このページではjavascriptを使用しています。JavaScriptが無効なため一部の機能が動作しません。
動作させるためにはJavaScriptを有効にしてください。またはブラウザの機能をご利用ください。

スマートフォンサイトへ移動

三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成17年度 委員会会議録 > 平成17年12月19日 東紀州地域経営調査特別委員会 会議録

平成17年12月19日 東紀州地域経営調査特別委員会 会議録

東紀州地域経営調査特別委員会

会議録

(閉 会 中)

開催年月日   平成17年12月19日 自  午前10時01分 ~ 至 午前11時51分

会議室     第601特別委員会室

出席委員    10名

委員長 森本 繁史 君
副委員長 田中 博 君
委員 青木 謙順 君
委員 桜井 義之 君
委員 山本 勝 君
委員 萩野 虔一 君
委員 島本 暢夫 君
委員 橋川 犂也 君
委員 中川 正美 君
委員 藤田 正美 君

参考人

観光カリスマ 山田桂一郎 君

出席者

[地域振興部]

部  長   浦中 素史 君

経営企画分野

総括室長   田中 栄喜 君

東紀州活性化・地域特定プロジェクト

総括推進監  長谷川 敬 君

その他関係職員

[総合企画局]

局  長   村林  守 君

政策企画分野

総括室長   天野 光敏 君

その他関係職員

[総務局]

局  長   中尾  睦 君

組織・職員分野

総括室長   中西 正明 君

財政・施設分野

総括室長   植田  隆 君

その他関係職員

[県土整備部]

住民参画室長 渡辺 公徳 君

その他関係職員

傍聴議員    0 名

県政記者クラブ   3 名

傍聴者   0 名

議題および協議事項

I 調査

1 有識者との意見交換(観光カリスマ 山田桂一郎 参考人)

2 東紀州関連予算について

3 東紀州地域振興創造会議について

4 熊野古道センターについて

II 委員協議

1 次回の開催について

【会議の経過とその結果】

〔開会の宣言〕

I 調査

  1 有識者との意見交換

 (1)参考人から説明(山田桂一郎 参考人)

○山田参考人 早速お時間がありませんので、座ってお話させていただきます。失礼いたします。

 もう自己紹介等々も必要ないかと思いますので、相変わらずあちこちに引っ張られてまして、北は北海道、帯広、知床から、南は屋久島、沖縄のヤンバルまで、先月の中ぐらいに帰ってきたんですが、こうやって北から南まで、実は昨日まで鹿児島県の霧島にいまして、国立公園の関係でずっといまして、その前は湯布院にいたり、インドネシアのビンタン島と、相変わらず転々としているんですが、かなり観光振興をするという部分で、これはもう日本だけじゃなくて、特に東南、東アジアも含めてですね、日本で言われるような過疎の地域がこれでなくては生きていけない、新しい産業構造を持たなければ仕方がないと。しかもそれは企業誘致とか何かじゃなくて、付加価値の高い商品を売るためにはもうこれでしかない。特に先進国化しているヨーロッパの国々もそうなんですけれども、なぜそういうふうな仕組みづくりが必要なのかというのを今日ご説明できれば一番いいのかなと思っております。

 実は、先生方に今日お話するのに、もう今朝さっきまで私資料を作ってまして、全部で資料の枚数が60枚超えてまして、これを45分間ですべて説明するのは至難の業で、観光のことから県内各市町村の財政力にあわせた資料等々、人口統計も含めて、あとほかのそれに比較対象できるようなグラフなんかも作ってきたんですが、ちょっとどこまでお話できるかわかりませんので、今日は余り私が45分間お時間あるんですけれども、一方的にお話するのじゃなくて、最初にちょっと全体的な日本の観光動向のお話をさせていただいた後、先生方の方からちょっとそのポイント、ポイントで何か、東紀州ならみたいなところでご質問いただいてもいいかと思いますし、私の方で東紀州を、日本だけじゃなくて全体的に、ある意味地球上のあらゆる観光地、リゾート地を見た中での位置づけとして、こういう方向性もあるんじゃないかというご提言といいますか、若干意見のようなものもまとめてきましたので、それをご発言させていただければと思います。

 最近、私日本中で、講演よりはいろいろな事業化を図る方がもちろん得意なんですが、お話をしていていろいろな方とお話をするんですけれども、特に観光事業者になればなるほど、今日本の観光がどういうふうに動いているのかというのをさっぱり理解されていらっしゃらないんです。これは特に旅行業界がそうです。先月、ここだけ、あんまりビデオに撮られているので、これが旅行会社の方に漏れると大変なんですけれども、トラベル懇話会といいまして、日本の大手旅行会社の社長以下役員、専務、常務クラスが集まるという定例会がありまして、そこでもお話させていただいたんですが、経営者の方自体がよくわかっていらっしゃらない。私自身もその後にまた個別で呼ばれてお話ししたんですけれども、要は調査機関が調べている数字とかですね、そういったものもまともに把握されていらっしゃらないという方が結構多くて、それも今までのような例えば入れ込み数のような数字なんかでも、かなりしっかりしている数字と、年に1回ぐらいしか調査してないような数字とか、いろいろあるんですけれども、そんな中で、今日はもちろんいろいろなシンクタンクの中で調べた分母数の多い数字とかですね、国税調査の数字とか、絶対的なもので、これはかなり信用できるかなというものの数字を中心にお持ちしました。

 そんな中で、一番最初にお話ししておきたいのは、日本の観光自体はですね、かなり実は苦しいんだということです。バブルの頃に日本人は平均大体3泊ぐらい旅行してました。1人当たり、国民。それが、現在もう2泊を切ってしまいまして、1.93から1.94泊と言われてます。要は10年ぐらいで30%減ってしまいました。これはいろいろな原因があると言われているんですけれども、特にスキー産業自体は非常に苦しい状況でして、今年若干復活の兆しを見てるんですけれども、スキーツアーと言われるものは半減以下なんですよね。これは統計を見ましても、もう長野県、新潟県のスキー場は軒並み一番ピークの頃から見ますと、お客様が6割、下手するともう80%も減ってしまったというところがあります。要は宿泊を伴うような旅行形態が随分変わってしまって、数字が減る一方だと。

 これはですね、皆さん特に観光事業者の方ほど、不景気だ、不況のせいだとおっしゃる方が多いんです。「いや、そうなんですか」というお話を私の方から必ず振り直すんですが、中にはですね、「いや、この今の状況を何とか我慢すれば、昔のバブルの頃のように観光バスがどんどん来るんじゃないか」というふうに、いまだに信じている方がいらっしゃいまして、私は、最近私とよく一緒に2人でセットと言われる日本政策投資銀行の藻谷さんなんかと一緒に話するのは、一種の景気教じゃないかと、信じているだけじゃないかという話をするんですけれども、なぜかといいますと、景気のせいと言わないのは3割も減ってしまったという現実がありまして、要はこのバブルが弾けて以降10年間強というのは、日本は経済成長率がほぼ横ばいですから、バブルの頃に3泊しかしてなかった国内旅行客が、今も3泊ならば景気のせいなんです。これが増えもせず、もちろん横ばいでもなく、減っているというのは構造的な欠陥がありまして、ライバルが非常に多いわけですよね。要は、例えばスキー場のライバルは隣のスキー場ではなかった。温泉観光地のライバルは、隣の県の温泉観光地じゃなかったということがはっきりしているんです。なぜかといいますと、それは例えば車の販売台数、アパレルにしましても、ほかの産業構造というのは本当に物が逆に言って売れてますので、減ってるところの産業の方が極めて少ないわけですよね。

 例えば国内観光以外にもゲーム機器とか、やはりレジャーとか、遊びとか、娯楽の部分で競合してしまったのは確かです。例えば私も20年以上前、学生だった頃に、それこそ冬に泊まりがけで遊びに行くとなると、スキーしかなかったわけです。今はスキーじゃなくたって海外旅行もありますし、手近にいろいろなレジャーとか娯楽があるものですから、要はお客様の趣味・嗜好も多様化している中で、選択肢も多くなってしまって、国内旅行だけではないということです。

 ですから、どこに負けたかという部分なんですが、やはり一番大きいのは海外旅行です。海外旅行で使われている金額がかなり大きくなってきまして、国内旅行はそれでも29兆円ぐらいあると言われているんですが、比率にしますと7対1の割合で、その1が非常に大きいと。特に4兆2,000億ぐらい、海外旅行に遊びだけで日本国民は使ってます。これは日本の石油輸入総額の大体1.6倍に匹敵いたしまして、かなりの金額です。遊びだけですから、ですから日本も海外からどんどんお金を、外貨を、製品を売って稼いでいるんですけれども、赤字にしている部分というのは、実はこのサービス赤字と言われている海外旅行でして、これが非常に桁数が多い。逆に言いますと、セントレア空港を使っていらっしゃる海外のお客様の100人に1人といいますと、統計学上合わないんですが、1,000人に1人でもいいので、東紀州に来てくださいというプロモーションをして、もし来てもらえば、実は東紀州には42億円の経済効果が必ず上がるはずなんです。たとえ日本人が来なくても、外国人が熊野古道はいいと、世界遺産だといって来ていただければ、実は同じだけの経済効果がここにあらわれるというのは非常にはっきりしています。

 要はほかの産業構造に比べて、どうしてもライバルも増えてきた、もしくは事業者の方の努力が足りなかったという部分も多々あるんですが、特に地方から地方への旅行という部分では、これは非常に顕著でして、地方から地方の旅行というのは意外と少ないんですね。例えば北海道の方が沖縄には行くんですが、意外とこっちの東海の方には来てないとかですね、そういう地方間の旅行が減っているのは何かといいますと、地方の方が行かれる旅行って、もう大体大都市圏なんです。なぜかというと非常にはっきりしてまして、特に東京、大坂なんか中心なんですけれども、それに追って名古屋、福岡みたいなところもあるんですが、旅行というのはやはり非日常の追求であったり、それへの憧れであったり、ですから、地方にはもちろん、例えば東京ディズニーランドもなければ、渋谷のような雑踏もなければ、高層ホテルから見るきれいな夜景とともにおいしいフレンチなんか食べれませんから、そんなのが地方にはないので憧れを持って行きますけれども、あんまり住みたいとも思いませんからすぐに帰ってきます。都会の方は逆にですね、やはり自然環境とか、田舎暮らしとか、農業体験とかって、やはり自分たちの都会にないものに憧れて行きますので、そんな中でいろいろな自然体験とか、そういったプログラムメニューが今日本中で、ある意味雨後のタケノコのようにできているという、ニーズがあるからできているということも非常に立証されております。

