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三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成19年度 委員会会議録 > 平成20年3月10日 予算決算常任委員会 会議録

平成20年3月10日  予算決算常任委員会 会議録


 予算決算常任委員会

会 議 録

(開 会 中) 
 

開催年月日   平成20年3月10日  自 午前10時2分 ~ 至 午後3時10分

会 議 室   全員協議会室

出席   50名

委 員 長     西場 信行  君

副委員長   日沖 正信  君

委  員      山中 光茂  君     津村   衛  君

委  員      森野 真治  君     水谷 正美  君

委  員      村林   聡  君     小林 正人  君

委  員      奥野 英介  君     中川 康洋  君

委  員      今井 智広  君     杉本 熊野  さん

委  員      藤田 宜三  君     後藤 健一  君

委  員      辻 三千宣  君     笹井 健司  君

委  員      中村   勝  君     稲垣 昭義  君

委  員      服部 富男  君     竹上 真人  君

委  員      青木 謙順  君     中森 博文  君

委  員      末松 則子  さん    中嶋 年規  君

委  員      真弓 俊郎  君     北川 裕之  君

委  員       舘  直人  君     前田 剛志  君

委  員      藤田 泰樹  君     田中   博  君

委  員      大野 秀郎  君     前野 和美  君

委  員      水谷   隆  君     野田勇喜雄  君

委  員      岩田 隆嘉  君     貝増 吉郎  君

委  員      山本   勝  君     吉川   実  君

委  員      森本 繁史  君     桜井 義之  君

委  員      舟橋 裕幸  君     三谷 哲央  君

委  員      中村 進一  君     西塚 宗郎  君

委  員      萩野 虔一  君     永田 正巳  君

委  員      山本 教和  君     中川 正美  君

委  員      藤田 正美  君     萩原 量吉  君

欠席   なし

出席説明員

知  事   野呂 昭彦  君

副 知 事   望月 達史  君

出 納 長   土橋 伸好  君

[政策部]

部  長   戸神 範雄  君

その他関係職員

[総務部]

部  長   福井 信行  君

その他関係職員

   

[防災危機管理部]

部  長   中西 正明  君

その他関係職員

[生活部]

部  長   安田  正  君

その他関係職員

[健康福祉部]

部  長   向井 正治  君

その他関係職員

[環境森林部]

部  長   小山  巧  君

その他関係職員

[農林商工部]

部  長   中尾 兼隆  君

その他関係職員

[県土整備部]

部  長   野田 素延  君

その他関係職員

[出納局]

副出納長兼

出納局長   堀木 稔生  君

その他関係職員

[人事委員会事務局]

局  長   溝畑 一雄  君

[監査委員事務局]

局  長   天野 光敏  君

その他関係職員

[教育委員会事務局]

教 育 長   安田 敏春  君

その他関係職員

[警察本部]

本 部 長   大庭 靖彦  君

その他関係職員

[病院事業庁]

庁  長   田中 正道  君

その他関係職員

[企業庁]

庁  長   横山 昭司  君

その他関係職員

傍聴議             なし

県政記者クラブ   7名

傍 聴 者        6名

議題および協議事項

1 予算議案及び予算関連議案にかかる総括質疑

 (1)付託議案58件(予算議案 31件、予算関連議案 27件)

 

【会議の経過とその結果】

 

〔開会の宣言〕

 

総括質疑

 (1)質疑・答弁

○西場委員長 ただいまから予算決算常任委員会を開会いたします。
本日は、本委員会に付託されました予算議案及び予算関連議案に係る総括質疑を行います。
質疑の会派別の持ち時間は、午前中は、新政みえ115分、午後は順番に、自民・無所属議員団82分、未来塾14分、日本共産党三重県議団10分、自民党青雲会県議団10分、公明党10分でありますので、よろしくお願いいたします。
 関連質問については、同一会派内で会派の持ち時間の範囲内で認めることといたします。
 なお、今回の総括質疑に際して、質問委員から演壇でのパネル掲示について申し出があり、理事会で協議しました結果、これを認めることといたしました。演壇でのパネル資料と同様のものを委員、執行部及び傍聴者に配付しましたので、ご了承願います。
 それでは、順次、質疑を願います。

○西塚委員 おはようございます。新政みえの西塚でございます。今日の総括質疑、私どもの会派に与えられました時間115分でありますけれども、5人でそれぞれ分担をして質問させていただきたい、こんなふうに思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 それでは、まず初めに、野呂知事は福祉医療費助成制度にかかわって、議会の立場は財政に対する責任を感じないところがある、このように議会を暗に批判したとのマスコミ報道がありました。このことは、去る2月19日の全員協議会で萩原議員からも取り上げられましたところでありますけれども、私からも少しお尋ねをしたい、このように思います。
 どのようにおっしゃられたかは私自身が知る由もありませんけれども、複数のマスコミが取り上げられたことを考えますと、それらしいことをおっしゃられたのではないか、こんなふうに思っているところであります。このことは議会にとりまして大変重大な意味を持っているのではないか、このように思っているところであります。
 歳入に関して、議会は権限を持っておりませんけれども、そのために予算の調製やあるいは編成に関しては知事の権限とされ、予算の修正につきましても議会には増額の修正は認められていないところであります。しかし、地方財政における財政民主主義は、県民の代表である議会が予算を議決することによって実現をされているところでありますし、すなわち議会の議決を経て初めて執行機関が予算を執行できる、このようになっているところであります。このことからも、議会も財政について責任を持っている、このように私自身は解釈をしているところであります。
 野呂知事の議会の立場は、財政に対する責任を感じないところがあるという発言が本当にあったとするならば、議会は予算に関する要求や、あるいは要望はするなということになり、議会として予算に対する県民の意見を反映させることができなくなるのではないでしょうか。
 また、三重県議会基本条例に規定した政策提言についても、予算の伴う政策提言ができないことになってしまうのではないか、このように思うところであります。知事のご見解をお尋ねをしたいと思います。

○野呂知事 今、二元代表制を追求するということで、議会改革、議会の方でも熱心にお取組をいただいておるところであります。これまで議会基本条例あるいは会期2回制といったような中で、私もぜひ執行部にかかわる観点が多いということで、いろいろと意見を申し上げたいということを議会の方にも伝えてまいりました。そして、機会をいただくために、私としても積極的に議論にも参加をしてきたところでございます。
 その中で、実はいわゆる議会の政策提言も含めて、議会の責任のあり方ということについて、いろいろとこれまでも議論の中でも出させていただいたところでございます。議会においては、もちろんそれぞれ選挙で選ばれ、そして議会において、例えば予算といったようなものについては議会の同意がなければ執行ができるというものではありません。
 しかし、一方で、今、議会の方で、むしろ知事の予算権というものについても、議会のかかわりはどうなんだという議論があり、あるいは新たな政策提言をして、それを知事にやらせるべきではないかというようないろいろなご意見があります。私は、いろいろなご意見、ご議論については極めて重要だと思っております。しかしながら、一方で法律的には執行の最終的な責任として、すべて住民からの訴訟等の対象は、議会が議会の意思で決めたことであり、私が仮にそれはだめですよと、こう申し上げたことがあったとしても、最終的にはその責任を知事に持ってこられるということになるわけでございます。そういう意味では、ぜひその責任について、議会の責任ということについて今の制度の中でどういう形になっておるのかということを共有した中で議論を進めさせていただきたいなと、こう思っております。
 言葉の使い方としては、先般の言葉遣いが適当であったかどうかということについては、私も今後もっと慎重になるべきだと、こう思っております。

○西塚委員 予算を執行するに当たって、最終的に知事の責任が問われると、こういうことになるんだろうというふうに思っておりますけれども、私ども議会も、むやみに無責任にいろいろな要求やら要望やら、そんなことしているつもりもありません。時間の関係もありますので先に進ませていただきたいと思います。
 次に、財政の都道府県格差についてお尋ねをしたいと思います。知事は、第1回定例会の議案の提案説明で、本県経済は平16年、17年度の実質経済成長率が2カ年連続で全国1位になり、平成18年の県内製造品出荷額は全国屈指の伸び率で増加し、その後も北勢地域を中心に活発な設備投資が行われており、県経済は全体として堅調に推移している、このように述べられたところであります。
 ところで、このような三重県経済の状況が本年度の予算に反映されず、平成20年度当初予算は借換債を除きますと6,770億250万円余りであり、対前年比1.8%のマイナス予算であります。平成20年度地方財政計画の規模は、後程申し上げます税制改正の影響を前倒しするための地方再生対策費4,000億円を加えて83.4兆円で、対前年比プラス0.3%でありますけれども、知事選挙の関係で暫定あるいは骨格予算とした大阪府、熊本県を除く45都道府県の当初予算案によれば、34道県で前年比マイナス予算となっております。
 2008年版地方財政白書によりますと、2006年度の地方税収は36兆5,100億円で東京6兆5,300億円、愛知2兆6,200億円、大阪2兆7,300億円で、3都府県合わせると11兆8,800億円で、実に全体の32.5%を超え、大都市と地方の格差を浮き彫りにしております。
 こうした状況の中で地域間の財政力格差の縮小に向け、平成20年度地方税制改正が今行われようとしております。現行の法人事業税を法人事業税と法人地方特別税に分割し、地方法人特別税の2兆6,000億円分を地方法人特別譲与税として人口、従業者数で案分し、譲与することにしております。総務省の試算によりますと、この税制改正により、三重県も東京都、愛知県、大阪府など減少になる7都府県の仲間に入り、20億円の減収が見込まれているところであります。この改正は、平成20年10月1日以降に開始する事業年度から適用されることになっており、実際に影響するのは平成21年度からでありますけれども、三重県にとりまして極めて厳しい税制改正になるのではないか、このように思っているところであります。
 また、個人住民税における寄附金税制の改正、いわゆるふるさと納税制度が創設されることになっております。これらの税制改正は国会で審議中でありますけれども、既に三重県では2月22日から、ふるさと納税制度にかかわってホームページが開設され、PRが始まっております。ふるさと納税制度については本会議で、抜本的な格差是正にならないけれども、制度の趣旨を大切にし、応援してもらうために制度を活用すると野呂知事は答弁をされております。今回の税制改革によって、地域間の財政力格差が縮小されると考えておられるのかどうか、そのことについてお尋ねをしたいと思います。
 また、ふるさと納税制度による寄附金が平成20年度どの程度見込まれるのか、あわせてお尋ねをしたいと思います。

○野呂知事 今回、法人税について、地方の分について一部を格差是正に使うということでやっておるわけでありますけれども、実はこれは地方間の水平的な均衡を、水平的な配分をやろうとするものでありまして、根本的には今の税財政構造からいきますと、地方で必要な交付金そのものも交付できない、そういう状況で臨時財政対策債等を地方に地方債として発行してくれという国の大枠で来ておるわけであります。
 そういう意味では、私も知事会が今日主張しておりますように、地方交付税については前のような形で、とにかく足らない分を地方で立てかえて借金しておいてくれというような、そういう異常な形というのはやめてくださいよという形で、むしろ国と地方とのまず垂直的な配分の仕方ということを是正していかなければなりません。そういう意味では、私は言ってみれば、これは一つの姑息な手段だと。地方での大変な不満をそういう形でやるということについては、私は余り評価をするものではありません。しかし、全体として実は配分されるお金と、いわゆる地方特別対策費として出てくるものでいきますと、差し引きで若干三重県の場合にもプラスになるという点ではありがたいと、こう思っておるところであります。詳細については総務部長からお答えします。

○福井総務部長 ふるさと納税の関係でご質問がございました。ふるさと納税につきましては、ふるさとに対して貢献または応援をしたいという納税者の思いを実現する観点から、今地方税法の改正案に盛り込まれまして、現在国会において審議をされているところでございます。県といたしましても、ふるさとを応援する気持ちを地域の活性化につなげようという趣旨をしっかり受け止め、現在法案成立に備えまして準備を進めているところでございます。
 そこで、まずは県の取組を知っていただくために、「美し国おこし・三重」ですとか、あるいは新県立博物館、それから2009年の世界新体操選手権などトピック的なものを紹介するホームページを開設したところでございます。
 また、寄附金につきましては県内市町にも多くの寄附をいただければということで、県全体の地域振興につながるといった観点から、県内の市町と共同啓発などを連携しながら情報発信していく予定でございます。ただ、来年度の寄附金の見込みにつきましては、来年度が寄附制度の初年度で見込みがたいという部分、それから県内外問わず全国の都道府県と市町村いずれにも寄附できることから、都道府県間、それから県と市町間など自治体間の財源移動の規模というのが非常に予測しにくいことから、平成20年度では歳入には計上せず、来年度の寄附金の歳入実績を見ながら補正予算において計上したいと、そのように考えております。

○西塚委員 特別地方法人税の関係でいきますと、東京都で3,200億円余り減額になるということが大変大きな金額でありますけれども、その他のところでは愛知県で430億円程度、大阪が220億円程度ということですね。ほとんど大都市と地方との、東京都そのものは随分金額が大きくなっておりますけれども、その他のところでは大した金額ではありませんので、この都市と地方との格差是正というのはなかなか図れないんではないか、こんなふうに思っておりまして、ぜひ知事には全国知事会等を通じて格差是正の方策といいますか、そういったものについて真剣に要望していただきたい、こんなふうに思っております。
 時間が余りありませんので、次に進ませていただきたいと思います。
 去る7日の本会議で貝増議員からも取り上げられた課題でありますけれども、RDF焼却発電事業についてお尋ねをしたいと思います。このRDF焼却発電事業につきましては、桑名広域清掃事業組合は可燃性ごみ処理施設をRDF化施設で整備をすること、そして三重県は広域的モデル事業としてRDFの安定的な利用先であるRDF発電施設を整備するとしたRDF化構想に関する確認書が平成9年3月26日、三重県と桑名広域清掃事業組合との間で交わされ、そして具体的に進められてきた課題であります。この確認書の中でRDF処理費用については一切触れられておりません。さらにモデル事業とされておりますけれども、事業の終期、つまり終わりでありますけれども、これらについても一切触れられていないところであります。
 RDF処理費用については、今三重県から現行の1トン当たり5,058円から9,420円へ値上げをするようにということで関係市町に提案がなされ、協議がなされているところであります。処理費用については、平成12年11月9日付け「RDF焼却発電におけるRDF処理料についてお願い」という文書で初めて各市町に提案がなされたところであります。当初は、処理料を市町村に負担していただかなくても運営できるとしてきた経緯があるわけであります。その後、電気事業法の改正や、あるいはダイオキシン類の規制強化、そして安全対策の強化など計画当初と事情が変化したとはいえ、県がただで、こういったふうに言ってきた経過も踏まえて、市町の理解が得られるように慎重な協議を進めていただきたい、こんなふうに思っているところであります
 さて、モデル事業ということについてであります。RDF焼却発電事業は、桑名広域清掃事業組合との確認書にもありますように、モデル事業として整備されてきたところであります。先程申し上げましたように確認書では事業の終わりが明確にされていなかったわけでありますけれども、平成12年11月9日付け処理料についてのお願い文書で、施設更新の考え方についてモデル事業として位置づけていることから、施設の耐用年数経過後、この耐用年数の経過というのは税法上の耐用年数でありますので、平成28年度末になるわけでありますけれども、ごみ処理技術の動向あるいは費用負担のあり方など総合的に検討し、対応すべきであると考えております。このようにして初めて県の考え方が述べられたわけであります。
 ところが、公営企業、企業庁のあり方検討委員会でありますけれども、この報告の中ではモデル事業として平成14年度から平成28年度末までの事業期間を設定をして実施しているものであり、計画期間内は県として責任を有するものと、一方的に県の考え方が述べられているわけであります。
 モデルとは何を意味するのか辞書で調べてみました。辞書によりますと、モデルとは模範あるいは手本という意味であります。実験や試験をしているのとは意味が全く違うわけであります。しかも、今日まで施設建設費に国庫補助金21億円余が入っておりますけれども、91億4,500万円をかけ、そして施設運営費につきましては平成14年度から18年度までの5年間34億5,400万円かかり、なおかつ貯蔵槽の爆発事故にかかわりまして、総額53億3,200万円の損害をこうむり、莫大な資金を要してきた施設であります。RDF焼却発電事業は三重県の発案で、桑名広域清掃事業組合を初め多くの市町に莫大な費用をかけさせたRDF化施設を造らせ、税法上の耐用年数が来たからと、一方的に事業運営から三重県が撤退できるわけではない、このように私は思っているわけであります。ぜひそのことについて改めて知事のご見解をお伺いしたいと思います。

○野呂知事 ご指摘ありましたけれども、RDF焼却発電事業については、関係市町と構成をしておりますRDF運営協議会総務運営部会におきまして、処理委託料等の協議をやっておるところでございます。その中で県としての今後のあり方、考え方を言ったらどうだと、こういう趣旨のご意見があったところでありましたので、昨年12月に県から処理委託料のあり方をあわせて提案を申し上げたというところでございます。
 1つは、市町の負担軽減のために、既に平成17年度までの累積損失については県が負担するということになっておりましたが、18年、19年の損失額、これにつきましても、これも約4億円ぐらいになりますね、これを負担をするということ、それから平成28年度末までに安定的にやっぱり運営をしていかなければなりませんので、今の5,058円を9,420円に上げさせていただきたいということ、さらには、県の事業として28年度末をもって終息をさせていただくということを申し上げたところでございます。
 モデル事業ということについては、平成29年度以降この事業主体になるかならないのか、モデルでありますから、その間のいろいろな検証に基づいて考えるのが一般でありましょう。ただ、今の状況では県と市町の負担が大変いびつになっておりますから、したがって、それ以降、県民に理解をいただいてやっていくということについては、かなり難しい状況ではないか。そういう意味では28年度までの事業収支計画がございますから、そこで、とにかく県としての責任は終えるということが正当ではないかな、正しいのではないかな、こういうふうに思っております。
 市町においても今財政事情が大変なときでありますから、RDFの関係市町も負担を少しでも下げたいということは、これはお気持ちとしてわかります。しかし、例えばさっき、いろいろこれまでかかってたき費用負担についてもお話がございましたけれども、例えば市町が言うような5,058円をずっと28年度まで続けていくということになりましたら、建設当初からかかっている経費で、大体その中からもちろん国庫補助金も抜き、あるいは売電収入も、それも差し引いた上でも、大体県の方での実質負担は90億円を超えていく、92億ぐらいになるんではないかと考えられます。それに比して関係市町全体でご負担いただくのは30億ぐらい。すなわち県の負担が全体の75%を占めていくというようなことについて、その後もそんな前提で継続維持ということは、とてもじゃないけれども、私は県民の理解を得られないのではないかと、こう考えておるところであります。
 したがって、29年度以降のことを考えるならば、28年度までにこういったこのモデル事業としてやってきた事業がしっかり安定的に運営できるというそのような体制を、まず市町との理解のもとに確立をしていくということが大事でございます。そんなことでありますので、今回の提案につきましても関係市町と今後、さきほどの運営協議会の部会だとか、あるいはもっとレベルを上げた理事会等でも、しっかり判断をしていかなければならない、こう思って協議を進めていきたいと思っておるところでございます。

