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平成22年1月22日 政策総務常任委員会 会議録

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  政策総務常任委員会

会 議 録

(閉会中)

 

開催年月日       平成22年1月22日(金) 自 午前10時00分~至 午後4時20分

会 議 室          301委員会室

出席委           8名

                        委  員  長       辻 三千宣

                        副委員長        服部 富男

                        委    員       中村   勝

                        委    員       前田 剛志

                        委    員       貝増 吉郎

                        委    員       森本 繁史

                        委    員       永田 正巳

                        委    員       藤田 正美

欠席委           なし

参考人               3名

                        「(うま)し国おこし・三重」総合プロデューサー            宮本 倫明 氏

                        「(うま)し国おこし・三重」地域担当プロデューサー     志村 和浩 氏

                        「(うま)し国おこし・三重」地域担当プロデューサー     寺内 浩司 氏

出席説明員

【水力発電事業の民間譲渡について】

[政策部]

                        部  長                                              小林 清人

                        交通・資源政策監                                 辻  英典

                        土地・資源室長                                    谷崎 義治

                                                                                            その他関係職員

[企業庁]

                        庁  長                                               高杉 晴文

                        電気事業対策総括推進監                      大西 春郎

                        電気事業室長                                       佐伯 雅司

                                                                                            その他関係職員

【木曽川水系連絡導水路事業について】

[政策部]

                        部  長                                               小林 清人

                        交通・資源政策監                                  辻  英典

                        土地・資源室長                                     谷崎 義治

                                                                                            その他関係職員

[県土整備部]

                        流域整備分野総括室長                         花谷 郁生

                        河川・砂防室長                                     吉田  勇

                                                                                            その他関係職員

【「(うま)し国おこし・三重」の取組について】

[政策部]

                        理  事                                                藤本 和弘

                        「美し国おこし・三重」総括特命監
                             兼「美し国おこし・三重」推進室長        信田 信行

                                                                                            その他関係職員

委員会書記   

                        議  事  課   主幹                  中村 洋一

                        企画法務課   主幹                  脇  光弘

傍聴議           なし

県政記者クラブ  4名

傍 聴 者         2名

議題及び協議事項

Ⅰ 所管事項の調査

 1 水力発電事業の民間譲渡について

 2 木曽川水系連絡導水路事業について

 3 「(うま)し国おこし・三重」の取組について

  (1)これまでの取組状況と今後の課題等について(参考人からの意見聴取)

  (2)平成22年度の取組について

 

【会議の経過とその結果】

 

〔開会の宣言〕

 

Ⅰ 所管事項の調査

 1 水力発電事業の民間譲渡について

    ①当局から資料に基づき説明(小林部長、辻政策監)

    ②質問

○辻委員長 ただいまの説明に対し、ご質疑はありませんか。よろしいでしょうか。

○貝増委員 今のページの説明なんですけれども、これ福井県と石川県は譲受応募になっています。あとはもうピンスポット営業なんですか。

○辻政策監 そうです。福井県、石川県はここにあるように公募をされて、それからこういうことに決めてこういう価格と。あとの6県は最初から譲渡先をお決めになって、そこと交渉されて、随意といいますか、そういう契約というふうに伺っております。

○貝増委員 参考までに公募はどのくらい来ていますか。何社ぐらい入っていますか。

○辻政策監 福井県では6社が応募あったと伺っております。

○大西総括推進監 石川県では3社というふうに聞いております。

○辻委員長 ほかにございませんか。

○藤田委員 魚道の件です。ここの14項目だったかな。宮川プロジェクト会議のときに相当議論させていただいて、滝原のV字型でかなり努力されて、地域の漁業組合や、また専門家や学者やそんなのが入ってやっていただいている。それは生態系のこともあるし、遡上の時期やそういうので1年、2年ぐらいのデータでは、本当の意味のアユの遡上というのははかりづらいとは思うんですけれども、努力をしていただいているところは非常にそのとおりだと思っております。一番心配なのは、それまでに長ケの逆調整池、粟生頭首工の逆調整池、そして大内山川がというような、そういう関所を設けて、本来宮川という観点からいけば、海からアユが遡上して、上流に行って、それが行き来する川という中では、時代も変わってきて、やっぱりそういう地域の資源を本当に生かしていこう、また川をよくしていこう。そしてそういう流れがこれから地域資源につながっていくということが、ここには書いてないんですよ、そういうものが譲渡されたときに、地域課題の一つとしてしっかり取り上げていただくという面ではここには書いてないんです。解決もしていないと思うんで、そのへんはどういう位置づけになっておるんかだけ一度確認していかないかんかなと思いますよ。さきの説明以外に。

○小林政策部長 ここでまとめてあります地域貢献のものについては、あくまでも譲渡・譲受というところのことでございます。今、藤田委員がおっしゃられたのは、その後も引き続き大きな地域資源でありますので、そこの部分は大切にしていくとの話と思います。これについては宮川の水力発電の譲渡後も、県の中でも副知事をキャップにした、ちょっとまだ実際にはこれが片づいてからだと思っているんですけれども、振興調整会議のようなものをつくっておりますので、そこのところで地域資源の活用保全みたいな形も、要は宮川という部分の行政課題はいっぱいあるわけです。そこの部分の中で考えていく形になると私は思っております。

○藤田委員 副知事キャップの地域振興……。

○小林政策部長 宮川振興調整会議です。

○藤田委員 それはどのぐらいの程度で並行して、宮川プロジェクトから意見を出させていただいて、そういうものをつくって、地域課題をいろいろとやっていくということで、今、部長の言われたとおりでいいんです。そこをつくった以上は、本当にそういう宮川だけじゃないです。ほかの地域もあると思うんですけど、これからの時代の川づくりという中で、特にそういうところはこういうやり方でやっていくんだと。時間もかかるものはかかると。調査はこのぐらいかかると。しかし、こういう方向でやっていくんだというようなものをしっかりやっていただければ、それでいいんじゃないかなと思います。副知事キャップのその調整会議が我々にどんなような会議をされて、そういう地域の課題をどのような解決の方向に議論されて、どういう結果を出していくんだというようなことは今後ともまた同時にこういう機会があればぜひ説明なり、やっていることを言っていただきたいんです。そういうことです。

○辻委員長 ほかにご質疑ございませんか。

○森本委員 今の藤田委員の話ですけれども、基本的には譲渡に関しては滝原のところの頭首工のV字型になっておる魚道の改修をしていくということだったんだ。それが一つの条件であって、粟生頭首工じゃなくて、長ケ逆調整池のあれについてはそのままという理解、議会の方はそういうことであったと思う。それまでに直すということについては、伺っておるのは漁協がもう少し様子を見てくれということなんだろう。だから、着手をしなかったんだろうと思う。議会側の要望としたら、直ちに売却前に魚道の修正を行うということであったんだろうけれども、ただ、そのことの担保というのは県がずっと直すということで担保としていくのか、直す費用を割引した形で中部電力に売却しようとしておるのか、そこらはどうなのですか。

○高杉企業庁長 まず、滝原の魚道につきましては、あそこの岩盤を破砕するということで漁協とも調整をしてきました。ところが昨年のアユの遡上状況が非常によかったということで、当面見合わせてほしいと、こういうご要望がございましたので、当面見合わせることにいたしました。ただ、アユの遡上状況は継続して調べていく必要がありますので、今年に入りましても、企業庁の費用負担におきまして現在調査をすると、こういう形にしておるところでございます。そういった調査結果を踏まえて、また漁協と話をしていくと、こういうことになろうかと思います。

○森本委員 それはいいんやけど、恐らく今のままでいくと来年の譲渡じゃなくて、3年なり4年なり、向こうに譲渡が延びていくんだけれども、じゃその譲渡までに解決するということなのですか。

○高杉企業庁長 具体的な譲渡時期が延びるということになれば、その間に例えば今年のアユの遡上状況を見まして、やっぱり改修する必要があるということになれば、企業庁の負担において企業庁が管理、補修をすると、こういうことになろうかと思います。

○森本委員 わかった。この運転監視システムの整備なんだけど、これもう少し説明してほしい。何で県が持たなきゃならないのか。そこまでしなきゃならない要因があるのかというのと、このPCBの含有変圧器の扱いについても、こういうものについては除去しなきゃならない。新しいものに変えなきゃならないということを企業庁が知っておきながら放置しておったのか、そこらのところについてもう少し詳しく説明してほしい。この2点について。

○高杉企業庁長 まず運転監視システムでございますけれども、現在中部電力は県内に7カ所の水力発電所を持っていまして、これを津市で一括して、一元化して管理をしています。そして、企業庁が10カ所を譲渡したいということで協議をしておるわけでございます。その譲渡をするに当たって、譲渡した後は中部電力としては企業庁の分も含めて津市1カ所で制御をしたいと。そうすると、制御をするためのシステムの工事が必要になってきますので、その間を県の今持っております三瀬谷発電管理事務所で引き続きやっていきたいと。工事が完了するまでの間は。そうすると、その間に三瀬谷発電管理事務所へ人を張りつける必要がありますので、当初県の企業庁の方から人を派遣してほしいと、こういう要請がありました。ところが、派遣するに当たりましては、公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律がありまして、民間企業へ派遣することはできないと。出資をしていたらまた別なんでございますけど、民間に派遣することはできない。こういう法律がありますので、それはできないということで話をしてきておったわけでございますけれども、譲渡を円滑にするためには一元化工事もきちっとしていかんなあかんと、こういうことになりますと、その間どうするんだということで、いろいろ協議をした結果、その工事に必要な期間が3年から4年程度、こう聞いておりますので、その間、具体的な譲渡時期をおくらせて、それが完了してから具体的に譲渡すると、こういうふうにしたいというふうに考えたものでございます。
 それから、PCB含有の変圧器につきましては、これも法律に基づきまして平成28年の7月までに撤去をして、処分もしなければならないということで、企業庁としては計画的にそれまでの間に取りかえることにしておりました。そして、当初平成22年度末ということでありましたので、当面使えるものについてはそのまま使っていただいて、中部電力の方で計画的に取りかえていただくであろうと、考えておったわけでございますけれども、もう耐用年数が過ぎておる部分もありますもので、その具体的な譲渡時期までにそういったものは計画的に取りかえてほしいということがあります。また具体的に譲渡時期が先程と同様で、3年から4年程度おくれてくるのであれば、その間に企業庁でできるものについては企業庁で計画的に取りかえるということ、こういう考え方でございます。

○森本委員 そうしたら3年なり4年なりおくれる理由が、僕らは、用地ぐいの確定がおくれておるんだということで理解しておったんだけれども、その後の説明の中で、PCB含有の変圧器だとか、運転監視システムの調整があるから三、四年おくれるんだというふうに変化してきたというふうに理解しておる。そうしたら、今のあんたらの説明では、3年なり4年おくれることになったんだから、その間にこれを変更してしまうんだという意味と、いわゆるこれがあるから三、四年譲渡がおくれるんだという意味と、これら2つは違うと思うんだけど、それどっちが本当なのですか。

○高杉企業庁長 当初は平成21年度末に譲渡するということでやってきておったんですけれども、今、森本委員がおっしゃいましたように、用地の境界ぐいの問題がございまして、それで平成22年度末ということで、1年間ずらさせていただいたわけでございます。その後、今年度に入りまして、遠隔操作の一元化のためにこういった問題が新たに出てきた。これは新たな課題として出てきたものでございますので、それにきちっと対応していくということで、さらに3から4年程度をおくらせていただきたいと、こう考えたものでございます。用地境界ぐいについては、基本的には来年度中に完了できるであろうというふうに見込んでおります。

○森本委員 そうしたら、要はあんたらの発言が微妙やったから、3年ないし4年おくれるんだから、そういう時間的な余裕があるからPCB含有の変圧器を自前で直す。あるいは監視システムについてもともかく企業庁が監視しながら職員を派遣しながらやっていくんだ、継続していくんだというような説明なんだ。要はもう一回確認するけれども、こういう問題点、2つの問題点が残っておるから、3ないし4年なりおくれるというふうな判断をしたというふうに理解していいのですか。

○高杉企業庁長 この遠隔操作の一元化のために3年から4年程度かかると。その間三瀬谷発電管理事務所を使用したいと。ついては仮に平成22年度末に譲渡したとしたら、その間3年間は三瀬谷発電管理事務所を中部電力が使うことになります。そのために大体1年目で17名程度の人が必要になりますんで、その職員を派遣してほしいという、こういう要請が中部電力から出てきたわけでございますけれども、先程申し上げましたように、企業へ職員を派遣するということは法律上できないと、こういうことがはっきりいたしました。そうしたら、その間は具体的な譲渡時期をおくらせて、そしてその間は企業庁で運転監視をしていくと、こういうふうに考えたところでございます。

○森本委員 PCBの方は関係ないわけですか。

○高杉企業庁長 PCB含有の変圧器につきましても、平成22年度末に譲渡できたとしたら、中部電力の方で平成28年度までに計画的に取りかえてほしいと、このように企業庁としては考えておったところでございますが、具体的に3年から4年程度おくれるとなりますと、平成28年7月という期限が決まっておりますので、その間企業庁で取りかえるものについては取りかえていきたいと、このように考えておるところでございます。

○森本委員 要は3年なり4年なりおくれた理由というのは、そうしたら運転監視システムによっておくれたというふうな理解でいいんか。

○高杉企業庁長 はい、基本的にはそう私ども認識しております。

○森本委員 だから、そこらのところについて足元を中部電力に見られておるんじゃないかというのは僕らの率直な意見。こんなものは人がいらないでしょう、中部電力が買ったら中部電力の何千人とおる、何万人とおる職員の中で回せばいいんで、しかも中部電力というのは電気専門の会社であって、県のような会社じゃないんだから、17人やそこらの者の処理というものはできるんだろう。もう一つ聞きたいんだけれども、70人近い職員を県は今どんどんと、特に農水商工部なんかはかなり減らされておるけれども、1000人近く減らされておるんとちがうか。そういう中で70人の人間をいわゆる企業庁が抱えるだけ、リストラしなきゃならん、人員整理をしなきゃならんという中で、70人もの人間をなぜ引き取らなきゃならないのかという理由と、そしてやっぱりそういうふうな人員を中部電力の方へ引き取ってもらうような交渉はしておるのかどうか、そこらはどうなのですか。

○高杉企業庁長 県の10カ所の水力発電所を譲渡しますと、今森本委員おっしゃいましたように、職員がその分不要になってくるということになるんでございます。その部分については県全体の中で対応をしていくと、このように総務部とも話をさせていただいておるところでございます。

○森本委員 だから、何千人もの人間をリストラしようとするのに、当然必要じゃなくなった人間についてはリストラして、何らかの形で就職口なり中部電力に引き取ってもらうような努力をすべきだと普通を考えたら、思うけれども、そこらについての根本的な理由があるんですか。

○高杉企業庁長 職員については基本的には県の職員として採用した以上県職員として雇用を維持していく。その中ではご本人の希望によって中部電力に移りたいというときに、中部電力がそれを受けられるのかどうかということについては具体的な話はしておりませんので、現状では県の中で対応していく、このような方針が出されておりますんで、私どもそれに沿って考えておるところでございます。

○森本委員 そこらのところも極めて官僚的な答弁だと思うんだけれども、県の職員として採用したけれども、目的は電気を担当する職員として採用したんやろ。電気関係の技術職員として採用した。ほかの用務に使うために採用したわけじゃないだろうし、専門に従事しておるんだから、その事業が不要になった場合には、何らかの形の中でリストラを考えるべきではないのかと一般論では、一般県民の常識ではそういうふうに思うんだろうと思うけど、そこらはどうなのですか。

○高杉企業庁長 確かに電気職として採用いたしましたんで、電気にかかわる業務に従事していただくというのが本来の形であると思うわけでございますけれども、県職員として採用したということから、県の都合の中でそのポストがなくなるんであれば、県の中できちっと処遇していくというのも一つの考え方であろうかというふうに思っております。

○森本委員 そうしたら県の中の電気関係でやるんか、一般のだらーっと適当にばらまくのか、そこらはどうなのですか。

○高杉企業庁長 具体的にどういった形で処遇していくかについては、まだ最後の詰めはできておりません。今後総務部とも協議をしていくということになろうかと考えております。

○森本委員 首を切れという話じゃないんだけれども、一般的に考えるならば、電気専門職として雇用した人たちが不要になった場合には、やっぱり何らかの形で県の財政とか県の行政改革という中では、中部電力に雇用してもらうなり、そう努力していくのが普通だろうと僕は思うただけであって、もう少しそこらは疑問が残る。企業庁長の意見もいわゆる今の時代に中部電力としてもそういうふうな形での雇用の縮小というか、いろいろな組織改革をしていかなきゃならん中で、恐らくこれだけの者を収容するだけの能力がないんだろうと思うけれども、それはそれで了としても、ただその17名の人間がいるから、あえて4年間譲渡しないというのは、いわゆる経済の原則からしたら少し異常なんではないか。中部電力の主導でこの運転監視システムの問題が故意に4年間なり3年間なりに延ばされておる。いわゆる全く中部電力のご都合の中で、交渉がなされているということについては、やっぱり疑問は残ると思うし、こういうものについては高杉庁長に聞いてもあかんので、委員間討議の中で、少し提案していきたいとは思う。それと用地の問題については、そうしたらある程度はめどがついてきたということやね。88.5%やれてきたということの中で、それはよろしい。
 それから、奥伊勢湖環境保全対策協議会の参画というのは、これ当然中部電力が参画するか参画しないかということなのですか、ここの11番についてはよくわからん。

○辻政策監 この協議会は三瀬谷ダムのいろいろな環境保全を図るために、地元の大台町と企業庁が費用負担をし合って、いろいろな環境保全の取組を行っているところでございます。したがって、私どもが中部電力にお願いしますのは、そういう協議会の取組に企業庁が参画しておったのは、ダム湖の管理者であるという立場でもありますし、発電事業者でもありますということで、まず参画についてお願いしますということでしているわけなんです。中部電力は参画については了解しましたというふうにはまだそこまではいってないんですけれども、一般的には中部電力も岐阜県、長野県等で水力発電のダムを持っていますので、そういうところは当然地元の自治体とそういう協議会的なものをつくっておるということはほかでもございますので、そういう方向性はいいんですけれども、まだ参画するというふうに明言していただいたわけではございません。それはほかの項目もすべてそうなんですけれども、譲渡・譲受するということが最終的にOKになってこういういろいろな個々の項目についても、同じようにOKということと一緒のことと思います。それで、協議会の取組の中身は非常に本来行政がやるべき部分が多いんではないですかということで、その中身すべてについても企業庁が今までやっていた部分を引き継いでいくというのはなかなか難しいというふうに2つ言われたところでございます。

○森本委員 何が難しいと。最後の部分。

○辻政策監 協議会の参画ということは、協議会に入っていろいろな議論をしていくことと、それに対して費用負担を伴う予算措置をしていただいているわけです。その今企業庁が実際負担していただいています額年間500万円なんですけれども、この全額については先程言いましたように、従来からの協議会の中の取組、やっていただいている事業内容が本来行政が行うべき部分が多いんではないかと言われておりまして、500万円というのはなかなか出せないと、そういうことを言われております。

○森本委員 それが問題だろうと思う。それは当然中部電力が500万円を肩がわりして、この奥伊勢湖環境保全対策協議会を継続させるということに無理があるんであって、これは本来は宮川の環境全体を考えるものだから、これは行政的な、だからそれは企業庁が出してきたこと自体があれなんで、各協議会なり、いろいろな形の中で県なりが出していく性格のものであって、私ももし中部電力に出せということなら、これはちょっと無理ではないのかなという気はする。それから、この宮川ダムの年間1000万トンを限度に放流するという、この方針についてもう少し詳しく言ってもらえないですか。

○辻政策監 宮川の本流につきましては、平成16年のときのような大雨が降りますと非常に大きな洪水として流れてきます。一方、雨が少なくなってきて、渇水になってきますと、宮川はたくさん支流があって、そんなに水が枯れるということはないんですけれども、上流で発電で毎秒24トン、三浦湾の方に放流することと、それから、大台町の途中に農業用水の取水というところがございまして、粟生頭首工ですけれども、そこで農業用水をとるということで、渇水になってくると非常にダムの直下、それから粟生頭首工の直下で流れる水が少ないということで、この地域の川の環境等を議論する、宮川流域ルネッサンス事業というのを流域、県ともども取り組んでまいりました。その中で、川の水として渇水時にも望ましいような流量というのが必要ですねということで、その協議会の中で目標とする流量を定めて取り組んできたわけです。
 その一つの目標として、粟生頭首工のところで川の水を毎秒3トンぐらい確保しようと。現実にその3トンとれないときが過去にもありましたし、魚道がありますけれども、魚道の放流量、これは0.5トンですけれども、そういう魚道しか流れないようなときもございます。そういうことがありますので、今回の民間譲渡に際して、その粟生頭首工の3トンを確保するために宮川ダムの発電の水から1000万トンという容量、発電の水を確保して、それを粟生頭首工の3トンが少なくなってきたとき、渇水のときに補うと、補給するということがいろいろな形で地域からの要望としてありました。議会でも議論していただきまして、県の方で一つの方向を出しまして、中部電力に1000万トンを限度にということで、譲渡、交渉でございます。ある程度上限値を設けないと判断もしていただけないところがありますので、1000万トンを限度にということで確保した水でございます。これについては先程も説明しましたように、中部電力におかれましても理解をいただいておるところでございます。

