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三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成20年度 委員会会議録 > 平成20年6月24日 健康福祉病院常任委員会 予算決算常任委員会健康福祉病院分科会 会議録

平成20年6月24日 健康福祉病院常任委員会 予算決算常任委員会健康福祉病院分科会 会議録

   
 健康福祉病院常任委員会

予算決算常任委員会健康福祉病院分科会

会 議 録

(開 会 中)

 

開催年月日   平成20年6月24日  自 午前10時00分 ~ 至 午前11時47分

会 議 室     501委員会室

出席       8名

委 員 長          竹上 真人  君

副委員長          藤田 宜三  君

委  員           中川 康洋  君

委  員           後藤 健一  君

委  員           田中   博  君

委  員           舟橋 裕幸  君

委  員           山本 教和  君

委  員           萩原 量吉  君

欠席員      なし

出席説明員

  [病院事業庁]

      庁  長                                  田中 正道  君

      県立病院経営分野総括室長    稲垣   司  君

      県立病院経営室長                  服部   浩  君

      政策企画特 命 監                   山路 栄一  君

      経営支援特 命 監                   荒木 敏之  君

      その他関係職員

傍聴議        0名

県政記者クラブ   3名

傍 聴 者        0名

議題および協議事項

Ⅰ 審査または調査

 Ⅰ 病院事業庁関係

  1 分科会

  (1) 議案の審査(1件)

  ● 議案 第91号   「三重県病院事業条例の一部を改正する条例案」

  (2) 所管事項の調査

  2 常任委員会

  (1) 所管事項の調査

  ● 当面の運営方針に基づく平成20年度マネジメントシートについて

  ● 志摩病院における小児科診療について

  ● 微量採血のための穿刺器具の不適切な使用について

  ● 平成19年度病院事業決算の概要について

 Ⅱ 委員協議

 

【会議の経過とその結果】

 

〔開会の宣言〕

 

〔病院事業庁関係〕

〈分科会〉

1 議案の審査(1件)

 (1) 審査

● 議案 第91号   「三重県病院事業条例の一部を改正する条例案」

     ① 当局から資料に基づき補充説明(田中庁長説明)

     ② 質疑

○竹上委員長 それでは、ただいまの説明に対し、ご質疑があればお願いします。

○舟橋委員 この逆のケースなんですけれども、例えば、総合医療センターでかかっていた患者さんが、別の病院に相談をするケースですね。当然、セカンドオピニオンの場合は、下にも書いてありますように、検査、診断をしないということですから、総合医療センターの主治医に対してセカンドオピニオンを受けたい、同時にそのためには、カルテだとか画像も持って行きたいと言ったときには、きちっと提供してくれるシステムになっているのか。その際には費用的に何らか要るのかどうか、そういうことはどうなっているのか、教えてもらえませんか。

○田中庁長 今おっしゃいましたように、総合医療センターに現在通院とか入院をしていらっしゃる方が、セカンドオピニオンを希望されるという患者さんには、これも積極的に私ども対応していくような用意をいたしております。

○服部室長 紹介の関係は、多分、文書料という形で紹介状を出させていただくのに、その費用だけは必要かと思いますけれども、直接それ以外は必要はないかと思います。

○舟橋委員 文書料っていくら。

○服部室長 1,000いくらかと思うんですけれども、細かい数字をちょっと覚えていませんので、申し訳ございません。

○竹上委員長 ほかには。

○田中委員 こういうセカンドオピニオンを提示する体制を有する病院であることというのはわかるんですが、実際の目的というのは何でしょうね、これ。目的。総合医療センターの、こういう体制を持っている、そういうレベルの高いところであるからこそ、がんの拠点病院として認められるということはわかるんですが。目的は何やろうね、実際の目的というのは。つかみづらいんですが。

○田中庁長 申し上げましたように、総合医療センターの場合には、がん診療連携拠点病院に指定されておると。特に国の方も、いわゆるがんの治療につきまして、がんの治療に係る10年計画というふうなものも示しておりまして、特にがんの治療に力を入れるというふうなことで、特に今回の文章にもありますように、がん診療連携拠点病院については、セカンドオピニオンの希望対象者については提供できるようなシステムにしなさいと、こういうふうなことになってきたというところでございます。

○田中委員 そういう体制をとりなさいということはわかるんですよね。
 セカンドオピニオンは、例えば患者のためなのか何なのか、ようわからんね。病院の格付のために必要なのか、患者のために必要なのか、ようわからんところあるんですね。

○田中庁長 もう医療の世界全般が、いわゆる情報の提供といいますか、あるいは情報の開示も含めて、患者さんの皆さんにオープンな形になってきていると。そういうふうなところで、いわゆる患者さんの皆さんにいろんな選択肢といいますか、患者さんについてもいろんなお考えがあるということで、医師の方からもきちっとした説明求められますけれども、患者さんもそれを聞いて判断するところがあるということで、こういったセカンドオピニオン制度というものがだんだん定着してきたんじゃないかというふうには思いますけれども。

○田中委員 患者さんっていろいろ不安持っておられるんで。主治医さんおられますと、また、違う方にも聞いてみたいというところにしっかりと対応していこうという、患者さんから見ればそういう意味合いということですね。

○萩原委員 ちょっとこの値段について、なぜ1万500円なのかというあたりで、一定の、厚生労働省としての指針的なものを出しているのか、他府県の状況などはどうなのかというあたりをちょっと教えておいてください。

○田中庁長 現在、県内で、いわゆる公的病院のセカンドオピニオンの制度を持っているところが5つありまして、このうち3病院が1万500円ということで、また、5病院合わせての平均というものが1万500円程度ということで、私ども1万500円というふうにさせていただいたところでございます。
 それから、あと特に国からは何か基準を言ってきているわけではないんですけれども、昨年、中医協がセカンドオピニオンの実施医療機関の利用状況調査というのをやっておりまして、その結果を見てみますと、このセカンドオピニオン外来の基本料金という調査項目がございまして、これで見ますと、私どもと同じように1時間以内といいますか、30分以上が1万から1万500円というのが全体の25.4%、それから、60分、1万円から1万500円、これも16.2%ということで、そのほか未設定というのもございますけれども、今、2つ申し上げました30分から1時間、1万から1万500円というところを見ますと、約40%超えているというふうなところでございます。
 そうしたところからも、やはり1万円から1万500円程度というのが一つの基準かなというふうには思っております。