 あと、若い方にとってはですね、お金を使いたくても使えないという現実がありまして、まず、携帯、インターネットのようにですね、行ってないのに行ったような気になるようなものもあるんですが、実際の消費額、消費面から見ますと、私たちが若い頃はそれこそ携帯電話なんかなかったものですから、月にアルバイトをして2、3万稼げば、年に20万から30万ぐらいのお金があると。それを冬はスキー旅行に使ったりとか、先ほどの話、夏はちょっとどっかに友達と、ゼミの仲間と大学時代にでも遊びに行くかという話になったんですが、今はコミュニケーションツールの携帯電話に月平均やっぱり1万、2万と若い方が平気で使ってますから、せっかくアルバイトをしたお金もですね、コミュニケーションツールに使われてしまって、実は全く手元に残らないので、遊びに行きたくても行けないと。ましてや、これはまた別の側面なんですが、体力がなくなってますから、夜行バスに乗れないんですよね。疲れてしまって。私たちが若い頃は、夜行バスに乗って、着いたその場からスキーをするような体力があったんですが、今これ、厚生省なんかの数字を見ても明らかなんですけれども、20代前半の男性・女性の体力がことごとく落ちてまして、夜行バスに乗ってまで旅行ができないんですよね。そういったこともございます。

 あと一番つらいのはですね、これ事業者の方にお話をするんですが、今まで事業者の方がやってきたサービスが余りにもお粗末だった。ある意味ですね。もちろん質がよくていいサービスをしてきていらっしゃったところもあるんですけれども、事業者の方が自分たちのサービスというものを、今までよかったと思っていらっしゃる、ある意味信じ込んでいる方もいらっしゃるんですが、実はお客様の方はそうはとってないんです。例えば温泉旅館にしましても、例えば大手旅行会社の言われるままに増改築をしてしまった。同じように露天風呂を造ってしまった。旅行会社の言われるままに晩御飯のメニューを作ってしまったということをやってしまいますと、日本全国、例えば伊東、熱海に行ってもですね、鳥羽に来ても、要は出てくる晩御飯のお膳なんかあんまり変わらないわけですね。お刺身があって、一人用の鍋があって、季節によって伊勢エビが出てみたいな話。

 結局、これも首都圏、いろいろな調査を見てわかるんですが、特に大都市圏からしますと、要は旅行へ行くという動機とか、行きたいという欲求はある、要望はあるんですが、どこに行っても同じだろうと思われているわけです。これはもう温泉旅館だけじゃなくて、スキー場とか、どこもそうです。どこに行っても同じだろうと思われているので、一緒ならば、お客様は近い方と安い方にしか流れないんです。一緒と思われた瞬間です。ですから、例えばそば打ち体験にしてもそうですし、焼き物教室だったりとか、自然体験プログラム、みんなそうなんですけれども、マーケット側から一緒だと思われた瞬間に、近い方、安い方にしか流れてないわけです。これが一番苦しいんですよ。ましてやサービスというのは、これはホスピタリティーが伴っているというのは当たり前の話でして、特に私のように教育機関でもホスピタリティー、サービスを教えている者からしますと、サービスからホスピタリティーを引くとただの作業しか残らないんです。

 どうしても人口増加の中で高度成長を続けてきました約50年ぐらいの間に、バブルの頃まで日本の人口というのは100万人ずつ増えてきましたから、戦争当時の1億、火の玉が1億2,700万ではなくって、あれは朝鮮半島、台湾人を含めた1億人ですので、実際は8割ぐらい人口が増えてますので、そんな爆発的に増えた中で、要は競合もない、物もない、情報もない中で、意外と観光事業者の方は、例えばホテルを造れば、旅館を開ければ、スキー場・ゴルフ場を作れば人が来る。もう濡れ手に粟のような商売をされてきたと。特にスキー場なんか、温泉地もそうなんですけれども、断っても人が来るような状況があるわけですよね。特に長野県のスキー場なんかそうです。断っても、断っても人が来ると。そうすると、キャパシティーをオーバーして受けてしまう。定員6名の部屋のところに8名ぐらい突っ込んでしまったりとか、廊下でもいいから寝かせてくれと泊めてしまったりしますと、これは三重県下のある意味そういった観光地の方もそうなんですが、こなすだけで終わってしまいます。こなす作業だけですと、お客様はサービスを受けたというふうに感覚がないものですから、そういったところにはいい印象がないので行かないんですよね。これはスキー、温泉旅館なんかのお客様に首都圏のことを聞きますと、いまだにこんなに産業的にもがたがたになってお客様が減ってしまったスキー場でも、東京の方にスキー場の話を聞くと、いまだに混んでいると思っている。いまだにリフトは並ばされるとか、いまだに御飯はまずいと思っているんです。

 例えば首都圏に近いような箱根とか、伊東、熱海なんかでも、私の場合静岡県の仕事もやってますので聞くと、首都圏の方は必ずいまだにサービスが悪いと思っていらっしゃいます。今はもうなかなか一生懸命頑張って、いい旅館とかホテル出てきているのに、いまだに悪いと思われている。要ははやっているときに、余りまともなことをやらなかったものですから、そのときのイメージがお客様側にこびりついていらっしゃるというのが非常に多いです。ですから、特に伊勢志摩、鳥羽の、皆様もご存じのとおり、観光統計で非常に評価が低いと。昔の評価がいまだに引きずっているものというのは非常に大きくてですね、同じように聞いてもですね、例えば東京から同じ移動距離間にあるはずの、名古屋で乗り換えて同じような位置にある飛騨高山と比べてもですね、伊勢志摩は本当は負けないはずなのに、名古屋で乗り換えるときに南に下ってこないで北に上がってしまって飛騨に行くみたいなことが起きてしまうんです。要は時間距離だったりとか、素材とかじゃなくて、昔行った方があんまりいい思いをしなかったので、もう二度と行きたくないと。要はリピーター効果になってないというところが非常に多いんですが、過去に余り評価を受けてこなかったものが引きずっている。

 そういう意味では東紀州はこれからのところですから、今評判を落としてしまうとまた再び来ていただくという、そういうリピーターというのは絶対ありませんし、産業構造からしましても、これはどこの観光以外の産業もそうなんですけれども、新規顧客だけで成り立つ産業というのはありませんので、仕組みとしては繰り返し来ていただくと。泊まっていただいて、買っていただいて、食べていただくということを繰り返さない限りは、これはもう全く産業には、観光は新しく作ったとしても成り立ちませんので、そんな中では事業者側が気がついてないところにちゃんと気をつかせると。あなたたちこんなサービスじゃだめですよと。こんなおもてなしじゃだめですよと。しっかりとお客様を受け入れる体制を整えてくださいという部分と、実際に例えば東紀州に来るお客様、伊勢志摩に来る方、湯の山温泉とか、北勢に来る方、それぞれ目的、テーマがあるわけですから、そのお客様ニーズとか動向をしっかりととらえてくださいというところがですね、意外とばらばらになってまして、いまだに旅行会社でマス・マーケティングをしようとかですね、1億2,700万人に物を売ろうとすると、意外と焦点がぼやけてしまって自分たちが選ばれないということがどうしても起きてしまいます。

 そんな中で、三重県の動向というのがありまして、これすみません、クイズ形式にしてしまったんです。今日は余り時間がないもんですから、ざっと流してしまいたいと思うんですが、実は三重県にはこの5年間、99年から2003年までの5年間の統計で、2004年にまとめまして、この2005年に発表された数字なんですが、宿泊客の動向です。日帰り客は入ってません。最近日本のシンクタンクとか調査機関もようやくわかってきたなと思うのは、ヨーロッパ型、欧米型になってきたのは、観光動向、入り込み数じゃなくて、宿泊客でとってくれるのはありがたいんですよね。要は私たちスイスの観光局も、日帰り客は全くカウントしてないです。なぜかといいますと、ほとんど経済効果ないんです。私がもちろん何ていいますか、熊野古道とかいろいろなところのお手伝いをしててもですね、バスで来て熊野古道を歩かれて帰っていくと、経済効果はほとんどないんです。ごみは置いていかれるわ、トイレはされるわ、地方の行政からすると赤字ですよね。経済効果は、途中の道の駅で缶ジュース1本、2本買う程度で終わってしまいます。大体の旅行会社のそういったツアーというのは、やっぱりお弁当つきが多いですから、余り意味がないと。宿泊数、泊数単位でとっていただくと非常にわかりやすいです。

 そんな中で、実際のそのお客様としてとらえられる宿泊客の、実は旅行会社の比率が、この5年間で激減しました。日本全国で、例えば宿泊予約を、例えばクーポンを買うとかですね、JRの切符を買う。何でもいいですから、旅行会社を使ったという方が、今は激減してきてまして、このクイズをしますと、日本中ですね、まだ7割、8割旅行会社を使っている人の方が多いという回答を出す方が多いんですが、今実はどこまで減ったかといいますと、全国平均で言いますと、実は31%まで減ってしまいました。ほとんど旅行会社を使わなくなっています。インターネットで直接宿をとる、インターネットで航空券を手配する、新幹線の切符でも、今携帯電話でも予約して乗れますので。

 あと三重県がどれぐらいになってきたかといいますと、実は同じ、全国平均と一緒で31%なんです。3割しか利用せず、よく首都圏なんかでいろいろな伊勢志摩の、いろいろな熊野古道も含めましてツアー商品を買っている方、旅行会社を使っている方というのは年々少なくなっています。

