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三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成18年度 委員会会議録 > 平成19年3月2日 予算決算特別委員会 会議録

平成19年3月2日 予算決算特別委員会 会議録

予算決算特別委員会

会 議 録

(開 会 中)

開催年月日   平成19年 3月2日 自 午前10時 3分 ~ 至 午後 3時 2分

会議室   全員協議会室

出席委員   40名

委 員 長

永田 正巳 君

副委員長

西塚 宗郎 君

委  員

中村  勝 君・稲垣 昭義 君・北川 裕之 君・舘  直人 君・末松 則子 さん・中嶋 年規 君・日沖 正信 君・前田 剛志 君・清水 一昭 君・竹上 真人 君・青木 謙順 君・中森 博文 君・前野 和美 君・水谷  隆 君・岩田 隆嘉 君・藤田 泰樹 君・田中 俊行 君・田中  博 君・大野 秀郎 君・福田 慶一 君・桜井 義之 君・舟橋 裕幸 君・三谷 哲央 君・中村 進一 君・貝増 吉郎 君・野田勇喜雄 君・山本  勝 君・森本 繁史 君・吉川  実 君・萩野 虔一 君・辻本  正 君・島本 暢夫 君・橋川 犂也 君・山本 教和 君・杉之内昭二 君・西場 信行 君・中川 正美 君・岩名 秀樹 君

欠席委員    0名

出席説明員

知  事   野呂 昭彦 君

副 知 事   望月 達史 君

出 納 長   土橋 伸好 君

その他関係職員

[政策部]

部  長   村林  守 君

東紀州対策局長

坂野 達夫 君

理  事   長田 芳樹 君

その他関係職員

[総務部]

部  長   中尾  睦 君

その他関係職員

[防災危機管理部]

部  長   中西 正明 君

その他関係職員

[生活部]

部  長   田中 正道 君

その他関係職員

[健康福祉部]

部  長   向井 正治 君

その他関係職員

[環境森林部]

部  長   油家  正 君

理  事   松林 万行 君

その他関係職員

[農水商工部]

部  長   石垣 英一 君

観光局長   大森  久 君

その他関係職員

[県土整備部]

部  長   植田十志夫 君

その他関係職員

[出納局]

副出納長兼

出納局長   辻村 正彰 君

その他関係職員

[企業庁]

庁  長   井藤 久志 君

その他関係職員

[病院事業庁]

庁  長   浦中 素史 君

その他関係職員

[監査委員事務局]

局  長   天野 光敏 君

その他関係職員

[人事委員会事務局]

局  長   横山 昭司 君

その他関係職員

[教育委員会事務局]

教 育 長   安田 敏春 君

その他関係職員

[警察本部]

本 部 長   大庭 靖彦 君

その他関係職員

傍聴議員   0名

県政記者クラブ 2名

傍 聴 者   2名

議題および協議事項

 予算決算特別委員会総括質疑

【会議の経過とその結果】

〔開議の宣言〕

総括質疑

 (1)質疑・答弁

○永田委員長 ただいまから予算決算特別委員会を開会いたします。

 本日は、本委員会に付託されました予算議案及び予算関連議案に係る総括質疑を行います。

 質疑の会派別の持ち時間は、午前中、新政みえ60分、自民・無所属・公明議員団30分、未来塾30分、午後は、自民・無所属・公明議員団60分、新政みえ60分です。よろしくお願いいたします。

 なお、関連質問については、同一会派内で会派の持ち時間の範囲内で認めることといたします。

 それでは、順次、質疑願います。

○大野委員 それじゃ、皆さん、改めましておはようございます。多気郡選出の新政みえの大野でございます。時間が限られておりますので、簡略に質問させていただきます。

 過日、知事が、「みえけん愛、もっと元気にもっとワクワク」という、こういうマニフェストがありますけれども、その中で最初に、それも含めながら、三重県財政についてご質問をさせていただきたいと思います。

 知事は、三重県財政は全国的に見れば元気のある方だと、いい方ですよと。他県に比べればいいですよと、こういうような財政の見方をしてみえますけども、まず、平成16年度から、多分、財政の健全化ということで、3年間かなり集中してお取組になったわけでございますけども、まず最初に、その3年間の財政の健全化に取り組んだ成果が何であったかと。具体的に、例えば、財政状況、支出とか、それから県債残高とか、それからそういうようなものがどれだけ3年間で成果があったのかと。

 それに基づいて、19年度の予算を編成する基本的な考え方というのは、めり張りのある予算を組んでいくんだということで、これは出されていますのはわかっているわけなんですけども、19年度の予算編成の中で、やっぱり基本的にこの財政の健全化ということをどのように押さえられたかという、これについて、まず、最初にお伺いしたいと思います。

○野呂知事 実は、「私の決意」というのを作らさせていただいて、この中にも、三重県の財政は他県と比べれば健全だ、ということも書かさせていただいております。実は、正直言えば、全国どこでも極めて悪い中の三重県も一つであると。ただ、比較すれば、という形のものでございます。

 実は17年度の決算の財政指標というものでございますけれども、財政構造の弾力性をあらわします経常収支比率でございますが、これは91.4%で全国13位、公債費負担比率は20.0で全国17位、それから公債費による財政負担の度合いを判断いたします実質公債費比率、これは12.3%で全国8位、起債制限比率は11.7%で全国17位となっておりまして、更に実質収支比率というものは1.5%、これは全国4位となっておるところでございます。

 こういう個々の数字、それから、それを総合化した指標というのはないわけでありますけれども、大体バランスよくとれておるということから、総合的に見ると、私は、他府県と比較すると、最もよい方の一つになっていくんではないかなと、このように思っております。

 しかし、経常収支比率については一般的に70から80%が望ましいとされておりますし、それから公債費負担比率については、一般的には15%が警戒ライン、20%が危険ラインと、こういうふうにされておりますので、本県の財政は決して良好な状況にあるというわけではありません。

 それから、平成8年の財政指標と比較をいたしますと、今、手元にあります数字では、平成17年度の数字を平成8年と比較いたしますと、経常収支比率は79.4%が91.4%と12%増えておる、それから公債費負担比率は、平成8年が13%でありましたのが、平成17年度が20.0%、7%増えておる、それから、起債制限比率は、平成8年の8%が平成17年では11.7%で、3.7%増えておるということで、こういうふうなことを見てみますと、この10年間で大変悪化をしており、財政は硬直化が進んでおるということであります。

 したがって、程度としては、比較の上で言う場合、こういうことも言えますが、実際は大変厳しくなっておる、悪くなっておるというのが実情だと。そのために、今後とも簡素で効率的な身の丈に合った行財政運営を進めていかなければならないということで、19年度予算についても、実はやってきた、というところでございます。

 人件費だとか、それから事務事業の抜本的な見直し、こういったことは毎年積み重ねをしながら、しかし一方では、やはりチャンスと考えられるもの、あるいはどうしても今将来に向けて投資をしなければならない、こういったものについてはやっぱりそれを避けるわけにいきませんから、バランスを考えながら、そういう意味では身の丈という表現を使わせていただいておる、というところでございます。

○大野委員 どうも具体的な数字を示していただきまして、よくわかりました。結論的に申し上げますと、三重県財政は、全国的な比率で見れば、全国的に見れば健全だけれども、本当の理想的な財政指標で見ればまだまだ問題があると。だから、今後も健全な財政運営を続けなきゃいけないという、こういうご見解でございますね。

 では、具体的に今年度の当初予算問題についてお伺いしたいと思います。

 平成19年度の一般会計の当初予算規模は6,690億円で、18年度に比較して237億円少なくなっております。ですから、当初予算は骨格予算ということで、その中でも公共事業は単純に前年度の、これに書いてございますね、前年度の80%を中心に、あと、いわゆる知事の政策的な予算になります県民しあわせプランとか、重点プログラムだとか、それからみえの舞台づくりについては、知事選後の6月議会にこの予算案を提出されるということになっていますけれども、この6月の肉づけ予算で、先日の説明では、非公共に約15億円、それから公共事業と、その他公共事業含めて160億円から170億円を視野に入れているという、こういう説明があったわけなんですけれども、仮にこの補正が最大の190億円になれば、19年度の肉づけを含めた一般会計の当初予算額につきましては6,880億円となります。18年度よりも48億円だけ少ない、18年度の99%で、まず、ほぼ同額になるんじゃないかと思います。

 そこで、昨年度とほぼ同じの肉づけを含めた予算額で、中に、いわゆる団塊の世代が退職する退職手当債が80億円入っておりますけれども、この80億円を差し引きますと、平成19年度の予算は、事業規模、投資的事業については18年度よりも60億円減少しておると。言うならば事業規模が、県の全体の事業が縮小したと、こういうふうに理解していいのか、ということですね、まず1点。

 それから、2点目は、この19年度の県債、退職手当債を含めた県債の残高では、これは今後を含めて、県債の残高は5年後、10年後にどのように推移していくのか、ということをお伺いを、まず、したいと思います。

○野呂知事 まず、今回、19年度予算については、骨格予算ということにいたしました。これは、私が知事に就任しました15年当時、15年の当初予算、これは前知事の方で組まれたものでございますが、景気に配慮した骨格予算として編成されまして、その時に6月の補正、肉づけは非公共事業のみで28億円程度であったということで、それではやっぱり選挙というものの重みを考えますと十分ではないんではないか、そんなことから、私としては今回、骨格予算という形で、ご承知のとおり、公共事業については18年度当初の80%、それから非公共の新規事業については、原則として、これは補正で新知事のもとで判断すべきことだ、ということにしたんです。もちろん原則でありますから、どうしても間断なく緊急を要するもの、どうしても投資をしていかなきゃならない、そういうものについては新規であっても付けたところでございます。

 そこで、お話がございましたように、規模として考える場合には、6月補正予算というものをつけていかないと、19年度の予算というのは全体像が見えないということになります。その際どれぐらいの規模になるのか、今の時点でということになりますと、これは選挙後の新しい次の知事が決めるということに相なりますけれども、えて、今の責任ある立場でどれぐらいが考えられるのか、ということでお答えする場合に、大体175億から190億円というようなことを申し上げたところでございます。

 ところで、その中で公共事業について、先程約80億程度減ることになってくるのか、というようなお話がございました。これにつきましては、実は18年度の予算ということになりますと、特殊要因として、志摩開発有料道路のII期の無料開放負担金、これが31億円ございましたのがなくなったとか、それから県営鈴鹿スポーツガーデン整備事業の終了に伴います減分、これが14億円ございます。したがって、そういうのを差し引きますと、かなり数字の中身は変わってくるということです。ちょっと計算してみないと、ほぼどれぐらいになるのか、ということについては、今、申し上げることができませんけれども、そういう状況だということが言えます。

 それから、もちろんこの選挙が終わりました後の6月議会では、19年度予算、これは肉づけをして全体像をわかるようにしていかなければなりませんが、あわせてその財源を確保していく、また中長期的な財政見込みというものも立てていかなければなりません。それは、6月の議会で、補正で肉づけをする際にあわせてお示しをしていくべきものであろうと、こういうふうに考えております。

 今の時点で、知事という責任ある立場でこうあるべきじゃないかな、という思いを申し上げますならば、やはりさっきも申し上げたように、大変厳しい状況の中、更に今後厳しさは増していくのではないかと、こう思われます。それだけに、やはり選択と集中、そして、しっかり身の丈に合った財政運営というものを追求していかなければならないだろうと、こういうふうに思っております。

○大野委員 ありがとうございました。

 それでは、歳入の方の税収について、この資料ですけれども、いただきましたですね。少し具体的に質問、お伺いしたいと思います。

 19年度の総括表が8ページにあるんですけれども、そこで19年度の県税収入は464億円増だと。だけども、税源移譲分の192億円、地方交付税の減額111億円、それから国庫支出金77億円を差し引きますと、たしか残が、実質的な税収増というのは4億円か、それぐらいの数字になるんじゃないか、と思うんです。

 けれども、これは三位一体の改革による影響なんですけれども、これはたまたま今年の言うならば、異常な現象なのか、例えば、国庫支出金の額が少ないとか、そういうような異常な状況なのか、それともこのような県税が増えても、いわゆる税源移譲分とか、国庫支出金とか、それから地方交付税が減額されるということで、どれだけ県民が頑張っても、県の企業が頑張っても、県財政に直接それを自由に使える、いわゆる県民サービスがそれだけいい方向に向くという、そういうことについては期待ができるのか、できないのか、この税収入の増に伴って減額されていく国の制度的な金額ですね、この辺について、今後の見通しも含めて簡略にお願いいたしたいと思います。

○野呂知事 19年度当初予算では、県税収入が、表を見ていただきますとわかりますように、20.4%増になっておる、というところでございます。これについては、実は、見かけの部分もあるということ、それから、実はそれが県民に還元できないような状況にある、ということを少しご説明もし、ご理解いただきたいなと、こう思っています。

 まず、県税収入について、景気が回復しておるということで前年度対比で464億円、20.4%の増を見込んでおるわけでございますけれども、さっきお話にありましたように、国庫負担金が廃止され、税源移譲になった分、これが272億円ございます。したがって、それを除きますと、対前年度で192億円、8.5%増、これが実質的に税収増だ、ということが言えるわけでございます。

 ところが、この税収増になりましたものについては、地方交付税で一方で減らされるということがございまして、それが75%ということで、残るのは25%ということです。その25%は地方公共団体の留保財源というふうになるわけで、本来、これは三重県の財政運営にとってプラスの面で効果をもたらさなければならないところであります。

 ところが、実は、三位一体改革が本格化する前の平成15年、これは決算と比較をしたいと思うんですが、それと平成19年度の当初予算、これを比較してみますと、県税収入につきましては税源移譲分を除いて446億円増加をしておるんであります。しかし一方で、地方交付税については766億円減少しておるということで、差し引き320億円も減少しておる、というような実態でございます。

 したがって、私がよく申し上げるように、県税収入は増加しておるんだけれど、それが全く県民に還元できない、県税収入の増加が全く実感できない、というようなことが言えるわけでございまして、そういう意味では、非常に財政状況は、景気がいいにもかかわらず、厳しさがどんどん増しておると。今のあれでいきますと、例えば、税収が100億円ぐらい実質増えたと思いますと、一方で、国の財政縮減のために200億円ぐらい逆に国から来るお金が減っていく、したがってこの苦しさは全然改善されない、という状況でございます。

○大野委員 そうしますと、県税収入が増えても、いわゆる県民サービスへの還元というのはそれほど期待できないと。今後もそういう状況が続くだろうということで、そのように理解させていただきます。

 では、時間がありませんので、次に過疎問題についてお伺いします。

 2月20日の新聞報道によりますと、国交省が全国の市町村にアンケート調査を行った結果、2,641の集落が今後消滅していくと。そして、10年以内には420カ所が消滅するだろうと、こういうような回答があったと言っています。そこで、過疎地域の現状については、既に生活基盤が本当に根こそぎ無くなってしまい、集落機能が維持できない、こんな状況になっています。更にこの町村合併によりまして、いわゆる地域の行政機能だとか、行事なんかが、合併後の中心地にそういう機能が集まって、周辺地域は更に一段と非常に深刻な空洞化の状況が進んでいます。

 そこで、まず一つは、三重県の過疎地の現状をどのように現在理解してみえるかということが一つ。

 それから、2つ目には、平成17年3月に三重県の過疎地域自立促進計画、いわゆる過疎計画を作っているんですけれども、ここに今、具体的な事業が幾つか掲げられています。この具体的な事業の中で、例えば、海洋深層水とか、それから東紀州関係とか、そういう事業についてはかなり具体化をしておるわけなんですけど、例えば、森林、農地の政策を充実して定住を確保するとか、それから第6次産業を活発にしていくんだとか、それから宮川流域ルネッサンス事業でこの過疎対策をやっていくんだとか、こういうことが書かれていますけれども、この19年度の予算で具体的にこの過疎計画に基づいた予算は総額どれぐらいあるのか、ということ。

 そして、特に宮川流域ルネッサンス事業というのは、私はこれは過疎計画に入るものじゃないと思うんですね。これはもともと宮川の流量と水質を改善するという、こういうことが基本であって、宮川流域のこのルネサンス事業に入っておる協議会の中で、過疎地域は私はそんなにないと思うんですね。

 だから、この中で、なぜ宮川流域ルネッサンス事業をこの過疎計画の基本的な事業に取り入れたのか。そして、取り入れているのであれば、19年度予算で何をどう具体化しているのか。19年度予算で見ますと、流域案内人を作ると。それだけの予算しかないと思うんですけども、この辺の19年度の過疎計画に対する具体的な予算づけと、宮川流域ルネッサンス事業を過疎計画の中に入れながら、かなり重点に入れながら、19年度予算では流域案内人の予算しかついていない。この辺の問題についてどうかということをお伺いしたい、と思います。

○野呂知事 まず、私の方から、過疎対策についてどう考えておるか、ということについてお答えしておきたいと思います。

 三重県におきましては、過疎地域自立促進特別措置法、これに基づく過疎地域というものが7市町8地区ございます。市町と連携しながら、こうした地域の特性に応じた過疎地域の活性化、これに取り組んでいかなければならないということで、県としても対応しようとしております。

 こういう過疎地域での課題、どういう課題を認識しておるかということですが、1つは、人口減少だとか、あるいは高齢化、こういったことによりまして、担い手不足、あるいは地域の活力が低下をしておるというようなことがございます。2つ目に、農林水産業等の地域産業、これの不振によりまして、働く場が不足しておると、こういう状況があります。それから、3つ目に、下水道等の生活環境施設等の整備、これが非常に遅れておるということがございます。それから、4つ目には、基礎自治体である過疎の市町は、現下の状況の中では大変、より厳しい財政状況があると。こういった4つぐらいのことが、まず、挙げられるのかなと、こう思います。

 しかし、過疎については、一方では豊かな自然・文化、こういった多様な地域資源を有しておる地域でございますので、そういう意味では過疎を決してマイナスイメージだけでとらえるというのではなくて、過疎地域が持っております豊富な地域資源を積極的に生かして、地域の活性化に役立てていくということが大事だと思っております。

 もちろん、そのためには、それぞれの地域でそういう工夫をしながら、まず自主的、自立的な取組というものが大事でございます。しかし、それだけでやっていくということは中々難しい状況の中で、国の過疎対策もございますし、県としても新たにやはり色々と対応していかなきゃならんということで、例えば、19年度予算では市町向けの低利貸付制度、これは市町の地域づくり支援資金というのでございますけれども、これを創設しまして、条件不利地域の市町に対して行財政運営に対する重点的な支援を行っていこう、ということにしております。

