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三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成22年度 委員会会議録 > 平成22年10月4日 防災農水商工常任委員会 予算決算常任委員会防災農水商工分科会 会議録

平成22年10月4日  防災農水商工常任委員会 予算決算常任委員会防災農水商工分科会 会議録

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防災農水商工常任委員会

予算決算常任委員会防災農水商工分科会

会 議 録

(開 会 中)

 

開催年月日    平成22年10月4日(月) 自 午前10時03分 ~ 至 午後 5時02分

会 議 室     201委員会室    

出席委員       8名

                          委  員  長   末松 則子

                          副委員長   辻 三千宣

                          委   員   北川 裕之

                          委   員   藤田 泰樹

                          委   員   水谷   隆

                          委   員   吉川   実

                          委   員   西場 信行

                          委   員   藤田 正美

欠席委員        なし

出席説明員

   [農水商工部]

                          部  長                         渡邉 信一郎

                          理  事(商工・科学技術担当)       林  敏一

                          観光局長                       長野   守

                          副部長兼経営企画分野総括室長   加藤 敦央

                          農産振興分野総括室長          山田 裕典

                          農業基盤整備分野総括室長      岩﨑 光雄

                          水産振興分野総括室長         藤吉 利彦

                          商工・科学技術振興分野総括室長  川島   弥

                          観光分野総括室長              中村 巌穂

                          科学技術政策監                服部 吉男

                          獣害対策担当参事              広塚 耕三

                          農水商工総務室長              嶋田 宜浩

                          財務経理室長                  匹田 實也

                          団体検査室長                  浅野 泰彦

                          農業経営室長                  近藤 和夫

                          マーケティング室長               吉仲 繁樹

                          農産物安全室長                芝田 充弘

                          農畜産室長                    赤松   斉

                          農地調整室長                  藤田 敦夫

                          農業基盤室長                  福岡 重栄

                           農山漁村室長                 前田 佳男

                          水産資源室長                  遠藤 晃平

                          水産経営室長                  丹羽 啓之

                          水産基盤室長                  田中 俊行

                          産業集積室長                  福田 光紀

                          商工振興室長                  田中 幹也

                          金融経営室長                  福田 進一

                          企業立地室長                  大橋 範秀

                          科学技術・地域資源室長         矢下 祐二

                          観光・交流室長                  北村 文明

                          企画・経営品質特命監           冨田 康成

                          人権・危機管理特命監           渥美 仁康

                          農業戦略特命監                森内 和夫

                          家畜防疫衛生特命監            小畑 晴美

                                                                   その他関係職員

委員会書記   議   事   課  主査    坂井  哲

                           企画法務課   主査   小野 明子

傍聴議員        なし

県政記者クラブ 2名

傍 聴 者       なし

議題及び協議事項

Ⅰ 分科会(農水商工部関係)

 1 議案の審査

  (1)議案第2号「平成22年度三重県一般会計補正予算(第5号)」の関係分

 2 所管事項の調査

  (1)「三重県における補助金等の基本的な在り方等に関する条例」に基づく報告(関係分)

 

Ⅱ 常任委員会(農水商工部関係)

 1 所管事項の調査

  (1)「『2010年版県政報告書』に基づく今後の県政運営に係る意見」への回答について

  (2)「第三次戦略計画(仮称)素案」に係る施策等について

  (3)指定管理者が行う公の施設の管理状況報告について

  (4)食の安全・安心の確保に関して実施した施策に関する年次報告書について

  (5)「三重県食を担う農業及び農村の活性化に関する条例(仮称)」について

  (6)「三重県水産業・漁村振興ビジョン(仮称)」の今後の進め方について

  (7)三重県の景気動向調査等の結果について

  (8)地域産学官共同研究拠点(みえ“食発・地域イノベーション”創造拠点)について

  (9)美(うま) し国・三重 農商工連携フェア等の開催について

  (10)「三重県観光振興条例(仮称)」の制定に向けた検討について

  (11)三重県営サンアリーナの指定管理者の選定について

  (12)各種審議会の審議状況の報告について

  (13)リーディング産業展みえ2010の開催について

 

【会議の経過とその結果】

 

〔開会の宣言〕

 

Ⅰ 分科会(農水商工部関係)

 1 議案の審査

  (1)議案第2号「平成22年度三重県一般会計補正予算(第5号)」の関係分

    ①当局から資料に基づき補充説明(渡邉部長)

    ②質疑

○末松委員長 それでは、ご質疑がございます方はよろしくお願いします。

○北川委員 簡単に関連してなんです。最後にご説明いただいた口蹄疫対策の関係で、子牛の価格高騰リスクの関係で安定化をということなんですけども、今の価格の変動状況がもしわかれば教えてもらいたんです。

○山田総括室長 肥育素牛は、口蹄疫の関係で牛、豚が殺処分されたということで、宮崎県におきまして牛、豚の頭数がかなり減っております。8月末に宮崎県で口蹄疫の正常化宣言が出たことによりまして、9月当初から宮崎県におきまして子牛の市が開催されたところでございます。
 最新の数字でございますと、7%程度の上昇ということになっておりますが、今後ほかの県からの引き合いもあるということも予想されます。引き続き数字は見守ってまいりますが、最新について我々が把握しているのが7%でございます。これ以上になる可能性があるということもございまして、そのために畜産農家の方が子牛を仕入れる際に負担が多くなることを考えまして、この補正予算を検討させていたものでございます。

○北川委員 7%ということでしたら、数万円前半ぐらい。

○山田総括室長 いい牛は50万円から60万円というのが一般的な相場でございます。その7%といいますのは3万円から4万円ですが、子牛の価格はかなり上下の変動がございますので、引き続き数字につきましては注視してまいりたいと思います。

○北川委員 わかりました。ありがとうございます。

○末松委員長 ほかにございませんか。

○吉川委員 「がんばる商店街応援隊」、これは3人、新規雇用すると。それはそれでいいんです。これはその道のベテランというか、知識を持った方を採用されるんであろうと思いますが、ここに書いてある以外に具体的にもうちょっと詳しくわかったら教えてください。

○田中商工振興室長 「がんばる商店街応援隊」でございますが、これは緊急雇用で雇用いたしまして、その雇用に応じた方に各商店街の応援に行っていただくものでございます。雇用する対象の方は、特にベテランの方とかそういうイベントとかにたけた方に限っておるわけではございません。
 実際にやっていただく内容は、各商店街が行うイベントにおけるお手伝い、物販とかあるいはくじ引きとかのお手伝いプラス、イベント以外のときには各商店街が美化活動とか社会貢献活動を行うことがございますので、そういったことのお手伝いもいたします。さらにこの「がんばる商店街応援隊」といった事業を県がやっておるということを各商店街の方にPRをすると、そういったこともふだんからやっていただいております。
 したがいまして、委員ご指摘のように、ベテランの方にそのベテランの方のノウハウを活用してということではございません。ある意味、商店街の方誰でもできるんですけれども、ただ、人員が不足しているところを応援するという、そういう趣旨の事業でございます。

○吉川委員 そうすると、専門家が行くんじゃないということですね。それで、わずか、三重県下で3名の方で、どこにも商店街というのはたくさんございますが、そんなのではお茶を濁す程度しかできないと思うんです。お茶も濁らないと思いますがどうですか。

○田中商工振興室長 当事業は6月の補正予算で最初にご承認いただいておりまして、そこで10人の雇用を予定いたしております。実際に委託した委託先の方の努力もございまして、現在12人を雇用いたしております。その12人でも人手不足であるというか、各商店街の方からいろいろご要望がございまして、今回9月補正でさらに3人を増やすと、そういう事業でございます。

○吉川委員 まず、試験的に派遣して、それでよければそうした応援隊というか指導的役割をする、活性化のために頑張って指導してもらえる人をどんどん増やしていくという考えなのかどうか。将来展望を踏まえて、今3人でちょこちょこっと線香花火のようにして終わるのか。そこらへんの当局の今後の方針。

○田中商工振興室長 先程申し上げましたように、当事業は緊急雇用事業でございます。緊急雇用対策といたしまして、現在職のない方に働いていただくということが一つの目的ではございますが、もう一方の目的といたしまして、各商店街が自主的に集客イベントとかそういったことを行う際に人手が足りないところを応援するということでございます。いろんな県内の各商店街が行っております先進的なイベントを、そういった方々にも情報を収集していただき、我々がそれを集約し、ほかの商店街にもそれをPRすることにより、県内の各商店街が今後、自主的にそういった活動に取り組んでいけるよう、そういったねらいを持つ事業でございます。あくまで緊急雇用が前提という事業でございます。

○吉川委員 わかりました。そのお話はわかりましたが、あくまでも雇用対策がまず前面に出て、そして商店街の活性化というものもさることながら、雇用対策でやるんだということですが、部長、これそんなんでよろしいのですか。

○林理事 商店街の活性化、それについては従前からの課題でございますし、それぞれの商店街で活性化に向けていろいろご努力をいただいています。そういう状況の中で、緊急雇用という基金事業がございますから、これをいかにそれこそ活用していくかということで、この2つの命題を組み合わせた形でこの事業を行わせていただいています。
 趣旨は緊急雇用ということがありますので、どうしてもそこをお話しさせていただくときに外しては申し上げにくいところがございます。その点はちょっとご理解をいただきたいんです。商店街の皆さんからは、こういう形の派遣、応援ということになりますので、あくまで主体は商店街の皆さんですから、行った者が勝手にどんどん進めるということはできませんので、そういう意味の応援というのは一定ご評価いただいております。
 緊急雇用事業自体は予算的にも、例えば来年、平成23年度までということに今なっております。さらにこれを活用して商店街の皆さんが自主的にと言うとあれですが、より主体的に、積極的にたくさんのことをしていただけるように、十分活用をしていきたいと、そのように考えております。

○吉川委員 わかりました、ありがとう。的を外れないように頼みます。

○末松委員長 ほかにございませんか。

○藤田正美委員 この「がんばる商店街応援隊」で、吉川委員が言われたように、商店街が大変厳しい状況にあるというのは、もう私が言うまでもございません。
 そやけど、緊急雇用という枠の中でそういうところへ目をつけていただいて、単なる収益性だけの議論じゃなくて、やっぱり地域を元気にしていく、あるいは地域の社会貢献とかそういうところの担い手でもあるんだと、そういうところがこれから商店街の人たちとか中小規模事業者たちに対して、県はやる気があるんだぞというようなメッセージがさらに発信されれば、非常にこれはこれからの展望につながっていくんではないんかなと私は思っておるんです。そういう意味では、こういう時期に一歩踏み出していただいたと私は思っているんです。
 ですから、そういう中で地域を元気にしていく原点というんですか、そういうものの大きな流れにつながるようにしていただければなと、私は思います。

○林理事 藤田委員、おっしゃっていただいたところが、緊急雇用の事業をやっていろいろなアイデアを出す際に、単に人を雇うだけということじゃなくて、地域であるとか県が持っております課題にどうつなげていくかということで、今回、こういう「がんばる商店街応援隊」ということで、頑張ってみえるのは商店街の皆さんですので、そこをいかに応援するかということで事業を組ませていただきました。
 その視点については、先程も申し上げましたように、引き続いて商店街であるとかそういったものの活性化につながるように努力をしていきたいと思います。よろしくお願いします。

○水谷委員 教えてください。農業水利施設の状況調査、緊急雇用創出事業ということで400万円組んでいただいております。今、非常にこういった施設が老朽化されていて、いろんな状況の中で不備が起きてきているわけです。この隧道等の農業水利施設についてと、こう書いてあるけど、大体どれくらいの程度の範囲までこれは行くわけですか。

○岩﨑総括室長 これまでにも基幹的な水利施設、約200カ所につきましては、緊急雇用等を利用して調査をさせていただいております。今回、提出いたしますこの普通の水利施設につきましては、特に古い施設でトンネルがある施設、隧道と申しますが、トンネル部分があるところを重点的に調査させていただきます。
 実は、数年前から古い、人が入るのがやっとぐらいの、1メートルぐらいのトンネルの中が崩落いたしまして、一時的に断水になったということもございます。そういう施設を緊急的に集中的にやるということで、事業量としては数カ所を、それ程多くないぐらいの規模を想定しております。

○水谷委員 わかりました。
 そういうことであればそれでよろしいんですけど、今いろんな地域で非常に老朽化しています。そのへんはもう既にその200カ所の中に一部入っとる部分もあるわけですね、そういう施設については。

○岩﨑総括室長 200カ所につきましては、もう少し大規模な頭首工とか基幹的な水路をやっております。これはもう少し中小規模まで踏み込んでしたいなということでお願いしておるところでございます。

○水谷委員 わかりました。細かいところというか、余り小さな部分というのは入ってないわけですか。そういうことですね。

○岩﨑総括室長 どれぐらいが小さいかという問題ございますが、これは比較的小さなトンネルも対象にしてやるというふうに考えております。

○水谷委員 わかりました、ありがとうございます。

○末松委員長 ほかにございませんか。

          〔「なし」の声あり〕

○末松委員長 これで本議案に対する質疑を終了いたします。

 

    ③委員間討議   な  し

    ④討論         な  し

    ⑤採決         議案第2号の関係分  挙手(全員)   可決

 

 2 所管事項の調査

  (1)「三重県における補助金等の基本的な在り方等に関する条例」に基づく報告(関係分)

    ①当局から資料に基づき説明(加藤副部長)

    ②質問

○末松委員長 それでは、ご質問がございましたらお願いします。

○北川委員 平成21年度の実績とあわせて平成22年度の交付も決定された社団法人三重県トラック協会の交付金の関係なんです。財源でいろいろ議論のあった交付金かなと思うんですが、実績報告の結果調書の方で評価も書いていただいてあるんですが、もし詳しくわかれば、この中でも輸送力の確保、輸送コスト上昇、違う違う、ごめんなさい。低公害車導入に伴う費用の一部助成だとか交通安全対策事業、共同施設の整備、輸送サービスの改善等の各種事業って書いていただいてあるんです。交付金なのでどこまで細かくわかってられるかわからないですが、ちょっとこの文言だけではどんなことに使われたのかよくわからないところがあって、もしわかれば教えてください。

○嶋田室長 例えばこのトラック協会の5億円余りの補助金の関係です。まず大きく環境・交通安全対策事業というのをやっています。中身的には、例えば後方視野支援システムの導入・促進事業だとか、ドライバーコンテストの参加経費の助成、地域交通安全運動の参加経費、あるいは啓発・広報といったようなものを環境・交通安全対策事業としてやっています。また、輸送サービスの改善だとか近代化対策という中では、トラックの日なんかのPR事業をやったり、事業基盤の確立ということで会員事業者の経営安定に資することを目的とした信用保証料の一部助成だとか、あるいは経営合理化推進ということでグリーン経営取得の支援研修、そういったものをやっています。もう一つ、3つ目の大きな柱として緊急輸送物資輸送体制事業としましては、緊急時の連絡用移動通信機器の整備助成だとか、あるいは地域防災参加訓練での経費、そういったもろもろの事業をこの補助金の中でやっているというものでございます。

○北川委員 また、詳細資料で教えてください。
 これの財源の仕分けというのは、どんな格好になってますか、今。

○嶋田室長 財源は地方交付税で入ってくるというような形になっているんですけども、大きくいえば、これは国の制度であります。昭和51年当時、ご存じかもわかりませんけども、軽油引取税に暫定税率が設定されたときに、課税、事実上、営業用と自家用とを分けることができなかったものですから、一たん全部取って、その分、こういう団体のコストアップの抑制だとか環境整備のために交付金を出すというような制度であります。基本的に県にとってみたら交付税でやっているというような事業であります。

○北川委員 ごめんなさい、丸々その交付税から充当されているという考え方でいいわけですね。

          〔「そうです」の声あり〕

○北川委員 ありがとうございます。

○末松委員長 ほかにございませんか。よろしいですか。

          〔「なし」の声あり〕

○末松委員長 なければこれで農水商工部関係の分科会を終了いたします。

 

Ⅱ 常任委員会(農水商工部関係)

 1 所管事項の調査

  (1)「『2010年版県政報告書』に基づく今後の県政運営に係る意見」への回答について

  (2)「第三次戦略計画(仮称)素案」に係る施策等について

    ①当局から資料に基づき説明(渡邉部長、山田総括室長、藤吉総括室長、川島総括室長、中村総括室長、服部政策監、岩﨑総括室長)

    ②質問

○末松委員長 それでは、ご質問がございましたらお願いをします。

○西場委員 この三次戦略の議論の進め方ですけれども、非常にこれ膨大な量です。施策一つ一つとって、きちっともう少し時間をかけて説明を聞いて質疑応答しないといけないなと思うんです。後でそういう機会があれば、一括した概略の議論でも今いいですけれども、今後の三次戦略の進め方スケジュールも含めて、今ここでこれを委員会として議論して認めていくということになれば、一つ一つきちっと政策ごとの質疑をさせてもらいたいんですが、そういう面はどうですか。

○末松委員長 後ではないです。なので……。

○西場委員 後がないんであれば、質疑応答は一つ一つぜひ施策順にやっていただきたいなと、こういうふうにお願いしたいんです。どうでしょうか。

○末松委員長 ほかの委員さん。

○西場委員 いや、なければないで、次施策221どうですか、施策222どうですかという形で進めてもらえばいいと思いますが。

○末松委員長 そういう1本ずつという意味……。

○西場委員 ええ、全体では……。

○末松委員長 全部すると、あっち行ったりこっち行ったりするということですね。

○西場委員 そうそう、ちょっと量が多いから。

○末松委員長 わかりました。じゃそういう進め方をさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。

          〔「はい」の声あり〕

○末松委員長 それでは、施策22……。

○西場委員 ちょっと待ってください、よろしいですか。
 それに入る前に、最初の県政報告の方のことからよろしいですか。

○末松委員長 はい。

○西場委員 この「2010年版県政報告書」に基づく今後の県政運営等に係る意見への回答について部長の説明があったんです。一番上の生産基盤整備が非常に厳しい状況であると。農業の担い手確保のためにも、生産基盤整備の強化をお願いしたいということについて、今部長は、その回答に書かれてある文章を読まれたんだけど、この問題、物すごく重大で深刻な問題であります。2010年に農業基盤整備の予算が激減になったと。それをどうしていくかということについて、今のここに書かれてあることを読んでもらって、本当に一生懸命やってくれるのかなという思いがします。もう少しきちっとした説明と決意を聞かせてもらいたいと思いますがどうですか。

