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平成16年11月 4日 観光・文化調査特別委員会 会議録


観光・文化調査特別委員会

会 議 録

 

開催年月日   平成16年11月4日(木)  13:02 ~ 15:16

開催場所   第601委員会室

出席委員   9名

委員長 山本    勝 君
副委員長 舘    直人 君
委員 末松 則子 君
委員 中森 博文 君
委員 松田 直久 君
委員 田中 俊行 君
委員 木田 久主一 君
委員 田中    博 君
委員 中村 進一 君


欠席委員   なし

出席説明員

〔生 活 部〕

生活部長 宮村 由久 君

人権・男女共同参画・文化分野総括室長 安田   正 君

芭蕉さん・秘蔵のくにプロジェクト総括推進監 木戸   博 君

文 化 振 興 室 長 竹内   望 君

文 化 振 興 室 副 参 事  吉村 利男 君

文化の拠点づくり特命監 杉野 徹 君

                             その他関係職員 

傍聴議員          0 名

県政記者クラブ加入記者   2 名

傍聴者           1 名

議題又は協議事項

 1.所管事項の調査

  (1)平成17年度当初予算編成に向けての基本的な考え方について

  (2)平成17年度重点プログラムの基本的な考え方について

  (3)「生誕360年 芭蕉さんがゆく 秘蔵のくに 伊賀の蔵びらき」事業について

  (4)三重県総合文化センターについて

  (5)文化戦略の検討について

  (6)その他の主要な文化事業について

 2.委員協議

  (1)次回委員会の調査事項について
 

【会議の経過とその結果】
 

 〔開会の宣言〕
 

 1 所管事項の調査

  (1)当局から資料に基づき説明(宮村部長、木戸総括推進監、安田総括室長)

  (2)質疑・応答

○山本委員長 それでは、ご質問がありましたら各委員の皆様方、お願いします。

○中森委員 生誕360年 芭蕉さんがゆく蔵びらき事業につきまして、いろいろと取組ありがとうございます。

 伊賀の一人として、いろいろと一番気になるところでございます。観光文化の中でも、今年の県の事業の中で非常に重点的に取り組んでいただいているということで、非常にありがたく思っているところでございます。

 その中でも、協働のあり方について、実践的に新しい協働の仕組みづくりが、今実践されているというふうに伺っているのですけれども、このほぼ終盤を迎えて、それぞれのイベントは成功しているものもあったり、もうちょっとというところもある。これは、いたし方ない部分があったりするのですけれども、仕組みづくり、協働のあり方については伊賀びと委員会でなされながら、これがどういう評価を持たれているかなというのが、ちょっと気になるところでございまして、こういうひとつの手法が、今後県内でいろいろ新しい協働のあり方をつくっていくときに、時には今知事がおっしゃる「新しい時代の公」という、そういうフレーズにも大きく関連するのではないかと思うのです。

 実践された評価を、それを生かしていただきたいなというふうに思うところでございまして、現在のところ終わっておりませんけれども、この仕組みづくり、協働のあり方についての実践についてどういう評価を持たれているのか、今の段階でおわかりでしたらお聞きしたいなと思うのが1点です。

 それから、もう一つ蔵びらき事業そのものにつきましては、非常に2割増とか、いろいろな観光客が増えたり、注目も浴びて非常に評価も高まっていることも聞いておりますし、全国的にも俳句であったりファッションであったり風土であったり、いろいろな部門部門で、非常に全国からの関心が高まっていることも数字からもはっきりするのですが、私が気になるのは伊賀地域と圏外の、伊賀地域外の方々との交流については、まだまだ十分ではないのではないかというふうに思っているのですけれども、これについて、集客の中身の分析はどうされているのかちょっとわかりませんけれども、県の評価ですね。これもあれば、お聞きしておきたいなと。今後の伊賀地域と県内との関係の取組にも関連しますので、お聞きしておきたいなと。まず、この2つだけお願いします。

○宮村部長 協働のあり方について、1点ご質問をいただきました。

 私どもは、先程申し上げました2004の実行委員会を、スタートを2年半前にしておりまして、そのときに、官とともに民の方もお入りをいただいた組織を作ってスタートしました。伊賀の精神とか伊賀のスタイルを確立しようということでスタートしておりますので、共通の思いでこういった新しい官と民の取組を進めていこうという思いは、皆さん共有して今日まで至っておると思っております。

 まだ、11月21日まで残された期間、まずイベントの成功に向けて頑張っておるところでございますけれども、こういった取組について、実行委員会の皆さん方も次へつなげていかなきゃいかんという思いは十分お持ちでございまして、私ども県としましても、そういったことについて支援できるところはやってまいりたいと思っていますし、基本的には生活創造圏の事業からこういった事業も進んできたところでございますし、地元の市とも連携をとりながらサポートをしていければと思っておるところでございます。

 先程委員もおっしゃられました「新しい時代の公」の、まさにこの事業というのは、実験的な事業にも当たるのではないかなと。先程の2004の実行委員会の下に130の事業をこなす。また、民間の方にもお入りいただいた実行委員会というのをお作りいただいて、そういう意味では市民の方もかなりの方がご参加をいただいています。これは、単に伊賀地区の方だけでなく、遠く県内の津市の方とか伊勢の方などにもお入りいただいて実際にやっていただく。そういう意味では、伊賀だけじゃなしに、ある程度の広がりというのも出てきておるのではなかろうかと思っています。