 それから、18年度、本年度については、例えば、県単の補助制度といたしまして過疎の市町等地域づくり支援事業、これも実施しておるところでございまして、これから今後も、こういった自立を促進する戦略的な支援策、これを県としてやっていくべきだと思っています。

 なお、具体的に少し細部にわたっては担当部の方からお答えさせていただくのがいいのかな、と思うんですが、ありましたらお願いいたします。

○ 長田政策部理事 先程の委員のお尋ねに対しまして、でございますけれども、平成17年3月に県は過疎地域自立促進計画を策定しております。そして、その県の計画の中では6つの基軸を示しておりまして、そこで平成19年度につきましては、農水商工部、環境森林部、政策部、健康福祉部において総額約13億4,300万円の事業を実施するということで、予算を今、上げております。

 そして、更に本年度からは、地域支援室としては、先程知事が申し上げましたように、過疎地市町等の地域づくり支援事業、また市町の地域づくり資金ということで、過疎地域等に低利の貸付制度を設ける新しい制度を創設しております。

 なお、宮川ルネサンス事業におきまして、なぜ、これが過疎地域に入っておるのか、というご質問でございますけども、宮川流域ルネッサンス事業は、流量の回復、水質の保全、森林の保全、地域の振興、生態系の保全という5つのテーマでいろんな事業を取り組んでおるところでございます。例えば、森林の保全についてでは、森林環境創造事業の推進というのも一つには入ってございます。そういう事業を含めて取り組んでおるところから、宮川流域ルネッサンス事業も過疎対策の一環として私どもは把握しておるところでございます。

 以上でございます。

○大野委員 お聞きすると、なるほどと思うんですが、例えば、地域支援事業にしても金額的に非常に少ないんですね。だから、何千万単位の予算なんですね。だから、これで過疎地域が活性化するのか、ということですね。やっぱりもっと抜本的な過疎地域の活性化対策というのを県が本気になって考え、事業化していかないと、正にもう三重県の中でも10年もすれば幾つかの集落がなくなってしまうんじゃないかと。それほど過疎地というのは非常に今厳しい状況にあるという、そういう認識で今後事業を進めていただきたいと思います。

 では、時間がありませんので、次は高齢化問題について。

 今、国も県も少子化対策には非常に力を入れてもらっています。これは私は大事なことだと思います。ただ、一方で、高齢者の方の福祉については大変な状況になっていると。例えば、地域で高齢者の人といろんな会合で参加させていただきますと、例えば、介護保険が高くなった、それからデイサービスの費用が高くなった、それから介護認定が厳しくなった、それから、医療費の負担が多くなった、年金が減った、こんな声が沢山聞かれて、老人の方は、私たちは戦後一生懸命働いてきたと。ここまで来て、やっと来た時に、段々厳しくなってきたと。こんな、私たちの生活は、今、本当に生殺しなんだと。こんなに生殺しに段々していくんであれば、いっそ、一気に殺してくれと。一気にばっさりやってくれ、というような、こんな声も聞こえるんですね。

 そこで、介護保険は、18年4月から介護保険については見直しがありました。そこで、例えば、18年度の最終予算では、介護の県負担金を11億円程減額しています。そこで、19年度の介護給付の県負担金は、金額はいくらなのかと。17年度の介護保険の見直しが行われる前に比べて、どれだけ県の負担が軽くなっておるのか。逆に言うと、少なくなったのか、ということですね。

 それから、もう一方で、18年4月から、いわゆる介護保険料について見直しが行われて、ほとんどの町村がやっぱり増額していますけれども、この増額の現状がどうかということ。

 それから、更に18年4月の介護認定の見直しで、要支援と要介護1の大部分が介護予防サービスを受ける、こういう対象者に変わりました。これによって県負担金はどれぐらい19年度で減額されているのかということですね。

 ということは、県の財政負担、国の財政負担、市町の財政負担が少なくなった部分はどこが負担しておるのか、または介護給付の中身が改悪されたのか、それについて、まず、お伺いをしたいと思います。

○向井健康福祉部長 まず、介護給付金の県負担金でございます。全体の事業費としましては、19年度には478億9,200万円というのが施設給付費でございますが、そのうち県が負担する額は19年度で83億8,100万円となっております。委員お尋ねのように、以前の負担金でございますと、19年度は、例えば、12.5%と仮定しますと、59億8,600万円が県の負担ということでございます。したがいまして、5%引き上げられたことによりまして、19年度におきましては23億9,500万円の負担増となるわけでございます。

 介護給付費の関係でございますけれども、介護予防事業、これについて、まず、介護予防事業につきましては、19年度、8億1,900万円を見込んでおるところでございます。それにつきましては、それぞれ被保険者の保険料で19%、2号保険者で31%、国で25%、県で12.5%、市町で12.5%負担するということになっておりますので、県に新たな負担を求められるということになっております。そういったことから、県が負担する額につきましては、19年度で1億200万円と見積もっておるところでございます。

 それから、介護予防サービスについてでございますけども、こちらにつきましては、19年度が52億8,900万円を見込んでおるところでございます。これについても県負担割合は12.5%ということでございます。この給付につきましては、介護給付が介護予防サービスになったということでございますので、基本的に県負担金への影響は少ないと考えております。

 以上でございます。

○大野委員 今の負担増になったという県の部分は、これは多分、施設の介護給付に対する負担金が、18年度の4月から県が12.5であったのが17.5になって、5%増えたと。そこのところの負担増のところで、これは、いわゆる国とか県、市町の負担金が減ったわけなんですね。だから、その数字だと思うんですけれども、実質、私は、県や国の負担増が減っただけ、やっぱり介護給付を受ける方の負担が多くなっておると。この実態があると思うんですね。やっぱりこれに対して、具体的に高齢者に対する福祉をもう少し手厚くしていく、それから国ができない部分、そこのところをやっぱり県が補っていくという、このことは私は非常に重要な課題ではないか、というふうに思っています。

 それから、医療の問題でも同じです。平成18年10月から平成20年4月にかけて、高齢者医療について見直しされます。その中で、既に18年4月から、例えば、薬価とか医療報酬が引き下げられましたけれども、患者にとっては機能訓練のリハビリの日数が制限されました。10月からは食費の負担とか、それから部屋代の負担とか、そういうものが増えています。

 このようなものに対しても、やはり高齢者の人はそんなにお金があるわけじゃないんです。本当に1,000円単位のお金の負担が随分負担になるんですね。だから、その辺の負担増の問題をもう少しきめ細かく、やっぱり県や市町が対応していく必要があるんじゃないかと。これに対して、やはり少子高齢化と同様に、私は、懸命に生きた人の最後に対しては本当にきめ細かく心の行き届いた、そういう、やっぱり福祉を進める必要があると思います。

 そういうことを具体的に資料は集めたんですけども、時間がありませんので、今後、そういう施策を進めていただきたい、ということだけ要望しておきます。

 最後、1分ですね、企業庁の電気事業なんですけれども、これは18年度の決算よりも19年度の予算の方が電気事業の赤字が多くなっています。これはRDF発電の経営損失が多くなるわけなんですね。本当にこういう企業庁としてRDF発電をいつまで担っていくんだと。いわゆる水力発電については、地域の皆さんが随分、自然の問題を心配しながらやっておるわけなんです。その中で、やっぱりごみ処理問題としてのRDF発電を企業庁が担っていくことが本当に正しいのか。

 このことについて私は、企業庁と、それから環境森林部を含めて、しっかりと議論をして、やはり電気事業の中で水力発電とRDF発電はきちっと区別をして、RDF発電については一般事業の中で行っていくべきではないか、ということだけ要望して、時間になりましたので終わります。どうもありがとうございました。

○北川委員 失礼いたします。新政みえの北川裕之でございます。

 今定例会では一般質問に立つ機会はなかったんでございますけれども、今日この特別委員会の総括質疑に立たせていただく機会を得ました。もう残り19分でございますけれども、限られた時間で効率よく議論をさせていただきたいと思います。

 19年度予算については、先般から知事を初め関係部局からご説明をいただいたところでございます。少し寂しい思いをした部分がございました。といいますのは、予算説明の中、あるいはまた、各々の事業の中で、伊賀という文字が非常に少のうございまして、もちろん言葉が少ないからといって意欲に乏しいだとか、ということではないんだろうと思いますけれども、しかし、率直にこの4年間を振り返らせていただきまして、これは地域の声を代表させていただきますと、やはりまだ何となく伊賀という位置づけがこの県庁の中で、いまだに距離感がある、こんなふうに地域の住民としては感じています。

 昔から「伊賀に県政なし」と申しますけれども、しかし、他の地域では「北主南従」なんていう言葉もありますし、余りひがみ発想的な、あるいはまた、地域エゴ的な話をするつもりはございませんけれども、しかしながら、先般、私どもの会派の桜井議員と知事との議論、いわゆる地域政策についての議論がございました。私ももっともだな、と思いましたのは、私たちの伊賀という地域を考えた時にも、この県土づくりのビジョン、いわゆる南と北に単純に分けて、産業集積ゾーンと観光等の資源を活用するゾーンと、こういう分け方のみで県土づくりが進んでいくというのは、やはり地域としても非常に違和感があるわけでございます。

 当然、新年度予算、あるいは、また、これからの県民しあわせプランの第二次戦略計画にも、大きくこういう考え方というものは影響してくるかと思います。知事の伊賀の県政の中での位置づけについて、再度、今のスタンスをお聞かせいただきたいと思います。

○野呂知事 特定の地域に県政なし、というようなお話が出ましたんですが、私としては、事前に資料、もしもそういうご質問があるんなら用意をしたところでありますけれども、私は県の責任ある知事という立場で地域ごとに色々見ております。北へ行くと、南の方ばかり力を入れて、というようなことを言いますし、南の方は「北主南従」と言うし、伊賀は伊賀でまた独特の言い方をされるというようなことでありますが、大体、各費目ごとに見ていきますと、非常にそれぞれの地域の特色も生かしながら、バランスがとれておるんではないかな、と思います。

 例えば、公共事業等でいきますと、北勢地域へかなり比重がかかっておる分があります。今、高速道路等で南の方への投資も行われておりますが、しかし、こういった直轄の県負担についても、いわゆる北勢バイパス、中勢バイパス、これらを含めた負担金、これも非常に多くございまして、そういう意味では、地域間の比較というのはよくよく見てみないとわからないところがあるかと思います。一番等しく均等に配分されておるというのは、例えば、教育費、これは住民1人頭から見ても非常にバランスがとれた数字に近づいているというようなことが言えます。

 したがって、ぜひ、北川委員におかれては、伊賀よりも三重県内という全体を見られる、そういう観点も、ぜひ、今後お願いをさせていただきたいと、こういうふうに思います。

 それから、県土づくりと地域づくり、今回、第二次戦略計画で考え方をしっかり分けていこうということで、中間においてもお示しをしておるところでございます。この中で、県土づくりについては、北の産業集積活用ゾーンと、それから南の自然・文化活用ゾーンというイメージとして出しておりますけれども、しかし、個々に見れば、やはり、例えば、北の方でも桑名あたりは非常に観光資源も豊富にございますし、四日市へ行けば湯の山があるように、あるいは伊賀は芭蕉さんのふるさとでもある、というようなこと、あるいは藤堂家の歴史遺産も随分あるというようなことで、地域地域でそれぞれ個々に見ていきますとありますから、全体のイメージとして県としての方向性というものを示しながら、個々の地域については、地域が主体となった地域づくりも含めまして、やはり県の対応の仕方というのはそれぞれしっかり対応していきたい、このように考えておるところでございます。

○北川委員 知事に先にお話をいただいたのがちょっと間違いでした。後出しじゃんけんの時間がなくなってしまいました。

 ちょっと嫌らしいんですが、実は1万人アンケートを18年度もしていただきました。非常にショッキングだったのは、少しここに表にまとめさせてもらいましたけれども、「住みやすい」あるいは「どちらかといえば住みやすい」と感じた方の回答は、県全体が平均81.7%ありました。以下、これは生活創造圏をベースにまとめていただいた数字ですけれども、トップが伊勢志摩87.3%、2番目が津・久居86.8%、以下、松阪・紀勢、桑名・員弁、鈴鹿・亀山、四日市とずっと続いていきまして、7番目に尾鷲70.5%、8番目に熊野が66.9%、何と伊賀が最下位なんですね、66.2%です。トップの伊勢志摩から比べたら20ポイント低い、県全体から平均を見ましても15ポイント低いという数字が出ています。

 これの裏返しが、住みにくいと答えた人の割合、これも知事、見ていただいていると思うんですけれども、「住みにくい」または「どちらかというと住みにくい」、県全体平均はわずか6.5%です。ワーストワンは立派に伊賀です、18.4%。2位が尾鷲15.4%、3位が熊野14.4%、鈴鹿・亀山、以下ずっといきまして、あ、ごめんなさい、一つ欠けてます、下の方では4%、3%台もあるということになっています。

 もちろん、このことが全てということではないんでしょうけれども、ただ、やはりその中で伊賀地域のこの数字が出てきた背景というのは、やはり私たちはしっかりと見ていかなくてはならないと思いますし、何かその中にヒントがあるんであれば、戦略計画なり、あるいは19年度以降の予算の中でしっかりと対応していくべきではないか、というふうに思っています。

 伊賀の不満意識として、実はこのアンケート調査で上がっているのは、1番目が地域商工業、2番目が雇用、3番目が公共交通機関、4番目が医療体制、そして5番目が交通安全、というふうになっています。それから、同じく指標で上がっています重要意識という部分では、1番が防犯、2番が飲料水の供給、3番が交通安全、4番が食の安全、5番が地域での防災の取組と、こうなっています。

 実は、以前からお話がいつも出ていますように、地域商工業ですとか雇用というのは、これ、どの地域でも必ず不満のトップに上がってきてまいりますから、伊賀がこのことによって住みにくい、あるいは住みやすさが低いということではないのかもわかりませんが、しかしながら、ある意味一つの要素として上がっている限りは、より対応を深めていくという必要があるんだろうと思います。

 まず、知事のご所見がありましたら、短くお願いできましたら。

○野呂知事 私も、アンケートで県民満足度、やはり伊賀地域が少し他の地域とは違うように思います。東紀州というのは、交通基盤の整備だとか、そういうのでも一番遅れてもおりますので、やや私も予想できるんですが、伊賀がなぜか、ということはわかりにくいんですね。

 そこで、これは真剣に考えていかなきゃなりませんけど、業種別だとか、そういうのが色々ありますが、私は、それでも60数%でしたか、満足度でいきますと。6割以上の人が満足しておるわけでありますから、その満足して、いや、実はですね、いや、6割以上の方が満足しておられる、その満足しておられる方が何に満足しておられるのかというのが、伊賀の強みだと思いますね。そこをやはりもう少し膨らませていくということがみえけん愛を育んでいくんではないか、このように思いますので、そういった研究も一緒にさせてもらえば、より有効な、もう一つまた別の取組が見つかるかもしれないな、そんな感じでちょっと伺っておりました。

○北川委員 結果が結果だけに、十分に考察をいただきたいと思いますし、我々もそういう意味では十分にリサーチをしなきゃだめだ、というふうに痛感させていただいています。

 この地域商工業にかかわっては、以前から産業政策という中で、18年度当初には北勢の経済が好調ということで、北勢、それから伊賀の用地がもうないんだ、ということで知事もいつも言われていました。

 このことについて、今年度に用地の調査を行っていく、あるいはまた、環境アセス等の先行投資への無利子貸し付け等もございますけれども、こうした調査が今年度はどういう形で行われて、どういう結果が出ているのか、その辺を農水商工部長にお尋ねをしたいんですが。

○石垣農水商工部長 北勢と伊賀地域において工業地が不足しているということから、今年度、全県を対象に、工業用地の候補地調査を実施いたしました。この調査では、各市町村からヒアリング等を行いました。産業用地になり得る候補地の情報をできるだけ幅広く集めるということと、所在地、面積、交通等のインフラ条件、関連する法規則等の状況等について、基礎的データと市町の意向を今把握しております。具体的にいいますと、今、3市、3件が上がってきております。これ以外に、候補地を今、検討するとか、絞り切れないということから、ご検討をいただいている市町も幾つか存在します。

 この中で、実は先程言われました産業地整備について、無利子貸し付け等を実施して、桑名市といなべ市さんについては、この調査の中で先行的に支援させていただいておる、ということでございます。

 今後、市町に対して候補地の掘り起こしを更に働きかけていくということと、この調査結果を踏まえて、私どもはこれだけで終わるつもりはありません。特に対象地域、目標整備面積、対象候補地などを盛り込んだ、できれば企業誘致の推進計画づくり的なことも、将来やっぱり取り組んでいかないかんだろうな、という思いでおります。現在、今、3市から出てきております。

 以上です。

○北川委員 農水商工部長、12月の定例会だったと思うんですが、我が会派の前田議員の方からこの企業誘致についての質問があって、その中で、いわゆるいろんなインフラも含めて強み、弱みをきちんと把握して、そして戦略を立てるんだと。具体的な支援方策を考えるんだと、こういうお答えがあったと思うんですけれども、これは19年度予算に反映されている形なんでしょうか、それとも次期の知事といいますか、知事のマニフェスト、ビジョンも示されているわけですが、6月以降の新しい予算の中でこういうものは対応していこうというお考えなのか、その辺のところを聞かせていただきたいんですが。

○石垣農水商工部長 この19年度予算の中で、まず企業立地について支援制度を大きく見直しをいたしました。簡単に言いますと、今、バレー構想というのがありまして、例えば、これが大変ハードルが高かったんでありますけれども、例えば、雇用条件についてもその雇用人員を減らしたとか、あるいは例えば、公的用地については今まで10%でありましたが、これに5%上乗せしたとか、いろんな制度面においてインセンティブ的なことを相当見直ししています。今回については、企業立地制度を北部産業集積ゾーンと南部地域と大きく見直しをする中で、個々については、相当、制度を見直しをさせていただきました。ですから、より使いやすく企業誘致が進みやすくなった制度は、先行させていただいた、と思っています。

