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三重県議会 > 第6回会議録

第6回 会議録

開催年月日   平成17年9月22日(木)  10:30 ~ 12:00
開催場所    東京都千代田区平河町2-6-3 都道府県会館409会議室
出席委員    6名
   委員長      大住 荘四郎 氏
   委員長代理   高橋 一浩 氏
   委員        野田 由美子 氏
              森下 隆生 氏
              石原 正敬 氏
              野田 勇喜雄 氏
 欠席委員    1名
 オブザーバー 地下 誠二氏(日本政策投資銀行金融企画室課長)
 傍聴者     更屋 英洋 氏(三重県企業庁企業総務室企画グループ主査) 他1名

【会議の経過とその結果】

1.(議題)「工業用水道事業」について
○議会事務局高沖政務調査課長より別添資料に基づき、企業庁が開催している「企業庁の今後のあり方検討会工業用水道部会」における検討状況などを説明。
(主な説明内容)
・ 工業用水道事業には、国土保全上の役割、産業基盤上の役割、地域振興上の役割があり、これらは行政施策と大きな関連を有するものであり、今後も、行政が何らかの形で関与することが望ましい。
・ 公営で実施している理由に、1)複数の治水・利水共同での水源開発が合理的 2)スケールメリットを生かした施設整備が合理的 3)法人税、県税、市町村税、固定資産税の免除、配水管等の道路占用料免除 4)国庫補助金の交付が地方公共団体に限られていることがあげられる。
・ 事業を取り巻く環境の変化に伴う課題として、1)契約水量と実使用水量の乖離 2)  未利用水 3)先行投資の困難性 4)安定給水(漏水の未然防止など)があげられる。
・ 運営形態としては、1)現状維持 2)業務効率化(委託拡大) 3)民営化 4)その他(官民協働)が考えられる。このうち、3)については、利水調整などの公的関与の必要性や初期投資が巨額である、また、ユーザーサイドの事業譲受意欲が高くないことなどから純粋な形の民営化は困難である。

