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三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成17年度 委員会会議録 > 平成17年10月7日 予算決算特別委員会 会議録

平成17年10月7日 予算決算特別委員会 会議録

予算決算特別委員会

会議

(開 会 中)

開催年月日   平成17年10月7日(金) 自 午前10時3分 ~ 至 午後 2時25分

会議室     全員協議会室

出席議員    44名

委 員 長

杉之内 昭二 君

副委員長

中村 進一 君

委  員

中村 勝 君・稲垣 昭義 君・北川 裕之 君・舘 直人 君・石原 正敬 君・末松 則子 さん・中嶋 年規 君・森下 隆生 君・日沖 正信 君・前田 剛志 君・清水 一昭 君・松田 直久 君・竹上 真人 君・青木 謙順 君・中森 博文 君・前野 和美 君・水谷 隆 君・岩田 隆嘉 君・藤田 泰樹 君・田中 俊行 君・田中 博 君・大野 秀郎 君・福田 慶一 君・桜井 義之 君・舟橋 裕幸 君・三谷 哲央 君・貝増 吉郎 君・野田 勇喜雄 君・山本 勝 君・岡部 栄樹 君・森本 繁史 君・萩野 虔一 君・福山 瞳 さん・辻本 正 君・島本 暢夫 君・永田 正巳 君・橋川 犂也 君・山本 教和 君・西場 信行 君・中川 正美 君・藤田 正美 君・岩名 秀樹 君

欠席議員     1名

溝口 昭三 君

出席説明員

[企業庁]

庁  長    井藤 久志 君

その他関係職員

[病院事業庁]

庁  長    渡辺 和己 君

総合医療センター院長

小西 得司 君

こころの医療センター院長

原田 雅典 君

一志病院院長  南  信行 君

志摩病院院長  田川 新生 君

その他関係職員

[監査委員]

代表監査委員  鈴木 周作 君

        監査委員    秋月  功 君

[監査委員事務局]

局  長    田村 惠子 君

その他関係職員

傍聴議員    0名

県政記者クラブ   9名

傍 聴 者   1名

議題および協議事項

I 議案の審査

 (1)決算認定議案(4件)

   ●認定 第1号   平成16年度三重県水道事業決算

   ●認定 第2号   平成16年度三重県工業用水道事業決算

   ●認定 第3号   平成16年度三重県電気事業決算

   ●認定 第4号   平成16年度三重県病院事業決算

【会議の経過とその結果】

〔開会の宣言〕

I 議案の審査

 1.病院事業庁関係決算審査

   ● 認定 第4号   平成16年度三重県病院事業決算

(1)当局から資料に基づき補充説明

(渡辺病院事業庁長、小西総合医療センター院長、原田こころの医療センター院長、南一志病院長、田川志摩病院長、鈴木代表監査委員 説明)

(2)質疑

○杉之内委員長 以上で、病院事業庁関係の決算補充説明及び決算審査概要説明を終わります。

 それでは、ただいまのご説明に対しご質疑のある方から順次発言をお願いいたします。

○三谷委員 病院事業庁長にちょっとお伺いしたいんですが、今までのずっとご説明全体を聞いてますと、やっぱり一つの大きなポイントは医療スタッフ、医師、看護師等の不足というのが、本県の医療体制の中では非常に大きな課題だろうとこう思ってまして、今の決算審査の方でもそういうご指摘が出てるところだと思うんです。

 この病院事業庁長の補充説明の9ページを見せていただきますと、ここに一覧表が出てまして、看護師不足問題都道府県別の状況という表が出てます。看護師の需給率ワースト10で、本県三重県は第2位なんですよね。第2位ですね。ワースト2ですわ。じゃあこれ田舎の方は皆こうかと思うとそうでもなくて、ベスト10の方も同じような田舎の方の都道府県がたくさん並んでる。つまり、三重県がワースト2になる他の都道府県とは違う要因というのは一体どこにあるんですか。

○渡辺病院事業庁長 大変難しい話でございますけれども、やはり今の看護師になる希望者が年々絶対数として減少してきてるんではないかということが一つ想定されます。これはあくまでも想定ですけれども。そういった中で、受け入れる学校側の話としても相当整理をしてきておりまして、新しくできるところもありますけれども、全体としての受け入れのキャパがそう増えてないということが一つの要因ではないかと思うんですね。

 現状の中では、いろいろと県の方でも具体的な修学支援のような形で手当もしておりますけれども、そういったものが実際に活用されてこないというのが、現在のやっぱり全体としての親御さんといいますか、親の方の所得水準の上昇によって必ずしもそういったものを使わなくてもできるという、それとやはり今冒頭申し上げたように、看護師になる―いわゆる3K職場になると思うんですけれども―そういったところへの希望者が少なくなってきてるという、このバランスの関係かなというふうに私は思っておりますけれども。大変難しいもんですから。

○三谷委員 例えばベスト10の茨城、高知、愛媛、佐賀、長崎、徳島、群馬、こういうところは決して三重県に比べて際立って違うとも思わない。ただ、やはりこういうベスト10の県にある要因と三重県とか、例えば隣の和歌山、ワースト1、ワースト2、こういうところとの違いを比較検討して、やっぱりそういうベスト10になるにはなるだけの何らかの原因があるわけですから、そういうものもやっぱりしっかりと勉強して対策を練っていくというのは必要だと思うんですが、そういう各都道府県の比較というのはされてるんですか。

○渡辺病院事業庁長 その状況については、他県の方にも私ども出かけていきまして、そういう状況は押さえております。今申し上げたとおり、三重県独自の理由というのは必ずしも私ども明確にされておりませんので、委員おっしゃっていただいたように、他県の状況も踏まえてもう少しやり方を考えないと、絶対数の増というのはつながらないのかなというふうに思っております。今後、検討していきたいと思っております。

○三谷委員 他県の動向もしっかり考えてやっていただきたいと思います。

 この審査意見に対する考え方のところで、1ページの看護師確保対策で採用活動等へも力を入れるとこう書いてありまして、応募者増加を図る広報活動を県外は東海、北陸、近畿等で就職説明会やりますと、こう書いてあるんですね。これ東海、北陸、近畿というのは三重県に隣接してるところだからということで安易にこういうふうに書かれてると思うんですが、例えばこの一覧表、看護師の不足、需給率のワースト10の中に、例えば北陸は福井とか富山入っとるんですよね。こういう不足しとるところへ行って説明会するというのはいかがなもんかと思うんですよね。それよりも例えば四国なんていうのは全部ベスト10に入っとるんですよ。だから、北陸行く暇があったら四国行って説明会する方がいいんじゃないですか。

○渡辺病院事業庁長 おっしゃる点も私ども押さえておりまして、実際に他県の方、例えば四国だけではなくて九州方面もやっぱり福岡を除いて相当いいわけですので、九州の方へも少し足を運びながら状況を今押さえておるところでございます。

 言うたら、やはり現地へ行ってPRするだけじゃなくて、実際に試験も打ってやらないと実際の確保につながらないのかなということを考えてまして、今後、具体的にそのへんをやっていきたいと思ってます。

○三谷委員 じゃあよろしくお願いします。終わります。

○田中(博)委員 教えていただきたいんですが、決算、大きな流れ聞いてますと、入院患者、外来患者が減りました。その原因は医師を含めた医療スタッフが不足して、受け入れ体制が万全じゃなかったと。それで、決算がこういう形になったと。大きくはそう理解をさせていただいたんですが、現実に入院患者数、外来患者数は、本当に医療スタッフが充実すれば回復をするのかというところを少ししっかり押さえておく必要があると思うんですが。もともと患者さんが多いんであれば、この4つの病院を受診できなかった方々は、それぞれ地域の開業医なり、あるいは民間の病院なりでフォローされてるはずなんですよね。そのへんとの関係で、県立病院が医療スタッフをどんどん充実させていくのがいいのか。あるいは、民間との連携でお互いフォローした方がいいのか。いろんな見方があると思うんですが、今回聞いてますと、医療スタッフの不足によって患者数が減りましたということなんですが、それだけで本当に受け取ってよろしいんでしょうか。ほかに原因はいろいろないんでしょうか。

