのが嫌いなのは、言葉って意味が違うからなのです。好きという言葉は体の中で起きたことを解釈して言葉に直すという、物すごく複雑なことをやって言葉になるので、それよりは体がどう変化したかというところだと一元化できるんです。だからそこで一体化という部分を体の表現として示したいというのが私の希望です。ですから、言いようによっては好きも心地よいも一緒と考えて僕はいいと思います。
 もう一つは、脳活動のさっきのお話は他人の論文なので、私はよく知りません。ですけれども、生まれという部分、あるいはそこに長く住んでいるというところが脳の活動にも影響を及ぼしているんだという、多分唯一の論文だと思うのですけれども、そういうことも、これ海外の論文ですけどね、出てきつつあるという御紹介です。
 それから、もう一つは街路樹ですが、実はこれ私もずっとやってみたい実験でありまして、私の感覚でいうと、一番思うのは夏に信号待ちしているとき、東京にも結構横に大きい木ってあるんですよ。ああいうところに、涼しいところにぽっと入るとすごく気持ちいいんですよね。あれを卒論レベルでやってみたいなとずっと思っているうちに退職しちゃったので、学生もできないのですが。あのあたりというのは、現実にすごく街路樹を増やそうみたいな話につながっていくし、何でかというと、あれはもう特にああいう暑くて車がわあわあ行っているとこというのは、もう人工化の最たるものだと思うんです。そこにやっぱり自然があるという対比が大きいから、強く人って感じるんじゃないかなと思うんですね。だからそういう部分というのも、自然のよさとしてアピールすればいいと思っています。

〇中瀬古委員 ありがとうございました。
 非常に御答弁いただくこともとても興味深いです。ありがとうございます。
 街路樹のことを聞かせていただいて、やっぱり都市部と対比化していくということで、ぜひとも先生、研究をまた進めていただきたいなと思いました。
 それから、もう一点ですけれども、山の中、森林の中での森林セラピーであったりとか、そこでいろんなヨガをしたりとか太極拳をしたりとか、今本当にいろんなことをされているところがありまして、とてもそれこそ心地よく好きだなと思う空間ですけれども、そこで人工林と、それから広葉樹、いわゆる雑木というところ、その違いとか、そういうことを研究された結果があるのかとか、そのあたりのことについてはいかがでしょうか。

〇宮崎参考人 まず、もちろん好き嫌いというのは取っていますので、人工林好きな人も嫌いな人もいます。天然林が好きな人も嫌いな人もいて、ちょっと深くなると怖いというのもいますしね、いろいろいます。ですから、両方いいというのが結論です。もう全くそこは好みですね。ヒノキの人工林がいいなという人間は好きと答えるし、生理的にもリラックスします。人工的で嫌だなと思ったら駄目です。ですから、まさにそこは自分の選択ですよね。個人の価値観です。
 今はとにかく何か平均値があって、この森だったらいい、この森はあまりよろしくないみたいな点数づけのようなことをしているし、したがるのですね。受け手側もそれを待っているのですよね。だからその考え方を少し変えていかないといけない、今。受動から能動にです。消費者もね。そこがやっぱりポイントで、メディアなんかは僕のところに取材に来たときも、いつもその話です。要するに読んだ人、見た人が能動的に行動する番組をつくってくれとNHKに言うわけです。分かる、もう本当そうしたいんだけど難しいと言うんですね。
 みんな今、受動のつくり方なんです。いいことを教えて差し上げますという。だからそこを変えていかないとというか、本来はそっちへ行っているんだけど実態が整ってないという、今は過渡期にあるんです。だからそういう部分が非常に重要だろうなと思っています。

〇中瀬古委員 ありがとうございます。
 今のお話は、例えばメディアはどちらかというと、それに受けるようなところをしていきたいです。だから待っているところのほうが、求めているものに対していい結果が出るようなことを言ってほしいというような、そういうようなところで簡単に言うと捉えたらいいと、そういうような感じでよろしかったですか。

〇宮崎参考人 そうです。そういうお話をしてほしいというので、僕はそれやるとまた受動に行っちゃうからそういう話はしませんというお話をして、能動的な部分が重要なのです。花のよさというのは待っているんじゃなくて、自分が求めるところにあるんだという、そういう番組をつくってほしいというお話をします。

