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平成17年10月17日 観光・文化調査特別委員会 会議録

調

会 議 録

(開 会 中)

開催年月日   平成17年10月17日  14:04 ~ 15:33

会 議 室   601特別委員会室

出席委員    11名

委員長 前田 剛志 君
副委員長 竹上 真人 君
委員 中村 勝 君
委員 舘 直人 君
委員 前野 和美 君
委員 田中 俊行 君
委員 中村 進一 君
委員 吉川  実 君
委員 辻本 正 君
委員 山本 教和 君
委員 杉之内 昭二 君

欠席委員     1名

委  員   岡部 栄樹  君

出席説明員

[農水商工部]

農水商工部長   石垣 英一  君

経営企画分野

総括室長   田中 宣男  君

観光政策監   藤本 和弘  君

その他関係職員

傍聴議員     0名

県政記者クラブ   4名

傍 聴 者     1名

議題および協議事項

I 調査事項

1.万博を活用した観光振興への取組について

II 委員協議

1.提言について

【会議の経過とその結果】

〔開会の宣言〕

I 調査事項

(1)当局から資料に基づき説明(石垣部長説明)

(2)質疑・応答

○前田委員長 それでは、委員の皆様方からご質疑がございましたら、お願いいたします。

○辻本委員 当初の万博を目標とした観光客の呼び込み予定数というか見込み数、そんなものと現実はどれだけ違ったのか。昨日、長良川の鵜飼いが最終でしたね。観光客を調べたら、30%ぐらい増えていたとかいう情報がありましたが、万博を目標にして、入込客をこれだけ増やそうかなという思いと現実とは、どうだったんかなということについて聞かせてくれますか。

○石垣部長 実は、博覧会三重戦略プランの中では、これは総合企画局が立てたものですが、今のままでいくと、やっぱり万博で相当影響を受けるという話で、プラス55万人ぐらいを目標にしていかないとだめだろうという数字は一応出ております。

 ただ、はっきり言うと、今、伊勢志摩で約1,080万人、前年並みということになると思うんですけれども、大幅な増加がなかったということだと思います。

○辻本委員 思惑どおりいかなかったということやわな、簡単に言うと。伊勢神宮へはたくさん来てもらっているけれども、それ以外のところへは来ていない。そのへんを検証というか、総括をしないといけないんじゃないかと思いますが、なぜかということを検証してもらえますか。

○石垣部長 先程お話しましたように、極端に言うと、中部圏の、あるエージェントで7割ぐらい落ち込んでおると思います。関西についても、やっぱり70~80%まで落ち込んでいる。どうしても関西の人が、あるいは中部圏の人が、この期間中に伊勢志摩へ行こうかというよりも、やっぱり万博へ行ってこようか、というのが確実に響いたということだと、僕は思っています。関西と中部が、約20%か30%落ち込んだ。はっきり言って、モンスター万博に負けたということかもわかりませんけれども、やっぱりそちらの方へ行ったと。特に7月、8月、9月の最盛期の後半については、ほとんどお客さんを取られたということが言えるんだと思っています。

○辻本委員 それは皆さん、万博へ行きましょうというね、そういう思いがあったんでしょう。万博へ行った、その足で伊勢へ行きましょうということには、なかなかならなかったんじゃないかなと思うんですね。長良川の鵜飼いはどうか知りませんよ、あれは、泊まっていくやつだからね、ちょっと、おかげ横丁とは違うと思うんですがね。

 それで、これから、熊野古道を売り込んでいかないといかんと。そのときに、伊勢神宮の式年遷宮がありますね。式年遷宮で伊勢神宮へ行って、その足で熊野古道へということになるように、どういう戦略を立てたらいいのかというのが、これからの課題じゃないかと思うんですけどね。まだ、式年遷宮には時間がありますから、十分考えてもらったらいいんだけども。

 この前も、委員会で出たんじゃないかと思いますが、ここへは行きましょうと、しかし、ここへ行って、ついでというのかな、ついでに行って来ようかという人は、あまり増えないんではないかということが現実になったわけですね。今度、伊勢神宮へ来るけれども、ついでに熊野古道へ行こうか、ということはならないのではないかということを、検討しないといかんのじゃないかというふうに思いますんでね。

要するに三重県へたくさん呼び込んでおいて、北勢へも行くけれども、伊勢志摩へも、熊野古道へもということにならないといかんのじゃないか。去年は万博だったんですが、今度は目標が遷宮ですから、それに来てもらった人に、南の方へも行ってもらおうかというためにね。

 考えてみると、それまでに、空の道路ができたらよろしいですけれど、空の道路ができないと、また、伊勢へ行って、伊勢から帰って行こうかということになるんじゃないかと思いますんでね、これからの戦略は、ついで参りやな。「伊勢へ 七度 ( ななたび ) 、熊野へ 三度 ( みたび ) 」というふうに、ここへ行ったら、ここも行かないといかんから、というふうな戦略をどう立てるかということが大事だと思いますので、これからの問題ですから、そういうことで、僕らも検討したいと思います。

○石垣部長 辻本委員言われたように、今、やっぱり伊勢志摩へ来て、伊勢神宮へ来て、あと、どこへ回っていくのかと。やっぱり、単発はいいんですが、面としてどうするのかという話は、絶えず言われます。もう1つ、広域観光として組んだときに、今回でも、鳥羽までは結構団体が入っています。ざっくばらんに言うと、大手のホテルについては、5つぐらいは、僕は去年は相当入っていると思っています。そういうところなんか、次、どこへ行くんだという話を、やっぱり言われるというのがつらいです。広域観光というのは、どうしていくんだという話を、三重県としては取り組んでいかないといけない。

 あと、熊野古道ですけれども、実は、これも、ざっくばらんな話をしますけど、今、伊勢から毎日、熊野古道へ、伊勢へ泊まってもらったお客さんに熊野古道へ行ってもらうということで、バスを出しているわけですね。熊野古道は、去年は確かに伸びました。しかし、名古屋から入ってくる熊野古道客は、前年と変わりません。やっぱり、伊勢で泊まって行くというルートが、なかなか確立できない。そういう弱さを持っています。

○辻本委員 熊野へ行って、そのまま大阪の方へでも帰れるように、アクセスがあればいいけれども、また、こっちへ帰ってこなければならないですからね。そんなことがあると、余計足止めされるのと違うかな。