 それと、評価といたしまして、130の事業を展開していきますのに、やはり市民の方と行政の思いがなかなか共有しにくいところがございまして、行政につきましては、やはりスケジュールどおりとか予算どおりとか、そういうことをついつい頭の中に描いて、物事をせっかちに進めようとするのですが、住民の方は、そこらあたりがちょっと行政とは発想も違うということで、個々の事業についてのいろいろなトラブルもございまして、これはいい経験だろうと思っていまして、まさに、それは次へつながっていけばいいなと思っています。

 まだ、事業は進捗中でございますので、細かい評価は行ってございませんけれども、終わりましたら直接的な効果とか、あるいは、こういった取組の仕組みについての検証などもやってまいりたいと思っていますし、冒頭私が申し上げましたように、来年に向けてこの伊賀のスタイルが次につながるように、県としてのサポートもやってまいりたいと思っております。

 それから、伊賀圏域外あるいは県外で、若干認知度が低いのではないかというお話、私どもも、その点はちょっと思っておりまして、特にいろいろなイベントをマスコミ等にお流しをいたしまして、伊賀地域では取り上げていただくことが非常に多いのですが、こちらの方にまいりますと、(新聞の)北勢版などには、大きなイベント等については結構お出しをいただいておるのですけれども、そういう意味での浸透度は、ちょっと問題があるのかなと思っています。

 先程申し上げました評価についても、終わりましたら、行っていくことにしておりまして、その中で伊賀圏内と圏域外、それから三重県内外とか、イベント途中にも集計等してございますが、そういったものを使って、一回評価もしてみたいと思っております。

 以上でございます。

○中森委員 ありがとうございます。

 県当局の評価は大体察するところなのですけれども、私どもが感ずるところを少し述べさせていただいて、参考にしていただけたらと思うのですが、1つは協働の仕組み・あり方・運営方法などは、細かい点は別として、実践的に行われました。例えば、行灯づくりの例でいきますと、行政は、例えば、区長さんを通じてとか、何か委員会をつくって組織で決定をしないと、その行灯の設置ができるとかできないとか。行灯の経費については、トータルで誰かが決めて、その経費を分担するとか、公平公正にしなくてはいけないとか、どこへ発注するにしてもやはり手続が要るとか、こういうことが先走りまして、なかなか協力、理解をしにくい住民の方が多かったと伺っておりまして、そうこうしているうちに、(行灯展示を)したいという家が2軒か3軒が実際にあらわれまして、「ならまち」の通りを見てきた人とか、どこそこの町であったねということで、3軒ぐらいがまずやって、「うちもしたいわ、いくらかかって、どこでしたの。」という感じで、どんどんこれが広がりまして、相当数の行灯が今展開されています。

 これが、行政がやるとできにくいし、民間でやると早いという、こういう点とあわせますと、まちづくり、町並みを揃えないかんというような感じで無理やり条例化したり、いろいろな制度は各地域でやったりしていますが、民間の借り上げでも、まず1軒ポイント的に借り上げて、そこを少し修復することによって、じゃあ、うちもこうしたいなというような、こういうようなやり方で、点を数多くつくれば線になるかなというふうな感じで、暖簾もそうです。

 そんなことで、やはり民間の方をテーマだけ決めて放っておくと、勝手に広がっていきます。人間というのは、伊賀の人か名張の人かわかりませんけれども、ひがみ根性というのがありまして、あそこええなと、どんどん広がっていく。例えば、クリスマスのイルミネーションなどは、そうです。名張の団地というと、イルミネーションが、クリスマスになると、通り一円に100メートルも200メートルも、20軒も30軒も連続したイルミネーションになっています。これは、別に神戸の何とかじゃないですけれども、勝手に、2、3軒がやって、それが5軒、6軒になって、うちだけしていないと格好悪いということでイルミネーションがつながるとか、こんな実例もあるというのが1つの例かなと思いますし、この協働のあり方、仕組みづくりのひとつの考え方の実践であると、そんな気がしましたので、今後ともお願いしたいと思います。

 逆に苦情を1つ、せっかく、そうやって行灯を置くと、その置く場所が県道です。県道の場合、許認可の問題とかありましたが、許認可ぐらいならば、重大な問題ではないのですけれども、別に占用とかいう大きな問題はないですから、しかし、残念ながらこの県道の整備のときに、歩道に車をとめたらあかんということで側線をつけて色を塗ったのですね。車をとめないという啓発のための道路管理上の問題としてやっていただいたのですけれども、それを水色で塗ったのですね。エメラルドグリーンでずっと歩道を。行灯を置いて、雰囲気づくりをずっとやっているのに、シックなミステリアスな通りを醸し出しているにもかかわらず、暖簾をつくって雰囲気よくし、「ひやわい」をつくっていこうかというときに、歩道がエメラルドグリーンになってしまう。

 これは、所管が違うけれども、非常に残念な結果になっているということで、いろいろと苦情を聞いたので、これは、今は下塗りやと私は言っています。また、時期が来て上塗りするのと違いますかというふうに私は言っていますけども、こんな結果が現状としてありますので、今後これについては対応していかなくてはいけないなという気がしましたので、ぼやいてみたり、いろいろと言ったりしましたけれども、そんなことが現状でございます。

 最後にちょっとPRだけさせてください。

 江戸川乱歩ですな。いよいよ終盤を迎えまして、この皆様方にもご案内のとおり、こういうの(資料提示)は、案外、配られてもなかなか見ていただいていない部分があるのですけれども、11月13日には怪人二十面相という、いよいよ演劇が、市長と北川県議と私と3人で出演するということで、そんなことでPRさせていただきながら、こういうのも、やはりごく一部しか出回ってないのですけれども、もっともっと我々も言うだけではあかんと。あれしたらええ、これしたらええと言っているだけではあかんので、市長も含めて参加しようやないかと。芝居にも出て、市民のために、またいろいろな伊賀の地域の人に私が出るから見にきてやと、こんな話で直接的に啓発していくのも1つの方法なのですけれども、県の皆様方におかれましても、どんどんPRをしていただきたいなというのが、(私の)お願いでございますのでよろしくお願いします。