〇中瀬古委員 ありがとうございます。
 ぜひそういうふうになってくると、もっと世の中も変わってくるのだろうなと思いました。本当に興味、関心深いところを聞かせていただきました。ありがとうございました。
 以上です。

〇津田委員 個人差が違うというお話を何回も聞かせていただいたのですが、例えばバラの視覚刺激による自律神経の活動の変化というところで、バラありのところはストレスが16%減って、リラックスは15%増えたと思うんですけれども、これは114名の方に全て効果があるが、このひとは1%、この人は20%の平均がマイナス16%か、この人はもうストレスが増えちゃいました。リラックスもしなくなったということも含めて平均がこうなんですか。どっちなんですか。

〇宮崎参考人 後者です。逆転する人もいます。森林セラピーの実験で800人ぐらいのデータを取ると、2割ぐらいの人は逆転します。都市のほうがいいという人もいるんです。逆に副交感神経活動が上がって、都市のほうがリラックスするという人です。もっと言うと森には虫がいて嫌だとかね、特に女子学生なんかそうなんです。もうそういうので嫌といいます。もうそれはしようがないんです。それはそれでいいんです。森へ行かなきゃいいんですから、そういう人は。だからそれはそれでいい。
 だから、そういう逆転をするというところも含めての能動的な選択なんですよ。自分がストレス抱えているのに、そっちのほうがいいですといって嫌々行くというのなら、それは何というか、本来的でないですよね。だから自分が選択することが大事です。ただ、平均値としてはこういうデータだったという情報を差し上げるというのが研究者のまず役割ですね。
 次は、本来はどれだけの人が逆転して、どれだけの人が平均でこれぐらいの効果がありました。そういうところをお示しして、最後は選択を任せます。もっと簡単に言うと、大体、我々がやってきた中で大ざっぱに、今ちょうどそれを次の課題でやろうとしているのですが、いいなと思ったのと生理的にリラックスしたのが大体どれぐらい合うのか、整合性が。それから合わない場合、逆転する場合というのを今調べようとしているんです。データとしては2000件ぐらいありますから、それでやろうとしています。
 僕の今の直感では、私感評価がいいなと思うのと、生理応答が合うのが85%ぐらいです。それで合わないのが80%です。主観評価では差がないけれども、生理的に差があるというケースも取れるようになってきたんです。というのは、自分で自分の状態はいいのか悪いのか把握できないんですよ、人って。というのが1つです。それともう一個は、人の状態を取るのは終わってからしか取れないんですよ。そうすると、1時間やったらどこの段階を評価しているかも分かんないんです。生理応答というのは毎秒計測できるんです。だからそこのよさもあります。それが1つです。それと、生理応答と主観評価が逆転するケースというのも10%から15%あるんです。だからそういうところが今実態なので、自分がいいなと思ったら大体大丈夫です。だけれども、全てではないというね。そこも考えながら自分で選択するという、それが実態じゃないかなと思っていますね。

〇津田委員 ありがとうございます。

〇濱井委員 人工的なイルミネーション、電飾とか、あるいは都市の夜景とか、四日市港の夜景とか、そういうものも自分の選択といいますか、これきれいやなというのは思うのですが、健康を考えたときに、血圧が下がるとか、そういう効果もやっぱりあるんでしょうね。
 それから、自然とか花とかの部分との差とか、それはやっぱり個人差なのですかね。個人的な選択なんですかね。思いですか。

〇宮崎参考人 今のお話はすごく重要で、例えば夜景を見るときれいだなとありますよね。夜景の有名なところもあって。だけども、夜景を見ると、例えば新宿あたりだったら本当に人工物だけというのもあるかもしれないが、大体夜景というのは自然も含めての夜景というのが多いように思うんですね。というのが1つです。それと、いいなと思う部分というのは、まず先ほど血圧の話をお話しされました。副交感神経が上がったけど交感神経が下がるということは、血圧が下がるということですから。だからそういう効果とリンクしています。本来は体にそれが起きた後に、頭で考えていい悪いと書くんです。順番としては、体の変化が先ですから。
 だからそれを取って、最終的にはもう簡単な私感評価だけをやって、体の変化から何かお話できます。もっと言うと、そこにちっちゃいセンサーを持っていって、自分がどんな状態か測れたら一番いいんですよ。だからそういうのはここにもあるんだが、なかなかそこの部分というのは、人とお話しするだけで、あははとか笑うと物すごく変化するとかですね。そういうところがあって難しいのだけど、そういうところに次のターゲットとしては行ったらいいなと思っていますね。

