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三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成19年度 委員会会議録 > 平成20年2月7日 政策防災常任委員会 会議録

平成20年2月7日 政策防災常任委員会 会議録

政 策 防 災 常 任 委 員 会

会 議 録

(閉 会 中)

 

開催年月日   平成20年2月7日 自 午前10時 4分 ~ 至 午後 2時14分

会議室   第302委員会室

出席委員   9名

委員長   稲垣 昭義  君

副委員長   中森 博文  君

委員   中嶋 年規  君

委員   田中  博  君

委員   山本  勝  君

委員   森本 繁史  君

委員   舟橋 裕幸  君

委員   三谷 哲央  君

委員   中川 正美  君

欠席委員   なし

参考人   1名

学識経験者  山口 秀二  氏

                                                                 

出席説明員

[政策部]

部長   戸神 範雄  君

副部長兼経営企画分野総括室長   山口 和夫  君

情報化・統計分野総括室長   山川 芳洋  君

総務部財政・施設分野総括室長   稲垣 清文  君

情報セキュリティ・利活用P推進監   中川  裕  君

出納局出納分野総括室長   見並 健一  君

その他関係職員

傍聴議員   なし

県政記者クラブ   2名

傍 聴 者   1名

議題および協議事項

Ⅰ 政策部関係

 1.常任委員会

 (1)所管事項の調査

  ・三重県の情報化について

Ⅱ 委員協議

 1.常任委員会関係

 (1)常任委員長報告について

 

 

【会議の経過とその結果】

 

〔開会の宣言〕

 

Ⅰ 政策部関係

 1.常任委員会

 (1)所管事項の調査

  ・三重県の情報化について

  (1)当局から資料に基づき補充説明(戸神部長、中西室長、中川推進監説明)

  (2)質疑・応答

○稲垣委員長 それでは、ただいま執行部の方からご説明をいただきましたが、これについて参考人の方から意見を伺いたいと存じますが、先程の説明について、参考人の方で何かご意見はございますでしょうか。

