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平成16年10月13日 行政のあり方調査特別委員会 会議録


行政のあり方調査特別委員会

会議録


(開 会 中)
 

開催年月日     平成16年10月13日(水) 14:03 ~ 15:45

開催場所     第302委員会室

出席委員     8 名

委員長 前田 剛志 君
副委員長 竹上 真人 君
委員 北川 裕之 君
委員 岩田 隆嘉 君
委員 舟橋 裕幸 君
委員 三谷 哲央 君
委員 田中    覚 君
委員 藤田 正美 君


欠席委員     2 名

    委員   吉川    実 君
    委員   杉之内 昭二 君


出席説明員

〔総合企画局〕

局長 村林 守 君

経営企画分野総括室長 大森 久 君

製作企画分野総括室長 天野 光敏 君

                     その他関係職員

〔総 務 局〕

局長 中尾  睦 君

財政・施設分野総括室長 植田  隆 君

組織・職員分野総括室長 中西 正明 君

                     その他関係職員

傍聴議員         な し

県政記者クラブ加入記者   6 名

傍聴者         な し

議題又は協議事項

1.所管事項の調査

(1)「新しい時代の公」のあり方を受けた公的関与のあり方について〔総合企画局・総務局関係〕

(2)PFIの取組について〔総合企画局関係〕

2.委員協議

 ● 県外調査について
 

【会議の経過とその結果】
 

〔開会の宣言〕
 

1.所管事項の調査

(1)説明

  1) 「新しい時代の公」のあり方を受けた公的関与のあり方について〔総合企画局・総務局関係〕

  2) PFIの取組について〔総合企画局関係〕

   ・ 調査案件ごとに当局から資料に基づき補充説明(村林総合企画局長、中尾総務局長)

(2)質疑・応答

  1) 「新しい時代の公」のあり方を受けた公的関与のあり方について〔総合企画局・総務局関係〕

○前田委員長 それでは、質疑に入らせていただきたいと思いますが、1項目ずつ進めたいと思いますので、まずは「『新しい時代の公』のあり方を受けた公的関与のあり方」について、ご質疑を進めたいと思います。

 特に、冒頭にお願い申し上げましたように、常任委員会と重複しない方向で進めたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。委員の皆様方からご質問ございましたらどうぞ。

(「常任委員会と重複しないというのはどういうことですか。もうちょっと具体的

に教えてください」の声あり)

○前田委員長 「新しい時代の公」の全体の部分の論議が、かなり常任委員会で深められたと。私も出ていないものでわからないんですが。そういう全体の論議ではなく、行政の役割がどうあるべきか、そういったところに論点を絞っていただければと思いますが。

○三谷委員 難しいので、常任委員会に出とらんので、どんな議論したか全然わからんので、何をしゃべっていいのかわかりません。

 まず、教えてもらいたいのは、今、この「新しい公」の検討会をやっていただいてますわね。これの結論はいつ出るんですか。スケジュール、先にちょっとご説明いただきたい。

○村林総合企画局長 1ページにございますように、17年度の第1回定例会でお示しできるように進めたいと考えております。

 もう少し細かいスケジュールは、10ページのところに今後のスケジュールとして整理させていただきましたが、12月頃には素案をまとめさせていただければと、その前に考えております。

○三谷委員 わかりました。そうすると、今度新しく県政運営の基本方針、この間知事にご説明いただいたですね。あの方針も、「新しい公」ということが基本というか、前提になって語られているんですけれども、「新しい公」の概念そのものが来年の1定で結論づけられるというのは、今、例えば県政運営方針で言われている「新しい公」というのは、単なる議論途中の概念で、来年度の県政運営方針というのを決めておられるのか。そこらへんのところを、まずちょっとご説明いただけませんか。

○村林総合企画局長 検討途中では確かにあるんですが、大きく県政運営方針で挙げました3つの方向、これは大体このように進めさせていただけるんじゃないかと。検討状況とかを踏まえてということで、県政運営方針にも挙げさせていただいているところでございます。

○三谷委員 今までも、例えば協働、コラボレーションという考え方が北川県政のときからもずっと出てきてまして、これの3ページにも、第2に、多様な主体の自主性、主体性を尊重し、役割分担をしながら、対等な協力関係を築いていこうとするもので、今からの「協働」の意味を改めて問い直すと、こういうことなんですが。じゃあ、今までのコラボレーション、協働の上に乗っかった三重県の県政というのは、今までの多様な主体の自主性、主体性を尊重していなかったのか。また、役割分担等、明確ではなかったのかなという、そんな思いがしてくるんです。

 それで、12ページの表を見せてもらうと、一番左端のかっこ書きのところに、「新しい時代の公」を推進するための基本的な考え方として、主に行政を公の担い手として作られた、現行の制度、システムではということになってますね。現行の制度、つまり、今までコラボレーションで語られてきた現行の制度、システムは、主に行政を公の担い手として作られた制度なんですか。まず、そのあたりのところも、きちっとした総括というか、説明をいただかないと、こんな県政運営方針だって、そのまま良という話にはならなくなってくると思うんですが、いかがです。

○村林総合企画局長 おっしゃるように、我々としては一応協働を進めるということで、いろんな努力をしてきたというのはおっしゃるとおりかと思いますし、そういう面でもかなり進んだと思っております。

 しかし、NPO側からいろいろ聞いている話とか、やっぱりそういう地域でご努力されている方などからのご意見では、県としてのその対応というのは、やはりまだまだ未熟なところがあるんじゃないかということですので、ここで一つ整理をしなきゃいけない部分があるんだろうなと。

 その上で私どもが考えておりますのは、協働ということを随分大事に取り組んできたつもりはあるんですけど、公というところでは十分整理をし切れなかったところがあるのかなということで、今回こういった調査をしているということが1点でございます。

 それと、先程、現行の制度、システムに問題があるんじゃないかというところはいかがなものかというご指摘がありましたが、そういったものも、確かに実際に協働をやる中でいろいろ改善してきた面もあるんですが、統一的に考え方を整理して、県のシステムとか、そういったもののあり方とかをやってきたというところまでまだいってないと思います。ですので、いろいろ、その実践の中で県の方が改めてきたものもございますし、それから実際、協働が随分進んできたところもある。県も、そういったことに努力してきたということは確かでございますが、さらなる一歩を進めなきゃいけないところに来ているんじゃないかと。そういう意味で、今回の調査をしていると、そのように認識しております。