○渡邉部長 今回、国の概算要求を見てみますと、農業農村整備の事業は2241億円ということで、対前年だけ比べますと105.2%という数字になっておるんです。実は平成22年度、これもご承知のように14カ月予算ということで、2月補正をやった数字と見比べますと、非常に大きく減額をされております。大体そういう意味では平成23年度、この概算要求でいきますと、平成21年度を基準とすると平成22年度は101%少し超えた状況でしたが、平成23年度になると58.5%まで現実は、対前年度比でいきますと多いんですが、先程申しました補正予算等、執行予算がございましたので、平成21、22年度というのはそう大きな減額はなかったんですが、平成23年度は非常に大きな減額になっております。
 なおかつ、農林水産省の中でも、ほかに林業の関係とか水産の関係があるわけです。これについてはここまでの大きな削減にはなっていないのが事実でございます。
 この予算の中でこれから審議をされると思いますけれど、いわゆる農林水産省の中にあります交付金での配分でありますとか、それから、国全体で元気な日本復活特別枠という枠がございまして、そこにも実は基盤整備がエントリーをしております。それが約374億円エントリーをしております。
 それと、先程申しました農林水産の交付金が170億円、これも農業、水産業、林業ということで配分をされてまいります。最終的に先程申しました数字からどこまで上乗ってくるのか、非常に不透明なところでございます。
 したがって、そういう意味では非常に私どもも大きな危機感を持っております。このまま行ってしまうと、ずっと今まで計画的にやってまいりました農業整備予算、農業、農村整備につきましては、やっぱり計画的にやっていかないと、単年度で一気にやるというような性格のものではないというふうに理解しております。いかに今後、計画的に持続的にやっていくことが、ここの回答に書かせていただきましたように農業の安定であるとか食料の供給、そういうものの非常に根幹をなすものだと思っています。
 農業は、当たり前の話ですけれど、いわゆる農業の基盤としての農地、それと人、これがなければ残念ながら機能いたしません。そのうちの特に基盤整備の方がこれだけ削減をされることは三重県農業にとって非常に大きな打撃でありまして、懸念をいたしております。したがいまして、当然県だけでとてもカバーできる金額ではございませんので、こういう意味では農業予算の、先程申しました、例えば国全体での元気枠でありますとか、農林水産省の中の交付金を、ぜひとも農業に重点的に配備いただけるように強く要望をしておりますし、今後もしてまいりたいと思っています。そういう意味では県だけではだめだと思ってますんで、市町も含めて皆さんと一体となりながら、この農業、農村整備予算の確保に向けて考え方を強く国にアピールしてまいりたいと思っております。
 以上でございます。

○西場委員 そういうことだと思いますけれども、その最後の強く国へ要請していく、政府にどのように今まで以上に要請をしていくのか。そのことについて、新たな姿勢とか方法を考えてみえるんであれば、いかがですか。

○渡邉部長 まだ検討段階でございますけれど、毎年度であれば、当然国家予算要望という形で11月、秋口にお伺いするんです。それでは間に合わないんじゃないかという危機感を持っていまして、これは政策部が全体をやっておりますので、そこへ強く今申し入れをしております。県としての取組についても何らかの方策を考えていきたいというふうには思っております。

○西場委員 ぜひ新たな強い方策を今回考えてもらうようにお願いして、その検討結果が出ましたら、我々にも報告していただくようにお願いします。
 以上。

○末松委員長 ほかにございませんか。よろしいですか。

          〔「なし」の声あり〕

○末松委員長 では、県政報告書に関してはこれで終わりたいと思います。
 先程提案がありましたとおり、第三次戦略計画につきましては、施策1本ずつ行きたいと思います。施策221、安全・安心な農産物の安定的な供給についてご質問がある方はお願いをします。

○西場委員 この施策221に限らずなんですけれども、今まで第二次戦略計画をやってきて、そして今度、第二次戦略計画と違う第三次戦略計画でこういうように変えていくというポイントがあると思うんです。先程説明の中でちょっと聞き取れなかったので、新しく安定供給のためにやろうという第三次戦略計画の一番柱をわかりやすく簡単に言ってください。

○山田総括室長 県民の皆様に安全・安心な農産物を安定的に提供するということにつきましては、第二次戦略計画と同じ趣旨でございます。このため、先程もご説明いたしました、まず主指標、一番重要な施策目標といたしましては、第二次戦略計画に引き続きまして、カロリーベースでの食料自給率を考えております。それを実現させるための手段といたしまして、先程は説明しておりませんが、副指標を基本事業に置きまして、食料自給率を向上させていくための手段を考えております。
 簡単に申し上げますと、三重県の農業を考えまして、大きく3つに県内の農業を区分いたしました。一つは水田農業、もう一つは園芸、もう一つは畜産ということです。それぞれにつきましてきめ細やかにやっていくということで、これにつきましては、今ご審議いただいております条例案につきましても同じ規定でございます。それと平仄を合わせて県内の水田農業、園芸、果樹とか花卉とかございますが、それから畜産、こういったものにつきましてそれぞれ対応していくということで、全体として県内の食料自給率を向上させていこうということでございます。

○西場委員 今言われました条例案とこの第三次戦略計画との関係はどういうように整理していったらいいのか。この後、条例案とか基本計画というものの審議もありまして、そこでもそういう議論、審議がやられるかなと思いますが、ここの議論と何かよく似たものをやってしまうことになるんです。それはこれから議論を進めていく中で整理してほしいんですが、どういうふうにして進めていったらいいんですか。

○山田総括室長 基本的には条例ということで、今ご審議していただいているところでございます。今後の三重県農業の姿を描いていきますのが条例案でございます。条例案が今後おおむね10年程度を見越した三重県農業の目指すべき姿を示すという趣旨でございます。
 この戦略につきましては、4年後を具体的な目標設定といたしまして、4年後の目標を定めていくという趣旨でございます。長期的に骨太な三重県農業を考えていく上で、まず条例があるということでございます。それと整合性をとりまして、この第三次戦略の計画案につきましても検討していくということだと考えております。

○西場委員 やっぱりちょっと関連しますので、議論がダブってしまわざるを得ないなと思いますが、今の中で条例案は10年じゃなしに基本計画が10年じゃないんですか。

          〔「失礼しました。そうです。申し訳ございません」の声あり〕

○西場委員 だから、条例案は将来の姿ということになりますよね。
 先程、基本計画より少しスパンの短い4年後の計画ということでありますから、なお一層ですけれども、水田、園芸、畜産と3区分したと、こう言われました。その3区分について、それぞれどうするかという記述が要るかなと思うんですけれども、それがないように思います。それはどういうことですか。

○山田総括室長 この先程ご説明させていただきました別添1-1でございますけども、221につきましては、3ページ、4ページでございます。
 書き方としては、水田、園芸、畜産というはっきり区分した書き方になっておりませんので、そこはなかなか不十分ということがございますかもしれません。今申し上げましたように、基本的には条例の考え方、三重県農業の将来的なあり方ということを当然土台に置きまして、委員おっしゃられましたように4年間、今後、重点的に何を取捨選択して優先順位をつけてやっていくかということにつきまして、ここに記載させていただいたところでございます。
 確かに直接書いてないところはあります。当然今申し上げましたところは土台と申し上げますか、基本的な考え方として当然書いた上で、この4年間で重点的に何をやっていくかというのがこの第三次戦略計画の案でここに書かせていただいているところでございます。そこはちょっとご理解願いたいと思います。

○西場委員 それは理解できにくいです。これ後になりますけれども、条例ができて、条例案の審議、それから基本計画の審議の中でそういうものができてきてからという前提になりますけれども、条例案にも水田はどうや、畜産はどうだという表現もありました。さらに、これから説明があると思うけれども、基本計画の中にもそういうものがあるのか、ないのか、ちょっとまだ読み込めてない部分がありますけれども、そうすると、さらにそれを支える具体的な第三次戦略4年計画としては、そういうところまで書いて当然だし、書かねばならんと。こういうように思いまして、ひとつその点に対する検討をお願いしたいですがどうでしょうか。

○山田総括室長 今委員おっしゃられた趣旨をいただきまして、また検討させていただきたいと思います。

○西場委員 もう一点、食料自給率、カロリーベースという問題です。国が50%という大きな目標に飛躍したんです。この自給率をどう扱っていくかというのは非常に大きな課題、ポイントになります。まだこれ具体的な目標値も書いてありませんけれども、その目標値の今後の設定の仕方も含めて、この点について説明を願いたい。

○山田総括室長 今、委員おっしゃいましたように、国におきましては、昨年度末、平成21年の3月に食料・農村・農業基本計画というものを設定いたしました。その中で、10年後、平成32年の目標といたしまして、国全体の食料自給率を50%にするという目標を掲げたところでございます。
 国全体の自給率目標というものは、国内生産と、あと海外からの輸入、それから備蓄、こういったものを取り合わせて国民の方が十分な食料を得られるようにと。その中で、国内生産はどれだけあるべきかということを検討した結果、50%、半分は当然国内生産で賄うべきという議論の中で審議会のご意見のもと決められたというふうに聞いておるところでございます。
 我が県におきましても、その国の議論は当然参考にする部分はございます。国と県がどう連動していくかという問題もございますが、引き続き国の50%というものは参考にした上で、県の独自の自給率目標というものを引き続き検討させていただきたいと思っております。

○西場委員 前回、こういう自給率をつくったときに46%にしたのは、国が45%の目標を持っておると。しかし、意欲として国がそうであれば、さらにそれより上を行くような三重県としての農業に対する強い姿勢を示すために1%上乗せしたという経緯があるんです。
 ということは、今回、国の50%に対して、同じようにそれを上回る積極姿勢で臨まれるというように理解しておいていいですか。

○山田総括室長 確かに、前回の三重県の46%という設定経緯は委員のおっしゃるとおりで、国のパーセントを1%上回るということで決めたということで存じております。
 今回におきましては、実際に自給率を決めるに当たりまして、県内どれぐらいの農地面積があって、どれぐらいの生産をしていくかという積み上げも当然必要でございます。現在、何%ということは検討中でございますが、引き続きできるだけ国の自給率も参考にしながら県の目標は考えていきたいと思っております。

○西場委員 意欲はあるように、積極的に数字をつくっていただくようにお願いするとともに、今言われましたように、積み上げがないと絵にかいたものになってしまいます。それも含めてこの目標値、非常に重要ですのでしっかりと取り組んでいただきたい。これについてはいつ頃我々のとこへ発表されて、いつ頃議論になるんでしょう。

○末松委員長 11月1日に知事に申し入れをしますので……。

○西場委員 誰が。

○末松委員長 委員会が。それ以降になると思うので。

○西場委員 我々が申し入れをするわけですか。この自給率どれだけですかって。

○末松委員長 自給率というか、第三次戦略を行政部門の常任委員会ごとにすべて、今日の議論踏まえて申し入れをします。それが11月1日です。それ以降に向こうからまた中間案が出てきます。

○西場委員 私が聞きたいのは、これだけに限らず、数値がいつ出るのかということ、数値の発表。

○渡邉部長 中間案のときに数値も含めてお示しをするというふうには聞いております。

○西場委員 それが11月……。

○末松委員長 12月です。

○西場委員 12月ですね。はい。じゃ、12月の委員会やね。

       〔「11月下旬にまた全員協議会で申し入れに対する意見に応える形で出てきますので、次の12月のときにまたそれを委員会で」の声あり〕

○西場委員 何かはっきり言ってくれないとわからんけど、申し入れをして、申し入れに対する答えが返ってきます。そこで議論をしますと。その後、数値目標が発表される段階があるということですか。

○末松委員長 いえ、11月1日に申し入れをして、その申し入れを踏まえて中間案の説明が11月の中旬に全員協議会であって、その後に12月の常任委員会でその中間案について協議ができるという理解でよろしいですか。

          〔「はい」の声あり〕

○西場委員 わかりました。その数値目標は……。

○末松委員長 数値目標は、その全員協議会のときに出てきます、11月の中旬。

○西場委員 全員協議会のときに。中間案の申し入れに対する回答のときに出てくるんですか。

○末松委員長 はい。

○藤田泰樹委員 素案の回答があって、その素案の回答のときに一緒に数値目標も含めた格好で全員協議会での説明という……。

○西場委員 ああ、そうですか。わかりました。じゃ、結構です。

○末松委員長 施策221については……。

○藤田泰樹委員 今、西場委員言われたように、県の取組方向の中に、3分割で書き込んでほしいなというふうに思います。後の事業体系の中にしても、それから数値目標一覧のところにしても、そのような書き方で全部まとめていただいてあるのに、ここだけがずらずらっと来るというのはどうなのかなというふうに思います。
 それと、副指標に使ってある耕地利用率というものですが、先程の説明の3分割という考え方で施策を進めていくという上で、副指標がこれでいいのかなという気がするんです。そこの見解はいかがですか。

○山田総括室長 先程資料で、別添1-1でご説明させていただきました、その別添1-2というのもございます。そちらに先程委員ご指摘いただきました副指標でございますとか基本事業がございます。別添1-2の2ページから3、4ページでございますが、その中に基本事業で22101から22102、22103で需要に応じた水田農業の推進、それから消費者ニーズに応える園芸等産地形成の促進、それから4ページの頭でございますが、22103で活力ある畜産業の健全な発展ということで、基本事業ベースにおきましては、先程申し上げました水田、園芸、畜産ということが、こちらの資料にございます。
 それから、今、藤田委員からご指摘いただきました副指標でございますが、耕地利用率、田畑計ということでございますけども、耕地利用率というのは農地をどれだけ活用したかということでございます。1年に2回、何かつくれば200%、1年に1回であれば100%、つくってなければもっと低いということでございます。田畑計というのは、田と畑の合計ということでございまして、水田農業、それから園芸と果樹、花卉、そういったものもひっくるめてすべて全体での耕地利用率ということにさせていただいているところでございます。
 畜産におきましても、現在の飼料米ですとかホールクロップサイレージというように、水田でつくった家畜のえさもございますし、畑におきましても飼料作物というものをつくっているというようなこともございます。結局、いかに農地が三重県にどれだけあって、農地というのはなかなか急に増やしたりということはできないものでございますので、どれだけそれを活用していくかということが、実際、自給率向上におきましては非常にかぎとなる考え方でございますので、これを副指標とさせていただいたところでございます。
 委員の方は、なかなか不十分ということかもしれませんが、一応そういう考え方で検討させていただいているところでございます。

○藤田泰樹委員 その趣旨はよくわかるんです。その趣旨はよくわかるんだけど、耕地利用率だけで、要は副指標が複数ある項目もあるじゃないですか。そういう考え方からいくんであれば、耕地利用で確かに、耕地利用率というのは主として水田であり、ここに書いてあるように田畑です。という考え方からいくんであれば、園芸のところまで、花卉も含めてということでしたから、そういう格好で行くにしたとしても、畜産の飼料米の方だけでちょっとそれではつらいんじゃないかなという感じがします。
 副指標が複数つくれないということであれば、主たるものをまとめるというのはわからんことないんですけれども、そのへんの考え方だけです。
 検討してもらえるんであればそれで結構です。

○山田総括室長 確かにおっしゃるとおり、副指標は別に一つというわけではございません。複数ございます。今回、耕地利用率と、もう一つ下に産地における安全・安心農業実施率というのがございまして、今、一応2つ考えておりました。今の委員のご指摘をいただきまして、また検討させていただきたいと思います。

          〔「結構です」の声あり〕

○末松委員長 ほかにございませんか。よろしいですか。

          〔「なし」の声あり〕

○末松委員長 それでは、施策222、農業の持続的な発展を支える農業構造の確立についてご質問があればお願いします。

○西場委員 この施策222のポイントは、集落営農や法人化を進めるというように書かれておるように読むことになるのですか。ちょっとそこを。

○山田総括室長 委員ご指摘のとおり、施策目標におきましても、農業経営体数にしておりまして、三重県内で認定農業者、それから集落営農組織、こういったものが持続的に農業を続けていくということを目標としております。

○西場委員 一つの方向として、そういうことは理解できます。また、そういう空気もあるということなんですが、三重県の特性として、非常に兼業家が多いし、実際、兼業家で従来維持してきた現実もあるわけです。それを大規模化とか集約化とか流動化とかというような中でいろいろ国の施策の方向で取り組んできたんだけども、現実としてなかなかそういかないところはありまして、三重県型としての小規模の方々の農業をどういうように位置づけるかという課題はあるわけです。それを、集落営農だけで解決できるかというと、必ずしもそうはならないだろうと。地域の事情なり集落営農を運営していくための地域リーダーなり、土地の資源とか人の資源とかそういうものに恵まれてそれに行くところもあるでしょうし、そうでないところもあるでしょう。まさに多様化した経営をどういうように位置づけていくかということの方が重要であると、三重県型であると、こういうように思うんです。そういう点についての配慮とか工夫とか、そういう多面的なものについての方向というのはないのかどうか、どうですか。

○山田総括室長 これまで、三重県といたしましては、三重県型集落営農ということで、地域におけるダイア方式としまして集落の皆様で協力して地域の農地を維持していくというやり方と、あと地域のどなたか担い手の方に農地の集約をしていって、そのある特定の担い手の方が地域の農地で農業としてやっていく、こういう2つの形をもって三重県型集落営農ということで、これまで進めてまいったところでございます。
 さらに、今後は、戸別所得補償制度というものが本格実施されることになりまして、必ずしも大規模化がすべてではないということでございます。家族的経営の方におきましても、意欲を持った方でございましたら、その方が農業を継続できるように直接所得補償を行うという制度が始まったところでございます。
 三重県といたしましても、その両方の考え方をうまく整合をとりながらやっていきたいということで、以前は大規模集約ということでやってきた経緯がございますが、戸別所得補償の考え方もかんがみまして、意欲あるというところを考えまして、例えば六次産業化でございますとか農商工連携、こういったものの取組、そういうふうにサービスでございますとか単に生産するだけではなく販売の方にもご努力いただきまして収入を上げていただくと、こういう方に関しまして、三重県として応援させていただくということで考えております。

○西場委員 その国の動きを勘案しながら進めるという部分ですけれども、その記述があんまり見えないんです。この取組の方向の中で、それどういうふうに読み取ったらいいのか。

