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三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成20年度 委員会会議録 > 平成21年1月20日 救急医療体制調査特別委員会 会議録

平成21年1月20日 救急医療体制調査特別委員会 会議録  

  救急医療体制調査特別委員会

会 議 録

(閉 会 中)

 

開催年月日   平成21年1月20日(火) 自 午前10時34分 ~ 至 午前11時50分

会 議 室    201委員会室

出席      11名

                         委  員  長   貝増 吉郎

                         副委員長   森野 真治

                         委   員   小林 正人

                         委   員   今井 智広

                         委   員   長田 隆尚

                         委   員   北川 裕之

                         委   員   服部 富男

                         委   員   末松 則子

                         委   員   真弓 俊郎

                         委   員   日沖 正信

                         委   員   前田 剛志

欠席       な し

出席説明員

[健康福祉部]

                          医療政策監兼医療・保健分野 総括室長 西口  裕  

                          医療政策室長                      福井 敏人  

[防災危機管理部]

                          消防・保安室長                      東畑 誠一  

                          防災対策室長                      堀江 俊光  

                                                                                                その他関係職員

傍聴議員     なし

県政記者クラブ 2名

傍 聴 者     2名

委員会書記   議  事  課  副課長  岡田 鉄也

                企画法務課  主 幹   森岡 賢治

議題および協議事項

Ⅰ 調査事項

 提言に向けての取りまとめ等について

  ①     当局からの補足説明

(西口総括室長、福井室長、東畑室長 説明)

  ②     委員間討議

 

【会議の経過とその結果】

 

〔開会の宣言〕

○貝増委員長 まず、1月18日に当委員会所属の山中委員が松阪市長選挙に立候補されたため、公職選挙法第90条の規定により同日付で議員を退職されましたのでご報告いたします。
 これに伴い、委員会の席順をただいまご着席のとおりといたしたいと存じますので、ご了承願います。
 それでは、まず資料の確認ですが、前回12月12日の委員会において配付いたしました論点整理表を一部加筆修正し、再度お手元に資料1として、また当局からドクターヘリ導入検討調査報告書概要版が説明資料として提出されましたので、資料2として配付させていただきましたのでご確認ください。
 前回12月12日の委員会では執行部に出席をいただき、論点整理表のうち「Ⅰ 救急医療の体制づくり」について議論をいたしました。
 本日はその続きとして、当局から「Ⅱ 救急医療を支える医師等医療人材の確保」以降の部分について、論点整理表に沿って、提案内容に対する県の考え方や現在取り組んでいる事業等の概要について説明を受けます。
 また、ドクターヘリについては、導入検討分科会での審議の状況などについてもあわせて説明を受けたいと思います。
 その後、各委員から論点整理表全体についての質疑を行い、質疑終了後に本委員会としての提言作成に向けて委員間討議を行う。このように進行したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 なお、前回議論できなかった「Ⅱ 救急医療を支える医師等医療人材の確保」などの議論の進め方についてお願いがございます。
 本委員会は、救急医療体制の整備及び医師等医療人材の確保に関する調査を行い、議会としての意見をまとめ提言することを目的に設置されたものであり、これまでの調査を通じて、提言のために必要な材料は論点整理表に集約することができたと思っております。
 したがって、県当局に対しては、論点整理表に記載した我々委員の現状認識に齟齬がないかどうかを確認するための質疑を行えば足りると考えております。この点よろしくお願いいたします。
 また、本日は提言作成に向けた委員間討議を充実したいと思いますので、論点整理表に基づく県当局への質疑はおおむね40分程度を目安に行いたいと考えていますので、ご協力くださるようお願いいたします。
 なお、本日の説明、質疑に関連して、健康福祉部と防災危機管理部の関係職員の出席を求めておりますので、ご了承願います。
 それでは、調査に入ります。
 当局から順次説明をお願いいたします。