○三谷委員 NPO研究会のパートナー宣言もまた大切でしょうけれども、「新しい公」でいうところの多様な主体というのはNPOだけでは当然ないわけで、企業もあれば一県民の方々もおられれば、さまざまなグループだとか、いろんな主体が当然出てくるわけですね。そういう中で、今から「新しい公」というものの概念規定を発揮させていくということになれば、この検討会の中にもいろんな方がおられるとは思いますけれども、かなり総合的な議論があって、しかも今までのシステムなり、今までの制度のどこがだめだったのか、どこに問題があったのかということをやっぱり明らかにしていただかないと、NPO研究会がこうだからというような、そんな議論で県政の根幹がいろいろ動いていくというのは、そちらの方がかえって問題だろうと思うんですが、どうなんです。

○村林総合企画局長 ちょっと私のご説明、少し舌足らずだったと思いますが、NPO研究会でのパートナーシップ宣言が、ある程度そういったものが歴史的にあったということを申し上げたんで、その後、いろんな協働が進んできましたが。おっしゃるように、例えば地域でご活躍の、地域に根差した団体もございます。それから、NPOというのは、どちらかというとテーマでご活躍いただいている団体、それから企業の社会貢献も随分進んでいるという中で、やはり協働というものを見直さなきゃいけないんじゃないかと、そういう認識でございますので、いわゆる狭義のNPOを念頭に置いてということ、あるいはそのNPO研究会だけで何かそういったことというんじゃなくて、その後の進んだ協働の中にいろいろ出てきた問題を踏まえて整理をしたいということで、それはご指摘のような方向で考えるべきだと私も思っております。

○三谷委員 今後の取組みの中のスケジュールで、4定の検討結果報告の素案あたりでは、今お願いしたような現行の制度の仕組みのどこに問題があって、どうだということが明らかになるわけですか。

○村林総合企画局長 そのように検討したいと考えておりますが。

○三谷委員 その議論を聞かせていただいてから、もう一遍議論させていただきたいと思います。

 それともう1点。この「新しい公」と、今一緒にご説明いただいた今後の公的関与のあり方との関係をまずご説明いただけませんか。

○中尾総務局長 本会議でもご答弁させていただいた経緯もございます。ごらんのとおり、「新しい時代の公」と申しますものについては、先程来ご議論されているところでございます。

 他方で、公的関与の判断基準につきましては、いわば公の範囲がどう変わるかという「新しい時代の公」の議論とは少し軸を異にいたしておりまして、行政が関与するのか民間がやるのかという基準を定めまして、その上で、国・県・市町村のいずれが関与していくかというふうな基準ということでございまして。「新しい公」の議論が展開していく中で、必ず論理必然的に、ここにいう公的関与、県の関与の判断基準が変わらなければならないという関係にはないとは思っておるんですけれども。ただし、本会議でもご答弁いたしましたように、これから「新しい時代の公」について、さらに議論が深まっていく過程で、先程申し上げました公的関与の判断基準についても、時代に対応いたしまして検討を行うべき事項が出てくれば検討を行っていきたいというふうなことを考えております。

○三谷委員 「新しい時代の公」を推進するための基本的な考え方の案というのは、これはこのまま採用されてくると、公的関与の考え方というのは必然的に変わらざるを得ないと、こう思うんですよ。公的関与のあり方というのは、一種の補完性の原理で。「新しい公」の市町村と県との立場というのは、水平の関係でしょう。上下の関係じゃないでしょう。そうすると、公的関与のあり方そのものの考え方も、やはり基本的に考え直さないと。しかも、多様な主体ということになってくれば、特に企業だとかNPOだとかボランティアだとか、いろんな民間の主体もいっぱい入ってくるわけでしょう。そういう中で公をみんなで担っていきましょうということならば、公的関与のあり方そのものを基本的に考え直さないと、論理的に合わないと思います。

 今、局長は、基本的に変える必要はないというご認識があるようですが。もし、こういうような「新しい時代の公」というような考え方を入れるならば、公的関与のあり方というのは基本的に考え直さなきゃいかんと。こう思ういますが、いかがです。

○中尾総務局長 議員のおっしゃるような問題提起というのも、多々あり得るんだろうと私も思っております。ただ、先程ご説明いたしましたものを改めて見てみますと、極めて基本的なことが書いてあると言ってはちょっと説明がおかしいかもしれませんけれども。公というエリアがどうなるのかという、今「新しい時代の公」の中でまさに検討を深めていっている話と、行政と民間で、行政はどこまで関与していったらいいのかと。つまり、物の例えでございますけれども、これから「新しい時代の公」で、これまで公でなかったものが公になってきたといたしますときに、そこに対して行政と民間がそれぞれどういうふうな関与の仕方をしていけばいいのかと、これが今後の大きな論点になっているんだろうと思いますけども。その際に公的基準の判断基準なるものが、全くその意味をなさないのかどうかということについては、必ずしもそうではないんではないかというふうに思っているわけでございます。

 繰り返しになりますけれども、「新しい時代の公」の中で公の概念が変わっていったといたしましても、基本的に行政はどこに関与すべきかというものについては、基本的に先程の5つの基準というものは生きてくるのかなと思っております。

 また、市町村との関係におきましては、もう議員ご指摘のとおり、県と市町村は対等の関係で、これからともに住民のために仕事をしていくことになるわけでございます。県の関与の根拠というところでの先程の4つの項目を見てみましても、もちろんこれから市町村が合併等を通じてさらに行政能力を高めていかれますれば、おのずと市町村の事務というものが総体的に増えてまいるということはあると思います。そうは思いますけれども、この4つの基準そのものに照らしてみますと、基本的にはこれが当てはまるんだろうと。その適用の中で、実際に県が担うべきものと市町村が担うべきものというのは恐らく変わっていくんだろうと思いますけれども、それはこの基準に照らした結果として変わっていくということなんではないかというふうに思っております。

○三谷委員 こんな議論ばかりしても、またしかられますので余り言いませんけれども。

 7ページ、8ページに表を書いていただいて、行政と県民のかかわり方というのを図式で書いていただいていますね。これは非常にわかりやすい絵だと思いますが、なかなか現実はこんな簡単なものではないと思っています。しかし、こういうふうな形にはならざるを得ないんだろうと、こう思います。

 こういうときに、じゃあ事業評価、つまりAとCの部分は関係ないですね。Aは今までの事業評価でええと思うんですが、このBの部分の事業評価、これをどうするのか。今まで県は、事務事業評価システムというシステムを使って、事業評価してましたね。これが非常に、しかも変わってきますよ。いろいろ柔軟に変わりますよというようなご説明だと、このあたりの、行政として当然しなければいけない事務事業の評価システムは、これも当然見直さなきゃいかんことになると思いますが、いかがです。

○村林総合企画局長 現在、評価システムは、ご承知のように三重政策評価システムということで評価をしているんですが。おっしゃるように、協働で進む領域というのをどう評価するかというのが多分課題として出てくるだろうというぐあいには思っておりますが。今のところ、私としては、評価システムをこう変えるというところまでは、今まだちょっとご答弁できるところまで認識してませんので、こういった領域の役割分担とか、そういうものがもう少し整理されてから、その評価システムを変える必要があるのかどうかも含めて検討すると、そういう手順じゃないかと思っております。そういった問題が出てくるというご認識はそうだろうと、私も思っております。