 1人当たりの旅行代金というのがありまして、全国平均は3万9,000円なんですが、これは交通費とかお土産物が込み込みですけれども、三重県は実は3万5,000円なんです。これが高いか安いかといいますと、これは私はどこから来たのかという、いわゆるどっから来たのか。要は北海道から来ているとか、沖縄から来ているというのが高ければ、これは少ない金額なんですが、近くから来ている方からしますと、私はこの3万5,000円というのは意外と高い数字かなと思っております。これはまた後でマーケット動向をまた詳しくご説明します。

 利用交通機関が非常にこれはいろいろなものを物語ってまして、下の全国平均から比べましても、バスの利用率等は減っています。もう12.7%。これは定期路線バスとか観光バス含めての数字です。実はですね、列車というのは全国平均からしましてももう10%切ってます。旅行先での利用交通機関ですから、そこに来るまでということを考えてもですね、要は列車で来る方は地元でも列車使ったり、バスとか使ってますので、バスと列車の交通機関が全国平均でも減って、なおかつ三重県では3.4%ぐらいなんです。JR近鉄がいかに苦しいかというのがよくわかるわけです。これは私のように日本全国駆け回ってますと、これ実感ありまして、平日なんか新幹線利用される方はビジネスマンだけなんです。ビジネスマンでいっぱいです。上りも下りも。週末使っているのはですね、旅行客は確かにいるんですが、時間帯とかやっぱり動きがありまして、土曜日とか、金曜日の夜とかの週末なんかは、地方からやはり上京する方、日曜日の午後は逆に東京とか大坂から地方に戻る方が中心です。これだけ公共交通機関の利用がある一定のマーケットに、特にビジネス客にシフトしてますから、今の日本の状況からいたしますと、各企業さんも支社とか支所、営業所を減らすわけですよね。そうすると、日帰りとか一泊での出張が増えるものですから、逆に言うと同じ宿泊業でもビジネスチェーン店の稼働率がひたすら上がって、あちこちにホテルができてくるわけです。たくさん造らなきゃいけないもんですから、今回のような姉歯問題になってくるわけなんですけれども、そういったところが非常にあらわれている。

 実は、三重県は圧倒的に車なんです。車を使う方が自家用車でですね、61%もいて、この金額を使っているということは、かなり実はありがたいんですよね。かなり三重県下では使っていただいているというのがわかるわけです。どういうことかといいますと、これいつもクイズ出しているんですが、いろいろな旅行形態があるんですが、三重県は日本全国からしますと、日本全国でいくと1位、2位、3位のものが、逆に3位、1位、2位になってます。これどういうことかといいますと、3位が子育てが終わった後のご夫婦、2位が成人とその親、親子なんですが、私ぐらいの年代の人間がお父さん・お母さんを連れていくという旅行です。第1位が実は小学生連れの親子。これは三重県下の場合は、長島温泉から始まって鈴鹿サーキット、志摩スペイン村のようなテーマパークがどうしても多いものですから、こういった傾向には流れがちなんですが、全国平均よりも確かにポイント数も3.8高いですし。

 ただおもしろいのはですね、皆様、2位、1位のところにやはり大人が来ているんですよね。要は本物があると。本物志向の方がしっかりと流れているというのは確かなんです。特にうるさい大人の親子が、全国平均よりもポイント数上げている。実は先ほどの3万5,000円も客単価が高いのはなぜかというと、ここが引っ張っているんです。同じ親子なんですが、こっちの親子とこっちの親子では、客単価が明らかに違います。私はまだ一人なんですが、うちの弟たちもそうなんですけれども、子供連れで行くとですね、もう昼はマックでいいかとか、泊まるところも安くていいよという話なんですが、こちらの方はですね、やっぱり見栄張るんですよね。普段泊まらないようなホテルに泊まったりとか、ましてやお嫁さんの両親を連れていくとなるとですね、かなり見栄を張って、滅多に飲まないような日本酒とかワインをあけるわけですよ。このへんがやっぱり支持されている。ここ一番奮発して行こうというときには、三重県が選ばれている。それを追っかけるように熟年層も、フルムーンのような方たちも、こっちにとられてますから、割合的には少ないんですが、それでも全国レベル並みには来ているということなんです。ですから、ある意味テーマパークを中心として、もしくはいろいろな自然体験が最近モクモクさんのような農業体験から、鳥羽での離島体験とか、いろいろなところで体験メニューも増えてきてますので、テーマパークではないところでも非常に子ども連れから、あとは本物志向、伊勢志摩とか熊野古道のような本物のところにも人がちゃんと来ているというのは明らかなんです。

 追って、ちょっと10%切ってますが、三世代のお孫さんつきとか、あとはカップル、若い方、意外と多そうにあって実は少ないんです。悲しいのは宿泊数でして、やはりほとんどが1泊です。全国平均より高いです。10%も。2泊以降が少ないんです。これはシェアを見るとわかるんですが、実は圧倒的に近畿からで、地元の方が多くて、これだけでもう75%です、近畿・東海だけで。すごく身近な方々が、要は地元支持は厚いんですよね。ほとんど1泊で車で来てしまって、3万5,000円も使っているという。ただ2泊目以降には、要は時間消費させられないということは確かなんです。

 旅行観光業というのは、泊まらせてやろうとか、買わせてやろうとか、食わせてやろうとかとするよりも、時間を使わせてあげるような仕組み、例えばそういう時間を使わせるような体験プログラムとか、山を歩かせるとか、自然体験、農業・漁業体験のようなプログラムを作ると時間を使ってくれますから、そういうところにマーケットが反応して来ていただくと、勝手に宿泊滞数が延びるわけなんですが、そういったプログラムもまだ足りない。逆に言いますと、既存の観光施設、テーマパークで1泊とかですね、伊勢志摩でお参りして1泊ではなくて、東紀州の場合は熊野古道を歩いていただいて、熊野古道をテーマとしてほかのものを売るような、特に今紀南ツアーデザインセンターさんがやっていらっしゃるようなプラスαのいろいろな仕組みを使いますと、そこに反応すると時間をどんどん使ってくれますから、実は2泊、3泊につながるような仕組みはまだまだこれからなんだと。それを使うと、三重県に本物を求めてくるようなマーケットはもっと反応してくれる。

 もっと、例えば子どもたちも親子で楽しめる、もしくは子どもたちへのメニューというのがまだ東紀州は足りないですよね。例えば農業体験とか、漁業的な体験とか、自然体験。今どちらかというと紀南ツアーデザインセンターさんは大人を目指して、客単価の高い方を狙ってますけれども、いろいろな意味で商品構成がもっと豊かになってバランスよくなってくると、今来ているお客様も含めてもっともっと長期の宿泊化をさせて、なおかつ客単価をもっともっと上げることができ、かつ地元支持が厚い。第3位に関東からも来ている。多分関東から来た人たちは2泊以上していると思います。遠くから来てますから。ただ、悲しいかな、地元支持が厚くて車の利用率が高い中で、観光マーケットとして実はその他が12%。何のことはない。北陸とか、上信越とか、中国、四国、九州、東北、北海道、遠くなればなるほど全く来てない。本来は旅行先ほどお話のように非日常への憧れですから、北海道、東北の人が伊勢参りがてら三重県に行ってやろうとかですね、昨日も実は私鹿児島にいましたら、鹿児島の人はやっぱり三重県に行きたいなと思っているんですね。全く違うところですから。せっかくセントレア空港のようなものができて、津とか鳥羽にアクセス港があるわけですから、実はあちらの方に徹底的にプロモーションをかけると。

 実は分母が多いところを伸ばすというのは結構大変なんですよね。新しいマーケットの需要創造とか必要なんですけれども、全く来てないような北海道、東北、北関東、上信越、北陸、中国、四国、九州のようなところの方に、伊勢参りとか、熊野古道とか、特に熊野古道ですよね。今世界遺産は非常に人気がありますから、そんなところに来てくださいというようなPRをすると、実は全体的にマーケットを押し上げることもまだまだ可能なんです。特に地方の方のほうが、ある意味こういった仕掛けを作ると反応しやすいんですよ。要は情報がないものですから。情報がなくて来てないという方が圧倒的なんです。

 そんな中で、やはり市場の動きとしましては、個人化がはっきりしているんですけれども、特に来た人数じゃなくて使ったお金からしますと、圧倒的に個人旅行です。今、法人、団体の割合をしますと、8割が個人旅行になってしまいました。なぜかといいますと、法人、団体旅行は客単価が低いんですよ。エージェントがサプライをたたいて、やっぱり金額を抑えちゃいますから。個人旅行は、さっきお話ししたように勝手に車とか、勝手に新幹線で東京から来てとなるとですね、どんどん金使うわけです。しかも全体的としては個人旅行。あとはやはり多様化してます。いろいろな昔は十人十色と言った。今は一人十色です。例えば女性の方もそうですが、ひとり旅をするときの趣味・嗜好と、こどもたちを連れていく、近所の趣味・嗜好の合ったおばさん方の仲よし同士で行く、お父さん・お母さんと行く、それぞれ趣味・嗜好絶対違うはずなんです。要望がかなり多様化してきてますので、そういったところにいかに、要は今までの観光の仕組みというのは、どちらかというと十人十色どころか十人一色なんです。商品これに皆さんあわせてくださいと、商品に客があわせるみたいなことだったんですけれども、今はもっとお客様の方に商品を、テーマとか目的にあわせてあげない限りはなかなか難しいんじゃないかと。ですから、目的、テーマをもっと明確化、ライフスタイルを重視してあげないとだめということがはっきりしています。