○西口総括室長 おはようございます。よろしくお願いします。
 私どもの方から、今、委員長の方から議会の方でまとめられました論点整理表がありますので、その中の2番目、救急医療を支える医療人材の確保、それから関係機関との連携、その他につきましてかいつまんでお話ししたいと思います。
 まず、論点整理表の医師確保の部分でございますけれども、その中で一番初めに、研修医を初め医師が働きたくなるような魅力がある病院づくりをしていくと、これが非常に重要であるということが論点整理の中で書かれております。我々もそのように思っております。
 そのために、1点はやはり医師不足、医師が非常に不足している地域と、比較的多く集まってみえる病院というのを、お互い同士が連携し合うような仕組みを作りたいと思っています。現在、広域の研修医が集まるような病院、研修医、それから指導医がそれぞれお互い同士少ない病院と、ある部分集まっている病院と、お互い連携しながら病院間で医療の支援、調整をしていくと、そういう仕組みにつきまして現在検討しております。
 また、救急医療を担う勤務医等の負担軽減のためのさまざまな手当の支給であるとか、その他非常勤の医師を確保した場合の補助等につきまして、現在、検討しております。
 まず、それが1点でございます。
 それから、2点目でございますけれども、医学部の地域枠の検討ということでございますけれども、今般、国の方が今までの方策というか、国の政策を180度変えまして、医師が絶対数足らないということで、今般、医学部の定員増を全国的に認めたというふうな状況でございますけれども、その全体数を増やすとともに、やはり医師が特に不足している地域に対しての対応が必要であるということで、現在、三重大学の地域枠ということで今年度の入試から、特に医師が不足をしておる志摩地域、東紀州、伊賀地域等について、地域指定で出身者を対象とする地域枠Bというのを5名体制で今回、設置をしたということで、三重大学と協力をしながら、このような医師不足の地域に対する地域枠の設定ということを考えております。
 それから、3点目でございますけれども、医師の病院間の派遣の促進というのは先程お話ししましたけれども、やはり病院間の協力が要るということで、お互い同士の医師支援調整システムの中で救急医療の充実も含めながら対応していきたいというふうに考えております。
 それから、4点目でございますけれども、医師の集約化ということにつきましては、先回も議論されましたけれども、三重県の保健医療計画の中でもやはり4疾患5事業を中心にしながら、やはり病院同士の連携が大事であるということは十分承知しておりますし、今後県としても進めていきたいと思います。
 ただ、2次救急医療の集約化につきましては、当然ながら地域の住民の方もお見えになりますので、それぞれの地域の実情を十分に踏まえながら検討していくべき課題というふうに考えております。
 次、めくっていただきまして看護師さんの確保でございますけれども、看護師さんにつきましてはやはり離職防止対策と、それからやはりそれぞれの地域に対する定着というのが重要だと考えておりますので、看護師さんのキャリアアップにつきましては、それぞれやはり定着促進するために、特に就業5年目ぐらいからやはり離職も多くなりますので、その人たちの交流会であるとか、専門職のキャリアアップのためのネットワークを作るとか、モデル地域を、モデル病院を指定して、どういうふうにやれば定着をするのかというようなことも含めながら、現在取組を進めております。
 続きまして、大きな3番目の関係機関との連携ということは、これは救急医療という部分も含めまして、非常に重要な案件でございますので、それにつきまして、県の現在の状況につきましてお話ししたいと思います。
 提案されています搬送先の病院の空き情報であるとか、調整システムというふうな提案がございます。非常に魅力的な提案でございますけれども、多分これは岐阜大学等が産官連携しながら新たなモデル的な取組として、病院の先生方にICカードを持っていただいて、現在どのような医療の動きをしているのかということを逐次把握をしながら、適切な情報を共有して救急が必要な患者さんのところへ搬送すると、このような仕組みを想定されておりますけれども、やはりこれについてはかなり仕組みのコストもかかるわけですし、当然ながらやはりこれを使うのは医師でございますので、やはり十分、全国のさまざまなモデル的な取組をそしゃくをしながら研究していくようなものだと思いますので、現在これの運用につきまして、県としてすぐに取り組むということは非常に困難だというふうに考えております。
 もう一方、やはり今ご指摘のように、救急医療につきましては現在インターネットを使った医療情報システムというのを稼働させていただいていますし、年間10万件を超えるようなアクセスがございます。医療ネットみえということで、県民に対してさまざまな病院のいろんな情報を提供して、そのことを見ながら受診をしていただいたりとか、情報を収集していただいて受診をしていただくと、そういうふうな医療情報ネット、医療ネットみえという部分と、それから救急搬送にかかわる消防に対して、今現在どこのところに空きベッドがあるのか、病院が受け入れることができるのかということを、この救急医療情報ネットの中に導入はしておりますけれども、やはりなかなか病院における入力がリアルタイムではないというふうな問題であるとか、必ずしも入力ができないと、していただいていないというふうな問題があって、やはりこの救急医療情報システムについては現実に即した形で見直しをして、やはり消防の救急搬送するときに有効に使えるように、この救急医療情報システムというのをかなり改善していく必要があるというふうには考えております。
 それから、県境を越えた救急も含めた医療連携体制につきましても、前回この委員会の中でご議論いただきました。当然ながら非常に重要なことだと考えておりますし、ただ、近県、愛知県、奈良県、和歌山県につきましても非常に逼迫をしているというふうな状況でありますので、いかに連携を有効にしていくのかということで、行政間の緊密な会議であるとか、そういうことを含めながら対応していきたいというふうに考えております。
 それから、この救急につきましての搬送先を県が決定するシステムを構築したらどうかというふうなご提案ですけれども、基本的には救急医療というのはやはり現場に近いところが、どのような病院が今受診できるのかというのがやはり原則になりますので、やはりこの救急搬送業務がまずは市町が一時的に対応していただきながら、県が補完をしていくというふうなものが救急医療の原則でございますので、現行やはり搬送先をすべて県が決定していくというのは非常に難しいというふうに考えております。
 続きまして、救急車の有料化であるとか、救急車の要請の問題につきましては防危さんの方から説明していただきたいと思います。
 私の方からもう1点、ドクターヘリの導入につきましては後程また資料2の中で、昨日開かれましたドクターヘリ導入検討調査報告書を含めながらご報告したいと思いますけれども、1点、ドクターカーのご提案がございました。三重県の3次救急を担うためにも重要な課題だと考えておりますけれども、当面ドクターヘリの導入をまず優先的に検討しながら、三重県の3次救急の充実をやはり図っていきたいというふうに思います。
 最後に、1番最後のその他のところで保健医療圏の見直しということがございました。今回、三重県保健医療計画を昨年度第4次改定させていただいて、この4月に第4次改定の三重県保健医療計画を策定させていただきました。そのときにも、この医療圏の問題につきましては議論がございました。現在、県におきましてもやはり志摩地域、伊賀地域、東紀州につきましては医師の数が非常に不足をしているということで、そこに重点的にやはり県としても対策を打ちたいということで、先程もご説明しましたけれども、三重大学における地域枠の設定であるとか、病院間の支援システムの構築であるとか、そういうふうなことで、このような医師不足の地域につきましては対応していきたいと思いますし、それから今後、サブ医療圏というのは、それぞれの地域における文化であるとか、住民の方の生活の条件であるとか生活圏を含めてサブ医療圏を設定しておりますので、このサブ医療圏における医療の安定であるとか充実ということが果たされるということを前提にしながら、今後も検討していきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 私の方からは以上でございます。

○東畑室長 それでは、私の方からはⅢの関係機関(消防等)との連携につきまして説明をさせていただきたいと思います。
 今回、この論点整理の中で、救急患者の迅速な搬送に関しまして幾つかのご提案をいただいておるわけでございますけれども、その中で、まず救急搬送先の広域による一括管理ということでございますけれども、これにつきましては現在、検討されております消防本部の広域化、あるいは消防救急無線のデジタル化と、こういった中で救急の指令業務につきましても一定の広域化というものが進んでいくものと考えております。このことに伴い、指令センターということにつきましても、今後、統合等によりまして広域化が進んでいくと考えられますが、消防組織法の中で市町村消防の原則といいますか、消防は市町村の業務と規定されております。そういったことから、県によりますところの指令センターの設置ということにつきましては困難と考えております。
 それから、救急医療情報システムでございますけれども、現状では情報の更新などに課題があるということで、リアルタイムでの情報が得がたいということがございまして、救急隊が現場で直接、医療機関に連絡をしておるという状況がございます。この状況につきましては指令業務が広域化されても大きく変わることはないのではないかと、このように考えております。
 このことにつきましては、健康福祉部と連携しながら救急医療情報システムの機能等の見直し、これに向けました検討を支援してまいりたいと考えております。
 それから、救急車の有料化でございますけれども、これにつきましては、既にこれまで東京都あるいは横浜市で検討されてきておりますけれども、そういった中で、設定される金額によりましては救急車を要請することに対するためらい、これを取り去るという効果がありまして、それが料金がかかることによります利用を抑制しようという効果よりも上回って、逆に救急要請が増加するという可能性があるんやないかとか、あるいは救急車が必要な場合でも要請をちゅうちょする、そういったケースも発生するんやないかというような意見が出されまして、結局のところは導入が見送られておるということがございます。こういうことも踏まえまして、今後とも国、それから他の都道府県の動きを注視してまいりたいと考えております。
 それから、軽度の患者の安易な救急車の利用に対する秩序維持の啓発でございますけれども、これにつきましては、現在各消防本部におきましても市町の広報紙やチラシ、ポスター等で住民の方への啓発を行っているところでございますけれども、県におきましても県政だより、あるいはテレビ等を通じまして、県民の方に対しまして適正な救急車の利用を呼びかけていきたいと考えております。
 以上です。

