このページではjavascriptを使用しています。JavaScriptが無効なため一部の機能が動作しません。
動作させるためにはJavaScriptを有効にしてください。またはブラウザの機能をご利用ください。

スマートフォンサイトへ移動

三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成17年度 委員会会議録 > 平成18年3月10日 予算決算特別委員会 会議録

平成18年3月10日 予算決算特別委員会 会議録

予算決算特別委員会

会議録

(開会中)

開催年月日   平成18年 3月10日 自 午前10時 3分 ~ 至 午後 3時 4分

会 議 室   全員協議会室

出席委員   43名

委 員 長

杉之内 昭二 君

副委員長

中村 進一 君

委  員

中村 勝 君・稲垣 昭義 君・北川 裕之 君・舘 直人 君・石原 正敬 君・末松 則子 さん・中嶋 年規 君・森下 隆生 君・日沖 正信 君・前田 剛志 君・清水 一昭 君・竹上 真人 君・青木 謙順 君・中森 博文 君・前野 和美 君・水谷 隆 君・岩田 隆嘉 君・藤田 泰樹 君・田中 俊行 君・田中 博 君・大野 秀郎 君・福田 慶一 君・桜井 義之 君・舟橋 裕幸 君・三谷 哲央 君・貝増 吉郎 君・野田 勇喜雄 君・山本 勝 君・岡部 栄樹 君・森本 繁史 君・萩野 虔一 君・福山 瞳 さん・辻本 正 君・島本 暢夫 君・永田 正巳 君・橋川 犂也 君・山本 教和 君・西場 信行 君・中川 正美 君・藤田 正美 君・岩名 秀樹 君

欠席議員   0名

出席説明員

知  事   野呂 昭彦 君

副 知 事   丸山 浩司 君

出 納 長   土橋 伸好 君

[総合企画局]

局  長   村林  守 君

理  事   高橋 陽一 君

その他関係職員

[総務局]

局  長   中尾  睦 君

その他関係職員

[防災危機管理局]

局  長   髙杉  勲 君

その他関係職員

[生活部]

部  長   宮村 由久 君

その他関係職員

[健康福祉部]

部  長   本多 隆志 君

その他関係職員

[環境森林部]

部  長   油家  正 君

その他関係職員

[農水商工部]

部  長   石垣 英一 君

その他関係職員

[地域振興部]

部  長   浦中 素史 君

その他関係職員

[県土整備部]

部  長   長谷川 寛 君

理  事   松井  明 君

その他関係職員

[出納局]

副出納長兼

出納局長   辻村 正彰 君

その他関係職員

[企業庁]

庁  長   井藤 久志 君

その他関係職員

[病院事業庁]

庁  長   渡辺 和己 君

その他関係職員

[監査委員事務局]

局  長   田村 惠子 さん

その他関係職員

[人事委員会事務局]

局  長   戸神 範雄 君

その他関係職員

[教育委員会事務局]

教 育 長   安田 敏春 君

その他関係職員

[警察本部]

本 部 長   木岡 保雅 君

その他関係職員

傍聴議員   0名

県政記者クラブ   9名

傍 聴 者   13名

議題および協議事項

 予算決算特別委員会総括質疑

【会議の経過とその結果】

〔開議の宣言〕

総括質疑

 (1)質疑・答弁

○杉之内委員長 ただいまから予算決算特別委員会を開会いたします。

 本日は、本委員会に付託されました予算議案及び予算関連議案に係る総括質疑を行います。

 質疑の各会派別の持ち時間は、午前中、新政みえ60分、自民・無所属・公明議員団30分、未来塾30分、午後は、自民・無所属・公明議員団60分、新政みえ60分でありますので、よろしくお願いをいたします。

 なお、関連質問につきましては、同一会派内で会派の持ち時間の範囲内で認めることといたします。

 それでは、通告がありますので、順次、発言を許します。

○舟橋委員 おはようございます。新政みえの舟橋でございます。

 先日の議会で森本議員が、かつおの話をされました。初がつおという立場では、もうぼちぼちとうが立ってきたし、かつおぶしのようにだしのある味のある質問をするにはまだちょっと早いかなと思いつつ、苦慮をしながら立たせていただいた次第でございます。

 新年度予算に対する知事の評価と満足度ということで、まず、お聞かせいただきたいと思います。

 知事の提案説明6ページを読ませていただきますと、平成18年度の当初予算編成の考え方というのが記載されております。「厳しい財政状況の中、県民しあわせプラン・戦略計画の仕上げの年として、重点プログラムに優先的に財源を配分するほか、新たに設けた重要課題対応枠を活用するなど、一層の戦略的、重点的な配分を行いました。また、県財政の健全化に向けた集中取組期間の最終年度として、歳入、歳出全般に渡って見直しを進めつつ、今のチャンスを的確にとらえていく必要があることから、両者のバランスにも十分配慮しながら予算編成を行いました」と書いてあるわけです。

 当然、仕上げの年でございますから、知事としては、あれもしたい、これもしたい、今までやってきたことの中でこれも不十分だという思いがきっと心の中にはあろうかと思います。一方、集中と選択と言われるように、財政的には非常に厳しい状況があります。この相反する命題の中で、この18年度の予算編成が行われたわけでございますけれども、そうした中ででき上がった予算につきましての知事の評価と満足度を、まず、お伺いしたいなと思います。

 続きまして、重要課題対応枠の位置づけと予算調製後のその評価についてもお聞きをしたいなと思うところです。

 昨年発表しました18年度当初予算調製方針の基本的考え方及び今議会における知事提案説明においても、重要課題対応枠は、予算調製作業においても重要な位置づけだろうというふうに認識をしております。

 昨年の決算の委員会で、私が、いわゆる包括配分は県政を下支えする事業、そして、重要課題対応枠は光りの当たる事業というような表現を使わせていただきました。先日いただきました重要課題対応枠充当事業一覧表というのをいただきました。県費ベース22億、事業費で65億でございますけれども、その表を見ておりますと、今議会の議案聴取会の資料と見比べてみました。よくわらない現象が幾つか散見されます。重要課題対応枠充当事業が各部の聞き取り資料の主要事業一覧の中に記載されてないケースがあります。また、農商部、それから県土整備部は、丁寧に目玉事業でございますということで二重丸が振ってあるんですね。その目玉事業と重要課題枠が一致していないというような事態も見られます。

 こうした中で、じゃあ一体、重要課題対応枠の事業というのは何なのという疑問がこの中で出てまいります。そういった意味で、改めて本年度の重要課題対応枠についての位置づけ、そして、それを予算調製後のこの新年度に向けた知事の評価などについてお聞かせをいただきたいなと思います。

 以上です。

○野呂知事 まず、新年度予算、どのように評価し、満足しているかというようなことについてでありますが、平成18年度の当初予算につきましては、厳しい財政状況のもとで引き続き財政の健全化に向けた取組を進めながらも、今のチャンスを的確にとらえて三重をさらに元気にしていきたいと、こういう方針で編成をいたしました。

 編成に当たりましては、徹底した事務事業の見直しを行うとともに、重点プログラム枠や、それから新たに設けました重要課題対応枠というものを活用いたしまして、一層の選択と集中を図ったというところでございます。

 まず、満足度についてでございますけれど、さまざまな課題がございます中で、正直はもっと多くの予算を投入して対応したいこういう思いはございますが、県税収入は増えておるんでありますけれども、一方で、地方交付税が減少するというような現在の地方財政制度の中にございましては、大変もどかしさを感じてもおるというところでございます。国の財政が改善しない状況下にありましては、地方財政の運営もなかなか思うように進みません。したがって、現実的な対応をしなければならないと、こういうことが実情としてございます。

 こういう中で、平成18年度の当初予算の編成を行いましたが、一般会計の予算規模につきましては、ご承知のとおり、対前年度比で0.7%減となっております。

 予算の中身を見ますと、例えば、産業立地のための新たな取組といたしまして、産業用地開発に積極的に取り組む市あるいは町に対する支援を実施することといたしております。また、産業の活性化や県民生活の利便性、安全性の向上に寄与いたします道路ネットワークの形成を図りますために、幹線道路網の整備に一層の重点投資を行うということなど、さらなる県政進展へ向けた布石となる事業には積極的に対応をしたところでございます。このほかにも、県民生活に密着しました福祉、医療、教育、安全の確保といったような県政の重要課題についても的確に対応することができたと考えております。

 さらに、財政の健全化に向けました集中取組期間の最終年度でございまして、県債の発行額につきましても対前年度比3.5%減と、可能な限り抑制をいたしますとともに、将来の発展の妨げとなります過去からの懸案、いわゆる負の遺産でございますが、これについても解決への道筋をつけていくことにしたところでございます。

 こういう状況でありますので、厳しい財政状況の中でございますけれども、全体としては元気ないい三重づくり予算とすることができたのではないかなと、このように評価をいたしております。

 それから、重要課題対応枠の意味ということについてでございますけれども、この重要課題対応枠につきましては、選択と集中を一層進め、一方で、新規事業への意欲的な展開というものもございますので、そういったものを図るために設けたものでございまして、平成18年度の県政運営方針案を踏まえまして、40本の非公共事業及び公共事業に対しまして、事業費ベースで約65億円、県費ベースでは約22億円の配分を行ったところでございます。

 具体的にその中身でございますけれども、例えば三重県知的財産戦略ビジョン、まだ仮称でございますが、これの推進に資する目的で、中小ベンチャー企業知的財産創造に向けた戦略的支援事業というのがございます。それから、平成19年度から導入されます米・麦・大豆などの品目横断的経営安全対策に地域が円滑に取り組めるよう支援をいたします集落営農組織育成支援事業というのもございます。それから、地域医療の充実を図るために、三重大と連携して寄付講座を設置いたしまして、魅力ある知識医療体制づくりを行います地域医療推進事業というのもございます。それから、県民、企業等、多様な主体の協力と参画を得まして、豊かな森林づくりを進めます多様な主体による森林づくり事業というのもございます。犯罪被害者を社会全体で支えていく被害者対策推進費というのもございます。産業の活性化や県民生活の利便性・安全性の向上に寄与します道路ネットワークの形成を図る幹線道路網の整備もございます。さらには、平成25年の御遷宮を視野にいたしました「こころのふるさと三重づくり」をテーマといたしました集客交流文化発信の中長期戦略について調査を行います、心のふるさと三重づくり戦略調査事業というのもございます。多様な主体が公を担う仕組みづくりを進めるための新しい時代の公資金地域モデル事業、こういうのもございます。いろいろとありますが、今申し上げましたようなものに配分をいたしたところでございます。

 このように重要課題対応枠を通じまして、限られた財源をより戦略的、重点的に投資するということができまして、一層の選択と集中が図られたものではないかと思っております。そういう意味で、元気ないい三重づくり予算を作るのに対しましても、重要な役割をしているのではないかと、こう評価しております。

○舟橋委員 ありがとうございます。

 18年度予算、万が一、満足がいかない予算ですというお答えをいただいたら、新政みえの政策局長として否決せなあかんなと思うとったところでございますけれども、一定の元気づくりに貢献していただけることと感じさせていただきたいなと思います。

 確かに、今回、知事の予算の一つの目玉として観光の問題があろうかと思うんです。今回、後からも観光行政について、観光予算についてやっぱり質問が多いというのは、その期待のあらわれかなというふうにも思います。

 農商部のこの議案聴取会資料を見せていただいても12本の事業、そして、8本が目玉事業、1本が重点枠というふうになっているのはそのあらわれかなというふうに思いますし、期待をしたいと思うところでございます。ぜひとも、南北格差解消に向けての一つのてこになりますように期待をしておきます。

 るる重点対応枠のことを産業、医療、森林づくり、防犯、道路、観光、新しい時代の公と、たくさんメニューを提示していただきました。確かに、重点課題対応枠というのは、新しい時代の公に資すること、それから文化力指針に資すること、負の遺産処理に資すること、次期戦略計画にかかわるその他将来の布石になるというふうな条件があるようでございます。言いかえれば、何でもいいよというふうに受け取れるわけですよね。22億、多いか少ないかは別にしても、本来、そういう選択と集中ならば、もう少しその目玉事業である観光戦略に特化するとか、それから、新しい時代の公という大切な柱に特化するとか、そういった形での予算査定をして初めての選択と集中が出てくるんじゃないかと思うんですけれども、そこらへんのところは、知事、どうお考えですか。

○中尾総務局長 重要課題対応枠の予算調製の考え方を少しご説明させていただきます。

 18年度当初予算調製方針におきまして、冒頭ご指摘ありました包括配分につきましては、対前年度85%という形で、いわば絞った形での要求を各部局にお願いをしながら、重要課題対応枠については、包括配分経費の10%相当まで要求をしていただくと。

 私の方の考え方といたしましては、この要求段階では、基本的には少し間口を広くとらせていただきまして、そこで調整段階で知事のご査定もいただきながら、そこで選択と集中を図っていくというふうな仕組みとしたところでございますので、そのあたりまた今後の予算編成の中でも、またいろいろ考えていかなきゃいかん課題はあろうかと思っています。

 そこで、お尋ねのPRの仕方についても私から一言ご説明を申し上げたいわけですけれども、部局によりましては、この重点プログラム枠ですとか、それから重要課題対応枠かどうかにかかわらず、事業効果あるいは事業費の大きさといったようなことに主眼を置きまして、主要事業ですとか目玉事業というふうな位置づけをしながら議案聴取会等でご説明をしておるというふうなことでございます。

 一方で、重要課題対応枠を充当しました事業でありましても、例えば内部管理的な事務につきましては、主要事業一覧には例えば掲載していないというふうなことがございまして、結果として説明の仕方がわかりにくくなった面は少し反省をさせていただかなきゃいかんと思っておりますので、今後わかりやすさという観点から、説明の仕方につきましては、来年度以降、また見直しをさせていただきたいというふうに思っております。

○舟橋委員 はい、わかりました。できるだけわかりやすい説明をこれからもしていただきたいと思います。

 あと4分ばかりありますので、もう1点だけ聞かせていただきたいんですけれども、先日、補正予算の議案聴取会の際に、ある部長さんに質問がありました。例えば、同じ部内にあるんですけれども、PR不足か人気がないのか別にして、一つの事業を組み立てしましたけれども予算が随分余りましたと。不用額として処理をしますと。もう一つのBという事業があります。その事業は非常に県民ニーズでも高く、半年間ぐらいでその補助事業を全部食いつぶしてしまいました。ならば、同じ部内で余っておる金があるならこっちへ移したらどうという質問が実は出たんですね。そのときには、その部長さんがお答えいただいた内容は、当初議会でお決めいただきました予算ですから軽々に流用はできませんというようなお答えだったというふうに思います。

 今、予算のルールとして、部内に包括予算という形での処理をさせているのならば、別にいいんじゃないというふうに思うわけです。とりわけ、重点プログラムなんかのメニューの中でやられているのであれば、早く推進をしていくことも一つの手段かなと思うんですが、そうしたときには必ず3階と言われますが、予算調整室の厳しい査定があるというふうに伺っておるところでございますけれども、そういう現実はあるのか、もう一回、総務局長にお聞かせいただきます。

○中尾総務局長 まず、三重県の予算編成の考え方でございますけれども、基本的に年間総合予算主義というふうに申しておりまして、当初予算でご提案をして議決をいただくと、基本的にそれが年度間の、年度内のいわば施策の集大成という方針でございますから、まず、その基本的に年間総合予算主義のもとで財政運営を行っていくというのが原則でございます。

 そこで、基本的に流用という概念につきましてはですね、議決をいただいた範囲内でもちろん我々やる場合も当然ございますし、そこらへんは恐縮ながら、是々非々の対応になろうかなというふうに思っております。そこで、包括配分のもとですべて、じゃあ自由かどうかといった点につきましては、まさにその時々の財政状況も勘案しながらやっていかなきゃなりませんし、他方で、個々の事業、例えばニーズの高い事業においてさらなる事業費が本当に必要かどうかといったような、当然予算論議といったものは出していただきながら対応していくということだと思いますので、一言で申し上げれば、必要性とですね、それから、財源事情といったようなものをにらみながら年度間の財政運営をしておるということかというふうに認識しております。

○舟橋委員 原則はそうだと思うんですよ。ただ、そこに過度の予算調整室の関与がありますかと聞いたら、よくわからない答えでしたけれども。

 県政、限られた予算の中でこれから推進されるわけでありますから、有効な財源の活用、それに向けてそれぞれの各部にもう少し信頼を置いた財政運営をしていただきますことを希望して、終わります。

○田中(博)委員 おはようございます。鈴鹿市選出の新政みえ、田中博でございます。

 私の方からは少し、一般会計予算の中の戦略的な企業誘致の推進についてと、あと、不法投棄についてお尋ねをしたいというふうに思います。

 戦略的な企業誘致の推進につきましては、執行部も、そして、この議会もそうですが、大変に進展をしておるというこういう評価もいたしておるところでありますが、最近時、ここ数日も新聞を見ておりましても、大変に三重県が元気がある、そんな記事が目につきます。東芝四日市5,000億、決定じゃないそうでありますけれども大変に期待をしますし、それから、今日なんかは高校生の就職の状況も出ております。一転、派遣業等々の不安も書かれておりましたけれども大変に好調であると。

 そうした企業誘致がどんどんどんどんまちづくりを進めていくという一面もありまして、そういう意味では、私は鈴鹿市ですが、鈴鹿市の人口が、たしか3月6日でしたか20万人になったとこんな記事も。こういしたいろんな県が取り組まれる、私は評価しているんですが、過去、産業振興といって補助金をつけるだけの事業から産業政策としてですね、すべての面を網羅して戦略的にこう取り組んでいくと。大変評価をさせていただく次第でございます。

 とは申しますが、議会の議論の中でやっぱり課題も提起をされておりまして、少し読み上げてみますが、自動車関連を初め、設備投資意欲の高い元気な業種と本県の補助対象業種が一部かみ合っておらずに、当該業種の誘致における競争力が明らかに劣っていますというこういう課題を挙げられています。4点あるんですが。

 それから、地域間競争が大変に激化をしておる。どこの自治体も企業誘致をしたいということで、そうしますとどんどんどんどん補助対象といいますか拡大をしていくし、金額そのものも上がっていく。そういう中で、本県は非常に不利な状況に。

 私自身は、実は企業さんは進出をされるについてトータル的な操業時のコスト、あるいは設立時のコスト等々を考えて進出をされますし、そういう意味では、将来的に非常に立地条件がよくて競争をしていけると見れば、そこに補助金があれば、これは助かるのには間違いはないんですが、そのことは大きな要因ではないし、三重県の大変財政が厳しいというお話もたびたびおっしゃられますけれども、そうした中で、やたらそうした競争にのめり込むのは私自身は得策ではないというふうに思います。そう課題としては、本県は不利な状況にありますと挙げております。

 それから、現制度の雇用要件がですね、据え置き雇用を地元採用でとこういう条件をつけておるんですが、これがその派遣業等を活用する傾向が大変強まっておりますので、極めて高いハードルになっておると。しかし、これは県民の税金を使うわけですから、やはり大変な状況ではありましょうが、そうそう簡単にハードルを下げるべきではないと、私はこういうふうに思っております。

 それから、企業ニーズが高い北勢地域の工業地が不足をしておると。このことも課題に挙げられておりまして、本年度予算を見てみますと、新しく産業立地基盤整備促進事業に1億400万円、こういうものが新しく設置をされたというところであります。

 いずれにしましても、経済だけではないわけでありますけれども、やはり地域の活性化という意味では、働く場所があるということ、そのことがもっと申し上げれば、恐らく道路網もよくしていくでしょうし学校ですとか、例えば製造業が出てくれば、これに伴って3次産業がどんどんどんどん進展をしていくということで大変重要な事業だと思います。そうしたことを私の考え方でありますけれども、踏まえながら質問をさせていただきたいというふうに思います。

 まず、1点目は、企業立地促進補助事業に対して、金額や補助対象業種のアンマッチという課題を認識しながら現行制度で誘致活動を推進していく、こういう提案に至ったわけでございますが、検討の経過、理由、そういうものをお聞きしたいと思います。

 2点目に、誘致企業の規模や局面、近県の誘致戦略の動向によっては見直すこともあるというこういう考え方もあるんですが、平成18年度中であっても補助制度の柔軟な運用や制度の再設計を行う意思があるのかどうかということを2点目としてお聞きをしたいと思います。

 3点目に、新規で新しい産業立地基盤整備促進事業が提案をされておりますが、北勢地域の工業用地不足への対応だと、私は受け止めております。具体的に計画があって1億400万円という金額が設定されておるのかどうか、これもお聞きをしたいと思います。