〇濱井委員 ありがとうございました。

〇藤田副委員長 1つ、交感神経と副交感神経の測定は、この先生のあれでいきますと、心拍変動性計測器でやられておると、こういうふうに理解していいのでしょうか。

〇宮崎参考人 そのとおりです。取っているもの自体が前にやっていた心電図ってありますね。一番簡単なのは、今度2つ貼ってリファランスを置いて3つ貼るのですが、取っていること自体はもうそれと同じです。どきどきを取っているだけです。後で分析は違うという、それだけの話です。おっしゃるとおりです。
 もっと言うと、電極を貼らなくても、今はもう1個こんなちっちゃいのがここにぺたっと貼るだけで取れるというのも開発されていますし、指でも取れるんです。心臓のどきどきが先端までどきどきで脈波って言いますけど行っていますので、そうすると高校生なんか電極ちょっと貼るのが大変なので、指をぽんと置くだけでそれで取れますから、それで取ります。だから、実験ごとに変えていくということになります。

〇藤田副委員長 それで、例えばバラの生花を見たときに、副交感神経が15%プラスになって、交感神経のほうが16%マイナスになります。これは1個人のデータと理解していいのか、それとも母集団の平均値という理解でいいのですか。

〇宮崎参考人 これは114人の平均値ですね。ですから、逆転する人も入っています。大きく30%変化する人、50%変化する人、逆にマイナス10%いく人というのが入っています。それがさっきの森林セラピー800人のデータを取ると、8割は平均値どおり、2割は逆転していたという結果ですね。

〇藤田副委員長 そうすると、物すごい効果あった人やとか効果が少ない人もあり、逆転した人もあります。それの平均値がこの数字ということですね。

〇宮崎参考人 だからすごく効果がある人というのもいるので、その効果がある人は、自分が効果があるということに気がつけばいいわけですね。それを自分で選択するしかないんです。だから自分の選択が大事であって、人に効果がありますと言われてもマイナスにいく人は効果がないので、全く本末転倒の議論になっちゃうということです。

〇藤田副委員長 心地よいというのを一体化という表現、先生はされました。一体化をしているよねというのは、先ほどおっしゃいました数値的にそういう変化があった人の状態を一体化していると、こういう表現でいいですか。

〇宮崎参考人 今は自然セラピーの話ですので、1つのターゲットはリラックスなんですね。リラックスするのに一体化、シンクロした状態という解釈をしています。そうしたときに、副交感神経活動が花を見たらこういう変化をしました。森林浴ではこれだけの変化がしました。基盤に一体化、シンクロがあるということですね。ですから、快適性という概念は、今1つはその中のリラックスする、沈静化するという。もともとが人は覚醒的になり過ぎているという仮定の下に研究していますから。
 ですから、本当に子どもがテレビゲームを見てとか、例えばもう人工的な部分だけでもっと快適って感じる分野もあると思うんです。そこは今入れていないですね。そういう中での話です。ですから快適性の中の一部をリラックスという部分があって、そこをターゲットに研究を進めているという、そういうことです。

〇藤田副委員長 ありがとうございます。
 ちょっと視点を変えまして、もともと人間は自然の中にいました。それがもうDNAの中に持っているんだと。中には個人差もあるとしてもです。DNAの中にあります。そういう視点から見たときに、具体的に例えば花を見る、ドラセナを見ます。そういう中でリラックスをするんですよ。それはもともとDNAの中に入っていますよという視点から見たときに、農業って緑を生産し、収穫をしと、こういうことをやるんですが、農業を行う、例えば野菜をつくる、稲をつくる、お茶をつくる、植木をつくる。植木はちょっと直接的ですが、そういう行為は、リラックスをしていく、バラを見る、あるいは観葉植物を見るということとどう意義として捉えていいですかね。