○西塚委員 余り時間がありませんので、このことだけをずっと議論するということにはならなんわけですけれども、そうすると知事も本会議でおっしゃられましたけれども、安定的に経営できることが前提であるとかおっしゃってみえるわけですが、この安定的に運営できるということは、市町が9,420円の値上げに応じれば29年度以降も県が責任持って主体的に運営していく、こんなふうに考えていいかどうかだけ、ちょっと確認させてください。

○野呂知事 9,420円に料金を上げていただいた上で、28年度末までの県と市町との負担額を見てみましても、市町がその場合には50億円負担をする。平成14年度以降全体で50億円負担するということになりますが、三重県の方は73億円ぐらいの負担になります。こうなりますと、6対4で県の方が6割負担して市町が4割負担というような、もしもそういうふうな状況で、特定の市町にかかるRDF事業を今後も続けていくんだということについて県民の理解が得られるかどうか、そういう観点からよく検討していかなければならないことだと思います。

○西塚委員 市町がこの値上げに応じてもらえるかどうかというのは別にしまして、そもそも県の発案で始めてきた事業でありますので、一定程度の市町の理解が得られると、そういう事態になりましたら、ぜひ県が主体的に運営をしていただきたい、こんなことを申し上げて終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

○水谷(正美)委員 初めての予算総括質疑をさせていただきます。新政みえ所属、四日市選出の水谷正美でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 質問のテーマは、野呂県政の財政運営、予算編成について、そこを中心にお伺いをしたいというふうに思っています。
 野呂県政において、財政の健全化という点において、どういうお考えを持っておられるのかということについてお伺いしていくわけですが、野呂知事は就任以来、我々県議会、県民に対して大きく4つのメッセージを送っておられます。まず1つ目ですが、就任初期に財政問題検討会を設置して検討を行い、事務事業の徹底的な見直しや人件費の総額抑制、県債発行の抑制などに取り組んできたということ。2つ目に、財政の健全化が最重要課題であるので、みえ経営改善プランを策定し、当該年度の収入に見合った歳出規模を目指していくということ。3つ目にチャンスを的確にとらえていく必要があり、選択と集中を行って、簡素で効率的な身の丈に合った行財政運営に努めていくこと。4つ目に、地方財政は国の制度の制約があり、三重県の税収が増加をしても、地方交付税等が削減をされ、県民に税収増の効果を十分に発揮できないこと。今までのご発言、議事録から大体そういうメッセージをお話しになっておられる。このメッセージは、国の制度の制約があってということもあって、大体どこの自治体の経営者、為政者、首長も検討機関を同じように作って、改善プランを作って、そして選択と集中、簡素・効率、身の丈予算という同じような内容にどうしてもなるわけですね。
 それでは、野呂県政において、財政の健全化というのは具体的にどういうことをおっしゃろうとしているのかというのを過去の議会答弁から探ってまいりますと、我が派の田中博議員の「健全化の定義とはいかに」という質問に対し、こう答弁をされています。「財政の健全化の定義についてでありますけれども、特に定まったものがあるわけではございませんけれども、中長期的には財政の弾力性を確保し、持続可能な行政運営を行うということではないかと、こう思っております」ということなんです。
 中長期的に財政の弾力性を確保するということなんですが、これはもう言うまでもありませんけれども、経常収支比率ということになってきます。これは経営指標として財政運営指標として当然のことなんですが、まず総務部長にお伺いしますけれども、収入に占める義務的経費、固定費の割合を示す経常収支比率の19年度見込みについてどうなりますか、お答えをいただきたいと思います。

○福井総務部長 経常収支比率ですが、19年6月補正後の予算ですと、経常収支比率につきましては95.1%となり、経常経費、これにつきましては人件費、それから扶助費、それから公債費等の扶助的な経費に充当された一般財源の額を、県税ですとか普通交付税を中心とした経常的な一般財源の総額に占める割合ということで試算したものでございます。
 以上でございます。

○水谷(正美)委員 総務部長、すみません、分母と分子の正確な数字もお願いできますか。

○福井総務部長 経常経費の充当一般財源が4,090億円、それに対しまして経常一般財源の総額が4,298億円というような数字でございますので、今申し上げました分母が4,298分の4,090ということで、95.1%ということでございます。

○水谷(正美)委員 ありがとうございました。
 この95.1%というのは現時点の数字だということになります。この我々議会に去年7月に「三重県財政の現状と今後の見通し」という資料を財政当局から出していただきました。この資料は、去年7月時点では借金の残高は1兆円を超えないという予測の資料だったんですけれども、この20年度予算で起債総額が1兆円を超えてくるということになりましたものですから、財政当局に資料の再作成をお願いをいたしまして、出てきたのがお手元の資料でございます。
 テレビをごらんの皆さんはちょっと見にくいかもしれませんが、この資料で何がわかってくるかということですが、残念ながら財政当局が出している経営改善プランというのは平成22年度まででございますので、その中で唯一これから5年先、7年先、27年までの一般会計公債費及び県債の残高将来推計の資料がこれでございました。平成20年時点で公債費、借金の返済額は、折れ線グラフのところですけれども、931億円ですね。931億円になる。5年後、平成25年の時点では1,178億円になります。先程の経常収支比率を求める際の分子部分が約250億円上がってくると、公債費、折れ線グラフのところですが、ということになりました。分母部分は収入部分ですから、先程総務部長お話になられました。19年度で4,298億円。仮に5年間2ポイントずつ上昇したとしても、分母は4,745億円ですから、この公債費の5年間から250億円押し上げるというのは、経常収支比率で5ポイント押し上げるということになります。つまり分母部分約5,000億円、4,745億円、2ポイントアップしてですね。その分の250億円の公債費率増ということになりますから、そうですね。
 平成25年時点で経常収支比率が100%を超えてくるということになってくるというふうに推測ができます。公債費の25年まで借換等を行わないといけないのではないかというふうな議論も当然起こってくるわけですが、こういう具体的な議論も行わざるを得ない。野呂知事はこれから博物館構想の中で、どこかに起債を置かなくてはいけないわけですけれども、そういう提案を議会にされるわけですが、過去に藤田正美議員が財政再建のプログラムを立論する時期だと何度も主張しておられまして、このご主張は私も同感でございますけれども、そのときの答弁で知事は、「不確定要素が多い中では中長期の余りがんじがらめのものを作ってみても、それがそのとおり推移するのかどうかもわからない中で、それを強調し過ぎても、まずいんではないかと、私はこう思います」というふうに答えておられます。過去の議事録から読み解くと、ここの部分は完全に私と見解が違うのですが、野呂知事の現在のご見解をお伺いします。

○野呂知事 まず、ご提示いただいたこの表の見方でありますけれども、折れ線のところはさっきおっしゃったように公債費でありますけれども、この黒の塗りつぶしてある、これがいわゆる建設のために借りておる債権、借金であります。これは見ていただいてもわかりますように、今国が公共事業費を毎年3%ずつ減らしていくんだと。2006年の骨太方針でもそういうことを決め、そして三重県もそういう方針のもとでこれを削減していくということでありますから、これはもう頭打ちであります。
 さて、この白い方でありますが、この白い方の全額ではありませんけれども、このほとんどは、いわゆる地方が行政サービスを担っていく、その需要を満たすのに財政的にどうしても足りなくなる。本来なら交付税で措置をするという形でやっていくべきであるけれども、国にはそのお金を出す余裕がないから、すまんけれども、国の肩がわりで地方の方で借金をしてくださいよということで言われておるところです。
 したがって、確かにこれずっと1兆円を超えていくということになりますけれども、そこのこの白い部分は、この将来交付税で完全に国の方で、これはちゃんとまた手当てをさせていただきますということになっておるところでございます。したがいまして、そういうふうに考えていきますと、今後の財政についてどうなっていくかということについては、例えば今回、東京都等の法人税を取って、そして地方で手当てできるようにする。しかし、当面はすまんけれども、これも地方の借金で地方臨時財政特別債でちょっと賄ってくれよと、こういうふうなことが言われてくるわけですね。ですから、政府の言うことも、ぐらぐら変わるわけですよ。ですから、そういったところもきちっと見ておかなければならないということです。
 それから、水谷委員もこれから市長になられたり、総理になられたりという機会もあるかもしれません。しかし、政治家としてマネジメントしていく際には、その数字のことはもちろん裏づけとして大事であります。しかし、どういうふうに運営していくかということについては、私はもっともっといろいろな要点から考えていかなければならないと思います。
 まず第1に、政治家として私が言っておるのは、こういういびつな地方と国との財政状況というのはいかんのではないかと。だから、国に対して私はどの県の知事よりも厳しく、そのことを批判をし、そして言っておるつもりであります。少なくとも地方が裁量権を持って使えるような財源をきちっと地方に手当てをするということが大事であります。そのために、その財源ももちろん権限もでありますが、そのために地方分権ということをしっかり進めなきゃならんということを言っておるわけであります。
 あなたが好きな道州制ということについてもですよ、あなたはいつもそれを言われるけれども、しかし現にこの間の三位一体改革も、三位一体改革の名のもとに国の借金を地方に押しつけたばっかりでしょう。だから、道州制という議論を、地方分権の議論をきちっとやらずに、今のような財政構造や変革をやらずにやるならば、またぞろ結局は国の財政再建ができないことを地方に押しつけてくることを道州制で利用してくるということだってあり得るわけですね。ですから、結論を申し上げればこういうことですよ。三重県はやっぱりその中で、ぎりぎり三重県民の未来を考えながらしっかり頑張っていくということです。ただし、ほかの県も三重県以上に大変なんでありますから、少なくともほかの府県よりはまだ三重県の方が健全ですよということを維持しながら、三重県がつぶれるときはこの日本がつぶれるときだと、このぐらいの覚悟でやっていくべきだ、そんな覚悟でやっておるんで、数字での議論だけではない、政治家としてやっぱり命かけるというのはそういうところだと思っております。

○水谷(正美)委員 知事、なかなかいいご答弁をしていただきまして、道州制の議論まで今日は25分しか私時間与えられておりませんので、そこのところは触れないでおこうと思いますが、ただ知事の答弁の中で、やはり余りにも国の制度が悪いんではないかということを強調し過ぎると思うんですよ。
 私は、ここは知事と考え方少し違うのは、例えば子どもを育てるときに、余り人のことを言うなと、何か起こったときにですね。その環境のせいにするなということを言って自立心を育てようとします。知事は、いや、これは国が悪いんだからというふうなことを、よくそこのところで逃げ込むようなイメージを持つわけでございます。この議論すると長くなりますので、話を財政運営に戻したいと思いますけれども、少なくとも知事はこの20年度の予算で起債を起こして、その償還は2年後から始まる。5年間債務負担その議案も出しているわけですから、5年後どうなるのかという議論ぐらいはさせていただきたいというふうに思うんです。
 議会に出ている資料というのは残念ながら先程パネルで示したのが最長のものでございまして、あと経営改善プランでは平成22年度までだということでございますので、それは秋に博物館構想が出てくる。この後、基本設計、実施設計というふうに来年度おそらく向かっていくんだろうという予測はしますけれども、その中で説明責任を果たしていただきたいというふうに思っております。
 次に進みますが、義務的経費、固定費についてです。この中には人件費が含まれます。先程の経常収支比率の分子の部分ですね。知事は平成16年度から18年度、この3カ年を財政健全化に向けた集中取組期間と位置づけて、知事を含め幹部職員の給与をカットする、平成22年度までに知事部局で10%に当たる約480人の削減をするなど、さまざまな取組をされています。ただ、野呂県政においては、人件費の総額を確実に把握し切れていないというのがわかってまいりました。決算統計の中で物件費に紛れ込む人件費についてはどうなっているのか。これは定数、一般行政職員の方々を削減していくという中で業務補助職員、一般臨時職員、再任用職員、それぞれどうなっているのかということなんです。議会に対しては決算統計の中で、その人件費、物件費の中で、物件費に紛れ込んだ人件費をきっちり説明をいただかなきゃいけないというふうに考えるんですが、総務部長、業務補助職員の方の数で結構ですが、何名いらっしゃって人件費はどれぐらいになるのかと、お答えください。

○福井総務部長 19年4月1日現在で405名、それにつきましては事務系職員、それから技術系、の業務補助員もおりますけれども、合わせて405名ということでございます。
 総人件費につきましては、405名で、大体単価が7,550円ぐらいというような形で、それから日数も月何日と決まっておりますので、6億6,000万円ぐらいでございます。
 なお、総定数というか、業務補助員の数につきましても、基本的には定数と同じように大幅に見直しをしてきております。平成9年当時ですと560名ぐらいおりましたのが、平成11年以降は大体400名前後のところで推移している状況でございます。

○水谷(正美)委員 これは知事部局の方の数だと思いますが、教育関係、警察関係ではどうですかね。

○福井総務部長 何分教育委員会、それから警察本部等ほかのところについてはちょっと把握しておりませんので、後程届けさせていただきます。

○水谷(正美)委員 総額についてもおそらく概算だと思います。業務補助職員の任用根拠というのは地方公務員法の17条を根拠として、身分としては一般職の地方公務員、時間外手当、通勤手当等もあるわけですが、その総額の把握というのはいつごろできそうですか。

○福井総務部長 後程資料を届けさせていただきたいと思います。

○水谷(正美)委員 人件費の把握については、定数の削減が適正なのか。前回の総括質疑の中で萩野委員がおっしゃっておられました食の安全についての人員の配置については、額の問題等もあって、これから重要なので、そこは増員すべきじゃないかと、私もそう思います。業務補助職員の方と常勤職員の方の定数のその割合がどうなっていくのか。これはもう先進自治体は当然把握をしております。三重県は周回おくれというふうに私は感じるんです。この把握自身ができていないということ、それから人件費自体が、例えば住民1人当たりの官のセクターの人的コストがどういう推移を経ているかということまで把握をして議論になっているという状況ですので、適正に把握をしていただきたいと思いますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、予算インセンティブ節約制度でございます。このインセンティブ制度についてどういうものか、総務部長お答えをいただきたいと思います。

○福井総務部長 インセンティブ予算の制度ということで、従来の使い切り予算の是正のための対応といたしまして、平成8年度から事業の効率的な執行によります事業費の節減を行った額につきまして、翌年度以降の予算の財源として活用制度を導入したところでございます。制度創設の平成8年度には節減額の2分の1を翌年度以降に活用できるというふうにしてきておりますけれども、平成14年度からは新しい予算編成の仕組みといたしまして、施策別の財源配分制度を導入したことから、節減額の全額10分の10を翌年度以降に活用できるようにしてございます。それによりまして、各部局におきます節減努力のインセンティブをより高める見直しを行ったところでございます。
 節減内容については、例えば研修会ですとか、それから会議、それからそういったところの配付資料の削減ですとか、それから外部講師を取りやめまして、職員なり、お金のかからない講師さんにお願いするなどしたり、それから警察の信号機などの保守点検の委託についても、一部の部分は職員で対応するというようなことをしております。額的には節減の取組が定着してきていますので、ここ数年は減ってきておりますけれども、平成20年では1億5,600万円程度というようなことでございます。今後も当該制度活用しまして、各部局には働きかけてまいりたい、そのように考えています。

○水谷(正)委員 このインセンティブ制度というのは、これができたとき私はもう画期的な制度だと思っておりまして、各部が予算を使い切るものとの従来の発想、固定概念を打ち破るために、創意工夫によるコスト縮減に努力した場合には次年度以降の予算編成のための財源として各部に配分するというもの、これが先程説明ありましたように野呂知事が就任をしてから、だんだん減ってきているわけですね。平成15年度予算、16年度にその反映をしてくるわけですが、16年度に3億7,000万円近くあったものが今は1億5,000万円程度だということなんです。大体60%減ってきていると。
 この減りぐあいなんですが、どうしてこうやって減ってきてしまったんだろうなというふうに思うんですが、確かに投資的経費自身は減ってきています。これは就任当時と比べると16%ぐらいの減ですので、60%減の理由にはなかなかならないということになると、このインセンティブ制度のアイデア、工夫自体がだんだんなくなってきているのか、アイデア自身がもう出尽くしたのか、あるいは県庁の風土、会社でいえば社風ですよね。その風土が変わってきている。どうせ出しても国の制度があって頭打ちだから、もう出さないでおこうというふうになってきているのか。そのへんを少し私は懸念をするわけです。
 これちょっと部長にお伺いしたいんですが、各部長の中でどうして減ってきているというふうに思われるか。マイクに近い野田県土整備部長どうですか。

○野田県土整備部長 減っていることについては私も把握していないんですが、今年補正予算等を見ますと、私どもも予算も減じている部分もかなりありまして、特に特別会計なんか相当の額を減させていただいていますので、そういうことは余り意識していないので、一生懸命頑張っておるというふうに理解していただきたいと思います。

○水谷(正)委員 野田部長、さっき野呂知事が県土整備部に聞くよりも、ほかの部署に聞いた方がいいよというふうにアドバイスがありましたので、健康福祉部長どうですか。

○向井健康福祉部長 インセンティブ予算についての近年の推移がどうかというご質問でございます。やはりできた当初につきましては、以前の使い切り予算というところから思い切った考え方ということで、かなり各部局も一生懸命取り組んだところがございます。それによって次の年度の自分のところの予算編成に非常にいろいろな要素を持たせられるというところでございます。近年減ってきておりますのは、実際の予算額自体がいろいろなシーリングとかのことで非常に窮屈になってきている。編成自身も非常に考えた末のこと、また少なくなっていく財政の中での本当に考えた考えた末の予算編成しています。そういう中で、さあ、その使い切り予算からインセンティブのために節約していこうといいましても、その節約する努力の幅がだんだん難しくなってきたという傾向によって減ってきているものと私自身、そういうふうに感じているところでございます。

○水谷(正)委員 健康福祉部長、私が指名したわけじゃなくて、野呂知事が指名されました。野呂知事自身にもちょっとお伺いしたいんですが、その県庁の風土ですね、これが変わってきているんじゃないかという僕の懸念に対してお答えをいただきたいんですね。

○野呂知事 県庁の職員の本音というのは、なかなか私みたいにぶっきらぼうにはよう言わんでしょうけれども、しかし、こんな状況はいいかげんにしておいてほしいという思いはやっぱりあると思いますね。というのは、今こういう状況が続いてきますと、私はこの国がもう本当におかしくなっていくだろうと、こう思っております。でありますから、例えば三重県が頑張っても頑張っても、増えた税が生かせないとか、県民に還元ができない。そして、世の中にはいろいろなひずみがどんどん増えてくるわけですね。そういう実態からいくと、この国のありようというものについては、全く県庁の職員もいいかげんにしてほしいという気持ちはあると思いますね。
 しかし、問題を起こす職員もたまにあるわけですが、全体はよくやっていると思います。というのは、例えば率先実行を募集したところ、今年は190件、過去にない取組をやってきました。それは、そういう大変財政が厳しい中で、文化力を生かしながら新しい時代の公にふさわしい、そういう県政の展開をやるために、各部で想像力を駆使して、いろいろな取組やっているんですよ。私は本当にそういう県庁の職員は宝だと、こう思っております。したがいまして、何年か前と比べますと数段、質はよくなっておると、こう思っております。

○水谷(正)委員 どうもありがとうございました。
 若干異議のあるところもありますが、時間になりましたので、また次の議論とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