○宮村部長 中森委員には、13日、ひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。私どももPRも、21日まで、今度は名張を舞台に、さまざまな取組を行いますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。

 私どもも、単に伊賀地域だけでなく、中京圏とかこういった方にもPRをしていこうということで、いろいろな展開をしてきておるところでございます。

 それから、先程ございました評価につきましては、この130の事業それぞれについての評価を、まず出してみたいと思っていますし、もう一つは、大きな評価として、その仕組みがどう機能して、どういう課題があって、それはどう今後展開していくかというようなことを、これを十分検証していかないと次へつながらないだろうと思っていまして、11月21日が終わりましたら、そういったことについて最後の検証をして次へつなげてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 そんな中で、先程先生がおっしゃられました道路の関係についても、まさにこれは地元と生活部だけじゃございません。オール県(庁)で取り組んでおることでございます。そういった評価もしつつ、次へつなげていければなと思っております。

○中森委員 はい、ありがとうございました。

 そういうことで、道路の件は所管が違いますので、お話もそうやって広げてもらわないと、地元の方が満足しているということではないので、よろしくお願いしておきたいと思います。

 あと、赤目ヨンジュウハッタキとおっしゃりましたけれども、シジュウハッタキですので、赤目は。

 芝居に出てくるときは、題名はシジュウヤタキですわ。一般名はシジュウハッタキですので、よろしくお願いいたします。

 以上です。

○山本委員長 ご忠告、ありがとうございました。ほかにございましたら。

○中村委員 いろいろ詳しく説明をいただいたのですけれども、まだわかってないところもございますので、少し教えてください。

 やはり、私どもちょっと離れていますものですから、多分、南勢地域では伊賀で何が行われているか何も知らんと思うのです。

 私らは、こちらへ来ると封筒がいつも配られて、今のも見てないのですけれども、何かたびたび封筒が来るので、あれ開けるといろいろなことがわかると思うのですけれども、なかなかよう読んでないんで、私らがそんな調子ですから、三重県のほとんど伊賀以外のところは余り行き届いてないんじゃないかなという感じがします。

 そこで、今回のこのイベントというのは、観光を目的にしたのか、あるいは地域の文化を売り出そうとしたのか、それとも、地域おこしをしようとしたのか、ちょっとわかりにくいですね。これから分析ということですが、分析するようなことかどうかちょっとわかりませんけれども、そのへん、私は県費をかなり投入して、地域の皆さん方にもたくさん参加していただいて長期間のイベントをやったと。三重県下のいろいろなところも、今やはり地域おこしでそれぞれに同じようなことも期間は短いですけれども、いろいろなことを季節に応じてイベントをやり、ご努力をいただいておりますよね。東紀州は東紀州でいろいろなことをやっていますし、志摩半島は志摩半島でそれぞれがいろいろなことをやっていますし、津は津でやっていると思うのですけれども、そういったいろいろなところがいろいろなことをやっている中で、一体、この芭蕉さんのイベントというのは何であったのかというのは、もう少しくっきりとご説明いただきたいと思いますし、これをやったということで、1つのこういうモデル、三重県の中の観光なら観光戦略でこういうモデルケースになりましたよと。これはまた、別の地域でこういう形で毎年やっていくような内容なのかどうなのか、そういったところも、きちっと県民に明らかにしていただきたいなという感じがいたします。

 これだけの期間、たくさんの住民の皆さんが、実行委員会をつくって動けば、その期間はお客さんも観光客も来るだろうし、しかし、これが終わって来年になれば、多分普通ならば何も残らないと思いますし、まつり博が9年前でしたかね、総力的に取り組んで、ものすごい人も来まして、何百万人と来て、今どうなっているかというと、ほとんど何もない状態に私はなっているような気がするのですが、そんな過去の状況等も比較分析もしていただいた上で、少し今の状況ですね。考え方をお聞かせいただきたいと思います。

○宮村部長 観光をねらいにしたイベントか、あるいは地域おこしというか、ということでお尋ねがございましたけれども、もちろんこの観光ということについて、私どもは否定してきたわけではございませんけれども、やはり、今回のイベントを前面に押し立てましたのは、先程来申し上げておりますように、地元の方と協働して、松尾芭蕉生誕360年というシーズを生かして、地域に光を当てて、地域おこしをしていこうと、そういう新しい取組のスタイルを確立していこうというのが、このイベントの大きな目的ではないかと私どもは思っています。

 そういった意味では、一定の評価というのはできてくるのではないかと思っていますけれども、ただおっしゃるように、かつてのまつり博なり東紀州フェスタと同様のそういう危惧というのは、当然私どもももってございまして、この事業が今年終わって、もう来年からは全く火が消えたというような形になってはいけませんので、そういう意味での次へつなげるものを、この評価をする中で十分やってまいりたいと思っております。

 今回新しい取組として出てきました市民の方々との協働の仕組み、たくさんの方がご参加いただいて、自由闊達にイベントを展開していただきました。そういう「たまり場的なもの」を作って、(今後の事業は展開を)していかないといかんだろうなと思います。

 この130の事業というのは、この半年間のうちの4つの大規模なイベントは、かなり大々的に行われたのですけれども、それ以外の大半の事業は、市民の方々がみずから企画してされたものですから、非常に泥臭いというと、語弊があるかもわかりませんが、そういう事業が多くございまして、そういう意味では、その中から地域の資源を生かした、先程の「ベニバナ」を生かしてやっていくようなとか、あるいは、行灯を自分たちでつくってやっていこうとか、そういう取組というのが残ってきていますので、そういったものを引き続き行っていただくことによって、地域の協働のスタイルがより確立されていくのではないかなと。そういったものができていけば、私はこの事業が成功だったというふうに言えるのではないかなと思っています。