○山田総括室長 今の県の取組方向に国の施策という話は確かにのってないところでございます。これは県の農業をやる上で当たり前と言えば当たり前でございますけども、引き続きここにも国の施策、戸別所得補償などとの整合性という話で直せるかどうか、また検討させていただきたいと思います。

○西場委員 ぜひそこの部分、よく検討していただく課題であると思うんです。
 自民党か民主党かという議論はさておいて、地域農業を考えるというときに、必ずしも国の方針だけでそぐわない、独自性というのがあるわけです。今日までずうっと低コスト化、大規模化という流れでやってくる中で、それにそぐうところはそれで行ったと。それはそれで問題ないと、強い農業を進めていく上で。しかし、そうでないところは、もう国の施策から外れて、かなり突き放されたような形の中でますます衰退していくと、こういうことになってきたわけです。
 今回、国の方で少し新たな方向が出てきた。それがそういう小規模を救うか救わないかということはまだ言えないけれども、そういう意味において多様なものをきちっと位置づけるということが大事であるし、基幹である大規模化の流れをやっぱりきちっと位置づけて、そこをまたないがしろにしないというきめ細かい配慮も要ると。こういう中で、今三重県型という話もありましたけれども、全国でも注目されるそういう小規模零細、兼業の多い三重県において、そういう三重県型の目指す農業構造というのはどうなんだと。地域性も見て、どこでどういうふうにやっていくんだということをぜひやっていただきたいと思います。
 集落営農というのは、今、三重県型で進めてきて今後もやるということでありますけれども、この法人化について、これを積極的にやるのか、この第三次戦略計画の中で、その位置づけについてもう一遍、確認したいんです。

○山田総括室長 現在、集落営農につきましては、任意組織ということで、法人化するものはなかなか率としてはそれ程高くないのかなと思っております。
 ただし、法人化のメリット、例えば会計の明瞭化でございますとか経営としての責任体制、そういうメリット等は十分ございます。我々、県といたしましては、今、任意組織になっております集落営農組織を法人化ということについて、集落営農組織等のご理解の中でぜひとも進めていきたいというふうに考えております。

○西場委員 法人化も多種多様だと思うんです。いい法人化もあれば、農業を食いもんにする法人化もあるわけです。よりよき方向の、あるいはそういう善良な法人化に対してきちっとした支援をしていくということは大事でありますけれども、土地不動産登記をもくろみながら、表はいい面下げてくる、そういうものに対してきちっとした歯どめをする、ということについての検討があいまいなままに法人化を、簡単に堰を切ってしまうということの危うさもあると思いますが、どういう認識を持ってみえますか。

○山田総括室長 確かにそういうおそれもあるかと思います。県といたしましては、確かに法人化するときに地域の事務所、普及組織なども入りまして、そういうことがないようにと申しますか、基本的には地域の方とのこれまでのおつき合いの中で、県と集落営農組織のこれまでのつき合いもずっとありますので、そういう中で法人化のメリットを説明して法人化という話になっていくのが通常かなと思っております。突然、例えば外部の方が入ってきて、委員おっしゃったような目的で法人をつくろうというようなことが万が一あれば、そこは県としても当然把握できるところもございますので、十分そういうことがないようにしてまいりたいと思います。

○西場委員 そこをもう少し、システム的にきちっとできるものをあわせてやっていくようにお願いしたいし、先程来申し上げていることを、今後の取組の方向の中でもう少し工夫して、この表現の中に取り入れてもらうことを要望したいと思います。
 時間を余りとるといかんので、もう簡単にやってほしいが、認定農業者に対する県の姿勢は変わらないんですか。

○山田総括室長 引き続き変わらず推進していきたいと思っております。

○西場委員 目標とする目標数値も変わってないんですか。

○山田総括室長 今のところ、第二次戦略計画でつくりました計画を引き続き持っております。

○西場委員 環境変化もあるんで、そこももう少し検討する内容が要るんじゃないかと思います。

○近藤室長 済みません、補足させていただきます。
 やはり持続的な農業構造をつくるには、意欲ある農業者を確保する必要がある。その中心は、経営改善して規模拡大したり、あるいは六次産業化に取り組もうという認定農業者が中心になると考えております。
 今回の目標数値の中で総括室長の補足なんですが、以前、特定農業団体ということで法人化を目指していた集落営農組織を対象にしたんです。もう少し幅広く集落営農組織、先程議論もありましたけども、規模が小さくても何とか農地を維持していこうというのも持続構造をつくるために必要かということで、そちらも対象にしていくということで、あわせて意欲ある農業経営体と位置づけて進めていきたいと考えております。

○末松委員長 施策222は、よろしいでしょうか。
 施策223も一緒の分野になりますので、あわせて施策223のところもよければ。
 施策223までが一応農業分野になりますので、この後は各分野ごとにさせていただきたいと思いますけどよろしいでしょうか。とりあえず、施策223までの間で第三次戦略、ご質問がある方はよろしくお願いします。

○西場委員 施策223はよくわからん。この「新たな価値」という表現になっとって、新たな価値の意味が余りよくわからないんだけど、もう一度、説明してください。

○山田総括室長 これまで、農業者の皆様、何か農産物を生産して、それを農協なり直売所なりに売っていくと。基本的には、もう大規模生産、市場経済の中でややもすればデフレの中で農産物価格というのはかなり低くなっておる傾向にございます。
 その中で、農業者の方の所得を向上させるにはどうすればいいかということでございます。生産した農産物、水産物などに付加価値をどうつけていくかというのが非常に重要かと思われます。例えば今まで地域に埋もれていたもの、その地域だけでしか食べていなかったものが、実は都市圏に行くと非常に珍しがられて高く買われて人気が出るとかいうものもございます。さらには、例えば地産地消、食育というような運動の中で、地域のものを積極的に食べよう、買っていこうという考え方で、同じものにしても外国産、それから他県産のものよりも三重県産のものを買っていこうと、そういう需要が高まれば価格も上がっていくと思われます。
 さらには、多様化する消費者のニーズ、例えば今まで食べていたものじゃなくてこういうものを食べたいというものがございます。そういったものは、量販店や小売店からこういうものがつくれないかというような要望も生産者側の方に届いていることもございます。
 そういった消費者の方が欲するものをいかにつくっていくか。消費者の方が食べたいものは、当然高く、それも従来のものよりも高い価格で買うということがありますので、そういうものをいかに農業側として生産していけるか。そういうことがこの新たな価値の創出という原点と申しますか、第二次戦略でもやっていたものでございます。そういった付加価値をつけて、いかに農業というものの価値を新たに上げていくか。こういったものをこの施策223の中でやっていきたいということでございます。

○西場委員 よくわかりづらいところがあるんだけど、最後の部分で記憶に残っとんのは、消費者の方が欲するものを提供していくために付加価値をつけて提供していくというように受け止めましたが、そんなんがこの農林水産業・農山漁村を起点とした新しい価値だろうか。ここしばらくずっと古い価値じゃないか、それは。この市場経済、市場原理を中心とした、供給側と受ける側という中で、今それ以前には、供給サイドのいろんな社会が多過ぎたから、これからはそれを転換して消費者サイドに変わろうと。ここ10年の改革の流れはそうだったんです。それでずうっと来たんじゃないですか。
 それで、これからどういうふうにそれを変化していくんだと。経済に対して文化をどう加味しようか、「文化力」と野呂知事が言っている。北川さんも晩年は環境と経済の同軸化なんて言い出した。
 少なくとも、その消費者一辺倒であっては、もうこのまま農業、農村は衰退するという流れにある。消費者も大事にしながら、新たな農水産業や農山漁村の価値をどう見出して、消費者にそういうものを創造して提供してやるかということの方が価値としては大きい。
 消費者の皆さんが欲するところって、消費者って、前にも言ったけれども、いい消費者もおれば悪い消費者もいるんだ。大体声が大きいのは悪い消費者が多い。善良ないい消費者のために一生懸命つくるのはいいけれども、そういう安ければいいというようなものに対して、それやってきて結局疲弊したのは農業、農村でしょ。ですから、新たな価値、新たな価値っていろんなところで聞くようになってきたけれども、新たな価値って何なんだというもう少し納得できるような方向づけと説明が要ると思います。どうですか。

○山田総括室長 決して我々、消費者の欲するところといいますのは、デフレの中で消費者の欲する安いものを売っていこうというものではございません。先程申し上げましたように、付加価値をいかにつけていくかということで、値段をできれば上げていく方向で我々はどういうものを、農産物をつくれるかという観点から考えております。
 農家の方も、これまでつくって売るだけではなかなか手取りが上がらないと、そういうことでございますので、農家の方もそれぞれ創意工夫をやられて、直売所で農協に出すより高い値段で売れることをいろいろお考えになったり、例えば直販、消費者の方と直接取引、通信販売等の直接取引で、高い値段でやっていこうと。必ずしも安いものを我々はつくって売っていこうということではございません。消費者の求める安さではない価値、それを我々この施策の中で推進させていただきたいと思っております。

○西場委員 そういうようなご説明を聞くと納得できるようなことでありますけれども、いずれにしても、新しい付加価値というものはどういうものであって、何を目指すのかということについて、こういうあいまいな言葉を使ってしまうと、みんなそれぞれの受け止め方をしてしまう。
 じゃ、ここで言う新しい価値とは何なんだと。もっとはっきりとどっかに書き込んでもらわねばならんし、今総括室長が言われたようなことも取組の方向の中で書き込んでいただかねばならんと思うんです。施策目標にしても、この付加価値をやる事業者数の伸びなんて書いてあるけど、価値創出の事業者なんだというのをどうやって選ぶんかなと思ってしまいます。このへんは、もし限定された基準があれば教えてください。

○山田総括室長 この四角の下に施策目標項目の説明というのがございます。これが価値創出に取り組む事業者の限定でございますけども、今まで県でやっております事業、例えばここに書いてございますように、みえの安心食材の登録、それから直売所の参加でございますとか、それから三重ブランド、三重ブランドアカデミー、こういった各種の事業、これにご参加いただいている方を、我々としましては価値創出に取り組む方というふうに定義づけまして、その中で伸び率をはかっていくということでございます。

○西場委員 それは了解しました。
 ともかく何を目指すのか、何をするのかということをもう少し明確に書いてもらうように要望させていただきます。
 結構です。

○末松委員長 ほかによろしいでしょうか。
 済みません、次の施策225の水産分野まで行きたいと思います。施策225について質疑がある方はお願いします。水産物を安定的に供給できる希望ある水産業の実現についてでございます。

          〔「施策225まで行くの」の声あり〕

○末松委員長 施策225です。施策225だけ水産なので、行きたいです。

          〔「4がないんだ」の声あり〕

○末松委員長 4はないです。

○西場委員 漁業総生産量に占める割合というのは、これ無表示になっていますが、これの推移を教えてください。

○遠藤室長 平成12年ぐらいからなんですけども、割合といたしましては、3.31%から3.4%の間で推移しております。直近でいいますと、平成9年の実績が3.6%に対しまして、今のところ平成10年の目標としては3.4%というふうに考えております。

○西場委員 下がってないのですか。

○遠藤室長 平成9年の実績が3.6%でございます。
 2010年……

          〔「今、平成……、何て言った」の声あり〕

○末松委員長 もう一度、お願いできますか。

○遠藤室長 ごめんなさい、平成21年の実績が3.6%でございます。

○西場委員 5年前とか10年前とか20年前とか、そこにないのですか。

○遠藤室長 今のところ、手元にありますのが、平成16年で3.24%でございます。その5年前ですとありませんが、平成12年で3.31%でございます。

○西場委員 じゃあ、生産量は上がっておるわけですね。

○遠藤室長 その間を見る限りは上がっておるんですけども、非常に年変動が大きくて、現在のこの近々はカタクチイワシなどの好漁によって一時的に実績や割合が上がっているというふうになっております。

○西場委員 もっとわかりやすく説明してください。三重県の漁業は伸びておるのか衰退しておるのか。その数字として、ひとつこの指標もあるから生産量を聞いたんですが、ほかにも生産額はこうやとか、質問の意図に対して答えられるように説明してください。

○藤吉総括室長 三重県の水産物の生産量でございます。これは全国的に見ますと衰退傾向、これは資源状況の悪化とかいうことでありまして、例えばマイワシであるとかサバ類の漁獲が減っておりますので、全体には減少しております。
 ただし、2008年と2009年を見ますと若干上がっていると。これは先程、遠藤室長が説明したように、特定のカタクチイワシが伊勢湾で非常に大量にとれたということもありまして、たまたま上がっているということでございます。だけど、全体傾向としましては下がってきているということです。

○西場委員 少し資料としてそういうもの、生産量、生産額含めて、ある程度さかのぼれる範囲で傾向が見られるような資料提供をお願いしたいんです。

○藤吉総括室長 後程、資料をまとめまして、提供させていただきたいと思います。

○藤田泰樹委員 今の話で、漁業総生産量の全国に占める割合ですよね、今のパーセントというのは。今、室長言われたように、年変動が大きいのでという言い方をされましたけど、年変動が激しいものを目標値に挙げるというのは、推移を見てく上でどうなんですか。

○藤吉総括室長 あくまで主指標としては全国シェアなんですけども、生産量でいきますと遠藤室長説明しましたように上下があると。そうすると、何を指標に持ってっていいのかわからないということがありまして、全国的な自然変動の中では全国シェアというのは安定しているということで、全国シェアをまず主指標にしまして、全国的な気象変動に左右されない三重県としてのシェアを主指標にしてそこを目指そう。
 もう一つ、副指標としましては、沿岸漁業及び沖合い漁業、それから海面養殖業の生産量という形にしまして、生産量をもう一つ補てんするような形で副指標を設けとるという状況でございます。

○末松委員長 ほかにございませんか。

○西場委員 この4年間で水産業をどういうように立ち直らせるようにしたいというポイントをもう一遍、説明してください。

○藤吉総括室長 まず、資源管理の部分では、国の方から平成23年度から資源管理・漁業所得補償制度が入ってきます。これにつきましては、資源管理をやった方に対して所得補償をしようという考え方でございますんで、資源管理については、この4年間でしっかりできるのかな。
 もう一つ、1県1漁協の構築を推進するというのが書いてあります。これにつきましては、魚連の方とも平成26年度の県1漁協を目指すという形でございますんで、この資源管理、それから県1漁協というのが4年間の大きな目標になると考えております。

○西場委員 県民の魚食の拡大については、どういうように考えていますか。

○藤吉総括室長 今、漁協が水産物の流通に果たしている役割というのは、産地市場を形成してそこで委託販売という格好で、全く価格形成にはタッチしてないというのが現状でございました。今回、漁協が非常に体力、経営基盤がしっかりすることで、漁協が例えば買い取り販売とか、それからあとは今取り組まれている直販所であるとか漁協直営のレストランという、また少し違った取組から水産の流通にタッチすることで、県民の魚食であるとか魚価の向上であるとか、そういうものに漁協としてしっかり取り組めるのかなと思っています。そういう意味で県1漁協というのをしっかり支援して、県民の魚食についてもカバーしていきたいな、そんなふうに思っています。

○西場委員 組織として1漁協になっていくことの必要性はある面、理解できますし、そういう体制づくりの一環であるということも理解できるんです。水産県三重県をもう少し具体的にきちっと定着させるために、県内の魚を三重県民がいつでもどこでも食べられるというようなシステムといいますか、やり方をやってくべきだと思うんです。1漁協になったらできるか。今のままではできないのか。それは一概には言えないかもしれないけれども、静岡の焼津でお魚センターが非常に大きく展開されておって、あの経営運営は大変なものがあるかもしれないけれども、ああいったものが三重県にあって、そして県内の水産物が市民、県民に、三重県はこんなにも豊かな水産物があるんだと。また、そこ行けばとりたての魚介類を食することができる、買うことができるというようなものが、水産県と言われながら意外とないんです。
 漁協の方もそういう意欲を持っておるんであれば、この4年間スパンの計画の中でそれに少し力点を置いて、そして県なりが施策支援をできるとすれば、そこをやって、実際上、水産を動かしていくような計画をつくっていくべきだと。
 合併もいいです。しかし、合併というのは、とかく期待も大きいけれども、合併して大型化して大変だったなというのは市町村合併の反省だ。そういうようなことを考えますと、合併も進めながら、県内の漁業をどういうように地道に振興していくか。そして、とれた魚をどうやってして県民につないでいくかということを、県民魚食の日の再構築みたいなものも含めて、この取組の方向の中で検討してもらいたいんですがいかがですか。

○藤吉総括室長 委員おっしゃるとおり、三重県内で三重県産の魚が食べにくいというのが現状でございます。そういうことを反省してというところもありまして、午後からの少し議論になりますけども、三重県水産業・漁村振興ビジョン(仮称)でございます、このビジョンの中にもそういった観点を入れておりますので、また午後からそのあたりのご意見を伺って、よりよい振興ビジョンという形にしていきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。

○西場委員 わかりました。そうさしてもらいますが、この場はこれしかありませんので、先程来の意見もぜひこの取組の方向の中に追加して記述していただくことを要望いたします。
 終わります。

○末松委員長 ほかにございませんか。

○北川委員 時間超過しているんで、手を挙げにくいんですが、水産物の関係で、全体的にはちょっとマイナーな話になるかもわかりませんが、内水面漁業の関係です。主指標には内水面漁業も含めてはいただいているんですけれども、環境にかかわったりだとか、あるいはまた獣害対策にかかわったりという部分では挙がってくることもあるかもしれませんけども、この中で内水面漁業の位置づけというのは特に記入はないんです。どういう位置づけでお考えをいただいているのか、ちょっと考え方だけ確認させてください。

○藤吉総括室長 内水面漁業は、特に三重県では河川でのアユとかアマゴというのが中心ですけども、このあたりどうしても限られた範囲での生息区域ですんで、放流なりというのが非常に大事になってきます。そのあたりは資源の維持管理という中で放流ということを取り組ませていただいています。それからあと、環境の中ではカワウ対策とかそのあたりも一緒に取り組ませていただいています。なかなか文面としては出ていませんけども、内水面というのは非常に重要なものだということで認識して、施策としては展開させていただきたいと考えています。