○渡辺病院事業庁長 患者数の減につきまして、私先程申し上げましたけれども、やはり16年度からいわゆる地域のかかりつけ医との連携をしっかりやって、病院とかかりつけ医との連携、あるいは役割分担をしっかりしていきましょうという国の大きな医療政策の流れもございまして、私どもはやはりその中で地域のかかりつけ医の先生方から紹介をいただいた患者さんを診る方向、そして紹介いただいたわけですから、当然一定治療をして地元へ戻していい場合はそれを逆紹介するという、いわゆる紹介・逆紹介の関係に今少しシフトをしておるわけですね。

 そのことが、一つはやっぱり大きな患者の減につながっておる要因かなと思っておりまして、しかし私どもはこれが悪いというふうには思ってませんで、その中でなおかつ県立病院として一層やっぱり地域の医療機関とも連携をしっかりやって、やはり地域のかかりつけ医の先生方から「県立病院へ行ったらしっかりやってもらえるんや」という信頼感を勝ち取っていくのが大事かなと思ってます。

 その上で、やはり医師なり看護師のスタッフをやっぱりいるということが大事ですので、私はもうやっぱりそれは両方が相まってやらないと、今のこの現状は打開できないと思ってますので、ご理解をいただきたいと思います。

○田中(博)委員 要は県民の皆さんが受けたい医療が受けられないということが起こらなきゃいいわけでして、そういう意味じゃ連携とっていただいて、以降の病院の経営計画にしっかり反映していっていただきたいなと。どうもイメージ的には県のスタッフが不足で県民が診療も受けられずに、というイメージがしたもんですからお聞きをしました。よろしくお願いします。

○大野委員 一志病院についてお伺いします。まず、病院事業庁の方から出されましたこのマネジメントシートの一志病院を見てください。

 そこを見ていただきますと、病院の方ではかなり緩和ケアを病院経営なり病院の方向性として追求をしていることがこれで、マネジメントシートでおわかりいただけると思うんです。かなりここに力を入れていただいておると。

 だけども、その一志病院の方向性と、それから病院事業庁の補充説明、それの6ページ見てください。これは経営上の問題だと思うんですけれども、ここには病院事業庁としては一志病院の緩和ケアのことというのは何も書かれていないですね。それからさらに、監査委員の方の概要説明、そこでも一志病院のところを見ていただくと、ほかの病院は少し医療内容に含めて書かれてますけれども、ここはいわば高齢者医療に努めるという形で、一志病院が目指しとる方向での監査の視点、病院の目指す方向と監査の視点がややずれとるんじゃないかと。それから、同じように病院事業庁の方の分析も、見方も、病院が目指している緩和ケアのところに焦点が合ってないんじゃないかと。

 そのへんについて、病院それから病院事業庁、それから監査委員会の三者からご説明お願いします。

○渡辺病院事業庁長 委員おっしゃるように、私ども現在やっております病院事業中期経営計画の中での一志病院の方向づけとしましては、高齢者医療に加えて緩和という話が出ております。また、県の保健医療計画の中でも、緩和ケアを検討していきましょうといったような形で具体的に明記もされておりまして、私どもも現在、その方向で進めておりますけれども、ここで上がっております一志病院の主要な取り組みというのは少し観点が違ってまして、今おっしゃっていただいたように、まさに収支の均衡と云々という、そういう方向へやっていくということで整理をしましたのでこういうことになっておりますけれども、現に今、南院長からも説明がありましたように、この1月には緩和ケアの病床も3床を整備しまして一定具体的な取り組みを進めておる。そして、人材を養成していかんならんということで、看護師についても県外へ派遣をして養成をするというふうな格好で、具体的な動きは現在進めております。

 ただ、ひとつご理解いただきたいのは、昨年の12月の県議会の中で、いわゆる緩和ケアを―少し話が広がるかわかりませんけれども―一志病院でやる場合に、単に緩和ケア病棟を整備するだけではなくて、もう少し広いというんですかね、いろんな機能を持ったものも含めて、いわゆるそれを総合的な緩和ケアというふうにおっしゃっていただきましたけれども、私どもはそういう方向でやっていかんならんということで、この5月以降実は外部の方にも入っていただいて、緩和ケアの検討委員会で議論をしていただいております。せんだって中間もいただき、その方向でいくわけですけれども、その上で今の一志病院の方向にぴたっとあった形でいくのか、あるいはまた違った形が出てくるのか、少し今、方向づけはそういう方向づけをベースに持ちながら、検討委員会での検討の方向も少し見きわめていかんならんのかなと、そういう認識で現在おります。

○南一志病院長 このことに関しては、本音を言わせていただきたいと思ってます。

 私は15年の7月から一志病院へ大学と連携をして、これは大学にいるからそういうことはできないし、必要だということで赴任しました。そして、一貫して16年、17年、18年中期経営計画に緩和をやっていこうということで、これは検討委員会からもいろいろ言われました。そんなんできるんかという話とか、経営が成り立つのかと言われましたけれども、結局は認めていただいて、県の病院事業庁の経営会議で認めていただきました。

 しかし、その後一向に……。私たちはそうやって準備を始めました。研修にも出しましたし。この背景にはやはり三重県がおくれているということは、僕はもうこれは臨床をやっておれば誰でもわかることですし、それで大学との応援をいただいてやるということでやってきました。ところが、昨年の8月に議員の方々が一志病院へ来ていただいて、さらに勇気をいただいたんですけれども、12月の決議が今度は県全体のという話になってしまって、一志病院としてはむしろ後退した状況になりました。それで、大学の教授とも相談し、事業庁とも相談し、これは実は僕が赴任する前に大学の教授と事業庁との相談の上でやろうということで僕は赴任させていただきました。

 ところが、それがむしろ逆行したという格好になって、今年の1月に事業庁長の立ち会いのもと教授との話し合いで、8月までに目途を立てるということで話は進んだんですけれども、一向にらちがあかないということで、今年の8月に決まらなかったために、そこの教室の教授からそういうことでは県立病院と大学とは連携をとれないと。若い人も育てられないんで引き上げますということで、内科医を1人減らされました。話によりますと、この状況ではやっぱり来年の1月にはもう一人減らすという、そうすると、総合診療部の内科医が減ってしまうと、僕ともう一人の医師、2人のような状況に陥る可能性があります。

 もう一人、整形の問題でも大学来るころからお願いに行ったんですけれども、やはり経営を中心のような県立病院では協力できないと。やはり県立病院は人材育成なり、やはり先進的な取り組みということで大学と連携していかないと若い人が行っても疲れて結局は大学へ帰ってきてもやめてしまって開業してしまうという、そういう体質では無理だということを言われて、困ってる状態で。実は、私はこの60になっても、きのうから当直をしなければならないような状態で、今日は当直明けで来てるんですけれども。

 やはり、僕自身が思うのは、事業庁がこの2年間、僕は2年3カ月いましたけれども、医療の質、県民へのサービスということは口では言われてますけれども、実際には看護師さんが減っていく問題でも、やはりもう少し本当に心が入ったようなものをやっていただかないと、やはり若い人はそういうところへは来ません。やはりお金ではないんです。若い人は医療の質を上げれば絶対来ます。これはもう自信があります。大学はなぜ―今、一時減ってますけれども―安い給料で日雇いでおるかというと、やはり新しい勉強ができるからです。やはり最後には―お金も要ってきますけれども―そういう……。僕は事業庁この2年間つき合ってきましたけれども、そういう視点が全然ないんではないかというふうに、かなり厳しいこと言いましたけれども、私としてはある覚悟を持ってこういうお話をさせていただきました。