○福井室長 ドクターヘリの導入検討状況についてご報告をさせていただきます。
 昨日、ドクターヘリの導入検討の分科会が開催をされまして、分科会といたしましては今後の需要も踏まえ、十分に有効性が認められると、このような結論となったことから今月の、今週の木曜日でございますが、23日に開催される救急医療部会に分科会の座長からその結果を報告すると、このようになっております。
 それでは、報告書の内容について順次ご説明をいたします。
 おめくりをいただきまして、目次の次が1ページということになっておりまして、まず1点目は全国のドクターヘリの運航状況調査ということで、現在、稼働をしております14機について全国状況を調査した部分をまとめてございます。
 この内容を見ると、北海道とか福島とか長崎など面積が広い県でありますとか、あるいは離島を多く抱えている県においては、それらの県を除くとおおむね運航距離は50キロから70キロと、最大でも長野、和歌山で見られるように100キロ圏内と、今、申し上げたような面積が広い県でありますとか需要が多い県については、さらに追加の機を導入することを検討しているという状況でございます。
 おめくりをいただきまして、2ページでございます。
 ドクターヘリの導入に係る費用等の調査ということでございます。
 ヘリ運航会社の運航費用は、ここの(1)の表1というのがございますけれども、ここにあるとおりその固定費でありますとか、出動時の変動的な費用に基づいて計算をされておりますが、実際はそのヘリ運航会社に支給される補助金の額は、ここの備考の欄にありますとおり1億4,800万余ということになっておりまして、ここの経費につきましてはさまざまな増加要因があるということで、その表1の黒丸の一番最後でございますが、国においては22年度以降に補助金額の見直しを検討すると、こんなふうになっておりますので、将来的には増額が見込まれていると、こんな状況でございます。
 3ページをごらんいただきまして、ここがポイントでございますが、ドクターヘリの導入効果調査ということで、まずはその需要調査ということで、①で救急搬送の状況調査を実施いたしました。これにつきましては県内の15のすべての消防本部が救急患者を搬送した搬送状況から、それに基づいて分析を行いまして、ドクターヘリによる搬送が予想される患者数等を推計したものでございます。
 その状況をまとめたのが表の1でございまして、そこの部分の内容を説明させていただくのが表1の下欄の部分で、下の方で少し表現されておるように、実はその全搬送件数は7万3,000件余と。このうち2行目でございますが、重症・死亡事案であり、かつ昼間に発生した部分という件数が上の表の6でございますが、4,553件と。それで、その中でも特にヘリによる時間短縮効果による有効性があるとされておるものは、陸路による搬送時間が30分を超えるような案件ということで、本県では、ここの項目の表の8番でございますが、575件という状況となっております。
 4ページをごらんいただきまして、そのような状況から、いわゆる三重県におけるドクターヘリの潜在需要は年間おおよそ500件程度存在するのではないだろうかということを推定いたしております。
 それから、丸の2つ目で、今度は消防本部別の搬送状況でございます。表でまとめさせていただいたのは、消防本部別の救急搬送の平均時間ということでございます。その内容につきましては、表の下のところで少しまとめさせていただいてございまして、そこの2行目で紀勢広域、それから鳥羽の両消防本部については搬送時間が30分程度の時間を要していると、また志摩につきましても22分と、このような時間を要していると。この要因としましては、これらの地域は近隣に3次の救急医療機関がないということが1点でございますし、また有人離島があると、このようなことから、これらの地域で発生した重篤な救急患者はヘリによる搬送対象となる可能性が非常に高いのではないだろうかということでございます。
 5ページをごらんいただきまして、次に、今度は消防本部別の病院間の搬送、転院の状況の平均時間をあらわしております。ここも表の下で中身を分析いたしております。そこの1行目をごらんいただきますと、1行目の後段ですが、三重紀北、紀勢広域、熊野、志摩、伊賀の各消防本部において転院搬送におおよそ30分以上の時間を要していると。実はこれらの地域は、そういう必要な救急患者に対して一たんは、いわゆるその近隣の医療機関で受診をして、例えば尾鷲であれば尾鷲総合病院、市民病院で受診をして、その後、適切な医療機関への転院搬送されることから、そういう対応で今、重篤な救急患者に対応しているということから、転院搬送時間以上に相当の時間は費やされているということでございます。今申し上げたこうした地域、これらの地域で昼間に発生した、昼間というのはドクターヘリが飛べるのは基本的には日中でございますので、昼間に発生した重症・死亡患者数は332人と、こんなような状況になっております。
 既に和歌山県等の連携のもと、共同運航ということで和歌山県さんにお願いをいたしておりますが、現状でも、この中でも見るとおり、さらに多くの救急患者が認められることから、東紀州地域においてもさらなるヘリの需要が見込まれるというふうに分析いたしております。
 それから、6ページをごらんいただきまして、導入効果ということで、搬送患者の医療効果ということでまとめさせていただいています。平成17年に東海大学の方でドクターヘリの効果検証というのを実施をされました。その結果を三重県に当てはめるとということで、7行目でございますが、三重県におけるドクターヘリの潜在需要は先程申し上げたとおり500件程度と、その中で、例えば救急車、陸上で搬送されていれば、例えば死亡に至ったというものが命が助かったというような形の転帰の改善が98件程度、治療上の効果が211件程度と、かなりの効果が見込まれるということでございます。
 こうした状況をまとめさせていただいたのがドクターヘリの有効性、(3)番でございまして、ここの四角に囲った中をごらんいただきますと、今までのまとめですが、1つ目の丸で、30分以上の搬送時間を要する年間500人程度の重篤な救急患者が早期に医療を受けられる。2つ目に、特に搬送に多くの時間を要する離島、僻地においては年間300人程度の患者が早期に医療を受けられる。3つ目の丸といたしまして、長時間の転院搬送を余儀なくされてきた、東紀州を中心とした地域の重篤な救急患者が早期に適切な医療を受けられるということで、4つ目の丸で、先程申し上げたとおり転帰でありますとか治療上の効果があるということでございます。
 その後、さまざまな国の配備基準とかいろいろ書いてございますが、こういう状況を踏まえまして、7ページで、三重県におけるドクターヘリの有効性ということで、最後の2行でございますが、これらのことから、三重県におけるドクターヘリの導入については、今後の需要も踏まえ、その導入に十分な有効性が認められるというのが分科会の結論となったところでございます。
 以上でございます。