 特に、例えば私がやってます理事をやってます日本エコツーリズム協会のデータを見てもそうなんですが、エコツアー、これは自然体験だけではなくて、歴史伝統文化とか、地域のことを、特に熊野古道のように丸ごと知りたいという方がですね、例えば今熊野に来ますと、宿なんかはつらいんですよね。紀南ツアーデザインセンターなんかのツアーはおもしろくて参加するんですが、泊まったときに宿が、例えばもっと環境配慮してないとテーマが合ってこないんです。これは伊豆の方のシーカヤックなんかやっている二、三十代のひとり旅の女の子たちがそうなんですけれども、すごいお金を使うんですが、彼らは、彼女たちはライフスタイル、普段からグリーン購入に気を使って、洗剤、シャンプーまで気を使って旅行、自分たちが生活していると。なのに旅先に行ったら、自然環境が豊かでツアープログラムもとってもいいのに、泊まった宿はお風呂に入ると洗剤は相変わらず合成のものを使っている、食材はというと意外と出来合いのものといいますか、どちらかというとインスタントで揚げただけのものが多かったりとなると、お客様がノーって言うんです。そのへんの徹底度とか、お客様の個人といいますか、やはりその価値観とか、これがしたいんだからという目的、テーマにあわせていただかないと、なかなか旅行としては売れてこない。

 さっき言いました三大マーケットってあるんですけれども、実際に行ってみたという旅行を見ましても、実はほとんど体験ものとかですね、ゆっくりするものが増えてきました。細かく時間がないもので解説できないんですが、今まで旅行形態で、例えばお祭りで呼ぶとか、イベントで呼ぶとか、グルメで呼ぶとか、海水浴みたいなものは、お客様はもう誰も支持していません。そんな旅行はしてないというのがはっきりしています。ましてやどんなところを、どんなことをやってみたいんですかという希望率をとりますと、特に五、六十代の男性なんか見るとそうなんですが、ほとんどが体験メニューです。しかも自分がやってみたい、自分の趣味で地酒だ、自分の趣味で陶芸教室だ、要は知的好奇心を満たして、自分がみずから、もう物見遊山ではないというのがはっきりしてます。マーケットが。そういったものでは、体験メニューというのは既存の観光施設よりも東紀州の方でこれから作ってあげた方が、いろいろなメニューが実は多種多様でできるというのがはっきりしてますし、マーケットもそれを支持しているわけですよね。もう物見遊山はもう結構だと。自分の知的好奇心とか、自分の趣味趣向を生かすようなそういう目的、テーマが発揮したところを選ぶわけですから、そこにあわせてあげるというのは実は今後非常に大事ですし、東紀州では実はできる要素とか、商品構成が組みやすいということです。

 ですから、マーケット動向を見ましても、世界遺産は圧倒的に希望が多いんですよね。どの男女別、どの階層でも世界遺産は7割以上の支持率がありますし、ましてやエコツアーというのは82%の支持率があります。エコツアーはさっき言いましたように自然体験ではなくて、その後ろにある歴史とか伝統とか生活文化、特に生活文化が大事なんです。こういった生活文化を出すという意味でも、伊勢志摩に負けないぐらい東紀州というのはいろいろな部分でストーリーも残ってますし、伝統を、熊野古道をただ歩かせるだけではなくて、やはり語り部のような方をうまく使ったりとか、もっとプロ化させることによって、お客様の目的、ニーズにあわせることができる。要はあわせ技で非常に厚い支持がある。

 そういう意味では、こういった農業・漁業体験というのがあるんですが、ここも日本で最近グリーンツーリズムだ、ブルーだって言われてますけれども、成功例が少ないのはなぜかといいますと、農業・漁業従事者の方がですね、やはりサービス業とかおもてなしのことをわかってないものですから、農業、いわゆる農家の方は農家なんですよね。お客様が来ると、不慣れな者同士がバッティングして空中分解を起こしてます。だから、成功しているところは必ずコーディネーターがいるか、もしくは農業関係・漁業関係の方がサービス業のことを理解した上で商品を提供しているところだけです。

 あとはヘリテージ・ツアーは、例えば紀和町にあるようなああいう炭鉱なんかを巡るとかですね、長崎県ですと軍艦島に行こうみたいなのもはやってますし、アーバンツアーも、昔のような例えば京都・奈良のような観光都市を巡るのではなくて、路地裏散策です。例えば尾鷲ですと、最近中井町を見るみたいな人たちもですね、結構人気があったりとか、要はまちの中の路地裏散策系です。

 百名山も人気、支持があるんですが、これは一回行ったら誰も来ないです。百名山登ると、誰も2回目行かないんですよね。だから新百名山とか、花の百名山って新しいものができない限り支持がないわけなんです。

 どちらにしましても、時間をかけたいという欲求です。要は体験プログラムとか、物見遊山ではないというのが非常にはっきりしてますし、ましてや今後、特に20O7年以降の、今もう既に多いですけれども、団塊の世代を中心としまして、お金を持っている、余裕がある、お金もあるし、時間もある。金持ち時持ちがさらに増加します。特に団塊の世代が年間全部で700万、今後、毎年100万ずつ経済成長下で起きた人口増加と同じぐらいずつお金を持って、時間を持って退職されてますが、5年間の総退職金プラス資産等々のいろいろな経済データを見ますと、彼らは5年間で49兆円近く実はお金を持っていくわけですよね。そのお金の実は使い道が余りないというのは確かでして、それをいかに使わせるのかみたいなところもですね、実はこういった先ほどの五、六十代を中心とした大人のマーケット層に対していい商品構想を組むと、実は来ていただけるところを発揮してます。

 すみません、ちょっと時間がないのでこのへんの統計はちょっと別にしまして、そうですね、ミシュランの話とかもいろいろ持ってきたんですが、すみません、これはスイスのマーケット戦略なんですけれども、日本はこの戦略をとっているところが余りにも少ないものですから、特に私のようにインバウンドのお手伝いをしている者としては、すごく日本人はミスマッチを起こしているんです。スイスのマーケット戦略というのは何のことはない、ヨーロッパは星別でホテルがありまして、別に一つ星だから、二つ星は悪いという意味じゃないですよね。これはあくまでもホテルの客室数であったりとか、もしくはベット数であったりとか、コンシェルジェが24時間いるかとか、プールがあるかという施設である程度カテゴリーを分けてありますけれども、普段からリッチな生活をしている人は五つ星とか四つ星に泊まりますし、中産階級の方は三つ星に泊まるという部分でこういうふうになっているんですけれども、ここを目指す観光地が余りにも少ないんです。ここを逃しているばっかりに、シャワー効果が起きてこないんですよね。

 これ非常に悲惨なことになっていまして、特にインバウンドの場合はですね、中国人マーケットに関しましては、日本は決定的にサプライヤーも受け入れがもう間違っています。なぜかといいますと、台湾人と一緒にしているんですよね。台湾人は日本の80年代のお客様と一緒ですから、団体のバスで物見遊山で喜ぶんですけれども、中国人のお金持ちというのは日本に60万人ぐらいしか来てませんが、ヨーロッパには100万人単位でどんどん来てます。個人旅行、ある意味団体のように見えても個人旅行で、リムジンは使うわ、専属通訳は雇うわで、お金使いまくってるんですよ。なのに日本に来たときだけは保証金を積んで、団体ビザしかないものですから、しかもバスに乗って引きずり回されるわけですよね。要はエージェントのパッケージしかないものですから。ここの人間がここの扱いをされてますから、GNTOの調べを見ても60%以上の方がもう二度と日本に行きたくないと言っているわけです。要は全くミスマッチを起こして、趣味・嗜好、彼らの目的、テーマに合ってないわけなんですよ。1,000万円以上日本円で稼ぐ方が300万人もいて、トップ10%の30万人じゃなくて、私たちスイスとしてはトップ1%の3万人でいいと。3万人分来れば、全部中国人のマーケットを手に入れるということは明らかなわけです。要はここのイメージで物を売ると、絶対にここは売れないんです。日本はみんなここのイメージで、インバウンドも含めて、意外と大衆をマスを相手にしよう、しようとするものですから、いろいろな体験メニューとかプログラムとか受け入れを作ってもですね、こっちが中心になっている。ここを目指すものがないんですよ。

 例えば志摩スペイン村の社長さんとも先日話をしましたけれども、大金持ちが来たと。スイート3つしかないんで、そこに入ってもらったんだけれども、自分の家の寝室よりも狭い部屋だねと言われたりとかですね、もっとお金出すからもっと広い部屋紹介しろと言われるわけなんです。これはですね、韓国も、香港、台湾、ほかのところも含めてそうなんですが、日本はやっぱり旅行会社、国内もそうなんですけれども、マーケット部分を旅行会社に頼っているもんですから、ある意味正確なお客様の動向が見えないんです。旅行会社の言いなりになるしかない。だから、私たちも、私自身もほかの県のミッションなんかで韓国等あちこち行くとですね、旅行会社の人間しかいないわけですよ。旅行会社はやっぱり安くたたいて、自分たちの利幅を上げようとしますから、お客様の意向ってそんなに伝わってこないです。日本の旅行会社も昔、今は、いまだにそうかもしれませんが、伝えないんですよね。

 ある意味、日産がなぜV字回復をしたかというと、日産はディーラー販売店の営業マンにものを聞くのをやめたんですよね。直接お客様に聞くことによって、わかったわけです。トヨタと同じようにフルラインナップしてもだめだなと。日産は日産のやり方があって、個性があるんだと気がつくと、お客様にちゃんと合った商品ができて、「Z」にしても「スカイライン」にしても売れるわけです。ワンボックスカーにしても売れるわけです。実はマーケティング室長というのは、もともと観光畑の方がやってまして、非常に優秀な方なんですけれども、そういった意味ではもうターゲッティング、自分たちのポジションを決めてターゲットを絞って売るということ自体が、日本の観光地ほとんどできてません。熊野って、熊野も含めてですが、東紀州ってある意味こういったところをねらえるんですよね。その熊野古道であったりとか、大人が遊べるというところですから、もっともっとここをねらってもいいんではないかなという部分が一つございます。

