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平成20年10月22日 政策総務常任委員会 会議録  

  政策総務常任委員会

会 議 録

(開 会 中)

 

開催年月日   平成20年10月22日(水)自 午後2時53分 ~ 至 午後4時06分

会 議 室    全員協議会室

出席委員      9名

                         委  員  長   舘  直人  

                          副委員長   小林 正人  

                          委   員   津村  衛  

                          委   員   村林  聡  

                          委   員   奥野 英介  

                          委   員   杉本 熊野  

                          委   員   中村 進一  

                          委   員   西場 信行  

                          委   員   藤田 正美  

欠席委員        0名

参考人           2名

                 熊野市長  河上 敢二氏

                 菰野町長  石原 正敬氏

委員会書記     議 事 課    主   査  西塔 裕行

                  企画法務課   副課長  川添 洋司

傍聴議員          17名

                           森野 真治  

                            藤田 宜三  

                            後藤 健一  

                            辻 三千宣  

                           稲垣 昭義  

                           青木 謙順  

                           末松 則子  

                           真弓 俊郎  

                           田中   博  

                           大野 秀郎  

                           中森 博文  

                           前野 和美  

                           野田勇喜雄  

                           岩田 隆嘉  

                           舟橋 裕幸  

                           三谷 哲央  

                           中川 正美  

県政記者クラブ 8名

傍 聴 者     4名

議題および協議事項

 1 「美し国おこし・三重」三重県基本計画の策定について

参考人による意見陳述及び質疑

  (1)河上敢二参考人(熊野市長)

  (2)石原正敬参考人(菰野町長)

  (3)質疑

 2 委員協議

 

【会議の経過とその結果】

 

〔開会の宣言〕

 

 1 「美し国おこし・三重」三重県基本計画の策定について

○舘委員長 議案第17号「美し国おこし・三重」三重県基本計画の策定についてを議題といたします。
 この基本計画の推進に当たっては、市町の理解と協力等が不可欠と考えられますことから、本日はこの基本計画に対する市町のご意見をお聴きするため、参考人として河上敢二熊野市長様及び石原正敬菰野町長様にご出席をお願いしてございます。
 この際、委員会を代表しまして一言ごあいさつを申し述べさせていただきます。
 本日は、まことに公私とも大変お忙しい中を、本委員会のためにご出席をいただきましてまことにありがとうございます。委員会を代表して心からの感謝を申し上げるところでございますし、この「美し国おこし・三重」基本計画につきましては、本当に忌憚のないご意見を賜れたらなと、このように思っておりますのでよろしくお願いをいたします。
 それでは、早速でございますけれども、議事の順序等につきまして申し上げます。
 まず、河上参考人様より、そして次に石原町長さんの方から参考人としてのご意見をお一人20分程度で簡潔に述べていただきたい、このように思います。その後、委員からの質疑にお答えをいただくようお願いをいたします。
 なお、河上参考人さん、また石原参考人さんからは資料を配付したいとの申し出がございましたので、委員長におきまして、それを許可をいたしましたのでご了承を願います。

 