 以上です。

○渡辺病院事業庁長 これはもう病院と庁内の問題でございますので、ここで私どもからるる申し上げることはないと思いますけれども、私どもとしては去年の県議会の意見をいただきまして、やっぱり単なる病棟整備だけではだめなんだというのは、もう本当におっしゃっていただくとおりでしたので、もう少し多機能なものを考えていかんならんということで、実は5月に先程も申し上げたように委員会を立ち上げて、現在検討をしていただいてますけれども、その過程で当初の段階では8月ごろには何とかまとめていただいて、一定の方向づけができるかなと思っておったものが、やはり委員会の進捗状況、あるいは検討の方向等も含めまして、さまざまな形で議論をいただいておりました結果、先程申し上げましたように、中間報告がやっと出た段階と、こういう委員会での進捗状況もございまして、8月ということができなかったということでございます。それは病院の方とも十分意思疎通を図った上で、またこれは先程院長が言われましたけれども、大学とも近々行って経緯も説明をしながらきちんとした話はさせていただく予定をしております。

 以上です。

○鈴木代表監査委員 一志病院の件で、今お話がございましたが、私どもは県立病院の機能なり役割ということにつきましては、県の保健医療計画等によって整理をしていただいておるというふうに認識をいたしております。その中で、一志病院については、先程病院事業庁長等からもご説明がありましたが、一志という地域を踏まえて高齢化社会における医療を中心に据えて取り組んでいくというふうに考えております。理解をしておりまして、また私どもの監査の中で病院事業庁からのいろいろお話を聞かせていただく中で、お話の出ておりました終末期医療、あるいは緩和医療への取り組みというのを一層強めたいと、こういうお話も伺っておるところでございます。

 そこで、私ども監査意見の中では、こういう地域との連携あるいは高齢化社会、高齢化が顕著であるという地域の特性を踏まえた高齢化社会での医療対策というのを地域として充実していただくと、そういう視点で見させていただて、この意見を書かせていただいたところでございます。

 一方、最後に少しつけ加えさせていただきましたが、今回、市町村合併も行われるという状況も踏まえて、さらに病院の役割なり機能というのを明確にしていただきたいというふうに考えておりまして、そういうお話も聞かせていただきながら、さらに趣旨に沿った適切な審査、監査をさせていただきたいというふうに考えております。

○大野委員 今年度、がんを撲滅するそういうようなプランを健康福祉部が出されました。それから、国民の死亡率の一番はがんなんです。そして、やっぱり県民が一番不安に思ってるのもがんなんで、だから、その県民のニーズに応えていくし、一番先端の医療をやっていくのは、私はやっぱり県立病院だと思うんです。だから、監査委員会も病院事業庁も、健康福祉部で出したがんをなくするあのプランというのが三重県の健康福祉部の大事な施策なんだと。政策なんだということを下敷きにして監査をし、病院事業庁が運営し、病院と連携しながら、病院はやっぱり今の一番の課題はがんですよと、がんの末期患者の方の苦しみをどう病院として応えていくかという、本当に真摯な姿勢だと思うんです。

 それを説明では長々していただくけれども、この文章の中には1行もないということは、私はやっぱり病院事業庁が重要な視点として頭に入ってない、入っとるのはそろばんだけだと思うんです。やっぱり私は県民の健康への不安を第一線で、一番先端の部分を支えていくのがいわゆる私は県立病院だと思うんです。やっぱりそういう意味で、監査委員会の方もやっぱり視点を少し―そろばんだけじゃなしに―県民の健康をどう支えていくんだと。それから、健康に対する不安に対してどう応えていくんだという、そういう視点から病院事業庁と監査委員会もひとつお考えをいただきたいという要望を申し上げて終わります。

○西場委員 今の問題につきましてちょっと関連いたします。

 これは、昨年の健康福祉環境の常任委員会の中でも大変議論になったことだと思います。そんな中で、県の健康福祉あるいは事業庁の考え方と、そして一志病院の考え方に大きなずれがあると、こういう中からその常任委員会が現地も見ております。そして、その中での緩和のあり方、今、大野委員、特にがんのことを言われましたけれども、がんのみならず、それ以外の病気についての終末医療のあり方、こういうものの必要性を現場で見せてもらう中で、この一志が今やろうとする調整について、これは必要じゃないかという委員会の議論がかなり盛り上がったんですね。

 そんな中で、委員会としてたしか文章での決議もあったかなとは思いますけれども、委員会で決議をして、この一志の緩和ケアを進めるようにというような決議までして求めたところであります。行政側としてはいろいろ厚生省の方の求めるところのがん病棟を中心とした緩和ケアの基本方針もある中で、一定の方向づけがありましたけれども、これを優先していくということがなかっただけに、今の大野委員のお話のように、これをあえてひとつ県のあるいは事業庁の方針として我々は求めて、そしてそれのもとに調整をしてもらうということになっておったはずだと思うんです。

 それが今回、これ程のまた大きな食い違いがあるということになれば、それは議会としてもこの話を聞き置く程度では済まないと。早速に事業庁、そして健康福祉部、そして一志が三者がお互いの腹の中を出し合ってこの問題を決着するように、少なくとも議会サイドといいますか、私にとりましては、常任委員会の求めたところについてこの方針をきちっと整理してもらうことを強く要望しておきます。

○松田委員 今、西場委員が言っていただいたことをちょっと申し上げようかなと、こう思っておったんです。一志の方の院長さん、思い切って言っていただいたと思うんですが、まず庁長の方のお答えの中で、これは要するに一志病院と庁長の中の問題でとこう言われたですけれども、これがそもそも大きな間違いと違うんかなと。

 一志病院と庁長との問題ではないですね、これは。決してそういうことじゃないと思うんです。もちろん県民等の問題もありましょうし、患者さんの問題もあるでしょうし、全体の問題だと思うんですね。ですから、この間も常任委員会で方向づけをした。僕も一回これ全協のときに―全協やったか、こういう場のときに申し上げたんですけれども、前向きにということを前言われたと思うんですが、ここでこういう問題出てくるということ自体、きちっと話し合われておるのかなと。それで今、三谷委員が言われたんですけれども、人材不足というのもこういうことを何回も繰り返しておって、現場が見ることによって人材不足というのも、これはこういうのは人材不足に結ばっとるのと違うんかなと、今お聞きをして僕思ったんですよ。

 一遍あやふやにせんと、きちっと話ししてもらいたいです。そして、どうなったかというのを一遍きちっと説明していただきたい、この問題は。どうでしょうか。

○渡辺病院事業庁長 今、お言葉返すようですが、私の認識としましては、先程も申し上げたように、一志でやるという方向で進めてきて、昨年の12月の議会からいわゆる総合的な緩和ケアをやったらどうかという話をいただきましたので、それを踏まえてやっぱり我々病棟整備だけを考えるんじゃなくて、もう少し考えようじゃないかということで、実は検討委員会もつくり、そこで議論をしておるというのが一方の方向でございます。

 そのことは一志病院とも病院長とも十分話しをしながら、そして現在の状況というのは、中間報告を出して、最終報告へ行くまでのちょうど今中間のところにおるわけですね。当然のことながら、一志で今取り組んでもらっとることはそのままでやっていただくということで、今やってもらっておるわけですけれども、そのこととあわせて今回の検討委員会の結果を踏まえて、病院事業庁としてどうするかということも当然考えていくわけですので、今の取り組みがとんざしとるということでは決してございませんので、そのことについての病院とのやり取りというのも、私はやっておるということで認識をしております。

 これから最終報告をいただいて、11月あるいは12月になるかもしれませんけれども、最終報告をいただいてその結果を受けて具体的にどういう形で緩和ケアの取り組みをするかということは、病院事業庁としてきちんとした方針は出させていただくつもりでおります。当然、そのときには県の健康福祉部とも、いろいろとおっしゃっていただきましたように、がん対策の中での緩和ケアというものをきちんと位置づけをしながらやっていくということでは考えておりますので、決して後ろ向きになってるわけでもございませんし、とんざしてる分ではなくて、一定の流れ、それが少し先程も申し上げたようにおくれているのかなというのは感じておりますけれども、方向としては決して間違っていないというふうに理解をしておりますけれども。