 それから、4点目に補助制度の不利を補う立地インフラの強化等をやっていくということでありますけれども、なぜ北勢地域でまず企業ニーズが高いのか、その要因についてお聞かせください。そういうこともしっかりつかんでないとなかなか対応がとりづらいだろうということでお聞きをいたします。

 5点目に、企業誘致には、企業が操業するためのインフラ、道路ですとか、水とか、電力ですとか、あるいは人材の供給能力もあるかもしれませんが、それとともに働く方の生活環境、実は企業が出る、移転をすると大変な問題になるんですが、それは学校であったり、住宅であったり、地域の治安、あるいはサービス業を含めたそういう利便性、こういうことも大きく影響してまいります。関係部局、内部の関係部局との連携だけではなくて、市・町、例えば亀山にシャープさんが出られますと鈴鹿市さん、津さん、四日市さん、それぞれ生活環境という部分では協力し合っていただかなければならないと思うんですが、どう協働していこうと考えておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

 よろしくお願い申し上げます。

○石垣農水商工部長 企業誘致の戦略について5点ほどいただきまして、お答えいたします。

 まず、本県の企業誘致の戦略でありますけれども、将来の成長を見込まれた分野にターゲットを絞って、バレー構想、要するにシリコン、クリスタル、メディカル、この3つを中心にですね、今、事業戦略に伴った補助制度を構築しとるわけです。

 少しお話しますが、実は16年から戦略計画が始まったときに、私どもは企業誘致に対する制度を全部見直したわけです。一つは何をやったかというと、補助金を5億円から10億円に上げた。特にこの三業種について、民有地であっても増設を認めましょうということで大きくやったということ。それともう一つは、製造業、工場だけじゃなくて、それに伴った研究開発機能を持ったものを誘致していこうという取組をしてきたわけです。これは、あくまで18年までの時限措置として、ともかくこれをチャンスと、知事がいつも言っている一つのチャンスとしてとらえてこの制度をやっていこうと取り組んだわけです。そのおかげで、今言われた東芝さん、富士通さんを初め増設もしました。あるいは、今研究所が北勢地域を中心に数社出てきておりますけれども、まさしく日本の中でも東京以外にこの研究所が立地されるのは、多分、僕は北勢地域が中心だと思っています。

 そういう状況に今あるという前提の上でですね、今近年の国内経済は好況で、幅広い分野において設備投資が活発になってきております。この中で、確かに今、自動車関連、そういうものについての今後、例えば経済波及効果の高い産業、あるいは将来成長の見込まれる業種を補助対象に加えることについてやっぱり検討が必要だということについては認識をいたしております。

 しかしながら、18年度予算の中で、私も考えたのは、ともかくこの補助事業の対象業種を考えるという以前に、特に最優先の課題として出てきたのが産業用地の不足であります。ともかく、他府県と競争誘致をやっていく中でも、工業用地、産業用地がないということについて、大変、今不便を来しておるわけであります。そういうことから、来年度は、とりあえず産業用地の確保対策を先行させて受け皿整備を図る。それと19年度次期戦略計画に向けて競争力の高い戦略性にとんだ補助制度を構築していくという2つの事業で新たな誘致戦略を打ち出したいと考えておるわけです。したがいまして、今、重点プログラムの終わる18年度までは、今見直しをした現行制度でいきたいというふうに思っております。

 2点目の企業立地の促進補助事業でありますが、これにつきましては、まさしくこれから工業用地を確保するに当たって、例えばアセスメント、あるいは土地調査検討事業、そういうところについて先行的な投資が要るわけであります。そういうものについて市町村の支援をしていこうということでありますけれども、大変市町村の関心は高いです。今、多くの市町村の問い合わせが来ておりまして、ある程度北勢地方については十分これを確保できる、対応していけるというふうに確信をしております。

 北勢地域に何でこういう企業誘致が多いんやという話がありますけれども、大きく三重県の立地を考えた場合、中部圏と近畿圏の結節点であると、これはもう大変大きなあれだと思っていますけれど、それ以外にも、例えば今、港湾、道路網交通インフラ、特に湾岸道路ができて豊田と直結したとそういう面のインフラ、あるいは工業用水、電力、ガス、人材という面についても適用が、対応ができるということだと思っております。

 それ以外に、例えば今、北勢地域、四日市の近辺、この臨海部には化学製品の部材供給の基地があるわけです。1時間もせんこの距離の中にシャープさんを初め加工・組み立て産業が立地しとるわけです。まさしくこういう部材供給とそういう加工・組み立て、こんなちょうど立地しているということは全く日本の産業構造からいってそうそうあるものじゃありません。ですから、こういうものが強いということ。あるいは、物づくりという面で中小企業が少なくとも三重県には1万社程の製造業があるわけですけれども、これらの基盤技術が支えている。そういう面からですね、この三重県の強みということに対して企業が集積してきているというふうに私は理解しています。

 今後でありますけれども、私ども三重県は、まさしく企業の方々に来ていただきますと、住んでよく、働いてよしと、憩う、それぞれ今、三重県には10万都市以上の都市が連担しています。その地域、その地域、どこへ来ていただいても少なくとも都市的機能は享受できると、そういう立地にあります。これは、私ども三重県の強みだと思っております。

 今後、私どもはですね、県庁の中でいろんな誘致企業については、県庁の各部の中で三重県企業誘致本部推進本部の中でどういう対応をしていくかということについていろいろやっております。今後、例えば道路や住環境との課題に対する市町村、あるいは企業、県等の関係機関でさまざまな課題については的確に対応していく。来ていただいた企業に対して、満足して、その方の立場に立って対応できるという企業誘致戦略を進めていきたいというふうに思っております。

 以上です。

○田中(博)委員 ありがとうございました。

 北勢地域の強みというのは、たまたま自動車産業の話しているんです。触れましたけれども、産業の変遷があるわけですね。例えば、私の住む鈴鹿市でも、紡績関係が非常に多かったんですが、今は紡績企業というのは大分縮小されていますし、業務内容ももう変化をしてきています。そういう意味では、私はバレー構想、非常にいいと思うんですね。やっぱり地域に産業の柱1本ではいかんというふうに思うんですね。そういう意味では、戦略的にバレー構想を挙げられて、新たな企業に進出をしていただいた。そうすると後は、自己増殖じゃないんですが、自動車というのは非常にすそ野の広い産業ですから、ほぼ自動車製造工場というのは、実は自動車組み立て工場で8割ぐらいは外から買うということですから、そうしたクラスターと言っていいのかどうか、いろんなものが増えています。今度新しい産業が出ました。今までなかった、また、そうした支える産業が恐らくこれから自己増殖をしていくんだろうと。ますます強くなっていく。

 片方で、三重県、これはどこもそうですけれども、財政が非常に厳しいというんで、私はやっぱりその金額を積み上げるそういう競争はすべきでない。やっぱり基本的なインフラといいますか、生活面も産業面もですね、そういうところをしっかりやっていく。そして、県として公共的なインフラ整備を、それを見越しながらやっていただく。そうすればもう極端な話、補助金がなくてもですね、ぜひどこかへ進出をさせてもらいたいと、それは企業が操業していく、利益を上げていくという中で最も好位置といいますか、そういうところになるようにぜひ引き続きお願いを申し上げたいというふうに思います。

 大変に今好調なんですが、冒頭、課題のところでも少し触れましたけれども、やはり大変過当競争をしていまして、やっぱり派遣業者に頼る。年々賃上げしなくていいわけですよね。景気が悪くなれば簡単に首が切れる。契約を解除すれば首が切れるということですので、そこへどうしても流れがちなんですが、何とかそこはやはり県民の税金を使っておるということを含めてですね、企業との交渉もあるんでしょうけれども、極力やはり地元から正規の皆さんをたくさん雇っていただく、そんなことにはぜひ鋭意努力をしていただきたい。本当に今、年金等々で言われていますけれども、こういうフリーターの多い状況で派遣の多い状況で将来大丈夫かということもございますので、確かに、企業誘致のハードルを上げることになるかもしれませんけれども、そこはぜひ県としては頑張っていただきたいとこんなことをお願い申し上げまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。

 次は、不法投棄について、是正事業とフェロシルトの早期回収ということでお尋ねをいたしますけれども、大変に県民の皆さん方も関心の深い、本当に身近な問題だと私は受け止めさせていただいております。

 今年度の予算では、安全性確認調査、これは16年度から実施をしていただいておりまして、この予算が出たときに、実は、鈴鹿も対象が11カ所のうち2カ所ありますので大変地元の皆さん喜ばれました。私もこう議員をしてきまして、実はこの不法投棄のある自治会の皆さん方から、議員集まれと。こんな状態や、何とかしてくれとこういうことで、随分お話も伺ったんですけれども、大変に大きな問題に県が主導的に対応していただくと、大変皆さん喜ばれた経過がございます。

 昨年度は、3件の調査に着手をしていただきました。この18年度も3件調査予定で、これで一応11件が終わるということであります。それから、市町村との協働による支障等の除去ということで、何か有害物質でも出れば、それも法的に対応していただく。そうでない場合については、市・町の対策について基準があるんですけれども、合致をすれば5,000万円上限に2分の1ですか、補助をしていくということで。

 我が鈴鹿市でもですね、18年度の調査の結果、18年度にその対象について補助をしていただけるのだろうということで期待をしております。そういう状況で大変に身近な問題でありますので、質問として出させていただきます。

 この是正事業について、まずは、3点お聞きをしたいと思います。

 県内8件の不適性処理事業の安全性確認調査の進捗状況について、お聞きをしたいと思います。

 それとあわせて、平成18年度調査予定の3件の完了の目途、大変難しいと思うんですが、着手される時期、問題なければいつ頃を目途に、問題があればちょっとこれは検討が要りますから答えられないと思うんですが、目途ということでお聞かせをいただきたい。

 2点目に、平成17年度に美杉で支障等の除去を行っておられます。我々議会が報告を受けておりますのは、これは一部撤去に対する補助をしましたとこういうふうに聞いておるんですが、一部撤去でその美杉の生活環境保全上の支障はなくなったものというふうに、私どもは判断をしてもいいのかどうかということをお聞きをします。

 3点目に、安全調査の結果、差し迫った支障のおそれがない場合であって、市町村等との協働による支障等の除去を行わない場合は、監視・指導を継続するということでありますけれども、具体的にどういうことをなされていくのか、お聞きをしたいと思います。

 それから、冒頭ちょっと触れましたが、大変この話題になっております、この助成事業とは対象外ですが、フェロシルトの問題。一般質問に関する報道で、三田の処分場、四日市港のですね、搬入量を増やすことも検討していくという新聞報道がございました。私は、そういうふうには余り聞こえなかったんですが、たまたた四日市港の議会に出させていただいております。もう埋め立てが完了するまでの予定が組まれておりまして、フェロシルトのほかに石原の産廃ですね、並びに中小企業さんの産廃も含めてですね、計画がなされておるんで増量はもうあり得ないというふうに私は認識をしております。その認識でいいのかどうかということとあわあせて、フェロシルト、大変おくれているようであります。早期回収に対する対策を再度お聞きをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○油家環境森林部長 それでは、私の方から、今ご質問のあった不適性処理事案の安全性確認調査の進捗状況と、それから、18年度の予定につきましてご説明申し上げます。

 先生、今お話がございましたように、この11案件につきましては、16年度から18年度までの3年間で実施することにしておりまして、16年度に5事案を調査開始しまして、うち2事案は終わっております。17年度は、その継続の3事案と新たな3事案で6事案を今調査しておりますが、おおむね年度内に調査を終了することとしております。なお、規模の大きいですね、大矢知・平津事案につきましては、若干調査結果を取りまとめるのに少し時間が要するのかなという状況でございます。

 それで18年度は、鈴鹿市と松阪市と伊賀市とこの3事案につきまして調査を開始していくこととしておりますが、4月中に関係者等への説明を行って、着手したいと考えています。できる限り早い時期に調査を終えたいというふうに考えています。

 それから、17年度にやりました旧美杉村のですね、この廃棄物の処理につきましては、一応対策は完了しておりますけれども、調査結果から周辺での生活環境保全上、差し迫った支障はないということで、特に問題はないということだったんですが、ただ、旧美杉村から景観上の問題がございまして、一部地形の修復を行って景観をよくするといった申請がございましたが、これにつきましては11月に県の助成をする中で事業を完了しております。

 あと、私どもとしましては、その後も周辺の地下水等の水質調査を継続して実施していくということで、引き続き周辺への環境保全上の支障についてチェックしていくという状況でございます。

 それから、3点目のご質問で、調査の結果、差し迫った支障がない、生活環境保全上、差し迫った支障がない場合はどうするのかという話だったですけれども、支障がある場合は、当然のことながら廃棄物処理法に基づきまして、原因者あるいは地権者に対しまして、支障の除去を行うよう法的措置を講じていきますが、一方、生活保全上の支障がない場合はですね、現場周辺で必要な監視道を設けまして、地下水の水質調査を行ってですね、現場周辺への影響について影響がないということを確認する意味で、引き続き監視活動をやっていくというのが通例でございます。

 この具体的な対応につきましてはですね、個々の事案のその事情なり特性もございまして、今、旧美杉村の話にもありましたように、景観に配慮した対応などのようにこういった対応も出てくる場合もあるでしょうし、また、地元自治体とか周辺住民の意見も聞きながらですね、これはケース・バイ・ケースで対応していくことも必要じゃないかと考えております。

 それから、フェロシルトの早期回収ということで、三田処分場への搬入などの問題もご質問いただきましたが、県としましては、引き続き石原産業に対しまして一日も早い施工現場からの回収を指導しております。石原産業の方もフェルシルトを受け入れてもらえる処分場を探していますが、先般もお答えしましたように、なかなか風評もあって処分場の確保が進まないという状況の中で、その中で県としましては、環境保全事業団に21万トンの受け入れを要請するとともにですね、石原産業四日市工場内にできる限りの仮保管施設を整備するよう指導しています。それで先般も申し上げましたように、2月25日現在では18万トンが回収されております。

 いずれにしましても、石原産業に一日も早く回収のための処分場を確保しろということで指導しておりますが、先日も石原産業が県外の処分場に目途が立ちつつあるという報道がなされましたこともありましてですね、現時点におきましては、三田処分場への搬入量を増量するということは考えておりません。

 以上でございます。

○田中(博)委員 ありがとうございました。

 特に、不法投棄の廃棄物の問題は、県にいろいろ調査をしていただきます。生活に支障はないであろうという結果が出ますけれども、実は、県民の皆さんとは随分受け止め方が違うんですよね。私どももやはり鈴鹿の住民と話しておりましても、いや、危険物が出ないからいいんじゃないのと、可燃物が混じってだれか火つけたらどうするんだと。先程触れられましたけれども、美観の問題もこれまた言われます。ぜひ、そういう意味合いではですね、ただ単に見た目は悪いけど危なくないよ、生活に支障ないよということだけではなくて、やはりその市・町となり、あるいは地域住民の方と情報をしっかり通わせていただいて、やっぱり前向きに対処をお願いしたい。

 特にフェロシルトでもですね、たまたま四港の議員ということでわかるんですが、県内から21万トン、実は県内の4カ所から21万トン。おくれておるんで7カ所から21万トンに変えれないかとこういう議論一つもやっぱり地元がございますし、それから、四日市の市議会もございますし、県議会もございますし、四港の議会もあるという、もう大変複雑な関係がございますので、そうしたところぜひ、大丈夫だろうと思ったことが以外と意思疎通が漏れてうまく物事が回っていかないということがございますので、もちろん大変だと思いますし、私ども議員もおこがましいですが手助けできればというふうにも思っておりますので、ぜひ慎重な取扱いで地域の住民の皆さんに納得いただける18年度の予算執行をお願いして、私は終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

○杉之内委員長 関連質問の申し出がありますので、これを許します。

○森下委員 委員長のお許しをいただきまして、ただいまご質問をしていただきました舟橋委員、生ぶしのごとく本当に味のある質疑を展開していただいたわけでありますが、舟橋委員の新年度予算の評価と満足度ということにつきまして、私の方から、この中の特に新年度予算案につきまして、県と市町村の関係についてお尋ねをしてまいりたいと思います。

 このたびは、一連の合併によりまして、69市町村ありました市町村は29の市町になったわけでありますが、今、合併をした市町村は国から行財政改革プランを提出というようなことを迫られておりまして、それで大変苦労している、難渋した状況になっているんではないかと思っております。合併が進む前に、行くも地獄、とまるも地獄というような言葉をよく耳にしたんですが、その実感を今感じていらっしゃる市・町が多いんではないかとそんなふうに変えておりまして、これら合併をしたところ、あるいは合併のできなかったところ、合併をしなかったところといろんな事情の中で、今29の市町村が県内に誕生したわけでありますけれど、三重県が、これからこういった市町村とどんな関係をつくっていくのかということについて、この平成18年度予算の中でどんなふうに取り組まれておられるのかというようなことを聞かせていただきたいというのが、今日の質問の趣旨でございまして。

 私は、3年前に初めて県議にさせていただいたときに、最初の質問で取り組ませていただきましたのがこの合併問題でして、私は、合併について県はもっともっと責任とビジョンを示しながらリーダーシップをとって運ぶべきだというような趣旨で質疑をさせてもらったんですが、知事はそのときに、市町村の自主性を尊重して、そして、それを見守りながら必要な支援をしていくんだと、こんな答弁をいただいたように思っております。

 私は、県土を、知事は最近、共治という言葉を盛んに出されるわけです。ガバナンスというふうに言ってらっしゃいますが、その知事の言われる共治という視点に立っていくならば、もっともっと市町村との関係をお互いがきちんとそれぞれ言いたいことを言い合い、あるいは、ともに県民、住民、あるいは県土について責任を持っていく立場から関係づくりが大事ではないかというふうにこう思っておりまして、統治から共治と。ガバメントからガバナンスへということを今、知事は盛んに言われるわけです。このパラダイムの大転換じゃないかと私は思っているんですけれども、こういったときに、そうしたら共治をするために市町村との関係をどうするんだというようなことについて、やっぱりしっかりと今、知事の言葉で語ってもらわないと、市・町の方はどういうふうになるんだと。今までは統治だと言われてきた、言葉の上では。これからは共治だと言われるんですね。これは一体どういうふうに県と対応したらいいのかなというようなことを、ぜひこの際に、知事の言葉でお示しをいただきたいと思いますし、具体的なところで18年度予算の中で、そういった県と市・町との関係づくりについて取組がございましたら具体的にもお示しをいただけたらと、そんなふうに思います。

○野呂知事 私が知事に就任しました3年前の4月21日、知事としての初日に、私として知事に当たっての就任のあいさつをいたしました。その中で、私は、ガバメントからガバメンスへこれから転換をしていかなければならないということを申し述べております。

 その後、知事になりまして新しい総合計画づくり等、私としての知事の取組が始まったわけですが、その中でこのガバナンスということについてはですね、新しい時代の公、ニュー・パブリック・ガバナンスとこう申しておりますけれども、そういう形で打ち出したものでございます。ガバナンスそのものにつきましては、やはりそれ以前が公イコール官というような、どちらかというと行政が独占するものであるという考え方が強かったんでありますが、やはり今の時代、特に地方分権、地域主権の社会を目指そうという中では、公を官が独占するものではない、民とともに担っていくんだ、多様な民と担っていくんだと、こういう考え方、これがガバナンスという共治と言っておるものでございます。

 したがいまして、この新しい時代の公についても行政に限ったものではなくて、NPOであるとか、あるいは県民、企業、こういった多様な主体の皆さんと一緒に幅広く担っていくものであると、こう考えております。

 ただ、その中で、もちろん行政が果たす役割というものは、極めてまた大きいものがございます。そういう意味では、市・町につきましては県政にとって最大のパートナーだと申し上げておりますけれども、この県と市・町がともに地域で大きな役割を果たす共治、ガバナンスの大きな主体であるというふうには受け止めておるところでございます。

 また、県と市・町がそれぞれの役割を果たす際には、やはり市・町にできることは市・町でやってもらう。もちろん、それ以前に個の確立ということが非常に大事でありますが、いわゆる補完性の原理、こういった基本におきまして対応すべきであるとこういうふうに思っております。こういう考え方からいきますと、市・町のまちづくりについては、住民に最も近い総合行政をやっております市・町が、みずから住民参画のもとで自立的に取り組むということが大事でございます。県は、そういう意味では広域的な役割というものを基本にいたしながら、市・町の取組というものを尊重しながら、必要な場合に市・町に対して補完する、あるいは支援をする、そういう体制が必要であろうと、こう思います。