○前田委員 おはようございます。新政みえ所属、津市選出の前田でございます。時間の方が6分、前任者が押しておりますので、質問も簡潔にさせていただきますので、できたら野呂知事、答弁の方も簡潔によろしくお願い申し上げたいと思います。
 そして、先程の水谷委員の質問の答弁の中で、野呂知事の本当に県政にかける熱い思いを聞かせていただいて、予定した質問が非常にしにくいなという思いでございますが、数点簡潔にご質問させていただきたいと思います。
 まず1点目は、非常に厳しい財政実情の中で、先程も答弁に何度か出てきておりましたが、文化力を政策のベースに、新しい時代の公という形の展開をもとに、質の行財政改革を進めていただいております。いろいろな取組を試行錯誤しながら、まだスタートされたばかりかと思いますが、ややもすると非常に抽象的な言葉が多うございまして、県民の皆様方からいただく意見としては、まだまだ理解していただけていないのかな、ややもすると改革が少し緩やかに変わってきているんではないかといったような声も聞かせていただくところでございます。そういった点の中で来年度の予算編成の中でも、いろいろと試行錯誤をしながら予算編成をしております。特にみえの舞台づくり広報戦略事業として3,150万円予算編成されながら、具体的事例等々テレビ放映48回ぐらい予定しながら放映等も予定されておるということであります。
 以前文化力で大野委員が質問されたように、県民幸せプランの中で文化力を特出ししろとは私は言いませんので、せめてこのみえ経営改善プラン、三重県として、これが三重県の行財政改革だと思います。知事がおっしゃられる質の行財政改革も、この中に織り込まれていなければいけないんですが、前の文章にはそういう言葉がよく見えます。ただ、中身を見ていきますと、従来の行財政改革の内容なのかな、質の行政改革が余り織り込まれていないんではないかなという思いがございます。ぜひともこのみえ経営改善プランの中に、そういった方針あるいは具体的な項目の特出しも含めながら進めていただくべきではないかと思いますが、お考えをまずお聞かせいただきたいと思います。

○野呂知事 改革ということについての考え方でありますけれども、私は改革を目玉に、そしてその成果を誇るという政治はレベルの低いものだと、こう思っております。改革は、改めるべきを改めるのは当たり前のことでありますから、こういうことについてはしっかりもちろん明記をしながら進めていくことであると思います。大事なのは、やっぱり県民に対して本当に大事なものを県政の項目としてどう展開していくかということであります。その上で、やっぱりしっかり成果を出していくべきだと、こういうふうに思います。質の行政改革というのは、いわゆる旧来型のそういう改革、改革というものではない、もうちょっと深みのある突っ込み方をしましょうよということで、ぜひ進めていきたいと、こう考えておるわけであります。
 しかし、これは当初から申し上げておるように対症療法的なものではなくて漢方薬的な、いわゆる社会全体の質も変わっていかなきゃならない、体質改善もしていかなきゃならん部分もあり、そういう中で私たちの生き方、三重県民の生き方を高められるような、そういう舞台づくりをやっていこうということであります。表現の仕方については、なかなか難しいところもあり、職員も苦労しておるかと思います。ご指摘のあったように、もっともっと県民にわかりやすい、そういう表現をできるように努力を積み重ねていきたいと、こう思っておるところです。

○前田委員 とても前向きなご答弁と理解をさせていただきます。
 知事がおっしゃられるように、あくまで改革というのは目的でなく、よりよくしていくための手法であるという認識は私も一緒でございます。ただ非常に厳しい行財政の中、そしてまた時代の流れが日本国も含めながら世界的にもグローバルな社会の中で、やはりきっちりと時代に合った行政というのも進めていくということがとても大事かなと思います。ぜひとも知事がまさに進めようとしているのは新しい時代の公ですから、県民の皆さんと一緒に新たに三重県を創っていきましょうよという思いが、その県民の皆さんに伝わっていなければ、しょせん絵にかいたもちに終わるんではないかなという思いでございますので、いろいろとひざ詰めミーティングなり、本音でトークなり、お取組も苦労いただいておるのも十分理解はしておりますが、もっともっと積極的な説明責任を果たしていただいて、本当にともに三重県を創っていけるという形の中でお進めもいただきたいなと思います
時間が余りありませんので、答弁はありがとうございます。みえ経営改善プランの中で少し具体的な項目2点だけ確認もさせていただきたいと思います。
 まず先程、知事の熱い答弁の中で県庁職員が変わってきた、そして宝だというご答弁もありました。その中で聞かせていただくのは非常につろうございますが、定員適正化計画についてでございます。
 17年度から22年度に向けて4.6%、約1,140人の削減を目標に今、取組をしていただいております。現状で、おおむね四、五百人の削減という状況の中、非常に業務の質が高まってきている、難しくなってきている時代の中での削減ということで、非常に職場としても繁忙感があるのではないかという状況の中で、22年度の目標達成というのが現状の状況の中で見込みが可能なのかどうかお聞かせいただきたいと思いますし、また具体的な手法の中では少しスピードが遅いと先程も指摘をさせていただいたように、この改善プランの中で民間委託等の推進がございます。基本的には指定管理者制度やPFI等々の活用を図っていくということで取組が進められております。来年度の予算にも総務センターがようやく予算編成をされ、スタートをされるという状況でございますが、大阪府を初め他県では、もう既に実施されているところもあり、少しスピードが遅いのではないかな。さらにはPFIなり、市場化テスト等々についても導入を検討しますというプランになっておるんですが、一向に姿形が飾り文句のように「検討します、検討します」という中で見えてこないというのが私の所感でございます。その点について、具体的なお考えがございましたらご答弁よろしくお願いいたします。

○福井総務部長 まず定員適正化計画の関係でございますけれども、経営改善プランをこの6月で改定をしております。当初の計画よりは、国等の動きもございますし、財政状況等勘案しまして、かなり大幅に削減数を増加させたところでございます。結果といたしまして、知事部局におきましては、当初4年間で480名の削減ということでございまして、18年度で140名を既に削減しておりますので、残り3カ年で340名ということで計画をしております。19年度につきましては110名を削減しておりますので、大体340名で先程委員のご指摘もございました総務センターの関係は最終年の予定をしておりますので、大体3で割りますと110名ぐらいとしておけば、大体おおむねに進むのかなというようなことで、今後計画的に削減の方は進めていきたいと考えております。
 それから、本県における市場化テストの関係ということで、これにつきましては18年7月に「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律」というのが施行されたところでございます。簡素で効率的な政府を実現する観点から、民間にできることは民間にという考えのもとに官民競争入札ですとか、民間の競争入札に付すことでサービスの質の維持向上と経費の削減を図ろうとするものでございます。
 しかしながら、国が進めております市場化テストの対象業務につきましては、民間事業者の意見も踏まえ、法律で規定をされておりまして、このうち県の関係につきましては納税証明書の請求受付と引渡ということでございますが、本県におきましては、その大部分につきましては、もう既に自動発券機で処理をしておりまして、現状では市場化テストの導入効果はほとんどないのかなと考えております。
 しかしながら、公共サービス改革法に基づく国の動向ですとか、他府県につきましてはいろいろな専門学校の職業訓練ですとか、庁舎の管理等もやっている事例もございますので、そういった他府県の取組ですとか、法によらず実施されています他府県の取組を引き続き注視していくとともに、制度導入の意義ですとか効果を慎重に見計らいながら、その他の外部委託の手法等も視野に入れながら検討を行っていきたいと考えております。
 以上でございます。

○前田委員 ご答弁ありがとうございました。やはりまだまだ検討されていないんだな、現状の状況だけであり、他府県の実態すらまだ調査できていない、できていて時間がないから答弁してもらわなかったのかわからないんですが。だから他府県でも、もう既にやられているんですから、よその県よりも逆に先行しながら三重県としてもやっていってはどうかという項目も含めながら、ぜひとも前向きな検討もしていただきたい。こうだから適していない、すべてやれということは当然言いませんので、その中でいい項目があるならば積極的に進めていただきたい。お隣の愛知県でも旅券の窓口を民間が入札したというニュースも聞いておりますし、大阪府も行財政改革の中で本当に必死で取り組んでみえる、そこらへんの先駆的な事例も参考にしながら、ぜひともお取組をいただきたい。
 特に今、団塊の世代の方々が定年退職をお迎えになられます。職員定数としても、当然自然減の補充をしなければですが、そういう状況の中で、職場としても非常に繁忙感が高い。そういうときこそピンチですが、逆に言えば適正化の委託なり、そういったシステムとしての変更していくチャンスではないかと思いますので、ぜひともこのチャンスのタイミングを逃さないように、また今後の取組の中で、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 それでは、2つ目の項目に入らさせていただきます。地震対策についてお聞かせいただきたいと思います。
 ある県民の方から、昨年テレビで東海地震を予言した人がいた、そういった話を聞かせていただきました。インターネットで調べてみますと、ブラジルの予言者のジョセリーノさんという方がテレビ報道の中で予言されてみえます。今年の具体的な日にちまで予言して見えるんですが、あえてこの場では省略をさせていただきます。別に予言に対してどうのこうの言う気はございません。ただ、そういうインターネットの掲示板なんかを見せていただいている中で、結構関心がやはり高い。そういった部分がある中で、逆に言うと、そういう予言してもらったならば、その予言に対してある程度の対応をしていく、「備えあれば憂いなし」という考え方のもとで、このチャンスにしていただきながら意識を高めていくこともできようかと思いますし、一つの取組の中としてしていただければなという程度で、まずなぜこの質問をさせていただくかという経過だけお話をさせていただきます。
 では、具体的に質問項目に入らせていただきますが、昨年、毎年やられていますが、防災に関する県民意識調査報告書がございます。これは14年度からずっとお続けをいただき、県民の皆さんの意識の状況を調査いただいているものでございます。昨年度の調査結果によると、おおむね関心があると答えていただいた方が90.6%、地震に対して関心は非常に高い。ただ、耐震診断を受けられた方は5.8%、本当に非常に低い。さらには、補強された方というのは診断を受けた方の中で29.5%という状況でございます。
 非常にいろいろなお取組をいただいてきている中ではございますが、まだまだ意識は高まってきたんですが、自分で自分の命を守るという自助の取組ということが進んでいないのかなというのを、このアンケート結果で読み取らせていただきます。県としても今後の対応として、地震への関心を自助の取組に結びつけていただくよう、地震に対する正しい知識と災害時のイメージを抱かせる啓発活動を継続的かつ効果的に行っていく。さらには、特に各家庭での住宅の耐震化、家具固定等を初めとする地震対策に啓発の重点を置くとともに、共助に当たる地域での自主的な防災活動が活発に行われるよう市町と連携し、さらなる地域防災力の向上を目指すという今後の対応がございます。
 そこで、ご質問ですが、来年度の予算編成に向けた取組の中で、防災危機管理部としてはトータルで約2億円プラスになっております。ただ、重点プログラム等々の取組の中では予算が5億円程度減額になっておる。個々の事業の内訳も当然あろうかと思いますが、県民意識調査結果を受けて、どう予算編成に反映されてみえるのか、お考えがあればお聞かせください。
 具体的な話の中で、「待ったなし耐震化プロジェクト事業」がございます。既に無料での耐震調査、そして一部補助での耐震補強という取組をいただいております。耐震診断については、昨年度までは8,000件を目標に取組をいただいてきたんですが、残念ながら実績が3,000件ぐらいで、どうやって上げるのだろうな、上げていかなきゃいけないと思っていたら、今年度は目標が何と3,000件と実績に目標値を合わせている。目標に実績を上げるんではなくて、実績に目標値を合わせる、非常に寂しい取組目標とされています。私はそういうことからも、もっともっと市町の方と協力しながら、既に1月末で3,000件近く実績が出ているならば、4,000件、5,000件、当初の8,000件の目標に近くなるような形で耐震診断の促進を進めていくべきではないかと思いますので、3,000件の目標に対して、もっと上積みすべきではないかと思いますので、お考えをお聞かせください。
 さらには、耐震補強に対しては全く進んでいないという状況の中で、国へも三重県として対象の拡大なり、補助率のアップなりという要望もしていただき、ようやく来年度から国が補助金額の加算をされる形になってまいりました。その中で、ぜひともその国の新しい制度をPRもいただきたいですし、補助対象というのを特定した密集地あるいは被災地、避難所への通路という制限がございますので、その枠をもっともっと広げながら限られた財源ですが、補助実績が今年も400戸の目標に対して、1月末時点ですが、129戸しか耐震補強の実績がないそんな状況と聞き及んでおります。それならば、もっと対象エリアを広げるなり、ご検討いただけないかと。
 まず、その3点についてお聞かせをいただきたいと思います。

○中西防災危機管理部長 防災危機管理部の重点プログラムの予算について減少しているのではないかというご質問でございますが、私どもの地震対策あるいは防災対策につきましては、各部が主体的に取り組んでいただいております、例えば委員ご指摘になりましたような耐震化対策だとか、道路の緊急輸送道路の対策だとかいったものを一応全部含めまして防災対策ということで予算計上させていただいておるところでございます。それを重点プログラムとしてつかまえまして、毎年これの推移を見ながら執行いたしておるところでございます。
 今年度、特に委員の方からご指摘ございましたけれども、総額的には増加になっているが、その重点プログラムだけを見ると減になっているのではないかというご指摘でございますが、これは選択と集中ということで、いろいろな防災対策が多岐にわたっておりますが、その中で特に重要なものというふうな形で十分に精査をいたしまして積み上げた結果でございますので、決して対策上予算が減少した、あるいは対策の力点が分散したというものではないと考えておりますので、ひとつご理解を賜りたいと思います。

○高杉県土整備部理事 木造住宅の耐震化についてお答えいたします。
 まず平成19年度の2月末現在でございますけれども、耐震診断につきましては3,000戸の契約に対しまして3,049戸ということで予算オーバーいたしましたんですけれども、内部で工夫いたしまして対応させていただいてございます。
 耐震補強につきましては400戸に対しまして138戸ということで、これまでの累計合わせまして450戸ということになっておりまして、命を守るための最も重要な取組であります住宅の耐震化が十分進んでいないということで、非常に申し訳なく思っているところでございます。
 耐震化がはかどらない一番の原因といたしましては、今年実施されました内閣府の世論調査では「費用がかかる」が42%、それから先程ご指摘ございました県の防災に関する県民意識調査でも「多額の費用がかかる」というのが75%ということになっておりまして、耐震化を促進するためには、経費の助成、経費の支援が非常に重要だと、このように認識しておるところでございます。
 そうした中で、従来国庫補助制度もあったわけでございますけれども、非常に地区要件が厳しくて、県内で対象になるところほとんどないと、こういう状況でございましたので、これまでは県と市合わせて連携いたしまして補助してきたんでございますけれども、地区要件の撤廃なり、補助率の引き上げにつきまして、国に対して予算に関する提言ということで要望してきた結果、来年度から補助制度が見直されることになりました。
 ただし、その中で地区要件が撤廃されたわけでございますけれども、所得制限が新たに設定されまして、例えばこれまでの県の補助でも所得制限一応設けておったんでございますが、4人世帯で年間約790万円というような数字でございますが、国の補助制度は例えば4人世帯ですと531万円ということで、現行の制度よりも非常に厳しくなるということでございますので、現在までの県あるいは市合わせて最大で60万円補助させていただくと、この制度は継続いたしまして、特に高齢者のみの世帯とか、あるいは国庫補助の対象にならない比較的所得の低い方、こういった方を対象には国庫補助制度を上乗せするというような形で来年度は取り組まさせていただきたいと考えておるところでございます。
 例えばこれまで補助をいたしまして補強工事をしていただきました工事の平均額が大体180万円でございます。これに対しまして現行では県が30万円、それから市町が30万円、合わせて60万円ということでございましたけれども、この国庫補助制度を上積みさせていただく、上乗せさせていただくことになれば、国が約20万7,000円上乗せできますので約80万7,000円ということになりまして、現行よりは補助額が上乗せになりますので、少しでも耐震化につながればと考えておるところでございます。
 そうした中で、もう一つこの補助制度が十分周知されていないというのもアンケート結果で出ておりましたので、来年度につきましては、その周知の仕方を十分工夫してまいりたいということでございます。特に住民の方々の一番の声を知ってみえますのは、市町の方々でございますので、市町の方々とも連携をいたしましてPR方法を工夫していきたいということ、それからもう一つ、これまで約1万6,000戸の耐震診断をしていただいておりまして、その9割以上の方が基準以下と、このような数字も出ておりまして、またそういったリストもございますので、そういった方に個別に働きかけをするとか、あるいは建築士会あるいは人材バンクとも連携をしていくとか、それからリフォーム会社によりましては、この国庫補助制度を独自にPRしていただいくと、こういった例もございますので、そういった事業者との連携もできるのかなと思っておりますので、これから市町の方々と一緒に、より効果的な方法を考えてまいりたいと、このように思っております。
 ただ、その地区要件でございますが、現行はそれぞれの市町が必要と判断されました地区を対象にしておりますので、ほとんど要望どおりにさせていただいておるというような状況でございます。また、その3,000戸の耐震診断枠でございますけれども、これも3,000戸以上の要望がございました場合については、内部でさまざまな工夫をしながら、可能な限り対応させていただきたいと、このように思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○前田委員 ありがとうございました。
 時間がありませんが、もう1点だけ聞かせてください。来年度予算の耐震関係の中で、高機能の震度計に取りかえるということで予算が上がっております。69市町村の中で1カ所という国の指示、補助事業の中で進められてきて、大地震等々の過去の経過の中で新機能に取りかえなければいけない。ただ、聞き及ぶところによると、3カ年で50カ所取りつける。したがって、69カ所マイナス50カ所、19カ所が減るということを漏れ聞いております。当然、合併した地元の話で恐縮ですが、津市なんかは10市町村が1つの市になるという合併でございまして、合併したから1つでいいということではないかと思いますし、3月3日の某新聞のコメントにもあるように、愛知、岐阜の両県でも、合併によって減らすことは考えられない、あるいは総務省の見解も、維持されることが望ましい。さらには、一緒に技術開発した名古屋大学の教授ですら、より詳細、細やかな把握が困難となるため、現状維持で減らすことはいかんのじゃないという指摘をされてみえます。その中で19カ所減らされる理由をお聞かせください。

○中西防災危機管理部長 現在県内に設置されております震度計は、平成8年に設置いたしまして、10年を経過いたしております。このため、現在の通信技術だとか規格に若干そぐわなくなってきておりますので、名古屋大学の方との共同開発で新しいスイングというのを完成いたしました。
 観測地点が、今、委員おっしゃるように69カ所から50カ所ということでございますけれども、まずこれは減らすという考え方ではなくて、いわゆる災害時における初動体制を構築する行政体にまず1カ所は要るであろうということがまず大前提になっております。したがいまして、29カ所でございますが、これに加えまして、県内には6つの大きな活断層がございます。したがいまして、この活断層の状況をきちっと把握できるようにということで、6カ所の活断層に対しまして、10地点の地震計を設置することにいたしております。
 さらには、東南海地震を初めとします海溝型の地震ということで、この観測地点をさらに詳細に観測するということで7カ所の設置を考えておりますし、もう1点は、平成11年から震度4以上の地震が発生したときに、同じ行政区域内におきましても震度が違うところが若干ございます。そういったところの震度分布を見まして、そこのところを詳細に観測できるようにということで4カ所を配置をいたしておりますので、これで合計50カ所ということでございます。学術的には確かに震度計が多ければ多い程いろいろなデータが得られるんでしょうけれども、まず行政体が災害発生時において初動体制をいかに構築するということについては、この50カ所で対応できるのではないかなと思っております。
 なお、今後、詳細な設置場所につきましては市町と協議をいたしまして設置をしてまいりたいと、このように考えております。