○石垣部長 実は今、大阪から来てもらって、津か松阪から乗って、熊野古道へ行ってもらうという仕掛けもしているんですけれど、これは、なかなか、大阪から来るのは、ないわけじゃないですが、大阪の人って、どうしても和歌山や奈良の方が熊野古道だと思っていましてね、お寺が向こうにありますしね。だから、私どもは、参詣道ですので、どうしてもこちらの方に回ってくれないという、やっぱりそういう面の、私どものPR不足もちろんあるわけでありますけれども、ちょっとそのへんの弱さがあります。

○山本委員 この前の代表質問でも述べさせていただきました。今の話でね、一極集中じゃないですか、日本人というのは。ですから、繰り返しになるかもわかりませんが、ディズニーランドへ行った帰りに、箱根や伊豆へ行くかといったら、なかなかそういうわけにいかない。費用的な面もあるしね、そこらへんのところをどう克服するかが、2泊3日、3泊4日の旅ということになってくるわけで、1泊2日では、伊勢神宮と熊野という、こういう組み方には、なかなかならないんじゃないかなというふうには想像するんですね。

 それで、このペーパーに沿って、何点か質問したいと思います。万博なんですけど、共同館があるじゃないですか。共同館は、それぞれの県が特色のある出し物というか、やったけれども、議員も含めて、行っている人って少ないと思うんです。お付き合い程度でね、三重県だって出したのが1,800万円、ほかの県だってそれぐらいで、東海の共同館と言ったって、誰も知らない。まあお付き合い程度だと。そんなこともあって、その成果、共同館の成果がどうだったのかなということを振り返ってみて、部長、どう考えていますか。

 それから、この1ページ目で、例えば伊勢志摩再生プロジェクトで、伊勢志摩ツアーズが、いろんな仕掛けをやっていただきました。例えば志摩だったら、和具の漁協から大王の波切の市場へ回ってもらった、県の職員の方も来てもらって、魚も買ってもらった、少し安い感じでね。だけどね、一般のいわゆるツアー客の人たちを送り込んでもらったわけでしょう。特に女性の観光客の人たちに来てもらったんだけど、あの人たちが、何で買わないのかなと思って、私、ずっと見てたわけですわ、伊勢志摩ツアーズが運んできたから。そしたらね、今晩1泊しなきゃいけないのに、生の魚市場のこの魚を買いたいけれども、ホテルの自分の部屋に持っていけないと、例えばタイならタイとかね。あのときは、ブリだったかな、イセエビもありました。持って行けない。なるほどなと、私、思ったんですよ。クロネコヤマトの宅急便も用意してありますよとは言うけれども、あの人たちは、わざわざ、そこから送るんじゃなくて、買って帰りたいのが本当の買い物ツアーじゃないかなという意識があるもんですから、それが1つ、成功してなかったのかなという現場の意見でした。

 それから、2の3、もてなしの舞台づくり。これも、こうやって書いていただいているわけです。鳥羽の駅前、これは確かに何千万単位、あれ、いくらだったかな、4,000万円か5,000万円ぐらいのプロムナードを造ってもらった。その周辺の、外宮前の地区とか、それから、これに書いてないんだけども、当初の計画は、伊勢の河崎とか、二見もあったように思う。このへんのところは、この事業でどうだったかなということと、例えば「大王崎の灯台周辺」とあるじゃないですか、こうやって載せてもらってあるんですが、予算なんていうのは、300万円か400万円ぐらいだったんじゃないでしょうか。そんな予算で、「大王崎灯台周辺」て載せてもらったら、何やら、くすぐったいような感じがするんですよ。火付け役と言えば火付け役でいいんでしょうが、試行錯誤しているといえば、それまでだけれども、具体的に成果がどうだったのかな、そんなふうに思います。

 それと、最後ですが、いわゆる健康、タラソテラピーのことを部長が言われてるんじゃないかと思うんだけど、一回、鳥羽で西洋環境開発がやって失敗した。その後、ANAに行って、ANAも名前だけだけれども、また別の会社がやっていると。今度は、志摩の賢島で近鉄を中心にして、そのへんのところをやろうとしていますが、そのタラソテラピーということ自体が、フランスだとかそういうところと違って、まだ認識されていないから、プロ野球選手だとか、女優だとか、そういった一部の層にしか波及効果というのが行ってないんじゃないかと思うんですよ。そこを、どう健康に、それからあと美容に絡めた観光戦略というのを、どう繰り入れていくか、絡ませていくかという、ここだと思うんですよね、新しい切り口として。具体的にどんな戦法があるのか、少しお伺いしたいと思います。

○石垣部長 大変難しい質問をいただいたんですけれど、まず、1点目の共同館の話ですけれども、実はこれは総合企画局が、今回、万博が環境の切り口で、各県とも環境についての取組をしていました。私どもは、たぶん、あれは三重県の 親水 ( しんすい ) というんですか、空間みたいなもので、ミチゲーションというか、いろんな環境についてのPRをしていたと思います。

 実はこれは、私が言う話では本当はないんですけども、やっぱり環境博ということについて、これだけ循環型社会の中で環境をどうしていくか、将来どうしていくかという取組をしたわけですから、これを例えば、伊勢湾全体の中で取組をしていくとか、やっぱりこれから、そういう環境の意識をどう植え付け、循環型社会にどう三重県が取り組んでいくかという視点になれば、共同館について、確かに、どれぐらい入ったかという話は、今、私の方ではわかりませんけども、そういう取組をしたということについて、これを、今後、県政にどう生かしていくかということが求められるんだろうなと思っています。これについては、私は、この程度しかお答えできませんので、どうかお許しください。

 2点目で、実は去年も、答志島へ名古屋からバスで女性の方がたくさん来て、買い物ツアーとかいろんな話がありました。その話の中で、確かに、生モノをバスに詰め込んでいく、あるいは、現実にどうやってさばくのかとか、いろんな話があったのは事実であります。今後、三重が「食」という形で、あちこちから来てもらうということに対しては、やっぱりお客さんのニーズというものを踏まえて、こちらからの供給、サプライヤーだけの視点でやったらだめなんだろうなということは、委員おっしゃるとおりだと思っています。確かに去年そういう苦情がありました。