 ですから、どんな産業でもそうですけれども、熊野古道を中心としたテーマがあったりとか、東紀州が一般のお客様、エージェントから見てという位置づけではなくて、要は特に来ない方ですよね、にとっては全く位置づけがまだ明確でない。どんなところなんだ、伊勢志摩とどう違うんだ、ほかの世界遺産とどう違うんだというものが見えないものですから、要ははっきりしていないので選びようがないんです。皆様もそうだと思いますが、消費行動というのは、選ぶには理由があるんです。目的があるんです。その目的を発揮させるためにも、要は東紀州に対して何の思い入れもない普通の一般の消費者の方から見て、一体ここはどういうものなのかというポジショニングがとれない限りは、選ばれない。ましてやどこに売るのかというターゲッティングも明確にしないことには、要は釣る魚を決めなければさおと仕掛けが決まらないのと一緒です。今までは網でとれたんですよね。ただ、今は網の目よりもマーケットが多様化して小さいものですからすくえないわけです。だからエージェントはすくえない。マスマーケットではすくえない。1億2,000万をねらっていてはすくえないわけです。昔からやっぱりいい魚というのは一本釣りでしか釣れませんから、いいターゲットを決めたりとか、ここに需要があるぞ、ここにニーズがあるぞというのを決めれば付加価値高く売れる東紀州というのが、実は非常に収益性が高い観光の実は仕組みづくりができるというのは明らかなんです。

 まともな調査してないんですよね、ほとんど。私が今湯布院とか、草津とか、ほかでそうなんですけれども、徹底調査しているのは、皆さんやっていらっしゃる、例えば宿の調査でもそうなんですけれども、私なんかあんまり意味がないような調査が多いんです。今、三重県下でも、これ本当にすみません、失礼なようなんですけれども、要は来た人のアンケートで、泊まった人のアンケートというのは、これロイヤルユーザーのアンケートなんです。もともと気に入ったか、よっぽど不満がある方しか書かないんです。いくら商品を差し上げますよ、何を言ったとしても。ですから、ロイヤルユーザーのアンケートの支持率が6割、7割あったって、ほとんど回答率から計算してくるとですね、多分回答率はそんなに50%、60%、例えば回答率がですね、配った全ホテルの方が100%ってあり得ないじゃないですか。ロイヤルユーザーですから、大体10%あるかないかだと思うんです。そのうちの6割、7割しか支持されないんだったら意味がないんですよね。要は書かなかった方が、なぜ書かなかったのかという不満がどこにあるのか。ましてや三重県を選ばなかった、伊勢志摩を選ばなかった、東紀州を選ばなかった、例えば飛騨髙山に行った方に、なぜ三重県を選ばなかったんですか、なぜ伊勢志摩を、なぜ熊野古道を選ばなかったんですか、白上山地に行った方とか、ほかの屋久島に行った方に、なぜ熊野古道を選ばなかったんですか、世界遺産としてというところに調査をかけて、行かなかった理由という調査をかけない限りは、例えばただ情報がなかったのか、ただきっかけがなかったのか、その部分を徹底的に調査しない限りは、本来のマーケティングというのはできないはずなんです。それを今のシンクタンクとか、いろいろな調査機関は、ロイヤルユーザーの声だけを調査にして、いろいろな調査結果として皆さんどうですかというお話をするもんですから、全く検討外れになってしまうわけですよね。要は消費者感覚がないんです。

 こんなことを言ってしまうと何なんですが、調査機関も旅行会社の方も含めて、この間、先日のそのトラベル懇話会でお話をしたんですが、意外とこの協会の方は、もちろんこれはサプライヤーの宿の方とか、ある意味輸送業の方もそうなんですが、自腹で旅行してないんですよね。自腹で泊まったりとか、自腹で旅行商品を買ったりとか、シンクタンクもそうです。自腹で何事もしないので、消費者の目というのは最終的にぼやけてくるんです。どんなに調査かけても、お客様のスタンスに立ってくれないんです。だからぼやけてますねっていう話になるんです。もちろん外資系のホテルがなぜ東京でも勝っているか、名古屋、大坂でも勝っているか。彼らが熾烈な競争の中で強くなってきたのは、昔から外資系のホテルマンというのは自腹でホテルに泊まってますし、東京にいるいい料亭の板さんは、やっぱり自腹でほかのものを食べに行くわけです。そういうことをやっぱりやってこなかった業界なもんですから、歴史的な背景があるわけですけれども、そういった意味では本当の調査というのを徹底的にやればこういったこともわかるわけです。

 ニセコエリアは、実はスキーでめちゃくちゃ売れてますよって言われるんですけれども、実は同じニセコエリアでも、ニセコ町というのはいまだにオーストラリア人なんか何だって言ってますと、韓国、香港と1万3,000人来てるんですが、1.1泊しかされない。でも倶知安は、オーストラリア人をメーンターゲットにすると5,800人、半分なんですが、10.1泊もしてくれる。収益性はこっちが明らかに高いということがわかるわけです。じゃ、インバウンドを呼ぶ前に、本当に韓国、台湾、香港でいいのか。フランス人は5万人しか来てないけれども、あの人たちが熊野古道を気に入って、5万、そのうちの2万人でもいいから連泊してくれれば、同じように1カ所に1週間、2週間、彼らは泊まるわけですから、欧米人というのは。

 実は彼らもですね、全然実は不満だらけだったんです。調査をかけると。どういうことか。スキーでは満足してるんですが、せっかく日本にスキーに来てるのに、北海道は日本らしくないんだって言うんです。当たり前なんです。「北海道でっかいどう」ですから。私たちだって日本らしさを求めて行かないです。ほかのアウトドアをしたくたって、夏はラフティングがあったって、ラフティングだって実は本国でやった方が楽しいんです。オーストラリアは一番。ましてやインフラ整備、地元の受け入れが全くできてません。シーラスが使えるキャッシュディスペンサーがないと彼らはキャッシングできないんです。クレジットカードを使えるところが全くないんです。遊べないんです。

 じゃ、例えば世界遺産熊野古道へ行ったときに、どこにキャッシングができるのか、どこでクレジットカードができるのか、民宿でクレジットカードが決済できますかという話になってくるわけです。案内看板どうですかと。いろいろな国の方を招き入れるんだったら、アイコン、要はピクトグラムじゃないと困るんですよね。ハングルだ、英語だ、フランス語だ、中国語だと書くと、字が小さくなりますから近くまで行かないと、何が何だかさっぱりわからない。要はユニバーサルな形に、実は日本の観光地というのはどこもなってないんです。そういうのはこれからてこ入れをする東紀州ならば、本来の意味でのユニバーサル化を図れば、その上でうまく調査をやってターゲットを絞ったり、別にオーストラリア人がいいというわけじゃないんですけれども、実はオーストラリア人でスキーする方って、マーケットのごく一部なんです。だってセーリング、ヨットする方の方が多いわけです。アメリカズカップで優勝するぐらいですから。実はセーリングする方よりもネーチャーツアー、エコツアー、アドベンチャーツアーのマーケットがもっと多いわけです。ならばチャーターでセントレアに飛ばせて、東紀州に熊野古道のテーマで、自然とか、アドベンチャーとか、ネーチャーツアーやってくださいよと言えば、ニセコ以上に人が集まるという実はターゲッティングとマーケット需要創造が実はできるのは明らかなんです。

 そういった部分では、スイスはスイスらしいから売れているというお話も、本当は日本が日本らしくないからインバウンドがなかなか苦しいと。地方に行ってもリトル東京ばっかりで、京都の駅前に行ったって京都らしくないんだと。東山だって歩き回らないとなかなか日本らしいところはないねって言われているんですが、商品構造としましては―すみません、ちょっと時間過ぎてますが、今まで観光というのは単品商売が多かったんです。自然だけを見せるとか、何とかの焼き物体験とかをさせるとか、イベントだけで呼ぶというのが多かったんですが、付加価値を高める、要は販売稼働率、マスで勝負できないものですから、付加価値を高めるためにはこういった商品構成を組み合わせて、付加価値を上げ続けるということをしないと仕方がないわけですよね。ですから、例えば紀南でやっていらっしゃるようないろいろなツアーデザイナーがやっていらっしゃるのは、名人が自然を開設して、なおかつ物を売るみたいなことをやらないとですね、付加価値が高くならないんです。そうしないことには、地域の農業製品とか、漁業製品とか、いろいろな地産地消のものを売れないことが非常にはっきりしているわけです。

 先生方、これはまた後でプリントアウトしてお渡ししたいと思いますが、そんな中で、やはり少子高齢化も全くですし、税収は減る一方、いろいろ書きましたけれども、自分たちでいかに地域経営をさせるかという部分がポイントになってくると思います。要は行政におんぶに抱っこされないと。観光協会が何かやるとか、各市町村が何かやるじゃなくて、民間にいかにそのある意味きっかけと仕組みを落とし込むかというところですよね、この部分をどうするのかと考えていくそのこと自体が大事。そういう意味では、すみません、続けてスイスなんかでもそうなんで、そういうことをやってきたということは確かなんです。大国のようにしなくても、国民満足度指数を上げるためには、ちゃんと雇用を確保しながら自分たちの手でやるというような仕組みづくりは、先進国はやってきたわけなんです。

 東紀州、すみません、これもう最後なんですけれども、今までの既存の、例えば市町村なら市町村とか、県の役割とか、民間は民間の役割分担で本当にいいのかということなんです。もっと例えば広域でとらえてあげるとか、違う仕組みづくりを本来ならば、例えば私がしている白馬村のように、ここの部分ですよね、例えば観光局のような、もう官民から人を出して観光局というものを作ったわけです。そうすると、そこは独立した組織ですから、非常にしかもわかりやすい。お客様から見て。要は三重県のパンフレットもそうですけれども、開きますと、いろいろな観光連盟とか、宿泊協会とか、いろいろなことが書いてあって、問い合わせするときに、違うところに問い合わせを、違う電話番号をかけると怒られてしまうわけです。そんなとこにお客さんは来ないんです。でも白馬村は、白馬村観光局に電話すれば、体験メニューから宿泊がみんなわかるんです。するとお客様から非常にわかりやすいから選ばれやすい。情報も出しやすいということになってきます。プラス旅行業の2種を取ってますから、地元でいろいろなマイスター制度というのがありまして、地元の名人・達人がいろいろなプログラムメニューを作ってもですね、売れるわけですよね。個人で売ろうとすると、業法違反、法律違反を起こしまくります。でもそこで観光局のある意味傘下でやらせることによって、個人がおもしろいアイデアを実現させるときに、うまく商品にそのまましてあげることができると。