○三谷委員 事業評価できなかったら、その成果の検証もできないわけですし、いよいよまた17年度の予算編成もこれから入ってくるわけですけど、今年は、まださっきもおっしゃるように不十分で、協働も不十分であるということなので、今までどおりのやり方でいいのかもわからんけども、来年度、18年度の予算なんかになってきましたら、きちっとした成果の検証もしなければ予算編成はできませんわね。それ、どうするんです。

○村林総合企画局長 今現在は、評価システムの中にある程度、協働とかそういったことも含めて、県の責任分担についての評価をどうするかというとこは一応入っているわけです。

 ただ、協働して一緒にやった部分が、その協働がうまくいったのかとか、そういうこともすべて含めて、県民の方々にやっていただいた部分、それから県がみずからやった部分、それを総合的にどう見るかというところについては、課題が残るかもしれないなということで申し上げたんですが。一応、県としての責任分野については、今の評価システムで評価できるようになっております。

 ただ、その中に、もう少しこういった整理ができれば、あのやり方は変える必要があるんじゃないかとか、いろんな評価基準としては少し何か入ってくるかもしれません。ただ、それはもう少し検討、今検討状況としてはご報告しましたが、この検討が進んでから、評価システムはその後の検討とさせていただきたいなと思っております。

○藤田委員 総務の委員会、出ておりませんので、ちょっと申し訳ないです。

 「新しい公」を担っていくということをみんなで考えていくということは、大変重要なことだと思います。私も、質問なんかで、領域を、ドメインを、これから行政がすべて担っていく、抱え込んでいくということから、すべてのそういう企業や県民やすべての人と、どのように領域を変化させていくということを真剣に考えていかないかんと思ってとるんですけど。まず最初にお聞きしたいんですけど、「新しい公」を行政が、言いかえれば、公というより、行政が本当にこれから住民の思いを聞いて、まず何を担っていくというようなことを本当に真剣に考える、言いかえれば、三重県をどんな方向に持っていく、そういういわゆるグランドデザインというものが、ちゃんとやっぱり議論されて、「新しい公」というものをみんなで担っていくというような形にならないと─要するに、戦後いわゆる夜警国家という言葉がありましたね。住民が夜安心して眠れる、そういうことをちゃんと作り上げていく、そのために行政の役割があるんだと。

 そういう意味で、当初、戦後までは、これは国の話になるのかわかりませんけど、いわゆる治安とか大規模災害とか、国においては国防とか、それ以外は、本来住民がそもそも担っていた時期もあったんですよね。しかし、戦後、行政が何から何まで、教育を含め地域産業の問題まで行政が担う。それで行政が肥大してきた。財政が悪化してきた、という一つの歴史があるんですよね。

 「新しい公」と言うけど、そもそも三重県は、この「新しい公」を推し進め、研究して、これだけ知事も言って、いろんなことをやるんですよね。みんなが知恵も絞って、住民にも投げかけて。その考えでいろんなことをやるということは大事なんですけど、このことによって、まず三重県をどんな方向に導いていこうとしておるかということがはっきり県民にわからないと、なかなかコップの中の話だけになるんじゃないかなと、私、ふとこう思うんですけど。それについて、ちょっとまずご意見聞かせていただきたいなと思いますけど。

○村林総合企画局長 グランドデザインと言いますと、普通は地域の開発とか、そういった地域政策の部分が含まれると思うんですが、それについては、しあわせプランの中では、まだ十分書き込みができてないので、今年度から検討しています。それがどのような、昔でいうグランドデザインのような形になるかどうかということは別にしまして、今後の地域発展の方向とか、そういったものはその中で検討していくということで、今ちょっとまだご報告できるところまでいってませんが、今やっているところでございますが。そういった地域は別として、社会のあり方とか、そういったものについては、相当しあわせプランのところに書き込みはさせていただいたところで、そういった中で、「みえけん愛を育む“しあわせ創造県”」という理念を持って、それぞれの地域から幸せの舞台が作れるような、そういった三重県にしていきたい、そういった社会をやっていきたい。それから、地域がまずあって、三重県があるような、あるいは国があるような。そういったような三重県の方向というものを打ち出しているという、そういったところでご理解いただきたいと思います。

 まだ、委員おっしゃるように、そういった地域戦略のような部分がまだ十分書き込めておりませんから、そのことで不十分なというご指摘かとは思いますが、できるだけプランとしては、そういったことを明らかにして議論していけるように努力していきたい、そのように考えております。

○前田委員長 ちょっと答弁違うように思いますね。

○藤田委員 何となく、こういうことをやっていかないかんということを言われたんだと思うんですけど。地域政策はないんですよね、今のしあわせプラン。

○村林総合企画局長 それぞれの地域がもとになってという、その地域のあり方のようなことを書いたつもりでおりますけれども。大きく三重県が、これからどのように地域として発展をしていく方向づけとか、そこについては、ちょっと1年の検討ではできませんでしたので、今検討を始めたところでございます。

○藤田委員 私の言いたいのは、例えばマクロ経済がよくなってきて、中部圏は景気いいと思いますね。そやけど、実際は三重県の地域経済の循環がよくならないかんと思うし、そしてまた、地域はさまざま、東紀州の方へ行けば1次産業の地域でありますし、また四日市の方に行けばというように全然違うんですよね。

 そうなると、そこのいわゆるステークホルダーというか、そういう利害関係者の意見を本当に組み込んで、地域政策というのをこれから三重県は作っていかなければ、本当に地域の独自性も出てこないし、それでそういう自分らの地域に誇りを持ってやっていく地域をまず作っていくんだというような三重県の姿勢があって、それを担っていくんは行政だけじゃだめですよと。だから、その中には、みんなと協力して公を担っていくんだと、そういうようなストーリーがないと、そんなドメインをいらう話だけで、誰が、これまず県がやることなんか、行政がやることなんか、行政がやるんやったら、これは直営でやるんか、アウトソーシングするんか、PFIでやるんか。そういうことを今皆さん方は真剣に、いいことなんですよ、今までそんなことを全然やっていなかったんだから。

 それを作り上げるということは、大変この文面を見てよくわかるんですけど。それだけで本当に、そういう知事が公約した三重県愛を育んで、本当に住民がみんな幸せになるんですか。目標は、やっぱりそういう住民が幸せになるとか、そういうところに利益を上げるようなことに対して、こういうものをちゃんと構築していく必要が僕はあると思うんですけどね。そのへんをちゃんとしてもらわないと、非常にこの動力というものは、住民のためにかえってなかなかわかりづらくなるような気がするんですけどね。