 なお、観光につきましても、私どもは、否定しておりません。先程申し上げましたように、この半年で多いところ、芭蕉関連施設などでは4割、伊賀市や赤目では2割ぐらい増えておるということですけれども、そういった意味でのこの半年間は、観光客の増加に、つながったのではないかと思っています。

 以上でございます。

○中村委員 申し上げたかったのは、これから、観光にしてもリピーターの方がかなり増えるようなものを残し得たのかどうなのか。

 それから、今回のイベントが、これから県内で、モデルとしていろいろなところでやっていく、そういう種類のものであるのかどうなのか。たまたま芭蕉さんが生誕360年ということであったからここでやっただけで、あとそういったものは考えていないのかどうなのか、そのへんも含めてお願いします。

○宮村部長 現在のところ、そういった今後やっていこうというテーブルに乗ったものはございません。ただ、一昨年ですか。松阪では本居宣長のそういうイベントも行われましたし、今回の芭蕉とか、そういったことについて、やはり地域で持っておるそういった「お宝」といいますか、そういうシーズを活用していくということは、これからも必要なのではないかと。

 そのときに、県がどういうかかわりを持っていくかということについては、それはまた今後のことになりますけれども、私どもとしては、今回の取組もそうでしたけれども、地元の方が主体で取り組まれたと、こういうスタイルのものは、これからも各地で展開していっていただければという希望は持っております。

○中村委員 三重県全体で、今いろいろなことが行われているのは、ほとんど住民の皆さんとの協働で、規模は小さいですけれども行われているのが圧倒的に増えてきているというふうに思いますし、それは育っているのではないかなというふうに思います。ここ(伊賀地域)だけでなくね。

 ですから、私としては、せっかくこうやって行っていただいたのですから、今後、分析する場があるということですので、1つのモデル的な形を、外から見て、こういうやり方をやればもっと光るのかなというようなものを、作り上げていただければありがたいなというふうに思います。

 それからもう1点、指定管理者制度のところでちょっと教えていただきたい。考え方を聞かせていただきたいと思います。

 これは、文化戦略ということが幾つか述べられておりますけれども、指定管理者制度になって、会館を管理運営するところが主体として、三重県の(文化戦略の)中心的な施設ですから、ここで文化戦略をいろいろと中心になって、現場から発想していくような状況がこれから生まれてくるのか、それとも県庁の中でも、いろいろ考え方を持っておられるようでありますけれども、そのあたりとの関連、県の方が、三重県として三重県全体としてこんな文化戦略を持っているんだと、どうなんですかということでいくのか、あるいは、こうやって完全に経営等も、お任せという形になったわけなので、あるいは運営するということは、それぞれそういった指定管理者の文化度に三重県の文化の流れというものが、かなり左右されていく、そんな状況になっていくのか、ちょっとそのあたりを聞かせてください。

○宮村部長 総合文化センター、ご案内のように図書館を含めまして男女共同参画センターとか生涯学習とか文化会館とか、複合施設でございますけれども、先程申し上げましたこの複合機能を、あそこは「do」、実施をするセクションだと、私どもは位置づけてございます。

 従来は、それが県からの委託料で賄えておりましたから、語弊があるかわかりませんが、県の思いといいますか、県の方向によって、まさに(事業が)実施されたわけでございますけれども、この10月1日からはそういう委託ではなくて、委任という言葉を使いますけれども、非常に自由度の高まった形で指定管理者が運営をしていけることになりました。

 そういう意味では、県の指図といいますか、そういう指揮命令というのがかなり薄まった形になりますので、これからはその「do」、実施することについての総合文化センターの自由裁量の余地が非常に広まったというふうに、私どもとしては位置づけてございます。

 文化政策、文化戦略を策定するというのは、こういう総合文化センターのいわゆる「do」だけでなく、県庁のあらゆる部局で、そういう施策について、文化戦略を練っていこうということになりますので、それを総合文化センターの中で担当するのは、非常に無理があろうかと思っておりまして、現在のところは生活部の中で、そういう文化政策、文化戦略を策定する部分につきましては、やっていくことになっております。

○中村委員 例えば、総文などは、演奏会にしても演劇にしても、いろいろなことが普段行われていますけれども、ああいった中身をどういう傾向のものにするのかとか、そういったことを選ぶのは、これは、どこがやるわけですか。この中の管理者ですか。

○宮村部長 指定管理者でございます。現在でいきますと、文化振興事業団が、そういう催し物の企画を行うことになります。

○中村委員 そうすると、図書館がありますよね。図書館の本を選んだり、選んでというか傾向とか、図書館の雰囲気といいますか、どういったところに力を入れるかとか、そういった部分はどうなってくるのですか。

○宮村部長 私言葉が足らなかったのでございますけれども、図書館につきましては、現在、これは図書館法で県立施設でございますので、そういう意味では、図書館の蔵書とか、そういう本の購入というのは教育委員会です。図書館という県立施設で選んでおるということになります。図書館の建物の管理だけは、一括して文化振興事業団が指定管理の中で管理をしていくことになっています。

○中村委員 そうすると、この文化振興事業団の役割というのは、全体の経営といいますか、使用料とか、いろいろなものに影響してくると思うのですけれども、イベント等の中身といったところにかなり影響が出てくるというか、今まで以上に影響が出てくるということになるのですか。