○貝増委員長 説明は以上ですね。

〔「はい」の声あり〕

○貝増委員長 それではご質疑ある方、順次挙手の上お願いいたします。

○真弓委員 ドクターヘリのことでお聞きしたいと思うんですけれども、この委員会でもドクターヘリの有効性というのは随分論議もしていまして、ただ、いろんな調査をしていく中で、例えば伊賀地域やったら霧が発生することが多いのでということで、ドクターヘリとドクターカーの併用をやっぱり考えないといけないだろうしなということも、この委員会で出てきましたし、またドクターヘリの運用となれば、運用の予算のことも当然出てくるんですけれども、それ以上に医師、看護師の確保、要するにスタッフですね、医師や看護師だけでも、1チーム7人としても14人の医療スタッフが必要となるし、今の三重県内の現状で、そのスタッフをそこに、ドクターヘリに特定するということが今すぐ可能なのかどうなのかというのも論議されていたんですけれども、そこらへんについて検討委員会の方ではどんな論議がされたんでしょうか。

○福井室長 委員会や分科会の中では、まさにこの報告書に基づいてさまざまその有効性はやっぱり認められると、三重県の南北に長い地理的な状況でありますとか、それからこれを導入することによって救急医療全体が底上げされるとか、そういう議論はかなりありました。それで、少し今、真弓委員おっしゃられたように、いわゆるそのスタッフの確保というのは、これはこれで重要なことだというふうには委員の中でも議論がございました。今般、先程申し上げたとおり、分科会としては三重県に導入の有効性があるかどうかという議論をまずさせていただいたわけでございますので、その結果を踏まえて、救急部会でこの木曜日に議論をされて、その中で、その後、県知事としての判断がございまして、やはりその基地局でありますとか、あるいはスタッフとかいろんな問題につきましては、導入をしていこうという大きな方向が出れば、これは引き続き次年度以降も議論をしていくと、こんなふうになると思っておりますし、委員の方からもそのようなお話がありました。

○真弓委員 その後、そういうことを検討していくということですね。はい、わかりました。

○貝増委員長 よろしいですか。
 ほか、いかがでございますか。

○日沖委員 私もドクターヘリの導入検討調査報告のお話を聞かせていただいて、ちょっとお聞かせ願いたいんですけれども、今この検討調査報告書の説明をいただいて、部会の皆様方にもいろいろご議論いただいた、先程、積極的にご議論いただいたことと敬意を表させていただくんですけれども、この報告の中で、特にその陸路で30分を超えるような中で、潜在需要は年間500件程度になるだろうと。そういうところの地域としては紀勢広域とか鳥羽市が一番有効だろうというような報告をいただいておるわけですけれども、そもそも和歌山との共同運航は、だからそっち方面に対する手当として和歌山のドクターヘリの共同運航が始まっておるんじゃないかなということを思うんで、今さらながら、それはそうですわなと、今さらながらなんやろねと思うんですけれども、今、共同運航していただいておるその効果と、そして改めて三重県独自で導入したときのその効果を対比したものというのは、これではわからないんで、共同運航ではとても潜在需要のこれだけには対応し切れないから、改めて三重県独自で導入すると、これだけの効果がさらに高まるんだというようなところもちょっとどこかで聞かせてもらわんとなと思うんですけれども、そのへんは議論はあったんだろうと思いますけれども、そのへんのところもちょっと追加して教えていただけませんですかね、お話を。

○福井室長 和歌山との共同運航で、和歌山県は100キロ圏内ということで、実は三重県のぐるりと円を描くと、東紀州のうちでもやはり熊野地域とか、あそこら辺の地域が主な対象となってまいります。先程の、ですから実は今年度はもう件数が昨年までの実績を超えて12件という状況となっておりますので、その部分はやっぱり積極的に活用をしていく、今後も活用していくと。ただ、エリア的に申し上げると、もう少しいわゆる紀南地域だけではなくて、もう少し県北の地域、いわゆる尾鷲とか紀勢広域とかここらへんになると、その紀勢広域なんかだともう対象外になってまいりますし、それから単にその東紀州だけではなくて、30分を超える県域というのはかなりさまざまありますので、そういう面ではやはり県独自のドクターヘリの部分は必要ですし、なおかつほかのドクターヘリとの相互の有効連携というか活用というか、そこの部分はもう合わせてやっていく必要があるんではないだろうかというのが分科会の中でも議論がされたところでございます。
 ですので、必ずしも3県の共同運航があるから三重県は導入しなくていいよという話ではないということだけはご理解をいただきたいと思います。
 以上です。

○日沖委員 いやいや、共同運航があるから導入しなくてもいいというんじゃなしに、もちろん導入をそれは願うわけですけれども、それについてはやっぱりもう少し、そういうところのお話を聞かせていただきたかったということなんですけれども、どうも部会の中でも話出ておるのは、さらなる効果わかりましたけれども、単独で導入してさらにその効果上げるということはわかりましたけれども、今お話聞かせてもらうと、共同運航は続けながら、さらに単独のヘリも導入するという考え方で、そういう考え方で動いておるということですか。

○福井室長 日沖委員ご指摘のとおりでございまして、まさに場合によってはケースが重なる場合等もございますし、医療資源の状況に応じて、それとか疾病の状況に応じて、それはお互いの部分を有効に、有機的に連携していこうということなんで、それは3県共同運航はやめますよというせいではございませんので、それは合わせてやっていくというのがいいんではないだろうかというのが分科会の考え方です。