 今後、6月以降の知事のマニフェストも含めて今後どう対応していくか、ということについては、更に検討していきたい、というふうに思っております。

○北川委員 ぜひ具体的な支援策をもう少し掘り下げてやっていただきたいと思いますし、今、おっしゃっていただいた対象の人数を下げたり、パーセントをアップしていただいたり、というのはありますけれども、それも、この18年度の中での調査結果に基づいて、そういう形をとれば効果が出るという判断でされたんだろうと思いますので、その効果については19年度当初から見守り続けさせていただきたいと思います。

 残り時間が2分になりましたので、もう1点だけ、この伊賀の不満意識の中で特筆される部分は、やはり医療体制の部分になります。不満意識も低くて、また重要意識が高い部分で、この医療体制だけが伊賀は特筆して出てくるわけですけれども、今、健康福祉部さんの方で医師確保についての協議会を作っていただくということで、先般も予算説明の中で聞かせていただいたんですけれども、でき得れば、その時もお話をさせていただきましたが、自治体立病院を持っているところの市町の声を十分に反映していただきたい。

 以前から自治体病院開設者協議会というのがありまして、この中の要望で、県内全域の医師確保及び派遣対策を計画的・一元的に講じる組織を県庁内に設置をされたい、こういう要望をずっと上げていただいているわけですけれども、要望書をお渡しをした際には余り色よい雰囲気のお話ではなかったという中で、今、新しく19年度で対応される協議会という中で、こういうものが対応いただけるというふうに理解していいんでしょうか。

○向井健康福祉部長 医師確保の問題でございますけども、基本的に、そういった自治体の協議会の方からいただいてます要望の中でも、特に県庁内というよりは、三重大学なり主要医療機関等、そういったところと中心になってやっていくのが一番望ましいと思っておりますし、そういうことを中心にしまして、19年度については前向きに進めてまいりたい、と考えております。

○北川委員 まずはストックができる側から協議をしていただいてということだろうとは思います。ただ、やはり病院事業検討会を議会の諮問機関で持たせていただいて、私も会議に出させていただいて、いわゆる病院の自治体を持っておられる市長さんのお話も聞かせていただきましたが、ほとんど県立病院に対する要望というのはなくて、やはり医師確保、このことにお話は尽きてしまいました。そういう意味で、ぜひ、そういう声が反映をされる形での協議会の推進を望みたいと思います。

 以上、終わらせていただきます。ありがとうございます。

○山本(勝)委員 自民・無所属・公明議員団、桑名市選出の山本勝でございます。

 先程、大野委員の方から平成19年度の予算等について質問がございました。なるべく避けながら、私の方からは県債の動向、そういうところからひとつ予算についてご質問をさせていただきたいと思います。

 平成19年度当初予算は、ご承知のように4月に統一地方選挙が行われることから、政策的な新規事業については原則として予算計上を行わず、また、公共事業費については、平成18年度当初予算額の80%程度を機械的に計上する、いわゆる骨格予算として編成されたことにより、6,690億円と、平成18年度当初予算と比べますと3.4%減となっております。

 歳入予算について申し上げますと、県税収入については、景気が回復していることや三位一体改革に伴う税源移譲の影響などから、平成18年度当初予算と比べますと20.4%と大きく伸びております。

 また、税源移譲分を除いた場合であっても8.5%の伸びと、かなり積極的に見込まれております。

 ところが、県税収入が大きく伸びたにもかかわらず、県の借金であります県債については、骨格予算としての予算編成であっても、平成18年度当初予算と比べますと3.5%の伸びとなっております。

 知事は就任以来、財政の健全化を最重要課題ととらえられ、財政問題検討会を設置して検討を行い、事務事業の徹底的な見直しや人件費の総額抑制、県債の発行の抑制などに取り組んでこられました。県債の抑制に関して申し上げれば、知事が初めて携わられました平成16年度当初予算以降、当初予算における県債の予算額を比較しますと、平成18年度当初予算まで、毎年840億なり810億程度ぐらいが予算計上されてきました。

 しかしながら、平成19年度における県債の予算額は、骨格予算としての予算編成にもかかわらず、3.5%増えております。なぜ増えたのか、今までの財政健全化の考え方を方針変更されたのか、まず、お伺いをいたしたいと思います。

○野呂知事 まず、先程、大野委員のご質問にお答えした中にもありましたように、県税収入としては表向き20.4%増えておる、しかし、実質は8.5%だということを申し上げましたが、増えたにもかかわらず、さっき、ざっとした感覚で申し上げたのは、100ぐらい増えても国の方で、いわゆる補助金だとか、交付税で減らしてくるということで、実は、財政を考えた時に、毎年毎年、より厳しくなっておるという実情があるということ、このことをまず前提としてお考え合わせいただきたいと、こう思います。

 それで、実は、これまでは、私が知事になる以前というのは、この県債発行額というのは、多い時は1,200億とか、1,000億をいつも超えておる相当なものでありました。そういう中で、私が知事になりましてから、できるだけこれを抑えていかなきゃならん、いわゆる財政健全化へ向けての検討会を設けて色々と今後の方向というようなものも探った中で、身の丈に合ったという形でやっていこうということで、できるだけ抑えようとしております。しかし、県民のいわゆる行政サービス、ニーズからいきますと、中々県債発行は、避けることはできないだけではなくて、中々これをどこまで抑えるか、というのは非常に苦労なところでございます。

 そこで、実は、毎年の予算編成の中では、財源確保ということで、当初だけでは中々十分確保できないということで、年度途中で大体70億から80億円の地方債を発行しておるわけでございます。この18年度でいいますと、12月の補正予算におきまして、当初予算の、いわゆる19年度の当初予算の財源確保というような意味合いから、行政改革推進債、それから地域再生債、これを79億4,000万円予算計上をしておる、ということでございます。

 年々そういったことをやっておるんですが、こうした措置をしても、実は、財政調整のための基金からの繰り入れというものは、平成18年度当初予算の編成時は約346億円ございましたが、平成19年度は約237億円という、大体109億円、大幅にまた減少しておるという状況にございます。これは基金残高が大幅に減少したためでございまして、この平成19年度の当初予算の編成後の残高というのは22億円となっておるところでございます。

 こうしたことから、平成19年度の当初予算というのは、昨年までは補正予算の中で地域再生事業債だとか、行政改革推進債の計上をやっておりましたが、19年度におきましては当初予算でこれを行い、更に退職手当が非常に増えてきております。そういうことで退職手当債も発行して、財源確保をしようということにいたしたところでございます。そんなことから、この地方債の発行総額につきましては前年度対比で3.5%増になった、ということでございます。

 今後、これは年間総合予算主義というのを徹底しまして、年度途中に発生してまいります不用額あるいは余剰金、これについては全て基金に戻す、というような考え方を徹底し、そして一方では、やはり総人件費の抑制、あるいは事務事業の抜本的な見直し、こういったことによる歳出削減、この努力をしっかり続けていかなければならない、こういうふうに思っております。

○山本(勝)委員 どうもありがとうございました。

 特に財政健全化の考え方について、方針を少し変えられたかと、その辺のところもちょっとお伺いを順次したいな、と思ってますんですけども、特に当初予算のところで地方債の発行額をある程度、私、先程言いましたように、840億ぐらいでやりながら、それとあわせて、最終の補正を含めて、最終年度ぐらいでは、やっぱり結果的には1,000億、もしくは17年度では910億ぐらいいっておるということでは、そういう意味では財政のやりくりというのはある意味で理解をさせていただくわけでございますけども、例えば、今後、特に先程、大野委員の方からも色々説明されましたように、6月補正については170億から190億ぐらいの予算規模の施策を打ち出していくという中で、主に公共事業費については160億から170億ぐらいを想定しておると新聞報道でも出ておりますんですけれども、それらの財源というのを今後どのようにお手当てをさせていかれるのか、その辺についてお伺いしたいと思います。

○野呂知事 先程も大野委員の質問で触れましたけれども、6月補正、これは次の知事が判断をしてやっていくところでございます。それにつきましては、敢えて今の私の見込みとして言うならば、175億から190億円程度必要であろうと、こういうふうに考えております。

 そこで、6月の補正予算の財源ということでございますけれども、この財源につきましては、財政調整基金、それから特定財源との組み合わせといったことで確保していく、ということになると思います。

 例えば、ソフト事業であれば国庫補助金等の活用ということ、それからハード事業であれば国庫補助金や地方債の活用というようなことで確保していくということになりますけれども、ここら辺については、やはり、6月の補正予算の段階で正確にどういう状況になるか、ということが言えるのではないかなと、こう思っております。

○山本(勝)委員 どうもありがとうございました。

 それでは、参考にお聞かせいただきたいと思うんですけど、先程、大野委員の方からも平成19年度の、平成18年ですか、県債の発行高を教えてほしいというような話も出ておって、お聞きできなかったんですけども、総務部長さんにお伺いしますけども、年度末の県債の発行高というのを、15年度では9,106億程度ぐらいとお聞きをさせていただいておるんですけれども、16年、17年、18年度、それから19年度、もし見込みぐらいがわかるのであれば、参考にさせていただきますので、どうぞお願いします。

○中尾総務部長 県債発行の残高の各年度末の推移についての計数のお尋ねでございます。

 平成15年度末では、私ども手元の資料では9,011億円という残高でございました。これが16年度末では9,227億円、17年度末で9,445億円、18年度末で9,618億円というふうに推移をしております、18年度は見込みでございますが。

 19年度当初予算編成後の段階におきまして平成19年度末の残高の見込みといたしましては、9,678億円、というふうな見込みを持っております。

○山本(勝)委員 どうもありがとうございました。

 特に私が言いたいのは、平成16年に財政問題検討会というところから色々諮問いただいて、今後、地方債については9,000億ぐらいを超えないというような、そういう目途で財政再建をやっていこうということで、当時700億ぐらいの規模のところで、ひとつこれから県債の発行方を努力していきながら財政再建をやっていきたいと、こういう方針を出されたように記憶しておるんですけども、それ以後、色々考えてみると、16年には台風21号が発生して、360億ぐらいの事業の中の県の財源があたりも130億ぐらい出しておるということでは、大変、やっぱり、その都度都度の色々事象が起きてくると中々思うとおりいかんなと。こういうことですけども、どうぞひとつ今後とも色々ご尽力もされて、財政再建へ向けてひとつ努力されますように、ご期待をしておきたいと思います。

 最後に、知事は、先程の大野委員の方からの答弁にもございましたが、特に財政の健全化とチャンスを的確にとらえるということで、バランスという、このバランスに十分配慮していきながら財政運営をやっていきたい、ということで話をされてみえた時に、身の丈という、この言葉を今日も3回ぐらいお使いになられたわけでございますけども、特に身の丈に合った行財政運営というのはどういう本旨があるのか、その辺一回、お伺いをいたしたいと思います。

○野呂知事 まず、その前に、先程、財政の再建ということのお話については、三重県としては最大限努力をしながらやっていかなきゃなりませんけど、実は、さっきも言いましたように、三重県が努力して税収を増やしても、国がそれを上回る、倍ほど減らしてくる。こういう状況の中で財政再建というものを地方が独自にできるのか。私は、大体、地方の財政は、国の財政の枠の中にどっぷりはまって組み込まれています。したがって、何か県だけが努力して財政再建できるような、そういうことを持つことは間違いで、私は国に対して、地方の財政の悪化についても国が相当大きな責任を持って考えていかなきゃならん問題だと、こう思っておりまして、国に対しても厳しく言う、しかし、少なくとも私どもの三重県は他の県よりも先に破綻を来すということがないように考えていかなきゃならんと、こう思っております。

 そのことを申し上げた上で、それは身の丈ということに密接に関連あるんでありますけれども、やはり一方で、チャンスはしっかり的確にやりながら、県民のニーズにもやはり行政サービスとして応えるべきは、やっぱり県がしっかりやっていく。しかし一方で、それは安易な形で県債に頼るということがないということでなければなりません。県債が増えるということは、元利償還金が増加する、財政が硬直化するということでありますから、できるだけそれは避けていく。安易に県債発行に頼らない中長期的に持続可能な財政運営をやっていく、そのことが身の丈ということなんだろうと、こう思っておりまして、私はそういう行財政運営を目指していくべきだと、こういう思いでございます。

○山本(勝)委員 知事、ありがとうございました。

 一般的に、身の丈に合ったという色々イメージからすると、あながち広辞苑なんかを見ておると6尺を超す大男と、それから2メートル余の大男とか、こういうイメージがありますもので、決してそんなイメージでは私もないだろうと思いながら、いつかはこんなお話もひとつお聞きをしたいなと、こう思いましたもんで、ちょっと質問させていただきましたんですけども、大体わかりました。まだわからんとこもございますけど、またひとつ、よろしくお願いします。

 それでは、次にRDFについて、お伺いをいたしたいと思いますれども、この構想につきましては、桑名に施設を構えておるわけでございますけども、平成7年ぐらい、私も市におりましたものですから、その時には、ある面ではバラ色の構想でもって、桑名市を含めてそういう構想が説明をされて、私もお聞きをしたわけでございますが、特に構想内容についても、ごみは無料で引き取るとか、それから発電所周辺の環境整備についても、温浴施設なり、いろんなこともひとつ考えていこうという、こんな形で、少々後ずさりをしておる、そういう自治体にも、ある面では県のこの政策誘導の中でこういう構想を打ち上げられてきたと、こういう私もイメージを持っておるわけでございます。

 平成14年末、12月に試運転を再開をして、そして試運転状態の中で平成15年夏を迎えたわけでございますが、色々今は、平成15年の夏には爆発という、こういうある面では悲しい事故が起きたわけでございますけども、そういいながらも、何とか県、企業庁さんの努力のもとで、RDFにつきましても、安全を求めながら安定的に何とかやっていただいておるなという、こういう感じがするわけでございます。

 そこのところを少しお伺いをさせていただきますが、先般、企業庁のあり方検討委員会の報告書でも述べられておりますけども、電気事業を譲渡していきたい、この方針に基づいて、RDFの事業というのはある面では附帯事業であるということで、今後どうするかという、こういう問題になってきたわけでございますが、このRDF焼却・発電事業を今後どう位置づけられていこうとされておるのかということと、もう1点は、平成14年から平成28年度末までの事業期間を切ってこの事業が行われておりますから、当然28年以降については早い段階にやはり説明をせなあかんという、こういう状況であろうかと思いますので、その辺についてひとつお伺いをいたしたいと思います。

○ 油家環境森林部長 RDF焼却・発電事業は、水力発電事業の附帯事業として実施しているということから、今、お話がありましたように、本体事業がなくなった場合どうしていくかということでございますが、RDFの受け皿を含めまして、県として責任を持って対応していく必要があると考えております。

したがいまして、今後、企業庁のあり方の検討会とあわせて整理していく必要があると考えておりますけれども、水力発電事業の譲渡が具体化していく中で、そのRDFの受け皿といったものを企業庁と、私どもは当然そうですが、関係市町と一緒になって検討していかなければならない、と思っております。

 また、廃棄物処理法では、一般廃棄物というのは市町村、それから産業廃棄物は県という役割分担になっておりますので、こういった県と市町の役割分担も含めまして、これ、先程の委員の28年度末、29年度以降についてもどうしていくかというお話でございましたけども、こういった点も含めまして、これについても関係市町と一緒になって検討していきたい、と考えております。

 以上でございます。

○山本(勝)委員 どうも標準的な答弁でございますけど、特にRDFの事業につきましては、先程言われましたように、市とか町のごみ処理というのは、市とか町の専権業務でございましたが、それをやっぱり、平成7年当時から県がやってあげるでという、こういう経過がありましたから、やっぱりそれで市町村も乗ってきて、早い町ぐらいでは14年以前から色々RDF製造施設が稼働していますから、やっぱり、ある面で、早い時期にこれの将来性というのは、やっぱり県としても述べるべきだなと、このように私も思っております。

 ですから、できればひとつ、今後早い時期に考えていただかなならんと思いますけど、例えば、私は、県が、例えば、特別会計を作って、そういうような形の中で依然この事業をやっていくのか、それともやっぱり、例えば、市とか町と県ぐらいが事務組合ぐらいを作って、そんなことをやっていくのか、そんなこともちょっと考えられるんですけども、その辺についてもし考え方があればお願いします。

○油家環境森林部長 今、お話がありましたように、そのやり方というのはいろんなやり方があると思います。私どもも、いきなりこれ、関係市町にやってくださいと言ったところで、これは中々難しい話なんで、当面は私ども、企業庁と県で今後のあり方を検討していきますけども、その際も当然市町村の意向というのも十分お聞きせないかんのですけども、将来的には本当にどういうやり方をしていくのかというのは、これは当然28年以降になりますと、ごみ処理の方法とか、あるいはごみの量とか、いろんな状況も変わってきますので、そういったものも含めまして、市町と一緒になってどういう形が一番好ましいのかと。その時に、単に市町で、廃処法でそうなっているから市町でやっていくださいというわけにはいかないんで、一緒になって、そこは本当に一番いい形を一緒になって考えていくというふうに持っていきたいと、こう思っております。

○山本(勝)委員 どうもありがとうございました。

 ちょっと時間があるのでもう1点だけお尋ねしますけども、特に今回、処理料ということで、5,058円で組合の方と合意をされましたんですけど、これも平成18年と19年の2カ年ということでございまして、20年から、また、それ以降のやっぱり交渉事が出てくるわけでございますが、20年以後、ひとつどんな考え方でもって、また、やられていかれるのかということ。

 それからあと、特に今のRDFの経営を見ておりますと、特に爆発が起きてから、当初の人件費の当初計画の中では4億、5億ぐらい、4億9,000万ぐらいの人件費だったんですけども、爆発が起きてから、安全面、安全面ということで大変安全について重視をされて、多くの人を投入してみえて、爆発後はこの28年まで、結果は12億ぐらいの人件費があるということで、その差額が7億1,200万ぐらい増えてきておるわけですけども、この辺のところも、ひとつこの際、色々の経営の中から、そんな安全面は重視をしていかなあかんと思うんですけれども、経営面から考える時に何かお考えがあればお伺いします。

○井藤企業庁長 まず、20年度以降の料金の考え方ですけども、他県の例とか、いろんなことを比べますと、やはり市町村にも一定の適正な料金を負担していただきたい、という考えで私どもおりますので、その辺につきまして、改めてまして、ご理解を得るような努力をしてまいりたい、というふうに思っております。