○森本委員 そうしたら、こういう考え方でいいね。例えば1000万トン放流したとしても、いわゆる干ばつ被害があって、0.5トンでも0.1トンでも極端に少なくなった場合は、農業用水の場合はいわゆる国土交通省主催の、これは上水道でも一緒だけど、渇水対策協議会というようなものの中で、緊急放流するけれども、この3トンを下回る場合には、そういう手段も残されるわけですか。

○辻政策監 森本委員おっしゃられましたように、宮川の部分で渇水になって、それぞれ農業者なりいろいろな方々が水不足になってくると、管理者である国道交通省が主催して、宮川の渇水調整協議会というのが開かれます。特に農業用水は宮川ダムに750万トンという独自に専用に使える水を確保していますので、そういう水を使います。委員おっしゃられますように、そういう農業用水にも渇水、地域全体の渇水になって、なおかつ川の水3トンが足りない部分にどうするかということだと思うんですけれども、現実に農業用水が750万トン使ってなくなってきたというときには、先程の確認書でも説明しました3番のかんがい補給の部分で渇水調整協議会で農業用のために750万トン超えても、それはまた協議会のところで議論していただいて、企業庁が平成17年の渇水または平成19年の渇水においてもしていただいたように、750万トン超えても放流していただくようなことはありました。そういうことについても説明し、そういう事態があったら渇水調整協議会の場で協議していただくということでご理解を得ているところでございます。それはあくまでも農業用水という発電との全体の水の融通ということでありまして、森本委員おっしゃられましたように、川の水3トン、いわゆる川の環境のために確保するというところまでは、まだ流域の関係者の議論もいってないし、中部電力の理解も得られてないところでございます。

○森本委員 わかった。もう時間が余りないので、もう一回言うけど、この堀田企業庁長とかつてした覚書については、もう今回は譲渡に関しては破棄するんだと、あるいはなかったことにするんだということでいい。

○高杉企業庁長 覚書ですか、同意の条件ですか、この解釈で東海農政局との間に解釈の違いがございました。その解釈を異なったまま譲渡することは適切でございませんので、そこのところはきちっとはっきりしたいということで、本来的には東海農政局がおっしゃっているのは、宮川ダムの、そんなものをかえて750万トンを確保する、750万トン以上を確保するんやったら、それは有料ですと、こういう解釈でございますので、そういった趣旨にしていきたいというふうに現在考えております。今後またこれから協議を詰める必要があるわけでございますが、現在の考え方はそういうことでございます。

○森本委員 それは当初の頃から僕だとか西場議員が主張してきたことで結構なことなんやで。結構なことなんだし、そういう方向でまとめてもらうものについては異論はないけれども、あのときに堀田企業庁長が言ったのは、そういう趣旨じゃなくて、新たに農業用水のかんがい水量を確保しようと思ったら、ダムの水を新たに取ろうと思ったら、それは当然金が要るのか覚書をつくらんでもやな、たまっとる水をもう1回もう少し増やそうというのは当たり前の話。そうじゃなくて、750万トン以上の水を、農業用水以外の水をとるときには、いわゆる斎宮の調整池で200万トンの池だけれども、2.5回使えば500万トンぐらいのあれもできるんだから、そういうふうに今回からいわゆる農業用水について手厚い保護がなされ、そういうふうな工事がなされるについて同意するについては750万トン以上は別途お金をいただきますよという趣旨だった。ただ、あんたらの話を聞くと、東海農政局の一方的な意向に沿って、僕も含めてやけれども、意向に沿ってやっとるんで、そこらの経緯というものをよく考えながら、いわゆる斎宮の池があれだけ大きくなった。20万トンしかたまらない池が200万トンになった。それも2.5回使いすれば500万トンぐらいになるというような中での考え方をしていかなきゃいかんけれども、ここらについてはもう破棄処分にする、廃案にするというんならまた、それはそれでいいと思うけれども、もうちょっと整理だけはしておきたい。もう一回、これは確認だけしておくけれども、たとえ中部電力に売却する交渉が決裂しても、議会側との売却するからこういう条件というんじゃないということだけは頭に置いておいてもらいたいと思う。
 例えばさっき藤田委員が言うたような、魚道についても、あのダムがあるために支障を来しておるんだから、これは当然売ろうが売らまいが、守っていく義務がある。それは何らかの形の中で中部電力との交渉が決裂して売却できないような場合になっても、その約束は守ってもらわなきゃならんし、またいわゆる粟生、あれは別として、いわゆる三浦湾へ24トンの水を濁水を、濁度ゼロであったとしても、ゼロじゃなくて100%であったとしても落とすというような、こういう問題については、宮川に企業庁がいろいろな施設を持っておることによっての弊害として起こってきたことだから、この3トンの確保についても一緒や。これは中部電力の売却にかかわらず守っていく義務があるということだけは、そこらは政策部長、どうですか、確認できますか。

○小林政策部長 おっしゃることはそのとおりだと思います。ただ、例えば1カ所、三浦湾への緊急発電放流という、今現在していないこともございます。そういうものに対して、これが本当に中部電力の方で今交渉がなかなか平行線をたどっているわけです。そこの部分でそういう部分はそのままたとえ今のような中部電力とのというか、発電譲渡がなくなったときにどうするかという、そういうときにはもう一度考え直さなくちゃいけない。もう一回議会の方にご相談しなくちゃいけないという問題も出てくるかもわかりません。基本的にはおっしゃるとおり、その発電の譲渡、譲受にかかわらずやっていく問題だというふうに認識しております。

○森本委員 結構でございます。議事録へ載せていただく発言をしていただきましたので、終わります。

○藤田委員 森本委員の今の確認というか、非常に大事なところなんですね。50年前にダムができてコンクリートが乾いたと。そこでアユの遡上が、私はアユの遡上というのは一番いい例になると思って強調させていただくんで、アユの魚道だけを言っているんじゃなくて、そもそも人間の発展のためにいろいろな自然を開発していくと、当然生物とか、そういうところに影響が出てきます。究極は人間の生活に影響が出てくるんです。下水道なんかもまさにミティゲーションなんです。やっぱり発展していく中で川が汚れたと。これはまずいなと。昔は川へ行って、本当に限られたあれで洗濯して、環境に配慮しておった。しかし、発展してくると、そういう意味では弊害が出た。だから下水道でちゃんとBODやCODというものをある程度抑制して流そうと。これも全く一つの流れなんです。私が言いたいのは、これからそういう川とか、人間が電気を起こすとか、これは非常に大切なことやと思うし、長い間こういう五十数年来た今の発展社会の中で、これからやっぱり川というものが清流とか、清流だけじゃいけないんです。そこに多様な動物、生物がすんで初めてその川の魅力があるんで、そのバロメーターがアユなんです。ですから、魚道を云々と言うとるんで、僕はさっきの副知事キャップの会議、いわゆるミティゲーションなんです。1年や2年でこの五十数年の生態系を回復するということは難しいし、自然と共生するというところに莫大な金がかかってくる。今はまだまだ電気がいくらで酸素がいくらでという代替法しか物差しがありませんから、非常に難しい分野です。私も難しいことを言うとると思いますけど、これからの流れはそういうところと共生していくというところへも、三重県がはっきりお金をかけていくというような、大きな方針を持って、そういう哲学を持って臨んでいかないと、地域の課題と言うても、それは従来行政がやる地域課題の解決というのも変わってくる。これから自然の資源も、自然と共生していくんだ。そういうところもつくり上げていくんだと。やっぱりそういう共生をしていくというような、ミティゲーション的な理念が、宮川ルネッサンスのときに入ったんです。実際何もやっていない。下水道とかそういう従来の公共的なところで川の清流というか、そういうものは非常によくなってきていますけど、本当の意味のそういう生物が、アユが一例です。海から遡上できる川を目指すんだ。それには川のえさも必要や。ナメもついてくる川にせないかん。水量も大事やと。
 さっきの1000万トンの問題もそうです。結局これから正常流量という概念が出てきたんだから、これも非常に難しい概念です。やっぱり宮川は、人間から見た利水というのが最優先されるというのは当然だと思うんですけど、こういう渇水の協議会のときにも、さらにこの1000万トンが入ることによって幅が広がった。将来のいわゆる自然との共生の流れができたと私は認識しているんで、くどく言いますけど、そういう視点を持って5年、10年、20年先をこういう自然と共生できるような、それがこれから人口が減ってきて、この日本の成熟社会の中で大きな価値があるんだと。そういう視点をしっかり入れて臨んでいただきたいと思いますんで、答えは要りませんので、よろしくお願いします。

○辻委員長 ほかにご質疑。

○前田委員 予定の時刻を回っておりますので、簡潔に確認だけさせていただきたいと思います。
 先程森本委員の質問の中で企業庁長の方が、運転管理システムの整備が必要だから三、四年延ばさなければいけないという答弁だったように聞こえました。それでよろしいですか。

○高杉企業庁長 はい、そうでございます。

○前田委員 森本委員が言われるように、システムじゃなくて、人的なサポートは可能だと思うんです。人的運転する中で可能だと思いますし、じゃそれがなければ、本当に今の交渉、地域要件も含め、まだ譲渡交渉すらされてない中で、今年度末の譲渡というのは可能なんですか。

○高杉企業庁長 もう平成21年度末は用地境界ぐいの関係もあって難しいということで平成22年度末に回させていただくことを昨年表明させていただいてきたのかなと。その後に新たに運転監視の一元化と、こういう問題が出てきました。私どもは譲渡・譲受を円滑にとりあえず完了させたいと、こういう思いを大切にいたしまして、苦渋の決断ですけれども、そういう工事が完了するまでの3年か4年間はもう延ばさざるを得ない。これもやむを得ないというように判断させていただいた次第でございます。

○前田委員 先程森本委員からご指摘あったように、現地での運転というのも技術的には可能だと思うんです。だから、当初県職員の派遣という要請もあったと思います。それは法的にできないというのは当然理解するんですが、そういう部分での運用というのはあり得ないんですか。

○高杉企業庁長 仮に平成22年度末に譲渡したとしましたら、中部電力としては、工事が完了するまでの間、三瀬谷発電管理事務所の現在の施設を使われると、このようなお考えなんでございます。そのためには1年目は17名程度の職員が必要だと、こういうことになりまして、その17名程度の職員を企業庁の方から派遣してほしいと、こういう要請があったわけでございますけれども、私どもは法律上、それはできないと。そうしたら、譲渡を円滑に完了させるためには、工事が完了するまでの間は企業庁が引き続き営業を継続して、それで工事が完了したら中部電力に引き渡すと。具体的に譲渡すると、このような考え方になったものでございます。

○前田委員 基本的な考え方としてはそうだと思うんですが、果たして本当に、平成22年度末にそこの部分ができるのかどうかというのが今までの交渉状況あるいは整理状況の中から言って、私は非常に難しいんではないかなと思うんですが、そこらはいかがですか。

○小林政策部長 中部電力の運転監視システムというものの整備につきましても、やっぱり事前にきちっとした譲渡・譲受の合意がないと、なかなかかかれないという形の部分をお聞きしています。だから、そういう意味では、1年延ばした、平成22年度内にはほとんどもう契約と同じような基本的な合意というものはきっちりと結んでいきたい。その中には譲渡価格であるとか、この地域貢献をどんなふうにしていくのかとか、そういうほとんどもう契約と変わりのないようなものをつくった上で、そこで合意をした上でこちらの方の監視システムの整備等に入っていくと。だから、その監視システムが完成するときを譲渡時期にしたいという形で考えております。

○前田委員 余り論議していても平行でございますので、論議は避けますが、基本的に私の感覚的には、少し交渉がおくれていったのかな。あるいは現地の条件整備あるいは地域要件を含めながら課題の整備がおくれていたのかな。その中での運転監視システムというのは大きなウエートは占めておるとは思いますが、ただそれだけで本当に譲渡時期が延びるのかなという疑問がありましたので、その点について確認をさせていただきました。
 それともう1点だけ、緊急放流の部分で企業庁長の方としては過去のデータ等々の中でリスクが少ないという本会議上での答弁もありました。リスクが少ないんであれば、治水という考え方の中で県がリスクを負担をされるというのはどうなんでしょうか。

○高杉企業庁長 私どもこの緊急発電放流につきましては、平成16年の豪雨災害の関係もございまして、そのダム下流の住民の方々の安心にかかわる部分でございますので、企業の社会貢献というんですか、地域要件の一つとして電気事業者の取組としてやっていただきたいと、こういうことでお願いをしてきたものでございます。今おっしゃいましたように、緊急発電放流するような具体的な放流の仕方はまだ決めていませんが、非常に濁度の高いときもございますので、そうなると、やっぱり発電機の水車が損傷するおそれがあるというような危惧を非常に強く持ってみえまして合意に至りませんでした。
 私どもは過去の例あるいは学者の意見も聞いて、発電を直ちに停止せないかんような状態になることはほとんどないと。リスクがゼロではないんだけれども、ほとんどないということで話をしてきたんですが、中部電力としては、それやったらそれで、破損したら県の方で、必ず補償をするということをきちっと担保してほしいと、こういう要請が来たわけでございます。私どもとしては、あくまでも企業の一つの地域貢献に沿ってお願いしておりますので、その担保をするということは非常に難しいということでご説明申し上げて、合意に至っていないというのが現状でございます。

○前田委員 またこれも平行論議になりそうですので、もうやめますが、基本的にリスクがあるかないかという判断に違いがあると思うんです。だから、企業庁長がリスクが少ないと言うのであれば、企業貢献という整理もあるんですが、治水という、そしてまた平成16年の台風の状況から踏まえた対策、その流量的な部分というのも当然検討の余地もあろうかと思いますが、治水という安心・安全のためのリスクを冒してでもやるという県の姿勢ではないか。そこの部分が平行論議ですので、もう時間がありませんのでやめておきますが、リスクがないなら県でリスクを負担するというのも一つの手法、役割分担の中での手法ではないかなと思いますので、ご要望だけ申し上げておきたいと思います。

○辻委員長 ほかにありませんか。

○中村委員 本当に時間がないんで、譲渡価格の関係で、今回初めて他県の事例が出てきたんです。県として譲渡価格を算定するに当たって、その基本的な考え方というか、それをどういうところに持っておるのか。例えばこれでいけば、いわゆる施設の能力、どんだけの発電量があるか、それが収益に比例してくるんで、それから算定していくんか、あるいはそれぞれの設備のいわゆる取得価格から減価償却を引いていって、今の価格で売るんか、そのへんの基本的な考え方をもうそろそろ明らかにしていかんといかんのかなと思いますけれども、そのへんはどうですか。

○小林政策部長 これから交渉に入るわけです。それで、県の方がどこを基本にしてやっているんだということを今申し上げると、交渉する相手先の方に何か県はここらへんで考えているんじゃないかみたいな形にもなるわけです。だからそういう部分ではちょっと申し上げにくいところもあるんですが、考え方としては今委員がおっしゃったとおり、大体他県の交渉の経緯なんかを見ております。そうすると、固定資産の帳簿価格、減価償却とかを差し引いた現在の帳簿価格みたいなことが1つ交渉の一般論として、そこから交渉していくという手があると。
 それから、もう一つは、これはもう相手方等ともあったのかもわかりませんが、いわゆる借金です。起債残高のような話もある。それから、おっしゃったように、将来どれだけ利益を生んでいくのかというような部分を参考資料にしながらやっていくと。我々はやっぱりそこで一番いい形をねらいたいです、当然のことながら。そして、説明責任がとれるような形でやっていきたいと思います。ただ相手方もいらっしゃいますので、そこの部分でそのとおりにいけるかどうかというのはこれからの交渉だと思いますけれども、当然のことながらなるべくいい価格で県民の皆様にも、議会の皆様にもご理解がいただけるような形で交渉していきたい、そんなふうに考えています。

○中村委員 相手があるということはようわかるんですが、最終的に県民にこれだけの価格になったという部分についてはしっかり説明できるものでないといかんというのは当然だと思います。ここに出ております福井県、石川県の件については、これは相手先が決まってなくて、いわゆる入札をしたような格好です。ですので、それ以外の兵庫県以下の形で中部電力と1対1で交渉していくと、こういうことでいいんでしょうか。

○小林政策部長 1対1で交渉するので、こういうものを目標にというふうには考えておりません。あくまでも今、中部電力を交渉相手にというのは県の方でいろいろ考えた上で、一番譲渡相手にはいいという判断をし、議会の方にもお示しをしてご協議いただいた上での話ですので、当然公募という形は今とりません。そういう形ですが、その中で、できるだけいい形で臨んでいきたいと思っております。

○中村委員 以上です。

○辻委員長 ほかにありませんか。

          〔「なし」の声あり〕

○辻委員長 ないようですので、これで水力発電事業の民間譲渡についての調査を終わります。
 執行部入れかえのため、暫時休憩いたします。休憩時間は5分とさせていただきます。

          (休  憩)

    ③委員間討議

○辻委員長 それでは、再開いたします。
 ただいまの調査事項について委員間討議をお願いします。ご意見のある方は発言願います。

○森本委員 ちょっと言わせてもらうけれども、極めて難しいであろうと思う。人員整理についても70人もの人間をあれするというのは難しいだろうと思う。一般企業としたら、基本的にはリストラということも考えていく状況で、これは親方日の丸的な発想だから仕方ないと思うし、そういうふうな前提でこれまでも県行政なり公務員の位置づけというのはそういうものになってきたんだから仕方ないだろうと思う。それはそれで了とするけれども、今の県のこの売却についての姿勢というものがきちっとした公務員的な体質の中で行われておるような気はする。
 というのは、さっき僕が言うたように、これを延長する理由として、まず初めに出てきたのは用地ぐいが間に合わないですと。境界ぐいが平成16年の災害で流出して、これでできませんということで延ばした。1年間延ばした。そのうちにだんだんとPCBの問題、PCBの問題でも、これはさっき言うたように、延ばさなきゃならん理由にはならせん。こんなものは当然変えていかなきゃならん。段階的に変えていかなきゃならないスケジュールのままでやっておったんだから、恐らくこれも新たな課題としてきておるけれども、それやったら僕は怠慢だろうと思う。
 それから、運転監視システムについても、これは当然さきに言うたように、中部電力側が買うたら、そういうことも前提にして売却交渉をしたらええんで、それが絶対条件の中で売却方針が進まないということでは私はないと思う。だから、これはそういうことも含めて早急に、もしそれが原因で売却交渉がおくれておるんなら、僕はそんなものは簡単にできると思う。それから、この用地ぐいの問題についても、もう既に88.5%が確認できておるんだったら、もう少し中身を聞きたかったんだけれども、これもやっぱり怠慢と言わざるを得んと思う。去年にも20年も30年も前から県土整備部でも農林部でも、いわゆるこの未登記解消について、地区解消について2000万円なり3000万円なりの金をやっておったにもかかわらず、こういうふうな怠慢についても1つ問題が私はあると思う。中村委員は質問でも出しておったけれども、いわゆる福井県と石川県が公募というか入札制度によってこういうあれをやった。かなり高額な形での売却というのをやっておるんで、それで、私はいろいろな、中部電力からだけじゃなくて、ほかダイヤモンド何とかとか、いろいろなところから買うとる実例もあるんだから、必ずしもどうしても中部電力を交渉相手にするということは、これは全員協議会の中で確認したことであって、それでよろしいよという、全員協議会でも委員会でもそうだったんだろうと思う。よろしいよということで単独にするということには異議はないけれども、交渉が難航した場合は、そういう方法も考えていくべきだろうと思う。それでもう一つは、今鳩山内閣のCO25%削減の中で、この水力発電の占める位置というのは非常に大きいと思う。それは中部電力にとったって垂涎の的やとか、ともかくのどから手が出るほど欲しい話だろうし、今企業庁から電力を購入しているということによって、COの削減率に中部電力も加算しておると思う。
 だから、そういうことから考えて、そう難航するような話では私はないんではないかと。県の方のそこらについての決断の甘さというものもあるんではないのかと思うんで、どうしてもだめなら公募等も含めた中でやるということと、老朽化した施設を全部修理してからでなければならないとか、いわゆる中古車を売るのに、塗装まできれいに直して中古車販売をするわけがないんで、持ち主が。販売店はまた、塗装し直すというようなこともあるけれども、やっぱり早急に売るような方策というものを考えていくべきだろうと思う。それで、今言うたように、私ら農業側にかかわってきた人間としたら、堀田企業庁長と農林水産省との間の覚書というものを破棄してくれるということは、これはいい話だろうと思います。ただ、購入する方の側から言うたら、750万トン以上については、これは発電用の貴重な水なんだと。だから、そんな水をいとも簡単に無料で農業用水の方へ割愛するというようなことについては、購入者の側、ここの場合は中部電力の側からしたら、僕は異議があると思う。それだけの協定が結ばれておるにもかかわらず。そして協定が結ばれた一つの大きな理由、それは今言うたように、斎宮の池が20万トンという小さい池だったのを200万トンためられるような池にした。そして洪水のときに放水期に斎宮の池に水を導入して、いわゆるある程度の余剰水というか、海へ流れていく水をとって斎宮の池へためて、それが空っぽになったら、また台風時期なり豪雨期にためるというような2.5回使うと500万トンぐらいになる。だから、そういうことの中であの協定というのは出てきたものなのだから、一方的に新しく農業用水をどこかの台地へ上げていくときには金を払いますというような話になるんだというように問題点をすりかえて、新たに水需要が発生するならば、そんな宮川ダムに頼らんでも、どこかへ新たにダムをつくるとか何らかすればいいんであって、そういうふうな、いわゆる都合のいいような解釈でもってこの問題を解決しようとしておるけれども、やっぱり購入する側が何も知らされないままこういうものが破棄されるということは、負の遺産、負債、負の部分をそのまま何も知らないまま中部電力に譲渡するということなんだから、ここらのところについても彼らは簡単に廃棄処分して、また改めて750万トン以上オーバーするものについては無償で、今度は中部電力が借り受けの農業用水として差し上げますよというようなことを廃棄するのはいかがかなと思う。
 僕は堀田企業庁長とかなりやり合うたんです。だから、今の企業庁長の言うようなのは、西場議員の言うとおりにしてくれてはおるけれども、買う方の身になったときには、売るからこの際ほっかむりしておいて、どうでもええさかい売ってしまえと、それと、これ今大体750万トンのあれに対して1500万トンぐらい使っています、農業用水側は。ただで、700万トンから750万トンの発電の水量を三浦湾へ落とせば非常に高価になるものをしておるので、そこらについても十分趣旨を踏まえて、そして購入側へも説明をする。そういうことの条件づけをやっぱり私はしてほしいと思います。
 それと、どうしても売れなかった場合は、ほかのところへも流れとして、この企業庁の電力事業はもうかっておるから、ある意味においては売らなくてもいいという話やけど、一つの流れの中では売却ということはやむを得んのやろうけれども、どうしても支障を来すなら、公募でも何でもという方法はあるんじゃないか。ただ、中部電力に売るということについては、交渉相手にするということは、議会側もみんなこれは承知した、承認した事実であるということは頭に置いておかなきゃならんと思うけれども、私はそういうふうな形の中で、今回ずっと一連のものを見たときにこういうふうな疑問を感じました。