(質疑・応答)
○大住委員長 企業庁の検討会では、今の内容に基づき、改革の方向性が示されるのか。
○更屋主査 運営形態の検討などについては、10月に現地も確認しながら検討する予定。
○大住委員長 現在利益があるということであるが、過去から補助金も投入されており、あり方を検討するには事業の継続性の検討も必要である。補助金体系についても、三位一体改革もあり不透明な部分もあるが、もう少し長期的見通しを作っておく必要があるのではないか。そのへんは、企業庁の検討会で議論されているのか。
○更屋主査 少なくとも10年先までの議論は行っていない。経済産業省の方でも、現在、工業用水道事業の将来について検討されているが、実使用水量と契約水量の乖離が課題となっている。
○大住委員長 企業庁の検討会では、1)契約使用水量と実使用水量の乖離、2)未利用水の存在、3)先行投資の困難性、4)施設の維持更新、耐震化工事の問題と国庫補助負担金の合理化への対応といったことについて、定性的課題の認識に基づいて判断することになるのか。さらに言うと、需要拡大は産業構造の変化に伴い困難である。今後、定量的な試算値に基づき議論する予定はあるのか。
○更屋主査 それらについては、経営形態を変えて対応する問題ではない。来年度以降、知事部局と検討するにあたって示唆を与えていただきたいということである。
○大住委員長 福岡市で、浄水場の包括委託を選択した理由は。
○更屋主査 委託業者のホームページを見たところ、委託前に常駐職員が17名いたが、委託後2名になり、人件費がかなり削減されたということである。ただ、三重県の場合は、多度浄水場がほぼ同じ規模であるが、最初に無人化し、さらに北勢水道事務所より遠方監視している。
○大住委員長 委託業者の方からすると、そうであろう。おそらく福岡市に聞かないと判らないであろう。
○溝畑次長(事務局) 企業立地と工業用水道事業の関係であるが、旧来のコンビナート郡であると良いが、亀山のシャープなど山間部の場合は、具体的な案件が出てきてから農水商工部と連携し検討しているのが実態である。
○石原委員 先ほどの純利益の話も、企業庁の財務状況の資料は、良いものだけ出している。そのあたりの指摘も中間報告や提言でやれば良いと考える。野田由美子委員にお聞きしたいが、諸外国に工業用水道という概念はあるのか。
○野田由美子委員 私も聞いたことがない。ただ英国は上下水道一体であるので。
○石原委員 そうすると、企業庁では水道と工業用水道を分けて検討されているが、一体として検討すればよいのではないかと思う。次に、県当局が政策的にフォローするのであれば、企業が、ユーザーとして、できるのではないのかということを、どなたかにお聞きしたい。最後に、意見として、農水商工部が、現在、工業用水道の管が通っているコンビナートに誘致するという施策を行うのであれば、開発費用の問題もある程度解消できるのではないのかと考える。企業庁の検討会では、今の枠組みの中で考えられているが、もう少し違った切り口で検討できたらと思うが、皆さんの意見があればお聞かせいただきたい。
○高橋委員 資料にもあるが、利水調整などがあり純粋な民営化は難しい。しかし、民営化にもいろいろあるので、アフェルマージュや包括委託などユーザーサイドで引き受けなくても第三者が引き受ける場合もある。例えば、機器メーカーや電力会社などがあるので、まず民間化の議論をいただいて、そのうえで、どういった事業者が参入の可能性があるのかを詰めていくと議論に広がりが出てくるのではないか。もう1点は、補助金の受給要件で、地方公共団体に限られているということであるが、上水道については、私の知る限り、例えば民間経営者が経営の委託を受け水道法の認可を受ければ補助金を受けられると聞いているので、工業用水についてもそのように整理できればさらに選択肢が広がると考える。
○野田勇喜雄委員 今の話しは、現実的に難しいのではないか。技術的には可能かもしれないが、いろんなニーズを考えると企業が進出する場合に東京などとは異なり、三重県では難しい。国の中で三重県を企業立地地域に指定するというのであれば話は変わるが。ただ、理論のうえでは可能かもしれないが。世界では上下工水も一体で行っているのかもしれないが、今の工業用水がどのように認可できるのかということを、日本の場合、縦割りの意識も強いので、ただ一般的に全部行っても良いと思うが、では、上水道を工業用水道にする場合に誰が負担をするのか。ダムの関係もあり、机上では計算できるかもしれないが現実的には無理ではないか。そのへんを整理してから議論してはどうか。
○高橋委員 民間化にはいろんなパターンがある。資料にもあげられているように、委託可能な業務の洗い出しがされており、そこは、現実的にどういう形態が良いのか提案していく。ただ、補助金などの制度的問題については、国全体で議論していくようアクションを起こすことに意義がある。
○野田勇喜雄委員 未利用水の存在についてだけでも、企業庁として知事とも話をし、方向付けをお願いしたい。
○大住委員長 これは、執行部の委員会ではないので、企業庁の委員会が誤った方向に行かないように提案をしていくことになると思う。必要な論点や考慮すべき事項が欠落しないように提案をしていく形であると思う。本来、野田委員の言われるように、未利用水の存在は、企業庁の事業の執行範囲を超えているので、その部分の方針を出さないと解決しない。企業庁が検討できないというのであれば、知事部局に提案していくことが必要。それを行わないと議会のガバナンスという点で問題がある。さらに、補助金の問題について、工業用水道だけ議論をする必要というのは縦割りの中で動いているからそうなっている。それも将来はどうなるのか、現状、包括補助金といっても、道路や港などがあがっているくらいで、水の検討まではいたっていないのが現状である。こういうものも水という視点で統合される可能性はある。そうなれば、一体的管理の方向になるかもしれない。ただ、現状では、そこまで行かないと思う。