○松田委員 中間の時点だと、こう言われた。中間の時点から現場からこういう話が出るということで、結果品がいいもんができると私は思っておりません。もう少しコンセンサスをきちっととってやっていかな、やっぱりいいもん出てこんと思うんや。医療というのはやっぱり人、人の力というんでしょうか、そういうものが一番大切なことですから、モチベーションというのが一番大切だと思うんですよね。そのへんのところをやっぱり庁長はもう一回きちっと話し合っていただいて、モチベーションを高く持っていただくように一遍努力をしていただきたいと要望させていただいて終わります。

○萩野委員 こんな議論をしていて……。三重県の保健医療計画の中には、県立病院の役割として県下全域か、あるいは複数の医療圏にまたがる医療を提供するのが県立病院の役割だというふうに書いてあるんですよね。それで、この監査報告の13ページから14ページにかけて、これは市町村合併―今、監査委員も言われましたけれども―一つの診療圏になる。だから、県立病院のあり方を検討されたいと、こういうふうに書いてあるんですけれども。

 ということは、このような議論をしながら、方向としては複数の医療圏ではなくなるし、県下全域を対象とするのではなくなるから、方向としてはもうやめなさいよと。こういうことなんですか、これは。

○鈴木代表監査委員 一つの地域的な特色として申し上げましたが、私どもといたしましては県立病院それぞれがどういう目的で設置をし、どういう役割を果たしていくのかと、ここを常に明確にしていただくということで、基本的な考え方はそういう考え方でございます。

 したがって、今回、個々の病院で決算審査等をさせていただく中で、特に一志病院については地域の状況も変わってきておるということも念頭に置いた上で、今後のあり方をきちっと整理をしていただきたいということを申し上げたつもりでございます。

○萩野委員 病院事業庁長、それでええんですか。

○渡辺病院事業庁長 私どもとしましては、どちらかといえば今までは一志病院はまさに一志、特に一志郡の奥、美杉、あるいは白山ですね、ああいった一定の地域をやってましたけれども、今回仮に緩和ケアを一志の方で取り組んでいくということになれば、これはもう緩和ケアをやるのは私どものねらいとしましては、単に緩和ケアをやるということだけじゃなくて、そこで緩和ケアにかかわる人をやっぱり養成をしていきたいという、いわゆる人材育成ということを一番考えておりまして、そこで人材育成をしたものが県下にやっぱり散っていただいて、そして各病院での緩和ケアの取り組みを、そのレベルを上げていただくという、そういうのが一番主眼にしております。もちろんそれだけじゃなくて、相談であるとか、情報提供とかさまざまな機能を持ちましてやるということですから、それは単に一地域ではなくて県下全域を対象にしたものにしていくという、そういう方向は持っておるつもりでございます。決して一地域に限定するものではないということでございます。

○萩野委員 わかりました。つぶさんということやな。

○野田委員 よく似たというよりも、ここの監査のあり方でちょっと読ませていただいて気になることの5ページなんかのところを見ると、「県民の期待と信頼に応えるようサービスの提供」この中で県立病院ならではの広域を対象としてということで医療、高度・特殊・緊急・災害医療のこういうずっと並べとること自身が県立病院の役割の大きなところは、やはり不採算部門も含めて医療サービスをきっちりやると、これが県の医療部門としての役割じゃないかと、こう明記しとるんですよね。

 病院事業庁としてはやはり病院の健全化、この件に関して十分検討していただくということはいいとは思うんですけれども、こういう体制の中でやはり医師不足、看護師不足といったそういった環境を、それを健全化を進めることによって悪化させとるんじゃないかという分析がないんですよね。僕はある程度そういったこともあるんじゃないんかなというふうなところで、やはり現場サイドのところをもう少し見ていただいて、監査の意見というものをしていただきたいなというふうに思うんですね。

 そういうことがあれば、やはり今、院長先生らが自分の気持ちを吐露していただいたんですけれども、そういったことが十分事業庁の方とコンセンサスがとれてできるんじゃないかな。やはり、そういう経営面だけのことだけを全面的にやるというのはいかがなもんかなと。もう少し現場のそういうこともしっかりと考えた中でやっていただきたいなというふうに思うんですけれども、このへんについて監査の方での見解はどうでしょうか。

○鈴木代表監査委員 一般論になってしまうかもわかりませんが、それぞれの病院の役割なり、県立病院としての機能なりというのは中期計画なり、あるいは今回の3カ年間の計画の中で、それぞれ病院の方でもご議論をいただいておるというふうに考えております。その目的に沿って、事業がきちっと展開されているかどうかというのを、私どもは見せていただくということになろうかと思います。

 したがいまして、本来の役割なり機能に沿って適正かつ効率的に病院事業が進められているかどうかを見せていただくと。その中で今委員からお話しのがあったような、じゃあそれが経営に対してどういう影響を与えているのかというふうな点につきましては、それぞれ私ども決算審査の役割として見せていただくということになろうかと思います。

 そういう意味では、例えば野田委員の今のご発言の中に、県立病院の役割の中では大きな経費負担も当然起こってくるというふうな側面もあるじゃないかということも含まれておるかと、私勝手に解釈をさせていただきましたが、そういうことから例えば一般会計からの繰り入れとかそういう議論もあろうかと思います。これらについても病院事業庁と、あるいは財政当局の方と議論がされておりますし、常に本来目指そうとしておる方向に沿って、そういう仕組みなり見直しが適正に行われておるかどうかということは私どもも問題提起もさせていただき、またその内容については教えていただくというか、審査をさせていただこうというふうに考えております。

○野田委員 例えば9ページのところで、看護師不足で1病棟が休止状態になっている。こういう状況だけを示すんじゃなくて、じゃあなぜこれを、この医療スタッフを安定確保するためにこういうことがあるべきじゃないのかということをやはり分析していくべきじゃないのかと思うんですね。それを「経営改善を図られたい」だけで、ただデスクワークだけのもう相手任せ、「いや、ここが問題じゃないのか」ということも含めて、やはり監査としての立場としての意見が入るべきじゃないのかというふうに思うんですよね。そのへんが少し欠けてるんじゃないのかなというふうにちょっと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それと、あとやはり今病院事業庁としても何をやっていくかということに対しては、医師不足、看護師不足も含めても、やはり医師の場合ですとやはり技術力とか新しい先進的なところも含めて、全体的に自分で学びたいというところがあれば、たとえ報酬が低くても勉強のためにやるんやといえば集まってくると思うんですよ。そういうところが、今欠けてるんじゃないんかと。三重県の医療行政としては欠けてるんじゃないのかなというふうなご指摘が皆さんからあったというふうに、僕も今思いますし、去年ちょうど僕委員長でしたんで、あれの。

 そのときには委員会の報告の中で、付帯意見として決議に近いものを―先程西場委員もおっしゃいましたけれども―上げたというふうに認識してますんで、十分よろしくお願いしたいなというふうに思います。その点に関して病院事業庁の再度のご答弁をいただきたいなと思うんですけれども。

○渡辺病院事業庁長 前段でおっしゃっていただいた医師の問題につきましては、私どももそれは強く認識はしておりまして、具体的な取り組みとしましては、各病院でそれぞれの持ち味を生かした研修プログラムをつくりまして、できるだけ来ていただく研修医の方たちにしっかりと学んでいただけるようなそういうものをつくろうということで、現在取り組んでおります。

 今後もやはり医師をやっぱり確保していくということからいきますと、そこの研修病院へ行ってレベルアップができるかどうかというのは、これ物すごく医師にとっては大きな話なんですね。給与面よりも恐らくそちらの方が大きいんかなというふうに思いますけれども。そういう意味では一番大事な点だと思ってまして、今も研修プログラムを検討して取り組んでおるところでございます。その点はもうおっしゃっていただくとおりだと思います。

