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三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成18年度 委員会会議録 > 平成18年11月2日 予算決算特別委員会 会議録

平成18年11月2日 予算決算特別委員会 会議録

予算決算特別委員会

会 議 録

(閉 会 中)

開催年月日   平成18年11月2日(木) 自 午前10時00分 ~ 至 午後 3時01分

会議室   全員協議会室

出席委員   41名

委 員 長

永田 正巳  君

副委員長

西塚 宗郎  君

委員

中村  勝  君・稲垣 昭義  君・北川 裕之  君・舘  直人  君・石原 正敬  君・末松 則子  さん・中嶋 年規  君・日沖 正信  君・前田 剛志  君・清水 一昭  君・竹上 真人  君・青木 謙順  君・中森 博文  君・前野 和美  君・水谷  隆  君・岩田 隆嘉  君・藤田 泰樹  君・田中 俊行  君・田中  博  君・大野 秀郎  君・福田 慶一  君・桜井 義之  君・舟橋 裕幸  君・三谷 哲央  君・中村 進一  君・貝増 吉郎  君・野田 勇喜雄 君・山本  勝  君・森本 繁史  君・吉川  実  君・萩野 虔一  君・辻本  正  君・島本 暢夫  君・橋川 犂也  君・山本 教和  君・杉之内昭二  君・西場 信行  君・中川 正美  君・岩名 秀樹  君

欠席委員    なし

出席説明員

知  事   野呂 昭彦  君

副 知 事   望月 達史  君

出 納 長   土橋 伸好  君

その他関係職員

[総務部]

部  長   中尾  睦  君

その他関係職員

[政策部]

部  長   村林  守  君

その他関係職員

[防災危機管理部]

部  長   中西 正明  君

その他関係職員

[生活部]

部  長   田中 正道  君

その他関係職員

[健康福祉部]

部  長   向井 正治  君

その他関係職員

[環境森林部]

部  長   油家  正  君

その他関係職員

[農水商工部]

部  長   石垣 英一  君

その他関係職員

[県土整備部]

部  長   植田十志夫  君

その他関係職員

[教育委員会]

教 育 長   安田 敏春  君

その他関係職員

[警察本部]

本 部 長   大庭 靖彦  君

その他関係職員

[代表監査委員会]

代表監査委員 鈴木 周作  君

その他関係職員

傍聴議員     0名

県政記者クラブ   4名

傍 聴 者     1名

議題および協議事項

I 調査事項

 (1)平成17年度一般会計・特別会計決算について

【会議の経過とその結果】

〔開会の宣言〕

I 調査事項

 ● 平成17年度一般会計・特別会計決算について

○桜井委員 おはようございます。

 昨日は、三重県議会並びに県議会の改革推進会議主催によりまして、地方議会フォーラム2006が開催をされました。県内外から地方議会の皆さん、多数ご参加をいただいて、大変意義のある会であったと考えております。知事におかれましては、大変ご多忙の折、お出ましをいただきました。そして、花を添えていただきました。心から厚く御礼を申し上げたいと思います。ごあいさつでいただきました熱い思いが、本日もいかんなく発揮をいただいて、三重の未来へつながりますことを心から期待をしたいというふうに思いますし、同時に、この決算審議が来年度予算はもとより、次期戦略計画に組み込まれていくような機会になればと、こう願いながら臨んでまいりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 まずは、最初に、二つの視点から知事に総括的にお尋ねをいたします。

 平成17年度は、しあわせプランの2年目、知事の4年任期の後半へ入った年でありました。予算編成の方針並びに当初の知事所信表明におかれまして、重点プログラムへの優先配分と新たに設けた重点配分経費を活用して、戦略的・重点的予算配分を行いたい、とされた年であります。まずは、戦略的・重点的予算配分の成果について、知事の率直な評価をお聞かせください。できましたら、点数もつけていただきたいと思っております。

○野呂知事 まず、これまでの取り組んだ成果ということでございますけれども、私は第一次の戦略計画につきましては、特にですね、まず三重県を元気にする、あるいはまた、安全・安心を築き上げていく、あるいは絆というものをしっかり構築をしていくという観点で、特にその中で戦略的・重点的に展開する課題というものを重点プログラム30本にしてまとめさせていただいたところでございます。

 自分での評価をどう総括するかということでございますけれども、それぞれについて見ますと、まず、元気づくりというような観点に立ちますと、産業政策につきましては、自立的集積政策を展開をしてまいりました。そういうことから、かねてからシャープの工場誘致というような、そういったこともございましたが、その後も、シャープ以外の企業につきましても極めて活発に投資が行われまして、三重県はご承知のとおり、製造品出荷額におきましても近年上位グループで、常にトップ街道を走っておるというような状況でございまして、確かに元気になってきたのではないかな、と思っております。

 ただ、県下全体というようなことになりますと、南北に細長い三重県にとりましては、南北格差というようなことも指摘をされたり、あるいは業種間における広がりということについては、まだ十分ではない。あるいは、雇用という面から見ますと、求人倍率等においても、地域間で歴然とした差があると、こういったことが言えるかと思います。

 それから、安全・安心ということについては、いろんな取組を展開しております。社会的ないろんな状況が変化をしておる時、県民が安全・安心をどう受け止めるのかというところは、中々流動的なところもあるのかなと思っていますが、少なくとも安全・安心ということについては、十分県民がそれを実感するということには至っていないのではないかなと思います。

 絆作りということについては、極めて厳しい財政状況の中でございますだけに、私としては選択と集中ということによりまして、厳しい優先順位づけをする中で、例えば、高速道路や、あるいは幹線道路等につきましては、やはりもう随分の年月を経ながら、まだ全体完成がされていないというようなところを中心に力を入れてまいりました。今、高速道路につきましては、勢和から大宮・大台間というものが既に開通をしたところでございますし、順次、展開がなされてきておりまして、今後もその展開がスケジュール的に、今、明示もされてきておる、というようなところでございます。

 そういった状況の中でですね、重点プログラムの17年度の評価結果ということについては、9割以上が進展をしたという判断をしておるところでございまして、まあ、私としてはまあまあ成果が上がってきたのではないかなと、こういうふうに思っておるところでございます。

○桜井委員 ありがとうございました。さっき知事がおっしゃられた、重点的に産業政策ですとか、あるいは安心・安全、あるいは高速道路に直轄区間のことであったと思いますが、非常にいろんな意味で頑張っていただいた1年であった、というふうに思っております。

 この30の重点プログラムの17年度の決算額は374億でございました。私は、知事のマニフェストともいえるこの重点プログラムの63施策226事業が、ある意味、今、ご紹介いただいたもの以外も含めてそれぐらいのボリュームがあるわけですが、そのプライオリティや政策の優先度があんまり伝わってこない。結果的にそれがとても平面的に、という印象を受けるんです。漢方薬を主力商品にうたいながら何でもやる総合商社という、そういう感もするわけでありますが、選択と集中を標榜されながらも、非常に多岐にわたる目配りをされた事業がかなり組み込まれているのも事実でございまして、評価できるものもございますが、その割に、県政全体のバージョンアップや、あるいは地域レベルでの課題の解消につながることといいますか、至っていない、というケースがかなりあるのではないか、というふうに思っております。

 また、オール県庁全体を見ました折に、戦略的・重点的というよりも、総合調整が非常に脆弱なことから、本県の戦略や重要政策レベルのめり張りや求心力が弱いのではないか。経営資源が分散してしまっているのではないかな、という感じを受けるところであります。その一方で、一部の事業レベルでは、あれもこれもになってはいないのか。結果として、政策の優先度が見えにくい。ましてや財政厳しき折の374億程度の予算規模をかなり小さい事業予算として分散させておりますから、個別課題の解消になっても県全体や地域レベルに及ぼすインパクトが非常に当を得ていないのではないか、と感じられるところでありますが、その点について、知事のご所見をお聞かせ願いたいと思います。

○野呂知事 非常に財政事情が厳しい時でございます。予算の規模も、段々、段々、減少しておる中で、しかし、県はこれまで行政課題を幾つも抱えながら、展開をやってまいりました。また、それをいろいろ戦略的に、重点的に加味しながらも、継続をしてやっていかなければならない事業が極めて多いわけであります。私どもだけの判断ではなくて、議会でもご議論いただいて、ここが抜けておるんではないか、ここをやったらどうだ、色々施策一つ一つの大事なところの議論を積み重ねてまいりますと、やはり一定の範囲、一定の量の事業を確保していかなければならない、そういうものもあるわけでございます。

 しかし、全体の組み立てとしては、例えば、人口減少社会に向かっていく、こういう時代に、いろんな課題が出てきておる、そういう課題にどう対応していくのかとか、あるいは産業政策もですね、やはり他府県がやっておるのと同じようなやり方ではなくて、むしろまねのできないような、そういう産業政策を展開していくためにどういう展開の方法をやるのか。今は県としては知識集約型に、この産業構造を変えていこうという方向も、今、打ち出しつつあるわけでございますけれども、そういうふうな方向を見ながら、そして県としてはやっぱり地方分権が進展していく中で、本当に自分たちで責任を持って決め、そして自分たちの地域の運営をやっていけるような、地域主権の社会という、そういう方向へ向けて、ぜひその色合いを強めていく。そういうですね、非常につらい中で、新たな財源がどんどん出てくるんではなくて縮小していく、そういう中でその配分を厳しく決めてきておるところであります。総花的になりがちなのは、やはり県政はそうはいえ、非常に広範な範囲にわたって行政サービスを確保していかなければならないという、そういう全体的な構図もあるかなと、このように思っております。

○桜井委員 まさに県政が背負う領域は非常に大きい、広いわけでありまして、そういう意味で、様々なところに目配りをしていく、総花的にならざるを得ない、ということも承知をいたします。しかしながら、これも知事のご認識のとおりでありますが、より効果的な、限られた財源を効果的につぎ込んでいくという意味では、本当に17年度、本年度もそうでありますが、創意工夫を組み込み、新たな仕組みに変えていく、そのために戦略的・重点的な戦略や施策や事業をより厳しく精査をしていくということが大事なんだろうと思います。

 そういう意味で、ぜひ、これ次に生かせていただく部分であろうと思いますが、私の感想としては、やっぱり戦略のレベル、政策のレベル、施策事業のレベルの仕分けといいますか、少しそこが整理がうまくされておらず、あるいは今の重点プログラム、これをもう少し大くくりでくくりながら、もう少し経営資源を集中投下していくような、そういう仕分けの仕方、めり張りの仕方が必要なんではないかというのを、決算から感じさせていただいておりまして、その点、指摘をさせていただきたいと思いますし、昨今では老舗の総合商社でも、特定の分野に新たに突っ込んでいったり、大々的なキャンペーンを打つ時代でもございまして、そういう意味で、次なる変革を求めて、次に移りたいと思います。

 それで、今も知事のお話にありました地域主権を作り上げていくと、これは三重県政が今抱えておる大きな政策テーマであろうと思っておりますが、市町に対する補助金政策について、知事のご所見を尋ねておきたいと思います。

 平成17年度は、三重県にとりまして、市町村再編の歴史的な転換点でもございました。平成15年度にいなべ市さんが再編のスタートを切っていただいてから、16年度には7市町村、17年度が8市町村ということで、市町村合併が一区切りをつけた年でもございました。ある意味、29に再編された市町による新しい局面であるというふうに考えますが、県はどんな仕組みをつくろうと誘導したのか。残念ながら決算からは読み取ることはできません。新しい公を基軸に市町の主導による自立した地域作りを進めてほしいという知事の思いや、各部の事業プロセスは十分理解できますものの、本県の対市町村政策の仕組みに県の意思がもうひとつ鮮明に伝わってまいりません。この転換期にこそ、県と市町を包括した三重の地方行政全体のシステムアップにつなげるという、明快な意思を形にすることが必要ではないでしょうか。

 県と市町の役割分担や権限移譲等についてもご努力をいただいておるのを承知をいたしておりますが、本年度の取組においても模索の状態にございまして、新たなパートナーシップの形を組み込むには至っておらないようにも思います。17年度の決算における本県の補助金総額は868億、一般会計決算6,950億のうち全体の12.5%を占めます。そのうち対市町村の補助金は、数字が違っておったら訂正願いたいと思いますが、約250億強、津市の39本、28億7,000万を筆頭に、朝日町の3本、4,900万まで、市町の規模に比較的連動した形で交付をされております。

 そこで、地域政策の重要な一つである対市町村補助金政策について、その評価と展望をお聞かせ願いたいと思います。

○野呂知事 まず、こういう分権が進み、そして市町村合併も進んできておる状況の中にありまして、県が何を果たし、そして市町村の役割がどうであるか、こういったことをまず基本的に仕分けていくということが大事であります。私ども、県としては、やはり補完性の原理ということに従ってですね、市町の役割、そして県の役割、これをしっかり追究していかなきゃならないと思っています。そういう意味で、市町村合併が進んできておる状況の中で、私ども県にとって最大のパートナーである市町村と、県と市町村の新しい関係づくり協議会というものを設けまして、それで協議もしてきておるところでございます。

 その中でですね、お尋ねの補助金ということについては、県単独補助金見直し検討部会等も設けまして、権限移譲の検討と同時に、こういった補助金等の見直しについても議論もしてきておるところでございます。まだ市町村等におきましては、合併が行われ、建設計画に基づく新しい総合計画やこれからのビジョンづくりというようなことでも、大変ご苦労いただいておるようなところであります。したがって、今、まだこういった関係づくり協議会等で行われておる一連の議論につきましては進行中と、議論がまだ進行中というものがほとんど多いところでございます。

 そういう中で、本来補助金のあり方等についてしっかり対応していきたいと思っています。補助金については、今、お話のとおり、大体市町村の財政規模に県からの補助金の規模も大体相似関係があるのではないか、というようなお話でございます。そういうことからすると、私ども補助金そのものにつきましても、できるだけ市町の裁量が十分に効くように、その主体性が十分に発揮できるということが一方で大事でありますので、まあ、ひとつくくっていくと、権限移譲と一緒に補助金をくくっていくというのも、一つの方向だと思っております。

 一方で、しかし、県が補助金として持っていく以上は、それは政策的な目的ということがあります。ある種の政策をやっぱりしっかり誘導していこうということになりますと、それはそこのところのポイントというものを外すことができない、というものもあるかと思います。

 したがって、補助金によって性格も、その政策目的もやや異なるところがありますので、そういうところも十分加味しながら、今後のより地域の主体性、裁量権の拡大、こういったことを県としても十分考慮しながら対応していきたいな、と思っています。

○桜井委員 その同じ、同感、感じでございますが、申し上げたいのはやっぱり、従来の縦でおりていく対市町村の補助金、おっしゃられる施策移動の意味もございます。しかし、それだけではやっぱり地域全体の課題解決に至らないという現状の中で、より包括的で統合化された仕組みを県の制度の中に入れながら、さっきおっしゃられた市町の自主性を高めていく、そういうものにしていく必要があるんではないかと私は考えますが、ある意味、包括的な対市町村補助金制度の創設や、条件不利地域や困難な政策課題を抱える特定の地域に、もっとボリューム感を持ち、中長期的に統合されたものが入っていくという、前段の話とも関連するんですが、重点的・戦略的ということになりますときに、そういう仕組みの創設を本当に提言をしたいと思うんですが、その点についていかがでございますでしょうか。

○野呂知事 さっきも申し上げましたが、これまでの補助金そのものの目的とかそういうことがございますから、何でもかんでも一緒にしていくということが今整理できるのかというと、中々そうではありません。しかし、おっしゃっておられる趣旨についてはですね、例えば、権限移譲で一まとめに権限移譲し、財源も移譲していくというような形をとれば、補助金ではなくて、もう財源、権限そのものが市町に移っていくというものもあろうかと思いますし、それについても市町に対して提案もしておるところであります。

 残る補助金について、今のようなお考えということについては、今後、我々もやっぱり、しっかり市町の主体性ということを重視しながら考えていきたいなと、こう思います。

○桜井委員 ぜひ期待をいたしたいと思います。

 時間がございませんので次にいきたいと思いますが、産業政策のうち小規模事業対策についてお尋ねをいたします。

 9月末に、本県の平成17年工業統計調査の速報を発表いただきました。知事もご案内をいただきました。それによると、製造品出荷額は9兆4,400億、対前年比7.6%の増、北勢地区のみならず、南北格差の懸念のありました南勢志摩、東紀州と、県内すべての圏域において増加しておると。まことに吉報であろうかと思っております。まだ最新の県内総生産、GDPは出ていないと思われますが、製造業以外ではまだら模様であったり、大手中小の格差、これは生じているというのは論をまたないと思っております。

 そのような中、地域の総合経済団体であります商工会議所、商工会におかれても、市町村合併に合わせた組織再編の流れが加速をいたしておりますが、中小零細事業者の育成支援の地道なご努力をいただいてきておるところでございます。17年度には、商工会議所、商工会の事業支援メニューに、提案公募型補助金制度の導入など、新しい事業支援の交付の仕組みを創設いただきました。そこで、さらに地域特性を生かした小規模事業振興策の拡充への創意工夫を更に求めておきたいと思いますし、ちょっと時間がございませんので、これ本当に、次へさらに検証いただいて拡充いただきたい。このことを申し上げておきたいと思います。

 それと、法人県民税超過課税の配分見直しについてでありますが、本県では昭和51年より、法人県民税について0.8%の超過課税を実施してきております。ご負担いただいた税金は4つの基金に組み入れられ、様々な施策の財源となっております。その平成17年度決算額は15億5,000万、4つの基金の配分割合は福祉基金に35%、中小企業振興基金30%、体育スポーツ振興基金25%、環境保全基金10%であります。歴史的な経緯がありますものの、この配分割合は、環境保全基金が創設された平成11年度から変わっておりませんで、ほとんど聖域化された状態であります。この聖域化された配分割合を見直し、中小企業対策に有効に生かすことがタックスペアーである法人の立場からも、中小企業対策の視点からも、この際適切ではないかと考えております。

 昨年のこの予算決算特別委員会で、我が会派の舘議員が同趣旨の質問をされました。総務部長は、税を納めていただく皆さんのコンセンサスを得ながら検討する、とのご答弁でございましたが、この機会に明快なご答弁をいただきたいと思います。

○中尾部長 法人県民税の超過課税分の使途についてのご指摘でございますけども、現在、超過課税によります税収、ご紹介がございました15億余、うち3割が中小企業振興基金に充当されております。この使い道も含めまして、現在行っております超過課税の税収でございますけども、平成16年第4回定例会において改正をされまして、平成22年12月31日に終了する事業年度まで延長をいたしたところでございます。

 その際にも、超過課税で納税をしていただく納税者の理解を得ることが重要でございましたので、改正に先立ちまして、商工関係団体に4分野への充当についても説明を行ってまいりました。仮に中小企業振興基金への配分の率を変えようといたしますと、その他の福祉、スポーツ、環境保全という事業、あるいは財源といったようなものにも関連いたしてくるわけでございますので、超過課税のあり方につきましては、これまでの経緯、それから新しい行政需要、こういったものを踏まえながら税を納めていただく方々のコンセンサスを得ることがやっぱり重要であると考えておりまして、引き続き議論をさせていただきたいというふうに考えております。

