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三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成21年度 委員会会議録 > 平成21年7月24日 地域経済活性化対策調査特別委員会  会議録

平成21年7月24日 地域経済活性化対策調査特別委員会 会議録  

  地域経済活性化対策調査特別委員会

会 議 録

(閉 会 中)

 

開催年月日     平成21年7月24日(金) 自 午後2時31分~至 午後4時54分

会 議 室      601特別委員会室

出席        10名

                           委  員  長   末松 則子

                           副委員長   長田 隆尚

                           委   員   中村   勝

                           委   員   竹上 真人

                           委   員   前田 剛志

                           委   員   吉川   実

                           委   員   永田 正巳

                           委   員   中川 正美

                           委   員   萩原 量吉

                           委   員   藤田 正美

 

欠席        3名

                           委   員   津村  衛

                           委   員   今井 智広

                           委   員    舘  直人

 

参考人   

          日本政策金融公庫   津支店                 国民生活事業統轄  小嶋 俊岐

          日本政策金融公庫      四日市支店 支店長兼国民生活事業統轄  明石  誠

          日本政策金融公庫    伊勢支店     支店長兼国民生活事業統轄  足立 秀機

           株式会社百五銀行                       審査部 融資企画課長  川嶋  剛

           株式会社三重銀行                       審査部 融資企画課長  中村 元彦

          株式会社第三銀行                  審査第一部 審査企画課長  天満 卓也

           桑名信用金庫                                審査部 審査課長  水谷 史明

 

 

委員会書記

                      議 事 課  主査        平井 靖士

                          企画法務課  主幹        脇  光弘

傍聴議員        なし

県政記者クラブ 2名

傍 聴 者       1名

 

Ⅰ 調査事項

 1 参考人の出席要求について

 2 県内の経済情勢について(参考人による意見陳述)

 3 その他

 

【会議の経過とその結果】

 

〔開会の宣言〕

 1 参考人の出席要求について

○末松委員長 ただいまから、地域経済活性化対策調査特別委員会を開会いたします。最初に、本日の参考人について、追加してお呼びすることをお諮りいたします。
 前回の委員会で、日本政策金融公庫から参考人を招致し意見をいただくということで決定していただきました。その際、委員の方から、民間の金融機関からも参考人を招致してはどうかという意見をいただきましたので、調整をさせていただき、お手元に配付の参考人出席要求候補者名簿のとおり、株式会社百五銀行審査部融資企画課長、川嶋剛様、株式会社三重銀行審査部融資企画課長、中村元彦様、株式会社第三銀行審査第一部審査企画課長、天満卓也様、信用金庫協会事務局である桑名信用金庫審査部審査課長、水谷史明様とし、本日お越しいただくということで相手方と調整がつきました。
 お諮りいたします。
 この4名の方を本日の日本政策金融公庫の参考人招致終了後、参考人として出席を求めたいと存じますが、ご異議ありませんか。

          〔「異議なし」の声あり〕

○末松委員長 ありがとうございます。
 ご異議なしと認め、そのように決定をいたしました。

          〔「時間は何時まで」の声あり〕

○末松委員長 2時間です。

          〔「1時間1時間ぐらいね」の声あり〕

○末松委員長 はい。
 本日の日程ですが、まず日本政策金融公庫の方に参考人としてお入りいただき、意見陳述、質疑応答を行い、その後、参考人を入れかえ、先程決定した民間の金融機関の方の意見陳述、質疑応答、その後、委員間討議を行いたいと存じます。
 時間は、今、委員の方からお申し出ありましたとおり、大変忙しいときでございますので、2時間を目安にさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 では、まず日本政策金融公庫の参考人にお入りいただきますので、しばらくお待ちください。

          〔日本政策金融公庫 参考人 入室〕

 

 2 県内の経済情勢について(参考人による意見陳述)

    ①参考人意見陳述

○末松委員長 本日、最初の参考人からの聞き取りとして、県内の経済情勢、とりわけ中小企業と密接に関係し、経営安定化に係る施策を実際に取り組んでいる金融機関ということで、日本政策金融公庫の方を参考人とし、3名の方にご出席を願いましたのでご紹介いたします。
 まず、日本政策金融公庫津支店支店長、小嶋俊岐様、日本政策金融公庫四日市支店支店長、明石誠様、日本政策金融公庫伊勢支店支店長、足立秀機様、以上の方々でございます。
 参考人の皆様には、ご多用中にもかかわらずご出席をいただきまして、ありがとうございます。委員会を代表いたしましてお礼を申し上げますとともに、本日の調査につきまして、どうぞよろしくお願いいたします。
 議事については、まず参考人から、お一人10分程度以内で順次ご説明いただいた後、各委員からの質疑を行いたいと思いますので、よろしくお願いします。
 なお、参考人からの聞き取りは質疑を含めて1時間程度を予定しておりますのでご了承願います。
 参考人の方からは、県内の経済情勢、とりわけ各支店で実施している事業の実施状況、業務を行う中で把握した地域の経済、中小企業の状況等について、重点的にご意見をお聞きかせいただきたいと存じます。
 それでは、早速でございますが、参考人からご説明をお願いいたします。
 まず、小嶋俊岐支店長、どうぞよろしくお願いいたします。

○小嶋支店長 よろしくお願いいたします。座らせていただきます。
 ただいま、ご紹介いただきました小嶋でございます。
 お手元に、こちらの青い封筒で資料を配らせていただいておりますので、本日、この資料に基づいて最初に私の方がざっと、私ども日本政策金融公庫についてというようなことも含めましてご紹介したいと思います。
 実は、日本公庫は昨年10月に国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫、そして国際協力銀行という、この4つの機関が統合しまして新たに発足した政府系の金融機関ということになります。従来は、国民公庫、国金というような名前でご利用いただいていた機関が一つということになりまして、私はその国民公庫の出身の者になります。正式には、津支店の国民生活事業統轄というのが、私の肩書きになります。
 ということで、まずこちらの方を開いていただきますと、私どもの総裁、安居のメッセージがございます。10月1日に統合しましたというところから始まりまして、日本公庫の役割等が書いてございます。民間の金融機関が対応困難な分野に対する補完金融を行うというのが、私どもの使命でございます。
 今年度は、特に世界の同時不況というような中で、国内の中小企業、小規模零細企業の方々に対する金融の強化といったものを重点目標に掲げています。その中で、政府系金融機関としてのセーフティネット貸付といったものの発揮というものが、現在、私どもの方で重点的に取り組んでいることになっております。
 こちらを何枚かめくっていただきますと、それぞれの事業ごとの仕事の内容が紹介されております。8ページに私どもの国民生活事業、旧の国民生活金融公庫の重立った仕事の内容が見開き2ページで紹介されておりますが、こちらの方で見ていただくように、私どもは小企業、特に中小零細と言われております一番小さな生業的な企業を中心とした、小企業の方に対する事業資金を中心にご融資をする機関ということになります。そのほかに、教育ローンであるとか恩給貸付、こういったものも行っております。
 右の方に行きますと、経済環境や金融環境の変化によってお困りの皆様に対するということで、セーフティネット貸付の方が1.5倍程になっていますというような記事もございますが、これについてはまた後程細かくご説明したいというふうに思っております。
 とりあえず、こちらの方のご説明を一たん終わらせていただいて、次に、やはりカラーで印刷した融資のご案内というものを見ていただきたいんですが、中を広げていただきますと、こういった形で、こちらの方をこうやって広げていただくと、私ども日本公庫の中の国民生活事業の主なご融資というものが紹介されております。
 こちらの方でごらんいただくとわかりますが、一般的な貸付である普通貸付というものと、それから特別貸付、そういったものがあるわけなんですが、その中の一つとしてセーフティネット貸付というものがあることをご理解いただきたいと思います。
 そのほかに、飲食店であるとか理容・美容の方、いわゆる生活衛生関係を営業の方に対するご融資として、生活衛生貸付というメニューもございます。そういったご融資をしている機関なんだということでご理解をいただきたいというふうに思っております。
 本日の一番主なご説明といいますかご案内になると思うんですが、その中のセーフティネット貸付、そちらの方の取扱いの状況を少しご説明しておきたいと思います。こちらの方の1枚紙の裏の方を見ていただきたいと思います。
 私ども日本公庫の中の、今日は国民生活事業が行っているセーフティネット貸付のご説明をしたいと思うんですが、4800万円までが私どもの国民生活事業としてのセーフティネット貸付の内容になります。どんな方が対象かといいますと、ここに経営環境変化対応資金というものが一番左の方に載っていますが、この対象者が一番多く、セーフティネット貸付の中でも主体になる貸付でございます。こちらの方でご説明すると、融資対象者としてございますように、社会的経済的環境の変化によって売り上げとか利益が減少している方等、業況が悪化している方が対象ですよということで、国民生活事業の場合は4800万円までが対象になります。
 こちらの方の、セーフティネット貸付というのは、かなり拡充されてきております。どんな形で拡充されてきているかということを少し時系列でご説明をしておきたいんですが、セーフティネット貸付そのものは、もう既にかなり前からございます。平成12年だと記憶しておりますが、そのころから取扱いはしていたんですが、現在は平成20年、21年に入ってからかなり拡充をしております。
 まず、1つ、昨年10月から、この売り上げの減少等という対象の方を従来は10%以上の売上減少ということを対象としておりましたが、10月の段階で5%以上の売上減少の方を対象ということで広げております。
 それから、4800万円というこの枠なんですが、これに関して、従来は普通貸付というものがございまして、それと合わせて4800万円であったものが、昨年7月以降別枠ということで、現在は普通貸付と別扱いで4800万円、合わせて9600万円まではご融資ができるという制度に拡充をされております。
 それから、ご返済期間とか据置期間、現在は運転資金が8年、設備資金が15年、それぞれ据え置きが3年ということになっておりますが、これも据置期間は昨年7月に従来の理念から運転資金の場合は3年に長くしました。
 それから、貸付期間も昨年10月以降、従来の7年から8年ということで、据置期間とか返済期間が長くなっているということになっております。
 それから、もう一つ、金利でございます。
 金利に関しては、今年1月、運転資金に関しては、直近の売り上げが3%以上減っている方に関しては、通常の金利よりも0.3%下げるという金利の優遇措置を設けております。さらに、ことし6月からは雇用の維持とか雇用の拡大を図る予定があるという、こういう方に関しては、金利を0.1%下げるという、金利の緩和措置を設けているということになっております。
 そういった形で私どものセーフティネット貸付というのは、枠を別枠にしたりとか、金利を低減してみたりとか、あるいは該当要件を緩和したりということで、昨年度、今年度いろんな意味での優遇措置がとられているということになります。
 一たん、このセーフティネット貸付のご説明を終わらせていただいて、そのほかにもう一つ、私どもが主に小企業の方々にご融資している制度としてマル経融資というものがございます。正式名称は、「経営改善貸付」というものですが、従来から、マル経、マル経ということでなじんでいただいておりますので、ちょっとマル経についても、一つ印刷した紙なんですが、見ていただきたいんです。
 マル経というのは、商工会議所とか商工会のご推薦をいただいた上で無担保、無保証でご融資をするという制度でございます。従来は貸し付けが1000万円までという枠でございましたが、今年度は1500万円までということで、期間等も含めて拡充をいたしました。時限立法ということになっておりますが、今年度に関しては、従来1000万円あったものが1500万円ということで、かなり大きくご融資の枠を広げていると、こういう状況にございます。
 こういったものがいわゆる政府の経済対策を受けて、政府系の金融機関として私どもが行っている主なご融資の対応ということになります。
 以上で、大体のご融資の制度的なご説明は終わらせていただいて、その後、三重県の実際のご融資の状況についてごらんをいただきたいというふうに思っております。
 3枚の紙をホチキスでとめたものが最後に入っていると思いますが、こちらの方をごらんいただきたいと思います。
 まず、1枚目のところでございますが、事業資金の融資実績ということで、一般貸付、特別貸付、生活衛生貸付というものの全体ということになりますので、私どもが行っている事業性の資金のほぼすべてをカバーしているというふうに思っていただいて結構です。経営改善とかそういったものを除いて、直接、私どもが窓口になってご融資をしている事業性のある貸し付け、ほぼ全体をとらえたものというふうにごらんいただきたいと思うんですが、順ごとに行って、下の方から、(3)平成20年度第3四半期というふうに書いてありますが、三重県、あるいは東海3県、愛知県、岐阜県、三重県ですね、そちらの方の対前年比と実額を示しておりますが、第3四半期の、例えば金額でいきますと前年比で100.6%ということで100%を少し超えているという状況であったものが、その上のところ、第4四半期ですから、今年の1月から3月でございます。こちらになりますと、例えば金額で前年比112.7%というのが三重県の数字でございますので、前年比で1割以上増えているということになります。
 それから、最後に、今年の4月から6月までの第1四半期でございますが、こちらの方は例えば金額ベースでいくと、前年比で126%ということになっておりますので、2割以上、前年比でご融資の金額が増えているという、こういう数字を示しております。
 もう1枚めくっていただいて、その次がセーフティネット貸付の融資の実績ということになります。こちらのセーフティネット貸付というのは、当然、先程見ていただいた事業資金特別貸付の中の一部でございますので、その中の一部を切り抜いたということになりますが、これも順ごとに見ていきますと、昨年の第3四半期が前年比128%、そして第4四半期が183%、そして今年度に入って4月から6月期でいきますと、前年比で225%、今、金額ベースで申し上げましたが、そういった形で昨年よりも倍のご融資をしているということになります。
 事業資金全体では2割程しか増えていないんですが、特にセーフティネット、今申し上げたように、売り上げが減っていらっしゃるとか、利益が減っていらっしゃるという方が中心になっております。どちらかというと、設備資金というよりも運転資金が主体の貸し付けでございますが、なかなかこういう時期、設備資金はそんなに伸びていないという中で、運転資金の需要に関しては、積極的に私どもの方にお声をかけていただいて、私どもも積極的にお応えをした結果が、昨年比でいきますと2倍というような数字を示しているのかなというふうに思っております。
 最後に、3枚目、最後のページが経営改善資金、先程申し上げたマル経の実績になります。
 下の方から、第3四半期、第4四半期と、それから今年ということになりますが、第3四半期は114%、そして第4四半期が102%ということで、かろうじて100%を超えていたんですが、今年になってから、4月から6月に関しては、残念ながら前年比で9割強ということで、91.2%ということで前年比を割ってしまっております。非常に残念な結果でございますが、先程のこちらにもう一回戻っていただくと、マル経、4月24日から1000万円から1500万円に拡充されております。現在、1500万円という上限までのお申し込みをもう既にいただいておりますので、今後、7月以降、また回復をしてくるのかなというふうにも見ております。こちらの方がどういうふうに動くのかということは私どもの方も注視をしているところでございますが、マル経の方の動きは以上でございます。
 以上、ざっと国民公庫の融資の制度を含めて、申しおくれましたけれども、私ども三重県内には、国民生活事業を行っている支店が3つございます。私どもの津支店と、それから四日市支店と伊勢支店がございますので、こちらの数字はこの3つの支店を合わせた三重県内全体の数値ということでご理解いただければ結構でございます。
 以上で、終わらせていただきます。