 あと、3番の鳥羽の駅前、ハード整備でありますが、これは、たまたまこの中では取組を始めましたが、実は、今年度、県土整備部が、今、伊勢志摩で5カ所、東紀州の熊野古道で5カ所やっていると思います。あと、大王や二見も含めてですけれども、今年で予算を約3億円、整備費をかけていると思います。確かにこの事業については、きっかけづくりで、本当に微々たる予算でありましたけれども、これを受けて、今、県土整備部が整備を始めています。特に、今、委員言われましたように、外宮ですね、駅前を降りて、ああいう状況とかいう話、いろいろな意見もあるわけでありますけれども、外宮については、今年度中に整備するとか、あるいは大王崎については、擬岩工事、7,500万円で整備をして、終わったんですけれども、こういう形でやっているということで、たまたま再整備状況については、一応、きっかけづくりをやりましたけれど、それを受けて、県土整備部で今、伊勢志摩で5カ所、東紀州の熊野古道と松阪で6カ所、今、どちらかというと観光局に合わせた整備を始めているというところであります。

 あと、タラソテラピーの話が出ましたけれども、実はこれは、これから高齢化社会の中で、健康福祉部ともいろいろ連携していくんですが、特にお客さんがみえて、高齢者がみえて、例えば病気になったときに、地域でどういうふうな介護ができるんだとか、いろいろな形のものが今、求められるわけです。

 今回、例えば、先程言いましたように、経済産業省の補助金で事業をやるんですけれども、これについても、健康サービスというものと集客・交流が一体になって、そういうお客さんに来てもらったときの受け皿として、やっぱり整備していかないといけないということになると思います。

 今回、片方で、今、野口さんという方が、バリアフリーツアーセンターで、いろいろな形で、特に介護の方々のホテルの中のいろいろな施設整備というような形で、これに取り組まれておりますけども、今後は、健康と観光と一体になった、少子・高齢化に向けた取組は、やっぱり伊勢志摩に要るんだろうというふうに思っています。

○山本委員 まず、共同館、確かに環境を切り口として、それなりの効果があったのかなというようなことですわ、部長の言うようにね。共同館、これもそうだし、47の都道府県デーというのもそうだし、例の伊勢で開催されたまつり博のあのノウハウとよく似ていて、例えばプロデューサーが木村尚三郎、今回のこれも、三重県のときも、確か、少しそのノウハウをもらったというようなこともあるし、それから、クリスティーヌさんも、やっぱり、万博の委員をしていて、彼女もまつり博のときに何かそういう意見をもらった人じゃなかいかなと思うんです。

というのは、その中で、パネルディスカッションのときに、確か来ていたと思うんですよ。だから、そのノウハウが全く、万博と一緒でね。それで、万博は成功したけれども、三重県に対する波及効果はどうなんだろうということで、私は6月の予算決算特別委員会のときに質問したら、知事でも答えられなかったし、部長も言わなかった。野村総研か三菱総研かの調査結果があると。私は、差し引きで50万人ぐらいのプラスということを、部長に言った覚えがあるんです。だいたい、その総研が発表した数字とよく似た数字が、今、部長、言われましたけどね、一極集中なんですよ。一人勝ちなんですよね。これは、どうしようもないというか、それを波及効果はどうだという、そこを我々も聞きたいし、私も、今、聞かせてもらっているわけですが、部長はエージェントでないというふうに言われましたけども、私は、それこそエージェントの人たちのノウハウを、もっともっと生かさないといかんと思うんです。

県は、まさに火付け役でいいわけですから、すべて何でもかんでもやろうというようなこと、また、やってもらいたいというようなこと、私どもも望んでないわけですから、大手のエージェントのそういうノウハウをもっともっと利用してもらったらどうかなと。そうすれば、また、新しい切り口が出てくるのではないかなというふうに思います。

 それと、伊勢志摩ツアーズでの答志島の話、部長から出ました。私が言ったのは、大王、波切なんですよ。波切の市場でそういうことがあったもんですから、言わせてもらったら、やっぱり答志島の市場でもそんなことがあったということですから、これをまた、別に反省じゃないですが、事実として、新しい戦略に組み込んでもらったらどうかなと、そんなふうに思います。

 それと、部長が大王崎の擬岩をやっていると言いましたけれども、別にこの擬岩は、万博を意識した事業でも何もないんですよ。あれはね、大王崎の近くの旅館のおやじで、俳句をやっているおやじでね、そのおやじが非常に感性豊かな方で、大王崎灯台から向こうを見ると、コンクリートの崖があると。あれでは、大王崎のイメージが丸つぶれだと。だから、あれを何とか、昔の、どう言うんですか、崖、いわゆる自然の崖のようにしてもらいたいというのが最初だったんですよ。

それで、志摩の建設部、当時の土木事務所の人が、土佐の桂浜へ行ってもらって、そこが擬岩をやっているということで、じゃあ、そのノウハウはどこかと言ったら、東京ディズニーランドにある擬岩、このノウハウはアメリカの業者だと。だけど、何とか頼むと言って、大王崎の周辺の擬岩をやったという事実があるわけで、別に部長が言っているように、万博を意識してこういう仕事をやっていますなんて、そんなばかなことね、知らない人が聞いたら本当にそう思いますよ。そうじゃないわけで、それは、土木が土木の自分のところの仕事としてやっているわけでね。わざわざ、こんなことやっています、これもやっていますというようなこととは全然違う。そんな答弁してもらったら、私は心外だと思いますが、そういうことです。

○石垣部長 1点だけすいません。景観も含めてということでございますので、決して万博を狙ってというわけではありません。県土整備部が、今、伊勢志摩に、外宮も含めて、大王崎も含めて、各地域で観光施設、あるいは景観等も含めて基盤整備をやっていると。熊野古道でも5カ所、今、取組をされていますということです。基盤を整備するのとあわせて、やっぱり観光客に対して、いろいろな面で景観も含めて、どう取り組んでいったらいいかという、私ども、連携をしながらいろいろやってもらっています。今、松阪でもいろいろやってもらっているわけですけれども、こういうところについて、今やっていただいております。決して、万博だけというわけではございません。それは、ご理解いただきたいと思います。

○山本委員 別に、やってもらって、本当にありがたいことでね、例えば二見浦の夫婦岩にも、それが生かされているし、いろんなところで、少々、工事代金は高いけれども、擬岩でうまくやってもらっているというのは、本当にいい事業ですから、もっともっとそういうところを修復というか、手法として擬岩をやってもらいたいなと、そんなふうに思います。