 合併後の新市や新町の建設計画にはですね、県事業の推進ということを盛り込んでおります。県としては、今後こういった県事業を進めるということによりまして、合併した新しいまちづくりにも貢献をしていきたいと考えております。

 それから、18年度でありますけれども、合併によりまして69あった市町村が29になったということであります。そういう意味では、県と市・町との関係というのは新しいステージに入ってきたんだと、こういうふうに思っております。今後は、さらなる連携強化を図っていくということが必要でございまして、県と市・町の新しい関係づくり協議会というのがございますけれども、こういった場を通じまして、引き続き役割分担のあり方、あるいは連携のあり方、こういったことについてですね、議論を深めまして、県としては、より市・町の自主、自立というものに対しまして支援、助言をしてまいりたいなと、こう思っているところでございます。

○森下委員 ありがとうございました。

 今、知事からもお話がありましたように、よく使われる言葉でありまして補完性の原理、県は、市・町の自主性、自立性を尊重して、それを補完、支援をするということをよくおっしゃるわけですが、これがややもすると、私はどちらかというと責任回避みたいなところに行き着くんではないかなと、そんな部分を片面持っているような気がしてならないんですね。確かに、市・町の行政でありますから、それはそこで責任を持って進めるべきでありますけれども、市・町の中のいろんな行政をやるに進めるについても、県としてはっきりと責任が表に出てくるような形の行政の進め方が、やっぱり私は必要ではないかと思っているんですね。丸投げしてですね、こういう言葉は適当かどうかわかりませんが、そういう感覚を持たれるような形で市・町がどっと抱かれるというようなことではなくて、本当は郷土のいろんなその地域の行政については、県と市・町が協働して責任を負っているんだよと。ですから、個々の事業についても、これはしっかりと県が責任を追いながら、市・町の皆さんと一緒になってやっているというようなところのすみ分けといいますか、責任の度合いについてもはっきりとしたこの区分をしながらではあろうと思うんですが、そういった取組がやっぱり必要ではないかと、私は今お話を聞いても改めてまた感じさせていただくわけであります。

 ですけども、知事はもともと市・町との関係を大変大事にされてきている政治姿勢も見せてもらっています。それは、松阪市長としてその経験を積まれたからやと私は思っているんですけれど、そういった経験を踏まえて、市・町との関係を本当に大切にしながら県政を進めていらっしゃることも、この3年間しっかりと見せていただきましたし、大いにその期待もさせていただいております。

 この市・町の行政のプログラムについて、県が責任を持ってかかわる、こんなことについてひとつご所見がありましたらいただきたいと思います。

○野呂知事 今、補完性の原理ということについてございましたけれども、決して丸投げとかそういうことではありませんでして、むしろ、やはり地域に一番近い行政というものは、市民のやはりこだわりを持った生き方に対する直接のいろんな要請を聞いてまいります。それだけに、旧来の県や国に頼ったようかんの輪切り的な政策ではなくて、みずからこの自分の住んでいる地域をどのようにより好きになっていくのか、自分の暮らしをどのように確立していくのか、真剣にやはりみんな考え出してきています。それだけに、その考える主体が市町村という基礎的自治体が重要でございますし、より自主的、自立的にみずから自分たちが考え、みずから自分たちの町をつくっていくということが大事であります。

 そのことを最大限尊重しながら、県やあるいは国というものが補完していくということが必要でございます。意識の全体としての切りかえというのにも時間は多少かかるのだろうと思いますが、私としては、市・町のいろんなご要請あるいはお考え、こういったものを十分お聞きをしながら、役割分担についてもしっかり議論し、そして、県の責任を果たしていきたと思っています。

○森下委員 ありがとうございました。

 ともに県土をつくるという立場で、住民のために、県民のために、市・町と本当にこう連携をしながらサービスの向上、そんなことにしっかりと私たちは努めていかなければならないというふうに、今、知事の言葉を聞きながら、改めて決意をさせていただいたところでございます。

 最後になりますが、今お話が少しありましたように、私も3年前、知事とは同期の県政の入学といいますか、場に登場させていただいたわけでありますが、知事は、最終学年度を迎えられて、多分めでたく単位を全部習得されて進級、新しいステージへ進まれるんだと私は思いますが、私は残念ながらここで中退をさせていただくということになってしまうわけでありますが、そんなことを今、少し寂しく思いながらここに立たさせてもらっております。

 全国に名だたる三重県政が、本当に二元代表制のもとにしっかりと県民の皆さんの期待にこたえて、ますますご発展されますことを心からご祈念申し上げさせていただきまして、私の質疑を終結させていただきます。

 本当にどうもありがとうございました。

○橋川委員 自民・無所属・公明議員団、度会郡選出の橋川犂也でございます。

 今回は、予決総括質疑をさせていただきます。よろしくお願いをいたします。

 さて、昨年の第1回定例会で代表質問をさせていただきました。そのとき、知事のご答弁の中で、「立国は公にあらず、私なり。一身独立して一国独立する」という福沢諭吉の言葉を引用されました。3月6日の参議院の国会の質疑に片山虎之助幹事長の答弁に小泉総理がですね、「一身独立の気概なくして一国の独立なし」と、同じ言葉だろうと思います。こういう話をおっしゃってみえました。片山幹事長はえらく感心していました。要は、地方分権をどう進めていくかという話なんだろうなと、そういう話題の中からそういう話が出ておりました。

 私は、この言葉を聞いて、ああこれは地方分権を推進する基礎となる言葉であると。なおかつ、知事のおっしゃってみえる新しい時代の公、この語源になる言葉かなと、こんなふうに感じたところでございます。またそのとき、県民よ、行政に甘えるな、まずは、皆さん自身がしっかりやってくださいよと、今こそ地域主権の社会の構築のためあえて申し上げなければならないときであると、こういうこともおっしゃられました。地域主権で個人の確立がうまくいかないということであれば県はうまくいかないんですよと、こんなことをおっしゃったんだろうなと、こんなふうに思いました。

 しかし、今も議論されておりました補完性の原理についてですけれども、私の力ではできないこと、そして、地域の力でもできないこと、市・町の力でもできないことがあるんです。それは、南北格差なんです。今回、私はこの南北格差問題、古くて新しい、三重県永遠のテーマについて、知事並びに各部長にご質問をしてまいりたいと思います。今回、本会議では代表質問から一般質問まで何人かの先生がこの問題を議論されました。屋上屋にならないように掘り下げて議論をさせていただきたいと思います。

 国会では今、改革の光りと影という問題についてよく議論がされております。私は、シャープの亀山工場ブランドに象徴されますように、本県の北勢地域を中心に全国でも先頭を切って景気が回復してきたこと、今なお、大型の設備投資が相次いでいることを大変うれしく思うところでございます。知事が盛んに三重県が全体として元気を取り戻したと、こう言われるのもごもっともだと思い、敬意を表するところでございます。

 しかしながら、それだけに光りがまぶしいばかりの強さであるだけに、影の濃さが目立ってまいります。県南選出の議員といたしまして地域の現状を見聞きするにつけ、たとえ地域間の格差というものがある程度は宿命的なものであったとしても、光りと影とひときわ強く意識させられると大変つらいものがございます。これから南北格差について、個別の問題について幾つかお尋ねをいたしますので、所管部長から順次お答えをいただきたいと思います。

 まずは、合併により、ただ今も出ておりました69から29に再編された市町間の財政力の格差。今回、私は格差の切り口でただしてまいりたいと思います。

 合併前の数字になりますが、県南部に属します25市町村の平均の財政力指数は0.38、町だけでいいますと0.3以下ばかりでございます。北部の44市町村では、川越の1.1、そして四日市、あるいは鈴鹿市、その他の0.9、0.8、0.7、市町を含めても0.587の平均。合併後の財政力はわかっておりませんが、県南部には合併してもなおかつ財政力が乏しい市や町があります。津や松阪市など大きな規模の市が誕生しましたが、格差が一層に広がったと言えるのではないかと思いますが、県としては今後、財政力の乏しい市や町をどのように支えていくのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

 2点目は、産業についてであります。その中でも、まずは、県南部の主要な地場産業である農業、農村、水産業についてお尋ねをいたします。

 農業、農村について、国は大規模農家へのシフトをより一層鮮明にいたしてきております。零細な兼業農家の多い三重県、とりわけ南部の農業農家はいよいよ切り捨てられることになるのではないかとの危惧の念を強く抱いておりますが、いかがでございましょうか。

 最近、燃料である原油価格の高騰で、近海・遠洋漁業はもとより、沿岸漁業においても大変厳しい状況に追い込まれております。水産業のこともあわせてお答えをいただきたいと思います。

 次に、県南部の企業誘致についてであります。少し前、18年度当初予算を特集した新聞報道にも取り上げられていましたが、北勢地域では工業用地が足りない、企業立地が順調だということですが、中南勢以南、相変わらず造った用地が埋まらずに困っているという実態がございます。記事の中には、手の打ちようがないとのコメントが県の担当者のもとで書かれていました。正直な胸の内かもわかりませんが、県南部の人間にとってはいささか寂しい感じがいたします。現状をどのように踏まえ、今後の展望についてどのようにお考えになっているのかをお聞かせいただきたいと思います。

 それでは、地域振興部長と農林水産部長によろしくお願いをいたします。

○石垣農水商工部長 3点いただきましたことにお答えをいたします。

 まず、農業でありますけれども、委員ご指摘のとおり、今、大綱の見直しが行われて、農業における構造改革の加速、WTOにおける国際技術の強化への対応を目的としまして、施策の対象を一定規模以上、認定農業者4ヘクタール、集落営農20ヘクタールでありますけれども、基本基準は。担い手に限定するなど大きな政策転換が図られようとしております。

 しかしながら、私どもやっぱり零細農家が多い、兼業農家が多い本県農業におきましては、一つには、やっぱりそれぞれの地域のその特色を行かして主体的に取り組む農業というのが私ども行政で支援していくのがやっぱり重要だと思っております。その方向は、一つには、やっぱり集落というのを単位として、集落営農を基本的には構築していくということがいると思います。これについて、それは集落機能を向上するという視点から、例えば集落の合意形成、これをどうしていくんだと。集落全体をどうしていくんだという視点の生産、経営のアドバイス、あるいは、農業の多面的機能をどう維持していくか、それとか、生産者と消費者の連携強化をどうしていくというのが一点だと思っています。

 もう一点は、小規模零細農家の中にもいろんな生き方があるわけです。例えばそれについて、多様な農業を展開するために、あるいはブランド化を進める、地産地消運動を進めていく、独自産業化をしていく、そういう農業もあるわけです。そういうのについてもきちんとした支援をしていくという方向だと思っています。要は、集落営農で地域全体が兼業農家を含めてどういう取組をしていくか、品目横断的にどう対応していくかと、一つはやっぱりあると。

 一方では、観光農園をやりたい人、健康的なエコ的な農業をやりたい人、契約農業をやりたい人、そういう人に対してのそれぞれの使い分け、支援というのをやっぱり行政が取り組んでいかんならんというふうには思っております。

 2点目でありますが、燃料原油でありますが、確かに原油価格が今高騰しております。そういう面でいきますと、特に漁業におきまして、漁船漁業、農林漁業等について大変経営を圧迫しているということは事実だと思っています。そのため、実は国の方が平成17年度におきまして、国の燃油高騰緊急対策として省エネルギー推進計画を実行する漁業者への貸付に対して利子助成制度を創設いたしました。それで、私どもは県といたしましても、この制度への上乗せ利子補給をしたいと思っております。0.7%の上乗せをするということをやります。

 農業分野におきましても、確かに今、ハウスなんかの加温燃料なんかも大変影響を受けておるわけでありますけれども、私どもも施設園芸に対して省エネ化に対した支援を行っていく。あるいは、今農業なんかですと、農業経営改善促進資金というのがあるわけでありますけれども、この融資枠を拡大し、燃油、燃料価格の高騰に対する資金需要にも対応していきたいというふうに思っております。

 あと、企業誘致でありますけれども、委員から手の内ようがないと。私、絶対悲観していないと思っておりますので、そういう形で大変ショックだなと思っております。そういう悲観はしておりません。なぜかといいますと、確かに北勢の方は元気いいんですが、県南への企業誘致は大変厳しい状況であるということは事実でありますけれども、日本経済の活況が徐々に県内企業にも波及してきて、例えば松阪中核工業団地でありますけれども、これも本当に県内企業に立地が進むほどもう本当に完売であります。要するに、北勢から中勢もここまで来た。要するに改善の兆しが見えてきたと思っております。ですから、また、今後の立地インフラにつきましても紀勢自動車道が一部開通したと。県南部への企業の誘致に明るい材料が出てきたと私は思っております。確かに、今後、県北部に対して立地が不利なのは事実でありますけれども、私ども県としても積極的に誘致を進める、あるいは、市・町の熱意と創意工夫をもってもっと取り組んでいきたいと思っておるわけです。

 例えば東紀州なんかですと、今、海洋深層水あるいは地域の水産資源を使って新しい企業の誘致が出てまいりました。それで、例えば鳥羽市なんかですと松尾工業団地というのがありますけれども、10年間無償リースでいこうやないかと、そういう制度を導入して思い切った制度も打ち出されておるわけです。私どもは、やっぱりそういう市町村が新しい創意工夫という動きが出てきている。地域資源を行かした新しいそういう企業誘致が進んでいるということについては、そういう評価をしていきたいと思っております。

 そして、全国的には、その地域の特色を行かした農的企業というのがあります。農業を行かした企業です。あるいは、集落交流施設の誘致など、新たな切り口での誘致事例も見られてきております。今後も、市・町と情報交換を密にしながら互いに知恵を絞り、地域に適した企業誘致策を練り上げて、県南部の企業誘致につなげていきたいと思っております。決して見捨てるとか、そういうつもりは全然ありませんので、大いに夢を持ってやりたいと思っております。

 以上です。

○浦中地域振興部長 私からは、財政力の弱い市・町への対応についてということでご答弁させていただきます。

 合併が進んで、それに伴って大きな期待が寄せられておるわけでございますけれども、市・町の重要な一般財源であります地方交付税が三位一体改革の中で非常な抑制基調にあること、そしてまた、地域によって非常な税財源の偏在があるということ、また、合併に伴って規模の利益、そういったものがあらわれるのにまだまだ時間がかかっておるというようなこと、そしてまた、過疎地域など条件不利地域を抱える市・町が存在するということ、これは先ほど委員からご指摘がございましたように、県下の南部地域に多いわけでございますけれども、そういった財政力の弱い市・町というのは、今後も大変厳しい財政運営を迫られるというふうに考えております。

 そういう中で、やはり市・町というのは、これは県も含めてでございますけれども、むだで簡素で効率のよい財政運営を確保していかなきゃならんというふうに思っています。そういった努力を不断の努力をこれからもずっと続けていかなければならんというふうに思っています。そうした取組を県としては十分にこれからも支援していきたいなというふうに思っています。

 そしてまた、合併後の市・町の財政負担を軽減して、まちづくりがスムーズに行われますように、県独自の合併支援交付金の交付を行っていますので、そういったものを通じてこれからのまちづくりに努めていただきたいなというふうに思っています。

 それとまた、合併特例債など国の支援制度の活用などによりましても、市・町が自立に向けた基盤整備、まちづくりにこれから取り組んでいただきたいなというふうに思っています。そういう中で県の各部局が協力して助言とか、支援とか、そういったことを取り組んでまいりたいというふうに思っています。

 以上です。

○橋川委員 大変、合併後の財政は厳しい状況にあります。県の施策として、東紀州に対して今度は局をつくって支援をしていこうと、こういうふうなことで、東紀州は少し明るさが増してきたかなという感じがしていますが、伊勢市、鳥羽市、志摩市を中心とした中山間部がどうも取り残されておるようで、やみが濃いなと、影が濃いかなと、こんな感じがしておるところでございますので、どうかひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。

 こんなふうにほかにも、例えば学力格差。これは、財政力というんですかね、経済力によって学力格差ができるなんていうような説もあるようでございます。そういうことになりますと、南北の1人当たりの分配所得は大変差がございます。そういうことになってきますと、学力格差の問題だとか、あるいはお医者さんが来ない、こういった医療格差。こういったことで安心・安全の部分においても格差がついてきております。

 だから、こういう格差につきましてね、やっぱり三重県というのは地域独自の文化を再評価しようという文化力を政策のベースに位置づけようとする三重県ですので、このような立場でなく、南北格差を解消して県土の均衡ある発展を目指すことが大切であると私は考えておりますが、知事はどう思われるのか、南北格差の質問をまとめてお願いをいたしたいと思うわけでございます。

 なお、志摩には天の岩戸というのがございまして、天照大神がお隠れになって世の中真っ暗になった。そういうことでですね、これは弱ったなということでいろいろ神様が騒ぎまして、そして、天手力男神という神様に頼んで力持ちでぐっとあけてもらったんですね。ぜひひとつ知事に天手力男神になっていただいて、天の岩戸をあけていただきたいと、こんなふうに思うわけでございますが、知事のご所見をお願いいたしたいと思います。

○野呂知事 冒頭、福沢諭吉の言葉を取り上げていただきまして、私も時々引用しておるところでございます。

 それで、まさに私は、地域主権の社会、それから、新しい時代の公という考え方もそうですが、そういう中でこれから個の確立、そして、分権が進んでいく中で本当に補完性の原理だとかそういうことも大事だと、こういうふうに思っております。

 しかし、国におけます地方分権の議論で私が強く逆に言っておるのは、地方分権は大事だけれども、しかし、分権を進めることによって地域間の格差という問題については、よりやっぱり慎重に配慮もしていかなきゃならない。だから、そういう意味ではナショナルミニマムが必要である。あるいは、教育については、やはり国がその水準をきちっと担保していくべきであると、こういう議論をやっております。

 私は、一連の三位一体の改革でも、民にできることはすべて民でいいんだと。あるいは、小さな政府、なぜ小さな政府がいいのか、むしろ国民は効率的な政府を望んでおるのであって、結果として、それがどの程度の規模なのかということを一概に小さな政府というのはどうかと。あるいは、地方分権もですね。地域間で競争がより激しくなりますから、その競争が激しく行われたときに、同じスタートラインで各地区が争えるならいいけれど、なかなか条件が整わないそういう地域はどうするんだと。あるいは、その地域に生まれた子どもは、その地域の格差の影響を著しく受けるということはどうだと。こういうことを考えまして、したがって、小泉改革には、そういう意味では影に対する思いというのが全然感じられない。こういうことで強く私は批判もしてきたところでございます。

 しかし、私自身は、そうはありながら地域主権の社会をつくっていくということは極めて大事なことでございます。均衡ある発展ということについては、したがって、私はそういう中にあって、三重県は県全体がやっぱり元気があり均衡ある発展をしていくようにしていきたい。そう考えましたときに、普通、均衡あるといったときに何か全国一律の尺度や、あるいは基準でその地域のイメージをとらえていくというところがありますけれども、私は、例えば熊野古道であるように、あれが世界遺産になった。しかし、地元の人もちょっと前まではあのすごい価値に気がつかなかった。だから、考えてみれば、その地域地域にすごいすばらしい財産が、地域資源があるわけですね。また、地域の特色、培われてきた文化というものもあります。そういうことをやっぱり生かす努力は地元からやっていかなきゃいかんだろうと、こう思いますね。

 さっき産業政策について担当部長の方から、南の方も決して何といいますか、悪くはないといいますか、これからのことについても信じておる、また、それをやっていきたいということがありましたけれども、私は、そうはいえ工場誘致についてやはり南の方はどうしても不利なのは、こんなものは利益を求める企業からいけば当然そういうふうなことが入ってくると思いますね。ですから、深層水のようなそういう特色のある資源、これを活用するのは一つですね。それからもう一つは、すばらしいそういう特色ある資源として、自然とか、あるいは培われた、都会では失われたようなその地域の文化、こういうものをやっぱり強く発信をしていくということが大事であります。そういう意味では、工場の1,000人規模の工場を誘致する以上の経済効果が見込まれる観光の入り込みを100万人増やすというようなことは、近年の落ち込みからいけば、それを回復させることによって十分できることでありますね。だから、そういうことにもっと力を入れていくということが必要でありますから、私としては、例えば一つの大きな主眼として、観光という問題を取り上げて力を入れてやろうとしておるところでございます。

 こういうふうに少しこれからの視点とちょっと違う取組はしていかなきゃいけない。しかし、かといって、地域の自立を促すことが、何といいますか、もう最初おっしゃったように、越えられない一つの不利的な条件とかそういうことによって左右されるということについては、やっぱり県がしっかり対応を考えていかなきゃいかん。国にもそのことをしっかり考えてもらわなきゃならんと、こう思っております。