○山口参考人 説明いただきました資料につきまして、あと私、ほかの自治体等でいろいろコンサルティング業務もやらせていただいております、そういったところから、この資料についてちょっとご意見の方を述べさせていただきたいと思います。
 まず最初に、全体の三重県の取り組みとして、この資料の中にもありますように、県の全庁システムの全体を把握されているところは実は三重県を入れて15、ですから、16団体しかないと。そういう状況の中で三重県というのは非常に進んだ取組をされているということが言えるかと思います。
 それから、さらに、予算要求時の審査をきちっとやるというのは5団体しかまだやっていないと。私が恐らくかかわらせていただいているところで、恐らく埼玉県、神奈川県、岐阜県、三重県あたりではないかなと思うんですけれども、非常にこれももう数年前から取り組まれていて、ほかのところは全然そこまでたどり着きもしないという状況で非常に進んでおられると思うんです。ただし、ただ結果として本当にそういうふうにいい結果が出ているのかというと、必ずしもそうではないのかなとちょっとお見受けしたところでございます。
 まず、4ページの方になりますけれども、県の情報、全体の情報システム、予算について、一般会計予算総額に占める割合、それから、住民人口1人当たりの予算ということでグラフが書かれておりますけれども、この中でN県とO県というのは非常に高い、かなり高い、異常的にちょっと高いなと思われますと。そういった2つの県を除くと、実は恐らく三重県は平均値より高いんではないかと、恐らく真ん中よりは高い方にどうやら位置しているようでありますと。先程言いましたように、5団体でしか審査をしていないのに、期待値としては恐らく平均値よりまだまだ安いというふうに期待するんですけれども、なかなかちょっとそうなっていないところがなぜなのかなという感じを受けます。
 それで、まずここで、今回いろいろ一般競争入札の取組だとかお話があったかと思うんですけれども、どの自治体に行きましても、情報システムに関してどういう取組をするのかということを、ほかの例えば建設土木であるとか、さまざまな取組と同じやり方でやられようとするところが非常に多くありますというか、そればかりされているわけなんですけれども、ただ、恐らく情報システムの調達であるとか、構築・運用というのは、ほかの土木建物というものとは恐らく違う性格を持っていて、ほかと同じ条件で、考え方で取り組んでも余りうまくいかないところがあるのではないのかというところが実はあることが原因のような気がしています。
 じゃ、何が根本的に違うかと申し上げますと、まず、予算要求をするのは前年度の先程ちょうどスケジュールがありましたので、ちょっと見ていきますと、ちょうど10月ぐらいということで、恐らく準備をされるのは8月、9月、10月ということで、夏場ぐらいから計画、見積もり等されるのではないかと思うんですけれども、約1年前であると。じゃ、この時点で本当に費用の積算をきちっと見積もるために何を本当につくるのか。要するに、仕様、調達仕様というか、仕様というものを明確にきちっと明らかにすることができるのかというと、現実的にはできないのが本当だと思います。
 というのは、情報システムのほとんどの開発、改修の目的というのは制度改正の対応というものがあります。特に近年、保健福祉等の制度改正というのは、毎年度、厚生労働省の方から出されていて、非常に移行期にあるということで、毎年のように改修がすごくあります。ただし、厚生労働省の方はさまざまな委員会を経て決めていくプロセスをとられているので、実際に最終的な制度が出るのは当該年度に入ってからというのがよくあります。特に、今年の例でいきますと、後期高齢者制度に関しては、まだはっきり言って制度がきちっと出たのか出ないのかわからない。もうあと2カ月ぐらいということで、3カ月間ぐらいしか恐らく実際の開発期間はなかったかと思うんですけれども、今、全国的にそういう取組をしていますと。要するに、当該年度に入ってもまだまだというところが現実として結構ありますと。都道府県でありませんけれども、市町村になると、例えば改修の費用のうちの大体50%が保健福祉関係に、今なっています。税であるとか住民記録、それから戸籍、そういったところは非常に最近安定してきておりますけれども、本当に健康福祉というのは、まだまだ非常に流動的でお金がかかるところ、かつ仕様が半年前ぐらいでないとわからないという状況になります。
 そうした段階で、じゃ、経費の妥当性がどうであるかとか、仕様がどうであるかということをきちっと審査しても、実際問題としては、まだ決まっていませんねというところで、とりあえずは、じゃ、どうしましょうかということで、どっちに振れるかわからないので、例えば多目にとりましょうとか、いや、ある程度少な目にとって、自治体によってはもう補正予算でいきましょうというような取組をされているのではないかと思います。まず、こういった問題があります。これが恐らくほかの事業とはちょっと違うところかなと。
 それから、もう一つとして、積算の話が何度も出てきます。例えば、今回この三重県情報ネットワーク構築・運用云々というところの積算表はどうだったかであるとかあるんですけれども、実は費用のうち今、平均的にいうと人件費、要するに、SEであるとか、保守をする人たちの人件費の比率というのが5割を実は超えています。人件費というのは、やはり会社によってかなり単価も違っているのが現状です。そうした中で、会社ごとに例えばある案件を頼むのに見積もりを依頼とると、例えば5社とると、それのばらつきというのは、例えば5,000万と6,000万と4,000万と7,000万というような感じではなくて、恐らくぱっととると、2,000万と1億と1億5,000万と3,000万であるとか、2倍、3倍の開きというのは平気で出てくるのが現状です。
 それはなぜかといいますと、今は先程言ったように運用保守であるとか、開発にしてもゼロから開発するわけではなくて、どこかの自治体でやったものを利用して持ってくるであるとか、もしくはもう一部分はパッケージというものを使って安くしていこうという考えを持っているところであるとか、いろいろなベンダー側も安く、コストを低く抑えようとする努力をされたりだとか、していなかったりだとかがあります。そうした中で、相見積もとっても非常にそんなばらつきがある見積もりしか出てこないのが現状であると。ほかの例えば建設なんかは、積算をきちっとやっていけば、かなりの精度で出てくるわけなんですけれども、それができないと。
 それから、さらにもっと悪いことは、ソフトウエア、システムというのは目に見えないということで、建物、土木というのは終わった後、本当に例えば10階建ての建物が建ちましたねとか、装備としては非常にいいものですねとか、確かにかかっているかなとか、目で見て感覚的にわかるんですけれども、システムというのは見えるのはハードウエアだけであって、非常にお金がかかっている人件費で開発したソフトウエアであるとか運用というものは目に見えないと。よって、もともと積算をしたところが感覚的に合っているか合っていないかということさえ、なかなかわかりづらいという根本的な特徴を持っています。
 ということで、なかなか何で情報だけこんなにわかりにくいんだって、どこの自治体でも言われるわけなんですけれども、だから、もうわかんないんだったら競争入札にしろ、いや、仕様書をきちっと書けということを言われるんですけれども、根本的にできない理由というか、原因が別にあるということを抜きにして非常に表面的な取組をしていくと、非常に結果として出ているようで実は出なかったりだとか、場合によっては悪い方向に動くというところもあるかなと思います。
 例えば、これ今、世の中で起きている現象を実はトップ、この業界のトップ3社って大体F、N、Hという形になるわけなんですけれども、この前、Nのところの県の拡販会議でお邪魔してお話をさせていただいたんですけれども、県に対する営業戦略として明確で、私もなるほどなと思ったんですけれども、営業としてですね、知事部局は非常にやはり最近厳しいと。きつくちゃんと審査をしてそういったことをしていると。よって知事部局外をねらえと、教育、医療、防災、そういったところでしょうかね。そのあたりというのは非常になかなか先程いろいろ委員会とかつくられていますけれども、なかなか遠慮しながらやっていく。これはどこもそうなんですけれども、そういったところがあって、非常に業者から見ると、まだちょっと甘く見えると。これは例えば国でいうとどういうことかというと、一般会計予算のところはもう厳しいので、特別会計予算のところをねらえというような、業者もそれなりに戦略を立ててやっているということがあります。
 やはり業者というのは三重県だけではなくて全国で商売をされています。そうした中で、売上利益をキープするためにはどうやったらいいかと、当然彼らなりに考えてやっています。当然抜け穴も探しますと。やはりそういったところを、どこに抜け穴があるのかということをちゃんと理解しないで理論上でやっていっても、結局のところ、例えばどういうことが起きるかというと、審査を厳しくすると初年度って下がるんですね。ところが、翌年度は見積もりが大体10%でもう上がってくるので、結局結果としてもとに戻るというのが、もうこれは日常茶飯事のように行われています。それは三重県においても、昔は恐らく財政の方で例えば5%カット、10%カットされて下がると。じゃ、翌年度どうなるかというと、もとに戻る、かえって悪くなるということがあるので、やはり個々に審査をしなきゃいけないというふうに今、なられていると思うんですけれども、個々に審査をしたとしても、やはりそういう状況というのはやはり現実として起きているということがあるかと思います。
 ちょっと具体的に個々の話について、ちょっと意見を述べさせていただきたいと思うんですけれども、5ページの方で、図6の方に大規模システム金額推移というのがあります。
 下側の部分が保守・運用(ランニング)ということで、上の部分が設計・構築(イニシャル)ということになっているかと思うんですけれども、今、俗に言うオープンシステム、汎用機、メーンフレームではなくてオープンシステムになると、大体ハードウエアの耐用年数が大体5年ぐらいということで、システムというのは大体5年1回ぐらい構築、更改というものを迎えてやっています。そうすると、大体20%から25%くらいが新規再構築更改ということで、このイニシャルの方に上がってきて、残りの70%から75%というのが下の保守・運用という、次年度以降の契約といった方がいいのか、保守・運用とか維持管理業務、いろいろな言い方をされますけれども、そこになっています。この比率というのは、どの自治体に行っても大体こういうふうな形で出てきます。大体1対4か、1対3かという感じかなと思います。
 そうした中で、予算要求時というのは随意契約の予算要求の精査ってなかなかされているところが少なくて、新規再構築のところを集中的に見られているということで、新規の部分というのは非常に下がる傾向にあるんですけれども、下側の運用・保守の部分というのは下がらない傾向というか、実は業者の立場からいうと、ここを死守していますから、ここに対しては非常にガードが厳しいというのがあります。ちょっとこのグラフから一概に判断できないんですけれども、非常に下側の部分がずっと同額あたりを維持しているというのはちょっと気になるところかなと思います。
 先程ちょっとオープンシステムになったらどうこうという話を差し上げたんですけれども、ちょっと昔の例えばハードウエアとかソフトウエアであるとか、人件費にかかる費用割合がどれぐらいかというのは、20年前、10年前、今とかなり変わっています。20年前は汎用コンピューターを使っていた時代というのは、汎用コンピューターのハードウエアの経費が大体4割ぐらい、それから、プラスアルファを入れると大体5割、6割を超していました。人件費の割合というのは3割から4割ぐらいという中でやられていました。
 ところが、今はハードウエアは非常にどんどん安くなっていて、汎用コンピューターといえども、今オープンシステムぐらいに安くなってきています。なので、汎用コンピューターを仮に使っていたとしても、今、ハードウエアの経費というのは大体20%ぐらい。それから、俗に言うオペレーティングシステムですとか、データベースであるとか、例えばマイクロソフトオフィス10とか、そういうソフトウエアの製品というものの費用が大体20から30%ぐらいということで、俗に言う製品を購入する費用というのは大体もう半分を今、切っています。50から60%が人件費、ソフトウエアを開発したり改修したり、システムを運用したりという経費になっています。
 ということで、この図6を見ると、どういうことかというと、維持管理業務の中で恐らく60%ぐらいが人件費ということを考えると、総額の約5割から、やはり5割以上が毎年度大体同額で契約をされている人件費の割合になっているというふうに恐らくなっているんじゃないかなと思います。
 実は、先程5つの団体で予算要求時の審査をされているんですけれども、当初はやはり新規と更改の部分だけをやられていたところがほとんどなんですけれども、最近になって、やはり下側の部分に切り込んでいかないといけないということで、ちょっと例を挙げさせていただきますと、埼玉県では維持管理業務がかかっている80%ずっとまで、何システムで来るかというのを洗い出すと34システムがありました。34システム維持管理業務で全体の維持管理業務の80%を超していると。その34のシステムに関して1件1件仕様書、どういう業務をやっているのか、人月単価はどのようになっているのか、例えば実績はちゃんと評価しているのか、さまざまなことを1件1件交渉していって、2年間で20%まで削減をされています。
 ただし、当初の目標は3年間で30%だったんですけれども、非常にやはり最後の10%は難しいというふうに県の方も言われています。それはやはり、業者の方としても20%がやはりもう限界、これから先に行ってしまうと、もう血が出始めるというか、赤字にかなり転落してしまうという状況で、恐らく発注側、県としても何らかの努力をしないと、同じように単に下げろ下げろと言っているだけではもう下がらない状況というのは、もう恐らく20ぐらいという感じなのかなと思います。
 ちょっとぜひ三重県ではどうされているか、このあたりもちょっと報告書にはなかったんですけれども、ぜひ検討されたら、ここにちょっと食い込んでいかないといけないのかなとちょっと思っております。
 次に、7ページの方で競争入札への数がどんどん増えているということを、非常にこれも競争入札、まだほかの県では始まったばっかりで、総合評価に関してもまだ1回、2回やって、やり方さえよくわからないというような現状の中で、非常に早くから取り組まれていると。ただ、それゆえに恐らくもう問題点もはっきりと見えられているのではないかと思います。例えば、大きなシステム、例えば県でいうと、県で大きなシステムというと税と財務会計になるかと思います。税と財務会計で、例えば競争入札をやったときに、例えば3社、4社、応札があるかというと、決してこれはそういうことではないんです。逆の立場から言うと、どういうことになるかという、例えばトップ3社であったとしても、県の税と財務会計の再構築を全国で2カ所が限界と言っているんですね、同時には。3カ所は、もう恐らくリソース的に足りないと。ということになると、何でもかんでも調達が出たから提案書を書いて応札をするという状況ではなくて、きちっとリソースが確保できるかどうかを考えながら、当然提案をしていかないといけない。
 昨年、実際起きた例として、これは県ではなくて政令市だったんですけれども、仙台市とさいたま市でちょうど秋口に住民記録システムの調達がありました。これに関して、ちょうど同時期だったんですけれども、先程のN社は仙台市だけ応札して、さいたま市は辞退をされました。やはり後になって、政令市2カ所の住民記録システムの構築は体力的に限界があって、どっちかをとらざるを得なかったということを言われています。トップ3社でさえ、そういう状況ですので、非常に税、財務会計という大きなシステムとそれ以外のシステム、ちょっと状況がまるで違うということは考慮された方がいいんではないかなというか、理解を1社だからだめだということではなくて、1社はもう1社であっても、なるだけ安くするという努力をすればいいんであって、2、3でないのがだめだということでは全くないんではないかと、私はこう思います。
 それから、非常に幸運なことに、三重県の方では不調・不落というものが起きていないというような感じにも、再入札で片がついているような感じなんですけれども、実は総合一般競争入札に入っていくと、不調・不落って結構起きています。不調・不落が起きて、翌年度にもう1回予算を取り直して再構築ということは、本当に県民、市民の方に非常に迷惑のかかることなんですけれども、ただ、競争入札にする以上、非常にオープンでしなければいけない。それは、発注者側の論理だけではなくて受注者側の論理もあると。よって、辞退することは別に自由なことであって、余り無理をし過ぎるとそういう事態が発生するということも考慮する必要があるのかなと、こう思います。
 今、それでもやはり競争入札では、やはり競争される方が多い程やはり競争環境が実現できるということで、やはり数多くの方に参加していただく努力はする必要があると。決して、向上したからたくさんのところが来るわけではなくて、やはり来てもらう努力をする必要が、もうあるというのが現状だと思います。
 実際に業者側の立場からいうと、いきなり公示があって、そこに応札というのは非常にやはりしづらくて、先程言いましたように、1年前に実は予算要求をされていますと。その時点で数社に対して相見積もり、見積もり依頼をされて、そこで実際にどういうシステムをつくろうとしているであるとか、大体どれぐらいであるとか、そういったような情報というのをやりとりされながら、業者側も実は準備をしていますと。当然リソース、来年度こういうことがあるから、じゃ、どこの県であるから、じゃ、こっち側はこっち側にシフトして、リソースはこっち側で確保してやるとか、ある程度そういう準備を始める必要がありますと。なので、できれば予算要求時にやはり数多くの業者に対して声をかけられて、その見積もりをとられると。非常に大変な作業だということはよくわかるんですけれども、やはりこれが実際公示のときに応札する業者を増やすという、恐らく唯一の手段なのかと思います。
 非常に、なかなか絡めば絡むほど情報が漏れるであるとか、いろいろなことがセンシティブなので非常に気をつけなければいけないフェーズなのも非常に理解しなければいけないかとも思います。といってしないわけにもいかないということかなと思います。
 それから、次に、11ページの方でIT利活用推進本部のもとで、三重県情報システム審査委員会の方でずっと審査等々やられているということで、もう既に数年こういった取組をされているので、かなり定着されているというふうにお聞きしております。
 そうした中で、どうしても行政というところは予算をとることが仕事というふうに、どうしても、もうDNAみたいに染みついていると。予算をなるだけたくさんとって、要するに、原課というのは予算を要求し、それを例えばこのような委員会であるとか、財政とかがカットをすると、削減すると、そういう構図で、もうずっとでき上がっていると。これは一体どういうことになるかというと、カットする方はなるだけ多くカットすると、非常に成果として上がったと。今度、予算要求する側は、最終的にいくら予算をとれるかなので、作戦を当然立ててくるわけです。そして、先程言ったように、この構図が続くと、あらかじめ水増してとは言わないですけれども、あらかじめ多目に見積もりというか、予算要求をするようにどうしてもなってしまいます。これが、先程言ったように、どの業者に行っても積算が非常に安定して精度が高ければ、こんなことは起きないんですけれども、例えばA社にとったら1億円、B社にとったら5,000万円、C社にとったら例えば6,000万というときに、例えば予算要求をいくらにするんだろうかと、平均とって6,500万円ですか、いや、最低の5,000万円ですか、いや、安全サイドをとって8,000万ですか、こういうのはもう裁量の中に入っていきます。これをずっと続けている限り、本当にイタチごっこになってしまうのではないかなと、こう危惧しています。
 やはり情報システムに関しては、やはり効果を出すのが目的であって、やはり効果というのは非常に測定しづらいのはわかっているんですけれども、じゃ、しづらいから効果のことを考えずに投資だけすればいいのかということではないと思うんです。やはり原課としては少ない投資で多くの効果を出すことを一生懸命考える。例えば、こういうシステムをつくるときに原課としてはいくらまでだったら投資できると、業者からいくら見積もりが来たから予算要求しなきゃいけないんではなくて、原課として幾らまでならば払えるということをやはり考える必要があるのかなと、こう思います。
 私は、ちょうどさいたま市でCIO補佐官をやっていまして、こういう予算要求、年間20年度は400件ありました。それに対して見積もりを全部見ました。それから、随意契約、年間今、100件来ていて、この見積もりを見ていて、原課の方ともお話をするんですけれども、原課の方が業者からの見積もりを持ってきて評価してくださいと、こう言われます。ただし、私はその前に原課の職員の方に、これは、じゃ、このシステムによって県民、市民の方が何人の方が対象ですか、3,000人ですか、3万人ですか、5万人ですか。じゃ、1人当たりいくらかけることができますか。100円ですか、1,000円ですか、1万円ですか。じゃ、かけたらいくになりますか。それを5年間かけたらいくになりますかと。じゃ、幾らぐらいですね。じゃ、それだったら、あなたは投資できますかと。いや、ちょっと高いような気がする。だったら、あなたの感覚としては幾らですか。いや、1億円ぐらいでできると思うんだけれども。見積もりが2億円だとすると、これは明らかに高いということなんで、あなたが高いと感じないといけないと。僕は1億円ぐらいでできなきゃいけないと思うので、それでできるような見積もりをきちっと考えてくれということを業者に言うべきであると。第三者の私が2億円は高いから1億5,000万にしろとか、ここは単価が高いから何とかと言っても、これは先程言ったように業者とのイタチごっこを始めるだけであると。いくらだったらかけられるかということを、その担当の職員の方が責任を持って考えるようにならない限り、これはもう絶対に解決しないと思うんです。