○北川委員 言葉では重要だと聞かせてもらったんですが、できたらちょっと何かの形で触れていただくことを、一度ご検討していただけませんか。

○藤吉総括室長 同じく、午後のビジョンの中では少し内水面の話も入れさせていただいています。そのあたりもビジョンの議論としてもう一度やらせていただきたいと思います。

○末松委員長 よろしいですか。
 ほかにございませんか。水産の部分で、よろしいでしょうか。

          〔「なし」の声あり〕

○末松委員長 それでは、施策225に関しましては以上にさせていただきたいと思います。
 暫時休憩をいたします。再開は午後1時でお願いをします。

          (休  憩)

○末松委員長 それでは、休憩前に引き続き会議を再開します。
 まだまだ暑いですので、もしよろしかったら上着を執行部も脱いでいただいて結構でございます。議論が白熱すると困りますので。
 それでは、午前中に引き続きまして、第三次戦略について質疑を行いたいと思います。
 施策1本ごとにというお話でございましたけれども、若干議論が重なるところもございます。昼から分野ごとにまとめて議論をさせていただきたいと思いますので、お願いをします。
 施策231、自律的産業集積の推進、施策232、中小企業活力の維持・拡大、施策233、地域資源を活用した産業の振興並びに施策513、科学技術振興・交流の推進と4本について質疑を行いたいと思いますので、よろしくお願いをします。
 それでは、委員の皆さん、どうぞ。

○藤田正美委員 まず、この施策231から施策234のところで質問させていただきたいんです。その前に、昼前でちょっと時間がなくって、北川委員の方から内水面漁業なんかもっと取り上げてというような質問がありました。内水面というアユとかアマゴとかウナギとかカニとかそういうものは、昔から地域の子どもが川遊びをして歴史的にそういうものを楽しみながら、川を愛しというような側面があるんです。むしろ海面漁業の漁獲高とかそういうふうな角度で一緒にしていくと、いつまでたっても、今から後の中小企業の小規模事業者というような議論と一緒で、どうもそれはこれからの新しい価値として生まれてこないのかなと思います。
 私は最近、そういう内水面なんかでアユの友釣り大会をしているところへ参加させていただいたりして、多くの人たちが清流の大きなアユを釣るというようなことで、川に訪れております。ここに地域資源の活用方をどうするとか、いろんな環境保全をどうするかと、こういうふうに施策はありますけど、もっと内水面というもの自体が地域の環境の側面であるとか、地域の我々の子どもの頃の貴重な思い出の場である川であるとかそういうふうな角度で行けば、これからの観光のリバーツーリズム、いわゆるそこに多くの人が訪れて、その新しい価値に基づいて地域の資金循環型にもつながっていく。そういう広い意味で内水面をもう少しとらえていくべきではないかと。
 そうなると、魚道をどうしてください、ああしてくださいというところにもっと真摯に耳を傾けて、限られた予算ですけど計画的に、魚道一つとっても、アユが遡上する魚道はどんな魚道がいいんだと。いやいやアユだけじゃなくて、カニが遡上する魚道はどうなんだというふうな、全国でもそういうところを試みている県もあります。そういうふうなところへ僕は展開してくと思う、おのずから。私はそういうふうなことがこれからの第三次戦略計画の中で物すごく大きな感性だと思うんです。そういう意味で一言、そういう角度が私は一つ欲しいんじゃないかなということを申し上げたいんです。どうですか。

○藤吉総括室長 おっしゃるとおりでございます。内水面漁業についてしっかり、例えば農山漁村の振興というか、地域の資源の中での多面的機能も含めた格好でどうやって取り上げていくのかというのを検討していきたいと思います。現に水産研究所の方でもアユの放流技術の研究というのを引き続きやっておりますので、いろんな内水面漁業にかかわってみえる方とも意見を交換させていただきながら、今後の内水面漁業を考えていきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。

○藤田正美委員 特に海から山まで、上流までアユが行き来することによって立派なアユが育つんで、それをこういう方向で具体的に考えていくと、アユのえさもちゃんとせないかん。石につくナメをきれいにするには川の瀬をどのようにつくってやるとか、いろんなところに展開してくんです。そのことによって、また地域内の循環が起こるということなんです。これは今から質問させていただくことに関連してくるんで、ぜひよろしくお願いします。
 この施策231の自律的産業集積の推進、中小企業活力の維持・拡大、地域資源を活用した産業の振興、観光・交流の振興ということで、私がまず申し上げたいんは、確かに中小企業活力の維持・拡大ということをこの第三次戦略計画の中で取り上げていただいているんです。
 これから、三重県がどういう方向に持っていくという意味では、ここはすごく大きなことだと思っております。私は今までの三重県は産業政策をひとくくりにしていたし、中小企業もひとくくりで見ているんじゃないんかなと思うんです。実際、中小企業の活力って、そもそも中小企業の構成は今どういう形ですか。まずそこをもう一遍、再認識してから質問に入っていきたいと思うんです。20人以下とか20人以上とか300人以上とか、ざくっとそういう方法でひとくくりにできませんけど、実際20人以下の小規模事業者が全て企業というか事業所というのか、どっちでもいいんですけど、どういう構成になっているんですか、今。

○川島総括室長 これは中小企業白書の数字でございますけれども、まず県内の企業数でございます。これが全体で6万809、これはちょっと数字が古くて2006年のでございますが、いわゆる中小企業がそのうちで6万717、99.8%を占めております。

          〔「6万いくつですか」の声あり〕

○川島総括室長 6万717でございます。これが三重県の数でございます。
 それで、いわゆる小規模企業と言われる20人以下というところかなと思いますけれども、これにつきまして5万3728、これは88.4%でございます。大企業は92で0.2%程でございます。そのような企業数の構成になっているかと。

○藤田正美委員 今の、6万717というのがいわゆる中小企業です。そのうちの20人以下が5万3728というのが小規模企業の数ですね。
 私はなぜそういうことを言いたいかというと、右肩でずうっと来とる中で、経済もパイも広がってく、収益も上がってく、出来高も上がってくという時代から、大変今厳しい状況というか、もう私が言うまでもないんですけど、市場経済、収益性というところにビジネスは誰でもそこへ目標を置くわけです。特に市場経済、収益性の世界です、ある意味では。そうなったら当然強いところが勝ってく、負けてくという表現は、ちょっと誤解を恐れずに言えばそういうことなんです。
 それでずうっと行った結果、小さいところは今どんどん疲弊して数もどんどん減ってきていると。維持拡大っていうけど、今までのやり方ではどんどんそういう小規模事業者とかそういうものは事業が成り立たない状況になっているということを本当に深刻に考えなければいけないと思うんです。
 そうなると、例えばそうじゃない町の商店や町の工場というのは、何遍も言いますけど、地域の中で、そのコミュニティーの中で、ともに生産、雇用、消費というものをやっていて、農業の人たちも林業の人たちも漁業の人たちも、私は多分この6万717のうちの5万3728の中で全部苦労されている人だと思うんです。
 そうなると、そういう市場性、収益性の世界の企業と、地域のコミュニティーを担っている、極端に言えば、そういうところを本気でこの第三次戦略計画の中で、何としても元気にしてくというような、そういう政策がこれから必要になってくると思います。
 そこで申し上げたいのは、例えばこの第三次戦略計画の矢印の中で、中小企業活力の維持・拡大というところはそれでいんですけど、元気で魅力ある農山漁村づくりは地域の特性を生かした農山漁村の振興と多面的機能の維持増進という方向になっとるんです。
 例えば、安全で安心な農産物の安定的な提供は安全・安心な農産物の安定的な供給と、こういうふうに横に行っている、私はそれはそれで理解するんですけど、そもそも論ですね、地域の特性を生かした農山漁村の振興というのに、もう少し地域の方たちが所得を得るような、そういう角度があってもいいんじゃないかと思うんです、すべて。西場委員の先程のと関連するんです。消費者の立場で安全・安心というものは大事なんです。当然顧客を大事にしなかったら商売は成り立ちませんけど、豊かな自然がありながら働く場がなくって、そして若者が流出をしていく。当然、人口減少、超高齢化の中で、そういう深刻な状況にあるときに、そのへんの市場性、収益性というところと、もう一つ、地域の山を、川を守って、農業をしていていただく、そういう小規模事業の人たちが、本当に所得を得る、やりがい、生きがいというものを生み出してくという意味では、もう少し中小企業活力の維持・拡大の中で、従来の市場性、収益性だけの分野がまだまだ強く、4年間でまだまだ意識が変わらずに行くような気がするんです。
 私は、これからの新しい価値というのは、そこをやっぱり元気にしていかなければ都市部も元気にならないし、日本の国も元気にならないと、このところが非常に重要なところであると思います。そのことに対して、理事は、私の言うことはわかっていただいておりますけど、ちょっと議論をさせていただきたいと思うんです、まず。

○川島総括室長 ちょうど第二次戦略計画を策定しますときに、地域間格差といいますか、そういうものが1人当たりの県民所得等でも広がってきておりました。そういう中で、地域の雇用とか経済を維持していただきます産業の振興というのは非常に大切と考えておりまして、ちょうど第二次戦略計画のときには、地域資源を活用した産業の振興というのを重点事業として取り上げさせていただいて取り組んできたところでございます。
 これは、特に地域資源を活用される産業、例えば食品産業とかが県内で数が多いんです。比較的小規模な事業者、製造業ですので20人以下のところの食品産業なんかも大変多いということで、そうした地域の特色を生かして産業をすること、あるいは業をすることによって地域間の格差等が広がらないように維持をしていくという気持ちで、地域資源を活用した産業の振興というのを取り組ませていただいています。
 その中で、コミュニティ応援ファンド等もつくらせていただいておりまして、例えば地域の課題を解決してくようなビジネスについても、新たに創業されてやられる部分もビジネス的に支援していくというようなこともさせていただいてきたところでございます。
 今回につきましては、重点事業で取り組んできました地域資源を活用した産業、これは小規模な事業者が比較的多いかと思います。これを一つの施策ということで柱に挙げさせていただいておりまして、これの維持・拡大、あるいは競争力を少しでもつけていくという視点でも取り組ませていただいております。
 それから、中小企業活力の維持・拡大の中では、施策232の14ページのところでございますが、やはり地域コミュニティーという意味では商店街とか、あるいは地域生活を担う商業等についても非常に大切な役割を果たしているかと思っております。その中で商業あるいは小売等、あるいはこういう小規模事業者のサービスが生活機能を維持するためにも必要な業であると思っておりますので、こうした生活機能の維持のための取組についても第三次戦略計画の中では取り組んでいきたいというふうなことも考えております。

○藤田正美委員 今言われたように、私の今言ったことは大変もう理解されてやられているということは申し上げたいと思うんですけど、この中小企業活力の維持・拡大の矢印です。例えば健康づくりの推進、子育ての環境の整備、地域とともに進める福祉社会づくり、すべてこの中小企業活力の維持・拡大に私はつながってくると思うんです、これからの新しい施策というのは。上から行けば、安全・安心な農産物の安定的な供給、それからずっとほとんど科学技術振興・交流の推進というのも間接的にはつながってくと思うんです。そういうふうな時代じゃないんかなと思うんです。
 ですから、コミュニティービジネスとかソーシャルビジネスとか、新しい地域の環境をよくすることによって経済もよくなるとか、そういう時代で北川知事の頃は、西場委員も言われたように、環境と経済が同軸とそういう大きな方向、それは単なる小規模事業者がなかったら、この日本の国が元気にならないと、ちょっとオーバーに言わせていただきますけど、農業にしろ林業にしろ商店街にしろ、すべて私はこれからそこが一番大事なとこやと思うんです。確かに難しいんです。こういうふうに施策別で分けて進めていかなければいけないですけど、そこのところをしっかりこの第三次戦略計画は大きな目玉にしていただきたいなと思います。みんなが非常にいいことをする、元気な高齢化社会をつくってく、長寿を喜べる社会をつくっていく。地域に住んどる人たちのそういうきずなやそういうところでやっぱり成し遂げるもんだと思うんです。
 だから、行政での福祉、民力による福祉もあるんです。行政でそういう困った人を助けてくという福祉もあれば、民力で行く福祉というものも私はあると思うんです。それは単なる、本当にそういう事業をボランティアでやる人もおりますけど、これから持続的に拡大してくというところは、そこが新しいこれからの価値じゃないんかなと。そこでできないことを補完してくような産業政策というものをとっていくと。そして、当然、国のそういう新しいグローバル経済の中で競争に勝ってくような産業というものも大事です。それは国も強くする、県も強くするというのはもう当たり前のことでありますが、それだけじゃなくて、本当にそれと二本柱でやるような、そういう意味では、今言うように、この地域資源を活用した産業の振興というものを、本当に小規模事業者にどんどんやっていただくということが非常に大事じゃないんかなと思います。
 もう一点、申し上げます。この一中小企業、小規模事業者、小さな企業です。そこでいろんな事業を完結していくということも大事です。そこの資金繰りをうまくする、新しい技術革新をしていく、そういうことはもう当然大事です。市場経済の世界で商売したら、利益を上げなかったら会社はつぶれるんですから、もうそういう世界です。ですから、そういうことにならないように新しい業種にチャレンジする仕組みやそういうことも大事です。しかし、本当にそれだけで、今現在、小規模、中小企業の皆さん方がこういう時代の大きな荒波を乗り越えられたかというと、体力のある大きな企業には負けるわけなんです、ただ努力だけでは。
 私は、これから第三次戦略計画の中でそういう中小企業の拡大なんかにもう一件入れていただきたいんは、特に特化していただきたいんは、地域ぐるみで地域完結型事業というんですか、私の表現で言えば。地域の人が地域全体で、例えば観光にしろ、農業は農業で西場委員、営農とかそういうものをやっていますね。そういうふうに、地域で完結型の事業をかなりみんなで知恵を絞って応援してく体制になれば、例えば地産地消という言葉が今言われて定着しております。まさにそのとおりです。だけど、本当に地産地消だけで地域の経済が循環するかというと、私はなかなかしないと思うんです。地域でつくったものを地域で加工して、それで独自の流通機構をつくって、他の地域で消費していただいて、そのお金が地域でまた、例えば1000円というお金が1回、2回、3回回るような、そういうふうなところまで踏み込んでこういう中小企業政策、また産業政策、経済政策というのを本当にこの第三次戦略計画のときにはしっかり議論して、そういうところ思い切って行くんだというような、そういうことを頑張るんだというようなメッセージを私は出していただかなければ、どんだけグローバル経済でお金をもうけても、結果として地域は豊かな自然で住めない状況になっとると私は思うんです。
 非常に難しい議論をさせていただいているんですけど、そういうところが中小企業活力の維持・拡大であるし、地域資源活用型の産業をつくっていく。ひいては観光、交流につながってくということで、ここのポジションはすべてをこれから引っ張ってく非常に大事なところの政策じゃないんかなと私は思っているんです。部長、どうですか、その件に対して。

○渡邉部長 おっしゃるとおりです。いわゆる市場経済優先に今まで突っ走ってきた中で、非常に格差を生んだというのもまさしくこういうことが大きな原因で、本来、地域は、いろんな議論があるんですけれど、ある方は、要するに成長なき発展があるんだろうかと。経済成長なき発展があるんじゃないかとおっしゃる方も見えます。これはいわゆる市場経済を優先した右肩上がりでどんどん経済的に大きくなってくことがそのまま発展だというふうに認めてく価値観と、そうではなくて、委員がご指摘のように、地域内でいろんなものが循環して、それを豊かさと感じる、これも一つの発展というふうにとらえる価値観も大事じゃないかという議論だと思っています。今おっしゃっていただくのは、まさしくそこの中にも当然経済原理はあるんだろうけれど、そこに配慮しながら、地域の人たちのいわゆる満足感、幸せ度というんですか、そういうものを上げていく政策として、委員がご指摘の、農業もそうでしょうし、中小企業対策、零細企業対策、それから観光、すべてがその部分を担う役割があるのかなと。
 ただ、それぞれで特色がございますので、どういうふうに取り組んでいくのか、それぞれがまた連携ということも視野に入れながら取り組んでいくのが大事じゃないかなと思っております。

○藤田正美委員 僕は最後にしますけど、市場経済、収益性ということに対して、県がしっかりやることも大切なんです。大企業の役割が大きくて、当然雇用の場も財政面も三重県を強くするという意味でもすごくそれはそれで大事なんです。
 それは今まででもかなりやってきたと私は思っているんです。小規模事業者だけ何とかしてくれというんじゃなくて、そういう会社が、5万いくつあるんです、8割の。そこらが元気になるということはどういうことなんやということをしっかり考えていく時期になったんかなと私は思っております。
 ですから、そういう地域で完結型というのも、この前、常任委員会で新潟県へ行ってまいりました。燕商工会議所のマネジメントで「磨き屋シンジケート」といって、ビールのコップとか、もともと食器とかを、磨いてやるような45の企業が、商工会議所がいろいろとコーディネートして地域全体で磨きの技術を商売として成功している事例を見てきたんです。異業種の場合は、かなり異業種交流というのはできるんですけど、同業種の場合は、そのノウハウを持ち寄ってということはなかなかできないんです。そこへこの燕商工会議所の人と企業が連携して地域全体でそういうものを発展させていると。これはまさにすばらしい将来の我々三重県でもそういうところをちゃんと運用、運営していく、連携していく、コーディネートしてく、そういうところがこれから私は本当に大事なとこやと思ったんです。
 それで、1事業をちゃんと成長させていく、助けていくということと、地域の特色ある農村にしろ、地域のその人たちのそういうものが連帯してやれるようなところへ知恵を使っていくと、これから小規模事業者たちが新しいグローバル経済の厳しい中でも勝ち抜いていけるんじゃないかなと私は思いました。
 地域完結型の事業をやってくれという難しい話をしましたけど、ぜひそういうふうな意味で、このへんをしっかりわかりやすく、指標はちょっとわかりづらいです、すべて。数字をとるのが難しいんだと思うんですけど、そういうところが元気になるような方向にひとつこのへんの第三次戦略計画は持っていていただきたいということを言いまして終わります。理事、所見を。