○桜井委員 去年と一緒のご答弁でございました。大変残念でございまして、どうぞ引き続きでありますけれども、やっぱりこの局面、そして進めていただいておるような協議をですね、やっぱり結論を持ち、おっしゃられるように過去の経緯で、それぞれの福祉やスポーツ、それぞれ重要でございまして、過去の経緯もございますが、そのバランスをこの機会に見直す、仕組みを見直す、そういう点が大事ではなかろうかと思っておりますので、強くその検討を早急にお願いをいたしたいと思います。

 ちょうど時間となってまいりましたが、ぜひ次の段階へ、あるいは次期の戦略計画の中に、いろんな積み残したもの、あるいは不足した視点、そこへ切り込んでいただいて、未来へつなげていただきますようご期待を申し上げ、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○中村委員 おはようございます。新政みえ、鳥羽市選出の中村勝でございます。私は、平成17年度の予算の審議、それから議決につきましてはかかわっておりませんので、その決算について質問をするというのはいかがなものかな、というふうに思いますが、残された任期はあと5カ月ということで、任期中に1回は総括質疑に立てという、ありがたい先輩議員の皆さんの配慮によりまして質疑をさせていただくこと、お許しをいただきたいと思います。

 さて、私は予算決算の考え方の中で、耳にたこができるぐらい出てまいります、先程の知事の答弁にもありました、選択と集中、このキーワードについて、17年度決算を中心にお聞きをしたいと思います。

 選択を辞書で引きますと、多くのものの中からよいもの、目的にかなうものなどを選ぶこと、と載っております。厳しい財政状況の中で、より良い施策を選択するということはよくわかりますし、それらにお金、予算を集中をするということは、よく理解できるわけであります。しかし、何かを選択をするということは、何かを捨てるということでもありますし、集中して予算を配分するというのは、何かを限られた範囲の中で、それ以外のものに配分をしないということでもある、というふうに思います。

 よくわかる、今、県政で課題になっておりますことを例として申し上げますと、例えば、志摩病院の産科の休止がこの1日から、休止になったわけでありますけれども、産科医師不足の中で、勤務医の過酷な勤務実態や安全・安心な医療を考えた場合に、山田日赤病院に医師を集約をするという、日赤病院の選択と医師の集中という、選択と集中であります。この選択と集中は、現状を見るとある程度、仕方がないのかな、と理解するわけでありますが、これはあくまでも今の医師不足の中で、そういった現実の中でやむを得ないという、対処的な方法に過ぎない、というふうに思います。普遍的でそんな施策を推進するためには、やっぱり地域で子どもを産めると、そういうことを県民は求めている、というふうに思いますので、医師の確保に向けた抜本的な対策を講じていく必要がある、というふうに思っております。

 一方で、産科の日赤への集約という選択と集中は、数々のフォローのために施策が必要だろうというふうに思います。民主的に集約をしたままで子どもを安心・安全に産むという、そういった県民ニーズにある程度満足をしていただくためには、私の住んでおります鳥羽市や、あるいは志摩市から見た場合、やはり第二伊勢道路を早期に実現をしてもらわなければなりませんし、鳥羽の長岡地区から国道167へ出る県道鳥羽磯部線の拡幅整備なんか、こんなものがどうしても必要になってくるというふうに思っております。この点につきましては、来月、第4回定例会で一般質問に立たさせていただきますので、その時にご答弁をいただきたいというふうに思います。

 この選択と集中を体で例えるとすれば、日赤病院という心臓部を強化したわけでありますけども、それだけではなく、幹線道路の動脈の整備、それから手足に血が通うといいますか、毛細血管をつまらせないための、そんな配慮がどうしても必要になってくるんだろうというふうに思います。そこで、選択と集中によって最大の効果を生むための考えかた、配慮などについて、知事のご所見を伺いたい、と思います。お願いします。

○野呂知事 今、国全体がですね、非常に財政事情が厳しい中で、しかもこれまでと違いますのは、パイが、どんどん、どんどん、狭まっていくという状況の中でございます。そういう中で、我々政策を実施する場合にどう効果を上げていくかということですが、冒頭、志摩病院の産婦人科のお話がございました。実はパイが狭まっておると言いましても、実は医者自身が不足しているのかというと、実はそうではなくて、医師が都市部に集中して行っておる、という状況がありまして、実はこの問題は、また少し別の種類のところがあるように私は思っております。すなわち医師の養成ということについては、十分医師は養成されてきておる。しかし、その養成された医師が、三重県のような地域には、中々来たがらない。したがって、三重県においては医師不足が非常に顕著に出ておる。これは三重県だけではなくて、全国にも至るところでそういう問題が起こっておるということです。

 したがって、例えば、私どもが国全体の資源を考えた時の選択と集中ということからいきますれば、これは国の施策としてうまくその配置をやっていただくということがないと、我々県のレベルで中々、太刀打ちできない状況があります。したがって、そういう意味では、県はもう絶対的に不足するという状況の中で選択と集中をどうするか。本来なら、国がもっとしっかりやるべきだということがあっても、国を期待しておっても、中々、事態が進まない中で、我々は苦しい選択と集中、規模、あるいは広域化による重点化というものも考えていかざるを得ないということです。

 予算という観点から、選択と集中ということを考えてまいりますと、よくシェア論というのが出てまいります。しかし、私どもはしっかり、本当に必要なものを優先度を高めてやっていく。緊急なものを、やはりそれに対応していく。限られた予算の中で、そういうふうな観点でいかなければならないと、こう思っております。したがって、これまで重点プログラム等でそういった選択と集中というものを図りながら、より重点的・戦略的に取り組むべき課題ということで上げてきたところでございますが、今度、次期戦略計画につきましても、もう少し、ひと工夫をしながら、重点事業と「みえの舞台づくりプログラム」というような新しい重点化施策等を設けて、やはりこれからもめり張りをつけた優先度判断をして事業をやってまいりたいな、と思っております。

 ただ、このシェア論からいきますと、これまでがこうだからということではなくて、やはり厳しい情勢の中で、変化をしておる社会情勢に合わせてですね、それをぐんと減らすものもあれば、これは大事だということになれば、それをまた120%、30%に膨らましてでも、やはりきちっと対応していくべきだと、こう思っています。私の判断だけではなくて、各部で仔細にそういうことをやっておりますので、各部の判断の中で、予算要求についても重要課題対応枠というふうなものを設けて、予算要求できるようにもしておるところです。

 それから、かねてから言っておりますように、もうニューパブリックマネジメントに基づく行政改革、行政コストの削減といった努力はもう限界に来ております。したがいまして、このニューパブリックマネジメントの考え方、これはもちろん大事でありますが、あわせて三重県はですね、それをもう一つレベルを上げていこうということで、質の行政改革というものを、今推し進めております。その中で、新しい時代の公、ニューパブリックガバナンス、それから政策の質もより追求していこうということで、文化力という考え方をベースにしてきておるところでありまして、そういうもので三重県としては更にいろんな施策につきまして選択と集中ということと、更に磨きをかけるツールを用いてやっていきたいと、こう思っております。

○中村委員 ありがとうございました。大変財政が厳しい中で、集中をして本当に大事な事業をやっていこうというのはよくわかるんですが、例えば、先程言いました集中して、集中をすることによってできることというのがある、というふうに思います。日赤が今度移転をして、新しく建替えるということが報道されておりますけども、例えば、ドクターヘリなんかですね、あそこへ導入すれば、県全域をやはりフォローできるというふうに思いますし、そんな意味で集中ということは非常に効果があるといいますか、そんな部分もあるのではないかな、というふうに思っております。

 それから、私は常々思いますのは、いわゆる県の中の辺境部に住んでおりますと、やはり県の血液が隅々まで、毛細血管を通って温かみのある、手足が冷えない、そんな行政を進めていってもらいたいなと、そんなふうに思っております。

 17年度の県民しあわせプラン、戦略計画の事業評価でありますけども、これも選択と集中という視点から言いますと、重点プログラムはまさに選択と集中の結果、重点とされた施策であって、一般の63施策は、選択されたものの、集中されていない施策だということができると思います。事業評価を見ますと、30の重点プログラムのうち、28プログラムが進んだ、またはある程度進んだとしております。一方、63の一般施策は、3割に当たる20施策が未達成で、前年度と変わらない、または悪化したとなっております。選択と集中の重点プログラムの達成度が大きいのは当然と言えば当然のことなんですが、一般施策の3割が未達成であるということは、選択と集中をするあまり、一般施策がおろそかになってしまった。いわば、選択と集中の反動ではないか、というふうにもとらえられますが、このことについてどのように認識をしておられるのか、お答えをいただきと思います。

○野呂知事 今、委員の方からご指摘、色々いただきました。30の重点プログラムにつきましては、評価をいたしました結果、進んだというのが11プログラム、ある程度進んだというのが17プログラム、合わせて28プログラム、約9割を超えるプログラムが、9割が全体として順調に進んでいるという総括でございます。一方、施策につきましては、ご指摘がありましたように、63のうち20施策につきましては前年度と実績値が変わらない、あるいは悪化したというようなことになっておるところでございます。

 この異なってくる原因でありますけれども、それは一つは重点プログラムと施策とでは、数値目標の性格とか、あるいは評価方法が異なっておる、ということが言えると思います。重点プログラムにつきましては、県政の最優先課題についての県民の皆さんへの約束として、この3年間に県が取り組むべきものを数値目標として掲げておるところであります。したがって、その評価はその進捗度ということになります。しかし、一方、施策につきましては、これは県民の皆さんから見た、皆さんにとっての成果をあらわす数値目標という形で用いておりまして、必ずしも事業の成果、効果がこちらの方に直結をしておるというわけではない、ということが言えます。このことは既に県議会でも色々と皆さんにご議論をいただいておりまして、やはり施策の評価についても、事業評価と、やはりもっと関連性を持たせてやっていくべきではないかというような、色々ご指摘がございました。そういう意味では、私ども、この次の二次戦略の中におきましては、こういった工夫、数値目標の工夫がもう少し要るなということで、施策の数値目標につきましても、県が取り組んだことの成果がわかる指標もあわせて用いるという形にしたいと思っておりまして、これについては素案の中でもお示しをいたしておるところでございます。

 そうでありますけれども、戦略計画におきまして、これまでの重点プログラムについて、やはり重点的に予算配分等もやっていくというような形をとりましたのは、選択と集中ということの仕組みとしては意義があったのではないかなと、こう思っております。ただ、3年間がちょっと弾力性がないんではないかと、こういうご指摘もいただいておりますので、今後は、より弾力的な財政運営ということも考えて、財政状況あるいは社会経済状況に柔軟に対応できるようにしてまいりたいなと、こう考えておるところでございます。

○中村委員 ありがとうございました。

 先程もありましたように、あれもこれもということから、あれかこれかという、そういう厳しい、一般施策についても厳しく厳選された、そういう施策だというふうに思いますので、それぞれの指標が本当に取り組んだ結果がわかるという、そういった指標を一つだけではなしに、やっぱりサブも入れて計測をしていくと、そういうことが必要かな、というふうに思っております。

 来年度の、平成19年度の予算の調製の考え方が出されておりますけども、来年度は重点化施策というふうに名前を変えて、重要で緊急な課題に県が重点的に行政経営資源を投入する重点施策と、それから将来に向かって新たな取組が求められているテーマに多様な主体が協働で取り組む「みえの舞台づくりプログラム」の二つの仕組みを設けて、引き続き選択と集中を図っていくと、こういうふうに知事はおっしゃっております。来年に向けて一般施策と重点化施策、それの取組に対する予算配分でありますとか、そういった姿勢といいますか、そういった濃淡が生じないように、そんなことで、どんな考え方で一般施策と重点化施策を進めようとされておるのか、お答えをいただきたいと思います。

○野呂知事 私ども、今回、第二次戦略を考えていく際に、まず、戦略全体としてどういう観点で時代の流れをとらえていくのかというような、そういう大くくりのとらえ方からスタートいたしまして、その中で選択と集中を図っていこうという考え方で取り組んでおるところでございます。

 そういう意味では、大きな流れであります少子高齢化、これはいよいよ進んできております。そういう中にありまして、産業経済においても、あるいは県民生活の中においても、あるいは外国人が増えておるというようなこと、教育、いろんな観点で、そういった施策というものを考えて、とらえてやっていかなきゃならんと、こう思っていますし、産業政策においては、やはり知識集約型の産業政策への転換ということをベースにしていかなきゃならん。

 そして、さらに地域主権の社会というものをやっぱりしっかり作っていく。その中では、特に私どもとしては、新しい時代の公という考え方に従いまして、これまでですと、国が中央集権的に本当に国の隅々まで網の目を張って、そしてコントロールしてきたというところがございます。しかし、そうではなくて、これからは地域でできることは地域でということでありますから、これまでやってきておる事業も、あるいはこれからやろうとしておる事業も、本当に県がどこまで主体を持ってやっていくべきことなのか、あるいは県と市町と、あるいは住民の皆さんも含めて、役割分担しながらやっていくべきことなのか。そういったことも、しっかり仕分けてやっていくべきだと、こう思っております。

 今、重点化施策については、先般、素案の中で課題というものを、皆さんにも参考資料としてご提示を申し上げておるところでございます。これらにつきましては、今、検討をやっておるところでございますが、やはり重点的にしっかり県が主体となってやっていかなければならない重点事業というもの、これも厳しく今検討も加えておるところでございます。県民の皆さんからも色々ご意見をいただきましたので、そういったことも、議会のご意見も加味しながら議論を進めております。

 それから、舞台づくりプログラムにつきましては、やはりこれからの未来へ向けての新たな投資になっていくような、未来を本当に作っていくような、そういうものにふさわしいプログラムのあり方ということで、今検討を進めておるところでございます。あれも必要だな、これも必要だな、色々、今、出てきております。しかし、どうもそれは県がやるべきことなの、というような議論も随分ありまして、そういう意味では、今までのように何でもかんでも国や県がかかわってやってきた、しかし、もう今は、やはりここは市町村でしっかりやってもらおう、それに対して県はどういう支援をしていこう、というようなことを仕分けながら議論をしておるところでございます。

 そういう中で、全体としてもめり張りをつけていきたい、こういうふうなことで選択と集中を図っていきたいと、こう思っております。

○中村委員 ありがとうございました。

 重点施策というのは次の4年間で達成をするものだ、というふうに思いますし、みえの舞台づくりプログラムは、本当にこの4年かけて助走をして、そして未来に三重県が本当に発展をしてくために、そのための事業だ、というふうに思っております。12月議会である程度示される、というふうに思っております。楽しみにしております。

 この前から新政みえの方で、団体懇談会を各県内の団体とやっておりまして、その中で、市長会、それから建設労働組合の方から、地震の耐震、それから耐震診断等に関する要望が強く出されております。東海・東南海地震の発生、これは本当にいつ起こるかわからないわけでありますけども、耐震診断を平成18年度まで2万9,000戸ということで、目標でやってまいりました。しかし、この9月末で1万2,377戸と、目標の4割強という実態であります。阪神大震災の死者が6,432人で、このうちの8割が家屋倒壊による圧死であったという、そういうことを教訓にいたしまして、昭和56年以前の旧建築基準法で建てられた住宅の耐震診断とその結果に基づく耐震補強は焦眉の急である、というふうに思います。まさに選択と集中によって短期間で、20万戸ある56年以前の家屋が、1割強といいますか15%ぐらいに、2万9,000でなるんかな、というふうに思いますけども、耐震診断をして、それが全ての家屋の耐震診断と耐震補強につながるという、県民の命にかかわる、緊急で、そしてまた全体に波及をさせるべく、そういうための啓発事業である、というふうに私は思っております。

 したがいまして、まだ1万2,000戸強ということでありますから、引き続いて次年度以降の重点事業として位置づけをしていく必要があると、こんなふうに思っておりますので、その点についてご答弁をいただきたいと思います。

○野呂知事 木造住宅の耐震化ということにつきましては、地震対策の中でも極めて重要なことだと考え、そういう考えに立ちまして、重点プログラムの中でこれを進めようとしてきたところでございます。

 しかしながら、中々その重要性ということに鑑みても、実際の事業の進捗については必ずしもいい状況ではないと、こう思っておりまして、そういう意味ではやはり啓発をしていくということは非常に重要だなと、こう思っております。したがいまして、その啓発にも、例えば自治会であるとか、あるいは企業とかいうようなところへ直接行って啓発活動に努めるとか、色々今後も啓発活動等をやってまいらなければならないと、こう思います。そして、何にも増してこの診断、そして補強をしていただくということが極めて大事な課題だ、と思っておるところであります。

 今後の取扱ということについては、これからの私ども内部での検討を十分積み上げていきたいと、こういうふうに思っています。

○中村委員 ありがとうございました。

 耐震補強につきましては、その公共性の部分から、個人の住宅の補強について県が補助をするのはいかがなものかという議論があるようにも思いますけども、私は、地震、大地震というのは必ず来るわけでありまして、これはもう100%間違いがないと思います。その日がいつかというのがわからないだけでありまして、そのXデーに向かって、砂時計の砂は確実に落ちておるわけであります。できるだけ短期に耐震診断を実施をしてもらうために、やっぱり県は最大限の努力をしてもらいたい、というふうに思います。

 56年度以前の耐震補強を要する住宅というものが沢山ある、というふうに思いますので、大地震が来た時に圧死をするという人が、このままいきますと、地震の規模にもよりますけども、三重県民の数十万人の命がかかっておるということを考えますと、個人の資産に税金を入れるとか入れないとかいうような以前の、非常に大事な、選択をして集中をしていかなければならない。それもまさに短期でやっていかないといけない、そんな事業だというふうに思っておりますので。

○永田委員長 簡潔に願います。

○中村委員 ぜひともその点について強く要請をさせていただきます。

 なんやえらい秒になっておりますけども、そんなことで、今日は選択と集中という視点から、幾つか質問をさせていただきました。そういった事業を選択、集中しながら、それに対するフォローアップの事業も必要だというふうに思いますし、先程申しました県土の隅々まで血の通う温かい行政を、ぜひ19年度以降もお願いを申し上げまして終わります。ありがとうございました。

○青木委員 おはようございます。自民・無所属・公明議員団、旧一志郡選出、現在は津市に住んでおります青木謙順でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 平成17年度歳入歳出決算について、会派では最初の総括質問ということでございますので、周りのいろんな声にも耳を傾けながら、参考にさせていただいてですね、質問を考えさせていただきましたので、よろしくお願いいたします。

 まず、決算質疑ということで、三重県財政の現状について少し触れさせていただきます。

 先日、東海の若い議員さんの会議で、ある岐阜県の県会議員さんが、とうとう三重県に負けた、ということを小耳に挟みまして、何ですかと言うたら、17年度のGDPであった、ということなんですけども、詳しくは予算のものがご存じなわけでございますけども、ここで歳入歳出決算の状況をおさらいをしておきたいと思います。平成17年度一般会計において、県税収入は製造業などの企業の好調を反映して、法人関係2税を中心に前年度より約102億円、4.8%増加し、実質収支で約71億円の黒字となっております。しかしながら、いわゆる公債費の財政圧迫度を示す、先程も話がちらっと出ておりましたけれども、公債費負担比率は20%で、前年と比較して0.5ポイント改善はしたものの、一般的に警戒ラインとされる15%を超えた水準で近年推移をしております。

 また、財政構造の弾力性を示す経常収支比率は91.4%で、前年よりも0.9ポイント上昇し、悪化をしております。一般的に75%というのを超えますと、弾力性が失われるとされておりますので、本県では平成16年度以降、75%を上回った状況が続いているということでございます。