 財政部門も、この委員会の委員の方々も、要するに、いくらかけたということに対しては責任は持てない。評価はしたけれども、説明責任を負うわけではないと思うんですね、恐らく、権限上。あくまでも説明責任を持っているのは原課であると。それをやはり徹底していかない限り、これは負のサイクルに入ったまま、余りよくならないのではないのかなと、こう思います。
 私は、さいたま市でずっと必ず原課の職員の方と、あと業者を必ず呼んで三者で、あと情報部門と三者で必ず打ち合わせをするんですけれども、必ず職員のいる前で業者からの見積もりに対して、業者に対してどのように見積もったんですかと。いや、こうこうこう見積もりましたと。いや、だけれども、あなたの見積もりでは、何人月かかると言われているけれども、じゃ、ちょっと計算してくださいと。開発は3カ月間ですね。これを単純に割ると、5人投入することになるけれども、本当に5人投入するんですか。だけれども、例えば何人月で見積もるというのは我々に対してわかりやすいかもしれないですけれども、社内的には例えばプログラムを何本改修するであるとか、どれぐらいの規模をやるんだということが当然あって、それに基づいて見積もっているはずですよねと。よって、それを見せてくださいと。社内で見積もったはずであると。それを見せてくださいと言うと、大体出てこないんです。100%出てこない。今まで一回も出てこなかったです。あなたは見積もっていないということですか、いや、見積もっていますと。でも、出せないということは見積もっていないということをもう証明していると。それを聞いて、職員の方々は、あっ、意外と業者ってちゃんと見積もっていないんだということはだんだんわかり始める。そうすると、業者から見積もりが来ても、もううのみにはしないで、おかしいんじゃないと。大体言われたことを、いや、何本改修するのということを言うようになると、その業者の方もやはり真剣にやるようになってくる。
 そういったような、要するに、職員の意識を変えていかないと、先程言ったようなことにはなっていかないのかな。どんなきれいごとを言っても、職員というのは、原課の職員というのは、やらなければいけないことはやらない。それで、予算がとれなくてシステムをつくれなかったというんだったら、それはもう何の言いわけもできないですから、やはり業者も説得しなきゃいけないと。それを負っているわけなので、原課の職員が責任を持ってそれを支援するというような立場で取りかかられたらどうなのかというふうに、私いろいろな自治体でお話をするときに言うんです。審査、評価をするという言い方はやめられた方がいいんじゃないかなと。支援すると言った方がいいと思いますと。ただ、なかなかご理解いただけなくて、いや、評価すると、ずっとほとんどでやられているんですけれども、余りうまくいかないかなと思いながら見ています。
 それから、あと12ページの方になりますけれども、先程申し上げましたように、最初に、審査の流れで予算要求前審査ということでシステム化の必要性・緊急性、それから費用対効果、経費の妥当性を審査しますということになっております。
 先程申し上げましたように、恐らくこの段階では仕様がかなり不明確な場合がほとんどだと思います、実態としては。ただ、じゃ、仕様が不明確であるから見積もりができないかというわけでは実はなくて、県であるとか、市町村のシステムというのはほとんどもうシステム化が終わっていて、本当に新しいシステムというのは余り出てきません。年間1件、2件あればいい方。ほとんど再構築、更改になりますと。そうすれば、今のシステムでどういうことをやっているかというのは原課はわかっているし、現行の業者もわかっていると。今、いくらかかっているかというのもわかっていると。当然それに基づいて見積もりをしているわけ。一番わかりやすいのは、今日現在と同じ金額というのが一番わかりやすい、もしくはそれの10%カットというのが一番わかりやすい。それを軸に見積もりをしているというのが、恐らく現実の姿じゃないかなと思います。
 ただ、これをやっていると、本当に今が高いのか安いのかわからないのに現状と比較していたら、結局らちが明かないじゃないかという話になります。よって、当然経費、積算をどうやって精度を上げていくかということをあきらめてはいけない。あきらめては、これは何もならない。まず1つは、積算をやはり業者内でできるようにならないと、これはどうしようもない。一番プログラムだとかシステムをつくるプロフェッショナルの人たちが、技術者、SE、営業が、見積もりができなければ第三者が見積もれるわけがないわけです。先程言ったように、例えば、それぞれの業者の理由によってパッケージを使いますとか、どこどこのところで開発したものを再利用するであるとか、中でやりくりをしていますから、外部からではその費用積算というのは100%当然できないと。そうすると、少なくとも業者が積算できなければいけない。今日現在、恐らくちゃんとできている技術、営業というのは、私2割を切っていると思うんですね。8割の人はほとんどできていないです。現実的にできていない。ざっといくらぐらいという形で、それをブレークダウンするのが今日の現状だと思います。
 それでも積算をするためには何をしたらいいかというと、まず、じゃ、ソフトウエアを最終的にはシステムを買っているわけなんですけれども、ほとんどが人件費で、ソフトウエアを開発するだとか、ハードウエアを設置するという仕事を頼んでいるわけです。要するに、サービスを委託しているとも言えるわけです。サービスとするならば、人間がどれぐらいかかって、どういうふうになったかというのは後で測定はできると。先程投資対効果の話をしたときに、どうしても効果というとアウトカム、要するに、県民、市民の効果というふうにとらえがちなんですけれども、単純に物づくりを頼んで物が上がってきましたと。その費用出した分だけのものが何となくボリュームとしてありますかということぐらいは、別にこんなのは効果というまでもなくて検証すべきものだと思うんです。
 国では、会計検査員が情報システムに関して必ず設計書を見て、ちゃんと設計書の中身があるかどうか、ページ数がどうであるかとか、それから、ソフトウエアがおさめられたCD-Rがあったら、その中身のプログラム一覧のリストを見て、数がある程度あるかどうかということは大体チェックをされています。ところが、自治体においては、恐らく99%されていないと。場合によっては、ソフトウエアなるものがどこにありますかと言っても、それはどこかにあって、コンピューターで動いているから、とりあえず問題ないと言われるところが結構あるんですけれども、納品物が何であるかさえ実は余り認識をされていない自治体って実はあります。三重県はそんなことはないと思いますけれども、それが現状なんです。ということは、業者側からすると、それが当たり前と思っているところがあると。いや、そうではなくて、業者たるものはちゃんと納品するものは何であって、それがこれぐらいの量ありますと、これぐらいお金をいただいて、これぐらいの量ありました。例えば基本設計書は260ページありますと。基本設計に対して360万円の費用の見積もりをしましたと。360万で260ページつくりましたので、1ページ当たり1.3万円ですと。我々としては、基本設計に関してはページ当たり大体1.5万円で見積もっていますけれども、1.3万円なので若干今回仕事をたくさんさせていただきましたとか、そういう議論ができなければ積算というのは全く体をなさないと思うんですね。
 それで、ぜひ考えていただきたいことは、納品されたときに先程言ったプログラムであるとか設計書の物、量の確認というものをされてはいかがかなと、こう思います。別に納品ごとに見ていて全部チェックをする必要は私はないと思います。業者に対して、実際納品リストに対して設計書は何ページある。ソースコードが何ステップあるとか、それを納品リストで納品書と一緒に納めてもらえればいいと。それを書面でチェックして、抜き取り検査で、たまに行ってチェックをすると。もうこれだけでまるで違うと思います。いつでもチェックできる体制にあるということと、全数チェックをするということはもう全然違う次元ですので、なるだけ少ない人件費というか負荷で、やはりなるだけ多くの効果を上げるという何か仕組みを考えたらどうかなと思います。
 それから、12ページの下側の方にいきまして、調達前審査ということで、先程ちょうど大きなスケジュールでちょっと指し示していただいたところかと思うんですけれども、調達前審査に関しては、私は実は競争入札にかける案件というのは余り実は重要ではなくて、随意契約をするものの調達前審査が非常に重要かなと思っています。競争入札というのは、どうせ最後は価格勝負になってきますから、競争環境を導入すれば価格というのは当然その中で下がるべきものは下がると。下がらないものは下がらないと。当然業者とも値引きとかをいろいろ考えてみながら入れてきますから、そこで積算がどうこうと言われても値引きで対応していたりとかするので、全くどうせわからないです。それよりも、随意契約の場合には、もう予算がこの時点で決まっていますから、予算額目いっぱいに見積書を再度書いて、それで契約をするというのが恐らく行われているのではないかなと思います。
 全体の情報の予算の総額の50億円弱かなと思いますけれども、そのうちの恐らく随意契約の金額というのは6割から7割ぐらいはあるんではないかなと、こう思っています。件数的にいっても206のシステムのうち随意契約に係るのは1システム当たり1件だけではないですから、200強が随意契約でかかっているのではないかなと思います。これに関して、どういうふうに審査をするかというのが非常に重要かなと思います。先程申し上げましたように、1年前の予算要求時点では仕様が余り明確にわかっていないという中で、当然調達をする前の段階では少なくともかなりはっきりしてきていると。よって、その時点で再度仕様を明確にして見積もりをとってやるということが重要なのかなと思います。
 12ページ下の方にちょうど平成19年度当初予算要求審査ということが書いてございますけれども、重要なのは予算要求前の削減額、審査をした削減額ではなくて、恐らくこれからは調達執行前の予算に対して実際の執行額がどれぐらい下げられるかという方が実は重要なんじゃないかな。要するに、それに切り込んでいかないと、先程の5ページのグラフにありましたように、次年度以降の保守・運用の経費のところを削減するということにはなっていかないかなと思います。
 ちなみにご参考としまして、私は先程さいたま市をやっていると言いました。随意契約のうち金額の高いものに関して私のところに全部見積もりが来て、そして私が見て、それでCIOが決裁をして局の審査会を通るという形に今、なっています。年間約100弱来ていて、大体週に2件ぐらい来るんですね。来て、それを見ているんですけれども、大体平均で今、3%ぐらいを削減していて、やはり仕様が固まっていなかったりとか、割とその時点でいいかげんだったものはやはり10%削減なんていうのも平気であります。当然0%というのもいっぱいありますと。大体やはり平均3%ぐらいはいけるのかなと、こう思っています。
 ただ、それをやるためには非常にやはり仕組みつくりを、単純に見積もりが来て、はい、3%というわけではなくて、実は物すごい仕組みづくりをしています。先程、次年度の運用・保守契約というのは、大体やる作業というのは、大体機器のリース費であるとか、それからシステムの運用であるとか、それから障害時の切り分けであるとかあるんですけれども、それ以外にその当該年度にいろいろなことがあって制度改正があるかもしれないとか、もしくは何か障害が起きたとか、いや、操作性をもっと向上させなければいけないとか、いや、帳票なんかどこかの要求でつくらなければいけなくなったと、細かいやはり改修がいっぱい出てきます。そういったものを大体年間の中で発注側から依頼をして、通常依頼表というものを書いて、それに基づいて作業していって、積み立てていって、予算に達すると、もうこれ以上できませんというのが大体一般的にやられているわけなんですけれども、ただ、じゃ本当にそれだけかかったのかというと、実は余りちゃんとチェックをしていないのが現状ということで、月次の報告書というものをつくりまして、全依頼項目、それから、各依頼項目に対して作業に入る前に工数を見積もって、実際にどれだけかかったかという実績工数を書いて、それをずっとためていって、翌年度の見積もり依頼をするときには前年度の12月度までの実績、月例報告書を添付して、それ等を見ながらチェックをするということをこうしていますので、実は1年かかっています、見積もりができるようになるまでに。ただ、これは私は職員は特に負荷は増えているわけではなくて、業者側がそういう報告書をつくってもらえるようになればいいと。ただし、それぐらいの報告書というのは業者というのはつくっていて当たり前のことであって、もしないとするならば、はっきり言ってさぼっているということだと思うんですね。やるべきことをやれば別に、やるべきことを業者にやらせる仕組みづくりを入れていけば、かなり目指されているところができるんじゃないかなと、こう思っています。
 それから、最後に15ページの方でこれからのことについて、取組を2つここに書いておりますので、ちょっと意見を述べさせていただきます。
 まず、全般的にさまざまな自治体でお話を伺って、経費というのはどれぐらい下がるかというお話をずっとするんですが、どこも大体言われます。10%までならいける。ただし、10%以上は生半可なことではできないと。これは業者側も同じことを言っています。10%ぐらいまでなら、まだ何とか黒字を取り崩していけるけれども、それを超すと赤字になりますと。さらに悪いことには、例えば県の中には市町村があって、その業者というのは県の仕事もやっていれば市町村の仕事もしていると。当然考えるように、小さな市町村では赤字なんですね、当然のごとく。やはり大きな政令市、中核市というか、県というところで仕事をして、全体としてその売り上げと利益を確保するというのが業者の当然やり方になっています。ですので、政令市、中核市、県というところがやみくもにカットをどんどんしていくと、小さな市町村というのは実は業者がもう対応してくれなくなるということが、実は起き始めています。小さな市町村では、業者がもう辞退するとか、もう来年引き受けられませんと、どっか紹介しますとかということをもう言い始めているのが出てきているということがあります。なので、県だとか政令市、中核市、単体で考えれば20%ぐらい私はいけると思うんですけれども、ただ、やはりやみくもにいきなりやるというのは非常に危険なのかなと、こう思っています。なので、ということも含めて10%という目安が世の中にあるのかなと。
 ただ、三重県においては、もうかなり10%のところまで来られていると、もうやるべきところまで大体来られていて、ここから先の話をもうしなければいけないのかなと。ほかの都道府県というのはやるべきことをやっていないので10%ぐらい私は行くと思います。ただし、10%から先に行くためには、やはり三重県のように非常に先に取り組まれて、非常に人材も豊かにおられるところがやはり考えて、新しいことにチャレンジする必要があるのかなと、こう思っています。
 今、幾つかの県の方とお話をしていて、じゃ、この先何ができるかということになってくると、これまでは県のシステムというのはゼロからつくってきたと。汎用機の時代、ゼロからソフトウエアをつくるということをやってきましたと。要するに、スクラッチといいますけれども、各県ごとに違うものをつくってきました、それが一番安いんですと言われていた。でも、もうそれはそれでは成り立たなくなってきていて、やはりパッケージというものを使えるものはどんどん使っていこうと。
 まず、最初に取り組まれたのはご存じかと思いますが、京都府が京都府の財務会計を担当の職員の方が提案をされて、本当に市町村向けの財務会計のパッケージは使えないんだろうかと、例えばある程度拡張していったら使えるんじゃないかということを業者の方といろいろ話をされて、結局のところ、最終的にいけるということで、京都府に関しては財務会計はパッケージベースで構築を、もう今、開始されていると思いますけれども、やられ始めました。非常に苦労されると思います、最初なんで。ただし、それだけなるべく少ないコストでやりたいと一生懸命考える職員の方がいらっしゃって、それを支援する部長、局長、実際あそこは副知事が率先されてやられていますけれども、そういう方がおられて初めてできることなのかなと思うんですけれども、そういう取組に入る必要がそろそろ出てきているのかなと。そのためには、業者から見ると、一つの県だけでパッケージをつくってもゼロからつくるのと同じですから、やはり複数の県でなるだけ同じものを、同じような業務で回していけるということがある程度なされない限り、これはやはりパッケージもつくってもくれないという状況にあります。
 例えば今、今日現在はどういう状況かというと、政令市が15あるかと思いますけれども、政令市向けのパッケージは2年前まで一切ありませんでした。税、住基、福祉、国保ありませんでした。ただ、さいたま市においては絶対にパッケージでやるといって2年かけて大手をくどきました。それで、今、パッケージベースに構築をし始めています。業者の方は、もう開発をし始めていたのでほかの政令市に対して一生懸命営業をかけにいっています。このパッケージでやったら安くできますよということで一生懸命やっています。要するに、パッケージでやるということは、単にパッケージでやるということを決めるだけではなくて、業者にとってそれがメリットはあるかどうか、ほかの県とやはりある程度話をしながら、業務を合わせていくとか、本当に合わせられないのはどこなんだということを真剣に議論していかない限り、こういう方向にいかないのかなと思います。
 キーワードとしては、共同で何かをする。他の都道府県と共同で何かをする。別に共同で費用負担して物をつくるという話では私はないと思うんです。やり方はいろいろあると思います。例えば、先程言ったように積算をどういうふうにやっていくのかというのも、一つの県でやるよりは複数の県で情報共有した方が当然精度も上がってくるし、売る側と買う側があって、買う側が情報を共有すれば、当然買う側に対してプレッシャーをかけられる。おたくはどこの県は幾らで構築したよね、あそこは幾らだよ、何でうちだけ5割も高いのかとか、いや、その見積もりを見て、そうか、そうかと、この業者はこっち側ではこういう見積もりを出して、うちにはこういう見積もりかというような比較をすることによって、やはり市場価格ってやはり下がる傾向もあります。なので、何らかの共同でやるということを取り組み始められるのがよろしいのではないかなと思います。
 さすがに県は非常に難しいこともよくわかっているんですけれども、ただ、できないところはないと思うんですね。かなりの業務に関しては、全国共通で国がつくったものを使われているのが恐らく50システム以上あるかと思います。ほかの都道府県ではこういったことをやろうと思っても、それだけの人材もないし、お金もないのでできないところがあります。ぜひ頑張っていただければなと思います。
 それから、下の方で中小システムへの取組ということで、サーバーの統合ということがあります。これも非常に今、各県で検討を始められているんですけれども、非常にやはりうまくいかないです、これをそのままやると。先程言いましたように、ハードウエアのコストってもう非常に安くなっていて、20%ぐらいです。人件費の方が非常に高いです。サーバーを単純に1カ所に集めて、そこで管理するというんでは、かえって余り何のメリットもなくて、そこに運用している人をいかに減らすか。例えば1つのシステムに1人張りついていました。1つのシステムに1人張りついていました。じゃ、2つのシステムを1つの会社でやったら2人ではなくて1.5人でできるかもしれない。要するに、ある程度まとめるということをしていかないといけない。そうすると、これまでは開発した業者がそのまま運用していましたと。ほとんどがそうだと思います。もうこれは中身を知っているから一番楽なんですね。職員側も非常に面倒ないです。頼んだらやってくれます。ただし、それをやっている限り開発というのはこれからも調達でやりますから、さまざまな業種がやることになります。運用をほかの業者でやらせるためには、これは非常にやはり大変な取組が待っているんですけれども、ただ、それをしない限り運用コストを下げるということはできないと。そのあたりのことをちょっと数年かかるかと思いますけれども、取り組まれてはいかがかなと思います。
 事例として、小さな市ですけれども、浦安市、ディズニーランドがある浦安市がありますけれども、人口15万人というところで決断をされて、庁内のサーバーを全部情報システム管理課の方のサーバールームの方へ集められているんです。要するに、こういうコンピューターが100台ぐらい部屋の中に転がっているという状態であると。ただし、その保守契約というのはやはりそのまま引き継いできていますから、さまざまな業者と契約をしています。意外とオープンシステムというのは、100台も集まると、1日必ず2つぐらいは大体障害が発生すると。職員の方は障害が発生するとその業者に電話して来させてやって、横で見ていて、修繕が完了するのを待ってということで、そればかりになってしまった。何とかそういったことをアウトソーシングできないかということを考えられ始めているんですけれども、すべての業者もノーを言っているんですね。いや、100個サーバーだけ集めてきても、そんなのはだめですと。その前にやるべきことをやって集めない限り、これはどうしようもないですという形で、非常に困られています。なので、やみくもにハードだけ集めるということは恐らくされないと思いますけれども、人件費の方に注目してされるということがよろしいのではないかなと思います。
 ちょっと単発的になりましたけれども、私の方からちょっと意見を述べさせていただきました。どうもありがとうございました。