○萩原委員 わかりました。
 それで、これは、かなり自分が診察を受けている、あるいはそれこそ、この診断が正しいのかどうかから始まって、今の治療方法はこれでいいのかとか、あるいは手術せんならんよということで、手術せんならんのかどうなのかという判断も、当然、患者にしてみたら心配でしょうし。あるいは、こんな診断、あるいは手術したとか、いろいろでこんなになってしまったという医療ミス、医療過誤にも、場合によってはそういう心配を持っている、不信を持っているという人の相談も当然あり得ると思うんですね。そういったような場合に、どこまでこのセカンドオピニオンが踏み込めるのかどうか。例えば、もうこんな診察されてしもうて、もうお父さんえらいもうあれになってしもうたよと、家族の人が心配でというような形で来たような場合に、これ、本人いなくても聞けるのかどうか。
 それから、医療過誤みたいなものに対しての一定の判断を下せるということに結果としてはなるとか、あるいは証言してもらえるとか、そんなことにまで踏み込んでやれるのか。そのあたり、ちょっと教えておいて。

○田中庁長 これ、病院の方でも、これからいろんな形でこういったセカンドオピニオン外来をされる方にお知らせをしていくつもりでおりますけれども、今、委員おっしゃられました医療事故とか、あるいはひょっとすると訴訟になるような案件といいますか、こういうふうなものに関する内容につきましては、説明できないというふうなことを事前にお知らせをさせていただくつもりでおります。
 また、基本的に、冒頭申し上げましたように、主治医の方の紹介状を持ってみえないと診察できないという話でしたので、やはり主治医の方もそのへんはご承知の上でといいますか、もしそういうふうなことをされるのであれば対応されるのではないかなと思いますけれども。
 あるいは、またそこで資料を添付していただかないとこちらも判断ができませんので、そうしたことも含めまして、全般的に主治医の方でもご判断されるところがあるんではないかなというふうに思います。

○萩原委員 やはり、そういう医療事故なり訴訟なりというのを前提にしてしまうと、これはまあ確かに問題やけれども、いろんな医師の診断とか見立てとか、あるいは観点変えてというのは、いいことに越したことないという感じもしますし、治療の納得にもつながっていくんで、これは大いに広げられるというのは基本的には大事なことやというふうには思うんですけれどもね。
 ありがとうございました。結構です。

○中川委員 数点確認させてもらいたいんですが、改正の内容の1の3のところで、実施に当たっては完全予約制と、対医療機関からの紹介患者のみを対象とすると、今の話に出ましたように、紹介状がなければ、当然データもなければ、セカンドオピニオンにはなりづらいものですから、だめよということだと思うんですが。
 これ、本人並びに家族の思いとして、今、かかっておる病院で本当にいいのかというところの不安を持って、僕なんかもよく聞く話では、今かかっている先生には言わずにどこかでセカンドオピニオンを受けたいとか、また外来にかかって本当にこのままの治療方法でいいのか聞きたいとか、そういうことの相談は実は多いんだけれども、基本的に紹介状がなければ一切対応できないと、要するにそれ以外は普通に外来で一からかかってくださいよということになるのかどうか。そのへんのところ、確認をまず1点目お願いします。

○田中庁長 1つは、おっしゃいましたように、紹介状を書いていただけるということは、すなわち資料も一緒に添付をされるということなんですね。ですから、資料がないと判断ができないということで、やはり一から診療をこちらの病院で、ということになろうかというふうに思います。
 それから、やはり医師同士の信頼関係といいますか、紹介状をお願いしていますのも、やっぱりそういったことをきちっと認識してもらった上で来ていただくというふうなことで、これは相互の話ですけれども、信頼関係を図るという意味で、今のような条件にしているわけでございます。

○中川委員 例えば細かい話だけれども、患者並びに家族の側に立ってみると、今の主治医にそういったことを求めることもすごくハードルが高いというか、その結果、別にその病院に引き続き診療してもらえばいいですよというセカンドオピニオンが出たとしても、やっぱり患者の側にしてみると、そこの部分は非常に気をもむところなんですよ。
 そういった部分で、結構具体的な話させていただきますけれども、例えば、まず県立医療センターにセカンドオピニオンの相談に来ますよね。当然、紹介状とか画像がない中で受けたいんだけれどもと。そこで紹介状なければだめですよという話に当然なります。けれども、本人としては、今のどこかの病院の主治医にそれを求めるのは非常につらいという場合、じゃ、病院間で、こういった方がセカンドオピニオンを求めてきているので、この患者さんに対して紹介状を書いてもらえませんか、データを送ってもらえませんか。そういった配慮なり手助けというか、そんなことはやれるのかどうか。あくまでも本人が今の主治医にお願いして持ってきてもらわなければいけないのか。そのへんのところ、県立医療センターはどのように対応される予定でおりますか。

○服部室長 今、中川委員からご指摘のあった点でございますけれども、具体的には直接ドクターへの申し込みではなくて、総合医療センターの中の医療連携室というところへ、まずご相談いただくような形でお知らせをしたいというふうに考えております。具体的には、そんなふうになりますので、個々いろんな対応があろうかと思いますけれども、まずは、医療連携室の方へご相談いただいた中で、ふだんから連携をとっている医院さんであるのか、あるいは全く初めてのところであるのか、そういったところも含めて相談をさせていただいた上で、場合によってはそういった対応も考えて、ふだん連携をとっているところであれば、そういったことも考えていけるかなと思っております。
 ただ、ちょっと具体的な話として、今、そこまで踏み込んで確認はしておりませんけれども、まず連携室の方ですので、ある程度のご相談というのは受けることができるかなというふうに考えております。

○中川委員 患者、並びに家族というのは、やはり病院とかドクターの立場から見ると、病院やドクターが思っている以上に弱者の側に立っているんだと思うんですね。別にそんなふうに思わなくてもいいんだとは思うんだけれども。
 だから、そのへんに対する工夫とか配慮とか、特段の相談とか、そういった体制はとっていただく必要があるのかなと。その連携室の中でも、言葉の使い方一つにしてもやっていただくことが、その壁によって、結局、もうやめておこうとか、医療センターのイメージとかそんなところにもつながる可能性があると思うので、ここはとにかく、がんという非常に命に直接関わる部分でのセカンドオピニオン、もうどうしたらいいのかというせっぱ詰った相談だと思うので、特段の配慮を願いたいというふうに思うんですね。
 もう一つ、当院への転院を目的としたご相談はお受けしないというふうに書いてありますけれども、セカンドオピニオンの結果、転院になり得るということはこれはあるのかどうか、そのへんのところ、確認をさせてください。