○中村勝委員 辻本委員から話がありましたように、長良川の鵜飼いは大変盛況だったというふうに結果が出ております。地理的に万博から岐阜まで、あるいは交通アクセスの面で近いのかなと、伊勢志摩に比べてですね。そんなふうに思うんですが、エージェントの方できちっと、もう随分前から、何か商品化されて、それに乗って来られたお客さんが多いというふうに聞いたんですが、伊勢志摩の場合は、先程の説明では、平成15年以降になって、ようやく、近々にそういうことが、いわゆる旅行が商品化されたということで、商品化されたのかどうか、そのへんを伺いたいと思います。

○石垣部長 私どもは、情報発信という面と、どちらかというとJTB、近畿日本ツーリストとか、やっぱりエージェント主要5社と言いますが、そういうところをターゲットにお客さんをいかに誘客するかという取組を、今、連携してやっているというのも事実です。決して、15年以前はやらなかったという話ではありません。観光連盟も当然、事業をやっていますし、情報発信もやってきました。特に、今回は万博にあわせて、観光商品をセットで売ったと。万博に来てもらって、伊勢志摩へ泊まってくださいと、伊勢神宮に一回、お参りされてから万博へ行ったらどうですかと、そういう感じのもののセット販売、観光商品を、これは北海道から九州まで、いろんなエージェントを使って売りました。僕は、これについては相当成果があったと思っています。

 特に、例えば飛行機会社の名前を出すと、ANAというのがありますけれども、全日空とタイアップして、私どもいろんな観光商品を売ったり、いろんな形でやりまして、例えば万博から三重県までのアクセスについての、「観光王国」と言うんですが、こういうパンフレットなんかも、相当あちこちの観光センターに流させてもらいました。ですから、私は、やっぱりこれは一定の成果があったというふうに思っています。特に鳥羽を中心に、宿泊客があったという部分については、これはまさしくエージェントのセット販売というか、万博とのセット販売で売れたんだと、そういうふうに思っています。

○中村勝委員 そういった商品の取組が遅かったように思うんですが、その点は、そんなことはないんでしょうか。

○石垣部長 やっぱり15年、万博の前に、そういう面で観光商品をエージェントと一緒になって一所懸命組み立てたということは事実だと思いますが、ただ、決してそれ以前にPRしなかったということはございませんので、私どもは、それなりに対応してきたと思っております。

○中村勝委員 わかりました。今日、これ、取組について文書でいただいたんですが、この2005年戦略プランからいくと、5年間の取組なんですが、結構、裏表これだけのもので、もっと書くんならいっぱい書けるんだと言うのか、それとも書くことはこれだけしかないのか、そのへんはいかがでしょうか。

○石垣部長 弁解するわけじゃありませんけれども、伊勢志摩再生プロジェクトについては、観光商品づくりから、県も市町村も、ある意味で、こういういろんな自由なプロジェクトを立ち上げていまして、たまたまバリアフリーツアーセンターだとか、伊勢志摩ツアーズと書きましたけれども、ほかにも、例えば人材育成とか、伊勢志摩おもてなし、やっぱり、おもてなしをどうしていくかと、いろんな取組をやられていますので、決してこれだけではございません。時間がありましたら、全部説明させてもらってもいいんですが、いつか説明させてもらいたいと思っています。これだけでは、決してございません。

○中村勝委員 わかりました。この5年間の中で、バリアフリーツアーセンターでありますとか、いろんなところで新しい取組をしていただいて、この10月から始まったキャンペーンにも相乗効果が表れてくるんだろうというふうに思っておりますけれども、その戦略プランの5年前の段階で、ここに書いてある、要するに周辺地域には来ないんじゃないかという、それが、ある程度わかっておってやられたのか、周辺地域に来ないという前例はあるけれども、何としてでもこの三重県へ関連客を入れたいということでやられたのか。結果的には周辺には来なかったという、特に会場から遠くなればなるほど、来なかったという結果になっているんですけれども、そのへんはいかがでしょうか。

○石垣部長 往々にして、万博というこういう大きなものがありますと、周りで波及効果を受けるところと、やっぱり少し影響を受けるところが出てくるということは、当然予測されたことです。

 今回、この2005年についての戦略プランができた段階でも、増えれば50万人、マイナスの場合もあるという形で予測しておるんですけれども、決して私どもは、そういう状況だからこそ、伊勢志摩について、特に伊勢志摩でありますけれども、今のままでいったら、やっぱり相当な影響を受けるだろうということから、万博と、あるいは中部国際空港、セントレアを生かして、新たな観光振興策に取り組まないといかんということで、2005年はやってきたわけです。

 はっきり言いますと、先程から何度も言っていますように、日帰り圏については、確かに万博に取られたということは事実だと思いますけれども、これは、少なくともあの万博が終われば、私は、これからは、三重県が観光振興の努力次第によっては、伊勢志摩、少なくとも2割、3割落ちた分については取り戻すということができると思っています。ただ、新たなところについて増えたのは、やっぱり事実だと思っています。ですから、ほかでは、九州、特に首都圏からも多くの方が伊勢志摩へ来てもらったということについては、やっぱり評価してもいいんじゃないかと思っています。

 今、委員からお話されましたが、この5年間のプロジェクトについて、私は、今回、伊勢志摩キャンペーンには相当生きていると思っています。例えば、今回について、一番端的に言いますと、伊勢と鳥羽と志摩が一緒になって、広域的にこの伊勢志摩キャンペーンを打ってくれたということです。それと、官民一体で、今まで地域の観光資源を創り上げてきた人たちが、今回の伊勢志摩キャンペーンについても、大きな事業で、その人たちが支えてくれているということがあると思います。

 私どもは、5年間やってきて、今、新たな観光振興プランをつくって、そういう流れの中で、地域が一体となって広域的に、官民一体となって、こういう伊勢志摩キャンペーンに取り組んでいくということについては、やっぱり前へ進んだというふうに思っております。

○中村勝委員 私も、ぜひ、そうであってほしいというふうに思います。この取組がなかったら、たぶん本当に悲惨な状態になっていたんだろうと思いますし、9月からようやく、前年度は台風がたくさん上陸した中で、前年対比ではちょっといかがなと思いますけれども、9月、初めて前年を超えて、この10月も結構、県外者でにぎわっていますので、ぜひ、この秋以降、誘客について期待をしたいと思います。