○稲垣委員長 山口さん、本当にありがとうございました。
 それでは、今、参考人の方からもご意見をいただきましたが、ただいまの参考人の意見に対しまして、当局から何か補足説明等がもしあれば、ございますか。

○戸神部長 レポートでもまとめていただけるようなコメントをちょうだいしまして、個別に申し上げることはできません。確かに私たちも全国調査を実施したのですが、やはり中には県名を出されては困るという県もございます。先程おっしゃった共同でやる情報共有、なかなかそういったところからでも難しい状況を実感しましたし、こんなこと言うとあれなんですが、我々が勉強させてもらいに行くような進んだ県とか政令市があれば教えていただければありがたい、それぐらいしか申し上げることができません。

○稲垣委員長 では部長から補足の説明もございましたので、委員の皆さん、執行部の皆さんからの説明と先程の山口参考人からの意見をお聞きして、質疑に入らせていただきたいと思いますが、ご質疑の方お願いします。質問どなたからでも。

○三谷委員 山口さんにちょっと教えていただきたいんですが、三重県情報ネットワーク構築・運用保守委託業務というこの表でいきますと、一番最初に積算見積もりを出してくるのが一番最初の基本計画の策定というところだと思うんですよ、一番上の、ちょうど1年ぐらい前からこれは始まるんだろうと思うんですが、ここは県の場合は野村総研さんというコンサルにこの基本計画の策定を依頼するんですけれども、野村総研さんはその概算費用を策定するときに、先程数社、いろいろなところに見積もりの依頼をするというようなご説明がたしかあったと思うんですが、野村総研さんは例えばシステム構築業者に対してどれぐらいかかるんやということの問い合わせをされるということなんでしょうか。

○山口参考人 私はこの件に関しては中身を知りませんので、そういうことをされたかどうかは私は存じ上げないんですけれども。

○三谷委員 一般論としては。

○山口参考人 一般論としては、実はこの三重県情報ネットワーク構築・運用保守委託業務というのは、普通の例えば税だとか財務会計というシステムと違って、非常に回線費用であるとか、ハードウエアの費用が非常に多くを占めています。要するに、人件費の割合がかなり少ない割合の割とちょっと特殊なシステムと思っていただければと思います。なので、非常にある意味、ハードウエアとか回線費用というのは積算はやりやすいと。定価であるとか、そういったものは出ていますので、なので人件費の部分のぶれがどれぐらいかということで、例えば私が、私だったら恐らくこれは数社に問い合わせる必要もなく、積算だけで恐らくかなり出せるんではないかと思います、このシステムに関しては。

○三谷委員 こういう世界というのは僕はよくわからないんですが、例えば普通の設備機器等の業界ですと、かつてはこういうコンサル業者が発注者から依頼を受けると、メーカーさんに問い合わせしたり、メーカーさんに積算させて、それをコンサルの仕様として提出するというような傾向がよくあったんですが、こういうふうなのですと、もうほとんどコンサルが独自で計算ができるというようにも理解してよろしいわけでしょうか。

○山口参考人 まず、これは完全な新規のものではなくて、今、動いているものがありますと。よって、当然例えばさっきの人件費の部分に関して、今日現在どうであったかということをチェックをすることによって、大体どれぐらいにできるだろうということはわかるかな、分析はできるかと思います。じゃ、逆に複数の業者に見積もりをとったときに、じゃ、初めて聞かれた業者が正確に見積もれるかというと、逆にそれは見積もれないと。要するに、誤差の方が、そちらの方がこの場合は多くなるパターンかなと思います。一般的には、複数の業者にこういう場合はとります。例えば、さいたま市で税のシステムの調達をするときには8社ぐらいに見積もり依頼をして、その見積もりを評価をして予定価格というのを立てていますし、住基に関しても4社に対してやりました。

○三谷委員 それで、そこから出てきたものを今度は情報システム審査委員会等で中身をまた妥当であるかどうかの審査をし、予算の要求前審査をしたり、それから、調達前審査をしたりするんですが、その審査会の中にまた同じ野村総研さんというコンサルが入っているという、こういう仕組みはごく当たり前ということなんですか、それとも、僕らから見れば、その出してきてものを同じ人がまた審査するというのはいかがなものかという感じがするんですけれども、その当たりはどうなんでしょう。

○山口参考人 まず、一般的に考えると、これは別がやった方がいいということになります。確かに、国の方でもシステムの予算であるとか構築、調達仕様に関して評価をする人と、実際それを作成支援する人というのを分けなさいということで、例えば評価する側としてはCIO補佐官というものがあって、ただ、CIO補佐官はすべての調達支援であるとか、計画策定というのはやってはいけませんというふうに受注制限がすべてかかっています。同じように、例えば予算の予定価格を積算するであるとか、調達仕様書を作成する、基本計画を作成するという業者に関しては、当然CIO補佐官もだめですし、当然構築もだめということで、また受注制限がかかりますと。現実には、机の上で考えればそういうことになるんですけれども、じゃ、現実的にそれだけ多くのコンサルティングの業者が世の中にいて、それぞれが同じようなレベルで仕事ができるかというのは、それは非現実的なわけであって、コンサルによっても物すごくいろいろなレベルがあります。きちっとやるところもあれば、もうこんなんだったらいない方がいいというところもあります。どうしてもコンサル業者もそうやってまた調達で選ぶわけであって、いい人だけを選ぶわけにもいかないと。そうすると、どうでもいいようなところが入ってきてやると、かえって混乱を来すというのがあります。現実的に国では、かなり混乱が物すごく今、起きています。それは余りにも受注制限をかけ過ぎて、一つのシステムをつくるのに、一体何社かかわらなければいけないんだと。CIO補佐官がいて、調達支援業者がいて、開発業者がいて、システム監査業者がいて、それから運用業者がいて、5社、6社、システム会社を入れて、一つのシステムをやるのにそれだけ多くの会社が絡んでちゃんと調整ができるかというと、恐らくそれほど成熟はしていないと。なので、現実的に私は結果としては同じ会社がやった方が今日現在は現実的だと思います。

○三谷委員 わけがわからなくなった。

○舟橋委員 県の方の方針として、イニシャルコスト、導入時のときに一度入札をして、その後のランニングコストは別でまた入札をしているのが現実ですけれども、10ページだったかの方に、これからは導入と今後の保守業務一体としていった方が、過去に1円入札というのがはびこったように、セットにしておいた方が、導入時に安くしておいて保守・点検で高くとられないでいいんじゃないかというのが県の方の流れで書いてあるんですけれども、今、山口参考人さんの方の話は少し違ったもので、そこらへんについてこの県の方針をどう思われるかというのを、まず聞かせていただきたいんですけれども。

○山口参考人 恐らく、大きな流れ、その方針というのが、例えば来年のことなのか、3年後のことなのか、10年後にやることを述べているのかによって、これは見方が違ってくると思います。例えば10年後ということであるとするならば、まさしくここに書いてあることがもうできていて当たり前だと私は思います。ただし、来年、3年後にこれが方針に書いてあることができているかと、これはあくまでも方向性のことを述べているので、どこまでできているのかというのを現実的にとらえる必要があるかなと思います。
 先程言いましたように、例えば初期に開発した業者がいて、次年度は例えばまた調達やって別の業者が運用をすることになるとしますと。ただ、現実的に運用という業務の中には単純にシステムの運用、誰もができる作業と、実際にはプログラムの改修というものが大体入っているのが一般的です。そうすると、最初に開発した業者以外の業者がプログラムの改修ができるかというと、今日現在それは理論的には可能であっても現実的にはされていません。そうすると、業者が一般競争入札を分けるためには、今度運用と改修というものを明確に分けて、契約を切り分ける必要があります。そうすると、先程申し上げたように、開発した業者と運用する業者が別であっても運用できるようなきちっとした仕組みづくりを先に整備をしておかないといけないと。整備をすることなく、いきなり調達してほかの業者が入ると、非常に移行であるとか引き継ぎだとかで混乱して、非常に大変なことが起きるのかなと。なので、方針としては私はいいと思うんですけれども、それに向かうためにはきちっとした準備を何年かけてやって、いつ移行できるかを考える必要があるのかなと思います。

○舟橋委員 ということは、そういうところまで突っ込んでできなんだら、どんぶりで差し当たってやっておいて、自分たちの基礎能力や何かが高くなった段階で、参考人が言われるような分ける方向に2段階にしていった方がいいですよという意味ですか。

○山口参考人 私はその方が現実的だと思っています。恐らく二、三年のことを考えると、本当に極端な5年間全部で、もう通しで5年契約をして任せた方がコストとしては現実的には恐らく安くなると思います。これは業者ともずっと私お話をしている中で、この傾向はどっちの方がいくかというと、分けられると恐らく高くなると、業者側もやはりそれなりに引き継ぎのコストだとかを考えないといけないので、ならしでいけばそれだけ人を張りつければすぐなので、そういう作業が減るので、さらに10%以上下げられるんであるならば、そういったことを考慮してほしい。ただし、業者もそれでいいとは言っていないんです。先程言ったようなところに向けて、数年間やるべきことと、その先にやるべきことを明確に切り分けて考えられた方がいいのかなと思います。

○舟橋委員 執行部に聞きたいんですけれども、保守管理の方は債務負担行為で何年間という形にしていると思うんですね。例えば5年間で債務負担行為単年度5,000万で握った、5×5、2億5,000万ということで握りますね。その単年度5,000万というのは、さっきの話、山口参考人の話だと、毎年毎年実績をチェックして、次の年度に予算を要求したりしていくというけれども、今も単純に初年度に入れたきりになっていますよね。そういうところに対して、山口参考人が言われたように、保守管理は当面この機械で5年間走っていこうと。保守管理は5年間で、さっき言いましたような5,000万で2億5,000万という単純にやっているのが今の現実だと思うんですけれども、将来的には今、言ったような毎年チェックをかけて、毎年毎年入札、随契でしょうけれども、そうなったら、そういうことで可能なんですかね。考えていますか。

○戸神部長 開発から運用のトータルを債務負担ということで、まず一括契約します。そうすると、予算は年度年度でお認め願っていくんですが、相手方はトータルとの契約で、よほどのことがあると契約変更とかがあるんでしょうが、今、おっしゃったように厳密にチェックをして下げて行くような話が果たしてできるのかどうかちょっと。

○中川推進監 確かに今、債務負担で一括で審査をさせていただいてということになります。事後のチェックにつきましては、やはり先程話がありましたように、毎年例えば制度の改正があったりというようなことで、その中でおさまりきらない部分というのが出てまいりまして、そういったものについては、また別途予算要求等出てくる場面もございます。そういった場合はやはり改めて予算要求前審査等で審査をするということになります。言われるように、毎年毎年の事後のチェックがどこまでできているかと言われると、まだ不十分なところがございますので、今後やはりそういった契約内容の事後のチェックというものも今後考えていかなければいけない課題というふうにとらえております。

○舟橋委員 今の何かあったときというのは、いわゆる増額補正をするときだけですよね。チェックをして、来年はこれだけ安う上がるんやという議論は、恐らく今のところ全体ないんでしょうね。

○戸神部長 一般的には制度が変わって付加することが多いと思います。

○舟橋委員 もう1点執行部に、著作権をできるだけ持つようにというのが方向性に出ていますね。今、著作権を持っているシステムってどれぐらいあるんですか。

○中川推進監 すみません、今、一般的にといいますか、こういったシステム開発をやるときの契約書には、著作権は県の方に帰属するというようなことを書き込むような指導をしております。実際に、それがどれだけ来ているのかというのは、今、手元に資料がございません。申し訳ございません。
 ただ、言えますのは、著作権が県に帰属するということでございますけれども、それで全部帰属させることが本当に実際に効率的なのかどうなのかという点もございまして、例えばパッケージをベースに開発をしたというような場合には、そのパッケージのカスタマイズ部分、変更部分だけの著作権を県に帰属をしていただいても、これは何の意味もないというようなことになりますので、そういった場合にはやはり使用権だけを県に帰属させて著作権は放棄するとか、そういったいろいろな場面もございますので、一般的にということで、すべて著作権を帰属させるということでいいんだということではないと考えております。

○舟橋委員 どこの県やったか視察に行ったときに、私のところはこのシステムを開発しましたので、どうぞ買ってくださいところの県がたしかあったと思うんです。もうちょっと県の名前は記憶にないんですけれども、そういう方法で著作権を持って、逆にそれを自分のところの商品として他の県へ売るという方法もあるんじゃないかと思いますので、著作権を持っていく方向がいいのかどうかちょっとわかりかねますけれども、最後に、山口参考人に各会社のシステムの互換性ですね。例えば、これはちょっと例が違うかもしれませんが、年賀状のソフトを買います。3年たってそのソフトがなくなりました。新たなソフトを買いました。テキストファイルを落としたら、前のデータはそのまま使えますよね。いわゆるシステムを再構築するときに、まだうちの三重県も恐らく再構築の時期は、まだこれから1年、2年、3年先ですもので、再構築をしたシステムは少ないんですけれども、例えばNECで来て、今度東芝に行ってなんて、ころころ簡単に変わるんですか、変えられますか。