○宮村部長 今までは、極端な話、赤字が出れば県が面倒を見るということになっていました。委託料の範囲でやっておりましたけれど、これからは指定管理者ですから、まさに自己責任でやっていただくことになります。その中身の催し物についても、自分ところのノウハウというか、企画立案をし、成功すればその分の儲けというのも指定管理者がとることができます。従来ですと、儲けても県へ返していたわけですけれども、これからは儲ければ指定管理者の儲けになりますし、反面、失敗すれば指定管理者がかぶるというような、そういう形になってまいります。

 たまたま、現在は文化振興事業団が指定管理者に指定をされていますが、今後これには民間の株式会社等も参入が可能になっておりますので、そういう意味では、すべて自己責任でやっていただくというパターンになってまいります。

○中村委員 それはわかるのですけれども、体育館とか、いろいろな運営と一緒ですよね。そのへんと、三重県の文化を上げていくといいますか、質を高めていくというか、そういった部分というのは行政といいますか、県民の税金を使っている県として、今までそれなりに責任を持ってやってきたわけですけれども、そのへんの考え方というのはどうなのですか。

○宮村部長 それこそ民間的経営で、安かろう、悪かろうということに陥っては困りますから、私どもの県がつくった施設で文化について寄与してもらう施設というのが総合文化センターでございます。

 そういった意味では、指定管理者制を導入しますときに、指定管理者と協定を結ぶ形になります。その中で県の総合文化センターに対する思いといいますか、文化の方向性というのは、その中で取り交わすことになっておりますので、それを逸脱をした形で、指定管理者が運営をしていくことになれば、県はそのときにはものを言えるような形でやっておりますので、そういう意味では、県と指定管理者であるものとの方向は一緒の方向を向いておると、私どもとしては理解しています。

○中村委員 そうすると、(総合文化センターで)取り上げるいろいろな内容等々をチェックする、そういう市民代表的な、県民代表的なそういった機関等もあるのですか。

○杉野特命監 文化振興事業団の中では、文化会館の運営協議会とか、あるいは男女共同参画センターであれば、そういうものを運営協議会がやります。

 その中には、県民とか指揮者とか、そういうものが入って、トータル数でいくと、例えば文化会館の運営協議会だと、延べになりますが60名ぐらいで、いろいろ検討して企画をしていくという形になっております。

○中村委員 最後ですが、やはり指定管理者制度になってしまうと、先程からちょっと心配なんですが、経営とかですね、そういったところがかなり締め付けられると、どうしても幅も狭くなっていくような気もいたしますので、県としてのきちっとしたこの文化戦略を検討するということになりますが、このへんとの連携といいますか、逸脱しない形でのやり方というのを詰めていく必要があろうかと思います。

○宮村部長 当然、県の施策と相反するようなことは許されることでもございませんし、今回、県の方で今後、後に続いてまいります指定管理者制を導入する施設というのは、たくさんございますけれども、まず最初の私どもで、指定管理者ということもございまして、指定管理者には酷なところもあるのですけれども、四半期ごとに業務の運営状況を県へ報告をさせるとか、そういったことも取組の中でやっておりまして、ご指摘のようなことは、私どもとしても慎重に対応してまいりたいと思っております。

○中村委員 ありがとうございました。終わります。

○田中(博)委員 ちょっと教えてください。

 報告いただいた中では、県史編纂事業の中に、公文書等の保存・利用ということで、選別作業、保存、収集、閲覧利用に対応していく必要がありますと、こういうふうに書かれていまして、大切なことだと思います。

 それとあわせて、いろいろ遺跡が発見をされますと埋蔵物というのが出てまいります。もっと言えば、化石なんかもそうですが、いろいろな郷土の歴史といいますか文化といいますかそんなものを、古いものですと、例えば空調の効いた温度管理をしたところで、きっちり選別作業をして保管をしていく、こういうことが必要だろうというふうに思うのです。

 私は、文化から縁遠いところで生活しておりますが、民間でそういうものを保存されてる方もおるのですが、これからの地震だとかいろいろ考えると、また量も考えると、とても個人じゃ面倒見きれないので、保存してくれるのなら、県の方に寄贈もしたいと、だけど、どうも受け入れ体制ができておらんのじゃないかと、こういう話を聞くのですが、これは市町村も含めて、企業とか、個人の方もおられるんでしょうが、公共の方、三重県でそうした保存をしていく、選別をしていく、あるいは必要によっては、文書であれば県民の方に見てもらうための閲覧(制度)、そういうところが非常に弱いのではないかという気がするのですが、実質レベル的にどうでしょうか。余り来年度の予算編成の中にも、そういうものを充実していこうというのが見かけられないのですが、その必要はないのか。そのへんちょっとよくわからないので状況を教えてください。

○宮村部長 公文書が毎年膨大な数で出てくる中に、非常に貴重なものもあるわけでございまして、そういったものを保存していくとか、あるいは活用していくということは非常に重要なことだろうと思っていまして、ただ、状態はどうかというと、非常に厳しい状態ということも認めざるを得ないと思います。

 現状は、旧の看護短大の跡地で、あのビルの中で、出てまいります公文書等を必要なものと必要でないものとに選別をして、必要なものをあそこで保存しておりますけれども、空調設備というのもございません。そういった意味では、非常に厳しい状況だと思っていまして、何とか改善ができればと思っております。

 かつては、公文書館という構想もあったわけでありますけれども、現在のところは、箱物抑制等の中で、そういうことも俎上には上ってきておりませんけれども、今、私どもとして考えておりますのは、そういう保存状況をよくするためにということで、恐らく市町村合併が進んでまいりますと、県民局の庁舎等も空き部屋なども出てくるのではないかと、そういった中でこういう保存施設を何とか整備をしていければなと、問題意識を持っておるところでございます。