○林理事 非常に大きな話をしていただきました。ちょっとどうお答えしていいのかなというのはあれなんですけど、大きくは2つお話をいただきました。
 今回、素案ということで、施策的には科学技術を除けば3本出させていただきました。施策231については、基本的には先端的なというか競争力のある産業構造をつくっていきたいと。2つ目の施策232については中小企業と。この中小企業は、実は次に出ます施策233の地域密着型産業にもかかわってまいりますし、施策231の先端的、あるいは競争力のある技術力を生かしてというところにかかわってまいります。それとはまた違う意味で、中小企業ならではの改善点といいますか、課題もあるという。それぞれにまたがってきます。
 藤田正美委員が、ずっとおっしゃっていただきましたのは、こういうくくり方をこちらでちょっとさせていただいて申し訳ないですけど、県民しあわせプランということを置いてございます。その中で「文化力」に基づく施策、あるいは「新しい時代の公」ということで、いわば行政だけでなくて、それぞれの役割を県民の皆さん、あるいはいろんな団体の方も果たしつつ社会をつくっていこうということで、目指すところは元気づくりであり、暮らしづくりであり、絆づくりであるということで、それを大きくまとめていただいたのが先程のお話だと思います。
 私どもとしては、商工あるいは科学技術を持っておりますので、しあわせプランを具体化していく中で、一つの施策のパートとして取組をさせていただいています。その施策が、先程もございました農業であれ、子どもの環境であれ、それぞれにかかわってくるのは、例えば中小企業の構成といいますか、細かい業種でいけばそれぞれに皆さんかかわってみえます。それは当然といいますか、総体として産業面から見れば中小企業全体が振興されていくということを目指していくんだと思っています。私どもとしては産業振興のそういう視点に立って3つの施策で取り組んでまいりたいなと考えております。
 それと、2点目の地域完結型というのは、大きくおっしゃっていただきましたが、取組として非常に難しいところで、お話しいただいたことをすべて満たせるということではございません。例えば施策233の地域密着型産業という中では、少し県の取組方向ということで書いてございますが、その中にネットワークづくりというのを少し入れさせていただきました。それはどういったものかというと、一例で言えば農商工連携であるとかそういったものは、農商工連携の法律であるとかそれぞれの中で事業者をつくり出していくということで取り組んできております。残念ながら、それぞれの事業者がみえますが、必ずしもその事業者全体にネットワークがあって一つの方向、地域密着型産業といいますか、三重県でのそういったものを振興していこうという大きなベクトルまでできているかというと、そういう部分はまだ少し薄いということもあります。事業者の方に負担をかけるという意味じゃなくて、市町であるとか商工の関係の団体であるとか、県もそうです。それぞれの団体が考え方なり課題なり今の状況とかを情報共有というか認識を共有しながら進めていくような場をということで、先程地域全体でというお話ございました。もしそういうものが進んでいけば、藤田委員がおっしゃったようなそういった地域全体で取り組んでくということにひとつつながっていけばいいかなと考えておりますので、努力させていただきます。

○藤田正美委員 どうもありがとうございました。
 なかなか難しいですけど、そういうところを克服してかないと、一小規模事業者ではなかなか難しい問題もあるんで、全体で取り組むような中でみんなが協力し合って知恵ときずなでやってくようなところがこれからの大きな課題であると私は思っております。
 そこで、この中小企業というのも同じようにずうっとこれから横で考えると、今言うように大企業の下請の中小企業もおれば、商店を昔からやっとって店屋をやっとるようななりわい的な人もおれば、あるいはもっとベンチャー的なところへ参画して成長してくんだという思いの人もおれば、社会の役に立つようなことをして社会企業家というんですか、そういうような企業もこれからいっぱい生まれてくるんです。そこらをしっかり分析しながら、それにふさわしい施策をこれから打っていけば非常にいいんじゃないかなと。それは難しいようですけど、これからそういうふうなコミュニティビジネスやソーシャルビジネス、新しいビジネスは生まれてきます。そういうことをちゃんと我々が把握していくということがこれからの中小企業政策に対して的確な施策が打てるのかなというような思いがします。これは私の思いを申し上げまして、終わらせていただきます。

○末松委員長 ほかにございませんか。

○西場委員 今、藤田委員の方から、商工業一本じゃなしに、大規模あるいは中小規模、また中規模と小規模に分けるというような仕分けをしていただいたので、少しよくわかってきましたし、小規模をしっかり支援するようなお話もいただいたんです。前にもいただいておるデータかもわかりませんが、この機会にもう一遍教えてほしいんです。それぞれ大中小規模に分けて生産額、総生産の額です。それから、それぞれがどのように推移しとるかということが知りたいんですが、すぐ出ますか。最近の生産高でもいいですけど、あるいは販売高というのかな、扱い高。

○川島総括室長 工業系になると思いますが、製造品出荷価格ですけれども、平成20年度、県全体で11兆7450億5800万円でございます。それで、300人以上のところにつきましては、7兆5919億1600万円の製造品出荷額がございます。その差の残りが中小企業ということになってくるのかなと思います。特に20人から大企業に至るまでの間ですが、299人以下の間の事業者につきましては3兆7154億円です。それから、19人以下の小規模事業者でございますけども、これが4377億4200万円というような数字でございます。

○西場委員 この19人以下の4377億円というものの推移はどういう特徴があるのか。また……。

○川島総括室長 少し、平成10年頃でございますが、このときが5471億円でございます。

          〔「平成何年」の声あり〕

○川島総括室長 平成10年です。
 それから、ずっと底になってきまして、平成16年で3792億円ということでございます。それで、平成20年度が4377億円と、少しカーブを描いて下へ、底へ落ちてから少し上がってきておるという感じになっております。19人以下の製造……。

          〔「5471億円から3792億円、現在は4377億円」との声あり〕

○西場委員 その関係で、ちょっと中規模と大規模の推移も、また後で数字を教えていただきたいなと思いますけどよろしいですか。
 それで、どうしても中小企業と一つにくくってしまうデータとか対応が多いですけれども、先程のお話のように、こういう言い方をしていいのかどうかわかりませんが、いわゆる町工場と言われる地域を支えておる事業者の人たちの元気度というのは、物すごく産業や商工業だけにかかわらず、地域の活力の源になっております。いろんな面でここは重要なポイントになるというように思いますと、これからのやっぱり一つの計画施策として、中小企業としてひとくくりにするのじゃなくて、中規模はどうするんだ、小規模はどうするんだと。大企業はどちらかといえば国政のレベルのいろいろ施策にお願いすることになるのかなと思いますけれども、中規模と小規模をやっぱりここでしっかり区分けしてもらうような中で、今、先程来のお話のように、この第三次戦略計画において小規模をどう充実してくんだというようにしていただければどうかなということを感じるんですが、どうでしょうか。

○川島総括室長 事業者の規模といいますのは、業種によって少し異なると思っています。先程も少し申しましたが、例えば食品産業は三重県では事業者数としては一番多いわけです。ちょっと今数字を持っておりませんが、小規模な事業者というのは食品産業が多いと思っていますので、そういう意味でいきますと、そういう地域資源活用といいますか、こういうことをしっかり取り組んでいくのが少し小規模事業者のためにもなるのかな、役には立てるのかなというふうな形で思っております。

○林理事 基本的には今申し上げたとおりなんです。例えば三重県内、大企業、いわゆる中小企業、その中でも中企業、それと小規模に当たる、ある意味、大、中、小規模という形で分類していますが、ここは大企業は西場委員のおっしゃるとおりで、少しおいても中小企業と小規模とを完全に分けた形で、例えば地域密着型でも、これは小規模だけなんだという分け方は、少し無理があるなと思っております。そういうこともあって、細かい事業はこれからまた組み立てていくわけですが、どちらでもというか、両方にまたがるような事業、地域密着型産業は、恐らく両方でまたがって少しやり方が違ってくる部分があるかなと思いますが、そういったもので組み立てていきたいなと思っています。
 それと、例えば戦略では企業誘致ということでいつも申し上げていますが、輸出企業であるところを立地させて、当然そこにはすそ野部分として県内の中企業あるいは小規模企業が入ってまいりますので、そういったところの関連でいうと、そういう大中部類のところの企業誘致といったものを進める中で、そのすそ野を確保してくあるいは拡大してくと、そういう取組もあるかと思います。そのあたりは施策231が中心部分になるかなとは思います。ちょっと断片的で申し上げましたが、そういう形で取組を進めていきたいと考えております。

○西場委員 中規模と小規模の区分けがなかなか難しいというようなところは理解しました。何とか工夫していただいて、地元に密着した企業を支援する施策というものをこの際、せっかくの計画づくりですので位置づけてもらえばなと、こういうふうに思います。それから、地域密着で地域コミュニティ応援ファンドとか農商工連携というので動いていますが、これらはみんな国の施策なんです。ここにも書いてありますが、中小企業地域資源活用促進法ができましたと。そして、このファンドができましたと。農商工連携のための国の施策ができましたと。これが動きましたと。これはこれで結構なんですけれども、そうじゃなくって、我々が議提でやった地域産業振興条例が示すように、そこの地域でどんな地域おこしができるのか、産業おこしができんのかという視点での実績なり活動なり方針が欲しいわけです。ところが、国からのトップダウンというとちょっと語弊もあるけれども、そういうもので頼っておると、それに見合うところしかやってかないし、もう一工夫要るんじゃないかと。国の施策にのっていけない部分をどうやって拾い上げるかというのが地域産業振興条例の思いでもあります。先程来、地域内循環型の経済構造に切りかえていくというような提案もありますけれども、まさにそんなところから何かが始まるように思います。せっかくの第三次戦略計画のチャンスですから、思い切ったそういう方向づけをしっかりしていただきたいなというように思います。もう時間がないですから、一つにまとめて言いますけれども、この間の本会議で中小企業、あるいは小規模企業の振興条例の提案が中村進一議員からありました。これ知事も今後、いろいろ検討しながら進めるというような、そんなに名回答ではなかったけれども、いわゆる検討していく旨の話がありました。
 さて、そういうことから行くと、4年間のこの計画の中にこのへんの位置づけも書き込んでいく必要があるのではないかと。今の状況下からいって、このままではいけないという思いもあります。このあたりについて、少し思い切った対応策を求めたいんですがいかがですか。

○林理事 大きくは2つといいますか、つながっている形の委員の方のご指摘かと思います。
 ファンドにつきまして、スタートは確かに農商工連携もそうでしたし、ご存じのように、ファンドの中身自体が国の中小企業基盤整備機構からの出資を相当額いただいてやっています。それ自体は大きくは国がつくられた施策ですが、常に例えば地域コミュニティ応援ファンドも中身が地域資源活用型であるとか地域課題の解決型であるとかという形でつくらせていただいていまして、かなり間口の広いといいますか、幅広い対応をしております。農商工連携も、別に、農林水産にまあ限らないとだめなんですけど、広い形で展開をしていこうということでさせていただいています。そういう三重県のやり方はつくりつつあるのかなと思っています。
 ただ、2つ目におっしゃいました条例の絡みですが、確かに県としてどんなふうに進めていくのかということの議論はいろんな場面でお受けしております。こちらの施策232のところにも書いてございますし、本会議で知事も少し答弁をさせていただきました。まずは施策のところに中小企業振興施策の展開、方針を示すということにさせていただいています。そこのところ、関係のいろんな市町も含めたところからいろんなご意見もいただいて、県として、あるいは三重県の市町あるいは団体、企業の皆さんもそれぞれの役割を果たしていただく中で、どういう方向を持って進むかというようなことを少しここらで議論もさせていただいて取り組んでいきたいというのがこの施策の中で書かせていただいている中身でございます。
 条例は、知事も申し上げましたが、そういう議論の中でいろんなご意見はあると思います。そこを踏まえる中でというぐあいに考えております。
 4年間やっていくわけでございますので、まずこういう振興の方向性といいますか、そういった議論を少しさせていただいてというぐあいに今考えております。
 以上です。

○西場委員 この14ページの3行目の軸がそういう意味合いを含んでおるんだということであれば、少し理解もできるんです。しかし本会議でもやりとりがあって、そして委員会でも今こういうやりとりがあれば、もう少し明確にもう一歩進んだ表現にして、県としての独自の中小企業の振興の政策条例をつくっていくというものが一つ方向づけできるようなものを、今これからつくるんですから、委員会、そして全員協議会なり本会議にかけていく中で、もう一歩も二歩も進めたことがあっていいんじゃないか。
 先程来の話のように、そういう中で、この地域を支えておるとりわけ小規模の事業者に対して、光を当てるような形での県の独自策をつくっていくということについて、もっと前向きな表現があるべきだと、そういうように思います。

○林理事 素案でございますので、これから当然中間案をつくってまいります。それと、素案の段階で中小企業振興のための方針をということでお示しをさせていただいています。中間案の中にどういった表現をするかというのもこれから検討はさせていただきます。すると、中小企業振興のための方針ってどんなものを考えるんだという議論は、またこれは既に素案でお示しをしておりますから、また常任委員会の場で、今日というわけにはまいりませんが、少しまた整理もさせていただいてということでも議論をしていただいてと思いますんで、よろしくお願いします。

○藤田正美委員 生産額を教えていただいたんですけど、この雇用人数はわかりますか。
 今わかれば、ちょっと教えていただければ。

○川島総括室長 今手元にその資料ございませんので、また……。

○藤田正美委員 後でください。というのは、5471億円から4370億円、確かに厳しい状況です、とにかく落ちていると。雇用の場としても私は中小企業、小規模事業者が7割ぐらいを占めていると思っているんです、雇用の場としては。そのへんのデータもまた後で下さい。

○末松委員長 先程の出荷額の推移含めてまとめて全委員にデータ整理して資料として届けていただきますようにお願いしたいんですが、よろしいでしょうか。
 よろしくお願いします。
 ほかにご質疑ございませんか。

○藤田泰樹委員 施策513の関係です。これはお願いなんですが、基本事業の51303、科学技術への関心の増進ということで、施策の方もずっと見ていたんだけれども、基本的にこちら側が主催する事業に参加をしてくるという形のカウントになっているんです。これ逆に出前講座的な、こういうイベントに呼び込むというのも一つの手ですけれども、本当に関心を持たせていくためには、というのは、イベントに参加する人というのはもう既に関心があるんです。そうじゃないところを掘り起こしていかないと、科学技術の関心なんていうのは非常に限られた人たちのものになっていってしまうことが多いんです。だから、施策的にぜひ、今後の話です、検討していっていただくときに、こういうイベントをやることも大事です、セミナーやることも大事です。私も毎年、リーディング産業展、これは毎年行かせてもらっていますけれども、ああいう場というのは興味のある者にとってはすごくおもしろいし、新しい技術も聞くことができるのですけれども、興味のある人なんです。だから、それ以外のところへどう展開をしてくかというのが、これから科学技術のすそ野を広げていくという上では非常に大事だと思います。これは農水商工部だけじゃありません。教育関係の方とも連携をとってもらわなあかんと思いますけれども、そういうところへ出前に行くような形の施策もぜひ取り組んでいってほしいなと、これはもうご要望です。

○服部政策監 出前講座のような取組を数年前まで組織的にやっておりました。今でも地域にあります研究所では、そういう依頼がありましたらそれは対応させていただいております。それはカウントさせていただくということで考えておりますので、今後またそういう要望がたくさんあれば、また出前講座のようなものも復活させたいと思います。今のところはそんな形で対応させていただきたいと思っております。
 以上です。

○藤田泰樹委員 ぜひ積極的に売り込んでってください。三重県なんか結構製造業が多いわけですから、そういう意味で科学技術というのはすそ野を広くつくっておくことが大変重要になってくると思いますので、ぜひお願いをします。
 結構です。

○末松委員長 ほかにございませんか。

          〔「委員長、どこまで」の声あり〕

○末松委員長 今、産業政策分野です。

○水谷委員 今いろいろ皆さんの意見も聞かさせていただきました。まず、中小企業、特に小企業はほとんど我々の地域では大手の下請あるいは孫請、これをこつこつとこなしている。そして、我々の世代の方がそれを引き継いできて、新しいこれから二代目、三代目につないでいこうというのが今の大体時期になってきていると思うんです。
 その中で、いろいろずっと施策を講じられて、これを見ていまして、本当に第三次戦略計画の中でこれがきちっと実行されていけば、僕は非常に元気になってくるであろうというふうに思うわけです。特に地域資源を生かしたそれぞれの小規模企業というところがどういったものを新たに発掘してくるかということがこれから雇用を生むし、あるいはこれからの三重県の産業経済の大きな発展になってくというふうに僕は思うんです。そのためには、それぞれの地域に合った、あるいはそれぞれの地域で市町、あるいは商工会とかJAとか、JAの場合は特にこれからの農業というものを将来の産業という形に見据えて取り組んでいかないと新たな産業が出てこないと思うんです。
 だから、そのへんの教育というものを、人材というものを、相当今度からは強くしていかないと新たなものが生まれてこないというふうに思うんです。それから、大企業、特にいなべ市の方は非常に大きな企業、自動車関連を初めとする企業が多いわけです。ここが今、少しまた雇用が生まれてきて、来年の4月、もう高卒の新卒を大分採用するところも出てきております。だけど、こういった企業がこれからますますもっともっと伸びていくためには、これは当然県土整備部との関連もありますけども、やっぱり道路が整備されないと、とても新たな企業は出てこない。
 それと、大きな問題は、もうこれ済んでしまったことですけども、東海環状道路がおくれることによって大企業を逃がしている、企業誘致として。こういったことも含めて、農水商工部と県土整備部との連携、これをやっぱりやっていただいて、横とのつながりできちっとした対応をしていかないと、企業誘致だけしても、あるいは元気に活発にしてこうと、製造品出荷額をどんどん伸ばそうといったところで、逃げていく企業が多くなります、これからは。そういったことも、もう既に僕は聞いております。
 だから、そういったことが非常に大事であるから、そういったことも含めて、横とのつながりの議論というものをきっちりやっていただいて、それを知事なり国なりに上げていただいて、積極的な道路整備もしていただきたいと、これは大事なことやと僕は思います。
 そのへんでいろいろ高度な議論が今ありましたんで、私は余りそういうことはわからないですけども、とりあえずそういったことを今感じました。それはぜひひとつこれからの戦略としてやっていってほしいなというふうに思います。よろしくお願いします。