〇宮崎参考人 まず、例えばフラワーアレンジメントの生け花でも、作業するというところは今はできてないんですね。まだ見るとかそういう段階でのデータしかないというのが1つです。
 次は、園芸作業というところに今入ろうとしているんです。実際に花を植えるとかそうしたときにどういうことになるかというところが入ります。だからそこと少しリンクしていくかなと。ただ、これはもうデータ、何度も同じこと言いますが、まだないんでね。何とも言えないです。
 それと、あともっと言うと、データ取るのが難しいんです。運動しちゃうと、もうはあはあしちゃうと心臓がどきどきしちゃいます。だからそういう点も1つあります。だけども、それがあるということですね。
 それから、もう一つ、多分山に入っている人とか農業をやっておられる方はリラックスしているんじゃないかと、今の質問とちょっとずれるかもしれませんが、そういう議論ってよく出るんですね。だから基本的には自然と触れているという。もともと先天的な部分は、僕の仮説は自然と人というのは対応しているという、なんだけれども、後天的な部分があるわけですね。先天的な部分と後天的な部分がミックスされて、表現型という言い方をしますけれども、私、今話しているのも表現、そういうところです。だからここの関係が1つあって、後天的な部分がずっと田舎にいるか、あるいは農業にずっと携わっているか、ITの仕事をしているかというのは関係しているだろうと思いますね。だからそこらあたりの部分というのは、少しずつ整理していく必要があるだろうと思うというのが私の考えです。
 それと、これはもう本当に私の個人的な部分ですが、農業の場合ということになっていくと、そこで働いているからということになるので、これ疫学なんかでよく出るのですが、基本的にはやっぱり経済面を考えないといけないんです。もう経済が成り立たなかったら、自然の快適さも何もないと思うんです。それは受動的快適性だからです、経済というのは。それが確保された上の話なんですね、今。だからそこを整理していかないと、話が入り組んでしまうと感じますね。

〇藤田副委員長 ありがとうございます。
 ちょっと頭を整理せずに聞いてしまいました。
 なぜ聞いたかというと、今、農福連携ということがかなり大きな声で……。
          〔「何ですか」の声あり〕

〇藤田副委員長 農福連携。
 農業にいわゆる福祉的な、障がい者の人たちが農業に関わります。そのことは障がい者にとっても非常にいいんですよということは言葉では言われているのですが、今の話の中で何か理論的な裏づけにならないかなという思いがあったものですから聞いたんです。ありがとうございました。

〇宮崎参考人 農福連携は我々の環境健康フィールド科学センターでも重要なキーワードです。大きくそれも取り上げてやっているのですね。ですから、そういう農福連携の一環として、例えば発達障がいのお子さんと一緒にやります。あるいはそういう園芸作業をやってもらうとか、そういうことを含めての実験です。だからこういう部分というのを少しずつデータとして入れていくという。
 それと、あとこれは直接関係がないのですが、今、倫理審査というのが非常に厳しいんです。倫理審査です。要するに実験をやる上において、倫理審査委員会というところに申請して、情報の管理と、あとは危険な実験がないという、その両方を確保するんです。そうしたときにやっぱり発達障がいのお子さんたちを実験に使うということになると、非常に強い、医者がいなきゃいけないとかね。そうすると、1人の医者を1日そこにいてもらうというのは、なかなか現実難しいんです。
 だからそういうポイントがあるので、そのあたりをクリアして、実際には医者に来てもらっていてもらうのだけど、やっぱり万が一の事故があったらもう大変なことになっちゃうんです。だからそういう万が一の事故というのは、こっちが何もなくても事故って起きる可能性があるんです。そのときに準備してなかったということは避けないといけないということです。だから、そのあたりというのは慎重に進めていきます。若い元気な学生を使うのとは、そこと難易度が違うというのもあるんですね。でも、やっていきます。
          〔「エビデンスが欲しいですね、やっぱり」の声あり〕

〇宮崎参考人 そうですね。全くないですから。

〇小林委員長 まだまだ御質疑されたい方があられるかも分かりませんけれども、時間が参りましたので、これで質疑を終了させていただきます。
 この際、宮崎参考人に対し、委員会を代表して一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中、本委員会のためにご出席いただきありがとうございました。
 このたび頂戴いたしました貴重なご意見は、今後の本委員会での議論に反映し、役立てていきたいと存じます。
 ここで、参考人が退室されますので、暫くお待ちください。
          〔参考人 退室〕