  (1)河上敢二参考人(熊野市長)意見陳述

○舘委員長 それでは、まず初めに河上参考人からご意見をお願いをいたします。よろしくお願いいたします。

○河上参考人 熊野市長の河上でございます。
 「美し国おこし・三重」について、参考人として意見を述べさせていただく機会をいただきましてありがとうございます。時間の制約もありますので、早速申し上げたいと存じます。言いたいことの要点は2点でございます。
 まず、第1点でございますけれども、「美し国おこし・三重」のねらい、趣旨、こういうことについては、私なりに理解をし、大いに賛同をするところでございます。県下全域で取り組むことについても、意味があるのではないかというふうに思っております。
 第2点でございますけれども、趣旨には賛同はさせていただきますが、取組の方法については、市町と県との役割分担のあり方という観点、また美し国おこしの取組が、その趣旨のとおり成果を上げるためにも、市町の裁量をもう少し大きくできないか検討していただきたいという、この2点でございます。
 1点目で「美し国おこし・三重」のねらいや趣旨について、理解し賛同すると申し上げました。その理由について説明をさせていただきたいと思います。
 参考資料の1枚目と2枚目を見ていただきたいと思いますが、1枚目は、これは平成15年3月に合併前の旧熊野市の総合計画としてまとめたものの概略でございます。参考1-2は、合併をした後の19年12月にまとめた総合計画の概略でございます。いずれの計画も基本理念は、市民が主役のまちづくり、補完性の原則ということでございますし、参考1-1の真ん中へんに、基本視点ということで質の追求ということを書かせていただいています。また参考1-2の左からちょうど3分の1ぐらいのところにも、基本視点として質の向上ということを書かせていただいております。
 美し国おこしについては、新しい時代の公と文化力による新たな政策展開ということであろうというふうに思います。
 熊野市のまちづくりの基本理念のもととなる補完性の原則ということは、新しい時代の公という考え方と突き詰めれば同じではないかというふうに思っておりますし、なかなか難しい文化力ということなんですけれども、県の定義によれば、文化とは生活の質を高めるための人々のさまざまな活動と、その成果というふうに定義が行われており、キーワードとしてはやはり当市と同じ質ということになるのかなというふうに思っております。
 それから、基本計画の10ページに目的として、文化力を生かした自立・持続可能な地域づくりということで、最初に地域の実情と課題ということが書かれています。その最後のパラグラフにいろいろ書かれておりますけれども、キーワードとして誇りと愛着であるとか、地域資源の活用であるとかコミュニティや絆の維持、再生といったような言葉を見ていても、これはどこの市町村の総合計画でも必ず盛り込まれる言葉というふうに思いますけれども、当市の総合計画とも重なるところが多いというふうに思っております。新しい時代の公と文化力ということについては、知事が機会のあるごとに話されていた言葉でございますし、その両方の考え方はともに私は時代の変化や流れの中で重要な考え方であろうというふうに思っておりますし、熊野市の総合計画の基本的な考え方からいっても賛同をするものだろうということでございます。
 それと、新しい時代の公と文化力による政策展開、具体的な取組という点について、意味のあることではないかというふうに申し上げました。このことについては、参考資料の3ページ以下をごらんいただきたいと思います。参考の2-1からでございます。
 熊野市においては、市民が主役のまちづくり、補完性の原則ということを実践するために、地域まちづくり協働事業を行っております。簡単に説明をさせていただきたいと思いますけれども、ここに書いております厳しい財政状況の中で、市民のまちづくりへの参画、過疎高齢化への対応、効率・効果的なまちづくりをどうやって行っていくかということが背景にありまして、その中で総合計画の基本理念を実践していく必要があるだろうというふうに考えたわけでございます。
 まちづくり協働事業の目的でございます、協議会の目的として、補完性の原則の実践、住民みずからが考え、実行するまちづくりの推進ということでございまして、これをどういうふうに設けてきたかというと、まずコミュニティ形成チームというものを設置しました。
 1枚めくっていただいて、4)(1)に書いておりますように、コミュニティ形成推進チームというのは、市職員によって1地区3人から20人ぐらい職員を配置したところでございます。その役割は協議会の設置と運営に対するアドバイスが主なものでございます。
 戻っていただきまして、こういうチームを市内18地区を対象にして作りまして、18地区の区長さん、自治会長さんに説明・協力依頼を行いました。その上でまちづくり協議会というものを18地区、この18地区というのは、昭和の合併前の旧町村単位大体200人から5,000人、1地区当たりそういう人口でございまして、構成員は自治会の役員さんや婦人会、それから老人クラブの役員の方々、その地域における各種団体の役員が大体中心になることが多くなっております。ただ、協議会の会長と自治会の会長が必ずしも重なるということではございません。そういうことで協議会を発足して④にありますように、地域ごとにまちづくり総合計画というものを作成をしていただきました。この1)から4)を平成16年度に1年間かけて行いました。総合計画を策定していただいた後、平成17年度から市の方からの支援によって、この総合計画を各地域において実施をしていただいているということでございます。
 3)の協議会の役割ということでございますが、総合計画を策定をしていただきました。総合計画の対象は教育、文化、福祉、産業振興などあらゆる分野で、期間は5年間、基本的な視点は補完性の原則ということで、それぞれの地域における課題や取組を自助、互助、公助及び公共の4つに仕分けをして、課題と取組を整理していただきました。そのうちの公助という部分について行政の方から補助金を交付しております。めくっていただきまして、計画作成のフローチャートは見ていただけたらわかるとおりでございます。
 4)のまちづくり協議会への支援ということなんですが、コミュニティ形成推進チームを設置して、協議会へ支援のために派遣をしております。どれぐらいの回数で派遣をしているかというと、平成16年から平成19年にかけて延べ416回、1地区で年間7.7回、こういうチームを派遣をしております。延べ人数で1,419人で1地区1回当たり大体3.4人ぐらいの職員を派遣しているということでございます。これは後からこの数字は引用させていただくことになると思いますので、かなり入り込まないと動かないということでございます。
 補助金の交付ということなんですけれども、毎年度1地区1事業が原則でございまして、補助金の限度額200万と。使い道は発注を伴うハード事業、不動産の取得は原則として認めないと。飲食、運営的経費は対象外であるということであります。
 考え方としては、公助ですから、もともと住民の皆さんにやっていただきたい活動に対する支援ということで、住民の汗をかくといったような地元負担がない発注工事は、原則不可とさせていただいております。具体的にどういう取組をされているかというと、健康ウォーキングの推進、以下こういういろいろなことがやられています。実感としてつかんでいただくために、5ページからちょっと写真を載せておりますけれども、この健康ウォーキングコースの整備、これ、すべて地域の住民の方々が汗を流してコース整備をしているということでございます。多くの地域でこのような形での事業が展開されているということでございまして、こういうことを市民に幅広く周知をする。特に大きな地域においては、住民の参加というものが幅広くはなかなか進まない面がありますので、そういう意味では、市民の周知を行っておりますし、7)でその効果と課題ということについては、非常に地域の一体感の醸成が進んでいると。地域への愛着が深まっているというのが感じられます。
 ただ、課題としては、引っ張っていくリーダーがたくさんいるわけではないので、非常にリーダーに負担がかかるということと、やはりもっともっと多くの住民の参加が必要だろうというふうに考えております。
 ここまで説明したらおわかりのように、少し僭越かもしれませんけれども、「美し国おこし」とよく似た考えの取組を市としては既に成功しているということでございまして、そういうこともありますので、県下全域で新しい時代の公と文化力による政策展開に実践ということについては、やはりこれは意義のあることだというふうに思っております。
 次に、第2点でございます。
 大枠については賛同しているけれども、もう少し市町に裁量権を与えてもらえないか、このことをお願いしたいということでございます。
 「美し国おこし・三重」についての具体的内容がだんだんとわかってくるにしたがって、私も含めて特に事務方の不満が非常に大きくなっております。市町の「美し国おこし」における位置づけが役割の低さに対し、事務量が非常に多いといった不満がありますし、パートナーグループに対する継続的な支援や問題が起きたときの対応を、生活創造圏事業のときと同じように、結局は市町が担うことになるのではないかといった不安というそういう声も聞こえてきております。