 このように主要な財政指標を見ると、自由に使える財源が減少しているなと、財政が硬直化した状態が続いているな、ということですが、その一方で、県内経済の好調に伴いまして、税収は増加しております。特に歳入面において、当初予算調製時の想定と異なる状況になったと思いますけども、決算を振り返り、平成17年度の財政運営、そして今後について、知事のご所見を最初にお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

○野呂知事 今、青木委員の方からご指摘がありましたように、三重県の財政状況を示すいろんな指数でございますけれども、財政の弾力性を示します経常収支比率につきましては91.4%と、16年度と比較いたしましても、0.9ポイント悪化をしておりますし、公債費負担比率は20.0%、0.5ポイントこれは改善しております。起債制限比率は11.7%と、同率になっておる、ということでございます。

 これを土光臨調の行政改革が言われ始めた昭和56年、57年の当時と比較してみますと、本県が経常収支比率が当時73.3%、全国平均は78.2%でございました。公債費負担比率、これ本県は13.7%、全国平均が12.4%、それから起債制限比率は、本県が6.5%で全国平均が6.9%と、こういうふうになっております。

 そこで、非常に全体として悪化をしておるということは言うまでもないわけであります。しかしながら、全国的に悪い状況が傾向として続いておるというようなことでございますので、他県と比較してみますと、全体としてはそう悪くないというようなことにもなっていくわけです。例えば、それぞれの指標、幾つも幾つもある指標の中で、全国順位で見ますと10番目とか、10数番目というのが多いわけですが、その全体のアンバランスがひどい県もありますれば、三重県のように、割とそろっている県もありまして、そういう総合評価でいくとですね、三重県の財政状況はまだ最もいいんだ、というようなことも言われたりするところでございます。

 しかし、それは、全体が極めて悪い状況になっておりまして、それをいいということは、まさに感覚が麻痺しておるんではないか、と言わざるを得ない状況であり、いいと言われたら、これは最大の皮肉だと、こういうふうに私は思うところでございます。

 ご指摘ありましたように、実質収支におきましては、71億円の黒字となっておりますけれども、実質単年度収支では34億円の赤字と、こうなっておりまして、過年度の蓄え、すなわち財政調整基金を取り崩して決算を行っておるというような状況でございます。したがって、大局的に見ても、三重県の財政は極めて厳しい、悪いと、こういうふうに考えなければならないところでございます。

 そこで、今後、どのように財政運営をやっていくのかということでございますけれども、私もやはり財政の健全化をしっかりと意識しながらやっていくということが大事でございまして、これまで3年間、財政健全化に向けました集中取組期間ということにいたしまして、可能な限り県債発行の抑制を図ってきたというところでございます。お話ありましたように、確かに今景気が、製造業の好調などを反映いたしまして回復してまいりました。それに伴いまして県税収入というものは、法人2税を中心に堅調に増えてきておるというところでございまして、このことは極めてありがたいことであります。県の自主財源を広げていくというような、そういったこともあります。

 しかし、一方では、県税収入が増えれば、これは地方交付税が減らされるという、そういう仕組みになっておるわけであります。さらに、これから先に向けて眺めていきますと、三位一体改革でありますとか、歳入歳出一体改革という流れがございまして、これはいずれにしましても、財源確保につきましては、より厳しくなっていく状況が考えられるということでございます。

 したがいまして、こういう状況でありますから、持続可能な財政運営を確立するというためには、総人件費の抑制、あるいは各種事業費の節減、事務事業の抜本的な見直しということなどによりまして、より一層健全化に向けた努力を、一方でしていかなければならないということでございます。

 ただ、県の行政サービスにつきましては各種事業、これはやはり一方では真に必要な事業というものについては、これを確保し、適切に対応していくということが必要でございます。したがいまして、私どもとしては、県民サービスのために必要な事業量を確保するということと、それから一方で、財政健全化を図っていく、ということのバランスの上に立って、十分、今後慎重に検討しながら運営していきたいと、こう思っているところでございます。

○青木委員 感覚の麻痺とまではっきり言われたわけでありますけども、試算値ではありますけど、本県の実質の経済成長率は3.5%、全国の3.2%を上回っているということでございます。また、地域間格差という問題もございますが、有効求人倍率は1.37と、全年の1.16を上回って、全国の0.95と比較しても非常に高い水準であると、県民は思っていると思います。税収等が把握されて、予算にならなければ、経済、財政に十分反映できない点も理解はできるんですけども、県民や地域の安全・安心を確保し、更に県内経済といったものの活性化を図るためには、多少なりとも地方債というようなものを活用、もう少し積極的な財政支出があってもいいのではないかなと、私は自分自身は思うわけでありますが、厳しい状況ではありますけども、今後の積極的な財政運営を期待しまして、これもう時間がだんだん減ってまいりますので、3年間に1回のチャンスしかございませんので、ちょっと欲張りをしますので、次に移らせていただきます。

 先程ちょっと、中村委員さんからも出てました地域医療でございますけども、その対策について少し触れたいと思います。

 地域医療の確保に関して、最近、尾鷲市総合病院、私の高校時代の同級生が産婦人科医として赴任されるということを聞きまして、大変うれしくといいますか、ほっとしたところでございますけども、しかし、県内の各地域においては、小児科や産婦人科だけではなく、病院に勤務する医師の不足、偏在が大きな問題になっている。さっきのご指摘のとおりです。県としても、色々ご努力、またいろんなアイデアを駆使していただきまして、例えば、医師就学資金等貸与制度やとかドクタープール制度など、医師確保対策に積極的に取り組んでいただいている、これは非常に理解しているわけでありますが、17年度の決算ということで、色々資料を見て、実績を見てみますと、就学資金については、大学生が6名と、新規2の継続4と、医師4名の貸与でありまして、また、ドクタープールについては、本年4月から1名、紀南病院へ派遣されると伺ってはいるんですけども、予算と比較しても就学資金の利用者が、努力に対してやや少ないのではないかなと、中々有効な対策になっていないのではないかな、と心配するんですけども、そういう点と。

 それから、この状況の中で、特に最近、私どもの住んでいる地域でもあるんですけども、救急医療体制にほころびが生じているんじゃないか、というような新聞報道等もございます。先般も、奈良県の妊婦さんが不幸にも死亡されたという事件もありますし、県庁がありますこの中勢地域においても万全ではないということを、何人かの委員さんもご指摘でございます。津市では現在のところ、旧津、安芸地域、それから私どもの住んでいます久居市地域で、それぞれの輪番体制等々とってましてですね、中核的な役割を果たす病院が少ない中、私たちの地元であります県立一志病院、いろんな面で話題になるわけでありますけども、その一志病院の果たす役割も、そういう面から見ても、非常に大きいものがあるんじゃないかなということで、一志病院の早急な医師確保は、そういう面からぜひとも必要であると私は考えております。県として、特に県内、中勢地域の救急医療体制について現状認識、そして今後の対策についてご所見があればお願いいたします。

○向井部長 青木委員の地域医療対策、特に中勢地域の救急医療体制についての現状認識として、その対策についてということでございます。

 病院で勤務する医師、いわゆる偏在しております。そういったことから、県内各地域で救急医療体制に様々な課題が生じております。県としても非常に重大な問題ととらえているところでございます。中勢地域にありましても二次救急の輪番体制と、これは従来ですと、津、安芸の地域のところと久居市の地域ということで組んでおりましたが、基本的には津市ということで一本化になりましたので、その中で考えていくべき課題、というふうに考えております。

 そのような検討を踏まえまして、今、津市におきましては、子どもの救急患者に対します初期、二次の救急医療を円滑に行うために、医師会とか、小児科医会、三重大学の関係機関の協力を得まして、先般、国立病院機構、三重病院の隣接地に休日・夜間子ども応急クリニックが整備されたところです。これは非常に有効なことと考えております。一次の患者さんがいきなり二次病院へ行くんじゃなくて、そこの隣接するところの診療所で診てもらって、そこのドクターの判断によって、入院が必要であれば後ろの病院に行くという、非常に理想的な体制かな、というふうに思っております。こういった事柄が、一般の方でもうまく整備できれば、非常に効果的かなと、モデル級というふうには考えております。

 引き続きまして、津市の各病院の役割と機能等が考えられるところでございます。そういった中で、新しい救急体制を組んでいく必要がある、というふうに十分認識しております。

 また、この津地域におきましては、特に三次救急についても課題がございます。こういった事柄につきましては、三重大学附属病院の救急救命センター設置に向けて取組も進めてまいりたいと、かようにも思っております。

 以上でございます。

○青木委員 今、いろんな役割分担の話もございました。当然、市の役割もあると思いますし、地域での努力も必要だと思いますが、どうしても県でしか頼れないという部分もございます。どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

 ちょっと時間があと15分で、あと二つやりたいと思いますので、よろしくお願いします。

 先程の知事の答弁の中に、未来につながる施策は大事だ、というような言葉がございました。先程の財政の税収増のことに絡んで、やっぱり中身のある施策を打っていただかなきゃならないと、再認識させてもらったんですけども、特に県産材の利用拡大ということについてはこだわりたいな、と思うわけであります。私も山村山林地域に住んでおりますので、いかに今後の活性化につなげていくのかということも、また自然環境保護という面からも、いつもそれを見ながら、眺めながら、毎日ここへ通っておるわけでありますけれども、特に積極的な財政運営を求める一つの施策として、そのことについてちょっと触れさせていただきます。

 森林の有する多面的機能を発揮させて、林業の持続的かつ健全な発展を図るためには、やはり県産材の利用を増やすと、それから森林を循環的に利用するということが重要である、これは当たり前の話でありますが、この県産材の利用促進のための方策ということで、「三重の木と暮らす」住まいづくり支援事業等を積極的に取り組んでいただいているということでございまして、県産材を利用した木造住宅補助制度、大変人気でございます。第3回の定例会におきましても一般質問とか、また予算決算の中でも、各議員が質問されておりまして、重複しますので私は触れさせていただかんわけでございますけども、県民からは継続や拡充の要望が非常に強いということで、施策としての効果は大きいものと認識をしておりますので、積極的に今後とも取り組んでいただきたいと要望しておきます。

 ここでですね、ちょっと方向を変えまして、余り取り上げられておりませんが、県そのものが県産材を利用して、民間部門への先導役としての役割を果たすという観点から、県有施設とか公共事業への県産材利用についてお尋ねをしたいと思います。

 県では県有施設を新築したり、改修したりする際に、県産材を積極的に利用しようという方針がありますよね。そういうことですけども、その実績は一体どの程度あるのかなと。今後どのように取り組んでいくのかなということでございます。

 また、建物に利用できないような、例えば、間伐材などについては、他県では、聞くところによりますとといいますか、私も研究会等に参加をさせていただきますと、防護柵、土留めとか、そういう公共事業に活用されているのをよく耳にし、また資料でも読ませていただくんですけども、本県でのそのような活用の実績ってどの程度あるのかなと。そして、今後、どのようにそれについても取り組んでいくのか、お尋ねしたいと思います。

 以上です。

○油家部長 お尋ねの県産材に関しまして、公共施設への使用ということでございますが、この件につきましては、平成17年に庁内で県産材の利用推進本部を立ち上げまして、それで積極的な対応を進めてきておりますけれども、17年度の実績としましては、県立高校の体育館、それから警察官駐在所、この5カ所、それから県立病院、あるいは水産関係の集会所等々の新築あるいは改造といったところで、19施設で250立米、スギに換算しますと800トンに相当します。そういう17年度は実績になっています。今年度、18年度につきましては、熊野古道センターが440立米使ってもらっておりますが、それを含めまして17施設で約600立米、スギに換算しますと約2,000本ぐらいの、森林施業面積に換算しますと2.5ヘクタールぐらいあります。そういった利用を見込んでいます。

 また一方、間伐材の利用につきましては、これは公共事業におきまして、17年度実績は4,100数十立米ということで、間伐材を利用しますと、大きくなりますと約12万本ぐらいということです。施業面積にしますと150ヘクタールにぐらいに相当しますけれども、主に使い道としましては、治山事業などで崩壊地の土砂留めとか、あるいはダムの建設のときの型枠といったふうに利用しております。

 引き続き19年度に向けましても、今、予算議論をしておりますけれども、こういった対応がきちんとできるように、この推進本部等でも今後議論を進めまして、積極的な活用に向けて努力していきたいと思っております。また、あわせて、先程言いました三重の木の認証制度、支援、助成も含めまして、引き続き頑張ってやっていきたい、と思っております。

 以上でございます。

○青木委員 今、熊野古道センターの話も出ました。映写を見せていただいて、ああいいなと思ってほっとする、知事が言われる文化力指針の象徴のような感じがいたしたわけでございますけども、やっぱり温かみのある県産材による建物が増えるということは、色々ないい影響を与えると、私はいつも思っています。

 例えば、今、いじめが学校にあるというお話もあるわけでありますけども、それも私どもの時代はほとんど木造の校舎だったわけでありますが、そういった中で、その時代、時代には、いろんな家が図られわけでございますけども、陰湿ないじめというのは、考えている時にですね、木造のほっとできる温かみのあるそういった建物の中で生活するというのは、いろんないい影響を与えるんではないかな、ということも、いろんな場面で考えさせられます。また、文化の話ではありませんけれども、神社仏閣、それぞれ文化財とか史跡があるわけでありますけども、その途中に行く道、参道などで、冷え冷えとした材料を使われているよりは、木製の温かみのある、いかにもそこに文化の、史跡に行くんだな、という思いが描けるような、そういったガードレールであってほしいな、と思ったり、柵であってほしいな、と思ったりですね、思います。ドライバーにとっても、それは当然ほっとする部分でもありますし、さらにはそこに住んでみえる方は毎日それを見ているわけですから、例えばガードレールとか、防音壁とかいろんなものをね。そうすると、安らぎとか、心に与える影響も大きいんではないかなと思っております。

 欧州社会では、木製なら三、四割コストが高くても導入するんだと、そういう許容力というんですか、また環境保全に対する認識があるそうでありますが、いろんなコスト面とかメンテナンスとか色々あると思うんですが、そういったことを乗り越えて、そういう三重県の雰囲気が高まっていけばな、とこのように思っている、積極的な県産材の利用拡大を強く要望しまして、次の質問に移らせていただきます。

 ということで、先程のいじめのことなんですけども、毎日のように新聞で報道されております。北海道と福岡県、そしてお隣の岐阜県で、いじめが原因で児童・生徒が自殺するという大変残念な事件がありました。子どもの気持ち、心の叫びといったものに、周りの大人たちが気づいてやれなかったと、後悔だけが残るつらい事件だと思っております。他県での事件ではありますが、学校や教育委員会の対応が十分でなかったとの指摘もあることから、教育に携わる関係者の皆さんには、ぜひとも今回の問題の重要性を再認識していただきたいな、と考えているところでございます。

 ところで、本県の公立小・中学校と県立学校におけるいじめの発生状況ですが、教育委員会の調査によりますと、この17年度につきましては314件、前年度に比べて10件増加しております。そのうち90%は解消しているとのことでございますが、残り10%の事案は解消されていない、ということでございまして、より深刻な事態に陥ってしまっているんじゃないかな、ということが懸念をされます。

 また、事案の多くが、例えば、解消されても、毎年新たに300件から400件程度発生しているということから考えますと、これからもしっかりとした対策を講じていく必要があることには間違いないわけであります。北海道と福岡での事件を受けて、当教育委員会におかれましては、いじめ問題に関する現状の総点検、取組の一層の徹底を市町教育委員会と県立学校に通知するとともに、幾つかあるいじめに関する相談窓口について、児童・生徒や保護者の方に改めて周知する予定である、とのことを伺っているわけでありますけども、本県は前々から、本当に早くからスクールカウンセラーの配置というのに力を注がれまして、いじめだけではなくて暴力行為や不登校など、子どもたちの心にかかわる問題には重点的に対処してみえたということで理解はしております。

 しかし、いじめ対策として最も重要なのは、やはり未然防止であり早期発見ということであると思いますので、そのためには学校現場でそれぞれの教職員が日頃から子どもたちと心を通わせながら接して、信頼関係といったものを築いていく、子どもたちの変化を敏感に感知することが大切であります。そして、残念ながらいじめの事実があった場合には、いじめられている子どもの視点に立つとともに、決して担任一人が抱え込むのではなくて、周りの方とも情報共有して、連携しながら適切に対応する体制を整えていくというのが、より求められると思っております。

 教育委員会、今回の事件も踏まえまして、今後いじめ対策についてどのような姿勢で臨み、具体的にどのように取り組んでいくのかを、改めて教育長に所見をお伺いしたいと思います。

 あとちょっと時間が2分でございますんで、今回の履修教科の、科目の未履修問題につきましても、刻々毎日変化しておりますんですが、現在の取組について少し触れていただけるとありがたいと思います。

 以上です。

○安田教育長 まず、いじめの問題でございますけれども、この問題も含めまして生徒指導に関して、実は本年9月に、各学校で点検を行ったわけでありますが、その時には生徒指導体制、おおむね整っているという本県の状況でございました。しかし、そういった矢先に入った痛ましい事件が発生をいたしまして、改めて10月20日に、先般も申し上げましたように、市町教育委員会、あるいは県立学校に対しまして、急遽総点検をしていただくように、というふうにお願いをいたしました。それを受けて、現在も進行中でございますけれども、各学校におきましては、今回のこの痛ましい事件を受けて、全校集会を開いたり、あるいはそれぞれのホームルームで話し合ったり、そしてところによってはアンケートをとったり、そして担任による個別相談なども行われていると、こういう状況でございます。

 いじめの問題、これを学校サイドから考えたときには、子どもたちが発するサインをまず見逃さないように注意をすると。そして、命の大切さ、これをさらに積極的に指導すること、あるいは思いやり、相手の気持ちを尊重する態度を育成すると、こういったことが非常に大切である、というふうに思っておりまして、また、いじめが、そういった実態がわかった時には学校全体で、クラスとかそういう小さなところではなくて、学校全体で対応するように教員としては心がける。あるいは、家庭、地域、関係機関と連携して解決に努める、こういったことが必要である、というふうに思っております。こういう取組は不断の努力といいますか、継続して取り組んでいただくように、市町教育委員会を通じまして、あるいは県立学校に対しましてお願いをしていきたい、というふうに思っております。

 そして、さらに早急な対応といたしまして、今、子どもたちへのメッセージということで、一人で悩まずに担任の先生、そして養護の先生、あるいは今、お話出ましたスクールカウンセラー、こうした方々にぜひとも相談をしてほしいと。さらに、そういった方々にも相談しにくいような状況であれば、沢山の電話相談の窓口がございますので、そういった電話相談窓口も含めまして、こういう形で本日にも発送をしたい、というふうに思っておりますが、子どもたちへのメッセージを全員の子どもたちに出したいと、このようなことを今、考えているところでございます。