〇小林委員長 それではここで10分程度休憩をはさみたいと思います。再開は15時45分からとしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 暫時、休憩いたします。

          (休  憩)

○小林委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を再開いたします。

(5)委員間討議   なし
 
 3 その他
〇小林委員長 それでは、まず、前回の委員会で、委員から御質問があった件につきまして、事務局から回答させます。

〇水谷政策法務監 それでは、前回の特別委員会で宿題をいただいておりました件について、御報告させていただきます。
 まず、津田委員から御質問ございました、三重県の花き花木振興計画の中に、公共施設等における花卉の利用についての言及はあるのかというお尋ねがございました。
 振興計画そのものは、前回の委員会後に、皆様の方にお配りさせていただいたところでございますが、その中で、消費需要の拡大として、国民体育大会など、県内で開催される全国規模のイベント会場などの装飾や公共工事などにおいて、県産花卉花木の使用機会の創出を図るという記述がございましたので、その旨御報告とさせていただきます。
 もう1点、津田委員の方から御質問いただいた、前回御説明いたしました都市緑地法に基づく緑地協定制度とか、市民緑地認定制度、三重県内で活用されている事例はあるのかというお尋ねがございました。確認いたしましたところ、そういった活用事例はございませんでした。
 続きまして、同じく都市緑地法の関係で、東委員の方から御質問いただいた、これも緑地保全地域制度とか、緑化地域制度ということについて、県内における活用事例はあるのかというお尋ねをいただきましたが、こちらの方も活用事例はございませんでした。
 もう1点、東委員の方から御指摘いただいた、国立公園に関しまして、県の方でガイドライン等を定めて、県の責務や役割などを定めているかというお尋ねを頂戴いたしました。確認いたしましたところ、特にガイドラインといった定めはなく、必要に応じて、県で行っておるのは国立公園内の施設整備とか、あとイベント実施、そういったものを行っておるんですが、それについては必要に応じて国や市町などとの関係者と協議を行いながら事業を実施しているということでございました。
 もう1点、お尋ねいただきました花卉の振興とカーボンニュートラルやグリーンインフラを絡めたような県条例の先進事例はあるのかというお尋ねもございましたが、これについて調べましたところ、特にございませんでして、花卉の振興を目的とした条例が、確認できた範囲内では、前回御紹介した岐阜県と北海道の二つのみだったということでございます。
 あと、山本委員の方から御質問いただきました、まちづくりにおける緑化に関して、他に法律はあるのかということでございました。
 多数ございました中で緑地というものについて言及しておるような法律は前回御報告した都市緑地法とか、都市公園法、生産緑地法とかあと工場立地法など、70件程度の法律がございまして、あと緑化ということで言及した法律につきましては、前回御紹介しました都市緑化法のほか、緑の募金による森林整備等の推進に関する法律その他、緑地保全・緑化推進法人という法人があるのですが、それに関して言及したような法律が20件ほどございました。
 続きまして、藤田副委員長から御質問ございました都市緑地法第45条に基づいて、全員協定というのがあるんだけれども、それのインセンティブというかメリットとは何だということでお尋ねいただきました。国土交通省のウェブサイトで調べましたところ2点記述がございまして、まず1点は、関係者間でその協定に向けての話し合いを行って、まちぐるみで緑化を行うので、計画的な緑化が図られて、地域の環境や景観のレベルが向上すると。これはもし所有者が変わっても、新しく土地所有者になった人にも効力が及ぶので、そういったまちぐるみの緑化が進むということ。あと2点めとしては、市町村によっては助成措置を設けているところもあって、支援が受けられる場合があります。そういう2点がインセンティブというかメリットとしてあるということで、記述がございました。