○橋川委員 知事の得意分野に入り込んでしまいましたので、答弁が大変長くなって、このままでいきますと時間が全く足りませんので、観光に関しての諸問題は、後の藤田委員が準備をしておるようでございますので、ひとつそれに任せたいと思いまして、一つだけ提案したいと思います。

 これによって天の岩戸が開くかどうかというところでございます。ぜひひとつ知事にご了承いただきたいんですが、この産業誘致とか観光、もう観光のことを必ず知事はおっしゃるんですね。観光振興に関連して提案をさせていただきたい。

 ご承知のように、元気な三重県ではシリコンバレー、クリスタルバレー、メディカルバレーと、この3つのバレーは今大変元気であります。ところが、志摩にあったパールバレーというのは消えちゃったんです。そしてまた、東紀州にはインキュベーションバレーというのもあります。しかし、伊勢志摩のパールバレーはなくなっちゃった。何か一つバレーを作ってもらなわきゃ困るわけでございます。これでですね、私はぜひ伊勢志摩は観光なんだと。三重県の観光は伊勢志摩なんだということで、ツーリズムバレーというところにこれを位置づけていただいて、ぜひひとつ産業政策としてこのバレー構想を位置づけていただきたいと思いますけれども、知事いかがですか。

○杉之内委員長 明快な答弁をよろしくお願いします。

○野呂知事 リアス式海岸のところで、もうその至るところに谷筋がございますね。それを総称してツーリズムバレー、それもいい呼び方だなとこういうふうに思います。いずれにしましても、観光そのものは三重県全体でありますけれども、私は、県下全体が元気になるためには観光を軸にしながら、それだけではありません。かなりいろいろ手がけておるところで大きな企業も、私は東紀州に進出して来る機会が今後必ず出てくるであろうと、そういうことをしたたかにねらいながら、今観光政策も含め、取り組んでおるところでございます。

○橋川委員 JR東海の社長も伊勢市の出身ですし、近畿ツーリストの社長も伊勢市の出身です。今は一番そのへんではチャンスだと。御遷宮、これは知事の力で御遷宮が来るわけじゃなし、1,300年前から決まっておるんですけどね。そういうことの中でチャンスはチャンス。だから、そのときに産業政策としてぜひツーリズムバレーというものをしていきたいと。

 後に、新しい次期戦略の話があるんですけど入らなくなっちゃったんですが、文化力ということについて知事の思いがあったと思うんですが、もうちょっと時間ありますので、この次期戦略についてモデル、要するに、集客交流あるいは文化発信を中長期的な戦略として調査することが予算資料で取り上げられました。これ内容はちょっとまだ、調査をやるというだけの話で内容はわかっていない。ちょっとこれ、総合企画局長、ちょっと内容を教えてください。

○村林総合企画局長 それでは、「こころのふるさと三重づくり戦略調査事業」のことかと思いますが、これについてご説明申し上げます。

 これは、中部国際空港の開港でありますとか、式典遷宮でありますとか、あるいは熊野古道の世界遺産登録など、そういったものを好機として生かしながら中長期の集客交流戦略をつくってみたらどうかと、この調査でございまして、中身につきましては、例えば体験学習型、滞在型、あるいは地域住民との交流型とか、そういった新しいツーリズムの動きに対応していこうと。そういった中で地域住民が主体的に取り組む魅力ある地域づくりでありますとか観光地づくり、それとイベントなど幅広く連動させていきたいと。

 調査内容につきましては、今のところ来年度取り組む話ですが、現時点では全国の先進事例でありますとか、県内でも地域密着型ツーリズムなどを進めておるところがありますが、そういった現状と課題の整理などをしていったらどうかと。それで、そういったことを踏まえて本年秋ぐらいには目途に中間的な報告をまとめて、その後、外部の意見も広く聞きながら18年度内には、2014年までぐらいを見据えた中長期の戦略を取りまとめていきたいとそのように考えております。

 以上でございます。

○橋川委員 時間がございませんのでもう終結をいたしますが、やっぱりこの調査をしていくのには、どうも伊勢志摩が最適なフィールドだと、私はそう思っています。ぜひひとつ伊勢志摩を中心に、この戦略を次期戦略の目玉になるようなこの調査をお願いいたしまして、何とか天の岩戸を開いていただきたいとこう思いますので、お願いをいたしまして、私の質問にさせていただきます。終わります。

 どうもありがとうございました。

○藤田(正)委員 未来塾の藤田正美でございます。きょうはよろしくお願いいたします。

 先程、橋川先生が観光の分野は藤田正美に任すといったことを言われましてですね、いきなり振っていただいたのでしっかり頑張らないかんなと思っております。

 先程、橋川先生も言われたように、南北格差の問題、そういう県の南勢地域、本当にこういう観光をしっかりやっていくことによって、確かに力強い南勢、そういうものを作り上げていかなければいけないそういう思いで私もおりますので、今回は、県の観光関連予算について質問をさせていただきたいと思います。

 三重県は観光振興プランができてきました。この18年度には観光局が設置されます。それは知事の強い観光に対するあらわれであると私は思いますので、その意気込みに対しましては本当に心から感謝と敬意を表するところであります。

 観光振興というのはですね、誘客いわゆる外から人に来ていただいて、そして呼び込んで、そして、その地域の人たちがもてなしをして地域が活性化し、潤うと。もう一つは、観光地の魅力を高めて、また、魅力ある地域づくりをしてそこへ人が来ていただく。この2つがあると思うんですけど、最終的には、人がそれぞれの地域に来ていただいて、そこで消費をしていただいて、地域経済が循環して地域が活性化していくことが目的であると私は思っております。

 今回のこういう三重県の関連予算を見せていただきましたら、これはやはり観光地の魅力づくりと情報発信、誘客、この3本柱で組み立てられているということはよくわかるのでありますが、こういうこの情報発信とか誘客というのは、不断の努力をしていかなければいけないものであると思っております。

 その中で、この誘客、情報発信の予算を見てみますと、前年度に比べまして予算が減っていると。そういうことでありますので、まず、そういう意味でも知事に、私は純粋な観光予算は誘客と情報ではないんかなと思っておりますのでその点について、まず、最初に知事にお伺いをしたいと思います。

○野呂知事 観光振興プランを作りましたときに、このプランで三重県の観光政策をどういうふうに進めていくのか、副題でうたっておりますように、観光構造を変革するということが一つ。それから、観光文化を創造していくんだということ。こういうことから、これまでの取組、あるいは地元での体制やそういうものについて、今ニーズに合わなくなってきている。したがって、新しい取組をやっていかなきゃいかん、新しいニーズに合わせていかなきゃいかんと、こういうことでこの振興プランについてはかなり思い切った展開、あるいは現場を重視した展開、こういったことを進めようとしておるところでございます。

 そういう中で、18年度の今年の例えば予算につきましても、式年遷宮があるというようなそういうチャンスのときでもある。あるいは、万博で愛地球博ですね、あれで遠いところからのお客さんも来たということで、そういうところの遠方のお客さんについてリピーターとして確保していくというような、そういうことも含めて観光客の満足度を向上させるために、景観づくりであるとかまちづくりといったような、観光地の魅力づくりということに主眼を置いて編成を進めたところでございます。

 総額では前年比で10%ぐらい伸ばしておるところでございます。情報発信、誘客事業ということについては、前年に比べて減少しておるんであります。しかし、これは2005年集客交流戦略というのを平成13年から実施をしてきましたが、これが終わったということもございます。しかし、私は、今の状況、また、今後の状況でもこの誘客、発信ということについても決して何といいますか、ボリュームが減っていくというようなことを考えておりません。それは、例えば一つは、相乗効果を期待できるJR等々と連携強化をするというようなことが一つはあります。あるいは、旅行雑誌の出版社と連携をいたしまして、旅行意欲の旺盛な中高年の女性層を主なターゲットにした情報発信をやるとかですね。あるいは、今後増加が見込まれます中国、東アジアを中心とした外国人観光客を誘客しようとか、あるいは、地域の豊かな自然、歴史、文化、農林漁業を利用した本物の体験観光の振興、こういったことをやろうとかいうことにつきまして、これには民間事業者や地域の知恵、活力を引き出す仕組みづくりの中で取り組むということにしております。こういう取組と観光地の魅力づくりということが相まって、それで首都圏などの有望な市場からの観光客の誘致でありますとか、あるいは、一層の誘客効果が発揮できるのではないかなと、こう思っております。

 あくまで観光構造を変革するということであります。したがって、旧来の発想に基づくものよりも、より広く新しい時代の公でもあります企業や民間の力を引き出しながら、情報発信や誘客についても、さらに付加価値をつけて政策を遂行していくということは大きな意味があるのではないかなと、このように思っております。

○藤田(正)委員 答弁ありがとうございます。知事は、観光政策を変革していくと。魅力づくり、総合的に観光振興を進めていくということを言われました。

 私は、なぜ誘客と情報発信が重要かということを後に述べるわけでございますが、これは、伊勢志摩再生プロジェクト実施報告書というのが、知事もごらんになっていただいていると思いますけれど、この最初のページのところに、民間の方々がこれ5年間取り組んでいただいて最終報告をいただいたわけでありますけれど、地元の観光業者を中心とした方々の意見が載っております。上の方にですね。下の方に他の地域の人が載っているわけです。これかなり興味深いアンケートでありますので、少しちょっと紹介させていただきます。

 地元の観光事業の中心の人の意見は、この伊勢志摩ですよね。そもそも地域の名前が全国ネット、風光明媚な景色、ミキモト真珠島、鳥羽水族館、志摩スペイン村など有名施設がたくさんあると。日本の中心したジンフンがあるというようなこういう意見があるわけであります。また、他の地域の人たちは、伊勢志摩ってどこでしたっけと。これは愛知県、和歌山県の方ですね。それとですね、イセエビといえば伊豆と相場は決まっていますよねと。自然が豊で海がきれいなのは断然和歌山県、伊勢志摩では海が見えへんやがなと、これは大阪の人がこういうことを言っているわけであります。随分こう認識されていないし、誤解のある言葉でありますけれど、これは前から言われているように、本当にこの三重県のそういう情報発信力は弱い。そういうふうに私は思っておりますので、あらゆる角度から情報発信をしていくべきではないんかなと、そういう思いであります。

 もう一つは、先ほど申し上げたように、魅力づくりとかいうのは、非常に息の長い話になりますし、人の価値観にもよって違いますし、これは大変重要なことでありますけれど、なかなかこの我々も評価しにくいですね。そやけど、この誘客。観光客がスケジュールを組んで何%、来年は25万人増えて、50万人増えてというようなこうスケジュールをつくって、そして、それを今年は毎年やっていくことは精いっぱいやっていこうと。あるいは、中長期的にやっていこうと。そういうスケジュールとか正確な統計、いわゆるマーケティングの一番大事なそういう入り込み客の統計が、基本的に違っているわけなんですね。それは、この2007年度に新しい統計が出て、それをもとにもう一遍数値目標を徹底されるとは聞いておりますけど、観光振興プランの中で。私はもっとシビアにそういうスケジュールと、そして、観光客の数が何%ずつ上がっていくんだというような、もしそういうようなものを的確に県が進めていけば、そういう例えば産業なんかに対するお金を投資する場合、費用対効果というものがよくわかるんですけど、観光地というのは非常にそういう費用対効果がわからない。都会で一遍キャンペーンを打ったらすごく飛んでいく。

 そういうことでありますから、そもそも知事が魅力づくりとか言われましたけど、私が言いたいのは、そういう費用対効果というものをしっかりつくるような仕組み、そういうことを進めていけばこの誘客・情報の予算が、私は1,000万円少ないとか2,000万円少ないとかいう話をしていないんですね。1億くれという話でもないんです。1億必要なものが費用対効果であれば打てばいいというような県の姿勢に変わっていけば、これは人が来ていただいて地域経済の循環につながると私は思っておりますので、そういう意味で、私は知事にこういう質問をさせていただいたわけです。

 少しこれとは違いますけど、一例でもいろんな指標なんかがあるんですけどね。スペインなんかでは、観光に対しては非常に力を入れておりますので、終夜日を落としごとに観光客の数また宿泊日数を把握し、毎月公表しておるんです。そしてまた、観光収入源についても地域ごとに公表していると。経済、産業なんかはIUDTPとか日経平均とかトピックスとか、そういうさまざまな経済指標統計を見て、我々は経済がどうなっていくんやと、どういう手を打ったらええんやと、そういうようなことをしていくからこそ、そういういろんな戦略、そういうものが私は打てるのではないかなと思っておるんですよ。

 単なる、何でこれ減っとるんやという質問を私はしたんじゃなくて、そもそもそういう誘客とか情報というものは、繰り返し申し上げますけど、本当にそういう費用対効果がわからないから打てないんですよ。効果があるものが打てるような、これから遷宮の問題もありますし、本当に県南勢をしっかりやっていかなあかんそういうときに、私は、そういうものをしっかり作り上げていただきたい。そういう思いでいっぱいでございます。そのことによって戦略が見えてくるのではないかなと思いますので、そういう意味で、平成18年度における情報発信や誘客に関する予算の具体的な戦略や目標は一体どこにあるかということを、そういう意味で、もう一度お聞きしたいと思います。

○石垣農水商工部長 まず、事業の目標でありますけれど、費用対効果という話でありますけれども、基本的に私どもは、当然予算をつけて事業を行うとそれに対して当然評価があって、この事業に対してどうだったという話はすべての政策についてそれは通じることだと思っています。

 今例えば、私ども目標数値のいろんな話を、観光、レクリエーション、入り込み客数という話も今ありました。しかし、これについても実態を本当に反映しているかどうかということについては、新しい視点で2007年から見直しをしていこうと。例えば、今市町村から出してくる数字をもっと精度の高いものに変えていくというのは当然要ると思います。あるいは、宿泊者の数をもっとシビアにとっていく。あるいは、来ていただいたお客さんたちの満足度はどうなんだと、そうして何かとっていきたいと思っております。

 あと、例えば私ども、委員ご指摘の言われましたように、観光地の魅力づくりという視点とやっぱり私ども、情報発信という2つの柱を置いてさまざまな事業を今構築しとるわけであります。特に魅力づくりについては、例えば観光地づくりの実施件数とか、観光商品を何ぼ提供するんだとか、そういう観光産業の事業数とか、そういういろんな目標をとって事業を進めていきたいと思っています。

 例えば、先程言いましたように、地域の皆さん方が地域の資源を生かして新しい地域の魅力づくりを作っていただくという事業は、今私どもも構築しておるわけでありますし、例えば情報発信につきましても、今観光ルートの提供案どんなあたらしいものできるんだとか、あるいは外客誘致のプロモーションはどのくらいできるんだとか、いろんな目標を立てて情報発信についてもいろんなさまざまな事業に取り組んでいきたいと思っています。特に18年度においては、首都圏あるいは遠方からのお客さんをどう引っ張ってくるかという主眼を置く。女性のお客さんをターゲットにどういうような情報発信をしていくかというそういう新たな取組をしていく。もう一つは、今、知事が言いましたJRとか新しいそういうキャリアといいますか、そういう方々と連携して相乗効果を持って情報発信していく、誘客していく、そういう事業に取り組んでいきたいと思っております。

 情報発信の予算が減っているという話でありますけれども、まさしくこのような中の予算を効果的に活用して、三重県の観光振興につなげていきたい。特に18年度は4,600万と目標を持っておりますから、それに向けて達成すべく取り組んでいきたいと思っております。

○藤田(正)委員 部長、ありがとうございます。

 予算が減っておるというような議論をしたんじゃなくてですね、先程言ったように、ちゃんとスケジュールを組んで、それで誘客を、観光客を外から何人来ていただくというようなものをしっかり組んで、そして、費用対効果を出すようにやっていただきたいという質問なので、本当に今いろんな取組を一生懸命していただいているということは、私は理解をしております。それをすっきりしていくことによって、そういうなかなか難しい予算が使えると。そのことによって観光というものは、特に私、伊勢志摩なんかは立派な産業でございますので、そういうことをして本当に浮上していきたいなと思っておるわけであります。そういう意味で、そういうちょっと細かいことを申し上げたと思います。

 最後のこれ質問になるわけでございますけれど、そういうことを考えまして、私は予算のあり方ということをひとつ議論させていただきたいと思います。

 三重県は6年連続財政規模が縮小していると。投資的経費も減ってきていると。まして、人口減少社会になってきて社会構造も大きく変わっていくと。これまでは右肩上がり、いわゆる増分主義の時代やったと思います。税収も増える、財政規模も増えるといった時代であった。こういった時代はですね、いけいけどんどん、行政が行う事業もその成果も厳しく問われる時代ではなかったと私は思っております。また、それによってそういうストック資産や負債、そういうことは別に見やんとでも、増えた分だけ分け前を分けていくと。極端に言えば、そういう増分主義の社会であったんではないかなと私は思っております。

 しかし、これからは、先程言ったように、財政も減少する時代だし、また、そういう減分主義の時代でありますから、こういった時代は逆に行政が行う事業やその成果が厳しく問われるわけであります。また、ストックの部分、資産や負債を見直さなければ、知事が今頑張っておられます負の遺産もまさにそうだと思います。予算のあり方も大きく変わってくるんだと私は思います。それでは従来の縦割りの予算じゃなくて、横型のネットワークの予算にしていかなければいけないと思います。

 横型ネットワークの予算というのは、ああいうマトリック予算とか、あるいは部局横断的な予算とかいうことだけではなしに、先程皆さん方が市町村の関係とかご質問されたように、市町村との関係、県民また企業とか関係団体、そういったところとのパートナーシップを重視していく予算、そういうものをつけていくことがこういう減分社会、知事が大変税収が増えたけど交付税減らされてもどかしいと言われておりますけれど、そういう横型ネットワークの予算をつくっていくことが、これは非常に三重県のこれからの予算配分にうまくいくんじゃないかなと私は思っているところであります。

 知事は、新しい時代、文化力とか、いわゆるモデル事業を実践されておりますけど、ひょっとしたらこういう予算配分を横型ネットワークにしていくことが、まさに知事の言うとる官民連携であるとかパートナーシップなんですね。財政とかこういう予算というのは、行政の資金繰りではないんですよね。本当にこれは住民の生活の根幹なんですよ。ですから、その予算のところで新しい時代の公、文化力やというのが入ってくるんですよ。僕は、そういうことをしていけば本当に、非常にこういう減分社会はそういうストックを重視していかないかんのですから、うまくいくのではないかなとそう思っている次第であります。

 今、この議会の予算案でも、環境保全事業団の問題なんか補助金交付、利子補給15億の問題、この案はまさにごみの問題、市町村と協議していく問題ですよね。もう一つは、例えばシャープ亀山工場、亀山第2工場への工業用水の供給の問題についても、関係する市町村調整情報会議がないまま予算化されたことが一部で問題になっておりますと。というような多様な、いわゆる主体との連携が必要とされる、そういうことをちゃんと調整したりしていかないと物事がうまく進まない。そういう減分社会の時代に私は入ってきたんではないかなと思いますので、これは、知事にぜひこれからの予算のあり方として官民連携、住民参画、パートナーシップ、そして、説明責任など、そういったきめ細やかな対応、プロセスが必要な私は時代であると思いますので、予算と関係主体とのパートナーシップの関係について、知事にお伺いをしたいと思います。

○野呂知事 今日は、いろいろとお話を聞いておりまして、かなり藤田委員の考えていらっしゃることと私の思い、重複しておるなということを率直に感じました。

 ただ、資産を大事にしなきゃいかんというのはそうなんですけれども、例えば三重県の資産、すばらしい景観を持った自然、これを例えば資産としてとらえたときに、金銭価値になかなか変えることができない。あるいは、パートナーシップを大事にしながら、しかし、人間としてそれぞれ感性というものを持っております。その感性というものもそれぞれ違う面があり、特色もありますね。だから、なかなか一概に言葉で言っても、現実どういうふうに具体的にとらえるかというところは大変難しいものがあるのかなと、こう思っております。

 しかし、今の時代でありますから、私としては、やはり地域の持っておる資源、こういったものを大事にしながら、そして、そこには非常に行政以上に熱いふるさとへの思いを持った人たちが現に動き出してきておる。そういう人たちとやっぱり相連携して、それこそパートナーシップをしっかり保ちながら信頼関係を構築しながらやっていきたいなと、こう思います。

 もちろん、そのために行政がやることについて県民全般にしっかりした説明責任をやっていくということは、当然のこととして大事なことだと思います。何かちょっと抽象的な言い方にしかならんのでありますけれど、思いを言います。