○貝増委員 今日の質疑の、森本委員の発言というのは大変重みがあったと思うんです。集中審議だからできることで。その中でも議会で中部電力の交渉の窓口やと、これは認識している。しかし、交渉過程によってまたいろいろな諸条件がどうなるかわからない。そうしたときには次の選択もおくれる可能性もある。議会としてもそういうことを認識の中へ入れておかないと。今の数字の問題で高値、高値と言っても、足元見られてどうのこうのある。そのへんの認識を持つことと、もう一つ、森本委員の質疑の中でもありましたけど、じゃ民間譲渡するときに、電気の技師、従業員、県職員、これはこのまま県庁内へ戻すと。普通、例えば売却や合併したときに、そこでずっと勤めたい。その七十何人かがもう県庁に戻り、ほかの職種に行きたいという人、あるいはもうこのまま県を退職してでもここにおりたい。そのへんの選択の例えば確認方法とか、そういったことが全然説明なかったもので、もう今日は時間がないと思うんで聞かなかったんですけれども、このへんも県の現場担当として、あるいは所管担当としての職員に対する進路問題、こういうことの調査も時間のあるうちにしっかりと提示して、発表いただきたい。何もかも物は、現場は売ってでも人は戻しますだけじゃなくて、やっぱりそこにおりたい人もあるだろうし、いろいろな観点の中で、県も従業員、県職員の削減もしておりますけれども、特に技術者になってきますと、おのおののプライドや好きな道等ありますから、そういうふうな対応をどのようにしているかということもやっぱりもう一遍確認はしたい面もあるんです。
 以上です。

○辻委員長 ほかにございませんか。

○森本委員 本当に平行線の問題もあると思う。やっぱりここらももう少しきちっとした説明は求めておきたい。次に委員会があるんだから、そういう個々での委員討議の結果について、新たにもう一回次の常任委員会の中で明らかにしてもらう必要はあると思います。私は発言しなかったけど、前田委員の言われるのも一つの平行線のままで交わるところはなかったような気がする。

○辻委員長 ほかご意見ございませんか。

○森本委員 なかったらよろしい。

○辻委員長 委員長の判断としまして、この問題につきましては、さらに議論を深めていきたいというふうに思います。県の方針に対する内容について理解はするにしても、この委員会で協議されただけではまだ不十分という感覚は私も持ちましたので、機会を設けてさらにこの議論を深める場を設けるということでどうでしょうか。

○森本委員 私は場を設けるよりも、今いろいろな疑問点がありましたやんか。そういうものについてこっちから文書でこういうものは委員間討議の結果、こういうふうな疑問点が出ましたと。だから、次の委員会の中で回答をしていただければいいということで、新たに委員会を開かなくても私はいいと思います。

○辻委員長 今、森本委員の発言された内容で進めるということでよろしいでしょうか。
 では、そのようにさせていただきます。ありがとうございました。
 ほかにご意見等ございますか。
 なければ、これで終了させていただきます。ありがとうございました。

 2 木曽川水系連絡導水路事業について

    ①当局から資料に基づき説明(小林部長、辻政策監)

    ②質問

○辻委員長 ただいまの説明に対し、ご質疑はありませんか。

○貝増委員 下流に住んでいるからということじゃないけど、徳山ダムをつくったとき水塊がだいぶしっかりと流れた。これ導水路を引っ張ったときに木曽三川の生物への影響は大分あると思うんです。冷たい水をどんどん頻繁に流すと、流域におけるなりわい、漁にしても農にしても。このへんの下流域だからこその問題点というのはまた次の会議なんかで一遍調査してほしいなと思うんです。テストしたとき、大変揖斐川に水塊がどんどん流れ込んで、全くじゃないけども、漁に多大な影響を与えたという結果も出ています。
 それともう一つは、この事業の推進に当たっては、今まで河口堰にしたかて徳山ダムにしたかて、全部国に対するメリット事業というのは、下流域というのは協力が当たり前やという雰囲気でおった。しかし、事業として推進して一緒にやっていくのであれば、そのへんの地域に対するメリットの事業というのはおかしいですけど、その環境整備についてもしっかりと提案して要望していただきたいと思う。これは我々下流域に住んでいる人間の地域挙げての願望でもありますし、そういう認識というのも、水は上から下へ流れて当たり前ですけれども、受ける方の環境整備というのはなかなか進まない。さっきの粟生の事業じゃありませんけども、反対側から見たときの立場というのは、県庁が代弁していただかなければ話が通らない問題です。そういう認識もしっかりと持っていただいて進めていただきたい。

○小林政策部長 逆に基本的には今回の導水路事業については、特に利水、治水の方の部分でございます。環境の部分については環境改善という形でございますので、例えば平成6年時に瀬切れを行っていたような部分をできるだけ少なくしようということが三重県にとっての効果ととられておりますので、そこの部分はまず下流域にとっても大きな効果があるものだと認識しております。ただ、そこの部分で例えばよその水が入ることによって、環境の変化が起こるんではないか、そういうご心配もあると思います。そのへんは国の方にも申し上げておりますし、国の方もそういう調査というものはやっているところでございますので、引き続きそういうことは留意していきたいというふうに考えております。

○貝増委員 もう1点、地盤沈下と言いますけれども、河口堰の地域でも地場産業やった養鰻養殖、いろいろな面で地下水をくみ上げしないと、制限かけて地盤沈下の抑えをしてきた。しかし、濃尾平野一帯に広がるということはその抑止規制、こういう問題というのはさわってないですか。ただ自然沈下という結論をしているんですか。

○辻政策監 地盤沈下は当然この地域、新たな地下水のくみ上げ規制とか、そういうのが係っております。ここで地盤沈下調査会で経年変化といいますか、毎年観測しております。その観測したデータとして平成6年度に1センチ以上の沈下がこの面積増えているという事実だけでございます。私どもはこの導水路事業があって、川からの水が40トン確保されることによって、川からの地下水も満たされるだろうし、そのことによって既得の取水が取水制限されずに、既得の水から供給されれば、地域全体として水供給がされますので、直接の効果ではないんですけれども、地盤沈下のことも2次的、3次的な効果として期待されるというふうにとらえているだけでございます。

○貝増委員 これは学術的にどういう調査をしているかあれですけど、やっぱり現場の声も届けていただきたい。それと、10ページに説明がある。塩害の防止というけれども塩害がどんどん広がっていく現状、もう河口から20キロ、30キロ当たり前になっている。農業用水路は揖斐川からの取水口でも閉鎖したら、もう使えない。抜けば塩害がたまに入っちゃう。そういう現状というのは現地であのへんをくまなく歩いてみないとわからない。聞かないとわからないことです。塩害は広がっているという認識は持っていただきたいです。
 以上。

○辻委員長 ほかにありませんか。

○永田委員 1問だけ。私自身はもうこの問題についても議論の余地なしと。こんな思いでいっぱいなんです。やっぱり人間が生きていくためにも水という問題はもう欠くことのできないことだと、これは至上命題やと、こんな思いで私は臨むべきだと思うし、こんなことで議論せんならんのやったら、本当にちょっと寂しい思いがするんです。だから、もう実際に体験した平成6年ですか、もう身をもって体験しているわけです。今まで体験してなかったら、それはもっともっといろいろとあると思う。実際に体験して、大変な事態が起こったことはわかっているわけですから、こんなことで一々事業仕分けだ何だか知らないけれども、これをもう一遍評価してどうのこうのということではないと思うんです。ですから、これは今後の対応でも言われていますけれども、三重県、この負担の問題等いろいろ少ないかわかりませんが、そんなこと以前の問題として、この世にかかわる地域の問題としては徹底的に声を大にして言ってほしい。もうこれだけ申し上げて終わります。議論の余地なしと思っています。

○辻委員長 ほかにございませんか。
 ないようですので、これで木曽川水系連絡導水路事業についての調査を終わります。当局にはご苦労さまでした。

    ③委員間討議

○辻委員長 それでは、委員間討議をお願いします。ご意見のある方はご発言願います。

○森本委員 委員間討議は決まっておるの、時間。

○辻委員長 特に決まっていません。

○森本委員 僕は委員間討議はかなり時間も、意見はあるつもりなんやけどこのまま続きを見たい。

○辻委員長 1時からもうプロデューサーの人たちが来ますので・・・。

○森本委員 それやったら、10分やそこら延長してもええんとちがうか。

○辻委員長 ええ、もちろん。

○森本委員 そうしたら、機械的にやられとるというのは、この間の議会運営委員会でも出てきたように、委員間討議を充実させようというのがあるんだから、僕はこれに対してはいろんな意見がある。30分やそこらとってほしい。それやなかったら、終わってからやるとかさ。

○辻委員長 プロデューサーの人たちが終わってからですか。

○森本委員 やるとか、そうやってしてもらわな。それで、プロデューサーらに遠慮せんでもええやないか。あんなものは県の金で雇うておる話やないかな。1200万円か1300万円出しておるんやろ。そんなものに遠慮しながらやな、県の職員やないかな。

○藤田委員 お昼も近いですので、委員間討議を充実するということで時間とって……。

○森本委員 だから十分諮ってほしい。12時になったら大体どうしましょうかというのは普通なんやから。

          〔「諮ってください」の声あり〕

○辻委員長 わかりました。それでは、午後委員間討議を行いたいと思います。
 これをもちまして委員会を暫時休憩いたします。

          (休  憩)

○辻委員長 それでは委員会を再開します。委員間討議をお願いします。ご意見のある方はご発言願います。

○森本委員 三重県の負担が13億円っていうのは本当微々たるものですよね、この木曽川水系連絡導水路に対しての。だからそういうふうな微々たるような影響しかないものに目くじらを立てて、目をつり上げて推進を図っていかなきゃならんのか。それで、貝増委員が言うたように、塩害が干ばつなんや。干ばつの時には水が上から供給してこないから塩水がだーっと遡上していくんであって、塩害の防止なんかに私はならんと思う。渇水で、海の水を押し戻すだけの水を確保できるだけの担保が出来とんかどうかという、こんなものは水資源機構のへりくつを羅列してあるだけであって、私はそこらについてと。それで、例えば中村委員が言われたように極めてこの図面を見ただけでもわかる。雨が揖斐川上流だけはがーっと降って、長良川やとか木曽川水系に降らないっていうような天然現象っていうのは私は考えられないと思う。あくまでもこの事業の正当性を主張する、思いつくまま並べただけであって、その降雨範囲についてもちょっと正当性がない。それからもう一つは、にわか雨というようなものはあるけれども、今言うたようにその干天ていうか干ばつ被害なんていうのは広範囲にわたって起こるものであって、部分的な干ばつは考えられないということと、そのいわゆる生態系に、貝増委員がさっき言ったように大きな影響があるのではないのかていう検証がほんとに出来ておるのかどうかっていうこと。
 それからこの長良川へ落とすっていう計画は当初なかった。当初の計画は木曽川だけにしとったのが、なぜ、長良川へ落とすようになったのか、ここらについての明快な説明がない。落としてまた木曽川へ戻す、そのことによって三重県側の利益っていうのはどうなのか。いわゆるなぜ一たん、全部が全部じゃないけれども長良川に注水しなければならない理由が出てきたのかっていうことも、あまりにもはっきりしないということ。そして、この干ばつ、いわゆる治水として確保された水を利水として利用することは出来ない、そういうことが中日新聞かなんかに大きく書いてあったけれども、そういうものに対しての臨機応変な処置が出来ないような窮屈なものだったら、つくる意味があるのかなという気がする。優先されるのは農業用水なり、まあ上水道がまず優先されるんだけど、そういうものに対しても、干ばつで水がなくなった場合でも、治水のための水だから転用できないというようなことも起こってくる。そういうものに対する矛盾点が十分解明されつくしていない。僕は、公共事業をいろんな形で景気対策とかそういうものにやることについては反対しないけれども、いわゆる水資源機構の、この前行ったのかって、僕は本当にがっかりした。あんだけの丸一日ぐらいの時間をかけて行って、往復するのに800キロぐらいあったんだけど、水資源機構の説明たるや、靴の底から水虫をかいたような説明でしかなかった。ほんとに核心の部分が全然なかったような気はするんで、もう少し十分ななぜ必要なのかっていうことを、たった13億円の負担金やからどうでもええんだということではなくて、やるべきだろうと思う。
 例えば同じ委員会だから言うで、ちょっと話は飛ぶけれども、地籍調査。これ、100%国費の宣伝費があるんです。新聞へ地籍調査を推進しましょうという、100%、県費は一銭もいらへん。だけど、この前も言うたけれども、辻委員長も町長やっとってわかるように、地籍調査がなぜ進まないかっていうのは市町村長が人件費やとかそういうものの重さでやらないだけで、住民の反対が強いからやらないっていうものではない。だから、新聞広告出してそんなことする必要はない。県側の説明理由は、県は腹いたませんやないかと、100%国費やないかと、だからもろて予算してもおかしないやないかっていうのが県側の意見やわ。だけど、そういう税金の無駄遣いっていうのは私は避けるべきだろうと思う。そういう一つの事例を出しながら、こういうものについてほんとにしっかりとした地元説明がなされないから、河村市長みたいな反対もある。徳山ダムのときは、もうすでに完成して、後戻りの余地がない。というのは、用水ばけが完成しとって、あとを完成させなければ用水ばけそのものが、用水ばけからはき出せるところまで水をためないことにはあれだから賛成はした。けれども、この木曽川水系連絡導水路については河村市長の意見もそんなにようわからんけれども、三重県側がどういう利益を受けるのか、もうちょっときちっとしたらいいし、全体として。それで、今、河口堰だって、愛知県だって名古屋市だって河口堰の水すら使うとらへん。三重県やって、木曽岬町、朝日町、川越町、中州らへんかあれ、旧長島町、ああいうところは河口堰の水を使うことになっとるけれども、いまだに暫定取水にしとる。本来は堰から4キロなら4キロ以内へ取水口を設けんならん。そういうこともしないで、全然施設もつくらんとほうりっぱなしにしてあるやんか。だから、当面必要じゃないんなら、やっぱりそういう方法もあるんではないかということ。
 それから、貝増委員もちょっと言うたけど、平成6年のやったかな、地盤沈下が干ばつのときにあったというけど、干ばつは平成16年も平成19年もあったんで、そのときもそのようにしてないんだから、それだけの因果関係とは私は言えないような気がする。その地盤沈下云々の話は出ておったけれども。
 だから、推測、推測というような上乗せをしとるんで、もう少し慎重な説明責任を私は執行部に求めていくべきだろうと。このものはわかるけれども、今言うたような形での疑問点については再度説明をしていただきたいなというふうに思う。恐らくもう今の状況の中ではできないと思う。事業をストップしておる以上、調査やとかそんなのしておる以上、やれやせんのやから、もう目くじら立ててどうのこうのという議論をしなきゃならん問題なのかどうかともちょっと思う、現実の問題としてはね。私はそこらのところをきちっとして次回の委員会に疑問点についてはこうこうですわって文書でも何でも構わんからもろうて、それの上で議論をしていけるようにしたらいいと思います。
 あれはなかったやろ。中村委員の質問したいわゆる木曽川、揖斐川、長良川の全域を云々の話への答弁があらへんだ。後で説明くれたか。私はあれの明快な理由がようそんな、地域性で豪雨なりあれっていうのは発生するんで、ああいうことも一つの大きなあれはあるようなもので、そんなことも含めて、私は今までの疑問点に答えるような形での回答を欲しいと思います。
 以上です。

○中村委員 今、森本委員の方からありましたんで、渇水期というのはいわゆる雨が降るべきときに降らないということで、恐らく平成6年は6月、7月、8月がほとんど降らなかったんです。これは揖斐川から木曽川も含めて、上流含めて同じでした。東アジア全体がそういう状態やったということで、いわゆる渇水対策が徳山ダムの導水路でできるのかということについて疑問を投げさせてもらったんですが、それについての答えはいただいてはおらんというふうに思います。この前徳山ダムへ現地へ行かせていただいて、そのときに冬季、冬場にその上流が福井県の嶺南地方になるんですかね、そのあたりに雪が2メートル近く積もるということで、渇水期に、夏にその雪解け水が流れ出してきて、ある程度の補給ができるというようなことを聞かせていただいたんです。その点では容量が非常に大きいんで、それをためておけば全体降らないとしても、その雪の部分である程度季節的な代替ができるのかなという理解はさせてもらったんです。それは私の意見です。ダムは徳山ができてしまっていますんで、どうこうということは言いませんけれども、特に伊勢湾の漁業等を考えますと、神島の鳥羽側の浜で古里の浜というところがありますが、大きな岩があって、子どもらがそこから飛び込むんですけれども、そこの砂が4メートル近くなくなってしもうて、もう下の地盤が見えておるというような状況下です。その原因は特定できませんけれども、やっぱりこの木曽三川のダムによる、いわゆる土砂の流入、伊勢湾にとっては流入という部分が大きな影響があるんやないかというふうにも思います。また、伊勢湾の黒ノリが3年ずっと悪い時期がありましたけれども、それが徳山ダムの湛水、水をためる試験をしたときに呼応して悪かったということからいきますと、伊勢湾の海水、海域に大きな影響があるんは木曽三川の流量だというふうに思います。それが人工的にこういう形でされてしまうというのは、私としては残念だというふうに思いまして、そのことについては、今でき上がっていますのでとやかく言いませんけれども、何らかの形で伊勢湾の水域のこの水の豊かさというものをきちっとフォローしていただけるようなことができないかなというふうに思っております。
 それから、この導水路の関係は平成10年に名古屋市が水は毎秒5トンから2トンに、水余りで3トン要らんということになった部分が全部この渇水期の5300万立米というこの渇水対策に回されて、すり変わったわけです、結局は水が余ってきたんで。そこから考え出されたんが導水路ということからいけば、なかなか国民に理解をいただくというのは難しいんやないかな。いろいろなことを言われていますけれども、ダム自体が河川あるいは海も含めての環境を非常に悪くしてきた、そういう反環境の事業が環境を保全するために水を、導水路を流すという、この逆転の発想のようなことが言われておるわけでありまして、そのことは私としては理解できないなというふうに思っております。森本委員言われたように、やるんであれば、県民やこの地域の皆さんにしっかり理解いただけるようなきちっとした説明が必要だというふうに思いますけれども、なかなか難しいんかなというふうに思います。
 以上です。