 あとやっぱりお客様から見てこの絵は何、要は市町村の括りではなくて、お客様から見て東紀州は何なのか、熊野古道のエリアはどうなのかということを議論しない限りは、これはもう鳥取県なんかもよく言うんです。鳥取砂丘となったときに、鳥取砂丘は福部村にあるけれども、鳥取市と広域で考えないとお客様は呼べませんよと。伊勢志摩もそうですよね。伊勢志摩、鳥羽、南伊勢で伊勢志摩ですから、お客様から見てどうかということをもっともっと明確にしなきゃ、やはりお客様の目的、テーマにもっとあわせると。

 要はインターネットを利用される方なんか特にそうなんですが、地名とか宿名はもう一切入れません。インターネット活用する方は。目的です。おもしろい調査がありまして、私も加わったんですけれども、夏休み前に旅行した家族連れというのは、やはり地名、宿名入れてないんですよ。私の弟もそうでした。入れたのは、ヤフーとかグーグルの窓に入れたのは、「夏休み 家族旅行 (今年はムシキングがはやりました)昆虫採集 夏休みの課題・宿題」とか入れるわけです。それでポンとエンターキーを押すと、あっ、ここに行くんだ、要は北海道でも、沖縄でも、三重県でも、どこでもいいわけです。自分たちの行きたいところに行きたい。自分たちの要望・欲求に応えてもらえるところに行きたい。それは欧米のお客様も、日本全国もどこも同じなんです。要は選ばれる理由が必要なわけですよね。お客様にとって。それは一体東紀州ではどんなテーマでやれるんでしょうか。

 ブランドを構築するには、絶対的な安心感と質が要ります。ブランドは安心感ですから、あそこに行けば大丈夫。要は、世界遺産で遊ぶんだったら東紀州、熊野古道だと。自然体験するんだったら、農業体験するんだったら、漁業体験するんだったら、安心だ、あそこならば間違いないというためには、宿泊とか、今までの観光事業者の方も含めて質を上げていかない限りは、実は新しいブランド構築、新しい東紀州という部分では付加価値が上がってこないということです。そのためには、お客様への商品価値、要は金をとってやろうではなくって、お客様の価値、こんないい価値がありますよ、こんな満足を提供できますよというところがない限り、なかなか難しいと思います。

 すみません、ほとんどお話ができてないのに50分もお話ししまして、先生方の方からぜひご質問も、ほかにもいろいろお話ししたいことがあったんですが、ぜひ受けたいと思いますが、よろしくお願いいたします。

○森本委員長 はい、ありがとうございました。

○山田参考人 すみません、早口で申し訳ございませんでした。

○森本委員長 いえ、いえ、よくわかりましたし、また貴重な提言というか、ほかの地域の例も出しながら私たちに東紀州のことを考えるあれをいただいたような気がいたします。

 (2)質疑・応答

○森本委員長 それでは、委員の先生の皆さんから何かご質問とかあれば、余り時間ありませんけれども、多少融通ききますので、そういうことでご意見なりご質問ありましたらよろしくお願いします。

○桜井委員 非常に興味深いお話をいただきましてありがとうございました。そのイメージを膨らましていきますとですね、前段でお話をいただいた、例えば世界レベルの競争を視野に入れたようなホスピタリティーを、あの地にですね、作っていくというその戦略みたいな方向を多分お伝えをいただいておるのかなという気がしたんです。そんな感じなんですかね。

○山田参考人 そうですね、世界戦略をとっている観光地域とかですね、そういうのは全くほとんど皆無です。中にはそういうふうに言葉だけでは言っているところがありますけれども、仕組みづくりまでやっていらっしゃるところはないので、世界レベルを目指せば、東アジアどころか日本のマーケットもですね、一緒に実はついてくるわけです。日本レベルでやると世界はついてこないですし、東海近畿エリアでやると、要は関東の方とかほかの地方の方ついてこないと思いますので、目指すならば徹底的に、私はスイスで17年間マーケティングをやってきましたけれども、上を目指せば目指すほど、トップを目指せば目指すほど、先ほどお話ししたシャワー効果といいまして、全体的にお客様を呼ぶことができますので、ましてや時流に乗っているような世界遺産であったりとか、いろいろあります。その中でミシュランのようなものが今調査にも入ってますけれども、今総合評価されている時代なんですよね。初めて、この日本というのも。

 そのときに、でも東紀州はとなったときに、例えば先ほどのように看板だったりいろいろな整備はできてませんが、そんなにあせる必要はないんです。例えば何か大きな箱が要るとかですね、大きな情報センターが要るわけじゃなくて、情報は情報で出してあげればいいということです。例えば民宿は民宿でいいんです。何も五つ星のホテルを早急に造る必要はなくて、海外のお客様とか全国の方に、ここは皆さん民宿で、こういう手作りの、でも地産地消の食事がとれますよと。布団しかないんですよと。トイレとかお風呂は共同なんですよという情報が出てればそれでいいわけです。ですから、首都圏に泊まっていらっしゃる外国人の方も、やはり泊まる方はコンラットとかハイアットを選ぶ方は選びますけれども、布団がいいという方は布団を選ぶわけですよね。ただ、日本の旅行のガイドブックとか旅行会社が出す情報では、それが出てないんです。私なんかよく言うんです。東京に住んでいらっしゃる外国人からしょっちゅう電話でも、メールでも問い合わせがあるんです。「山田よ、実はスキーに行きたいんだけど、どこの宿に朝御飯パンが出る?」って、こういう簡単な質問なんです。表向きペンションは洋風に建てて、中に入れば畳敷きで、朝御飯は御飯だけっていうのはもういっぱいありますから、そんな中では東紀州の中の宿泊施設は、実はこうなんだよ。民宿はこうだ、旅館はこうだという情報をしっかりと出すとか等を含めてどういうことができるのか。あなたたちの目的、テーマはこうですよとか、もしくは先ほどちょっとインフラ整備しましたけれども、箱物じゃなくて例えば情報を出す部分の整備、ソフトの部分であったりとか、商品を作る整備であったりとか、もしくはハードと言えばもっともっと看板とか、そういったところを中心に置いてやった方が非常に明確なんではないかと思っております。

○桜井委員 去年、実は機会あって、南イタリアの世界遺産、アマルフィの海岸へ行ったんですね。あそこは多分、東紀州なんかはあのエッセンスだとか、多分おっしゃられたことなんかも連動するような話なのかわかりませんが、イメージは個人的には持っておるんですが、例えば今の東紀州なり、三重県の観光戦略上、そういう視点というのはですね、やっぱり弱い感じがするんですね。で、今先ほどおっしゃられた、これからだからこそですね、この今の局面でその評判を落としてはならない。だから、何をですね、今の局面で組み込まなくてはいけないか、従来の発想の中でなかなか変わっていけない風土が県の施策の中にもありますし、地元の中にもあるかわかりませんが、そこらは今何を取り組まなくてはならないのか。

○山田参考人 あのですね、今すぐできるソフトの仕組みとしましては、やはりホスピタリティー、受け入れ側のある意味その質のクオリティーの充実だと思います。これは例えば鳥取県のように言うと、私も東部・中部・西部でですね、いろいろなそのセミナーを開くんですが、そのときにですね、例えば今までは宿の方だけとか、観光タクシー、ハイヤーのバスのガイドの方だけとかって、施設の方だけってやっていたんですが、一緒に受けていただいて共通の認識を持っていただくとか、共通のコンセンサスを持っていただかないとだめなんですよね。要は皆さん地域の顔ですから。同じ考えのもとにサービスをやってますよという。

 なかなか会社でもですね、地域経営感覚を持たせるって大事だって言われるじゃないですか。その働いていらっしゃるスタッフの方が経営感覚を持っていれば、上司の方に聞きにいかなくてもその場で即断即決してお客様のケアができると。これなかなか難しいんですが、やはり地域として、自分たちは地域の経営をしているんだよという、そのホスピタリティー、クオリティーの感覚を持つと、例えば鉄道の改札口の方であれ、スキー場でいうと駐車場のおじさんであれ、リフト小屋のおじさんであれ、私のようにマウントシックスといいまして、野沢とか、蔵王とか、志賀高原のところもそうですけれども、徹底的に観光産業に携わる事業者の方のサービスクオリティーの質を、もうすごく時間かかるんですが、共通項目としてやらせることによって、要はそっぽを向かないと。

 これは私もお手伝いした有馬温泉でもそうですけれども、一番有名な旅館が評判を地元で落とされたのは、送迎バスの運転手の方がくわえたばこをしていたって、それだけなんですよ。ミシュランの評価もそこを見ているわけですね。地域としてどういう受け入れ状況なんですかということを見てますので、その東紀州は東紀州、伊勢志摩は伊勢志摩とか、北勢は北勢とかで、それぞれ個性を発揮しながらいろいろな商品をつくっていかなきゃいけないんですが、そのときに徹底的に三重県としての質はこうなんだという、質を上げるということが私は一番大事だと思っています。それぞれいろいろな国とか、いろいろな県とかの補助助成をもらいながら、経営感覚等を育てるんだとかっていろいろな事業をやっていらっしゃるのを私は知っているんですが、それは個々の取組であって、全体的な取組になっていないのは確かです。