 あと、中川委員から3点いただいておりまして、岐阜県の条例や北海道の条例の制定経緯がどんなものがあったのかということでお尋ねいただきました。
 まず岐阜県については、平成26年10月に条例制定をされておるんですけども、同じ26年6月に国で、花きの振興に関する法律が議員提案で成立したことや、あと県内の関係団体から、条例制定についての要望をいただいたことが、制定の背景にあったということでございます。
 北海道につきましては、令和2年7月に制定されているのですけれども、岐阜県と同様に、関係団体からの要望があったことが、制定の背景にあったということでございます。
 同じく中川委員からいただいた岐阜県と北海道の条例で、施策に数値目標等を設定しているのかということのお尋ねでございました。
 岐阜県におきましては、計画を、清流の国岐阜花き振興計画というのが第二期目として制定されておりまして、こちらの方では施策ごとに数値目標を設定しておりまして、また北海道では、同じようなこの北海道花き振興計画というのを定めておりまして、その中では、もう花卉の生産についての産出額の目標数値を設定しているというようなことに、状態になっております。
 もう一つ、中川委員の方から御指摘いただいた岐阜県の条例の中で、花育の推進という条項がございまして、それについての具体的な施策はどういったものがあるのかというお尋ねをいただきました。
 先ほど申し上げた岐阜県の清流の国岐阜花き振興計画によりますと、花育の推進として、三つほど記述がございまして、まず1点目は、住宅展示場において花の癒しやリラックス効果を体感できる空間をモデル展示し、家庭でも、花卉の持つ効果効用を普及する取り組みを推進するとか、2点目で、学校で花育による花飾りを楽しむことができるように、オンラインを活用した出前教室を開催するとか、3点目、陶磁器まつりなど、花分野以外のイベント等でも、花育体験教室の開催の推進をする、などということが記述ございました。
 あと濱井委員の方から御質問いただきましたのが、岐阜県条例の中で、花卉の新たな文化の創出等に対する支援という記述がございましたが、その具体的な施策はどういったものがあるのかというお尋ねをいただきました。
 先ほど来御説明する振興計画の中の記述によりますと、2点ございまして、1点目が、若者の感性と創造性で花を生ける新たな花文化の一つである花いけバトルというのを推進することとか、あと2点目として、多くの人が集まる商業施設とコラボし、生活に身近な衣料、服のことですね、食料、雑貨売り場などにおいて、生活スタイルに合わせた花飾りを提案する、などといった施策をしていらっしゃるようでございます。
最後、同じく濱井委員から御指摘いただいた北海道の条例の中で記述のある人材の育成についてどういった具体的施策を講じているのかというお尋ねでございました。
 北海道の花き振興計画の中では、担い手の育成確保と経営安定という項目を設けていて、その中で、二つ方策を定めております。御紹介しますと、新規就農者に対する地域グループのサポート体制の整備とか、若手就農者に対する技術習得研修の利用促進、法人化の推進や企業との連携などによって、担い手の育成確保を図るということが一つと。もう一つが、他産業との連携、農福連携の取り組みなどにより、担い手を支える雇用人材の確保を推進するといったことが、その計画の中で定められております。
 すいません、いただいた宿題は以上でございました。