 それから、去年の―決議といいますか―ことにつきましては私どもも重く受け止めておりまして、決してその取り組みをおくらせているつもりもございませんし、とんざさせているつもりもございませんで、先程から申し上げてるように、検討委員会での検討結果をいただきながら、実施するというんか、推進するという方向で取り組んでおりますので、そこはぜひご理解をいただきたいというふうに思います。

○西場委員 それは、今、庁長理解しとるというようなお話ですけれども、やっぱり基本的な大事な部分で一志病院と大きなずれがあると思うんですよ。それは一志病院のこれをモデルにして全体的な三重県の緩和ケアに資するようなというような思いでおりますけれども、一志は一志としてこの病院にかけてどうするかという思いで今取り組んでおるんでしょう。そこの差が大きいじゃないですか。それは効率性や経営状況で両病院、あるいは事業庁にしても大きな枠組みの中でどうしようかということを考えてみえるから、それはやむを得ないところは形としてはあるにしても、しかし、これ程重要な問題に関してボタンのかけ違いでスタートしていったら、この問題はどんどん深まるばかりですよ。

 今日は行政の方の、健康福祉部の方の方針は伺えないですけれども、これも国の方針を受けてがん病棟のモデル的なものを第一義にしながら方針を持っておると。だから、三者が三者ともこの方針の中できちっとした意思疎通もないままに、今進んどるのが現実だと思う。それは議会として見聞きしたから、今旧の委員長が言ったように、その方針をきちっとこうしてほしいという議会側の意思も伝えてあるはずなんだよ。

 だから、今日は総括ですから、これからまた分科会で詳細な審査に入るんですけれども、それまでにはもう一度この問題についてきちっとした三者の協議なり、あるいは議会側に対してのいろいろ報告がなければ、こんな状況の中でこれ決算審査というのは非常にやりづらいと思いまして、ぜひとも委員長にお願いしたいと思いますが、これは正副委員長あるいは分科会の代表とも相談していただいて、この問題について詳細な審査にかかるまでに三者なり部内協議をして、そして議会側にこの問題についてもう少し整理したような形の中での方針、回答をいただくようにしていただきたいと思います。

○杉之内委員長 今の意見につきましては、理事会を持って検討し、結論を出していくようにいたしたいと思います。

 なお、委員長の方から申し上げますが、病院事業庁長、今いろいろと意見が出ました件、検討課題として結果を早急にということでもございますので、これ10月11日、12日にそれぞれ分科会がございます。その方向性の中でしかるべく結論が出れば大変いいなと思いますが、ひとつ十分早急に検討して早く出していただきますように、私からもお願いをしておきたいと思います。

 よろしゅうございますか。

 なければ、これで病院事業庁関係の説明及び説明に対する質疑を終了いたします。

 当局には大変ご苦労さまでございました。

 暫時休憩をいたします。

 なお、再開は1時からといたしますので、よろしくお願いいたします。

(休  憩)

 2.企業庁関係決算審査

   ●認定 第1号   平成16年度三重県水道事業決算

   ●認定 第2号   平成16年度三重県工業用水道事業決算

   ●認定 第3号   平成16年度三重県電気事業決算

(1)当局から資料に基づき補充説明(井藤企業庁長、秋月監査委員 説明)

(2)質疑

○杉之内委員長 以上で、企業庁関係の決算補充説明及び決算審査概要説明を終わります。

 それでは、ただいまのご説明に対してご質疑のある方は、発言を願います。

○三谷委員 監査委員の方にちょっとお伺いしたいんですが、12ページから13ページにかけまして、工業用水道事業について書いていただいてます。特に13ページの未利用水源の有効活用と、これ非常に大きな課題とこう思っておりまして、全く今のところ見通しがついていないというのが現状だと思います。その中で、今回「未利用水水源の有効活用について」という欄で上から7行目、「水資源関係部長会議がありますが、企業庁としては関係部局と連携して他用途への活用など有効利用方法を検討するよう働きかける」とこう書いていただいておりますが、他用途への活用等は法的な規制等もあってなかなか難しいところがあるんですが、監査委員としては具体的にはどういうことを想定して、こういうふうな提言をされているのか、ちょっと教えていただきたいと思います。

○渡辺監査監 長良川等の未利用水がたくさんある中で、一つの方法として例えば以前は農業用水とか、あるいは今回も渇水時の水道用水への転用とか、そういったいろいろな方法も含めて、関係部長会議の中で一つの方法として検討していただきたいということで、監査委員としてこういう方法があるよというところまでは、具体的なことまでは提案はしておりません。一つの方法としてご検討くださいということでございます。

○三谷委員 これ水利権等の問題等も複雑に絡んでまいりまして、三重県の中だけで解決できるような話では恐らくないと思うんですよ。もしここでこういう監査意見をこういうふうに書かれるならば、他の関係の自治体ともよく協議をして、一定のそういう未利用水の有効利用を図るべきだというふうに記述をされるべきであって、県内、三重県の中だけでの解決を模索するような提言のあり方はいかがかと思うんですが、いかがですか。

○渡辺監査監 確かに長良川の水については過去に愛知県ですか、そちらの方と振りかえた経緯もございますし、三重県だけで解決できないこともあろうかと思いますし、水利権の問題、非常に難しい問題もあると思いますが、一つの方策としてということで上げてございますので、確かに結果としてはそういう方法はないということになるかもわかりませんが、一つの提言として受け取っていただけたらなというふうに考えております。

○三谷委員 結果としてないというようなことまで想定されて提言をされるというのは、僕はそれこそいかがかと思いますけれども、やはり同じ監査委員会としてこういうふうな申し入れなり提言をされるということならば、やはりそれなりの可能性のあるというか、それなりの裏づけがあるというか、そういうものを、しっかりとしたものをやっぱり提言していかないと、特に工業用水道の未利用水の有効活用というのは非常に大きな課題なだけに、やっぱりしっかりとしたものを僕は出していただきたい。要望しておきます。終わります。

○野田委員 監査委員にちょっとお尋ねしたいんですけれども、16ページのところで、上の2行目からのところで云々というのがある、「このため」ということで4行目のところ「今後、負担額を精算する場合には」ということでなっとるんですけれども、「事故原因や責任の所在を見きわめた上で責任割合を明確にして適正に処理するとともに、説明責任を十分に果たされたい」ということで、この説明責任というのはどういうふうな認識の中での説明責任なのか。ちょっとどこまで考えたらいいのかわからないもんですから、監査の立場としてどのへんまで認識してるのか教えていただけたらと。

○秋月監査委員 当然、この場合お互いに難しい問題があると思いますけれども、やっぱり県議会に対しても、もしくは県民に対してもわかりやすくなるような決め方をしていただきたいと、こういうことでございます。

○野田委員 それで、企業庁の方から出してあるので、32ページに企業庁の考え方が書いてあるんですね。その中で、「現時点において、警察の捜査等が行われている状況の中で、どのような解決方法がより適切であるかについて、法律の専門家とともに相談しながら判断していく」これは法律的なものの判断だけで説明責任が済むのかというのが、僕の個人的な認識なんですね。それはやっぱり動機的なものも含めて説明責任というのが要るのかなというふうに思うんですけれども、このへんについての企業庁の考え方として、とらえ方、これはどうなのかなというふうに思うんですけれども、もう少し結果が出なきゃそういうふうな適切な判断ができないとか、法律のもとででしか判断ができないというような企業庁の考え方でよろしいんですか。これも両方にちょっと答えてほしいんですけれども。

○井藤企業庁長 私どもの方につきましては、まず前段に委員がおっしゃいましたように、まだ警察の方の捜査も進んでおりませんし、結論出ておりませんので、具体的にどこがどういう原因でどういうふうに事故が発生してこういうことになってしまったんだということが、きちっとやっぱりわかった上で、それじゃそれの原因は何だったのかと。だから、どこに責任があるんかということがきちっとある程度把握した上で、しかもそれは法律に基づいて、その責任に基づいてどういうふうにきちっと区分して、それぞれが負担していくんかと。そういうところをきちっと法律的にはしていく必要があると。