 この取組をするときに一番大事なのは、みんなを助けるではなくて、頑張るところは頑張るぞというところでやらせない限り、全体的に負けない仕組みを作ると誰も勝てません。競争がないですから。これはもう先生方ご存じのとおり競争がない。負けない仕組みづくりというのは誰も勝てない仕組みづくりですから、勝てる仕組みづくりにもなってないわけですよね。それを全県的に共通テーマとか、共通認識でいかにやらせるかということを地道にやっていただければ、それこそ外部評価されたときに、三重県は全体的にまとまっているねという話だったり、東紀州は東紀州、伊勢志摩は伊勢志摩で共通したことでやってますねというのが打ち出しやすくなりますので、私としてはハードの部分と両輪になってますので、ソフトの部分では、そのへんは詳しいことはまた別のときに私詳しくお話させていただきますので、共通テーマを持ったサービスクオリティーの充実、それは例えば私がスイスでやってますホテル観光学校のカリキュラムなんかにはそういったものがたくさんありますので、そういうのを一回地域に落とし込もうかなと思います。

○森本委員長 ありがとうございました。

 あとどうですかね、お一方か、何かありますか。どうしても聞いておきたいなり、アドバイスを受けておきたいというような方。

○山田参考人 すみません、何か交通のこととか、いろいろな資料だけは用意してきたんですが、お話する時間がなくて。

○青木委員 今のとも関係あるかわかりませんけれども、先ほど地元の方と、それからその観光客とのミスマッチですかね、そういう漁業者・農業者の方がうまく表現できないかなというか、コーディネーターを置くか、それともその地域の方が学習されているかというようなことで、今も関係あると思うんですけれども、そのへんをですね、これからの時代を考えて、若い人を育てていくというような、例えば紀南高校とか、木本高校に観光科を設置してその子どもらを育てる、それから社会人の方もそういった勉強も学べるというような、そういったことも考えていかなきゃならんかなという。

○山田参考人 まさしくスイスの場合は、そのへんはもう小学校のときから地域学も含めてですね、一貫したいろいろな取組がございますので、あときっかけと仕組みという意味では、お客様からのわかりやすさ・わかりにくさという意味ではですね、すみません、これ私が言うべき問題ではないかもしれませんが、第三者的に見ますと、今の熊野市さんがやっていらっしゃる熊野観光センターと紀南ツアーデザインセンターは、言っていることが一緒なのに2つに分かれているものですから、実は東京から見ると非常にわかりにくいんですよ。何とかあれを一本化するような方法はないのかなというふうに、あれはもう完全にお客様から見ると、余計さっき言ったように宿泊業界がたくさん並んでいるようなものと一緒です。既存の仕組みにいたしますと。どっちに行けばどうなのかというのが明確でないので、ああいったふうなスプリットするような形にならないような方向というのは大事ではないかなと。そういう意味ではさっき言ったマウントシックス方式じゃないですけれども、もっと広域でうまく組織化させるような動きをとらないとスプリットだらけになってしまう。各例えば海山なら海山、尾鷲なら尾鷲でスプリットだらけになってしまう可能性が出てくると思います。これは旅行会社じゃなくて、客から見て全くわからないということになってしまいますので、そのへんも肝心かと思います。

○青木委員 ありがとうございました。

○森本委員長 あとどうですか。

 私もあるんですけれども、ちょっと時間があれですもんで、特にどうしてもという人ありましたら、あと1人くらいよろしいですけれども。もうよろしいですか。

 それでは山田参考人ありがとうございました。本当にお忙しいところ、今日もまた大阪経由、東京へ行かれるというようなご多忙の中おいでいただきまして、本当にありがとうございました。感謝申し上げたいと思います。今日、今伺ったようなお話をですね、また参考にさせていただきながら、この特別委員会としての提言もさせて、していくつもりでございますので、今後ともひとつよろしゅうお願いします。

 それでは、山田さんにここで退出していただきます。ありがとうございました。(拍手)

 それでは委員の皆さんも執行部入れかえのため、5分ぐらい休憩します。お願いします。ありがとうございました。

          (休  憩)

  2 東紀州関連予算について

○森本委員長 調査に入ります。

 まず、東紀州関連予算等についての議論なんですけれども、議論というよりこれは事務局の方に私の方から調べさせて、大体こういうふうなことも一つの来年度の予算を要求していきたいんだということで、確定したものではありません。けれども、この横長のあれに大体各部別にこういうふうな形の中のものを上げております。まだ部から、いわゆる総務局の方へ上がっているわけではありませんけれども、こういうような形の中で取り組んでおるということで参考までにつけさせていただいたんで、そういうようなことでお願いしたいと思います。

 それで、委員の皆さんのご意見を聞く前に、ちょっと地振部長にお尋ねしたいんですけれども、来年からはですね、東紀州対策局という局ができることは、これはそういうようなスケジュールになっておるんですけれども、来年、19年度の予算要求というのはね、対策局が中心になっていろいろ進めていただくんですけれども、来年の4月からは対策局はできませんので、それまでのですね、一応取りまとめなりあるいは東紀州に関するその予算要求なり、計画、政策というか県のあれについては、どんなような形の中で進めておられるんでしょうか。

○浦中部長 18年度の東紀州対策にかかわります関連予算につきましてはですね、ご承知のように県民しあわせプラン、そういったもので各部も取り組んでおりますし、当然東紀州対策についてもですね、そういう方向の中で各部からそれぞれ担当の部局へですね、要求がなされているところでございます。その一端が先ほど委員長の方から説明をさせていただいたような項目が上がっておるというようなところでございます。

 そしてまた、公共事業でありますとか、あるいは県下全域にですね、取り組むような事業についての予算もですね、当然この中に入っておりませんけれども、今後、各部局がそれぞれ自分のところの考え方に基づいてですね、いろいろ関係部局と折衝していくと。そういう中で東紀州活性化関係部局長会議というものが庁内に設けられておりますので、そういった中で東紀州の地域振興を図ると。そういうような観点でですね、議論をさせていただいて、その成果を18年度から出発いたします対策局の方にですね、引き継いでいくというようなことで今進めているところでございます。

 以上です。

○森本委員長 はい、わかりました。要は東紀州対策局ができるまでは、地振部長がですね、ある程度そこをカバーしながら、関係各部長会議の意向を諮って予算等について進めていくというような理解でよろしいな。

○浦中部長 はい。そのとおりでございます。

○森本委員長 ということでございますんで、あれですけど、あと皆さんの方から18年度予算等あるいは施策について、何か要望なり意見ございましたらお願いしたいと思います。

 恐らくこれの質問をしてもろても、まだ総務局の方はお答えはいただけんと思います。具体的にはまだ折衝中だろうと思うし、これを全部上げていくということではないんで、ご承知いただきたいと思います。

○萩野委員 これは県土整備部ですね。県土整備部の一番上に載っている七里御浜海岸再生方策検討調査費、これについてですね、今までは海岸浸食について人工リーフを入れたりですね、陸から砂利を供給したりというふうな考え方でずっとやってきたんですけれども、これは全く考え方が違うと思うんですけれども、どのようなことを将来的に想定をされているのか、ちょっとそこをお伺いしたいと思います。

○森本委員長 これは県土整備部は、萩野委員、今日はですね、道路関係だけしかね、というのは後ほどのですね、東紀州地域の創造会議について出席を求めたんでね、これはもう、これまでについての委員は、説明できる委員は今のとこですね、出席を求めておりませんので、これは参考までにということで、個々にですね、また後ほどでも聞いていただきたいと、こういうふうに思いますのですみません。

○萩野委員 わかりました。

○島本委員 このパンフレットですけどね、これ、古道センター、古道センターの中身を見てみると、中にこうあるんですけれども、今話聞いてましたら、山田さんの、本当にいいことを言ったなと思うのは、古道センターを造ると。熊野古道は世界遺産になったと。観光客を集めるのに東京、北海道でも、九州でも、連絡とってもちぐはぐだという話があったんですけれども、この中に観光局という、観光班でもええわ、観光チームでもええし、そこへ電話番号もちゃんと入れて、ここへ問い合わせたら熊野の例えば紀州鉱山はどうなっておるとか、そんなことでも聞かれたらすぐにわかるようなエリアの中身がね、どんなことでもわかるような、スタッフ1人か2人いるけども、それの方が観光客が熊野古道へたくさん来るんじゃないかなと。1つ部屋が要るか、どこぞと一緒に同居してもいいですけれども、どこへ電話してええかわからんと。熊野古道へ遊びに行きたいと、県外の人が。有名な世界遺産ですから。どこへ泊まりたいということを聞いても、どこへ言うてもちぐはぐだと。あっちで聞いて、こっちで聞いて。1カ所のとこへ聞けば、熊野古道観光部屋があればね、そこへ電話したら、インターネットでもええわ。今、私はよう使わんけど。そういうところを、どっか狭いとこでええで、一つ作ったら。

○森本委員長 あの島本委員、その時間をですね、2番目にとってありますもんで、古道センターについての説明を求めるようにしてありますんで、今島本委員が、部長、島本先生言われたのは後ほど大体45分ぐらいから話しさせていただくんで、今島本委員言われたようにですね、このパンフレットの中へ、例えばね、この準備室の中へ電話かけたときに、千枚田とか、そういうふうなことまで説明してくれるのかよという、花の窟の説明もあるのかよと、ここへかけたらすべてがもうクリアできるのかよというようなことで、中で専門の組織を持つべきではないか、この中へ部屋を入れるべきではないのかなというようなことを言われたんだろうと思います。部長、先ほど山田さんのお話聞いてなかったんでね、そういうことだろうと思いますので、後ほどですね、この古道センターの時間の中で、島本委員についてはご回答いただくということで用意しておいていただきたいと思います。

○浦中部長 わかりました。

○中川委員 あのですね、農水の関係でですね、工業用地整備事業費、この東紀州インキュベーションバレーですね。かつてもこういう事業があったんですが、なかなかやはり地理的に難しいという状況の中でですね、これは案件があれば個別協議と、こういう文言でですね、事業費はゼロということでこれはいいんですが、いいといいますか、こういう形でですね、企業誘致をするところがあれば対応するということで、言うならば受け身のスタンスだと思うんですが、県の姿勢としてはですね、よりもっと能動的にこのインキュベーションバレー整備事業補助金を使うという、そういうもう少し前面に出た対応というものはないのかですね、そのあたりをちょっとお聞かせ願いたいと思うんですが。