○末松委員長 ありがとうございました。
 それでは、次に、明石誠支店長、よろしくお願いいたします。

○明石支店長 四日市支店の明石といいます。よろしくお願いします。
 四日市支店の業務区域というのは、いわゆる北勢地域でして、南は亀山市、それから鈴鹿市以北というところで、三重県内では比較的景気がいいとされる地域を管内に持っているということでございます。それを踏まえて、最近の資金需要動向等からまずお話させていただきたいというふうに思います。
 これ、3支店とも同じだと思いますけれども、昨年のリーマンショック以降、世界同時不況が起きまして、12月ぐらいから非常に景気が悪くなってきたところでございますけれども、数字的に見ても、まずは信用保証協会の緊急保証融資で手当てをしようという企業が多分多かったのではないか、銀行の勧めもあったと思いますけれども、そちらの方の借り入れで手当てを始めた企業が多かったのではないかということでございます。
 その後、うちの方としましては、先程小嶋の方から説明がありましたように、1月に景況が悪化している企業の金利を0.3%引き下げをするとか、6月には補正予算でさらに金利低減措置を行うことで、少しずつ周知もされ、またテレビ等の放映で周知も行って徐々に資金需要が出てきたところではないかということでございます。
 最近の資金需要動向を見ますと、6月の中旬に補正予算の関係で金利の低減措置がとられまして、今、1%台、1.8%とかでご利用いただけるようになってきておりまして、そういった点からも、まず金利を少しでも安くしたいというお客様が増えてきたということです。
 それから、もう1点は、ご返済の負担を、私ども重複で2口3口というふうにご利用いただけるお客様が多いんですけれども、そういったものを1本にまとめて、返済負担を少しでも少なくしたいと。手取りは少なくてもいいので、返済負担を少しでも少なくしたいというお客様が増えてきているということでございます。
 それと、やはり保証協会の枠がもういっぱいといいますか、ご利用が一巡された方が多くなってきまして、例えば銀行に相談されてもちょっと保証協会の枠がいっぱいで私どもの窓口へ来られている方が少し散見されるようになってきたというところかなという気がします。
 先程、小嶋の方から説明がありましたように、セーフティネットのご融資の方も、ご返済期間が通常5年から7年だったんですが、8年ということになりまして、ご返済の厳しい方はもう8年に張りついて一本化をして少しでも返済負担を減らして、なおかつ少しでも資金の手取りが増えればということでご相談に来られる方が多いということでございます。
 それから、新規開業のご相談もいろいろと受けておるんですけれども、派遣切りといいますか、そういった形でリストラ型の新規開業の相談というのがもうちょっと増えるかなと思っていましたけれども、思った程多くはないという印象でございます。
 それから、業界の動向というか景気の方でございますけれども、新聞等では底を打ったという報道がされていますけれども、まだまだ現場としては実感がそれ程ないということでございます。中堅の企業では少し薄日が差しつつあるかなという先が少し出てきておりますけれども、やはり小規模零細企業においては、まだほとんどなくて、今後の不透明感というのが払拭できていないという先が多いかなという気がします。
 決算書を拝見していましても、やはり売り上げが悪化しているとか赤字だという企業がほとんどと言っていいくらいでございます。少し日がたって、どんどん直近の数字が見えてきていますが、そういうのを見ていましても、なかなか上がってきている企業というのは少ないのかなという気がします。
 最後に、これは業界の動向といいますか、北勢地区の状況でいきますと、もう皆さんもご承知だと思いますが、自動車関連が多いんですけれども、前年の30%から50%程度の受注しかないというような企業が多いということでございます。
 ただ、プリウスとかホンダのインサイトとかハイブリッドカーを取り扱っているような自動車関連の企業は少しずつ受注が回復してきているかなということで、秋口ぐらいからの受注の回復を期待しているという声が聞かれます。
 それから、不動産賃貸業なんかでは、派遣従業員向けのアパートのご相談もあるんですけれども、非常にやはり空き室が目立ち始めて、リフォームをしてほかのところへ貸すようなことを考えているところも、散見されるようになりました。
 あと、最後に当然、すべての企業にご融資できるわけではありません。先行き不透明で見通しがなかなか立たないというお客様については、ご返済の条件を変えて、少しでも長期に少しでも返済負担を減らすという形で対応させていただいておりますけれども、こういったご返済の条件変更も通常時の大体、当支店では1.5倍ぐらいのご相談というか対応をさせていただいているという状況でございます。
 以上です。

○末松委員長 ありがとうございました。
 それでは、次に足立秀機支店長、よろしくお願いいたします。

○足立支店長 ご紹介いただきました足立でございます。
 今、二支店長がおっしゃったところと重複しない程度にお話したいと思います。
 伊勢支店は、ちょうど志摩半島の部分を管轄していまして、南の方の尾鷲とかは津が縦に長く持っている形でございます。
 ご存じのように、県の中部、南部というのは、県の中でも地盤沈下が激しい地域で、もともとそんなによくない地域でございます。今回の景気の悪化でそれがさらに悪化していると。県北ほど悪化の度合いは急激ではないにしろ、深刻という感じを個人的には持っています。
 まず、資金需要のお話ですが、もともと古い企業が多いところでございまして、なおかつお取引先は全国の中でも個人の事業者の方が多い地域でございます。しかも、私どものお取引をちょうだいしている先の数というのは、事業所を分母に置いて、分子に取引のお客様の数を置いた、いわゆる浸透している率というのが結構高い地域でございます。ですから、従来から取引をちょうだいしているお客様がまたご相談に来られるというケースが多い支店でございます。
 その中で、いわゆる資金需要、極端に言えば真の資金需要、いわゆる真水の分です。真水の分で手取りで実額が欲しいという声は非常に少のうございます。先程来、説明ありましたように、金利を少しでも下げたい、あるいは口数が多いのをまとめて返済を軽くしたい、そういう何かメリットがあるお客様にこちらからお声をかけることによって相談してみましょうという、それも含めた資金需要かもしれませんが、そういうケースが多い地域でございます。
 当然、新しいお金、いわゆるニューマネーでまとめたり金利を低減するケースもありますが、中には条件変更で対応せざるを得ないというお客様と、非常にボーダーラインのお客様が多い地域でもあると思います。
 それが資金需要の動向ですけれども、地場産業の方に目をやりますと、製造業は非常に少ない地域です。自動車関連も少ないです。ただ、唯一、例えば美和ロックの関係であるとか、あるいは神鋼電機の関係、電子部品の関係です。それと、若干のシャープであるとかありますけれども、非常に受注の落ち込みが激しゅうございます。社長に聞いてもいつごろ回復するかわからないと。要は自助努力でどこまで保てるかというのがわからないというお客様が多いです。
 あと、地場産業の中心であります真珠関係ですが、皆さんもご存じのように、これはアメリカへの輸出が約5割を占めております。2月に、通常、生産業者から卸業者へ入札があるんですけれども、1級品に関しては前年の8割ぐらい、その他に関しては半分から値もつかない状況でした、2月の状況で。その後、販売業者、あるいは養殖業者からもご相談がありますが、さらに値崩れがしているという状況でございます。
 養殖業者は、組合なんかに聞きますと、自然体でも2割ぐらいはやめていくだろうと言われております。
 もう一つ、大きなものは観光なんですが、観光に関しては、6月は新型インフルエンザの関係で落ち込みがあったと聞いております、予約率等々です。7月は若干回復したと。ただ、8月についての予想なんですが、これは当たっているかわかりませんけれども、選挙が8月の末にあるということで、連泊者が減るだろうと予想されています。日帰りぐらいしか来ないんではないかと。特に鳥羽あたりはそういうお話が行く先々で聞かれています。
 今後、真珠にしても観光にしても、目玉がなかなかないものですから、次への回復は難しいですけれども、もともと構造的に厳しい業種だったものですから、財務の内容というのは非常に厳しゅうございます。借り入れが多い。その借り入れも利益が出て返せるならいいですけれども、非常に利幅も少なくて利益が出ていない中で返済をしていかないといけない。ということは、いわゆる自転車操業のような形で借り入れを繰り返しながら返済をしていっている。そういう中で、こういうショックがあると、その返済が滞ってしまうというのが現状かなと思います。
 あとは、老舗のお店が突然死のように倒産するケースが最近あります。財務の内容を見ていますと、そう突然死するような内容でもないのになと思いながら、詳しい理由はわかりませんけれども、そういう事案も出ている状況でございます。
 タクシーの運転手に聞いてもなかなかいいご返事がないというのが現状でございまして、遷宮とかがありますけれども、従来の遷宮なら何らかのインフラの整備とか目玉があったんですが、なかなか今回の遷宮に関しては、いい風が吹かないねという地元の本音の声があります。
 以上です。よろしくお願いします。