○田中庁長 もともとが、先程申し上げましたように医師間の信頼関係というようなことを崩すような話になっては、今後のことも含めましてまずいということで、もともと転院だというふうなことではお断りするわけですけれども、当然、こちらで診察を受けられて、転院をしたいということであれば、それはそういうふうなこともあるでしょう。もともとが二重診療といいますか、同じ病気であっちこっちでかかるということが基本的に想定がされていないというふうなことなものですから、転院される場合に、当然、例えば総合医療センターで診察を受けてこちらで治療を受けたいという本人のご意思であれば、それはそれで成立する話であると思います。

○中川委員 これ、要するに、化学療法とか放射線療法を、拠点病院はやるような専門医を置かなあかんと。そうすると、一般病院では外科的な手術しかできないけれども、そういったことの方がこの方には効果があるよという場合、うちでというようなことは、その主治医の方にサジェスチョンするというか、そういったことはセカンドオピニオンの結果あるんですか。

○田中庁長 それは、ご本人さんのお話を聞いて、先程も申し上げましたように、いわゆるそういう話ができるところの医療機関であれば、率直に意見交換できるというふうに思うんですけれども、いろんな条件をやっぱり加味しながらそのへんは対応する必要があるんではないかなというふうに思います。

○中川委員 今、何度も、話のできる医療機関、できない医療機関という話が出ているけれども、患者にとってみたら、病院の側が話ができるのかできないのかというのは余り関係のない問題だと私は思うんだけれども。いわゆる今、かかっている病院と医療センターとの関係ということになると思うんだけれどもね。話のできるところとはするけれども、できないところとはしない、だから、オピニオンの結果、あなたがまた主治医の方に行って、転院したいとかどうしたいとか言ってくださいねと、そういう関係によって左右されるような状況があり得るんですか。

○田中庁長 先程も申し上げましたように、このセカンドオピニオンのこの制度自体が、現在かかっている主治医の方からの紹介状に基づいて、いろんな資料に基づいて、こっちが第三者として意見を言うという話ですので、そういうふうな基盤の上からなっている制度ということから考えますと、やはりそこをなしでするというのは、このセカンドオピニオンの制度自体、全体的に無理な話になってくるというふうなことですので。
 これは、ただ、あくまでも最終的には患者さんのご判断といいますか、ご意思の問題ですので、今の主治医から替わって転院されて受けられるということは、これはもう当然ある話ですので、それを阻害するものは何もないというふうに。

○中川委員 もう最後にしますけれども、セカンドオピニオンの制度を有料にして、これ保険診療じゃないでしょう。だから1万円取るということで、やっぱりこのセカンドオピニオンの制度を、患者の側にとって有益なものにする必要があるというふうに思うんですね。
 そのためには、患者並びに家族が、このセカンドオピニオンの制度が使いやすい、活用しやすい、そこにおいて垣根のない制度にする必要性が、皆さんが思っておる以上にさまざまな配慮をすることによってしていかないと、結果、これは制度は拠点病院にしたからつくったけれども、有益ではない、患者にとっては余り意味のない制度になってはだめだから、そこはいわゆる現場の運用面で、それは職員の側もドクターの側もナースの側もやっていただかないといけないのかなというふうに思うので、拠点病院になったからセカンドオピニオンを充実させますというだけではなくて、それをいかに有益な形で運用するか。もっと言うならば、患者にとって、そのオピニオンを受けたことによって、引き続き今の主治医の病院でもその治療法でいいですよという一言があるだけでも全然違う。ないしは、うちではこういう手法がありますけれどもどうしますか、向こうの主治医と相談させていただきましょうかと言うのかとかね。あなたの結果はこうでしたと言うだけなのとは全然違ってくると思うので、やる以上は特段の配慮をしていただく。そして、県立医療センターでがんにおけるセカンドオピニオンを受けて、その結果、本当によかったと、患者も家族も納得できるような制度にしていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 以上です。

○竹上委員長 ほかに。
 よろしいか。
 なければ、これで本議案に対する質疑を終了いたします。

  ③ 委員間討議

○竹上委員長 次に委員間討議をお願いします。
 本議案に対して何かご意見はありませんか。
 なければこれで本議案に対する委員間討議を終了します。

   ④ 討論

○竹上委員長 次に、改めて討論として議案に対する賛否の意向表明があればお願いします。
  討論なしと認め、討論を終結します。

 (2)採決

    議案 第91号     挙手(全員)     可決

 

2 所管事項の調査

     な し

 

〈常任委員会〉

1 所管事項の調査

  ● 当面の運営方針に基づく平成20年度マネジメントシートについて

  ● 志摩病院における小児科診療について

  ● 微量採血のための穿刺器具の不適切な使用について

  ● 平成19年度病院事業決算の概要について

   ① 当局から資料に基づき補充説明(田中庁長、稲垣総括室長説明)

   ② 質疑

○竹上委員長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に対し、ご質問等はございませんか。

○萩原委員 いつも病院事業会計、本当にご苦労いただいているというように思いますし、そのためのいろいろマネジメントシートなどを使っていろいろご説明もいただいたわけですけれども、ちょっと聞いておきたいのは、この数年で、診療報酬随分減ってきてますよね、3回にわたってね。これで合わせたらどれぐらいの減少になるのかわかりませんか。

○田中庁長 直近の平成18年度、これが一番3.16%でしたかで、一番大きい切り下げだったんですけれども、これで2億6,000万程度の減収というふうに見込んでおります。その前に16年度でこれ1年おきにあるものですから、平成16年度、これ1%ということで、単純にこれで推計しても3分の1が減収というふうなことになりますけれども。