○辻委員長 ほかにありませんか。

○森本委員 渇水対策よりも流水機能の維持というのは、それもようわからんのやけど、かなりの部分、利水なんていうのは3割から4割ぐらいしかあらへんので、河川の流水機能の維持だっていうわけのわからないようなのをしておるのもいかがかなと思う。それで本来は洪水調整のために、やはり7月、8月、9月、10月ぐらいは空き断面をつくっておいて、あのダムでも一緒でしょう。本来はあれだけためると、洪水のときに水位を下げて、洪水のときにためなきゃならん。本来はそういう機能を役割を持たされたダムじゃないにもかかわらず、ここの神戸は1回もあのダムができてからいわゆる洪水というか、床上浸水もなくなってきておるんで、そういう機能もこの流水機能に入っておるのかなと思ったら、そうじゃないみたいだ。もう一回、この説明の中では議論できんと思うんで、今言うたように、説明をきちっとした形の中でやったらいいと思う。やらへんのやから、ままそんなところや。何とかそれで結構です。

○辻委員長 ほかにどうでしょうか。
 暫時休憩ということで、再開は1時半。

          (休  憩)

 3 「(うま)し国おこし・三重」の取組について

  (1)これまでの取組状況と今後の課題等について

    ①参考人意見陳述(宮本参考人、志村参考人、寺内参考人)

○辻委員長 それでは、委員会を再開いたします。
 ただいまからは「(うま)し国おこし・三重」の取組についての調査を行います。この項目に関して、本日は「(うま)し国おこし・三重」総合プロデューサーの宮本倫明様、同じく地域担当プロデューサーの志村和浩様及び寺内浩司様の3名の方を参考人としてお招きしております。3名の方は「(うま)し国おこし・三重」のプロデューサーとして、三重県の各地域において地域の住民の方と直接対話をされ、地域づくりの取組についてご支援をいただいております。
 本日はこれまでの「(うま)し国おこし・三重」の取組の状況や、それによって得られた成果、また今後に向けての課題等についてご意見を伺うことといたします。参考人からの意見聴取の後は、当局から来年度の取組について説明を受けることといたしますので、よろしくお願いします。
 それでは、最初に参考人の意見聴取を行います。宮本様、志村様、寺内様におかれましては、本日はご多忙のところ当委員会にご出席をいただき、本当にありがとうございます。
 本日はまず宮本様から本年度の取組全体について20分程度ご説明をいただいた後、志村様と寺内様から担当地域での活動状況などについて、それぞれ10分程度でご説明をお願いいたしますので、よろしくお願いいたします。なお、本日の説明は映写によりご説明いただくとのことですので、準備のため少々お待ちください。
 それでは、宮本様から順に説明をお願いします。

○宮本参考人 皆さん、こんにちは。それでは、早速「(うま)し国おこし・三重」の取組についてのご説明をさせていただきます。
 ご説明の前に、今日は参考人としてお招きいただきましてありがとうございます。
 まず、お手元の資料、『「(うま)し国おこし・三重」の取組について』をごらんいただければと思います。
 1ページ目でございます。まず、そもそもこの「(うま)し国おこし」というのはどういうことでやることになったのかと、どうしてやる意味があるのかということでございます。平成19年から基本構想の検討を三重県においてされておりまして、基本計画が平成20年にでき上がったわけでございます。そこで、一番の目的を「文化力」を生かした自立・持続可能な地域づくりにしていこうと、こういうことが決定されまして、その基本計画を受けて、実施計画並びに実務に携わっているところでございます。ちょっと長い文章でございますけれども、要約してお話をさせていただきます。
 今、私たちは多くの課題に直面していると。人口が減ってくる中で、行政の経営も締めていかなくちゃいけない、より効率的にしていかなくちゃいけないという中で、価値観やライフスタイルの多様化ということに関して、行政はいろいろなサービスに対応もしていかなくちゃいけないし、さらには過疎や高齢化によるコミュニティの機能がどんどん弱体化していっている。こういったことに関しても手を打っていかなくちゃいけない。三重県内でも地域交流のたくさんの課題が存在するわけでございます。さらに地域だけではなくて、世界との関係もどんどん縮まってきておりまして、グローバル化の進展によって、世界経済の影響というのはもろに受ける、地域も受ける、さらに環境問題の深刻化によってもさまざまな影響を受ける。私たちの暮らしもそういった世界の動きというものと全く無関係ではないと、こういう時代になってきて、まさにさまざまな課題に直面をしていると言えるということでございます。
 一方で、コミュニティも含めてさまざまな住民の方々も新しい時代に取り組んでいこうという、大きな転換点にも来ているというふうにも言えようかと思います。地域間格差の是正や社会システムの変革という、一見、国の政治に頼らざるを得ないんじゃないかと。国の政治は変わらないんじゃないかと。市町や県レベルの取組だけではどうにもならないんじゃないかというような、そういった閉塞感なんかにも襲われることもございます。しかしながら、地域を担う人々こそがこの国を担っているという、そういう原点に立ち返る必要があるんではないかというふうに我々は感じるところでございます。すなわち地域をよりよくしていこうという動きが、やがて市町、県、国をよりよくしていこうという、そういった動きにつながってくる。当たり前と言えば当たり前なんですが、この当たり前の事実を一つ一つ実践をしていこうと、そういう試みが「(うま)し国おこし・三重」そのものだというふうに思うところでございます。
 三重県は、基本構想検討委員会の中でもいろいろな議論がありました。昔から本当に豊かで、人々が暮らすのに理想的な地域だということで、「(うま)し国」というふうに昔から呼び継がれてきたと。おかげさまという、人に感謝する、自然の恵みに感謝すると、そういった気持ちも人々の暮らしの中に受け継がれている。まさに三重県は人と人、人と地域、さらに人と自然のきずなが保たれてきた地だというふうに言えようかと思います。
 一方、これまで経済性や効率性を求め過ぎた結果、ついついそういったことをないがしろにしてきたりとか、自然に対する畏敬の念を忘れたりとか、薄れつつあるきずなというものをいま一度つなぎ直すことで、人と人や人と地域、さらに人と自然のきずなを取り戻そう。そういったきずなの中から、もしくは既存のきずなに力を得て、さまざまな課題にみずからが取り組むということで、住む人も訪れる人も本当に三重県はいいところだな、豊かだなというふうに感じていただけるような、そういった地域社会をつくっていきたい。これを「(うま)し国おこし・三重」が目指すところということで置かせていただいおります。
 続きまして、その次のページでございます。どういう具体的な形でやっていくのかと。構成を3つに分けております。1つは地域での「(うま)し国おこし」。これは地域について学び、地域の課題や将来を語る場を設け、きずなを深める取組や地域の資源を生かした取組を進め、地域の魅力や価値を高めていこうと。この中で1つ重要なのは「場」という言葉でございまして、なかなか地域の方々、いろいろな取組をされて、いろいろな思いを持たれて、いろいろなことをやりたい、もしくはやっていらっしゃる方もたくさんいらっしゃいます。ただ、そういう場がなかなかないという声も一方で聞かれるわけでございます。そういった場をできるだけ設けることで、日頃の思いを吐き出していただいたり、もしくは夢を語っていただいたり、そういうことで地域をよりよくしていこうという思いを集めていく。そういう場を後程出てまいります座談会という形でつくっている。それを積み重ねていこう。これ自体がそんなに大きな成果や派手な情報発信につながることではないんですけれども、とにかく積み重ねていくことが大事だということで、これは期間設定されております6年間にわたってずっと続けていこうという今構成になっております。
 次の構成2、これに関しては、テーマに基づき全県的に取り組む(うま)し国おこしということを書いてございます。これは地域での(うま)し国おこし、先程申し上げました構成1の取組でございますが、そういったものの中には、共通の課題や共通のテーマで活動される方が県内のいろいろなところにいらっしゃるわけです。ただ、なかなかその方々同士が知り合う機会がない。ネットワークというか、結びつき、きずなですね、そのきずなをつなぎ合う場がない、機会がない。こういった場を実行委員会が作っていく。そのネットワークをつくっていくということの中から、せっかくだったらもうちょっと大きな動きにこれをしていこうとか、もしくは私たちのところの手伝いをよその方々がしてくれるんだったら、我々もよそにどんどん手伝いに行こうとか、そういうような三重県内のいろんな思いを持つ方々、共通する思いを持つ方々をどんどんつないでいこうと。それをプロジェクトにしてテーマプロジェクトという形で打ち出していこう。この取組を2年度目から、すなわち来年度から取り組んでいこうという計画でございます。
 続いて構成3でございます。これは節目にかかわる効果的な情報発信ということで、節目、節目でもそういった情報発信をしていこう。これにはやっぱり広報のための予算でありますとか、大規模にして話題性をつくっていくためのいろんな工夫が必要になってくるということで、これも毎年、毎年、さらにはタイミングを見ながらやっていこうと。そして最終年度には集大成のイベントという形で、その成果をつくっていこうということでございます。
 続きまして3ページ目でございます。3ページ目は、取組の進め方でございます。今言ったお話をもうちょっと絵にして示しますと、市町・地域から座談会というものをどんどん開催していく。その座談会を開催する中で、後程出てまいりますいろんなパートナーグループというふうに呼んでおりますが、グループの方々が生まれてくる。もしくは既存の活動をされている方々がグループにご登録をいただく。こういったところで、そのグループに対してさまざまな支援をしていこうと。例えば人材・グループの育成支援でありますとか、専門家の派遣支援、広報・誘客の支援でありますとか、ネットワーク化の支援、さらにちょっとハードルは高いんですけれども、具体的な事業を継続していくためにどうしてもこの最初の初期投資が必要だというようなものに関しては、市町の方々と協議をいたしながら、財政的な支援ということに取り組んでいくと。こういう一つ一つのグループを支援していくという方法、その進め方。さらには県内ほかにもいろいろ同じようなテーマを持ったグループの方々がいらっしゃる。そうであれば、まとまって何か動かしていこう。これが先程の構成2で申し上げましたテーマプロジェクトでございます。冒頭申し上げました一番左側の端の方が構成1でございます。真ん中にあるのがその節目、節目に情報発信をしていってという構成3でございます。これらの3つの構成でもって「文化力」を生かした自立・持続可能な地域づくりにつなげていこうということでございます。
 次のページでございます。
 それでは、4月18日の県民の日にオープニングの宣言を会長の方にしていただきまして、スタートを切ったわけですが、この1年間どんな取組だったのかという状況についてのご報告でございます。
 まず①座談会等の開催、先程申しましたいろいろな思いを交わす場の開催を、当初350回程度というふうな目標を掲げておったわけですが、今のところ座談会、個別座談会、説明会、個別座談会と申しますのは、複数のグループが集まってやる座談会から個別のグループに直接話をしてくれ、もしくは直接話をしていこうというのが個別座談会でございます。そういった回数を合わせますと483回の開催に至っております。
 その結果、②でございますが、パートナーグループの登録数が12月末現在で124グループに上っております。そのグループの方々や、さらには地域づくりや(うま)し国おこしに関心があるという方々を対象に、育成と支援というのが③でございます。ファシリテーションという研修、要するに異なるいろんな意見を取りまとめたりとか、会議の運営手法を学ぶ研修を、津市、四日市市、伊勢市3カ所で開催をいたしました。52名の参加をいただきました。
 それから広報・情報発信の研修、これはいかに自分たちの活動を広く知ってもらうかということでマスコミに対してどういう形で情報を提供するとかということとか、チラシをどういうふうにつくったらわかりやすく伝わるんだろうかというようなことから始めて、さらにはインターネットを使った広報の仕方とか、そういうような最新の技術を使った広報・情報発信の研修なども行っております。これは桑名市、尾鷲市、名張市開催で51名の参加を得ております。これは来年度、再来年度と3年間にわたって、おのおの3地域ずつ県内9地域をカバーしてやっていこうという事業でございます。
 それから、3番目はネットワーク化の支援でございます。ご案内のように、プロデューサーユニットという4人のチームでやっておるわけですが、そのうちの1人がネットワークコーディネーターという職責を担っております。ネットワークコーディネーターというのは、いろんな方々をつないでいく、グループとグループをつないだり、グループと専門家をつないだり、もしくはグループと大学をつないだり、いろんなところできずなをつくっていくという役目でございます。これに関しても精力的にネットワークを構築しておりまして、グループにさまざまな変化が起きているところでございます。
 それから、その次の専門家の派遣支援です。これは12月末現在で3件の実績に上っております。まだそのほかにも申請中であるとか、もう既に今年に入ってから行われたものもございます。今後どんどん数が増えてくるのではないかというふうに考えておるところでございます。
 さらにその次、財政的支援でございますが、これも先程申し上げましたプロジェクトとして、どうしてもこの活動を継続していくために必要な事業をやっていこう。そのための初期投資に関しての財政的な支援でございます。これは4件に上っております。
 それから、最初の年であるということで④でございますが、オープニングということで、先程申し上げました4月18日のオープニング宣言を初めとして、市町での拡大座談会、それから「対話する」大会、キックオフプロジェト、大規模イベントの連携というようなことを行ってまいりました。若干、市町での拡大座談会というのはどういうことかといいますと、先程の座談会を市町単位で、いろいろなグループの方々が集まって座談会をやっていこうというのが市町単位の拡大座談会でございます。これは2月28日の名張市で行ったものを皮切りに、8カ所、紀宝町、志摩市、伊勢市、多気町、桑名市と木曽岬町は合同で、尾鷲市、紀北町も合同で、さらには今後2月に熊野市、御浜町と紀宝町の合同でやるのが予定されております。
 それから、「対話する」大会に関しましては、市町を超えてさらに大きな地域で、そのパートナーグループ、そこにいらっしゃる方々が参加しよう。さらにはその地域以外の方々も参加して盛り上げていこう、対話していこう、地域づくりを語っていこう、こういう大会を5回計画しております。もう既に昨年12月20日に玉城町で伊勢地域の「対話する」大会を行いました。今週末の23日ですが、津市では「若者とつながる力」ということをテーマに開催する予定でございます。そのほか桑名市、伊賀市、尾鷲市と、今年度は5つの「対話する」大会を予定しておるところでございます。
 続きまして、5ページでございます。現時点での成果ということでございます。まずパートナーグループの活動の充実・発展ということが挙げられようかと思います。これは地域をよりよくしていこうとする皆さんのグループが124に上ったというのは先程申し上げましたが、いろんな座談会、要するに登録をされた後も個別座談会というのを何回か繰り返しております。こういった対話を通じて活動の方向性が明確になってきたというようなグループも多く見受けられるようになってまいりました。さらに情報の提供や専門家の派遣という具体的な支援をすることによって目標が明確になってきたというグループもございます。ネットワークの構築で活動が広がってきたという声も聞かれております。こういったパートナーグループ個々の活動が充実・発展してきているという成果が上がっておるというふうに考えておるところです。
 ②パートナーグループ同士の連携ということで、先程申しましたグループ同士が連携すると、1足す1が2以上の力を発揮するということで、市町をまたいだ連携、例えば尾鷲市と紀北町が合同でその座談会をやろうという動きにつながっていったり、また今後もこれを続けていきたいというふうにおっしゃっております。活動領域をまたいだ連携、「三重・とらいあんぐる」というのは、例えば四日市市のパートナーグループですが、地産地消やそういった活動を進めていきたい、それから地元の商店街を振興したい、さらには地域の福祉をよりよくしていきたいという、3つの異なるジャンルのグループが合同でグループを結成して、活動をまたいだ連携をしていこう。こういった連携も生まれております。さらには医食同源、三重県は本草学の大家が江戸時代にたくさん出ておりまして、そういった食べるものと薬というもの、それから自分の健康、体の健康をトータルで考えていこうという、こういったグループもたくさん生まれてきておりまして、新たに県内で連携をして何かできないだろうかというようなお話も出始めているところでございます。
 それから、③担い手の育成支援でファシリテーションの研修、先程申し上げました会議の運営の仕方の研修でございますが、今後の活動に生かせそうですかという事後のアンケートに関しては100%の方が「はい」というふうにお答えをいただいております。さらに広報・情報発信の研修に関しましては、県内の方に講師をやっていただいたおかげで、終わった後もいろいろな相談ができるということで好評をいただいております。
 それから、④企業などの協賛ということで、アサヒビール、アインズに企業として協賛をいただいております。さらに「(うま)し国おこし・三重」サポーターズクラブという、この「(うま)し国おこし」の活動を三重県出身なんだけど、今東京に暮らしていて、何かふるさとのためにお役に立ちたい、手伝いたいというような方々や三重県内の方々も含めて、どんどんこのサポーターズクラブに参加をしていただいているところでございます。
 それから、5番目でございますが、「(うま)し国おこし・三重」の取組の認知度が向上してきている。そういった成果もあるんではないかと。これはパートナーグループがおとりになったアンケートの結果を示させていただいております。
 続きまして6ページでございます。来年度以降どういう取組でいくのかということなんですが、先程冒頭申し上げました構成1、構成2、構成3、これに従って事業を進めていくわけでございます。構成1、地域での(うま)し国おこしは引き続き座談会の開催等を通じて、パートナーグループの新たな発掘や活動を支援していこう。さらには活動の自立・持続性を高めるため、助言や情報提供、専門家派遣、ネットワークづくり、広報・誘客支援、財政的支援というような、本当にグループの実情に応じた支援を有機的に組み合わせして提供していこうというものです。
 さらに構成2でございます。これが来年度から新しい事業として本格化してくるわけです。冒頭申し上げました同じテーマを持ったいろんなグループの方々が横に連携をして、日頃の活動をより多くの方に知っていただける、もしくは日頃の活動をより高めていくという、こういったようなプロジェクトをテーマプロジェクトというふうに位置づけまして展開をしていこう。さらにはなかなか今個別のグループに企業とか団体の方々がどういうふうにかかわっていったらいいのかわからんと、こういうようなお話もいただいておったわけですが、全県的にあるテーマを持って展開していきますプロジェクトに関しては、協賛や協力といったさまざまな関係が生まれてくるということで、その促進をしていくというのが構成2でございます。
 それから、構成3は、先程申しましたテーマプロジェクトの過程や成果をどんどん情報発信していこうというものです。さらにはパートナーグループ同士の連携による有機的な情報発信をしていこうということを考えておるところでございます。
 続きまして、7ページでございます。テーマプロジェクトのとりまとめということで、今、多様なテーマプロジェクトを実現するために、パートナーグループ間で自立して、自分たちで事業を動かしていけるような、そういったことがどうしても必要になってまいります。そういった事務局機能であるとか、プロデュース機能というものを発揮していただくと。そのためにどういうサポートをしたらいいのかということを今課題として検討しているところでございます。さらに企業、団体等との協力、協賛の依頼ということも精力的に進めていきたい。
 それから、2番目でございますが、パートナーグループも12月末現在、124でございますけれども、どんどんこれが増えてまいります。そういった方々のフォローをどういうふうにして担当していくのか。地域担当プロデューサー今2名両わきにおりますけれども、その機能を補完するという意味で、今事務局とも具体的なそのフォロー体制についてのお話し合いをしたりとか、さらには来年度ぐらいかなと思っておったんですが、昨年末から私どもの拠点を三重県内に設けまして、今多気町の方で1つ家を借りまして、そこを今年頭から拠点にしまして、そこから機動力を持って県内各地に行けるように、そういった体制なんかも今整いつつあるところでございます。
 それから③、やはり広報は大事だということは本当にこういう事業はつくづくそのとおりでございまして、パートナーグループの告知、パートナーグループ自体が情報発信をしたいということに関しても余り今対応できていない。そういったものの迅速なアピールができるように、体制を整えていきたいでありますとか、マスコミの媒体各社とこの事業のいろいろな意味や効果についての意見交換を進めるなどの関係構築をしていきたい。
 それから、最後に④でございます。やっぱり連携がすごく大事な事業でございます。実行委員会の構成の主体、さまざまな企業や団体がいらっしゃいますけれども、そういった方々との連携や県庁他部局との連携です。特にこれは情報の連携でありますとか事業自体の連携ということも大事かなと思っております。例えば来年度、中小企業庁で今事業を計画されています着地型の地域中小・小規模企業支援事業というのがございます。これも正式に募集要項をこの2月から出されるということなんですが、いち早く各地のこれは商工会や商工会議所が窓口になる事業なんですが、連携をとりながら、こういった事業を「(うま)し国おこし」としてもどんどん申請をして、活動していきたいなというふうにも考えております。それには県庁内の各部局との連携というのが非常に大事になってまいりますので、そういった行動も重点的に進めていければというふうに思っております。
 さらに先程申しましたテーマプロジェクトへの参加ということで、県内企業との連携をしていこう。さらには既存グループの連携、これはもう既にさまざまな地域づくりの活動をされている、さらには地域づくりの活動を支援するという中間的な支援組織の方々、市民活動センターや、そういった方々との連携というのも、こちらの方からどんどんアプローチをして、いろいろな連携の方策についても協議をしていきたいというふうに考えております。
 以上が全体的な説明でございます。
 続きまして、先程の成果というところを若干補足するという意味合いも含めまして、具体的な事例について地域担当プロデューサーの方からご説明させていただきます。