    ②参考人への質疑

○末松委員長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまのご意見を受けまして、委員の皆様からご質問をお願いいたします。その際には、お答えしていただきたい参考人を明確にしていただきますようよろしくお願いをいたします。
 なお、念のため申し上げます。
 参考人は、委員長の許可を得てからご発言願います。また、委員に対しては質疑できませんので、ご了承願います。
 それでは、ご質疑がございましたらお願いいたします。

○吉川委員 お尋ねします、津支店の。
 中小企業というより零細企業に対する貸付枠というのが無担保、有担保で違うと思いますが、今までは1500万円ぐらいが限度であったかなと思うんですが、今見ているんですけれども、ちょっとわからないところがあるので、教えていただけますか。

○小嶋支店長 無担保の限度は特にいくらまでという明確なものはありません。ただ吉川委員が今おっしゃっていただいたように、従来、一つの常識的なと言っていいのかどうかわかりませんが、一般的なものであれば、1500万円前後というところが一つの線であったのは間違いございませんが、現在では1500万円よりもう少しずつ上がってきております。大体2000万円ぐらいを境に担保をいただくケースが多くなっているというふうにご理解をいただいてよろしいかと思います。

○吉川委員 2000万円以上は。

○小嶋支店長 2000万円を超えてきますと。

○吉川委員 超えるとね。

○小嶋支店長 超えてくると、担保をお預かりしているケースの方が多いという事実はあると思います。

○吉川委員 そこで、返済期限は昔は5年、今7年までいけそうな感じがするんですが。

○小嶋支店長 そうですね、場合によっては8年まで。運転でも8年まで。セーフティネットということでご融資をさせていただくのに8年ということです。

○吉川委員 そうすると、1500万円という基本的なことは変わってはないと。2000万円とおっしゃるけれども、無担保だけを聞いているんですが、やっぱり基本は1500万円で。事業者の内容とかいろいろありまして、その貸し方の判断はあって当たり前ですから、まあ、1500万円が一つの線であると、こう考えてよろしいか。

○小嶋支店長 金融でございますので、ケースバイケースです。少額でも担保をお預かりするケースもありますし、中には2000万円を超えても担保をお預かりしていないケースもあるんです。ただ、従来の1500万円を超えたら必ず担保をお預かりしないとというような、もしそういうイメージをまだお持ちの方がいらっしゃる、多いということであれば、もう少し金額は上がってきています。2000万円ぐらいまでは無担保でご融資をしているケースというのはかなりございます。
 ですから1500万円を超えて本当は2000万円近く欲しいんだけれども、担保がないから担保まで出すんだったら1500万円にしようかなということをお考えの事業主様がいらっしゃるのであれば、まずは必要な金額が2000万円ということであれば、2000万円でお申し込みをいただくということでよろしいのではないかなと思います。ただ、その中で、金額がどこまでというような条件面、あるいは担保をお預かりしてということはありますけれども、必ず1500万円にとどめて申し込みを考えようというところまでは、そこまでお考えいただかなくても、現在はいいのではないかなというふうに思います。

○吉川委員 ありがとうございます。
 少し緩めていただいているような感じはいたしますが、基本的には全く変わっていないと、私は今、聞かせていただいてそう思うんです。問題は、今、困っている、中小企業と一口に言いますが、中なんていうのは大企業に等しい企業ですから、小零細企業ですわね。特に昔の国民金融公庫と言った当時、そうした業界の方が本当に便利をさせてもらい、いろいろとお世話になって今日まで来ているんですが、今のこの不況において、そのいわゆるまちじゃないけれども、市中銀行と言われるようなところに取引があってしているところは、場合によってはほかの金融機関にお世話にならなくてもいい。しかし、そうじゃない地方銀行といいますか、市中銀行やなしに地方銀行にお世話になっている。そこはだんだん、企業のあれが小さくなっていますから、担保のあるものはすべて担保をとられているんですよね、大方は。そうした中で、担保を必要となってくるもうちょっと政策的な考え方で無担保貸付、もちろん調査した上で正当な理由があり、将来性があると見込まれたところには、今は苦しいけれども、3000万円、4000万円という、多くても必要があれば、それだけ借りられる力のないところもありますけれども、そこらはケースバイケースやと思いますが、ちょっとお聞きしたところでは、何か昔の方法と余り変わっていないように、今、感じましたので、余計なこと申し上げたんです。そこらのお考えはどうですか。もうちょっとケースバイケースでとおっしゃるけれども、そこらは。

○足立支店長 まず、勘違いもしておられたら申し訳ないんですが、昔は担保があれば貸しますよという考え方があり、日本の金融機関全体がそうでした。昔の国金もそういう時代がありました。担保があれば貸しますよと。でも、今はそういう考え方はありません。あくまでも、今、いろいろおっしゃっていただいているご本人の企業の内容であり、将来性であり、社長の資質であり、考え方でありポリシーである。そういうことがまずあって、この方にはご支援ができるという次の段階で、担保があったり、あるいは保証人があったり、保証人なしの制度があったりということになってくるわけです。
 金額が1500万円とか2000万円とかいうのも、あくまでもそういう考え方にのっとったときに、例えば担保がないので、保証人でもってご融資するというケースになった場合、やはり人に保証人を頼める金額というのはおのずと限度がありますね。3000万円も4000万円も保証できる方ってなかなかいらっしゃらない。そうすると、全体を見た場合に、金額がおのずと1500万円ぐらいになってくるというケースもあるでしょう。いろいろなケースがあるんですが、まずは担保があれば融資ができるという考え方ではないというのが1つです。それと、無担保のバリエーションも、保証人があったり、保証人がなしであったりという制度は昔はなかったです。これが数年の間にできました。ただ金利を少し乗せてご融資させてくださいという制度なんですが、国民事業全体で見れば、無担保の融資というのはほとんどで九十七、八%とかそんなんで、0.数%、担保がね。それがほとんど無担保の融資なんです。ですから、担保で融資している割合というのは非常に少のうございます、もともと。それがなおさら少なくなっていっているんだと思います。銀行が担保をとって、まあ、向こうさんの方が優先されますから。我々の方はどちらかというと無担保。無担保でも保証人つきと保証人なしの制度、これで今は構成されているというのが現状でございまして、昔と比べればそういうバリエーションが、あるいは考え方の違いというのが入っているとは思います。

○吉川委員 ありがとう。
 もう一つだけ。
 その零細企業の経営者というのは、大層ですが命がけでやっているんです。失敗して金融機関に返済できなかったら命までかけやんならん。家族はばらばら。大企業の経営者は社長やめたらそれで終わり。何の責任もないし追いかけてもこない。というのは保証人になっていないから。しかし、中小零細企業の経営者というのは、みんな個人保証をしているわけです。させられるといったらおかしいけれども、それをせんことには貸してくれない。だから一生追われる、こういうことですわね。
 中小企業、零細企業の経営者というのは、そういうことですから、命までかけて一生懸命に真面目にやっている。大企業は悪かったら社長やめたら終わりですから、また退職金まで取ってやめるんですから。そういうところにバブルがはじけたときに5000万円ですか、各市町村長の首長の証明書があれば、無担保、無保証で5000万円貸してくれる。ありましたね、10年ぐらい前ですか。あれで零細企業は助かったんです。今、そういう制度はおたくの方では、やっぱりこれは国の一つの日本政策金融公庫という、これ中小企業の公庫も入っているんですか。それで国民金融公庫。そんなので、政府の金融機関も一緒ですから、そういうふうに今のこの大変なときに、それこそ門戸を広げた、5000万円までは首長の、この事業所は確かにありますという戸籍の証明書がもらえれば貸してもらえたんですよね。その制度と今は、見せてもろうてんのに随分厳しい、前のような制度ではないなと、今、ちょっと直感したからお尋ねをしました。しかし、それも政策ですから、これ以上申し上げても仕方ないことです。ありがとう。

○明石支店長 多分、今のは保証協会のお話ではないかと思うんですけれども、私どもの機関で、そういった首長の判こで5000万円までご融資したという制度はないと思いますので。

○吉川委員 いや、あんたのところはあったかなかったか別として、一般市中銀行というか、地方銀行もそうです。
 地方銀行、市中銀行は、首長の戸籍証明を出せば、それでぽっと、それも無保証で貸してくれたんです。今、そういう制度あるかなと思ったんですが、ないから、もうこれ以上言うても、制度にないんやから。すいません。

○末松委員長 ほかにございませんか。

○萩原委員 この融資状況を聞かせてもらったんですが、申込件数だとか、あるいは融資の額に対してというか、希望額に対して何割とかいう、そのあたりは統計をとってみえないでしょうか。
 もっと端的に言えば、今の吉川委員の関連にもなるんだけれども、保証協会もそう、かつての国金とか、一般の民間の銀行の方は余計にそうでしょうけれども、今回の場合は、セーフティネットなんかでも、銀行そのものは代位弁済もおつき合いも全くせんでもええもんで、比較的気楽だという部分があるんだと思うんですが、最近のそういう、これセーフティネットなんかの新しいのはなかなか出ないでしょうけれども、焦げつきだとか融資残高で何ともならんとかという、そのあたりの状況がどうなのかということと、今の申込件数に対しては実際どれぐらいの希望を聞いてもらっているやろかというあたりがわかったら教えてください。