〇小林委員長 ただいまの説明に対し、御質疑等はありませんか。
          〔発言の声なし〕

〇小林委員長 よろしかったでしょうかね。
 次に、これまでの委員会で出された御意見等を踏まえ、今後、本委員会で調査を行っていく事項について、正副委員長で案を作成しましたので御協議願います。
 皆様のお手元にこの正副委員長案を配らせていただいたと思いますので、これを見ていただきたいと思います。
 それでは、この案について、私から説明をさせていただきたいと思います。
 まず、本委員会の所管調査事項の確認ですが、アフターコロナを見通し、花や木で美しい三重のまちづくりを進めていくこと等により、心身ともに健やかな県民の暮らしを実現するための条例の策定に向け、調査・検討を行うこととなっております。
 このことを踏まえ、また、本委員会設置の経緯やこれまでの委員会での議論に鑑み、大きく3点、花きの文化の振興、県が管理する土地、施設等における花や木、緑の活用について、そして花や木、緑の効用(グリーンインフラを含む)関係、このところは総論で入れたいなと考えておるんですけれども、を今後の調査事項、条例に規定していく事項として考えました。
 1点目の花きの文化の振興としては、例えば以前に津田委員から話があった花をプレゼントし合う文化の醸成であったり、県内調査で視察した花いっぱい運動の推進であったりが挙げられると思います。これは本委員会設置の経緯を考え、外すことができない本委員会の軸となるものと考え、挙げさせていただきました。
 2点目の県が管理する土地、施設等における花や木、緑の活用についてとしては、本委員会でもたびたび話題になる県道における街路樹の活用などが挙げられます。これは花や木で美しい三重のまちづくりを進めていく上で欠かせないものであると考え、挙げさせていただきました。
 なお、県以外が主体となるものについては、3点目の花や木、緑の効用(グリーンインフラを含む)に含ませていただきました。
 その3点目の花や木、緑の効用(グリーンインフラを含む)関係〔総論〕については、県民や事業者による花や木、緑の効用を生かした取組の推進などが条例には盛り込まれていくものと考えます。また、地域住民との連携についても、今後の議論の中で条例案に盛り込んでいければと考えております。
 なお、木材利用の推進に関することについては、既に三重の木づかい条例で規定しているところですので、本委員会の対象から除くこととしたいと思っております。
 いずれにしましても、これらの事項を具体的にどのように条例に規定していくかについては、今後の委員会での議論としたいと考えております。
 なお、参考として、委員会で言及のあった事項の中で本委員会では扱わず、常任委員会等で調査等をすることが考えられる事項として、この点線の括弧の中ですが、花き産業の振興、森林・林業関係、都市公園、自然公園関係、工場緑地、生産緑地その他の緑地関係、地球温暖化対策(カーボンニュートラルを含む)、自然環境保全その他の花や木、緑の効用関係〔各論〕を挙げさせていただきました。
 これらの項目については、非常に重要なものでありますけれども、本委員会で扱うには時間的には大変厳しいということもありますし、常任委員会であったりほかの組織体であったり、別途、丁寧に調査いただくことが望ましいのではないかと考え、本委員会での調査事項からは外させていただきたいと考えております。
 ただし、その重要性については、正副委員長ともに認めるところではありますので、条例案を策定していくに当たっては、前文等に例示として盛り込んではどうかと考えているところであります。
 以上で、今後の本特別委員会における調査事項、条例規定事項の正副委員長案についての説明とさせていただきます。
 それでは、先ほど御説明させていただきましたこの案について、御意見等がございましたらよろしくお願いいたします。

〇杉本委員 花卉の文化の振興の花をプレゼントし合う文化の醸成って、津田委員が最初から言ってらっしゃることですけれども、私はこのプレゼントし合うという個人の暮らしに立ち入り過ぎている文言は、条例の中にはいかがかなと思っています。
 ただ、そのことを否定するものではありません。否定するものじゃなく、そういうことが起こっていたらいいなとは思うけれども、やっぱり条例の文言の中には、このようなものは私は違うかなと思っているのが1個です。
 今まで私が調査してきたところはこれで入っているのかなと思いながら、もう一度、前回の出していただいた参考法律集を振り返ってみますと、やっぱりほかの県もそうですけれども、本になるのは平成26年にできた花きの振興に関する法律だなと思います。この法律に基づいて三重県は花き花木振興計画を策定しているのですが、その中身は三重県の場合は生産のところ、産業振興に重きを置いた推進計画になっていて、花卉の文化の振興については、花育・緑育の推進としか簡単に載せてないのです。
 けれども、後で皆さんも見てもらうと分かるのですけれども、この法律の第16条は、今ここに書いてある全てが入っています。法律の第16条です。
 第16条、「国及び地方公共団体は、公共施設及びまちづくりにおける花きの活用に努めるとともに」とあるんです。公共施設ということは、施設の中もありますし、道路も入ります。それから、まちづくり、花いっぱい運動であるとか、みちもりであるとか、そういうところのまちづくりにおいて花卉の活用に努めなさいということが第16条に書いてあります。多分、私たちが議論してきた根拠になるものはここに全部入っていて、続けて読むと、「社会福祉施設その他花きの人を癒す効果が十分に発揮できる施設における花きの活用の促進に努めるものとする。国及び地方公共団体は、児童、生徒等に対する花きを活用した教育及び地域における花きを活用した取組の推進を図るため、必要な施策を講ずるように努めるものとする。」ということで、もう考え方のベースはここの中に入っていて、これをどう条例の中で形状をつけて盛り込んでいくかというところなのかなと思っています。
 花をプレゼントし合うというところは、その第16条の第3項にあります「花きの文化の振興を図るため、日常生活における花きの活用の促進、花きに関する伝統の継承、花きの新たな文化の創出」、そういう点々と入っていて、なので、やっぱり法律の第16条が基になって、この条例がつくられていくのかなと思っています。最近できた県の条例は、多分そういう流れの中でつくられているのじゃないかなと私は想像しているところで、三重県の計画は不十分だったので、産業振興、生産者のところだけだったので、花卉の文化の振興のところについて条例で膨らませますよと。それが今の時代に合った、求められているものじゃないですかみたいな流れかなと、私は勝手に理解させていただきました。
 なので、書いてある要素はこれでいいと思うのですが、本はそこかなと感じさせていただいています。