 それから、人件費の関係でございますけども、事故の反省を踏まえまして、事故の再発防止はもとより、施設の安全運転の確保に万全を期するということが最重要ということで私どもは考えております。このために、当初2名しか配置していなかった人員を事故後は10名配置しておりました。新しい貯蔵槽ができましたので2名を減らしまして、現在は8名体制でやっております。そういうことで、施設の安全を期するための必要な人員というふうに考えておりますので、当面は大幅な人員の減ということは困難だというふうに考えております。

 しかしながら、私どもとしましても、最大限の経営努力をする中で、例えば、RDFの受け入れ検査の項目を少し検討してみるとか、本庁と事務所との事務の調整を図るなど、更に人件費につきましても減らしていく努力をさせていただきますとともに、全体の経費、例えば、灰処理費とか、いろんなことも考えられますので、全体経費の削減につきまして更なる努力をしていきたい、というふうに考えております。

○山本(勝)委員 企業庁長さん、どうもありがとうございました。

 私も安全面を決して軽視するということでは思っておりませんけども、できればひとつ、色々安全確認機関なんていうのを一つの、例えば、色々改革案を出していただくならば、安全機関なんかを設けて、色々試行錯誤をしていただきながらやっていければ、もう少し人件費の方についても精査をできることは精査をできるんじゃないかと思っておりますので、どうぞ、ご検討の方をよろしくお願いします。どうもありがとうございました。

○末松委員 おはようございます。鈴鹿市選出の未来塾の末松則子でございます。

 委員長を初めといたしまして委員各位の皆様のご理解を得まして、質問の場を頂戴いたしましたことを心から感謝を申し上げたいと思いますし、予算決算委員会の総括質疑をやらせていただきますのは4年間の中で今回が初めてでございますので、大変、不慣れな点もあろうかと思いますが、どうぞご理解をいただきたい、というふうに思っております。

 私にとりましてはこれからの30分間が大変長い時間になろうと思いますけれども、予算審議は重要な審議でございますので、真剣に議論をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。午前中のといいますか、先程の大野委員とも重なるところがあるかと思いますけれども、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 先日、平成19年度の当初予算の概要という資料をいただきました。一般会計ベースで平成19年度の当初予算は約6,690億円で、平成18年度に対しまして約238億円、3.4%減となっています。歳出予算を見てみますと、人件費、扶助費、公債費の義務的経費は全体の51.6%を占めていて、2.2%の増となっています。この全体比率の51.6%という数字は、投資的経費を機械的に80%計上しているというので、その額が今後増せば50%は切ってくると思います。ただ、前年度から額として増加をしていますので、それなりに注意を払っていかなければいけない経費だ、と思っております。

 投資的経費は、先程も触れましたように、前年度80%を機械的に計上しているとのことでした。前年度の差額は約295億円であります。今回議論をしています当初予算は、知事選挙を控えての骨格予算といいましても、大体7,000億円のうち300億円、つまり全体の5%にも満たない額しか残されていないということが骨格予算ということでありますので、仮に、投資的経費を平成18年度と同規模の歳出と見込みますと、全体として約62億円程度の増額予算になると考えられます。

 つまり義務的経費は増加をしています。政策的な経費として使える投資的経費は、骨格予算なので、機械的に80%を計上しました。ですので、予算全体としましては、前年度比約237億円減っています。が、もし投資的経費を平成18年度と同等にするのなら295億円となり、約62億円程度の増額となり、全体として約7,090億円の予算となり、2.3%増となります。もし、全体歳出を昨年と同じ規模にするのであれば、投資的経費は約1,361億円となり、前年度比95%となります。

 繰り返しになりますけれども、全体として昨年度と同様の歳出規模を保とうとすると、投資的経費を62億円削って、投資的経費は前年度比95%となります。投資的経費の規模を昨年度と同規模に保とうとするなら、全体の歳出が62億円増額になり、2.3%増になると考えられます。義務的経費と投資的経費の足し算、引き算で比較をしていますので、少々荒っぽい議論ではあると思っていますが、このあたりを知事はどのようにお考えであるのか、お教えいただきたいと思います。

 このことになぜこだわるかといいますと、年々予算規模を縮小する中で、投資的経費はかなり削られていることはご承知のとおりであります。今年度の当初予算は、骨格予算だ、骨格予算だと言っておりますけれども、投資的経費は機械的に80%としましたと言われると、気分的には、選挙が終われば6月補正で政策的な予算が計上されて、私たち県民の期待をする施策は取り組まれるんだなと思ってしまいますが、当初予算を拝見いたしておりますと、どうも、その辺の考え方がこちらに伝わってこないと思います。もう一つ、いわゆる貯金と言われています財政調整基金が25億円しか残っていないということも考えますと、骨格予算しか組めなかったと思えて仕方がありません。

 投資的経費につきましても、80%を機械的に計上したと言うのではなく、どういう精査の仕方をしたのか、それをお教えいただきたいと思います。そのことが骨格予算の本当の意味でもあると思いますので、よろしくお願いいたします。

 次に、県民1人当たりに使われる予算額を見てみたいと思います。教育費は、平成18年度が9万7,331円、19年度は9万7,643円と微増。公債費、つまり借金の返済は、18年度が5万878円、19年度は5万1,638円とこれも微増。土木費は18年度が5万4,835円、19年度は4万4,267円と約1万円の減額、これが80%。民生費は18年度が3万7,361円、19年度が3万8,548円と微増。総務費は18年度が2万5,796円、19年度が2万5,919円と微増。農林水産業費は18年度が2万4,186円、19年度が2万217円と4,000円減額、これが前年度比83%。警察費は18年度が2万2,129円、19年度が2万2,263円と微増。商工費は18年度8,610円、19年度7,337円と約1,500円の減、これが前年度比85%となっており、土木費と農林水産業費、商工費以外は微増でありますが、この土木費、農林水産業費、商工費が減額となっております。

 これにつきましては、先程来話をしていますように、骨格予算ということなんだろうと感じておりますが、この辺のお考えをお教えいただきたいと思います。逆に言いますと、教育費、民生費、総務費、警察費、衛生費などは、聖域とは言わないまでも、骨格予算と言いながら、確実に予算を確保していると見受けられますが、どのようなお考えでしょうか、お聞かせをください。

○野呂知事 末松委員の方から19年度の骨格決算について色々分析しながらお話がありましたが、最後、各費目で予算額の比較までされました。解釈していただいておることは、正しくない状況が誤解をされていく可能性がありますので、そこら辺について少しきちっとお話を申し上げたいと思います。

 まず、骨格予算として今回組ませていただきましたけれども、6月の補正、肉づけ予算、これを入れて19年度の予算というものをしっかり見ていかなければならないということが、まず第一必要でございます。そこで、肉づけ予算を想定した時にどれぐらい必要なのかということ、これは本来なら選挙が終わった後の任に着く知事が責任を持ってお答えすべきことでありまして、いささか私の立場からいきますと、敢えてお答えするならば、ということで、175億から190億円程度必要だと思われると、こういうことを申し上げました。

 それから、その中身につきましては、非公共事業では15億から20億円ぐらい、しかし、公共事業については160億円から170億円ぐらい必要であろうということを申し上げておるところであります。これにつきましては、例えば、18年までやってきております主要幹線道路の概成につきまして、これは19年度以降もしっかりやりながら、御遷宮までにかなりの主要幹線道路のネットワークを形成していかなければならない、そのための直轄道路事業費を確保するという必要もあります。それから、例えば、県単公共事業なんかでも、道路とか、それから河川等建設事業費ですね、それから維持補修費、これもやはり18年度並みに確保はしていかなきゃならんだろう、こういうことを考えますと、160億円から170億円ぐらい確保していかなければならないのではないか、こういうふうに考えております。

 ただ、18年度と比較したときに考慮をしていただかなければならない要因として、18年度の特殊要因というのがございました。それも先程ちょっと申し上げたんでありますが、志摩開発有料道路のII期の無料化開放負担金、これが31億円減額されたということ、それから鈴鹿スポーツガーデンの整備事業、これも終わりましたね。ですから、18年度では、これ、合わせると45億円になりますが、これは特殊要因として一つ考えておいていただく必要がある、ということでございます。

 こういうふうなことを考え、そして来年度補正で道路、あるいは県単等の先程申し上げたような対応をやっていくということにしていきますと、大体補正後の公共事業費の予算額、これは平成18年度の予算額と比較しまして96%程度になっていくのかなと。したがって、今の私の思いで敢えて言うならば96%程度にすべきでないかと、こういうふうな見方をしておるということでございます。

 それから、実は費目で色々と18年度と19年度を比較されました。

 土木費については、今申し上げたように一律18年度当初予算の80%にしたということ、これはご理解いただいていると思います。そして、それが最終的には96%程度になるべきだという私自身の考えがある、ということも先程申し上げたところです。

 それから、そのほか、例えば、農林水産、それから商工費、これはやはりそれぞれ特殊要因がございます。特に農林水産で申し上げると、例えば、農地・水・環境保全向上対策というのがございますね。ああいった事業というのは、これまでになかった、実は、非常に地方分権と逆行するようなやり方を実は農水省はやり出してきたんですね。それは何かというと、今までですと、県を通して事業の補助金というのを地域へ持っていったんですが、それを直に団体に出すということになってまいりまして、したがってそういった関係から、事業費そのものがなくなったわけではないが、一つ制度として変わった、ねらいも少しずつ付加されておるにしても、予算そのものでは県を通じなくなりました。こういったところが沢山ありまして、したがって、実は、そういったところへの県の出費はわずかであっても、旧来の事業費換算でいくと、相当量、実は、確保されておるというようなことがありまして、こういう特殊要因を見ていただかないと、中々理解していただけないと思います。

 そのことは、例えば、商工費についてもご指摘がありましたけれども、これは貸付資金制度というのを利子補給制度等にかえてまいりますと、その原資に当たる部分が必要なくて、利子補給の分で計上しているというようなことで、商工費も、実は、そういう側面が大きく影響しておるということであります。

 いささか説明にまだ十分でない点があったら、総務部長の方で補足してもらったらいいんだけど、よろしいか。

○中尾総務部長 2点程補足させていただきたいと思っております。

 1点目は、義務的経費の増についてのご指摘がございました。実は、義務的経費につきまして、人件費が大きなところを占めておりますし、それ以外、いわゆる社会保障の関係のところで増加しておる、ということなんでございます。

 1点補足させていただきたいと思っております点は、人件費でございますけども、これが増加しております大きな要因は、いわゆる団塊の世代の退職に伴いまして退職手当が増加をいたします。この増加分が62億円というふうに見込んでおります。これに対しまして人件費全体の伸びは、この退職手当の62億円の伸びよりも下回った59億円の伸びということで、このあたりは総人件費抑制の取組も行っておるということは補足させていただきたいと思っております。

 それから、公共事業関係の、いわゆる公共事業関係費と、それから先程の試算がございました投資的経費と、これは少しカバーが異なっておりまして、ご案内のとおり、いわゆる施設整備みたいなものも投資的経費には含んでおりますので、先程知事がご答弁申し上げた数字は公共事業の伸び率のことを申し上げておりまして、また投資的経費がどうなるかということについては、また、6月補正後にきちんとご説明させていただきたい、というふうに思っております。

○末松委員 ありがとうございました。

 投資的経費と公共事業費の伸び率がまた違うのかというのは、6月にわかるということでございますので、そのようにさせていただきたいと思いますけれども、96%程度というふうな予算となってまいりますと、やはり余り投資的経費は期待ができないのかなとは思いますが、知事が選挙が終わってからということでありますので、そういうふうに理解をさせていただきたいと思います。

 大変大切な選挙でございますので、私たちもその審判を受ける身であります。ただ、骨格予算といいましても、やはりそれなりの考えを持って編成をしていかないと、明日から、知事がかわりましたから、県民の皆さんの生活を変えてくださいというわけにもいきませんので、そういった意味で6月の補正予算への対応も視野に入れた議論をしなければ、県民に示しながら、明らかな予算の議論をしなければ、というような思いから質問をいたしましたので、総務部が中心になっていただくのでございましょうが、各部におかれましても色々な意味で配慮をしていただきたいなと思います。

 さて、次に、少しだけ突っ込んだ話をさせていただきたいのですが、骨格予算と言われる中で新規の事業も沢山上がっておりますが、中でも私が注目しましたのは、当初予算主要事項の72ページにも記載をされております総合的がん対策推進事業の3,800万円であります。事業概要を読みますと、「がん診療拠点病院を中心にした診療・緩和ケアのネットワークの構築、院内がん登録、人材の育成及び患者やその家族に対する相談支援を推進します。また、がん検診の質の向上を図るとともに、検診率の向上に向け、啓発活動を積極的に実施します」とあります。

 がん対策や緩和ケアは、昨年来、国も積極的に取り組む姿勢を示しており、三重県としてもそれを受けとめて取組をしていこうということだと思いますが、昨年の今頃、緩和ケア病棟建設で活発な議論をしたことを記憶しております。この新規事業が骨格予算の中で計上をされてきているということは、どういった内部での議論があったのか、平成19年度以降、どのような取組をしていくのかをお聞かせいただきたいと思います。

 がん対策は、患者さん本人はもとより、そのご家族の皆さんの問題でもありますので、県民生活に直結した非常に重要な問題だと思っておりますので、この事業の具体的な部分をお教えいただきたいと思います。当初予算以降にがん対策関連の施策をどのようにお考えになっていたり、6月以降の補正予算でどのような対応があるのかをお聞かせください。

○向井健康福祉部長 がん対策についてでございます。

 がんによる死亡者、3人に1人は死亡ということで、非常に大きな県民にとっての関心事だと思っております。昨年6月にがん対策基本法もできました。その中で、県としても有効ながん対策を進めていかなければならないというふうなことで、特に委員ご紹介がございましたような緩和ケアについての様々な検討も進めてまいりました。例えば、緩和ケアにつきましては、緩和医療の提供体制の検討会というものをがん対策協議会の下に設けまして、何度も議論を進めてまいりました。そういった中で、がん対策につきましては様々、特に患者さんやその家族の生活の質を向上させるという、そういうようなことから、また、県がん診療連携拠点病院と、そういうところに三重大学が入ってきたと、そういうところを中心に取組を進めていくということも含めまして、やはり当初から計画的に取り組むべき事業というふうな位置づけの中で、当初の方に組ませていただき、そして計画的に取り組んでまいりたいということでございます。

 具体的な事業は、委員からもご紹介が幾つかございましたけれども、診療連携拠点病院を中心にしました、そういう取組を強化していくということといたしておりますとともに、そこの病院での院内がん登録という事業、要するにこれはデータを集めていくのに非常に重要な事業でございます。そういったことを進めていく、また、がん検診についての啓発を進めていく、また、委員のご紹介にもございましたような緩和ケア、非常に重要でございます。

 こういったことにつきましても、昨年来のそういったハード物を進めていくということよりは、ソフト面での緩和ケアのネットワークという形で、がん連携拠点病院、それから、各々そういった相談機関とともにネットワークを組んで、県民からの相談なり、様々な医療相談等について受けていくという事業、そういうことも含めまして総合的に進めてまいりたい、と考えております。

○末松委員 ありがとうございました。骨格予算で、真剣にこの当初予算でがん対策を取り組んでいただきますということで、6月の補正では他の分野に大いに肉づけができるのかな、という期待をさせていただきます。

 がん対策につきましては、これからの取組になりますので、課題が山積する中で進めていかなければなりませんが、今も部長のご答弁をいただきましたように、拠点病院の充実や人材育成、また、検診の向上など、それぞれが全て欠くことのできないものでありますので、正に総合的ながん対策をこれから大いに推進していっていただきたい、というふうに思います。

 当初予算に盛り込まれなかったものが6月以降にどのような形で計上されていただくのか、また知事のマニフェストがどのように連動していくのかを注目しながら、私もこの場でまた頑張って議論ができるように頑張っていきたいと思います。

 予算決算の質問をさせていただくのは初めてございまして、非常に緊張いたしておりまして、原稿を読むばかりになってしまいましたが、時間もあと2分でございますので、終わらせていただきたいと思いますが、最後に、先日、一般質問をされました福山議員が今期でご勇退をされます。同じ女性議員として、大変心細さも感じておりますが、福山先生が切り開いていただきました道や、また、教育委員長の山根教育委員長も議場で登壇をされて大変頑張っている姿が最近目によく映ってまいります。女性が更に参画しやすくなるような三重県政の発展に一生懸命努力をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げまして、大変不慣れな質問で聞きづらかった点も多々あろうかと思いますけれどもご容赦をいただきまして、質問を終わらせていただきたいというふうに思います。

 知事、ありがとうございました。

○永田委員長 暫時休憩いたします。

 なお、再開は午後1時といたしますので、よろしくお願いいたします。

          (休  憩)

○永田委員長 休憩前に引き続き、委員会を再開します。

  総括質疑を継続いたします。

○西場委員 こんにちは、西場です。限られた時間ですが、どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。

 先程来からも色々そのようなお話があるんですが、まず、今回の予算審議は、非常に質問しづらいと言うかところがありますね。それはやっぱり骨格予算ということで、200億円近い財源がまだ保留されておると言いますか、封印されておりまして、公共事業もそうですが、その中に舞台づくりとか重点とか、こういう野呂県政の中の非常に重要な部分が入っておるのにそれが出てきていない。

 そういうものを勘案しながら質問せえと言われても、出てきていないのですから大変困っておりまして、知事は選挙があるからということで、大変誠実にまじめに考えられたんだろうと思うんですが、やっぱりその次の選挙を、出る出ないの、五分五分のような時なら、それもそう、さもあらんですけれども、その時の状況判断ですけれども、こういう時にそれは本格に近いものを出して4年間をちゃんと総括して、そして第二次戦略の中の中身のある部分も出して、そして議員と議論を戦わせる、県民にそれを評価してもらうということが大事じゃないかな、と思いますので、今回はそれが間に合いませんけれども、次、またの機会はぜひ、そういうことを考えながらやってもらったらどうかと思います。

 そんな中で、この「私の決意」というのがぼんと出てきました。これがどのように読み取ったらいいのかということで、マニフェスト議論というのがありましたけれども、知事はマニフェストというのは、今の地方政治のシステムにそぐわないということも言っておられまして、私も同感です。やはりこの政権公約というようなものでない以上、今の地方政治のシステムの中ではマニフェストというものはそぐわないだろうと。知事のそういった思いと議会が、この、それぞれ議論を尽くして、そして決着を見ていくというようなところで政策が決まってくるんだろうと、こういうように思っておりまして。