○山口参考人 一般的には変わらないはずです。まず、そのシステムの種類によって違って、例えば先程のネットワークだとか設備系が多いものに関しては、ハードウエアというのは非常にもう仕様で標準化されるので、例えばそこだけ変えればそのままつながるというのも一般的です。ただし、人件費をかけて開発したソフトウエアの部分が問題なんですけれども、まず例えば、税で税に関するデータがあります。例えば、それがN社からF社になったときにすっといくかというと、今は全くできないはずです。
 まず、2つの理由があって、1つは会社から見て移行することをあらかじめ考えておくメリットがないと。例えば、年賀状ソフトであるならば、移行が簡単であれば、ほかのところから乗りかえてくれるということを見込めるので、自分の商売のためになるということで一生懸命考えますと。ただし、自治体のシステムの場合には、これまでほとんど大きなシステムに関してはベンダーが入れかわるということは非常に少なかった。大体10年、20年ずっと安定して動いているということになると、その移行のことをわざわざ考える必要性がなかったということがあります。
 それから、もう一つは、単純にデータとかフォーマットだけの問題ではなくて、データの中身というのは結構いろいろきれいなものではなくて、いろいろなものが実は入っています。例えば、よく言われる外字というのも意外ときれいにちゃんと整理されるかというと、意外と整理されていなくてあっちこっちにいろいろなものがあって、移行するときに外字の同定をして数を減らさなければいけないであるとか、例えば税のデータで何か抜けているんじゃないのとか、そういったものがあったりだとか、そういったものがあって、非常に単純にデータ移行ではなくて、1件1件確認しながら手作業でつぶしていく必要がありますと。これはもうフォーマットだけの問題ではないと。なので、今はシステムの問題というよりは運用上でさまざまな変なデータを取り込んだりして何とか回していると。運用上でだんだんデータを汚くしてしまっているということが恐らく現実だと聞いています。例えば今、さいたま市では税の移行をするのにデータの移行費を8億円見込んでいます、今。要するに、それぐらいかかるということですね、税だと。

○舟橋委員 ということは、三重県にこのあるシステムを入れた。そこがN社だったと。5年後に再構築をするときも結局はN社でずっと走っていくということになるから、ランニングコストをいかに下げるか我々は知恵を出した方がいいということですね。

○山口参考人 結局、今日現在やるとそのようになってしまいます。でも、それをやはり避けなければいけないと。となると、例えば移行するために移行するときのデータのフォーマットを決めて移行のやり方というものを複数の県で話をして、じゃ、こういうふうにしようよと、業者に対してもこういうふうに全社やってくれということを、別に県でできるのか国がやるのかは知りませんけれども、そういったような俗に言う標準化だとか、そういったものを仕組みづくりを先にして、業者もそれに納得してくれて、そのようにしますというふうに業界団体でやってもらわない限り、これは解決しないと思います。

○舟橋委員 ありがとうございました。

○中嶋委員 いろいろと議論があったんですけれども、私いろいろ考える中で、まず調達前の審査というのは非常に重要だというポイントを、今日は山口参考人の方からも改めて教えていただいたわけですが、それでかかわる部分でちょっと執行部の皆さんにお聞きしたいんですけれども、たしかこれチェックというか、予算の段階の資料5の方にもあるんですけれども、結局は仕事の手順ですよね。仕事の手順を簡素化するとか、仕事の手順がいろいろと法令が変わったり、制度が変わったから変わるとかというきっかけで新たなシステム構築なり更新なりをしなければいけないというのがあるならば、まずその仕事の手順が本当に無駄がないのかということからまず入るべきやと思うんですが、そのあたりのチェックはどういうふうにされていらっしゃるんでしょうか。

○中川推進監 そういう新しいシステムの要求が出てまいりますと、まずシステム化の必要性とともに、システム化の範囲についてもその原課といろいろやりとりをいたします。その中で、やはりこれについては仕事の手順を変えた方がいいのではないかというようなところ、こちらの方で申し上げられるところは申し上げるということになろうかと思いますが、最終的にはやはりそこらへんの仕事の手順については、一番やはり精通しているのが原課、要求は原課ということになりますので、そちらの方の意向がやはり強くなるだろうというふうに思われます。

○中嶋委員 多分、政策部さんの守備範囲では難しい部分やと思うんですよね。ですので、私はやはり総務部も絡めて、まず業務の手順そのものが無駄ないのか、省かなきゃいけない部分がないのかということから入っていただいた上で、そのシステムの構築範囲というのを今度はまさに政策部さんの登場で、その範囲であるならば、じゃ、今、お話があったように、もっと安いパッケージを利用できないのかとか、そういうふうなところへ落とし込んでいっていただくことで、随分その後の保守管理も含めて変わってくるんじゃないかなという気がしますので、一度それもご検討いただきたいなというふうに思います。
 それと、この調達前審査を含め、非常に審査委員会というものが重要になってくるかと思うんですが、この外部の方、どういう方を選んでいらっしゃるんでしょうか。

○中川推進監 資料の11ページにございます。
 まず、審査の委員会の仕組みとしまして、上の審査委員会と、それから、その下に審査部会ということで、実際もその下審査の作業をこなす作業部会とに分けています。実際の積算の確認でありますとか、そういうことになりますと、SIの支援ということで外部のコンサルタント事業者から、今、4班体制でやっておりますけれども、1班に1人ずつ専門の技術者に張りついていただいて指導、助言を受けているというところでございます。
 さらに、そういったところで下ごなしをした内容につきまして、審査委員会の方に審査部会の方から意見書案ということで上げさせていただいて、上の審査委員会の方はそういった細かな点というよりは、むしろシステム化の必要性とか、そういったところを外部のコンサルタント事業者とか。

○中嶋委員 私の質問の趣旨は、どういう方を依頼しているのかということなんですよ、その仕組みじゃなくて。要は、そのコンサルタントの方が1年間一緒のところばっかりお願いしているとか、外部の例えば大学の先生をやっているとか、その方々とベンダーとが癒着関係になったら全然だめなわけですよね。そういうあたりの資格というのはどう見ているんですかということを聞いているんですよ。

○中川推進監 今現在の外部審査委員でお願いしておりますのは、総合コンサルタント系のコンサルタントの上級の技術職員、それから、民間の方で情報処理技術者の資格を持っておられる方ということで2名お願いをしてございます。

○中嶋委員 その方々とベンダーの方々との関係というところまでちゃんと審査した上で選んでいらっしゃるんでしょうか、そのあたり。

○中川推進監 その点につきましては、中立的な立場の方だというふうに考えております。

○中嶋委員 その方々は、いわゆる地方公務員法でいうところの守秘義務とか、そういうこともちゃんとかかってくるんですか、法的に。

○中川推進監 そういったことで、この委員会等のことについては守秘義務がかかってくるというふうに考えてございます。

○中嶋委員 実は、このIT調達については、石原県会議員が平成15年当時からずっと質問をされてきたCIOの設置の話と私は随分関係してくると思っておりまして、果たして、その場その場で中立的な方ということを外部からお願いをして、いわゆる契約行為の中でやっていくというやり方が果たしていいのか。それよりは、いわゆる知事に対して、知事の下にはありますけれども客観的に、そういう法的にも守秘義務が明確に位置づけられるような形のCIOを置いてやる方が、より私は公平性とか、外部に対する説明責任を果たせるんじゃないかなということをやはり思っておりまして、この仕組み自体は全然否定しないんですよ、この11ページにあるような。これが本当に機能するかどうかというのは、まさにそこに張りついている外部の方だというふうに思いますので、この点についてはよくよくご検討いただきたいなというふうに思います。
 実は、今回の問題になった情報ネットワークのことについて、提案書のコピーを入手しまして、いろいろと見せてもらいました。向こうからのJVが1社で出してきて落としたわけですが、その提案書の中を見ると、今、山口参考人からも話があったようにハードがほとんどなんですよね。だけれども、そのハードの中で、例えばCPUだとか、メモリーは非公開だからわからないとか、非公開の情報をもとに審査会で、これでOKといっているというふうにしか読めないんですよ。果たしてそんなんでいいのというところもあるんです。例えば、ソフトウエアの内容がよくわからない。導入理由も書いてない。なぜこのソフトウエアを今回このネットワークに選んだのかという導入理由が書いてないような提案書にもなっていますし、あとそれから、信頼性ということが販売実績は1万8,000から2万台、年間にあるから、このシステムというかハードは信頼できるんですよというふうな、そういう提案書になっているんですよね。果たしてこんなんでいいのというのは思います。やはり審査委員の皆さんのメンバーを見ると、選定委員のメンバーを見ると、県の職員の方だけなんですね。ここにおみえの方もいらっしゃいますが、やはりこういうときに選定に加われる外部の専門的な方、CIO的な方が要るんじゃないかというふうに改めて思いましたので、ちょっと私が言っている内容がわかりずらいかもしれませんが、ぜひともそういう観点でもCIOの設置についてということについてご検討いただきたいんですが、部長のご答弁を。

○戸神部長 確かにCIO、あるいは補佐官につきましては、引き続いて、過去からも議論されてきておったと思います。その中で、私どもとしましては今、申しました審査委員会、あるいはそれに対して専門的なところについては外部のコンサルタントの助言を得ているというところで、組織的に対応してきているという認識でおりますが、果たして今の私どものやり方が適正かどうか、うまくいっているのかどうかというのはやはり検証しながら、国ですとか、他県の状況も把握しながら、新たな手法がないかどうかも引き続いて検討していきたい。ただ各県の状況を拝見していますと、外部からCIOを登用されているのが5県ぐらいでして、そういう意味でなかなか人材も確保も難しいようなところもあるのかなというふうに受け止め方をしております。

○稲垣委員長 昼からということで、質疑の途中ですけれども、暫時休憩にさせていただきまして、再開は午後1時ということで暫時休憩いたします。

(休  憩)

○稲垣委員長 それでは、休憩前に引き続き会議を始めます。
 質疑の続きをさせていただきますが、森本委員。

○森本委員 参考人にちょっとお尋ねしたいんですけれども、著作権云々の話が先程から出てきておるんですけれども、著作権を県に帰属させる云々、これは専門家から見てどうですか。

〇山口参考人 まず、ちょっと過去の経緯から少し考えた方がいいかなと思います。やはり5年程前までは著作権というものを全然気にしていなかったと。今は何が問題になったかというと、何も気にしないうちに著作権が実は県の方になかったとか、国の方になかった。そのために例えば改修をしようとすると、現行業者じゃなければできないということで、随意契約理由にそれがなっていたという問題がありましたということで、ちゃんと考えましょうというところに、やっと最近なってできましたと。じゃ、一律に例えばお金を払ったんであるから、著作権は必ず発注者側に帰属させようというのが確かに今の流れではあるんですけれども、これは例えば国のように、例えばシステムを1品1品であって、ほかの同じものをつくらないということであるならば、確かに著作権は発注側が持った方がいいかと思うんですけれども、著作権を業者の方が持った方がいい理由としては、著作権を持つことによって、それをほかのシステムに流用したりすることによってコストを下げていく。先程パッケージのお話がありましたけれども、パッケージはまさしくもともとそうですから、著作権は業者にありますけれども、業者が著作権を持つことによってコストが下がるということが期待できるならば、それは両者が話をして、どういうふうにするかを話した方が今はいいのではないかなと思います。なので、一律にどっちにあった方がいいという議論ではちょっとなくて、そこまで踏み込んで考える必要があるのかなと思います。

○森本委員 また違ったご意見を教えてほしいんですけれども、先程いわゆる見積もり出したときに2,000万だとか1億だとか、1億5,000万というばらつき、見積もりに対してもばらつきがあるというようなお話も、僕が誤解しておるかもわからんけれども、そういうようなお話があったんですけれども、きちっとした求める条件というもの、必要な条件というものをきちっと出す側が提示すれば、そう大きな開きというのは出てこないんじゃないか。これは職員がどうのこうのというんじゃなくて、職員のやはり知識が不足しておるから、あいまいな形の中で出てくるのではないのかなという気がするんですけれども、そこらはどうでしょうか。

○山口参考人 これは、行政だけではなくて民間の例えば製造業、流通業とか、そういったところは非常に厳しく見ていますけれども、やはり見積もりはばらばらであるという認識がもう一般的です。例えば、同じ機能のことを実現しようしたシステムの場合に、例えば、ある業者はつくればいいと、動けばいいと、あとは頑張って動かしてくださいねというスタンスの会社の場合と、いや、このシステムが例えば5年間、10年動き続く限り、例えば我々は責任を持って毎日動くことを必ず保証しますとは言えないですけれども、それぐらいのつもりでやりますというところでは、当然おのずとソフトウエアのつくる信頼度ですか、例えば同じ機能をやるときに、例えばさまざまなどんなことが起きるかもしれないということをプログラムとして組み込んでおくか、ある程度流れればいいやということで組み込むかによって、大体すぐ倍、3倍の開きが出てきます。通常プログラムの場合は、通常の正常処理、定常処理の部分というのは約3割ぐらいで、7割ぐらいは異常処理。大体起きるかも、起きないことの多いことのためのプログラムをつくり込みます。ここで、もう明らかに考え方によって3倍開きが出てきますので、そのシステムというか、そのシステムに対する長い間どのように見るかという企業のスタンスとかで二、三倍は確実に違って、これは当たり前であると。民間業の場合には、そのあたりのことをよく考えて、要は幾らぐらい投資できるかを考えて、よって我々はこれぐらいの業者とつき合うんだと、いや、我々はお金がないと、だから、落ちてもしようがないと、そのときにはもういいやというんだったらば安い業者とつき合うと、これははっきりもう明確に分けて考え、つき合っておられます。