○萩原委員 僕は、病院事業庁を甘やかすとかそんな意味で言うつもりは毛頭ないし、やっぱり大いに努力してもらうところは努力してもらわないといけないけれども。
 私も、今あえて聞いたんだけれども、診療報酬の本体部分までこのごろは手をつけ出したというか、減少し出したということで、これやっぱり国の総医療費抑制との絡みの関係で、今お話にあったように、02年で2.7%、04年が1%、06年3.6%、合わせると7.3%になるんやわな。その7.3%を、この表に出してもらってある医業収益138億に7.3%が例えばプラスされたとしたら、この19年度だけで、7.3%加えると10億842万。10億超えてしまう。そうすると、非常に単純な話をしますけれども、この10億が入ったとしたら、9億3,600万の経常損失なんて出やへんでという計算になりますわな、単純に言えば。
 私は、そんな形で単純な責任回避してもらったら困るとは思うけれども、現実にこういうような形になってきているという中で、診療所が倒産するわ、病院倒産するわという事態にもなってきている。さらに公立病院を今度はガイドラインまで作って、財政健全化法に基づいてこの決算合わせて、それこそこの赤字まで含めた連結決算などというのをやって、それで県の赤字と合わせた形でやってくるということが今、狙われているわけですね。
 私、このガイドラインの具体的な今後の進め方も含めてちょっと聞きたいんですけれども、こんな形で、本当に病院にかかわっている医師や看護師や職員の皆さんのモチベーションとか、さっき言ってみえたけれども、やる気起こりますか。
 そんなしわ寄せをおいらだけにやるなということにならへんのですかというあたりで、病院事業庁としてこのあたりはどういう考えてみえるのか、単純にこんなに診療報酬下がってきたんだから、県民の税金で穴埋めすればいいやとか何とかということだけでは済まないと思うけれども、現実のこの問題をもっと私は県民にも患者の皆さんにもPRすべきやないのかなと思うんですが、このあたりは本当いかがですか。

○田中庁長 私ども、委員会等でも申し上げてきたことなんですけれども、確かに今、委員のご指摘にもありましたような診療報酬の切り下げを含めますいろんな医療制度改革、それからやはり医師、看護師等医療従事者の不足という、これは構造的な問題だというふうに私ども思っておりますけれども、そういうような要因というのも確かに大きな要素としてあるというのは、これは私どもとしては事実かなというふうには思っております。
 それが、平成17年度、自治体分が66%の赤字というのが、18年度には77%、8割近くまで上がってきたという、それも一つの要因として考えられるのかなというふうには思っております。
 ただ一方で、やっぱり私どもとして、県立病院が全部適用の中で、やはり独立採算としていろんな経営努力をしなければならないというふうなところで、例えば、看護にしても有効にベッドを活用するというふうなことで、看護業務の一元化といいますかいろんな診療科の人を同じ病棟で見るというふうな、そういうふうなことも試みたり、あるいはジェネリックという、いわゆる安い後発薬品の適用をなるべくしたり、あるいはDPCといいまして、包括医療請求というような、いろんな効果的なことでも努力をしていかなければいけないというふうに思っていますし、また、現にそういうふうな取組をしているところでございます。
 したがいまして、構造的な問題と同時に、我々もやはり全部適用の中で機能の充実を図りながら、その中でやっぱり収支改善にも一生懸命努力していかなければならないというふうには思っております。

○萩原委員 ちょっとガイドラインにも触れてほしいなとは思ったんだけれども、今後これ、もう一つ、病院経営のいわゆる赤字決算というようなもので、これを県の債務と同じような格好で、連結決算でやられたら、これももう一つ大変ですわな。自治体そのもののあり方も問われる、第二、第三の夕張みたいなやつをどっとつくれということにもなりかねないわけで、だから、本当にそういうような点で、私はやっぱり、皆さん、現場の声からも県全体としても、今の自民党、公明党の政権にも強く要請もし、これではやっぱり医療破壊になってきますよというあたりは、私は、現場の声としても大いにもっともっと上げていかないと大変だなという、これは私の主張でありますけれども、皆さん、職員の皆さんの思いも含めて、ぜひお願いしたいなと。
 ちょっと具体的なことで二、三聞いておきますが、県立総合医療センター、四日市にもありますので、この間も私たちのところへ、随分厳しい形で県立医療センターの苦情が寄せられました。それが、やっぱり、強制的退院をさせられたという苦情なんです。おばあちゃんが入院をしてみえたんだけれども、まだまだ治療してほしいと言ってるけれども、とにかくもう帰ってくださいというような形で、それこそチューブいくつかつけての、そういう形の退院で、おじいちゃんが1人うちにおるだけで、家で何とするのというような、そんな形の苦情なんだけれども、今、平均在院日数というのはどれぐらいになっているんですか。
 そして、その平均在院日数とのかかわりで、これら病院の診療報酬に関わってくるわけでしょう。そうすると、看護師長なんかそれぞれの病棟で、本当に入ったときから退院計画どうするというふうな形で、あるいはどこか行くとこありませんかというような格好で、家へ帰れないもので、かといって、老健施設やら特養やらが空いているかと言うたら空いていないわけです。どうしたらいいのと私ら相談されても何ともようできませんわ。そのあたりを一遍ちょっと、病院の経営だけから考えたら、早く追い出さないと、どんどん診療報酬減っていくから大変やろうけども、そのあたりはどんなふうに、それこそ、お年寄りを地域でどう見ていくのというふうな点での連携がとれていますか。どうですか。

○服部室長 委員ご指摘の、総合医療センターの平均在院日数でございますけれども、平成19年度で13.3日になってございます。
 今の強制退院といいますか苦情ということでございますけれども、総合医療センターの役割としては基本的には、急性期、手術等の患者さんを主に見させていただくという役割でございまして、チューブつけたままで退院というのがどういう状況なのかがちょっと具体的にはわかりませんけれども、できるだけ周りの診療所さん、それから病院さんとも連携を組んで、双方で帰すような形というのはやらせていただいているのは確かだと思います。ただ、どういう状況だったのかは具体的に把握しておりませんけれども、そういった役割分担というのを進めているということは事実でございますので、その中で、できるだけ患者さんにも迷惑がかからないような対応は心がけてはおるかと思いますけれども、具体的な条件については、ちょっと今把握はしておりません。