 一方、委員のおっしゃるように、そもそもこの施設は県の施設であるというところの根本的な問題というんですか、根本的なことも当然それは政治的な判断として最終的には我々としましても、また知事としましても、そういう判断は当然必要になってくるというふうなことは思っておりますので、一方、何もかもすべて法的に基づいてこういうふうに処理するということではございませんでして、もとはやっぱり責任の度合いによりまして、するべきことはきちっと整理した上で、やっぱりそういうことも判断すべきだというようなことでございます。

○田村監査委員事務局長 先程の野田委員のご質問でございますけれども、先程企業庁長から説明がございましたように、精算をするためにはかなりさまざまな問題、あるいは利害が絡む問題が多かろうと思います。ですから、当然事故原因というものがはっきりしなければ、双方が納得できる、あるいは議会や県民の皆様にご理解いただけるような解決方法は難しかろうと思いますので、当然それらのことを前提にいたしまして両者で責任割合を明確にして、正しい―正しいというか―妥当な処理をしていく必要があるというふうに考えております。

 以上です。

○野田委員 ということは、法的な判定というんか、判断が下されなければこういう説明責任ができないというふうに最低限は考えておるということですね。それまでのそういう説明責任も十分必要なんじゃないかなというふうにも思うんですね。そういう意味で、僕は動議的な説明責任というものもあるだろうというふうに判断しておるんですけれども。

○秋月監査委員 監査委員といたしましては、決算書には事故に伴う損害額を反映すべきですが、それはきちっと事故責任や説明責任がはっきりしないことには決算書にできないわけですね。お互いにいくら持つかわからない。その結果、決算書をこういうふうに出すときにはそれが説明できるようにしようという意味で、動議責任を説明しろとか何とか、そういうことを私どもとしては全く申す立場にはないと思っております。

○田村監査委員事務局長 16ページにありますように、「負担額を精算する場合には」ということで、負担額の精算についてということを監査委員としては申しておるわけでございます。

○野田委員 わかりました。動議的なところを含めての責任というのまでは言うてないということで、決算におけることの認識としての対応をということですね。わかりました。

 ただ、企業庁の方に申し上げたいんですけれども、なし崩しに説明責任に対しては説明が十分されてないままここで終わっていくということは、これはあり得ないことですんで、しっかりとこういう結論が出ないままにでも、出ないうちにでもやはりこういうふうなことでの考え方、また中間報告も含めてちゃんとしていただきたいなというふうに思います。よろしくお願いします。

○森本委員 深くはまた別の機会にあれして、ここに上げられてる問題に限ってちょっと監査委員の方に質問したいと思うんですけれども、この6ページの「計画的な建設事業の推進」ということで、いわゆる「北勢系第二次拡張事業の工事の実施に当たっては計画的な推進に努められたい」ということですけれども、今でもフルプランで水道については工事がやられておるんですけれども、送水管においては50%進んでますよね。事業費にすれば30%ぐらいだろうと思うけれども。これはどういう意味なのか。例えばいわゆるまだ確定してないのに余分な工事をすべきでないのかという指摘なのか。例えばもう一つはいわゆる長良川河口堰においては、今、千本松原で取っておるんですよね。あれはそういうふうな水資源機構か、あれとの約束では5キロなら5キロ以上になってない、もっと下流で取るようになっておるんだし、それで、取水口もあれ恐らく今つくりゃ100億円からそこらのものが、取水するための施設が要るんだけれども、そういうものは事業が確定してからやるべきであるか。そういうような指摘なんですかね、この4番の指摘は。

○田村監査委員事務局長 全部給水開始時期が当初の計画から、当時の予定市町村で延伸の申し入れがありまして、延伸をしているわけです。当然、企業庁としましては当初の計画どおりスタートはしましたけれども、そういう状況を考えながら、今もう既に、給水開始時期を念頭に入れて工事を進めていただいてるわけではありますけれども、さらに17年度、本年度受水予定の市町村との調整が行われるということでございますので、当然準備は必要になりますけれども、どんどんやってしまってずっとそれがむだになるというようなことがないようにという趣旨で申し上げております。

○森本委員 そしたら恐らく、企業庁へ改めて聞くけれども、そういう監査、もうどんどんいわゆる結論が出るまでにこういうような工事を進めるなというふうな監査の指摘を受けて、じゃあ17年度はもう全然この北勢系第二次の拡張工事についてやってないわけですか。

○井藤企業庁長 17年度も一部工事を実施する予定をしまして、一部また実施しております。といいますのも、一応平成23年から全部―最終的な水量によります全部給水を開始するということを予定しておりますので、それに間に合うようにということで、やっぱり年度別に少しずつでも工事ができる部分は最小限工事をしたいということで進めております。

 それにつきましては、まず私どもの方が一方的に工事をするんでなしに、市町村とも十分協議した上で、特に道路改良とか河川改良におきます土壌施工ですね、この部分につきましてはできるだけやっぱり手戻りが出ないように、河川改修なり道路改修と同じときに管を埋めておくという必要もございますので、そのようなことも含めながら市町村と協議しながら、できるだけ工事は最小限にして実施しとるという状況でございます。

○田村監査委員事務局長 ちょっと言葉足らずであったかと思いましたので。工事を全く進めるなということを申し上げているのではなくて、先行というか、見通しを立てて当然準備をするべきところはしなければいけないわけですけれども、あまりに先行とか過大な投資を先にしてしまいますと、結局、最終的には水価にはね返ってまいりますので、十分そのあたりの調整をとりながら計画的に進めるというようなことを申したので、決まるまでは一切やってはいけないということを書いたつもりはありませんし、もしそのように聞こえましたらちょっと訂正させていただきます。

○森本委員 わかりました。だから、お互い内輪同士の何かもたれ合いみたいな気がするんだけれどもね。例えば、今この北勢系は工業用水のパイプを使っているんですよね。本来は播磨の浄水場まで持っていくあれは当然上水道ですべきであって、今こういうような工業用水のパイプをしていくっていうのは、やっぱり本来はそういうのはイレギュラーなんで、やっぱりそういうふうな形のものはしていかなきゃならんし、ただ、13%しか需要が発生してない、見込みがないのにフルプランでやるということ自体が、そこらのところも僕は問題あるんで、もう少し掘り下げた指摘がほしいと思うし。

 もう一つ、この同じ6ページで「RDFの性状についてはいまだ不明な部分もある」というのは、これどういう意味ですか。6ページの監査報告。

○秋月監査委員 まだその性質のメカニズムがはっきりしてませんので、全くのRDFそのものの性質の勉強をもっとせないかんという意味で書きました。

 以上であります。

○森本委員 まだ補足があるなら補充してください。今の監査委員のあれについてちょっとあれがあるんで、もし補足があるなら。なければ言いますけれども。

○田村監査委員事務局長 やはり予期せぬというか、予定以上の一酸化炭素発生とかというような事態もございますので、まだきちんと解明されていないというふうに監査委員としては理解をしていただいております。

○森本委員 それについてどうですか。企業庁の答えは。今のあれについての。

○井藤企業庁長 新しい技術を使った新しいこういう施設でございますので、100%解明されておるというところまでは至っていないとは思っております。ただ、事故調査委員会の方でいろいろやっぱりRDFの発熱・発火・爆発に至る経緯を調査していただいた中で、それらのどういうメカニズムでそういうふうに至ったかという点は―想定も一部入っておりますけれども―ある程度解明されておりますので、例えば水分が多く含んだら当然発熱しやすくなりますよとか、そういった部分につきましてはある程度もう解明されておると思います。

 したがいまして、現在の受け入れ検査につきましても、事故調査委員会での結論というんですか、そこで解明された部分について適合しておるかどうか、例えば大きさとか粉状になっていないとか、水分の量とか温度とか、そういったものを検査して現在やっておるというところでございます。