 「美し国おこし・三重」では、財政的な支援は市町が県と同じ額を分担することになっております。しかしながら、これまでの国などの補助事業については、市町村が2分の1を負担する場合は、事業主体は市町村であることが通例であって、市町村が事業実施の事実上の決定権と責任を持って行っているということではないかと思います。しかしながら、「美し国おこし・三重」においては、県と同じ負担をしながらも、市町はプロジェクトの認定という決定権を持っておりません。一方でパートナーグループの育成・支援といったこと、プロジェクト認定にかかわる事務的な手続、こういったことについては、すべて市町が当然かかわっていかざるを得ないということでございます。
 先程も言いましたように、熊野市の地域まちづくり協働事業においては、1地域1年間、平均して7.7回もその地域に出かけるといった支援が必要になっております。地縁的組織でございますので、NPOに比べれば専門的な知識や能力を持つ人も少ないので、より支援が必要になるというふうには思いますけれども、「美し国おこし・三重」の場合は、地縁的組織だけではなくてNPOも対象ですから、熊野市の例がそのまま当てはまるとは思いませんけれども、それにしても目的とする自立・持続的な取組へと育成していくには、本当にきめ細かに、何度も何度もそのグループに対して足を運ぶといった相当な負担が必要になることは間違いないというふうに思っております。実行委員会や総合プロデューサー、地域プロデューサーにおいては、このようなきめ細かな対応ということは、恐らく困難であるというふうに思っておりまして、決定権のない市町にとって多くの職員がかかわらざるを得ない、そういった大きな負担になってくるのは間違いないというふうに思っております。
 こうした職員の不平・不満をそのまま今申し上げましたけれども、当然首長としてもよく理解できるところでございます。現時点での県の説明を聞いていると、実行委員会の立場を県ないし県職員として置きかえれば、生活創造圏事業とその体系はよく似ているわけでございまして、生活創造圏事業については、私から申し上げることもないわけでございますが、市町は下請的な役割であったにもかかわらず、例えば担当する県の職員が人事異動で変わってしまうと突然その事業への意欲が薄れて、それに対する住民からの不平・不満は残っている市町の職員にほとんど集まってきているということでございまして、この生活創造圏事業と似たことになりはしないかというふうに思っております。やはり権限と責任は一緒になって初めて有効に機能するものではないかというふうに思いまして、そういう意味から、市町の裁量を大きくする方向で検討していただく必要があるのではないかと、そうでなければ県職員のかかわり方を計画の中で明確にしておくことも必要だろうというふうに思います。
 2つ目は、不平・不満がということではないんですけれども、認定の実効性について大丈夫かなと思うことがありますし、認定の権限と責任のあり方が今のやり方では遊離しているだろうというふうに思います。
 認定の実効性ということでございますけれども、プロジェクトの認定は実行委員会が行うということになっておりますが、言いづらいんですが、パートナーグループについて最も近い立場である市町からのプロジェクトの申請を実行委員会が否定をするということは、市町の立場からこれは当然受け入れられないと。しかしながら、そうであれば実行委員会というのは形骸化することになるだろうというふうに思います。
 また実行委員会の認定について、6年間とはいえ、あらゆる分野の1,000のプロジェクトを、分野別には非常に少数にならざるを得ないと思われる委員さんが、適切な認定を行うということは非常に負担が大きく、多忙な委員さんがそういう役割を担えるのかどうかという点についても、若干クエスチョンと考えております。
 それから、認定に関して権限と責任のあり方が遊離しているのではないかということについてですが、通常は税金の使途について最終的な決定というのは、議会の議決によって得られた権限の中で、市町村や県という行政組織が行うことになっていると。しかしながら、「美し国おこし・三重」では実行委員会という、知事が会長とはいえ任意の組織でありますから、こういった任意の組織がプロジェクト認定を、いわば最終的な決定を行うと。この場合、仮にプロジェクトについて問題が起きた場合、果たして実行委員会がその責任をとれるのかどうか、こういう問題があるからこそよくあるパターンとして、いろいろな組織や委員会から行政の長が諮問やアドバイスを受けて、決定はあくまで行政側で行うということになっているのではないかと思います。これはやはり税金の使い道の最終的な決定には責任が伴うからこそ、そういう形態に通常はなっているんだろうというふうに思っております。
 以上のようなことを踏まえ、具体的な改善要望ということなんですけれども、市町村の裁量を大きくするために考えていただきたいことが少しはあるわけでございまして、この段階で取組の大枠を変えるというのは難しいと思います。
 ですから、例えば「美し国おこし・三重」取組の構成では、地域での「美し国おこし」ということと、テーマに基づく全県的に取り組む「美し国おこし」というのが2つあるわけでございまして、この地域の「美し国おこし」については、市町に認定も含めて多くの権限をゆだねて、各地域のそれぞれの取組全体のバランスをとるという観点からは、実行委員会の役割はアドバイスを行うということでいいのではないかというふうに思います。
 また財政的な支援についても、当市での経験から現在市町と県を合わせて100万は上限となっておりますけれども、もう少し大きな支援が必要なプロジェクトもあると、出てくるのではないかというふうに思います。そういった上限についてももう少し大きくする必要があるのではないかということでございます。
 もう一つ、一方でテーマに基づく全県的に取り組む「美し国おこし」については、集客、交流やものづくりといったことについては、あらかじめテーマを設定して、このテーマに関するプロジェクトに対しては、県職員による支援チームを設けて支援を行ってはどうかというふうに思っております。非常におこがましい言い方かもしれませんけれども、住民と真に接するという現場感覚を養うというのは、分権が進む中で、国から視点を県民に向けていかなければいけない県職にとってはますます重要なことではないかというふうに思います。生活創造圏の経験を踏まえての今回の取組は、そういったよい機会になるというふうに思っております。取組の構成の中で、各地域でのパートナーグループの活動の中から共通する分野の活動を連携させる形でテーマを設定するということも言われておりますけれども、こういう形で設定されたテーマに関するプロジェクトということについては、その活動の内容のレベルによって、引き続いて市町が支援を行うか、県がかわりに支援を行うか協議の上で決定をすればいいと思いますし、もしくは認定を市町が行うのであれば、そういう全県共通のテーマに基づくプロジェクトであっても、県と連携をしながら市町が支援を行っていけばいいのではないかというふうに思います。
 あと非常に細かな点、もう時間ちょっとオーバーし始めています。申し訳ありませんが、ちょっと細かいんですが、集客、交流やものづくりといった収益が得られるプロジェクトについては、自立が図られるべきであるというのは当然でございますけれども、福祉や環境といった分野に関するプロジェクトについては、自立が難しいものが多いというふうに思います。しかしながら、行政がそういった分野での取組を行うよりは、より効率的・効果的に対応できるものもあると思います。こういったプロジェクトについて、運営的な経費を支援することは財政上、大きな課題になるわけですが、こういったプロジェクトをどういうふうにしていくのか、今私も答えを持っておりませんけれども、今後、こういう事業が走り出せば、走りながら考えていく必要が出てくるというふうに思っています。若干ですが、意見や改善要望の点が長かったので、「美し国おこし」をネガティブにとらえているというふうに思われるかもしれませんけれども、最初に申し上げましたとおり、「美し国おこし・三重」の趣旨やねらいについては大いに賛同しているところでございまして、ぜひ行っていただきたい事業であるということを念のために申し上げたいと思います。
 それと、蛇足でございますが、「美し国おこし・三重」の取組については、具体的イメージが描きにくいという声を市長さんや町長さんを初め、いろいろな方からよくお聞きをしております。このことは当市のまちづくり協働事業においても、最初、どんな事業が出てくるのか全く予想はできないこともあって、不安に思うことがございましたけれども、結果的には、地域によっては取組の内容レベルに差があるのは事実でございますけれども、少なくともいずれの地域においても、参加していただいている市民の皆さんは本当にまじめに自分たちの地域をどうしたらいいのかと、どうすればいいのかということを考えて取り組んでいただいているというふうには思っております。
 「美し国おこし・三重」についても、動き出してみてわかってくる、見えてくる、そういった面があるのではないかということも蛇足でございますけれども、申し添えて意見を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