○萩原委員 そのことに突っ込んであれするつもりはないけれども、かつては20日超えているような事態だったというふうに思えて、私も細かい数字は覚えてないけれども、これ一遍過去の経緯からも数字拾ってみてくださいな。しかも、それは単に悪い言葉使ったら、早く追い出せばいいという、これは回転率がいいからというだけの問題やなしに、長く置いたら、あなたのところの診療報酬が減っていくでしょう。そういうシステムになっているでしょう。そこのところ、本当にこんな冷たいやり方はないじゃないかという思いはしないですか、本当に。
 看護師さんなんか本当に気の毒だなと思いながら、やはりそうやってしていかんことには絶対的な数値目標があるもので、とにかく入院待っている人がどっといるから大変やという状況だけではなくて、長く置いたら、とにかく早く出て行ってもらわんことにはお金が減っていくものでということになっているというこの事実は、私は本来的な病院の在り方としても正しくないんじゃないか。そして、あとはとにかくどこへ行こうと、というような格好で、とにかく今、特養探しています、入所待っています、だけれども特養もいっぱいでといって、そこまで置いてくださいと言ってもそれでもだめです。心を鬼にして看護師さん、僕は看護師さんもたくさん知っていますけれども、そうやって言わざるを得ないという現実がある。こういうやはりシステムの矛盾みたいなものをどうしたらいいんでしょう。
 これは国の政治でございますから、しょうがないなということだけでいいのかどうか。公的病院として、県立病院として、私らも責められました、この間は、本当に。こんなひどいやり方があるかと。あるいはどこか行くところ探してと言われるんだけれども、行くとこありません。それでも追い出さないといけないというのはどうなんでしょう。特殊なケースを言うのかわかりませんけれども。あと、具体的にはまた相談乗ったけど、もう退院させられたもので、今さら何ともならんけどね。どうなんでしょう。

○田中庁長 今、服部室長も申し上げましたけれども、病院の中に地域連携室というふうなものを置きまして、いろんなそういった方のためのいわゆる福祉施設等も含めまして、いろんなご相談にも応じていると。あるいは日常的にそういった施設もいろんな話し合いの場も持ちまして、連携を図っているというふうなところでございまして、確かに病院だけをとりますと、平均在院日数が短くなってきたというのは、これは医療そのものの高度化というような問題もあろうかと思います。
 片や、いわゆる基準看護というのがございまして、総合医療センターだと10対1ですので、それなりのやはり在院日数というふうな一定の制限といいますか、期限というのがございますので、やはりその中での運用というのは求められるということであろうかと思います。
 今の具体的な例、詳しく承知をしておりませんけれども、やはり当然、医療機関とそれからいわゆる福祉施設等との連携というのは今後もますます重要になってくるというふうにも考えておりますので、そうしたこと、今後、十分、病院としては地域連携室を通じ、そしてまた当然、私としても健康福祉部等ともそういった問題等についてもいろんな機会を通じて話し合いの場というものを持っていきたいというふうに思っております。

○萩原委員 私、もっと聞きたいことあるけど、どうぞほかの人も。それにもかかわってよかったらどうです。

○竹上委員長 ではほかに。

○舟橋委員 医師看護師の充足率、20年度目標が100%になっていますよね。大変、厳しいハードルやと思うんですけれども、20年度新たに何らかのこういう方法も打ってみたいというようなメニューなんかをお持ちでしたらお聞きかせいただきたいのが一つと。それはとりわけ医師という面で。
 それから、看護師の場合、当然、基準看護に応じた看護師さんが配置されているわけですけれども、例えば総合医療センターだとかそこらへんで、新人看護師の育成、入ってきた新人も、それから将来の看護師の卵も含めた育成の場の提供というのを挙げていますよね。常日頃めちゃくちゃ忙しい看護師さんに、研修もプラスアルファで結局課すわけですよね。確かに将来的な看護師さんを育てるという公的病院の使命としては大切なんやけれども、それが現役の看護師さんの負荷になって、総合医療センターって結構退職率が高いところですから、過去から。それも1つの原因になっている、負荷になっているという状況はないのか。ならないように、最後はしてほしいなという要望なんですけれども。
 3点目は、志摩病院が今回19年度、随分大きな赤字をつくっていますけれども、基本的にはこれ、建物の減価償却だと思うんですよ。2分の1しか面倒みてくれていないとなると、当分の間はこれ、志摩病院、ずっと大きな赤を残していかんならんわけですよね。そうした際には、この2分の1しか面倒見てくれないという繰り入れのルールを何か全額に変えることによって随分今後の病院の施設整備や何かにも影響すると思うんですけれども、その取組というのは不可能なものなのか、現状では。
 この3つ。

○田中庁長 まず最初に、医師確保の問題でございますけれども、実は先般も研修医で見えている方あるいは医学部の6年生の学生さん等と、ある病院で研修で来ていただいている中で話し合う機会があったんですけれども、私は、彼らに、あなたたち労働過重で疲弊というふうな意識はあるのかというふうなことも聞いたりしたんですけれども、彼らからすると、やっぱりいろんな症例に当たって、一生懸命勉強したいというふうなことで、何がその病院を選んだ要因になるかというふうな話をしたときには、一つの答えとしては、やはりそのときについた先生、指導医に引かれてというのが非常に多いように思いました。
 そういう意味でも、今、私どもMMCといいますか卒後臨床研修センター、こういうふうな中に一緒に入っておりまして、そういう中で指導医の研修というふうなことにも取り組んでもらっておりますので、やはり病院として、新しい医師が来るような、そういった魅力のある病院にしていく必要があると。それはやっぱり先程申し上げた指導医によるところも多いというようなこともありますので、そうした点にも力を入れていきたいと。
 それから、これも従来からも取り組んでおりますけれども、県内、三重大だけではなくて県外の大学等にもいろんな働きかけをするというふうなこと、あるいはインターネット等を通じまして、医師の募集もかけるというふうな、そうしたいろんな手法をとって、医師の確保にも努めていきたいというふうに思っております。
 それから、看護師の確保につきましては、今、研修の問題もありましたけれども、やはり看護師さんとしては、非常に意欲の高い看護師さんというのはたくさんおみえになりまして、より高い看護のレベルを目指すと。あるいは今の医療というのは本当に日進月歩で進んでおりますので、それについていく看護技術、看護知識というものも必要ですので、そうした面で、いろんな研修メニューもこしらえて、看護師さんにも取り組んでいただいているというところでございます。
 過去、そのものについて、いわゆる離職につきましては、まず、やはり私どもも防いでいきたいというふうに思っておりまして、そういう意味で、昨年からも看護大学の協力も得まして、病院の中に支援室というふうなものを設けまして、技術的な支援に加えまして、メンタルの面での相談にも乗ると、そういうふうなシステムをこしらえまして、医師と看護師の確保にも取り組んでいきたいというふうに思っていますし、また、修学資金の枠もたくさん用意をしておりますので、そうしたものも看護師さんが来ていただくような契機になるように、活用を呼びかけていきたいとも思っております。
 それから、志摩病院の件でございますけれども、おっしゃるように、建て替えをいたしまして、非常に大きな減価償却がこれから出てくるというものがございます。今、繰り入れの負担割合の話が出ましたけれども、これはもう総務省の基準でも繰り入れ基準というのは一定のものがございますし、やはりそれを超えてというのは、なかなか県民の皆さんにも説明がつきにくいという部分があるのではないかというふうに思います。
 ですから、確かにこれが将来的に、負担がずっと新しい世代にもといいますか、残っていくというのは、そういう面では私どもも疑問に感じるときはありますけれども、制度上はやはりいたし方ないのかなというふうには思っております。ただ、それを県の中でという話になりますと、先程のことで、なかなか一定の基準を超えてするというのは県民の理解を得ていく必要があり、我々もこの繰入金については、透明性を確保しなければならないというふうなことで、今年度からホームページにおきましても、この繰り入れの積算も県民の皆さんにお知らせをしていくというふうな部分もございますので、やはりそのへんはご理解をいただかないと、なかなか単独では動きにくいというところがあるのではないかと思います。