 それから、未履修の問題でございますが、本県の県立学校におきましては、再確認をいたしておりますけれども、適正に履修をされているということを改めて確認をさせていただきました。なお、一部の学校において、理科総合Aという科目、これは実は理科基礎と理科総合A、B、この三つのうち一つは必ず履修をしなければならないということになっているわけですが、この理科総合Aの科目の中で、これは内容的には物理と化学の内容が重複するところがあるわけですが、ここを集中して化学をやっているのではないか、というふうな指摘がございました。そして、これにつきましては、実は学習指導要領の中では、学校の状況、生徒の実態に応じて色々と授業の方法とか内容を工夫することができる、というふうになっております。すなわち、基礎、基本を広くやるのか、あるいは範囲を限って深くやるのか、というようなことは、学校によってはかなりまちまちなわけであります。そういう中での対応でございますので、今問題になっているような未履修といったことでは全くないということでございます。

 しかしながら、色々と生徒さんや保護者の方々、不安を抱いてみえる方もいらっしゃいますので、学校を通じまして、これは未履修の問題とは違いますよ、ということをきちっと説明をして、適切に対応するように指導してまいりたいというふうに思っております。

 以上でございます。

○青木委員 今、るるご説明をいただきました。いじめについてはしっかりとこれからもお願いしたいのと、未履修の問題ですけども、やっぱり他県、1県、2県で起こっておるわけではないですし、高校教育そのもの、何が大事なのか、あり方を問われている大事な問題だと思いますので、それを含めて、なかったからいいとか、そんな問題ではないと思いますので、よろしくお願いいたします。どうも貴重な時間ありがとうございました。

○中川委員 伊勢市選出の中川正美でございます。

 まず、三重県政の広報広聴についてお伺いをいたします。

 最近の社会情勢の変化、情報の多様化の動きは、IT技術の高度化を中心に目を見張るものがございます。県行政においても、その進展は目覚ましいものがあるわけでありますが、国におきましては、新しい安倍内閣になって、広報担当の首相補佐官を設置をされ、官邸主導の政策推進が行われようとしているところですが、国はそういった意味におきましては、広報を重要視しておると、こういうふうに思うわけであります。県におきましても、知事のメッセージや県の重要な情報を積極的に発信するという、広報担当の知事補佐官のような一定の権限を持たせた役職を設置する必要があるのではないか、と考えますが、知事のご所見をお伺いいたしたいと思います。

 次に、今度は広聴という立場でありますが、県の広聴体制についてお伺いをいたしたいと思います。

 県民が主役の県政と銘打って行政運営が進められる中では、単に県民の苦情や意見を聞くだけではなくて、それらの意見等、つまり県民のニーズを的確に把握して、県政運営に反映することが不可欠であり、これはもう基本的なことであります。資料によりますと、2005年には7,254件意見があったそうであります。1日当たりに換算いたしますと、約30件の意見等をいただいたと、こういうことになるわけでありますが、今後もさらに多くの意見や提案をいただけるようにするべきではないか、と考えるものであります。県民がその人に合った方法で自由に意見などを言える体制、つまり県民の声の受け入れ体制をしっかりと作っておく、そういう必要があろうと思います。

 そして、次の段階では、その意見をどのようにして県政運営に反映をしていくのか、非常に基本的ではありますけれども、大事な問題であろうと思います。県の広聴の取組についての考え方をお示しをいただきたいと思います。

 以上です。

○野呂知事 お話ございました広報広聴活動ということについては、私、県民に対しまして的確に県の情報を提供していくということ、並びに県の皆さんの声をしっかり把握をいたしまして県政に反映していくということ、これは共に大変重要なことでございます。そういう意味では、私自身も、県民の声を聞き、私にとっても県政について皆さんに申し上げることのできる貴重な機会として、知事と語ろう本音でトークなども開催をいたしております。いろんなチャンネルを持っていくということが非常に大事だと思っております。それから、県政の情報提供については、県政だよりを初め、テレビ、ラジオ、新聞、そういった広報チャンネルを準備をしておりますし、より効果的に県民に知っていただくためには、新聞やテレビ等でも、いかにより多く取り上げてもらえるか、というようなことも大事だと思っています。

 そんなことから、今、県の方では特に重要となる報道機関との調整のために、課長級の報道調整特命監というのを政策部に設置をいたしまして、対応に当たらせておるところでございます。官邸でやっておるやり方ということについては、これは官邸での状況の中で設けておられることでございます。県としては、こういった広聴広報体制については、今後もその時の状況もしっかり見ながら、一番いい方法をこれからも追求していかなきゃならないと、こういうふうに思っておるところでございます。

○村林部長 それでは、広聴体制につきまして、私の方からお答えさせていただきたいと存じます。

 ご所見のとおり、あるいは知事の答弁にありましたとおり、広聴活動は非常に重要だと認識しておりまして、例えば、広聴広報室の中に、総合的な窓口として県民の声相談室を設置をしております。そのほかにも、知事が直接県民からご意見をお聞きする本音でトークとか、あるいはみえ出前トーク、さわやか提案箱、あるいはパブリックコメント、各種アンケート調査とか、あるいは三重県政懇話会など、あるいは電話による各種相談受付とか、あるいは本年度からのスタートになりますが、ITも活用したe-コメント、e-モニターの制度とか、実に様々な手法を今まで開発してきておりまして、そういった意味で、ご所見のように受け入れ体制というのは相当整ってきたのではないかな、という具合に思っているところでございます。

 また、お聞きした意見については、きちっとご返事をしていくということで、必要なものについては必ずご本人に適切な方法で回答をさせていただくということで、全庁的に取組をしているところでございます。

 さらに、そういった取組について、全庁的な仕組みとして、平成13年度からでございますが、県民の声データベースシステムということで、いただいた意見は全庁的に共有をする仕組みとなっておりますし、また、それを含めてどう対応したのかということも含めまして、ホームページで県民の皆さんへ公開するといった取組をしてきております。こういった仕組みを整備してきたところでございますが、受け入れの方は相当、先程申し上げたように整備をしてきたんですが、今、現時点で考えてみますと、やはり総合的に、ご意見を聞いたものをどのように県政に反映するかということはご所見にもありましたが、それについていま一つ、もう少し進めていく必要があるんじゃないかと、現在考えておりまして、庁内にありますいろんな広報広聴手法の洗い直しなど、今現在、点検を進めておりまして、そういったさまざまな広聴の仕組みを総合的に運営していけないかな、とそういうことで、県民の声データベースシステムを中心にして、プラン・ドゥー・シーのサイクルのそれぞれの過程で、県民の声が反映できるようにということで、今現在検討しているところでございます。

 以上でございます。

○中川委員 ご答弁いただいたわけでありますけれども、平成17年度も膨大な資料、情報が県民に示されました。どんなに立派な政策でも、それを県民に理解をしてもらい、それを支持される、この作業が私は重要だと思います。それがまさしく私は広報、こんなふうに理解いたしておるわけでありますけれども、よく民間の皆さん方にお会いをさせていただいて、県の広報は遅れておるよと、テンポが遅いよと、こんな話をよく聞かされるわけであります。例えば、電子関係の方にお会いいたしましても、日進月歩から今ではもう秒進月歩と、大変テンポが速いわけですね。そういった民間に乗り遅れないような、そんな県の体制、あるいは広報を充実をしてもらいたい。ある意味で私は、もう広報の分野というのは広報から一歩進んで広報戦略と、こういうものが構築をされる時代になってきたのではないかなと、こんなふうに思いまして、ぜひとも知事におかれましては、先程ご答弁いただいたわけでありますが、その充実とともに、自ずから県民の皆さん方に、どこよりも誰よりも早く、そういう体制をつくっていただきたい。また、各部の皆さん方におかれましても、いろんな情報が提供されるわけでありますけども、ある意味で広報の専門家のような方がチェックをして、県民の皆さん方がよりわかりやすい、そんな指標づくりもしてもらいたい、こんなふうにお願いする次第でございます。

 そこで、1点だけ要望を申し上げたいんですが、先程、安倍内閣の話をさせていただきました。ご承知のように、毎年正月の4日は総理の両宮、また、記者会見がされるわけであります。小泉総理になられまして、若干その簡素化ということで、よく記者会見はぶら下がりという形に相なったわけなんですが、歴史的にはこの総理の正月参拝というのは、1965年、時の佐藤栄作総理のときから続いておりまして、もう40年を経過するわけであります。まさにその年の第一声が伊勢から出発する、ということでありますけれども、大変意義深いものがあるわけでありますけれども、私もかつて自民党の県連の役員の一人として出席をさせていただいたこともあるわけでありますが、92年、宮沢総理のときでございました。この時は、米の市場開放問題、これが宮沢総理の第一声によって、日本の方向、そして世界に対してアピールをしたと、こういうまさに第一声というものが大変な論議を呼んだわけでありますが、と同時に、忘れもいたしませんけれども、自民党と自社の政権があったとき、村山総理でございました。これも参加させていただいたんですが、1月4日に伊勢両宮に参拝をされてその翌日に退陣表明をされたと。そのときに全く何の臭いもしなかったと、こんなことで、そんないろんな歴史があるわけでありますけれども、ぜひとも知事におかれましては、安倍政権誕生、安倍内閣ということで、恐らく1月4日あるいは5日の日には伊勢にお越しをいただけるのではないかなと、こういうことでございますから、何とか前のような形のものを作っていただきたいなと。官邸が決められることだと思いますけれども、ぜひともそういうことをお願いしていただいて、三重、そして始まりのまち伊勢、というものをアピールする、そういうことをぜひとも実現をしてもらいたい。これは要望にとどめさせていただきますが、よろしくお願いいたしたいと思います。

 次に、観光の問題に移らさせていただきたいと思います。

 先日開かれました政策防災常任委員会で、まつり博の跡地利用、方向性が示されたわけであります。平成6年に世界祝祭博覧会、いわゆるまつり博が執り行われまして、もう、はや12年の歳月が流れた。この10年余りの間に社会経済情勢は大きく変化をし、少子高齢化の進展、人口減少社会の到来など、地域社会を取り巻く状況はまさに厳しくなってまいりました。そんな折、私どもの伊勢におきましては、次の遷宮に向かっていろんな行事が執り行われておりますし、この20年に1回の行事、まさに遷宮というのは知事のおっしゃいます文化力の象徴であろうと思うわけであります。今年に入ってからは、お木曳の行事も始まり、約33万の方々が伊勢にお越しをいただいたわけであります。この行事は、ずっと平成25年まで続くわけでありますけども、何とかこの行事が成功裏に行われるよう、市民の一人として祈念するところでありますけれども、前回の第61回の式年遷宮の時には、新たな出会いを求めて、で、世界祝祭博が開催されたわけであります。先日の本会議で、知事は、2013年のご遷宮も視野に入れて、こころのふるさと三重づくりをテーマに基本構想を検討しており、2014年の集大成のイベントに向けて地域づくりとその成果を生かしたイベントを連動させ、地域の魅力や価値を高めるとの考え方を明らかにされたところでありますが、そこでお伺いいたしたいわけでありますが、前回の世界祝祭博の柱、一つは何といいましても県南地域、北主南従と言われております。それを解消してもらいたい、これが一つ。

 もう一つは、祭りを通して、21世紀の人間の生き方を考えてみよう、これが大きな柱であったかと思うわけでありますけれども、今回、知事が目指しますこころのふるさと三重づくりでは、どのようなコンセプトでどのような取組を展開しようとされるのか。現時点でのお考えをお聞かせをいただきたいと思います。

○野呂知事 お尋ねの点でございますけれども、現在、三重の文化力を生かす先導的な取組といたしまして、2013年のご遷宮も視野に入れながら、考え方としては、地域が主体的に取り組む地域づくりを促進するということと、地域づくりの成果をイベントに結びつけ、集客交流の拡大を図るという取組を検討しておりまして、この構想のコンセプトは「こころのふるさと三重」ということにしておるところでございます。これは、住む人にとっても、訪れる人にとっても、幸せや忘れかけていた大切なものに気づき、心の豊かさを実感できるこころのふるさと三重というものをイメージをしておるところでございます。今、たたき台について検討しておりまして、第4回の定例会におきまして、皆さんにお示しをできるように色々検討を進めておるところでございます。

 今、申し上げましたコンセプトに沿いまして、市町が地域の皆さんとともに、取り組んでいただきます地域づくりをベースにいたしまして、地域づくりで磨かれたさまざまな資源というものを結びつけた魅力あるイベントを展開し、こころのふるさと三重づくりに向けて市町、県民の皆さんと協働して取り組んでいきたいと、こう考えておるところです。

 具体的には、式年遷宮の主要行事でございます宇治橋渡り初め式や、それから熊野古道の世界遺産登録についても5周年を迎えます2009年、平成21年でございますが、この年にプレイベントをやるということからスタートいたしまして、式年遷宮の翌年のおかげ年に当たります2014年、平成26年に集大成のイベントを開催したいと、こう考えております。

 そして、市町や地域の皆さんも連携、協力して、地域の資源や特性を生かしたイベントを展開していただきまして、多様な主体が連携、協力して、2014年の集大成イベントに向けた機運を盛り上げていきたいと、こう考えております。

 そこで、取組の視点等について、ちょっと申し上げますが、これは県、市、町、県民の皆さんといった多様な主体のパートナーシップの視点というものが大切であると考えております。同時に、集客交流の拡大ということにつなげてまいりますためには、観光商品化でありますとか、情報発信の視点、それから地域の持続的な取組につなげていくための視点、こういったことも大切だと、こう思っております。

 なお、対象地域につきましては県域全体、県全体を対象とした上で、伊勢志摩地域や熊野古道を有します東紀州地域など、県南部地域を中心として展開していきたいと考えております。

 いずれにしましても、こころのふるさと三重づくりにつきましては、県民の皆さんと一緒になって考え、取り組んでいくということが大事なことだろうと思っておりますので、たたき台を次回の定例会にお示しをいたしまして、県議会でのご議論、ご意見、あるいは市、町、県民の皆さんからご意見をいただきまして、県内各界の皆さんにご参加をしていただく討論の場、というものを設置をして、基本構想を作り上げていきたいと、こういうふうに考えております。

○中川委員 今、答弁をいただきまして、12月の議会で発表されると、こういうことでありますから、私といたしましては、前回のイベント以上のものを期待いたしまして、よろしくお願いいたしたいと思います。

 次に、三重県の観光プロデューサーの問題についてご質問申し上げたいと思います。

 平成15年に他の都道府県に先駆けて観光プロデューサーを配置をし、県内の各地域に積極的に出向かせ、地域のNPOや観光事業者等と連携して、観光の活性化に向けた活動を行ってきた。活動開始から現時点まで約3年を経過したわけです。具体的にどのような活動をやり、また、どのような成果がされてきたのか。また、政策部所管の紀南振興プロデューサーは紀南地域に密着しておりますけれども、この観光プロデューサーは一人で三重県全域を担当しておると、こういうことでありますから、果たして有効な活動を行っているかどうか、あわせてお伺いをいたしたいと思いますし、また、観光プロデューサーを配置して以来、他県でも同じような観光プロデューサーが出てまいりました。したがって、観光地間競争の激化が予想されるところでありますけども、三重県として今後観光プロデューサーの役割や必要性についてどのように考えているのか。また、観光プロデューサーをどのような位置づけをされるのかお伺いをいたしたいと思います。

○大森局長 観光プロデューサーについてのご質問がございましたので答弁申し上げますが、ちょうど3年前、15年12月に採用させていただいておりますが、現在のプロデューサーは大手旅行代理店にお勤めの、いわゆる企画部門で活躍された方であります。就任以来3年になるわけでありますけれども、今日まで各観光商品、40を超えるものを作っていただきました。その40を超える商品が、数万人の誘客に結びついておるという評価をしております。そういう実績と、もう一方で、その商品を作るときに、各地域の市町とか、あるいは観光業者と接触する、そういったプロセスの中で、当然プロでございますので、プロとしての伝授が観光の業者の方々とか、市町の方々に自ずとスキルとして学んでいただいておる、というふうにも思っておりますし、またプロデューサーが講師となった研修会とか講演会も催しをさせていただいております。

 具体的な実績としまして一つ申し上げますと、湯の山の女将の会というのが、昨年から準備をしてきまして、今年の夏、第1回の会合をしていただいたと。それで、今後ともそういう立ち上げのための支援と、あと運営に対する支援といったものも、今後一体となって進めていこうというふうにも考えております。

 したがいまして、3年前にはプロのプロデューサーがというより、我々としては素人が集団としておったわけでありますけれども、したがいまして、以前とは違ったグレードの高い指導とか支援ができるようになった、というふうに高く評価をまずはしております。

 一方、ご指摘いただきました一人で全県を見ておると、こういう話でございますが、おっしゃるとおりでございますけれども、三重県を六つのブロックに分けまして、それぞれのブロックには三重県の職員をそれぞれ担当割をしております。ご要望のまずはワンストップを職員がさせていただきまして、専門性を要するということになれば、プロデューサーのお出ましをいただくという形でやっておりますので、今のところ支障はない、というふうに思っております。

 いずれにしましても、三重県が他県との強みという形では、このプロデューサーともう一つ、観光販売システムというのがあります。この二つが相まって、日本の中でも優等生ぐらいのと言いますか、非常に強いレベルアップが図られておる、というふうに思っております。したがいまして、その一翼を担っていただいておりますプロデューサーにつきましても、今後とも配置をさせていただいて、観光振興活性化につなげていきたい、とこういうふうに思っています。

 以上であります。

○中川委員 そうしますと、観光プロデューサーは続行する、とこういうことですね。

 それともう一つ、伊勢志摩再生プロジェクト、これも平成13年度に設立されまして平成17年度に終わったと。これも一遍、総括も聞きたいわけでありますが、時間の関係で割愛をさせていただきますけれども、こういったいろんな活動をされて今日があると。ぜひともそういったものを生かしてもらいたいなと、こんなふうにお願いをする次第でございます。

 そこで、結びといいましょうか、私の考え方なんですが、今、県議会でもテーマになっております南北格差、重要な県政の課題だと思うんですが、知事は南北格差の解消に向けまして、県北部においては製造業、そして県南部においては観光振興に力を入れていただくということで、そういった中で観光振興プランの策定や大森観光局長等々がいろんな戦略作りや体制づくりをしていただいておる、これは大変私どもも期待をいたしておるところでありますけれども、しかしながら、考えてみますと、県北部の製造業では、大企業が集積をし、それぞれが設備投資をして、製造規模を拡大する中で、周辺の中小企業を元気にし、雇用を創出するなどの波及効果を生み出し、地域経済の発展に大きな寄与をしておると。これが県北部の実態であろうと思うわけであります。それに引きかえ、私どもの県南部、特に伊勢志摩市域の観光産業というのは、大型の集客交流施設は若干ありますけれども、その中心は旅館業とかあるいは飲食業でございまして、その多くは中小の零細企業であるわけであります。それぞれ一生懸命歯を食いしばって企業努力を行ってきているものの、地域を引っ張る、牽引するような企業はないわけであります。地域としての総合力まで高まっていない、弱いという状況があるわけであります。よく使われる言葉でありますけども、地域のリーディング産業というまでにはまだまだほど遠いというのが実態であろうと思います。このあたりがやはり県南部の課題であろうと。同時に、やはり三重県の観光振興の大きなポイントではなかろうかなと、こんなふうに思わさせていただく次第であります。

 したがって、何とかやはり地域のリーディング産業として発展をさせ、そして地域経済の活性化につなげていく、こういう方向で、先程から知事は官から民ということで、民が主体云々の話がありましたけれども、まだまだこの部分は県がリードオフマン、リーダリーシップをしていただきたい、このことを申し上げて質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

(休  憩)