〇濱井委員 先ほどのお話で、本のこの法律があるので、それを条項の中へダイレクトに入れていくか、あるいは逐条解説の中で言っていくのかがあるのだと思うのですが、それは今後の検討課題かなと思います。
 花をプレゼントし合う文化の醸成となっているのですが、やはり花卉の文化創出のための醸成のような形で文言を入れてもらえればどうかなと思います。
 それから、県が管理する土地、施設等における花や木、緑の活用についてです。例として県道における、こうなっているのですが、文面で表すときは、県が管理する県道等と入れていかないと、国道も三桁国道とか、そんなのがありますので、そういったところを考えながらそういう文言にしていただければどうかと思います。
 それから、米印のところですが、花や木の一番下に出ています3つあります一番上ですけれども、やはり地域住民との連携だけじゃなしに、地域住民及び国、市町との連携もしっかりと書き込んでいただければなと思います。
 以上です。

〇津田委員 この条例の特別委員会を当時の自由民主党県議団から提案させていただいて、いろんな経緯がありましたが、代表者会議でお認めいただいてつくっていただきました。提案理由は何回も何回も提案させていただいたのですけれども、花や木を植える幸せ、花や木を見る幸せ、花や木をプレゼントし、プレゼントされる幸せを三重に広げていきます。幸せを広げていくということを何回も提案させていただいて、最終的にはお認めいただいたと私は理解しています。
 ただ、条例をつくるときにプレゼントし合うだとか、プレゼントという書き方はあまり似つかわないのかなとは思うんです。基本的にはやっぱりさっき話もありましたように、花を植えて、花を眺めて、リラックスもするし効果があるわけなので、育てて花を見るのかプレゼントして花を見るのか、あるいは道に植えた花を見て幸せなのか分からないのだけれども、プレゼントという書き方はちょっと条例として似つかわないのかもしれないですが。花を育てたり、花をあげたりもらったりすることによって幸せを、何をもって幸せかというところもあります。結果的に花、木の効果が広がっていくというような文言は必要ですし、この特別委員会をつくった経緯でもありますので、委員長が言われたように、柱になってくるのではないかなと思います。
 ただ、みんなで決める条例なので、今後の議論で決めていただければいいのかなとは思います。

〇濱井委員 花卉の文化の振興ですけれども、花卉の中にたしか花木という部分があったと思うんです。ですから、花木と街路樹の区分というのかな、捉え方をどういうふうにしていくのかなというのがありますので、御注意を願わなあかんかなと思うんです。

〇小林委員長 ほか、よろしかったでしょうか。
        〔発言の声なし〕

〇小林委員長 よろしいですか。
 そうしましたら、ただいまいただきました御意見等を、それに対する御意見とか何か皆さんからありますか。
 それか、いただいた御意見を正副委員長で預からせていただいて、もう一度たたき台みたいなものをつくらせていただいて、皆さんに提示をさせていただくというような形にさせていただいてもよろしいでしょうか。
 副委員長、よろしいですか、それで。

〇藤田副委員長 計画はどうなっていましたか。次は。

〇小林委員長 次はこれからまだ諮るんですが、委員会の予備日を使って条例案の方向性、進め方について協議いただくというようなあれだったので。

〇藤田副委員長 ならええんじゃないですか。今、出していただいた御意見を正副委員長で話をさせていただいて、方向性というところで提案させていただくということで。

〇小林委員長 そうですね。
 そうしましたら、ただいまいただきました御意見等を改めて整理をさせていただきまして、また皆様に御提示させていただきますので、そのときにもまた御意見等をいただければと思います。
 御協議いただく事項は以上でございますが、ほかに何かございませんか。
          〔発言の声なし〕
 
〔閉会の宣言〕

三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
花や木で健やかな三重をつくる条例策定調査特別委員長
小林 正人        

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