○日沖委員 もう1点すみません。もう1点、論点整理表に対しての説明の中からちょっと1点お聞かせ願いますけれども、迅速な救急搬送の体制の構築の話の中で、搬送先を探すときの広域による一括管理の有効性というものを、いろいろ意見として何人かの委員さんも書いてみえますし、またその究極が指令センターということにもなってくるんだろうと思いますけれども、それについて執行部側のご意見としては、消防組織法の中で県での設置は無理という理由もあるし、もともとそんな中で市の方が対応すべきなんでというようなお話を言われたんですけれども、しかしながらやっぱり現場でお話を聞くと、その法がどうこうはちょっと置いておいて、やっぱり現場でお話をお聞きすると、救急車が到着した現場から、救急隊がとにかく電話で探し続けるというようなことはもうナンセンスやという現場のお話を私は聞いてきました。やっぱりそれが切実な現場での思いやと思うんですよ。それが、たらい回しになってしまうようなその環境にも影響しておるんじゃないかなと我々思いますし、その消防組織法でどうかというよりも、そうしたら県でできなければ広域で何かルールを構築して、そして広域で管理して県も入って、県ができなければ何かできる方法でも考えていただければいいんじゃないかなと思うんで、これはやっぱり現場の要請やないかなと思いますし、やっぱり救急医療のサービスを受ける我々もその方がやっぱりいいと思うんで、何かもう困難ですとか、できませんとかいうようなお話やったと思うんですけれども、検討していただくべきことやないんかなと思います。だから、形としてはもちろん県ができなければまた違う形なり何なり、可能ないい方法を検討していただく姿勢というのは期待したいんですけれども、全く無理なような感触を受けましたんで、ちょっと改めて聞かせていただけますか。

○東畑室長 今、委員ご指摘の広域指令センターでございますけれども、今、消防の広域化、あるいは消防救急無線のデジタル化という中で、指令台については複数の消防本部が1つになってやっていこうというやり方でいけば、別にそれは県がしなくても機能としては先生がおっしゃるような効果は出てくると、あると思います。
 ただ、搬送先が決まらないというのは、広域で見ておって、例えばこの病院に今こういう救急車が行っておる、この救急車がここに行っているというのは、それはわかると思うんですけれども、今どこの病院が空いておるかどうかというのは、やはりその指令センターから直接にはそれはわからないと思うんです。ですので、それでどこが空いておるかという情報は、やはり例えば県の持っております医療情報システムの中の、そのタイムリーな入力というんですか、まずそちらの方を何とかしていかないと、広域化しただけではまだまだその現状というのは変わらないんやないかなと、このように思っておるんですが。

○日沖委員 それもそうでしょうと思いますけれども、それも含めてやはり積極的な、県も姿勢を示していただきたいなと思うんですがね、それも含めて。

○東畑室長 市町村の消防の広域化、それからまた消防救急無線のデジタル化につきましても、今消防長会あるいは消防本部、市町の方でも話をしまして、その広域化に向けた努力をさせていただいておるところでございます。
 ですので、県によるというのは法律上難しい面ございますけれども、別の形で市町村消防の原則の中で、それが例えば一部事務組合を作るのか、広域連合になるのか、委託になるのかいろいろ手法はございますけれども、そうした中でより広域的な運用というのはできるような格好で、私どもやらせていただいているということでございます。

○日沖委員 はい、終わります。

○貝増委員長 各委員さんにお願いしますけれども、冒頭ちょっとお願いさせていただいたように、今日の会議の進行上、あと10分ばかりで執行部に対する質疑を終了して次に入りたいと思いますので、ご質問、ご質疑ある方。

○北川委員 これ、論点整理表の提案内容について、ざっと前回と今回と説明はいただいたんですけれども、ペーパーで県の考え方だとか各項目に対する取組だとか懸案課題だとか、そういうことは何も返してもらえないんですか。

○貝増委員長 それは、冒頭、私がごあいさつさせていただいたように、この委員会のあるべき姿と、そういう形で取りまとめをしていきたいと。だから、一つ一つの突っ込んだやつを、やはりそこで終わってしまう可能性ある、エンドレスの議論になる可能性もあると。しかし、大局的に見たときに、この調査特別委員会が提言をしなければならないと。じゃ、その過程の中で、先般のように1つの伊賀の救急で深く入ったところもありましたけれども、これは1つの事例として扱わせていただいて、全体の3つのテーマをいかにこの与えられた期間の中で、各委員の声、あるいは現場の声、そして執行部との意見交換の中でまとめさせていただくかと。そして究極とまで行かなくても今あるべき、そしてこれから県主導の中でやっていただきたいこと、そういったことを年度末の発表までにまとめさせていただきたいということでございますので、今、北川委員が、当初はそういう話も投げておりましたけれども、副委員長と協議をしまして、そして口頭で言っていただけるところは言っていただくと。それに対しての質疑は今日の時間の中で確認をしていただくと、そういう進行にさせていただいていますので、北川委員が言われるように文書でなぜないんやと、その質問に対しての委員長としての見解でございます。だからそれに基づいてお願いしたいんですが。

○北川委員 その話になると、また委員協議の話になりますから、そこで議論するべきことなのかもわかりませんが、ただこれ、論点整理を作る中で我々委員がずっといろんな場所にも視察に行かせていただいたり、あるいは説明、報告を受けた中で作ってきたものですよね。正直、稚拙な部分もあると思うんですね。我々別に医療の専門家でもありませんし、単なる受け売りの話もあれば、十分な情報を得た中で提案しているという形のものばかりではないとは思うので、逆に言うと今度、提言まとめの中で、これは非現実的な話ですよねとか、あるいはこれは県としてこういう取組が進んでいますよとか、消し込みができる項目もあるでしょうし、そういう、あるいはまた先程から出ているお話でもそうですが、いや、県ではなかなか難しいですよとは言うものの、それに対する代案、じゃ、どんなことを、それを解決するために県は考えているんだとか、どんなことができるんだとかいうキャッチボールがないと、ここから論点整理表のまま、ちょっと進んでいかないような思いが個人的にはいたします。時間が、しかもあと少しということになると、私がしゃべればしゃべるほど時間がなくなりますので終わりますが、たくさん、この項目一つ一つについて確認をしたいことは山ほどあるんですが、じゃ、それは個人的にまたやればいいということでいいんでしょうか、委員長。