○末松委員長 部長、答弁があれば、ありますか。理事。

○林理事 企業立地に関しては、水谷委員がおっしゃっていただいたとおりで、そこに来ても物を運べなければ何の意味もございません。そこは非常に重要なことですので、これまでも努力してまいりました。特に高速交通網等については予算もかかりますことから、県土整備部も大変苦慮しているところですが、一層連携をしてまいりたいと思います。
 それと、前半おっしゃっていただきました地域密着型のところは、まさに地域それぞれで、農林水産業の方あるいは逆に商工業の方に、それぞれその地域に何があるのかというところにまずは目をつけていただいて、いろんな取組をしていただく必要があると思います。なかなか県がすべてをということは、難しいというよりも恐らくは不可能だろうと思っています。その中で、それぞれの方をいかに支援していただくかというのは、市町であるとか地域の商工会であるとか、そういう方々が中間支援という形でぜひお取組をいただきたいということです。それについては県もともに連携をしてやってまいりたいと考えておりますので、引き続いて努力をさせていただきます。

○水谷委員 当然、市町とか商工会とかがやっていけばいんでしょうけども、なかなかそこが実態としてあらわれてこない。だから、県としても指導力を発揮して、こういった施策を講じるんであれば、そこをやっていただきたいと思います。ぜひよろしくお願いします。

○末松委員長 ほかにございませんか。

○西場委員 今、県土整備部とのいろいろ関係の話があって、ちょっとこの機会に聞かせてほしいんですが、建設業というのは地域産業の中の有力な一つだと思うんです。この建設業に対する所管というのはどこがしとるんですか。

○岩﨑総括室長 国におきましては国土交通省の方が所管しておると聞いておりますし、県の方でも県土整備部の建設業室が所管してみえるということでございます。

○西場委員 私はこれ谷間になっておると思います。建設業という事業はもちろん公共事業を中心に担う産業ではありますけれども、地域の産業でもあるんです。むしろ今まで地域を引っ張ってきた大きな産業であった。ところが今、公共事業を初め一般事業も物すごく衰退傾向にあって、その業種そのものが大変厳しいところにあって、この存続、地域経済への影響も含めて厳しいところがあります。そうなると、ありあふれるそういう仕事の中で交通整理をして、無謀な入札とかそういうものに行かないように厳しく取り締まるという意味での対象とした場合に、県土整備部の建設業室の方がそういうランクづけをしたり、そして公正な取引をしたりというところで、建設業の指導をしっかりやっていくということについては妥当かなと。
 しかし、これから地域の産業として地域経済を担っていただくのにどのように建設業を育成していくかというようになったときに、私は県土整備部ではなかなか十分ではない、そのノウハウも少ないと。そうなると、商工施策の中で建設業をどうしていくかということの方が今日的なテーマだと、こういうように思います。
 今そういう中で、建設業という話が出てこない。これは県の分掌的な事業を検討する俎上に上げていただいて、建設業のこれからの産業育成という意味でどこが担当するのか、一遍ご検討いただきたいんですが、いかがでしょうか。

○渡邉部長 ただ、一義的に少しお話ししますと、どこまでいっているかどうかわからないですけど、やっぱり業種転換というのが非常に大きな課題にはなっております。そういう取組は、例えば国土交通省が音頭を取って県も入りながら検討するということが既にされております。ただ、委員ご指摘のように、十分見えないというご指摘はあるかわかりません。例えば私ども実は、農業にぜひ進出していただきたいというアプローチを、何回も農業政策の中ではしております。
 したがって、建設業全体をどのように取り扱うかを含めてだと思いますけれど、地域のそういう中核となる、どちらかというと一番活力を担っていただいた産業形態をどういうふうにしていくかというのも一つ課題だと思っています。どこが所管をするかというか、当然産業政策としても所管しますし、農業政策でも所管をしていくというふうには考えていきたいと思っております。

○西場委員 結局はどうなんですか。これご検討いただけるんですか。検討に値しないんですか。

○渡邉部長 一応、持ち帰ってどこが適切なのか考えたいと思います。

          〔「じゃあお願いします」の声あり〕

○末松委員長 ほかにはよろしいでしょうか。

          〔「なし」の声あり〕

○末松委員長 それでは、施策……。

○吉川委員 農水商工部ですから、まあ字に書いたとおりでありますが、林産に関係していると思います。それは環境森林部で農水商工部には全くないんですか。

○渡邉部長 基本的には産業としての林業、それから環境政策としての林業、すべて環境森林部の方で所管いただいております。連携という意味ではしておりますが、そういう切り分けをしております。
 1点だけ、最後に施策532に出てきますけれど、いわゆる農山漁村という枠組みの中では、私どもの方で森林も含めた取組はやらせていただいております。

○吉川委員 ちょっとややこしくて、わけのわからんところがあります、どこに所属するのか。そうすると、農地はもちろんあんたとこやな。土地、林地はどこになります。

○渡邉部長 環境森林部の方は……。

          〔「生えるもんは別やけど、林地」の声あり〕

○渡邉部長 林地開発等も含めて、林地につきましては環境森林部の方で所管をしております。

○吉川委員 やっぱりそうですか。
 そうすると、もう林業は関係しないということやね。そういう仕組みになってんのやで、それはあんたとこがそない言うてるわけでもない、聞いているんです。

○渡邉部長 申し訳ない、農村漁村という枠組み以外は環境森林部の方で森林に関する政策はやっていただいています。

○吉川委員 そうですか。わかりました。もうちょっと言いたいことあるけども、それは言いません。管轄が違うんで。

○末松委員長 それでは、施策231、232、233及び施策513については終了させていただきます。
 続きまして、施策234、観光・交流産業の振興について、観光局の分野でございます。質疑のある方はよろしくお願いします。

○北川委員 1点、要望なんです。議論の分かれるところかわかりませんが、1-1の17ページのところの現状と課題の中で、観光振興プランにも影響されるところではありますが、下から3行目で「式年遷宮の情報発信力・集客力を生かし」と、こう書いていただいています。少しひがみ的なところも出てしまうかもわかりませんが、いわゆる伊勢志摩方面の方以外の地域の観光業、あるいは観光協会も含めて、式年遷宮に合わせての県の取組はそれは結構なことだと。ただ、そこに人的な資源、あるいは資金的な資源も、財源も含めて、一個ぽかんといってしまって、バランスが欠けるんではないかというご意見があるし、聞きます。
 そういう面で、単なる表現ですが、ここの「式年遷宮の情報発信力・集客力を生かすとともに」とか、ちょっと表現をここで切っていただいて、以下は独立した文章になるようにご配慮いただければと思います。要望です。

○長野局長 おっしゃるように、そういうご意見もあろうかと思います。
 式年遷宮の情報発信力を生かすというのをここで書かせていただいたのは、当然式年遷宮ということで、全国から三重県にお越しになるお客様が平成25年、明けて6年まではだんだんと増えると。それを私どもとしては活用させていただいて、そのお客様にほかの地域にも行っていただけるような、そういう施策をやっていきたい。北川委員が言われることはよくわかりますので、文章表現としてはちょっと検討させていただきたいと思います。

○北川委員 後の文章が独立文章になるようにしていただけると、重点が広域的になるので、そういう理解で要望させてもらいます。

○長野局長 文章的には誤解のないようにさせていただきたいと思っております。

○北川委員 1-2の方で説明いただいた観光客満足度評価点を導入したいということで、その下にも注釈は書いてはいただいているんです。もうちょっと詳しく説明いただけるとありがたいんですが。

○中村総括室長 これまでも7段階で満足度調査はしておりました。今までの満足度については「大変満足」と「満足」までの上位2つだけを取り上げて何%かというのをやっておったんですけども、そうではなくて7段階を全部評価点にしまして、例えば7、6、5、4、3、2、1と入れまして、調査した分を案分してそれぞれの評価点を足してどのぐらいの平均値になるかというような評価点にすれば、例えばやや満足の人の答えも反映しているとか、例えば不満足の人がどのぐらいあったとかいうのもはっきり出てきます。そういう評価点で1回、検討を今進めさせていただいて、問題がないかというのを今少し勉強させていただいているところでございます。

○末松委員長 ほかにございませんか。

○藤田泰樹委員 ちょっと質問です。
 基本事業23402のところで、プロモーション件数って書いてもらってあるんです。1-3の方の説明を見せてもらうと、旅行エージェントに対するっていう書き方をしてもらってあるんですが、この頃、旅行の動態を見ていると、例えば向こうの映画とかテレビで放映されたところへ集中をするとかいうようなところもあります。そういうプロモーションもやりようの一つだろうと、呼び込む相手の一つだろうと思うんだけれども、そういうフィルムコミッションのような取組というのは、この中には含まれるんですか、含まれないんですか。

○中村総括室長 基本事業23402の海外からの誘客の関係でございます。このプロモーション件数というのは、例えば三重県がミッションを派遣してプロモーションに行くとか、そういうものが何件というのと、それから例えば外国から招聘ツアーのようなもので来ていただいて、三重県に何件のそういう招聘ツアーでお越しいただいて県内を見ていただいたという、その2つを足したものの、海外ではそういうプロモーション件数で今回の基本事業の目標をきちっと定めていこうかという方向で検討しとるんです。

○藤田泰樹委員 今、私が申し上げたようなものはどうなっていくんですか。

○中村総括室長 多分、映画で撮影に来るのは、それが関連があれば入ると思うんです。純粋に撮影がどこまでかという問題もあるんですけども、今、明確にしているこの件数は、映画のプロモーションというのは多分、日本に撮りに来るというのも、前回もありましたけども、三重県が撮影所になるかどうかというのは、最初から全部決まっているわけではありません。なかなかそこはカウントしにくいところだと思います。もう明らかに三重県に来るという行程の入れられるもの、中には最初から決まっていれば映画撮影もあるかわかりませんけれども、それははっきりと三重県行程が入っているかどうかで仕分けしてくんかなと思います。

○藤田泰樹委員 ごめんなさい、ちょっと質問と答弁がすれ違っているみたいな感じだけども、そういうフィルムコミッションのように相手国へ売り込みに行くというようなことはこの中に含まれないというのはわかりましたけれども、されるんですかということです。

○中村総括室長 ロケ地として三重県に来てくださいという売り込みということでございますね。そこまでは今のところ、三重県の仕込めるといいますか、そこまでのまだ海外へのプロモーションというのが現実に、これから4年間の中ではあるかもわかりませんけども、これまでの経験からいくとないもんですから、そこはちょっとカウントしてないということになると思います。

○藤田泰樹委員 国内のテレビとか映画については、各地域が売り込んでいます。ということでいくならば、外国に対しては県ぐらいが売り込まないと、なかなかそういう売り込みにはならんのかなという思いがしましたので、ちょっと言わせてもらいました。
 それと、もう一つ上の県内の外国人延べ宿泊数、従業員10人以上の宿泊施設における数のカウントということで、これは外国語なんかも含めて対応ができる施設ということでこういう施設になっているんだろうなというふうに推察はするんですけれども、日本を売り込んでもらうということからいうと、意外と小さいところへ来る、ある程度日本語のできる外国人というのが一つのターゲットになるんだろうというふうに思います。要は、ある程度日本のことがわかってみえて日本へ来て、そしてここおもしろいよというのを戻ってしゃべるというような。そういう意味からいうと、確かにこれも一つのカウントの方法だろうと思います。そういう観点も見逃さずにこのへん調べていってもらうことが外国人の誘客にはつながってくるんじゃないかなという思いがしますので、これは検討しといてもらえば結構です。お願いします。

○末松委員長 ほかにございませんか。

          〔「なし」の声あり〕

○末松委員長 なければ観光の部分で私から一つよろしいでしょうか。
 観光プロデューサーの件なんです。この前、常任委員会で県内調査に行かせていただいたときに、私たち側に観光プロデューサーの役割というか活躍があんまり見えないんですという質問をさせていただいたら、相手側は、いやいや、観光プロデューサーに非常にお世話になって非常に私たちは助かっとるというようなお返事をいただいてうれしかったというのが私の正直な感想なんです。余りに議会とかこちらの議員側には、見えづらいお仕事を、それでも現場のところで現場の皆さんと非常に密着をしながら少しずつ成果を上げていただいているということで、非常にいい部分なのかなというふうに思いました。外客プロデューサーのところは今回、第三次戦略計画の中に書いていただいておりますけれども、目新しくはないですけれども、引き続きそういった観光プロデューサーの活躍というものも、これからまた4年間また大事になってくると思います。できたら入れていただけたらなというふうな気もいたしております。
 それともう一点、アンテナショップの議論がまだまだ続いていると思います。執行部とこちら側とかいろいろ考え方がそれぞれ違うところもありますけれども、この議論というのはまだまだ続いていると思います。アンテナショップの部分についてもできたら若干検討をいただきたいなというふうに思います。それと、新潟県に行かせていただいたときに、大河ドラマで、「天地人」であそこは非常に有名になったというようなことのお話をいただきました。その中で、放映する前と後では非常に観光地も寂れてしまいがちだというようなお話も、新潟県の県議会の方からご意見をいただいたんです。うちも今度、津市の方で大河ドラマやりますよね。これは非常に観光にとっては目玉となる資源だというふうに新潟県の皆さんが口をそろえておっしゃってみえました。県を挙げて取り組んでもおかしくないような、そういうような観光資源になりつつあるというふうなご忠告もいただきました。今のところ、津市や近隣のところが頑張っとるようにしかお見受けできないので、できれば県の観光の方も一生懸命力を入れて、三重県のいろんなところと、こじつけでもいいって言っておりましたので、そういうようなことの中で、先程の北川委員じゃありませんけど、伊勢志摩だけに限らずいろんなところとこじつけられるようなネタというか資源だというふうに思いますので、できる限り応援をしていただけたらなというふうに思います。3点程述べさせていただきました。

○長野局長 私の方からはプロデューサーとアンテナショップの関係でございます。プロデューサーにつきましては、まことに申し訳ないんですけど、そのプロデューサーにやっていただいていることが議会の皆様方に余り伝わってないと。我々といたしましても、現地の方と同様で非常によくやっていただいていると思っています。これまで100件ぐらいの取組を行わせていただいていますし、それぞれいろんなご意見があるんですけど、地域と地域を今、点でしか動いてないところを線に結びつけていただいているというようなご努力をしっかりやっていただいていると思っています。これから外客プロデューサーというのも設置をさせていただいておるんですけど、ここも含めまして、またいろいろそういう情報を流させてはいただきたいというふうには思っております。
 それから、アンテナショップにつきましては、直接、観光局の方ではないんですけれど、農水商工部の方といろんなお話もさせていただいているところなんです。一定過去にアンテナショップについての整理をされたというお話もございます。
 ただ、観光局といたしましては、物産と観光というのは非常に切り離せないものだというふうに思っております。今後の三次戦略計画の中でも、そのへんはアンテナショップという形ではないかわかりませんけど、物産と観光というマッチングをどうやってくかというところが結構大きな話になってくるのかなというふうに思っています。そのへんはアンテナショップとはあるかもわかりませんけども、議論をさせていただいて検討させていただきたいと思っています。
 「江」につきましては、総括室長がいろいろ言いたいことがあると。

○中村総括室長 大河ドラマ「江」につきましては、昨年から津市とそれから津の商工会議所にお声がけをしています。まず津市からしっかりやっていった方がいいということで、年度末に推進協議会を立ち上げさせていただきました。ただ、それだけではなかなか盛り上がっていかないだろうと、県内に波及することは非常に難しいだろうということで、間もなく出ると思いますけれども、今コピーしかないんですけども、江姫ゆかりの地周遊バスというのが1月から運行されるということで、これは県事業で今発注済みで出てくるということになっています。
 それから、間もなく秋深まる頃には、江姫ゆかりの地周遊バスというラッピングバスを、県内で走らせるというところまで今準備をしてきております。なかなか活性協議会のことを、済みません、議会にもご説明を余りする機会がなくってそのままになっておりましたけれども、今のところ、そういうことです。
 もう一点は、三重大学と連携をしまして、今回の「江」の経済波及効果とかこれからの地域活性化に生かすためにはどうしたらいいかとか、あるいは連続講演会をどうしていくかというのを、今三重大学にも委託をさせていただいて一緒にやっていく準備をしているところでございます。
 きちっとご説明の機会がなくて大変申し訳ございませんけど、引き続き頑張ってまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

○末松委員長 ありがとうございます。
 そうチャンスは来るもんではございませんので、チャンスはしっかりと生かしていただけるようにまたよろしくお願いしたいと思います。
 よろしいですね。
 最後なんですが、イレギュラーで申し訳ありませんが、一つ残りました施策532の地域の特性を生かした農山漁村の振興と多面的機能の維持増進について、最後の施策でございますけれども、ご質疑がございます方はよろしくお願いします。

○西場委員 鳥獣害対策がこれに入っておるんですが、鳥獣害対策はこの施策ですべてやられるんですか。ほかにもあるんですか、どうなっていますか。

○岩﨑総括室長 今回、新たに基本事務事業として獣害対策をこの施策に挙げさせていただきました。そして、他の事業でやる鳥獣害対策というのは、環境森林部の方の木の皮をシカが食べるとか、私は事業名わかりませんが、その対策がございます。農水商工部の方といたしましては、この施策に一本化ということになりました。

○西場委員 それはどういう整理なのですか。確かにこの集落挙げて獣害に立ち向かっていこうという県のやり方について、それを進めていく上ではこういった農村振興と地域コミュニティーなどの機能強化も含めてやっていくというのは、確かに共通点はあるし重要なことではあります。けれども、鳥獣害の被害というものは、こういうところだけで扱うにはちょっと無理があると思うし、その原因までさかのぼれば、生態系が非常に淡白になり問題になってきたというところで、根本的にそういった森林資源なりそういうものをどう復元していくかというところへ入っていかなあかん。それから、動物との共生という面になれば、また違ったところでの対応というものも大事だし、被害対策という立場になれば、まさに生産振興をどういうように守っていくかというところで努力せねばならん大きな課題です。もうこの被害によって農業も林業も生産ができないんですから、その対象になったところは。野菜もつくれない、果樹もつくれない、山に木も植えられないということであります。
 そういうところですから、ここでやるとすればそういうところをどう連携するとか少しやらないと、集落挙げて獣害に強い集落づくりという面については、まさにここでいいと思いますが、それ以外のところとの関係が非常に弱い。このへんの整理といいますか対策をどうするかです。もう少しそのへんで何か説明がありますか。