○志村参考人 県北部を担当しております志村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 お手元の資料8ページでございます。座談会・パートナーグループについての事例を含めながらご説明に入りたいと思います。
 まず、座談会の事例のご紹介でございます。事例1、これは新たに座談会を通じて活動のグループが創出できたというような事例でございますが、木曽岬町の方で7月から継続的に座談会を開催しております。その中で、参加者同士の趣味の話をきっかけにしながら、米粉を使って、それから地元の産品を使った天然酵母、こういったものを使いながら、実はパンをつくっているんですという1人の女性の方がおりました。その話をもとにして、木曽岬町と言ったらトマトがあるじゃないかというようなお話があったりとか、それだったらピザなんかがいいんじゃないだろうかというような意見交換が盛り上がりました。その結果、その8名の座談会の参加者、メンバーで「ごたーげさん」という新しいグループが立ち上がりまして、地元の産品を活用した食の商品開発、それから販売というものを目指す、そういった取組がスタートをしております。今年の3月20日には、木曽岬町の産業文化祭にこのピザの試作品の販売なんかも予定しております。
 それから、今後はやっぱり商品の質の向上、やはりおいしくて、お客さんに喜ばれる、そういうものをつくっていこうじゃないかということで、専門家のノウハウなんかを交えながら、持続的な活動につなげていこうじゃないかというようなことになっております。
 それから、2つ目でございます。事例2でございますが、先程も異なる市、それから町の合同拡大座談会というものがございますということでしたが、昨年の11月22日に桑名市を会場に、桑名市と木曽岬町の合同拡大座談会を開催いたしました。市町を通り超え、新しいグループもあれば、既存の活動に取り組んでいる、そういったグループも参加していただきました。約50名の参加をいただきましたけれども、その中で既に活動をされている方の報告ですとか、それから、これはワールドカフェ方式と言いまして、四、五人ぐらいのテーブルの島をたくさんつくります。そのテーブルを席がえを繰り返しながら、たくさんの方と会話できる、そういう進行の方法をとりましたワールドカフェ方式の拡大座談会を開催しております。
 その結果、テーブルごとに会話、対話を繰り返しながら、お互いに今度出前講座をしてくれないだろうかとか、原材料を供給していこうじゃないかという次回につながるような、そういう連携ができる、そういうきっかけの場にできたというように思っております。アンケートの結果で申しますと、4分の3以上の方々が次回もこういう場をぜひご用意していただきたい。そういうことがあればぜひ参加したい、そういうお声をいただいております。
 次は、9ページでございますが、パートナーグループの活動、座談会から始まった新しい取組について事例をご紹介いたします。
 時間的なこともありますので、9ページ、それから次の10ページにつきましては、1つずつの説明とさせていただきます。ご了解ください。
 まず9ページでございます。事例1、「ごたーげさん」は、先程申しました木曽岬町のグループでございます。事例2では四日市市の「三重・とらいあんぐる」、それから事例3では亀山市の「ぽっかぽかの会」、事例4では津市の「太陽と風の道つくり」でございますが、この「太陽と風の道つくり」をご紹介したいと思います。もともと津市の美杉太郎生地域に「太郎生道里夢」という村おこしのグループの方々がおいでになります。その方々との座談会を通じまして、これまでは勉強会、それからイベントを中心に活動しておったんだけれども、もう少し都市の方との交流ができないだろうかというようなお話をいただきました。実はこの太郎生地域、「太陽の道」という古代遺跡あるいは由緒ある神社が一直線上に並ぶという不思議で歴史的なロマンを感じるような道があると、その道の下にこの太郎生地域はまさしくあるんだと。その線の下の倶留尊山のふもとに湿原があるというようなお話をいただきました。その湿原の回復を都市の住民と一緒にやっていくことで、もっともっと交流を深めていけるんじゃないだろうかというようなことで、新しいこうした自然回復、そういった取組をしていこうじゃないかというようなことでございます。
 それから、次の10ページでございます。10ページについては、既にグループは存在しておりますが、この座談会を通じてもう少し自分たちのグループが持続的に発展できるような、そのために新しい取組をしていこうじゃないかというような事例でございます。事例5では桑名市の「桑名の千羽鶴を広める会」、それから四日市市では「まるごと四日市地域ブランド」、事例7では亀山市の「亀山食の祭典部会」、それから伊賀市では「特定非営利活動法人ユニバーサルデザイン同夢」、こういったいくつかのグループがあります。
 事例5の「桑名の千羽鶴を広める会」についてもう少し補足させていただきます。もともと桑名市に文化として伝わっている千羽鶴、これを後世に伝えていこうじゃないかという目的のグループでございますが、もう少し平和の象徴、ツルを題材に海外との交流を深めていけないだろうかということで座談会を繰り返しております。
 右側の写真に少し目を通していただいたと思うんですが、その千羽鶴を広める会の方々が雑談を交わしている写真がございますけれども、実は日本の生活文化に興味を持って来日していたスペイン人の報道写真家がおりました。その方と千羽鶴を広める会を結びつけましたところ、ぜひスペイン人報道写真家からその活動風景を撮影して、現地スペインで紹介したいというお言葉をいただきまして、昨年末こういった撮影の取材を行いました。
 それから、この会の皆さんはアシスタントランゲージティーチャーと呼ばれるALT、そういった方との共同作業、横のつながりをもっとつくっていきたい。そうすることで外国人向けの資料をつくったりですとか、それから折り方講習を在日外国人にできないだろうかというような事柄を今目指されておるところでございます。
 次の11ページでございます。これは、中間支援活動が始まっている2つの事例でございます。すなわち県内のグループを支えていく立場で自分たちが貢献できないだろうかというような事例でございます。まず1つ目、四日市市の「みえの食と産業推進協議会」でございます。市内の調理製菓専門学校の講師たちを中心としたプロの調理師の組織、こういったものが地域の食材を活用して、製菓を中心としたメニューの開発、レシピの開発を行っていく。それを各地で頑張っておられるグループにそのレシピを無償で提供していただく。グループの収益源になる、そういったメニューを提供していけないだろうかということで、今活動を進めておられます。
 右側の写真は、昨年の伊勢湾台風50年事業の会場の風景写真でございます。木曽岬町のトマトでパウンドケーキ、こういったものを試作しまして限定販売をいたしております。こういったことを繰り返しながら、県内各地のグループと連携を目指していこうじゃないかということで頑張っておられるところでございます。
 次に、事例2の「三重の文化力 放送パートナーズ」、津市を拠点としたグループでございますが、情報発信、そういったものでグループに貢献できないだろうかということで、中間支援活動として県内さまざまな地域で取り組んでいる社会活動、日々の活動、あるいは持っておられる情報あるいは技術、そういったものを映像や音声でインターネットを使いながら世界各国にも発信を行っていこうじゃないかというような、そういったグループも生まれてきておるということでございます。
 それから、12ページでございます。これは一つのパートナーグループへの支援の具体的流れを時系列に並べたものでございます。亀山市の「ぽっかぽかの会」を1つ取り上げましてご説明させていただきます。これは障がいを持っている子どもさんを抱えるお母さん方がつくられた会でございまして、これまでに勉強会ですとか交流会ですとか、そういったものでお互いの交流を深めていく、そんな活動をしているグループでございました。そのグループが上段にございます障がい者が働く喫茶店をつくりながら、障がい者が社会とつながる場を提供していきたい。そしてそのお母さん方も含めた保護者、それから地域住民も交えて情報交換が行われる場をつくっていくことを目指していきたい。そういった会でございます。6月上旬には座談会を繰り返しまして、「ぽっかぽかの会」が、これから障がい者も、それから健常者も隔てなく集まれるカフェづくりを検討していきたい。
 そんな中で、喫茶店あるいはカフェをつくっていくに当たっても、地域の住民の方に本当に安全で、それからおいしいメニューを開発していきたい。そういった言葉をいただいておりました。同時に別途お会いしておりました鹿伏兎山の山並みの自然薯の会、そういったグループを私どもからご紹介差し上げまして、合同座談会をいたしました。その結果、自然薯の活用について協力・連携の方向を検討し、実現に至っております。そういったことを踏まえて、6月下旬にはメニューの開発を目指していこうじゃないかということで、グループの方向性が固まりまして、パートナーグループ登録へと6月下旬には進んでおります。
 それから、11月上旬、合同座談会とあります。同じ市内で自治会連合会が、これもパートナーグループでございますが、「亀山食の祭典部会」というグループを立ち上げております。そのグループがイベントを今度開催するに当たって、ぜひ「ぽっかぽかの会」と一緒に連携できないだろうかというようなことで合同座談会を行いました。その結果、ぽっかぽかの会が自分たちで、あるいは専門家の力を借りながら考えたメニューをここで試作販売する、そういうことを決めております。11月下旬には実際にそのイベントが行われました。東京都の出張料理専門家チーム、これは地域の食材を活用して現代風の料理を創作する、そういった専門家の方々でございますが、そういったお力をお借かりして自然薯を活用したジェラート、アイスクリーム、それからスープなど、亀山市の農産品を活用したレシピを開発していただきました。そのレシピを「ぽっかぽかの会」の皆さんに実際に調理教室を行いまして、右下の写真がその料理教室の模様でございますが、そういった場でプロからレシピを学びまして、グループに引き継がれております。12月中旬には障がい者の就労支援、それから関連法に詳しい専門家をお招きいたしまして、「ぽっかぽかの会」の皆さんに障がい者雇用の全国の実例ですとか、それから施策についての勉強会を施しております。
 今後の予定についてグループと座談会を行いまして、手順の確認をしております。その結果、自然薯ジェラートをもう少し深めていこうじゃないかということで、専門家との販売戦略を相談しよう、それを試作していこう。この「(うま)し国おこし・三重」の成果発表のイベントが今年の2月28日にございます。そこで販売をしていこうじゃないか。4月4日には四日市市で販売していこうじゃないかというような予定も組まれております。それから、3月にはもう一度障がい者についての勉強会をしようじゃないか。それから、このメンバーの方々から、自主的にこの活動については、コミュニティビジネスなんじゃなかろうかというようなご意見がありました。そういったことからも法人化の検討というものをこれから考えていこうじゃないか。作業場の確保ですとか、福祉事業の申請ですとか、将来的にはお店を構える。そういったことについて今準備を進めておるというようなことでございます。
 以上、県北部の事例のご紹介でございました。

○寺内参考人 県南部担当の寺内と申します。よろしくお願いいたします。
 では、県南部の今までの活動のご報告を差し上げたいと思います。
 まず、13ページ上の市町間のネットワークづくりということで、尾鷲市、紀北町の中でも数々座談会を開かせていただいていく中で、各市町のご担当の方から、各市町の中でのパートナーグループ、住民グループの方たちのネットワークとかおつき合いはもう既にあるところが多いというようなお話をいただきました。これから活動をステップアップしたりとかいうためには、ほかの地域と連携しながらやっていけないかということで、昨年来から各市町ご担当の方と協議させていただきまして、合同の座談会をまず開いて、ご出席の住民グループの方、パートナーグループの方のネットワークをつくってみましょうということで、昨年11月29日、尾鷲市、紀北町の拡大座談会ということで、合同で座談会を開かせていただきました。その座談会の中で、ご出席者の中からまた会ってみたいとか、じゃこことつながれば何かビジネスになったり、次の活動につながるんじゃないかというようなご意見をいただいたところと、市町のご担当の方とご協議をしながら、また個別座談会、合同座談会というのを開催しました。
 写真がその座談会の様子です。今年の2月14日には紀北町、尾鷲市だけではなくて、熊野市、御浜町、紀宝町を含めた東紀州全体でこういう拡大座談会をやっていきましょうということでお話しさせていただいております。座談会の中でアンケートをとらせていただきまして、ご出席者の皆様の中からまた会いたい、つながりたいというようなグループが出てくれば、また合同座談会を開いていくというようなことを繰り返しながらネットワークをつくっていこうということで、市町間のネットワークづくりを進めさせていただいております。下の方はサマーキャンプなどの新しい集客の仕組みということで、プロデューサーユニットの中でも特に東紀州地域については、新しい集客コンテンツ、観光コンテンツとしてサマーキャンプというのは非常に有効ではないかと。美しい自然とか豊かな生活文化とかというのを、地域外の方々に特に子どもたちに体験していただければ、すごく成長していただける場所じゃないかなというふうに考えております。それの一つのモデルケースとして、今「NISSYU PLANT」という伊勢市で今登録手続中のグループなんですけれども、そちらがサッカーのジュニアチームの卒業旅行ということでそういう体験をしたいというお話を座談会の中でいただきましたので、まず1つモデルケースにならないかということで、今現状パートナーグループの方にご相談させていただきながら、体験受け入れのメニューをつくっているところでございます。具体的には「けいちゅう」という島勝浦の中学校の校舎を利用した宿泊施設で周辺のパートナーグループ、行政の方々と協力して、まずは1回受け入れのモデルをつくってみようというお話をさせていただいております。
 続きまして、14ページの座談会から始まった新しい取組ということで、これも時間に限りがございますので、1つ事例を述べさせていただきます。
 事例2の「Hinokku(ひのっく」」ですけれども、これは尾鷲市ご出身の若手の女性グループの方のパートナーグループでございます。尾鷲市が好きで、ぜひ残ってここで生活したいという強い思いを持たれている女性の方なんですけれども、できれば地元の素材を使ってということで、尾鷲ヒノキの葉材を使ったおもちゃですとか、小物ですとかをつくられております。そのお話をお聞きすると、情報発信力がなかなか足りないとかいうようなお話もございまして、今、ネットワークコーディネーターの伊江がその作品のデータを持ち帰って、東京の木工作家とマッチングを進めることを始めたところです。
 あともう一つ、県内の大学でも伊江の方がネットワーク活動をしておりまして、これは数学を教えている先生なんですけれども、数学の教材なんかをそういう木を使ってできないかなということで、これもこれからネットワークを含め支援させていただきたいと思っております。
 続きまして、15ページ、これは既存のグループが「(うま)し国おこし」にかかわっていただくことによってステップアップをしていただいたというような事例でございます。これも1つに絞ってご説明差し上げます。
 事例8ということで、「アクティブファーマーズ」という、これは紀宝町でご登録いただいているパートナーグループですけれども、東紀州全域にメンバーがいらっしゃいます。8名のメンバーなんですけれども、皆さん35歳以下の若手の農業経営者、もしくは農業従事者の方が登録されているグループでございます。現状までいろいろイベントをやったりとか、地域の農業情報の発信をやったりとか活動をしていたんですけれども、座談会の中でお話をお聞きすると、ここのグループをつくっている一番の目的が、農業の経営者を地域に増やしたいというようなお話でございました。じゃ、それに絞って活動をしたらどうでしょうかということで、何度も協議を重ねて、行政も入っていただきながら、農業後継者をこの東紀州に呼んでくるにはどうしたらいいかというようなお話をさせてもらっておりました。その中で、東紀州には年間新規就農者を7人確保しないと現状の農業が維持しにくくなるというようなデータもございまして、具体的に目標を決めて、年間7人の新規就農者を増やすにはどういうことをすればいいのかまず考えていきましょうということで、今協議を重ねております。
 こちらのグループにつきましては、キックオフプロジェクトに認定させていただいておりますけれども、7月7日、紀宝町において7人の農業人獲得大作戦と題しまして、新規就農者獲得のための活動発表であるとか、県内の農関連のパートナーグループの方々にご出席いただいて、意見を交換させていただく場づくりをさせていただこうというふうに考えております。
 続きまして、16ページでございます。パートナーグループによる、新しい中間支援活動の始まりということで、これはパートナーグループを助けるパートナーグループというような活動をしておるところでございます。これも1つに絞らせていただきます。
 事例2の「(うま)し国ツアーズ」でございます。旅行業の資格を持たれている旅行会社でございます。これも個別の座談会をさせていただく中で、パートナーグループの交流促進のためのツアーを実施していきましょうと。そういうことで、活動実績としまして、昨年12月12日、交流ツアーということで、東紀州の6グループのパートナーグループに受け入れしていただきまして、15名参加で、まず1回目の交流ツアーを開催いたしました。こういうことを繰り返しながら、パートナーグループのネットワークづくりに寄与したいというグループが「(うま)し国ツアーズ」でございます。こちらにつきましては、そういうグループのネットワークを活用しながら、最終的には着地型の旅行エージェントの設立をしたいというような目標も持たれてございます。
 続きまして、17ページ、各個別のパートナーグループ支援の具体的な流れということで、1つの事例として、「参宮ブランド『擬革紙』の会」、これ玉城町のご登録ですけれども、これの活動の動きをご報告させていただきます。
 まず、擬革紙というのは、ご存じだとは思いますけれども、伊勢地方で生産されていた革に似させた紙、柿渋で固めた紙で、もともとは、たばこ入れとかいろいろなものに使われていて、非常に隆盛を誇った産業だったというふうにお聞きしております。玉城町長とご面談をさせていただいたときに、こういう立派な産業が地域にあったということをみんなに知ってもらいたいと。また、できれば、これを復活させて、玉城町の新しい産業としたいというような熱いお話をいただきまして、それを受けながら、座談会を各地で開催させていただいておりました。座談会を開催させていただく中で、一閑張という和紙を、同じように柿渋で固めたかごとかそういうものに使うものなんですけれども、そういうことを活動の中でやっていきたいという一つのグループがございました。じゃ和紙を同じように柿渋で固めて使うという手法はよく似たところがあるので、ぜひ擬革紙という地域の産業があったので、そういうことにご興味ないですかというお話から活動が始まっております。
 なかなか今残っている擬革紙は少ないんですけれども、明和町の三忠というまちかど博物館にもご登録いただいている昔の擬革紙のメーカーにご協力いただいて、お話しさせていただくと、ぜひそこの現在のご当主も復活させたいと考えていたということで、うまくネットワークがつくれましたので、「参宮ブランド『擬革紙』の会」としてパートナーグループにご登録いただきまして、また7月にはキックオフプロジェクトに認定させていただきました。
 今は、技法が全く受け継がれてなくて、つくられた道具だけ残っているような状態ですので、昨年来からまず歴史的背景の調査とかをしましょうということで、高知県の紙産業技術センターというところに、専門家派遣とかの枠を使わせていただきながら調査の依頼をしております。残った紙の中から5点ほどこちらのセンターの方に送らせていただいて、今何枚のどういう紙が、どういうのりで張り合わせているのかという、そういう成分とかつくり方とかの調査をしていただいております。また2月23日、24日には、ある程度結果が出るということなので、「擬革紙」の会の皆さんで勉強会として高知県の方に行っていただいて、高知県の視察と高知産の和紙の勉強会を開催するというようなことで考えております。2月28日には成果発表会ということで、三忠の過去の画像とか資料とかとともに活動発表をさせていただく予定です。
 完全に製法が失われているものですし、また非常に複雑な製法でつくられていたというような見聞もございまして、なかなか商品化にはハードルが高いと思いますけれども、6年間をかけてご支援させていただいて、できれば商品化につなげていくようなところまでご支援させていただきたいなと思っております。そのためにはやはり各種それぞれのポイントで専門家とつないだりとか、またそういう知識を持っているところとネットワークをつないでいったりとか、また商品化に当たっては、デザイナーとか流通とかにつないでというような支援をさせていただく予定でございます。
 以上、県南部のご報告をさせていただきました。ありがとうございます。

    ②参考人への質問

○辻委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、質疑に入ります。ただいまご説明いただきましたことについて、参考人の方に対しご質疑のある方はご発言願います。

○藤田委員 まず2点ばかり教えていただきたいんです。専門家派遣支援3件、財政的支援4グループと4ページのところで説明を受けたんですけど、この専門家派遣というのは何か人材バンクみたいなのがあってというんか、どういう形で人材を派遣されておるんか。財政支援というのは4グループにどんな財政支援をされたのか、ちょっと教えていただきたいんです。