○舘委員長 ありがとうございました。

 

 (2)石原正敬参考人(菰野町長) 意見陳述

○舘委員長 それでは、次に石原参考人の方からご意見をお願いをいたしたいと思います。よろしくお願いします。

○石原参考人 座ったまま失礼いたします。このたびは政策総務常任委員会の参考人としてお招きいただきまして、「美し国おこし・三重」三重県基本計画策定に関する意見表明の場をお与えいただきましたことを、まず感謝申し上げる次第でございます。この場に座らせていただきますと、かつての議会時代を思い出すわけでございますけれども、立場が逆になりまして、また私がまた議員の皆さん方とこうやって議論ができるというのは、非常に貴重なことであるという印象を持っておりますので、どうぞ今後の何かの参考にしていただくなり、また改めての議論ということでよろしくお願いいたしたいなと思っています。
 まず、今回も参考人ということでお招きいただいて、うちの職員に「美し国」はどこだといろいろ聞きましたし、こうやって発表しなくてはいけないのでちょっと手伝ってくれと言いましたら、忙しくてできないと。あそこの棚に2つぐらいファイルがあるから町長、勝手に持っていってやってくれと、こういうことでありましたので、そういうのが先程の公述人の松井さんの意見にもありましたけれども、それが実際の現場感覚ではないかなというふうにして思うのがまず第1点でございます。ですので、やはり県さんがこのようにして計画を立てられてやってくださいよと言われましても、やはり市町によって優先順位があると。住民サービスにとって、どれからやっていかなければならないかということを今の時代考えますと、やはりちょっと今方向が違うんじゃないかなというのがまず一つでございます。そういったことを含めまして、レジュメということではないんですけれども、意見をそちらの方にまとめてありますので、それに基づいて申し上げたいと思います。
 まず最初、「美し国おこし・三重」三重県基本計画というのは、知事が言われている文化力、県民啓発運動実施計画かなというふうに私は思っていまして、文化力というのは理解されていないので、文化力を理解させるためにこの計画をやるんじゃないのかなというふうな疑念を抱くような部分もありまして、これがまず一つ大きな枠組みとしてあるんじゃないかなと。定義不能な文化力と書いていますけれども、先程も伊藤先生でしたか、公述人の方も言われていましたけれども、どう考えてもこの言葉は理解できない、この定義は理解できないし、この言葉と文化と地域と地域づくりと持続可能を入れかえたとして、文書が成り立ってしまうというようなことも考えられまして、どうもおかしいんじゃないかなというのが私の一つの率直な意見なんですけれども。
 しかしながら、文化力という言葉、解釈によってはさまざまなことができる中、よくも自立とか持続可能とか地域づくりというのをちりばめて、この分厚い議案ができ上がったなというところで、県の職員さんの優秀な能力というのは敬意を表する次第ではございますけれども。
 それはさておきまして、ただ啓発運動といいますと、やはり交通安全とか男女共同参画といったことがありまして、それはある一つの価値観があって、交通の死者数はゼロのしましょうよとか、安全運転しないとだめですよね、飲酒運転はやめましょうというような、明らかにちょっとへそ曲がりでない限り、誰もが理解できる理念のもとで啓発運動というのはやっていくんだろうと。
 しかしながら、文化力を啓発すると言っても、それはある一定の価値観によって、そしてまた解釈によっていろいろある中で、それを啓発していくというのは極めて難しい、困難を伴うことではないのかなというふうにして思っておるところでございます。
 それで、そういったことをやっていく。しかしながら、11ページにもあるんですが、「地域資源の持つ多面的な価値に着目して、いわば“ないものねだり”から“あるものさがし”へと考え方を転換することにより、その地域ならではの埋もれた魅力の再発見、磨き上げを行うとともに、県内各地で既に展開されている地域づくり、まちづくりの取組をさらに加速させ、自立・持続可能な地域づくりにつなげていきたいと考えています。」、この現状認識と今後の方向性というのは、恐らく今河上市長もおっしゃられたと思いますけれども、これは間違っていないんだろうと。やはりこれから地域にあるものを再発見していこう、今あることを大事にして、それをまちづくりの取組にしていくということは、これは基本的に了解できるんじゃないかなというふうにして思うわけでございます。
 じゃそうなりますと、何で三重県が「美し国おこし」ということで、出てくるんだろうと。市町に任せておけばいいんじゃないかなというふうにして思いますし、逆に三重県は何をするんだろうというようなことに当然のこととして疑問が浮かび上がってくるわけでございまして、そのあたり今後議論をしていかないといけないなということで、最終的にはご提案めいたことをさせていただくんですが。
 次に、この三重県の主体性はどこにあるのかということです。
 先程来、これをよく読んでいくと、私もそちら側の席に座っているときには、こういう冊子を見てもほとんど読んでいなかったのが実情でございまして、ほとんどタイミングとか勘だけで斜めにさっと読んで、こうだと意見を言っていたんですけれども、今回は私、市町に財政負担をしようとか人的支援をしようとか言ってきていますので、自分自身の問題にかかわってきていますので、これは危ないと。これはしっかりやらないといつの間にか県に責任がかつけられるんじゃないかと危機感を持ちながら読み進めますと、なかなかおもしろいと。三重県が“ないものねだり”から“あるものさがし”ということを述べられていると。これはいいんじゃないかなと思います。しかしながら、三重県が、じゃ主体となってあるものさがしをまず実施されたらどうですかというのが、私の一つ目の意見でございます。市町、熊野市さんもそうですし、うちの町でもそうなんですけれども、結局地域づくりと称するかというか、今までの地域の伝統に根づいていろいろなことをやらせてもらっている。地域の祭りだったり、あるいは農水省の農地・水・環境保全向上対策事業とかで地域が一体になって活動されているとかいろいろなことがあるわけなんですね、観光地域であったり。にもかかわらず、じゃそのあるものというのは何なんですかと、県さんは何をあるものというんですかという問いをまず一つ立てさせていただきまして、それをぱらぱらめくっていますと、24ページから29ページに若干事例として挙げられているんですけれども、これをじゃ具体的な事例として引っ張ってきたのはどういうことなのかという、このまず説明をされたらどうかなと思います。
 そこに書いてありますけれども、前提として存在した課題とか問題は何だったのか。例えば25ページを見ていただきますと、例えば多気町なんかふるさとの味で地域を元気にと、これは前提として何が課題で何が問題だったのかと。その成功した諸条件は何だったのかと、人なのか、物なのか、金なのか、環境なのか。これが今後持続可能性があるのかないのか、どういったことをしなければ持続可能じゃなくなるのか。
 もう一つは、他地域ヘどういったことをすれば適用可能なのかというようなことをきちっと分析して、これは県がやると言ったんですから、そこまでぐらいはやっていただいてもいいんじゃないのかなというふうにして思います。我々市町は一生懸命毎日毎日忙しい中で、忙しくない伊藤公述人に言わせると、大した職員じゃない職員もいるとかと言われていましたけれども、それはちょっと踏み込み過ぎでどうなのかなと思いながらどきどきしていたんですけれども、一生懸命やらせてもらっているわけです。
 やっぱり「美し国」をやることの一つおもしろ味は地域で埋没している、自分たちがあくせく日常の中でやっていること、外から1回光を当てていただいて、あんたらやっていることはこういう価値あるんですよぐらいのことは言ってもらってもいいんじゃないかなというふうにして思うわけです。
 ですので、県さんは具体的事例を引っ張っていらっしゃるので、そこらあたりでどうしてこういうようなことが成立しているのかという分析をして、じゃほかの地域にそれがあるのかと、そういう視点をもってして入っていくと、ああここにもあるじゃないの、ここにもあるじゃないのというようなことが言えるんじゃないのということなんですね。
 ですので、そこに書かせてもらっているように、探し得るあるものの諸条件を1回ぐらい提示してくださいよと。それがまず1本目の美し国をやる前提条件じゃないのかなというようにして思います。
 先程のいろいろな話を総まとめしますと、やっぱりこれ1,000もグループ作って何回か議論するということなんですけれども、下手な鉄砲数撃ちゃ当たるじゃないんですけれども、これだけやったら何か成果はありますよねというレベルの話なのか、あるいはその中で、ブラッシュアップしていってなんかいいものを見つけていくんだよというのがちょっとこのへんよくわからないんですけれども。これも熊野市の河上市長も言われていましたし、松井さんも言われてたんですけれども、最大のパートナーと市町は言われているんですけれども、何をしたいのかわからないものを突きつけられてもさっぱりわからんと、本当、困惑気味なんですね。今まで議論してきたと言っても、中間案が大体取りまとまってきたのが6月ぐらいだったと思うんですね、議会に提案されたのも。その後、夏ぐらいにざわざわっと動いて9月にもう成案ができてきているというような状況でありまして、本当に県と市町がどういった議論をしてきたかと、余り見えていないんじゃないかなというふうにして思います。これは当然でありまして、ほとんどやっていないに近いと私は思っています。ちょっと何かパブリックコメントで私が書いたりすると、県の何とか理事さんという方がいやいや今度ご説明に伺いますと、すぐ来るんですね。9月2日の災害のめちゃめちゃ忙しいときに、もうすぐ行きますとか言って来ていただいたんですけれども、いやいや私は納得しないので、今日のところはお引き取り下さいというようなことも話をさせていただいたんですが、そういったことで、ちょっと余り時期が早いんじゃないの、時期尚早じゃないというのが私の感想であります。ここで言いたかったのは、三重県がじゃ何をしていくのか、どういったことをもってして説明責任を果たしていくのかということが一つ大事なんだろうというふうにして思います。