○前野委員 万博の検証ということですので、1つ確認もしたいと思うんですが、セントレアが開港しまして、当然万博と距離的にも非常に近いということで、そのセントレアを通じて、なぎさまちへいわゆる万博の観光客が来ていただけるという、随分強い期待もしていたんですが、現実はどうだったのかということなんですが、セントレアと万博というのは、関連して、万博効果がセントレアでもあって、セントレアの開港効果が万博にもあったのか、そのへんの検討というのか、それもされておるのか、また、津の方へもどれくらいの人が流れたのか、それもわかっていれば聞かせていただきたいと思います。

○石垣部長 特に九州、北海道からは、ほとんどセントレアへ入っていると思います。首都圏からは、やっぱり団体で、観光バスで入ったのが多いと思っています。

 そういう面で言うと、日本では2つ大きな飛行機会社がありますけれども、私は、ともかくセントレアから入ったと思います。1つは、今、なぎさまちについては、これは統計かどうか言えませんけれども、少なくとも津にみえて、そこから伊勢志摩へ行かれるという方は、僕は相当あると思っています。

 あともう1つは、セントレアからフェリーで伊勢志摩、鳥羽へ入ります。これも、まだ若干伸び悩んでおりますけれども、今後、この活用によっては、1時間半ぐらい、若干、時間がかかるんですけれども、僕はセントレアを活用できると思っています。やっぱり、遠方からはセントレアを活用してこっちへ来ている。津にも、相当の方が観光客として入って、伊勢志摩の方に行かれているというふうに私は思っています。感覚的には何割ぐらいというのは言えますけれども、そのへんは政策監からご説明いたします。

○藤本政策監 海上からの、津なぎさまちへのセントレアからの月別の利用者でございますけれども、2月から9月までの累計では、1日当たり往復で1,349名というデータをいただいております。

○前野委員 1,349名ね。私は、セントレア効果と万博効果というのは、それぞれ違った魅力で、非常に高い、観光文化という形では非常に大きな相乗効果があるのではないかと、期待をしておったと思うんです。その相乗効果で、中勢地区の観光地だとか、伊勢志摩の方がもっとにぎやかなものになるのかなという期待を随分していたんですが、観光関係者もその期待が多かったと思うんです。期待が多かったわりには、その効果が全く表れていない。結局、遠いとこから飛行機でセントレアへ来ますよね、万博へ来る。そのまま帰ってしまうということで、セントレアからまた船に乗って、津のなぎさまちに来るとか、鳥羽の方へ行くという、そういうメニューがもともとつくってなかったんじゃないかなと。

ですから、個人的に来られた方は、そういう流れの方もあったのかもわかりませんが、団体客でどっと流れ込むという、そういうことにはならなかったのではないかと、そんなことで、非常に残念なことだったなと、今、思っているんですが、そのへんの見解だけ聞きたいと思います。

○世古室長 補足をさせていただきます。先程の資料の2でもございますけれども、大手旅行会社から、遠隔地から三重県へ入っている数字がございますけれども、その中で、これは、ある大手の旅行会社でございますけれども、セントレアを使って三重県へ入ってきた具体的な数字といたしまして、4月から7月までの4カ月間で2,486人という数字も出ております。旅行商品そのものが、セントレアを使って三重県に入ってくる、こういうふうな旅行商品になっております。具体的な例でございます。

○前田委員長 セントレアじゃなくて、なぎさまちを使ってという質問じゃないんですか、今のは。セントレアというのは空港であって、なぎさまちを使って、海を使った利用客はどうかという、そういうメニューができていたのかという質問じゃないですか。

○石垣部長 私どもは、三重県に入ってくるお客さんについては、要するに交通については、名古屋から近鉄で来る、観光バスで来る、私どもも名古屋駅からはバスを出していますよという話やら、セントレアからなぎさまちへ入る、なぎさまちから鳥羽へ入っていくという多様な分について、いろんな形で、これはANAのスカイホリデーですけれども、こういうものについても、相当、交通についてはPRをさせていただいておりまして、決してなぎさまちだけやらなかったというわけではございません。

○前野委員 県外の九州とか北海道とか、そういうところからセントレアへ降りた客がどれだけの数あったのかなと。たぶん、セントレアへ降りるということは、2泊とか3泊という、ある程度の滞在期間を持って来ていると思うんです、遠いところから来るわけですから。1泊で帰っていくわけではないと思うんですが、それらの来た人たちが、いかに三重県に流れたかということを確認したいんで、おそらく今言われているように、岐阜の方に流れていたのではないかと、あるいは名古屋で止まってしまったのかなと、そんな気がしますんでね。こちらへ来られた率がどれくらいあったのかと、そのへんを確認したいだけです。だから、その宣言効果が足りなかったのではないかと。

○石垣部長 確かにこの万博の期間中というのは、ビジネス客がほとんど泊まれないという状況にあったということから、観光客も、やっぱり名古屋を中心に泊まったということは言えると思います。現実にビジネス客が、例えば北勢の方で泊まったとか、名古屋に泊まれないという状況があったのは事実です。ですから、やっぱり、名古屋を中心に泊まられたというのは事実だと思っています。

 ただ、私ども、何度も言いますが、その中であっても、伊勢志摩をこの時期に見て、あるいは観光して、伊勢神宮にお参りして帰っていこうという方が増えたから、伊勢神宮だけ飛び抜けて、10%以上増えたんだろうというふうに思っています。特に外国客も含めて増えたんだろうと思っています。ちょっと数字的には、実は、先程お出ししております数字につきましても、複数のエージェントですけれども、やっぱり幅があるということで、なかなか出してくれない。そういう面については、ちょっと難しいんじゃないかと思っています。

○藤本政策監 今、委員ご指摘のセントレアに着いた方が三重の方にどのように、あるいはなぎさまちからどうやって、どのぐらい流れたかというのは、定かなデータは今現在ございません。ただ、過去の三重県への入り込みの状況を見ますと、おおよその形で申し上げますと、関西、中部からそれぞれ3割ずつ、三重県内の方々が3割というのが、三重県の観光入込客の実態です。首都圏からはどのくらいかというと、約5%程度です。その他の残りの5%が全国各地だろうというデータでございます。

 もう1点、三重県への約半分は日帰りのお客さんでございます。1泊される方が4割弱ということで、1泊・日帰りをあわせると、8割方は非常に短期間の滞在の方ということになります。