○森本委員 これはちょっと議事録見て確認しなきゃならんけれども、僕の認識では、前回の委員会では、いわゆる今、先程中嶋先生が言った提案書を、これを非公開だということを言ったんです、執行部側は。僕は、一般土木建築では非公開じゃないじゃないかと、なぜ公開しないのじゃないかというようなことで言うたけれども、これは著作権だとか特許だとか、いろいろに抵触するから公開できないんだというようなあれがあったと思うけれども、これはもし僕のあれが間違っとったら君らで反論してもええと思うけれども、これも後に置いてて、そういう意見に対して参考人はどうですか。

○山口参考人 まず今、私、さいたま市のをやっていまして、提案書に関しては公開はしないことになっているはずです。その理由としては、提案書というのは各社が自分たちのノウハウであるとか、例えばそういったことも書き込んで当然書いてきてくれます。例えば、そういったものが競合他社に渡るようなことがあれば、例えばせっかくそういったこと、築いてきたことがとられてしまう。それは特許なのか著作権なのか、何で守ってあるかどうかはあれですけれども、やはりノウハウというのは非常に特許、著作権で守りにくいものがありますと。そういったことをやはり守るということが、いい提案書を出してくれるための条件。それを何でも、誰にでも渡しますよということになると、どの会社もみずからのいいところも出そうとはしないと、人並みと同じことでいかに安くということしかもう考えなくなってしまうということなので、恐らくどこの自治体も提案書に関しては公開する方向はないかと思います。

○森本委員 それから、中嶋委員の質問に関連するんですけれども、いわゆる提案書の中身の中に、このことについては触れれませんよ、これについては我々は非公開ですよというような提案があったと。その執行部の方にも、いわゆる発注側にもそういう提案をしない。今、先生の言うのはわかりましたよ。他社に漏れたらあかんという、しかし、審査をしなければいけないところに対して、非公開だとか、できないというような形で正常な審査ができるのかどうかということはあるんですけれども、これは当然提案書というものは他社には漏れては困るけれども、受注者としては知っておかなければならんというのは原則ではないかと思うんですけれども、そこらについて参考人のご意見はどうですか。

○山口参考人 発注者側がその業者を選定するに当たって、必要な情報と考えるとするならば、それはもともと提案依頼書、仕様書の中で、こういった情報を明記しなさいということを先にうたっている必要があるかと思います。もしそれをうたっていなければ、その提案側がその情報を出す出さないは提案側の、業者側の考えで何とでもできるかと思います。ただし、一般的に、私その提案書なるものを見ていないんですけれども、これは非公開ですということをわざわざ提案書に書くのを私は実は初めて聞きました。普通そういうことをすると心証がよくないので余り普通は書かない、もしくは何も書かない方がかえっていいのではないかと普通は思うんですけれども、何か理由があったのかもしれません。普通はないと思います。

○森本委員 私が思うのは、そういうふうな項目があった場合に、審査員が非常に今、言ったように、心証を悪くするとか、いろいろなものが出てくるし、その審査の中身が適正に行われているのかどうかということまで出てくるんで、やはり非公開を原則にするならそういう形の中で提案を求めるべきだろうと思うんです。
 もう1点、参考人にお尋ねしたいんですけれども、いわゆるばらつきがある、いろいろなあれがあるということは承知したし、いわゆる安くしても2割までだなと、20%までだなというようなご意見もあったと思うんですけれども、私は前回の委員会でこういう質問をしたんです。積算については、見積もりをどういうふうな、見積もりをそのまま計上しておるのかという質問に対して、すべて掛ける0.8で積算しておるということだったんです。これも違うとったら、あんたらの方から反論してもらうたらいいし、僕の記憶ではそういうふうに答弁をいただいたというふうにしておるんですけれども、掛ける0.8というのは何ら根拠もない。今までのいわゆる慣例に従ってやったんだという、こういう積算の仕方はどうですか。

○山口参考人 私は非常に現実的だなと、逆に、私も恐らくCIO補佐官の立場だったら実はそういうふうにやっています、それが0.8か0.9かは別として。それは先程言ったように、積算というのはさまざまなシステムを見積もって、例えば大体どれぐらいの安全係数が掛けてあるかであるとか、いろいろなことを統計的に見て、全体として数字を大体はじき出していると。1件1件でなかなか考えることができないので、大体8ぐらい掛けると適正なところということを、恐らくさまざまな経験からご判断されているのかもしれないと思います。
 逆に言うと、もう一つ言うと、じゃ、それがいいかというと、そういう話ではなくて、見積もりが逆に言うと1.2倍されているということを言っていることですから、見積もりは最初から1.0倍になるように持っていくことが重要だということだと思うんですね。

○森本委員 わかりました。また、執行部に対しての質問は後にしますんで、ちょっと執行部に質問する前に参考人の意見だけ聞きたかったんで、参考人に対する質問を終わります。

○三谷委員 執行部の方に。また、先程の話に戻るんですけれども、今、三重県の全体のIT分野というのを見ていただいているのは野村総研さんに見ていただいているわけですよね。今回の問題になったネットワークの構築事業の基本設計は野村総研さんが抱えている。今回コンサルとして県の方が発注しているわけですね、この野村総研に。この審査会の外部委員に、また野村総研さんが入っているということですね。だから、やはりこのあたりはCIOを設置するかどうかでこれからの検討になるんだろうと思いますけれども、やはり全体を見ている人、それから、実際に基本設計をする人、またその基本設計に基づいて見積もりだとか、そういうものも含めて仕様等もチェックする審査会と同じコンサルが全部入っているというのは、僕は余りいい形ではないと思うし、ほかにそういう先程参考人さんのお話ですと、そういう能力のあるところがそう幾つもないんだという話もありましたけれども、やはりこのへんのところは基本的に分離をしていくという方向でご検討いただきたいなと思うんですが、その点はいかがですか。

○戸神部長 いろいろご議論をいただきました。私どもとしましても、そういった不透明性を心配される状況があったらいけませんので、おっしゃられた方向で検討を進めたいと思います。

○三谷委員 そもそもこの議論の発端になったのが、13社か14社問い合わせがあって、実際に応札されたのが1社しかなかったということが、これは少しおかしいんではないか。そこからが、これの議論の発端なんですよね。ですから、やはり今みたいなああいう仕組みを残していますと、僕は野村総研さんがそんなことをしたとは言いませんけれども、もし野村総研さんが特定のそういうシステム構築のところと意思を通じておれば、これは完全にすぐ簡単にでき上がってしまう絵なんですよ。だから、やはりこういうものがそういう疑いが入らないような仕組みづくりは、ぜひお願いをしたいと思います。

○田中委員 すみません、執行部さんの方にちょっとお尋ねをしたいんですが、いただいた資料の今、資料5を見ていますが、チェックリストで費用対効果という欄もございます。通常、我々が予算審議させていただくときも、これだけの効果が上がって、これだけの費用をかけますよという説明は実は聞いてこなかったし、特にこういうシステムの場合、金額で換算するということが大変難しい項目が多いんだろうと思うんですね。ですけれども、このチェックリストにもその費用対効果ということで明確になっているかという審査項目があるんですが、ここでの執行部側はこれだけ効果があるので、これだけお金をかけますと、これはどういう形でこの審査会に対して提案をされているのか、ちょっと教えていただけますか。

○中川推進監 費用対効果についての審査の観点でございますけれども、やはりシステムは本来システムをつくることが目的ではなくて、そのシステムで目的の事業をどこまで効率的に運用するかと、運営するかということが重要になってまいります。そういった意味で、そのシステムを入れることで、どれだけの最終的に事業の効果が上がるかというようなことが最終的な判断になってくるんだろうと思います。その点で申しますと、システムについての効果といいますか、システムを入れることの効果は我々の方でも算出、ある程度ご意見申し上げることができるんですけれども、最終的な事業の効果ですね、そこらへんについてはやはり事業を行う原課の方で最終的な事業の効果というのが、その意味合いで判断されるのが妥当だというふうに思いますので、そういった面でこちらの審査としては、そのへんのことが十分に原課の方で検討されているかどうかということをヒアリング等で確認をさせていただいて、ご判断させていただくと、それについてシステムの面からご意見を言わせていただくと、そういった流れになってございます。

○田中委員 いま一つわかりづらいんですが、先程、参考人の山口先生からお話があったんですが、例えばこういうシステムを構築することで、具体的に人が減らせる、仕事の工数が減る、これは金額換算できますよね。そうじゃないけれども、例えば県民1人当たり、これだけお金かかりますけれども、こういうサービスが提供できます。そこには、そのサービスがいくらになるかというのは換算しづらいかもしれませんけれども、こういうサービスが受けられるんであれば、県民1人当たりこれだけのお金がかかっても、執行部としては政治判断含めてこれは効果があるんだという判断をした。そういうところまでしっかり議論されているという認識しておってよろしいんですか。

○中川推進監 ご指摘のとおりで、いわゆるそういう定量効果といいますか、何時間削減できるというようなところがはっきり換算できれば、そういったものをまずそういう要求をいただくときに、そういった調査表がございまして、そういったところにそういった効果も書き込んでいただく欄がございまして、そういったところで書いていただくんですけれども、なかなかそういう定量効果をその時点で算出するというのが難しゅうございますので、やはり定性効果といいますか、それによって住民のサービスにこれだけの向上の効果が考えられますというような定性効果の部分の書き込みがやはり多くなってございます。そういったものをやはりヒアリング等で十分聞き取って、その上で判断をさせていただくというご意見を言わせていただくというようなことで進めております。

○田中委員 部長にお伺いするんですけれども、そういった議論が、我々が質問しないから悪いのかもしれませんけれども、なかなか予算を決めていく段階で執行部から提案がされない。こうこうこういう理由で、こういう効果があります。これは金額換算できるんで、これだけの効果があります。費用対効果というところもぜひ提言をしていただく、そのことが他県との比較とかということも大事ですけれども、もう一つ判断材料としては我々は欲しいなというふうに考えるんですが、そのへんはいかがですか。

○戸神部長 実は、システムを全く新たにつくるとした場合ですと、本当の意味で効率はどれぐらいあるかとか、あるいは県民サービスがこれだけ伸びるとかというのは、一定の定量的なところも含めて説明責任が当然審査の中にもあると思います。ただし再構築とかになりますと、それをさらにグレードアップするといった程度でございますので、中川が説明いたしましたように、定性的なというところになっていく可能性はあるんですが、私どもとしましては、特に議会でご審議いただく場合は、やはり県民サービスの視点ですとか、費用対効果の視点から恐らく審議をしていただくと思いますので、私どもが今まで取り組んでおる適正化へ向けての取組を踏まえまして、どんな形で説明させていただくのがよいか、議会のご意見もちょうだいしながら、少し全庁的な課題でもありますので、各部にわたりますし、そういったことで検討を進めていきたいというふうに考えさせてもらっております。

○田中委員 すみません、山口参考人にお伺いしたいんですけれども、先程費用対効果のお話があって、県民1人当たりこれだけかかりますよと、これはやるべきか、やらざるべきかという判断をそこでしていく、職員の資質の向上も含めてお話がありましたけれども、定性的な非常に金額換算しづらいようなところの費用対効果の検証の仕方といいますか、もし具体的なアイデアがございましたら、お伺いできればと思うんですが。

○山口参考人 今、三重県を含めて、先進的な自治体ではそれにどんどん取組を始められています。一緒に検討させていただいていますけれども、やはりこれといったものは出てこない。これは10年、20年やっていてないわけですから、恐らく決定的なものはないかと思うんです。なので、恐らくちょっと取組方を変える必要があるのかなと思っているんですけれども、まず1つは、出ないから、原課の職員が、よって効果だとか、そういったことの数字に対していいかげんでいいかという話ではやはりないと。なので、こういう企画書だとかそういった段階で、やはり原課としてはできる限り数字出なくても、要するに、感覚を持つような努力をすることを説明はすべきだ。定性であろうが、定量であろうがするべきだろうと思います。
 次の段階として、先程言われたように、新規のシステムはほとんどなくて、更改、再構築ということですから、例えば目安として、当然技術的に回線費用であるとか、同じ機の仕様であるならば、恐らく年間で3%から5%ぐらいまだ下がり続けているとなると、5年で再構築ということになると、デフォルトでいうと20%ぐらい下がってもおかしくないと。例えばそこからプラスアルファで、例えばやはり同じ金額かかるとするならば、それは回線のスピードを上げることによってもっとサービスを向上するであるとか、恐らくそういったことがあるはずだと思うんです。なので、現行のシステムに比べて当然下がるべき分に対して、そこから上がった分に関してはやはり効果というものを、やはりこれは定量的にやる努力は絶対する必要があると思います。

○田中委員 ありがとうございます。難しいですが、ぜひ検討していただきたいなというふうに思います。

○森本委員 そしたら、ちょっと執行部の方に聞きたいんですけれども、6ページの、随意契約というのは否定はしないんだけれども、随意契約だとか企画提案コンペだとか、そういうのはあるけれども、ランニングコストについては随意契約というのがあってもいいと思うんだけれども、ちょっとこの設計・構築費用のイニシャルコストの随意契約の件数と運用・保守費用の件数をちょっと教えてくれる。○中川推進監 随意契約件数でございます。随意契約件数、この表3に該当します随意契約は件数で申しますと260件でございます。

○森本委員 このいわゆる当初、随意契約というのは当初契約をした業者と随意契約、基本的にはそうしておるのかな。普通はそうやわの、初めした、だから、1円の落札もあるというのはランニングコストはずっと後やれるからというので、そういうのは基本的にはそういう流れなのかどうか。

○中川推進監 随意契約の中で件数的に一番多いのはパソコンの修繕等ですね。一人一台パソコンがございまして、それの修繕が出てまいります。これが件数的には一番多くなってございます。ただ、やはり金額的に大きくなるのは運用・保守というところで多くなってまいります。あとは回線使用料とか、そういったものにつきましては随意契約ということで、件数的にはそういったものがほとんどでございます。