○貝増委員長 はい、その各委員さん個々の活動も調査も大事ですし、同時に今、北川委員が言われた言葉の中で、論点整理していく後の委員協議の中で、例えばこの事案、この項目が大事やと、これについてもう一度確認、質疑をしたいという項目なんかありましたら、またそれは副委員長と相談して検討させていただくと、そういう体制で行きたいと思いますので。
 事案が大変大きな問題ですし、そして時間は限られています。その中で、今言ったように消し込みも大事で取りまとめをしましたけれども、今回は前回の12月分から加筆修正もさせていただいていますし、また今日の議論をもとに、次回の会議にはまたその次の修正版も加筆修正もさせていただく、あるいは消し込みの部分も出てくるだろうと、そうやって絞りながらでき得る限り、なるべくいい提言をまとめていきたいなと思うんですけれどもね。
 委員会での討議は、時間はいくらでも日程調整してできますけれども、執行部に対する質疑というのはある程度、今予算の時期も入ってきておりますもので、限られた時間の中で委員の皆様と有効に質疑をしていただけたらということでございます。
 北川委員、よろしいですか。

○北川委員 はい、よろしいです。

○貝増委員長 ほかの委員さん、よろしいですか。
 健康福祉部と防災危機管理部から今の補足説明をいただいた、それに対する確認をしたいということでも結構でございますので、もう限られた時間になりますけれども、先程の……

○今井委員 限られた時間なので、すみません。
 両方、健康福祉部と防災危機管理部にかかわってくるということで、その救急医療情報システムのところなんですけれども、今、医療ネットみえの方が年間10万件以上アクセスをしていただいておるということで、それだけ県民が頼りにしておるシステムということも言えると思いますし、それだけに、その充実を図っていっていただくご努力を、もう本当にしていただいておると思うんですけれども、実態としてそのリアルタイム、救急搬送の情報システム、救急医療の情報システムの方ではリアルタイムの情報がなかなか、打ち込みといいますか、更新ができていかないということで、救急隊の方々もそれを見ても、そのリアルタイムのがわからないから病院へとにかく電話をして、あいているところを探すということですれども、ここについて見直し、改善を考えていっていただくということですけれども、この情報システムを結局使っていただく、リアルタイムで打ち込んでいただく、その作業が困難だと、病院の方での作業の人材がいないということになってくるのか、先生方が打ち込む場合は当然その時間がないということなのか、そういったことと、あと、その医師の負担軽減で手当を支給するということもありましたけれども、そういったことと関連して、今後、情報システムがリアルタイムであることが一番いいと、でも、それがなかなか現状難しいけれども、そこをどのようにしていくのかということが大切になってくる場合に、そういった医師の負担軽減の方で今後取り組んでいっていただく中で、情報システムを病院の方で更新してもらう、そういうスタッフというものの確保について、何らか手当をしていく、いけるところがあるのかどうかというのをちょっと聞かせていただきたいんですけれども。

○西口総括室長 先般の委員会でも、今、委員の方から今の医療、特に病院の勤務軽減という形でメディカルクラークの設置については国も検討していますし、三重県の方でもそういうことについての検討をしたいというふうに思っています。
 それから、救急医療情報システムの課題というのはいくつかの論点があると思います。1つは、やはり三重県全体の空床状況という形でいくのか、それともある程度の一定の地域ということをまたいだ中での空床とか入力とか、そういうふうになるのか、それから、それをどういうふうに配置、活用するのかというふうなさまざまな問題が多分あると思いますし、先般、議論があったメディカルコントロールというのは、本来であれば救急医療の現場と、それから消防隊をどういうふうに連携させるのかとか、それから事後検証ということも含めての部分がありますので、その中に救急医療情報システムというのはどういうふうにかみ合わせれば、有効にやはり病院にたどり着くのかとか、そういうふうな議論が要ると思いますので、一体的な中で今後検討したいというふうに思っています。

○今井委員 先程のお話の中で、救急搬送を県が決定していくのは難しいと、やっぱり現場に近い市町ということでありますので、この医療ネットみえというのは三重県のホームページであろうかと思いますが、今後その市町で、今の段階では初期、2次は市町の方で担当していただくという形になっておるかと思いますので、県のホームページ、これ市町の方もしっかり活用もしていただくという意味では、その市町の方にもしっかりと協力をお願いして、医療機関の方へのリアルタイムの更新、大変やと思うんですけれどもお願いをしていっていただくことによって、1軒でも早く病院が見つかるという形になると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

○貝増委員長 ほか、いかがでございますか。

○前田委員 それでは3点だけ、ドクターヘリでちょっと数字だけお教えください。
 まず1点目が、推定の575件の中で、防災ヘリコプターによる搬送された分が入っておるのかどうか、あるいは先程、日沖委員から指摘があった3県共同のドクターヘリの件数が入っておるのかどうか、さらには極端な場合、この前、県内調査で話がありましたが、津駅前で交通事故がありました。受け入れ先がないですから日赤まで運ばれました。そういった、本来の3次救急が機能しておれば30分以上経過しないという件数が、この575件の中に入っておるのかどうか、その3点お教えください。

○西口総括室長 3点目の、今、前田委員の方がおっしゃった、基本的には各消防の方から救急の方の病院の方へ運ばれたものですので、実際上いくつかの病院を探されてみえて搬送時間に十分時間かかったということについても、この中には入っております。全体としては575件の中に、そういうことをある程度引き算をした中で、迅速に距離として30分救急で搬送されて、やはり30分以上かかるようなケースが大体おおむね500件程度ぐらいあるんと違うかというのがここの数値でございます。

○前田委員 ただ、現状の救急医療の実態からいくと、3次救急が本当に機能しておるのかなという疑問があります。その中で70件減らされたというのはどういう根拠かわからないんですが、少し中身を見ていただいて、本来ドクターヘリが行く案件じゃないよね、本来の機能が果たされておれば30分以内に病院へ搬送されているという件数がかなり地域においても、伊賀でもそうですが、他県まで行っておるという案件がたくさん3次救急に対してあろうかと思います。ぜひともこの、先程、最初の2点も含めながら、一度この575件を検証いただきたいと思います。

○西口総括室長 もちろん前田委員おっしゃったようにこれ、1年間各すべての消防本部に対して調査をしておりますので、一定その県外に行っておるケースであるとか、それから本来であれば近場の救急救命センター等に行けたケースも含めて、一定捨象したケースが500件程度ぐらいですので、たくさんそういうケースがあるというふうには我々認識しておりません。そういうものを引き算した結果として500件程度ぐらいが、地理的状況であるとか近隣の3次救急含めた中核的な病院がないという中で、ドクターヘリのやはり検討すべき件数として、この程度は三重県の中にあるというふうに認識しておりますのでご理解願いたいと思います。