 したがいまして、委員ご指摘の点から考えていくと、仮にセントレアへということになると、やはり、遠くの方々で2泊、3泊する方々をこれから考えていかなければならないのかなと。むしろ、セントレアの開港を、今現在どうかというデータはないんですが、私どもは、そういう新しい見方で遠くの人たちを、全国各地を結んでいますし、津から考えたら非常に近い地域になりますので、そこを今後どのようにやっていくかというのが、今回、1つの課題として見えてきたのかなと。おそらく、セントレアへ入った方々は、先程のモンスター万博じゃないんですが、万博の方に取られてしまったと。セントレアと言っても、全く新しい空港ができたわけじゃなくて、名古屋空港に代わってという形になりますので、路線も増えていますが、全く新規でできたわけではございませんので、そういったところを使って万博へ行ったり、あるいは周辺のところへ行ったんだろうと思います。

 今後、我々はそれを使って、どうやって三重県内に誘客するかが、今見えてきたというふうに考えております。

○前野委員 最後にしますが、せっかくセントレアの期待も随分高いわけですので、いわゆる2泊、3泊という長期滞在者の誘客というのが非常に大きなこれからの課題かなと思います。ぜひ、セントレアへ降りてもらった人たちを、対岸にすばらしい観光施設があるわけですから、そこへぜひ足を伸ばしてもらえるような施策を、エージェントとも十分相談をしていただいて、宣伝効果を上げていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。要望しておきます。

○竹上副委員長 1点だけ、最後に説明を聞きたいと思います。

 私、実はこう思っていたんです。万博って成功だったんかな、どうかなという思いがありましてね。目標が1,500万人、入ったのが2,200万人、プラス700万人。ところが、実際に来た外国人というのが、これを見ると87万人ですよね。ほとんど国内の方で、しかも、この地域の方が多い。首都圏へ行けば、誰も知らないんです。単純に言うと、これは、大きな国内イベントかと。

 あの 海上 ( かいしょ ) の森騒動から始まって、結局は青少年公園を潰して会場にして、というふうなことを考えると、いったい万博というのは、果たして本当に成功だったのかな、どうかなというのは、すごく、隣の県のことですけども、思ったりしておったんです。

 その中で考えると、評価できるのは、平成10年ですね、確か、万博の誘致が名古屋と決まったんで、中部国際空港はゴーになったんですね。だから、ある面で万博効果は中部国際空港ができたことだと、セントレアができたこと、これが大きな効果であった。また、反対活動を通して、市民活動、特にマイナーだった環境団体といいますか、ああいうふうなところが一般市民の評価を受けるようになったというのも、1つの大きなことなのかなと。この2つぐらいかなという気がしておったんです。

 そこで、先程部長が、官民一体となって、伊勢、志摩、鳥羽が連携したというのが、効果じゃないかといったことを言われましたが、三重県にとって、特に観光面で、万博はいったい何の意義があったんだと、単純に言うとどこにあったのかというのを、一言、二言でお答えいただければと思います。

○石垣部長 日帰り圏は大変つらかったですけれども、まさしく今まで伊勢志摩に対して、目をあまり向けてくれなかった、全国でいうと5%以下で、セントレアができて、遠方からこちらへ来てくれたということについては、これからの新しい観光誘客のエリアとして、僕は注目できると、それについては大きな成果があったと思っています。新しい顧客を開拓できたという意味では、成果があったと思います。

○竹上副委員長 特にこの数字を見て、もう1つ思ったのが、やっぱり本物は強いんですね。ほかのところは、みんな下がっているのに、伊勢神宮だけが1割増しだというのは、結局は本物は強いということなのかなというのは、つくづく思いました。

 これから、まだまだいろいろあるかと思いますけれども、特に遷宮に向かって、本物志向というか、それでまたご努力いただきたいと思います。

○山本委員 今の竹上委員の意見を別に否定するわけでも何でもなくて、空港が決まったのは昭和63年ぐらいの議会で、木曽岬干拓に造るか、常滑に造るか、三河湾に造るかということで大騒動しました。それで、あそこへ決まったのが昭和63年ぐらいのときでした。その後、オリンピックが開かれて、ソウルへ持って行かれたりして、愛知県は何もないじゃないかというので、万博に行ったのが、これが流れです。だから、万博が決まったからセントレアができたんじゃありません、常滑沖は。ゴーになったのは、その後、だいぶ経ってからですよ。

          〔「万博の誘致と同時だったんです」の声あり〕

○山本委員 それは、まあ、置いておいて、伊勢神宮なんですが、例えば東南アジアで中国、韓国、台湾、その次アメリカということで、別にアメリカ、欧米系の人はいいんでしょうが、中国なんかは、これから新しい観光客の大きなターゲットなんですけれど、伊勢神宮ということになってくると、いろいろなそういう政治的な要素というのがありはしないのかなという、これはもう、全くの私の個人的な思いですけれども、そのところは全然意識しなくてよいのであれば、どんどんやればいいし、少し抵抗感があるのかなというような、そのところは、私、ちょっとわからないものですから、教えてもらいたいと思います。

○藤本政策監 この春、私ども、上海の方に、観光客の誘致ということで、知事と一緒に行ってきたわけでございますが、その際にも、向こうの方に、すべての方に伺ったわけではございませんけれども、そのへんの話、いわゆる神宮、神道に対してどのような認識なのかということを、私なりに伺いました。

 そうしましたら、今日、話題になっている、あの神社とこちらの関係では、やはり分けていらっしゃるような気が私は十分したなと、これが1点。

 もう1点、かつて、神宮に伺って、神宮の方とお話しているときに、仏教の最大勢力の1つの、大きな師として ( あが ) められているダライラマさんがいらっしゃったことがあるそうでして、その時、ラマさんがどんなことをおっしゃったかというと、この森というものを残されてきたのは、大変な努力と素晴らしさというのがあるなと。こういうものは世界の人に、やはり知らせた方がいいんじゃないか、というようなことをおっしゃったというふうに伺っております。

 したがいまして、宗教という面からはちょっと別にいたしましても、あそこには、世界の人たちが、基本的に感じ得る何かというものが、あるんではないかなと私どもは思っていまして、それをむしろ売り出していく、PRしていくことが大切なのかなと思っています。