○森本委員 よろしいわ。よろしいけれども、きのうの質問に対する答弁でも、毅然とした態度で業者に臨んでおるというんだけれども、やっぱりいろんな状況を見とると、そこらのところがやっぱり勉強不足なんじゃないかと思うわ。いろんなあれがあって言わないということじゃないんだろうと思う。例えば、きのう質問した二次過熱機の問題の現実についても、富士電機はごみの中に塩素量が多かったとかいうのは、そんなもん理屈言っとるけれども、ごみの中に当然塩素があるということを、そういうこともどの程度あるかというのは企業側の努力としてそういうものを把握した上で、こういう機械なりパイプをつくらなきゃならん。それに対してそういうへ理屈を、予想以上に多かったというようなことを言わすような状況はだめだと思う。だから、もう少し今監査の指摘じゃないけれども、もう少しやっぱり集中的に勉強していく必要あるんじゃないのかなという気がします。

 もう一つ、7ページの7番の合併後の一つの市の中で包括的にどうのこうのと言ってたけれども、これ志摩市なんかのことを書いてあるけれども、ここの意味は「県営水道用水事業のあり方を新しい市と協議しながら検討していく」というのは、これどういう意味ですか。志摩市の場合は。

○田村監査委員事務局長 志摩市もそうでございますけれども、伊賀の……。

○森本委員 いやいや、伊賀はいいんです。志摩だけでいいんです。

○田村監査委員事務局長 志摩水道に関しましては、志摩市ということになりますので、今後とも県がやっていく場合、あるいは市が中心になる場合、あるいはもっとほかの場合もあるかもわかりませんけれども、市とよく協議をしてどういうやり方でやっていくのかということを検討してほしいということを申し上げております。

○森本委員 ちょっとこの指摘が的を射てないような、僕がよくあれなんだろうけれども。この志摩の県営水道用水というのは神路ダムから恐らく供給しとるんだろうし、蓮ダムの水を持っていっておる―自流域の貯水というのはあるでしょうけれども。そういうふうなことで、全体を蓮ダムから引っ張ってくるようなものを県営で考えどうのこうのというのは、ちょっと指摘としては的外れなような気がするんだけれども、そこらどうなのかな。もっと違った意味でとらえとるんかな、企業庁としたら。

○井藤企業庁長 その点につきましては、今委員のおっしゃられた神路ダムから、いわゆる旧志摩水道分だけを限定してとらまえてやっぱりやっていくべきだろうと。南勢水道分につきましては当然県営で、仮に南勢水道がそのままでしたら、当然、私の方がやっていく。そういう意味です。

○森本委員 了解。わかりました。もう終わります。

○中嶋委員 さっきの志摩市の水道の話については、ちょっと私いまひとつよくわからなかったんですけれども、結局企業庁としては志摩市旧、いわゆる蓮から取ってない部分のもともとあった部分について、どのような方向で志摩市と協議しようというふうにお考えなんでしょうか。

○井藤企業庁長 結論としてどういう―市の方に一元化するのがいいとか、いろんな手法としてはいろいろありますけれども、私の方として今こういうふうにしたいとか、そういう決定はまだしておりません。ただ、そもそも厚生労働省の指導といたしまして、水道というのは市町村の事業であると。したがって、水源から蛇口まで一体として経営運営していくんが一番理想なんだというのが、やっぱりこれまでの国の方の考え方でございます。したがいまして、その考え方を受けまして私どもの方も1市になって、今まで広域的でやっておったもんはもう1市になったということで、それなら1市の水源から蛇口までやる手法も当然考えられるわけですから、そのへんについてこれから議論してお互い勉強していきましょうというような、現段階ではまだその程度でございます。

○中嶋委員 その点についてはわかりました。

 別の話なんですが、昨年の決算のときだったかもご指摘させていただいたんですが、RDFの事故を受けて、その補償とかについて電気事業会計で見るところの部分について、富士電機システムズと2分の1ずつというのを明確にするために、工業用水道会計から借り入れをされてますよね。監査の方もその指摘をされとるんですが、これ金利負担というか、利息負担というのはどれぐらい発生してるんでしょうか。16年度決算で。

○南経営分野総括室長 16年度で、工業用水道事業会計から借り入れ利息は約250万円ぐらい入っております。

○中嶋委員 この250万円というお金というのは、県民から見れば本当に電気事業会計として持ち出さなきゃいけなかったもんなのかというのはよくわからないんですよね。やっぱり去年もご指摘させていただいたように、なぜ電気事業会計の中でその分だけ明確にするという、それでこういう250万円という工業用水道会計を救うという面においては少な過ぎますし、かといってこの250万円が責任割合が決まったときに、これまたRDFの処理費にまた上乗せされていくんじゃないかというふうな、どうもこの250万円発生した会計のやり方というのはやっぱり腑に落ちないんですけれども、監査のご指摘に対する回答でもその部分については十分な説明がされてないんですが、なぜこのような会計処理をするのか、もう一度明確に説明を願いたいんですが。

○南経営分野総括室長 この市町村のごみ処理の増嵩経費と申しますのは、事故に直接起因する経費というふうに私ども考えておりまして、最終的にはやっぱり事故の原因者に損害賠償請求をする経費というふうにも考えております。それで、富士電機と企業庁とが現時点でどういうふうに負担するか。企業庁が全部持つか、あるいは富士電機が全部持つかという話もございましたんですが、とりあえずそういう経費で整理をするということで、支出は当面2分の1ずつというふうにすることにしました。

 会計内の処理をどうするかということにつきましても、電気事業会計でやるかということでございますが、電気事業の中でも附帯事業と水力とは明確に区分をされているというところでございまして、水力の金を使うということではなくて、いずれにしても水力から附帯事業へ借り入り入れてくるというふうな資金繰りになりますので、そこのところを明確にする経費だろうということで、この経費については工業用水道事業会計から借り入れをして、それから市町村のごみ処理増嵩経費として支払った分というのを明確にするという意味で工業用水道会計から借りております。

○中嶋委員 水力と工業用水ってどっちも水ではあるんですが、何で水力の会計の方で電気事業会計内で借り入れるというか、資金繰りをすることがだめで、工業用水道会計から借りなきゃいけないのかって、今全然説明になってないんですけれども、もう一回説明してもらえますか。

○南経営分野総括室長 その当時の整理をする中で、明らかに企業庁が負担する経費という区分をしにくいというところで、電気事業会計ではなくてほかのところで後々この経費の分担はもう一度整理をする、後々整理をする経費ということで、特出しでしたということでございます。

○中嶋委員 何で毎年250万円、何のための利息というか、投資的な、投資した分についてお金を借りて、それで利息が生じてそれを払わなきゃいけないというのはよくわかるんです。だけど、この250万円出してるお金というのは、何の将来の投資にもつながらない250万円ですよね。かつこの工業用水道の会計の方で5億2,000なにがしかの長期借り入れを電気事業会計の方でしてなかった場合を考えたときに、明らかに機械費用というのが生じてると思うんですね。そういう面でも、私はやっぱりこの会計方式というのは、どう考えても合点がいかないんですけれども、その点について所見があれば。

○南経営分野総括室長 先程からも申しておりますように、最終的には損害賠償として―私どもが原因者でなければそちらの原因のあった方へ請求していく経費というふうに考えますと、利息分も含めて請求をしたいということもございますので、利息分も明らかになるように他会計でさせていただいたという趣旨がございます。

○中嶋委員 三重県というか、企業庁に責任がゼロだったらそれはよろしいですわ。まだゼロになるかどうかわからない段階で、企業庁としても責任がもし発生した場合、その分の金利負担は誰が持つんですか。企業庁と違いますの。

○南経営分野総括室長 そういうふうになった場合にはもう一回、要するに電気事業会計の中で整理をする必要があると思います。

○中嶋委員 そういうことをすることの意味があるんですかということが、私やっぱりわからないですね。ここで監査がご指摘いただいてるように、十分な運転資金がある中でわざわざそんなつくらなくていい250万円という、明らかにしとかなきゃいけないために250万円もの利息をつくってるというのは、やっぱり会計の処理の仕方として私はおかしいと思うんですが、監査の方のご意見を一度お伺いしたいんですが、私が申し上げてることというのはむちゃくちゃ突拍子もないことを言ってるんでしょうか。どうでしょうか。