○森本委員 そうすると、イニシャルコストについてもそういう考え方だということでいいの。

○中川推進監 イニシャルコストにつきましても、やはり追加開発とか機能改善といったようなところは、やはり開発業者が実権を持っているところでないとできないというような場合がやはり多くなってございます。

○森本委員 その随意契約というのは、だから、日本でそれしかないからということで1社としたんだということでいいの、今のあんたの回答ではちょっとわからんから。

○中川推進監 1つは、そういった1社、そこしかできないという、いわゆる特命随契と言われるものでございます。あと、先程申しましたパソコン修繕とか、そういったものについては金額が小さいからというようなことで随契になっている場合もございます。

○森本委員 そしたら、またちょっと聞きたいんだけれども、同じ6ページのことだけれども、ランニングコストの一般競争入札だとか、総合評価だとか、企画コンペなんかも入るのかどうか、一般競争入札でも総合評価でもいいわ。これは、なぜ一般競争したり総合評価方式の一般競争入札にしたという根拠というのはどういうこと。

○中川推進監 すべてではございませんけれども、ランニングコストのところで一般競争なり総合評価というのは、機器リースの場合は調達、機器の調達でございますけれども、運用、こっちのランニングコストの方に整理されますので、そういったものについては一般競争で調達をするという場合が多くなります。

○森本委員 そうしたら、あれだね、当初のいわゆるイニシャルコストを受注した業者に、いわゆる発注者が落札するんじゃなくて、異業種、ほかの別の分野の人たちに対して一般競争入札でやったという考え方でいいのかな。

○中川推進監 運用・保守の場合で、やはり構築に引き続きいて運用・保守を委託するという場合には、やはり随意契約が多くなります。この表で申します一般競争入札というケースは、先程申しましたリースの契約等が多くなってございます。

○森本委員 そうしたら、あれだね、当初の構築した業者が一般競争入札で落札したということはないという考え方でええね。

○中川推進監 ちょっと全くなかったかどうかというのは、ちょっと細かな数字、今、持っておりませんけれども、開発から運用に移行するときに、そういった一般競争を進めていくということで努力はしておりますけれども、現実にそういうことで一般競争に移行したいというのが何件あるかとことは、ちょっと正確な数字持っておりませんけれども、少ないというふうに思っております。

○森本委員 まあ、いいわ、それでいいけれども、僕は一番心配というのか懸念したのは、いわゆる1社しか応募しない。これは参考人のあれでわかりましたよ。大体1つの会社が応札できるのは2件くらいがせいぜい、2件か3件という話があったんで、それで理解はしとるんだけれども、いわゆる一般土木の橋梁だとか、そういうもの中に裏談合ということがあって、いわゆる応募しないで、応募する前におろす。これはもう私のところの既得権だから、あんたのところはおりてくださいよというようなことがあったということを懸念しておったんやけれども、前回はね。そこらは参考人の意見を聞くとそんなことはないのかもわからんので、これはいいけれども、ただ、予定価格を公表しないということは、これもちょっと明快な予定価格をあんたたちは公表しないと言ったやろう。土木の場合は一般土木もしておるわね。ここらのところをもう1回教えてほしいんだけれども。

○見並総括室長 公共工事以外については、予定価格は競争性、経済性を確保するために公開しないとしております。これについては三重県会計規則65条で、予定価格は入札時まで封筒に入れ封印するというふうに規定をしております。この規則では知事が別に定める場合は例外とすることもできるという規定がございまして、公共工事の場合は積算方法の標準化がきちっとされており、積算に必要な情報も公開されているということから、業者がその予定価格を極めて近い額で容易に計算することが可能だということで、予定価格を秘匿することによって生じる不正等を防止するという観点で公開をしているところでございます。

○森本委員 ちょっとそこらがよくわからんのだわ。土木の場合はきちっとした積算価格、積算体系によってはじかれる、実勢単価がはっきりしておるよと、だから、公開してもいいんだと。ではこの8ページの実勢単価が把握しやすんだと、だから、落札率が高くなるんだというのは、ちょっと矛盾しないかな、そこらは。

○見並総括室長 物件調達の場合は公開をしてしまうと、競争力が非常に低下していくと思われます。公開することで、予定価格に近いところに業者が札を入れることが見込まれますので、入札そのものが高どまりになってしまうという懸念がございます。

○森本委員 はい、わかった。そしたら、このあれは高どまりになっていくというなら、7ページの90%以上、これはどういう説明になるのかな。かなり高率のあれと違うか、66件があって、34%、90%以上という高どまりなんだけれども、これをこの90%以上の割合というのはどういうの、98とか、95とかってなるけれども、ここらはどんなパーセントになっておるの、この34件の内訳をちょっと言うてみ。

○中川推進監 一般競争入札の90%以上、34件についてでございますけれども、すみません、ちょっとこれ以上細かくしたもので数字出ませんので。

○森本委員 それによって今の疑問点が出てくるのさ。というのは、こうやろう、実勢単価を発表していなかったら高いところからだんだんにおろしてきたら100%と99%で落札できるやんか、単価、いくらでも。これは一般土木の場合は、これはアウトやったら、もう指名替えなんだ。だから、その業者は外されるんよ。だけれども、この場合には11件は高どまりからいくらでも、これはいくらでもというのは語弊あるけれども、少なくとも、ここへ基準価格、設計単価に届かなかった場合は、もう1回でも2回でも入札できるだけの機会ができるわけやろう。そうしたら、君の言うような高どまりになるから、こうやって予定価格を公表せんというのはちょっと矛盾しとらへん。意味わかるかい、僕の言っておること。

○見並総括室長 森本委員がおっしゃることもよくわかりますが、先程山口参考人がおっしゃられたように、一般の物件では、情報化の調達もそうですけれども、建設業のようにランクづけをして、そういう同じ規模の業者が何社もそろっているという状況は非常に少ないわけですね。そういうこともあって、1社で応札した場合も落札可能というような形でやっておりますし、それから、全国の状況も、私どもが現在つかんでいるところでは、物件関係で一般競争をやっているという県は非常に少ない状況です。その中で一部予定価格を公表しているのは、例えば施設管理業務の清掃業務等で、大阪府の清掃業務等で予定価格を公表しているという実例はございます。それと、福岡市もこれも清掃業務ですけれども、公表しておるという実例はございます。けれども、これらはいずれも積算価格の明確な積算が可能だということでやられているものでございまして、積算が建設業のようにきちっと決まらないものについては難しいというのが実情です。

○森本委員 いじめようとしておるんじゃないんやけれども、文言がおかしいからやで。というのは、この10ページを見てみ。仕様書の精度向上による適正な価格の作成を進めていきたいと言っておりながら、それは一般土木の適正な価格と予定価格と何ら変わるところはないんと違うの。この予定価格に適正な予定価格とは何ぞや。

○見並総括室長 ここの10ページにも書かれているように、やはりその競争性とか公平性、それから、透明性が確保されるような仕様書づくりというのは、今までも努力はしてきておりますけれども、まだまだ不十分な点がございまして、その精度を高めていくということがまずは第一義的に大事なんじゃないかと考えております。

○森本委員 通り一遍の話を聞いておるんじゃないんさ。じゃ、君らはここへこれだけのものを書いたんだったら、公平性、透明性で今までに欠けていたこと、こういう点で問題点があったから、今後は仕様書の精度の向上に適正な予定価格にしていきたいという、これを書いた理由をちょっと例を挙げて教えてくれさ。

○中川推進監 やはり今までは不十分であったと。

○森本委員 不十分じゃなしに、これを書くというのは、こういう問題点があったから仕様書の適正な精度を向上すると、今までこういう部分については精度が悪かったんやと、こんな書き方やったら通り一遍の上っ面をなでるだけで、本当の問題の解決になっていないということをおれは言いたいんさ。

○稲垣委員長 言葉だけじゃなくということですよね。そうやって書いてある以上は、具体的にどういうところが問題だったのかというところを踏まえて多分書いていただいたということでしょうから、そこを推進監の方で、もし答弁できたら。

○中川推進監 これまでやはり業者の見積もりをとるといった場合にも、中身がやはり不十分で、ごく大ざっぱな見積もりで、それをそのままうのみにしてというような場面がこれまでも多くございました。やはりそういうことではいけないだろうというようなことで、そういった場合にやはり原課の方から私どもが相談を受けた場合に、やはり見積もりをとる場合には、こういった観点でもう少し詳しい内容を求めなさいというようなことでお手伝いをさせていただいて、なるべくそういう詳細にわたる見積もりをとるようなことを進めまして、最終的な仕様をつくり上げるというようなことが最終的には適正な予定価格をつくるということにつながっていくんだろうというふうに考えております。

○森本委員 その答弁は満足せんよ、君の答弁に満足して納得しとるわけじゃない、全然納得していない、今のはもう本当に即製の答弁やわ。君らがこれ文書を書くのについて、一つ一つ責任持ってした、おれは答弁やと思わんよ。まあ、ええわ。これ以上突っ込んだって何も。
 もう一つ聞きたいのは、この12ページ、7億9,300万、これ減額になったんや。それで、参考人はこう言うたわ。この情報システムの予算要求前の審査というのは余り当てになりませんよと。こんなのは当てにならんのは十分承知、わかった、参考人の意見でわかったけれども、あんたたちは、この7億9,300万の減額した理由というのはどういうことで理由にしたの。

○中川推進監 ここにも少し書かせていただきましたですけれども、まずはシステム熟度が、検討の熟度が低い、もう少しお考えをいただきたいというような場面、それから緊急度の問題、どうしても来年度やらなければいけないのかと、もう少し先でもいいんではないかというような理由、それから積算ですね。積算の見直しで中身がちょっと過剰な見積もりになっていませんかというようなことで積算をし直したというような理由、そういったものでございます。

○森本委員 この積算は野村何とかというあれがやったわけだよね。

○中川推進監 すべてではございません。

○森本委員 すべてではないんかい。僕はそういうふうな理解をしたからさ、当初と今回違うというのはおかしいなという気はしたけれども、ただ、あなたの話を聞いておると、こんなものは過大だというようなのは、参考人の意見というのは、いわゆる今の国の方針が変わってきたりするから、それはやむを得なんのだというあれやったけれども、あんたのは過大設計だとか、そういうのはそんな論点に基づいてこの7億9,300万というのは減額したの。

○中川推進監 昨年の7億9,300万につきましては、今、申しました必要性、緊急性が低いといった理由のものが3件、それから、システム化の検討の熟度がもう少し低いのではないか、もう少し検討されたいとしたものが4件、それから、経費の積算の見直し等が10件、それから、運用条件の見直し、こういったものが2件、それから、サーバーの統合と、システムサーバーの統合といったものが2件、こういった内容でございました。

○森本委員 もう長くなるからやめるけれども、それやったら予算要求前の審査と調達前の審査が同じ委員でやっておるわけやろう。それで、そんなような違いが出てくるんかい。

○中川推進監 今、申しました7億9,300万は予算調達前審査のところで出てきた数字でございます。

○森本委員 10月1日からの予算要求前審査とは違うの。

○中川推進監 こちらでございます。

○森本委員 その委員と、この6月ぐらい、この調達前のとは違うんかい。この6月か7月にあるやないか、この黒枠で囲っているのは同じ委員が審査するのと違うの。

○中川推進監 同じ委員でございます。情報システム審査委員会のまず上の方が予算要求前審査ということで、こちらで審査いたしましたのが原課から予算要求がありました61億5,000万程、それを18年度の10月ほぼ1カ月をかけましてヒアリング等を行いまして、その中でそういった検討をされまして、この11月1日の予算情報システム審査委員会の方に上げさせていただきました。そこで、その審査内容を取りまとめたものが、そこで妥当とされた金額が53億5,800万ということで、その差が7億9,300万ということになっておると。

○森本委員 僕は参考人の言うような話だったら、これはええと思う。これはやはり前年度では国の方針も決まっていないからええと思うけれども、だけれども、今、あんたらの言うのはそういう形じゃなくて無駄があるよ、あれがこんなのは課題だよとかというようなものをこの時点ではじくんなら、予算要求前にもはじけたような問題ではないのかなという気はするけれども、いいわ。もう水かけ論になるから、もうよろしいけれども、ちょっと参考人にお尋ねしたいんだけれども、今の問題は別として、ちょっと先程の予定価格だとか、僕と執行部のやりとりを見て、どうですか、僕は決して彼らの言うことは間違うとるとは言っておるんじゃないけれども、参考人としての感覚はどうとらえたかな。

○山口参考人 この一般競争入札にして、1社応札になって90%以上というのは、これは必ず最初に起きます。どこでも起きてしまう。これをどうやってクリアするかで、これを例えば精査をやるからどうこうではなくて、そのために10年かかってしまうと。実は単純なトリックがあって、業者は競争入札のときに何を調べるかというと、予定価格ではないんです。何社応札するか、1社か1社でないか、これだけなんです。1社の場合には作戦があって、先程言われたように再入札がありますから、予定価格関係なく上からいけばいいはずなんです。よって、予定価格を全額とれます。2社の場合には、ほかがとるかもしれないので、そうはいかないです。なので、幾つかの自治体では何社応札するかを絶対に業者にわからない仕組みを考えています。例えば、名古屋市の場合には、全件電子入札で、かつ説明書も手渡しでなくホームページからダウンロードですので、職員ですら何社が応札するかわからないんです、開札の時点まで、入札の時点まで。ただ、それはそれなりにまた問題はあるんです。問題はあるんですけれども、要は業者が何社応札するかどうかを知らせないだけで、全然状況が変わってくると思います。