○小嶋支店長 まず焦げつきがどうだろうかという話、ちょっと今日は、その数字は持ってきておりません。間違えるといけませんので、数字に関してどのくらいということは差し控えますが、それについては既に私ども例えば3月31日付の決算というものを公表しておりますので、それを見ていただくと、私どものいわゆる不良債権のようなもの数%は確かにございます。そういったものは公表しておりますので、申し訳ないですが、ちょっと手元に数字がないので、間違えるといけませんので申し上げません。一定の規模で、それが高い低いという見方はいろいろあると思いますが、不良債権というものは現実問題、残念ながらゼロではないということは確かでございます。
 それから、もう一つの、どのくらいお申し込み、ご相談をいただいて、どのくらい実際にご融資に結びついているんだろうかということですが、これも数字、データは、持ち合わせておりませんので、ちょっと申し上げようがないんですが、なかなか端的に何%とか何割というのは難しいところがございます。というのは、とりあえずお客様によっては制度が4800万円なので4800万円借りられるだろうかと、こういう方もいらっしゃいます。そういった方が、例えばいろいろ話をして、でも実際に要るのは1000万円だよねというケースもあれば、ご自身の方から例えば私どもと市中の金融機関とダブルでお申し込みをされておられて、市中の金融機関の方が金利等のメリットがあるからということで、みずから私どものご利用を取り下げるというケースの方もいらっしゃると、そういったこともあるものですから、一般的に一概にどのぐらいご利用いただいているかというのは、とらえ方によっていろいろぶれがございますので、なかなか難しいと思いますが、すべての方にご融資ができていないということに関してはそのとおりだというふうに思っております。ただ、それが何割というのは、この場では、私自身数字を持ち合わせていないものですから、お答えしづらいと思いますので、ここまでのご回答にさせていただきたいと思います。

○萩原委員 私の疑問は、率直に言って、これは政策金融公庫がそうだということではないけれども、今のこういう経済状況の中で、本当に切実に融資を受けたいけれどもなかなか公庫も銀行も保証協会も、対応してくれへんやないかという、大変なところがたくさんあると。セーフティネットがセーフティになっとらへんやないかと、よう私らも怒られるわけですわ。それで、確かにサラ金とは違いますから、返済が前提ですから、当然のことながら。だから、皆さんがいろいろとシビアにやられなければならんという一面も当然あることはあります。
 だから、今の話で不良債権だ、やれ弁済をどんどん増やしていいという状況ではないことも確かですけれども、例えば、この1番目の事業資金の融資を見せていただくと、前年比で件数ではほとんど変わりはないと。100.6%とかね。だけれども、融資金額はかなり伸びて126%までという感じになっていくと、今までのお客さんでそれこそさっきの話、金利もっと低くして、これはこれで大事なことなんだけれども、あるいは幾つか借りとるのをもうまとめにいってというような、そういうところに随分集中してんのやないかなという感じもする。本当にもう何ともならんのや助けてえなと言うて、大企業はどんどんリストラだ、派遣切りできるけれども、中小企業、そんな顔見知りやし近所の人やしと切れへんような、そんなところが一番大変で、という実態はかなりあるんとちゃうかなと、私らも個々にいろいろ相談も受けたりもします。
 そういうような状況になってないんだろうかと。その意味では、さっきテレビの放映というのがあったけれども、サラ金なんかはもう俳優使うてばんばんやっていますわ。一般銀行もやってますやんか。だからそういう点から考えたら、もっと政府系のこういうところこそ、思い切って門戸を開けて、やっていますよ、いらっしゃいと、そのためにいろいろと緊急の融資も枠つくってやっているんだというようなところをやってもらわないと、サラ金借りて多重債務になって、もう果ては何ともならんし、経済苦で自殺せんならんわ、倒産せんならんわということになってかへんのかなという、そんな危惧もあって、そのあたり、もっと思い切って皆さん頑張って、何でもええで、返さんでもええで貸せということではないですけれども、ひとつ大いに頑張ってほしいなという、そんな切実な思いがあります。お答えがあったらお聞きかせください。

○足立支店長 これは手前みそかもしれませんが、確かに生業の域を出ていないお客様がいっぱいいらっしゃいます。先程、吉川委員の方からありましたけれども、10年前の特別保証ですか、あれが実施された後に、いわゆる延命措置ではないかという問題がいろいろあって不良債権が増えました。我々もお客様の中でこれは延命だなというものも確かにあると思います。ご融資金が事業に使われずに生活費に使われる可能性が非常に大きいものもいっぱいあります。でも、ご融資をさせていただいている現実もあります。それが、ぎりぎりの選択の中で、もうこれ以上はというお客様も中にはいらっしゃる。だから、お断りをさせていただかざるを得ないお客様も、そういう状況の中ではあるというのも現実でございます。だから、そこは精一杯、我々もさせていただいているつもりですし、これからもそのぎりぎりの線でさせていただくつもりで頑張っております。

○萩原委員 頑張ってください、よろしくお願いします、ありがとう。

○末松委員長 ほかにございませんか。

○永田委員 明石さんに、この機会で教えていただきたいんですけど、私、ようご依頼を受けてお願いに行って、情報の開示がなかなか難しい、我々わからないんだけれども、融資がなかなか思うようにいかずにお断りを受けるケースが多いんですよ。あれは一体、主な原因というのは何なんですか。ちょっと言いにくいかも。ようありますんや。主たる原因は何なんですか。

○明石支店長 主たる原因は、やっぱりご返済力がないということだと思います、一言で言うと。ただ、私ども、先程足立が言いましたように、絶対に門前払いだけはしない機関です。国の出資機関ですから、あくまでも直近で例えばお断りした企業でも、少しでも改善されていればお話は全部聞きますし、悪いところがあれば指摘させていただいて、ここがこういうふうに悪いからやっぱりご融資はできませんということをちゃんと説明させていただいた上でやっておるという、ちゃんとした気概を持ってやっているというふうに自負しております。

○永田委員 皆さんはそれで納得していきますか。
 それ以後私たちに対するいろいろなことはもう言ってこないものですから、いいんだなと思っていますけれども、それ以後、事業展開はされているんですよ。そうなると、何かあったのかなと、後で思うときもあるんですけれども、我々にはもう中身はわかりませんわ。だけれども、引き続き事業展開なされていますよ。倒産ということにはなっていないですよ。そこらへん、私、非常に不思議だったんですよ。ちょっとこんな機会だから聞かせてもらいましたけれども。
 もう1点。
 これは政府機関があるから、急な経済危機なもんですから、余り数字的にはあらわれていないと思うんですが、返済不能に押しやられているというケースがかなりあるんではないかと、ここに来て。その数字的にはどうでしょうか。
 20年度の第3四半期から21年度の数字はわかりました。それ以前からも融資しているところというのはあるわけでしょう。そういうとこらへんが、急に経済不況が来て、今回は。返済が不能という、追い込まれている件数もかなり出てきているんではないかと思うんですよ。そこらへんはどうですか。

○小嶋支店長 ご指摘のように、かなり倒産という件数は増えております。ただし、倒産イコールご返済ストップということではないんです。というのは、1つには、私どももともと生業型でのご商売をやっていらっしゃる方に対するご融資というのは比較的多うございます。ご商売をやめても、何らかの形で生活はしていくわけでございますので、サラリーマンになってその中で返済をするという方もいらっしゃれば、あるいは、もう一つ、倒産までいかなくても、現在は手形を切っていらっしゃるとか、そういった企業というのは昔と比べるとぐっと減っていますので、いわゆるやっているようなやっていないようなというのは失礼な言い方ですけれども、細々と商売を続けて、少額ずつ返済を続けていただくというケースもございます。
 先程、明石の方からもご説明したように、今、積極的にご返済のご融資という形ではなくて、ご返済の緩和、条件の緩和という取扱いもしてございますので、例えば月々10万円払っていただいていたところを5万円にするとか3万円にするとか、そういった形でのお支払い額の減額といったようなものをやっておりますので、いわゆるご商売の悪化が即その返済ストップ、あるいは即倒産という形をすべての方がとってしまう、残念ながらそういう形になるという方ももちろんいらっしゃるんですけれども、すべての方がそういう形に直ちに追い込まれているということではありません。逆に、今、私どもが一つは金融という形で真水といいますか、資金を出すという形で、そういった企業に対する資金援助というものをさせていただいていると同時に、もう一方では、従来、ご返済の負担がこれだけあったところを減らしましょうと、一番、皆さん懸念されるのは、一度そういった形でいわゆる条件変更と我々呼んでいますけれども、返済を緩和すると、次にご融資申し込みをいただいたときに借りられなくなるんではないかというようなことを、非常にご心配される方いますけれども、少なくとも、私ども日本公庫の場合は、そういったものは別に、お互いに了解の上で条件の組みかえをした場合には、過去の条件変更を理由に新規のご融資を断らないということは徹底しておりますので、むしろ条件の組みかえという形で対応したらどうですかということを早い段階でご相談をしてやっております。確かにご心配いただいたように、倒産というのは、事実もちろん増えておりますし、非常に厳しいところは多いんですが、がくんと増えたらむちゃくちゃそれがストレートにはね返ってきているところではないというところはございます。

○永田委員 終わりにしますけれども、ほっとしました。私もっと件数が多くあると思っていましたけれども、そういうように返済の緩和もしていただいていると聞きまして、安心しました。ぜひひとつよろしくお願いいたします。

○末松委員長 それでは申しわけないんですが、次の参考人が来ておられますので、これで参考人からの調査は終了させていただきたいと思います。
 この際、参考人の方々に対し、委員会を代表して一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中、本委員会のためにご出席をいただきましてありがとうございました。
 本委員会といたしましては、ちょうだいいたしましたご意見を今後の調査に十分生かしてまいりたいと思います。
 本日は本当にありがとうございました。

          〔日本政策金融公庫 参考人 退室〕

○末松委員長 なお、申しおくれましたが、本日、津村委員、今井委員、舘委員が、ほかの公務のため欠席をされておりますので、ご了承願います。
  参考人入れかえのため、少しの間だけお待ちください。

          〔休  憩〕

          〔民間金融機関 参考人 入室〕

    ③参考人意見陳述

○末松委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
 本日、最初にお決めいただきましたが、中小企業の現在の経営状況や、県の実施している施策の効果について調査をするため、民間の金融機関の方を参考人として4名の方にご出席をいただきましたので、ご紹介いたします。
 株式会社百五銀行審査部融資企画課長、川嶋剛様、株式会社三重銀行審査部融資企画課長、中村元彦様、株式会社第三銀行審査第一部審査企画課長、天満卓也様、信用金庫協会事務局である桑名信用金庫審査部審査課長、水谷史明様、以上の方々でございます。
 参考人の皆様には大変ご多用中にもかかわらずご出席をいただきまして、ありがとうございます。
 委員会を代表いたしましてお礼を申し上げますとともに、本日の調査につきまして、どうぞよろしくお願いいたします。
 議事については、まず参考人から、お一人10分以内で順次ご説明いただいた後、各委員からの質疑を行いたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 なお、参考人からの聞き取りは質疑を含めて1時間程度を予定しておりますのでご了承を願います。
 参考人の方からは、県内の経済情勢、とりわけ中小企業への貸付状況や、業務を行う中で把握した地域の経済、事業者の状況等について、重点的にご意見をお聞かせいただきたいと存じます。
 それでは、早速でございますが、参考人からご説明をお願いいたします。
 まず、百五銀行、川嶋剛融資企画課長様、よろしくお願いいたします。