○舟橋委員 看護師さんの確保対策は聞かせてもらったんですが、研修を指導する方の立場の人のモチベーションとか業務の大変さについて、どう考えてみえるか、あとで教えてもらいたいなというふうに思います。それ、ちょっと答えてもらっていないような気がしたもので。
 それから、2分の1の話ですけれども、確かに高度、不採算という公的病院の位置づけがあって、それに伴う繰り入れは基本的にルールもあるというのはもうわかっているつもりですけれども、やっぱり一番金額張るのは、建物を建てたときの2分の1だというふうには思うんですよ。それがネックになって、じゃ、建て替えもちょっと控えましょうかというようなことになったら本末転倒だというふうに思いますし、厚生労働省の方からこうなっていますといわれたらそれまでなんですけれども、そこに県の判断もあったり、またそれから全国、恐らく47都道府県、県立病院は持ってみえるわけですから、何らかの形で国へアプローチする方法もこれからしてほしいなというふうに思っています。
 それから、全く突飛な話なんですけれども、県内に開業してみえるドクター、結構世襲ですよね、みんなどこも。息子さんらを医学部に入れようというのが大体傾向として強いと思うんですけれども、そういう方々が今まででしたら、入った大学に縛られてそこで研修を受けられたんですが、これがフリーになってこういう事態になったわけですから、県内のドクター、いわゆる医師会ですね、医師会に、あなたのところの子どもさんら、よその大学の医学部に行っているけれども、10年ぐらいうちに預からせてよという、こういうアプローチなんかしたらどうなんですかね。

○服部室長 1点目、看護師さんの関係で、特に若手の看護師さん、特に研修の充実というので、教える方の指導に入る看護師の負担という話だったと思うんですけれども、実際にいろんな機会でかなり通常の病棟業務も厳しい中で、研修も、という話は声として聞いておるのは聞いております。
 定着対策という中でアンケートもとりまして、それが一つ、時間外の増ということで、かなり離職される要因の一つかなということもございまして、今、看護師さんの中で、定着対策委員会というところで、具体的なそういう時間外の削減にどう臨むのかとか、そういったことは取り組みをさせていただいているところでございます。
 ただ、一方で、入ってくる、その面接をさせていただくと、やはり特に総合医療センターなんかはそういう研修環境がきちっと整った病院ということで入ってきていただいているのも事実でございますので、そのへん、どうやって調和をとっていくのか、先程の定着委員会とも十分相談しながら取組を進めたいというふうに考えております。
 それから、ドクターの世襲の話でございますけれども、健康福祉部の方で、医師の確保対策ということで、今回、修学資金をかなり大幅に増やされたというふうに聞いておりまして、三重大学のご父兄といいますか、医学部の学生さんのご父兄もそういう修学資金の案内は出されたようなお話も聞いております。今、県立病院として、直に、例えば医師会に例えば息子さんをという話は、具体的な話としてはさせていただいておりませんけれども、全体の県内への医師の確保という面では、健康福祉部の方でもいろんな取組をさせていただいておりますし、ちょっといきなりそこへ申し入れをするかどうかというのはちょっとあれなんですけれども、事業庁としてもいろんな取組というのは進めさせていただきたいというふうに考えております。

○山本委員 今回の、小児の件で、稲垣さん、頑張ってもらっているわけで、明日、明後日の夜もまた志摩へ来てやると…来ていただかないんかな、ごめんなさい。この前来ていただいてね。でも吉村さんが中心になってやってもらうということです。
 それで、これ2人が1人になったでしょう。この1人がまたこれどうなるかわからないという非常に脆弱な医療体制ですよね。今回のこのペーパーとずれるかもわからないけれども、産婦人科の件だって6万の市民があってですよ、6万の市民で、市で、産婦人科医が1人というような市というのはまあ珍しい。その中で、誰がどういった責任があるんだということは別にして、現在、なおかつ進行形で、その産婦人科の医師の確保に頑張ってもらっているわけですけれども、じゃ、今の先生が68歳かな、あと数年でもう私は限界です、志摩病院は去らせてもらいますと言った場合に、じゃ、すぐに対応できるのかなというと、なかなか難しいというようなそういう状況ですよ。
 今回のこの小児科医の先生も1人で頑張っておるんだけれども、2人で何とか県立病院の小児科の診療科目というのを頑張ってもらっていたわけでしょう。これが1人になってしまったら、とても夜間の救急医療は無理だということで、日赤の方、伊勢の方にやったらいいというものの、1人で、このままでいいかと言ったら決してそうではない。
 この中で、医師の確保、今の舟橋先生の話ではないですけれども、病院事業庁として、他県に働きかけるとか、あとは三重大に話をするとか、新しいドクタープール制を導入したけれども、まだまだ時間的にはかかるよというようなことというのは、もうこれ、結論というか答えは産婦人科と一緒のことなんですよね。そういう答えなわけですよ。そんな中で、一番の効果が上がる方法というか、確保できる方法というのはどういうところがあるんだろうかというふうに思うんだけれども。