○藤田(正)委員 知事、ありがとうございます。

 資源という話から知事は入られたんですけど、要するに、そういうパイが小さくなって減分社会になると、今まで本当にこのストックの部分、私はいつも財政の方でストックとフローの話をするんですけど、そういうストック、マイナスストックの問題も、今言う資産の問題も、本当にしっかりこれを見きわめていかないかんということであります。

 少し時間残していただいたので、そういう意味でもう1点、いわゆる執行体制、人・物・金ですよね。資産、資源というのはですね。執行体制について少しお伺いしたいんですけど、この前、観光関係の人と議論させていただいておりました。これ今、三重県振興プランできましたと。今年は観光局ができて、しかっりこういう魅力づくりや情報発信や誘客や頑張ってるという話をしておったんですね。局ができるのでいいことやけど、我々民間やったら引き継ぎですね、人の。人の引き継ぎは、民間は人と人の引き継ぎをするという表現をされました。それはどういうことかというと、どこどこの課長さんはこういう私の会社に対し利益があってこういうマイナスがあって、ちょっとこの人はリスクがあるとか、貢献してくれるとかいう人の引き継ぎをちゃんとこうするらしいです。何か行政は紙の引き継ぎやと、こういうことが書いてありますよというようなことを、その人は言っておりました。

 私は、知事はこの三重県の社長でありますから、やっぱりこれからそういう執行体制もしっかりそういうことをちゃんとせいよと言っていただきたいんですね。一生懸命やっていると思うんですけど。それは何遍も忙しい人が県へ来て、それでこの前一生懸命こういう観光政策について、あるいは協働について、まちづくりについてやっとってですね、今度人が変わったらあなたはどちらんさんですかというようなところからスタートしとっては、本当にこういうものは私はうまくいかないと思うんですよ。ぜひそういうふうなことをしていただきたい。そして、観光のいいパンフレットできます。そういうものを単なる市・町や東京事務所や大阪事務所へ送るだけじゃなくて、本当に心構えとしては、やっぱり一件ずつこの地域のよさやそういうものを売り込んで来る。もっと人が動く、そういう執行体制をですね、知事、ぜひ、今頑張っていただいておりますけれど、そういう思いでやっていただきたいと私は思うところでございます。

 強くこれは私は、こういう皆さん一生懸命やっていただいておりますけれど、いよいよ観光をスタートするに当たって本当に地域住民は期待をしておりますので、そういうことをひとつ強く知事に要望して、皆さん方にぜひ頑張っていただきたいということを心からお願いを申し上げまして、1分残りましたけれど、これで私の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

○杉之内委員長 それでは、暫時休憩をいたします。

 なお、再開は午後1時といたしますので、よろしくお願いいたします。

          (休  憩)

○杉之内委員長 休憩前に引き続き委員会を再開します。

 総括質疑を継続いたします。

○西場委員 皆さん、こんにちは。西場です。質問をさせていただきたいと思います。

 タイトルが予算編成の諸課題と、えらい荒っぽいタイトルになっちゃって申しわけないんですが、ちょっと項目を決めるのがおそなったのでいろいろ関係者にご迷惑をかけておるんですが。

 一つは、県財政の県債発行を中心にした課題が一つ。それから、宮川流域の諸課題ということで、宮川流域ルネッサンス事業を中心に質問させていただきたいと。それから、三重の森林づくり基本計画について。こういったことを中心に30分という時間設定でお願いをいたしたいと思います。

 今日は、舟橋委員からもいろいろ財政のお話がありましたので簡潔にさせてもらいたいと思いますが、6,928億という一般会計当初予算額でありますが、県税収入が約1割増えてきたとこういうことでありながらも、全体規模は0.7%になったと。こういうことが非常に特徴的な予算かなと、こう思っております。そんな中で、県債を816億ということで3.5%に抑えたというこのへんが大変な努力の跡であろうかなと、こう思います。財調が123億基金として繰り入れて残りが13億。県債管理基金が222億繰り出してゼロと、こういうような予算でございますが、つまるところ、本県においては財政健全化のために県債の発行を抑制して、財源不足に対しては財政調整基金などを可能な限り取り崩して対応していると、こういうことであろうかなと思います。

 そんなときに、ちょっとこの最近の新聞が目にとまったんですが、3月2日の新聞ですが、都道府県の新年度予算案ということで書かれておるんですが、税収が増えても財政難というところで、和歌山県の木村知事の言われた言葉が載っております。「何が起きるかわからない時代、使える起債はできるだけ使い、1年程しのげるお金、貯金を残しておきたい」とこういうことなんですよ。つまり貯金、財政調整基金ですね。これは取り崩さずに、あえて地方債、和歌山の場合は退職手当債というのを40億程発行したとこう言われておりますが、こういう手法があるんですね、一方で。このへんのところが三重県と随分違うなと、こういうような思いから少し不思議といいますか、三重県の特徴みたいなものを少しきちっと理解しておきたいなと、こう思っております。

 そういうようなことも踏まえるんですが、県債には交付税措置ということで臨時財政対策債とか減税補てん債など、交付税措置100%のバックのある有利な借金があるわけでございますね。そうでないものもあるわけであります。こういうものをいっしょくたにその県債の全体の残高というようなことでとらえて、どれだけでしたか、9,568億になって大変だ大変だと、1兆を超えないようにというような話ばかりですが。もう一つ中身を考えていくことも大事ではないかというようなことで、この県債全体の残高のみをとらえて発行を抑制しているということについてはどうかなという思いもいたします。

 そこでまず、第1点は、本県における財政編成においての県債の発行について、その考え方を伺っておきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○中尾総務局長 県債の発行についての三重県の考え方というお尋ねでございます。

 県債の発行につきましては、実は本定例会にお示しをいたしました三重経営改善プランの方にも考え方を少し掲げさせていただいております。そこでは、県債につきましては世代間の負担を平準化する機能がありますので、財政運営に欠かせないというものでもありますけれども、後年度の負担という観点からは安易な発行は控えていく必要があるという点をまず触れております。そこで、新たな県債の発行についてはなるだけ抑制をしていきたいというふうに記させていただいております。

 なお、従前どおりでございますけれども、なるべく有利な地方債の発行ということについても進めていきたいということにさせていただいております。

 平成18年度でございましたけれども、ご所見にありましたとおり、財政健全化の集中取組期間の最終年度ということで、県債発行額につきましては、対前年度比3.5%減という形で、可能な限り県債の発行規模の抑制に努めたということでございます。

 まず、臨時財政対策債についてご所見がございました。ちなみに、先程ご紹介いたしました三重経営改善プランの財政収支見通しの試算の方で、県債残高につきましても一定の機械的な試算を記させていただいております。そこでは、臨時財政対策債につきましては、西場先生がおっしゃいましたような性格もございますので、残高の方では建設地方債と臨時財政対策債を分けて分析もしてみているということもやらせていただいております。

 他方で、県債全体をさはさりながら見ていく必要もあろうかという点でございますが、例えばでありますが、この臨時財政対策債につきましても平成13年度から創設された制度でありますが、従前、国の方でいわゆる交付税特別会計の方での借入金というものが交付税という形で地方に配分されておったものが、いわば国の特会の借入金にかえて各地方団体の借入金だというふうな位置づけにもございますので、広い意味でその行政体と県民、国民という観点からいえば同じ借金だということには変わりないというのが1点ございます。

 また、平成16年度の財政問題検討会の報告では、当然、県債にはさまざまな種類があるということも認識した上で、総額として抑制を検討していく必要があるというふうな考え方も記させていただいております。

 なお、臨時財政対策債でございますが、特定の事業に充当している建設地方債とは、当然性格が違うのでありますけれども、いわば交付税から振りかえられた一般財源でございますから、建設事業ですとか、あるいは過去の建設事業に充てられた県債の元利償還金というものにも充てられているというふうに見るべきでございますので、そういうわけでも県債全体という見方は引き続き必要なのかなと思っております。

 いずれにしましても、今後とも県債発行を抑制していくという問題意識を常に持ちながら、選択と集中という考え方のもとで、真に必要な事業には適切に対応するという形で財政運営に努めてまいりたいというふうに考えております。

○西場委員 お答えいただきましたが、こうしたんだという何か経緯の報告だけでですね、今後どうしようかというちょっと決意表明までなかったんでありますが。

 そろそろ守りの財政からというものをもう一遍考えて、攻めの財政にというところまではまだ行かないかもしれないけれども、しかし、この紹介した新聞記事の中でも、34都道府県が税収が増えたのに減額になっているというような……。

 いずれにいたしましても、堅実路線というその県の紹介の中で、(三重県)と書いてあるんですね。だから、堅実財政の中の代表みたいな書き方がこれされてあるんですよ。これは、堅実と言われているんですけれども、余り慎重過ぎて、そして、そんな中で必要な事業が極端に抑制されるというようなことがあってはならない。そろそろいい時期に来ておるんではないか。かたくなな姿勢ばかりでなきようにひとつ考えていく。その切り口として、この起債の中身を100%交付税でかえるこの基準財政額に算入できるものと、そうじゃないものと、こういうものをちゃんと仕分けして今後の県債発行のあり方を考えていただくように、ぜひとも来年度以降は心がけていただくことをお願いしておきたいなと、こう思っております。

 それで、次が宮川流域の方の問題に入らさせてもらいたいと思いますが、ルネッサンス事業というのが始まって8年という年月が過ぎております。自然との共生、あるいは流域のそれぞれのいろんな方々との協働、また、上流下流の交流、こういった共生、交流、協働といったこの理念のもとに、さまざまな今日までの事業や活動が展開されてきた。そういう中にあって、今日流域の市町村合併も行われて、13の市町村が6市町になった。そしてまた、このルネッサンスを支えてきた県の組織、地域振興部、そして県民局、こういうのも様変わりするという一つの大きな節目ですね。

 もっとさかのぼれば、今日は宮川村出身の大野議員も見えておりますけれども、戦後の三重県の最大プロジェクトの一つであろうとこう思いますが宮川総合開発計画、これが行われ、その主たる施設であるのが大杉の宮川ダムでありますが、きのう、今日、この質問をしようと思って少しその資料を見ましたら、宮川ダム完成が昭和31年12月と書いてある。おおそうかと。昭和31年12月というと1956年、そうすると今年が2006年。今年をもってちょうど50年、半世紀がたつのかと、こういう感慨深くしたんでありますけれども、そういうこの宮川総合開発計画から50年になります。そして、あとまた後程触れさせてもらいたいと思いますが、今、その宮川ダムに選択取水施設設備がいよいよ整ったと、こういう状況の中で、この宮川流域ルネッサンスが今後どのような展開をしていくのかとこういうことであります。

 いろんな課題がありますけれども、流域案内人の方々が頑張っておられます。その会長の言葉が数日前の最近の新聞に載っておりましたけれども、宮川の魅力っていろいろあると。水質が全国一番ということが先行しておるけれども、そればかりじゃない。宮川のもっと本来的な魅力は、なみなみと水をたたえるあの宮川の流れだとこういうことを言われております。そういう意味でのこの流量回復、これは基本的な大変重要な課題であろうかなと、こう思います。そんな中でのルネッサンス事業のこれからの展開、あるいは体制の進め方、こういうことについてもこの際、問うておきたいなとこう思います。

 もう一つ、先程申し上げました宮川ダムの選択取水設備でありますが、平成11年から今年まで7年間かかって完成をいたしました。本当は昨年完成だったかわかりませんが、こういう台風の災害というようなことがありまして今日に至ったということでございますが、今日に至るまでのさまざまな経緯、努力があるわけでありまして、私からもその努力に対して感謝と敬意を申し上げておきたいなと、こう思います。

 この施設を使って0.5トンの維持流量が確保される。これはですね、宮川にとってこの半世紀の懸案の課題がいよいよ幕あけするわけであります。大変重要な場面を迎えたと思っております。その選択取水設備をして、その効果を最大限にどのように発揮していくのか、その対応も含めてお答えをいただきたいと思います。

 まずは、そこまでよろしく。

○野呂知事 宮川流域ルネッサンス事業でありますけれども、平成9年度の計画策定の段階から市町村や住民との協働を進めまして、さまざまな取組をやってまいりました。地域振興であるとか、水質保全であるとか、そして、特におっしゃいました流域回復、こういった流域の抱えております課題に対してさまざまな取組をやってきたところでございます。

 平成18年度でありますけれども、政策部におきます地域支援担当理事のもと宮川流域ルネッサンスプロジェクトを置きまして、職員は伊勢市駐在とする体制で、第3次の実施計画を策定いたしまして、より地域主導の取組の定着を図ってまいりたいと、こう考えております。

 なお、流域回復につきましては、同じ政策部の土地資源室において、引き続き取り組むということにしております。課題の一つであります流域回復につきましては、できるところから段階的に進めてきたところでございますけれども、さっき委員からご紹介ございましたように、本年4月から宮川ダムの選択取水設備が稼働いたしまして、毎秒0.5トンの維持放流が行われるということになっております。

 発電放流量の一部を宮川本流に戻す方策につきましては、これまでの経緯、また、関係者の利害関係というようなこともございまして、さまざまな解決すべき課題がございます。ダムの放流量を増加させるということは、発電量の減少につながるということにもなります。それから、40年余りにわたって発電放流されてまいりました三浦湾におきましては、その放流をしておるという環境に順応した生態系が今もう形成をされております。それに応じた漁業が営まれておるということから、地元ではその影響が懸念をされておるところでございます。こうした状況の中で、平成16年度から地元の皆さんのご理解、そして、ご協力を得まして、発電放流量の変動というものが三浦湾の環境に及ぼす影響につきまして基礎調査を実施しているところでございます。18年度には、これまでの現況把握調査をもとにいたしまして、湾内の水温、それから塩分濃度等がどのように変化するかについて調べていくことといたしております。今後とも、流量回復ということにつきましては、引き続き関係者の理解、協力を求めながら取り組んでまいりたいとこう思っております。

 あと、その効果、対応につきましては、担当部長の方からお答えいたします。

○長谷川県土整備部長 それでは、宮川ダム選択取水設備の今後の対応についてご答弁申し上げます。

 宮川ダムでは、選択取水設備の整備によりまして、常時、毎秒0.5トンの放流が可能となりまして、宮川ダム直下の流量回復が図られることになります。そして、そのことによりまして、水質につきましても水温や濁りの状況に応じた取水、放流が可能となります。そして、河川環境全体の改善に寄与できるものというふうに、この設備の整備は大変期待できるところでございます。

 その具体的な対応でございますが、地元の漁協や土地改良区と調整を進めてきました結果、平常時には魚類等の生息環境に配慮して、ダムの水面に近い温かい層からの取水を行うことで了解が得られております。これによりまして、これまで冷水病でアユが死滅する被害が発生しておりましたが、今後、被害の軽減が図られることになると思います。また、一方、洪水の後は濁りの少ない層からの取水を優先し、下流の濁りの長期化することを防ぐことにいたします。

 この3月22日には、流域市町村で構成する宮川水系ダム等の放流連絡会の開催を予定しておりまして、そこでこの内容を諮った上で、本年4月からの運用を開始いたしたいと思っております。今後とも、流域市町や地元漁協、土地改良区等との連携を図り、適切な選択取水設備の運用に努めてまいりたいと思っております。

 以上でございます。

○西場委員 いずれにいたしましても、この選択取水の施設が整うということにつきましては、今後の本流の水の流れのさまざまな調査だとかあり方について、今まで以上に多くの対応、試み、さまざまなことが可能性が広がったということでございますので、これを契機にして本来的なルネッサンスの事業について、さらに、これを一つの節目にして本格的に取り組んでいただきますように、そして、流れとして常に市町村へという流れだけではなくて、県がやらねばならないことの重要性、主導性も絞ってそれをやっていただくことをあわせてお願いしておきたいと思います。

 少し時間が押してきましたので、少し省略もさせてもらいながら、あと残された時間お願いをさせてもらいたいと思いますが。

 三重の森林づくり基本計画というものが今議会出てきておりますが、これは言うまでもなく、三重の森林づくり条例の基本理念4つの柱を中心にその方針が示されたということでございますが、全体的にその具体性に欠けて、やっぱり踏み込みが少ないようにこう受け止めておりまして、そういったことについて少し中身をこの際聞かせてもらい、また、お願いをしておきたいと思うんですが。

 この基本計画における重点というものが何かと。そして、今までと違う、比べて新しい取組というものは何なのかと。そして、それらの方針を踏まえて18年度予算に具体的にどのようにこう反映されてきておるのか、こういったことについてまず伺っておきたいと思います。

 そして、今の森林林業を取り巻く非常に重要な課題は、この不採算な林業の中で荒れた山林、森林をどうするかということであります。とりわけ、切ったまま植えない、未植採の放置林が増えております。1,500から2,000町歩あるだろうと言われております。そしてまた、22万ヘクタールの人工林のうち間伐の手おくれ林が10数万ヘクタールあると言われておりますが、こういった間伐放置林に対するその真剣な強い対応というのが望まれるところでございまして、こういったところも踏まえて、ひとつ簡潔にご答弁をいただきたいと思います。

○油家環境森林部長 それでは、私の方から今ご質問ありました三重の森林づくり基本計画につきまして、重点的な取組、あるいは新しい取組は何か、あるいは18年度予算にどう反映されたかということでございますが、既に今回上程しておりますように、基本計画では森林の多面的機能の発揮、それから林業の持続的発展、それから森林文化及び森林環境教育の振興、それから森林づくりの県民参加の促進と、この4つを基本方針に掲げてございます。この基本方針に沿って、今後、森林施策を展開することにしておりますが、18年度においてもこの基本計画を念頭に置いて予算編成をしているところでございます。

 そこで、まず、1本目の柱の森林の多面的機能の発揮につきましてでございますが、これにつきましては、水源の涵養や県土の保全、あるいは、地球温暖化防止などの森林の多面的機能を発揮させていくために、森林の適切な整備あるいは保全といったことを進めていく必要がございます。そこで、限られた財源の中でございますが、特に間伐等の森林整備の予算につきましては、本年度の現形予算に対しまして18年度は事業費ベースで6.1%増の8億6,367万8,000円を確保しておるということで、こうした中で新たな事業としまして、県単事業で森林吸収源整備緊急間伐事業といったものも計上させていただいております。こうしたことによりまして約7,000ヘクタールの間伐を見込んでいるところでございます。

 2つ目に、林業の持続的発展ということにつきましては、18年度予算では森林産業の効率化ということで、木材の搬出コストの低減化を図りまして、原木の安定確保を図るためのパイロット事業といった新たな事業を計上しておりますし、また、マスターコンビナートを核とした県産材の安定供給体制の整備を図るために、松阪木材コンビナートの再生に向けた事業を新たに計上しております。また、県産材の利用促進のための県産材の普及と、これを使った住宅建設に対する支援事業というものも引き続き取り組んでいくこととしております。

 さらに、森林文化及び森林環境教育の振興や森林づくりの県民参加の促進につきましては、県民に森林の現状や役割についての理解を深めていただけるよう啓発や教育に努めていくとともに、企業や森林ボランティアが森林づくり活動に参画できるよう、フィールドの紹介や情報提供等にも努めていくといったことで、18年度予算では新たに、多様な主体による森林づくり事業といったものも計上させていただいているところでございます。

 次に、未植採地などの放置林対策についてでございますが、ご指摘のとおり、林業の不振によりまして、伐採後植採されずに放置された森林が増加しておりまして、少し古いデータでございますが、平成14年度に国が行いました全国調査のデータのデータによりますと、県内で約800ヘクタールぐらいの未整備地がございます。このため、未植採地対策としまして市や町、それからあと森林組合と連携しながら森林消費者に対しまして植採を働きかけているところですが、17年度から高齢級間伐事業ということで、この高齢級の間伐をするときには、その間伐面積の5%に相当する未植採地の植採を義務づけすることによりまして27ヘクタールの植採をしていますが、なかなか全体的には進みにくい現状がございます。

 また、間伐等の森林整備が不十分な放置林につきましては、環境林対策の中で強度の間伐を実施し、新興混合林の誘導などに努めておりますが、いずれにしましても、こうした放置林の問題は森林の持つ課題の一つでございまして、今後の検討課題として考えております。

 以上でございます。

○西場委員 ちょっと聞いたことは全部答えてないと思うんですが、もう時間ですので少しまとめさせてもらいたいと思いますが、知事ね、この森林条例というのは、県ともいろいろ協議しながら進めた経緯がありますけれども、少なくとも議定で政策条例をつくったんですね。恐らく全国的にも、あるいは歴史的にも、これほどの本格的な産業振興の条例というのは初めてじゃないかなと思うんですよ。そこで求めたその基本計画、こういうものに対してもっと重みを感じていただかないとというような思いを強くいたしております。