 もう一つですが、各市町がいろいろな地域づくりの事業を展開しているなんていうのは、市町の予算書とか総合計画見ていただければ一目瞭然だと思います。それぐらいのことは県さんがやっていただいてもいいんじゃないかなと。いつもこういうことをやると市町にファックス1枚が来て、おたくの地域づくり施策をまとめてあげてくださいとか言って、さらに事務量が増えるんです。そうじゃないでしょうと、三重県の職員の方が地域をもっと知るというような本当に真摯な姿勢であるならば、一度、二度、三度、四度、何度かわかりませんけれども、地域に足を運んで、ああ予算書に掲げてあることはこういうふうにしてやられているんですよねという、現場へ来て汗をかかれるという必要があるんじゃないかな、そこからでも遅くないというふうにしても思っております。
 次に、話が漫談ふうになってきましたけれども、責任の所在ということなんですが、裏にいってもらいまして、三重県の財政支援は1回限りで限度額50万という制度設計になっています。これもびっくりしたんですけれども、もっとびっくりしたのが座談会なんかは市町が中心になってやってくださいよと、まず言われています。これでいいのかという話。これも先日、10月中旬過ぎの事務方レベルの話で、恐らく松井先生が言われた話が多分それに当たっているんだと思うんですけれども、いやいや座談会は市町が中心になってやってくださいよということ言われています。じゃ県さん何するの、いやうちは後方支援しますという、それはどうなんだと。そんなに人を出せないよと、そんなことを言われても困るよねというのが事務方の意見で、私もそう痛感するんですね。私の事務もやってくれないのに、何で県の事務をやるんだというような本末転倒なことも起こるわけでございまして、それが一番私が言いたいことなんですけれども。しかしながら、まずその座談会とかやるのに、何で誰がやるのかという話です。
 次に、そこで今実は三泗レベルの四日市と三重郡3町の事務方と県民センターで実はもめているというのが、こういうことを言うと、また後で知事に怒られるのかもわかりませんけれども、今もめているということがまず1点。もう一つは市町がこの「美し国おこし・三重」が終了しても、住民の皆さんと持続可能な関係を維持していかなくてはならないと。これはもう間違いなくそうでありまして、6年たってさあ終わりですよと、1回50万の助成金出したら終わりですよという話じゃなくて、ずっと我々おつき合いしていくんですよね。地域の方々とその後どうやってやっていくのかということも考えないと、なかなかうかつには乗っていけないというのが現状でございます。もう少し柔軟な制度設計にならないか、これは河上市長と全く同意見でありまして、そのあたりですね、もうちょっと考えたらどうなのという話です。
 もう1点なんですけれども、細かいことになるんですが、例えば制度設計が何でこんなに硬直化しているかというと、どの市町にも同じ制度でいきたいという県の思惑があるからだと思うんですね。公平性を余りにも担保しようとし過ぎるがゆえに、汎用性を高めたいと。この町とこの町でやっていることは、一緒ですよと、制度上は一緒なんですよ、中身は違いますけれどもと言いたいがために、こんな硬直化した1回の限度額50万ですよと。その裏に50万を市町さんも限度額いっぱいで、財政支援してくださいよみたいなことをおっしゃられているんじゃないかなと思います。
 地域づくりというのは、もっと濃淡があって、もっと幅広いもので地域によって違うものでありますから、前提としてそれを認めるのであれば、こんな硬い制度設計しているのはちょっと違うんじゃないのというようなことも一つ指摘できるかなというふうにして思います。
 それともう一つでありますが、57ページに県の役割の責任とあるんですね、これ議案の中に入っているんですよね。これ多分全部が議案だと私は理解しておるんですけれども、57、58ページで県の役割と責任とこう表裏ぺらぺらとめくって終わりなんですね。すごいなという感覚を持っていまして、これよく読むと2ページ、3ページに書いてあることと全く同じことが書いてあるだけなんですね。これぐらいのことで、市町にああやこうや言われているのは大変困ったなというところが現実であります。そこらあたりを若干県の責任をどうするのかなということを一つ指摘しておきたいというふうにして思いますし、具体的に座談会とかパートナーグループの登録における役割分担というようなことは県からは市町に示されていますので、そんな資料は県議会の方から資料請求をしていただければいいんじゃないかなというふうにして思います。
 次に、やっぱり市町固有の地域づくりというのが市町固有のものであるなら、そこに手を突っ込んでくるというのは、今までいろいろなことをやられて痛い目しているんじゃないかなというふうにして思うわけでございまして、そのあたりもどうなのかなと。しかしながら、この計画を見ているとやっぱりちゃんと逃げ道だけは用意されているので、いいなというふうにして思っております。
 次に、費用負担のことを若干触れさせていただきましたが、これも37ページにあるんですよね。先程参考人の伊藤公述人の方がたまたまプロジェクターで見せられていたので、これに反旗を翻すのはちょっと私も気が小さいので怖いなと思っておったんですけれども、ここに市町の費用負担というのはぽんと書かれているわけなんです。
 もう一つ市町の費用負担というのは、一番最後の59ページにあるわけでございまして、59ページの1の表の下に、市町が実行委員会とあわせて行うパートナーグループなどへの財政支援というこの2文字がある。私はこれを削除してくれと、聞き取りのときにずっと言わせていただいています。なぜかというと、人的な支援もそうです、財政的な支援もそうなんですけれども、うちも議会があるんですね。町議会があって人的支援と財政支援と人事と予算にかかわることと、恐らく私の専権事項だと思うんですけれども、そこにまで踏み込んで来てこういう計画が立てられて、これが県議会で議決されると、どんなことになるんだろうというふうにして私は思っています。ですので、これは自治を行っていく公共団体が自治を行っていく上で、ここらへんはもう少し敏感に感じていただかないと、制度上ちょっと立ち行かなくなるというか、県の権限はどこまでなんですかと、県と都道府県と市町村と当然対等なんですよね、今法律上。しかし、にかかわらずこういったことが県議会で議決されてしまうと、もう既にオーソライズされてしまって、じゃ我々どうするの、我々の町議会とか我々の町民さんにどう説明を果たしていくのかなというのが一つ不安な点でございまして、その点はご理解いただきたいなというふうにして思っております。
 あとはいろいろあるんですけれども、いろいろ県の方が説明するとは思うんですが、まだまだ暗中模索なわけでございます。じゃおまえ何が言いたいんだというと4点ほどありまして、まず一つは先程の繰り返しですけれども、三重県の役割及び主体性を明記すべきであると、この条例案の中にそれをきちっと書き込んでいただきたいと。もう一つは市町の財政負担及び人的負担を軽減すべきであると。ちょっと控え目に書いてありますけれども、財政負担に関しては、この議案の中に盛り込んでいただく文言は削除していただきたいということです。実際やるに当たって話し合いをしていく中で、市町もやっぱり一緒にやりましょうということであれば、財政負担をしたり、人的支援を行うことは当然やぶさかではないわけでございますけれども、今のところまだ何にも具体的なものが決まっていない中で、そんな先に決めていただくのは若干困るなというふうにして思っています。
 私は議案の修正を前提に再度議論をすべきであるということを、ここに書かせていただきますけれども、私なりに考えまして、1章から3章というのは基本的な部分であるので、これは方向性として間違っていないのでいいんじゃないかなと。4章の考え方と5章というのは原案のまま進んでいただいても、私としては結構であると。第4章の具体的な手法の部分は再協議をしていただきたい。第6章、7章、9章及び第2部第1章というのは三重県の役割を明確化したらどうかと。そして第8章と第2部第2章、つまり予算にかかわることは削除していただきたいなというふうにして思います。と言いますのも、やはりこういった計画はあくまでも議案としてあげて、計画としての議案でありまして、そこに予算が裏打ちされたものを議決するということは、果たしてどうなのかなという議会の権能にかかわることだと思うんですけれども、やはり予算審議は予算でやったらどうなのかなと。しかも単年度主義なわけでございまして、これを6年の計画として議決されるということは、31億から36億というのも先に決めてしまうのかなと。予算上どんな取扱にするのかと。やるにつれて単年度の予算で審議していけば、私は事足りるんじゃないかなというふうにして思っています。ただ、執行部側としてはどういうことが考えられるかというと、あるいはプロデューサーと契約をしたりという部分において債務負担行為をかけたいんだろうというふうにして思っています。ですので、その債務負担行為をどこまでかけさせるか、委託料の範囲だけでかけさせるのであれば、議決しておいてもいいのかなと。しかしながら、これ9月補正にするのか、12月補正にするのかわかりませんが、そのあたりの議論は、議会としてはやっていかないといけないというふうにして私は思っています。
 ですので、最終ページの私がこのように修正されたらどうかということで、大枠として認められるのは総務企画関係費、これも積算とかきちっと精査しないといけませんけれども、あと催事関係費、広報関係費などというのは問題なく中身をきちっと精査していけばいいかなというふうにして思いますが、育成支援関係費とか地域支援関係費などというのは、これはちょっとペンディングをしていただけるとありがたいというか、ここに市町が大きくかかわっていますので、ここがペンディングなんじゃないかなというふうにして思っています。
 ですので、最終的に申し上げますと4点なんですが、三重県の役割主体性を明記し、市町の財政負担、人的負担というものを軽減すべきであると。そしてまたこの議案の修正を前提に再協議をしていただきたいということと、それと事業費に係る部分の議決に関しては、皆さん方もう少し慎重な取扱いになられたらどうかというようなことでございまして、甚だ僭越な発言ですとか、あるいは不勉強のそしりを免れないようなことも申し上げましたけれども、私からの意見表明といたしますので、どうぞご議論賜りたいというふうにして思います。
 以上でございます。