○野田勇喜雄委員 工水も上水も分けて行うという考えはない。しかし、この委員会でそこまで検討していいものか、もしくは、それぞれの現状の中で提言していいものか分からない。それを企業庁に聞き、その結果を条件に含めて考える方が的確かなとも思うが。 ○森下委員 継続性の方向付けについては私どもの課題と認識している。その中に未利用水の問題があり、政策的に検討をしないと方向付けができないと思う。企業庁の場合は、現状の解決を中心に検討されているが、その中に継続性を担保できるのかどうかという視点を持つのに、三位一体改革の補助金問題を洗い出して、現状の中でどのように対応できるのかを検討する必要がある。企業庁のレポートを見ていると、補助金は、地方公共団体に限られると書かれているが、そうしてしまうとそれ以上なにも無くなる。このことについて、政府の皆さんとも今後情報交換を行いながらつかむ必要がある。その中で、水道と工水が一体にあると思う。その制度については精査する必要があるが、三重県内では一部管の共用が始まっている。あと、三重県への産業進出の現状については、一般論と県の特性の両面から検討する必要がある。とにかく継続性については重要であるので、そのへんにこだわって検討していければと思う。
○大住委員長 たぶん一般論としては、大きな議論をしておいた方が良いと思う。各論で三重県の事業ということになると野田委員の言われた方針のようになるであろう。補助金などの現状の見通しについては、正確な情報があったほうが良い。上下水道についても経営委託で一定の要件に合致すれば補助金をもらえるということであれば、少し議論が進むと思う。
○石原委員 補助制度に不備があるというのであれば、我々は議員という立場で政治的な手段で解決するよう働きかける。民間の先生方より問題点や方向性など提言をいただければ、われわれも議論させていただく余地はある。そういう意味の提言になるのではと思う。これは、提案であるが、三重県の現状については、委員の皆さん方の議論に加え、例えば、農水商工部長を呼び、企業誘致の意向を聞くことも良いのでは。彼は、インフラが整備されているところに企業誘致をしようということも言っている。そういうことも踏まえ、人口減少、まちづくりや都市再生などの視点からも検討しても良いのでは。判断は委員長に任せる。
○大住委員長 一般論としての考え方や常識的な意思決定のプロセスがあるので、それは書いておく必要がある。それを三重県の企業庁に当てはめ、一般論が該当しないのであれば、その理由を三重県の現状に基づいて県民に説明する必要がある。それが、合理的であれば良いが、三位一体改革の中で補助金の統合化が進む可能性がある。地域再生法という小さな風穴が開いていて、今農道を含めた道路と漁港を含めた港、あと集落排水と下水がひとくくりにされようとしている。それは、機能に着目している。水についても同じように整理されるかもしれない。そういったことを政治の場で取り上げていただけるよう、具体的な根拠をつけて提案できればと思う。上水の場合、集約化ということが一つの方向性になると思うが、工業用水の場合は集約化できないので、一体的な管理、経営ということで効率化の余地が生まれるということではないかと思う。
○高橋委員 地域再生法担当は、内閣官房の地域再生推進室という横断的な組織で、いろんな省庁から担当者が来ているので、場合によっては、そういうところに働きかけるのも可能性としてはある。
○大住委員長 少し整理をすると、石原委員が指摘をされた4つの点、1)利益の数値 2)上下水道と工水を一体にした水の管理 3)民の参入余地が本当にないのか 4)立地の面での政策的連携も大事であるといった大きな議論は、一般論に入れていきたい。その上で、三重県の事情については、企業庁の検討会の議論を見ながら検討していく。この検討会では、事業の継続可能性の議論ははずせない。これにより、今後のあり方が変わってくる。極端な話、工水事業から撤退することもありうる。この点について、執行部があいまいな対応をするなら、石原委員が言われた財務情報開示も含め、厳しい問題提起を行う必要がある。現に、利益が上がっているのでこのままで良いということでなく、一般論としては、黒字である事業を民に移管したほうがさらに良くなるケースが多いと言われている。それは、現状と民営化の比較の問題である。ただ、工業用水道は、企業立地もあり長期的見通しは難しい。
○野田由美子委員 視点としては、収入を増加させるには、需要を増やす、料金を上げる、経費節減がある。また、単発で委託するよりも包括して委託するほうがメリットは多い。収入面とコスト面を分けて考えるほうが良いのではないか。民は需要を増やすことが難しいから駄目というのでなく、コスト面から考えると、基本的な方針として、できるだけ長期で包括的に民に委託するのが良いのではと思う。あとは、個別で、将来投資は民が負担し、需要リスクは必ずしも民が負担しなくてよいといったことをつめればと考える。
○大住委員長 今の話は、大事な論点である。売上、収入については、企業庁の資料では分からない(議論しない)ということであり、そうすると効率的な運営をするにはということで先ほどの企業庁の資料は極めて現実的である。
○石原委員 3事業について、一般財源からの繰り入れもある資本的支出をどうするのかといったことも入れていただきたい。それと、この前の委員会で利水の関係があるから、民ではできないというなら、その部分だけ官で行い、それ以外のところを民で行うということも考えられる。企業庁があげる出来ない理由をつぶしていくということも良いと思う。
○大住委員長 財務情報については純粋な事業収入のみを見るほうが、たぶん良いと思う。
○石原委員 それが悪いというのでなく、税金がこれだけ入っているということである。

2.その他
開催日及び場所は、後日調整とする。
議題は「工業用水道事業」及び「電気事業」を議題とする予定。

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