○中嶋委員 午後からの総括質疑、1番手ということで、未来塾、志摩市出身の中嶋でございます。まだちょっと委員さんが少ないようではございますが、時間もございませんので、始めさせていただきたいと思います。

 私の方から、県の17年度決算の中の不用額と流用に関することと、それから、午前も一部ありましたけれども、医師の確保対策のことについてお話を色々聞かせていただき、その後、うちの岩名委員の方から関連の質問をさせていただく、という構成でやらせていただきたいというふうに思います。

 まず、不用額の件なんですが、17年度決算で、63億1,646万円余の不用額が出ております。これは対前年で33.6%の増ということになっております。私、この不用額が出てしまうというところについては、色々といわゆる財政的な制度の問題ということもあろうかと思うんですが、その中で一つご提案をさせていただきたいのはですね、流用の弾力化ということでございます。

 今、私どもの決算というのは、いわゆる款、項、目、節という地方自治法というか、地方財政のそういう全国的な基準の中でこういう不用額が出てきているというふうなことでございますが、一方で、三重県はいち早く事業別予算というか、施策で財源を配分し予算を組んで、その施策の成果を出すためにいろんな事業を盛り込んでやっていく、という仕組みをしていただいております。そういった観点から考えると、安易な流用は避けるべきだという監査の指摘は全くそのとおりだとは思うんですが、施策の目標達成を最優先に考えるならば、もう少し施策の中だとか、基本事業の中での流用というものを柔軟にして不用額を減らしていく取組をしていくべきではないかと思うんですが、このあたりについて執行部の方のご意見をお聞かせいただきたいと思います。お願いします。

○中尾部長 不用額、それから流用についてのお尋ねでございます。

 17年度決算では、ご所見のとおり、63億円の不用額が生じたということでございます。主なものといたしましては災害復旧費、これが16億円を占めておりますなど、ご提出した資料のとおりになっております。不用と申しますのは、ご案内のとおり、予算は歳出権限を議会の議決をいただいておるものでございまして、その範囲内で執行していくということで、幾ばくかの不用というのは生じ得るものだと思っておりますが、財政の立場からいたしますと、毎年度、最終補正予算というものを編成する中で、なるだけ不用額が生じないような取組も行ってきておるところでございますので、今後も不用額については注意をしてまいりたいと思っております。

 それから、流用につきましては、ご所見のとおり地方財政制度の枠内で、これは議決をいただきました範囲内での流用ということは制度上認めておるわけでございます。他方で、予算の財政執行という面を考えますと、流用と申しましても、やはり当初予算を編成した時の考え方との整合性でございますとか、幾つか財政節度の観点からのチェックというものは引き続き必要だと思っておりますので、ある意味で、議会の方から流用について柔軟な対応というのは、非常に私どもとしてありがたいご指摘でもございますんですが、他方で、一定の財政節度ということも十分注意しながら運用していきたい、というふうに考えております。

○中嶋委員 私も、この流用のことについては、本当に安易な流用はだめなんですが、やはり時代の変化が非常に早い中で、当初予算の考え方で組んだものが、やっぱり半年、何カ月かたつと、状況が大きく変わるということもあろうと思います。そんな中で、補正予算の対応でも間に合わない、そういったものについては、私は柔軟な流用も認めていっていいのではないかなと。ただ、そのかわり、成果が出なかった場合のチェックは、議会としてはしっかりさせていただきたい、というふうに思っております。

 時間がございませんので、次の医師確保対策についてご質問をさせていただきたい、というふうに思います。

 これについては、2年前の平成16年の第4回定例会で私、一般質問でさせていただきました。その受けていただいたのも踏まえて、17年度、医師就学資金等貸与制度の活用だとか、ドクタープール制度というものを作っていただいたわけでございます。午前の青木委員の質問にもありましたように、その実績は平成17年度、学生については6名、医師については4名、ドクタープール制度は18年度1名確保しましたが、17年度の実績としてはゼロ名ということでございます。このあたりについて、なぜこういった制度がうまく機能しないのか、その辺についての分析をお聞かせいただきたいと思います。

○向井部長 医師確保対策についてお答えを申し上げます。

 様々な医師確保につきましては、午前中の知事の答弁もございましたように、全国的な制度の中での、その中で県のできる範囲の対応ということで、自ずと限りもございます。そういった中で、就学資金貸与制度につきましては、中々実績もございません。これにつきましては、実際に行っていただく、その後の縛りというものは、その貸与期間の1.5倍のところをへき地に行っていただくと、そういう制度でございます。また、支度金としまして、東紀州地域、また志摩地域に行っていただいたら、支度金として一定の額を払うという制度でございます。これでは中々偏在を止めるほどの力には魅力がもう少しつかなかったのかな、というところもちょっと思っておりますし、就学資金につきましては、引き続き、やはりそういった希望者もいることから、これの広報に心がけていきたいと考えております。

 ドクタープール制度につきましては、これはいわゆる医師を県に採用して、そして一定のところにプールしておいて、必要なところへ派遣するという制度でございますが、そもそもこれの対象となります方といいますのは、基本的には自治医大の方、この方につきましては、基本的には6年掛ける1.5の9年間の縛りがございます。それが明けた後の方につきまして、その方ないしは本県出身者で本県に帰ってこようとするUターンの医師の方、また都会からこの三重県を目指して来るIターンの方々とか、そういう方を対象としております。そういった関係から、元々それの対象になる方自身が少ない中から、何とかこれを広げていこうということでございまして、今年度1名の方が、自治医大の義務年明けの方が確保できたということで、そういうところにつきましてはこれからも非常に有力だと思いますし、これが、中嶋委員がおっしゃいますように、中々効果がと言いますが、例えば、1年に1人ずつでも確保できれば、10年で10人と。一定の数ができれば、いわゆる県として行いますへき地医療なりに派遣する医師が非常に手駒が増えてくるということで、これについては結構効果があるのかなと。短期的にさあ今からだというのは、様々東紀州地域であるとか、志摩地域で問題になっているようなことから、直、県として対応しにくい部分ではございますが、やはりじっくり対応して効果が出る施策等についても考えていきたいと考えております。

○中嶋委員 今のご答弁の中で、短期的な部分ですね、中々県としては取り組みがたい、というふうなお話でございました。だけれども、これはやはり主権者である住民の立場から申し上げますと、産婦人科の話になってしまうわけでございますが、昨日、11月1日から、志摩ではお産ができない状況になっております。やはり志摩地域に住む皆さんも等しく税を納めている中で、なぜ私たちのこの地域で子どもが産めないのか、ということについては、非常に多くの不安を持っております。それで、県として、短期的な部分の取組、やはり私はやってもらうべきであると。ほかに誰がじゃあ、やれるのかということです。県以外にこの短期的な取組として、やれるところがあるんであれば教えていただきたいですし、なぜ県として、短期的な部分は難しいとおっしゃられるのか、その辺、もう一度ご答弁お願いします。

○向井部長 中嶋委員の医師確保についての短期的な施策は県としてやりにくいというお話でございますけれども、医師の確保につきましては、これちょっと言うと若干語弊がございますけれども、まず医師を確保していただくのは、それぞれの病院で雇っていただくということ、これにつきましては、一般のほかの職員の方々、労働者の方々の雇用と変わりはございません。職業選択の自由の中で、一定の病院で働いていただく医師を確保すると、そういう事柄の中で、県として有効な手段というのは、ある意味、非常に少ない中でございます。

 ではございますけれども、やはり地域医療の確保といった観点は非常に重要でございます。そういったことから、その、のみにとどまるのではなくて、やはり県としてもそういった有効な施策については考えていきたいと思っておりますし、さらに問題となっておりますのは、医局という、今までそういった、へき地も含めた病院に医師を派遣していた三重大学の医局の機能が非常に低下をしたと。これはご存じのように、医師の臨床研修制度の大きな問題ではございますけども、その医局に変わる勤務医師の派遣体制というのは、今抜けた後、その後はうまく確立されていない、というのは一番大きな問題であります。

 したがいまして、今後、県において必要な施策といいますのは、そういった医局の機能、まだまだ三重大学、といいましても中心として様々な医師の確保策は講じなければなりませんけども、それプラス、やはり県としての、そういった医師の適正な配置というものについて、医師会も初め、各それぞれのところのご理解を得ながら、やはりある意味の体制を構築していく必要がある、というふうに考えております。

○中嶋委員 この医師確保、へき地医療対策だとか、そういうことについては、地域医療対策費という事業の中でやっていただいていて、自治医大への負担金なども1億以上あって、当初予算は2億ばかりあるんですが、この2億何がしかの予算で、私は17年度、残念ながら実績は出てなかったと言わざるを得ない、というふうに思っております。ただ、その原因がですね、基本的には病院でやってもらわなきゃいけないということ、それから三重大学の方の国の制度が変わった中で、三重大学自体の医局に頼ることが中々難しくなってきたという、外の状況、そういうことについてはよくわかります。じゃあ、県は、その事態を受けて何をしているのかというのは、我々には全く見えてこないんですね。例えば、企業立地なんかは、三重県は非常によく頑張っていただいております。三重県の地理的特性を生かして企業立地をばんばんやって、全国1位になったことも多々あります。

 同じように、医師の確保について、なぜ三重県には来ないのか。三重県に医師を呼ぶための、地域としての取組、三重県政としての取組、そしてまた、市町にお願いする部分、医師会にお願いする部分、それが非常に明確になっていない。そしてまた、病院事業庁については、前回の決算の中でも、医師の不足、看護師の不足ということで決算が赤になったと、まるで他人事のように言っています。

 これではですね、三重県の地域医療は守れない。じゃあ、だれが責任持ってやるんだと。やはりここは県政として責任を持ってやっていただきたい、というふうに思っておる中で、今の向井部長の答弁はね、非常に残念です。もっと、もっと、取組を強めていただきたい。来年4月からの研修医のマッチングの結果、つい先般マスコミでも報道されました。三重県の充足率は48.7%、44位です。全国で下から数えて3番目です。三重大学に至っては、17.1%しか充足していない。全国79大学ある中で、大学病院がある中のワースト3位、仲よくワースト3位という、非常に不名誉な結果になっております。

 こういった非常に切迫した状態、これをどう解消していくのか。そのことについて、もう一度部長のご答弁をお聞きかせいただきたいと思います。

○向井部長 充足率の話でマッチングの結果ということに、中嶋委員からご指摘がございましたけれども、トータルでいきますと、三重県内の病院で研修を受けることになった方は、今年度74名ということで、大体毎年、臨床研修の制度が始まる前から、60名から70名の方々が、医師免許を取られた方が大体三重県内で残られる、というについては余り大きく、実は変わっておりません。

 この充足率といいますのは、実際に各病院が研修をこれだけ受けられますよ、というふうに公表した中での充足率ということの数字がその数字でございます。もちろんそういった中で、充足率が高いのは必要なことでありますし、三重大学さんがもっと魅力ある病院で本当に来ていただければ非常にこれはありがたい、というふうには思っております。

 医師確保につきましては、しかしながら、そういったところについて、やはり適正配置の問題が一番大きいと思っております。これについては、先程も申し上げましたように、いわゆる医局の機能をもう少し補完していくようなことも含めまして、そういった医師を適正に配置していただくような方策と、そういうものにつきまして、医療審議会の地域医療対策部会といったところでも中間提言をいただいておりますけれども、そういった内容につきましても、そういう枠組みが必要だ、ということは提案されております。そういったことから、県におきましても、そういうところも活用しながら、いわゆる医師の適正配置について、そういった機能を有するところについて、できるだけ早く構築をしていきたい、というふうに思っております。

 三重県の中で極めて医師が、三重県内で少なくなっているというふうには、そんなには認識しておりません。そういった中で必要な事柄につきましては、やはり特に医師不足になってきております東紀州地域であるとか、志摩地域であるとか、というところも含めまして、そこへ医師を配置、行っていただくようなことについて、行っていただく医師の方ももちろん満足するし、実際来ていただく患者さんからも魅力のある病院と、そういうところを構築していく中で、医師不足といった問題についての解決策を探る方向になるんじゃないかな、というふうに思っております。

○中嶋委員 今、向井部長の方から、三重県全体としては医師の数はそんなに大きく不足しているわけではない、偏在の問題だ、というふうなことをメーンにお話しされたのかな、というふうに思っております。それをどう適正に配置するか、それについては、言外に中々県政では動かせないんだ、というふうなことも、これは医局に基本的には頼る部分であって、その医局が機能しなくなった時には、医局の補完するものが必要だ、というふうなことでございますが、じゃあ、それは一体何なのだろうかということが、私にはまだ残念ながら見えてまいりません。

 今、産婦人科のことだけ特に取り上げて申し上げたいんですが、医師が都市部に偏在しているのと同時に、いわゆる診療科目間の偏在というのも問題になっているわけですね。先般の共同通信の調査だったと思うんですが、全国の8割で産婦人科医が不足しているという、47都道府県の調査結果、7割が小児科が不足しているという結果があると。今回の志摩病院のことを、事態を受けて、私もこれを知ったのが3月の末だったんですが、それから半年ちょっと、自分なりにいろんなところへ当たってみました。非常にドクターの世界というのが、中々難しい世界だな、ということもよく理解できましたし、それから県の行政の力の及ばない部分、病院が中々やり切れない部分、沢山あったということも感じております。そういった中でも、ただ、富山県なんかは、例えば、海外の友好提携先と医師の、ドクター、産婦人科同士を派遣して、その研修に魅力ある病院づくりをしていこうだとか、千葉県は民間も含む合同のセミナーを、県の職員の方が開催して、そしてまた、全国各地に誘致に歩くと。まさに三重県の企業立地と一緒のようなことをしていただいているわけですね。そういった取組もしていただいている。それから、静岡については、出産だとか結婚、それから定年で退職された方の再就職を確保するための取組を始めていこうとしている。岩手県については、女医さんがお子さんを持ちながら安心して育てられるように、ベビーシッターの充実といったことにも取り組んでいらっしゃるわけでございます。

 こういったことを考えると、やっぱり三重大学頼みだけではもう無理なんじゃないかなと。新たな県としての取組、国の制度は変わりつつありますが、その結果が出るにはまだまだ時間がかかります。私も、妊婦さんだとか、つい最近お子さんをお産みになった女性の方とお話する機会をいただくと、例えば、志摩の話ですけれども、よく言われるのが、志摩で生む割合が3分の1以下しかないと。あとは皆伊勢へ行っちゃうじゃないかと。だから、志摩病院で中々、ドクターが必要かどうかという議論が難しいんだ、ということを言われるんですが、彼女たちに言わせると、何かあった時に、志摩病院でお産を取り扱っていただける、そういう安心感があるから子どもをつくって、そしてまた伊勢にも行けるんだ、ということをおっしゃっているわけですね。やはり社会的なセーフティネットとして、これから少子化対策をやっていかなきゃいけないと言っている一方で全くお産ができない、志摩の端っこの方から1時間半もかけて日赤病院まで行かなきゃいけない、こういう状況の中で、子どもを増やしてくれとか、子どもを育てる環境なんて言っていても、もう本当に絵空ごとでしかない、というふうな厳しい状況にあるということを再度ご認識いただきながら、例えば、地域に、じゃあ、例えば、志摩市だったら志摩市、そういう地域医師会だったら医師会、そういうことに県として求めること、産婦人科医でです。産婦人科医の確保のために、地域に対して県として求めたいもの、そういうものがあればご所見をお聞かせいただきたい、というふうに思います。

○向井部長 尾鷲のときもそうですけども、今回の志摩病院につきましても、地域の方々が署名運動なり色々されていただいて、それが大きな報道等もされた中で問題提起をしていただくと、そういうのは非常に、どういったところにあるかという、先程中嶋委員も言われましたように、様々難しい課題があるというのもご認識いただいたところではございますけれども、そういう中で何が問題かということも含めて、なぜかということを考えていただく非常にいいきっかけになると思いますし、それから、例えば、尾鷲市さんが非常に努力されて産婦人科の医師を確保された、というふうなことにつきましては、非常に大変な努力をされたな、ということでございますけれども、ある意味、様々地域でできることも、努力できることもあると思いますし、それにつきましては県としても最大限のバックアップを図っていきたいと思っております。

 中嶋委員言われましたけども、例えば、三重県におきましても、院内保育所についての支援でありますとか、子育てで、一旦リタイアされた女医さんの方を中心に考えておりますドクターバンク制度でありますとか、そういったことについての整備は進めてきておりますし、また一定民間の方の成功報酬も含めた医師の確保についての取組も、そういったところは全国でもある程度ユニークな、まだまだ成果は出ておりませんけど、そういったことについても取組はいたしております。ただ、何度も申し上げますように、中々短期的、直接的にこれだというふうなものは県としては持ちづらいというところについては、ぜひご理解を賜りたいと思いますし、特にそういった中で、地域の医師会の方々、またそういった方々がいわゆる人のコネクションも使った中で適切な方がみえれば、そういう方についてアプローチをしていくという、様々なやり方があると思います。これは確かに、これを打ったらこれだというふうに、県として大きな施策の力を持っているものはこの問題に関してははっきり言いましてございません。様々な想像力で、色々な各方面からの取り組み、各関係先、医師会も含め、それからもちろん地域医療関係者の方々も含め、病院協議会も含め、三重大学も含め、そして看護協会も含めて、色々様々なところの努力の中で、やはり一定の地域医療を確保していくという、そういう総合的な取組の中で生まれてくるものだと思っておりますし、医局の制度ということを言われましたけども、これにつきましても、長い間かかってこういうふうな勤務地へ派遣する制度ができてきたという中で、今回それが一気に臨床研修制度で機能が半減したという中で、やはりそしたらすぐにこれだという、かわるものをぽんと置くようなわけにはまいりませんので、それについては本当に努力をしながら、関係者として県の努力を決して怠っていたわけではございません。中々目に見えるようにならないのは申し訳なく思っておりますけども、そういった努力を重ねる中で、適切な医師の配置機能を持ったところについて構築を考えていきたい、と考えております。

○中嶋委員 やはり我々としては、成果、結果が見えてこないことには、どんだけ努力していただいても評価することはできません。17年度の実績についてはよく反省していただきながら、もっと効果あるやり方をぜひとも模索していただきたい。県がリーダーとして取り組んでいただきたいということを、強く要望させていただきます。

 産婦人科医のことについてですね、助産師の活用ということも、これ一つ方策だというふうに思っておりますので、この件については、岩名委員の方から関連質問という形で聞かせていただきたいと思います。私の方からは以上です。ありがとうございました。

○岩名委員 今の中嶋委員の質問に関連いたしまして、助産師の養成についてお尋ねいたします。

 本年の8月、横浜市の堀病院で、妊婦に対して看護師が内診を行ったことに対して、保健師助産師看護師法違反容疑で、何と60人もの警察官による家宅捜索が行われました。このことは、全国の産婦人科医及び地方の有床診療所、並びに私的産婦人科病院の産婦人科医に大きな衝撃と恐怖を与えたところであります。このことは、昭和23年に作られた国の法律が現状に全くマッチしていないということが、象徴的に示された事件ではないかと思います。