 今、部長の方での答弁の中で、前年に比べて間伐でも6.1%というようなお話もいただいて、全体が減る中での積極的な前向きな答えをいただいておるんですが、我々の求めたのはそれだけではないということであります。この間伐にいたしましても、それで7,000ヘクタールをやるんだと今ご答弁でした。この今度出してもらった基本計画の中に、10年間で8万ヘクタールやるとこう書いてあるんですよ。単純割りでいかないかもしらんけれども、1年8,000ですよ、8,000ヘクタール。もう既に我々議会が求めたその政策に対して、計画と実行のずれが約1,000ヘクタールあると。900ヘクタールあるということでありまして、ヘクタール20万円として2億円、ヘクタール30万円として3億円の予算不足であります。これをどうするかということがないとこの予算の承認ができかねますよね。こういうような状況の中でこれだけに限らない。これを一体、県としてどのようにしていくかということについては、もうちょうど時間になってきましたので詰める時間が余りないんですけれども、このことについて、知事、一遍ご見解を示してください。

○野呂知事 森林づくり等につきまして条例に議会の非常に熱心なご議論のもと、議定条例でお定めになられたこと敬意を表するところであります。

 私どもは、したがいまして、これは限られた原資の中で選択と集中で行っていくというところでございます。条例においては、財源の確保に努めよとこういうことでございますけれども、現実は厳しいこういった財政状況の中でどうするかという観点もございます。

 議会の方ではあれやれこれやれというのは多く出てまいりますが、あれやめとけこれやめとけというのを言っていただきますと比較的議論もやりやすいんでありますが、そうではなくて財源の確保ということになりますと、いろいろ苦労しながらのことでございます。したがって、今、森づくり税といったような森林環境税とも言ったりしておりますけれども、そういう議論もしておるところでございます。私どもは、今議会で皆さんのご議論、あるいは議会で設けられました検討会での議論、こういったことを注視しながら、私どももやはり県民の負担の問題でありますから、しっかりとそういった議論も見きわめながら判断していきたいなと、こう思っておるところです。

○西場委員 最後にさせてもらいますが、いろんな要望・要求に対して、金がない、原資がないからやれないでは済まされない現実の問題が多く横たわっておるわけであります。それを避けて通れないからそれをどう乗り越えるかというところに来ております。今、森づくり税のお話も知事から出てきたところでございますが、必要な財源をどうつくるかということについては、我々も真摯に努力せねばならん、そんな時期でありまして、このことを果敢に取り組んでいただくことを強く要望して、私の質問を終わらさせていただきます。

○貝増委員 先般の5日間の本会議場での質問以上に大変盛り上がった質疑をされている。やっぱり予算委員会は違うなとそんな雰囲気の中で、まして、この時間帯、我々自・無・公に与えられた時間帯1時間。今、私はずっと先輩の西場さんの話を聞いておりまして、これは私はやめてもっとしゃべっていただいた方がいいのと違うかと思っておったんですけれども、自主撤回されましたので、どうしてもやっぱり壇上に出なければならない。

 そんな中で私は、今日いろんな質問出させていただいていますけれども、多分2つ絞らせていただきますけれども、そのうちの1つ、後で述べさせていただく問題については、この3年間51名の県会議員のうち3人が国政を目指し、また、3人が市政を目指されたと。転出されたと。そしてまた、今日の午前中の質疑の中で、新しく入られた伊勢の森下さんがこの学期で中退をして、先は言わなかったけれど行政に帰るだろうと。

 そうすると、これからですね、私、県議会というのは、知事が唱えるこの議会でもずっと唱えてきた文化力とか地域を元気にしようとかそういったときに、私は今回のそのキーワードの目玉は組織改革の中にあるのと違うかと。いろんなもの本当に目を通させていただきました、改めて。そうしたときに、俄然、目玉へと言われたときに、私は組織改編を軽くして実のあるところは実のあるような形でやっていこうという知事の表現、これは理解できるんですよ。特に、今まで地振て何してきたんやろというところがまた改編されて政策部になられた。それが地域を支える問題は対応するのは何やといったら、そこに一理事を置かれる。政策局の理事を置かれる。そして、現場はどうするんやと。大変大きな難題が、あるいはコラボレーションの中で地域を元気にしよう、市・町の29の町の自立を一生懸命支えていこうとして、そのために今までは69市町村のときでも県民局長がそれなりの小遣いという予算を持ちながら、地域調整を人事と予算を持った力で調整された。県土整備部が地域整備部あるいは農商部が出先機関で、あるいは健康福祉が出先の保健所とあっても、それは統制は横の地域のつながりは全部県民局長がよしここまではおれが責任を持とうと、担保はこれやという表現をされて守られてきた。

 しかし、今回の一連の流れの中で、そういったことは。この間は、桜井さんの質問のときに本会議場で、知事は各県民センター長を置くけれども、これは各出先機関の連携について特別に目配りするように指示をすると、たしかそう表現されておりました。また、同時に、地域のさまざまな問題について、追いかける言葉の中で、サポートを行う県庁が行う中身は何かといったとき、可能な限りの権限を移譲するとともに補助金も住民サービス向上の視点で分配していくと、そうおっしゃられています。知事自身が。そうしたときに、新しくもうあと何日間で4月1日、新年度を迎えるわけです。そこで県の組織が変わる。これだけの責任を与えますよと、大丈夫ですよと、地域の中のまとめ役もできますよと、そして、県庁の中でもそれを担保できる理事を置きましたよとおっしゃられて、片方でこういう形を発信された。もう本当に日にちがない。そんなあいまいなままで現実問題として、私は地域の、あるいは県庁出先機関の人間が地域とのコラボレーションができるのかと、私はそこにちょっと疑問を感じたもので、改めてこの総括質疑の中でお話を伺いたいなと思ったわけです。

 新しい時代の公を唱える知事は、そういった中で片方で言うてることと、片方で頑張りなさいと、その整合性がまだ我々には見えないと。見えるように、私じゃなくてももう来月から市政を担ってやろうかというそういう地域の人たち、地域を支えようかという人に対しても、私はそれが県のサポートであり、県の責務じゃなかろうかと。そういうことを、まず、お伺いさせていただきたい。

 そして、もう一本は、これも私がいつも常々ですね、県会議員51人の中でもみんなが手分けして連日、県議会は皆さんおっしゃるとおり年間100日超えていると。全国でもトップクラスの開催日数を行っていると。当然100日だけじゃなくて、その間には職員との打ち合わせや、あるいは地域問題に対する研究会、あるいは現場調査、そういうのを含めますとやっぱりまた100日、200日間ぐらい県庁に来ております。常々、議員だけの行動ではなくて、ともども研さんするために企画員を初め、あるいは各室の方、あるいは現場の地域から呼び戻していただいても一緒に勉強させていただいている。そういった県の中の別枠の勉強という形で研さんして、そして両輪のごとく、県政を元気にしていこうとそういう気持ちでやっている中に、今回議案説明書の中に、給与の構造改革の中の給与変更、これが出ておりました。条例の中ですね。それによりますと、職員の昇給は1年間の勤務成績に応じて行うと。これは、今組織の見直しの一環にもかかわるんですけれども、今まで人材育成は政策開発センターというのが総合企画局内部にありましたけれども、今回の組織改編でそれが総務局へ行っちゃうと。もう1本の条例を見ますと、賞与は1年間の勤務評定を行って与えると。これは人勧に基づいておりますけれども。そして、すべてを連結させて総務局で全部面倒を見ようかと。となってきますと、私冒頭に申し上げたように、1年200日前後県庁に来て、あるいは職員と一緒に勉強をさせていただいておる。そういった評価は本当にじゃあだれがどういう形で職員の評価をされるのかと。県議会棟へ来ることが、自分の仕事ができないからあいつは悪いんやとか、給料を下げようとか、査定に影響するのかと、そういうことになってくると、あの条例を決めたのは県議会やないのといってみんなが働かなくなってくる。

 一つの組織の中で、これからビジョン構想もございますけれども、そこでどういった形の研修を、あるいは評価をされるかと、そういったことを私は改めてこの席で執行部からお伺いさせていただきたい。これはふだんから一緒に頑張っている2千何百人の県庁職員に対する我々の感謝の気持ちでもあります。一緒に汗をかき、そして、県土が元気になる。その片方の一翼が迷惑をかけるようなこともできない。頑張る意欲を我々もサポートしてあげなければならない。そんな気持ちと期待でございますもので、今回の条例、組織変更、あるいはそれらの中でこれから県職員に対する評価、どういう形でやっていくか、あるいは人材育成のビジョンをどのように打ち出していくのか、あわせて3点、4点、まず、お伺いさせていただきます。よろしくお願いします。

○野呂知事 私の方からは、地域課題の把握及び対応が今後十分機能していくのかというような観点でお答え申し上げ、残りについては担当部長の方からお答えを申し上げます。

 市町村合併が進んでまいりまして、これからの市・町には地域住民に最も近い、身近で総合的な行政主体として市・町が地域課題に対して主体的に取り組んでいくということが期待されるところでございます。その場合に、県の役割でありますけれども、これは市・町では取り組むことが困難な地域課題につきましてはそれを監視、また、市・町の取組への支援をしていくというようなものになっていくということでございます。

 県といたしましては、新しい市・町の体制にふさわしい組織体制というものを18年度からスタートさせるということにしております。地域機関については、これまでの県民局制度を改めまして、本庁各部につながった事務所体制といたしまして複雑化、高度化する地域課題に対しましても速やかに本庁と協議を行うということなど、的確な課題解決に向けた取組ができる体制にしようとしておるところでございます。

 一方、複数の事務所にまたがる地域課題への対応につきましては、県民センター所長が地域機関の事務所長を招集いたしまして、課題の把握でありますとか、あるいは事務所間の調整を行うということにしておるところでございます。

 先般、本会議の中で特に目配りしてということを申し上げましたのは、18年度というのはそういう事務所体制のスタートする時点でございます。そういう意味では、この県民センターにはそういった大きなスタートの変化のときであるということで、人的な配置についても定数配置基準からいけばなかなか厳しい中で、若干そういった体制の強化というものを配慮、今しようとしておるところでございます。

 また、地域におきまして解決が困難な問題というものについては、本庁の政策部につながります県民センター所長が地域支援担当理事に引き継ぐことといたしておりまして、引き継ぎを受けた地域支援担当理事は、本庁の関係部所と調整を行うということなど課題の解決に向けた取組をやるということにしております。

 なお、地域支援担当理事でありますが、政策部が所掌いたしております事務のうち市・町に係る行財政でありますとか、あるいは地方分権の問題、あるいは地域支援などのこういった事務を所掌するとともに、県民センター所長との情報共有などによりまして、適宜、地域課題を把握するということにしておるところでございます。

 権限移譲につきましても、私どもは同じ法律の体系のものをより地域で近いところで包括的にやってもらうと。あるいは、関係する事務を一括して地域でやってもらうと。そういう観点から、県と市町村との関係づくり協議会等においても議論も重ねてきておるところでございます。必ずしも市町村の行政能力、あるいは専門性が要求されるというような状況、その他いろんな状況で、必ずしも積極的にこちらが期待するだけの市町村からの積極性というものはまだ十分でないかもしれません。これは、中にはトップの市長さんがまだ中身についてきちっとご存じないようなケースもこれまで私が直接会話しておる中では感じられましたので、今後さらに、関係市・町とはこういったことについても十分に詰めて、円滑な包括権限移譲が財源もつけましてとり行われるようにいたしていきたいと、このように思っておるところでございます。

 このように本庁、地域機関が一体となることによりまして、県民局制度が廃止されました後も地域課題にしっかりと対応できるように、また、連携できるようにやってまいりたいと、こう考えております。

○村林総合企画局長 人材育成ビジョンについてお尋ねがございましたのでお答え申し上げます。

 県の現在、人材育成の基本方針としてしおります人材育成ビジョンでございますが、これは平成8年度に策定したものでございます。その後の社会情勢とか県の行政運営を取り巻く環境の変化に対応していかなきゃいけないということで、今年度改定の作業を行っておりまして、もう既に最終段階にまいっております。

 新しい人材育成ビジョンでは、多様な人材をはぐくむ組織文化の創造と、こういうことをテーマにしまして3つの基本的な考え方を挙げております。1つは、職員の基本的な知識、能力と政策形成能力の充実ということでございます。2つ目は、高い専門性を備え、不測の事態にも的確に対応できる職員の育成。それから、3番目が職員の主体的な能力開発と組織の関与・支援、この3つを挙げておるところでございます。

 具体的には、職場での人材育成活動、いわゆるOJTと言われておりますが、これを重視をしようということで、職員、所属長、部長等でございますが、そういった三者がそれぞれの役割を十分認識しつつ一体となって人材育成を進めていこうと、また、基礎的、専門的な知識や能力を計画的、段階的に取得できるように、職員の研修体系についても整備をしていこうとしています。さらに、県の人材育成を総合的かつ一体的に企画し推進をするということが必要だということで、人材育成所管部所の機能を明確にするとともに、人材育成推進会議、これは現在もございますが、これを充実して人材育成に係る全庁的な連絡調整を行っていこうと、こういったことにしております。

 新年度からは、この新しい人材育成ビジョンに基づいて職員の能力開発に取り組んでいこうとしておるところでございます。

 以上でございます。

○中尾総務局長 給与の関係で、評定制度についてもう1個質問がございました。

 ご所見にありましたとおり、昨年の人事委員会の勧告でいわゆる給与構造改革が断行されておりまして、勤務実績を給与へ反映し得る仕組みの早期構築導入というものが勧告でうたわれております。

 三重県では、一般行政部門等におきましては、既に平成12年度から、管理職員を対象にいたしまして勤務評定制度を実施をいたしております。これを通じまして職員の育成ですとか能力開発、それから勤勉手当への反映等に活用いたしております。

 評価に際しましては、職員の職務や職責などを踏まえました目標というものを年度当初に策定をし、その目標の達成状況や達成過程において発揮された能力、あるいは意欲というものをあらかじめ明示をした評価要素の着眼点や基準に沿って評価を行っております。

 現在、所要の条例改正案を上程いたしておりましてご審議をお願いいたしておりますけれども、18年度以降につきましては、管理職員につきましては、この既にやっております評価制度の経験、これに基づきまして平成18年度から現行制度をベースにしました新たな仕組みに構築をいたしまして、勤勉手当に加えまして昇給にも反映をさせていきたいというふうに考えております。

 また、管理職員以外の職員につきましても、平成19年度からの導入を目標に、今後具体的な検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

 以上です。

○貝増委員 知事、いろんな本会議からの引き継ぎで、今日も屋上屋ということもでましたけれども、そうならない角度でですね、本当に実際に地域をあずかる人たち、また、今日もテレビを見られている行政職の方の職員の中で本当にやっていこうとしたときに、おっしゃられたような中身の、これから報告をやっぱり理解を求めると言われましたけれども、実際、29市町村になって、今現在14市あるんですよね。来月になったら、今6人の方が桑名、鈴鹿、亀山、津、それから鳥羽、伊賀市と、これだけが我々の県会議員の先輩なんですよ。また、来月1人生まれるだろうと。14市のうち7人が県会議員のOBさんなんです。ということは、常々議会でもこういった問題を真摯に執行部と意見交換し、それを地域でどう実践していこうかと。新たなバージョンをつくっていただいてやっていると。そうしたときにますます、今、知事がおっしゃられたようなそういった連絡の緻密さ、情報の交換、互換性、これは大事になってくると思うんです。やっぱり理解していたときはもう県民局要らん、県庁へ走って行くぞというそういった機運があったのも、そんな経過からだったと思いますものでね。

 これからあともう1本だけ質問したいもので、これは要請にとどめておきますし、職員の給料研修も、私は、OJTへでましたけれども、県議会等でやっていることがそれこそまさしくOJTを我々であずかって一緒にやっているんじゃなかろうかというチームもございますもので、その点も職員のそういった勤務評価の中で熱く重き考えの中で動いてやっていただけると幸いと思っています。お願いをして、次に入らせていただきます。

 これまた、知事の在所の話なんですわ。三重県中央卸売市場の問題についてお伺いさせていただきます。

 56年、知事が国会議員のときだったと思いますね。この当時に三重県の南部地区の松阪に中央卸売市場を設置開設された。それから、時代の変革とともに、今、市場を取り巻く環境というのは、出入りする小売店が大手スーパーあるいはコンビニのその対応に負け、だんだん専門小売店が減少しているという現状でございます。また逆に、地域の農家、あるいは漁業者と直結した仕入れをされている団体もございます。ということは、市場外取引をされて市場を通さないと。

 そういう現状の中で、国も先般、平成16年に中央市場法の改正が発表された。順次、将来の自由化に合わせ対応を緩和していこうと。片方で自由化対策の緩和を認めていきましょうと言いながら、合併再編も視野において動きますよという発表をされていると。あれから1年、丸2年とたってきました。

 一番あわてたのが、そういう環境を見たときに三重県は四日市市にある北勢公設市場です。四日市さんは、えらいこっちゃと。このままでは四日市がもたないと、どういういう表現をしたかわかりませんけれども、もうすぐにでも外部委託をし、そして、最終的には4年後、2010年には完全民営化をしますというてはっきりと発表されました。地域をあずかる行政の中には、やっぱりこれからアウトソーシングという言葉が出ておりますけれども、だんだんそういった専門職は専門職でやっていただきましょうと、その取りつけ回りについては行政でサポートしていきましょうという、そんな機運になっている。

 しかし、私は、今日の質問は勘違いしないでくださいよ。そうせいと言うのと違うんですよ。今回の予算書の中でも条例は、まず、中央市場から地方市場に変えよという条例の文言変更が出ている。もう1本、分厚い予算書の中には、特別会計で中央卸売市場に4億6,000万円弱の管理費が組まれております。そのうちの半分が地方債で、2億3,000万円で耐震免震工事をやりますよと。そういう工事費が組まれておりまして、そうしてみたときに、片方で条例でやっぱりこれが中央じゃなくて県独自の中央卸売市場としてやっていこうと、そしてまた、昔あった光りと影ではございませんけれど、56年に花開いた大きな光がさんさんと輝いた中央卸売市場を、今、平成の大改革をしてもう一度皆さんが言う中南勢地区の1次産業、つまり、農業従事者、あるいは漁業従事者に対する、その県内でとれる地物一番、あるいは地産地消の精神の中で受け入れる市場を県が面倒見ていますよと。そこを使って元気になって生産能力、あるいは所得向上に努めてくださいよという、そういう気持ちのあらわれで私は条例変更案を出し、また、耐震工事予算をしっかり組まれたと認識をするんでございますけれども、これからの厳しい時代の中、特に県中南勢地区におけるそういった役割をこれからも担っていただけるだろうという前提でこういう事業をされたと思うんですが、私は知事は地元でございますもので、所管の設置者というか、管理者というか、開設者といいますか、農水部長から、地域が喜ぶ元気が出る、そしてこの部分は任せておけとみんなに発信できるような答弁がいただけたら幸いでございますので、ひとつ担当、開設部長の方から責任者の方からご答弁をお願い申し上げます。

○石垣農水商工部長 中央卸売市場につきましてご答弁申し上げます。

 まず、中央卸売市場は、生産と消費を結ぶ拠点として本県の農水産業の振興と県民への安全で安心な食糧の安定的な供給を図るという上で重要な役割を果たしております。しかし、委員ご指摘のとおり、近年、流通の多様化による取扱いの減少、平成21年から委託手数料が弾力化されて市場間競争の激化など、市場を取り巻く環境は今後ますます厳しいものになるというふうに認識しております。

 こうした状況を踏まえ、先程、条例の話もございましたが、水産物については平成19年4月に地方卸売市場へ転換をしたいと、事業の活性化という形で進めていきたいと思っております。県としては、さらにこれを機に、市場関係事業者の主体的な取組を基本として、一つは、集荷力を向上する。地元生産者も含めて集荷力を向上するということ。ハード・ソフト両面での品質管理、衛生管理を高度化するということ。3点目、委員からお話ございましたように、耐震化工事を今もう大変求められておるわけです。そういう面で計画的な施設整備を今回行いたいということであります。後は、県民への市場解放の一層の推進などを努めて、生産と消費の両サイドから期待される市場として改めて発展させていきいたいというふうに考えております。