 それから、こういう貴重な資料を保存とともに活用していくということも必要でございまして、それについては非常に難しい難解なものを、そのままではなかなか親しみにくいわけでございますから、かみ砕いてというか、わかりやすくしていくというようなことも、これから努力をしてまいりたいと思っております。 以上でございます。

○田中(博)委員 各県のレベルは、似たようなものですか。わかりませんか。

○吉村副参事 各県の状況といいますか、公文書館が既に置かれているところはたくさんございます。ただ、最近の傾向としては財政の状況もございますので、旧庁舎を使った公文書館が二、三開館しており、ただ、今すぐ公文書館というわけではございませんので、文書等にとりまして一番困るのは日光でして、とりあえず私どもの重点プログラムの中で、環境づくり事業といたしまして、ともかくその太陽が当たらないように、そういう遮断工事みたいなものを、今とりあえず来年度予算では、一応考えてはいます。

 ただ、その場所をどこにするかとか、どの場所を使って公文書等を保存していくかということがまだ決まっておりませんが、そういうことで今予算としては、そういうふうなものを計上要求しておるところです。

 もう一つ、各民間の方がお持ちの古文書だとか、そういったものにつきましては、入れる場所もないのですが、かなりまとまっていただけるというものであれば、一応県史編纂の事業に参考資料としてお預かりをするなり、寄贈を受け入れる、寄附採納で受け入れるという方法も考えております。

 ただ、民具とかそういったものについては、博物館等と協議をしていく必要があろうかと思いますが、文書につきましてはそういうふうな形で考えております。以上です。

○田中(博)委員 今、いろいろな古文書を含めた書類の話、絵図の話ですけども、しっかり保存できる形でやはり対応していってほしいです。先程言いました民具とか、それから、いろいろな埋蔵品とかは、すごい量を、恐らく民間の方が持ってみえるでしょうし、県もたくさん保有されていると思うのですが、そのへんは、教育委員会に言わないといけないのか、どうか知りませんけれども、あまり状態はよくないような話を聞いていますので、せっかく貴重なものがあるのですから、そういうものを、我々が三重県の歴史を知る、文化を知る、そのための資料として活用するのもいいですし、そのことを踏まえれば、三重県にお客さんを呼べるというんですか、そういうところまでを考えると、やはり基本的なところの、これは文化のインフラと言ったらいいのかもしれませんが、その点が、重点的に取り組まれていないような気がします。

 そのへんのところ、ちょっと気になったものですから、今お聞きすると、他の県では公文書をしっかり保存するため、学芸員というか、そういう方もついて整理されているのでしょうけれども、そういうものをぜひ生活部さんの管轄だけでも、また教育委員会とも連携をとりながら、やはり少し考えていっていただきたいなというふうに思います。

○宮村部長 ご意見にございましたように、私どもも、そういう地域に残された非常に貴重なものを保存していくということも重要なことでございますので、来年の重点プログラムでもレッドデータブックというような名称でございますけれども、そういったもののデータベース化を図っていくことも重点プログラムで取り組むこととしております。

○木田委員 また話題がもとへ戻ってちょっと恐縮ですけれども、生誕360年の関係ですけれども、芭蕉さんを取り上げたのはいいことだと思うんですよね。

 というのは、東北の方へ行っても、山形等へ行くと、芭蕉さんが東北の人みたいな感じで、三重県のお株を奪われているような感じを受けます。そういう意味では、全然異論はないのですけれども、ただ、不思議に思ったのは、生誕360年という区切りがよくないと思うのです。どこからこういうふうなアイデアが出てきたのか。今さら言うのはおかしいのですけれども、じゃあ370年もやるのか、380年もやるのか。芭蕉さん以外のどういう人が何年になったらどうするのか。そのあたりがちょっと思いつきでやられているのかなというような、そういう疑問を前から持っていましたので、そのあたりはどうでしょうか。

○宮村部長 360年というのは、360度、全方位にやろうと。それは、芭蕉、俳句というのが単に三重県だけじゃなしに、国内、それから外国でも結構広まってきた中で、世界あるいは国内に発信していく、全方位に発信をして、伊賀の地域を売り出そうと、あるいは魅力を再発見しようという意味合いで360年で取り組んだということになっていまして、芭蕉の最後の地、大垣市も360年ということでいろいろなイベントに取り組んでいただいていまして、連携できるところは連携してやってまいったところでございます。

○木田委員 わかりました。それは結構な話だと思います、なるほどと思いました。

 あと、ほかにも三重県で、どういう方がおられるのか、全部はもちろんわからないわけですけれども、こういうふうに各地区で、例えば私の市にこういう人がいるよと、生誕何百年ですよというような話が出てきたときに、それに対する対応というのは、東紀州あるいは芭蕉さんのような全面的な協力を得られるのかどうか、そのあたりをどういうふうにしていくのか、公平性という意味でどうでしょうかね。

○宮村部長 芭蕉につきましては、単に私ども伊賀の地域づくりのためにというのではなく、三重県というのは、従来から俳句も売り出して、三重県の俳句という形で売り出している中で、芭蕉さんも三重県を売り出すツールということで、いわゆる全県イベントという形でやってきておりますので、今後、どのようなものがあるのか、ちょっと私も今のところ想定はできませんが、そういう全県のイベントとするか、あるいは地域のイベントにするかによって分かれてくるのではないかなと思っています。