○田中庁長 いわゆる医師の確保につきましては、例えば志摩病院の場合ですと、吉村院長先生も本当に再三、三重大の方にも足を運んでいただいていますし、また、私もこの小児科の問題があったときも、もちろん院長先生とも、それから健康福祉部ともお願いにも行ったような話だったんですけれども、いわゆる結論的には、とにかくいないんだというところに今、行き着いてしまいまして、国の方もこれから医学部の学生を増やすというような話ですが、これもやっぱり10年以上かかってくるだろうというふうなこともありますので、その間、本当にどうして行くんだというのは、我々も重い問題というふうに受け止めております。
 先程申し上げましたように、他県にやっぱり働きかけるというふうなことも、これ、現実的に例えば精神科の先生なんかは他県の大学からお世話になっているようなこともございますし、それから、志摩の産婦人科の先生にしても募集してお越しいただいたというふうなこともございますので、やっぱりこうした募集活動というのは継続的に続けていく必要もあるというふうに考えております。
 今後とも、現場の先生方とも一緒に連携して、先程申し上げた他県の働きかけも含めまして、一生懸命やっぱり何かしらとにかく行動していきたいというふうに考えております。

○山本委員 医師の不足ということで、前の院長先生も本当によく頑張ってくれて、もう本人、67歳かな、本来ならもう自分のふるさとへ帰って悠々自適の生活をしてもらわなければいけないにもかかわらず、医師不足ということで、週に2回ほど志摩病院へ来てもらっているというのは、本当にありがたい話なんですよね。かといって、志摩病院がもう全く可能性がないかといったら、そうではないように思うんです。
 というのは、あれぐらいの規模で、研修医の先生が4名ぐらい来てもらってるんかね、今。そんなところはないわけで、研修のメニューとか先生方の受け入れとかいろんな意味でいいから研修医の先生が来てくれているわけですから、そういったところを糸口にしながら、何とか確保に尽力をしてもらいたいなとそんなふうに思います。
 これで小児科がなくなる、ほかの例えば、内科もなくなる、その前は神経内科がもうなくなってしまったということで、本当の地域医療の崩壊につながっていくような感じがしてしょうがないんですね。だから、そんなところをお願いしたい。
 もう一点は、この前、先般、ラジオで聞いていたんですけれども、全国的なそういう医師の確保、お年でやめられる方とか、新しい医師が生まれる、その足し算をしてみると、大体3,000名ぐらい医師が増えてくるというようなそんなことを言うてました。そんな中で、これ毎日、医師の崩壊というようなことを報道しない日がないぐらいテレビなんかで、それぞれの病院で、どこどこの医師がいなくなったというような報道がされているわけでしょう。
 そんな中で、じゃ、根本的な問題は何かと言ったら、新研修制度にあるわけで、47都道府県が、東京とか愛知は別です、大都会は別にして、この制度というのは元に戻らんかというような意見というのは、他県のそういう行政の方々で挙がっていないんですか。

○田中庁長 大学関係者からはそういうふうな話というのは聞きますけれども、他県の人から直接そういうふうな制度にというのは、私は直には伺っていませんけれども、やっぱり研修医の方に会って話を聞いていると、そういうこだわりというのは全然ないといいますか、やはり自分のやりたいところでやりたいと。自分の仕事に対する生きがいというのをそこで見つけたいといいますか、そういうふうな意識が強いように私は感じました。

○山本委員 医師にとっては、今の制度はいいのかもわかりません、縛られなくて。教授から、以前のどこどこの病院へ行きなさいと言われて行っていたそういうシステムが崩壊してしまって、行きたいところへ行けということですから、受け入れ体制のしっかりしているところ、最新の機器があるところへ当然医師の卵は行ってしまうというのは、それはそうなわけです。
 それはよくわかるんですけれども、かといって、全国にこういう市町でもう崩壊寸前のところというのはいくらでもあるわけでしょう。ここを解決せずして、「医師の確保に尽力を努めます」とペーパーに書いてあるけれども、根本的な解決にはならんと思うんですよ。
 特に三重県の場合は、医師を供給する大学が少ないわけですよね。例えば、名古屋だったらまだまだたくさんあるし、東京はもっともっとたくさんある。医学部の大学、大学の医学部を抱えているところってたくさんあるわけですから、そういうところから供給できるからこんな問題というのは恐らく議論していないと思うんですよ、この医師の確保について云々というようなことは。それぐらい、地方都市というか、厳しいわけで、抜本的なところにもっともっと、都や府は別にして、県関係で行政の人々で今の制度について抜本的にやっぱり考えてもらうように議論をしてもらうべきではないかなと、私はそう思います。
 それと最後に、ごめんなさい、1点だけ。
 繰入金、先程の志摩病院の外来棟が30億ぐらいかけたと。これからだんだん、赤字、残っていくと思うんですよ。公立病院なんていうのは、プラマイゼロでもう上等の方ですから、少しぐらいの赤字、上等だねということでしょう。じゃ、急激に黒字が上がって、それが返還にというようなことは考えられないと思うんですよ。そうするとずっとこれこのままですわ。
 だから、この外来棟建設に向けてのこの建設費の問題は、何か別の方法というのを考えてもらわないと、いつも志摩病院はこれから決算やった場合に赤、赤、赤というのがずっと続いていくような感じがするんですが、先程の話も、舟橋さんが言われた件ももう答弁いただいていますので、何か別の方法でこれはこれとして会計上の処理について、うまい方法をまた考えてもらったらありがたいなと。それはできないというものの、そうしないとつらいですわ。赤、赤、赤ということで。
 以上。ありがとうございました。

○竹上委員長 ほかに。

○萩原委員 医師の確保という点で、今の志摩病院の話、胸つまされる思い、私するんです。
 それで、これはちょっと健康福祉部のことかもしれんけども、ぜひまた調べてほしいなと思うのは、乳児の死亡率、0歳の死亡率というのはものすごく低いんだけれども、1歳から4歳か5歳までの子どもの幼児の死亡率というのは異常に高いというのが、日本全体の一つの特徴なんですってね。やっぱりそれは産婦人科で、乳児死亡率、随分、周産期でなかなか大変だけれども、大変なご努力されるんだけれども、小児救急医療というやつがものすごく全国的に大変で、それでこれの受け入れ体制がない。だから、私はこれ、他府県と三重県との比較も一遍してほしいというふうに思っているんです。
 これはやっぱり今の志摩病院の問題もあったけれども、よその県では子ども病院なんていうのを作って、静岡なんか浜松なんかですばらしい病院ありますよ。かつて見せてもらいに行ったこともありますけどね。そういったようなところで、小児科医も充実しながらで、子どもの健康・命、そしてやっぱり子どもというのはやっぱり急に悪くなりますからね。あるいは、けがも突然やりますから、そして深夜に起こる病気があるというので、24時間体制で小児救急ができている地域とできていない地域、これの死亡率の格差はすごいと思うんです。具体的なデータで私、ぜひ調べてほしいし資料があったらいただきたいというふうに思うんです。
 そんなこととも関連して、私、お医者さんの数の問題、これ今、山本先生おっしゃたけれども、確かに研修医制度の問題で地域の偏在というのが出てきたけれども、もともとお医者さんの数が少な過ぎるというのが、これ日本の現状やと思うんですわ。お医者さんの数。OECD、経済協力開発機構の中で30カ国の中で27番目の少なさという、これがやっぱり診療報酬の抑制策とかかわって医師定数を増やさないという、こういう政策とのかかわりとの中で出てきている問題で、今度、やっとちょっと見直しがされてきている。
 三重大学の入学定員がどう変わったのか。それから地域枠とかいうのが出てきましたよね。そのあたりの地域枠の状況がどう増えてきたのか。卒業生の定着率は一体どの程度にやってきているのかというあたりが、データとしてわかっとったらちょっと教えてほしいと思うんですが、いかがですか。病院事業庁ではつかんでいないですか。