 さて、太平洋戦争直後の昭和25年頃は、病院や診療所で子どもを出産する人は、全国で全体のわずか2%ぐらいしかなく、ほとんどが自宅分娩、産婆さんに取り上げていただいていたわけであります。私もその一人でございますけども、当時は年間4,000人もの妊婦さんがお産で命を落としていたと言われ、また10万人以上の赤ちゃんが体内あるいは生まれてすぐに亡くなっておられる、と聞いております。しかし、その後、医療の進歩は目覚ましく、病院や診療所など医療機関での分娩が現在99%になったことで、周産期の死亡率は激的に改善をされ、日本の産科医療のレベルは世界一になったわけでございます。現在は分娩の52%が病院、47%が診療所、1%が助産所または自宅で行われていると聞いております。

 三重県においては、昨年、71.6%の分娩が診療所または私的病院で行われており、産科医不足のみならず助産師数に至っては、全国で三重県は最低の水準であるとも聞いております。加えて、助産師養成は近年減少の一途とたどり、このままでは数年以内に分娩取扱施設の減少は一気に加速をし、ひいては三重県において分娩難民が数多く出現することが予測されており、また危惧をされているわけでございます。三重県においては、助産師は病院に偏在をしており、診療所や私的産科病院31施設ありますが、そこで働く助産師はわずか77名、常勤44名、非常勤33名と大変少なく、その自給率は31.0%、大変低いことが判明をいたしております。県民がより安全で安心なお産ができる体制を整備するためには、助産師養成は喫緊の課題であります。

 三重県において、妊婦の7割以上が分娩の場として診療所や私的な産科病院を選択している現状を考えると、現在産科病院等で働いておられる正看護師の方々に、助産師の資格を取得していただくことが最もこの問題を解決する早道ではないか、と考えるものでございます。例えば、県立看護大学を初め、県内の看護師養成機関などのご協力を得て、助産師養成社会人コースなどを創設することが必要であると思いますが、これについて当局の簡単なご答弁をお願いします。

○向井部長 委員ご指摘のとおり、国においても新たに助産師につきまして、夜間の学校を整備する方針というのは出されております。そういったことから、県におきましても、関係先と様々協議しながら、助産師の確保に向けた検討を進めてまいりたい、と思っております。

○岩名委員 来年の4月からでもできる話だと思いますから、前向きに取り組んでくれることを要望して終わります。

○杉之内委員 私は、自民・無所属・公明会派の公明党の杉之内でございます。今日は予算決算の総括質疑ということで、これで3年目を実は迎えます。当初、この総括質疑、予算決算、本当に忙しい中で、それぞれ知事の方も、執行部の方も、それに合わせて書類やいろんなご準備等、大変忙しい中で迎え、また私たち議員の方も書類を見て、そして聞き取り等、本当に忙しい繰り返しを迎えて、今日、3年目の、私もこれで最後の予算決算の総括質疑を承ったわけでございますが、振り返ってみると、確かに予算決算というのは、来年度に向けて大変大事な意味を持つ思いを込めて、それぞれ委員の皆さん方は質問されていることもありましょう。そしてまた、9月議会においては12月があり、来年度予算に向けて、もう既に10月23、24でございましたか、もう19年度当初予算の基本的な考え方が実は示されて、議論をされておるわけですね。

 私は、こういったことはとても大事なことであって、これは一つの議会改革の中で推進をされて、全国的にも非常にまれな、実はこれ一つの大きな議会と執行部とのやり取りなんですね。私は非常にその点で形骸化しないようにと思って今日は質問させていただくわけでありますが、どうぞひとつこの点は知事におきましても、重く受け止めて、来年度予算に反映していくようなお気持ちも十分、そちらへお座りいただいている執行部の皆さん方は心して、ひとつこれからの予算に対する物の考え方をしっかりと議論をして、我々議会に提示をしていただきたい、こんな思いを込めておるわけでございます。

 幾つも今日は質問をしたいわけでありますが、各局部長さんにそれぞれお聞きするのも、30分の時間ではとてもできませんので絞りました。どうぞ、あてがっていない局長さん、お怒りにならないように、部長さんは。どうぞ、ひとつよろしくお願いしたいと思いますが、特に私、今日は教育委員会の問題を一つ提起したいと思っております。

 これは確かに17年度の児童・生徒の問題行動と生徒指導上の諸問題に関する調査結果というのを、三重県が発表していただきましたね。これ、私中身見せていただきました。それともう一つは、18年の9月に、生徒指導上の諸問題の現状について、という概要、これは文科省の方から9月に作成をされて、これを基本的に三重県としても教育委員会はそれぞれ、その対応に今日まで、またこれからもやろうとしていらっしゃいますし、先般の聞き取りの時の教育委員会の諸課題等、現状と課題、そして取組等の考え方もお聞かせをいただきました。

 この児童の問題というのは、非常に幅が広うございます。児童の虐待問題から、相談所であれば、県であれば児相があって、そこで各市町のいろんな要請を受けていくという、こういうことになってるわけでありますが、今日の社説にも児童の虐待相談所の問題が一応出ておりました。この11月は、特に児童虐待防止推進月間、これ教育長、ご存じだったと思いますが、これもう昨日から始まっております。今年はですね、特にこれに対しては、「あなたの「もしや」が子どもを救う」という、こういう見出しで、キャッチフレーズ、これを標語に啓発活動を集中的に展開をすると。だが、折角のこういった通報とか、児童相談所がまさかと受け流してしまうという、こういう風潮があるという、こういったことが今日の社説の見出しで出ておりましたが、これはこれとして、今日また三重版においても、いじめの実態が市調査で明らかになっておりました。

 したがって、今日、私、一つだけこの問題で、9月に公表された17年度の児童・生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査の結果について、少し伺いたいと思っています。これは毎年暴力行為とか、いじめ、それから不登校、高校生活の中途退学等について文科省が調査をしているものですけれども、そのうち今回、私は暴力行為について取り上げてみたいと思っております。

 この児童・生徒による暴力行為の発生の件数は、全国の総数では前年度ということは17年度ですから、16年度ですね、ほぼ同じ数字になっております。一方、私ども三重県、本県の現状を見ますと、13年度に2,400件余り発生したものが、実はここ数年では大幅な減少傾向にあることはご承知のとおりだと思いますが、平成16年度には943件にまで減少してきました。しかし、平成17年度は978件と、前年度に比べて35件、約3.7%増えております。したがって、本県の場合、総数では13年度から4年間ではトータルしますと60%減少しておりますけれども、具体的に暴力の形態別をまず見てみますと、これには器物の破損が少し減っております。これに対して対教師の、先生への暴力、生徒間の暴力がおよそ半数の減少にとまっております。

 ですから、器物損壊に比べて、対教師暴力とか、生徒間の暴力が、これも一つは悪質であると一概には言えないかもしれませんけれども、やはり直接人に暴力を与えるという、この行為は、これはあってはならないことだと私は思いますし、これは多少減っておりますけども、大変気になるところであります。この辺はひとつしっかりと、教育委員会は少し中身をしっかりと見きわめていく必要があるのではないかなと、こんな思いがしておりますので、したがって県教育委員会は、この17年度から生徒指導に対する専門的な知識や豊富な経験を有する警察官の方々、あるいは教員のOB、12名実は採用されておりますね。したがって、生徒指導特別指導員として任用しておるわけでありますが、そして生徒の指導上、深刻な問題を抱える学校に対して適時派遣をし、問題に適切な対応を図っているということでございますが、このような取組を始めているにもかかわらず、現実にこういった実態が、暴力行為の発生件数が増加に転じておるという、これはまことに残念というよりも、大変これは憂慮すべき問題であると、こう実は私は認識せざるを得ないと思っております。したがって、教育委員会として、この点をどのように認識をして分析をし、そして今後、19年度にどう対応していくのか、ここはひとつ、教育長のしっかりしたご認識の中のお答えをいただきたい、こう思います。

 また、今回の調査で、全国的に大きな問題として取り上げられたのが、暴力行為の低年齢化ということですから、恐らく高等学校でなくて小・中学校、低年齢化、こういうだろうと思います。全国的にデータを見ますと、小学校における暴力行為は前年度に比べて3.6%増加をしておりますし、新聞紙上等で紹介された具体的な事例を見てみますと、従来からはとても想像のできないような事案が一部の学校で実際に発生をしておると、こういうことでございます。

 したがって、本県の場合、小学校での暴力行為の発生件数は、ここ数年、50件ほどで推移をしておりますけれども、17年度はわずかですが、前年度を下回っておるようでございます。しかし、全国的には増加傾向にあることから、今回の結果に安心することなく、十分留意をすることに期待をいたしたいと思っております。

 ところで、こういった暴力行為の低年齢化に対して、学校教育における取組というのが大事であるわけでございますけども、それにはやっぱり家庭におけるしつけの問題も、先生方から、現場から言わせるとそういう思いがあるでしょうし、また、家庭側からすると、学校にそういった問題があるんではないかと、こういったやり取りがなされるわけでありますけれども、そういったこともそれぞれ思いはあると思います。

 しかし、私たちがかつて小学校、中学校の時は、学校の先生等に対していろんなお話を母親が受け、父親が受ける場合においては、真剣にそれに対応しておりましたんですが、最近、そういったことが非常に希薄になってきております。そういったことで、今も恐らくやっていると思いますが、地区懇談会というのが恐らく各学校において地域別に年一遍か、各地域にそれぞれ出向いてやっていると思いますが、この点は今一体どういうふうな形で親との連携がとれておるのか、この点についてひとつお示しをいただくのと、これまでやってきた経緯について、ひとつそれに対するご答弁をいただきたい。まず、この点をお願いいたします。

○安田教育長 まず、暴力行為等の問題でございますけれども、委員からもご紹介がございましたように、平成17年度につきましては978件ということで、ずっと3年連続減少してきたんでありますけれども、35件、16年度に比べて増加をしてしまいました。校種別に見ますと、小学校はわずかに4件減っておりますが、中学校で29件、そして高等学校で10件増加をしております。増加の主なものは、やはり生徒間暴力でございます。

 それから、委員からもございましたように、17年度から私ども、生徒指導特別指導員というのを2人1チームにいたしまして、6ブロックに分けて12人採用しております。この指導員の皆さんには、こういう問題行動の発生している学校に対しまして、生徒指導上の問題でありますとか、そういった助言等を学校に対して行うと同時に、直接生徒に対しても個別指導や支援活動を行うと、こういったことを任務としていただいているわけでございまして、17年度、深刻な対防止協力でありますとか、生徒間暴力が発生した、こういう学校を中心にこの特別指導員派遣をいたしました。そして、直接支援をいったわけでありまして、1年間で700件を上回る訪問を行っております。それで、こういった学校に対しては、非常に暴力行為の再発防止に効果が上がっている、というふうに思っております。

 ただ、一方では傾向がございまして、特定の学校において同一の生徒が繰り返し暴力行為を起こしている事例が随分ございます。結果として、全体の暴力行為の発生件数が増加してくると、こういうことでございまして、特に中学校の場合、全部で中学校は県内168校あるんですけれども、そのうちの10校で発生をした暴力件数が全体の978件の約半数を占めていると、こういう傾向があるわけでございます。小学校は5校で全体の6割を占めていると、これもかなり偏りがあるという状況でございます。

 このために、今後は生徒指導特別指導員、これからさらに効果的に活用していきたいというふうに思っておりますし、市町教育委員会と十分に連携をしながら、こういった特に重点的に行くべき学校に対して対応してまいりたい、取り組んでまいりたい、というふうに思っております。

 また、それとは別に、今、特段問題が発生していない学校に対しても巡回指導等を含めまして、あるいは教員のリーダー養成講座等を開催することによりまして、こういった問題に対する支援を検討して行ってまいりたいというふうに思っております。

 それから、こういった問題行動の低年齢化についての関連の中で、学校で親との懇談をどうしているのかというお話でございますが、それぞれこういった問題、不登校の子どもさんも含めてですけれども、色々と子どもさんにそういう相談の必要があるケースは、ほとんど担任が家庭訪問を行いまして、できるだけきめ細かなケアをそれぞれの学校でやっております。そして、同時に、今委員からもご紹介ございましたように、全体的な懇談会ということで、これは定期的にいろんなオープンに議論できる場ということで、学校側と保護者の方々の接点ということで、これも貴重なそういう場として定期的に開催をされていると、こういう状況でございます。

 以上でございます。

○杉之内委員 はい、ありがとうございます。

 やっぱり学校が荒れる、荒れる学校というのは大体決まっておるという、私もそういった学校を見せてもらってきましたけども、本当に先生方も大変だと思うんですが、これやっぱり根本的にね、教育長、きちっと抜本的な考え方でやっていかないと、この学校はもう本当に終わってしまうという感じすら、意識的に感じるものがあります。この点だけはご指摘申し上げて、特に考えていかなきゃならないのではないかと、このことだけつけ加えて申し上げておきたいと思います。

 時間があとありませんから、次はがらっと変わりまして、高齢者の虐待防止の問題を少し伺いたいと思います。

 これにつきまして、三重県においても9月に、伊勢市で寝たきりの母親に暴行を加えて殺そうとした息子さんの問題、未遂で逮捕された事件があったり、色々とあったわけでありますが、これに対して、国は全体的に本年の4月に、高齢者の人権を守る高齢者虐待防止、そして養護者支援法が施行されました。この法律では、高齢者の尊厳の確保のほか、虐待の背景にある介護者のストレスにも焦点を当てて、虐待の定義を明確にするとともに、虐待を発見した人に対して市町への通報の義務づけとか、高齢者宅への立ち入り調査、一時保護の制度化、さらには介護者の負担軽減の観点から、相談支援の実施を明記されたものでございます。

 私たちはこうしたものを重く受け止めまして、公明党県部としても、本年の8月に高齢者虐待のアンケート調査をやらせていただきました。そして、その調査の中身は、時間が余りありませんが、くどくどは申し上げられませんが、かなり私たちも実はびっくりしまして、これは相当大変なことになっているなと、こんなふうに実は思いまして、それに対して私たちとしては、早速まとめたものを知事に一応要望書としてお渡しをさせていただこうということで、先般、知事の方にもお渡しをさせていただき、内容についてはそれぞれご検討いただくようにしてもらっていると思うところでもございます。

 したがって、ここで、特にそれじゃ県が何をやるのだろうということになるわけでありますけども、第1点は、これは市町の虐待相談担当者への課題解決のための専門的で実効ある研修会の開催をまずこれ一つやらなきゃならんだろうと。もう一つ目はですね、取組方策の基準となるマニュアル、ガイドライン等のさらなる整備の充実を二つ目としてはやっていく必要があるのではないかと。三つ目としては、困難な事例の対応と、県民局単位でサポートする支援センター的な体制の確保をぜひこれは、やはり県としてはやるべきではないだろうか。5点目には、高齢者虐待養護者支援条例制定の検討、これは特に県としては各市町、29市町ありますから、これらの皆さん方に対してもしっかりとした対応をしていくべきではないか、というふうに思いますので、この点は要望させていただいておりますが、その後、どのような検討が加えられて、ぜひ来年度に対してはこうあるべきだというものがあれば、お示しをいただきたい、こうひとつ思います。

 それと、もう一つは、障害者の福祉サービスの低所得者への負担軽減の対策の充実でございますが、これはもう既に9月の本会議、一般質問、代表質問等でそれぞれ多くの方々から質問が出ました。中森議員の方からも、障害者の社会参加について一般質問された中で、向井部長の方から答弁がございました。これについては、市町の支援について伺っておりましたが、具体的にどうこうというお答えはなかったように思いますが、もう、いよいよこれ、11月に入りました。12月議会の前の予算編成時期にも入ってまいりますし、それらの問題について、これはぜひご検討していただいた内容がどの程度になっているかわかりませんが、ここで私が申し上げる障害者の問題の1割負担の問題なんですけど、これは特に低所得者への負担の軽減が強く、実は私どもの方へもお話があります。市町の議員の皆さん方の方にも当然、現場に直接かかわる皆さん方からお話がありますし、また、私たち県議会議員としての立場で、県もひとつこの点についてはしっかりと、何とか対応してもらいたいという、こういう実は市町の議員の皆さん方からその意見が私どもの方に来るわけですね。そうした状況の中で、何か一つこれは、県として低所得者を対象にした独自の負担軽減策を設ける必要があるし、市は市で何とかそれを対応していこうという、最大限実は努力しております。だから、あと知事として、三重県として、本当に困る低所得者への負担軽減拡大の検討は、ぜひひとつ前向きなお答えが、これは知事からいただければ大変ありがたいと思いますが、その2点について、今どんなふうなお考えでいらっしゃいますか、ご答弁をいただきたいと思います。

○野呂知事 まず、先般、公明党の方から老人の虐待について、私の方にアンケート結果をもとにご提言もいただきました。今、担当部の方で検討いたしておりますので、それにつきましては、後ほど部長の方からお答えを申し上げたいと思います。

 障害者の自立支援法に係る問題でございますけれども、これにつきましては、私は障害者の自立支援ということで、法の趣旨としては一定の理解をしながらもですね、しかし、やはり障害者の実態、現場、こういったことにつきましては、十分に配慮がされておるのかということにつきまして、今回の国の施策につきましては、やや疑問に思っておるところでございます。

 私は、厚生労働省も、今日まで積み上げてきた障害施策というものは大変な努力、熱意を傾けてやってきたものだと、こう思っております。しかしながら、昨今の制度改正には、その根底に危機的な財政状況、この財政状況を解消しようという強い圧力がかかっておるところでございまして、そういう意味では、私は、厚労省が十分にこれまでのようにきめ細かな配慮をしながら、この自立支援法を出してきたのかということについて、やや疑問に思っておるところでございます。公明党におかれましては、国において政権与党として、また福祉の問題に最も熱心なお取組をいただいておりますから、ぜひそういった立場でもご尽力をいただきたいと思いますが、私ども今、県の方の実態について調査もしておりまして、近く国に予算に関して提言要望活動をやろうということにしております。

 その中で、やはり国に対してですね、こういった三重県において発生をしておるいろんな課題、問題、こういったことについて制度改正へ向けての取組をひとつは要請をしてまいりたいと、こう思っております。やはりそこをきちっとやっていくべきでありますけれども、当面、しかし、障害者の皆さんに対する影響が非常に大きく出ておるところでございます。そういう意味で、県として、市町でも対応していただくのと同じように、私どもとしてもどういうふうな支援をしていけばいいのかということで、今、実は大いに議論をいたしておるところでございます。まだ検討途上でございますので、具体的な中身についてここで申し上げるという状況にはありませんけれども、しかし、私としてはこの際、県としてやはり一定の支援の仕方というものを県独自にやはり持っていかなきゃならんと、こういう思いで今やっておりますので、ご理解をいただきますようにお願い申し上げます。その上で、考え方等を整理いたしまして、県議会にもその時点で報告をさせていただけたらと、こう思っております。

○向井部長 杉之内委員の高齢者の虐待対策についてでございます。

 国におきまして、高齢者虐待防止・養護者支援法が成立いたしております。そういったことから、県におきましても、高齢者の虐待防止対策を進めるため、様々なマニュアル、手引きでありますとか、地域住民向けの啓発パンフレット等を作成して、関係機関へ配付しているところでございます。

 また、委員からも人材育成が非常に県の役割ではないか、というふうなお話もいただきました中で、特に今年度からは介護保険法の改正によりまして、県内全ての市町に地域包括支援センターが設置されております。そういったところを中心に高齢者に対する虐待防止とか、早期発見のための権利擁護事業も始まっております。そういったところで、実際に具体的に、特に今年度につきましては、地域包括支援センターの職員向けの研修会等を開催、またケアマネジャーの研修会の開催とか、そういったところにつきまして中心に進めていきたいと考えております。また、施設職員につきましても、実際に直接高齢者の方に携わっていただくということから、そういった研修についても一層進めてまいりたいと考えております。