○前田委員 十分論議したかったんですが、残念ながら時間がありませんので、別の機会でさせていただきたいと思います。市町の初動体制ですから、県の方針というのはわかりますが、市町として初動体制をとるときに非常に広い中、本当に1カ所でいいのかな、そういったことも含めながら、十分市町と調整いただくことをお願い申し上げ、質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。

○笹井委員 こんにちは。新政みえの松阪選挙区の笹井健司でございます。限られた時間の中で2点ご質問申し上げたいと思います。
 まず第1点は、野呂知事のご理解とご努力によりまして今着々と進められております技術センターの施設整備、その所在をしておるのが嬉野地域であるわけでございますけれども、そこにある水田面積、試験田の水田が4ヘクタールありまして、緑地合わせて7ヘクタールになるわけでございますけれども、もちろん区画整理事業が完了と同時に隣接をしているわけでございます。これの将来性を1つ、そして同じく川北山の元開発公社跡地に文化財センターが今設置をされておりまして、発掘調査にご努力をいただいております。文化力のこれからの新博物館構想の中での博物館と、そうした埋蔵文化センターとの兼ね合いをどうされるのか、この2点について申し上げていきたいと思います。
 まず水田の事業でございますけれども、嬉野町の時代に駅周辺の区画整理事業51.1ヘクタールを組合施行として、一昨日精算のめどがついて、本年度ようやく竣工の式典を上げさせていただいたところでございます。幹部の皆さん方もご出席をいただいて、本当に花を添えていただきました。
 この事業は、57年に嬉野土地計画事業をあわせての組合施行として準備をさせていただいたところでございまして、59年度には当時環境庁の中でのアメニティータウン計画、快適環境のまちづくりということで、県のご指導のもとに指定を受けて、そうした事業を起こすための準備を整えてきたわけでございます。平成3年に、地権者の皆さん方のご努力、ご理解をいただいて組合施行がスタートしたところでございまして、以来17年間にわたる長きの事業計画でありました。
 この間の平成7年、8年には、発掘調査、文化財調査の中で人面土器等が発掘をされまして、片部遺跡、貝蔵遺跡を発見と同時に、日本一古い墨書土器が発掘されまして、全国に三重の嬉野、歴史と文化のまちをアピールすることができたわけでございます。今までは佐賀の嬉野しか、なかなか全国に知れ渡っていなかったわけでございますけれども、これによって三重の嬉野をアピールできました。そういう思い出もございます。
 さらに、平成13年には問題でありました1号踏切、これをアンダー計画ということでアンダーパスを完了いただいて、ようやく嬉野の元気さをここからスタートしたところでございます。この議会の中でも、その事業費が高価であるという議論をいただいて、金の隧道を造るのかという議論も聞かされてまいったわけでございますけれども、皆さん方のご努力によりまして、そうしたアンダー計画も見事に開通をいただき、今年精算に至ったという状況でございます。
 この事業は147億円という多額の事業でございまして、県当局の指導と支援をいただかなければできなかった事業でもございます。この事業をスタートする平成3年の組合を設立するときに、県の皆さん方と協議をさせていただいたときに、今の水田地域の7ヘクタールの区域も、将来を考えると市街化に編入して、一緒に事業を起こしていった方がいいのではないかという議論をさせていただきました。、道を隔てて街路灯が輝いた宅地基盤が成り立ったわけでございます。今になりますと、景観が非常に不つり合いで、駅をおりて東を眺めると、すばらしい田園の中に、今は宅地の中に自然の小高い古墳群の川北山というのがあります。そこで、7ヘクタールの試験田が行われているのが私は不自然ではなかろうかと思い、農振地区周辺の東側あるいは南側に農振地域が所在しておりますので、そちらへ移してほしいという協議を進めてきたんですけれども、それが実現することなく今日を迎えたわけでございます。
 私は将来の水田試験田としての基盤を備えているのかな、さらには、もっとその7ヘクタールを宅地造成をして高度利用すれば、県財政も潤ってくるんではなかろうかなという考えともなるわけでございまして、今取り組んでいただいておる農業研究部の施設整備とあわせて、将来の構想をお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

○高橋政策部理事 笹井委員の水田の利用の件についてお答えいたします。
 農業研究部には景観を初め周辺地域に配慮いたしまして、隣接地区との境界にシラカシを植栽した約7ヘクタールの水田、ご指摘のように試験場の試験圃場がございまして、水稲とか麦、大豆等の栽培技術ですとか、水稲の育種、地力に関する試験研究を行っているところでございます。この試験圃場では県内各地の地域特性に対応した試験研究を行うために、灰色の低い土地の土壌と書きます灰色低地土壌ですとか、それから黒、ブラックに片仮名でボクと書きます黒ボク土壌、こういった三重県の主要な土壌条件を再現いたしまして、栽培試験と土壌の状態の経年変化を見る試験など長期に、かつ総合的な解析が必要な試験研究に取り組んでいるところでございます。
 具体的には、本県の気候風土に適し、高品質でおいしく安定的に生産でき、しかも病害虫に強い水稲新品種の研究ですとか、大規模経営を対象といたしました稲、麦、大豆を2年に3作栽培いたしますためのもみ等を直接まく直播栽培技術の開発、あるいは気候や地力変化に対応でき、大規模経営にも導入できる高品質なコシヒカリの栽培技術の開発などに取り組んでいるところでございます。
 また、これまで長年にわたって取り組んでまいりました試験研究の成果を生かしつつ、効率的、効果的な試験研究を行うためには、今後とも同じ土壌条件での試験圃場で継続して試験を行うことが必要なものもございます。農業研究の推進に当たりましては、試験圃場は極めて重要な研究基盤でございますことから、現在の試験圃場を活用し、多様化、高度化する消費ニーズですとか、安全・安心に対応した栽培技術、品種育成の取組はもとより、大規模経営等に対応した栽培研究なども継続して取り組んで本県農業の振興を図っていくことが重要だと考えております。
 また、平成20年度には三重県農林水産支援センターが同じ敷地内に移転が計画されておりますので、同一敷地内にあります農業大学校あるいは中央農業改良普及センターとともに相互に連携をいたしまして、本県農業の研究技術支援の拠点として一層充実してまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

○笹井委員 本当に農業はこれから大切な時期を迎えておりますし、なお一層そういう施設整備とあわせて内容の充実をいただきたいと思うわけでございますけれども、とりわけ7ヘクタールの地域を東あるいは南には農業振興地域、水田が面しておりますので、一般の農家の皆さん方の土地を借用するなり、あるいは買収計画を進めるなりということで、今の位置を変えていく方向についてはいかがでしょうか。

○高橋政策部理事 先程もご答弁申し上げましたけれども、この圃場は県内各地の地域特性に対応した多様な土壌条件を再現したものでございまして、国の委託研究等も含めまして長期的な経年変化を調査してきたものなどございまして、仮に他に移すということになりますと、現在と同じような土壌条件を再現する必要がございます。
 また、先程申し上げましたけれども、農業大学校とか中央改良普及センターとの連携というのも考えていかなければならないと思っておりますし、また財源等の問題もございますので、中長期的な検討課題として考えていきたいと思いますので、ご理解を賜りたいと思います。

○笹井委員 財政的な問題もあろうかと思いますけれども、7ヘクタールを例えば今の試験田を宅地造成に変えて宅地提供になりますと非常に高価なものになってくるんではなかろうかなと思いますし、ぜひ私はもう少し景観的にも、あるいは高度利用からも、その位置の変更というものも含めていただいて、将来の展望に立っていただきたいなと思うところでもございます。
 もう1点、埋蔵文化センターが開発公社として今利用いただいて所在をしておりますけれども、これからの博物館の新構想とあわせて、文化財センターの内容というものがどうなっているのかお知らせをいただきたいなと思います。

○安田教育長 埋蔵文化センターは今斎宮歴史博物館と併設したところに設置をしてございまして、県内のいろいろなところで発掘をしております出土の管理とか研究を行っているところでございます。その出土したものが随分と増えてまいりまして、いろいろなところへ保管をさせていただいているところでありますが、その一部を今、旧農業開発公社のところへ保管をさせていただいているところであります。これをランク分けをいたしまして、ABCのように重要度分けいたしまして保管をさせていただいて、その都度また研究に必要な場合はそこから取り出して、また研究させていただいて、またそこへ戻す、保管をするという、そういう管理をやっているところでございます。埋蔵文化センター自体は、研究自体は斎宮歴史博物館と併設した場所でやっておりまして、保管と分けておりますけれども、博物館そのものはこれから知事部局の方で所管をいたしますけれども、埋蔵文化センターの方は引き続き教育委員会の方で所管をして、これからも進めてまいりたいと、このように思っているところでございます。以上です。

○笹井委員 ありがとうございます。
 昨年も斎宮歴史博物館を見せていただいて、そうした発掘されましたそれぞれの歴史的なものがたくさん所蔵されております。もう少し一般にアピールできる方法、それぞれの地域的にそうしたものを一般に広めていくのがいいのか、あるいは集中的にセンター方式で三重県で1つ大規模なものをやっていくかということもあろうかと思いますけれども、とりわけやっぱり歴史をたどっていって、特にこの三重県の歴史をたどるということも非常に重要かなと思っております。特に松阪地域、市内にしろ嬉野地域も本当に歴史の宝庫になっているわけでございまして、これからそうした調査も重要な一つの事業であろうと思います。ぜひ充実していただきたいなと思っておりますので、これからいろいろまた議論をさせていただきたいと存じます。今日は時間がございませんので、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。

○舟橋委員 新政みえの最終をさせていただきます。同僚に15分は残してとお願いしたんですけれども、ささやかな時間しか残っておりませんので要点のみ3点聞かせていただいて、それでおそらく答弁者も1人でしょうから、一気に質問させていただきたいと思います。
 三重県の情報ネットワークの構築費でございます。これは21年度から運用を行う三重県情報ネットワークの危機整備や現行ネットワークからの移行作業に取り組みますということで、もう既に19年度には詳細設計の4,100万円が、20年度には危機整備等移行作業で4億9,400万円が、21年度から25年度いよい運用ということになりますので、保守運用費用として毎年3億1,900万円が、19年度からトータルすると21億円程度の投資ということになるわけであります。業者は1社応札でNC情報ネットワーク企業体というNTTとCATV7社が一緒になった企業体が受注をすることになりました。もう既に議会では議決をしておりますので、ここでああだこうだということはしませんけれども、また1社応札、NTTとJCATVのジョイントベンチャーというのも少し思いもあるんですが、もうそれは避けまして、これからの課題としての質問をさせていただきたいと思います。
 お手元に資料をお配りさせていただきました。常任委員会で配られた資料でございます。真ん中の下のところに「行政公共ネットワークの拡大」というのがございます。今までの三重のMICS、そして旧の情報ネットワーク、いろいろなシステムがありましたけれども、この新しい情報ネットワークには、すべてをできるだけ統合して県の基幹的なネットワークにしていくというのがうたわれています。同時に、右の方には「信頼性の向上」ということで、幹線の二重化等による迂回経路の確保、複数データセンターの設置ということで信頼性を向上しますということが書いてあるわけでございます。真ん中の図を見ますと、結局は各CATVの会社をループ状に結んで、1カ所切れても大丈夫ですよということだそうでございます。
 しかしながら、見ますと、そのループから核である県の総合庁舎へのライン、それから紀州などはないわけでございます。どうするんですかという話を聞きますと、このループと中心であります県庁及び紀州については、いわゆるバックアップ体制というか、支障があったときにはちゃんと流れるようにしてございますというお答えでございます。
 CATVの災害時における脆弱さというのは随分問題になっているところでございます。そういった意味で、大手通信事業者とのマルチキャリア、バックアップ体制についてどうされるつもりか。本来ループ内のところにも、きちっとバックアップ体制のマルチキャリアを導入すべきじゃないかということが1点目。
 それからもう1点目は、CATVと、それからの大手通信事業者とのすみ分けというか、役割分担でございます。確かに北川知事の時代には全国にまれにCATV網が発達していました。それを有効にしようということで公的資金も入れて通信網を整備し、情報先進県を標榜してきました。しかしながら、本年3月、今月からですけれども、大阪と東京でNGN、次世代ネットワークをNTTがサービスを開始しました。KDDIとかソフトバンクだとか、そういう大手通信事業者が今後いろいろな新たなサービスを展開してくると言われていますし、この近々に世の中は大きく変わるんではないかというふうに思っています。
 県のホームページを見ますと、こういう欄がありまして、この下に今後もCATVで頑張っていきますという文言の内容でございました。そうした際には、例えばの例を言っている暇がありませんので申し上げませんけれども、やはり大手通信事業者を中心として、そしてCATVも活用するような県のネットワーク体制を構築すべきではないかというふうに思うところでございますので、ご所見を伺いたい。
 最後に、この本会議の初日に政策防災の常任委員長の報告があります。この中に、いわゆる権限と責任を有するCIO補佐官の設置についてという報告があったところでございます。これについて、やっぱり野村総研を入れながら、さまざまな情報システム審査委員会などを設置している努力は認めますけれども、やはりそういう補佐官的な人を県の方にも導入してはいかがという提案をさせていただきますので、ご所見をお伺いしたいと思います。
以上3点。

○戸神政策部長 それでは、情報関連の3点のご質問にお答えいたします。
 まず、再構築に当たってのバックアップの関係でございます。平成21年度から運用を予定しております新ネットワークは、ご指摘がございましたようにうに幹線系でケーブルの切断等の障害が発生いたしましても、迂回ルートの通信に切りかわりまして、ネットワークの停止が発生しない、いわゆるループ構造というものを想定してございます。
 また、地理的条件でループ経路の確保が困難であります東紀州におきましては、ネットワークとは別の事業者によりますバックアップ回線を整備することで対応していきたいというふうに考えております。こういったことで新しいネットワークはループ構造を基本としておりますので、現行ネットワークに比べまして信頼性は大幅に向上していくものと考えてございます。
 ただ、委員ご指摘のような厳しい状況も想定されますので、例えばでございますが、防災通信ネットワークのように大規模災害時にも確実な通信が必要となるシステムにつきましては、無線ですとか衛星通信などによりまして、独自のバックアップ経路を複数確保することで備えている状況でございます。
 それから、いろいろ完璧な対応をしていきますと、費用対効果の問題もございますので、現状では過去の幹線の障害の実績ですとか、今申しました費用対効果を踏まえまして、幹線のループ化ですとか、必要なところへは別の通信事業者によりますバックアップ回線を整備することで信頼性の確保を図っていきたいと考えてございます。
 もう1点、いろいろな新たな手段が出てまいりますので、そういったものを活用してはどうかということでございます。県におきましては過去の経緯もございまして、情報ネットワークの基盤としてケーブルテレビも積極的に活用してまいりました経緯がございます。しかしながら、いろいろな技術進歩もございますし、そういった中で今回、先程ご紹介いただきました21年度から運用しようとする新ネットワークにおきましては、県内のブロードバンド環境が整備されつつございまして、多様な通信サービスの活用が見込まれることから、まずケーブルテレビ網だけの利用を前提とせず、複数の通信事業者の競争を視野に入れて調達を実施いたしました。結果として1社応札ということになったところはいろいろご指摘をいただいておるところでございます。
 今後ですが、今構築しようしておるシステムにつきまして、普通ですと、五、六年先には、また再構築の時期も出てきますので、そういったときには新しい技術の活用等も踏まえまして、多くの事業者が参画しやすい調達などを検討してまいりたい。ご指摘のNGNも含めまして、いろいろな技術の研究をしてまいりたいと思います。
 最後ですが、CIOの関係です。

○西場委員長 簡潔に。

○戸神政策部長 今後、本県の情報化の推進ですとか、IT調達の適正化を図るためにCIO補佐官設置の必要につきまして検討してまいります。現在設置しています自治体の任命方法あるいは役割、権限等を調査いたしまして、現行のやり方と調査比較いたしまして、本県にとって最も効率的な仕組みをIT利活用推進本部で議論してまいりたいと思います。
 以上でございます。

○舟橋委員 時間が来ましたので、この問題についてはもう一度改めてゆっくりさせていただきます。
 ありがとうございました。

○西場委員長 それでは、暫時休憩いたします。
 なお、再開は午後1時としますので、よろしくお願いします。

          (休  憩)

 

○西場委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を再開します。
 総括質疑を継続いたします。

○水谷(隆)委員 私は自民・無所属議員団の水谷隆でございます。今回、予算決算の総括質疑を行う機会をお与えいただきまして、ありがとうございます。この土日に三重県のいろいろイベントなどが行われ、あるいは地方の行事に参加した中で、一、二点していきたいと思っています。
 まず、8日に四日市の方で高度部材イノベーションセンターの開所式が行われまして、私も出席をさせていただいたわけですけれども、三重県のこれからの研究開発の拠点整備ということと、今まで四日市は石油コンビナートという大きな事業展開をしていたわけですけれども、これがナノテクの時代になるということで、三重県の産業構造が大変革をしていく中で、知事の思いをたっぷりと聞かせていただいたわけですけれども、せっかくの機会でございますので、今日テレビ放映もされております。知事の思いをもう1回、ダイジェスト版でお聞きしたいなというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○野呂知事 今いろいろ経済的には不安材料も言われておるところでありますけれども、しかし三重県では特に業種間格差であるとか、あるいは地域間格差、こういったことについては、しっかり全県元気になるように取組をしていかなければなりません。
 しかし、幸いなことに、とにかく製造業そのものの元気さというのは非常に目立っておりまして、そのおかげで平成16年度は実質経済成長率が7.4%で全国1位でございました。平成17年度については6.0%で少し下がりましたが、これもしかし全国1位でありました。平成18年度はこれが8.6%伸びておりまして、これはかなり高い数字にまたなりましたので、多分18年度は順位出ていませんけれども、全国1位あるいはそれに同等に近いものであるのかなと。すなわち今三重県は経済は全国で一番伸びておる。しかも16、17、18の3年度で製造品出荷額は約50%増えておる。そして、速報値では東京の方が上でしたが、確定値が先般2月に発表になりました。その数字でいきますと、いよいよ三重県は製造品出荷額についても10番目だったのが9番目に18年度でもなっておるというようなこともわかってきたところであります。
 こういうのは、もちろん企業誘致ということをしっかりやっているということでありますけれども、三重県の場合には実は平成16年以降は非常に研究開発施設こういったものの誘致を特に力を入れていこうということで県議会にもご承認いただいて、それに対する補助金制度も設けてきたところです。ですから、実は製造品だとか、実質の経済成長にまだ結びつかない、実は三重県では将来に向けたクラスターの形成の核になるであろう研究所が非常に多く今立地をしてきておるところであります。そういう中で、三重県は産業政策を知識集約型産業政策に切りかえようということにして、着々とそれを進めておるところでございます。
 今回の四日市のイノベーションセンターにつきましては、まさにそのモデル、代表になるものであると思っておるところでありまして、ここで大企業、中小企業をうまく連携させる、あるいは川上産業という素材産業とそれから川下産業、加工組立産業をしっかり高度部材等の研究開発の中で結びつけていく、あるいは大学や研究機関とその中でも特に海外、この間、四日市の方にドイツのフラウンホーファー研究機構が来ておりましたけれども、あるいはトリア大学というのが1月に来て、これから毎年、学生連れて三重県で研修したいというふうなことを言っておりますね。そういうところとの連携をやりながら、ぜひ三重県発の世界一の1つのイノベーションクラスターになるようなものを目指していきたい。そして、これは北の方で、特に北の中北勢以北では北の方にそれができたわけですが、今後はこの中勢地区、津の地区でも新たにメカトルロボットのそういう同じこれからのイノベーションを起こしながら次世代のクラスターになるようなそういう展開をしていきたいなと、こう思っています。
 今、潜在成長率は滋賀県が1位、2番目が東京、3番目が三重県、4番目が愛知県と、こう言われておりますけれども、滋賀県は人口がまだまだ人口減少社会の中にありながら増えていく県、三重県は近いうちにもう減っていくわけでありますけれども、三重県の評価の高いのは、やっぱりこれまでも投資意欲がそういう中で非常に多かったこと、そして何よりも研究開発ということも評価されているということだと思っておりまして、そういう面ではこの研究開発を中心に新たなイノベーションを起こしていく。したがって、県民生活そのものも高めていく必要がありますが、その前提となる経済の中では観光・交流も大事でありますけれども、今世界一の知識集約型産業構造のクラスターを創るように三重県はしっかり取り組んでいきたいし、それを実現していきたい。そういう産業政策を進めていきたいということを申し上げたところであります。