○村林総合企画局長 おっしゃるのはそういうことじゃないかなとは思うんですけど。それぞれの地域を、地域に住んでみえる方がよくしていけるような、そういう条件を作りましょうということは、しあわせプランの基本的なことになっておりまして、それが三重県愛をはぐくむということではないかと。そういった条件を作る一つの部分が「新しい時代の公」ということじゃないかなと私は認識しておりますので、そのためには、地域ということが一つの切り口になって、たくさんの方が協働して地域をよくする。それをできるような一つの条件作りとして、「新しい時代の公」といった考え方を推進していかなきゃいけない、そのように認識しているところですが。そういった意味合いではちょっと違うんでしょうか、委員の。

○藤田委員 そういう意味合いなんですよ。そういう意味合いを本当に真剣に議論して、単なる行政だけじゃなくて。やっぱりこれからそういう方向性を、ちゃんと住民の皆さん方と、地域の皆さん方とそういうことを積み重ねた中で初めて「新しい時代の公」、そういうものを一緒に担っていこうということになるんじゃないかなと思うんですね。それだけは今日は指摘させていただきたいなと思うんですけどね。

○村林総合企画局長 基本的には、多分私の理解しているあれではご指摘のとおりかと思いますので、ただ、そういった住民の皆さんと積み上げていくためのいろんな条件というのが、やはりまだ整ってない面もありますので、そういった「新しい時代の公」を推進する中で、住民の皆さんとその地域をどうしていくのかといったようなことを一緒に考えていけるような、そういった条件作りとして「新しい時代の公」に取り組んでいきたいと、そのように考えております。

○藤田委員 これはこれで終わります。

○前田委員長 もうよろしいですか。

 他にいかがでしょうか。よろしいですか。

○北川委員 大変議論が難しくて、なかなか頭がついていかないもんですから、少し具体的なケースで教えていただいてよろしいですか。私自身も、まだ「新しい公」のあり方なり、あるいは特に役割分担の部分なんかちょっとわかりにくい気もするんですが。

 7ページ、8ページに図がありまして、ABCで担っていただく領域を分けていただいてあるんですけれども。例えば、部局が違いますからお答えいただけるのかどうかわからないですが、今、伊賀では、芭蕉生誕360年の蔵びらき事業をやってますね。これは、いわゆる官民協働だということで進んできたわけですけれども。その事業は、例えばこの図でいうとBの領域だと思うんですが、その中で、またB1、B2、B3とこう分けていただいてあるんですが、例えばその事業でしたら、このBの領域のどういうところに当てはまるというふうに想定されているんでしょうか。

○村林総合企画局長 詳しくその事業内容を承知しているわけではないんですが、いろいろ生活部等々から、あるいは県民局から聞かせていただいている話ですと、民間の方は民間の方で自主的にやっていただいている、それから県は県でやっている、それが一つになって蔵びらき事業という形に実っているということから考えますと、私の感じではB2ではないかなと。それぞれイベントを実施するに、県民の方々も責任を持ってやっていただいている、それから県としてもそれについて責任を持って分担をしているということではないかなと、そのように認識しておりますけど、違いますでしょうか。

○北川委員 そうすると、県は県、それから民間の方は民間の方で、それぞれ役割分担をしてやっているということは、それの事業評価というのはそれぞれがやるという形に考えられるわけですか。

○村林総合企画局長 先程、三谷委員からのご指摘もありましたので、そのところについてはまだ十分検討されてないんですが。NPO室の方では、例えば協働そのものがうまくいったのかどうかといったような、その協働そのものの評価というものも考えているというぐあいに承知していますが。例えばそういったようなものも含めて、お互い役割分担を持ってやったその事業全体がどうだったのかという評価は多分必要になってくるんじゃないかなという感じはしておるんですが。そこのところはまだ我々ちょっと検討過程で、どんな評価がいいのか、評価システムとしてはどういうあり方がいいのかというところについては、もう少し先の検討にさせていただきたいなと。そのように考えて、問題意識としては持っておるわけですけれども。

○北川委員 そうすると、今行われている蔵びらきの事業なんかは、もう生活部の判断で事業評価するということなんでしょうかね。

○村林総合企画局長 蔵びらきについては、事業としてまとまっているわけですので、私どもから評価システムとしては評価方法はお示しできないんですが。そういった一緒にやった事業がどういう成果があったのかということの整理は、多分県民の方々と一緒に評価、成果を検証するということはされるんじゃないかなというぐあいに考えておりますが。

○北川委員 部外の話ですからあれなんで。そういう進行中のものについても、次年度に評価がつながっていかないということのないようにだけはしていただきたいなというふうにお願いさせていただいて終わらせます。

○村林総合企画局長 今ご指摘があったように、蔵びらき事業というのは、「新しい時代の公」の先進事例だと私も思っておりますので、そういった事業の成果のようなものを踏まえて、その経験も踏まえて検討を進めていきたいと、そのように考えております。

○藤田委員 もう1点だけよろしいですか。

 先程、ちょっとこれだけは確認したいんですけど。行政が抱え込んできたことを、このように役割を今から考えていくんですよね。そもそも行政とは、供給側の論理、こういうええもんを作りましたよと、だからこれ買ってくださいというようなことですよね、供給側の論理というのは。

 この「新しい公」を見直していくときに、いわゆる消費者側の論理というか、やっぱり消費者が望んでいる、こういうものを作ってほしいんだと、そういうものを作ってほしいから行政がそれをサポートして考えていく。そういうところを転換していくことが大事だと私は思っとるんですけど。そういう意味は、転換されながら考えていくことにもつながっていくんですかね。

○村林総合企画局長 ご指摘のとおり、供給側の論理じゃなくて、消費者側の論理で考える中で、「新しい時代の公」ということも検討していくということかと思っております。

○藤田委員 それともう1点、これだけ確認したいんですけど。私は今、自分の生まれた区の区長というか、そういうことをさせていただいておりまして。住民自治というか、いわゆる行政がやっているのは団体自治ですよね。住民自治の観点というか、難しい「新しい公」と言わんでも、そういう住民自治をどのように高めていくかというようなことも詰め切らないと、要するに供給側の論理で、役所同士が市町村と話しするだけになって住民が入ってないとか、そういうような、もっとここの内容の具体的な質問はしてませんけど、もっとそういうもののところとか、大きな森の話の中で具体的なそういうことをちゃんと示さないと、木の話だけしとってもいかんと私は思うんですけどね。

 最初ですものでちょっと確認したいんですけど。住民自治をもっと真剣に、団体自治とのそういうことを研究して、役割分担を決めて、今どういう状態になっているかということを分析することも大切じゃないですか。