○前田委員 もう検証済みということでよろしいですか。

○西口総括室長 十分、個々のケースについて1個1個シラミつぶしで、要するに中へ入れたわけでございませんので、この全ケース、575件についてはどういうふうなケースで、どういうふうな場所からどこに運ばれて、どういうふうな時間経過がかかったかについては確認はしておりますので、それを捨象したケースが500件程度ぐらいというふうにご理解願いたいと思います。1個1個すべてケースファイル見たわけではございませんので、一定各消防本部に対して十数項目ぐらいの、何というか調査項目があって、そこから年齢であるとか市町村別であるとか、それからどこの病院に行ったとか、そういうことを含めながら調査をした件数でございますので、それを含めて一応整理をしております。

○前田委員 ある程度の一定の整理をいただいておるということで、575件から75件引かれたということで理解させていただいてよろしいんですか。

○西口総括室長 正確に575からこれを全部、何というか75やから500というふうに正確な数字ではございません。ただ、引き算をしたときに70数件ぐらいあるから500件程度ぐらいあるというふうに考えております。

○前田委員 これ以上論議しておってもいかんですが、できたらその消防で実態調査いただいたなら、簡単にその件数はわかると思うんですよ。本来の3次救急で搬送されておれば30分以内でおさまるのかどうかというのは簡単にわかると思いますので、たらい回し等々によって、言葉は悪いんですが、受け入れできずに違う病院へ行って30分以上かかっているという部分だけ除けば、簡単に私は数字出ると思いますし、先程の防災ヘリの分もそうですし、3県運航の分も簡単に数字は把握できると思いますので、一度できるだけの検証をしていただければと思います。

○貝増委員長 よろしいですか。

○真弓委員 ちょっと確認だけしておきたいんですけれども、各消防の方で検証会をやられてみえると思うんですけれども、その検証会の聞き取りというのは特になさって、この検討会で判断されたのか、今ちょっとおっしゃられたみたいに15項目かのやつで調査されて、この調査結果という形になってきたのか、どっちでしょう。

○福井室長 それぞれの、今、検証会とおっしゃられましたですけれども、地域で医療機関でありますとか消防でありますとか、そういうところへ入って個別の検証の部分はやっておりますし、今後そこらへんの部分はさらに充実をさせていかなければならないというふうには思っているんですけれども、今回のデータはそれに基づいて1件1件のヒアリングでやったんではなくて、各消防本部がデータベース化をいろいろとしておりますので、そこらへんを各消防本部に照会をさせていただいて、先程、西口政策監が申し上げたように、性別でありますとか年齢でありますとか、それから到着時間の状況でありますとか、そういうデータがありますので、そこから集約をした部分を上げさせていただいたということですので、個別の1件1件のデータを聞き取りしてしたということではございません。

○真弓委員 わかりました。

○貝増委員長 よろしいですか。わかりましたですか。
 では、ちょっと最後に私の方から2つちょっと確認したいんですけれども、先程、各委員さんの中で質疑のⅢの①ですね、迅速な救急搬送の中で空きベッドの問題が出ました。その中で医療ネットみえ、年間10万件アクセスがあるという報告があるんですけれども、じゃ、その報告だけではなくて、本当に命のネットワーク作る段階で県がサポートしなければならないと。じゃ、それについては追いかけ市町に、役場に例えば1次医療は地元でやってくださいという啓蒙活動、それに基づいて医師会等は各病院の空きベッドの定時更新を毎日してくださいよとか、そういう啓蒙はやっぱり県発信で、一般の県民からアクセスあるだけではなくて、やっぱり県庁からどんどん発信して、おたくのエリアでこれだけはやってくださいと、そういうことが実際に計画されてやれるものかと、この計画あるものかということと、もう一つが今、消防搬送、同じく搬送の中で、県で基地ができないか、それは無理です、市町は消防法に基づいて市町でやっていただきますと、広域になってもそこで一生懸命やっていただきますという返事をいただきましたけれども、じゃ、広域化、広域化は広域化で全県がネットワークできるだろうと、しかし、それに対する搬送マニュアルとか県がやれない部分、県だったらこうやりますという一種のマニュアルを各広域消防団にも、消防搬送の中にも、そういう形を県から発信して能動的に情報提供、あるいはこういう形を作ってやってくださいと、そうしたときに救急車の中で隊員が各病院を何十分も追いかけてやらなくても、こういう制度を使って、こういう形をマニュアルさえ県から発信して教育をしていただければ、そういう点のロスタイムがお互いに消えていくのと違うかなという面もあるんですけれどもね。
 それがどういう形になるのか、どういうマニュアル表なのかは例えば検討していただいて、やっぱり県庁が、これは市町、これは何々ですと言うんじゃなくて、やっぱりそこまでのフォローアップがないと、この問題というのはやっぱり入り口の議論で終わってしまう可能性も間々あると。

○西口総括室長 まず1点、原則というよりかは今、救急自体はとりあえず市町も含めて各県域の中で1つは休日応急診療所という形で1次的な、病気になったら夜間、休日も含めてここに行きましょうというふうなルール化はされていますね。
 それから2点目は、中でもやはり入院加療が必要なケースについては、この地域についてはこの病院とこの病院とこの病院が一応はその地域の中で2次輪番体制をとって対応しています。それから、各地域には救急告知病院というふうな形で、2次輪番には入っておらなんだけれども、2次輪番を補完する形で各地域には救急告知病院がございます。それをやはり市とか町が、当然ながら1次、2次を体制を作るために医師会であるとか2次輪番とか、場合によっては救急告知病院とも連携しながら、もちろん消防が、もちろんその中核を担うわけですけれども、そこへネットワークを作りながら今のやはり救急医療体制というのを構築しながらやってみえると。
 それから、三重県全体としては医療ネットみえという形で、三重県全体の医療機関の機能であるとかさまざまなものを提供しながら、患者さんみずからがそこの方へアクセスすることもできるようにしてあると。
 それから、当然、1199という形で、照会をすれば各消防本部の方も含めて、今現在どういうところがあいているのかどうかということも確認できるようになっているという、そういう3層構造の中で、現実のやっぱり救急医療体制は構築をされておりますので、やはり課題としては、確保の2次救急を含めてやっているとこらへんが、どういうふうに今、協力をしながら、現実、今ここはあいている、ここはやはり難しいから補完をするとか、そういうふうな形で積み上げていくというのがやはり重要だと思いますし、それから県域を越える場合について、当然、医療ネットみえなんかも活用していただきながら、消防の方が、この県域については難しいから、もう少し広域の中であいているとこらへんを確認をしながらやってもらいましょうと、そういうふうな一定のルールの中で現実やられているというふうな形ではないかなと思いますので、そこの課題のとこらへんを整理をしながら、やはりそのメディカルコントロールであるとか、やはりそういう部分での一定の医療機関と、それから消防とか市町も顔が見える関係を作っていく中で、やはり体制を組んでいくというのが原則じゃないかなと私は思っております。
 ですから、県が示してマニュアルを作ってこういうふうにしなさいという形だけではなかなか動かないのかなというふうに思いますので、ぜひそういう点もご理解をいただきながら、我々も地域の実情しっかり見ながら体制を組んでいきたいというふうに思っていますので、よろしくお願いします。