○水谷(隆)委員 どうもありがとうございました。
 本当にこのイノベーションセンターは、これからの三重県をさらに元気にしていくための大きな技術革新センターということでございますので、特に大企業はいろいろ研究開発部門を持っておるんですけれども、中小企業、三重県では非常にたくさんの方がここで働いておるわけですから、ここに対しても、もちろん支援という中で技術的な支援ですね、これはぜひともこのセンターを中心にして、今後お願いをいたしたいというふうに思います。
 それから、地元のことでもう1点は、私の地域でいろいろこの時期、老人会の総会とか、いろいろなものがあるわけですけれども、その中で今、振込詐欺、オレオレ詐欺とか、あるいは還付金詐欺とか、非常に大きな問題になっておるわけですけれども、三重県も19年度で596件、3億7,500万円という莫大な被害を出しておるわけです。これもいろいろ施策を講じられておるわけですけれども、年々増加しているような傾向もございます。私これについては私の所管が教育警察でございますので、質問は避けますけれども、こういったことも話しして、少しでも高齢者の方に三重県の警察はすばらしいということで、ぜひ何かありましたら相談をしてくれということを啓発してきたわけですけれども、そういった施策につきましても今年はぜひ取り組んでいただきたいと、このように思う次第でございます。
 次に、今回は財政を考えるということで、非常に難しい、わかりにくい三重県の予算であるというようなことも言われておりまして、幸い我が会派には財政に非常に詳しいというよりも、こだわりのある議員が1名おりまして、この後、服部委員も質問をさせていただきますけれども、私といろいろ勉強を重ねた中で、今日その点につきまして少し質問をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、今議会の提案説明、予算審議を聞く中で目立ったのは、借金が1兆円を超えるという議論です。かなりショッキングなことで新聞報道等でも取り扱われておりました。しかしながら、一般質問2日目、未来塾の藤田議員の質問に知事が答えられていたとおり、その中には臨時財政対策債が多くを占め、実質的には他県に比べ、三重県は財政的に優等生であります。
 この臨時財政対策債なるものは、議案説明のときに財政担当の総括室長が答えていたとおり、交付税のかわりとも解釈できますし、また赤字地方債とも解釈できます。問題は、いいとこ取りでこの細部が語られているところであります。
 例えば知事の提案説明の時には、この債務を含めて地方交付税が約10億円増えたと言いましたし、逆に予算の説明時には借金が1兆円を超えて県財政はさらに厳しくなったというふうに使い分けがなされています。仮にこれを交付税のかわりと解釈すると、既に県の借金全体はわずかながら減っています。確かに言い方は難しい代物ではありますが、ある程度統一した見解が必要であると思います。
 しかし、二、三年前まで、かたくなに赤字地方債と言い続けていた当時からは、かなり軟化をしてきております。そうでもしないと財政が持たないという事情があります。
 少し県の財政を置きかえてみたいと思います。平成19年の実質の当初予算において、一般の県民の皆さんには余り目に触れないところで大きな変化が起こっております。何かというと、収入の部分でそれまで財源確保のため例年12月補正で導入されていた行政改革推進債が60億円入っております。それまで特に16年度から18年度までの3年間は、財政健全化の集中取組期間として当初予算で県債発行抑制が努められていました。当初予算での県債発行を抑え、その分を財政調整のための基金で賄う12月補正で行革債を発行し、財政調整基金へ積み戻し、次年度予算に入れ込むという作業であります。ところが、19年度予算では年々取り崩してきた財調基金が減ったため、当初から行革債を入れざるを得なくなった。おかげで19年度当初の県債発行額は960億円になり、前年比17%の増となったわけであります。
 ここ10年間ぐらいの県の収入の推移を見てみると、税収は14年度を底として増加しており、700億円増えております。一方、地方交付税は12年度をピークとして年々落ち込み、840億円減っております。そして、13年度からは臨時財政対策債が導入され、既に1,800億円発行されています。県財政では平成15年度の予算作成は大失敗という話をよく聞きますが、14年度の急激な税収の落ち込みに過剰に反応したため、投資的経費を大きく削り、世の中が不況にあえぐ厳しい状況の中、単年度で225億円も財調基金に積み戻すことになったと。我が会派の竹上議員から当時一般質問で苦言を呈されたところであります。
 ところが、あのときの失敗がなかったら今ごろどうなっていたかと考えてみると、空恐ろしい気になります。どういう意味かといいますと、とうに財調基金は底をつき、大阪府並みに赤字決算を覚悟で予算策定を行うか、あるいはそれともさらなる緊縮財政を行うか、いずれにしても今より厳しい運営を迫られていることになったと思います。
 さて、ここで財政の意義というものを考えてみたいと思います。一般的に財政の意義は3つと言われています。
 1つは、資源配分としての主に公共財の供給などに使うこと。昨今話題の道路の建設などはこれに当たります。
 次は、所得分配、所得再配分としての主として個人の所得格差調整などを行うこと、生活保護や最近もめた三公費などがこれであります。
 最後に、経済安定化として景気調整などを行うこと。今、地方があえいでいるのは小渕内閣時に行った大型補正のツケを払わなければならないからであります。
 行政は県民の皆さんから税金をいただき、それをさまざまな施策や事業に充てております。議員はその使い道をチェックして、行政が適切に無駄遣いなく行われているかを監視する役目を第一義としています。そういう意味から、20年度予算を見てみますと、どうでしょうか。なかなか県民の皆さんにはなじみがないため、わかりにくいかと思いますが、今回示された予算案を簡単に申し上げます。
 20年度予算は実質前年比1.8%減額の6,770億円の8年連続マイナス予算でありました。特に寂しいのは、投資的経費と言われる政策を実現していくためのお金が6.3%減で、県予算に占める割合が2割もない状況であること。先程の財政機能のうち資源配分と経済安定化という観点が目に見えて弱くなっております。野呂知事がよく嘆くように、税収が伸びているにもかかわらず、使える予算は減っていくという現状は余り変わらないようであります。
 今年の朗報といえば、年々減り続けていた地方交付税、臨時財政対策債を含みますが、約10億円増加したことと、県の単独事業が3%ですが、増加したことであります。交付税については県内の各市町も一様に増加する模様であります。
 予算案を見て思うことは、相変わらず住民の皆さんの思いに応えていないということであります。例えば乗り合いバスに関する県の補助金は3億8,000万円で、年々減少の一途です。市町への補助金も、もともとの20分の10から20分の7まで減らされています。警察関係でも信号機の設置を昨年度は49基分まで倍増していたのに、20年度は37基まで減ってきておると。県議会がちょっと騒ぐとその年は予算を増やしますが、次年度では確実に減っていくと。今年度は公共施設関係の維持費について多くの議員が取り上げたところ、20年度は5%増になっています。
 ここで少し変わった話をしますが、つい先日、私はテレビで物すごい場面を見たわけです。東芝の社長が1人で次世代DVDの撤退を発表いたしました。企業の記者会見には、脇に経営陣がずらり並ぶ光景をよく見かけますが、たった1人で会見をされました。久しぶりに侍を見た思いがいたしました。さまざまな兵法においても、撤退が一番難しいのは周知の事実であります。社会的影響が大きい事柄で、その後、新聞等で、購入した人はどうなるのかという記事をよく見かけますけれども、それを決断し、今後、社運をかけたフラッシュメモリーの工場を新たに建設するということであります。たった2年での撤退となった今回の出来事、選択と集中という言葉が頭をよぎります。三重県に今後建設される予定の新工場が成功するよう頑張っていただきたいと思います。
 これからの時代は、トップの決断が企業の命運を左右するわけでございます。自治体としても同じことであります。
 世界で最もすぐれた経営者と言われているジャック・ウェルチェという方が最も影響を受けた言葉として、しばしば紹介する声があります。それは「今、事業を行っていなかったとしても、そこに人材と資金を投入するか」ということであります。彼は、この問いが事業の基準を上げ、人材と資源を開放し、企業を強くしたと言っております。
 予算というものは限りがあります。それをいかに効率よく振り分けていくか、今のように財源が厳しいときには特にその議論が最も重要になります。私は今の予算の作り方、すなわち各部に昨年度のシェアに対してシーリングをかけるというやり方は、根本的に見直す必要を感じております。極端に言えば、それをなくしたら屋根は崩れるか、何を廃止するのか、そういう議論をしなくてはならない時期に来ておると思います。19年度から20年度に廃止または休止される事業は88本で、予算額は36億円であります。しかし、そのほとんどが制度改正によるもので、3年間の3セット方式というものを県は採用しておりますが、市町には受けが悪い。人気のある事業では、その後、市町が単独費で継続することになります。住民が望むものを提供するという観点からは、かけ離れた考え方であると思います。いま一度原点に返って、何が県民サービスとして有効かという評価を精査する必要があるように思います。
 県執行部では、プラン・ドゥ・シーのPDSサイクルで制度的に事業計画を行っていますし、それを全国に先駆けて成功させた実績は高く評価をいたします。しかし、本当に無駄はないでしょうか。
 例えば最近の予算を見ると、企画部門などはかなりの部分でコンサルタントを採用しております。会議の議事録作成までもコンサルタント業務に入っていることも多いようであります。職員が年々減らされているわけでありますから、アウトソーシングが否定ではないでしょうが、有用性をもう一度精査することがやはり必要であると思います。
 そこで、知事にお聞きいたしたいと思います。
 まず、今のままでいけば、県の政策的な経費である投資的経費はどうなっていくのか。中長期を見据えてどのように確保していくおつもりなのか、知事のお考えをお聞かせください。
 次に、るる申し上げたとおり、予算について県民の皆さんの思いが実現できるような有効な予算配分を実現すべく抜本的に見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。よろしくお願いをいたします。

○野呂知事 予算につきましては大変厳しい中でございますので、三重県の予算要求基準というのは各部において事業の一つ一つをゼロベースで見直していくということで、より効率的で優先度の高い事業を採択できるような基準を持とうとしておるところです。
 第2次戦略計画の着実な推進を図るために喫緊の課題につきましては、実は重要課題対応枠というのを設けたり、あるいは重点的な取組というものについては別枠にいたしまして、選択と集中を図ろうというようなことで、こういった取組につきましては、ご指摘のありました各部のシェア配分みたいな、かつての固定的な配分、こういったことにこだわらないような柔軟な予算編成を行いたいと思っておるところでございます。
 民間の会社のトップの決断の例えが出ておりましたけれども、私はトップの決断というのはもちろん大変大事なところでありますけれども、民間と行政が違いますのは、民間はいわゆる利益を、利潤を上げていくという最も大事な物差し、あるいは経営体の存続、こういったことを基本に選択ができるわけですね。しかし、行政は例えば効率が悪いからとかいうようなことで、それを捨ててしまう、行政サービスをやめてしまうというわけにはいきません。したがって、行政の場合には、ある行政ニーズの中で公的な関与を本当にしていかなければならないのか。関与していくとしたらどういう形で、どれぐらいやっていくのか、また公的といいましても、地方でいえば県もあれば市町もあるわけでありますから、その役割分担をどういうふうにしていくんだ、そういうことに基づいて判断をしていくということが大事だと、こう思っております。
 それから、財政状況そのものについてはもうご承知のとおり、一般財源収入が減る中で、一方で公債費だとか、あるいは社会保障関係費が高い伸びで推移していますから、年々厳しくなっているということでございます。そうなっておりますので、予算要求基準というのは、そういう中では厳しくしていかざるを得ない。しかし、ではあるけれども、やはり未来への投資というようなことについては、やっぱりその中で選択と集中を図りながら、精いっぱい未来への投資もやりながら予算編成を行いたいと、こう思っておるところでございまして、今後もそういう意味で選択と集中ということを大事にしながらやってまいりたいと、このように思っておるところであります。
 それから、今後の投資的経費の状況につきましては、平成18年7月に決定されている政府の方の骨太方針2006では、今後は公共事業については毎年3%ずつ5年間削減を行うということになっておりまして、そういう方針のもとで地方財政計画においても、この方針に沿って投資的経費が削減をされておるところでありますので、引き続き削減されるということが見込まれるわけであります。
 こういうふうに考えてきますと、今私たち、こういう地方財政について議論しておりますけれども、精いっぱいの努力をしながらも、大きな枠組みとしては、やっぱり国の枠組みにどっぷりつからされておる。公債費の発行についても、県が独自に自由な裁量権で借金を増やしたり減らしたりというようなことは、基本的にはなかなか難しい、そういう状況にあるわけであります。
 そんな中で、とにもかくにも投資的経費が減額してきておりますから、そうすると例えば維持補修費についても、全体ではマイナス公共事業6.3%減になっておるという中でも、前年度を上回る予算をぜひ確保していこうというような、いわゆるめり張りある予算配分というのを選択と集中の中で優先度等を配慮しながら決めていく。そういう形で、かなりやり繰りをしながらやっておるというような状況でございます。

○水谷(隆)委員 どうもありがとうございました。
 本当に財政について初めて私も取組をさせていただいたわけですけれども、非常に予算についてもいろいろわかりにくい面もあるということで、議員としてもいろいろ勉強会をしながら、いろいろとこれからも研究していこうと、こういうことでございます。
 今、知事の答弁でもありましたように、非常に厳しい中で公共投資が3%ずつ5年間削られていく中で、選択と集中という言葉がありますけれども、こういったことに関して、ぜひともこれからの取組をお願いしたいと思います。
 先程、民間企業の話も出しましたけれども、今三重県は非常に知事がいつもおっしゃるように製造業が元気でありまして、10兆8,000億円というすばらしい出荷額を出しておるわけですけれども、そういったなかの一部にも私も過去におりましたんですけれども、当然ながら製造業というのはお客様のニーズに合ったものを営業が確保してきて、それを我々のこういった地域の工場にどういったところに投資をするかという、そういう戦略を決めながら企業というものは予算を決めていくわけですよね。これは県民の思いというのはそういったものであるというふうに思いますので、そういった点の共通点は大いにあるというふうに思いますので、いかにこれから企業でいうコストパフォーマンスというものを発揮できるかということも見据えた中で、予算編成というものをぜひしていただきたいなと、このように思う次第でございます。
 それでは、次の質問に入りたいと思います。くどいようですけれども、北勢地域の幹線道路の整備と、特に私の思いのある東海環状道路について少し知事の思いもお聞きしたいと思います。
 知事は平成20年度当初、予算編成の考えの中で、幹線道路網の整備については高速道路網や直轄道路事業を促進するとともに、これらにアクセスする県管理道路を重点的に整備し、御遷宮に向けた道路ネットワークというものの形成を目指していると説明をされました。また、厳しい財政の中で幹線道路の整備については、重点的に予算を確保されたことにつきましては知事の熱き思いと特段の決意に深く敬意を表するものであります。
 北勢地域では、輸送機械や液晶、半導体、化学関連などの製造業が大変元気であり、先日も先程も申しましたように東芝がフラッシュメモリーの製造に関して四日市に巨額の設備投資を行うと発表しました。まことに喜ばしく、三重がますます元気になるものと私も期待しているところであります。また、新たな技術開発に向けた産業集積の取組も進みつつあります。
 また、産業基盤の整備も着実に進んでおります。先月の2月23日、新名神高速道路が大津市の草津田上と亀山の間47.9キロが開通いたしました。これにより、新名神は中部圏と近畿圏を直結する日本の新たな大動脈となるとともに、三重県と近畿圏の観光、文化、産業の交流は一層進むことが期待されます。
 四日市港はスーパー中枢港としてコンテナ貨物の取扱等機能強化が進みつつあります。中空開港に伴い、北勢地域の海外へのアクセスが飛躍的に向上しており、航空貨物の取扱能力のさらなる向上に向け、2期拡張も動き出しております。北勢地域として、さらなる飛躍に向け、今後も新名神や中部四日市港へのアクセスを強化し、物流機能の強化を図っていく必要があります。その一環として、名古屋圏を有機的に結ぶ東海環状道路の整備が必要であります。
 東海環状自動車道は、名古屋市の周辺30から40キロ圏に位置する愛知、岐阜、三重3県の諸都市を環状に結ぶ高規格幹線道路であります。平成17年3月に開通した東回り区間において、その整備効果は高く評価され、企業立地が急激に進んでいます。西回り区間については、昨年3月、岐阜県の都計審及び三重県の都計審で養老インターから北勢インターの約18キロの区間が承認され、平成19年4月24日の都市計画決定告示により、東海環状自動車道全線のルートが決定されました。
 東海3県の連携を強化し、地域産業の活性化や観光交流、高度医療機関の連携、災害時の相互支援など元気で安心な地域づくりを進めていくためには、早期に西回り区間を整備し、環状道路としての機能を発揮していくことが重要であります。東海環状自動車道全線が整備されれば、既に供用している東回り区間の整備効果に加え、さらなる大きな整備効果が期待されるわけでございます。
 そこで、東海環状自動車道整備の促進に向けた知事の思いというものを、くどいようですけれども、改めてお聞かせ願いたいと思います。