 二元代表制ということもありますけれども、二元代表制というのもいろんな言葉の理解があるかわかりませんが、住民代表という意味においては、これは知事より議会の方が格段に上だと思います。住民の代表として来ております。知事はむしろその県政の運営を託されて、それを運営していくCOと言いますか、最高経営責任者として県民から信頼を得てそれをやっておられる。

 ですから、我々のやっぱりこの三重県丸の船長としての知事の力量に期待しながらも、やっぱり県民代表総代であります我々の意見というものはしっかり聞いていただきながら進めていかねばならん、とこういうように思っておりますが、そんな中では議会のこの審議、色々思いというものをしっかり考えていただきながら、重要な政策を決めていただければな、とこういうように思っております。

 そんな中で、選挙を間近にして決意ということになっておりますが、いかにもマニフェスト的なものが出てきた。しかも文章でこれがこの期間に配付されるということになりますと、この中身というのは非常に重たいですよ。これは色々中身の中ではよく、我々と議論をしながら進めていった内容が多くを占めておりますし、かなりな部分は理解するところでありますけれども、特に、しかし、あっと思うのは、やっぱり博物館でしょう。

 知の拠点づくりを進めますと。三重の歴史文化の拠点施設としてふさわしい新博物館の整備の新しい基本構想と整備のスケジュールの策定を進めます、とこうなっているんですよ。これは我々議会としてもずっと色々な議論が尽くされてきた経緯があります。

 詳しく述べておる時間は今、ないわけでありますけれども、昭和60年あたりに基本構想が出た。その中で中央かテーマ館か、どちらを先んずるかという中で、最古の歴史博物館をまず整備していただいたという経緯もありますが、その後、中央博物館をどうするかという議論が出ました。そしてまた、そんな中で今日のようなバブルの問題、そして財政難、箱もの抑制という中で、それが立ち消えて、そしてもう一度復活してきた中でどうするんだとこういう中で、議会の方のいろんな意見も取り入れる中で、それが、また、前へ進まないというような状況にも入ったわけであります。PFIを導入してするかしないか、という議論もありました。

 そしてまた、自民党の議員団の中でも議論をいたしまして、その提言をさせてもらっております。自然系の博物館を求める請願書も出てきまして、議会としてそれを採択させてもらった。そして17年度においては、安田教育長も知事もそれぞれ常任委員会で、あるいは本会議で答弁をしていただいておりますけれども、当面の方針といたしまして暫定的に整備改修をして活性化を図っていくということにしたいとこういうことです。安田教育長もそう言っておられます。数億円と言いましたか、5億円と言いましたか、そういった金額の記憶も少しあります。

 そこまで積み上げてきた議論があって、私の認識不足かわかりませんが今日、この決意、わくわくが出てきました。これは一体どうなっているのと。やっぱり知事の真意を聞かせてもらわねばならんなということで、まず1点質問いたします。お願いいたします。

○野呂知事 この「私の決意」というパンフレットの中身につきまして、この場で議論をさせていただくのがいいのかどうなのかと思いますが、しかしお尋ねでありますので、私の思いとして申し上げたいと思います。

 なお、その前に二元代表制についてお触れになりまして、議会と私どもと、どちらが県民代表として上なんだというお話でありましたが、そのことについては、私と西場議員との認識が違うようでございます。二元代表制、今日の制度の中では専ら首長制と言われてまいりましたけれども、しかし、三重県議会では議会の改革を図るという立場から二元代表制ということを特に強調されて、その議会のあり方を追求しておられる、そのことは大変敬意を表するところであります。

 それぞれ議会を構成する議員を選ぶ選挙とそれから首長を選ぶ選挙、共に県民が選んでおるところでありまして、それぞれのその役割、機能をしっかりと果たしていく、そのことで二元代表制というその制度としてもしっかり機能していくんだと、こういうふうに思っているところであります。

 さて、そういう中で、博物館について私のこの決意の中で述べたことについてでありますけれども、これまでの経緯、これは西場議員もよくご存じのとおりであります。私もそれまでの経緯というものを受け継ぐ中で知事として就任しまして、この問題について考えてまいりました。一番大きな制約として、やはりどうしても財政的な事情、こういったところがあるのかなと思いました。

 それから私が知事に就任しました時に、もう既に議論の方向性は打ち出されてやってきておりました。私としては特に博物館について、就任する前からこうするんだという思いを特に強く持っておったわけではありませんので、このような経緯を聞いておる中でそういう方向も一つなのかな、という思いでありました。

 したがいまして、そういう方向での検討をしてきたところでありますけれども、実は、あの博物館を手直しして、機能もいろんな県民に回遊しながら博物館展示をやるとか、いろんなソフトメニューも組み合わせながら、しかし、拠点となる博物館についても一定の手直しが必要だ、ということで議論してまいりましたが、ただ単に耐震とか、そういう最低限の修理をやるということについても、私どもの考えておったよりも予算がかなりかかりそうだ、というようなことがわかってまいりました。

 したがいまして、数億、あるいはそれを幾分まだ上回るというような経費も当然かかってくる、そういう状況でありますので、私としてはそういったところまで投資をしていくということになるならば、トータルで考えた時に、耐震をやっても、やはりそれは耐用年数としてかなり制限がある状況であります。しかし、恒久的な新たな博物館というものを考えるとすれば、そうすれば、いわゆる暫定的な修理で、もう一度時期がきて建て直すということと、トータルのコストとしてどちらがかかるのかというようなことも、これもあるのではないか、とこういうふうに思いました。

 それから感性ということをずっと突き詰めながら、文化力指針というものを作り、文化力を高めていこというところを質の行政改革として打ち出してまいりました。その文化力ということを言った時に、余りにもこの博物館というこれまでの三重県の生きざまを象徴するそういう建物についても、余りにもみすぼらしすぎるのではないかな、とそういう思いを強く持ったところであります。

 したがいまして、私としては次の選挙に臨むに当たりまして、やはり次の期を知事として担うことができるのであれば、これについては、もう一度しっかりと議論をしていくべきだ、とこう考えております。

 したがって、ここに基本構想、整備スケジュールの策定ということが思いとして書いてありますが、この基本構想ということについては、やはりそれなりに有識者の皆さんやそういうところから、そういう方々にゼロからの議論をぜひやってもらいたいなと、やっていきたいなと、こういう思いでございますので、当選させていただくことができましたならば、そんな中で県民と一緒に考えながら議員の皆さんにも色々とご意見をいただきながら、進めさせていただいたらいいのではないかと、こういうふうに思っております。

○西場委員 お答えをいただきまして、知事の思いがわかったわけでありますが、私が問題にしておるのは議会の権限、権能の問題です。本会議で暫定整備でやるといった知事の発言があり、教育長も委員会でそれを言った中で、それを覆すのであれば、議会に対して本会議なり、そういった中で、きちっとしたその転換を議会に提案をして変えないと、これが選挙の公約というか願望として出ていったのでは、非常にきちっとしたステップを踏んでいない、というところを問題にしているわけであります。

 もう一つは、この歴史文化の拠点というところに、はっきりと歴史文化ということで新博物館を位置づけた。従来は自然系というのもあるわけですよ。そういうところについて、これは明記されただけに、やっぱりこの言葉が一人歩きするというのは、非常にまだまだ議論の十分でないところがある、というこういうようなところを心配するわけです。

 知事の思いがこういうことであれば、今までの請願の採択の内容なり、そして本会議の公的な質問にあるにもかかわらずこうなったということを、これ、やっぱり全協なり何らかのところでしっかりとした表明と段階を経てもらわないと、このままではいかん、とこういうように考えておるわけでありますが、その対応をしっかりやっていただくように、じゃ簡潔にお願いします。

○野呂知事 これは、私は知事という責任ある立場として、これまでの議論についてはそれを尊重してまいりました。しかし、いわゆる任期がまた変わっていく知事につきまして、仮にどういう方が知事になられるのか、ということはこれは選挙で県民が決めることでありますけれども、そこに対して組織の長というよりも一人の候補者という立場で思いを述べることについては、これはいささか非難されるべきことでも何でもありません。

 政党というところで政策を決めておることと、議員個人の意見の違いもこれもよくあることであります。そういう意味では、私としてはしっかりそういったことも議論していきたい、ということを申し述べておるところでございますので、どうぞご理解いただきますようお願い申し上げます。

○西場委員 先程申しましたように、議会の公の場で発言されている問題についてのこの内容が変わってきたということでありますから、現知事として、あるいは現執行部として、その変更があったのであれば、それなりの変更について、しかるべきところにきちっとした説明というものを、やっぱり求めておきたいと思います。

 それと今、お答えがなかったですけれども、じゃ自然系はどうするの、ということについての説明も、その時にきちっとした回答をしていただかねばならんのかな、とこういうふうに思います。

 それから、平成11年に地方分権一括法が通りまして、そして議会の権能というのは大変大きくなった。議会に一括法で書かれた内容というのはごくわずかでありましたけれども、その議定の要件が、たしか8分の1から12分の1に変更になった。こういうことから、その要請といいますか、その時の流れを受けて、我々はこの政策議会を目指すということで、議定による政策条例を作ろうということについて今日まで努力をしてまいりました。

 当初、スローガン的な条例はありましたけれども、本格的な予算を伴う政策条例というのはなかっただけに、各会派代表者皆一丸となってこのことに取り組んだ。今後のことも含めて衆議院、参議院の法制局にも勉強に職員に行っていただいてそんな中で取り組み始めた。

 当初、どういう政策条例を出そうかという時に、この協働という言葉が出てきたものですから、三重県の行政を進めていく上に協働基本条例というのを作ろう、とこういうように大上段にかぶったんです。

 しかし、中々県庁は5,000人、我が方は30人の職員体制で、これで一丸となっても中々こういう大きい政策条例を作るにはあまりにもハードルが高すぎた。

 そんな中で皆で考えた結果、協働というものを含んだ生活創造圏の推進の条例を作ろうということになって、それで住民と行政の間にある議員だから、やっぱりこのことに我々の第1号の政策条例を作ろうじゃないかということでやって、これが出来上がったわけですね。より住民に近いということで、である調じゃなしに、ですます調の文体にいたしまして、全国でも初めて、しかも国の法制局まで認めさせる中で、ですます調の条例を作り、そして全国に先駆けて協働という言葉を定義づけた、そういう条例であります。

 そういう記念すべき条例でありまして、それだけに終わらず、リサイクルがあり、児童虐待防止の条例ができ、そして最近においては地域産業振興、または森林づくりという、こういう本格的な政策にまで我々議会がタッチさせていただくことができた。もちろん執行部の協力もいただきました。そういう中で今日まで来ておるわけでありますけれども、その第1号の生活創造圏を担保した条例が、今、どういう状態にあるかということです。

 一旦、決めた政策を中折れさせないために条例でコンクリートしたんです。これを担保させて県民に信頼を得て、今後、生活創造圏のそして協働の政策をずっと進めていくために、生活創造圏ビジョン条例というのを決めて、そして我々は県民に約束したわけですね。

 今回、19年度予算の中で生活創造圏の予算がゼロであります。ということは、この条例として県民に約束したこの内容が、今回の予算案の中に出てきていないんです。でありますから、これについてどういうようにこれから対応されるのか、また、どういう思いでこのことに取り組んでおられるのか。自分の考えを申す前に、このことについて伺っておきたいと思います。

○野呂知事 あまり過去の経緯にこだわらなくてもいいんじゃないかなと思います。

 というのは、生活創造圏を考えられたその条例の時の背景と今日の背景は、また大きく変化をしてきております。例えば、その当時は、市町村合併というのは少なくとも現実的に考える状況でもなかった。それからバブルがはじけて長い間、経済的にも低迷に苦しんできたそういう中で、益々世界的な地域間競争が一方では激しくなって、このグローバル化というものもどんどん出てきておる。それから地方分権とともに国土形成というのを考えたときにも、県域を越えたようなそういうブロック化、こういったことも出てきております。

 そして何よりも、やはり地方分権が進もうとし、そして、今後、地域主権の社会を作っていこう、そういう動きになってき、そして現実に市町村合併も進んでいく中で、どうあるべきか、ということをそんな過去の経緯だけにとらわれるのではなくて、もっとやっぱり自由に考え、そしてふさわしいものに変えていく必要があるのではないかなと、こう思います。

 そういう意味で、これから県の政策というのは、やはり何と言いましても県域を越えた、より広域的な視点も必要だし、また県全体をしっかり考えていくということ、これが大事でございます。

 一方、市町村では市町村合併も進みまして、そして市長さんや町長さんに聞いても、自分たちのまちのことはやっぱりしっかり自分たちで決めてやっていくんだと、そういう分権をこれからより望んでいるんだということであります。したがって、市町とはそれぞれの地域の地域づくりということについては、市町に自主性、自立性というものを持っていただき、主体性を持っていただいて、その上で県と連携して取り組んでいく。県は支援、補完という、その役割を県の役割としてしっかりやっていく、こういうことが大事ではないかな、とこういうふうに思います。

 そんなことから、今回のこの中間案でもお示しをしておるとおり、県土づくりと地域づくりというふうに一つの仕分けをしたところであります。しかし、地域づくりと県土づくり、これは県土は地域の集合体でありますから、これは密接に、もちろん関係ありますから、より市町と連携をしてやっていくということが必要ではないか、と思っております。

 そういう考え方も持ちながら、既に県民局は昨年から廃止になっておるところであり、そういう状況に県の仕組み、あるいは条例のあり方だとか、そういうことについても当然、その変化に合わせていくという必要があるということで、色々今日まで整理をしてきた、というところがあるわけでございます。

○西場委員 過去の遺産にこだわっているわけじゃないんです。今、生活創造圏という名前は古くなりましたけれども、今、今日、知事が言われる地域主権の社会、協働、感性、県民主役、これらは生活創造圏の中に包含された大事な要素です。ですから生活創造圏という言葉を葬って次の新しい名前を作られるのは結構です。しかし、知事の今、言われている要素というものを全部作り上げてきた、ポスト生活創造圏いうものがしっかり出てこないといかんじゃないですか。

 生活創造圏で一応18年度最終で、それでも一品なくしてはいかんということで、広域の市町村に2分の1助成する3,000万円の事業がまだあった。そしてその後、県独自の4,300万円の事業があった。7,300万円あったんですよ。18年度はゼロですよ。ポスト生活創造圏があれば、まだそれに切りかえていくということもありますけれども。

 それで市町村が皆、元気になったから大きくなったから、それは結構なことです。伊賀市のように基本条例も作って住民自治を中心としたまちづくりをやろうという先進市町も出てきた。そういうところばかりになればいいけれども、やっぱり過渡期というのが段階がある。その時にこの広域行政体としての県の果たすべき役割はまだ終わっちゃいない。だから県民局の一気に廃止も、非常に早すぎたといいますか、まだその段階で何かしなくちゃいけないことがある。

 この度の本会議の時から市町村連絡会議を設置する、そういうことが必要でしょう。しかし、それだって、あの県民局の縦割りになった建設事務所、それぞれの事務所の連携をさせるのに今のセンター長の権能は権限はあまりにも小さすぎる。それも含めて、昔のような県民局、県民局長にしろとは言わないけれども、やはりそこで果たしておった役割をきちっとできる出先の見直しというのは早急にやらないといけないと思いますよ。

 少なくとも条例というもので決めたこの生活創造圏というものを、これでなくすのであれば、その条例の廃止なり新しく変わったその修正なり、そういうものを手続としてちゃんと出してもらわないと、こんな行政のプロとしていかがなものか、と私は思います。

 この対応を真剣に考えて議会の方にちゃんと返答してください。よろしいですか。

○野呂知事 基本的には、やはり今後、県と市町のそれぞれ果たす役割がどうあるべきなのか、その上で県が主体でやる事業、そして市町村が主体でやる事業、こういった基本的な仕分けを持ちながら、やはり連携協働していく、ということは確かに大事なことでございます。

 それで、ちょうど制度がこういうふうに切りかわるときでありますから、特に議員の皆さんが果たされてきた役割、これも生活創造圏、色々かかわりを持たれてやってこられたと思います。そういう制度が変わるというところで、色々なお気持ちをお持ちだとこういうふうに思います。しかし、まずは基本となる考え方をそういうふうに私どもやはり共有させていただかなきゃいかんと思います。

 そしてぜひ、そういう意味では新たなこういう体制になったんでありますから、そういうふうにしていこうということに基づいて、県と市町の協働のあり方をより具体的に地域の特質の違い、あるいはテーマ、こういったことを個々に少し選びながら、私はセンターで市町の関係の皆さんと県とで一緒に協議をしていく、そういうことが大事なんではないかということで、議会の皆さんのご議論も踏まえた上で連絡会議というのを持っていこうではないか、ということにいたしました。

 そういうところで、少しやりながら、ぜひ、今の議論についても、私どももより有効な方法というものがあれば、そういうことを付加していったらいいのではないかと、こういうふうに思っているところであります。

○西場委員 時間になりましたので、これで終わらさせてもらいます。色々ご回答ありがとうございました。

○岩田委員 自民、無所属、公明議員団の旧阿山・名賀選出の岩田でございます。よろしくお願いをいたします。

 今日は予算特別委員会ということでございまして、午前中からも三重県の財政厳しいと言われている財政面についてお伺いをいたしたいと思いますが、特に私ども前から色々と県民の皆さんから意見を聞いております社会基盤整備、主に道路関係についてお尋ねをしていきたいと存じます。

 まず最初に、道路財源の確保についてお尋ねをいたします。

 平成17年12月、政府は道路特定財源の見直しに関する基本方針を取りまとめ、去る12月8日に道路特定財源の見直しに関する具体策を閣議決定をいたしました。この中で、暫定税率分も含む現行の税率水準を維持した上で、毎年度の予算に応じて税収の全額を道路整備に充てることを義務づけている仕組みから、道路歳出を上回る税収は一般財源とする仕組みに改めると、揮発油税も含めた一般財源から可能となるよう平成20年の通常国会において所要の法改正を行うと明記をされております。