 ちなみに、松阪の本居宣長のイベントは、これは生活創造圏の事業ということで、松阪県民局を中心に展開をされたところでございます。

 そういう意味では、そのときのイベントをどう展開するかによって、また違ってくるのではないかなと思っています。

○田中(俊)委員 木田委員のご意見にちょっと関連して、県民文化祭ですが、第10回を迎えてやっていただいておるのですが、まだまだ、一般の住民の方、文化意識の高い方でも、全体を巻き込んだ文化祭にはなっていないと思うのですけれども、毎年、それぞれの会場で、いわば総花的にやられているような気がするものですから、先程の木田さんのご意見のように、例えば、全国なり世界を視野に、三重県の文化を発信していこうと思うと、大体2年に1回ぐらい定期的に、どこか三重県の中で焦点を絞って、大きなイベントを打っていくと。そういう試みも必要かなと思うのですが、東紀州から芭蕉さんの伊賀へ来て、次はどこになるかわかりませんが、そういう重点的な取組を定期的にやっていくという考え方についてはいかがでしょう。

○宮村部長 県民文化祭も10回を数えるわけでございますけれども、過去にもいろいろと反省のもとに修正というのをしてまいっておるのですけれども、今、委員ご指摘のようなそういう全県的なイベント、しかも文化の殿堂たるようなそういうものを、やはり行っていくべきではないかというご意見もございまして、今のところ16年度は、すべて公募事業という形で企画をしたのですけれども、そうではなく、三重県の文化を集大成したような、そういうイベントというか催し的な形も必要ではないかというご指摘もいただいていまして、県民文化祭のあり方の検討委員会の中で、今後の県民文化祭の持ち方については、委員ご指摘のようなことも踏まえて検討してまいりたいと思っております。

○田中(俊)委員 確かに、いろいろな文化活動、多種多様ですので、すそ野を広げていくという意味で、いろいろな活動の発表の場、鑑賞の場があっていいと思います。それに加えて、やはり広く三重県の文化を発信していくためのインパクトとしては、そういう大きなものが必要かなと思いますので、是非、ご検討いただければと思います。

○松田委員 ちょっと教えてほしいのですけれども、もし聞き漏らしておったら申し訳ないのですけれども、このレジュメにある5番、文化戦略の検討についてとこう書いていただいておるのですけれども、1ページ目に文化戦略を策定しということですけれども、これ大変大きな事業だと思います。知事も文化に力を入れるということで、これが、これから、どういうスケジュールでどういうふうに我々に出てくるのでしょうか。

○宮村部長 昨年、しあわせプランを策定いたしましたときには、今年度でそういう方向性をつけてということで、私どもも重点プログラムにお出しをしておったのですけれども、やはり文化が持っております「力」というんでしょうか、そういうものは非常に大きく、単に埋蔵文化財とか、芸術文化とか、そういうものにとどまらずに、あらゆる県政の中にそういう文化の視点を取り入れて、1回見直してみたらという考えが出てまいりまして、今、私どもはそういう意味での文化の勉強をしておるところでございます。

 今年度は、庁内の勉強会とともに、県民の方々にも御参加いただいて、8時間にわたるような8耐トークというものも行って、文化の勉強をやっています。その中で、今年は文化の意義とか、文化の影響力といいますか、そういったこと等を検討して、来年そういう文化戦略をということでございますけれども、年が明ければ、今年度検討してまいりましたそういう文化の意義とか、そういったことについて議会の方にお示しをして、ご意見もちょうだいをしていきたいなと思っていまして、ちょっと18ページをごらんいただきたいと思うのですけれども、私どものスケジュール、イメージを示してございます。

 先程、私がお話しましたのは、その16年度の取組として網かけしてございますが、16年度は文化戦略策定に向けての文化政策のあり方についての研究・検討を庁内的に、それから県民のご意見などもいただきつつ、検討をしてきておるところでございまして、17年度には文化戦略の策定をやってまいりたいと、それを受けて、18年度には戦略を展開していきたいと思っております。

○松田委員 文化と、一言で言っても、形のないようなものを形にするという事業で大変難しいと思うのですけども、少なくとも生活部では、文化というのは、どういう意味でとらえられていますか。

○宮村部長 非常に文化の範囲というのは広かろうと思っていまして、従来、物の豊かさというのでしょうか、高度成長のころに、そういうものを優先してきた中で、得られたことも非常に多かったでしょうけれども、失ったものも非常に多かったと思うのです。環境問題とか、地域づくりとか、人の心とか、そういった部分というのが置き去りにされてきたと思っていますが、そういったものに再度光を当てて、やはり見直していく必要があります。そういう意味では、文化というのは非常に大きな幅広いものだろうと思っています。

 ちなみに、13年度に文化庁の方では、文化芸術振興法を策定いたしましたけれども、その中の文化の意義についてご説明を申し上げますと、文化というのは、人間が人間らしく生きるための糧であるとか、あるいは共に生きる社会の基盤の形成に寄与していくとか、あるいは質の高い経済活動、文化そのものが新たな付加価値を生み出して、新しい経済活動を実現していくとか、あるいは平和の礎にもなっていくと、そういった文化の意義というのは非常に大きく、その法の中の基本方針の中でも、とらえていまして、そういう意味では、三重県にそれを置きかえても、単に生活部が持っています文化芸術とか生活文化だけにとどまらず、産業振興とか地域づくりとか、そういった面にも及んでいくのではないかなと思います。そういう意味では、県政にわたる大きなテーマになるだろうと、私どもとしては今認識を持っております。

○松田委員 同じ質問を竹内さんにも、ちょっとお聞きをしたいのですけれども。

○竹内室長 今、部長の方からご答弁申し上げましたように、知事は非常に広く文化というものをとらえてみえまして、あらゆる政策のベース、基礎になりうるものだろうというふうなことで、政策への反映は非常に幅広くとらえたいと。