○宮本参考人 お答えします。まず、専門家派遣に関しましてです。これのまず人材はどこからということなんですが、これは今年度の実施計画で記載しておりますリストをつくりました。各分野のリストで個人名等、それから連絡先というものを把握した上で、その概要を実施計画の中に掲載しておりますが、いろいろなジャンルのリストを一応持っております。しかしながら、なかなかパートナーグループの個別の固有のニーズというのは一律に杓子定規にリストから、じゃこの人というわけにいかないんで、そのニーズをよくお聞きしながら、新たに専門家を探すという作業も一方でやっております。それが一つのパターンでございますが、パートナーグループ自体がこういう専門家を呼んで欲しいんだとか呼びたいんだとかいうような逆提案と申しますか、提案をいただいて専門家を派遣をするというようなケースもございます。
 2点目の財政的な支援についてでございます。これまでどういう支援をしているのかということでございますが、桑名市の「桑名の千羽鶴を広める会」、こちらの方は国際的な情報発信力を高めていくということなんですが、まず和紙を確保したいということで、専門的な和紙に対する目ききと、講座をどうやってうまく運営していったらいいんだろうかということで、松本市にこの桑名折りというか、連鶴を実際にやってみえる和紙問屋の方がいらっしゃいまして、その和紙問屋の倉庫や工場に視察に行かれております。さらにこのグループが目指しております次のステップとして、どんどんこの桑名折り、もしくは連鶴を世界に広げていこうということで、ホームページの作成の委託費でありますとか、外国語の翻訳でありますとか、そういったところの資金を財政的に支援させていただいているということです。
 それから、2番目の例でございますが、「乱歩蔵びらきの会」、これ名張市のグループなんですけれども、江戸川乱歩の具体的な演劇を実際に公演をすることで、エンターテイメントとしても楽しんでいただきながら、江戸川乱歩という先人の文化人を検証していこうと。さらにはそのことにおいて名張市にも誘客を目指していこうと。こういう活動で場が必要だということで、テントを一式購入するということで、これは名張市からももちろん援助いただきまして、実行委員会とあわせて支援させていただいているという例でございます。
 それから、3例目でございます。紀北町の「手づくり工房・ワーイワイ」というグループがあるんですが、ここは魚にこだわったいろいろな商品をつくっていきたいということで、抱き枕なんかをつくっていこうということで、ミシンの購入費をご申請いただきました。その試作品とかの製作の材料費であるとか、ミシンの購入費に財政的な支援をさせていただいているところでございます。
 それから、4例目でございます。紀北町の「下河内の里山を守る会」、こちらはいろいろな生産物を加工できるような設備として、生産物の加工販売所のいろいろな整備をしていきたい。その整備費としてシンクや調理台、ガス台等を、細かく言えば調理器具まで含めて支援をさせていただいていると。これも紀北町とともに財政的な支援をさせていただいているという状況です。

○藤田委員 ちょっと勉強不足なんですけど、個々を財政支援する意思決定というんですか、それはどういうやり方でやっておるんですか。

○宮本参考人 これは実行委員会の中に部会を設けておりまして、そのプロジェクト認定部会で構成をしたメンバーの方に議論、審議をいただいて決定をしているという手順でございます。

○藤田委員 これからどんどんパートナーグループの登録も増えてきて、専門家派遣や財政的支援という当然実行予算があるわけで、予算の中でやっていかないかんのですけど、先程の説明を聞くと、いわゆる始まり的なところが「文化力」を生かして始まったと。社会の人口減少やグローバル化や環境、地域の課題やそんなものを解決して地域を元気にしていこうということなんだと思うんです。どうも「文化力」を生かして始まったところにちょっとわかりにくいところがあるんかなと私は思っておるんです。もちろん「文化力」やそういうところはバックボーンとして大事なんです。このパートナーグループの124グループを仕分けてみると、福祉とかまちづくりとか、食のことが多かったんです。将来それはコミュニティビジネスとしてプロフィットで地域社会を元気にしていこうと、そういうような124のうちのウエートは私から言う、いわゆるソーシャル・ビジネス的な、あるいはコミュニティビジネス的な、いわゆるプロフィット的なところで、従来の市場経済だけじゃなくて、その一企業のビジネスのもうかる、もうからん、もうけられる、そういうところのサポートじゃなくて、地域を元気にしたり、地域のきずなや地域でお金が循環したりというところに、「(うま)し国」のこういう今の流れは相当これからうまく我々も理解してやっていけば、非常に新しい試みで、非常にいいことだと思っておるんです。例えば124グループのそういういろんなイベントを発表するといった持続性からいくと、その後もそこでそれが成長していくというようなことを考えていくと、この124のうちにざくっとしたあれでいいですから、どのぐらいそういうソーシャル・ビジネス的な、コミュニティビジネス的なプロフィット的な要素を持った団体が今みえるんですか。それをちょっとお聞きしたい。大体で結構ですから。割合です、まちづくりとか福祉とか。

○宮本参考人 活動分野ということで各パートナーグループに、観光振興であるとか文化芸術の振興であるとか、教育とか福祉とか、さまざまな言葉、キーワードを選んでいただいておりまして、これは複数選ばれる方々がほとんどなんです。したがって、なかなかビジネス一本やりというところではなくて、ご質問ありましたように、ビジネスを通じて地域に貢献する。もしくはビジネスを通じて地域の今まで日の当たってなかった資源を商品化する、アピールをする、こういったスタイルが非常に多い。ただ数の比率に関しましてはちょっと正確な数字を今把握しておりせん。しかしながら、傾向として南部の方は非常にビジネス志向が高い、これは仮ですけれども、そういったグループの方々が多いんじゃないかというような傾向が今うかがわれております。
 それから、北部の方に関しましても、先程のピザの話もそうですが、地元の産品をただPRしたい、PRしたいと言っても、なかなか動かない。したがって、自分たちで商品をつくって、どんどんアピールをしていくことによって、知名度を高めていったり、またさらにそれが商品として売れればお金が入ってくる。そのことによって活動が継続してくるというような、そういったグループが多いんじゃないかという感覚を持っております。
 もう一つつけ加えさせていただきますと、従来余りビジネスと関係のない分野、例えば福祉の分野であったり、教育の分野であったり、環境保全の分野であったり、こういった方々もやはり活動を継続するために何らかの資金的な循環、もしくは経済的なメリットを生じるような活動につなげていく必要があるんではないだろうかという意識をほとんどの方が持っていらっしゃるんではないかというふうには思います。中には、いや、我々は商売は関係ないんだと。とにかくこれを伝えていきたいんだというような活動をされている方ももちろんいらっしゃいますけれども、まだ正確に数字で申し上げることはできないのが大変申し訳ございませんが、今言ったように大体の流れとしましては、コミュニティビジネスや地域にどうやって利益を還元していくかというような思いを持っていらっしゃるグループの方々が非常に多いというようなお答えにさせていただきたいと思います。

○藤田委員 今から6年間やっていく中で、多分そういう小さな地域経済の中で地域の支援を利用したり、また地域の人材が知恵ときずなでその地域の民力を高めたり、あるいは過疎地域や高齢化社会の中でそういうビジネスによって若者たちがそれを継いでいくとかというような、だんだんこれらが整備されてくると、地域のコミュニティの再生というような、そういうところに同期をしていくんだと。それで、今の経済が非常に厳しくて、お金をもうけて、そのお金が地域で循環する仕組みがないと、それが海外へ飛んでいって、円高、円安でまたグローバルの影響になってくる。いろいろな要素がある中で、はっきりもっとわかりやすく、部門別というとかた苦しいですけど、プロフィットで地域経済を担っていくような部門はどうなんだと。またそんなの関係なく地域の生きがいややりがいの仲間をつくって、地域のそういう社会的なところに貢献するんだとか、そういうような流れをはっきり見せる必要もないけど、見えてこないと、何をやっているかわかってこないんかなという気がするんです。
 そうなると、我々も全部そういうことを精査して、この結果、成功してほしいですから、すべていくわけないんですけど、そういうふうに分けて物事を考えていくと、「文化力」を生かすために始まったというんじゃなくて、やっぱり地域への活力、活性化、持続可能でその地域が元気になっていく・セというような、そういうわかりやすいテーマ、そういうものを目指していく方が住民や、県民に何をやろうというところが見えてこないと、一部の人間だけの形になるんじゃないかなと思っておるんです。
 ちょっと長くなりますけど、例えばプロフィットなら、専門家派遣と言うても、各経済団体や商工会や商工会議所や、最終的には金融機関や保証協会や、お金をどうやっていくかという方向にもつながっていくんです。だから、まだまだ2年目はパートナーグループをつくって、基本的にはそれを発表して、みんながこういうことをやっているんだということを示すということは非常にいいことですけど、それだけではいかんので、そういうところをもっと明快にわかりやすくしていくべきではないかと私は思うんです。その点について何かありましたらご意見いただきたい。どう考えているか。

○宮本参考人 お答えします。「文化力」を生かした自立・持続可能な地域づくりということを基本構想や基本計画を検討していただく段階で、「文化力」という言葉は最初の一番大事な言葉ということで据えております。私の個人的には今の座談会なんかの傾向を見ますと、これはコミュニティビジネスの事業なんですよというと入ってこれないんではないかなというふうに思う方もいらっしゃいます。例えばまちの景観を生かして、まちを美しくしたいと。それから、子どもたちとあいさつを交わせるような、そういう地域づくりをしたいんだというような方が座談会でお話ができるというのも、1つは「文化力」という言葉がついているから入ってこられやすいのかなという気もいたします。
 しかしながら、やっていくうちに、どんどん自分たちのグループが高齢化して、なかなか若い世代が活動を継いでくれないとか、そういう思いだけではなかなか続いていかないという部分を解決するためには、やはりビジネスという手法は必要なのかもしれないなと。そういう意識が座談会の中で芽生えてこられたグループの方も大勢いらっしゃいます。1つはその辺のところで1年始まったばかりでございますので、これが今後流れとして、「(うま)し国おこし」を契機にこういう新商品が出たよとか、こういう新しいサービスができたよというような事例が世の中に出始めますと、おのずとそういう事業の色合いというものを多くの方々に理解いただけるようなところに持っていけるのではないだろうかというふうには考えるところでございます。

○藤田委員 最後に聞きますけど、この「文化力」でそういう別にお金もうけだけというんじゃなくて、お金もうけをしとるまちの商店や、人たちはまさにその地域に住んでいますので、都会からぺっと来て大工場をつくってどうこうというんじゃなくて、そういう人たちはまさにその地域の文化や歴史を担っとるんです。ですから、「文化力」でそういう人たちが新しく出てきて、そういうものだけというような方向に行くとわかりにくい。そもそもそこで住んでおる人たちが仕事をしたり、生活をしたり、働いたりしている中で、当然その文化や歴史を担っているんです。もっとその地域がこういう厳しい時代ですから、元気になってくるとか、あるいはさまざまな地域のこれからの新しい環境問題であるとか、福祉の問題であるとか、人口バランスが高齢者の多い過疎の地域とか、そういうテーマの中で、持続可能にしていくことと、参画していくこと。やっぱり表面的には簡単に人が寄って、いろいろなことをやっていたらそれでいいというもんじゃなく、長くやっていくためには、そういうところがこれからかなりウエートを占めてくるんやないかなと。金もうけだけじゃなくてね。年金と一緒になって、ちょっと小銭を、農産物を売って、それで豊かになるとか、そういう現実的なところもはっきり見えるような形でやっていってもいいんやないかなと、私は思います。
 以上です。

○辻委員長 ほかにありませんか。

○貝増委員 今ずっと目をつむって皆さんの説明を聞かせていただいた。藤田委員が質問されましたけど、どうしても接点が合わないんです。今までの、藤本理事を代表とする県執行部の説明と、今現場を預かられている皆さんの話を聞くと、藤田委員の質問じゃないですけど、ここにも書いてありますように、資金とか、広く、広くと言うけど、県の当初の説明というのは地域が元気になるようにと。衰退するところでも過疎地でも文化は残っている。それをいかにネットワークしながらその地区が元気になるように、今回の(うま)し国づくりの事業展開をするか。それを各地で肩をたたきながら頑張られると。29の各市町の中で頑張ってくださいと。これは県という名前じゃなくて、実行委員会という名前で一緒ですけど、サポートしながら市町とも一緒にやっていって、県内のコミュニティが、あるいは埋もれていくであろう伝承文化でも起こしてみんなが元気になってくれたらいいと。それが今説明を聞いたら、もうけましょう、資金調達します、応援団しますと。そういうのは全部その段階で、県で言ったら産業支援センター紹介とか、農水商工部で事業展開していきますとか、こっちの窓口に行ってくださいとか、ふるいにかけたってください。そうしないと、皆さんのプロデューサーチームというのはこれを基盤にして、いかにネットワークの事業展開をさすかみたいな、そういう寂しいきらいで走っていくような感じを受けたんです。
 だから、もと言うたように、県の藤本理事がしていた、何回もの口からつば飛ばしながらの気張った説明と全然ボタンが合わないんです。現場で行っている説明が。別に世界に広げなくても、その地域が元気になってくれたらいい。例えば名張市の「乱歩蔵びらきの会」でも、あるいは商工会でも、JCの青年部でも全部力を入れて、名張市の観光協会も力を入れてやっている。おのおの事業展開をやっている。何でそこにテントを買ってあげなきゃならないかと。これはもう市町とその団体でしっかりと構築してくださいと、そういう発表をする場がこういった事業の中で、視察があればすぐご招待しますと。一緒にいい見本としてやってくださいと。そういうふうに引っ張っていけば、これは中間報告にも、いろんな財政支援とか寄附金の問題とか運営形態とか書いてあるけど、さっき目をつむって説明を受けたときは県の説明とは違う方向に事業が進んでいるのと違うかと私は思った。完全に利益収益団体を自立さすよう、誘導しているような、失礼な言い方ですけれども、田舎のじいちゃんやばあちゃんが、孫が帰ってくるためにはどうしたらいいかという話は全然上がってこないです。
 だから、その辺は平成22年度から平成26年度までの5年間のタイムスケジュールあるいはきずなづくりの目標ばかり書いてありますけど、これは当初から県の執行部で大義名分をつくったまちづくり、国づくりの事業はきずなづくりであると。きずなづくりでは利益団体とかそんな話は一切なかったことなんです。だから、本来のあれはどうなっているのか。去年もこの委員会で玉城町とか行ったときに、町役場でも例の革から作った昔の小判のやつでもしっかりと行政も力を入れている。その人たちのサポートもしたいと。だから、本当に住民と市町の行政が力を入れて、こういう機会を県がつくってくれたから、しっかりと呼び戻せると。そういうのがぼんぼん出てくるんかなと思った。
 それともう一つが、トータル124グループですか、その団体の中でも一番私たちが望んでいたのは、やっぱり農水商工関係、1次産業です。その団体の自立、そして目覚めさす、応援してあげようと、そういう体制が本当に少ないように思うんです。お金のサポートじゃなくて、自立できるというのはどういう応援をしていけばいいかとか、そっちの方にもうちょっと力を入れてくれるとありがたいなと思うんです。これは多分インターネットで実況中継やっていますから、藤本理事がいいんと言うているかわかりませんけれども、改めて執行部には聞きますけれども、今日はこういう皆さんお忙しい中でも当委員会に来ていただいて、生の現場あるいは現在やっていることを、明日やることをこうして時系列で説明いただいた。それで現場というのが一つ一つのぞかなくても、皆さん方はどちらの方へ軸足を置いているかなというのを今日は感じ取ったわけなんですけれども、その軸足の変更をできるものか。それは当初から隠れた軸足だったのか。今やっぱりこの2月議会の中で執行部に対して確認をしなければならないと思っています。その辺は別にああやこうやというわけではございませんけれども、実際の現場、これからの指導方針、皆さんの取組方、これを読んだとおりで動かれるのか、それとも私が今お話ししたような、我々が聞いていた分野と、その整合性をどこかでまたすり合わせをして進めていただけるものか、その辺今聞いていただいた中でもし答えられる面があれば、またお話ししていただけるようなことがあれば教えていただけたらと思います。

○宮本参考人 今、委員から、農水商工関係がもうちょっと元気になるような取組というような形が「(うま)し国おこし」の中でもっと出てこないといかんのじゃないかというようなご指摘がございました。先程申し上げました東紀州や県南部の方では比較的そういう直接生業にかかわるグループの方々がどんどん意見を求めたりとか求めに来られたりとか、もしくは新しい商品開発をどうしたらいいだろうかというような非常にダイレクトないろんな相談事が結構多うございます。したがって、今申し上げた当初の「(うま)し国おこし」の進み方、もしくは進め方との整合性ということに関しては、執行部の方々と協議させていただきながら進めていければいいなというふうに考えます。
 それから、ちょっと補足ですが、先週ですけれども、鈴鹿市の方で卵の生産組合の方々、それから植木の生産組合の方々ともお話をさせていただきました。鈴鹿市は結構そういった業界、産業団体の方々が産業団体としてという形も一番あるんですが、その中の有志の方々がグループ登録をしていただいて、新しい突破口を開いていこうとかいう機運も非常に高くございまして、非常にユニークな新しい市場づくりであるとか、商品づくりであるとかに関して、集中してお話し合いを進めさせていただいているところでございます。

○貝増委員 いろいろ立場があろうかと思いますけれども。三重県の南部の地域に利益をもたらしたい思いのグループが多いと。あくまでそういう人はベンチャー志向みたいな責任をとれる支援だったらいいんですけれども、限られた時間、年月の中での未来永劫までこの機会、このチャンスの時間帯を通じて自立できる、頑張ってくれるという意識堅固が、多少のお金が要るやろうし、そのために県も予算を組みますけれども、そういう形でジャンプしたいのであれば、こういう道筋、ここでも県の商工会の会長もおみえになりますけれども、いろんな窓口というのはあると思うんです。そういうところに紹介して、本気で利益を生みたいんで自立したい、商売としてやっていきたいと。あるいは専門家の方へ一つ一つその大きさに合わせた紹介をしながら、この会の勉強会は勉強会としてやっていただくと。何もかもこの会で面倒を見るというのは絶対見られないと思いますし、先程私申し上げたように、このイベントの目的がだんだん変わってくるなと。ともに地域の中で元気づけたい、頑張ろうなと思うている人たちが一歩引いていくかもわからん。そうすると、平成26年度、形はできたけれども、明日はもうおらへんだわと、そういうことにならないようにお願いもしたい。現場を預かる皆さん方が一番発言力も強いんですから、県の執行部に対してもはっきりとした現場の声と、これからの道筋方、若干の変更を大事であれば言っていただいてもいいと思います。やっぱり描線が常時交わりながら、この県内29の市町の180万県民がその飢えている人たちが本当に喜んでいただけるような事業、バイパスをつくってくれるような仕事にしていただきたいなと思います。

○辻委員長 ほかにございませんか。

○森本委員 僕は今の東紀州から相談に来るなんていうのは、確かに来るんだけれども、そんなことはほうってもろたらいいと思う。そのために貝増委員言うたように、あんたらのやり方というのは産業支援だとともかく私は思う。これ藤本理事らでも訳がわからんまま、あなたの話術に乗せられたんだろうと思う。そんなことは「(うま)し国」の「文化力」に何も結びついておらへんやんか。そんなことを自慢気に言われたくはない。僕はそう思う。何でそういうことをするのが「文化力」なのですか。自立・持続可能な地域づくりになるんですか。そんなの迷惑や。そう思わない。それと「(うま)し国」とがどうつながっていくのですか。「(うま)し国」というのは産業づくりか。あんたら「文化力」じゃないのですか。だから、藤本理事らは何にもわからんままあなたらに乗っかっておるだけだ。こんなあほみたいなことを言われたら、もう私は納得いかん。
 産業の資源、いろんな財政援助を求めてくるていうようなもんだったら、東紀州対策局があるやんか。調子のええようなことを言うんだったらやめた方がいいと思う。あんたらいくらぐらいでこれ受けとるのですか。このプロジェクトをどのぐらいの予算で受けとるんですか。それがどういうふうな形で、自分たちの取り分じゃなくて、地域へいっておるのですか。執行部が来たら聞くけどね。それはいいけれども、例えば非常にこの中身を聞いておって、今もみんな言うとるように、結局既存の施設を利用し過ぎておる。新たな「文化力」じゃなくて、そこにあった。これ今全29市町が実施しておるんですか。全部がもう実施しておるんですか、このグループづくりは。

○宮本参考人 説明会とか事業の説明に関しては全市町村にご説明させていただいております。

○森本委員 その成果はどうですか。各市町村にも立ち上がっておるんですか。

○宮本参考人 グループの登録に関しましては、登録グループがない市町もございます。

○森本委員 その登録、それは市町村の協力関係だろうと思う。これは、あなたたちに自発的に来たんじゃなくて、市町村にそういうグループはおらんか、おらんかとして集めてつくった部分も僕はかなりあると思う。東紀州の方でもかなりあると思う。既存のグループに乗っかった。具体的に言えと言うけれども、これはインターネットが入っているから個人名が出るから言わないけれども、それと旅費等については高知県へ行く例も出とったけれども、こういう旅費は自己負担させるのですか。みんな官費じゃないのですか。税金じゃないのですか。そんな馬の面へニンジン下げたようなことをする。こういうことをするから金の切れ目が縁の切れ目なんだろうと思う。だから、あなた自身この124グループとかと言うたけれども、この中で実際問題残っていくのは僕は既存の施設しかないと思う。
 例えば北川知事が、じゃりンピックというのをやった。非常に人気があった。みんながあれを継続することを求めた。しかし、金が出なかった、県が、出さなくなってからつぶれた。かなりの人数、何千人という人数が参加した。それで県が補助金を出した。非常にすばらしいと。砂利浜、七里御浜を舞台にいろんなことをやる。県が出さなくなった途端にポシャった。僕はそういう中で124のグループが1けたぐらいしか残らんのやないか、それぐらいのあれしかないんとちがうかと思う。あなた自身はもっと残ると思いますか。124グループがずうっと自立・持続するような、そういうふうな自信を持ってこれ取り組める。取り組んでいますか。