○村林総合企画局長 先程のご質問のときに、以前は国は治安とか特定のものを担って、それ以外のものの大部分は住民自治が担っていった時期もあったというご指摘がありましたけど。まさに自治の原点のような形で、それを昔でいうと村々でしょうか、そこでかなりの部分を担ってきたということも過去にあったというのは、ご指摘のとおりかと思います。

 そういった自治の原点というのは、住民みずからが地域のことを考えてやっていく、そこで担い切れないものが、いわば行政あるいはもっと大きな、例えば基礎的な自治体、広域的な自治体で担っていくということが本来だと思いますが。ややもすると、おっしゃったように、行政の方が何でもサービスの中で組み込んできたということの反省みたいなところもあるんじゃないかなと思っております。

 そういう意味では、委員おっしゃるように、この住民自治の観点から詰めていくということと、「新しい時代の公」の推進と、かなり共通点が私もあると思いますので、そこを十分念頭に置いて考えていきたいと思っております。

○藤田委員 最後に聞かせてください。というのは、何でこんなことを始めるかというと。もう長く、今でも中央集権ですけど、地方分権推進法が通っても、区のことまで中央集権の仕組みができ上がっとんですよ。一番こういう、これから災害なんかが起こったときに、まさにそういうものを、例えば地震が起こったときに、極端に言えば、本当にひとり暮らしの人を確認するのは、その一番身近なところで確認しないと、なかなかそういう災害なんか起こったら大変ですよね。それとか、例えば大きな防災訓練をしても、確かに役割はあるんですけど、本当に初期消火で、消火器一つ使えたら、それは助かる場合もありますね、初動体制の中で。

 その一番を担っとる、今までの歴史の中で、そういう自治区とか、そういうものを─北川県政のときに確かにいろんな改革をしたんですけど。日本がちゃんとそういう歴史を持って、そういう仕組みがあった基本をもう一遍再認識して、それをやっぱりちゃんと組み入れるようなことをしていかないと。そんなんやったら、本当に今までそういう歴史の中で積み重ねていたものと、ころっと言葉だけで変えていくようなことをやっても意味がないと思うんですよ。例えば、仕組みなんかでも、そういう意味の仕組みを作っていくことは大賛成なんですけど、本当にちゃんとした現実に根差した、そういう「新しい公」というものを考えていくようなこともしていかないといけないと思うんですよ。

 イタリアなんかは、例えば地区協議会委員というのがございまして、議員じゃなくて、選挙で選ばれとるんですね。ここにも仕組みに書いてありましたね、何か住民が直接提案するようなとかというように、かなりそういう複雑、重層的な、一見面倒くさいように見えますけど、それはすごく地域社会が安全・安心をするための知恵がようけあります。

 そういうことを全部突き詰めると、今まで行政が全部囲い込んどったことを、どのように開放していくということにある程度、まず方向性として、かなりそういうことを開放していくんだというような大きな方向を示す、グランドデザインまでいきませんけど、例えば二重行政は全部なくしていくんだと、こういう三層性になっとる、そういうような大きな幸せというような大きな意味より、もう少しわかりやすい方向性を出して、こういう「新しい公」というものを考えていけば、県民も、こういうことを協働して、こうやったら、こういう元気な三重県ができてくるんだ、地域もそういうところに、住民がみずからも夜回りしたり、そういうことをして、自分らも自分らの身を守るんだと、そういうようなことを根づかすような何らかが結果として生まれてくるような、そういう意味の具体性があって、こういう「新しい時代の公」というものを、本当に真剣に地域の住んどる人たちのためになることになるような議論にしていかなければ、行政だけの話の、団体自治だけの、そういう今まで大きく肥大化したものを何とか領域を変えていくというような形だけになっては何の意味もないんかなと私は思いますので、それだけは申し上げたいと思いまして申し上げたんです。そういうことなんです。

○村林総合企画局長 今おっしゃった話、一つはこの地域というものを考えなきゃいけないということで、ようやく地域内分権などの議論も合併が進む中で出てきましたが、「新しい時代の公」というのは、地域をベースにしあわせプランでは書いております。ですから、コミュニティーの再生のような面があって、テーマ別のNPOだけじゃなくて、先程ご指摘ありましたが、やっぱり地域から考えていくということがベースになるんじゃないかなと、そのように認識をしておりますので、そこの住民自治というところはおっしゃるとおりかと私も思っております。

 それと、もう一つのご指摘は、多分先程のグランドデザインといったこととつながるのかなと思ってお聞きしていましたんですけども、新しい時代が目指すものというものを具体的にわかりやすく示すようにと、こういうご指摘かなと思ったんですが、確かにそういったことも必要かなと思いますけど、今すぐちょっとこういうことだとするのは、もう少し検討した上でないとあれですので、そういったご意見もよく。

○藤田委員 中身は優秀な人たちが詰めるんで、任せますんで、何のために「新しい公」を考えるかということを、明快にわかるように示していただきたいと思います。

 以上です。

○村林総合企画局長 そのように努力させていただきます。

○舟橋委員 協働のルールの提案のことで、どんなイメージで、その提案をしていくのかなと。ややもすれば、役所の論理で協働のルールを、マニュアルとか基準みたいなもので提案をしていくのかな、それだったら、これは問題なり失敗を起こさないかなというのを思ったんですけど。

 課題の中で、行政主体やとか相互理解不十分という言葉がありますけども、NPOが隆盛になってきて、NPO室とか県が作って、一応そこが窓口になって対応してきたけども、やっぱり県庁というところは必ず人事異動があって、せっかく人間関係ができたのに、かわってしまっていなくなったとか、おれとこは本当は金さえ出してもろたらええのに、しゃしゃり出てきてああだこうだと言うてたとか、いろんなそこらへんに相互理解の不十分なんかがあったりもすると思うんです。

 だから、受け皿となる協働のパートナーは、実は人さえ集めてくれたらええんだという場合もありますし、それから金さえ出してくれたらいいんだという場合もあるし、行政が持っているノウハウなり知恵を出してもらったらいんだと、いろんなパターンのリクエストがあろうかと思うんですよ。そうした中で、行政サイドで考えた協働のルールはこうですよと、ぽんと一律にルール化してしまったら、かえって協働していくに齟齬を生じてくる心配があるんじゃないかと思うんです。

 今、藤田委員が、行政の供給側の立場というよりも、受け手側の立場で考えていかなきゃならないよといったことは、この協働のルールを作るに当たっても十分考慮してもらわなければならない課題だと思うんですけど、そのへん協働のルールの提示についてどう考えてみえるのか。

○村林総合企画局長 ここに挙げましたのは、今現在の検討中のもので、県が入る場合はこういうことじゃないかなということなんですが、一方的に示すということじゃなくて、いろんなNPOの方とか、地域でご活躍の方々のご意見なんかも聞きながら、こういったものをまとめていくべきだなと思っております。