 また、そういった地域包括支援センターの連絡会議と情報共有等も大事でございますので、そういった中で、高齢者虐待に関する困難事例等の課題解決に向けた意見交換会も開催することといたしております。

 そういった中で、もう一つ、自立支援法の関係でございますけども、これにつきましても、10月から施行されております。具体的なところにつきましては知事からもお話がございましたように、細かいところはまだまだ詰めておるところではございますけれども、直接的にすぐ対応しなければならない事案につきましては、今までのところ、継続しなければいけない事案につきましては継続するなり、また必要な支援については支援を行っていくという方針ではおりますので、その次に向けた体制、これから対策を講じていきたいと考えております。

○杉之内委員 色々とご答弁ありがとうございました。今、知事の方から回答いただきまして、特に知事の言葉の内容というのは、非常に私も気持ちよく承りました。やっぱり言葉というのはそういうものだと思います。ですから、向井部長の方もそういう気持ちで、福祉部の関係、もうあんたとこ一番大事なとこですから、特にこれはやっぱり人ごとじゃないんです。本当にその人の気持ちになって、やっぱり考えていかなきゃならんということは基本原則ですから、知事がそういった形でしっかりとした気持ちでやっているわけですから、あんたたちがそれをならってやっていかなくてどうするんですかというふうに私は申し上げておるわけです。決してあんたのことを責めているわけじゃないんです。そういう気持ちで、構えなくていいんです。本当にそういうことなんだなと、これは何としても解決しなきゃいけないんだという、こういう思いをお互い、議会もしっかり申し上げて、当局もそれに対してしっかりと議論し合って応えていくという、これがやっぱり県民が本当に安心・安全の県土作りになるんだと、こういうことを最後に申し上げまして、時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。

○前田委員 午後のお疲れの時間帯ではございますが、30分間の時間をいただきましたので、17年度の決算に対して総括のご質問をさせていただきたいと思います。

 まずもって、午前中も含めながら、色々な論議が重ねられてまいりました。自分自身も決算書を拝見する中で、知事からも答弁がございましたが、16年度から18年度の財政健全化に向けた集中取組期間という形の中で、非常に財政が逼迫した中ではございますが、かなりご努力をいただき、主要財政指標等からも判断できるように、財政としては少し硬直化は進んでいるものの、健全化に向かって少しは改善している方向にあるのかなということで、一定の成果が上がっておると評価もさせていただくところでございます。

 しかし一方で、来年度の予算編成におきまして、竹上委員の方からも、るるご質問がございましたが、維持修繕費の予算枠について、やはり色々と現場の県民の皆様方の声を聞かせていただく中で、やはりこのままではまずいんではないかな、というのを感じながら、決算書を見させていただき、17年度の決算の切り口の中で、まずもって質問をさせていただきたいと思います。

 当初予算編成方針が平成14年度から包括財源配分方式と切りかわってまいりました。14年度が80.3%、15年度が70%、16年度が95%、17年度から70%プラス重点プログラムの財源としての20%、そして18年度当初が85%プラス10%、そして来年度が80%、10%という状況でございます。したがって、野呂知事がご就任いただいてから4年間も、19年度予算編成に向けて経過してまいりました。既にもう6年間の、ずっとそういうシーリングをかけてきた中で、かなりパイとしての制限が各部局にかけることによって出てきておるのではないかな、と感じておるところであります。具体的な金額にしましても、13年度の当初予算と比較しますと、県単工事の予算に対して327億2,500万が、17年度の当初予算ですが197億2,100万ということで、60%の金額となっております。さらに、維持修繕費においては78%の修繕費、そして当然のごとく建設費が46%に抑えられておるというのが、予算配分の経過でございます。

 竹上委員も件数を上げられご質問されてみえましたが、件数は私は拾ってまいりませんでしたが、過去、色々と自治会から、市を経由しながら県にご要望をいただいております。数年にわたり毎年要望しているけども、一向に河川の浚渫がどこも着手されない。実際がその状況であります。道路の維持補修あるいは港湾の整備でもそうでございますが、基本的にやはり言葉が返ってくるのは、必ず予算がないから、予算がないから。実態を色々と調べさせていただいたら、先程ご報告させていただいた数字です。本当に厳しい、40%、約半分の金額の中で、そういった維持管理をしていかなければいけない。本当にそれが県民満足度を高めていけるのか、そういった限界に来ておるのではないかな。色々な効率化できる工法、あるいは新しい時代の公として草刈りもそうですが、地域の方々にご協力もいただきながら改善もされ、そしてまた安く上げられるような工法も含めながら取組もされてきておるところであります。このまま包括配分の中で予算配分が続けられるのであれば、本当に安心できない三重県になっていくのではないか、と危惧しておるところでございます。

 そこでまず、1点目お聞きしたいのが、監査を1年間進められた中で、各それぞれの、昔、17年度はまだ県民局でよかったですね、県民局を回られた中で、実際にそういう現場を持っていただいているとこの中で、色々と書類も含めながら調査をいただいたと思います。過去、監査委員の報告書がございますが、維持修繕費に対してコメントもありましたが、今回はコメントも掲載されていません。改善の余地が旧県民局、現県民センターに残されているのかどうか、監査1年間を通じた中でお感じいただいたところを、まず、ご答弁いただきたいと思います。

○鈴木代表監査委員 維持管理費についてお尋ねがございました。ちょっと細かい係数を持ち合わせておりませんので、お許しをいただきたい点があるんですが、昨年度の監査におきましては、例えば道路等の維持修繕費につきまして、非常に財政状況が厳しい中で、ぜひ緊急度の高いところから計画的に補修等をやってもらいたいと、ぜひ必要な時間については必要な対応を、ということをお願いをいたしております。

 17年度の決算審査としては、このことについて触れておりませんですが、16年度の決算の際の私どもの意見に対しまして担当部局の方からは、維持管理は非常に重要である、という認識の中で、計画的な施設点検のもとで、例えば、施設の管理水準レベルをその重要度に合わせて設定していくなどの方法によって、計画的かつ効率的な方針を行う、というふうにご返事をいただいております。

 また、このことについて、今回の決算審査においても、このような取組が進められていることを確認できましたことから、17年度の審査意見にはしておりません。また、いずれにいたしましても、監査委員といたしましては、引き続き計画的、効率的に維持管理を進めていただくようお願いをしたい、というふうに思っております。

 また、予算につきましても、17年度につきましては前年度よりは、災害復旧とかいろんなこともあるでしょうけれども、若干の増額が見られるようでございますし、また予算の中で、今日午前中のお話の中で流用等のお話も出ておりましたけれども、所管部局の中でですね、河川、道路、橋梁、色々な維持集繕の議論があろうかと思いますが、流用可能な範囲内でその辺の流用も行った上で、弾力的に執行を抑えておる、というふうなことも聞かせていただいておるところでございます。

 以上です。

○前田委員 もう少し踏み込んだご答弁を期待申し上げておりましたが、監査の書類関係でございますので、難しい部分もあるのかと思います。

 では、今のご答弁をいただきながら、知事に今度はお聞きをしたいと思います。

 一般論的に、施設数が増えていくならば、維持修繕費というのは当然上がってまいります。この6年間、ずっと施設、当然設備投資がされてきたわけですから、建設費の中で、増えてきているにもかかわらず、半分の維持修繕費で本当に県民の皆さんが満足できる維持管理ができるのかどうか。以前、竹上議員の答弁に認識はしてもらっている、という答弁がありました。ただ、前向きなご答弁がなかったと自分自身記憶しております。一度知事のご所見をお聞かせいただければと思います。

○野呂知事 今、公共事業の維持修繕にかかわらず、厳しい財政状況の中で、私も対応を迫られて今日までやってきておるところでございます。そういう意味では、公共事業につきましては、現場、担当の方は苦労しながら対応しておると、こういうふうに承知をしております。

 したがいまして、県全体、選択と集中をしっかりやりながら、優先度の高いもの、それを先に手をつけていく、というようなことで対応しておるところでございます。厳しい中でありますけれども、維持修繕につきましても、そういった観点からの対応は一方で必要なんだろうと、こういうふうに思っております。

 それから、公共事業等につきましては、やはり新たな投資も含めやってまいらなければなりません。橋等についても、もう建設から相当年数たってまいりまして、かけかえが必要な、そういう状況も出てまいりました。したがって、トータルにですね、何というんですか、建設当初の投資だけではなくて、維持修繕からその後の更新まで含めたトータルなマネジメントの手法というものが、かつてはなかったところであります。そういう意味では、今後、私どもとしては公共事業についてもそういった考え方をしっかり持ちながら、厳しい状況の中で、やっぱり三重県がしっかりやっていけるようにしなければならないと、こう思います。

 三重県には三重県としての身の丈にあった、そういう状況の中で、しっかり持続可能な運用をしていけるようにしなきゃいかんと、こういうふうに思っております。

○前田委員 少しは前進したのかな、認識もかなりしていただいている、という部分も感じられました。

 ただ、今後の動向の中で、やはり従来の考え方が出し切れなのかな。身の丈というのは、当然起債の部分もあり、新たな財源確保の部分もあり、という部分の中で、私は、提案はしておりませんので、逆に今日は聞かせていただき、論議させていただきたいのは、現状の包括配分予算で6年間続けられてきた、このままずっと続けられるのかどうか。あるいは必要なもの、午前中の桜井委員の方からも話がございましたが、もっとオール県庁の中で必要な財源は確保しながら、もっとトータルでの調整、めり張りをつけていく、もうそれぐらいの財源のパイになってきたのではないのかなというのを、もう数字も含め、つくづくこれ以上パイを増やさないんであるならば、おのずとそれぞれの部局のパイの中での包括配分というのは、もう限界を来しているんではないかな、と感じております。

 したがって、身丈に応じたはいいんですが、手法をトータルで、というお答えでございましたが、その予算編成方法についてご所見がございましたらお聞かせいただきたいと思います。

○野呂知事 まず、三重県の財政は三重県だけで成り立つわけではなくて、実は国の財政構造の中で位置づけられるものでございます。したがって、三重県だけの財政運営の努力だけで、今日の状況というものを変えていけるということではありません。国におきましては、危機的な財政状況につきまして、今後どういうふうにして財政再建をしていくのか、いろんな議論がされておりますけれども、少なくとも小泉内閣での取組の延長であるとするならば、今後、益々、私はひどいことになっていくのではないかなと危惧をいたしております。

 そういう意味では、今後地方分権の議論も絡めながら、私どもが少なくとも必要な行政サービスをきちっと確保するために、努力して財源確保もできる、またその中でより有効な使い方ができるというふうになっていかなければならないと思います。今は、少なくともここ数年の間に、急激に変わっていくのではないかというような、そういう期待が持てないところであります。したがって、今後しばらくは厳しい財政状況の中での経費の節減といったことにつきまして、より厳しく取り組んでいかなければならないと、こう思っております。

 ただ、そうは言え、やはり今後の三重県にどうしても必要な投資というものもございます。そういうところは、かたくなにというんではなくて、やっぱり財政健全化への努力とバランスを持ちながら、やはりチャンスを逃さないように、ということも考えてまいらなければならないと、こういうふうに考えておるところでございます。

○前田委員 少しピントをずらしていただいた感じでのご答弁かなと感じさせていただいております。19年度の予算編成方針を出されていますので、次期改選に出馬表明をまだされてみえませんが、もしお続けいただけるのであれば、もう包括配分、財源配分というのは制度的に限界を来たしておる、と思っておりますので、ぜひとも新しいスタートの中で、次年度の、来々年度の予算編成時期にはきっと新たなシステムが構築されることをご期待を申し上げる次第でございます。

 最後に、やはり何と言っても、現場を、苦しい状況の中、管轄所管いただいております植田部長の方からも、次年度の予算編成に向けた維持修繕費の意気込み等ございましたら、お聞かせをいただければと思いますが、よろしくお願いします。

○植田部長 公共土木施設の維持管理についてのお尋ねでございます。

 公共土木施設の維持管理というのは、非常に大事でございます。やはり安全・安心の確保ということは、私どもも第一に考えているところでございます。来年度の予算につきましても、色々努力をして、必要な予算の確保に努めてまいりたい、と思っております。

○前田委員 とっても力強いご答弁をいただきましてありがとうございました。あとは必要と認めるかどうかだけであるのかな、と思いますので、非常に厳しい状況の中ではございますが、ぜひともそういった実態の中で、やっぱり私も、桜井委員が朝申しましたように、もっとオール県庁の中で、めり張りをつけていかないことには、各部局の中での選択と集中では、もうパイが小さ過ぎて、どうも財政の硬直化、県の硬直化と一緒ですが、部局ももう硬直化してきてるんではないかな、と感じております。ぜひともまた来年度の予算編成に間に合う部分があるならば、一度部局間調整も含めながらご検討いただければと思います。要望で結構でございます。

 続いて2点目でございますが、監査意見書の中で14ページに、補助金交付事務の適正化がございます。色々な補助金に対しての対応、不慮等々ある中、返還金が発生したり、マニュアルがなかったり、不用額が翌年度に繰り越されたり、ということがあったと報告されております。その中で、私が一番問題視をしたのは、補助の効果が発揮されていないものなどが見受けられる。本来補助金として本当に厳しい財政の中で集中と選択をしてやった事業が、監査委員の意見の中では効果が発揮されていない、という見解でありました。色々と聞き取りさせていただく中で、今はなき地域振興部さんの事業だということで、ネットビジネス支援事業費補助金だったと聞いております。本当にそういう事業が折角この厳しい財政状況の中でやられていたにもかかわりませず、金額としても2,400万、1,300万、2,700万ぐらいの大きな事業でもあります。目新しい3年間の事業ということで、17年度で終わっておる部分でございますが、非常に残念だなというのが、この意見書を見せていただく中で感じました。

 一度、監査委員の方からも、急に振ってごめんなさいね、発揮されていないと判断された理由、そして、もし当局側の方として、地振部さんの後は政策部さんになろうと思いますが、どのように評価されたのか、あわせてご答弁いただきたいと思います。

○鈴木代表監査委員 今、お話のありました補助金の関係でございます。お話がありましたように、事務上の手続の不適正など、幾つか指摘をさせていただきましたが、そういう中の一つとして、効果が発揮されていない例がある、ということを書かせていただいております。この事業、今お話にもありましたが、旧地域振興部で15年度から17年度まで、3カ年度にわたって行われました事業でございます。事業の内容といいますのは、県が構築いたしました情報通信ネットワークを利用いたしまして、ネットビジネスを創設すると。こういうことによって、地域の情報化を進める、あるいは情報化産業を支援をする、県民の利用を図ると、こういう趣旨のものでございまして、私ども、事業者の方、あるいは執行部の方からお話を聞かせていただきました。特に私の印象に残っておりますのは、16年度の2カ所ほどをきちっと見せていただいたわけですけれども、補助金に対しては、いわゆるシステム開発であるとか、その企業さんにとっては補助金を受けることによって事業を構築して、いわば営業活動をすると、こういう流れになっておったわけでございますが、そういうシステム開発的な補助のお金にかかる部分についてはきちっと構築をされておった、というふうに確認をいたしております。

 しかしながら、それを組み立てた中で、営業活動で目標を達成するというか、営業利益を上げていただくということが必要であったろうと思いますし、補助申請のときには目標数値を出していただいております。その目標数値については、県の方にも報告をいただく、あるいは5年間の活動報告をいただくということになっておりますが、見せていただいたところ、目標を大きく下回っておると、営業活動の面でという意味で、折角の成果が十分に発揮おらない、ということを指摘させていただいたところでございます。

 以上です。

○村林部長 ネットビジネス支援構築事業についてでございますが、事業の概要については、先程代表監査委員の方から答弁があったとおりですので、ちょっと省略させていただきますが、私どもとしては、当初、この事業の趣旨が、営業目標を立てて収益を上げるというところが前提で立てられていたと。それで、収益が出ていないというところはご指摘されたんだろうということで、補助金の成果の継続的検証と補助金交付先に対する必要な指導をするように、という具合にご指摘を受けております。これにつきましては、元々ベンチャー的なものでありますし、また、ITを活用した新規のビジネスということですのが、かなり挑戦的なものだったんだろうと考えております。

 そこで、ご指摘も受けまして、早速ネットビジネスの支援者の会合を持って、色々意見交換等もしたところでございます。そういった中では、やはり色々難しいような状況なんかも聞かせていただきましたが、いずれにしてもやはり頑張っていただかなきゃいけませんので、セミナーとか個別相談会とか、そういったものに出席されたらどうですかといったような、そういったようなことも申し上げたところでございます。

 今後も、ITに関する専門家等々一緒に、そういった助言も行ったりして、所期の目的を達するように努力していただきたいという具合に、そういった取組をしていきたいと、そのように考えております。

 いずれにしましても、このネットビジネスというのは、可能性は、当時も今も非常に大きいと考えておりますので、そういう意味としては、チャレンジとしての意味が大変大きかったと思いますが、引き続き努力してまいりたいと思っております。

○前田委員 ご答弁ありがとうございました。

 私が今日取り上げさせていただいたのは、その個々個体の話ではなくて、実は補助事業、全体もそうかわからないんですが、プラン・ドゥー・シーの中でずっと回していく、回していくと言いながらも、中々シーの部分が、評価の部分、チェックの部分ができていないんではないのかなと。その一つが、2件調査された中で、2件とも、という状況であります。今、世間を騒がせております高校の未履修問題も若干残念ながら、津市でも発生しております。そういった補助事業に対してのもう少しルール化、そういったものを含めながら、あるいは条件を満たさなかった場合のペナルティーなり、そういった部分も必要ではないのかな、と思っております。

 先程新聞を読んでおりましたら、いきなり高校の方に変わって恐縮ですが、若干他府県の動向も見ながら、私学助成の減額など、追加の対応も検討する、というコメントも新聞で拝見をしました。本来もっと、全国的にこれは発生した部分であるので、三重県で判断できるものでもないのかな、とも思うんですが、昨日も保護者会が開催されております。やはり子どもたちが一番の被害者になっていくのかな。そうならないようにも、もっと、もっと、県として補助金を、ただ交付するまでが慎重なんですね、審査も含めながら。交付した後はほとんど、言葉は悪いんですが、チェックされていないんではないのかな、評価されてないんではないのかな、というのを危惧しております。ぜひともそういった、財政が厳しいんであるならば、効果のないところの予算は削っていただいて、もっと、もっと、効果のある、インセンティブ効果のある部分へ予算配分をしていただくべきではないかと思います。一度補助事業も含めながらの評価体制、ご所見がございましたら最後にいただければと思います。

○村林部長 補助金一般のお尋ねということでございますので、私ども補助制度としまして、補助金の初期の目的をきちっと上げていくように、おっしゃるようにプラン・ドゥー・シーをきっちりと回していく中で、改善すべきところは改善しながら取り組んでまいりたいと思います。