 その場合に、文化というものを、すべての人の生きざまというのでしょうか、そういうふうにとらえておりまして、我々も一度広く文化というものを大きくとらえた上で、その文化の意義とか効果というものを踏まえて、どういうふうに具体的に政策に落とし込めばいいのか、そういうふうな議論を今行っております。

○松田委員 ちょっとお聞きをして、まだ文化という意味で、もちろん僕もそうなんですけれども、まだ、文化とは、どんな意味なのかなというのが、ちょっと絞り切れていないような気がします。

 それで、今、こんな大事な事業で、これを1行で文化戦略を策定しと、今の時点で書いていただいていますが、18ページの図を見てもよくわかりません。

 恐らく、この事業というのは、私の考えですけれども、思い切って本当に全庁挙げて取り組むか、例えば、3つか4つのテーマを決めておいて、そこから広がっていくようにやっていくか、どちらかにしないと、中途半端に終わってしまうと思います。

 僕、広辞苑で調べたら、文化というのは「築き上げてきたもの」と書いてありました。ただ、築き上げてきたものだったら、何もかもが全部築き上げてきたことになる。すべてが、ここにおることも、文化であろうし、何もかも文化となる。だから、今から文化戦略を検討していただくのであれば、本気で全庁挙げてやりきっていくか、テーマを決めておいて、そこから広げていくかというやり方でなければ、失敗すると思います。そのへんのところ、部長のお考え方はどうですか。

○宮村部長 まさに今、文化政策の展開をどうするのだと問われますと、非常に私どもも、まだ混沌としたような状況でございまして、今は前広にといいますか、ウイングを広げてやっていこうと思っていますけれども、ある時期には、やはり一定の方向に収れんしていくのか、そのあたりを見極めていかねばならないと思います。今、この委員会にお出ししました資料そのものも、単に進め方などだけが書いてあるだけでございまして、具体的なものは、何ら触れられていないところでございます。

 先程も申し上げました年明けには、私どもとしての一定の考えを示す中で、議会のご意見もいただければと思っております。

○松田委員 議会の言うことを聞きすぎても、多分、収拾がつかないと思います。

 これだと思うもので、思い切りやってしまって、文化の香り高い宮村部長がどんと受けとめてやってしまわないとできないと、私は思います。

 だから、僕はエールを送らせていただいておるわけで、これを、きちっとした形でやっていただければ、恐らく全国で初めてのことだろうと思うし、一遍、やりきっていただきたい。本当に真剣になってやっていただいておると思うけれども、全部の言うことを聞いていたら、なかなかこの事業というのは収まらないと思いますから、しっかりと頑張っていただきますよう要望をして終わります。

○末松委員 今後、伊賀の蔵びらき事業を評価していただくと言っていただいたのですけど、地域としての伊賀のブランド化という、そのブランド化という部分、どういう部分がブランド化で残していただいたのか、あっちこっちに、ブランド化と書いていただいていますけれど、例えば、先程言っていただいた自然・文化・まつりのブランド化、人のブランド化、どういうふうに、一応理念を持っていただいて、意義を持っていただいて、こういうふうなことを言っていただいたと思いますし、それについても取り組んでいただいたと思います。今、語れるだけで結構ですので、どういうふうなブランド化ができましたか。

 例えば、伊賀だけに限らず、これからこういうブランド化をもっと他の地域でも、行っていかなければいけないという中で、教えていただければと思いますのでお願いします。

○木戸総括推進監 伊賀の既存のいろいろな魅力のあるお宝、芭蕉さんを筆頭にして、乱歩、観阿弥、能、それから、もっと言えば、食べるものもいろいろな形で、お酒もあります、お米もあります。そういったものが、実は、それぞれで、能なら能、芭蕉なら芭蕉というイメージで出ております。それが、もう少し質を高く、伊賀というイメージ、伊賀ということをとらえただけで、すべてが、質が高くていいもので行ってみたいな、魅力があるなというようなイメージに仕上げたいということです。

いろいろなものを、お宝として全部出して、そして、それが伊賀だという1つの大きな冠をかぶせた形になり、伊賀という全体のイメージを全国に売ることで、伊賀のブランド化という方向になればということで、この事業を進めています。

○末松委員 ブランド化できたというふうに、理解をさせてもらってよろしいですか。広報もいっぱい行っていただいたし、伊賀のお酒、組紐、先程言った乱歩などが、これからも残っていくだけの力を注げた事業であったと、後で評価できることになりますか。

○木戸総括推進監 確かに認知度は高まったと私は思っております。

○末松委員 先程、松田委員から言っていただいたような形で、これからも文化事業、文化振興というものを深めていただくことと思いますので、私も松田委員と同様にエールを送りたいと思います。このブランド化というものは、一言ですませば簡単ですけれども、非常に難しい部分だと思います。

 それが本当にブランド化をしていいものかどうか、例えば、スローライフはブランド化しない方がいいのではないか、いろいろな意見や考え方というのもあると思いますので、十分にまた特別委員会でも話をしていただきながら、やっていっていただければいいなというふうにお願いをしたいと思います。

 ありがとうございました。

○山本委員長 ほかには(ご発言は)ないようですので、本日の調査はこれで終了いたします。

 当局には長時間ご苦労様でした。

〔委員協議〕

1 次回委員会の調査事項について

 委員協議の結果、正副委員長に、今後の委員会活動方針の検討を一任することとし、

後日、正副委員長で打ち合せを行うこととした。(打ち合せ日時は未定)

 

以上、会議の要綱を記し、ここに押印する。

平成16年11月 4日

観光・文化調査特別委員長 山本 勝


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