 それから、先程ご指摘のあった10ページの方ですが、県民同士の協働の場合にも必要なんじゃないかということについてもあるんですが、ここではそういったことも検討は進められているという認識ではありますが、ここで先程ご説明しました協働の指針というのは、一応県が入る場合にどういったルールであるべきかということを検討したいということで。それは一方的に示すというよりは、そういった実際に協働のパートナーとなる方々のご意見も聞きながらまとめていきたいと、そのように考えているところでございます。

○舟橋委員 出てきてから見せてもらう。

○前田委員長 よろしいですか。ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますか。

○田中委員 すみません、お願いします。

 今回、大きく3つ所管事項の調査でいただきました。先程の三谷委員の質問に対して関連させていただきたいと思うんですが。この3つのポイント、つまり「新しい公」なり、公的関与なり、PFIの取組みですか、この部分が見事に関連しているような気がしてならんわけでありまして、これを逆から一度見ていきたいなというようなことを思っております。

 PFIの取組みについて、これも随分昔から議論してきたこと。これは、果たして公的関与の部分で十分に吸収できるかというと、なかなかここにあるPFIの取組みについてと三重県が示した公的関与の中で整合性がとれない部分があるように思います。それを見てみると、さらに「新しい時代の公」がぼやけてくるんではないかと、このように思います。「新しい時代の公」と公的関与のその判断基準、PFI等の手法について、基本的な共通横ぐしがないとだめなように思うんですが、どうも言葉だけでも違うように思ってならないんです。

 そこで質問させていただきたいんですが、まず植田総括室長に、助役経験がおありになって、今のようなこういう「新しい公」についての議論が、果たして一番住民にとっての、直接的な市町村の職員となっていただいた経験の中で、本当にこういう議論を県民が聞いていて「おお、三重県は頑張っとる」というふうに評価できるものなんだろうかということが1点。

 また、大森総括室長にもお聞かせいただきたいんですが、少し以前に、三重県の最前線として、民間企業とさまざまな交渉の中で、三重県の労働力の確保、雇用の確保もしくは県土の発展のために企業誘致立地にお取組みいただいておりました。こういう議論がベースにあって、腹の中にあって、例えば三重県はこんなことをやっているんですが、企業立地に対して、とってもいいツールもしくは武器になるものなんだろうかということを思うんです。

 このあたり、お二人からそれぞれお聞かせいただけませんでしょうか。

○植田総括室長 2年間の市町村の経験の中からお答えさせていただきますと、市町村の場合でありますと、県からいいますと、補完性の原理の中で、住民にかかわることについては、すべて一応対応しなければならないという課題がございます。ですから、県のように、これが公に係るもの、国に係るもの、県に係るもの、市町村に係るものというような区分けはありますけれども。市町村レベルでいきますと、住民に係ることは、すべて第一義的には市町村の業務であるというようなとらえ方をしておりますし、また住民の方もそういうような意識で、第一義的には県の業務であっても、すべて市町村を通した中で問い合わせがくるという中では、市町村はすべての窓口にならなければならないというような状況でございます。ですから、これは市町村の業務ではありませんから、これは関係ないですよということは言えないような現状でございます。

 そういう中で、きれいに分かれるものと分かれないものがありますが、そのあたりは分かれないものであっても、一応市町村という最先端の行政の分野では、対応せざるを得ないような現状であったように思います。

○大森総括室長 非常に難しい、何時間やっても終わらんような答弁になってしまうかなと思いますけれども。まず民間企業を誘致する、雇用の創出をすると、これは表裏一体のものであると私は思ってますが。さて、民間企業の方から、行政がこういう議論をしておるという、まず議論というレベルからいくと、三重県に対するイメージといいますか、非常に先端的な議論をしているなと、中身はともかくですよ、というふうに思われるのではなかろうかと思います。

 さて、それじゃ企業から見たときに、三重県へそれじゃ行きたいなと思うかどうかということだろうと思うんですね。そのときに、行政が今までやっていたものを、民間企業のレベルに何が出てくるのかなと。出てくるものが受けられるものであれば、それは魅力ありますから検討の課題にはなると思いますね、企業から見たときに。だから、先程来出とるのが、「新しい公」というのはどんなものなのかというご議論の中で、私自身も実はまだはっきりと、どういうものが「新しい公」なのかという実像が見えてないんです。自分の中で模索しておりまして。

 だから、はっきりと今から我々が、企業誘致、雇用という観点に立てば、はっきりと魅力ある三重県として、こういう定性的な議論じゃなくて、具体的議論を今から展開して、県民、ましてや国民に見える形の「新しい三重県としての公」は、それはきっと三重県だけじゃなくて全国的に通用する話なんだろうと思うんですね。我々が先端的にやっとるとすれば、三重県だけ通用する「公」は絶対にないと。きっと全国に通用するものが「公」であって、藤田先生がおっしゃったとおり、それは三重県の小俣の地域の一つの小さな自治会だけじゃなくて、私の生まれた飯南町にとっても同じことでございまして、それは北海道、沖縄もみんな同じ共通のテーマになってくるのではなかろうかと思うんです。

 とすれば、誘致のところでは、やはり全然影響のない色になってしまうかなと。ほかの三重県としての魅力は何やと。「新しい公」の魅力というのは、全国共通のものではなかろうかと。ということは、企業誘致という観点に立てば、三重県のほかのポテンシャルを、テーマが誘致ということであれば、ほかのポテンシャルになるのではなかろうかというふうに思います。

 以上でございます。

○田中委員 村林さんと中尾さんにぜひともご理解いただきたいなと思うんですが、平成7年、95年に、時代の要請だったと思うんです、改革という言葉が。それをもとに、8年間、いろんな仕組みの見直しから、本当に瓦解していくことの方が多かった部分を、三重県行政も議会も一緒になって、それぞれベクトルが違ったりしてきましたけど、大きな方向性については一緒であったように思うんです。

 これ例えば、今の大森総括室長のお話をおかりするならば、企業誘致というのはあくまでも手段であって、目的は県内の雇用の確保なり、県土の発展なり、税収の増加につなげるということだと思うんです。そのために、今日的課題ですと、インセンティブを与えて、90億やるでシャープさん来へんかとか、土地の25%を出すで企業さん張りついてくれへんかとか、そういうこともあるんだろうと思います。それは、それに対する県内の経済効果を考えた中で、ここまでやったらぎりぎり辛抱できるという部分でご判断いただいてやっているということですから、目的と手段をやっぱり見きわめやんことにはいかんだろうと思います。