○舘委員長 ありがとうございました。以上で参考人からのご意見の開陳は終わりました。

 

(3)質疑

○舘委員長 これより質疑に入ります。
 傍聴議員の質疑につきましては、先程と同じような形の中で委員の終了後ということでよろしくお願いをいたしたいと思います。
 また、質疑等々については簡潔に、より多くの方にご意見をいただきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 それでは、質疑がございましたらお願いをいたします。

○奥野委員 今日、熊野市長、菰野町長さんに来ていただいて本当に感謝いたします。特に菰野町長の財政にまで突っ込んだ話、またいろいろな市町の状況というのを説明していただいて、よく皆さんもわかっていただいたし、私も再認識もさせていただいてよくわかりました。県の方はやはり町長おっしゃられるように、今一度十分にこのへんを吟味しながらこの事業を進めていくのが、私も町長おっしゃるようにベターかなというふうに思います。市町の苦労というのをもっともっと県が知るべきかなというふうに思います。質問じゃなくて応援にしていただいてありがとうございます。

○舘委員長 他にいかがですか。

○中村委員 本当遠いところありがとうございます。すみません。
 公務が多忙なところを時間をとっていただきましたので、私どもさきの常任委員会でも県の方に申し上げていますのは、こういった計画いわゆる20年に一度の遷宮絡みで、私はそう理解するんですが、その中で、三重県をもっともっと元気にしていきたいという思いがあるんだろうというふうに思います。地域づくりに集中したいという思いがあるんだと思います、県としては。
 特に私自身が感じておりますのは、南北格差もありますし、地域の方はいろいろなことを、これから地域づくりとして住民の皆さんやNPOの皆さんと一体となった、今既に市町はもうそれをやっているんですけれども、さらにそれに加速をしたいという思いがあって、こういう計画を立てたんじゃないかなというふうに私は理解しているんですが、そのことが今のところ、私自身の本会議の質問も含めてなんですが、何をしようとしているのか、もっともっと汗をかいてくれということを言ってきました。先般も言わせていただきました。そういった中で、今の石原町長のお話を聞かせていただいておりますと、県のやろうとしている思いというか熱意といいますか、そういったものが首長さんにしっかりと伝わっていないんじゃないか、今までもこちらが質問をすると、既に担当者もできて、いろいろもう動いていただいていますという答弁が返ってきているわけなんですけれども、そういったところの県の熱心さといいますか、汗のかき方といいますか、そういったものはかなりいっているんじゃないですかね、ちょっとそのへんの感想、これは河上市長にも後であわせて聞かせてください。すみません。