○川嶋融資企画課長 県内の経済情勢、中小企業の経営状況・資金繰り状況等ということで申し上げます。
 まず、当行は三重県内に85店舗、出張所14店舗、愛知県に14店舗、和歌山県新宮市に1店舗と、そのほか東京・大阪の各都市におきまして、営業所を持ちまして窓口営業を行っております。
 昨年来のかつてない景気の低迷によりまして、三重県内におきましては、北勢を中心にして、特に自動車、工作機械、家電の落ち込み等が非常に厳しく、ひいては、二次三次下請業者や流通業者に対してもかなりの影響が出ていると感じております。
 特に三重県の中小企業の場合、トヨタ自動車、本田技研工業、大手家電メーカー等の業績に左右されるケースも極めて多く、その影響は目に見えない極めて広範囲にまで影響していると感じるところでございます。
 今日に至りまして、特に大企業におきましては、やや在庫調整が進み、景気の底入れ感が見え若干上向きというような表現もございますけれども、中小企業におきましてはまだまだ景気の底入れを実感している企業は少なく、お得意様からはこの先受注が戻っても昨年の6割7割の水準が限度ではないかという声が聞こえることもございます。
 受注の低迷に加えまして、原油などの原材料価格の上昇、円高による輸出産業への打撃等により、いまだに解決の糸口が見えない企業もあれば、一方では、ハイブリッド車、自動車関連産業等のごく一部例外企業でございますけれども、エコカー減税等政府対策の影響もあり、受注が増加しているケースもございます。
 7月に私どもが持っております百五経済研究所発表の三重県経済動向の中から一部抜粋させていただきますけれども、まず個人消費につきまして、5月の大型小売店販売額は衣料品などの販売不振により前年比8%減となり、10カ月連続で前年を下回っております。
 6月の新車登録台数は、補助金の申請受付開始などエコカー人気が高まるものの普通乗用車で前年比7%減と、マイナス基調は変わらず軽四輪の自動車も前年比15%減となっている状況でございます。
 住宅建設につきましては、5月の住宅新設着工戸数は前年比43%減と大幅に減少し、8カ月連続で前年を割り込んでいる状況でございます。持ち家が88%減、貸し家が59%減、分譲住宅が56%減ということで大幅に落ち込んでおります。
 設備投資におきましては、5月の非居住用着工建設物床面積でございますけれども、前年比15%減で、特にウエートが大きい製造業が前年比38%減と大きく落ち込んでおります。
 また、6月の貨物自動車の新車登録台数は前年比48%減と大幅に減少し、9カ月連続で前年を割り込んでいる状況でございます。
 公共工事につきましては、6月の請負件数は国や県のほか市町でも増加し、全体では前年比4%増とありますが、請負金額は昨年度の大型工事の反動や県からの請負金額の減少で、前年比3%減、4月から6月の累計では、請負件数で3%減、請負金額で0.9%の増となり、水準としては低調でございます。
 以上の統計からも、三重県内においても厳しい景気状況であることがご理解いただけるものと思います。景気回復までにはまだまだ相当の期間を要するものと考えますが、百五銀行としましては、中小企業金融の円滑化に向け、適切かつ積極的な金融仲介機能を発揮すべく基本方針を定め、そのための行内の運用体制整備を進め、半年程前には全支店長を集めての勉強会も行っております。
 基本的には、中小企業に対しては、できる限りの資金繰り支援・営業支援に努め、経営相談等に積極的に取り組むとともに、融資先の実態を踏まえた条件緩和を含む柔軟な対応に努める、中小企業の経営改善計画策定に向けた積極的な取組に努める等でございます。
 これら以上の具体策としましては、昨年10月31日にスタートいたしましたセーフティネット緊急保証制度資金でございますけれども、積極的に受け入れておりまして、既に7月初旬で2300件以上の610億円超の実行を行っております。
 この制度は、最長の期間が10年、保証条件も緩和されており、また、既存の借り入れを巻きかえ条件での増額借り入れにつきましても一定の条件次第で認められております。このような申し込みも非常に多くなっている状況でございます。この巻きかえ条件つきでの取扱い後は、実質返済額が軽減され、中小企業の資金繰り改善には十分寄与しているものと考えます。緊急保証制度の取組実績をポイントで申し上げますと、1月の段階で807件でございましたが、3月累計で1767件、6月に至っては2384件ということで、数字の方は順次増加している状況でございます。
 また、金融庁主導の貸出条件緩和債権に係る開示判定方法の変更によりまして、従来と比較し、貸出条件緩和債権への柔軟な対応が可能となっております。
 また、当行としましては、営業店活動のほか本部のサポート、先端チーム、現在当行では課長外6名、これらの者が経営改善支援・事業再生支援を行っておりますが、経営改善サポート先を対象に現地を訪問し、代表者、経理担当者からの経営改善相談や具体的な改善策等について相談に応じ、改善に向けた努力をしている状況でございます。現在、営業店サポート、本部サポート含めまして185先ございます。
 取引先企業からの資金繰り対策としまして、返済額の軽減、返済期限の延長などの条件変更の申し出が発生しました場合には、私ども親身に応じることにより企業の経営改善を図るべく努力を行っております。
 三重県内の倒産は増加傾向にありますものの、これらの成果も十分にございます状況でして、倒産代位弁済は思った程には増えていないというふうに考えております。ただ緊急支援資金につきましては、真に緊急に必要な先の利用申し込みはほぼ一巡した感もありまして、今後は、そういった先からの返済額軽減等の条件変更の増加も予想されるのではないかと思っております。当行は、こういった先についても、すべての相談について可能な限り応じていくよう、全店に指示しております。
 参考までに、東京商工リサーチの発表しております全国企業倒産状況によりますと、6月1カ月間の全国倒産件数1422件に対し、三重県は17件と。1月から6月までの全国倒産件数8169件に対して、三重県は74件ということで数字を抜粋しております。ちなみに三重県の倒産件数でございますが、1月が7件、2月が13件、3月が15件、4月が15件、5月が7件、6月が17件ということで把握しております。
 最後に、以上のまとめになりますが、当行は新規貸し出しにとどまらず、既存借り入れを含めた借りかえや返済額の軽減、返済期限の延長等、条件緩和の申し出に対しましては、企業の資金繰りの安定化及び経営改善の相談・アドバイスを含め柔軟に対応しております。また、営業店で具体的案件に対し、適切なアドバイスがなされているかどうかにつきましては、本部で個別に検証を行っている状況でございます。
 以上、三重県経済の動向と当行の中小企業支援対策に対する説明とさせていただきます。