 植田総括室長のお話をおかりさせていただきましても、要は議論の構築よりも、実質的には、もう市町村が市民サービスの、行政サービスの窓口に常になっとるということを考えたときに、私たちは議論の構築をするのが目的じゃない。こんなものはちゃちゃっとやってしまって、いかに早く県民、市民に対してサービスが提供できるか。また、その不都合なことができてきたら、さらにそのバージョンアップ、バージョンアップを重ねて、ケーススタディーをしながら、よりいいところへグレードアップしていくという勇気を持っていただかんことには、なかなか頭でっかちの、手足がついてこんというふうな行政体になってしまわんか。改革ごっこで三重県はすごく痛手をこうむったと思いますから、「新しい公」ごっこにならんかということを随分と気にしておりますから、どうぞ勇気を持った「新しい公」作りに邁進していただきたいなと、こんなことを要望させていただきまして第1点目を終わらせていただきたいと思います。

○前田委員長 はい、ありがとうございます。ほかの委員、よろしゅうございますか。

 じゃ、私の方からもちょっとお願い申し上げたいと思います。

 田中委員の方からもご指摘いただきましたように、もうこの4定で示される。そして、来年度の県政運営の中では、県民にわかりやすく示される、提示されるという条件の中で、少し検討が、今も模索してみえるという部分もございましたが、おくれておるのではないかなと感じております。

 ぜひとも、そういった部分の中で、来年度の予算編成に向けた説明、昨日予算決算委員会の中でもございましたが、負担区分の適正化という中で、公的関与の判断基準は変わらない。ただ、これは理念であって、物差しの当て方が、今までの当て方では何ら変わらないのではないのかな。より時代に合った「新しい公」の物差しの当て方をしないことには、何ら今までと変わってこないのではないかと思いますので、まさに負担区分の適正化で書いていただいてあるとおりでございますので、ぜひともこれをどこまでやられるのか拝見したいなと思います。また、ここらへんの検討いただいた内容等、議論もさせていただければと思います。

 それと、竹上副委員長からもご質問が一昨日あったように、民営化及び外部委託化の拡大の部分についても、従来のガイドラインで検討していく。日本語的には積極的な導入に努めることということでございますので、やはり一緒の物差しを適用されても、物差しの当て方によって全然変わってくるのではないかなと。ぜひとも、ここらへんが来年度の予算編成に向いて検討されるという昨日の基本事項でございましたので、また、ここらへんの検討結果についても、これからの内容になろうかと思いますので、また論議もさせていただければと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 それじゃ、もうこれは要望で結構でございます。

  2) PFIの取組について〔総合企画局関係〕

○前田委員長 続きまして、2つ目のPFIの取組について、委員の皆様方、ご質問ございましたら、いかがでしょうか。

○三谷委員 一つだけ教えてもらいたいんだけど。導入可能性調査ということで、三重県の取組みが13年度、14年度と書いてあるんですが、ここに例の熊野の交流拠点施設が入ってないんですが、あれは導入可能性調査ではなしに、導入しようとして失敗したので、もうここに書いてないということなんですか。

○村林総合企画局長 ご指摘のものは、先程ご説明した総合企画局長通知以外で、これの適用ということじゃなくて、地域振興部としてPFI手法でやるべきじゃないかと判断して検討してきたけれども、そのPFIとしてはできなかったということですが。そういう意味で、ちょっと企画局からの資料ですので申し訳ないんですが、この通知に従った協議をもとに書かせていただいたので記載してないと。ちょっと縦割りで申し訳ないんですが、そういうことでお願いしたいと。

○三谷委員 その地振の物件なんで、これは総企の話なんで書かなかったというお話なんですが、あれこそここに書いていただいて、一番ええ見本やったと思うんですよ、この鈴鹿スポーツガーデンとか四日市南警察なんかの話より、GISのマップよりも、あれをやっぱりここにどんと出していただいて、いろいろ検討した結果、実際にあれは企業の公募までいっとるんですよね。それで、それに合ったところが来ていただけなかったということで中止した事例なんで。こういうきれいなやつだけここに出さずに、やっぱり県としては、一番みっともないかもわからんけども、あれをどんと出して、その中で課題を、その下にPFIを進める上での課題と、こう書いてあり、今後の取組まで書いてあるならば、やっぱりあれを出さんことには、このペーパーの意味がないと思いますが、いかがですか。

○村林総合企画局長 今後の検討を進める上では、ちょっと分析したいと思っておりますが、ちょっと企画局の中に十分なそういったデータがなかったということで、ご報告─すみません。これも縦割りとおしかりいただきそうですが、よく調べて、それも含めてPFIの今後のあり方については検討したいと思いますので。

○三谷委員 これは、やっぱり失敗事例も含めてPFIを議論するならば、そういうものも全部出していただくということは、やっぱり委員長の方からも要請しといてもらえませんか。

○前田委員長 ご指摘いただいたように、私もほかの案件で気になったところがあったもんで、何で載っていないんだという確認もさせてもらったんですが、30億で新規というところで整理をしたという部分がありまして。本来なら、やはり今、三谷委員のご指摘のとおり、すべて網羅した中で、三重県としてどう取り組んできたのかというのをこの場で論議すべきですね。

○藤田委員 今、三谷さんが言われたように、やっぱりそういうPFIという横文字に踊らされるというんじゃなくて。何のためにPFIをやっておるかというと、僕はやっぱり先程田中さんが言われたように、住民のサービスの質を高めていく、または、1円の税金の価値を高めていく、そういうことではないんかなと思っとる人間なんですよ。

 そうすると、何か横文字のPFIと言わんでも、本当にそういうサービスの質を高めていく、そういう2点を真剣に考えながらやれば、ここにBOTとかいろいろ書いてありますけど、本当にそういう理念に基づいたら、PFIというのは、少なくともそういうニーズのあるところでは、民間が多分お金を出すところが出てくると思うんですよ。特に、そういう民間の活力のあるところでは、そういうものが育ってくると思うんですけどね、私はそう思うんですよ。

 PFIというのは、先程三谷さんが言うたように、何らか三重県が住民の質を高めるためにどういうことをケーススタディーでやったことですか。例えば、行政を、市町村や県や国やという、市町村、三層になっていますわな。何らか、合併とか何かで箱物をやるようなチャンスがあったときに、ワンストップサービスを作って、そこに民間の資本を置いて、税金という今財政が厳しい中で、そういう将来の質、サービスを高めるためにPFIを導入していくんだというようなストーリーをちゃんと作って、そういうことを、ちゃんとやっぱり先手を打っていくようなことをしていかないかんのと違いますか、時代の流れにおいて。PFIでやることが目的じゃないんですよと私は思うんですが、どうですか。

○村林総合企画局長 私も、基本的に委員のおっしゃるように考えておりまして、今年で4年目になるんですが、総合企画局としての取組みを振り返ってみたんですが、やはり基本になるのは、そういったおっしゃる民間の力を、民間の得意なところをうまく入れてもらって、公共サービスの質を高めるというところに本質があるんだろうと。そこの視点が十分、目的、手段の関係になるんだと思いますが、そこのところが十分できてなかったところがあるのじゃないのかなというような、そういった印象をちょっと受けて、まだ私も4月から来て、勉強したところですので、そういった印象を受けております。