 しかしながら、真に必要な道路整備は、計画的に進めることが明記されておりまして、平成19年中に作成される具体的な道路整備の姿を示した中期的な計画が次の焦点となっております。道路特定財源については詳しくは申し上げませんが、今、行われております暫定税率というのは、道路整備5カ年計画が作られるごとに、そのための財源として国会で租税特別措置法が審議され、5年間の期限を持ってその都度、延長するという手続がとられてまいりました。暫定税率が30年も続いていることから、その税率が定着した、というのはこうした経緯を無視した乱暴な議論ですし、ましてや一般財源化することの根拠にはなり得ないと思います。

 一方、県民の皆さんは税金収入で賄う高速道路以外の道をよく使う名阪国道や国道23号、あるいは国道42号線などの一般幹線道路や身近な生活道路の現在の整備状況に満足しているでしょうか。JAF日本自動車連盟が昨年行ったアンケート調査によりますと、日常よく使う一般幹線道路に満足している人は24.4%、身近な生活道路に満足している人は18.4%に過ぎません。本県においても、都市部の道路では朝夕に慢性的な渋滞が起こる一方、中山間や東紀州での道路整備がまだまだ進んでいないなど、県民の皆さんは決して今の道路整備状況に満足しているわけではございません。身の回りの道路はまだまだ整備が必要だと思います。

 毎年度の予算においても、公共事業に対する一律のシーリングにより、自動的に道路予算が抑制されている現状の中で、今後、更に道路歳出分が圧縮され一般財源化が拡大するようになると、渋滞緩和のため整備を進めている23号北勢バイパス、中勢バイパス、あるいは地域の安全確保や産業振興、環境振興に重要な役割を果たしております熊野尾鷲道路や第二伊勢道路等、幹線道路の整備が進まなくなります。更には、身近な生活道路においても交差点改良や歩道整備などの交通安全対策、日常の道路維持管理にも支障を来し、道路の安全が確保できなくなります。

 以上のことから、県民の皆さんの生活や経済活動を支え、更には安全を確保していく意味においても、道路特定財源は道路の整備や維持管理に極めて重要な財源と考えております。このため、三重県議会としても昨年10月に道路特定財源制度の維持と一般財源化反対に向けた意見書を採択し、政府に申し入れたところでございます。

 しかしながら、全額道路整備に充てる道路特定財源制度が改めることが決まり、19年中に作成される具体的な道路整備の姿を示した中期的な計画が次の焦点となっている中、安定的な財源の確保について懸念しているところであります。そのため、計画的な道路整備を進めるために必要な道路財源の確保に向けて、県民の皆さんと一緒になって引き続き懸命に取り組んでいくことが重要であると考えますが、このことに関しまして、知事の所見と県としての今後の取り組みについて、お伺いを申し上げます。

○野呂知事 色々とご指摘ありましたように、今日、道路を考えてみますと、三重県にとりましては産業、あるいは観光、あるいは防災等も含めた安全、安心、いろんな面で生活を支える極めて重要なものでございます。そういう意味におきまして、三重県では、まだそういった基盤整備が十分に行われてきていない。まだまだの面が多くあるところでございます。

 例えば、今、命の道として紀勢自動車道や熊野尾鷲道路、あるいは第二伊勢道路、そしてこれらにアクセスする県管理の道路、こういったものについても御遷宮までに概ね、概成させていくんだということで取り組んでおるところでございます。その他、中勢バイパス、あるいは北勢バイパス、これも非常に整備が今日まで遅れてきておった状況がありまして、今、何としてもこの整備を急いでいこうということにいたしておるところであります。

 こういう時に、実はその財源として道路財源については安定的に確保される状況でなければならない。そういう中で今回、道路特定財源についてのいろんな議論が行われておりますけれども、例えば、こういうバイパスとか、あるいは高速の直轄、こういった経費につきまして県も相当多額の実は負担をしておるところであります。今、財政状況が非常に厳しい中で、この負担も本当にやりくり算段の中で必死になってやっております。

 したがって、道路のその経費が必要なくなってきておるという実感などというのは、地方の実態を無視した議論でございます。国で使い方がないのなら地方へしっかり回してもらったらいいではないか、我々はそんな気持ちもぶつけたりいたしております。

 いずれにしましても、道路特定財源については、その安定的な確保が大事でありますので、私ども知事会だとか、いろんな各般のところでそれを今日までも緊急決議したり、予算要望の段階でそれを国に要請したり、というようなことを行ってきたところであります。

 お話になりましたように、閣議で、しかし、今後の道路財源の見直しに関する方針が定められました。したがって、19年度中に道路整備の姿を中期的な計画として作成をしていくということであります

ので、当面、そういったところを注視をしていかなければなりませんけれども、しかし、私どもとしてはそういう中で、これからのやはり国の特定財源全体の確保、必要性というものについて、引き続きしっかりと対応を考えて行動していきたいなと。

 あらゆる機会に国に対してもその必要性を訴えてまいりたいと、このように考えているところでございます。

○岩田委員 はい、どうもありがとうございました。

 知事の財政、道路の財源の確保に関するお考えや決意のほどが確認をでき、ほっと安心しているところでございますが、見直し具体策の中期的な計画が焦点となることから、私どもも国会の議員を通じて微力を尽くしていきたいと考えておりますので、どうか知事におかれましても全力で取り組んでいただくようお願いをしておきたいと思います。

 それでは次に、合併支援道路の整備についてお伺いをいたしたいと存じます。

 県では、平成16年度から3カ年計画である県民しあわせプラン戦略計画において、高速道路と市町村合併を支援する道路整備プログラムを重点プラグラムに位置づけ、県管理の市町村合併支援道路を整備してまいったところでございます。平成18年度補助事業実施箇所のうち、支援道路として内定を受けた路線は、県内では29路線、伊賀市内では8路線で整備が進められております。

 6市町村が合併をした伊賀市において、合併してどこがよくなったのか、と私どもよく聞かれることがあります。今こそ地域と地域、人と人の絆を深めるためにも、地域が一体となったまちづくりを進めることが最重点課題であり、そのためにも各地域の連携を促進する幹線道路、すなわち、国道や県管理道路の整備を進めることが鍵になっていると思います。

 しかしながら、伊賀地域では公図混乱地域や用地確保等の問題もあり、進捗が遅れているのが実情で、引き続き整備を進めていく必要があろうと思います。

 一方、次期戦略計画の中間案では、重点プログラムにおいて合併支援道路の整備に関して明確に位置付けられておりません。また、平成15年に策定された新道路整備戦略についても、前期5年の重点整備期間が終わることから、19年度に見直しを行うと聞き及んでおります。合併支援道路の整備は、引き続き重点的に取り組んでいただきたいと考えておりますが、来年度の新道路整備戦略についてどのように位置づけられておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。

 併せて次に、道路特定財源の重要性や合併支援道路の意義に関する県民の皆さんへのPRについて、お伺いと、ご提言を申し上げたいと存じます。

 道路を車で走っていると、時折工事中の箇所において、この道路は揮発油税で自動車重量税の税金で建設されておりますというような仮設看板を見受けますが、小さくて相当意識をしていないと見落とすことがあろうと思います。この道は私たちが払っている道路特定財源のおかげでこんなによくなったのか、また、この道は合併したそれぞれの地域の連携を促進するために整備されているのか、というようなことに、県民の皆さんに説明し、気づいていただくことが大切であり、道路特定財源の重要性や合併支援道路の意義について、県民の皆さんにもっとPRしていくことが重要だと考えます。

 工事中の仮設看板はもとより、道路改良が完了した箇所においても、この道路は道路特定財源で整備されていますとか、この道路は新市の連携を進める絆の道です、などの常設看板を設置し、道路特定財源の重要性や合併支援道路の意義を県民の皆さんにもっとPRしてはいかがでしょうかと考えますが、県土整備部長のお考えを聞きたいと思います。

○植田県土整備部長 まず、合併支援道路の整備につきましてお答えいたします。

 合併支援道路の整備につきましては、平成15年度策定の新道路整備戦略の整備方針に、道路が効果的に機能するネットワークの形成を基本とし、県民ニーズ等に応える道路整備を目指すため、市町村合併を支援する幹線道路を整備する、と明記して重点的に取り組んでいるところでございます。この新道路整備戦略につきましては、平成19年度に見直しを行うこととしておりますが、引き続き合併支援や県内道路ネットワークの形成、緊急輸送道路等県民生活の安全の確保、産業振興や地域の活性化などの観点から見直しを進めていきたい、と考えております。

 続きまして、道路特定財源の重要性や合併支援道路の意義に関する県民の皆さんへのPRについてでございますが、道路特定財源の重要性については委員もご指摘のように、パンフレットや工事中箇所での道路財源PRポスターの設置、工事看板等でPRに努めているところでございますが、ご指摘のように、合併支援道路の目的についても県民の皆さんに周知をしていくことは大変大事なことであると考えております。

 このため、道路特定財源の重要性や合併支援道路につきまして、看板の設置も含めて有効なPR方法について検討してまいります。

○岩田委員 はい、ありがとうございます。

 そういったことで、部長も前向きに取り組んでいただけると思っておりますが、ただ今、私ども先程申し上げたとおり、合併してどこがよくなったか、とよく聞かれます。そんな中、やはり目に見えてということになれば、実は、伊賀市の行政の方からも度々私どもに質問等が参っております。

 ということは、1市5カ町村が合併いたしました。そんな中、面積も558平方キロメートルと三重県で3番目に大きな市になっているというような観点からして、非常に地域と地域を結ぶ道路については、まだ未整備のところが沢山ございます。もちろん川上でも周辺整備も非常に遅れております。

 そんな中、合併特例債というのが、恐らく伊賀市では420数億円が10年間で、ということだと思います。それに付随してよく市長さんからも言われます。合併を推進していくための合併推進債もあるじゃないかと言われます。

 これ、突然申し訳ないですけれども、これは財務の方、総務だと思いますが、こんな、恐らくそのお金も投入しているということであろうと思いますし、他にもいろんな支援を受ける補助事業もございます。それらと同じような率であろうというふうに聞かせていただいておりますが、それならば合併をしたところで、これは合併推進債を借りてやっていますよ、というのをはっきり明示をしていただくというのが、私はそれの方がいいじゃないかと思うんですけれども、総務部長、そこら辺のところはどうでしょうかね。

○長田政策部理事 合併支援の関係は私どもで担当させていただいているので、私からお答えさせていただきますけれども、合併のメリットが目に見える形であらわれるというのが、一番、やはり地域の住民の方にとっては、合併してよかったな、という実感になると思っております。

 そういう中で、私どもとしましては、合併支援交付金というものを合併市町には交付しております。全体で10カ年で104億円を交付するということになっていまして、現在まで合併後の16市町には36億円の交付をしております。今後、年度計画的に随時交付をしていきたいと思っています。

 そしてまた、合併特例債、合併推進債につきましては、両方とも合わせまして、今後、16市町に対しまして377億円余の合併推進債、合併特例債をもって事業をしていただけることに計画をしております。岩田委員おっしゃるように、そういうものが地域の方々が何によってこの作られておるかということがわかることが、合併してよかったな、ということになることとも考えられますので、そのことにつきましては担当の該当市町の方と話を進めさせて、今日のところはご意見としてお伺いさせていただきたいとこういうふうに思います。

○岩田委員 はい、それじゃ総務の方も、そういったことでこれから進んでいくというお答えとお受けさせていただきたいと思いますが、やはり県としても県民の皆さん方には説明責任という中では、しっかりとそんなことを中身までをお教えする、知っていただくということがこれから先も僕は大事かな、というふうに思っておりますので、これからのことにつきましては色々市長さんなり、県民の方々から申されることについて、やっぱり説明がわかりやすいようにやっていただく、このことについてお願いをしておきたいと思います。

 次に、公共施設の維持管理に係る予算の確保についてお聞きをいたしたいと思います。

 歩行者を含めた道路利用者の安全な通行を確保していく上で、道路施設の適正な維持管理は非常に重要であろうと考えます。道路関係の県単公共のうち、維持修繕に係る予算については専らその財源を一般財源に求める必要があることから、平成11年度の当初予算では87億円だったのが、厳しいシーリング予算編成の中で年々減額され、平成18年度には57億円とおおむね3分の2に削減をされております。

 中でも県単公共のうち公共安全に係る予算は激減をしております。歩行者を含めた道路利用者の安全な通行を確保していく上で、道路施設の適正な維持管理は非常に重要であり、維持管理費の削減は維持管理水準の低下を招き、維持管理は非常に重要で、ひいては歩行者事故や道路管理瑕疵の増加など安全性の低下につながることが懸念されます。

 このように、道路の維持管理予算の確保が厳しい中で、いかにして安全を確保しつつ、効果的維持管理を実施していくか、また、真に必要な交通安全対策の予算をいかに確保していくのか、お考えをお聞きしたいと思います。

 また、道路と交通安全対策の一つとして、歩道整備に関する地元からの要望が多いことは伊賀地域に限ったことではないと思います。しかしながら、歩道整備手法として、これまでの3メートルを前提とした整備を見直し、今後は地域の状況に応じて2メートルの歩道や、現行の道路敷きを利用した路肩整備により歩行空間を確保するなど、整備手法の工夫を通じ早期に事業効果を発揮していくことが重要であると考えます。特に道路敷きを利用した路肩整備、すなわち、安心路肩の整備は、地元の理解と協力が不可欠でありますが、用地買収の面積や経費、工期が大幅に削減でき、早期に事業効果が発揮できると思います。

 安心路肩の事業費を重点的に確保し、地元からの要望が強く、かつ、人身事故が発生しているなど、緊急性の高い箇所から早急に整備を進めていくべきだと考えますが、土木部長のお考えをお聞きしたいと思います。

 最後に、河川砂防の維持管理予算についてお尋ねをいたします。

 このことにつきましては、今まで再三にわたり要望しており、今更くどいようですが、それだけ地域にとっては深刻な問題であることをご認識いただくため申し上げたいと思います。

 先程、道路の維持管理予算についてお尋ねいたしましたが、県単公共のうち河川の維持管理に係る予算についても、平成11年の当初予算では9億2,000万円であったが、厳しいシーリング予算の中で年々減額され、平成18年度には5億6,000万円と、概ね6割に削減されております。

 この県単独事業の削減による影響の一つに、河床に堆積する土砂が顕著になってきている問題があります。一度、河川が氾濫すれば、流域の住民は甚大な被害を受けます。堆積する土砂により年々上昇する河床を見て、増水した水がいつ堤防を乗り越えるのか、という住民の不安は確実に高まってきているように思います。こういった住民の不安の声を建設事務所に強く伝えてはおりますが、河川の維持管理予算がないので一向に対応してもらえません。

 このような状況の中で、逆に河川の維持管理予算は減額されているのが現状であります。河川整備戦略に基づき計画的に効果的に河川整備を進めるとの方針でありますが、長い年月を要することから、すぐに効果が出るようなものではないと思います。短期に効果を発揮するには、やはり河床に堆積した土砂を取り除くことであり、長期の河川整備と短期の河床掘削を組み合わせて計画的に治水対策を進めていくことが重要だと考えます。

 今後の河床掘削など、河川、砂防の維持管理について、19年度当初予算措置や、今後の予算確保を含め、どのように取り組んでいくのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

○永田委員長 申し合わせの時間が迫っておりますので、間接に答弁をお願いしたいと思います。

○植田県土整備部長 まず、道路施設の適切な維持管理の面でございます。

 これにつきましては、色々維持管理の適正な運用ということで、例えば、トンネル等の照明を以前のナトリウムランプから蛍光灯タイプにするとか、塗装の必要ない耐光性鋼材を使用した橋梁の塗装など、管理水準を維持するため管理費用の制限に努めているところでございます。

 一方、歩道整備などで交通安全対策等につきましても、用地確保の問題から事業期間が長期化していること、また、予算上の制約から市町村さんの方からいただいている沢山のご要望に対して、整備が追いついていない状況でございます。このため、交通安全対策について予算の額の確保に努めるとともに、緊急性の高い箇所、また地元要望の強い箇所から優先して整備を進めているところでございます。

 また、議員ご指摘のように、歩道の幅員を3メートルから2メートルの歩道整備としたり、安心路肩整備等モデル事業を進め効果的な整備手法に取り組んでいるところでございます。これらの整備手法を活用するには、地元の理解と協力は不可欠でございますが、用地取得面積や事業費、工期が大幅に削減でき、早期に事業効果が期待できることから、積極的に進めていきたいと考えております。

 続きまして、河川の維持管理につきまして、県内の河川の土砂堆積につきましては、やはり川の流れを阻害し洪水時の安全性を低下させている箇所が多く存在をしております。これらの箇所につきましては、各河川の状況を調査し緊急性の高い箇所から順次、計画的に土砂の撤去を行っているところでございます。

 河川の堆積土砂撤去などの維持管理は、重要な治水対策の一つでございます。平成19年度においても必要な予算の確保に努めるとともに、新たに維持管理室を設置いたしまして予算を一元化することによって、公共施設全体の効率的な維持管理に努めてまいりたいと考えております。

 以上です。

○岩田委員 どうもありがとうございました。公共施設につきましては、それこそ道路河川を含め、県民の生命財産を守る重要なものだと思っております。どうか、今後にもひとつよろしく賜りますようお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

○中村(勝)委員 こんにちは。新政みえ所属、鳥羽市選出の中村勝でございます。

 これから30分、ノロウィルスの風評被害、カキの風評被害でありますけれども、このこと。そして観光予算について質問をさせていただきたいと思います。

 ご承知のように、昨年12月初旬でありますけれども、ノロウィルスが大変流行いたしまして、各テレビ、マスコミ、新聞等で、カキがいかにもこの流行の原因者であるように報道され、そして三重県のカキ生産者、更にはそれの関連する関連業者の皆さんが大変な被害を受けております。これは三重県だけではなしに、全国の、そういった業者に被害が及んだわけでありますけれども、ぜひ、これから来年、来シーズンにかけても、このことは心配をされますし、今のうちにいろんな対策を打っていただきたいな、というふうに思っております。

 ノロウィルスと言いますと、野呂知事、まさに風評被害の当事者であったのかな、というふうにも思いますが、野呂姓の方が、子どもが学校でいじめを受けたということも聞いております。風評被害というのは本当に相手が中々特定できない。そしてまた、被害が国民全体からカキイコールノロウィルスというようなそんな刷り込みがされて、全くカキを食べない、85度に熱したり焼いたりすればこれは大丈夫なんですけれども、そういったことが全く吹き飛んでしまって、年末には毎年、歳暮などに送っておる、そういった方も相手のことを考えて送らなかった、という人が沢山おります。

