このページではjavascriptを使用しています。JavaScriptが無効なため一部の機能が動作しません。
動作させるためにはJavaScriptを有効にしてください。またはブラウザの機能をご利用ください。

スマートフォンサイトへ移動

三重県議会 > 県議会の活動 > 本会議 > 平成19年第4回定例会で可決した意見書(12月20日可決分)

平成19年第4回定例会で可決した意見書(12月20日可決分)

南アジアの核軍拡競争を防ぐため、原子力供給国
グループ(NSG)での慎重な対応を求める意見書

 米国、インド両国が去る7月20日に合意した「米印原子力協力協定」は、核不拡散条約(NPT)に加盟せず、核実験を行い、核兵器計画を進めているインドに対し、米国が原子力関連輸出を行うことを宣言しているものである。
 この協定が実施されると、インド、パキスタンの核軍拡競争に拍車がかかる可能性が懸念されるところであるが、米国、インドの協力が実施されるには、日本も加盟している原子力供給国グループ(NSG、加盟45ヶ国)による規則の変更が必要となることから、国際的にも被爆国日本の立場が注目されている。
 NSGは、1974年のインドの核実験を契機に米国が中心になって設立されたグループであるが、その決定は、コンセンサス(全員の合意)で行われる。また、日本は原子力先進国であるだけでなく、外務省によれば、「我が国の在ウィーン国際機関日本政府代表部がNSGの事務局機能としてのポイント・オブ・コンタクトの役割を担っている」ことからも、日本がどのような立場をとるかは重要な意味を持っている。
 国連安全保障理事会は、1998年にインド、パキスタン両国が核実験を行った際、決議1172号(1998年6月6日)を全会一致で採択し、インド及びパキスタンに対し、「ただちにその核兵器開発計画を中止」するよう要求すると同時に、「核兵器用の核分裂性物質のすべての生産を中止する」よう求めている。また、決議は、「すべての国に対し、インド及びパキスタンの核兵器計画に何らかの形で資する可能性のある設備、物質及び関連技術の輸出を防止するよう奨励」している。
 日本は、これまで核被爆国として核兵器の不拡散と廃絶を率先して求めてきた。NSGにおいても、その設立の趣旨、1998年の国連安全保障理事会の決議などを考慮して、慎重な議論を主導することが日本の国際的な使命と言える。
 よって、本県議会は、国に対し、核廃絶をこれ以上困難なものにしないためにも、南アジアの核軍拡競争を防ぐべく、原子力供給国グループ(NSG)での慎重な議論を主導するよう強く要望する。

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成19年12月20日

三重県議会議長 岩名 秀樹

(提出先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣




地方鉄道の経営支援を求める意見書

 モータリゼーションの進展や過疎化・少子化の進行により、公共交通機関を取り巻く経営環境は非常に厳しくなっており、地域の生活交通の維持・確保が困難となっている。
 とりわけ、沿線自治体が出資する第三セクター鉄道や採算性の低い民間鉄道支線などの地方鉄道において、利用者の減少等に伴い、厳しい経営が続いている。
 本県においては、昭和62年に、県をはじめ沿線自治体などが出資する第三セクター鉄道として伊勢鉄道株式会社が開業し、また、平成15年には、三岐鉄道株式会社北勢線の運行が開始されているところである。
 さらに、本年10月、近畿日本鉄道株式会社伊賀線及び養老線の存続を図るため、上下分離方式による新しい運営形態により運行が開始されているが、新たに運行を行っている伊賀鉄道株式会社及び養老鉄道株式会社は、今後厳しい経営環境に直面することが予想される。
 地方鉄道は、高齢者、学生、子どもなど交通弱者の生活に欠かせないものであり、通学・通勤時における大量輸送による渋滞緩和、定時運行の確保など、バス輸送では代替不可能な重要な役割を担っている。このため、鉄道が廃止されれば、地域の生活へ深刻な影響を与えることが懸念される。
 よって、本県議会は、国において、地方の生活に不可欠な交通手段である地域の生活交通の維持・確保を図るため、下記の事項を早期に実施するよう強く要望する。

  1. 地方自治体と鉄道事業者が一体となって行う上下分離方式の取組に対し、新たな支援制度を創設すること。
  2. 鉄道軌道近代化設備整備事業に関する所要予算額の確保を行うこと。

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成19年12月20日

三重県議会議長 岩名 秀樹

(提出先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
国土交通大臣




社会保険診療報酬に係る消費税の
非課税取引の見直しを求める意見書

 消費税は本来、最終消費者が負担し、それを事業者が預かって納めるものであるが、社会保険診療報酬に対する消費税は、政策的な配慮から非課税取引とされている。
 しかし、医療機関による診療に係る医薬品や医療材料の購入等の際の消費税については、事業者である医療機関がすべて負担し支払っている。
 消費税導入時及び税率の引上げ時には、診療報酬に合計1.53%の上乗せがされたが、税負担分を補えるまでには至っておらず、現状でも医療機関の規模の大小にかかわらず、非課税取引による消費税の負担は重く、経営上厳しい環境に置かれている。この不合理な消費税負担を医療機関が担い続けると、経営を圧迫し、このままでは医療機関の存続自体が危惧され、地域医療の崩壊につながるものと懸念される。
 県民の健康を守るためには、医療における不合理な消費税負担の問題を早急に解決することが喫緊の重要課題である。
 よって、本県議会は、国において、今後、消費税を含む税体系の見直しを行う場合には、社会保険診療報酬等に対する消費税の取扱いについては上乗せによるものではなく、非課税取引をゼロ税率又は軽減税率による課税取引に改めるよう強く要望する。