○貝増委員長 いろんな意味で、やっぱりトータルコーディネートが県庁になってくると思いますので、その役割の中で十二分に市町をサポート、それがひいてはこの救急医療の1つの作ったものが稼働すると、そこまでやっぱり追いかけていただきたいなということでございます。
 じゃ、委員さん、よろしいですか。
 ほかになければ、これで執行部からの聞き取りを終了いたします。
 当局の皆さんにはご苦労さまでございました。

〔執行部退席〕

○貝増委員長 それでは、ただいまから、執行部からの説明及びそれに伴う質疑により、論点整理表に対する当局側の考え方の聴取を終了いたしましたので、これより提言に向けた項目の絞り込みについてご協議を願います。
 この項目だけはぜひとも提言の中に入れ込むべき、そういうことを踏まえまして、どんなご意見でも結構でございますので、フリーでご発言をお願いいたします。

○日沖委員 項目というのは、この表の小項目を分類するんですか。提言に盛り込んでいく、その提案内容を吟味するんですか。

○貝増委員長 それを含めて、例えばこのⅠの①であれば、これは②と行けるからもう1つでいいのと違うかとか、どんな意見でも結構です。まず教えていただくと、聞かせていただくという委員協議でございますので。そういうことの前提で。
 これ、全部まとめますと莫大な量の提言書になってしまいますから。

○日沖委員 まず、途中、北川委員が言われましたけれども消し込みとか、ちょっと現実離れしたものが中にあるのであれば、それも含めてちょっと消すものを先に・・・・・

○貝増委員長 今、日沖委員から論点整理表加筆修正版に基づいて、まず消すものを、これは要らないと、そこから入りたいという話ですが、いかがですか。

○日沖委員 同じことなのかわかりませんけれども、結果としては。要るものをとるのと要らないものを消すのと一緒のことかわかりませんけれども。

○貝増委員長 では、その意見で進めさせていただきます。

○日沖委員 一遍にこれ、ぱっと見てというと難しいですな、これ。順番に行かんと・・・・・

○今井委員 1つ目の救急医療の体制づくりのところでよろしいですか。
 北川委員の一番上で書かれておる、本来市町で1次、2次救急を十分に整備できない状況では、県がやっぱり救急医療体制については責任を持つべきということに、すごく私も同感であります。
 その上で、先日、視察で行かせていただいた伊賀、名張の救急医療体制の中で、ここにもちょっと書かせてもらっておるんですけれども、その事案を一つ一つ検証して課題が何なのかというのを、非常にその救急医療体制が本当に脆弱といいますか、なかなか充実が難しいという中で、一番大切なのは現在起きておる現場での課題ということになると思いますので、保健所、県民センター、県が中心となってその現況を、初期にしても2次、3次にしても、その救急搬送の実態の中でのそういった課題をしっかりとらえて解決に結びつけていくためにも、そういった検証の場を県の方がしっかりと、救急医療については責任を持つという意味でも主導して、今後この伊賀、名張の取組、また桑名の方では報告だけはされておると聞いていますけれども、そういったことを進めていくことが大切やないかなというふうに思います。

○貝増委員長 ほかにございますか。

○真弓委員 まとめの方向性でなんですけれども、例えばⅠの救急医療の体制づくりという、本来やったらこれ、委員会でずっとみんな議論してきた中で、これ大事やなというのを書き連ねてもらったわけですけれども、全部というのが難しければ、その大もとと県の責務という、県は何をしなあかんかというのを2つの柱としてまとめていった方がええのかなと思います。
 Ⅰだったら、先程、今井委員も言われて思うのは、3次だけじゃなくて1次、2次にもかかわらなあかんよということがもともとの大もとで、県のリーダーシップに基づく2次救急医療体制の整備という少し細かいところへ入っていけばいいし、現実にもう県がネットワーク化の問題とかそんなのをやっているわけですから、それはわざわざ提言というのから外れても構わないし、特に中勢・伊賀地方の救急センターの方は請願という形で、これももう終わっているというか出せていますので、そこらへんは省いた、これから県は何をしなきゃいけないか、どういう姿勢で行かなきゃいけないかというふうな2つのまとめ方でそれぞれをまとめていけば、かなりすっきりするんではないかなと思うんですけれども。

○貝増委員長 ほか、いかがですか。

○小林委員 今の真弓委員の意見に賛成です。

○貝増委員長 余りにも静かなので、ずっと皆さん目を通していただいて再確認をして何を、頭の中で取りまとめをされていると思いますが、もしあれでしたら今の真弓委員の意見、あるいは日沖委員の意見ありましたけれども、もしよければ正副委員長に一任いただけたら、一遍これをもとにたたき台を作らせていただいて、次回の委員会のときにそれをもとに皆さん方から、ここ要らない、逆にこれが必要やと、そういう形で意見が述べられるように、またその間にこの皆さん方の意見を取りまとめた論点整理表を、また次の会議までにもう一度自分の意見、あるいは各委員さんの意見をよく熟読していただいて、自分ならこういう取りまとめで、こことここに重点を置きたいと、そういう形の意見を述べていただけるように、正副委員長で一遍たたき台を作らせていただいてよろしいですか。

〔「はい、お願いします」と呼ぶ者あり〕

○貝増委員長 じゃ、次回の会議までにそのようなたたき台を作らせていただいて、うまくいけば事前配付させていただくと、そういう段取りで進めていきたいなと思っております。

 

〔閉会の宣言〕

 

          

救急医療体制調査特別委員長

貝 増 吉 郎

 

 

 

 

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