○宮本参考人 グループはグループの構成員によって固有の考え方で運営されておりますが、皆さん共通してお話なのは、やっぱり活動を継続していきたい、続けていきたい。したがって、今までもこれだけ活動しているんだから、余計なおせっかいは要らないというようなグループの方もたくさんいらっしゃいます。しかしながら、時代もどんどん変わっておりますし、新しい時代にどういうふうに対応していくかとか、後継者をどういうふうにして引っ張ってきたらいいんだろうかという切実なお話もあるわけでございます。そういったことに関しましても持ち得る限りの力でもって、もしくはネットワークを駆使して、何とか後継者が続いていけるようなご支援ができないか。もしくはそういったことを一緒に考えていくという時間をとってやっていけないかというふうには考えております。
 それから、いくつ残ると思うかというご質問ですけれども、私は2002年に愛媛県から観光を通じた事業を考えてほしいと委託を受けました。今までの観光というのはキャンペーンをやったら、キャンペーンをやった翌年まではいいけれども、終わったらまたその効果がなくなってしまうということで、町並み博という地域の住民の方々が、自分たちで観光資源をつくっていく。さらにそのことでお客さんにも喜んでいただき、若干の収入も入るというような仕組みをたくさんつくっていこうということで、グループ数が83グループできました。2004年に終わった後、2005年には約80%の66のグループが、活動を継続されるということになりました。
 さらにその後、2005年には中間支援的な組織機能を持たせようということで、旅行業を民間の方に立ち上げていただきまして、その結果もありまして、県の支援、サポート等も若干あるようには聞いておりますけれども、今現在そのグループは115グループに増えております。そういう意味では今でき上がった124のグループで、残るものはほとんど前からやっていたグループだけじゃないかということに関しましては、新しいグループもぜひ残っていけるような努力を最大限していきたいというふうに考えております。

○森本委員 もう簡単なのや。質問はしても無駄だろうと思うけれども、この「(うま)し国」という理念の「文化力」と、今言ったように、企業が起こして、東紀州からそういうふうな相談、どうやったら商品開発ができるんかどうかという、これは農水商工部の範疇のものであって、あんたたちが手詰まりになったから、そんな異分野へ乗り込んでいっておるのと違いますか。本来の意味での「(うま)し国」、いわゆる「文化力」というものへ私はシフトしておらんと思う。頭を打って、もう行き場がないからそういうところへ逃げてっておるだけで、この「(うま)し国」が今の言われたような感覚だったら、企業の助けてくれだとか、どうやって商品化していったらいいんだとかというんだったら、これはもう意味ないから、来年度予算が少なくてもそういうものすら私は反対する。それで、それやったら東紀州に文化がないということやないか。三反帆も入っておるやろ。あれもグループ入っていますやんか。

○宮本参考人 今、委員お話ありました文化と企業を起こしたりとか、産業を育成とかというものを分けてお話をされているように感じるんでございますが……。

○森本委員 そのとおり。

○宮本参考人 日にちは失念しましたけれども、三重県のリーダーシップ研修会のときに講演させていただきまして、そのときの資料に、愛媛県の場合は観光振興だけを目的に事業をやりましたと。ただし、「(うま)し国おこし」の場合は観光振興、それから物産振興、産業振興というその図でございますけれども、3つの下に絵をかいて、そういった経済に関係する部分以外にも環境や教育、さらにはそういう直接的にすぐにはお金にならないけれども、人間の暮らしを形成する中で非常に大事なものも含めて、それを分け隔てしていた今までの仕組みを新しい仕組みに考えていこうということで、この「(うま)し国おこし」というものを全県の実行委員会、今は政策部がご担当されていますけれども、別にこれは農水がやるから、農水商工部だ、それから産業支援センター、石垣理事長にも非常に今回この事業はバックアップしていくというふうにお話もいただいておりますが、そういう今までの仕組みでやっていたことで解決できない問題も含めて、今までやっていらっしゃった方々も含めて一緒に解決をしていこう。そのために横の連携をとりながら、福祉の方々も商店街の振興の方々も、農林水産の地産地消で三重のいい商品がいっぱいあるのに、もっと地域の人にアピールをしたいという思いも、まとめてグループにして、ともにそういう活動をやっていきましょうというようなお話を今申し上げているところでございます。ちょっと話が飛びまして申し訳ございませんが、当初最初からそういういろいろな領域をすべて含めて「(うま)し国おこし」、すべて含めてそれが人間の暮らしである、文化そのものだと。その力を底上げしていくんだというのがこの事業であるというように基本構想検討委員会の中でも、その経済だけじゃないと。人々のきずなというものは大事だと。じゃ、きずなが大事だから経済は関係ないのかということじゃなくて、そういったものを含めてトータルで考えていくというのが、この(うま)し国おこしの一つの新しい挑戦じゃないかというふうに考えるところでございます。

○森本委員 それは見解の相違であって、僕らは金額は決まらないにしたって、一応36億円ぐらいのものを目途にしておる。そしてそれだけの金を使うだけのことについては非常に地域の文化を掘り起こす。長い伝統、長い年月をかけてはぐくんできた文化を一つの柱にして、この活動をやるんだということでやられたけれども、地域に対して、三重県じゅうにこの「(うま)し国おこし」の事業が知れ渡ってない。私らやって今日なぜあなたたちを呼んだかというのは全然動きが見えないから来てもらったんや。だから、そういうところも非常に反省すべき点やろうと私は思います。恐らく質問するにもしようがないほどこの「(うま)し国」というものに対してはみんなが理解してないと思う。
 それはあんたらに言うても仕方ない。藤本理事が後から来るんだろうけれども、彼もああ言えばこう言う、こう言えばああ言うで、ぐにゃぐにゃ言うとるけれども、今あなたたちの言われたようなそんな、理屈はいくらでもつくけれども、我々が非常に疑問に思っていたいわゆる県民のものになっていかない。初年度だからこそなおかつアピール度がなかったら、これは私は続いていかんと思う。6年たって結果を見てくれでは、私はあかんと思う。ともかく今あなたの話を聞いておって、東紀州は仕事のどうのこうのと言うたから、それだったら私らはもっと違った方法で東紀州の振興というものを考えさせた方が、だって東紀州対策局が全然ああいうふうな熊野クラブだとか、いろいろなものをやっていくこと自体がおかしいんで、あれなんかでもほかの政策部なら政策部の予算、道路にしたって、この農林の予算にしたって、いろんな形で東紀州の活性化、そのためにいろんな予算を寄せ集めてくるんだ。東紀州のいわゆる商工業の振興を図るというんなら、わざわざ「(うま)し国」というような名前をつけていただかなくても結構だと思う。そんなことの中で東紀州を見られておるんだったら私は不本意や。今あなたたちの言い方に関して。

○宮本参考人 東紀州でいろんな産品の開発やビジネスの展開に関してのご相談があるということで申し上げました。そのことは今委員のお怒りになっておりますというふうに申し上げて……。

○森本委員 お怒りになっておるよ。

○宮本参考人 怒られているということに関して、もしそれが私の言い方が悪ければ、本当に謝ります。ただ、申し上げたいことは、東紀州だから文化がないということとは全く違うと私は思います。

○森本委員 それはわかっている。それはわかったけど、あんたたちが本当に東紀州に埋もれている文化というものに対して目を向けておるか。あなたね、1つ言うならば、今「熊野比丘尼」とか、あるいは「油屋おこん」だとか、ああいう郷土劇をやっておる劇団がある、素人劇団が。そして、地域の中に埋もれた伝説、今度は吉田庄太夫、いわゆる水野の和歌山藩の代官の伝記で大変木本の村の人たちはお世話になった。義士だということでそれに取り組む。「油屋おこん」だって村を救うために売られて、伊勢の古市へ来て遊女になった。そういう歴史というものに対してあなたたちが本当に接触したのかどうか。比丘尼だってそうです。熊野本宮のあれは日本全国へそのお札を持っていって売る、そういう伝記。あるいは花の窟のいわれ、お綱かけ神事はどういう形なのかというのを一つ一つあれしたようなものに、そういうものこそ私は埋もれた文化を発掘すると思う。そんなものはほっといて、いや、そういうものを見て、ああこれは文化とは関係ないんだ。やっぱり商工業の振興が熊野の文化なんだと言うんならわかるけれども、そういうものに目を向けないで、他力本願で進められておるから、東紀州の方へ行ったって「美(うま)し国」なんていうのは誰も理解しておる人は僕はいないと思う。
 もう一つ聞くけど、あんた紀南担当やろ。ここへ書いてあるけど、どういうふうな指導をしておるのですか。僕はよく知っておる。知っておるけれども、古道何とかのクラブってあった。16ページや。「木本古道通りの会」、これ石畳にしたわね。

○宮本参考人 はい。

○森本委員 これはあなたたちはどういうふうな形で育成しようとしておるのですか。この「木本古道通りの会」というのはそことはちがうのですか。

○寺内参考人 今、「木本古道通りの会」の皆さんとお話しさせてもらっている内容は、木本古道通りだけじゃなくて、周辺の地域の人たちも通りの方に出てきて活動を一緒にできないかなというようなお話をいただておりまして、まだ具体的なご支援には至ってはおりません。

○森本委員 やっとることはその程度なんだ。4月から出発しておるんだから、やるんならやる。あんたらのは他力本願さ。勝手に成長してきたら自分らの手柄にする、枯れたら、それはその人たちが悪いというような形の中で、今さっきのそういうふうな歴史発掘した地元劇団1つにしたって、そんなものはと言うて、藤本理事は取り上げんけれども、今、中西という県民センター長がおるやろ。彼なんかはそれこそ地域の文化、歴史を掘り起こし、北山一揆なんてもう悲惨なもんです。
 だから、そういうものも含めて、もっと勉強しなかったら、本当に泣くよ、このイベントの趣旨は。そんな産業やとか、そんなことこそあんたらにやってもらわんでもいくらでもできる。我々の力で。しかし、「文化力」ということの中でやろうと思ったら、県会議員には力がないから、これはできんと思うけれども、これはあんたらに言うても仕方ない。藤本理事の本当のパフォーマンスでやった仕事であって、何ら成果を上げてないと思う、今のままだったら。終わります。言うても仕方ない。東紀州がああいうふうなことで言われたというのは非常に不本意だということだけは委員長、言いたかった。おしまい。

○辻委員長 ほかにご質疑ありませんか。
 ないようですので、これで参考人からの意見聴取を終わります。
 参考人の皆様におかれましては、本日は当委員会にご出席いただき、貴重なご意見を賜りましたことに対しまして、当委員会を代表して御礼申し上げます。本日お聞かせいただいたご意見は、今度の当委員会の審査等において参考とさせていただきます。どうもありがとうございました。
 ここで10分程度休憩いたします。再開は3時10分。

          (休  憩)

  (2)平成22年度の取組について

    ①当局から資料に基づき説明(藤本理事)

    ②質問

○辻委員長 ただいまの説明に対し、ご質疑はありませんか。

○貝増委員 冒頭聞かせていただくんですけど、これは藤本理事がつくられたやつですか。

○藤本理事 私がつくったわけではございません。実施計画につきましては、プロデューサー等と現在地域に入っている方々の意見も踏まえて、プロデューサーにまず案をつくっていただいて、私どもと議論した中で構成しているものでございます。

○貝増委員 同じように去年、平成21年度予算のとき、この計画のときは28億円から30億円、三十何億円と言われましたけど、全体計画は今はいくらになっていますか。

○藤本理事 全体計画については現在出しておりません。ただ、昨年度議論がございました予算、計画そのもののやろうとする方向については基本計画にのっておりますので、間違いがございませんけれども、予算的にはどのくらいになるかははじいてはございません。ただ、現実は当初お示ししたものよりは縮小しつつございます。22年度の今の予算規模は。

○貝増委員 どのくらいになっていますか。

○藤本理事 以前お示しした計画の中では……。

          〔「わからん、以前お示ししたあれ……」の声あり〕

○藤本理事 6年間で30億円という形でお示しをさせていただいております。これは市町村の負担は別に私どもの事業という形でお示しさせていただいております。平成22年度につきましては、その際に3億円から4億円という予算の要望をさせていただいておりました。しかし、現在、関係サイド、予算調整等議論をしている中では、それよりも減ってきております。3億円よりもっと下になってきております。

○貝増委員 それで、今のコンサルタントとの契約は6年計画での、この事業が終わる平成26年度までの一括契約ですか。ようけまわしとるやないですか。

○藤本理事 年度、年度の契約でございます。

○貝増委員 おいくらになりますか。

○藤本理事 これはプロデューサーの委託料でございまして、今4名お願いしているわけですが、平成21年度はおよそ4500万円でお願いをしております。

○貝増委員 そうすると、4名のプロデューサー4500万円、年度、年度ですから、その実行予算の中のあれと、そこから上がった、あるいは現場からつかんだやつでこうして新しい資料をつくっていく。それの大体トータルの資料と人件費、ほかの分野の、地区ごとの。それなんか大体どのくらいつかんでいますか。

○藤本理事 資料と人件費というのは特につかんでおりませんけど、資料というのはそんなにお金をかけて我々収集しているわけではございません。人件費につきましては、ご存知のように私どもの職員が、今、「(うま)し国おこし・三重」担当で各県民センターに1名ずつおりますし、嘱託職員も1名ずつおります。なお、緊急雇用の関係で伊勢県民センターには現在プラス1名おります。これはうちの予算そのものよりも県全体の人件費の中で予算に、嘱託職員は我々の方の予算でございますけれども、職員そのものの予算は一括別計上されています。我々の中には先程申しました少なくとも30億円の中には入っておりません。

○貝増委員 じゃ今年も当然各地区に1人ということは嘱託で、10人2000万円ぐらいの経費がかかっているということですね。

○藤本理事 ちょっと計算してみないとわかりませんが、それほどはかかっていないと。

○貝増委員 月16万5000円として12カ月。

○藤本理事 失礼しました。非常勤嘱託職員につきましては2100万円をお願いしております。

○貝増委員 これはちょっと数字的なことで、頭で聞かせていただいたんです。
 最初3ページで説明された、これがやっぱりどうしてもネックになって、先程の参考人の話でも聞いたんです。地域での「(うま)し国おこし」、今までの理事の説明は、例えば地域でも本当に過疎地あるいは中山間でも町のど真ん中でもいろいろな伝統文化、伝承文化があった。それをもう一遍復活して、地域が元気になるようにというのが基本コンセプトだということがしっかりと脳裏に入っているんです。それが事業説明を受けると、各地域で本当にこれ「(うま)し国おこし」の事業かというふうなこの1年間の取組状況の説明をいただいた。
 ましてここに書いてある、「全県的により規模の大きい活動として発展していくことが期待されるとともに、全国的な情報発信にもつながります。」というのは完全に去年まで藤本理事が我々に対して議会で説明してきたこととは乖離した行動になっているんじゃないか。まして平成22年度においても、こういうテーマに絞ってくる。どんどん大きく、大きくしてやっていく。本来の目的というのは、小さな地区、小さな祭り、小さな団体であっても、山椒は小粒でも、その地域が復活するためにはその人たちをもう一遍元気づけるために応援しなければならないと。それが事業展開に変わってきている。この辺の整合性が先程来聞いていても、全然頭の中で合わないんです。これは聞き方が間違っているのか、今までの理事の説明がきれいな言葉だけで発していたのか。実態を聞き漏らしていたのか。そのへんを今日はせっかくの機会ですので、改めて知事初め知事部局は実行委員会まで含んで本当に何をしたいんやと、この事業で。30億円前後のお金を使いながら、この6年間で本当に何をしたいんやと。荒らすだけ荒らしてしまうような活動やったらやめてほしいというのが本音でございます。いかに県内各地域津々浦々までその地区の伝統文化あるいは伝承文化がどれだけその地区の活性化につながる運動にしてもらえるものかという期待はあった。そのへんについてはいかがでございますか。

○藤本理事 まず、伝統文化を発掘して、それを継承するということだけを私はかつて申し上げたつもりは全くございません。私どもが昨年のこの基本計画をつくるときからの議論で申し上げていますのは、「文化力」を生かした自立・持続可能な地域づくりがこの取組の原点であり、目標であるということです。「文化力」とは何ぞやという話でございますけれども、これは詳しく言うと大変わかりにくいんですが、簡単に言うと、経済力に対比された言葉というふうにお考えになっていただいたら私は非常にわかりやすいかなと思います。これまで余りにもいろんなものを経済価値で判断されていたんじゃないか。地域づくりにおいてもそうだと。したがって、競争力のある経済的に勝てるものを使って、地域づくりをしていこうというのがこれまでの動きだったんではないかと。
 しかし、そうじゃない。いろいろなこと、例えば棚田を見た場合に、生産性、経済性から考えたらば、非常に労働力がかかって生産力が上がらない。だから放棄していくというのが今までの恐らく地域づくりの中でのとらえ方だったろうと思うんです。しかし、よくよく考えてみようじゃないかと。あの棚田が耕され、水が張られ、穂が実った景観を見てください。日本の原風景じゃないですか。耕されていれば水がちゃんと張ってあって、国土がしっかりと保全されるじゃないかと。違った価値があるでしょう。こういったものを見出して、その地域づくりに生かしていこう。これを私どもは「文化力」というふうに呼んで、経済力と対比した関連でそういう地域の「文化力」を生かして地域づくりをしていく。そして地域づくりを一過性に終わるわけじゃなくて、自立・持続可能な形に強化させていく。あるいは育てていく。こういったことを通して元気な地域をつくっていく。それが格差是正の社会なり、今ひずみの生んだ社会をだんだんと改善していくんではないか。それはむしろきずなという形で、地域と一体となって進んでいくんではないかということで進めてきているわけでございます。
 したがいまして、「文化力」というのはもっとストレートに言うならば、私は地域の資源だというふうに言えるんではないかなと思っています。それは人であったり、物であったり、事であったり、物語であったり、歴史であったり、文化であったり、あるいは風景であったり、いろいろなものがあるだろうと。少なくとも世界に勝てる競争力のある何かというわけじゃない。今までは見過ごされていた、あるいは弱みとしてどちらかと言ったらとらえられていたものかもしれない。こういったものに光を当てて、それを磨き上げることによって地域づくりに生かしていこう。これが「文化力」を生かすということだというふうに我々は考えております。
 したがいまして、「文化力」を生かす自立・持続可能な地域づくりというのはそこに焦点を当てていこうという考え方です。しかも一過性に終わるんじゃなくて、それを自立させていこう、持続させていこう。ただ、我々のこの取組には期間がありますので、6年以内にそういった方々については自分たちで自立できる、持続できるような仕組みに何とかしていただいて、手を離していくという形でできれば一番いいなというふうに考えているところでございます。したがって、ジャンルは限っておりません。

○貝増委員 そうしますと、それだけのことが県事業として、理事が言われたことが一過性じゃなく持続できる、その与えられた時間内に、そういうことをはっきりと相手が理解して、そして継続。守るのはお金が要るという話もしていますけれども、この短期間のスパンの中でどれだけのものをできるかと。逆に言ったら。まだまだ数を増やしてステージに乗っていただこうというときに、上げるだけ上げて、あと知りませんということも出てくる。おいしい話をされてきたけれども、ついていけない。一過性じゃなくて自立というのは本当にその地域のコミュニティビジネスまで持っていってもいいかわかんないけど、なぜ全世界に目を広げるような、そんだけの背中を押す責任が県にあるんか。あるいは市町までいって、誘導する、その責任の担保はどこにあるんかと。県にもいろんな組織がある。
 先程も言ったんですけど、自立するお金、経済観念を増やしたいというんやったら、そういうパーツ、パーツに振り分けて、そちらで頑張ってください。道すがらをつくりますと。この「文化力」から(うま)し国づくりの事業とは本来そこまでははっきりとどこでも説明してなかったはずなんです。いつの間にか事業収益を上げることが、活動を継続させる観点やと。これだけはっきりと目につくようになったんです。そうしたとき、今まで実行委員会という名前の隠れた県庁がそういうテーマまでつくりながら、誘導しても結果責任が問えるんか。その点はいかが考え、こういうスケジュールどおり何とか進めたいと思い、行動されているのか、理事の考えを教えていただきたい。