 ですから、すべての方に伺ったわけではないんですが、そのへん、私もちょっと心配ですけれども、今の状況では、そんなに心配しないでもいいのかなという気はしております。

○山本委員 ダライラマの話も出ましたけれども、あれは、もう、5~6年前ですね、伊勢かどこかへ来て、ありました。だけど、当時ね、行政マンは、祝祭博のときにはこう言っていましたよ。世界宗教会議を、宗教家を集めてあそこでやったらどうか、そんなイベントをやったらどうかということを提案した議員がおりましたけど、それは、宗教と行政というか、そのへんの今の難しいそういうようなもんがあるから、それはちょっと没だねと。わざわざバチカン市国へ行って、ローマ法王のところへ行って、お伺いを立てたというようなこともあったんだけれども、それはちょっと、宗教と政治とが絡んではいかんというようなことで没になったということもあって、時代が変わったなと、そんなふうに思います。

 ですから、新しいターゲットとして、中国というのは本当に、修学旅行も含めて力を入れてもらえば、本当にありがたいなと思います。

○吉川委員 提案したいのは、やっぱり他力本願ではいかんのだと。そうした中で、交通の ( かなめ ) 、いわゆる三重県が非常に全国でも数少ない空港のない県。コミューター空港でいいから、そういうものをパッと1つ造ってください。それが先決だと思う。でなかったら、観光客来ないです。万博から、そんなの、こちらへ来ようと思ったら、何時間かかるの、あの場所から。そういうことを観光業者が言っていましたよ。

○石垣部長 一時、磯辺の奥の方にコミューター空港を造るという計画も確かにありましたし、明野空港について、コミューター化ができないかというふうな話があったんですが、これについては、今、立ち消えになっているんだと思っています。

 委員から、そういう意見があったということについては、上げさせていただきたいと思っています。今、特にこの場で、コミューター空港ができるとか、そういう話については、ご答弁は差し控えたいと思います。

○吉川委員 観光だけではなく、三重県の商工業すべての発展につながります。よろしく。

○杉之内委員 部長ね、だいたい話を聞いていてわかるんだけど、限界があるということだけは事実でしょう。どれだけ手を打っても、三重県の伊勢志摩、これ以上ということは、僕はあり得ないと思うんだわな。時代が大きく変わってきてですよ、そして、当時、知事が万博の場合は5,000万人と言っていたのを3,000万人となって、3,000万人のうち700万人でも500万人でも、三重県に入込客が来てと、相当予算も使って、金を使っていることも事実ですよ。それで、何ができたかといったら、ただ、おもてなしだけだと、おもてなし、おもてなしばっかり言ってね。交通利便が変わるわけでもなければ、近鉄特急がそんなに早くなったわけでもなければ、実際言って、これでは、僕は 疲弊 ( ひへい ) しておるだけだというふうに思わざるを得ませんね。

 そこからまた、今度は、熊野古道なんて、夢みたいなことをね、我々によく皆さん言うんだけど、実際言って、これは現実問題、僕たちが聞く範囲では、三重県といったら鈴鹿サーキットですわ、全国的にも、世界でも、知っているのは。したがって、愛知に来た、万博へ来た人たちが、時間的には25分でその場所へ行けるんですよね。ものすごく便利がいいんです。それじゃあ、北の人が、伊勢志摩へ行くかといったら、道路がよくなったというものの、実際言って、混雑して、二度と行きたくないという感じで、回って、円形で来ている道路があるかというと、それもない。これは、旧態依然と変わっていないということなんでね、ここらへんは、あなたところで掌握するような次元の話じゃないと思うんだけれども、これは、本当にそこをきちっと心してやっていかないと、この25年の式年遷宮か、道路の問題はあとで出てくるみたいだけれども、本当に僕は、県議会議員を4期やって、5期目になるか、そんなに変わってないな、道路にしても。伊勢志摩の問題についても、そんなに大きな変わり方はしてないような気がしますね。

 昨日も、僕は志摩へ行ってきたけれども、本当に、伊勢市駅を降りたら、がらんとしてますよ、駅前周辺なんかも。宇治山田駅に降りてもそうだもん。あんなになっておるのも、実際、実態を見たら、とてもじゃないけど、相当いろんなことをつぎ込んでやっているということは聞きますが、これは、なかなか大変だなと。

 おそらく石垣部長なんかは、何もかも知っていらっしゃると思うんだよ。小川さんが商工部長をやっていたときから、ずっといるから、あんたは。何もかも知っているんや、あなたたちは。新しい議員さんたち、来ているんだからね、本当にそういう点も、きちっと、そのへんのところを議論しながら、我々も一生懸命やっているわけだけれども、あんまり、そのときそのときだけの形での、流れで答弁してもらったら困るな、これは。それだけは苦言を呈しておくわ。コメント要らんわ、わかってるから。

○石垣部長 1点だけ。委員言われましたように、やっぱり時間と距離が要るわけです。この時間と距離に合うだけの魅力を出して、「あそこへ、やっぱり行かないといかん」という魅力がないと、人は来てくれないということが如実にあるわけです。

その中で、例えば伊勢志摩の外宮の駅前の話、伊勢市の駅前の話、宇治山田の駅前の話が出ましたけれども、やっぱり、町として本当にそういうお迎えのできる雰囲気があるか、いろいろな形でお客さんが言われるのも事実ですし、委員が言われる、確かに苦言という話になるけれど、時間と距離に対して、どれだけお客さんに対して満足を与えて帰すかという、本当にそれがないとやっぱり来てくれない。ある意味では、そういうのは事実だと思っています。それ以上のお答えはできません。

○杉之内委員 あなただけでも、頑張ってやってや。

○中村進一委員 杉之内委員がみんな言ってくれたんですが、だいぶ変わってきているのは、いろいろ市民の人、県民の方々が、行政に任せていたらいかんということで、一生懸命頑張っていただいているという部分がありますよね。これにも挙げてもらってありますが、例えば具体的な戦略のところで、伊勢志摩ツアーズとか、それからバリアフリーツアーセンターとか、名前が上がって、この人たちが頑張ってくれたみたいに書いてありますけれども、今はどうなっているんですか、ちょっと心配なんです。

 それと、この特別委員会で調査に行ったときにも、要望を伊勢ではいただいたんですけれども、伊勢志摩にお客さんをセントレアから持ってこようということで、 神社港 ( かみやしろこう ) というところでNPOをやってみえる皆さんが、土・日だけですか、野口みずきさんのみずきとい名前をつけた船でしたか、船で送り迎えをしていますが、私の知っている限りでは、そのバリアフリーツアーセンターにしても、伊勢志摩ツアーズにしても、それから神社港のNPOの方々にしても、本当に息も絶え絶えで動いてるようなふうに見えるんですが、現状をもしご存じでしたら教えてください。