○岩﨑総括室長 委員のおっしゃるとおりで、ただいま、まず問題があるのがやっぱり共生です。どれだけの適正な生息数で管理すれば人間とうまく、我々ワイルドライフ・マネジメントと呼んでいるんですけど、仲よくできるかと、お互いに生活できるか。これについては個体の管理というのが必要になりますから、当然環境森林部と一緒にやっていく。林業の関係も同じなんですけども、これは県庁レベルにおいてそういう対策プロジェクトをつくって定期的に協議もしながら、個体管理と被害防止についてお互いの施策のすり合わせを行っていくと。また、事務所におきましてもそういうチームをつくりまして、事務所の中のチームで一緒になって進めていくという話です。枠組みはそういう形で環境森林部と私ども農水商工部が一緒になって進めていくという枠組みをつくっております。
 それから、被害対策につきましては、生産振興、確かに大きな影響があるんですけども、一義的には、まず具体的に申しますれば、電気柵とか追い払いとか、そういう追い払い効果、入れないようにする侵入効果が要ります。しかし、もう一方では委員おっしゃるように、例えば最近あります唐辛子を周りに植えて猿が入らないようにする、イノシシが来ないようにする。そういう生産振興という面からの対策もございます。これにつきましても、事務所レベルの対策プロジェクトチームでこういうことをしよう、ああいうことをしよう、いわゆる農林一体となって、カワウも含めれば、水も一体となってやっておる枠組みで現在進めておるところでございます。

○西場委員 説明としてはわかります。これ後程また審議するわけですが、条例の中に獣害対策という1項目まで入れるという程の大きな課題になってきているわけです。今言われるように、他部局やら他方面に関係してくる総合施策でもあるわけです。
 ですから、これはどこの部局、室が扱ってもらうということでもいいですけれども、少なくともこれ独立した項目で獣害対策というのはあっていいのじゃないかなと、今の状況から言って。新しい施策として一つつくっていってもいいんじゃないかなと私は思います。獣害を除いたこの農山漁村の振興と多面的な機能の維持というのは、獣害も非常に切実ですが、この問題も物すごく大きいです。今度の条例でも農業と農村の振興と、こうなっているんです。そのうちのこの農村振興の中のこれ大きなメーンでしょ。今ここにも書かれてありますが、この地域コミュニティーの崩壊なり地域の活力そのものがこんな状況になってきたときに、この項目の中でどうしてくんだということの取組の内容、物すごく大きいと思います。
 ですから、そういう意味において、施策532は農山漁村のエリアの全体的な振興というものをやっていただくとして、もう一つ施策として獣害対策を私は別項目として挙げた方がよいと、こういうように思いますので、ご検討をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

○岩﨑総括室長 委員おっしゃることはごもっともで、全県的に非常に大きな問題とはなっております。さらに大きな目で見ますと、やはり獣害で例えば困ってみえる地域がある。それは獣害をキーワードにして、その集落のまとまりを、話し合いを、そして新しいプランをつくる、そういう集落もあります。一方、例えばその上の多面的機能のうち、農業の古い施設が壊れてぼろぼろだと。これを何とかせないかんということで、それを一つのテーマにしてまとめてそこからみんなの話し合いが生まれ、新たにプランができてくる集落もある。もう一つ、例えば都市近郊へ来れば、最近、もう誰も後継ぎがいなくなった。みんな働きに行ってしまうと。じゃ、みんなでどうやってしてやって守っていこうという平地の集落もございます。
 農山漁村はその集落ごとにいろんな課題が違うと思います。それらをすべてひとくくりにするのではなくて、それぞれの集落ごとのテーマによって話し合いの場をつくり、そしてプランニングをし、新しい住んでみて楽しい、本当に心豊かな生活ができる集落をつくってくきっかけづくりにしようというために、ここへ集めてまいりました。例えば、委員おっしゃる鳥獣害対策というのは大きな問題ではございますが、そのほかあらわれない多面的機能、草がぼうぼうになった、耕作放棄地ができてきた、いろんな地域地域の課題がございます。それらを、優先順位をつけるんじゃなくて、同じ地域の課題として並べて、その中でベストな方策をつくっていく。そして、みんなの話し合いができて、まとまりができて、プランができる。そこまで行けば、さらにその上の段階で、例えばグリーンツーリズムをやって農山漁村の交流とか新しい産業の創出とかその上へ行ける。せめて、先程、藤田正美委員もおっしゃいました、地域内循環経済とか、そういうレベルまで行く基礎となるのは、集落の中の話し合い、ある共通のテーマを持った一つの話し合いが一番根幹だと私どもは思っております。この中へまとめさせて、それぞれ皆これ独立もしておりません、共通した連携もした問題ではございます。一つの課題としてこの施策で総合的に取り組んでまいりたいという形でまとめさせていただきました。ご理解いただきたいと思います。

○西場委員 それだと理解しがたい。
 私が説明するまでもなくもっと皆さん方の方がよくご存じだけども、それ程この鳥や獣の害というのは深刻だし、物すごい関心だし、皆さん方にご厄介になって旧宮川村で獣害フォーラムやったらすごい人が全国から応募してきて、一体、三重県は何を提案してくれるんやと、県内外から注目されました。それ程深刻な大きなテーマなんです。これ独立させて十分たるテーマなんです。
 ですから、私は、切り離すことに別にそんなにこだわることないけれども、今雑草が多い農村の対応も、それはそうでしょう。労働力が少なくなってきて、高齢化してきて、農山のそういう景観や圃場を維持していくのに大変だ、高齢化問題もある、さまざまあります。
 しかし、今の獣害問題はもっと違った意味で大変注目されておるし、これからの大きなテーマです。どうしてもこの中に入れなくちゃならないような事情があるんなら、それはそれできちっと説明してもらって、その中でこれをじゃあ、主要目標の中のもう一つに獣害を持ってくるとか、何かきちっとしたものにしないと、この農山漁村振興が僕は、大きなテーマだと言っているんです。言っていますけども、この獣害問題はそれとは少し違った形で重要なテーマですから、別途独立させてもらうか、その中でやるんであれば、それなりの位置づけをしてもらうようにしてもらわないと、なかなか今の説明では納得いきません。今後の検討を再度、要求しておきます。

○岩﨑総括室長 一応検討させてください。先日の宮川のフォーラムで、私どもも改めて県内外の鳥獣害に対する皆さんの関心、それからお困りの状況もわかりました。その他いろんな関連性がございますもので、ひとつこの中で主要テーマとするかどうかも含めて検討させていただきたいと思います。

○末松委員長 ほかにございませんか。よろしいですか。

          〔「なし」の声あり〕

○末松委員長 なければ、ただいまちょうだいいたしましたご意見の取りまとめにつきましては、後程の委員協議でご議論をいただきたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。
 これで、『2010年版県政報告書』に基づく今後の県政運営等に係る意見への回答について及び第三次戦略計画(仮称)素案に係る施策等についてを終わります。

 

  (3)指定管理者が行う公の施設の管理状況報告について

    ①当局から資料に基づき説明(山田総括室長、中村総括室長)

    ②質問

○末松委員長 それでは、ご質問等がございましたらお願いします。

○西場委員 卸売市場につきまして、中央卸売市場から地方卸売市場にかわって、どういう変化があったのかということが大変気になるわけです。どういう側面からかというのはいろいろありますが、県として中央卸売市場の体制より地方卸売市場へかえて競争性の自由性とか等を含めて活性化の一つの一助になるだろうと、こういうような説明もありました。実際、そんな方向で今、評価する形で動いているのかどうか。県としてはどういうような見解を持っていますか。

○山田総括室長 今、委員ご指摘のとおり、前は中央卸売市場でございました。それを地方卸売市場に転換したところでございます。これに関しましては、法令の規制等が地方卸売市場の方が裁量がきくと申しますか、規制が中央市場に比べて多少緩やかな点がございまして、市場独自の運営が可能になるという利点がございます。
 この点と同趣旨で、これまで県がやっておりました市場の運営を、指定管理者制度を導入することによりまして、民間の持つノウハウ、こういったものを最大限に活用することで卸売市場の効用を最大限に発揮するという趣旨で地方卸売市場への転換及び指定管理者制度の導入を行ったところでございます。
 平成21年度のまだ1年間しかたっておりませんが、我々県といたしましては、十分にその趣旨を発揮していただきまして、地方卸売市場が民間のノウハウ等を活用していただきまして、新しいサービスのあり方でございますとか、卸売市場、卸売業者、中卸業者へのサービス向上でございますとか、試験的な市場開放、こういった新たな取組を導入していただいていることに関しまして、まさに我々が当初予定しておりました目的に合致しているものではないかと考えております。

○西場委員 県の負担というのは、中央卸売市場から地方卸売市場になってどのように変化しているんでしょうか。

○山田総括室長 実際、負担そのものは、この中央市場マネジメント株式会社には指定管理料をお支払いしてない関係もございまして、若干ではございますが県の負担という意味では少なくなっております。それは従来、中央市場時代は県の職員を十数名配置しておりましたが、それがゼロになったという人件費の問題も大きくあるかと思います。

○西場委員 この運営等につきましては、県の関与というのはまだできる状況にあるんですか。もうそれは一切、運営会社の方に任せたという状況になっているんですか。

○山田総括室長 基本的な運営につきましては指定管理者にお任せしておりますが、例えば施設が壊れたとかそういう修繕の関係につきましては、県と一定の基準を設けて分担等しております。
 また、日頃の、例えば今申し上げましたサービス向上でございますとか、そういったことに関しましても、十分県と調整した上でやっていただいております。

○西場委員 県の方で期待する今後のこの市場のあり方について、課題として何があるのか。今、試験的にやってもらっております開放について、将来的にはどういう方向を望んでみえるのか聞かせてください。

○山田総括室長 今の三重県地方卸売市場の最大の課題といたしましては、これは他県等の市場にも言えますが、取扱量が減少してきております。それは利用料の関係もありまして、地方卸売市場の財政の悪化にもつながるものでございます。最近は農産物の生産現場と量販店が直接取引をするというような事例もございます。市場を通さない取引というものの割合が増えているということが一つの原因ではないかと考えております。
 我々としましては市場の持つ意義とかメリットというものは当然ございます。商品を適正な価格で適正な場所に再配分といいますか、物流の拠点となる大変重要な施設でございます。その市場の魅力、それからサービスの向上、こういったものを他県等の事例もかんがみまして、先程委員おっしゃいました他県は市場開放を試験的ではなく定例的にやっているところもございます。そういったものも参考にさせていただきまして、さらなる市場の魅力の向上、利用者の利便の向上につなげていきたいと考えております。

○西場委員 最後にしますが、市場改革の中で変える一つの姿として、地元の産品をなるだけ集めて地元へ戻していく、いわゆる地産地消型市場というものが非常に議論になった部分がございます。それについては検討がなお続いているんですか、どんな状況でしょうか。

○山田総括室長 三重県中央卸売市場は規模が、例えば愛知県の名古屋市の市場等に比べればかなり小さいです。その小ささを逆に生かしまして、地域の産品等を扱うということは一つの魅力向上の施策としてございます。
 また、地域の小規模の量販店の皆様におかれましては、地産地消という観点で地元のものを、朝取野菜ですとかそういったものを扱いたいというニーズが増えております。市場についてもそういった地域の産品について特別にさらに扱っていこうという方向で検討させていただいておりまして、実際、量は微々たるものかもしれませんが、地域の産品も扱いを強化しておるところでございます。

          〔「ぜひその方向で努力していただきたいと思います。終わります」の声あり〕

○末松委員長 ほかにございませんか。

          〔「なし」の声あり〕

○末松委員長 なければこれで、指定管理者が行う公の施設の管理状況報告についてを終わります。
 ちょうど3時でございます。休憩を少し挟ませていただきたいと思います。10分程度でよろしいですか。それでは、暫時休憩をします。再開は3時10分過ぎでお願いします。

          (休 憩)

○末松委員長 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。

 

  (4)食の安全・安心の確保に関して実施した施策に関する年次報告書について

    ①当局から資料に基づき説明(山田総括室長)

    ②質問      な  し

 

  (5)「三重県食を担う農業及び農村の活性化に関する条例(仮称)」について

    ①当局から資料に基づき説明(渡邉部長)

    ②質問

          〔「委員長、ちょっと進め方で、よろしいですか」との声あり〕

○西場委員 条例ができて、そして、その中で規定した基本計画というのが進んでくというのが筋道だと思うんです。ただ、いろいろ時間的にもいっぱいだから一緒にそれを進めていくということで了解しておりますし、今日こうやってして一緒に議題に上ってきておる、これは了解しているんです。少なくとも、ここで進め方としてはまず条例のところの審議を終えといて、それから基本計画の説明と審議をしていただいた方が議論もしやすいし、審議もしやすいので、そういう順番でやっていただきたいと思うんですが、どうでしょうか。

○末松委員長 ほかの委員、いかがですか。
 よろしいですか。
 じゃ、そのように進めさせていただきたいと思います。

          〔「はい、済みません」の声あり〕

○末松委員長 一たん、ここで説明を終えていただきまして、この条例に関しての質疑を行いたいと思います。よろしくお願いします。
 質疑のある方、どうぞ。

○西場委員 まず、今までの審議の流れですけれども、基本的考え方を審議させていただいて意見を述べさせてもらった、こういう段階です。そして、今日骨子案が出てきたということです。その基本的考え方のときにご要望したこと、出した意見について、どこまでどういうように反映されたのかということ、出た意見に対して県が対応したことをまずきちっと説明する必要があります。この県民アンケートにつきましていろいろ説明資料は、きちっとそれぞれに対してこの文書にありますけれども、前回の委員会の中で多数あった意見、要望に対してどのような審議をして、どういう結果になったのかという説明がかなり短絡的であったので、しっかりと説明してください。

○渡邉部長 まず、いただいた意見で修正した点は、先程説明させていただきましたので、それは省かせていただきます。
 それ以外にも……。

          〔「修正した意見というのは」の声あり〕

○渡邉部長 先程下線部分で修正をしたという、別添3-2で意見ということで修正させていただいた内容ということでご説明申し上げたつもりでしたんですが……。

          〔「そのうちの委員会から指摘されて修正したのはどれですか」の声あり〕

○渡邉部長 一応、基本理念は全部、意見をいただいたものだというふうに認識しております。

○西場委員 私は、そういう記憶はないです。部長、それは間違いないですか。今回の修正は委員会指摘によって全部変えただけですか。

○渡邉部長 今回、3点変えさせていただきましたけど、基本的には前回の委員会の意見を踏まえて直させていただきました。ただ、パブリックコメントにも合わせて同じようなご意見が出ましたので、少し補足的に説明させていただきました。

○西場委員 じゃ、それも含めて補足してください。

○渡邉部長 たくさんご意見いただきましたので、全部やっていますと少し時間の関係ございますので、大まかな点……。

          〔「できたこと、できなかったこと、わかるように」の声あり〕

○渡邉部長 できました点は、先程の修正点でご理解ください。
 例えば「食を担う」というタイトル云々の話もございました。これは基本的な政策として食を担うということが農業、農村の根幹にかかわるものだということで、タイトルはそのままにさせていただいて、修正はさせていただいておりません。
 それから、あと少し文言を、てにをはというんですか、法律用語でご指摘のあった点は、そのとおり直させていただいております。
 それから、技術の普及の話について、地域の特性を生かした最後の農業、農村の活性化に向けた支援の中で、特に専門的知識を有する人材の参加、助言などの支援という部分をもっとしっかり書き込んでほしいというご要請がございました。私どもとしては、こういう表現で本来の趣旨を達しているということで、この部分については修正いたしておりません。

○西場委員 準備がないようだから回答はその程度にして、ちょっと申し上げたいことを言います。今まで何回か委員会でやってきたことについて、骨子案ができるという段階で、当然そこに反映させていただくものという感覚を我々持っておったわけです。部長が、文章では回答してないけれども、あなたが我々の質問、要望に対して、そのとき答える一言というのは大きいです。理解しました、そのように努力しますと言えば、みんなそういうように何らかの前向きなものが出てくると思うじゃないですか。それが、今出てきたところは、私が言った中でやっていただいたのは、基盤整備の維持管理、これについて文言を追加していただいた、私の記憶ではこれだけです。後継者問題等も書いていただいておるし、これは評価するところではございますけれども、自分の記憶が浅いので、これはこれで委員会の要望に応えていただいたということであれば結構です。
 やはり我々が県民代表としてこのテーブルに参加させていただいて申し上げたことについて、いま少しきちっとした対応がなければ、これはどんなもんだということになります。非常に残念であるということをまず前段として申し上げて、いま一度、残念ながら少し時間をかけてこのご要望なり意見を申し上げさせてもらわねばならんと思います。同じことの繰り返しになりますけども、きちっと聞き取って、きちっとした返答をまずしてください。
 一つは、この条例の中に、特に目的部分ですけれども、何をやるのかというその思いがこもっていないということです。まず、現状としてある危機感を、こんなにまでなってしまった農業、農村の現実というものをここに書き込んでください。そして、新しくどういうようなこれからの農業振興施策をやるのかという内容を書き込んでください。それはいろんな話の中にも出てきておりますし、十分それに足る皆さん方の思いもあるんです。どうしてその目的や理念の中にそれが出てこないんですか。この県民のパブリックコメントの最初の意見の中に、全体事項でさっき部長が説明していただいた要望と答えがあります。「農業従事者の急激な高齢化や耕作放棄地の増大」、「水田農業を基幹とした小規模な兼業農家主体の農業構造」という観点が素案から抜けていると。こういう指摘に対して、県は対応策として、本県の農業・農村を取り巻く、農業従事者の高齢化、耕作放棄地の増大や、水田農業を基幹とした小規模な兼業農家主体の農業構造などさまざまな課題や実情に対応していくためには云々と、こうあります。これを目的に書いていただいたらどうですか。この現状把握と、そしてこれをやるんだということを。
 今のこの目的の中で何が伝わってくるんですか。本県の農業生産の厳しい現実を踏まえまして、その後退に歯どめをかけると。そして、この条例を制定して、県民一丸となって三重県の農業再生に立ち向かっていくという、そのための条例だということを明記してほしいんです。今のこの4行では、何も伝わらない。
 それから、「食を担う」というタイトルも、これで行くんであれば、この「食を担う」ということについての意味合いをしっかりわかるように書いてもらいたいと思います。
 県民のパブリックコメントの中にも、この食のタイトルという文が少しありました。パブリックコメントの3ページ目の上に、地産地消にこだわり「食を担う」にこだわり過ぎています。「農業」の基本は「適地適作」です。「食」にこだわらず、幅広く農業再建・農地の維持の観点から条例を作成してくださいと。これに対して県は答えておるんですが、幅広く農業を再生するために「食を担う」としたんだと書いてある。逆でしょう。農業や農村は食を担うためにあるということをこの条例は規定してしまったんです。そこに特化してこの条例をつくるという意図であればそういうようにしたらいいけれども、そのところ。
 それから、定義もいろいろ書いてありますけれども、持続的発展というのは、私はわかりづらいからということで部長に質問しました。部長の答えも一転二転されて、結局、その意味合いがはっきり示されなかった。では、持続的発展とは何かということもここに書いてもらったらどうですか。まず、1ページについての質問です。