○秋月監査委員 別にむちゃくちゃ突拍子もないことをおっしゃってるとは思いませんが、当然これから話し合いせないかんわけですから、その金利分をはっきりしときたいという意図はいくらか理解できないことはないとは思っておりますけれども。

○中嶋委員 いろんなとりあえず支払った補償というか、ごみ処理費用について、そのごみ処理をしなかった場合には確かに企業庁として何らかの投資をして得られたはずの利息というか、得られた利益に対する利息というんですかね。そういう意味合いで、この250万円なにがしかを毎年工業用水道会計の方へ返していくという点については、やっぱりちょっと私は理解できないですね。そういうことまでして、利息分を明らかにする必要があるのか。これ電気事業会計の中で処理しとったら、そういう利息負担分なんていうものは発生しないわけですよね。250万円を発生させるだけの意味合いというのが、私は到底ちょっと理解できないところなんで、この点について最後になりますけれども、もう一回ご所見あれば教えてください。

○南経営分野総括室長 先程からも申しておりますように、利息を発生させなくて自分ところの経費ということになると、そのへんも含めて私どもの自己責任を今の段階で認めるに近いというところもございますので、これはやっぱり事故原因について私どもが直接の原因者かどうかというところでまだ争うところがあると思いますので、そのへんを明確にしたいという意図でございます。

○中嶋委員 これでやめますけれども、私は電気事業会計の中でちゃんとここに、監査のご指摘のように附帯事業そのものの貸借対照表も含め明らかにすることで十分事足るんではないかなと。工業用水道会計から借りてくるということによって、おれたち企業庁ばかりが今回のRDFの爆発事故の責任を持ってるんじゃないよということには、私はならないというふうには思いますので、このへんについてはまた分科会の方で十分ご議論いただくようにお願いさせていただいて終わります。

○舟橋委員 監査の12ページの上から6行目の「委託後に生じた支障等」というのはどういう内容か具体的に教えてもらえますか。12ページ、上から6行目ぐらいです。

○渡辺監査監 企業庁のいろいろと事情を聞かせていただいている中で、民間委託に伴う問題点ということで、受託業者の経験不足によってちょっと水の品質の悪いものの発生があったとか、あるいは薬品費のコストの関係、それとか一番具体的な問題といたしまして、民間委託を受けたところの方からやはりふなれなこともありまして、企業庁の担当職員の方へ休日とか夜間にいろいろ呼び出しとか連絡があったと、そういったことで、これは一つなれていないというところもあったのかわかりませんが、そういういろいろ運営上の円滑にいかなかった支障があったというふうに聞いております。

○舟橋委員 その前の「受託者の経験不足や企業庁職員の技術継承等の課題が残っている」というのを受けてきた「委託後に生じた支障」というふうに文章を読めばいいんだろうなとは思ってはいたんです。これをばさっと正規職員から民間委託に数年前にしたわけですね。そのときに私の方からも「水道というのは命の水なんだから、十分危機管理も含めて気をつけてくださいよ」という話をさせていただいたら、マニュアルつくるとか、トレーニングするとか、いろんなお話をいただきました、当時企業庁から。結局、大きな事故にはならなかったけれども、「指摘どおりのことが起こったよ。気つけなさいよ」と監査から言われたんですが、もう一方の企業庁の方からはこのページの回答が何も書いてないんですけれども、ちょっと考え方聞かせてもらえますか。

○井藤企業庁長 ご指摘のとおり、監査の方からもご指摘いただきましたけれども、若干のトラブルがございました。当時は、私の方としても既に工水では一年間の経験がございましたし、十分対応できるだろうと。しかもマニュアルをつくって、1カ月程度でしたけれども、職員と民間の受託者さんとが一緒になって運営していくと、そういう訓練もしまして、これでまず大丈夫だろうと思っていたと。ただ、若干その点につきましては見通しが甘かったといいますか、若干のトラブルがやっぱり出てまいったということでございまして、したがいまして、今後委託を仮に拡大するようなことがありましたら、そのへんも含めまして、十分対応していきたいというふうに考えております。

○舟橋委員 事、命にかかわる水問題ですから、十分―今回は軽く済みましたけれども―きちっとしてほしいと思いますし、今、庁長から言われましたように、監査の方からいろんなところでも民間委託という言葉が羅列されてますんで、今後またこういうことが起こらないように、指摘を受けないような対応だけはしていっていただきたいなと要望して終わります。

○竹上委員 5ページの(2)の、意味が実は余りようわからんのですよ。読んどってわかるんですけれども、最後の「環境変化に対応した適切なサービス供給方法のあり方等について検討されたい」というのは、今検討しとるんですな。企業庁はね。せいぜいやってるんやけど、この「環境変化に対応した適切なサービス供給方法のあり方等について検討せい」と言うとるんですわ。これどういう意味ですか。

○秋月監査委員 いろんな公営企業が民営化とか議論があるわけですけれども、これからだんだんそういう民間活力を利用するとか、民間がやる方がいい、委託をした方いいといろんな議論が出てくるわけですね。国でもやっておりますけれども。そういうことをよく考えて一番いい方法をとりあえず一遍やっぱり考えないかん時期に来てるんじゃないですかと、こういう意味でございます。

○竹上委員 ということは、既にやってます。今やってますわね。これそれをやっとるんと違いますの。企業庁の方はそれをやっとるんじゃないんですか。

○井藤企業庁長 そういう経営のあり方も含めて現在検討しております。

○竹上委員 ということは、この監査の指摘は何を言わんとしたんかなと、いまだにようわからない。実はちょっとよくわからんな。

 それともう一つ、この(2)の指摘自体がもともとの決算のところの指摘とどう関係あるんやろうなというのが、少し僕には何でかなという非常にわかりにくいんですよ。どうしてここのところで民営化・規制緩和云々の、これの事業経営に関しての話としてとらまえたらええのか。そうではなくて、既に企業庁いろんなことをやってますから、その中の事業をやっとる中の一つとしてそれを考えるのかですね。どういったとらまえ方でここの指摘があるのかなというのも、ちょっとあわせて教えてほしいんですけれども。

○秋月監査委員 私も去年から監査委員やらせていただいてるんですけれども、やっぱり財政全体が大きくなっているところから、だんだん財政全体が小さくなっているところへ来てると思うんですね。本来公営企業でやるべきことと民間でやるべきことというのは、いろんな意味で抜本的に見直さないかん時期に来てると思うんです。もちろんそれでどっちがいいかということは我々の意見することではありませんけれども、そういう問題については世の中の動きを含めて、やっぱり財政規模は小さくなっていく。税金が減っていくと。こういう事態の中で現在やってることをそのまま踏襲していいだろうかという疑問は絶えず持っておりますので、そういうつもりで意見をつけたつもりです。

○竹上委員 要するに……。この指摘が僕にはいまだにわかりにくいのは、そうすると、今やっとるやつは引き続き頑張ってくださいよという指摘やということでいいんですね。

○杉之内委員長 何かわかったようですな。よろしいですね。

 ほかにありませんね。よろしいですか。

          (「なし」の声あり)

○杉之内委員長 なければ、これで企業庁関係の説明及び説明に対する質疑を終了いたします。

 本委員会に付託されました予算案及び予算関連議案、並びに決算認定議案につきましては、お手元に配付の資料のとおり所管の分科会で詳細審査を分担していただきますので、よろしくお願いをいたします。

 なお、今後の日程についてでありますが、10月11日から13日には予算決算特別委員会の各分科会を、10月17日には分科会委員長報告及び採決、並びに県政運営方針(案)及び当初予算調整方針について調査を行う委員会を開催いたしますので、よろしくお願いをいたします。

〔閉会の宣言〕

以上、会議の要綱を記し、ここに押印する。

平成17年10月7日          

予算決算特別委員長  杉之内 昭二

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