○末松委員長 ありがとうございました。
 それでは、次に、三重銀行、中村元彦融資企画課長、よろしくお願いいたします。

○中村融資企画課長 三重銀行の中村と申します。よろしくお願いいたします。
 私の方から発言させていただきます。
 まず冒頭に、弊行の場合、頭取が今年度より種橋という者にかわりまして、新中期3カ年計画というものに取り組んでおります。
 ごらんになっていただいた委員の方いらっしゃると思うんですが、普通は中期経営計画といいますと、係数を第一に持ってくる銀行が多いんですが、弊行の場合、まずもって人材の育成というところに、その計画の主眼を持っています。これは後から申し上げますけれども、今、弊行の場合ですと、平成15年から営業体制を見直しまして、法人営業部体制にしました。いわゆる中小企業様、それから個人事業の方につきましては、貸出取引、それから事業承継、M&Aとか、あとビジネスマッチング、こういったものにつきましての営業活動を法人営業部に集中しまして、個人のお客様とちょっとすみ分けをいたしました。それにふさわしい人材ということの育成にすごく力を入れております。
 おかげさまで、それ以後、貸出残高につきましては増加基調にございまして、例えば、参考に平成17年3月と21年3月の比較ですと、三重県内の貸し出しは1151億円増加しました。それから県内における融資シェアにつきましても約2%ですけれども増加しております。
 あと、昨年のいわゆるリーマンショック以来なんですが、中小企業のやはり資金繰りの支援というところでして、先程もお話に出ていましたけれども、緊急保証を含めた保証協会融資の推進、それから保証協会にかかわらずプロパーの融資でも積極的な支援に応じる。それからもう一つが貸出条件緩和に対する柔軟な対応ということについて注力しております。
 特に今年の3月からこの6月末までは県内4カ所におきまして、休日相談窓口も設置しております。相談件数は思った程多くはなかったと聞いておりまして、一応、6月末で一たん閉めておりますが、今後また経済情勢、それからお客様のニーズ等によりまして、また、再開も予定しております。
 あと、6月末時点の足元のケースを若干紹介しておきますけれども、三重県内の中小企業向け融資の年間の増加額は54億円となっております。それから、中小企業向けの全国緊急保証の取組につきましては1309件、370億円程度になっています。この中で、県制度につきましては1169件で323億円ということで、ほとんど県制度の取組となっています。
 これにつきましては、県制度の方が無担保保証を8000万円から1億円、それから融資期間7年から10年といった施策を前倒しで行った功が奏していると思っております。
 一方で、条件緩和につきましてですが、こちらにつきましては昨年10月以降で申し出が161件、金額ベースでは110億円の条件緩和の申し出がありました。6月末現在でそれに応じた件数は143件、金額ベースでは86億円の条件緩和に対する申し出がございました。
 先程、新中期経営計画の話を少し出しましたけれども、この中でもやはり県内の中小企業に対する貸出状況というものを施策に出しておりまして、ちなみに当行は地盤が北勢地区に偏っております。結果、北勢地区の貸出市場の開拓率は50%を超えているんですけれども、伊賀地区で25%から50%の間、中勢は残念ながら10%から25%の間、伊勢志摩は何と10%未満ということで、逆に言いますと、まだ、県内の貸出シェアをふやす可能性が十分にあるのではないかということで、頭取以下、地元回帰というところに主眼を置きまして、今、法人営業部を中心に営業活動を活発に行っております。
 続きまして、三重県内の経済、事業者の状況について、若干触れさせていただきたいと思います。
 経済情勢については、やはり厳しいという意見が多数出ております。一部の鉱工業の生産というところでは若干回復という兆しもありますけれども、それでもやはり昨年の同期と比べれば6割か7割程度という現状でございます。特に業態別で見れば、やはり自動車産業、こちらにつきましては、例えばトヨタでもホンダでも在庫調整が一掃して、それから足元のエコカー減税、それに合わせて、低価格のエコカーを生産販売して、一時的な効果が出ているとは思うんですけれども、一方で県内の下請企業、中小企業に目を向けますと、例えば、ホンダの下請でもインサイトですか、エコカーの部品、これに対応できる企業とそうではないところ、それだけの設備投資を十分行っていたところとそうでないところでは、同じホンダの下請でも格差が出ているということでございますので、自動車産業が足元回復基調にあるからということで、一概に県内の経済情勢が全部よくなっているということにはつながらないと思っています。
 あと一方で、建設業は相変わらず、公共工事の受注については若干回復というのもあるかもわかりませんが、やはり工事価格というところが業者の悩みの種でございまして、赤字を出してでも受注をたくさんとっていくのか、それとも自社の体力に見合った、自社の損益の範囲内でできる工事だけをとっていくのかという業者で、差が出ているという現状でございます。その他、物流とかホテル、不動産賃貸業、こちらについてもやはり低調な状況が続いています。
 その中で、私ども地域金融機関としては、取引先の実態把握というのが当たり前になってまいります。そこで先程お話しさせていただきました人材の育成ということでございまして、特に今、私も審査部の方で企画の仕事をやっておりますが、営業の方では15年程、例えば渉外担当もやっておりましたし、融資の役席もやっておりました。なぜ、人材の育成が必要なのかといいますと、今、若い人たちというのはすごくいい大学を出られて、銀行の方は採用するのは本当にいい大学の人たちばかりということで、本当に頭のいい人たち。中には、FP、ファイナンシャルプランナーとかそういった資格を持っておりまして、非常に頭はいいんです。ただ、残念ながらお客様とお話ができないという若い方が多いようです。頭の中ではわかっているんですけれども、いざお客様と話をしたときに、お客様が何を言いたいのかということがわからない。例えば、銀行ですから、当然上司から言われまして、例えば保証協会の保証つき融資を今月はこれだけやるぞという話が出れば一生懸命やってくるとは思うんですが、肝心のお客様とちゃんとお話ができませんから、お客様のニーズに十分応えられない。自分としては応えているつもりなんですけれども、お客様から見ればいやいや十分じゃないという評価をいただくということになってしまっては、せっかくの優秀な頭脳が活用し切れないということでございます。20から30前半の世代というのはそういった人たちだと思うんですけれども、我々のような例えば今、40から50ぐらいの年代層が、まず融資というのは、大原則、人を見る目というのが必要ですから、大切ですから、そういった基本的なところに立ち返ってお客様と親身の相談に乗れるというところをどのようにしていくのかというところが本当の意味の人材の育成なのかなと思っております。
 ですから、ただ単に、お客様が、一方で謝絶という話にもなるかもわかりませんけれども、例えば、これだけの融資を受けたいというふうに思っています。私もよく言うんですが、特に中小企業の方で困っていらっしゃる方というのは、セーフティネットの認定書なんかもとってきて、これだけお金が出ればそれは資金繰りの安定にはつながります。ただそれが、どれ程の効果があるのか。それは、お客様には、中長期的に見ればどうですかと。今、例えば3カ月、6カ月、1年間は大丈夫かもわかりません。ただ、これが3年、5年たった場合どうでしょうということですから、貸出条件緩和に応じるのと同じで、新規の貸し出しを受けるということは、やはりこの貸し出しをすることによってその企業業績はどう変わっていくのかというのをちゃんと見なければだめだということでございます。
 よく言われるんですが、本当に今の融資業発という意味からいえば、この政策がなければどうするのかと、あと、この政策がいつまで続くかわからない。じゃ、そのときに折り返しの融資ができるのかどうかというところまで考えた上で融資をしなさいと。じゃなければ、例えば500万円、たかだか500万円という気持ちで融資に応じるかもわかりませんけれども、それを返すのに、実際何年間かかるのかというところをちゃんと計算をしないと、それはやはりその企業のためにはならないということです。ですから、そういったただ単に貸しっぱなしといいますか、そういった姿勢はだめだということでの教育も必要であるかなと。
 私どもの本店の審査部では、企業再生支援チームというのがありますが、実際、この支援対象先は、百五銀行と比べますと数が少なく、40しかございませんが、実際、あと業績の推移のモニタリングをしている先を含めますと200先程ございます。
 今、手前どもですと3名しかいないんですが、日々、ほとんど外へ出ておりまして、営業店と帯同してお客様のところへ行きまして、お客様の資金繰り、それから実際の決算状況なんかを確認して、こうしたらどうかという提案の活動を、行っているところでございます。
 最後になりますけれども、中小企業というのは、もしかしたら苦しくなるのはむしろこれからというふうに思います。いろいろな方がおっしゃっていますが、U字回復なのかV字回復なのか、日本はWではないかということで、もう一度、景気の底が来ると言う方もいらっしゃいます。私も同じ考えでございまして、もしかしたら来年とか今年の冬場に、景気のもう一段の下落があるかもしれません。
 あるかもしれませんというのは、予測はつかないと思うんですけれども、ただ、そんな中で、例えば個人消費なんかについていえば、目先、まだ余り浸透していないからということではありますけれども、改正貸金業法なんかの規制というのはもしかしたら個人消費の方にも影響が出てくるのではないかという懸念も持っております。法律は一部の貸金業を規制するという主眼だったんですが、今、あけますと、個人のキャッシングとかローンとか、消費者金融が出すこれにつきましては年収の3分の1ということになっています。一方で、住宅ローンなんかを借りていらっしゃる方というのは、今、住宅ローンというのは1件当たりの取組金額が増加しています。これは何かといいますと、住宅そのものの建築価格というのはそうは変わっていないという認識でいるんですが、昨今、オール電化とか、そういったオプションがつきますと若干建築価格とかマンションの分譲価格が上がります。それに伴いまして、自己資金がたくさんあられる方はいいんですけれども、そうでないお客様は満額とかほとんど100%融資を受けたいということでお金を借りられますから、今、2000万円という平均的な住宅ローンの取組金額はもう少し上がって、弊行の場合2700万円ぐらいになってきています。これがやはり返済比率ですと、平均して20%ぐらいでしたらまだいいのかもわかりませんが、それが30%ぐらいまでは各銀行は融資を応諾していると思いますから、同じ30%の返済比率でも400万円の年収層と1000万円の年収層では大きく違います。
 先程の改正貸金業法の話を言いますと、1000万円の年収のある方でも3分の1しかそういった貸金業からの融資は受けられませんから、住宅ローンの返済を一時しのぎでそういった貸金業からのカードローン等で賄っているお客様が見えましたら、返済がもしかしたらできなくなってくるかもしれない、というような問題も出てくるかもわかりません。
 一方で、貸金業は何をしようとしているかといいますと、銀行が融資するカードローンの保証をすることについては、一応、今、貸金業法の規制の対象外ということで、貸金業の業者につきましては、銀行とのカードローン提携をさらに進めたいというような思惑もあるようであります。ただ、銀行がどんどん無担保ローンを貸し込めばいいのかということは、ぐるっと回って、また今度、銀行にも規制がかかるかもわかりません。
 ということで、この先、いろんな問題がまだ出てくるかもわかりませんけれども、私どもとしては、まずは情報収集、それから政府系金融機関、各地域の金融機関とも連携しながら、お客様にはタイムリーな情報を伝えるということが、目下のところ、与えられた使命かなと思っております。
 私からの発言は以上でございます。ありがとうございました。

○末松委員長 ありがとうございました。
 それでは、次に、第三銀行、天満卓也審査企画課長、よろしくお願いいたします。

○天満審査企画課長 第三銀行の天満から発表させていただきます。
 当行のまず概要なんですけれども、当行は大正元年創立以来、地域の中小零細企業がお客様と、昔でいう相互銀行として発祥しておりますので、もともとが中小企業相手の金融機関というふうな認識をしております。元来、零細中小企業の取引シェアが高い銀行でございまして、そちらの方につきましては今後も継続していく方針に変更ございません。私どもも中期経営計画のセカンドステージで地域とともに生きる銀行づくりということで地域社会に貢献し、社会的責任を全うしていこうと取り組んでいる所存でございます。
 地域への貸出金ということでございますけれども、当行全体で1兆1100億円程度の、3月末で貸出金があるわけですけれども、その60%は県内向けの融資でございます。あと、中小企業につきましても、先程の金額は1兆1100億円程度なんですけれども、そのうちの約9000億円が中小企業向け融資で、80%を超えているような、もともとのシェアの銀行でございます。
 今般、経済情勢ということで営業店へのヒアリングをして、5月にそういうセクションが調査をしております。支店長、そのエリアの中核になるような支店に対して質問をしているところなんです。先程から大手の製造業には増産の動きも一部出てきているというようなところでありますけれども、足元の地域での状況はどうだというような問いに対して、最悪期というのは2月ぐらいだったというような認識なんだと思いますが、そのころに比べれば少しは回復、もしくは回復しているというような状況にあるのかもわからないけれども、そうしたら具体的に上がってきているのかといったら、止まったというのが実感であるようなところでございます。
 一部にはトヨタのプリウスとかを持っているラインなんかは24時間稼動というようなところも出てきてはおるんですけれども、それがすべてではないと。三重銀行、百五銀行がおっしゃったのとよく似たニュアンスでございます。
 中小企業の在庫につきましても、一定は進んでいるところもあるけれどもというような回答が主たる回答でございます。
 小売業につきましては、家計への節約志向というのがやはり続いておりまして、特に衣料関係の減少が目立っているというようなところでございます。仕入れ価格、販売価格等にも変化が出てきていますかというような問いかけに対しても、販売価格はやはり競争激化というのが進んでおりまして、全体的に下落傾向にあると。原材料につきましては、一時のことを思えば比較的安定時期に入ってきているというような回答が多いところでございます。
 あと、設備投資はどうだというような問いかけに対しては、景気の先行き不透明感、先程三重銀行も言っていましたけれども、今後というのはどうなるか全くわからないというのが実情でございまして、積極的な投資はストップをしている、計画していたやつも中断しているということで、新しい計画は立てていないというような回答をしている企業が多いというのが、各エリアの支店長の回答でございました。
 それから、資金繰りについてはどうですかというような問いかけに対しても、売上受注等の減少によって資金繰りは相変わらず厳しいというのが大勢でございます。緊急保証制度というのが10月にスタートしておりまして、息をつないでいるというのが実情でございまして、景気の先行きの不透明感というのは将来がわかりませんので、こういう状態が長期間続けばさらなる資金調達というのが必要になってくるということが想定できるというような回答でございます。
 当行も、前の2行と同じで、一通りお客さんのところには、10月以降、自行の取引先についてはPRも行いながら推進も行ってきまして、大体、一巡を過ぎました。それで、調達できるところにつきましては、そこで調達して息を継いでいるところでございます。ただ、保証協会の保証制度におきましては、従来と少し違うのは、むしろ地場の優良企業が比較的資金繰り安定のために利用を開始しているところが出始めてきていると。以前はそういうところは余り使っていなかったという中で、緊急融資を使っているところも出始めているというのが回答でございました。
 当行の緊急融資の取組状況でございますけれども、6月30日までのスタートからの実績としましては、県内で1340件の335億円というところで、先程三重銀行と金額も同じぐらいで百五銀行の半分ぐらいかなという、一般的な融資のシェアと同じような割り振り関係になっているような感じでございます。引き続き、当行としましても、本制度というのはPRしながら必要なお客さんに対しては積極的に対応していくというのが営業面での方針でもございますので、進めていきたいというふうに思っております。
 昨年の11月に金融庁、いわゆる金融検査マニュアルということで、銀行検査付随のマニュアルの改定、並びに地域金融機関向けの総合的な監督指針というものが改正になっております。先程言いました条件緩和債権に対する考え方を、少し金融庁の方が緩やかにしたようなイメージです、一般的にわかりやすく申し上げれば。それで、経営改善計画をつくれば、一定の要件を満たせば条件緩和債権としないということで金融庁の方も示しておりますので、条件緩和に対して銀行サイドの当方としては応じやすくなった。といいますのは、開示債権でありますので、開示債権というのは何かといいますと、一般的に不良債権と言われる、銀行の不良債権に該当するものでありますけれども、そちらの方に計上しなくてもいいですよということと、やはり引当金の問題もありますので、銀行の決算に対する影響も少しは緩和されるというようなところで、金融庁、国の方も国策として中小企業向けに対してそういうことをやっております。その趣旨を正確に理解して、昨年の12月にすべての要管理債権先に対して見直しをかけて、こちらの方から積極的に改善計画を作って見直してみたらどうですかという提案もして対応したところでございます。全先の見直しを行いまして、そのほとんどにつきまして条件緩和債権からその他の要注意債権というところで引き上げ、いわゆるランクアップをして取り組みやすくしております。
 今後も、経済の景気動向につきましては、前の2行がおっしゃったとおりと、調査的にはほぼ同じ内容かなというふうに思います。引き続き、積極的に中小企業向け融資の円滑化について当行はやっていく所存でございます。
 短いですけれども、以上でございます。