 ただ、四日市の北勢公設の例もありましたように、こうした取組のほかに、これから平成18年度には中央卸売市場を活性化させるための将来のあり方について、外部の学識経験者から今後の食品流通の動向等を踏まえた客観的な意見をいただくことにしております。いただいた意見をもとに、実際に事業活動を行っている市場関係事業者と効率的、合理的な運営方法を協議し、今後どういう方向で中央卸を運営していくかということについて合意形成を図ってまいりたいというふうに思っております。

 以上です。

○貝増委員 やっぱり石垣部長は元気いいですね。

 やっぱり本会議場、あるいは委員会の中でも、我々は本当に、先程知事はたまには違うこともやめることも言え、提案したらと言われましたけれども、県庁の2階、3階から県内を見たときに、やっぱりあの地域この地域という差もあります。だから、我田引水ばかりじゃなくて、やっぱり地域は違ってもそれがその傘下が大変広いとそこを何とかしてあげたいというサポートは、私は応援演説じゃございませんけれども、そういった形の一つの県の責務であると、議会からそういうお願いをさせていただくのもね。私は、お金は有効利用していただきながら、そして地域が元気になる、そして管内が元気になる、喜ぶ笑顔の数が増えることによって知事は次期も安泰だろうし。そういった形をこういった機会を通じて、今日はふだんとは違う面の質問をさせていただきましたけれども、点数はつけられませんけれども、きょうもいいお話、回答をちょうだいしたなと思います。あれやこれやの質問も、あと2点は予備でございましたもので、今日の持ち時間を終了させていただいて終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

○福山委員 新政みえ、松阪市選出の福山でございます。

 新政みえの持ち時間60分のうち40分間いただきまして、3点質問させていただきます。少し欲張って質問の量が多いので、簡潔なご答弁をよろしくお願いをいたします。

 まず、通告に従いまして、1点目の男女共同参画の現状と推進、来年度予算について質問をいたします。

 一人一人が性別にかかわらず、自立した個人としてその個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の実現は、21世紀を迎えた我が国にとって最重要課題の一つというふうに考えております。

 三重県においては、6年前、2000年ですが、推進条例を全国で4番目に制定をいたしました。そして、基本計画を2002年、4年前に策定をいたしました。条例については、先日の一般質問で森本繁史議員から評価をしていただいたように、全国に先駆けてよいものができたと思っております。

 私も当時女性議員一人でございました。ですけれども、男女共同参画の推進は私のライフワークでもあります。勉強もし、努力もしたつもりでありますが、行政の皆さん、先輩、同僚議員の皆さん、そして、民間の女性団体や男女にかかわらず関心のある皆さんの大きな力があってできたものと思っております。

 そこでまず、知事は、県条例ができて6年目になります今、三重県における男女共同参画の現状についてどのように把握をされているのか、お聞きをいたします。

 平成17年度行政監査によりますと、総合判定はC。D判定というのはゼロで一つもありませんから、最低の評価であります。目標達成度で2が一つでもあればCですから、全体的に悪いというわけではありません。そのことも含めましてご所見をお願いいたします。

 2点目、次に、市・町との連携、協働についてお聞きをいたします。

 69市町村から29市町になりました。合併したばかりで旧市町村とのすり合わせもできていない状況もあると思いますが、条例ができている市が3市、基本計画を策定した市・町が8市1町、策定中が2市であります。平成18年2月現在、県内市・町の策定率は31%、全国平均は約40%ですから、平均より10%も低い状況にあります。男女共同参画推進の効果的な啓発、市・町への具体的な支援が足りないのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 3点目、18年度来年度予算についてお伺いします。

 財政厳しい中、各部局の予算はシーリングがかかっているのは承知をしておりますが、男女共同参画社会の実現に向けた総合的な取組の推進の予算が軒並み減っております。例を挙げますと、重プロですが、地域エンパワーメント支援事業、17年度436万円から18年度404万円、約30万の減。それから、男女共同参画連絡調整事業710万円から653万円。男女共同参画に関する意識の普及と教育の推進、756万円から691万円の減であります。男女共同参画センター・フレンテみえ事業は727万円から816万円と若干増えているのが唯一の増であります。フレンテみえは、男女共同参画を推進する県の拠点施設であり、最前線の活動舞台であります。

 先程、市・町の条例や基本計画策定がおくれているという現状を申し上げました。今回の機構改革で県民局がなくなり、男女共同参画は県民センターの中に位置づけられますが、昨年9月の私の代表質問でも、人の配置も含め軽視されることのないように申し上げました。地域へ出かけて行って直接啓発・支援をしているフレンテみえの予算を十分つけることは最も効果的な予算配分ではないかと思います。県ももちろん国もですが、最重要課題と位置づけている割には、県予算の中では10万、多くて100万単位の少ない額であり、その少ない予算が削られることは大変残念であります。ぜひフレンテみえの活動が十分保証されますよう、格段のご配慮をお願いしたいと思いますが、ご所見をお願いいたします。

 以上3点、まず、よろしくお願いいたします。

○野呂知事 私の方からは、男女共同参画の現状、今後について、総括的にお答え申し上げます。

 男女共同参画社会の実現、ご指摘ありましたように、三重県においても大変重要な課題の一つであるととらえておりまして、三重県男女共同参画推進条例にもとづきまして総合的に施策を推進をいたしておるところでございます。

 しかし、現状では、性別によります固定的な役割分担意識に基づく制度や慣行、こういったものが根強く残っているとか、あるいは女性の管理職の登用率であるとか、育児休業の取得率が低いということなど、まだまだ取り組むべき課題がたくさんございます。

 男女共同参画社会につきましては、県の取組のみならず、県民の皆さんや団体、あるいは企業、市・町など、多様な主体が適切に役割分担を果たしながら取り組んでいく、相互に協力して連携して取り組んでいく、そのことで初めて実現が図られるというものだと考えております。

 ご指摘ありました行政監査結果もございます。県におきましては、こういった結果等も踏まえながら、例えば家庭、地域、企業などさまざまな分野におきます男女共同参画に対する理解の促進でありますとか、あるいは市・町の円滑な事業展開に向けました支援でありますとか、あるいは地域における男女共同参画を推進する人材の育成・確保、こういったような点に重点的に取り組んでまいろうということ。そして、17年度から18年度までを計画期間といたしております男女共同参画基本計画、これの第2次実施計画でございますが、これの着実な進展を図ろうとしておるところです。

 それから、今後のことですが、昨年12月に閣議決定されました国の男女共同参画基本計画、これは第2次のものでございますけれど、ここにおきましては、例えば防災であるとか、それから地域おこし、それから観光、環境といったような各分野におきましてその政策、方針を決定する過程へ女性の参画を拡大していこうというような、いわゆる新たな取組というものを要すると位置づけられたところでございます。このために、こうした新しい分野への対応であるとか、あるいは社会環境の変化も視野に入れながら、議会の皆さんのご意見、あるいは三重県男女共同参画審議会というのがございます。その意見も踏まえまして適切に取り組んでいきたいと考えております。

 残余は担当部長からお答えします。

○宮村生活部長 それでは、私の方からは2点お答えをいたします。

 まず。男女共同参画条例なり、基本計画の制定率が県では低いのではないかというご質問でございますけれども、男女共同参画社会を実現していくためには、住民にとってより身近な市・町でのこういった取組というのが大変重要になってございます。そのよりどころといたしまして、条例とか、あるいは基本計画を策定するということは大変重要な意味をもっておるわけでございますけれども、ご所見にもございましたように、市町村合併の際に、複数の市・町におきまして、条例とか、あるいは基本計画が失効となってしまいました。

 しかしながら、一方では、合併に向けて策定をされました14の新市・町の建設計画におきまして、男女共同参画の推進が盛り込まれておるところでございまして、幾つかの市・町におきましては、現在、条例なり基本計画の策定に向けての取組が進められておるところでございます。順調に進んでまいりましたら、年度末には全国平均並みには行くのではないかと思っておるところでございます。

 しかしながら、こういったことに満足することなく、さらに加速をしていくということが必要でございまして、私どもといたしましては、条例、基本計画策定に係る情報提供を進めますとか、あるいは、そのきっかけづくりとなります市長さんであるとか町長さんへの男女共同参画に関するインタビューの実施などの取組を進めてまいりたいと思っております。特に、いまだに取組が進んでいない市・町におきまして重点的に取組を進めてまいりたいと思っております。

 続きまして、拠点施設でありますフレンテみえの支援を強化をしてはというご提言でございますけれども、男女共同参画社会づくりを推進するためには、拠点施設でございます男女共同参画センター・フレンテみえにおきまして、現在、男女共同参画に対する理解のための普及であるとか、あるいは啓発事業というのも実施をしておりますし、また、交流の場づくりとか調査研究事業、相談事業など、さまざまな取組を進めていただいておるところでございます。

 現在の財政状況におきましては、ご所見にございましたようなフレンテみえに対する予算の増額は大変厳しいものがございますけれども、平成16年の10月からは指定管理者制を導入したことによりまして、センター運営におきまして民間的発想に基づく柔軟な、あるいは機動性のある経営や自由度の高い事業展開が可能となってまいっております。

 今後、フレンテみえにおきましても、受講者のニーズにきめ細やかに対応した啓発講座の開催でありますとか、市・町やほかの男女共同参画センター等との連携によります自主事業の実施や、あるいは、これまで培ってまいりましたノウハウを生かした教材の開発など、指定管理者が創意工夫を生かした各種取組を活発に今展開していけるようになるように、私どもといたしましても、必要な支援を行ってまいりたいと思っております。

 以上でございます。

○福山委員 どうもありがとうございました。

 知事や部長から現状についてお答えをいただきました。社会通念の問題とか、おくれております問題、一歩前へ進める問題、いろいろお聞かせいただきました。

 ちょうど昨日と一昨日、男女共同参画と少子化ですね。次世代育成支援にかかわる興味深い新聞記事、厚生省の調査、それから県の総合企画局の調査がありましたのでご紹介し、ご所見をお伺いしたいと思います。

 一つは、一昨日の野田議員の質問の資料にございまして、女性の家事の時間が全国1位であると。つまり、このときはよくわからなかったんですが、家事の長さが全国1位であるという資料が出されておりました。そのことにつきましてどんなふうに記憶に残っておられるかどうかわからないんですが、知事がどんなふうにお考えになっているか、ちょっとお伺いできますでしょうか。女性の家事の時間が全国一ということ。

○野呂知事 よくわかりませんけれども。ただ、私の妻なんかは大変家事が好きですから、そういう方も多くいらっしゃるんだろうなとこう思います。しかし、この数字がどういうことなのかというのはわかりません。

○福山委員 余り関心がなかったようで残念でございます。

 続いて、急にお願いしていいでしょうか。余り質問の時間ないので、土橋出納長、ちょっと簡単でよろしい。関心なかってというのもよろしいし、ご自宅で生活にかかわる時間ですね。もう育児はないと思いますけれども、何分ぐらい、1日平均どれぐらい家事をされるか。掃除とか洗濯とか食事の支度とかですね。

○土橋出納長 約3時間ぐらいではないかなと思いますけど。毎日と思いますが。

○福山委員 ああ、そうですか。ありがとうございます。どうぞ。

 そうしたら、生活にかかわる生活部長、先程お答えはどうですか。その場ではだめなんですか。こちらへ出て。

○宮村生活部長 すみません、先程のその女性の家事労働は全国1位ということでございますが、男性をちょっと調べてみましたら15分、これは平成13年の総務省の調査ですが、三重県は15分ということで、これは全国で15番目だそうです。

 私の感想は、もう少しやっておるんじゃないかと自己評価をしております。

○福山委員 すみません、ご自分がもっとやっているということですか。ありがとうございます。

 単身の方にお聞きしてもちょっと参考になりませんので、3人の方にお聞きしたわけなんですけれども、知事が余りその資料そのものに確か野田議員触れられたと思うんですけれども、頭に残っていないというのはちょっと残念なんですけれど。

 女性の家事時間が多いということの意味ですね。男女共同参画条例のやっぱりかなり進めるに当たってネックになっておりますのが、性別役割分業の固定化ということで、男は仕事、女は家庭ですね。何とかそこのところをクリアしないと、男女が生き生きと両方が女性も社会で生き生き活動する。家庭の中でもやっぱり男女ともに家事も介護も育児も担っていくというのが、かなり大きな比重を占めておるわけなんですけれども、あの調査は、これ総合企画局がされた調査なんですけれど、ただ淡々と数字を拾われただけだとは思いますけれども1位というのが、差は少ないんですけれども1位というあたりがどうも私はひっかかりまして、三重県のそういう男女共同参画にかかわる意識がどうなのかなということで、ちょっと関心を持って聞かせていただいたんですけれども。

 もう一つ、じゃあ、お聞きします。新聞記事、これはもう一つの厚労省の調査、きのうの新聞報道でございましたが、育児休業制度がある会社とない会社が3人目の子どもを社員が出産するに当たって大変大きな違いがあると。つまり、育休をきちんとしてあるところは3倍ですね。ないところの3倍、第3子を出産しているという調査なんです。このことについては、知事のご所見をよろしくお願いします。

○野呂知事 これもやはり会社の厚生関係のいろんな施策が、やはりこういう時代ですから子育て、少子化ということに強く関心がいくということが大事だと思っておりまして、そういう意味では、調査の結果もそういう傾向をあらわしているのではないかなと、大事なポイントではないかなと思います。

○福山委員 ありがとうございます。

 少子化の委員会でもいつも議論になっておりますけれども、やっぱり会社といいますか、企業の取組が非常に大きなウエートを占めてくるということで、これもかなり私も興味を持ちましてコピーをして見てみたわけなんですけれども。そういう2つのきのうと一昨日の資料で、ぜひその男女共同参画の推進にちょっと理解を進めていただけるかなと思ってお伺いいたしました。

 先程の質問3点についてのお答えなんですけれども、あの条例の中に積極的改善措置というのが盛り込まれております。ですので、かなりその格差のある分野につきましては、同じような施策ではなくて、特別おくれている側の積極的是正措置が必要だと思いますので、もう時間ありませんので細かくは申し上げませんけれども、例えば男性の育休とか、それから農業委員が少ないとか、たくさん課題はある。女性の管理職の登用が大変進みにくいというようなことにつきましては、ぜひ積極的改善措置で進めていただきたいということが1点。

 それから、市・町との連携ですけれども、これも非常に大事なことでございまして、これは推進に欠かせないと思います。先程フレンテみえの予算をと言いましたけれども、予算だけではなくて市や町としっかり連携しながら、三重県全体の意識が向上するように、よろしくお願いしたいと思います。

 少し押してまいりました。次、3点ありますけれども、ちょっと順序を変えましてDVの方を先にさせていただきたいと思います。

 ドメスティックバイオレンスですね、DV防止に関する基本計画についての質問をさせていただきます。

 三重県では、昨年12月にDVに関する基本計画の素案が示されており、今年度中に策定する予定と聞いております。計画の素案においてもさまざまな取組が記載されておりますし、先日の予算決算特別委員会でも私の方から幾つかの質問をし、答弁もいただいたところです。その後、最終案も見せていただきました。その中で、再度確認したい部分、それから、もう少し前向きなご答弁をいただきたい部分をあわせて何点かお聞かせください。

 1点目は、DVの定義についてであります。

 先日のご答弁は、広範囲の定義でありましたが、最終案にDV防止法の定義を書き加えてあり、最初は書いてなかったんですけど最終案には書き加えてありました。少しその狭い範囲に対象がされるのではないかというふうに危惧をいたします。例えばデートDVですね。若い中学生、高校生の世代間の暴力DVなどは本当に含むのかどうか、この点をお聞かせください。

 2点目、DVは重大な人権侵害であり犯罪であるという認識のもとに、横断的、総合的な施策が必要であります。主担当は健康福祉部ですから、部内の分野の協力、協働が必要でありますし、生活部、県土整備部、教育委員会、警察、司法、市・町の担当など、庁内、県内の各関係部所のほか、県外の関係機関、民間シェルターなどとの連携が大切でございます。連携についてご所見をお願いいたします。

 3点目は、配偶者暴力相談支援センターの職員配置、特に夜間・休日対応のできるような来年度の職員配置になるのかどうか、お聞かせください。

 4点目は、教育長にお聞きします。前回の予算決算委員会で、そのデートDVについて特に施策としてはないと言われました。今回策定予定の基本計画最終案には、デートDVへの対応やDVの啓発、DVにかかわる教育課題が多く含まれております。今後3年間の計画ですが、今後どのように検討されるのか、お聞かせください。

 5点目、苦情処理体制については、被害者に安心感をもたらし、2次被害の防止にもつながるため整備すべきですが、関係機関内に整備するのではなく、第三者機関に整備をすべきと思いますが、いかがでしょうか。

 以上5点についてお願いいたします。

○本多健康福祉部長 それでは、私の方から4点についてお答えを申し上げます。

 まず、1点目でございますけれども、本県の基本計画におけるDV、ドメスティックバイオレンスでございますけれども、基本的にはいわゆるDV防止法に規定されております、事実上婚姻関係と同様の事情にある者も含めた配偶者間の暴力を中心としております。しかしながら、若年層に対しましても、将来のDVを予防する観点から啓発の取組が重要と考えておりまして、このためデートDVにつきまして、情報収集や研究、あるいは啓発等を基本計画に位置づけることとしております。

 次に、DV対策における庁内、市・町、県外との連携についてでございますけれども、庁内や市・町につきましては、県DV防止課員等におきまして、また、県外については東海4県婦人相談所長会等を通じまして、関係機関による情報共有や緊密な連携を図りながら、総合的にDV対策を進めてまいりたいと考えておりまして、これらの内容についても基本計画の中へ位置づけていきたいというふうに考えております。

 続きまして、配偶者暴力相談支援センター、これは女性相談所に置いておりますけれども、そのセンターにおける夜間・休日の対応体制でございますけれども、現状におきましても、緊急性のあるものにつきましては警察と連携し、配偶者暴力相談支援センターが緊急事案に対応できる体制をとっておるところでございます。しかしながら、ご指摘のように、その夜間・休日の対応が現在十分ではございませんので、夜間・休日の相談を求める声も多いということでございまして、平成18年度から職員を増員した上で、夜間における相談を実施していくこととしております。なお、休日の相談につきましては、実施に向けた検討を行うことを基本計画に盛り込むこととしております。

 続きまして、苦情処理につきましての第三者機関によって対応すべきだというお話でございますけれども、苦情処理につきましては、DV防止法や国の基本方針に定められておりますように、まずは、各関係機関でしっかりと対応していくことが重要であるというふうに考えております。

 ご提案の第三者機関につきましては、関係機関が行政、警察、司法と非常にこう幅広くなっておりますことから、第三者機関の役割など整理を行うべき事項も非常に多いということになっておりまして、現時点では慎重な検討が必要かというふうに考えておるところでございます。

 以上でございます。

○安田教育長 教育委員会としての取組についてということでございますけれども、今回のこの基本計画の策定を契機といたしまして、これまで以上に個人の尊厳でありますとか、男女平等の理念を踏まえた人権教育を一層進めてまいりますとともに、子どもたちが被害者にも加害者にもならないように、家庭科の授業ですとか、あるいは特別活動などを通じましてDV予防に関する啓発、これは十分に関係機関と連携をしながらやっていかなければならないというふうに思っておりますけれど、こういったことで進めてまいりたいというふうに考えております。

 また、学校におきましてこのDV、子どもたちの場合ですからデートDVということになるわけですけれども、この実態を把握するということは非常に難しい、なかなかすぐには表面化しないというような部分もございます。したがいまして、教職員が子どもたちの学習でありますとか、あるいは生活の場面を日頃、学校を中心として見守っている中でその状況を把握して、DV被害ということで気づきができるように、そういったことでこれも関係機関と十分連携をしながら、研究などを通じまして、まずは教職員にDVに関する理解を深めていただきたいなと、このように考えているところでございます。

 以上でございます。

○福山委員 どうもご答弁ありがとうございました。

 DVの定義につきましては、前にちょっと危惧を抱きましたけれども、広い範囲ということで理解をさせていただきます。

 それから、連携、協働なんですけれども、いろいろな機関との。これは何々会議とか、何々検討会ということではなくて、もう実質的に日常的な取組の中で濃い連携をしていただきますように、よろしくお願いしたいと思います。

 それから、配偶者暴力相談支援センターの職員の配置ですが、休日につきましては、まだちょっと進まないということですけれども、夜間については1名増ということで少し前進でございます。頑張っていただいたと思いますので、今後どうぞ休日の方もよろしくお願いしたいと思います。

 それから、デートDVなんですけれども、教育長から、前回よりもちょっと進んだお答えをいただきましたので、ぜひ人権という視点、男女共同参画という視点も踏まえた現場での教育を進めていただきますように、よろしくお願いいたします。