 そういう意味で、委員ご指摘のように、本来そういった民間の力を利用して、住民に対するサービスの質をどう高めていくのかという、そういう視点を入れながら、今後、我々として、企画局として、どう取組みがあるのかと、そういったことをちょっと検討したいと思います。その際には、多分おっしゃるように、PFIという形には余りこだわっても、今現在いろんな制約があって難しいと思いますので、そのPFIという形にこだわらないような形じゃないといけないんじゃないかなと、そのようにも思っております。

 以上です。

○藤田委員 今のご答弁のように、三重県型のPFIという表現もおかしいと思うんですよ。こういうエキスをうまく利用して、住民の質やサービスを高め、税金の1円の価値を高めていくということに意義があるんですよ。そんなんあったら何ぼでも、例えば30億円と縛ったのは何やというたら、それは誰が失敗したら、どこまで誰が責任とるんやというようなところまで、コンサルタントの量やお金も要りますし、相当1億や2億のことではできやんという発想になってくるんですよ。そうすると、30億以上しかPFIは考えられないという思考停止が起こるんですよ。

 だから、そういうんじゃなくて、そういう本当の本質論でやれば、本当にSPCという一つのPFIの中にいい考え方があるでしょう。何かそれ応用できるでしょうと私は思うんですよ。特別目的会社。そこなんか、官も入り、銀行も入り、そして公認会計士も入り、弁護士も入り、住民も入りということですよ。それで、そういうもので新しい本当の住民の幸せのため、活性化のためにやるという使命がそもそもないから、なかなかこんなPFIというものが机上の中で議論されておると思うんですよ。

 本当に県民のために、質やサービスやそういう税金の価値をやって、これだけ厳しい財政の中でやろうと思ったら、もっと先程三谷さんが言われたように、さまざまなことに三重県はトライしとったら、それを一遍こういう研究したというような、そういうプロセスをここに示すということは本当にごもっともやと思いますよ。何にもないですやん。そういう本質を忘れとるん違うかなと思うんやけどね、どうですか。

     (「異議なし」の声あり)

○村林総合企画局長 ご指摘のようなご意見、本当に真摯に受け止めて検討してまいりたいと思いますが。確かにどうも形にこだわったというところはあったんじゃないかと私も思いますので、そのへんはいろいろやはり課題があるなと。この委員会でPFIというのを課題として取り上げていただいて、ご報告するためにいろいろ私も勉強させていただいたんですが、やはりいろんな課題があるなというのはすごく実感いたしました。

 それで、先程ご指摘があったように、紀南の交流拠点施設という一つの例もございますし、私どもでもでいくつか協議をしてきて、各部局とやってきたものもありますので、そういったものを、もう一度ご意見を真摯に受け止めて、そういった研究をし直して、どういったやり方が本当の意味でPFIの精神を生かしてサービスの向上につながるのかといったことを、一度、私たちもちょっと検討させていただきたいと思います。

○藤田委員 そのように前向きにとらえていただけてありがたいと思います。本当に僕はそのへんをやれば、いろいろと住民のそういう、何か夢になってきたり、あるいは民間も、それに行政みずから参画しようというものが、逆にいい意味でインセンティブを与えることになってくると思うんですよ。そういう角度をやっぱり大事にしないと、本当に私どもも、このPFIというものをイギリスに行って勉強してきましたけど、イギリスでやっとるPFIと日本のPFIが違うのは当たり前であって、やっぱりそういう本当の本質論を自分らで、みずから自分らの頭と地域の皆さん方の幸せのために使うという精神をやっぱり入れていただくことが、答えが出てくるのかなと思っておりますので、どうぞひとつよろしくお願いしたいと思います。

 以上です。

○前田委員長 ほかにいかがでしょうか。

○岩田委員 PFIと直接・・・ですけれども、今話を聞いとって一つ思ったんですが、今度、科学技術センターの中の畜産試験場が大きく変えられるということで、考えられておるように思うんですけども。まさにあれこそ研究のための研究でおさまってはいかんので、直接実効力があって、地域の皆さんと一緒にやっていけるというところから考えれば、こういった方式を今こそとらえていって、その中に仕組みとして入れていったらどうかなと思うんですが、そのへんのことはどうですか。

○村林総合企画局長 畜産研究部につきましては、今ちょっと藤田委員のご指摘があった狭義のPFIなんですが、PFIができないかということで検討したんですが、いわゆるコストが、PFIをすることによって余りコスト減ができないということで、従来方式でやらざるを得ないかということなんですが。多分岩田委員のご指摘は、そういった建てかえとかによって、より住民の方々とか、そういったこと等に、より有効に使うようにというご指摘だと思いますので。その狭義の意味のPFIはちょっとできないようなんですが、そういった施設の建てかえを有効にできるようにということは、ちょっと科学技術振興センターの方が今取り組んでいますが、一緒にちょっと考えてみたいなと思っております。

○岩田委員 今、先端技術で、いろいろと技術センターでやっていただいてるんですけども。畜産のところにしてもしかり、この間、細胞をとって牛のいい肉を作ったと。ただ、あれも皆さんが入って一緒になってやっておれば、皆さんの中に一遍食べてみようということが起こってこようと思うんですけど、今の制度の中ではそれはできないということで、皆さんにも試食はしていただけないというようなことになると思います。

 それが、皆さんと一緒になって協働でやっておれば、よしそれならということで、すぐに皆さんに広がっていって、この方法がいいんじゃないかというようなことにつながって、実効力のある、実態にマッチしたことにすぐにいくと思うんですけども、そのへんのことも考えていただきたいなというふうに思います。

○村林総合企画局長 科学技術振興センターの方によく伝えて、一緒に考えたいと思います。

○前田委員長 他にいかがでしょうか。よろしゅうございますか。

 ありがとうございました。PFIについては、ちょっと資料不備の点もありまして申し訳ございませんでした。非常に取組みなり姿勢というのがおくれておるなというのを、今日は論議させていただければという思いもございましたので、また検討いただき、タイミングが合うものならば、今年度の特別委員会の中で、再度論議をさせていただければと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 以上で調査項目については終了させていただきたいと思います。

 当局の皆様にはご苦労さまでした。

 委員以外の方は退席をお願いしたいと思います。

 委員の方はご協議いただきたいことがございますので、そのままもうしばらくお待ちいただきたいと思います。

2.委員協議

  ・ 県外調査について

11月4日(木)5日(金)に実施し、調査先は三重県大阪事務所・大阪府・神戸市と決定
 

 〔閉会の宣言〕
 

以上、会議の要綱を記し、ここに押印する。      

平成16年10月13日               

行政のあり方調査特別委員長 前田 剛志     


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