 以上です。

○前田委員 1分間、時間をむだに使いまして、残念でございます。答弁としては言いにくいと思いますが、今の監査委員からあった指摘事項、氷山の一角かな、ぜひとも、ほかにも沢山あるんではないかなと思います。高校の分はもう時間がないんでやめますが、そういった評価をもっと大切に、忙しいというのは当然あるんでしょうけども、厳しい財政であるならば、そこをしっかりやっていかないことにはだめじゃないのかな。ですから、17年度の決算の内容についても、予算編成方針の中には意見等々反映するようにという方向性も出されておりました。ぜひともそういった監査委員の意見、あるいは各部局で自ずからチェックがかかるような形の中で、評価、あるいはチェックをかけていただきますことをお願い申し上げ、時間がまいりましたので私からの質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。

○大野委員 8番目でして、いよいよ、ミレーの絵ではありませんけれども、落穂拾いをしたい、と思います。

 そんなことで、皆さん、いろんな角度から17年度の決算についてご議論をし、私も拝聴しました。まず、私は、16年度から始まった県民しあわせプランが、今年度で第一期の戦略が終了すると。その中で、19年度から新たな第二次プランを作って、そして更なる充実を図っていくと。そのためには、このやっぱり総括質疑は非常に大事ではないかと思います。

 そこでですね、まず、監査委員にお伺いをしたいと思います。ここに幾つかご指摘をいただいておりますけれども、その県民しあわせプランの第二次戦略計画並びにこれから中長期の三重県政を充実させていく上で、監査委員として17年度決算の中で特徴的にあらわれ、これはぜひともやっぱり早急な取組を必要とする、そういう点についてまずご指摘をお願いをいたしたいと思います。

○鈴木代表監査委員 大変難しいご質問をいただいて、私十分に答えることができないと思うんですが、やはり財政、今回決算の審査ということでございますので、財政の状況、収入状況、支出状況を見せていただいたところでございます。財政面については申し上げましたとおり、全国的に見るならばいいという数字はありますが、実態としてはやはり厳しい水準にありますので、ぜひ、さらに改善を図っていただくと。これを図っていただく中で、新しい、これからの三重県を作り上げていく財政なり行政のシステムというのは実現していくのではないか、というふうに思っております。

 それから、個々の課題についてはそれぞれ代表的なものを、相当数が多いんですが、個々に指摘をさせていただきました。毎年指摘を色々させていただいて、改善していただいておることも非常に件数としては多ございます。しかし、組織として動いていく中で、幾つか新たな課題も出てまいりましたので、細かい点も含めて指摘をさせていただきました。一つ一つ対応していただいて、きちっとクリアしていただくということが、県が一歩、二歩、更に前へ進むための大きな必要な事柄であると、こういう認識を持っております。

○大野委員 ありがとうございました。監査委員さんとしては、具体的な項目でこれが大事とか、そういうご指摘をしていただくことは、いろんなお立場もあると思いますので、そこで切らさせていただきます。

 そこで、まずご指摘をいただきました財政の問題ですね、やはり県政運営の中の財政の問題、これについては監査報告書の中でもご指摘をいただいておりますけれども、そこでまず、あれですけれども、この17年度末で一般会計、特別会計合わせて1兆円を超える債務残高があるということでございます。これは県民お一人53万円程度の借金であると。こういうことで、非常に膨大な借金があるわけなんですけれども、しかし、これは私は、例えば不況時代に公共事業を国から地方に一方的に押しつけたり、それから臨時財政対策債とか、そういうような当然国として対処すべき費用を地方債で賄ったという、こういう経緯などもありましてですね、全てが私は県の責任による債権ではない、というふうに思っています。

 そこで、特別会計の下水道なんかは当然これは回収できるものですからあれですけれど、大まかにして1兆円としまして、この1兆円の今ある地方債の中で、後年度、交付税として返ってものがかなりあるわけですね。交付税措置として返ってくるものが。今、現在ある約1兆円の県債の中で、後年度に交付税措置として返ってくるものを差っ引いた、純粋な県債というのはどの程度あるか、ということをお伺いしたい。

○中尾部長 一般会計ベースで申し上げますと、県債残高が平成17年度末で9,445億と見込んでおりますが、うち、いわゆる赤字地方債と言っておりますもの、大半が臨財債だと思いますけれども、1,660億円、それ以外がいわゆる建設地方債で7,785億円になっております。まず、赤字地方債のうち臨時財政対策債につきましては、後年度交付税措置がある、というふうにご理解いただきたいと思います。それから、建設地方債につきましては、それぞれの起債の内容によりまして、交付税措置のないものから交付税措置のあるもの、交付税措置のあるものについても、それぞれの起債の種類によって、後年度どれだけ返ってくるかがまた違いまして、恐縮ですが、手元にその緻密な集計までは持っておりませんが、大まかに申し上げて、少なくとも臨時財政対策債の残高分は後年度交付税措置が全てあると。建設地方債の残高のうちにも後年度交付税措置があるものもある、という状況でございます。

○大野委員 どうもありがとうございました。実は、今お答えをいただきました資料は、18年の7月ですか、今年の7月に、財政見通しということでこの資料を、これをいただきましたですね。昨年度いただいたんで、18年度をめぐる財政事情という、この中にも出ておるわけなんです。この中のいわゆる赤字地方債というのが、今お答えいただいた純然たる県債という、そういうお答えでよろしいですね。

○中尾部長 先程申し上げた赤字地方債と申し上げますものは、冒頭ご所見がございました臨時財政対策債を意味していると、主としてそういうことだということでご説明いたしました。

○大野委員 そうしますとですね、もう一つの資料の中で、こういう資料があります。いわゆるその赤字地方債、臨時対策債と、それからほか、建設債の中にも皆負担率がありましたね。例えば、国庫補助事業で道路改良をやる時にはとかですね、そういうのがありますね。そういうものを、だから、負担率の残で、あと交付金で返ってこない分、そういうものを整理したらですね、今計算いくらなんですか、総額は。

○中尾部長 先程のご説明、少しわかりにくくて恐縮でございましたが、赤字地方債と言っているものがいわゆる臨時財政対策債で、これは100%交付税措置があると。それ以外の建設地方債は、それぞれの起債の種類によりまして、後年度交付税措置が、例えば100%近くあるものから全くないものまで、様々ございます。同種の起債におきましても、例えば、かつて経済対策で国の財政措置の裏づけがあって起債したようなものと、例えば、そういう国の特別の措置のない年に発行したものによっても違ってまいりますので、少しその辺は緻密な積み上げ計算をやってみないと、残高としては明確なところはちょっとお答えしかねる、という状況でございます。

○大野委員 実は、私たち、県民の皆さんもそうなんですけども、国はこれ純然たる借金ですね。だけど、市、町、県は1兆円の借金があるんだと。それはもう全部借金だと思うんですね。私たちもそう思うんです。だから、本当の借金は、県債はいくらなんだということを、私はもっと県民や議員に非常にわかりやすく、そして実態をお示しいただくべきではないかと。そうしないと、私たちはこれから今後の県政運営、財政運営については中々実態を把握しにくい。一つ例を挙げますと、県土整備部さんが今年の報告の中で台風16号等の災害復旧に151億円の利用を行いましたと。その151億円は全て国の費用で行いました、と書いてあります。そう書いてありますね。私は、この中の50億は県債だと思うんです。県が負担しておると思うんです。150億全部、私は国が出していないと思うんですが、そこはどうですか。

○植田部長 多分その金額は災害復旧費だと思うんですね。初年度の災害復旧費については、100%起債が充当してですね、多分これは交付税措置される部分、そういう意味だと私は思うんですけれども。

○大野委員 私はやっぱり、起債の部分はこれが起債ですよと、それから国から来る部分はこれだけですよ、ということをやっぱりきちっと整理していただかないと、この文章を私読まさせていただいて、災害復旧というのは全額国が持ってくれるんかと。色々調べましたらそうじゃないんだと。やっぱりそれは後程起債で、もちろん起債は後返ってくるね。そういうところはありますけれども、起債としては残るわけですね。だから、それは県土整備が悪いとか、そんなんじゃないんです。私が言うのは、行政として、やっぱり県債とかそういう起債について明確な整理をしていただくことが、県の財政の実態が明らかになり、県民の皆さんに本当の、今、私たちは厳しい財政の中で、あれもこれもというのはできないんだと。みんなで一緒に考えながら、本当に必要なもの、今でなければならないものをやっぱりやっていこう、そういう県政をお願いしていこうということの理解にもつながっていくのではないかと、そういう意味で質問をさせていただきましたので、決してどこが悪いとか、実態がつかめていないとか、そのことの指摘ではない。それを整理していただいて、これからぜひとも明らかにしていただくことをお願いをいたしたいと思います。

 それから、今度は2番目に、各論に入らさせていただきたいと思います。

 選択と集中の問題を少し議論させていただこうと思ったんですけれども、もう皆さん議論をされましたので、過去の選択と集中の中の問題、これを少し議論させていただきます。

 これは申すまでもなく、例の廃棄物処理センターとRDF発電の問題なんです。この経過については、どこがどうとかそういうことはもう議論する時期でも何でもありません。今、現に平成17年度は廃棄物処理センターの累積赤字ですね、債務を補てんするために、17年度から4年間、5億円ずつ支援をしていくということ。それから、RDFについては平成28年までですか、約28億円かちょっと数字はあれですけれども、それだけの費用が見込まれると。だから、それを県と市がどう負担するんだということを、今、大変苦しい議論をしていただいております。これは本当に市町の皆さん、それから企業庁の皆さんも大変ご苦労だと思います。

 しかし、私は、この問題は基本的な問題としてやっぱり一般廃棄物ですね、これはどう処理するんだという、そこのところの理念が確立されていなかったんじゃないかと。だから、これを造っていただいた時は環境先進県だ、環境に軸足を置いた県政を進めなければだめだということで、全国に先駆けて進めていただいて、それは私は意義があったと思うんです。その時に、やっぱり基本的に一般廃棄物は、これは市町が基本的には処理する問題なんだと。だから、それを県が14年12月から、いわゆるダイオキシンの規制が厳しくなったと。だから、これまでの焼却炉では中々焼却し切れない市町村が多いから、だから県がそこで協働しましょう、ということで造っていただいたわけなんです。

 そして、県は三つの方法を提示しました。一つは、基準を満たした焼却炉では、それで焼却した一般については、いわゆる管理型の処分場があるところは、そこに残渣も埋めてくださいと。それから、基準を満たした焼却炉で処分しても、その残渣の処理がないところは廃棄物処理センターで、それで処理を県と一緒にやりましょうと。それから、焼却炉が基準を満たさないところについてはRDF化しましょうと。そして、それに対してRDFを燃料として再利用しましょう、ということでRDF発電を造ったわけなんです。

 非常にスタートはよかったけども、これは新しい事業ですから、いろんなトラブルがあって、私は当然だと思う。だけども、そこでこれからきちっと、やっぱり17年度の決算を踏まえて、この二つの一般廃棄物処理のこの問題をですね、市町と県の役割、それから一定の基準というんですか、当然ごみゼロ社会を目指していますから、だんだん、だんだん、ごみが少なくなっていくわけです。だから、野呂知事が一生懸命力を入れられれば入れられるほど、ごみが少なくなっていって、そしてRDF発電も赤字になる。廃棄物処理センターも中々欠損金が埋まらないという、こういう状況が続くと思うわけなんです。だから、そこで私は、やっぱり17年度決算を踏まえて、19年度にこの二つの一般廃棄物の処理について、市町も含めて、それから廃棄物処理センターについては、これは大事な法人ですから、その法人も含めて真摯に議論をして、一回一回値上げがどうだとか、他もすべきだという、そういう議論をすることなしに、運営が継続でき、安定した持続的な廃棄物処理ができる、そういう仕組みやそういうものを作っていくべきだと思いますよ。これは知事に、ちょっとご見解をお伺いします。

○野呂知事 ご指摘の話はわかるような気がするんですが、現実的にはこれらは今、大変な県の財政負担も伴う大きな課題になっておるところでございます。

 したがって、本来の趣旨を踏まえながらも、しっかりここ、今の課題について市、町並びに関係の皆さんとしっかり解決をして、これから先へ向けて考えていかなければならない大きな課題がございます。

 したがって、先進的には将来見通しということですが、その将来の見通しも今がどういう形で再スタートをしていけるのかという状況に、また左右されるわけでございますので、私どもとしては、今の課題については、やはりしっかり市町の皆さんにもご理解をお願いをし、そして私どもは県民の皆さんの税金をお預かりしながらこうやっておるわけですから、私どもとして県民にしっかり説明ができる、そういう形でぜひ問題を解決をしていきたいと、こういうふうに思っておるところでございます。

○大野委員 ぜひともそういうことで、大変厄介と言うと失礼ですけれど、重い課題ですけれども、ぜひとも、その都度その都度方式ではなしに、安心できるそういう仕組みのようなものをいただきたいと。これは実を言うと、企業庁長さんで、このRDF発電というのは大変大きなお荷物ですわね。だから本来は黒字にはなりにくい問題を企業庁がそれをしょってやっていかなきゃならないという、こういう問題等も含まれていますので、その辺も十分配慮しながらひとつご議論を進めていただきたいと。

 もう時間がありませんので、次は、監査委員さんの方でご指摘をいただきました雇用の問題ですね、これをお伺いさせていただきたいと思います。

 ページ数で言いますと、若年雇用のところなんですけれども、すみません、申し訳ございません。21ページ、若年の雇用支援ということで、そこで高校卒業者の就職、職業安定等を徴した平成17年度就職決定率は98%云々となっています。最後に、ただし1年以内の離職率が22.3%、非常に依然として高い状況にありますと。ここで高校生等のキャリア教育やインターンシップなど云々、という文章があります。

 そこで、教育委員会から資料もいただきましたし、先日、商工会議所の皆さんとお話をさせていただく機会がありました。商工会議所の皆さんから、非常に景気がいいので、若年労働者はどうしても欲しいんだと。特に中小企業は非常に、高校卒業者の人に就職をしてもらうのに随分努力をしとるんだと。だけども、特に県内の高等学校で、いわゆる専門学科はいいんですけれども、普通学科の卒業生ですね、この生徒さんたちが非常に、就職されても職業観とか、それから働き方に対する意欲とか、そういうものが専門学科の生徒さんに比べて弱いと。そして離職率が高いと。特に普通科で、これを言うとちょっと言葉に語弊がありますけれども、進学ということに力点を置いた高等学校よりも、地域産業の充実、就職とかいうことにやや比重を置いた高等学校の普通科の教育、これを何とかもう少し、本当に子どもの働く力、働く意欲、そういうものと結びつけていただくような、こういう教育をぜひお願いしたいという、こういう要望がありました。17年度にも、予算の中にも学校活性化と、高等学校活性化という項目がありまして、この中で幾つか内容は指摘されておりますけれども、このとおり随分ご努力はいただいておるんだと思うんですけれども、普通科の就職する生徒に対する職業教育ということについてのご見解をお伺いしたい。

○安田教育長 ご所見のとおりでございまして、中学校から高校に進む場合に、やはり特に三重県の場合、普通科志向というのが強うございまして、そういったウエートという面では普通科のウエートが非常に高くなっております。その中で、産業教育といいますか、そういう専門学科については、それぞれの学科において将来こういうふうにあるべき、あるいはこういう考え方で教育をすべきということで、そういう議・_もし、また報告もいただいているところなんですが、普通科におきましては、やはり進路がその段階でもはっきりしていないというふうな状況で、今、ご指摘をいただいた傾向がどうしても出てまいります。

 そういった中で、これまで高校におきましてはキャリア教育を推進するということで、職業観、勤労観を、これはもう高校の前の段階、中学校、小学校の段階からやっておく必要があるということで、年齢を追って段階的に進めていこうということで、生活部とも連携をしながら進めているところなんですけれども、その中で、高校になりますと、インターンシップということでかなり専門的な経験をしていただく仕組みで取組を行っているわけなんですが、これまでやはり職業学科中心に進めてまいりました。したがって、全部で半数ぐらいの学校しかインターンシップをやっていないんですけれど、ここをやはり普通科のところへもう少し拡大して、普通科高校においてもインターンシップができるように、あるいはこれまで以上に職業教育を、キャリア教育が進められるようにということで、次年度以降さらに取組を進めてまいりたい、というふうに思っております。

 以上でございます。

○大野委員 どうもありがとうございました。やっぱり学校教育というのは、特に高等学校の場合は、校長先生が責任を持ってやっていただいております。そんな関係で、そこまで私たちが入り込むこともできませんし、できましたら、やっぱり県教委が労をとっていただいて、そういう企業者の皆さんと高等学校校長さんとか、実際に指導を先生方と意見交換をし、今、どんな力が必要なのかなとか、その辺をはっきりとつかんでいただく、そういうような場を持っていただいて、本当にうまくマッチングしていくような、そういうことをぜひ進めていただきたいと。これが私はやっぱり17年度の若年雇用の一つについての決算から出てきた課題ではないかと思います。

 もう余り時間がありませんので、最後にですね、これは健康福祉部さんに、先程から出ておりました障害者自立支援法が10月から本格施行されました。この問題ではありません。実は、この資料の8ページにですね、上の方に心身障害児医療対策費18億いくらとか、いろんな、こんな一番大きな自立支援法ができた背景は、いわゆる支援制度を国が作ったけれども、結局2年間で財政がパンクしたと。300億円の赤字になった。だから、それを切り変えたんだと。ここの17年度の支援費が18年度にはどんな中身でどうなったのか。この支援費ですね。いわゆる身体障害者の方に出ておった支援費というのは、それが今度は支援費制度でなくなったわけですよね。どういうふうに変わったのか、それをちょっとお聞きしたい。

○向井部長 大野委員のご質問でございますけども、17年度の決算に対して18年度はどう組んでいるかということでございますが、自立支援法自身はこの4月に一部施行され、この10月から全面施行されております。そういったことから、18年度予算を組む時期につきましては、詳細は明らかになっておりませんでした。したがいまして、その予算を組む内容につきましては、従前の内容で組んでございます。そうしまして、具体的にはこの10月からは、いわゆるシステム、体系が全部変わっております。そういった変わる中におきましても、具体的には5年間の経過措置という中で順次変わっていくという中で、特に対応が求められているというふうなところにつきまして、例えば、4月からの1割負担という問題、また小規模作業所の問題であるとか、様々、直、対応しなければならないところにつきましては、必要な障害者の方々が本当に困ることのないような対応をとっていきたいなと考えておりますが、基本的な枠組みにつきましては、18年度当初につきましては、そのまま一部進んでおりまして、必要な対応につきましては、10月から細かいところ、分かれましたところにつきましては、今後また議会の方ともご相談させていただきながら、必要な対応について上げていきたいと思っております。

○大野委員 ありがとうございました。介護保険もそうですし、福祉の基本がこれまでの国・県から市町へと事業主体が変わり、実際にその地域で市町が中心になってやっていただくという、そういう状況になりました。そんなことから、そんな中での県の役割、県が何をしていただけるか、何をサポートするかということをこれからの中でより明らかにしていただきたい、というふうに思います。

 最後になりましたけど、総務部長には唐突な質問をいたしまして申し訳ございませんでした。ひとつよろしくおわびをしたいと。どうもありがとうございました。

○西塚副委員長 以上をもって、本日の一般会計及び特別会計決算に係る総括質疑を終了いたします。

〔閉会の宣言〕

以上、会議の要綱を記し、ここに押印する。

平成18年11月2日         

予算決算特別委員長   永田 正巳

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