 その原因について、ぜひ、これまでO157のカイワレ大根の件もありましたし、毎年いろんな形でこういった風評被害が起こっておりますので、県としても国の方にそういった被害者の対策について、ぜひ強く申し入れをしていただきたいな、というふうに思っております。

 今回の被害については、そういったマスコミの報道、更には厚生労働省のホームページにQ&Aがありまして、その中にカキなど二枚貝、そしてまた、カキの写真が掲載されるという、そういうことが原因であったというふうに思います。12月18日現在で、実は、先月10日に三重県の一番大産地であります鳥羽の浦村へ岡田克也代議士が現地調査に入っていただきまして、私も一緒に行かせていただきましたが、そして皆さんといろんな意見交換をしたわけでありますけれども、それに基づいて。

 この2月19日に国の予算委員会の方で質問もしていただきました。それに対する厚生労働大臣の答弁は、12月18日時点ではカキを原因とするノロウィルスの、原因食品がカキと特定された事例の報告はなかった、ということで答弁をいただいております。にもかかわらず、こういう結果になったわけであります。

 被害者にとりましては、まさに犯罪被害者でありますとか、あるいは冤罪、全く無実にもかかわらず被害を受けるという、そういった立場に置かれたわけでありまして、生産額については、一番、年末と、そしてこの1月がかき入れ時でありますけれども、ほとんど出荷ができない、あるいは値下がりしてしまっている、そんなことになって大変な被害を受けています。

 そこでお伺いをしますが、こういった社会の中でマスメディアを通じて風評が広がって被害を受けた、そのことについてやっぱり社会的に被害を受けた方々に、救済をする必要があるんではないか、というふうに思いますが、県としてはいかが考えるか、ご答弁をいただきたいなと思います。

 そして今回の風評被害の責任の所在といいますか、やはりこれは先程言いました国のホームページの問題もありますし、NHKを初めとした報道の仕方もあろうかというふうに思いますが、その責任の所在についてどう考えればいいのか、その点についてもお答えをいただきたいと思いますし。

 先程の岡田代議士の質問に対する答弁で、厚生労働大臣は県に対して、正確な原因の公表によって風評被害の防止に努めるように格段の留意をするよう通知をした、とこういうことを答弁しています。そのことを受けて、県の方でどのような対応をされたのか、この点について、まず、お聞きをしたいと思います。よろしくお願いします。

○向井健康福祉部長 ノロウィルスの流行原因とその対策のようなことでございますけれども、基本的に今回の流行というのは非常に早い。通常、冬季になりますと12月末から1月にかけてピークがございますが、今回は1カ月ほど早い。患者さんが非常に大きく増加しております。こういった中で、原因の究明というのはこれから進むところでございます。

 また、感染経路としましては、患者さんの吐物であるとか、便であるとか、そういうところを触ったところ、またはドアのとってとか、そういうところから感染した。また、ウィルスに汚染された、例えば、吐物が乾燥して舞い上がって、特にホテル等で感染者が非常に増加したとか、そういうことがございます。カキを食べたことによる感染を疑う声もございましたが、その12月18日に国会答弁で大臣が答弁したようにもありますように、今回の流行の原因ではない、と県としてもそう考えております。現在では流行も収まって、例年より低い水準に既になっております。

 こういったことにつきましては、やはり正しい広報が何よりも必要というふうに考えております。県におきましても、こういう流行を受けまして12月12日につきましても、あと2回ほど感染症の予防のための情報提供ということで、各県内の部局、また、特に私どものところにつきましては、社会福祉施設等が沢山ございます。そういったところに周知して、どういうふうに対応したらいいのか。特に消毒する際でもアルコールではだめで、塩素系の殺菌の必要があるとか、そういう様々な広報を行っているところでございます。

 いずれにいたしましても、いわゆる正しい理解、ノロウィルスがどんなものであるとか、どういうところから感染するのか、というところについての県民の正しい理解を求めるのは何よりも大切なことだ、と思っておりますし、今回につきましては、改めて何度も言いますように、流行の原因はカキではない、ということは県としても十分に周知をして、その対応をしているところでございます。

 以上でございます。

○中村(勝)委員 ありがとうございました。原因食品がカキではない、ということをはっきり言っていただいて、さぞ、生産者の皆さんは胸をなでおろしているんではないかな、というふうに思います。

 実は、三重県のカキにつきましては、県の方で保健所との共同で三重のカキ安心システムというこういうパンフレットも作っていただいておりますように、全国に先駆けて生食、あるいは、むき身のカキでもそうでありますけれども、保健所がそのカキの細菌数、あるいは海域の状況等を公表して、そのことが他の産地に比べて値上がりをしてきた。平成15年からこのシステムを使っております。

 ぜひ、今後ともこの真価を遂げていっていただきたいな、というふうに思っております。

 そこで、そのカキ安心システムのこれまで保健所とのコラボレーション、これの予算が、ぜひ今後ともこういう時期でありますし、更に進化をしていく、更に安心度を深めていく、というこういう面からもどうしても必要だというふうに思いますので、この予算の確保についてお答えをいただきたいというふうに思います。

 それから、他の大産地であります広島、あるいは宮城のカキは、1年目、それから2年目、3年目という3年生のカキぐらいまで養殖をできる海域であります。三重のカキの特徴と言いますのは、1年しか養殖できない。夏になると水温が上がってへい死をしてしまう、こういうことであります。

 ですので、今回12月以降、いかだからカキを上げて出荷をしなかった、そのカキがいかだに一杯ぶら下がっているわけであります。大変な経済的被害を受けておるわけでありますし、今が本当に旬で、この前カキの国まつりもありましたけれども、丸々と太っておいしいカキであります。これを大量廃棄をこのままいくとせざるを得ない。海へほれば産業廃棄物になりますし、陸(おか)へ上げればこれは悪臭を放って大変なことになります。

 一番いいのは、やはり県民の皆さんのお腹の中へ入れていただくのが私は一番いいのではないか、というふうに思っておりますので、ぜひ、県の指導で都市部、四日市を初め各都市部でカキの特売会、こういったものができないか。これもできるだけ早くやらないと、水温の方がまた上がってきて心配になりますので、お願いをしたいと思います。

 それともう1点、一番心配しているのは、今年で終わってほしい、という願いです。また来年、今年は暖冬のせいかどうかわかりませんけれども、ノロウィルスの流行が1カ月近く早かった。そしてまた、来年に向けてやはり不安を抱えながら養殖を続けていかなければならない、そのことについて県として来シーズンへの対応、これをどんなふうに考えておられるのか、ご答弁をいただきたいと思います。

 よろしくお願いします。

○向井健康福祉部長 委員ご紹介のように、県におきましては、カキの養殖業者等で組織します三重のカキ安心協議会を中心にしまして、カキの衛生管理に取り組んでまいりました。その中で、消費者から信頼を得られるカキの生産を出荷するために、HACCP(ハサップ)の手法による品質管理、また、カキのウィルス汚染状況の検査結果等をホームページに掲載しております。その協議会の運営につきましては、維持管理体制が整ってきたため、これまで県が実施してきておりましたカキのウィルス汚染状況検査につきましては、平成19年からは協議会の方で自主検査に移行することで関係者と合意してきたところでございます。

 したがいまして、当初予算には計上してございません。しかしながら、この今回の全国的な大流行、流行性胃腸炎、そういうことによりまして、ノロウィルスが今後どういうふうな汚染が広がるなり、関係があるなり、ということも考えられますので、平成19年度も引き続きまして、河川の汚染状況や汚染メカニズムについて、調査検討することを検討してまいりたいと、かように思っているところでございます。

 また、協議会への積極的な技術支援というものは引き続き行ってまいりたいと考えております。

○石垣農水商工部長 カキの今回の被害につきましては、健康福祉部、私も科学技術振興センター、農水商工部が連携して取り組みをさせていただいているということで、私も関することについてお話をさせていただきたいと思います。

 正しく、今、私も鳥羽、志摩市、紀北町のカキの大産地の中で出荷量は平年の7割です。価格も2割ぐらい落ちております。私どもはまず、今回広く県民にこの件を認識していただくということから、国と連携しながら、とにかく、こういうパンフレットとか新聞広告とか、色々な形につきまして、まず、正しい情報を正しく提供するということについて取り組みをしてまいりました。このことについていろんな各方面についても働きかけてきたというのが1点です。

 次に、消費拡大のイベントということになると思うんですけれども、実は2月11日には渡利のカキまつりとか、2月24日にも浦村のカキまつりが開催され相当多くの人が集まった。3月11日でありますけれども、これは的矢の方でカキまつりを予定しております。今後、都市の交流、その他の開催につきましては、委員ご指摘のとおり地元漁協、漁連、関係市町などと関係者と協議しながら早急に検討してまいりたいと思っております。もしこういう機会ができれば取り組んでいきたいと思っております。とりあえずは3月11日に的矢のカキまつりを予定しております。

 来シーズンに向けた生産に対する対応につきましては、実は、私もやっぱり養殖業者の方々に対して、ノロウィルスの動向とか、あるいは水温とか、貝毒、プランクトンの状況とかそういうのを的確に把握していただくということから、実は、これ3月でありますが中でも新型の簡易な観測機等の整備について養殖指導ができる機器を整備すべく上げさせていただいております。これはレンタル等もできるわけでありますけれども、科学技術振興センター等におきまして、まず簡易型の状況の見る状況等をできるような、まず、そういう取り組みをしていきたいと思っております。そしてこれで漁業者みずからが今、どんな漁場環境にあるかを把握して、適切に対処できるようにする研修会等を充実していきたい、と思っております。

 今後、カキの安全性、品質をより高めるための取組を、来年度中に向けた生産に関する対応として取り組んでいきたい、というふうに思っております。

 以上です。

○中村(勝)委員 あまり前向きと言いますか、本当にいかだに、いかだが水の中へ海の中へ入ってしまうのではないか、と思うぐらいよく肥えたカキが沢山あるわけでありまして、これを処分をせんならんというのは、業者にとりましては本当に涙が枯れるほどのことだ、というふうに思いますので、ぜひ短期間の検討ということになると思いますけれども、それを県民の口に入れてそして味わっていただきたい、ぜひ、そんな取組をお願いしておきたいと思います。

 続きまして、観光予算についてお尋ねをいたします。

 今、話題の人でもあります前宮城県知事の浅野史郎さんの記事が2月26日の読売新聞に載っておりました。私の考え方とほとんど同じだなということで思っておったわけですけれども、日本を考える、格差を越えて、という、そういうテーマでの記事であります。

 それを読ませていただきますと、地方振興のポイントはないもの探しをするのではなく、あるもの探しだ。そこにしかない特産物、文化などを探し、いかにその良さを外部に発信していくかだ。それが観光資源にも住民の誇りにもなる、こういうことでありまして、あるものでやっぱり勝負をする時代、そして、地域の人がそのあるものを磨き上げていく、そういう時代に入っておるというふうに思いますし、知事が言っております、心のふるさと三重づくり事業、正にこれはこの考え方であろう、というふうに思いますし、観光予算の魅力ある観光地グレードアップ事業、これについてもこの考え方の上にあるというふうに思っております。

 遷宮に向けて、このそれぞれの地域が自からのその土地を掘り返して、そして資源を磨いていく、そういう次の4年間になるんではないか、とそんなふうに思っております。

 さて、観光関連で、観光局が知事の肝いりで昨年4月に発足して、満1年近くたってきたわけであります。大森局長さんには本当に各地に出向いていただいて、いろんなところを見ていただき、またパネラーやいろんな形でご活躍をいただいていることに敬意を表したいと思いますけれども、この1年間の経過といいますか思い、それについてお聞きしたいのと、本年は骨格予算でありますので、昨年の観光予算は覚えやすいんですが、人件費を除いて10億円、そして今年はその64%、骨格予算でありますので6億4,000万円しかない。これが6月の肉づけで10億円を超えるんだろう、というふうに思いますが、局長の来年度、19年度にかける観光振興の思いをいただきたいな、というふうに思います。

 それと、地元の商工会議所で各県の都道府県の観光予算について一覧表をいただいたんですが、これが05年度の予算で三重県は4億円弱だったと思います。その中身がよくわからないんですが、各県の観光予算、いろんなばらつき、その内容についても人件費を入れたり入れなかったり非常に比較をしにくいと思いますけれども、その辺の三重県として他県の状況等がわかれば、ぜひお教え願いたいなというふうに思います。

 以上よろしくお願いします。

○大森観光局長 まず、ご質問3つほどあったかと思いますけれども、まず1年間の思いということから先にお話します。

 長い1年間だったような気がするんですけれども、沢山のところを見せていただいて、今おっしゃっていただいたとおりでございますけれども、すごい沢山の資源があると、いろんな輝いているものがあるというふうなことは前にも申し上げたと思うんですけれども、その中で最近ちょっと三重県の色々なところの人のお話と、県外の方々のお話を聞かせていただいていると、地元の方々が資源と思っていないことが他の地域の方々から見たときに資源だと。

 例えば、海女小屋というのが最近商品化できたわけであります。以前は、あれは商品ではなかった、というようなことで。またある意味では、北海道のニセコというところがあります。冬になりますとオーストラリアから沢山の方々がいらっしゃる。これも向こうの方々が発見された、というか資源を発掘された、こういった例があるわけですけれども、どうも三重県の方もそういうところが多分にあるな、というふうに思ってきました。

 私は出身が田舎ですから海を見ると、すごい感動するんですけれども、海の方へ行くと、こんなんでいいの、という話があるわけでございまして、今後、もちろん、今までの資源というものは磨いていかなあかんと思っていますけれども、もしかすれば、一つのヒントとしてギャップというのがあって、他の地域の方々から見ていただいたものを資源として発掘してもらう、という一つのヒントがあるのかなと、一つ思います。

 もう一つ、さきに3月、2月3日、4日でございますけれども、六本木でお木曳きをさせていただきました。門外不出のお木曳き、いわゆる、民俗文化財を持っていったわけであります。沢山の人が来ていただいたんですがね、これは本物ということで六本木ヒルズのけやき坂とアリーナ、これに1万人の方々が来ていただいて立錐の余地もないぐらいの方々が、外人の方も含めて来ていただいたわけです。私も感動したんですけれども、これはやっぱり本物が三重県から行った。外国の方も引っ張られて感動されたわけであります。各界の有名な方も非常に話題になっておるという話と、あるいはマスコミの方も全社扱っていただいた。海外のマスコミも扱っていただいたということで、やはり本物は、やっぱり本物だな、ということを感じております。

 来年のという話もあるかと思いますけれども、来年の人事はちょっとわかりかねますけれども、局といたしましてはこの次期戦略4カ年の1年目に当たるわけですけれども、一つの思いといたしましては、25年の御遷宮に向かってのスタートの年ではなかろうか、という位置づけと、その後、御遷宮が終わった後の、前回の御遷宮の後も随分と人が減ったわけですが、いかにそれを食い止めるか、といったスタートの年になるのではないかなと。また、4年間というのもそういう人づくりをする次期戦略計画の4年間ではなかろうかというふうに思っています。

 したがって、私どもとやる事業と、こころのふるさと三重づくりということを連携しながら、発信していきたい。特に今年のお木曳き2回目でございますけれども、このお木曳き、そして21年の宇治橋の渡り初め式というのがございます。そういったところの大きなイベントがございますものですから、こういったことの機会を通じて、全国、世界に発信をしていきたい、というふうに思っております。

 次に予算の関係でございますが、10億円とおっしゃっていただきました。実はアリーナとビジターズの関係が昨年度載っておりましたものですから、こちらの方が指定管理者とか、あるいはビジターズは破産してしまいましたものですから、その予算が3億円強ございます。したがいまして、実質的に昨年の実質と今年の実質を比べますと約5,000万円ほどの減額になっております。率としましては7.7%の減でございますけれども、金額的には5,000万円。しかしながら、私どもの方としましては、金の方は減っておりますけれども、東京事務所に1人行かせていただくことにもなりましたし、中部広域、海外誘客の組織がございます、こちらの方にも1人派遣することが許されましたものですから、より以上のレベルを落とさないレベルでの活動ができる、というふうに思っております。

 県外との比較ということでございますけれども、どこともやはり厳しい財政事情ということで、岐阜、愛知、和歌山県を見せていただきますと、3%から20%の落ち込み、というどことも厳しい状況であります。私ども暫定予算の中で7.7%の減ということですので、とりあえず局としましては満足、この厳しい状況の中ではよく頑張ったな、というふうに思っている次第であります。

 以上でございます。

○中村(勝)委員 ありがとうございました。まだ6月補正予算で新たな事業が私はついてくるんだろうというふうに思っているんですが、どうですか。

 それから、地域資源の関係ですけれども、やっぱり今、局長が言われたように、外部の人に見てもらう、私も地域資源がありすぎて困っていますんやわ。何を一体磨き上げたらいいのか、余りにも多すぎて。その場合、やっぱり外部の人に見てもらって、これがいいんやないか、これを磨き上げたら沢山の人が見に来てくれる、あるいは参画してくれるんやないか、そういう視点は本当にありがたいな、というふうに思います。ぜひ、お願いをしたいと思います。

 それから、予算、観光についてはとりわけ伊勢志摩地域、他に産業も余りありませんので、この県の観光にかける意気込みに大変な期待が集まっております。ぜひ、この観光振興プランを実現するために、次の4年間、私も頑張りたいと思いますので、よろしくお願いをさせていただいて、1分経過しました。

 ありがとうございました。済みませんでした。

○田中(俊)委員 四日市選出、新政みえ所属の田中俊行でございます。

 今定例会の代表質問、そして一般質問、また、新年度予算に対する総括質疑を通じて、最後の質問者となりました。そして私にとりましては、県議生活2期8年間の最後の登壇ということに、恐らくなろうかと思います。さよなら質問の機会を与えていただきましたことに、心から感謝とお礼を申し上げたいと思います。したがって、この30分間は思い出に残るような貴重な30分だと思っておりますので、ひとつ執行部の皆さんには、なるほどと納得行くような、しかも、簡潔な中身のある答弁をお願いしたい、と思います。特段のご配慮をお願いして質問に入りたいと思います。

