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地方財政の充実及び強化を求める意見書

地方財政の充実及び強化を求める意見書

 子育て支援の充実と保育人材の確保、高齢化の進行に伴う医療・介護などの社会保障ニーズへの対応、地域交通対策など、地方公共団体は、その果たす役割が拡大する中で、人口減少対策、大規模災害を想定した防災・減災事業の実施など、新たな政策課題にも直面している。しかしながら、公的サービスを担う人材が減少する中で、新たなニーズへの対応などが困難な状況となっている。これらのことから、必要な人材の確保を進めるとともに、それを支える地方財政の確立を目指す必要がある。
 他方で、国において、社会保障関係費の圧縮や「公的サービスの産業化」など、地方財政の歳出削減を念頭に置いた議論が加速している。特に、地方交付税の算定に導入された「トップランナー方式」は、地方財政の一律削減につながることへの危惧などが指摘されている。そのため、その推進に当たっては、各地域の人口規模、産業規模、住民のニーズなどの違いを踏まえる必要がある。
 本来、地方財政計画は、地方で必要な公共サービスを提供するための財源を確保するために立てられるものであり、財政再建目標を達成するために、住民生活に不可欠なサービスが削減されることになれば、国民生活と地域経済を疲弊させるおそれもある。
 このため、平成30年度の政府予算及び地方財政計画の検討に当たっては、国民生活への影響を考慮しつつ、歳入・歳出を的確に見積り、社会保障をはじめとする公共サービスの提供を確保するための安定的な地方財政の確立を目指すことが必要である。
 よって、本県議会は、政府に以下の事項の実現を求める。
 

1 社会保障、地域交通対策、人口減少対策、災害対策など、増大する地方公共団体の財政需要を的確に把握し、これに見合う地方一般財源総額の確保を図ること。

2 子ども・子育て支援、地域医療の確保、地域包括ケアシステムの構築、生活困窮者自立支援や介護保険制度の見直しなど、急増する社会保障ニーズへの対応と人材を確保するための社会保障関係費の確保及び地方財政への措置を的確に行うこと。

3 平成27年の国勢調査を踏まえ、人口が急減し、又は急増する地方公共団体の行財政運営に支障が生じることがないよう、地方交付税の算定の在り方を引き続き検討すること。また、地方交付税の算定における「トップランナー方式」は、各地域の実情に配慮した上で、慎重に実施すること。

4 各種税制の廃止・減税を検討する際には、地方公共団体の財政に与える影響を十分検証した上で、代替財源の確保など、財政運営に支障が生じることがないよう対応を図ること。

5 地方財政計画に計上されている「歳出特別枠」及び「まち・ひと・しごと創生事業費」等については、地方公共団体の財政運営に不可欠な財源となっていることから、現行水準を確保すること。また、これらの財源措置について、臨時的・一時的な財源から恒久的財源へと転換を図るため、社会保障、地域交通対策など、経常的に必要な経費に振り替えること。

6 地方交付税の原資の確保に関し、その対象となる国税(所得税、法人税、酒税及び消費税)の地方への分配率の引上げを行うこと。

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成29年10月17日

三重県議会議長 舟 橋 裕 幸

(提 出 先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣府特命担当大臣(地方創生)
総務大臣
財務大臣

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