○浦中部長 東紀州に対する雇用の促進というんですか、その働く場の確保についてはですね、やはり県挙げて取り組んでいる一つでございましてですね、やはり、商工の方の企業担当部局のところにつきましてはですね、やはりいろいろな形で売り込みというんですか、そういったことをやっておりまして、そういう中で具体的にあれば対応していくというふうな経費でございまして、決しておろそかにしておるということではありません。

○中川委員 この言葉というのはもう前からずっとあるわけなんですが、なかなか難しいもんですからね、こういう形でより積極的な行動に移すんかなというふうに僕は思いましたもんで、あれば対応すると、こういうことなんですね。

○浦中部長 当然関係する市町村等とも協力してですね、そういう動きをしていくということでございます。

○森本委員長 これは農商部の方でですね、そういうふうな調査をしてですね、そういうふうな要望等があれば予算部局に要望していくという話なんだろうと思いますんで、あといかが。

○山本委員 この中に予算があるのかないのかようわかりませんのやけど、尾鷲も含めたあれですけれども、熊野古道の沿線のところでいろいろ落書きのような話がありますけれども、いわゆるあれはやっぱり地域のところでいろいろ保全をしていくような、そういうこともある面ではこれから考えていかなあかんやないかというような話をちょっと聞いたことがあるんですけれども、例えばそれはどこが、市だけでやるのか、県も含めてやるのかようわからんですけれども、そのへんのところの予算というのはここには入っておりますやろうか。

○浦中部長 基本的にはですね、今当該市であります尾鷲市がですね、条例改正も含めてですね、いろいろな検討をしておるところでございまして、一義的にはやはり地元の市であります尾鷲市が対応していくというようなことで、この中には直接的な経費はありませんけれども、いろいろな相談事に乗ったりですね、そういった経費は当然一般的な経費の中でやらさせていただくというようなことであります。

○森本委員長 その他ありませんか。

 これは一応参考程度ということでつけ加えたんで、ちょっと誤解を招いた面もありますけれども、そういうふうにしていただいて、また個別の担当部の方に問い合わせいただきたいと思います。

  3 東紀州地域振興創造会議について

 (1)当局から資料に基づき説明(浦中部長)

 (2)質疑・応答

○森本委員長 それでは、委員の先生方から何かご質問等がございましたらお願いします。

 それでは、ちょっと僕の方から1つ聞くけど、地振部長、あれかな、創造、これは前からの継続の中で、こういうものが住民のいわゆる県政の参加というか、そういうことの中で言われて作ってもろたんだけれども、そういうような県政に反映できるような場づくりになっていっておるのかな、この会議は。そこらはどうですか。

○浦中部長 まだ具体的に、実質的にですね、話し合いがされたというのは1回だけなんで、まだしばらく先ほども申しましたようにですね、やっぱり実情をですね、県の施策の実情もよく知ってもらわないとですね、次のあれに行かないかなというふうな思いもありますので、そしてまた参加していただいております委員はいろいろな思いがあって参加しておりますので、そういった思いについてですね、一つ一つ答えていくというのか、解消していかないとですね、やはり先に進まない部分がありますので、もう少し時間がかかるかなと。そういった中でいろいろな県政に反映できるものとか、地域でみずからが動いていくようなものとか、そういったものができ上がっていくんかなというふうに思います。

○森本委員長 どうですか、皆さん、とりあえず古道センターの方を説明してもろて、また後で総括的にですね、皆さんのご意見なり、ご質問をいただくような時間をとりますんで、古道センターの概要とですね、簡単な概要でいいですから、概要と、それからあわせてね、島本委員から質問がありましたようなことについても、そこらの考え方、いわゆるいろいろなところへかけると、それは千枚田の方へ聞いてくれとか、紀北町の観光課へ聞いてくれとかいうようなことじゃなくてね、いわゆる情報を一元的に発信できるような場所づくりに、この中にできないかというような質問だったと思うんです。そこらも含めてどうするかなということで、まず、古道センターの概要だけ説明して、その後で回答していただきたいと思います。

  4 熊野古道センターについて

 (1)当局から資料に基づき説明(長谷川総括)

 (2)質疑・応答

○森本委員長 では、委員の皆さんからこれについての質問がありましたらお願いしたいと思うし、それから長谷川さん、今説明してくれた中に、協議会がやっておるけれども、島本委員の質問に対して、将来はそういうこととの連携も含めて検討するというような回答をしてもろたということでいいのかな。後でまた誰かしてくれるわけではないんやな。

○島本委員 私言ったのは、やっぱり熊野古道を世界遺産にせっかく登録をされてね、観光客は少ないで、東紀州は。観光という面からでもクローズアップされなしようがないと。だから、例えば東京から、九州から連絡があっても、熊野古道って世界遺産だから行きたい。すぐにぱっぱっと的確に対応できる場所、それが例えば情報サービスセンターかどこかわからん。すぐにわかるようなことをね、一つでも、古道センターはみんなで20億ぐらいかかったと思うけど、用地も含めて。せっかくこんな立派なものを造ってね、ただ朽ちるのを待つだけのような感じを受けるからね、せめてそんなことでも観光客に日本中、世界中の観光客から連絡があったら的確に対応できる。例えば熊野の丸山千枚田、そんなことでも、これはどういうことがあってもすぐに対応できるような場所、部屋をひとつ、情報サービスセンターというようなコーナーってのがあるけど、それを的確にどこから来ても、これは発信も必要ですけどね、問い合わせ。

 今ね、観光の人の話聞いていてね、本当にいいことを言ったなと私は思って聞いておったんですけどね、山田さんっていう人の。やっぱり1カ所に集中して熊野古道の対応できるものを作ってないと、日本中の人が、世界中の人が右往左往すると。こんなとこやったらもう行かへんということになると思う。すみません、それだけ。

○浦中部長 熊野古道等についてのですね、いろいろな情報発信の中心がここになるかというふうに思います。ただ、来客というんですか、観光とか、そういうその宿泊だとかですね、そういったもののここに集めてですね、いろいろな機能をここで果たそうとすると、組織でありますとかいろいろなことでですね、相当大がかりなものを用意しないとですね、できないのかなというふうな気もします。そういったこともございましてですね、ここに予定しておりますのは、とにかくここへ聞けばですね、きちっとした交通整理ができてですね、的確なその処理ができると、そういうような機能をですね、ここで持っていきたいというふうなことを今思っておるところでございます。

 といいますのは、例えば熊野ですと熊野の観光公社、公社ができましたし、そして尾鷲でもそんないろいろな部分でありますとか、そういったそれぞれのところでそれぞれの動きがございますので、そういったものをうまく結びつけてですね、そういう中で効率よく取組ができるようにというようなことで今検討していただいておるところでございます。

○森本委員長 そのほか、この古道センター関係について質問ございますか。

 これ部長、アクセスはどうなっておるの、ここへ来るその交通のあれは。シャトルバスとか、三重交通の路線バスに寄ってもらうとかというようなあれはあるの。

○長谷川総括推進監 今のところ考えてますのは、やはり市内の定期バスとか、あるいはそういうシャトルバスとか、そういうのを今のところ例えば市内のあるところで終点のところをこの古道センターまで延ばしてもらうとか、これからはそういう形でバス等のアクセス等も考えてまいりたいと思っています。

○森本委員長 あと委員の先生方、その他でも結構ですので、この古道センターにかかわらないことでも結構です。少し時間がまだありますので、どうぞ、質問をしていただきたいと思います。

○萩野委員 言わずもがななんですけれども、その地域振興創造会議のですね、この中を見せていただいて、第2回目のテーマは道路網の整備とかというのが入ってます。それだけ切実なんですが、その中身がですね、要望やら陳情に終始をしておるんではないかなというふうな気がいたしまして、その、あとの2つのテーマのですね、「産・官・学・民」の協働のあり方とかですね、情報共有の問題がですね、少しこう、最後に少し出てくるんで、むしろこちらの方をですね、膨らましていくような方向をですね、陳情会議というふうな形を非常に心配をいたしますので、それも大事なことなんですが、創造会議設置の目的はそれもありますが、ほかに目的が、ここに書いてあることが本当の目的だと思いますので、ぜひそのテーマによると思いますけれども、この会議の運営についてですね、そのへん特にご配慮をいただけたらなというふうに思うんですが。

○浦中部長 委員の方の中にもですね、そんなような意見なんかもありますので、当然今みたいなことも会議を進めていく中でですね、私どもも気をつけていきますし、当然先ほど言いましたように委員の方々もですね、この会議の趣旨、目的、そういったものを理解していただければですね、そういったこともだんだんとですね、解消していくんじゃないかなというふうに思っています。

○萩野委員 1回やっただけですから、最初はもうセレモニーみたいなもんですから、今後そのようになっていくんだろう思いますし、特に2回目のテーマはですね、文化遺産を活用した地域の活性化、このへんでですね、いい議論ができるようになるんじゃないかというふうに期待をしておりますので、よろしくお願いします。

○森本委員長 その他ありませんか。よろしいですか。

          〔「なし」の声あり〕

○森本委員長 それなら、執行部の皆さんに、今日は総合企画局長あるいは総務局長にもご出席いただきましたけれども、出番がなかったんですけれども、全体的な流れの中で参考にしていただければ結構だろうと思いますので、それでは当局にはご苦労さんでございました。

 委員以外の方は退出を願います。委員の方はご協議願うことがありますので、そのままお待ちいただきたいと思います。

II 委員協議

1.次回の開催について・・・・・・調整

〔閉会の宣言〕

以上、会議の要綱を記し、ここに押印する。

平成17年12月19日

東紀州地域経営調査特別委員長   森本 繁史

ページID:000019424
ページの先頭へ