 今日は、教育、子育ての問題と産業政策、この2つの柱をテーマに質問させていただきます。

 まずは、教育と子育てに関連してお尋ねをいたします。

 今日の日本の教育を取り巻く環境が、学力低下であるとか、いじめ、不登校、学級崩壊等々、大変厳しい状況にあることは改めて申し上げるまでもないことであります。心ある人は、誰もが日本の未来のために今の教育を何とかしなければいけない、そういう共通の思い、共通の問題意識を持っているにもかかわらず、いまだに具体的な効果のある打開策が見出せていないのも、また、事実だと思います。

 教育を改革するのは、例えて言うならば、大型タンカーのかじを切るのと同じようなことで、大変大きなエネルギーとそして時間を必要とします。教育は「国家百年の大計」とよく言われますけれども、最も重要な課題であるだけに、拙速は避けなければいけませんけれども、できる限り早く適切な対策を打ち出して家庭、学校、地域、それこそ三位一体で社会全体で実行していく必要がある、とこんなふうに考えております。

 政府は、教育改革をこれまでお題目のように唱えてきましたけれども、長い間、先送りしてきてようやく、安倍内閣が教育再生会議というものを立ち上げて、形の上では本腰を入れ始めました。この国の教育再生会議と並行して、三重県においても平成19年度予算の中で、就学前から高校までの一貫した教育をより実効あるものとするために、様々な課題について調査したり、検討を行う三重県教育改革懇談会を設置する、と伺っております。

 願わくば、この懇談会が、国の教育改革に対しても大きな影響を与えるような、成果の上がる画期的な提言をしていただくことを期待しておりますが、まず、この懇談会がどのようなメンバーで構成をされ、どのようなテーマで議論されるのか、お示しをいただきたいと思います。

○安田教育長 新年度予算で予定をいたしております教育改革懇談会でございますけれども、先程委員おっしゃったような意味ではなくて、むしろやはり、私どもとしましては地方でございますので、教育の根幹、色々な改革はこれからなされてくると思いますけれども、それを三重県としてどう受け止めてどのようにそれを適用しているのか、といったところに、かなり主眼を置いた議論になるのかな、というふうに思っております。

 ただ折角のこういう懇談会でございますし、メンバーといたしましては、保護者、あるいは学識経験者、そして学校現場の皆さん方、それから企業の方々、市町、教育関係者等々で20名程度を想定いたしておりますけれども、そういった方々に、まずは、一つは、中々改まって議論がこれまでもされてこなかった公私の区分であるとか、それから小中学校各地域いろんな地域事情がございますけれども、果たして子どもたちにとってどれぐらいの規模が一番教育上と言いますか、教育として適切なのかとか、そういう純粋議論のようなこともしていただきたいなと思っておりますし、新たに特別支援教育をスタートいたしますけれども、ここでもいろんな、また、問題、課題が出てこようかと思いますが、そういったことについても議論をしていただきたいなと。

 そういうふうなことで、各地域に見合った、これから国では指導要領を初めといたしまして、例えば、免許制度でありますとか、あるいは教育委員会の機能、役割まで議論されて、制度改革等々も予想されるわけでありますが、それを三重県としてどう受け止めてどのような形でスムーズに移行していくのか、あるいは県内均衡ある教育をどのように保っていくのかと、そんなことを議論していただきたいと、このように思っているところであります。

○田中(俊)委員 少し私が考えていたような趣旨と違うようなんですけれども、確かに今、教育長がお答えいただいたような議論も必要だと思いますけれども、やっぱり地方分権の時代にあって、国が今、先程申し上げたようないじめの問題とか、不登校の問題等々、現代的なテーマについて議論をするのであれば、地方としても三重県が先導するというような意気込みで、一つでも二つでもそういった現代的なテーマについても議論していただくことを、ぜひ、お願いしたいと思いますし。

 また同時に、常々私は教育の中で、幼児教育の占める割合、役割というのは大変大きいと思っております。「三つ子の魂百まで」とよく言われますけれども、正しくこの幼児教育に光を当てて対応していかないと、中々今、社会現象のようになっている問題について解決の糸口を見つけ出していくのは難しいと、こんなふうに思っておりますので、その懇談会のメンバーの中にも幼稚園や保育園の関係者の方も、ぜひ、入れていただいて、この懇談会を進めていただきたいと思いますけれども、もう一度、教育長のお答えをお願いします。

○安田教育長 メンバーにつきましては、幅広く、今、ご提案いただいた保育園、幼稚園の皆さん方も含めて、これは公私問わずに、そういった皆さん方も含めて入っていただいて、色々と幅広いご意見をいただきたいなと、このように思います。

○田中(俊)委員 幼児教育との関連で、認定子ども園についても伺っておきたいと思います。

 就学前の子どものための施設であり、保育所と幼稚園の機能をあわせ持った認定子ども園の制度が昨年秋にスタートして、来月4月からは全国各地で本格的にスタートすると聞いております。昨年10月の国の調査では、全国で約600カ所の申請予定があって、数年以内に1,000カ所を超える見込みという報道もありました。認定者は県知事でありますけれども、三重県における申請状況、あるいは認定の状況はどうなっているのか、お示しをいただきたいと思います。

○向井健康福祉部長 認定子ども園の制度でございます。

 認定子ども園制度は、少子化の進行でありますとか、教育、保育ニーズの多様化を受けて、昨年6月に就学前の子どもに関する教育保育等の総合的な提供の推進に関する法律、長い名前ですけれども、その成立を受けてできたものでございます。現在、県におきましては幾つかのところで相談は受けておりますけれども、この4月即に成立するというところは現在のところございません。

○田中(俊)委員 相談だけで申請がないということですけれども、全国の状況と比較すると極めてそのスタートが遅れているというふうに見受けられるわけですけれども、これは果たして様子見をしているところが多いということなのか、あるいは三重県の実態には合わないということなのか、その辺はどう分析されているのか、お尋ねしたいと思います。

○向井健康福祉部長 認定子ども園にあっては、制度が活用されるということについて想定される場合としましては、例えば、共働き家庭の増加によりまして、長時間保育のニーズが増えた、そのことによって待機児童ができた、一方で幼稚園に空きがあるとか。それであるとか、例えば、過疎地において少子化が進行して小型化していく。保育園も小型化してくる、幼稚園も小型化してくる。そういった時に両方の運営の観点から統合する、そういった場合が考えられます。

 そういった事情にある意味、まだ三重県はもう少しそういう状況にまで至っていないのかなと。現に相談があって検討していきたいというところが、例えば、平成20年度からとか21年度からとかいうところはございます。実際、そういうところにつきましては、様々その地域ごと、それから抱える状況によってそれぞれ選択できる場合があると思うんです。そういう時に幅広い選択を可能にするのが認定子ども園の制度でございます。

 したがって、そういう、うまくそういう事情が起こったところにつきましては、ぜひ相談があったところにつきましてきちんと対応できるように、県としても前向きに進めていきたいと考えております。

○田中(俊)委員 いずれにしましても、認定子ども園は親の就労に関係なく就学前の子どもを受け入れて、保育も幼児教育も両方行って、なおかつ、地域の子育て支援も行う、こういう新しい施設であり、保育所に入れない待機児童の受け入れ先が増えるとか、あるいは子ども集団が大きくなって異年齢の児童の交流が増えるとか、そういったメリットもあり、地域ニーズに応えてこれから大きな役割を果たす可能性を持っております。

 反面、先程部長が言われたように、既存の保育所や幼稚園との調整も懸念されるところですけれども、県当局としては改めてお聞きするわけですけれども、この新しい選択肢としての認定子ども園をこれから三重県内で増やしていくという方向性で考えておられるのか、どう進めていくつもりなのかをお尋ねしたいと思います。

○向井健康福祉部長 先程もご説明させていただきましたように、様々な選択肢を増やしていくという制度でございます。

 本県内におけます、言いましたような事情というのは様々でございます。地域によって様々なところがあり、一律にその認定子ども園を増加させていくと、そういった趣旨の制度では元々ない、というふうに考えておりまして、いろんなケースによりましてそれに柔軟に対応していく、そういった制度であるというふうに認識しております。

○田中(俊)委員 当然その地域のニーズに合わせてこの3つ、保育所、幼稚園、認定子ども園と3つの選択肢が選ばれていくということはよくわかります。ぜひ、保護者の方のニーズを把握していただいて、保育所や幼稚園の経営者の方のご意見も聞いていただきながら、この制度がぜひ中身のある充実したものとなるように新年度においても県の取組、ぜひ、期待をしたいと思います。

 それから次に、ワークライフバランスの取れた就労環境づくりという点について、子育て支援を進める上で貴重なこれはファクターであるだけではなくて、もっと突き詰めていけば現代人のライフサイクルを大きく転換することにもつながってきます。そこで、企業がこのワークライフバランスを考慮した取組を継続して行っていけるような、ワークライフバランスに関する評価認証システム、こういったものが考えられないかな、というふうに思っております。

 環境マネジメントに関するISO14001や、あるいは県のミームス、こういったシステムを導入してワークライフバランスの取れた就労環境づくりの大きな一つのツールとして活用していく、そして認証された企業は県の公共調達などで優遇措置を受けられるように、こういったことにすればかなり効果が期待できるのではないか、というふうに私は考えますけれども、このこういったシステムの導入についてどうお考えか、ご見解を伺いたいと思います。

○田中生活部長 ワークライフバランスの取れた就労環境づくりを進めるための県版の認定システムと言いますか、そういったものを設けてはどうかということでございます。

 今、県におきましては働きやすい就労環境づくりに積極的に取り組んでいる企業を、男女が生き生きと働いている企業としまして、平成14年度から知事表彰を実施しておりまして、これまでに15社の企業が受賞しております。この表彰基準の中に、女性の能力活用に加えまして、育児、介護休暇制度の整備、あるいは次世代育成支援対策、あるいは柔軟な働き方の実施など、いわゆるワークライフバランス、仕事と生活の調和に関する項目を設けまして評価を行っているところでございます。

 今後もこの表彰基準の中にワークライフバランスに係る具体的な項目というものを積極的に取り入れながら、受賞企業のPRでありますとか、あるいは応募企業の拡大などにより、充実した制度の構築を図っていく所存でございます。

 委員ご所見のワークライフバランスの取れた就労環境づくりを進めるための県版と言いますか、県独自での認証システムの構築について、ということでございますけれども、この認証システムの構築に当たりまして、一番大きな課題と言いますか、それは基準の設定をどのようにしていくか、というふうなことではないか、というふうに考えております。

 このため、まずは現在行っております企業表彰制度、この定着を一層図ることでワークライフバランスの考え方、これを企業の方に十分浸透させていきたい、あるいは理解を深めていただきたい、というふうなことで、そしてこれを認証制度等へのまずはステップとしていきたい、というふうに考えております。

 以上です。

○田中(俊)委員 中々一挙にこういったシステムの導入というところまでは行かない、というふうに思いますけれども、ぜひ、段階的にこういったシステムの導入の検討も平成19年度でしていただくことをお願いしておきたいと思います。

 時間の関係で、次の大きなテーマとして産業政策について伺います。

 まず、地域産業振興の観点から、コミュニティビジネス支援についての取組をお尋ねしたい、と思います。

 現状では中々県内のコミュニティビジネスが成功事例が多いというふうには感じられないわけですけれども、セミナー等によって人材育成や中間支援組織の育成を図ることも重要ですけれども、何らかのインセンティブが働くような、財政上、税制上の支援を打ち出していかないと、現実問題として成功事例を増やしていくことは困難だ、というふうに思います。

 財政上、税制上の支援について、まず県当局のお考えを伺いたいと思います。

○石垣農水商工部長 コミュニティビジネスは、三重県もいろんな形で進めております。

 したがいまして、今、私どもは三重県のコミュニティビジネスを進めるということから、産業支援センターで様々な支援をやっておりまして、実は19年度から新たな産業支援コミュニティビジネスを支援する仕掛けづくりを今後、国の制度を活用しながら考えていこう、というふうに思っております。

 税制については当然、今後、私どももそれなりにコミュニティビジネスについて検討させていただこうと思っております。

○田中(俊)委員 関連して、先日知事が発表された、この、私の決意、選挙公約と言っていいのかどうかわかりませんが、その中に地域資源を活用した地域密着型の新しいビジネス、私は、すなわち、コミュニティビジネスだと解釈しておりますけれども、このコミュニティビジネス支援のための地域コミュニティファンド、これを平成19年度に達成します、こういう項目があります。これはどのようなファンドで、例えば、アイディアとか、開発商品化、事業化等、各段階でどのように活用していくおつもりなのか、この点について、ぜひ、知事に基本的なお考えを伺いたいと思います。

 先程もお話が出ましたように、この発表された私の決意というのは知事候補者としてのパンフレットですので、選挙公約ですので、知事としてのお答えはしにくいのかも知れませんけれども、敢えて知事に再選をされたら、という立場でお答えいただければありがたいと思います。

○野呂知事 コミュニティビジネスというのは非常に注目されておりますし、それから地域の人材資源を活用、生かしまして、地域の課題解決、あるいは活性化につながっていくんじゃないかな、と思っています。そういう意味では、このコミュニティビジネスを振興していくということ、これは非常に大事ですし、また今、そういう芽を芽出ししてきているんではないかなと思います。

 そこで、19年度には国もこのコミュニティビジネスの振興ということに非常に意欲的に考えておるということでありますので、そういった国の取組とも連携させながら、私としてはそのファンドをまず作って、そして一つの取組の、コミュニティビジネスの取組のスタートにさせていきたいなと、そんな思いでこのファンドを、ぜひ、作ってまいりたいと思っています。

○田中(俊)委員 もう時間が段々迫ってきていますので、具体的な中身等については委員会の議論を待ちたいと思います。

 次に、産業政策の中の観光戦略についてお尋ねをしたいと思います。

 いわゆる観光戦略の一環としてフィルムコミッション促進事業についてお伺いをいたします。

 県内では、伊勢志摩観光コンベンション機構が唯一フィルムコミッションを設立して、昨年は角川映画のガメラの誘致にも成功した、というふうに聞いております。他の地域でも市単位で設立の動きがあるやにも聞いております。映画やテレビやコマーシャルなどを誘致することは、もちろん経済効果もあるわけですけれども、それ以上に映像メディアの威力を最大限活用して、観光・集客につなげる、という大きな効果が期待できます。

 したがって、フィルムコミッションの設立とその活発な活動を促進することは、今後の三重県の観光戦略にとって私は必要不可欠だ、というふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。県内各地域のフィルムコミッションの設立と活動を支援し、そして県全体の連絡調整をする窓口を兼ねた情報一元化のための組織を県レベルで立ち上げる考えはないか、そして併せて、自然や歴史、文化など大変恵まれた三重県として、平成19年度以降、フィルムコミッション促進事業にどのように取り組んでいかれるのか、ご見解を伺いたいと思います。

○大森観光局長 全国でも県内におきましても、フィルムコミッションの、今、おっしゃっていただきましたような意義から、随分と熱意が上がってきておるということで、まず、三重県におきましも各市町村の方が随分検討していただいています。もちろん、市町村だけではなくて団体、NPOも含めてですけれども、そういったところに県として支援することができないかな、というのは当然のことであろうか、と思っていますし、もう一つ、テレビ会社とか映像会社の、いわゆるお客さんの方、そちらの方の側から見た時に、地域間競争が激しいものですから、ワンストップで三重県だったら三重県、一つのところの中心のところがあれば、非常に競争にも勝ち得るかな、といったことも総合的に考えながら、前向きに早急に検討したい、とこういうふうに思っております。

○田中(俊)委員 大変、局長から積極的なご答弁をいただきましたので、その方向でぜひ新年度、取組をしていただきたいと思います。

 最後に、産業活動の健全な発展にとって、また、県民の安全安心の確保の点で、産業廃棄物の適正な処理は不可欠である、とこういう観点から、産業廃棄物に関する問題について質問をいたします。

 現在、県内、特に北勢地域においては、活発な産業活動によって管理型最終処分場の残余容量が逼迫していると伺っております。現時点でどれぐらいの状況なのか、まず、お示しをいただきたいと思います。

○松林環境森林部理事 現在の北勢地域の最終処分場の状況について、ご答弁させていただきます。

 公的関与の最終処分場につきましては、三重県環境保全事業団が平成10年度頃から準備を進めてきましたが、その後、産業廃棄物の企業によるリサイクルの推進等で減少してきたこと、それから三田処分場の開設などによりまして、早急に整備をする必要性がなくなり検討を一時中断しておりましたが、一昨年のフェロシェルト問題により処分場が大幅に増加してきておりまして、三田処分場の残余年数は4、5年、現在北勢地方にはこの管理型処分場は三田処分場しかございませんけれども、これが4、5年と見込まれる状況になってきております。

 更に、産業廃棄物に加えて、震災時の廃棄物の受け皿として確保する必要があることから、検討を再開しているところでございます。

○田中(俊)委員 大変逼迫している状況であるという認識のもとに、ぜひ、公的関与による管理型最終処分場の整備について、早く目途を立てていただいて整備に向けてお取組をお願いしておきたいと思います。

 時間がありませんのでこれ以上申し上げることができませんけれども、高い確率で予測されている三大地震、こういった地震も含めて、いわゆる災害廃棄物の受け皿を確保するというこういう観点からも、早急に進めていただきたいな、というふうに思います。

 もう残り1分になってきましたので質問を終わりたいと思いますけれども、最後に私の県議生活2期8年の間、いろんな角度からご指導いただいたり、ご支援をいただいた全ての皆さんに、心から感謝と御礼を申し上げたいと思いますし、今日、この場にご出席の県会議員の皆さん、そして知事を初め執行部の皆さんの益々のご活躍と、三重県政の更なる発展を心からお祈りいたしまして、私の総括質疑を終結させていただきます。

 本当にありがとうございました。

○永田委員長 以上をもって、本日の予算議案及び予算関連議案に係る総括質疑を終了いたします。

 なお、本委員会に付託されました予算議案及び予算関連議案につきましては、お手元に配付の一覧表のとおり、所管の分科会で詳細審査を分担していただきますので、よろしくお願いをいたします。

 次回の委員会は、分科会委員長報告及び採決を行うため、3月12日午前10時から開催いたしますので、よろしくお願いをいたします。

 これで予算決算特別委員会を閉会いたします。ご苦労さまでした。

以上、会議の要綱を記し、ここに押印する。

平成19年 3月 2日         

予算決算特別委員長   永田 正巳

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