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成19年12月20日

三重県議会議長 岩名 秀樹

(提出先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣




地方議会議員の位置付けの明確化に関する意見書

 本県議会においては、地方分権時代に対応し、これまでの議会改革の成果を集大成するとともに、引き続き、二元代表制の下で県民の厳粛な負託にこたえていくため、昨年12月、三重県議会基本条例を自ら制定し、政策立案、執行機関の事務の監視及び県の意思決定を行っているところであるが、議員がこうした職責を果たしつつ、住民代表として住民意思を把握するなどのいわゆる議員活動を行うためには、常勤、専業化が不可避な状況にある。
 しかしながら、現在、地方議会議員の職務や位置付けは法的に明確にされておらず、議員活動は一般的に議員の職務として認知されていない実態にある。このことが議員の活動に対する期待や評価において議員と住民との意識の乖離を生み出し、様々な問題の原因となっており、早急な対応が必要となっている。
 よって、本県議会は、国において、住民代表として政治にかかわる地方議会議員の職責又は職務を法律上明確に定義し、それら職務等を遂行するために必要な経費を受けることができるようにするなど、地方分権時代にふさわしい議員活動を保障するため、下記の事項について地方自治法の改正が行われるよう強く要望する。

  1. 地方議会議員の職責又は職務を明確にするため、地方自治法に新たに、例えば「議会の議員は、議会の権能と責務を認識し、その議会の会議に出席し議案の審議等を行うほか、当該普通地方公共団体の事務に関する調査研究及び住民意思の把握等のための諸活動を行い、その職務の遂行に努めなければならない。」旨の規定を設けること。
  2. 地方自治法第203条から議会の議員に関する規定を他の非常勤職と分離し、独立の条文として規定するとともに、議会の議員、とりわけ都道府県議会議員の議員活動の実態に対応し、職務遂行の対価について、単なる役務の提供に対する対価ではなく、広範な職務遂行に対する補償をあらわす名称とするため、「報酬」を「歳費」に改めること。

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成19年12月20日

三重県議会議長 岩名 秀樹

(提出先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣




道路特定財源の確保を求める意見書

 道路は、社会経済活動を支える最も根幹的な社会基盤であり、地域の自立・活性化を図る上で必要不可欠なものである。
 しかしながら、本県においては、ネットワーク化されていない高速道路や生活幹線道路の整備、渋滞対策、交通事故対策、防災・減災対策、環境の保全など多くの課題を抱えている。また、今後老朽化が進むトンネル、橋梁等の修繕・更新費用も大きな課題となっている。
 このような中、道路特定財源の見直しに関連して、本年11月13日に国土交通省において作成された「道路の中期計画(素案)」では、平成20年度からの10年間において、各政策課題の重点方針に基づく目標を達成するために必要な事業量として、65兆円が計上された。このほか、高速ネットワークの効率的な活用・機能強化を含め、道路関連施策として3兆円以上が示されている。
 地方が求める「真に必要な道路」の整備を推進するためには、この素案で示された整備目標や事業量に基づき、「道路の中期計画」を決定しなければならない。
 また、本県における道路関係諸税による税収は約300億円あるが、暫定税率が失効すると、約160億円に減額し、新たな道路整備だけでなく必要な維持管理さえも困難になる。
 よって、本県議会は、国において、安定的な整備財源の確保に向けて、平成20年度以降も、引き続き暫定税率を維持するとともに、道路特定財源を一般財源化することなく道路整備に充当するよう強く要望する。

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成19年12月20日

三重県議会議長 岩名 秀樹

(提出先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
国土交通大臣
内閣府特命担当大臣(経済財政政策)




漁業用燃油価格高騰への緊急対策を求める意見書

 昨今の原油価格の高騰はとどまることなく、指標となるWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)価格は、かつての1バレル30ドル台から、既に90ドルを突破し、100ドルを超えることも懸念されている。
 平成16年から引き続く驚異的な原油価格の高騰に伴う漁業用燃油価格の急騰により、漁業者は多大な影響を受けており、産地では操業を中断して帰港したり、出漁そのものを断念せざるを得ない危機的な状況が発生している。
 漁業関係者においては、従来から漁業経営のコスト削減や省エネルギー対策に積極的に取り組んでいるものの、コスト増を魚価に転嫁することができないなど自助努力にも限界があり、このような状況が続けば、漁業の存続すら危ぶまれるほどの危機的様相を呈しており、漁業者に対する緊急かつ直接的な支援が求められている。
 さらに、燃油価格高騰の深刻化は、漁業経営のみならず、漁協経営や地域経済への悪影響、水産物の安定供給にまで直結する問題であり、予断を許さない状況に至っている。
 よって、本県議会は、国において、燃油価格高騰により漁業者が直面している危機的状況を乗り越えるとともに、今後とも漁業生産を継続・維持し、地域経済の活性化を図るため、下記の事項を実現するよう強く要望する。

  1. 燃油価格の高騰に伴う漁業経営への影響を緩和するため、燃油価格の低減化を図る緊急措置を講ずること。
  2. 燃油価格の高騰による漁業経営の破綻を回避するため、国の拠出による燃油価格高騰対策基金の制度を創設するとともに、その適切な運用を図ること。

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成19年12月20日

三重県議会議長 岩名 秀樹

(提出先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
農林水産大臣
経済産業大臣
水産庁長官
資源エネルギー庁長官


ページID:000018377
ページの先頭へ