○世古室長 まず、バリアフリーツアーセンターでございますが、先程、部長がご説明させていただきましたように、今度、地域再生計画の方に申請をしております。この認定が受けられるとしたら11月ぐらいという話は聞いていますけれども、それを受けられると、国からの支援があるということで、今、この地域再生計画については、ヘルパーの介助でありますとか、それから伊勢神宮への障害者の方の支援でありますとか、それから同じようにバリアフリー観光をやっております全国の組織との連携でありますとか、そういったことを地域再生計画の中で取り上げて、認定を受ければ、そのような事業の展開を図ろうということで、バリアフリー観光のために、いろいろと事業をしていただけるというふうになっております。

 それから、伊勢のNPOの方が、船でセントレアの方へ海上タクシーということで運行されておりますけれども、これも、冬場を除いて運行しているというふうには聞いております。

 それから、バリアフリーツアーセンターでございますけれども、これにつきましても、最初に部長から、今、鳥羽の方で福祉の関係で事業に取り組んでいるという話がございました。これは、健康を念頭に置いた事業ですけれども、その中に、バリアフリーツアーセンターも一緒に入って、そこのところで旅行商品なんかの造成にかかわるというふうな話を聞いております。ただ、先程の健康の関係にしましては、今年度、調査事業だけを国から認められたというふうに聞いておりますので、今年は、その調査だけの委託をして、来年度以降、具体的な事業に取りかかるかどうかというのは、その中身を見てからというふうに思っています。その中で、伊勢志摩ツアーズも一緒に入っているというふうに聞いております。

○中村進一委員 私は、この万博とか、それから中部国際空港ができて、何度も今まで申し上げたのは、逆にお客さんを取られてしまうのではないかという心配をずっと言い続けて、結果、今日、聞かせてもらったら、そんなに被害はなかったと。外国人の方が随分増えたというふうに見せてもらったんですけれども、その一端というのは、こういった市民の人たちが歯を食いしばって、ずっと頑張ってきてくれているからだというふうに思うんです。

 今、具体的なことを聞かせてもらいましたけれども、例えば、運行している方々は、船を運行していることの表示すら、セントレアのどこにもしてないじゃないかと、してくれと頼みに行っても、なかなかそういったこともしてもらえないと。契約の関係とか、いろいろあるんじゃないかなと思うんですけれども、そういった部分は、助けてくれるというか、NPOとして全力で頑張っているわけですから、行政として、やはりそういったサポートをしていくべきだというふうに思いますし、それから、バリアフリーツアーセンターにしても、ほかの部局も、観光だけではなしに、大きく、障害者の皆さん方に対する対応だとか、高齢者の方々の旅の問題だとか、いろんなことに波及してくる、行政として、本来取り組むべきような問題にも、随分かかわっていただいているようなところもあるというふうに思いますので、やはり窓口として、観光というベースで、こちらの方で、こうやって評価もしていただいているんですから、そのへんの協力体制というものを、もっともっとしてやるべきじゃないか。資金面とか、そんなのは横へ置いておいて、行政ができるサポートというのはあると思うんです。

 こういった人たちがいないと、これからどうしていくのかという、今後の取組なんかもかなり影響してくると思うんです。バリアフリーツアーセンターの人たちは、伊勢志摩だけのことを考えてるんじゃなしに、三重県全体、国全体へそういう思想を流していこうという考えも持っておられるようなので、そのへんどうですか。

○石垣部長 三重県が、まさしく「新しい時代の公」という形で、多様な主体ということを絶えず言います。要するに、いろんな行政をやっていくのに、多様な地域の皆さん方が地域の主体になって取り組んでもらうと、それと行政が協働していく、その方々をどう支援していくという形のものが、三重県でも、第一の重要施策に挙げているわけです。

 いつも言うんですけれども、私ども農水商工については、このバリアフリーツアーセンターもそうですけれども、まさしく多様な主体の皆さん方が地域のよさを知って、それを観光商品として売って取り組んでもらう、障害のある方々をどうサポートしていくかと、取り組んでもらっているわけですね。

 そういう面で言うと、私どもは私どもで、「新しい時代の公」という多様な主体の取組というので、 先鞭 ( せんべん ) を切ってやっていると思っています。そういう面については、私どもも今後、まさしく協働、連携、支援していくことは当然のことだと思っています。事業としては、まさしくこの方々が、今、地域でいろいろな取組をしてもらっているわけです。

 例えば二見町なんかでも、まさしく今、地域の文化を生かして、いろんな二見の大きな祭りをやってみたり、取組がいっぱい、伊勢志摩で出てきているわけです。南勢や、鳥羽でも、いっぱい出てきています。離島観光でも、いっぱい出てきている。その方々が、やっぱり支えてくれて、今、新しい観光の魅力づくりが出てきたんだというふうに思っていますので、委員言われますように、私どもは、協働といいますか、支援して、サポートしていくということに変わりはありません。

○中村進一委員 交通の問題だとか、それからまちづくりの問題だとか、福祉の問題だとか、それから、いろんな地場産業のいいものを見つけて商品化するとか、かなり幅広いことになってこようかというふうに思いますので、どれだけ今回の万博で学ぶものがあったかどうかわかりませんけれども、今後の取組の部分で、やっぱり窓口として、ほかの部署へ、そういった課題について、しっかりと広げていってもらうということをお願いしておきたいと思います。

○田中総括室長 1点だけ、補足させていただきたいと思います。

 先程、山本委員から、万博共同館の成果についてご質問がございました。総合企画局の方へ確認いたしまして、この共同館、中部9県が共同出資したという形で、1000年先まで持続可能なものづくりの提案ということで、中部千年共生村ということで出店したわけでございますけれども、一応、目標の入場者数が80万人ということで掲げておりましたが、最終的には113万人の参加があったということでございます。

○前田委員長 山本委員、よろしゅうございますか。ほかにございませんでしょうか。

ほかになければ、これで万博を活用した観光振興への取組についての調査を終了いたします。当局にはご苦労さまでした。

II 委員協議

1.提言について            正副委員長に一任

〔閉会の宣言〕

以上、会議の要綱を記し、ここに押印する。 

平成17年 10月17日          

観光・文化調査特別委員長   前田 剛志

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