○野呂知事 北勢地域というのは、三重県でも非常に未来に向けてのポテンシャル高いところでございます。そういう中で東海環状道路の、これができますと、これの果たす役割というのはたいへん大きなものがあるわけでございます。したがいまして、私としては、東回り区間はもうできておりますから、西側区間ができるということ、これは三重県にとっても、また三重県のみならず隣接県、岐阜県あるいは滋賀県に対しても影響多いものだと、こういうふうに思います。
 特に東名、新東名、それから名神、新名神、それから東海北陸自動車道等1つの大きなネットワークを形成していく、そういうものでありますから、そういう意味では東回り区間が大変おくれた状況でありますので、ぜひとも早く完成できるように今後も国に向けて働きかけていきたいと思っております。
 特に四日市北ジャンクションから東員インターチェンジの2キロ間についても平成27年完成予定となっておるんですが、わずか2キロ、やっぱりそんな時間かけずに、もっと早くやっていただきたいし、それからちょうど北勢インターチェンジから養老インターチェンジも都市計画に決定をしまして、本年から事業化されて、それから測量地質調査等も進められておるところであります。それから、東員から北勢インターチェンジについては13キロありますけれども、用地買収を約9割終えて一部着工しておると、こういうことであります。ここらの完成も同時に、なるべく前倒しになるように鋭意お願いをしていきたいと、このように考えておるところでございまして、今後も隣の岐阜県と連携しながら取り組んでいきたいと、こう思っております。

○水谷(隆)委員 どうもありがとうございました。
 本当に知事の思いがよくわかりましたんですけれども、やっぱり特に東員インターチェンジの周りに、もう前にも何回も申し上げたように橋脚が何本も立っていまして、国道365号を通るたびに目に入るわけでして、地元の皆さんが相当大きな期待を持っておりますので、ぜひとも一日でも早い完成をぜひお願いを申し上げまして、次の質問に入りたいと思います。
 次に、河川や砂防施設の維持管理についてお聞きいたします。
 行政として県民の命、財産を守ることは最重要課題であります。特に大規模な被害を未然に防止する自然災害対策や洪水防水対策として、河川や砂防施設の整備や維持管理は非常に重要であります。一方、厳しい財政状況の中で、治水対策も含め公共事業を取り巻く環境は年々厳しくなっており、限られた財源の中で河川整備をより効率的、効果的に行っていくために、整備の緊急性や効率性を評価し、優先順位を整理した上で、昨年ハードとソフト整備の中長期計画として河川整備戦略が作られました。毎年約46億円、15年間でおおむね700億円を投資することとし、20年度予算ではおおむね47億円が確保されていると聞いております。
 河川整備は下流から上流へと順次河川を広げるなどの整備を行っていく必要があることは十分に理解できますが、中流、上流域においては、土砂の堆積による川底が上昇し、大雨のときには局所的に堤防を超えるような水位の上昇があるなど非常に危険な状態になっている河川もあり、緊急的に堆積土砂の撤去や局部的に改修などが必要な箇所も多く見られます。
 県民の命、財産を守るためには、中長期的な視野に立ち、計画的に河川整備を推進していくとともに、河川や砂防施設の機能が十分発揮できるよう適正な維持管理のための財源についても、しっかりと確保していただきたいと思います。
 しかしながら、県単公共事業は95%、うち県単維持管理費予算は対前年度費98.8%と前年度を下回っております。そこで、20年度の河川に関する維持管理の予算の状況と、河川の維持管理のため来年度から検討している砂利採取の活用について考え方についてお尋ねをいたしたいと思います。よろしくお願いします。

○野田県土整備部長 河川の維持管理について答弁申し上げます。
 来年度の予算につきましては総額約7億円、河川の維持管理で計上してございまして、対前年度比では114%確保していくということでございます。
 砂利の採取につきましては、来年度からはそういう堆積土砂につきまして早期対応が必要だという判断するところにつきましては、その砂利採取制度を活用して土砂の撤去を試行的に実施していきたいと考えてございます。実施河川、区間、採取量等につきましても河川管理者が決定することといたしておりまして、試行期間というものを設けてございまして、20年度から22年の3年間を予定してございます。これらの取組を進めることによりまして、河川の適正な維持管理というものに努めていきたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。

○水谷(隆)委員 どうもありがとうございました。
 時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。

○服部委員 自民・無所属議員団の服部富男でございます。水谷隆委員の後の関連質問のような形になります。今回私、予算決算質疑に対しましても初めての質問ということで立たせていただきましたことを皆さんに心から感謝を申し上げるところでございます。
 早速質問に入らせていただきます。私の質問は先程、水谷隆委員より財政についての質問がございました。私は30年債を考えるというところで質問に入らせていただきたいと思います。
 三重県の財政全般についての質問が、先程水谷隆委員からありました。私も同じような思いがあります。県民の皆様から日常さまざまな要望やご意見をいただく中で、県に話をいたしますと、どうしてもお金がないというお答えでございます。確かに県の財政は厳しい状況にありますが、このことも私もよく理解はしております。もちろん野呂知事におかれましても、当然そのお考えと同じだと思いますが、県民の思いを実現したいというのが県政ではないかと私は思っております。水谷隆委員は予算の作り方に関しての質問でありましたので、私の方からは少し別の角度から考えてみたいと思います。
 収入を上げることが難しいのであれば、支出を少なくするという方法があります。もちろん私も今も小さな事業所の代表として、その収入支出の問題を非常に厳しい財政の中でも考えてまいりました。やはり県の支出を少なくするという方法があるんですが、県の支出は投資的経費が年々減らされており、今やそのほとんどが義務的経費と言われるものです。中でも人件費や社会保障関係経費については、なかなか下げようがありません。
 そこで、義務的経費で減らすことが可能なものは公債費しかないと思います。公債費とは、過去の借金の返済はもちろんでございますが、県の借金はそのほとんどが公共財の建設の返済です。ありていに言うと、道路などの建設を借金で行って年々返しているという具合です。これは将来の世代もその道路を利用するのだから、整備を行うときの納税者のみならず、その後、新たに税金を納めることになる人たちにも広く世代を超えて負担していただくという考え方ではないのでしょうか。一般的にコンクリート構造物の寿命は50年と言われておりますが、十分に償却期間内に返済可能であるというわけです。
 私は、この借金の償還期間を20年から30年にしてもいいと考えております。財政の健全化のみに視点を置くと、借金は早く返せるものならば返した方がよいということになりますが、財政に余裕があるときならともかく、今のような非常に厳しい財政の中で、もっと償還期限を長く設定をし、その分を余りにも減らし過ぎている投資的経費に充当してもよいと考えます。
 他県においても、神奈川県、静岡県等で既に30年債を活用しているというふうに伺ってはおります。また、今県では退職手当債を発行していますが、これは純粋に借金であり、交付税措置があるわけでもなく、今やめていく職員の退職金を借金で賄うというものです。今やめていく人の退職金を将来の世代に負担してもらうということですので、理屈はいろいろあろうかと思いますが、それよりも30年債の方がよほど筋がよいようには私は思いますが、いかがでしょうか。
 そこで、これから新たに借り入れる建設地方債については30年債を提案したいと思います。特に今後、議論が集中するであろう博物館の建設などはまさに未来への投資でもあり、30年債で計画するべきものと考えます。
 しかしながら、今すぐに30年債を取り入れたとしても、多くの財源を捻出できるものではありません。現在の借金についても金融機関と調整を行い、償還期間を伸ばすようにすべきであると考えます。仮に今ある借金を20年から30年の償還に切りかえた場合、18年度の決算で試算しますと約110億円の公債費を減らすことができます。もう少し詳しく言うと、借金返済約950億円のうち元金は約770億円、そのうち民間借入は約340億円、約430億円は政府資金ですので借換は制度上困難ですが、民間借り入れの約340億円を20年から30年に償還期間を伸ばすとすると、年間約230億円の償還で済み、約110億円の余裕ができるというわけです。私としては、借金返済をおくらせて利子が増えるとしても、投資的経費を確保すべきだと考えますが、いかがでしょうか。野呂知事のお考えをお聞かせください。

○福井総務部長 2点ご質問いただきました。建設地方債を30年の償還期間としたらどうかということと、それから金融機関に調整したらということの2点についてお答えします。
 県債の償還期限につきましては、銀行等の民間資金につきましては現在、平成11年度から償還期間の延長をしておりまして、20年の償還年限を設定してございます。その理由といたしましては、県では従来から交付税措置のある有利な起債を基本的には活用しておりまして、その交付税措置される期間が銀行等から借りた借金につきましてはおおむね20年ということになっていることによるものでございます。すなわち、銀行から借ります期間と国から交付税措置されます期間のバランスを合わせるように設定しているところでございます。
 これを仮に30年に延長した場合には、銀行に実際に償還する期間と、それから国から交付税措置される期間に乖離が生じ、当初20年間は交付税措置により公債費の償還財源が手厚くなる一方、逆に最後の10年間は公債費の償還財源が大幅に不足するということになります。こうした中で、万が一当初20年間の手厚い公債費の償還財源を何らかの事業のために予算に充当してしまいますと、結果として、本来であれば20年、30年先の将来世代が受けるべき行政サービスのための財源を先食いするような形になりまして、世代間の負担の公平感を損ねることになりますので、これにつきましては県民の理解が得られにくいのではないかと考えております。
 特に言いかえますと、その償還年限を長くしますと一見単年度の支払い自体は減り、世代間の公平によりつながると考えることもできますけれども、現在少子高齢化が進む中で後世の人に交付税措置のない、裏打ちのない借金を押しつけることにもなりかねません。
 また、先程委員ご指摘の20年から30年に延長した場合、20年から30年にしますと当然金利の方も高くなりますので、単純に比較しましても、利払いが1.7倍になるとか、そうした増加した金利分についても交付税措置がないということになっております。
 それから、また既に発行した県債の償還期間を延長することにつきましては、これは県債を保有している金融機関に直接お願いしなければなりませんけれども、相手の金融機関にとりましても、期間が長くなるということはそれだけリスクも高くなりますし、当然その当初の運用計画等も崩れてまいりますので、本来得られるはずであった利益の喪失にもつながりかねませんので、この調整については極めて困難であるかなと、そういうことで償還期間の延長につきましては若干現実的ではないかと、私どもは考えております。
 したがいまして、公債費につきましては、年々増加していることは紛れもない事実でございますけれども、世代間の負担の公平感を多く損ねることのないように、これまでどおり交付税の措置年限に留意しながら償還年限の設定を行いつつ、県民に必要な公共サービスの低下につながらないように選択と集中を一層進めまして、身の丈にあった財政運用を行ってまいりたいと、そのように考えております。
 以上でございます。

○服部委員 お答えは知事からいただけませんでした。残念でございました。もちろん、なかなか困難であるというお答えは予想はさせていただいておったわけでございますが。
 それでは、また関連の質問に入らせていただきたいと思います。金融機関と県との関係について少し申し上げたいと思います。
 全国的には市場公募債で資金を調達する自治体が増えております。近ごろは財政力などによって利子が変わってくるということでございます。財政力の強い自治体や信用の高い自治体は低い金利で資金調達ができますが、財政力の弱いところは逆になります。三重県はどうかというと、今まで頑固なというか、その必要がなかったというか、いずれにしろ縁故債だけで資金調達を行っています。市場公募債のメリットは利子が安くなることではありますが、しかしながら博物館の建設などこういう案件が持ち上がると、金融機関との力関係では、県は格段に弱くなるという立場になるんじゃないでしょうか。当たり前のことですが、そこにしか資金調達手段がないわけですから、金融機関の発言力の方が強くなるわけです。
 前出納長は、これからの時代はさまざまな資金調達を視野に入れた検討が必要だと常々申しておられたそうですが、まさしくそのとおりではないかというふうに思います。「転ばぬ先のつえ」というものも必要ではないかというふうに考えますが、市場公募債も導入して借入金の割合を変更するというくらいの覚悟で交渉に臨むのと、借り入れのお願いだけで交渉するのとでは、大きく差が出てくるのではないでしょうか。
 出納長の職務もあとわずかとなりましたが、そこで、土橋出納長にお聞きしたいと思います。これは非常に重要な政策判断でもありますので、今後市場公募債、30年債はもちろん今お答えをいただきました。こういうことにつきまして取り入れる心構えはおありなのかお聞きをいたしたいと思います。また三重県最後の出納長として長らく本当にご苦労さまでございました。総括することがあればご所見をお聞きしたいと思います。出納長に質問するのは私が最後の委員となると思いますので、よろしくお願いいたします。

○土橋出納長 ただいまのご質問にお答えをいたします。
 まず市場公募債についてですけれども、この市場公募債につきましては、いろいろクリアすべき課題があろうかと思っております。一般的には市場公募債を新たに発行することにつきましては、資金調達方法の多様化、あるいは住民の新たな貯蓄の手段にもなるということで、そういうメリットがあろうかと思っております。
 また、デメリットとして、新たに専任職員の配置が必要であること、また手数料などの発行コストが従来にも増して増えてまいること、高くなることでございます。さらには、市場の流通性を高めるためには、市場から定期的に一定額以上の規模の発行が求められることにもなりますことなど、金融市場に振り回されるというような懸念もございます。
 さて、三重県について、このような状況を踏まえて考えてみますと、こうしたデメリットに加え、現時点の話で説明させていただきますと、指定金融機関を中心に銀行の借り入れが、金利でございますけれども、全国的に見ましても東京都に次いで低い金利で資金を調達しておるところでございます。ご指摘のような金融機関との交渉を有利に進めることができるという考え方にはならないのではないかなというふうに思っております。この点をご理解いただきたいと思っております。
 したがいまして、現時点では直ちに市場公募債を発行する状況にはないと、このように考えております。今後の市場の動向、これは誰もわかりません。いろいろな事態、変化も考えられますので、市場公募債の発行につきましては引き続き検討してまいる方針でございます。
 次に、出納長としての総括ということでございますけれども、三重県の財政状況、午前からいろいろなご質問、答弁等がございました。ご承知のとおり依然として、これからもますます厳しくなっていく状況にございます。本県は長年にわたり、企業誘致、産業集積に努力してきた経緯もございまして、県税収入は過去に比べると大幅に増加をしております。しかしながら、このことが国の危機的な財政状況の影響もありまして、県財政を直接的に潤すというようなことにはつながっておりません。こうした現在の財政システムの中では他府県同様、あるいは県内の市町村同様に苦しくなっていくものと認識をしております。私としましては何よりも国におきまして、この危機的な状況を一日も早く打開していただきたいな、これを強く願っておるところでございます。
 本県では、これまでも財政の健全化に向けまして、いろいろ心がけてまいりました。厳しい財政状況にはありますけれども、他府県と比較すればまだ健全な財政運営をしていると考えておるところでございます。今後も県民の負託に応えた予算編成をしていくためには、歳出面での選択と集中をもっと一層強めていく必要がございますし、また先程ご指摘もございましたように多面的な知恵と工夫によりまして、さまざまな方法で歳入の確保を図ることで、この厳しい状況を切り抜けていっていただきたいと願っておるところでございます。このような努力を続けることによりまして、県政のさらなる発展が期待できるものと考えております。
 以上でございます。

○服部委員 出納長、本当にありがとうございました。我々もいろいろと今後、勉強させていただきまして、頑張っていきたいと思います。
 出納長のお話に聞き入っておりまして、時間を忘れておりました。もう一つ、鈴鹿国定公園の問題も質問に入らせていただこうと思いましたんですが、時間の関係上、また次回ということにさせていただきたいと思います。
 それでは、どうもありがとうございました。

○野田委員 時間が押していますので少し早口にはなりますけれども、よろしくお願いします。
 平成20年度の当初予算主要事項のうちに122の学校教育の充実と421自然環境の保全・再生と活用について質問させていただきます。
 まず自然環境の保全・再生と活用の取組からお尋ねします。そこには、「自然公園などの豊かな自然と県民との触れ合いを促進するため、自然公園施設の整備や維持管理を行うとともに、被災した大杉谷登山歩道の災害復旧を行います」と、このように記載されているところでございます。しかし、私なりにはこの取組は不十分であると、このように考えておるところでございます。先日の関連質問の中で、私は排水対策の面で質問をしましたけれども、今回はCO2の吸収と、こういう面で質問をさせていただきたいと思っておるわけなんですけれども、ただその中で国立公園を含めた森林の保全について質問します。
 国立公園法では、国立公園は国の管理となっておりますが、現実には一種と特定な国立公園しか保全、維持管理をしていないのが現状であります。そうした中で、県南の吉野熊野国立公園は尾鷲から潮岬に至る海岸一帯でスダジイ、タブノキ、ヤブツバキ、ヤマモモなどからなる温帯常緑広葉樹林が広がって、その林床のところにはリュウビンタイ、ユノミニシダなどの亜熱帯植物が生育しております。この地域は2種3種の国立公園が多く、国から直接の管理は少なく、事業として地方で行わなくてはならないというような状態であります。しかしながら、現実的にはそのための交付金が少ない状態で、自然公園利用促進整備事業として実施予定は7カ所となっており、地域の保全維持管理が十分とは言えない状態でございます。
 自然の保全、維持管理をするには、自然を放っておいてよいものではないということは誰にも理解されているところでございます。放っておいたら以前の宮川流域の森林のがけ崩れとか、このような自然が崩壊してしまうことも多いわけでございます。自然の景観を保全し、保全の必要性を県民に理解してもらう必要もあります。自然の景観を守るには人の手を必要としますし、いわゆる下草に明かりを作るには枝打ちや下刈り等、こういうことを行って、またそういったことを県民に理解してもらうということが必要だと思います。そして、保全した景観を見てもらい、そのためには管理道なり遊歩道なり、そうしたものの整備が必要になってくるものと思っております。
 また、森林のCO2吸収効果は若い木々に効果が高く、古木には低いと認識しております。すなわち木々の循環、若返りというものが必要で、新たな植樹も必要である、このように思っております。このように人の手を加えて初めて森林の環境の保全が可能になり、国立公園のような自然を守ることも大切でございます。国立公園の保護の一環として公園管理団体制度などがありますが、地元の対応をどのようにすればいいのでしょうか。
 そこで、お尋ねいたします。国の手の届きにくい自然の保護について、県としてどのような対応ができるのでしょうか。地域の参画も必要だと思っておりますが、地域の取組などあわせてご答弁願います。

○小山環境森林部長 国立公園等の整備につきまして、これは地域の取組ということでございます。この三位一体改革から国立公園につきましては国の方が直接事業を行うということになっておりまして、例えば国立公園の中の特別地域でありますとか、1種特別地域とか、そういうところに、例えば長期自然歩道も含めますけれども、優先的に、限定的に整備を進めているような状況でございます。
 そういう中の国立公園の中でも2種地域とか3種地域、普通地域につきましては、なかなか手が回っていないようでございますので、その点につきましては県の方で整備をする必要も出てくるかというふうに考えております。その県の整備とともに、公園は地域のものでございますので、そういう地域の方のボランティア等も含めながら、いろいろな整備が必要かと思います。
 ただ、その中で公園の中で特に森林が多うございます。その森林の整備につきましては、やはり森林保護の観点、それと先程おっしゃいました防災の観点もございますので、そういうところにつきましては、公園整備の事業とともに森林整備のための事業もございますので、そういう森林を整備するという観点から、公園の整備についても利活用していくということも十分可能ではないかというふうに考えております。
 以上でございます。