○服部室長 今のデータはすべてというか、健康福祉部の方でつかんでいると思いますので、ちょっと詳しい今現在の状況はちょっとわかりかねます。
 三重大学も地域枠も徐々に増やされているのと、定員も増やされているのは存じ上げているんですけれども、ちょっと今、数字的に持っておりませんので、ちょっと健康福祉部の方へお伝えしたいなと思います。

○萩原委員 私ども正確なところは知らんけれども、100名が110名になったとか、地域枠5名が10名になったとかいう話も聞いていますし、私はやっぱりそのあたりとの関連も含めて早いうちから上手にPRがもっとできないのかとか、やっぱり公立病院の果たす公的な役割の重要さみたいなものを、民間病院との比較の中で、私はそこにお医者さんの魅力もあるんやないかというふうに思うんです。私は専門的なこともようわからないけれども。
 やっぱり公的な医療だからこそやれることがさまざまな格好であるので、その点での重要さとお医者さんの魅力とのかかわりで、早くからそんなPRも含めて、何よりも医師の確保という点を早くからやってほしいなというふうに思います。
 これはそのことだけで、あとちょっと二、三簡単なことだけ聞いておきます。
 医療費の未収金が1億8,000万とか何とかいうのが、前の決算でも聞いたけれども、これもなかなか大変ですよね。この中に外国人がどれぐらい占めてきているのかとか、あるいは国民健康保険証を持っていない人のトラブルが最近は随分増えてきてます。三重県、特に取り上げが多いから。そのあたりの状況とかというのがわかりませんか。

○荒木特命監 外国人に対する未収金でございますけれども、今、数字的には、例えば総合医療センターで一番多いかと思いますけれども、大体10%から15%ぐらいの間が外国人というふうにお聞きしております。
 それと、無保険者とか自賠責も含めた未収金の状況ですが、未収金全体で1億9,000万ぐらい、過年度未収金はあるんですけれども、そのうち約2,900万程が自賠責、無保険による未収金額というふうな状況になっております。

○萩原委員 大変ご苦労されているんだと思うんですけれども、やっぱり外国人の子供たち、これは本当に気の毒だというふうに思って。この間も、私も近くの学校で子どもがバット振っておったら、ガンと子どもに当たってしまって前歯が4本折れて、しかもそれが放課後一たんうちへ帰ってから学校へ遊びに来た子らなので、学校保健会の適用が受けられないので、ものすごい金額かかるし、1本8万円かかるみたいなことも言われて、そんなお金払えへんでみたいな、そんなトラブルというかそんな相談が実際にありまして、これもう本当に地域では深刻ですわ。
 私が住まわせてもらってる坂部が丘という小さな団地ですが、そこでも小さな子ども、学校や保育園なんかも一定の比率になってきているし、笹川団地あたりはもうすごい比率になってきているわけで、だからこの問題も、私は病院だけで何とも解決できへんという問題があると思うのな。
 実際には転がり込んでとか、お産なんかの場合でも、実際、医療行為せんわけにいかないし、それから公的病院ならば特にそうやわな、当然のことながら命にかかわるし。やってもうたら金払えないと、未収金はふえると、赤字じゃないかというような形になってくるという。これはやっぱり私はもっと全体的な形で解決できる方策は、それぞれの担当の部と連携とってやってほしいし、ましてや無保険者という形で保険証が取り上げられていてないという人も転がり込んで来た場合に何ともならんという問題もあるんで、そのあたりの解決の問題もきちんとやっていかなかったら、これは今後ますますふえるし、取り立てだけでは何ともならんし、また、その人らに弁護士たてて強制的にとるんだとかいうような格好だけでは解決していかない、世の中悪くもなっていくしなという、そんなこともありますし。
 それから、若い人の無保険者が最近ふえてきているという問題ね。パートや派遣の人たち、フリーターの人たちやら。その人たちが社会保険にも入っていないし、国民健康保険にも入っていない。そんな点をちょっと病院事業庁だけでは解決できない問題としていっぱいあると思うので、健康福祉部やその他のところとの連携をより図って、具体的な解決策をぜひ示していただきたいなという思いが強くいたします。
 お答えはないかとは思いますので、要望にしておきます。
 以上です。ありがとう。

○竹上委員長 ほかに。
 私から一言だけちょっと。
 微量採血の注射器の話ね、冒頭、庁長さん謝っていただいたけれども、あんまり丁寧な対応をし過ぎると、不安を煽るだけのような気がします。
 私が聞いている話では、全世界60何億住んでいる中で、イギリスに1例あっただけの話でしょう、これ。一生懸命謝って、丁寧な対応してもらうのはいいけれども、余りにも連日新聞に出て、不安をあおっているだけですよ。あんまり丁寧な対応というのも、自分たちがやることによる影響もちょっと考えてもらいたいなと。冒頭、そこまで謝ってもらう必要もないような気がいたします。それだけ申し上げておきます。
 ほかにないようですので、これで、平成19年度病院事業の調査を終わります。
 最後に、これまで議論された調査項目以外で特にございましたらご発言をお願いします。

          〔「なし」の声あり〕

 それでは当局にはご苦労さまでした。

 

Ⅱ 委員協議

 1 分科会関係

(1)予算決算常任委員会(6月27日)における分科会委員長報告について

                          正副委員長に一任

 

〔閉会の宣言〕

 

以上、会議の要綱を記し、ここに押印する。   

平成20年 6月24日            

予算決算常任委員会健康福祉病院分科会委員長   

健康福祉病院常任委員長  

竹上 真人

 

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