○石原参考人 まず端的に申し上げまして、事務方としては憤慨とまで言うとおかしいですけれども、どうなんだと、町長これだけは言ってこいと、私命令されて復命受けています。もう一つ言いますと、余りどこまでが協議かわからないですけれども、別に熱意が伝わるかどうかというのは、ちょっとまだまだじゃないかなという気がします。ですから先程申し上げましたように、県の役割と責任というので57ページと58ページ見ていただけると、58をページ見ると、本庁の役割と地域機関の役割とこれだけなんですね。これで熱意が伝わるかどうかというのは、中村委員がどのように解釈されるか、また文化力のようにまた解釈していただければいいんですけれども。私からは以上です。

○河上参考人 基本的には今言われた石原町長さんと同じですけれども、職員からすると余りこんなこと言いたくないですけれども、職員から言われるのは、いくら言っても我々の要望は聞き入れられないと、言わせるだけ言わせて説明をしたで終わっているんじゃないかという、そんな感じの話は職員からあがってくるのは事実です。説明には熱心ですけれども、意見を聴取する方で熱心かどうかと言われたらどうなんでしょうね、ちょっと言いづらいですけれども。ただ私は基本的に自分のところで既に似たような事業をやっているので、大枠としてはもう賛同せざるを得ないと。しかし、やり方は先程の石原町長さんと全く同じなんですが、やっぱり市町にもう少しいろいろな面でゆだねるべきじゃないかと、それを繰り返して私は説明に来られたときにはそれを言い続けていますけれども、全然答えはこれを見る限り、今のところないということですけれども。

○中村委員 この「美し国おこし・三重」の目的、あるいはこのことによって三重県全体がどうなっていくのか、それぞれの市町の皆さん方の地域づくり、こういったものにどうプラスになっていくのか、将来どういう形になっていくのか、そういったものについての県としての思いといいますか、そういったものがきちっとした形で伝わっていないということなんですね、あるとしたらですが。

○舘委員長 他にいかがですか。

○西場委員 懐かしい石原さんの声も聞かせてもらって、今日はどうもありがとうございます。熊野市長さんもどうもありがとうございます。
 1村1品運動で大分県の大山町からメークイーンを植えてハワイへ行こうと、こういう村おこしが始まってもう何十年とたって、もう今や熊野市長さんからうちの市町でもここまで市民活動が広がってきているというお話がありましたけれども、本当にいろいろな熟度はあるかもわかりませんが、きておるだけに今、自立・持続可能な地域づくりを目指そうというキーコンセプトがどうもセピア色なんじゃないかというような気がするんですが。しかし、古いですけれども、新しい課題であることも事実なんです。
 そこで県の役割、市町の役割あるいはこういう市民活動ですから、そこにもっと県や市町もゆだねてもっと現場サイドの方のこういう運動にした方がいいんじゃないかと。いろいろな議論が出てきそうで、まだそこが整理されていないので、我々もこの機会にしっかりとそこをやりたいんですが、生活創造圏事業を一定やりまして、県が市町を飛び越えてそれぞれ地域なり住民のところへ直接関与したことについてのいい面と、いろいろな問題が起こって、それが整理されて総括されて次の段階へ進もうとしたんですが、一応県はそれは市町の役割だと、県は後方から支援するという一定の方向を二次戦略で立てましてスタートをしたんですけれども、つい最近議会の方で、地域づくり推進条例というのを舘委員長のもとで作らせてもらったときに、県の主体性を改めて我々は県条例として位置づけをさせてもらった。そこで行ったり来たりの一つ振れが出てきておるんです。
 この議案書の3ページのところに、市町の役割や県の役割というのも書いてありますけれども、かつてはこの市町の役割はほとんど変わりませんけれども、県の役割のところは「美し国おこし・三重」実行委員会と一体となって取り組むとここには書いてあるんですが、これに修正する前は、取組を県は支援すると、こう書いてあります。それから一番最後に、関連事業や市町の効果的な連携を通じて地域づくりを進めるというんですが、この市町がやる地域づくりの取組を支援すると、こういうように素案は書かれておりまして、これをこの基本の部分を議会の議提条例の中で作った上書き部分を当てはめたら、これにはそぐわないということで県の主体性を盛り込ませたわけです。そうなると、またもとに戻って生活創造圏事業を県としてやるかというような話に行きつ戻りつの議論になるようなところがあります。
 ですので、今問題提起いただいたことは、本当に今回の「美し国づくり」の地域活動、市民活動を育てる上で本当に重要な部分かなと、こういうように思っておりまして、一番議論の重要なところであるような気がしまして、今一度先程来述べられたところなんですが、本当にこういった市民活動についての、市町についての期待する県の役割というのは、市町にとって何なのかというところについて、現状と将来ということがあるかもしれませんが、その点についてもう一度コメントをいただきたいなと思いますが。

○河上参考人 この事業に関しては先程言ったとおりで、県として知事のお考えの住民みずから地域の課題を考え、それを解決していく、取り組んでいくということを全県的にしかけたいという思いは非常にわかりますので、この事業に関してその思いはわかるけれども、実際にはやっぱり生活創造圏のときに失敗をしているわけですから、やはりその思いは思いとして大枠を作った上で、市町にいろいろなことを任せるべきだろうと。
 もし県が本当にやるのであれば、先程言いましたように、県自身でも職員による支援グループを作って、べたっと入り込まないと、絶対にうまくいかないと思います。生活創造圏のときの反省は、もう市町村でも反省というか随分批判という意味では言いましたけれども、県が決めたやつを県がやるので市町村つき合えという、県の職員は人事異動でいなくなった瞬間に事業がとまってしまう、そうすると、住民からは一緒に県職員と市町村職員が行っていますから、住民からすると県の職員も市町村の職員も変わらない。文句ばかり言われるのは市町村の職員だったと。ですから、県の職員がもしやるんであれば、石原町長さんと違う意味かもしれませんけれども、やっぱり県の職員の役割、県の役割はこういう1行や2行で書かれるものじゃなくて、しっかりと書き込むべきだというふうに思います。
 さっきのフローチャートの中にも県は出てこないですよね、おかしなことだと思います。実行委員会ということを隠れみの、ちょっと口が滑っていますけれども、実行委員会が隠れみのですね。要は何をやるのと、それはやっぱり市町村の職員ばかりじゃないので、そのへんは見抜いて相当これから不平不満が出てきているということだと思います。
 ですから、この事業に限らず、一般的に県と市町の役割分担ということについても、それぞれやっぱり非常に財政状況が厳しくなるわけですから、やっぱり補完性の原則ということが貫かれるべきであろうと、市町村に任せてできないものについて県が応援してほしいと。そのときにやっぱり今までの市町村ですと、何でもかんでも言ってくるところがあるんじゃないかというふうに思いますが、それはまさに県の方からここまではできる、ここまではできないというのは、やっぱりしっかり県の方がやるべきである。そのときに中途半端にこういうやり方をしていると、自分がやりたいところだけ手を出してくるのかということになるので、やるんだったら徹底して補完性の原則に基づくやり方ということを考えていくべきだろうというふうに思います。