○野田委員 ご答弁ありがとうございます。
 ただ、森林事業で対応するということも、それで地域として十分かというと、なかなかいろいろな制約がありますので、そうした事業を含めて十分使いやすい対応というのをさらに願いたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、続きまして学校教育の充実についてお尋ねいたします。
 教育のあり方について、ゆとり教育と学力向上と方針がいろいろ変わっていっても、すべてがオール・オア・ナッシングではないと、このように思っております。ゆとりを持って能力、知力の伸ばすといった学力を向上させるなど、個性を生かした教育を進めることであると、このように思っております。格差、差別ではなくて、個性を生かすことであると。画一的な、こうでなければならないという教育を進めるのではなくて、いろいろな人格、特性を伸ばす、伸ばせる教育に取り組むことである、このように思っておるところでございます。
 平成19年の教育振興ビジョンの中で平成22年までの取組といたしまして、少人数学級の効果的な実践についての検証、こういうことで平成18年までに実施した教員や保護者、児童生徒を対象としたアンケート及び意識調査の結果を踏まえて、各学校のさらなる指導方法の工夫改善を図った実践について報告を求め、検証を進めていきますと、このような記載があるところであります。
 また、平成20年度の学校教育の充実においての中では少人数に対する記載がありますが、小規模学級の取組の記載がありません。見当たらないというか、しかし少人数と小規模学校の学級とは運営のあり方、考え方が違うと、このように考えております。この2つは当然少し違った取組をする必要があるんではないかと、このように思っておりまして、少人数学級の延長として小規模学校の運営を取り組むには無理があるのではないかなというふうに思っております。
 そうした中で、各市町の教育委員会等で地元といろいろ話をしても、なぜか統廃合の話の方が優先されるような状況がありますので、そうしたことを懸念しまして、まず少人数の検証の状況、それと少人数学級と小規模の学級との違いについて、教育長にお尋ねいたします。よろしくお願いします。

○安田教育長 少人数教育、小規模学校ということでございますけれども、少人数教育は通常言われておりますのは、大勢の集団の中で、いかに人数を少なくしてクラスなり、あるいは学習単位でも結構ですけれども、そういう形で子どもたちにきめ細かく指導していけるかと、そういう観点でいつも申し上げております。したがいまして、必ずしもそのクラス編成だけではなくて、学習集団、勉強するときだけ編成する、少人数にするということも含めて、少人数教育という言い方をさせていただいております。
 小規模学校といいますのは学校そのもの、特にそれぞれの学年で、おおむね1クラスあるいはその1クラスでも人数が20人以下であったり、あるいはもっと少なくて複数の学年を同じクラスで教えたりというようなところもございますけれども、小規模学校はそういう形で全校生徒を含めても、やはり子どもたちが非常に少ないと。だから、そこで本来であれば、その少人数教育で求めているきめ細かな教育というのは小規模学校では十分でき得るはずなんですが、きめ細かな指導はできますけれども、やはり一定集団あって初めてできるような指導がなかなかできないと。あるいはその人間関係も含めて、どうしても固定化しがちであるというようなことで、いわゆる小規模学校は小規模学校なりの悩み、あるいは改善しなければならないこともあると、こういうふうに理解しているところでございます。

○野田委員 少人数学級と小規模学校との違いを含めて今説明していただいたんですけれども、それはよくわかりましたんですけれども、じゃ小規模学校についてどういうふうな取組があるかということに関しては、おっしゃっていただけなかったので、そのへんの取組を改めてお聞きしたいと思います。それと小規模学級の場合に人間関係が固定化されると、こういうことをおっしゃっいましたんですけれども、小規模学校の特性を生かした学級運営ということで、いろいろと全国で検討されているんですよね。その中には小規模学級の課題というのは先程教育長がおっしゃったように、少人数のため児童は大きな集団での社会的経験の場が不足がちになるとか、複式学級では学年別指導の場合、教師の直接的な指導を受ける時間が少なくなる。さらに、学級を編成する児童が毎年変わるとともに、学年差が学習経験差が出てくるなど、先程の人間関係の問題に関しましてはこのようなことだと思います
 しかし、発想の転換というのが必要なんではないのかなと思うんですね。特に県南の方は、そうした少人数学級というよりも小規模学校の方の運営というものをしっかりしていかないと、これからもう少人数だから教育は成り立たないというような、そうしたうがった認識の中で、小規模になれば学校として存続しないんだという認識は、私はそれは一方的な、画一的な判断ではないのかなと思っております。
 そこで、発想転換して、どういうふうな成果がなされたかというと、ここに岩手県の県立総合教育センターで小規模における主体的に学ぶ力を育成する学習指導に関する研究と、こういうのがあるんですね。それと福島県の中にも僻地小規模学校学力向上を支援するプロジェクト、この中でいろいろなことが書かれておるわけなんですけれども、小規模のこの岩手県の方では、どのような形の成果を上げているかといいますと、小規模校における主体的に学ぶ力を育成する学習指導に関する基本的な考えを明らかにし、小規模校における主体的に学ぶ力を育成する学習指導について検討した結果、そうした基本構想を立案することがまずできたというふうな成果が出ているんですね。それと、合同学習と集合学習を組み入れた学習活動モデルプランのねらいとして、そうした2つの学習活動モデルプランの作成もできたと。ただ、課題としましては、いろいろな学習活動を展開する配慮とか、短期間でそうした結果をまとめたことがありましたので、具体的な構想に少し欠けているのかなという、こういうような検証もあります。
 それから福島県の方でも、よく似た成果があるわけなんですけれども、予定どおり実施することができたけれども、多くの成果を上げたんだけれども、ここも短期の事業であれ、十分に趣旨が生かされたとは言い難い状況にある。これからいろいろと研究課題はあるが、しっかりとそうした小規模の特性を生かした学習運営というものを研究する必要があると、このような結果が出ておるわけなんですね。にもかかわらず、県としては少人数学級のことを、少人数でいろいろ1対1のマンツーマンができるだけできるように、これはいいことなんですけれども、もう少し県南の方の取組というものも県が市町の教育委員会等含めて考え、検討していただきたいと思っております。
 それと、ここに西之表市の資料と浦安市の教育委員会がいろいろ、浦安市の場合は小規模学校選択制度というのを今導入しています。それから、西之表市の場合は特定通学制度と、こういうのをしています。なぜこういうかといったら、前回の質問のときに九鬼中、九鬼小のところで、いい環境のところで小規模で移動したいという子がいた場合に、いろいろとそういう制度があってもいいんじゃないかということを聞かせていただいた、質問させていただいたんですけれども、教育長の答弁も、これは難しいという判断なんですよ。その中で私なりに調べた結果こういうような形になりましたので、次の教育長になられる予定者の人も含めて、なられたときには何とかしていただきたいということも踏まえて、教育長にそのへんの要望も踏まえて、所見をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○安田教育長 まず後段におっしゃっていただきました、いわゆる越境入学の部分なんですが、本県の場合も3つの市で小学校4校、実際人数にして38人ぐらいの子どもたちが本来の学区を越えて入学をしているという例がございます。それは理由はいろいろございまして、自然環境を求めてというところもあれば、新たな人間関係を求めてというところもございますし、中には不登校の子どもさんもいらっしゃるというような、そういうふうな形で大きな規模ではありませんけれども、本県の場合もそういうことが行われているという状況でございます。
 それから、前段におっしゃっていただきました確かに小規模校での指導の仕方というのは、いろいろ研究をしていくべきであると思っておりますが、ただ私ども今年から教育改革推進会議というのを設置しまして、その中に学校の適正規模部会というのを作りまして、そこでは、やはり一定の集団で子どもたちが勉強するのに、どの程度の最低でもどのくらいの人数が必要かということをいろいろな角度から議論をしていただいて、そして近々そういう結論ということではないですが、そういう議論の結果をまとめさせていただくことにしておりますので、そういったことも十分に参考にしながら、これ最終的な主体は市町の教育委員会になりますけれども、そこでも十分相談しながら、今後のそういう小さい規模の学校のあり方については研究をしてまいりたいと思っております。
 以上で終わります。

○野田委員 ありがとうございます。
 ただ、今の結果を含めていきますと、例えば少人数学級の提言ですね。下限の問題とか小規模校の検討もしていただけるということで、そういったことも含めて十分対応して我々の議論として共有できるようなものになるようにご期待申し上げたいと思います。今西之表市とか、浦安市で通学、越境制度のことをやっていますけれども、もう少しそうしたことも県の教育委員会としても十分各市町と検討しますよということも踏まえて対応していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。どうもありがとうございした。

○末松委員 未来塾の末松則子でございます。私からは少数会派になってまいりますので時間にも余裕がございませんが、今のところ私、気持ちにも余裕がございませんので、わかりやすくご答弁をいただきたいと思っております。
 先日の一般質問の中で、杉本熊野先生の方から男女共同参画についてのご質問がなされました。「美し国おこし・三重」実行委員会の中で、33分の2というような女性の登用率だというように質問を聞かせていただきました。私は、51分の2の女性議員でございまして、今日もここをざっと見せていただきましたら、女性の方はといいますと、太田さんだけが端の方に1人見えるというようなことでございまして、非常に寂しい思いもいたしております。
 杉本先生の質問は、企画立案のところ、また実行運営のところには女性は多数起用をされておるというような状況であります。けれども、政策を決定する場、ディサイドするところに女性がいないのではないか。まさに今日この場でも太田さんしかいないということがそれを物語っているのではないかなというふうに思っております。
 最近やっと温かくなってきて、お花のきれいな季節になってまいりました。私の庭では梅が少し満開になってまいりましたし、桃も咲いてまいります。4月には桜の季節でございます。どうぞもうすぐ人事の季節になってまいりますので、4月の議場やこの全協室では県庁の方の桜のつぼみは十分膨らんでいると思いますので、何とぞ4月の議場で満開とは言いませんが、できれば5分咲きぐらいにはなってほしいなという思いを込めまして、これは要望にさせていただきますけれども、私の地元の質問にさせていただきたいと思います。これは要望でございます。
 この質問は、黒海苔の養殖についての質問でありますけれども、昨年第4回の定例会のときにも質問させていただきました。現在、昨年よりも、そのときよりもさらに状況が悪くなっておりますので、改めて質問をさせていただきたいと思います。
 先日、藤田泰樹議員の一般質問でも海苔養殖の話が出ました。中村勝議員の関連質問でも海苔養殖を心配する質問が出されたところでございます。三重県の海苔の生産金額はここ10年で64%に減少しているという非常に厳しい状況です。藤田議員の理科の授業でよくわかっていただいていると思いますが、伊勢湾全体の環境が水環境の悪化、干潟、藻場の減少による自然浄化能力の低下、親水空間の減少や貧酸素水塊の発生、多くの課題により、この状況が生まれていると思います。
 その中で漁師さんたちは仲間と毎日必死の思いで海苔養殖を続けてきました。自分たちで商品開発を行い、生産をし、この海苔に付加価値をつけ販売することにより、経営の安定を図るなどしながら生き延びてきたと言っても、言い過ぎではないと思います。このように三重ブランドの中でも認定をされ、自分たちで、こういうような状況で販路改革もしてまいりました。これが今の状況です。
 その中で今一番心配をしておりますのが、何度も新聞にも掲載をされました。報道番組のニュースでも特集で取り上げられました。流域下水道の処理施設からの排水による問題です。処理場の増設に伴い、昨年から四日市楠地区での海苔養殖が行われないことになり、楠地区での海苔の廃業、海の状況が変化している海苔の生育状況や生育環境の悪化を心配していたのは昨年12月まででございます。現在では、鈴鹿の海苔は既に養殖を終了しており、特定の地区、特に長太地区、箕田地区におきましては海苔養殖が始まって以来、過去最低最悪、経営体によっては海苔が1枚もとれないというようなところも出てきたありさまです。このような状況は、もちろん県としては知っていただいていると思っております。
 パネルを用意しました。これが平成9年から鈴鹿市漁業協同組合の海苔の販売の状況です。平成17年度が一番過去悪くて、海苔の枚数でいくと4,472万枚です。平成18年度は少し取り戻しまして6,430万枚になってきました。けれども、今年の状況は3,405万枚。この状況よりも、さらにまだ落ち込むというような状況です。金額でいいますと2億4,500万円、これが19年度のノリの販売金額でございます。
 また、月曜日の新聞にも「海苔不作、鈴鹿が突出」という新聞も出していただいてあるようでございます。低調というよりも、壊滅的な打撃を受けているというような状況であります。この状況を県といたしましては十分ご理解をいただいていると思いますが、今後のこの対策について鈴鹿の海苔、また三重県の海苔について、どういうふうに県としてはお考えをいただいておりますでしょうか、今後の対応策も含めて少しお聞かせをいただけませんでしょうか。

○中尾農水商工部長 海苔養殖業についてお答え申し上げます。
 海苔の養殖業は伊勢湾におきます重要な産業であると我々思っております。しかしながら、海苔養殖業は赤潮でありますとか雨の量でありますとか日照時間、こういったもので大変自然条件に左右されまして、今おっしゃいましたように収穫量やら品質にも大きな影響を受けているところでございます。こういったことで、こうした環境変化を踏まえた漁業者の対応を促してまいりますために、科学技術振興センターなどと連携しながら漁場環境調査を実施して漁業者へ提供しておると、そういったこともやっておりますし、また漁場環境に応じました管理指導、あるいは病害の予防への技術的な助言なども行っております。海苔養殖の開始時期や摘み取り時期をこういうことの中で状況に応じて弾力的に設定するなど生産管理を促しておるところでございます。
 今後とも、こうした情報提供や技術的な助言を行いますことで、海苔養殖の安定的な生産に向けて取り組んでまいりますとともに、引き続き、海苔の協業化でありますとか、あるいは規模拡大など地域の実情に応じました経営の合理化を促進いたしまして、海苔養殖業が発展するように我々努めてまいりたいと、このように考えております。
 以上でございます。

○末松委員 ありがとうございます。
 非常に重要な産業だというふうにご理解をいただいているというふうにはわかっております。ただ、壊滅的なんです。来年調査をしたくても調査ができない、箕田地区、長太地区におきましては、もう今年は海苔漁業をしないというような状況になりました。こういった中で、なぜそこだけがというのは前回の一般質問でもさせていただきましたけれども、非常に最初言わせていただきました下水処理場の問題、流域下水の処理施設の放水の問題もあるのではないかというふうに思っております。
 平成元年にいろいろなお話をしていただき、環境アセスもしていただきました。平成8年から供用が開始をされまして、それから非常に海苔の量が減ってきております。その時点で環境アセスをした時点と今の時点では、この10年間で非常に環境が悪化をしている。鈴鹿川の河床も非常に減っているというような状況で、今現時点では河床の川が本来流れている、山から流れてくる川の水ではなく、ほとんどが下水処理場から来る水だというふうにも聞いておるところでございます。
 そういった中で、佐賀県に行っていただいたり、いろいろなところで調査をしていただいているというのは十分理解をしておりますし、私の一般質問の答弁の中にもポイント数を18ポイントに増やし、調査もしていただいた。現時点では協議会も立ち上げていただいておるということはよくわかっておりますが、そのときと今の状況とが、かなりスピードを上げて変わってきているというような認識の中で県土整備部長、これからどういった対応をしていただけるか、できましたらわかりやすくご答弁をください。

○野田県土整備部長 南部浄化センターの放流海域でございます特に鈴鹿地区の長太、下箕田地区の今期の海苔養殖が著しい不況に見舞われているということは私も十分承知しているところでございまして、先程も出ましたが、漁業組合、鈴鹿市、三重県等につきまして南部浄化センター周辺の漁場対策協議会を設立して関係者の問題解決をしていこうということで、今取り組んでいるところでございます。今年度におきましても、環境調査等を2月上旬から実施しておりますので、この研究取りまとめの結果を把握していきたいと思っております。今後におきましては今年度の調査結果も踏まえ、対策協議会において必要な調査、対策について協議をし、鈴鹿市を初めとします流域関係市の協力を得た上で、特に専門家の意見も十分聞いて、必要な対策は講じていきたいと考えてございます。

○末松委員 ありがとうございます。
 今、協議会の中でしていただいている調査の対策、もう少し専門的な知見、観点も入れて調査をしていただかなければならないんじゃないかなというふうに思っております。知事、12月の時点よりも今の状況が本当に壊滅的であります。三重県のブランドに指定をしてもらってありますノリも、このような状況では、これからノリ産業も含めて水産業が成り立っていかないんじゃないかなというふうに非常に心配をしております。
 その中で行政のスピードよりも環境の悪化のスピードが非常に激しい。それから、この流れのスピードというものが非常にとまるところなく流れているというような状況で、12月の地点から何度かお話もさせていただいておりますけれども、もう少しスピードのある対応と、それから、地元に対して、水産業の方に対して心ある対応をしていただけないかと思っております。何かございましたら一言いただけませんでしょうか。

○野呂知事 鈴鹿では「海苔の華」という新しい製品を作られて、私、あれ大好物でございます。それから、先般中村議員の方からは鳥羽市の、これも全国で最高水準の海苔を作っているところですね。いずれも大変今年は厳しいということ伺っておりまして、原因としてはいろいろ考えられるし、例えば台風で伊勢湾カキをかきますと多少回復するとか、いろいろなことも言われておるところであります。さっき担当部長の方からもお答えいたしましたけれども、皆さんにはそういう中で頑張っていただけるように県としてはできるだけの支援をできるようにしていきたいと、こう思っております。

○末松委員 ありがとうございました。
 ぜひとも部局横断的に対応していただきますように、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