○末松委員長 ありがとうございました。
 それでは、最後に、桑名信用金庫、水谷史明審査課長、お願いいたします。

○水谷審査課長 桑名信用金庫の水谷です。よろしくお願いいたします。
 座って発表させてもらいます。
 まず、信用金庫というものについてちょっと概略だけお話させていただきます。
 信用金庫というのは、全国に、私が入った20年ぐらい前には400幾つあったんですけれども、金融自由化の中で合併が進みまして、現在、279金庫、預金量は業界全体で115兆円。これは地方銀行の半分強ぐらいのものがあります。都市銀行がちなみに257兆円で、地方銀行は202兆円ぐらい。融資の方は64兆円程度ですので、各業態に比べますと少ない状態です。
 そういった中で、三重県下の方は信用金庫がご存じだとは思うんですけれども5金庫あります。桑名、北伊勢上野、津、三重、紀北の5金庫です。預金量自体は全部合わせると1兆2600億円ぐらい。融資の方が約半分の6000億円ぐらいのところです。
 信用金庫の特徴といいますのは、総合銀行であった第二地方銀行と同じですけれども、中小企業の専門です。違いがあるのは、協同組織です。組合の形式という意味になります。また、営業のエリアが勝手にはふやせません。営業エリアが金庫ごとに限定されております。当金庫の場合は、エリア的に言いますと四日市以北から南は名古屋市でも、弥富とかあるんですけれども、名古屋市でも港区と中川区と中村区と限られてたりとかそういったものがあります。こういう地域の限定がありますので、その中の中小企業に対する取組をせざるを得ない金融機関でございます。
 ちなみに当金庫は、21年3月現在で預金量が3945億円、融資量は2119億円ということで、こちらの各銀行に比べると非常に規模が小さいわけでございますけれども、自己資本比率の方は13.63%ということで健全性は十分保たれている内容になっております。営業店舗数24店舗で、うち17店舗が三重県です。愛知県に5店舗と岐阜県に2店舗がございます。
 早速なんですけれども、当金庫のエリア内の金融情勢ということで発表させていただきます。
 これは、各、先程申し上げました24店舗の支店長からヒアリング等を行って、お客さんから聞いた声をそのままとりまとめをしたものでございます。景況感の全体としましては、悪いの一言です。特に、三重県店舗の方が悪いと答えた割合が高かったです。規模で考えていきますと、零細です、父ちゃん母ちゃんという感じになるかと思うんですけれども、がやっぱり悪いとお答えしているのが多いです。三重県店舗の方は両方悪いですというふうな形で同数程度になります。
 業種別には製造業が最も悪いという回答が多かったです。あと、サービス業はちょっと統計とは違う、ほかのところとの指標とは違うかもわかりませんけれども、悪いと普通が同程度ということの回答になりました。
 また、資金繰り状況の全体といたしましては、悪い方が多いんですけれども、約4割の店舗で普通という回答が返ってきました。景況感の割には、資金繰りの状況がそこまでは落ち込んでいないと、こういうことが言えるかと思います。これの影響というのは、やはり三重県下の金融機関、一丸となって取り組んでおると言えると思うんですけれども、全国緊急制度の融資を使った資金がかなり行き届いておるというふうな認識になるかと思います。
 その中でも、資金繰りの規模の方で考えますと、零細の方は9割近くがやっぱり悪いというような形で答えられております。業種的な話でいきますと、製造業が景況感程ではないですけれども、やはり一番悪いというふうな回答になっております。
 続きまして、お客様に実際に聞いた声をそのままお伝えさせていただきます。
 事例として、自動車用部品の製造業を行っている方です。年商は50億円程ありますので、まあまあ中堅と、うちの取引先からいえば大きい方の部類になるようなところです。こちらの方はたくさん意見をいただいています。
 自動車部品の製造で在庫調整は、7月を目途に大体進みます。ピーク時に比べて現状の売り上げは6割程度まで回復しています。在庫調整後は売り上げが戻っても10%程度しかならない予定です。理由は自動車全体としてはやっぱり売れていない。絶対量が少ない。当面はL字回復が続く。VではなくてLの回復だと。トヨタ、ホンダについては売れる車種は内製化を進めておると。売れない車種は下請に出すことでコスト削減を図ったりしているというのが、その業界の実態だというふうに言っております。それに比べて、日産とかダイハツ、マツダ、三菱、その他は、100%、大体自動車部品は下請に出していると。
 それから、自動車業界の希望というのも聞いています。こちらの方はエコカー減税のところで、13年以上経過した車を買いかえると減税措置があるということなんですけれども、業界の要望としては、13年以上の車は実際少なくて、実情に合わせるなら、七、八年経過した車、もしくは走行距離が10万キロを超えた車、こういったものを減税対象にしてほしいという希望を出しておるそうです。言うとるだけかわからないですけれども、そういったものがあるそうです。
 それと、中国の景気が非常にいいという形で聞いておるかと思うんですけれども、2月3月の自動車販売はかなり中国は伸びておったそうなんですけれども、中国の政策の減税対象が1600cc以下であったので、その車種については中国のメーカーが強くて、日本のメーカーには余り恩恵がなかったと、こういうふうなことが、お客様からのヒアリングでありました。
 ちょっと次、少し多いんですけれども、幾つかご紹介させてもらいます。
 B社は製造業なんですけれども、年商10億円ぐらいのところで、ここも自動車部品関係なんですけれども、エコカーをやっているところです。トヨタプリウスのエコカーを中心に生産が回復し、6月中旬から受注が急増したと、こういう回答です。前期の平均月商の90%まで回復しておるということで、格差があるということが言えるかと。
 C社の場合、金型製造業、年商が4.5億円。9月以降、自動車業界不振と連動して受注は激減していると。今年1月以降の受注状況は昨年のピーク時に比べて9割減少となっており、4月には1割程度回復したが、現在、回復の見込みは立っていませんという、こういうような内容。
 次のところでいきますと、土木建設業。公共工事の売上が40%を占めております。年商は7億円程のところです。前倒しの発注の影響で現状はよいが、今後の見通しは売り上げが落ち込む可能性があるというふうに考えておられるようでございます。
 桑名関係になりますと、鋳物の製品卸業の方なんですけれども、鋳物の製品といいましてもこちらは建設関連でございます。自動車ではなく建設関連。本年の1月から3月の売り上げは前年同期比の7%減にとどまっているということで、建設が決していいわけではないかもしれませんけれども、公共工事の前倒し等の関連、土木関連で使われるものもありますので、そういったもので確保しているようでございます。
 工具鋼材卸の年商2億円程度、比較的小さいところで、市況悪化により売り上げは50%以下に減少、回復の兆しはなく、今後危機感を持っていると、こういった声も聞かれています。
 自動車販売業ですけれども、年商が10億円のところ、平均月商は前年比20%程度の減少、低価格な仕入れが順調であれば、こちらの方は不景気は余り関係ないということで、仕入れ方法によっては利益が出せますと、自信を持ってやっておられる方です。
 それとか、人材派遣、年商10億円ぐらいのところなんですけれども、こちらの方は、特色といいますか食品関連への人材派遣を行っております。人材派遣の同業他社に比べますと、景気後退は食品関連ということで少ないんですけれども、売り上げの方は85%程になっております。原因は、1人当たりの就業時間が短縮されておるということで、雇用の方は確保できているんですけれども、1人当たりの働く時間が短くなっている。
 これをまとめていきますと、資金繰りの実態としましては、多くの企業は全国緊急保証で利用した結果、秋口程度までの資金繰りの目途は立っておりますけれども、既に資金繰りが逼迫しているところも多々あります。資金の対応として、個人預金の取り崩しで対応しているところも多くあります。
 それから、今後の資金繰りの改善は当然景気の回復の良化、状況の良化が前提となります。しかし、多くの零細企業で受注見通しが立っていないというのが現状だという認識をしております。今後の現状での売り上げ受注状況につきまして、まとめさせてもらったんですけれども、自動車関連は、昨年9月ごろの30%から40%に落ち込んでいたが、5月から6月にかけ10%、20%程度は改善して、現在50%程度までは回復してと、全体的に言えると思います。よいところでは60%から70%に回復しているけれども、9月以降は依然として受注等がやっぱり不透明でありますので、そういう状況になっておると。
 建設業の方は、公共工事の前倒しもありまして、売り上げの低下幅は大きくありませんけれども、落札の価格、入札の価格が低下しておりますので利益は上がってこないということが、全体的に見られます。
 不動産業は比較的安価な物件は売れているみたいなんですけれども、そういう状況でございます。
 そのほかちょっとたくさんあるんですけれども余り長くなるので、すいません。
 今後、この売り上げの見通しは自動車関連は同じようなことになりますので、当金庫の中小企業の支援取組状況の発表をさせてもらいます。
 全国緊急の取組は、他行の発表もございましたけれども、当金庫は600件程でございます。規模的には少なくない状態だと思いますけれども、実行で120億円ぐらいしているんですけれども、借りかえ等もありますので、90億円ぐらいが実際に使われている資金でございます。
 それから、その他の事業者支援の取組としまして、うちは中小企業診断士による無料経営相談会を月に1回実施しております。それから、日常相談会、これは弁護士とかローンとか年金とかいろいろ雑多なものも含めてなんですけれども、経営相談も一緒にやらせてもらっています。
 あと商工会議所と商工会の提携融資の方もつくっております。政策金融公庫とはリレーションシップバンキングで連携をして、紹介案件とかそういうやりとりもしております。その他、内部的には経営サポートによるお客様の経営改善計画書作成の補助、それから親身になった相談受付体制の徹底ということで取り組んでいます。
 最後なんで、おこがましいんですけれども、当金庫から要望ということで少しお願いいたします。
 全国緊急の利用により資金繰りの円滑化を図ってきておるんですけれども、景気の回復状況はやっぱり早いと言えませんので、9月以降、先程いろいろ発表させてもらった中身のとおりで、資金繰りについては非常に不安が多い状況だというふうに思われます。したがって、再度、全国緊急の利用や利用可能の増額の対応も準備しておく必要があるんではないかというふうに思われますので、今後、そういった形で柔軟な、信用保証協会のことになるかわかりませんけれども、制度的なものも含めて保証体制ができると、より金融機関は動きやすいなというふうに考えます。
 それから、その全国緊急の方もちょっと難しいかもわかりませんけれども、返済期間の延長15年とか、零細のことまで考えると、そういったことも考えていかざるを得ないのではないかということも思われますし、それが無理でしたら、最終回に返済額を増額するような緊急措置的な制度としての条件変更で対応することは可能だと思うんですけれども、条件変更しますと次が使えませんので、そういった対応も考えていただければいいなというふうに思っています。
 今後の連鎖倒産等も懸念されますので、倒産防止共済という制度がありますけれども、そちらの方の融資の可能額は掛け金の10倍までということで、掛け金の総額が最高で320万円ですから3200万円までしかできないんです。零細とか中小にはそれでも十分なところもありますけれども、結構大きな規模のところもありますので、もう少し利便性がとれるような制度に、県の方から働きかけていただけて、内容が充実するといいなというふうに考えております。
 もう一つ、最後になんですけれども、現在、県の方では商工会議所、商工会の方で経営相談会を実施していただいておるそうなんですけれども、うちの方にも来ていただけるというふうに連絡は入っているんですけれども、民間金融機関が、うちも経営相談行っておりますので、そういったサービスを広げていくような形がとれればなという意味を含めて、そういう補助金、うちがいただくというのもおこがましいんですけれども、民間金融機関の場でロビーで実施していただくというふうなことをしていただければ、結構、各行の取引しているところの人が使いやすかったりする可能性もあるかと思いますので、そういったこともお考えいただけたらなというふうに、4点もご要望ということで長くなってしまいましたけれども、お願いできればと思っております。
 長くなってすいませんでした。ありがとうございます。