 苦情処理体制ですけれども、これは難しいので研究をしてということですが、やっぱり被害者の相談に対応したその関係機関が苦情処理をするということではふさわしくないと思うんですね。ですので、ぜひしっかり検討していただいてお願いをしたいと思います。

 時間が押してまいりましたので、3点目の質問に移らせていただきます。

 次世代育成支援対策についてでございます。

 今議会においても三重県型の次世代育成支援の取組の促進や乳幼児医療費助成制度の拡充など、経済的な支援策について、その充実について質問がなされたところでございます。

 少子化問題については、私も何度か質問を行ってきたところですが、国も県も特効薬がないというのが現状であります。猪口少子化担当大臣も、少子化対策行脚というものを続けて、より多くの予算を少子化対策に配分すべきと頑張っておられます。児童手当の支給対象年齢の拡充、それから、不妊治療に対する助成制度が、来年度予算に盛り込まれるようでございます。

 そこでお尋ねします。少子化対策については、全庁を挙げて取り組む必要があると考えます。昨日の次世代特別委員会でもある程度説明をいただいたのですが、来年度予算においてどのような点に力を入れて取り組まれるのか、これはもう簡潔にお答えをください。それをちょっと先にお答えをください。よろしく。

○野呂知事 少子化対策、まさに緊急かつ重要な課題で総合的に全庁を挙げて取り組んでいかなきゃならんと思っております。

 まず、安心して、喜びを持って子どもを産み育てられると、そういう総合的な支援が必要でございまして、18年度におきましては、子育てに係る経済的負担の軽減でありますとか、あるいは地域における子育て支援、若者の自立支援、企業と地域のネットワークづくり等に積極的に取り組んでいきたいと思っております。

 具体的には、経済的支援策として乳幼児の医療費の助成制度におきます入院費の助成対象年齢の拡大、それから、不妊治療費助成制度の拡充というものを予定しています。そのほか地域におきます子育て支援につきまして、放課後児童クラブの設置でありますとか、延長保育、一時保育、低年齢児の保育を実施いたします市・町への支援といったような事業につきまして、17年度に引き続いて実施をしていきたいと思っています。

 それから、若者の自立支援策といたしましては、就労を支援する取組について充実をしていきたいと思っております。企業と地域のネットワークづくりにつきましても、地域のNPOや団体と企業等をつないで、さまざまな活動を地域貢献につきまして、次世代育成の観点から展開できるように支援をしていきたいと、こう思っています。

 いろんな視点が大事でございますが、より一層、総合的に取り組んでいきたいと、こう思っています。

○福山委員 ありがとうございます。

 少子化対策は、本当に一つ、二つの施策で進むものではありませんので、いろいろな視点、いろいろな角度でしていただきたいと思っております。

 もう1点でございますが、昨日の少子化の委員会でもいろいろ意見がありました。企業に対する取組が非常に大事と。先程も育休のことで申し上げたんですけれど、これをどういうふうにされるのかということでございます。従業員300人以上の企業には次世代育成支援計画策定の義務があります。三重県三重労働局雇用均等室に、これは国の機関に報告をしなければなりません。しかし、公表はされません。また、300人以下の中小の企業では、計画は努力義務で策定しなくてもよいということになっております。これでは実効性があるのか、大変疑問に思っております。深刻な少子化に歯どめをかけるためには、仕事と家庭の両立支援、働き方の見直しが大変重要でございます。企業の取組と協力が大きな課題と考えますが、県としては具体的にどうされるのか、お聞かせください。

○宮村生活部長 次世代育成支援につきまして、企業への働きかけにつきましてお答えをいたします。

 次世代育成を進めるためには、1日のうちで多くを占めます職場におきますところの男女共同参画の推進とか、あるいは育児休業が取得しやすいような、そういう男女がともに生き生きと働ける職場環境の整備というのがきわめて重要でございます。このため県におきましては、本年度にも三重労働局等と連携をいたしまして、セミナーの開催でありますとか、あるいは行動計画の策定に向けました研修会の開催や啓発用のチラシなどの配布をするほか、積極的にPRするために、女性の積極的な活用などに取り組む企業に対します知事表彰なども実施をしてきておるところでございます。

 来年度におきましても引き続き実施をいたしますとともに、先程知事の方から申し上げましたように、企業と地域のネットワークづくりの場を通じまして、関係部とともに企業に対して啓発活動の実施を積極的にしてまいりたいと思っております。こうした啓発活動によりまして、県内事業所の大半を占める中小企業におきまして、1社でも多くの企業が取り組んでいただき、仕事と家庭生活の両立がしやすいような職場環境づくりでありますとか、あるいは、その前提となります行動計画の策定が促進されるように取り組んでまいりたいと思っております。

 ちなみに、現時点で申し上げますと、300人を超える企業は100%計画を作ってございますし、300人以下につきましては、現在のところ17社という状況でございます。

 以上でございます。

○福山委員 ありがとうございました。

 企業への取組、大変重要だと申し上げました。いろいろ知恵を絞っていただきまして、企業が次世代対策に取り組んだら得をするというようなことがあれば進むんじゃないかと。例えば、税の軽減とかそういうものは、国の方の問題も絡んできますので簡単にいかないかもわかりませんけれども、税の控除とか、とにかくやれば企業も損はしないんだというような対策が要るかなというふうに思います。

 先日、議会主催の県民ミーティングで藻谷講師さんの話を聞かせていただきました。大変おもしろいお話で、聞かれていない方も多いわけですけれども、例えば女性の社会進出、就業率の高い国ほど出生率は高いと。これはもういろいろ今までも聞かせてもらっていたんですが、それから、そういう女性が働きやすいために男性も一緒になって子育てを楽しみ、家事とか介護とかともに担って、そして、少子化、それから高齢化社会の労働力や年金や、それから福祉や、いろんな課題を克服をしていけると、そういうお話もありました。

 私も我が意を得たりということで、いろいろ聞かせていただきました。そのためには、先程から申し上げています働き方の見直しということが重要だと思います。さまざまな少子化対策ありますので、先程申し上げましたいろんな部局も関係をしております。総合対策でございますので、日頃から意識を持って対策の中に入れていただきますように、これは男女共同参画も同じでございますので、よろしくお願いいたしまして、私からの質問を終わります。

 ありがとうございました。

○北川委員 失礼いたします。委員長のお許しをいただきましたので、総括質疑最後でございますが、早速始めさせていただきたいと思います。新政みえの、名張選出の北川でございます。

 冒頭、男女共同参画の私の師匠であります福山委員が今質疑をされましたので、弟子である私も一言申し上げておかなきゃいけないのかなと思っております。

 16年の4定でしたか、私、一般質問でこの男女共同参画を取り上げさせていただきました。その際に、やはり男性側の意識改革と、そしてまた、企業のトップの考え方、これが変わらないとだめだと。その延長線上として、やはり働き方のあり方が変わっていかなきゃならないんだということをお話をさせていただいて、そして、あわせて、例えば企業のインセンティブ、入札参加資格の中で男女共同参画に一生懸命取り組んでいるところは点数を上げていく、こういったことも先行的にやっているところがありますから、ぜひ取組をということをお話をさせていただきました。2年前でしたから、まだ周りの自治体なり国の動向を見てと、検討・研究をというお話にとどまりましたけれども。

 しかし、昨年12月でしたか、1月でしたか、猪口少子化担当相の方から、国もいよいよ企業のそういったインセンティブをしっかりと考えていこうと。入札参加資格等の中で数値をつくっていって制度をつくっていこうと、こういうことを研究しなさいよということで担当相から内閣府の担当部局に話があったという記事が出ていました。また、佐賀県では、07年度から指名競争入札だったと思うんですが、そこで点数化をすることを始めるという話が出ていました。

 三重県愛をはぐくむしあわせ創造県をつくろうという知事の熱い思いからすれば、この男女共同参画も大変重要なことです。ぜひ三重県としては、そのトップを切ってぜひ進めていただきたいことを冒頭にお話をさせていただいて、質問に入らさせていただきます。

 文化力指針ということで最終の骨子案をいただいて、議論を今日まで進めさせていただいてまいりました。いろんなご意見が出てまいりましたけれども、私は、知事の言われるこの文化力を政策に反映していこうと、つまり、経済性や効率性ばかりを追求してきた中で、やはり心の豊さ、こういったものがやはり失われてきた。それを改めて取り戻すためにやはり社会の体質を根本的に変えていくためには、こうした文化力を使って政策にも反映をさせて、時間はかかりますけれども変えていきたいと、こういう知事の熱い思いは大変、私共感をさせていただくところですですけれども。

 しかしながら、それをこの文化力指針というところに表現をされたときに、その知事の本当に熱い思いが十分に体現をされているのかなと、こんなことも逆に心配をさせていただくわけです。いろんな施策を判断するときの物差しとしてこの文化力を導入しようということは、本当に果敢な挑戦だと思いますし、とかく対症療法的に即効果の出る施策を打ちたいところを、そういった漢方薬というお話ございましたけれども、そういう発想意識の中で事業を展開していこうということは本当に意味のあることだと思います。5年、10年先に必ずそれが実を結んでくるようなことを期待をさせていただいているわけですが、なかなかやはり私たち議員にも、そしてまた職員にも、そしてまた県民にも、今の指針の状態で本当に十分に伝わっていくのかなという思いもいたしております。

 突然ですけれども、ひとつ私が中学生だとして、この文化力指針について知事から講義を受けたとして、自分なりにそしゃくをさせていただくと、例えばご飯を食べるということもですね。これ単に栄養をとる、生き長らえるということだけであれば短時間に栄養価の高いものを食べてしまえばそれでいいと、これがまさに経済性や効率性の問題だと思うんですけれども、しかし、やっぱり食べ方というものを考えたときに、ひょっとしたらそれは家族と一緒に食べる、あるいは違う場所で食べる、あるいはまた、それが地域の中で育った野菜や食材を使って食べる。こういうことによってやはり変わってくるわけですよね。食べ方によって変わってくる。それがやはり食文化一つでも、あるいはそれを作っていこうというそれに生きがいを見出す人もいるかもしれません。そういうことも含めて食文化というものが、それが人の健康につながったり、生きがいにつながったり、そういうことに文化というものが力を持っていくんだと、こんなふうに私は解釈させていただくんですが、中学生のこの北川君の今の答弁というか文章について、点数をつけていただくとしましたら何点になりますでしょうか。

○野呂知事 極めて素直に文化力ということをご理解いただいておると思います。そういう食事に例えるならば、まず、食べる時間、時とか、それからさっき、どういう人と、あるいはどこで、どういう部屋、周りの環境でということもあるでしょうね。それから、小さくは食器そのものもあるでしょうね。並べ方にもやっぱりあるんじゃないかなと思いますね。いろいろとおっしゃったことは、極めて優等生のお話じゃないかというふうに思います。

○北川委員 初めに、60点以上であれば合格かなと自分で思っていたんですが、大変いい点数をつけていただいたような感覚でおります。

 しかし、文化力指針自体が、今の骨子案で知事の思いからスタートしているわけですけれども、しかし、最終的には審議会も経ていろんな脚色もされてきた中で、どの程度知事としては今の指針に対して、もちろん審議委員の方の思いもありますからそれを否定するような形のご発言はないとは思うんですけれども、100%とお感じいただいているのか。あるいはまた、議会の中でいろいろ議員から出た意見について、どんなふうに受け止めていただいているのか。それから、もし最終的に、これこんなふううになりましたよということで今年度中に提示をいただくんでしょうけれども、今の段階でこんなところはやっぱり調整していきたいなというふうに考えておられるところがあれば、ちょっとまとめてご意見をいただきたいと思います。

○野呂知事 文化力指針につきましては、これまでいろんな方、特に県議会でのご意見もいただいていますし、それから、県民の皆さんといろんなご意見を踏まえまして、今回骨子案としてお示しをさせていただいてきておるところです。率直なところ、議会におきましてもいろんばご意見をいただいておりますけれども、例えば、今おっしゃいましたように県民、職員にわかりやすい指針にすべきであるというようなこと、それから、チェックリストとしてお示しをしようということについてももっと工夫が必要ではないかというようなこと、あるいは、経済と文化のバランスというものが必要、大切であるというようなご意見もいただきました。

 私ども、今月中に何とか指針策定をしてまいりたいと思っておりますので、可能な限りこういったご意見というものについてはそれを受け止め、検討を加えさせていただきたいと思っています。

 いかにわかりやすくするのかというのが当面一番大事な課題かなと思っています。ただ、文化力指針というのは、これは前例のない、そして、極めて挑戦的な取組でございます。そういう中で、私は文化力を政策全体のベースに置く、そのための私の県庁の職員と共有できる一つのツールとして何とか持てないかとこう思っております。そういう意味では、至らない部分とかそういうことについて、今後例えば実施をしていく中でも出てまいりましたら、それをしっかり柔軟に対応しながら直していくということがいいのではないかなと思っております。

 チェックリストとしては、これは職員向けにそれをきちっと浸透させるために、そういう考え方で行くのがいいのかなということに方向づけたところでございますけれども、骨子案そのものでお示しした中では、まだまだ検討の余地があるんではないかなとこう思っておりますので、今後も総合企画局で検討をさせて最終の指針にまとめたいと、こう思っております。

○北川委員 かなり柔軟に調整をいただけるようなニュアンスに聞かせていただきました。

 特にチェックリストについてはいろいろご意見があったと思います。私自身は、やはりそのチェックリストよりも、もし職員の方にそうした知事の思いを浸透させたいということであれば、私はもっともっと知事が職員に生の声で知事の思いを語っていただく方がはるかに浸透するのではないかなとそんな思いもしておりますし、また、地域力、あるいは創造力ということであれば、逆に、今これだけ各地域でまちづくり等が進んでいるわけですから、そうしたところに時間はなかなか厳しいとは思いますが、もっともっと職員の方も参画をいただいて、そうした中で地域力のあり方なんかを身につけていただく、あるいは、残業もやめて本の1冊でも読んでいただくことで創造力を持っていただく、こういうことの方が私は知事の思いが浸透していくんではないかなと、そんな思いもいたしております。ぜひ最終の骨子案、いいものに、知事の思いが十分伝わるものにしていただきたいことと、それから、もし実施する中で、先程もおっしゃっていただきましたけれども、修正点があれば随時修正をしていただきたい。このことをお願いさせていただきまして、大変時間がございませんのでもっと議論をさせていただきたいのですが、2番目の項に移らせていただきます。

 条例に基づく地域産業振興施策の進め方についてということでございます。

 秋に三重の森林づくり条例と、それから、三重の地域産業振興条例、この2つを議定条例で作らせていただきました。森林の方は基本計画を作られて、そして、財源措置として森林環境税もどうかという議論まで今されておりますけれども、一方、この地域産業振興条例については、もうひとつこう、その後のアクション的に私個人的な感覚としてはちょっと弱いような気もいたしております。ぜひここで石垣部長に、この地域産業振興条例ができたから、以前とそれできてから以降、県の姿勢としてはこんなに変わっていきますよという意気込みだけ、もう簡単で結構です、一言おっしゃっていただきたいと思います。

○石垣農水商工部長 まさしく地域産業振興条例というのは、地域の特性、地域の資源を生かして、地域の皆さんが多様な主体となって地域全体の産業振興を考えていこうという動きであります。

 実は、これもいろんなところにこの動きがいっぱい、三重県にいっぱい出てきておると思うんです。例えば名張の中心市街地であっても空き店舗を使って高齢者の方々に支援をやっていこう、コミュニティビジネスをやっていこうという動きとか、例えば観光なんかで二見のお雛さま祭り、いろんな取組が起こっている。まさしくこういう動きというのは、三重県内にもいっぱいできておると思います。

 ですから、私どもはこの地域振興条例を心の糧として、まさしく三重県内にこういう地域、それぞれの地域にやっぱりそういう動きをどんどん起こしていきたいというふうに思っています。来年度の施策においても、いろんなそういう仕掛けづくりという形は今させていただいておるところであります。

○北川委員 条例ができたことによって、この18年度の予算に反映をしていこうというものについては、ちょっと幾つか再確認も含めてお話をしていただこうかなと思ったんですが、時間がございませんので、これはもう見ればわかることですから、ある程度は。省略させていただいて、2点程、確認なりお願いをさせていただきたいと思います。

 わずかな予算ですけれども、これは全協でも質問させていただきました。地域の多様な主体の連携により地域産業力創出支援事業というのがございます。これは、まさしく条例の趣旨に沿って、地域の特性に応じて地域の産業施策をつくっていこうと。私は、それの一つの起爆剤になっていく受け皿づくりの芽出しの事業だと、こんなふうに認識をしておるんですけれども、これの進め方について聞かせていただいている中では、商工団体、地域のNPO、それから市・町、こんなところが一緒になって受け皿となって、まずは地域にとってどんな産業がこれからいいのか、作っていけるのか、こういうことを議論をして、そして、県はそれを事務局的にサポートしていこうと、こういうふうに聞かせていただいているんですけれども、ただ、その内容、どういうネタで取り組んでいこうかということが決まった上でのコンペだというふうにスタイルとして今想定をされておるように聞いております。この点はいかがでしょうか。

○石垣農水商工部長 まさしく地域にある商工会議所、商工会が、新しい取組として、地域全体の中の多様な主体と連携をしながら新しい産業をどう構築していくかと、まさしく経済団体が主体となって動かしていこうという新しい事業だと僕は思っています。

 例えば今、いつも言いますが、紀北町で、例えば商工会の皆さん方が水産物を一体となってパッケージの干物をつくって、これジャパンブランドだとここまでいったと。いろんな形のものがいっぱい取組が起こっておるわけです。ですから、私どもはこの商工団体が中心に、経済団体が中心になってその動きをとらまえていきたいと思っております。

 今回、そのコンペという話になっておりますけれども、私はともかくこういう事業にとって取り組んでいこうという機運と、やっぱりその皆さん方が初歩的なスタートアップする段階のいろんな議論をしていただく場が要ると思っています。それについては、今回この事業についてはある程度コンペになりますけれども、例えばほかの事業、商工団体あるいは技術開発、いろんな面についても他の事業もあるわけでありますから、それらを組み合わせて弾力的に私は運用できるというふうに思っております。

 以上です。

○北川委員 ありがとうございます。

 とかくと言ったら言い方が変ですが、ほかのジャンルと違って、やっぱりこの商工の関係となりますと直接利害も関係してまいります。なかなか足並みがそろいにくいですね。そういう中で、やはり地域の受け皿をしっかり作っていくためには、県が間に入っていただいて、そして、まずはネタよりもその受け皿づくりをしっかりやっていただくということに柔軟にぜひとも対応していただきたいというお願いを重ねてさせていただきます。

 それから、もう1点、知事はここ数カ月、北勢地方で本当に土地が、企業立地、場所がないんだということで、新年度の予算でもその調査も見ていただくということで聞かせていただいています。北勢、伊賀ではないんだよということを盛んに言われるものですから、しかし、同じ伊賀でも名張は公共の工業用地がたくさん余っております。伊賀で足らない足らないとおっしゃっていただくものですから、おまえ何をしとるんだいとこうおっしゃられるんですが。

 それはさておいて、十分に調査をしていただいて、特に時間がないですからお願いをさせていただくだけですけれども、いろいろ聞かせていただいていても、市・町との連携もまだこの企業立地に関してちょっと私は弱いんじゃないかなと。というのは、お話をしていてもそれぞれの例えば市・町の持っている企業用地のメリット、デメリットございますよね。このへんの認識も県と地元が若干違うというふうなニュアンスも受け取れたケースがございます。今回の調査で、単に面積や容積ということだけじゃなくて、どういうハンディがあって、それをまた克服するためには例えば道路整備をしていただかなきゃならないとか、そういう点も含めてきっちりと総合的に企業立地というものを進めていただくような姿勢で取り組んでいただきたいということをお願いをさせていただきまして、時間がまいりましたので終結させていただきます。

 ありがとうございました。

○杉之内委員長 以上をもって、本日の予算議案及び予算関連議案に係る総括質疑を終了いたします。

 なお、本委員会に付託されました予算議案及び予算関連議案につきましては、お手元に配付の一覧表のとおり、所管の分科会で詳細審査を分担していただきますので、よろしくお願いをいたします。

 次回の委員会は、分科会委員長報告及び採決を行うため、3月20日午前10時から開催いたしますので、よろしくお願いいたします。

 これで予算決算特別委員会を閉会いたします。ご苦労さまでございました。

以上、会議の要綱を記し、ここに押印する。

平成18年3月10日         

予算決算特別委員長   杉之内 昭 二

ページID:000019459
ページの先頭へ