○萩原委員 日本共産党の萩原量吉です。先程からの議論の中でも財政が非常に大変だ、危機的状態だと言われているわけでありますけれども、そんな中で、もうけ過ぎている大企業に何で190億円も補助金出して応援せんならんのや、そのことをただしたい。三重県はシャープに90億円初めとして、大企業への補助金を相次いで出してきているわけでありますけれども、農林漁業や中小企業を応援するというのならわかりますけれども、大企業を直接応援するということは県の責務ではありません。根拠になる法律もありません。
 実は、大企業というのは、この9年間で企業収益は15兆円から33兆円、2.2倍、株式の配当は3.9倍にもなっているわけであります。逆に労働者の賃金は9年連続減少をしています。大企業がもうけて栄えたら中小企業や労働者にそのうち落ちてくるだろうなどというような、そういうおこぼれ経済学といいますか、トリプルダウンなどというようなそんな議論はもうとっくに論破されているわけですね。
 三重県元気だ、工業出荷額がトップだなどと言って大いに自慢してみえますけれども、伸び率がトップだと自慢してみえますけれども、元気なのは大企業だけでありまして、正規労働者が大幅に減り、非正規の労働者がどんと増えている。ワーキングプアが増えている。生活保護家庭もこの間1.5倍、都市部では2倍になっている。国民健康保険料が高いけれども、払えない。保険証取り上げ率は全国一というような県民のところでは本当に悲鳴が上がっていると。そんな中で何で大企業だけ応援するのかという点です。
 資料も渡してありますけれども、特に三重県が補助金を出しているシャープなど大企業が実は自民党に献金をしている。その献金額もちょっと調べて書いておきました。シャープには90億円の補助金を出した。2,100万円自民党に献金とか、富士通は10億円で5,040万円、これは三重県の補助金と若干比例はしておりませんけれどもね。東芝10億円で8,498万円など、こういったような補助金は、やっぱり大企業へのこの補助金が自民党などへの献金という形で還流されているのではないか。そんなふうに私は思えて仕方がありません。
 先日も1月6日付け朝日新聞でしたか、2006年、平成18年度だけで国から109の企業が自民党に7億8,000万円の献金をしている。民主党には12社で1,000万円の献金があると、こういう報道がされていました。補助金を受けたお礼とも言うべきような献金だと、この指摘であります。
 新藤宗幸という千葉大の行政学の教授は、補助金を受け、一方で政治献金をすれば補助金行政にゆがみや誤解を生みかねない、企業や団体に対して例外を設けず、政治献金を禁止すべきだ、このように言っておられますけれども、知事にこの点の見解を明確に聞いておきたい、このように思います。
 さらに、時間がありませんから、ついでに申し上げますけれども、四日市のコンビナートの大企業などが最近相次いでコンプライアンス違反といいますか、それこそ排出量をごまかしたり、あるいは報告をしていない。つい先日も三菱化学が何と2005年度、2006年度の窒素酸化物の基準値がオーバーしているにもかかわらず、県への報告を怠っていた。この三菱化学、それこそ大変な補助金も出しています。しかも、やれ試験研究機関だということでもって、知事はテープカットに出かけているわけでありますが、やっぱり県と企業というのは特に公害防止協定など、あるいは公害防止の条例に基づいて監視する側、企業は監視される側、このようなところで補助金を出しましょうや、仲よくやりましょうやということになりますか。そういうことから、実は立入検査などが大変おくれている、あるいはまた見逃されてきている。こういうなれ合いが生じるということにもならないでしょうか。
 少なくとも、企業に献金をしているような、そのような企業には補助金は出さないとか、自民党に献金などするのやったら補助金やめるとかすべきじゃないですか。あるいは二酸化窒素などの公害規制守らない企業には百歩譲って補助金は出さない、このようにすべきと違いますか。知事の明確な回答を求めます。

○野呂知事 政治資金規制法によりますところのいろいろな制約があって、企業等が政治団体等に献金を出す場合に、そのコンプライアンスをしっかり守るという必要がございます。今回ご指摘いただいておりますことにつきましては、県の方は法律に基づいて、そういった問題はないということでございます。
 それから、二元代表制でこうやっていろいろ議論していくということであります。別段議院内閣制ではございませんから、したがいまして、二元のうちの一元をやられておる共産党さんもその中におられるわけでありますから、どうぞ議員間で政党間でご議論をいただくと大変結構ではないかなと、こういうふうに思っております。
 なお、四日市の企業等で排出基準を超えておった時期があったとか、いろいろそういったことがあり、これは極めて遺憾なことであり、残念なことでございます。萩原さんと廊下で会ったときは、ににこにこしながらごあいさつをしながらも、緊張感はきちっと保っておるように、企業との間もやっぱりしっかり緊張感持ちながら対応していきたいと思います。

○萩原委員 全然答えになっていません。政党の寄附金、議員間で討議しろ、そんなのは全くおかしな話でありまして、私たちは企業団体献金をきっぱり禁止せい、だからあえて私は千葉大の先生の発言も引用したわけですが、知事はやっぱりそれに答えられないというのは、知事みずからも、かつては衆議院議員として大きな財界からの献金も受けていた。こういう事実をやっぱり否定できないわけでありまして、そういうことが政治をゆがめているというふうに言わなければなりません。
 また、三菱化学だけではなしに最近相次いで石原産業あるいはまた日本合成ゴム、JSR、このJSRにも補助金たくさん出していますが、こういうところが相次いで報告義務を怠っているというか、違反をしているわけでありますからね。こういうようなところで、きちっとした監視を一層強めてもらうということが極めて大事。そのあたりの職員の数も随分減らされてきている。こういうことともかかわって、実際上報告がそれこそさぼられていたり、あるいはまた立入調査がおくれている。そんな中で補助金出しましょうやということになったら、なれ合いが生ずるということを厳重に私は注意を申し入れたい、そのように思うわけであります。
 企業団体献金が政治をゆがめる大きな大もと、実は道路特定財源についても、これまた日本道路建設業協会というのがありますね。ここも年間6億5,000万円ぐらい補助金出している。こんなところから、やれ道路特定財源だ、無駄な高速高規格道路だ、こういうことになって政治がゆがんでいるんだ、このことを私たちは強く要求しながら、企業団体から一円も政治献金受け取らない日本共産党こそがこの問題を追求できる、このように思っております。
 残念ながら時間がありませんので、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。

○奥野委員 青雲会の奥野です。初めてですので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 穏やかに予算質疑をしたいと思っております。もう皆さんお疲れですので、できるだけ静かにやっていきたいと考えております。論客と論客の間で新人がやるのでつらいものがあるんですけれども、よろしくお願いしたいと思います。本来ですと、森本代表がこの場でやっていただくわけなんですけれども、代表の手違いで私が出場ということになりましたので、ちょっと急ごしらえですので、行き届かぬところがあるかと思いますけれども、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 予算は行政活動を数字でもってあらわしたものと言われております。議会や県民は、予算を通じて行政活動がどのように行われようとしているのかを知り得るものです。つまり予算は政治的に大きな意義を持っていると言えます。予算編成権は知事に専属するものであり、正確に見積もっていただくことが重要であります。今回の減額補正を見ればわかりますように、極端に言えば安易に補正で対応すればよいなどとせずに、細心の注意を払ってやっていただきたいと思います。
 知事の留意するイノベーション産業の元気づくり、新博物館、「美し国おこし・三重」、「美し国おこし」については少々準備不足であったんかなと、そんなふうに思います。県民の目線に立って知事の思いを伝えていただきたいと思います。しかし、こども局の設置には大いに期待をしておりますので、頑張っていただきたいと思います。
 それでは、時間がありませんので、本題に移らせていただきます。地方債についてでございます。
 1つは臨時財政対策債、もう一つは退職手当債でございます。地方債残高が1兆円を超えることについては、もう多くの議員の皆さんがお尋ねになりました。今日もたくさんその件についてお尋ねになったので、もうやめようかなと思ったんですけれども、そんなわけにいきませんので、私の視点から質問させていただきます。
 この中には平成13年度から発行された臨時財政対策債1,855億円が含まれていますが、この臨財債についてお尋ねをさせていただきます。この制度の成り立ちから考えれば、臨財債は交付税の身がわりのようなものですが、ここで気をつけていかなければならないのは、あくまでも県の責任において行う借金であるということです。もちろん市中銀行で借りているから年数パーセントの利息を払っているはずです。20年度の歳入説明で交付税とセットの予算金額を示しています。
 臨財債はご承知のとおり、返済額の100%を交付税措置とされていますが、返済のときにその他の財政事情を踏まえて潤沢に交付税が配分されているとは限りません。過去に景気対策として公共事業の財源として発行した交付税総額は、減額になっております。平成13年度当時は20兆3,000億円あった交付税が、20年度では15兆4,000億円と大幅に減少をしております。これは基準財政需要額が毎年見直されて、約束した借金返済以外の部分、この部分が本来重要でありますが、この重要な部分が削減されています。このようなことが臨財債の返済時に起こることは十分に考えられるはずです。臨財債の交付税算入は正確ではないかもわかりませんが、2年あるいは3年の据え置きで20年ないしは30年の償還だと思います。つまり、このことは地方財源の中の話で、みずからの足を食うタコに例えられています。
 そこで知事に伺います。臨財債は20年度にあっては交付税1,236億円、臨財債は242億円で約20%です。これは借金であるという認識をお持ちだと思いますが、この臨財債という制度についてどのように考えておられるのか、必ず財政硬直化が生じるはずであると思います。当然地方交付税制度を切り離すことはできませんので、含めてお答えをいただきたいと思います。
 急ぎます。次に、退職手当債についてです。
 19年度には80億円、今年度予算は110億円発行されます。先日、総務部長にお尋ねした折には、国の緩和により発行が可能となったことによって、団塊の世代の退職に対処するとのことでしたが、団塊の世代は入庁時に何人、何年後には何人退職することはわかっているはずです。地方債を発行することをそのように安易にしていいものか疑問であります。
 企業においては入社時から退職金を積み立てていくのが健全な会社の経営です。退職金を支払うために借入をすれば、投資などにも影響が大きく、考えがたいと思います。多分17年以前は基金あるいは一般会計の繰入で手当てされていたと思いますが、退職債は借金で利息が当然つきます。財政調整基金なり、他の方法で処理することが望ましいのではないかと考えます。このようなことは県民に説明がつきにくくありませんか。行政だからこのような方法がとれるという考え方は改めるべきではないでしょうか。三重県庁の経営者として知事のお考えを伺います。
 以上です。

○野呂知事 まず臨時財政対策債でありますけれども、これはさっき、もう町長をご経験され、大変お詳しいのでご説明ありましたけれども、実質的には交付金なんですね。標準的な行政サービスの提供には必要な財源であるけれども、国がお金の手当がなかなかできないから地方の方で借りてくださいよというようなことでございます。したがって、臨時財政対策債、これ発行しない方が、借金は借金ですからいいんですけれども、行政サービスの適用のためには発行せざるを得ないというような状況にございます。
 本当はどうあるべきかということでありますけれども、私はさきにも申し上げておりますように、地方交付税等につきましては、やはり復元、充実をしっかりしてもらわないと、今まで本当に行政サービスの提供のために必要なお金として交付税措置されておったものまで削って、そしてそれを地方の借金で当面賄ってくれ、後で国でちゃんと手当するからと、こう言われましても、こんな変則ないびつな格好はないと思いますね。したがって、それをしっかりお願いしたいきたいと、こう思っています。
 それから、建設については、やはりこれはもう減じてきております。三重県の場合にはそういう状況ですけれども、臨時財政対策債は政府の方で政策決定が変更になりますと、すぐにもっと地方でそれはその分については財源手当、これでやってくれと、臨時財政対策債でやってくれというようなことで、非常にふらふらするというようなことはあります。しかし、三重県は全体としては全国では私は東京とか沖縄を除けばベストスリーの中の一つであると、こう思っております。
 それから、退職手当債でありますけれども、今になって団塊の世代の退職についてどうだと言っても、これもう北川知事のときよりも、その前の田川知事のときよりも、もうずっと前からのものなんですよね。私はおっしゃるように、ちゃんとそれについては年々負担の平準化を図るために積み立てていくとか、前倒しでもっていくということが大事だと思います。しかし、そうなっていないというところは大変残念なところでございます。したがって、多分市町と違って都道府県ではそういう手当てをしていないところがほとんどだと思うんですけれども、三重県としてもそういう中で10年度に限り発行を許されるこの退職手当債を活用しようというところでございます。

○奥野委員 時間がありませんので、論議する時間がありません。また次の機会にしたいと思います。ともかく出たら入るを制するということを十分に考えてやっていただきたいと思います。
 終わります。

○中川(康)委員 公明党の中川康洋でございます。予算の総括の立場から主に2点にわたりましてお伺いをさせていただきます。
 初めに、平成19年度三重県一般会計補正予算案に関連して、いわゆる原油高騰対策についてお願いをいたします。この原油高騰対策につきましては、昨年12月18日に我が公明党も知事に対して具体的に6項目にわたる緊急要望をさせていただきましたところでありますが、国の方におきましても、国民生活や中小企業に深酷な影響を及ぼしており、早急な対応が必要との観点から、平成19年度補正予算の中で約570億円余りの原油価格高騰対策関連費用が盛り込まれたところであります。
 そこでお伺いいたしますが、今回の本県の補正予算の中にも各部別にはこの原油高騰対策のための補正が見られるのですが、個別ごとの予算額ゆえ、全体としてどれぐらいの措置がされ、本県でのこの原油高騰対策による予算ボリュームがどれくらいになっているのかがよくわかりません。確かに今回の国からの補正は県を通らず、直接事業者に渡っていく予算もあるとは思いますが、現在までに県が掌握している範囲で、この国の原油価格高騰対策関連予算による本県の事業数及び予算ボリュームはどれぐらいになっているのかお教えください。簡潔に願います。

○福井総務部長 原油価格の高騰対策についてお答えします。
 最近におきます原油価格の高騰は県民の生活を直撃するとともに、十分な価格転嫁を行うことが難しい中小企業ですとか漁業、それから農林業、運送業を初めとします各種の産業に深酷な影響をもたらしております。これを受けまして、国におきましては昨年12月に原油高騰下請中小企業に関する緊急対策関係閣僚会議が開催されまして、先程委員ご指摘のように6項目の柱からなる緊急対策が打ち出されたところでございます。
 本県も国の対策と連携いたしまして、先日上程いたしました補正予算におきまして地方バス路線の維持確保対策ですとか、省エネルギー型の農業機械等の導入支援策を追加計上したほか、漁業関係では国が設けました支援制度の説明会を実施するなど制度の周知に努めているところでございます。
 また、通常の融資制度の中におきましても、中小企業者ですとか農業、漁業者に対しまして燃料の高騰に対応しましたメニューがございますので、それらの活用を図っているところでございます。今後も国の支援策を十分活用しながら適切な対応を行っていくとともに、原油高騰が及ぼします県民生活や産業への影響に注視していきたいと、こうように考えております。
 以上でございます。

○中川(康)委員 ありがとうございました。
 予算ボリュームということで額等も出ればと思ったんですが、県を通らない予算もあるので、またわかり次第教えていただければと思います。この原油価格の高騰は冬場に限らず、これからもしばらくの間、続くことが予想されますし、この問題が長期化すればする程、これまで以上に多くの分野に影響が出てくると予想もされます。ゆえに本県におきましても、今回の補正対策の施策に限らず、20年度予算の中にも幾つか措置はされているとは思いますが、引き続き県民生活や中小企業の立場に立った対策及び政策の継続をお願いをいたしたいと思います。
 それでは、続きまして2点目に、第3款民生費の中から特別保育事業費の3人目みえ応援プログラム事業費について平成19年度補正予算、20年度一般会計予算及び「県民しあわせプラン・第二次戦略計画」に関連させて伺います。
 この事業は、多子世帯の子育て支援のために一定の保育サービス等を受けた利用者の負担軽減策を実施するというものですが、今年度の実績はまだ最終ではないですけれども、この事業を実施したのが29市町中2市のみ、また当初予算額973万6,000円に対し実施見込額は53万3,000円、率にして執行率は5.4%、また利用見込み児童数も302人の目標に対して19人であります。
 さらに、平成20年度実施予定市町は29市町中7市町にとどまっており、予算も戦略プランの中では1,000万円の需用費を上げながら、実は予算の中では861万2,000円と、この事業が重点事業の一つでありながら、予算は既に減額の計上がなされております。私は、この事業における今年度の実績、また来年度の実施予定市町の数を見たとき、この事業は事業名は非常によい、また次世代育成の理念を的確に体現した名がつけられておりますが、その中身は果たして実施主体である市町が活用しやすい事業であるのか、また利用者にとって使いやすい事業となっているのか疑問であります。
 私は、以前から、この事業は次世代育成の観点から特別保育に限るのではなくて普通保育にまで拡充するべきであると主張しておりますが、改めてこの事業の次世代育成の観点における有効性について簡潔に伺いたいと思います。
 また、この事業は前述したとおり、「県民しあわせプラン・第二次戦略計画」の重点事業、くらし5の中に位置づけられている事業であり、この戦略計画は平成19年度からの4カ年を計画期間として進められている事業でありますが、事業がより実施主体の市町や県民の方々に活用されやすい事業にするためにも、またこの事業に限らず他の重点事業においても、その途中において、よりその計画の思いに近づける必要性を感じた場合などは、計画の途中における数値の見直しだけではなく、事業内容そのもののローリングや巻き返し、ないしはビルドアップも含めた見直しを図ることがあってもよいのではないかと考えますが、お考えを伺います。

○向井健康福祉部長 お尋ねの3人目みえ応援プログラム事業でございますが、ご指摘のとおり19年度実績、非常に予定していたものより少ない実績にはなっております。これにつきましては、これの発表したところが市町の既に予算対応等が済んでおりまして、市町におきまして補正をしなければならないような事態があったということもございますし、委員もご指摘のように少し手続とかプロセスについて市町に使いにくい部分があったのかなというふうには思っております。そういったことから、その20年度の実施におきましては、そういったところについて市町のご意見も十分伺いながら、より使いやすいような手続、プロセスについて検討していきたいと思っております。
 また、これは県で保育事業につきましての事業を行う場合には、やはり施策誘導的なものがあると思っております。この中では、やはり次世代育成の観点、それから特別保育の推進の観点、こういうところで進められておりますので、保育そのものの本体というところでは少し趣旨が違ってまいるのかなと思っております。いずれにしましても、この数値の目標も含めまして、途中で練り直すということ、これは、より重点事業としての効果が出るような形については引き続き検討してまいりたいと思っております。

○中川(康)委員 この事業を特出しで聞いたんですけれども、私はこの事業に限らず他の重点事業も含めて途中のローリングとか巻き直しがあってもいいんじゃないかというふうに思うんですけれども、そのへん政策部長どうですか。

○戸神政策部長 重点事業についての全般的なお尋ねでございます。重点事業は目の前にあります課題に対しまして4年間で優先的にやっていこうという趣旨で設定しております。4年間の事業目標、事業内容及び事業費を計画の中でお示ししてございますが、毎年度、取組状況を検証する中で柔軟に対応していくと、そういう方針で取り組んでございます。
 以上であります。

○中川(康)委員 ありがとうございました。
 先程の政策部長の答弁を聞きまして、柔軟な対応をそれぞれの事業においてやっていただけるものと確信をいたしました。
 今さら言うまでもありませんが、県における、また各部局における施策や事業というものは、県民からお預かりした税を主たる財源として運営をされている、このような認識だと思います。ゆえに知事初め県の職員はそのおのおのの施策、事業において、そのお預かりした税を県民にいかに還元していくかという視点、またそこに対する意識、認識がどれだけあるのかということが非常に大事になってくるというふうに思います。
 しかし、県は市や町などのいわゆる基礎自治体に比べ、県民から少し遠いところに位置しているために、施策によっては、これは本当に県民に活用されているのか、また生かされているのか、さらには還元されているのかと感じざるを得ないものもあります。ゆえに今後、県はおのおのの施策や事業の策定、または見直しなどにおいて、より現場の視点に立った、さらにはこれまで以上に地に足のついた施策運営を行っていただきますことを切にお願いをいたしまして、私の公明党を代表しましての総括質疑を終わらせていただきます。大変ありがとうございました。

○西場委員長 以上をもちまして、本日の予算議案及び予算関連議案に係る総括質疑を終了いたします。
 なお、本委員会に付託されました予算議案及び予算関連議案につきましては、お手元に配付の一覧表のとおり所管の分科会で詳細審査を分担していただきますので、よろしくお願いいたします。
 次回の委員会は分科会委員長報告及び採決を行うため、3月18日火曜日午前10時から開催しますので、よろしくお願いします。
 これで予算決算常任委員会を閉会いたします。ご苦労さまでした。

 

〔閉会の宣言〕

 

以上、会議の要綱を記し、ここに記名押印する。

平成20年3月10日       
予算決算常任委員長   西 場 信 行

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