○森本委員 全くそのとおりだろうと私も思います。大変貴重なアドバイスありがとうございました。
 終わります。

○中嶋委員 午前中の最後でばたばたっといってしまったんで、もう1回ちょっと今回のネットワーク構築・運用保守委託のことで確認させていただきたいんですが、この提案書で、例えば私、申し上げているのが、アクセスポイントですね。アクセスポイントについて、どういう提案をされているかというと、本体の型番非公開、形状非公開、インターフェース非公開、CPU非公開、メモリー非公開、キャッシュメモリー非公開、電源装置非公開という提案内容なんですね。とか、それから、電源のコンバーターですね。電源のコンバーター、これは本体の型番とか形状とかはあります。だけれども、能力を示すCPU、メモリーは非公開というのがずっと幾つも続いている。かつ信頼性については、この販売台数がどこででかわからないんですけれども、年間1万8,000から2万台で、平均故障間隔が7.41年以上というようなことがあって提案をされている。
 それから、同じアクセスポイントの件に戻るんですけれども、これについての例えば導入実績とか、なぜここのJVが、この名前もわからない非公開のアクセスポイントを選定したのかという理由。導入実績は何も書いてありません。こういった提案内容をどういう形で審査をして、落札をして決めたのか。このあたりが非常に私はわかりづらい。
 そういう中で、この選定委員会というのは本当に機能しているのかということを問いたいんです。ここにも選定委員のメンバーもいらっしゃいますが、実際のところ、この選定委員会というのは形だけの委員会になっているんじゃないんですかということを改めて問いたいんですが、そうなると、この調達前審査と言われるものが非常に重要なんではないんですか。となると、三谷委員がご指摘されてように、基本計画から予算要求前審査をして、かつ調達前審査もかかわってくる外部のコンサルタントの影響力というのは非常に大きくなるんじゃないんですか。それじゃ、やはり形つくっても、仕組みつくっても、適切な調達というのが果たしてできているのかというのは説明責任つかないんじゃないんですか、こういうことを申し上げたかったのですが、これについてご意見をお聞かせいただきたいんですが。

○中西室長 中嶋委員ご指摘の機器の仕様が非公開となっておるということで、今回、委員がおっしゃられるのは、アクセスポイントにある幹線エッジ機器と言われるようなところかと思います。これらにつきましては、仕様書の方でこの機械機器につきましては、今回の場合は回線サービス、今回ケーブルテレビになるんですけれども、ケーブルテレビさんの回線サービスを使わせていただくということになりますので、このエッジ機器というのはケーブルさんの方のネットワーク機器ということになります。このネットワーク機器につきましては、仕様書の中で特に回線サービスとしての機器の仕様は特に定めていないというようにも書いてございますし、また、入札前の質疑応答でも回線サービスとしてこの機器については公開可能であれば提示することと、非公開であっても失格とはならないよというような形で、以前質問された方々に対してお答えをしたという点でございます。
 それから、もう1点、信頼性につきましては、まことに委員がおっしゃられたとおりなんですけれども、導入台数ではなくて平均故障時間ということで、機器によっては19年に1回起こりますよというようなものもございますし、7.41年で1回故障しますというようなものの記述という、2つの信頼性のところの記載になっております。また、一般的には本体の型番が向こうの方が提案を明記されておりますので、市場の評価によって信頼に足る機器がどうかという判断は可能だということで判断しております。
 以上、この非公開、エッジ機器、アクセスポイントからの回線サービスもケーブルさん側のネットワーク機器の部分の機器が非公開となっておるのは、回線サービスとして私どもへ納入していただく機器じゃありませんので、あえてケーブルさんの機器ですので、非公開であっても失格にはならないという点と、信頼性についてはそういう故障が何年に1回起きる、あるいはまた型番を書くことによって、おおよその判断ができるというようなことでございます。
 以上です。

○中嶋委員 もう議決してしまった話なので、この契約のことを振り返って申し上げることは余り建設的な議論でないのであれなんですが、何か改めて今のお話を聞くと、結局今回、NTT西日本とケーブルコモンネット三重というところのJVなんですが、ケーブルコモンネット三重が入っていないところはとても今回のこの入札に対して入れなかったんじゃないんですかというふうなことを改めて感じてしまうんですが、全くケーブルコモンネットと関係ないところが本当に入れたのかどうか。特に、提案見積書を見ても、機器についてはさっきのアクセスポイントのところは別として、その定価が大体出ているんですね。定価が出ているんですけれども、ケーブルの使用料については定価がなくて納入価格だけが上がっていて、本当にこれが適正な価格なのかどうかというのも、結局言い値っぽいようなところもあって、どうもちょっとやはり腑に落ちない部分があるんです。あるんですが、そういうのはもうこの一つの契約事案なんで、このことを今、言っても余り建設的議論じゃないので、改めて話を戻したいんですが、その選定委員会でそういったことを前提として、これは県の職員の皆さんだけで選定委員会をされているわけですが、そういったことを皆さん、わかった上でご議論いただいているのか。それともそれは、この調達前審査の段階でさまざまなアドバイスをいただいているからわかって、選定委員としてこういう判断をされたのか、そのへんはどうなんでしょうか。

○中西室長 提案書が出てまいりますのは入札日以降になりますので、この学識経験者の意見聴取並びに選定委員会での審査ということになります。そういうことで、私も職員の方で下調べ、下審査は行った上で学識経験者の先生3名ございますけれども、3名の方々に提案書を見ていただきまして、ご意見をちょうだいした上で選定委員の方に審査をいただいたという状況でございます。

○中嶋委員 さっきのアクセスポイントの話を例に例えるんですが、今、おっしゃられたように、14社なりが問い合わせが来たときにアクセスポイントについては非公開でも構いませんよと、失格になりませんよというのは、これは調達前審査の段階で外部コンサルからのそういうアドバイスがあつたからそれを答えんじゃないんですか、それはどうなんですか。

○中西室長 これは仕様書の中に回線サービスの場合は非公開でもいいということでお書きをしておりますので、回線サービスの場合というケースもありますし、回線サービスでなくて光ファイバーをそのまま導入、貸し付けるようなサービス形態もあるというようなことでございますので、いろいろな形があるということでございます。

○中嶋委員 その仕様をつくる一番のポイントになるのがこの調達前審査の段階じゃないんでしょうか、そういう理解を私はしたんですが、違ってますでしょうか。そこの調達前審査というのを私はもっと充実させたいという、させるべきだという観点で申し上げておるんですが、そこで改めて仕様書を最終決定しているのはこの調達前審査の段階ではないんですか。

○中川推進監 仕様書を作成いたしますのは、当然システム管理者のところでつくり上げて、その内容につきまして、審査委員会のところでは部会の方でそういった内容について説明を聞いて、妥当であるかどうかという判断をさせていただいて、その意見書案を上部の審査委員会に上げさせていただいて、そこでほかの調達方法とか、そういったものをあわせて判断をさせていただいているということでございます。

○中嶋委員 ちょっと理解できなかったんですけれども、もう1回、私の質問が悪かったかもしれないんですけれども、すごく仕様書って大事なわけですよね。今日の山口参考人のお話からいっても、最初に予算要求段階でつくる仕様というのは、結局のところなかなか実際の発注段階とはやはりずれがあって、予算が認められた、実際本当に発注しようと仕様書をつくる段階というのがとても大事になってくるわけですよね。そのときにこの調達前審査という段階が私はそこに当たるんじゃないんですかという質問なんですが、イエスかノーかで言ったらどっちなんでしょうか。

○中川推進監 審査委員会でつくり上げるというものではございません。

○中嶋委員 その仕様書は最終的に誰がつくっているんですか。それは誰がチェックしているんですか。

○中川推進監 つくるのはネットワークの管理者というところで発注仕様書はつくるということになります。それを審査委員会、あるいは部会の方でチェックをさせていただいたということでございます。

○中嶋委員 ここの12ページのところには、調達前審査に「仕様書・設計金額の妥当性等を審査」と、こう書いてあるんですよね。結局ここがつくるのはネットワーク管理者としましょうよ。だけれども、それが妥当なのかどうかというのは、この審査委員会が調達前審査でチェックするわけですよね。ということは、ここでだめじゃないと言ったら仕様書は変わるんじゃないんですか。

○中川推進監 ここで妥当でないという結論になれば、もう一度原課の方でお考えいただくということになります。

○中嶋委員 結局このシステム、その仕組み自体を否定しているんじゃないんですよ。この仕組みでいくんであれば、この調達前の審査のところをより充実させて、かつここと選定委員会がもっと連携する形、調達前に想定していた仕様どおりに提案がなされてきていて、その業者が本当に適正かどうかということを選定委員が考えるという、まさにプランした部分をちゃんと提案しているかどうかというのをチェックする選定委員とが連携していないことには、仕組みつくっても本当に提案書がいいのかどうか、想定していたどおりなのかというあたりがうまくチェックできない、機能が回らないんじゃないんですかということを感じてお尋ねさせてもらっているんです。そういう観点で考えると、この調達前審査というところをいかに充実させるかということが非常に重要になってくる。そこで、さっき午前の最後に言った、こういうところにいわゆる外部的な、CIO的な方が最初の要求前審査とは違う立場で入ってもらってやるべきじゃないかというふうに考えるんですが、どうでしょうか。

○中川推進監 この調達前審査、確かにここを充実させるということが、参考人の方もおっしゃいましたように、重要なところだというふうに我々も考えております。

 そこで、ここの審査委員会のところで実効性の上がる審査ができるようにということで、今後とも充実させるように努力をしていきたいというふうに考えております。

○中嶋委員 十分充実していただくように、ご努力いただきますことをお願い申し上げて終わります。

○稲垣委員長 ほかにご質問はございますか。

          (「なし」の声あり)

○稲垣委員長 じゃ、最後に確認だけ。今、いろいろなご意見あったんですけれども、一番大事なのは、このランニングコストを下げるところということなのかなというふうに私も聞かせていただいておって、この表のランニングコストを何とか削減するためにというところで、先程、中嶋委員や三谷委員、それから森本委員も言われていましたが、この調達前審査の充実というのをどのようにしていくか、本来この12ページの表は予算要求前の審査で7億9,000万削減できましたよというのではなくて、この調達前審査のところでどのように、例えば削減ができただとかということがあらわれてくるのが本来なんだろうなと思いますし、今、それがないということは、そこが余り機能していないのかなというふうにも感じとられましたので、そのあたりの充実をいただいて、それとともに、参考人が言っていただいた、例えば、でき上がったものを抜き打ちでもチェックをしていくということが、より完成したもののいいものになっていくんだと思いますから、そういうことも今後ちょっとこの仕組みの中へ入れ込んでいただくのと、このチェックリストを2つ予算要求前審査と調達前審査のチェックリストってあるんですけれども、例えばでき上がったもの、決算時チェックリストかわからないですけれども、でき上がったものをしっかりとチェックしていくんだという視点を、こういうリストをつくるのがええのかどうかあれですけれども、そういう考え方はやはりちょっと入れ込んでいただかないと、いい形にはなっていかないのかなというのを今の議論で感じましたんで、ぜひそのあたりをまたご検討もいただきたいと思いますし、今回この206のシステムと、あと34の大規模のシステムの台帳もつくっていただいて出していただきましたが、これを今後チェックしていく中では非常に有効かなと思いますから、ぜひ有効に使っていただくのと、それから、先程から出ている、これを今後チェックしていくのにCIOの設置とか、このあたりについても検討もいただく必要があるのかなと思いますし、1点だけちょっと確認をしたいなと思ったのが、参考人の方から今後のステージとしては、近隣の県と共同化という言葉を使われていましたけれども、こういうことをやはりやっていくのが次のステージに入っていくには必要なんじゃないかという話もあったんですが、そのあたりについてだけちょっと部長の方から、例えば三重県が率先して、難しいというお話もありましたけれども、難しいといったら進まないんであって、三重県が率先して、そういうことをやはり先進県としてやっていくんだという動きをしていただきたいなというような提案も今、あったかと思うんですが、そのあたりの考え方だけちょっと最後にお聞きをします。

○戸神部長 先程いろいろご指摘いただきました、この調達前審査の件、それから、抜き取り検証、さらにチェックリストも、そういった全体が進化していくことも非常に大切でございますので、よりよいものにして充実させていくという方向で検討させていただきたい。
 最後におっしゃった共同化の話ですが、お隣の岐阜県あたりは非常に先進だと伺っています。実際に3県で構成される会議が設置されておりますが、なかなかベースのところがすり合わないところが多く、理想はあっても現実的に共同化というところまでの話にはまだ至っておりません。ただ、そういった打ち合わせ会議を設置し、問題意識は持っておりますので、その中での話になると思います。
 以上です。

○稲垣委員長 その打ち合わせの会議をより充実させていただいて、多分担当者レベルでやっていただいているんだと思うんですが、例えばですけれども、山口参考人みたいな方の話も聞きながら、どういうふうにしていくのがいいのか、これからの自治体にとってその方がやはり有益なんだと、ベンダーに対しての、というような視点を持つと、また議論も変わってくるのかなと思いますので、ぜひ充実をさせていただきたいなと思います。
 最後に、60システム、34の大型システムに26を加えた60システムをこれから知事部局のシステムについて検討を進めていくと言われましたが、参考人からは、今、業者がねらっておるのは知事部局以外のところにシフトしておるという話もありましたので、業者の方が一歩先を行っているような感じも思いましたから、せっかく書いていただいておるんですが、そこらへんもしっかりと意識をしていただきたいなと思います。
 以上で本日の調査項目よろしいですか、では本日の調査項目を終了させていただきます。
 委員以外の方は退室をお願います。お疲れさまでした。
 委員の方はご協議願うことがありますので、そのままお待ちください。
 参考人の山口さん、ありがとうございました。また今後ともよろしくお願いいたします。

          (委員以外退室)

 

Ⅱ 委員協議

 1.常任委員会関係

 (1)常任委員長報告    正副委員長に一任

 

 〔閉会の宣言〕

 

 以上、会議の要綱を記し、ここに押印する。

平成20年 2月 7日

政策防災常任委員長   稲 垣 昭 義

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