○石原参考人 ほとんど河上市長が言われたことと全く同じなんですけれども、一つ可能性があるとすれば、やっぱり最後まで責任を持ってくださいよということが一つ。それと新しい時代の公と最近は言われなくなったのかもわかりませんけれども、知事がおっしゃっていて、じゃその新しい時代の公に市民も県民も参画するんですよと言われていると、市町と県も役割変わりますよねというので、どこまでが補完性の原理を貫くんですかという、それすらも問い直しましょうというのが、恐らく知事のねらいだと思うんですけれども。だとするならば、同じように汗をかく瞬間があってもいいんじゃないかと。汗をかくのは市町だけで県はおれらはもう知らんよということじゃなくて、一緒にどんどん最後まで汗をかいて、県民センターというのはもう汗をかく場所だというぐらいの意気込みでやられたら、私はどうなのかなというふうにしても感じておりますので、そういったことの役割がもう少し書き込まれなければ、この議案というのはなかなか難しいんじゃないのというふうな印象を持っております。

○舘委員長 ありがとうございます。
 他に、それでは、傍聴の方。

○真弓傍聴議員 今日はどうもご苦労さまです。
 熊野というところは例えば、私関係する美術界でも某高校教師を観光協会に潜り込ませて、何とか熊野を絵のかける町にというのをずっと取り組んでもいて、これも一つの文化力かなと思うんですけれども、実際に熊野の町、駅前のあたりのまちづくりの取組なんかも見させてもらっていると、今「美し国おこし・三重」の先行を熊野はやってみえるということがよくわかると思うんです。私も実感としてそれを見せてもらっていますので、だからこそ、例えば熊野市としては、これからこういう「美し国おこし・三重」という事業でどんなことを三重県に望まれるのか、もうおれのとこはやっておるで、もうええわと、それよりも第一次産業を何とかしてくれというのか、まだ県の支援なんかを望むようなこの「美し国おこし・三重」の理念の中で事業を要望されるものは、おありになるんでしょうかというのをお聞きしたいですが。

○河上参考人 理念的な話というか理想論から言えば、こういう事業はもう既にやっているので、市としてどういうふうに取り組むかということについては、実は頭の痛い部分は正直あります。ただ、熊野市のこの取組はNPOは対象になっておりませんので、NPO対象にこういう事業を説明をして仕掛けるということもあるんだろうというふうに思っております。ですから本当は理念的な話からすると、大枠だけ起こして、こういう細かいやり方はやめてくれというふうに言いたいんですが、このまま走ってくるのであれば、それは実際問題として使えるものはどんどん使えというふうには思っていますので。そのへんは理想論と現実の仕分けはちゃんとわきまえた上で、お金は使えるように吸収はしていきたいと、それはもうどこの市町村も同じだと思うんですけれども。

○真弓傍聴議員 生活創造圏の話でも東紀州フェスタというのも失敗しただろうと思うんですけれども、そのときの県民局長はもう帰っていませんけれども、やはり先程も実験というふうなことを言われましたけれども、あの失敗の中から今の熊野市の取組が出てきたのかなというふうにも今は思っているんですけれども、またその失敗を繰り返すことは得策でないだろうし、そのことについては、熊野市のような失敗から、今の取組を行われるところからどんどん逆に県の方へ情報発信をしていただきたいと最後にお願いして終わります。

○河上参考人 東紀州体験フェスタは皆さんの間でどういう認識かわかりませんけれども、必ずしも私は体験フェスタが全面的に失敗だというふうには認識しておりませんので、このことだけはやっぱり地元の首長としてはあえて申し上げたいと思います。やっぱり体験フェスタを契機として、例えば紀北でありますとか、尾鷲でいただき市とか魚市場を中心とした市場が継続して開かれるようになっていますし、いろいろな意味であれを契機にして継続して取り組まれていることもあるのは事実です。ただ、かけたお金に対してどうかというふうな言い方をすれば、それはいろいろな見方があると思いますけれども、今回もこの取組は社会的実験というようなことを、私、直接傍聴していなくてテレビで見ていたんですが、全部聞いているわけじゃないんですけれども、そういう要素は多分あるんだろうと。さっき熊野市の例でも言いましたけれども、あらかじめどういう事業が出てくるかわからないわけです。やってみないとわからない。やってみて、熊野市の場合は、だから7.7回も1地区1年間張りついているわけですが、張りつくというのは支援だけじゃなくて、お金の使い方をきっちりさせるという意味もあるわけです。そういう形で少なくともお金がきちんと使われるということをやれば、活動が物すごく大きな広がりになったことをもって、成功というふうにとらえれば、そこまではいかないのかもしれないけれども、住民運動の起点と、それを創ったという意味では、私は熊野市の中での事業は、さっき言ったようにいろいろ大小ありますけれども、濃淡ありますが、少なくとも失敗しているところはないだろうというふうに自負はしております。
 ですから、この事業についても、美し国についてもやはりやり方だろうというふうに思いますし、走りながらやはり工夫していく点もあるんだろうと。そういう意味では、先程石原町長さんが言われたように事業を数年間で認めるのか、毎年予算としてチェックをしていくのか、それはやはり工夫は要るんじゃないかというふうに思いますけれども。

○舘委員長 ありがとうございます。よろしいですか。委員さんもいいですか。
 それでは、以上で参考人に対する質疑を終了させていただきます。
 一言御礼を申し上げたいと思います。
 本当に今日は大変お忙しい中をご出席をいただきまして、貴重なご意見をいただきましてありがとうございます。私どもの委員会といたしましても、いただいたご意見、またここの議論、参考にさせていただきまして、この事業については、本当に真剣に県民の皆さんの望む目線というその立場でも考えていきたいと、こう思っております。本日はまことにありがとうございました。
 それでは、参考人の方は退席をなされますので、着席のまま暫時休憩いたします。

(休  憩)

 

  (4) 委員間討議

○舘委員長 それでは、休憩前に引き続きまして委員会を再開をいたします。
 本日の公聴会での公述人からのご意見、また先程の参考人からのご意見を受けまして、議題となっております議案第17号「美し国おこし・三重」三重県基本計画の策定について、いろいろ課題、また問題等々も提起もされたわけでありますけれども、ここで委員間討議が必要であればというふうに思いまして、この委員会を行わせていただきました。特にご意見ございましょうか。

(なし)

 ○舘委員長 なければ、今後の委員会の審議の中で、今日のことを生かさせていただくということにいたしたいと思います。
 それでは、次回の委員会は10月28日火曜日午後1時から開催をし、引き続いてこの議案第17号の審査を行いたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
 ご協議いただくことは以上でありますが、この際ございませんか。

(なし)

 それでは、以上で政策総務常任委員会を終了いたしたいと思います。

 

 2 委員協議

   ・     28日の委員会では会派の意見も整理していただいて議論していただきたい旨、委員長から要望があった。

   ・     28日の当局の出席を求める委員とすることが了承された。

 

〔閉会の宣告〕

 

政策総務常任委員会長 舘 直人

 

 

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