    ④参考人への質疑

○末松委員長 ありがとうございました。
 ただいまのご意見を受けまして、委員の皆様からご質問をお願いいたします。その際には、お答えしていただきたい参考人を明確にしていただきますようよろしくお願いいたします。
 なお、念のために申し上げます。
 参考人は、委員長の許可を得てからご発言を願います。また、委員に対して質疑はできませんので、ご了承願います。
 それでは、ご質疑を願います。

○竹上委員 3点程お聞きかせ願いたいと思います。
 この前に商工会とか商工会議所からの聞き取りをやったときに、商工会の方から金融機関借り入れても、まず金融機関から融資を受けるのが難しくなっているという指摘が出ています。もし、借り入れても非常に利率が高いと。そういうことでお聞きかせ願いたいんですが、皆さん方のところの貸し出している最高の金利というのはいくらですか。何%で貸し出しているか。
 それと、商工会の方の指摘の中で、よく言われているのは例えばセーフティネット、これ一生懸命PRしたんだけれども、借りられないと。かなり苦情も来ていますというふうなことがあるんですが。この借りられないケースという中で、最近よく銀行さえ出ないと言われるんですよ。要するに保証協会まで届かない。銀行の時点でもう断られてしまう。別に銀行は腹も痛まんのに何でかなと、私はよく思うんですけれども、そういうケースはあるのかないのか。
 それと最後は、先程、10年から15年に延ばしてくれというお話もありましたけれども、一応7年から10年に延びたんですよね、確か。借りかえがもともとは据置期間はなかったのかかなり厳しかったのか、1年だったのは2年に延びましたよね。これ、2年って結構大きいんですよ。ところが、信用保証協会にこの前聞き取りしたら、全体の中で7000件ぐらい今やっているけれども、そのうち借りかえしたのは100件程度とか言うんですよ。今のセーフティネット、この10月からやっているんですよね。5月以降やったかな、2年に延びたと思いました、たしか。ほとんど、セーフティネット資金自体の借りかえをやっていないという話で、そこら辺はできたらもうちょっと金融機関で、民間の金融機関通じて借りている話なんでやっていただけたらどうかなと思うんですけれども、この3点ちょっと教えていただければ。

○川嶋融資企画課長 セーフティネットが借りられないというお話ですね、これちょっとどういったケースなのか、私にはわからないんですけれども、基本的に窓口にお越しいただくお客様に対しては、私ども、どの店も誠意を持って対応させていただいております、まず。
 その内容の中で、明らかに無理な場合というのは確かにございます。例えば、事業を始めたばかりで白色申告で、なおかつ売り上げが極端な話、200万円、300万円とかそういったのを持って、1000万円貸してください、2000万円貸してくださいというのもないことございません。そういう場合は、私ども協力しようにもできないケースというのは、やっぱりあると思います。
 私どもの百五銀行におきましては、謝絶記録というのを非常に大切にしております。これは、最近の金融庁におきましても、謝絶、要するに貸し渋り、貸しはがしに対する検証というのは非常に厳しいものですから、断った際には、断る場合だけではないんですけれども、例えば、金額が申し出額より減額になった場合、あと、利率が向こうのご意向より高く設定せざるを得ない場合とか、保証人を抜いてくれというのに保証人を抜けない場合とか、とにかくお客さんのご希望に沿えないというか、もしかしたらお客さんからいえば不利なのかもわかりませんけれども、そういうものすべてに対し謝絶記録というのを書けというシステムができ上がっておりまして、当百五銀行につきましては、必ずそういった事象に発生しましたものは、即日というのがルールなんですけれども、即日は無理にしましても必ず回ってきております。これは審査部だけではなしに、当行のコンプライアンス室から役員まで全員に回覧するようになっておりますものですから、そういった謝絶に対しては非常に慎重にやっておりますし、逆に、もし借りられるはずのお客様が借りられないという事象が明らかに書面上確認できる場合には、その支店に対して当然本部から理由を改めて確認しておりますし、その上げた書面で、私どもだけではなしに、各部署及び役員の方からも、どういう事情であったんだということをしっかり確認を問われておりますので、そう簡単に断るということはしておりません。ですので、恐らくそれなりの事情があったんではないかというふうに思っております。
 セーフティネットにつきましては、確かに取扱いが始まったときからずっと見ておりますと、最初は、銀行も保証協会も手探りのところがございました。審査がちょっと厳しいなと感じたときも、正直、ございました。ところが、枠も8000万円超ということで、おっしゃられました、据置期間も2年ということになりましたし、既存の借りかえもこれもケースによってなんですけれども、従来からの100%保証、今、100%保証というのと責任共有制度という2つに分かれていまして、責任共有制度といいますのは銀行が20%負担をしなさいと、保証協会は80%しか見ませんよというものなんですけれども、それの使い分けの中で、現在のセーフティネットは100%保証のお借り入れですもんで、借り入れがしやすい状況にはなっております。
 そういうこともございまして、非常に、最近は保証協会の審査も、本当に1月2月に比べると柔軟に対応していただいているなと思いますし、救済といいますか、既存の保証協会の100%保証の借り入れがあると。それに対して巻きかえをしたいというお客様、もしくは、銀行の方から巻きかえされたらどうですかというご提案、そういうどころか保証協会の方に上げた場合に、保証協会の方から、これはもう巻きかえされたらどうですかという、そういうのもかなりございます。ですもんで、セーフティネットが借りられないのは、恐らくはそれなりの事情があったのではないかなというふうに思っております。
 あと、金利、利率が高いというお話でございますけれども、当然、セーフティネット資金は保証料もかかってきます。この景気対策の資金でございますので、銀行もこの資金については安易に金利を上げるということは、逆にお客様に対して負担をかける。返済額を軽減しても金利負担があれば意味のないことでございます。むしろ、どこの銀行も大体ガイドライン金利というのをお持ちでいらっしゃると思います。その企業企業に応じた格付けというのを銀行はつくっておりまして、格付けに応じた採算のとれる金利というのはどれくらいというのは大体持っておりますけれども、そのとおりにやっていましたら、到底お客様のご負担が大きくなりますので、むしろセーフティネットの資金というのは低めの金利で設定されているケースが多いと思います。特に、当行というよりも、私も現場に最近までおりましたもんですから、セーフティネット資金については柔軟に、かつ金利も低めで設定しております。
 じゃ、最高何%というお話でございました。プロパーの資金でありましても、私の知る限りでは5%とかで新規で出るというのは、もう全くございません。4%というのも恐らくめったにないんじゃないかと思います。大体3%台、4%の少々ぐらいでしたらあるんかもわかりませんけれども、そこら辺で大体設定されとるんじゃないかなと思っております。
 それと、今はお客様の選択志向で変動よりも固定を選択される場合があります。プラス他行との競合というのが非常にございますもんで、銀行の一方的な金利提示では、お客様の選別の目線の方がはるかに厳しいございますもんで、逆に銀行はこれだけで提案したいというふうに申し上げたとしましても、お客様はいろいろな銀行に当たられた結果、かつてではこういう傾向はなかったんですけれども、最近、特に顕著にどこどこの銀行ではどれだけのレートを出してくれるのでそちらに移る、もしくは、そこまで出してもらえないんであれば百五銀行さんあきらめてくださいとか、そういうケースも多々ございます。そういうことも考えますと、金利が高いというお話もございますけれども、私としてはそうはないというふうに思っております。
 それと据え置きですね、たしか1年から2年に据え置きが変更になりました。その2年据え置きできるということは、お客様に対しても、当然説明の段階でしておりますけれども、お客様も2年据え置きすることが逆に負担になる場合もありますし、私の知る限りでは、2年据え置きでお客様からの申し出もそうですし、稟議等の書面におきましても上がってきた例というのは、私の周辺ではございませんけれども、銀行全体としましても、やはり今おっしゃっていただいたような、余りないのかもわかりません。これはあくまでも経済対策等景気対策で倒産防止のために2年据え置きというのを多分設けられていると思うんですけれども、それはわかっていながら、じゃ、2年で、そのお話が出たというのは2年の据え置きをされたかったお客さんだと思うんですけれども、実際、そうないのが実情だと思います。

○竹上委員 あと、今、桑名信用金庫の水谷さんが言われた、そうだねと思いました。相談会ね。商工会、商工会議所は3カ所にたしか県から委託で出したんだわね。金融機関で受けてもらえるなら、そっちの方がずっと手っ取り早い話かもわかりませんので、ええアイデアいただきました。ありがとうございました。

○末松委員長 ほかにございませんか。よろしいですか。
 もしあれやったらまとめていただければ。

○萩原委員 ご苦労さんですわ、本当に。
 銀行ですから、当然のことながら営利でやってみえる部分もありますから、それはまたさっきの政策金融公庫なりとは違うし、さっきからいろいろあったように、私らも実際に相談に乗っても、銀行代位弁済、今回は全く関係ないのになかなか厳しいなみたいな話を率直に聞いている部分もありまして、ぜひ、そういう点は、こんな大変な経済、大変な時期ですから、思い切って本当に三重の一番大変な苦労してみえる中小零細小規模の事業所のところへ思い切って援助もしてほしいし、また銀行側からもいろんな行政に対する要求なり、もちろん政治、大もとから変えてもらわんならん部分もあるんだと思いますけれども、そんな点は大いに要求もされながら、とことん零細のところを面倒見たってほしいなと思います。私らもいまいましいなと思うところは、最近のそういうサラ金なんかの、サラ金と連携してとは言いませんけれども、クレジット融資みたいなんで随分高い方の話へ、実質誘導されてしまったみたいな人の話も聞いたりもしてますもんで、そういったことがないように、ぜひひとつ中小零細のところで大変ご苦労いただいておりますけれども、頑張っていただきたいなということを心から切にお願いしたいなと思います。

○末松委員長 ありがとうございました。
 それでは、これで参考人からの調査は終了いたします。
 この際、参考人の方々に対し、委員会を代表して一言お礼を申し上げます。
 本日は大変お忙しい中、本委員会のためにご出席をいただき、ありがとうございました。
 本委員会といたしましては、ちょうだいいたしましたご意見を今後の調査に十分生かしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 本日は本当にありがとうございました。

          〔民間金融機関 参考人 退室〕

    ⑤委員間協議

○末松委員長 引き続き、委員間でご議論いただきたいと存じます。
 本日の調査を受け、ご意見があればお願いします。

          〔「なし」の声あり〕

○末松委員長 なければ委員間の討議を終了いたします。

 3 その他

○末松委員長 本日の委員会の調査事項は以上でございますが、ほかに何かございませんか。

          〔「なし」の声あり〕

○末松委員長 なければこれで地域経済活性化対策調査特別委員会を閉会いたします。

 

〔閉会の宣言〕

 

Ⅱ 委員協議    今後の日程について協議。

 

三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により押印する。

地域経済活性化対策調査特別委員会

末 松 則 子

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