○藤本理事 県の責任でございますけれども、私どもは県を元気にするには、地域がまず元気でなきゃ無理だろうというふうに考えています。もちろん県全体を元気にするいろんな方法があると思います。どこかで集中的にやることによって全体を引き上げるという方法もあるだろうと思います。しかし、こういう時代においては、地道な地域づくりを通して全体を上げていくことが格差なりひずみなりというものの解決に生きるんじゃないかと考えた場合には、県全体を元気にするにはまず地域が元気にならないといけないだろうと。その地域が元気になるには、地域でいろんな活動をされている方々が元気になっていかなくてはいけないんではないかというのが基本にございます。その方々というのは、やはり地域づくりを担っていただいているグループの方です。だから、まずその方々に焦点を当てて、その方々が元気になっていただくようなことをしていく。それが県全体を元気にする県の責任だと私は思いますので、まずは地域の元気をつくり出していくところに入っていくのが我々の責任ではないかなというふうに思って、地道な地域づくり活動というものに焦点を当てて、この取組を始めたというふうに考えております。
 もう一つ、経済的な面、例えばビジネスになった面についてはどうするかという話がございます。我々はまず取り組む分野はあらゆる分野を対象にしておりますので、すべてが経済行為で自立できるものとは限らないというふうに考えています。当然のことながら、委員ご指摘のように、コミュニティビジネスなりいろいろなビジネス化して、自立できるものもあるでしょうし、あるいはほかの委員がおっしゃったように、伝統文化を、今廃れようとしているものを継承するのは、ビジネスになるかといったら、それは難しい。しかし、そこに継承できるような、例えば世代交代がうまくできるような仕組みを、我々と一緒になって考えることで導入できれば、ビジネスではないけれども、文化という形で継承できるだろう。こういった分野もあるでしょう。あるいは福祉の分野もあるでしょう。いろんな分野がある。その中でそれぞれ自立・持続できるような、それに合ったやり方なり、仕組みなり、形態というものがあるだろう。それを何とかできるように支援していきたいというのがもともとの思いなんです。ですから、ビジネスだけを考えているわけではございませんし、仮にそれがビジネス化でうまくいくんであれば、我々の手だけじゃなくて、農水商工のところを借りるとか、産業支援センターのファンドを使ってくださいということをもう既にしていますし、これからもしていこうと思っています。伝統文化についても、これは本来文化でしょう。だったら文化も引っ張り込んで、私ども一緒になってやりたいというふうに思っているわけです。すべて我々でしようなんていうことも思っていませんし、ビジネスだけというものも全く考えておりません。あらゆる分野について、それぞれが……。

          〔「簡潔にやって」の声あり〕

○藤本理事 自立・持続できるにふさわしいやり方でやっていきたいというふうに考えています。

○貝増委員 これも簡潔に答えてほしいんです。じゃそこまで気張るんであれば、平成22年度から平成26年度までの間に4段階のきずな、自然、地域、人、三重、この連結のテーマは何ですか。今しゃべっていることと若干のずれがあると思うんですけど。

○藤本理事 どれがずれか私はよくわかりませんけれども、そもそもこの人と自然のきずな、人と地域のきずなというのは基本計画の最初のところにございます、まさにきずなが薄れている。これを取り戻そうというものをここに年度別に焦点を絞って掲げさせていただいているところでございます。

○貝増委員 これはまた追っての委員会で質問させていただきますが、最後に、もう1点だけ。最後の財政的支援、これは特定企業が書いてあるけれども、本当に全県でのそういった形で企業運営を求めるのならば、もうはっきりとしたファンドじゃないけども、これが未来永劫まで続くような(うま)し国づくり三重基金と、基金じゃないけど、免税措置も受けた給付。そういうところまで考えてやっていくものか。それともこの平成26年度までやけど、平成25年度でもうそういうのを締めて、全部精算して、私どもの仕事終わりましたと言うていくものか、それだけ答えてください。

○藤本理事 もともと財政支援というのは1回限りの初期投資に対してするというふうに申し上げています。グループが平成26年度まで出てくる限り、間に合うならば平成26年度のグループであっても財政支援はしようかなと今考えています。ただし、先程も言いましたけど、1回限りの初期投資だけです。その後は自立できるものに対して財政支援をしていくというスタンスでおります。

○貝増委員 本予算とは別ですね。

○藤本理事 本予算ですか。

○貝増委員 年度、年度の事業予算で全部入れていますか。

○藤本理事 財政支援は年度、年度の予算の中で計上させていただいております。

○辻委員長 ほかにございませんか。

○永田委員 私もこれがスタートしてからのことを思うわけですが、確かに県民のこれに対する認知度というか、今ここまで来て、どう考えて、どういうふうに判断しているんですか。

○藤本理事 大変痛い指摘でございまして、1万人アンケートによりますと16.数%でございまして、私どもまだまだ低いというふうに反省をしているところでございます。今後認知度を高めるべくいろいろ努力してまいりたいというふうに思っています。

○永田委員 私もそれをちょっと指摘したかったんで、今たまたまいろいろ出たんで、例えばそのきずなづくりなんですが、今藤本理事の言われたような藤本理念と申しましょうか、そんな理念の理解度がどんだけあるかというふうに思うわけです。これはなかなか県民に今まで確かに認められたので、何も申しませんが、なかなか私は底辺は至っていない、これが実態だろうと思います。これひとつ今後の反省点として、どうすればいいかということにまず取り組むべきだと思うんです。これが1点。
 それから、今年度の取組なんですが、今のひっかかっている部分です。各全県的に例えば私の地元の四日市市のことを言えば、いろんな要するにボランティア的な結成されたグループがたくさんあるんです。それを今掘り起こして、「(うま)し国」につなげて、そしてそこにきずなをつくる。こういう理念はようわかります。理解できますし、このためにはどうするかということ。もう一つ、理念の浸透とともに、そういう方々の掘り起こしをどうするかということも、これ、ただわっと打ち上げて、ぱっとやったんでは、なかなかその掘り起こしが難しいんじゃないかというのが私の実感です。その掘り起こしをどうしていくか。こういうことでないといい理念だけは打ち出しているけれども、なかなかそれが現実問題として結びついていかないんだろうというのが私の実感です。このテーマに結びつけて全県で取り組む云々と言っていますけど、なかなかそこらへん難しいんじゃないかな。現実として。そういうことを考えますと、もう一度そこらへんも原点に返って、それをどういうふうにしてやったらいいかということの施策をつくっていただくことが大事です。この2点。平成22年度これですか、やっていこうとするのは。そうせんとなかなか結びついていきませんね。
 以上、私の意見を申し上げておきます。

○藤本理事 先程も申しましたけど、確かにそのへん私どもまだまだ行き届かない点があります。そもそも、「文化力」を生かした自立可能な地域づくりがこの取組であるというふうに申していますが、「文化力」そのものの理解もなかなか皆さんに持っていただけてないというところがございます。それを含めまして、この取組の認知度を何とか上げたいなというふうに、いろいろ考えております。現在もキャラクター募集に際しまして、新しい取組ということで、若い人たちに理解していただけるようなひとつ宣伝もさせてはいただいておりますけれども、そういったことも含めまして、引き続き努力をさせていただきたいというふうに思います。
 また、もう1点の、いろいろなグループの掘り起こし、特に既存のグループとの関係も含めまして、本来我々の座談会は、公募型で自発的にグループ活動をしている方あるいはグループをつくりたい方々に集まっていただくというのを、取組の原点でやっておりますけれども、今ご指摘のように、既に活動しているたくさんのグループがあると。そういった方々とも、たとえ座談会に参加をしていただけなくても、何とか我々の取組と一緒にやってくれるようなことができないか。そういう人たちと一緒に地域づくりを進めていくことができないか少し考えたいなというふうに思っております。そういう方々を巻き込む方法を考えてみたいと思っています。

○永田委員 終わります。

○辻委員長 ほかにございませんか。

○森本委員 私が藤本理事に言いたいのは、やっぱり君は言葉を羅列するだけで、中身がない。簡潔に言わないところが君の悪いところ。中身のないところ。きれいな言葉ばかり言っておるけど、我々の中に何にも伝わってこない。感動もなければあれもない。それで、君は答弁がふまじめや。平成21年度の予算を、貝増委員が言うたけれども、その予算すら把握してない。あっちこっちいく。これ結局書いてある。平成22年度の予算はまだこれは編成中だからわからんけど、平成21年度の予算がわからんようなことでは、そんなのはごまかしておるとしか思えない。ここらももうちょっと、きちっと答えよ。それから、この4000万円のコンサルタント料、これについても君は答えなかった。いわゆるこの資料は入っておらんというような話しかしなかった。何に使われておるのかという答弁も、これは答弁漏れや。これは委員長も注意しなかったのは悪いんだろうけれども、もう一回聞く。4000万円のあれというのは年度を別にしておるんか。これ6年間での契約なんか。

○藤本理事 4500万円というふうに先程。

○森本委員 4500万円。

○藤本理事 4人で4500万円ほどでございまして、これは年度、年度で契約をさせていただいております。年度、年度で計上させていただいております。

○森本委員 そうすると、これ6年掛けるといくらになるんですか。

○藤本理事 2億7000万円ですか。

○森本委員 そんなのは掛け算せんでも君らは頭の中に入っておかなあかんのとちがいますか。そのこと自体がいいかげんだし、これ宮本参考人と君との癒着をかなり感じる。君らの話の中で。僕は今日の話を聞いて、4人に4500万円も毎年、毎年払わなきゃならん。払わなきゃならんというのは非常に問題だ。これはそのこと自身からもう一回予算委員会の席上で議論したらええと思う。それと、高知県の紙の技術センターか何かへどこかが見学に行くというけど、この旅費はどこが出すのですか。

○藤本理事 旅費については行かれる人が負担すると聞いております。紙の検査料について私どもの支援で行うというふうに聞いています。

○森本委員 そしたらコンサルタント会社は何をやるんだ、この4500万円で。旅費か。

○藤本理事 コンサルタント会社は直接そこにはかかわっておりません。紙のそういう試験場とか、あるいはこうしたらいいじゃないかという紹介をしているのがプロデューサーの立場でございます。

○森本委員 それで4500万円のコンサルタント料を払とるのですか。

○藤本理事 それは1つの事例でございますが、県内の今現在であれば124のグループに対してそういういろんな助言、アドバイスをするのがコンサルタントのプロデューサーの仕事というふうに理解しています。

○森本委員 そうすると、君らは4500万円の詳細というものはただつかみで契約したんか、積み上げした中での契約なんか、何社か応募あったんやろ。その中で宮本参考人のところを選んだというのは、その積み上げの結果選んだのですか。旅費がいくらだとか、1年に何回座談会を持つとかというような形の中でこの4500万円を決めたのですか。

○藤本理事 基本計画をもとに、この基本計画を進めるに当たって、どういうプロデューシングができるかを公募いたしました。その際に3社の応募がありまして、その中の1社が現在契約しているところであります。当然その中でこの基本計画を進めるに当たっては、座談会をやったり、こういうことをやったりという提案を受けて選ばせていただきました。

○森本委員 だから、その4500万円の詳細というものについては君らは把握しておるのですか。旅費だとか日当だとかというような形の中で。

○藤本理事 これは人件費そのもの、契約料金と旅費でございます。行動費については一般的旅費の算定です。

○森本委員 それは全部君たちはそういう積み上げた資料を持っとるわけですか。

○藤本理事 総合プロデューサーはいくら、それから地域プロデューサーはいくらという資料だけです。

○森本委員 だから、いわゆる座談会が、総合プロデューサーがどこかへ出かける、何回出かける、だからこんだけの金額になるんだというような4500万円の明細となるのか、つかみで安いから4500万円にしたんだということなのか、どっちなんですか、それは。

○藤本理事 行動の量といいますか、何回三重県に来るとか、そういうのはございます。それを基準にして人件費を算定してお願いをしています。

○森本委員 すると4500万円についての内訳というのはきちっとしたものがあるということやね。つかみじゃなしに。積算したものがあるということですか。

○藤本理事 きちっとというのはどのことを。あります。

○森本委員 君は詭弁を弄するけど、橋を1つつくるにしても、ダムをつくるにしても、道路をつくるにしても積み上げていくんやで。古道センターを委託するについても、こうこうこういう人件費はこうなんだとか、こういう行事を何回やるんだ、こうするんだというような形の中で積み上げていくんやないか。何を言うんかというのはまるっきりつかみやないか。こんなのは君と宮本参考人の癒着とちがうんか。そんないいかげんな積算だったら、私はそう思う。

○藤本理事 例えば今ご指摘のように、橋をつくるとき、主任技術者が何名でいくらとか、こういう積算ではございません。総合プロデューサーなるものはいくらという一つのこういうことに携わる人のいろんなところからのデータで私ども算定をさせていただいています。

○森本委員 いろんなところのデータというのはどういうふうな形ですか。君やって土木技師なんやから、そこらのところの積み上げというのはわからんわけじゃないやろ。

○藤本理事 地域づくりに携わるプロデューサー、全国に何人かいらっしゃいますし、私ども現在お頼みしている方を選ぶに当たりまして、何人かのリストがございました。その中の人たちの契約料について、過去のいろんな携わった仕事の中で把握をさせていただきまして、それをもとにこの方ならいくらという形で考えております。

○森本委員 そしたら、その4500万円の明細を開示してくれ。この委員会に。それと、私は今日3人の話を聞いて、本当に地域のことをよくわかっとるかどうかというのが非常に疑問だ。今のいわゆるグループでも、市町村にどんだけグループ出してくれという市町村経由でグループを形成しておるような、募集しておるような経緯やあらへんか。そんな、ぬれ手でアワみたいなこの4500万円だと、これはもう高過ぎる。そこらどうですか、考え方は。

○藤本理事 高い、安いの議論は私はなかなかそれは難しいと思いますけれども、こういったプロデューシングしている方というのは全国にそういらっしゃるわけではございません。我々もそういう中で選んだものですので、妥当というふうに考えております。

○森本委員 今、あのプロデューサーらが言うておるようなことは、格段の頭脳も知識も必要としておるようなもんじゃない。むしろ君らがたんたんたんとやっていけばやれないようなことでは僕はないと思う。今日の話を聞いて、皆さんはさすが4500万円で安いかなと思うかしらんけれども、少なくとも僕は4500万円では高過ぎるような気がする。その高い、低いは明細書を出してもろた時点であれや。それと、大洲市とか何とかで非常に増えてきたと言うたけど、彼は平成5年の話をしたのか、2005年なのか、平成5年なのかわからんけれども、そんな古いデータじゃなしに、大洲市が現在どの程度グループが伸びてきておるのか、そういう把握はしとるのですか。

○藤本理事 現在いくつあるかはまだ私ども把握しておりません。聞いている限りでございます。

○森本委員 だから、その比較にしても、2005年なのか平成5年だったのかはわからんけれども、成果を言うならば直近の成果を言うべきであって、どっちにしたってはるか昔のデータを持ってきて、翌年度は90グループが120グループまで伸びたとかというような古いデータで示すんじゃなくて、現在の、2005年やったら今から5年前だ。平成5年だったら15年前や。そのことによって自分たちの力を誇示するんなら、やっぱり最新のデータを持って言うべきであって、非常に極めて僕はあいまいなあれでしかない。まがいものみたいな気がしてしようがない。そこらについて君はどう思いますか。

○藤本理事 データにつきましては、私どももお聞きすればわかると思いますので、それについては一番新しいデータを調査させていただきたいと思います。

○森本委員 北川知事のときに鳴り物入りでじゃりンピックをつくった。そして、毎回5000人とか3000人とかというのがずっと続いた。それで、我々もやってほしかった。しかし、県の支援が打ち切られた途端に、財政的に非常に困窮してできなくなってしまった。だから、その二の舞になるような補助体系は組んであらへんのか、この中には。

○藤本理事 まさにそういうご指摘がないような形で、私どもは運営費に対しては補助いたしません。初期投資でどうしても必要なものに対して1回だけ支援する。しかもそれは持続することがわかるプロジェクトに対してするというのが我々の考えで、そういうものに対して支援をさせていただきたいというふうに考えております。

○森本委員 あなたたちはグループの数を、何百というような数を競うんじゃなくて、そのグループの中身が僕は問題なんだろうと思う。だから、先程も紀南担当の方に質問したけれども、全然歩いた形跡がない。常に周囲の人たちのあれを待っとるんだ。もう少し地域に入っていってやるとかしなければ、恐らく行動計画を調べてみよ。市町にグループを集めさせて、その席上へ行って話をしただけで帰ってきておるような状況じゃないのかなと思う。そこらのところの活動日誌なり活動状況というのはつかまえておるのですか。日本でも数少ないプロデューサーなんだから、どう動こうとこの程度なんだと。動こうが、動かまいが、名前がすばらしいんだから、名跡があるんだから、これだけでいいんだというような物の考え方なんか。実績というものもある程度つかまえておるんか。

○藤本理事 どういうグループにいつ座談会等で入ったかということは私どももわかりますけれども、その合間の時間がどこまでいったかについては把握しておりません。ただし、地域のいろいろな資源、取組の現場等々に伺っているということは聞いております。

○森本委員 そうしたらもう最後にするけど、平成21年度の君たちは「文化力」を生かした自立・持続可能な地域づくりというものについて、いわゆる展望が開けてきておるか。そこらはどうなんですか。

○藤本理事 財政的支援の4件、今年させていただきましたけれども、そういったところについては持続できるんではないかというふうに考えております。こういったものも通して、そういう認識を深めていきたいなというふうには考えております。

○森本委員 終わるけれども、僕はこのきずなというものもいわゆる文章的なものであって、本当のきずな、今、親子のきずな、人と人のきずなということも非常にだんだん8割とか9割の人がなくなったと感じておる中で、この文言の羅列じゃなくて、来年は少なくともそういうきずなというものが実感できるような取組というのをやってもらいたいということを要望して終わります。

○辻委員長 ほかにありませんか。
 ないようですので、これで「(うま)し国おこし・三重」の取組についての調査を終わります。当局にはご苦労さまでした。

          〔当局 退室〕

    ③委員間討議

○辻委員長 それでは、本日調査いただいた事項について委員間討議をお願いします。今後2月から当初予算の審査等にも入っていきますので、それらも踏まえてご意見をお願いします。

○森本委員 疑問に思ったのは、印象としたら、藤本理事らは言葉をきれいに羅列しておるけど、実際問題中身は訴えるものが何もない。そういうことと、もう一つは、あの程度のプロデューサー3人来たけれども、あの人たちはここへ張りついておるんじゃなくて、それだけにしとるんじゃなくて、いろんなことをやった上での4500万円という金、それから金額についても3億円近い金を出しておるにもかかわらず把握してない。そして、極めて藤本理事らの答弁は委員会軽視やと思う、僕は。そこらを委員長からも注意しておいてほしい。平成21年度の金がわからん。これ6年間契約していくやんか。そんなものが四、五の6掛けて、五、六、三十の、四、六、二十四のって、そんなようなことではないやろ。もうちょっとまじめにやってもらう。それは委員長から注意しておいてもろたらええと思う。それと、どんどんどんどんとこれから県外へも宣伝していくと言うけれども、県外よりも県内にまだまだ周知徹底してないし、あの趣旨が理解されてないんだから、そういうことも含めて今のままでこの「(うま)し国」の予算というのは私はよう通さない。このままでいくんだったら、私は来年度のあれを出してくるんだって言葉の羅列だけで予算をやれというのは、全体計画としては賛成しとるけれども、個々の予算については反対する、否決する権限だって個々にあるんだから。もう少しきちっと精査し、あの4500万円の内訳についても、彼は土木技師や。パソコン打って金を出してきた人間があんな答弁をすること自体が間違いやと思う。
 もう少しきちっとした4500万円の明細を出すと言うんだから、そこらも出してもらって、新たにせんでもいいけれども、次のあれについてそういうことも含めてやってもらわなかったら、僕は委員会を極めて愚弄しとると思う。ほかの事務屋ならともかく。土木技師の端くれの彼があんな契約についても、的確に答えんし、もっと簡潔に言うてもらえるようにしなかったら、どうも歯車がかみ合わないような気がする。もうそれだけ。委員間討議で皆さんどんな意見を持っておるのか知らんけれども、僕は非常に4000万円の印象については、2000万円についてはこれは仕方ないわ。しかし、プロデューサーに任せておるんやったら、あとの暫定補佐員、各地域に一人一人置いてある人たちが何の仕事をしておるんかということになる。そこらとの兼ね合いもきちっと次は説明できるようにしておいてほしいと思う。
 はい、おしまい。

○辻委員長 ただいまの森本委員の意見に対しましては、私も委員長として重く受けとめ、今後の委員会運営の参考にさせていただきたいと思います。
 ほかにございませんか。
 ないようですので、これで委員間討議を終わります。

 

〔閉会の宣言〕

 

三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。

政策総務常任委員長

辻 三千宣

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