○渡邉部長 まず、私どもとしては、できるだけ農業の置かれとる現状というのは細かくきちっと記述をしたいという意図がございます。まだ説明はしておりませんが、基本計画の一番根幹にかかわる課題整理という形で書かせていただく方が、条例の身近な文言の中で表現するよりもわかりやすくなるのではないかというふうに考えておりまして、条例の目的については、他の条例のことも踏まえますと、余り細かく内容についてコメントする構成になっておりません。私どもとしては基本計画の中できちっと、今農業が置かれている現状なり今後やるべき政策について、きちっと書かせていただいた方がより県民にわかりやすい内容になるのではないかというふうに考えておるところでございます。
 したがって、「食を担う」という文言についても、できるだけわかりやすく表現をするという意味で、余り身近な中で表現を節約してしまうと誤解を与えるという部分もございますので、基本計画という内容でできればなというふうに考えております 。
 それと、定義で持続的発展について、ご指摘がありました。そこは少し法令とも相談をして、持続的発展の内容について定義が必要であるかどうかを、まず協議して、必要であれば定義の中へ加えていきたいと思っております。

○西場委員 基本計画と条例の関係について、もう少し議論をしていく必要があると思います。
 先行して条例から入りましたので、条例に対する思いが強いからでありますけれども、他県の条例の一覧表いくつかもらってずっと読ませてもらいました。他県の条例において、そういうような感じはありません。条例がすべてです。条例をさらに補足するように、あるいは条例に規定した内容を基本計画の方に盛り込むわけです。仮に今言われるように、基本計画の部分を重視する、それはそれでいいです。しかし、前にも申し上げましたけれども、基本計画の何たるかは、このもとの条例に、そういう端々にこの文書の中にそれが織り込まれていないと、何のための条例だということになります。これがすべてです。そこの部分の考え方をもう一度修正していただきたいと、こういうふうに思いますが、どうですか。

○渡邉部長 先程もお答え申し上げたように、基本計画に紙面をとってきちっとわかる形でお示しする方が県民の理解をより得やすいのではないかというふうに考えております。目的の中に、先程委員ご指摘の部分を書くことは非常にちょっと困難かというふうに考えております。

○西場委員 了解できないです。三重県議会始まって以来初めて、この農業振興条例をつくるんですけれども、そのための目的が不明だというような条例は、条例として非常に不備だと思います。基本計画に書かれる内容を集約した表現をこの目的の中へ書いてもらうように、再度、要望します。いかがですか。

○渡邉部長 ご趣旨はよくわかるんです。私どもとしては、申し訳ございません、基本計画ともセットで条例を考えてまいりたいなというふうに認識しておるところでございます。

○西場委員 じゃあ、この目的に対して、私は了解できません。これの修正があるまで私は議論をさせてもらいたいと思います。
 次は、基本理念です。
 基本理念のところにつきまして、非常にこだわる文言があります。それは、最初のアのところです。ここに「需要に応じた」という言葉があります。この言葉は、非常に大きな意味を含んでおると私は思っておりました。
 今のパブリックコメントの中でこれの説明がありました。5ページの一番上です。県民の意見は、安定的な生産、供給の確保について、ただ待っているのではなく積極的に需要を喚起することが大切なのではありませんかと、こういうことです。これに対して、喚起するという視点も大切であると認識しておりますので、新しい価値の創出のところで進めていきたいと、こういうパブリックコメントと県の回答です。
 私は、この「需要に応じた」という言葉は削除すべきだと。先程、前段に消費者重視のお話もありましたけれども、まさに需要があって生産があるということは基本でありますし、大事なんです。ところが、この需要というものに重きを置く余り、消費者サイドに偏った今までの農政というのがここしばらく続いてきた中で今日を迎えておるということでありますから、このニーズがどこにあるかという価値とともに、もう一つ、その生産をどうはかっていくか。いわばつくったものをどう販売していくかという戦略、戦術が今、重要だと思うんです。同じ地域内でつくったものを同じ地域内で流通させて消費していくという限定された枠の中での生産、流通、販売、消費という物の流れの中では、需要に応じた生産をやっておけばいいです。県外からもどんと入ってきます。県外はまだしも、国外から入ってきます。そういう中で需要に応じたものをつくるということの意味はどういうことなのかということを考えてみればおのずとわかってくるように、この需要に応じた生産をやるということは、必ずしも県内生産の活性化に結びつかない。
 この「需要に応じた」という言葉は各所に出てきますけれども、これはひとつ検討して直していただきたい。いかがでしょうか。

○渡邉部長 農業生産を生産と需要と販売というものに分けたときに、それぞれ非常に密接に関係があるものでございます。消費者が求めてないような生産物を一生懸命つくっても、結局は売れ残ってしまって、農家の方に非常に負担がかかるという今実態もかたやあると思います。例えば、米でも残念ながら非常に需要が低迷をしておる中で、生産を一生懸命やっても米の価格がどんどん下がるという状況がございまして、非常に農家の方が苦労されている。
 その中で、例えば米粉というような形で新たな特産品というんですか、付加価値のものをつくることによって消費者が新たな感覚のパンを食べるという感覚で米を使っていただける。これはまさしく需要を創造していく取組だと思っています。米粉でつくったパンについて、消費者が全く見向きもしないという状況があれば、それを一生懸命つくっても残念ながら売れ残るということは変わらない。
 したがって、私は需要に応じた生産というのが非常に重要ではないのかなということで、この言葉についてはこのままにさせていただければと思っております。

○西場委員 答えてないし、私の言っていることを半分も何分の1も理解してない。
 部長の言葉を最大限尊重するとして、そしたら、需要をどのように喚起するかという内容の文言が前段にあるいは別項目に要るんだ。それがなしに、単に「需要に応じた」ということだけでは積極的な農業振興策にはならない。いかがでしょうか。

○渡邉部長 具体的には、5ページ以降の基本的な施策に「需要に応じた生産及び供給の促進」という文言を書かせていただいております。それについて具体的にどうやるのか、まさしく次、説明させていきますこの基本施策を実現するための具体的な事業ということでお示しをさせていただくことになると思っております。したがって、先程申しました稲のような事例は、まさしく新たな需要の喚起という意味で、新たな商品開発なんかにも支援をしていくというようなことにつながってくるかというふうに理解しております。

○西場委員 せっかくつくった県内産農水産物を外国産に負けないように、それをPRして、そして品質を高めて、それを消費者の方に買っていただく、飲んでいただく、こういう努力を今販売戦略としてやらねばなりません。
 これでやめますけど、東国原知事は宮崎県のマンゴーとかいろいろ一生懸命やったじゃないですか。県としてこういうものをやって、やって、やって、そして農家の生産意欲も高めていくべきだ。まずそこをしっかりやるということを、これは後で出てくるといっても理念ですから、目的や理念の中にその思いを書き込まないと、この条例としての意味合いが薄れてしまうんです。
 あなたが言うように、具体的なことは基本計画に載せてください。しかし、全体の思いはここに書き込んでもらわないと困ります。どうですか。

○渡邉部長 ここに書かせていただいた「需要に応じた」という言葉は非常に重たい言葉でございます。私どもとしては、そういう農業の生産のあり方を今後、真剣に考えていきたいということで基本理念に書かせていただいております。

○西場委員 あなたは、委員会の議論をどう考えとるのですか。どんな要望や意見が出ても、取り入れる気持ちは一切ないのですか。それだったら議論する価値がない。

○渡邉部長 今の私どもの考え方をご説明申し上げましたので、これも踏まえて、どのような形になるのかは検討させていただきたいと思っております。

○西場委員 当然でしょ。そのために委員会をやっているんだ。ここで出たことを持ち帰って、そして形にしないんならやる必要ないです。報告会じゃないんだから。
 次、3ページ。
 この推進体制のところで前もお願いしましたように、推進していくのにこの条例の趣旨からいって、現場主義、現地主義というものを大事にして、そこの指導体制、育成体制をしっかりやっていくという意味で、私はその普及の拡充をここで望んだわけです。これはどうして書かれないんですか。

○渡邉部長 前の委員会の中でも西場委員の方からご質問ございました。その中で、単純に昔のような普及にするんではなくて、時代にマッチした普及のあり方についても考えてほしいというご議論がありました。例えば今の職員だけではなくてOB人材も含めた専門家の雇用であるとか、そういう新たな普及の支援策の考え方についても今後検討してまいりたいと思っております。そういう意味では、普及の単純な復活でなくて普及を促進できるような体制ということを十分考えてまいりたいと思っております。

○西場委員 前にも言いましたけど、各県いろんな条例をつくっております。私が目について記憶しとるのは、鹿児島県です。生産向上に関する施策というところで、農業を支える農業の育成並びに地域の特性を生かした農業農村の振興を図るため、普及活動の内容及び体制の充実、強化の施策を講じると、こうなっているんです。物すごく明確なんです。
 それは、普及だけじゃなしにいろいろあるじゃないかと言えばそうだけれども、私はこの条例の流れからいって、普及の拡充は至極当然だと思うんです。再度、これも要望いたします。どうでしょうか。

○渡邉部長 前もそういうご指摘をいただいて、この項だけでなくていろんなところに専門的知識を有する者であるとか、「普及」という言葉は直接使っておりませんが、それを指し示すような表現はいろいろ入れさせていただきました。それも含めて再度、検討させていただきたいと思います。

○西場委員 4ページに基本計画あります。基本計画とこの条例の関係をもっとうまく表現していただくかなと、こうしていただければなと思うんですが、こういう状況になっております。
 条例と基本計画の関係です。条例でこれを決めて、あと基本計画ではこれを決めるということをもう少し明確に書いていただいた方がいいんじゃないかと思うんです。この活性化に関する基本方針、主要な目標、その他の事項と、こういう漠然とした表現になっておりますけれども、後で説明を聞くことになりますが、このような内容の基本方針をこの基本計画の中に盛り込みますと。
 それから、目標としては経営体育成の数値がどうなるんだとか、あるいは品目別の生産目標がどうなるだとか、ここまで書き込みますとか、書き込みませんとか、先程、第三次戦略計画でも少し議論いたしました。条例では水田はこうなります、園芸はこうなります、畜産はこうなりますという表現にしていただくようです。
 じゃあ、それを受ける基本計画は、さらに一歩進んだ、例えば園芸品目の中ではお茶はこうします、そして野菜はこうしますというような内容で書き込むべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

○渡邉部長 これから説明させていただきますけれど、基本計画には、条例で規定する内容をさらに細かく、よりわかりやすくするための数値目標等も置く予定をいたしております。

○西場委員 基本計画は10年の計画だということも聞かしてもらっております。もしそうなら、基本計画の年限も条例に書くべきでしょう。
 また基本計画のところでも議論したいと思いますけれども、私は10年がいいのどうかという議論をも一遍したいです。10年の基本計画というのは長過ぎる。時代の変化が大き過ぎる。それは、もうまさに条例とほとんど対々です。むしろ基本計画は5年でしょ。それぐらいのところで、実質的な基本計画をつくっていくべきだと、これは私の思いです。また基本計画のところで議論しますが、ひとつ要望させてもらいます。
 それから、次の5ページ目にあります基本施策のところです。これも前回の委員会でしっかりお願いしたんですが、水田、園芸、畜産についてそれぞれの政策の方向が書いてあります。この内容が、本当にこれでいいんですか。これ一遍読んでみてください。
 水田、県は、水田の最適な利用を図るため、稲、小麦、大豆その他農作物の需要に応じた生産及び供給の促進、生産性の向上に資する活動への支援、その他必要な施策を講じます。米価が下落して、水田農業がどうなっていくかわからないこの非常な事態の中に、こんな内容で水田農業をこれからどうしていくかというものが伝わってきますか。次の園芸にしても同じであります。この表現、どこでこれ持ってきたんですか。
 このことについて、何ら迷いはないですか。これでいいと思われますか。

○末松委員長 答弁ですか。

○西場委員 はい、ご答弁。

○渡邉部長 ここは基本的な施策ということで、そういう方向を書く場所だというふうに認識してこういう表現にさせていただいております。
 ただ、そこの認識が十分ではないというご指摘かと思います。内容も踏まえて、そこについてはもう一度検討したいと思います。

○西場委員 ぜひ検討してください。基本的方向、そのとおりです。その基本的方向がこれから大事なんです。水田、どうしていくんだ。お茶、野菜、果樹、どうしていくんだ。畜産、鶏卵、牛、どうしていくんだ。こういう中で、どれをとっても危機的状況です。そのときに、情報の提供をしますとか、この品質の向上に対する活動への支援をやってきますと。これでその危機に対応する方向とは思えない。
 例えば一つ紹介しましょう。徳島県の条例に、水田農業の振興ってあります、第17条。県は食料の供給に欠くことのできない水田の維持及び活用を図るため、水稲、麦等の土地利用型作物及び転作作物としての園芸作物、飼料作物等の栽培の推進、生産に要する費用の低減化、経営の効率化等の支援のための施策を講ずるものとする。園芸農業の振興、県は、高品質かつ安全で安心して消費できる園芸農業に係る農産物の安定的な生産及び供給を図るため、生産及び集出荷の体制等の整備の推進、農産物の付加価値の向上、販路の拡大等の支援並びに新たな生産技術の普及のための施策を講ずるものとする。副産業の振興、ずっと書いてあります。これだってまだまだいろんな内容の問題はあるにしても、少なくともここで出されとる2行、3行よりかは具体的でやろうとする意欲が含まれておると思います。ぜひやっていただきたいと思います。
 あんまり私ばかしゃべっとるといけないから、なるだけ割愛をいたしますけれども、いま一度、この普及の問題についてお願いしたいと思います。この6ページにも技術及び知識の向上というところがあります。ここで技術の普及という意味が、産地づくりの中で非常に重要だと私は思います。ですから、ここもこういうところじゃなしに、もうちょっと普及組織を拡充していくという意味合いをこの中にぜひ入れていただきたい。それから、最後の方に書かれております農村振興プランについての支援の中で、県がどういう支援体制をこれからやっていくかということについても、普及を中心とした体制にしていただくことを思うわけであります。
 産地づくりのための支援体制といいますか、それは普及員だけではできないと思うんです。市町も、それから住民もみんな総がかりの中でこの支援組織といいますか、いわば産地づくり支援機構みたいなものを、この条例をつくるのを契機にして全県的に組織していくと。そういう中で、これからの地域づくりや産地づくりというものをさまざまなセクターが連携をしてやっていくというようなものにしていかないと、条例そのものの推進が難しいんではないかと思うんです。
 私の一通りのこの条例に対する要請はこの程度にさせてもらいます。以上のようなことを、まだ言い足らないところもありますが、そういうものをぜひ具体化した再度の骨子案を再提出していただくことをご要望させてもらいたいと思います。最後に部長のお答えをいただきたいと思います。

○渡邉部長 今日のご指摘を踏まえまして、検討させていただきます。

          〔「よろしくお願いします」の声あり〕

○末松委員長 ほかにございませんか。

○藤田泰樹委員 今のお話を聞いていて、このままこの議論が進められるのかなというのを、委員長にお考えをいただきたいというふうに思います。
 一つには、西場委員は条例の中へすべてのものを盛り込んでいくべきだという基本的な考え方です。執行部側は、基本計画の中へできるだけ具体的なものは織り込んでという感覚です。ところが、私は細かい点は基本計画の中で織り込んでいただければいいと思うんですけれども、それをしていくためには、基本計画の部分が、確かに西場委員言われるように、少し弱いかなと、もう少し具体的にこの中が書かれていないと後の議論が、せっかく基本計画を説明していただいてもなかなか難しいような気がするんです。少しそのへんを皆さんにお諮りをいただければというふうに思います。

○末松委員長 今、藤田委員からご提案をいただきました点につきまして、ご意見のある委員は。

○西場委員 委員で協議させてもらうのはいいと思うんですが、この条例の説明についての質疑が一通り終わってから、次の委員協議の中で進め方をやるんじゃないのですか。

○藤田泰樹委員 委員協議の中では遅いんじゃないですか、西場委員のお考えだったら、逆に。

          〔「ああそうか。この後、基本計画があるから」の声あり〕

○藤田泰樹委員 もう進んでいってしまうわけですから。

          〔「ああそうか、わかりました。じゃちょっと議論します」の声あり〕

○水谷委員 今、西場委員からいろいろ意見があったんで、一応それを持ち帰って検討すると、こういうことでしょ。だから、最初は基本計画も一緒に説明をされる予定であったわけですね。

○末松委員長 そうです。

○水谷委員 だから、そこを切って今説明を受けたんで、私もちょっと細かくこれまだ読んでないもんで、基本計画の説明をしていただいて、その中でそこでも意見を言い合った中で検討したらどうなんですか。

○末松委員長 少し意見を申し上げさせていただきますと、前回、9月7日の日に、この条例に関する考え方についての素案についてはご了解を皆さん方にいただいたというふうに理解をしております。それに基づいて骨子案を出させていただきますということに関してもご了解をいただきました。それについて、今日骨子案のご説明をいただいたというふうに思っております。
 その骨子案につきまして、今西場委員の方からるる要望含めていろいろな点がございましたので、それは今、執行部の方が一度、また検討していただくというご答弁をいただきました。
 ただ、基本計画に関しましては、前回のときに、同時進行で少し順序が違うということではございましたけれども、この後のスケジュールを考えていきますと、やはりここで説明をいただかないと、多分12月ないしは3月に間に合わないと思います。そのへんを西場委員、ご理解をいただければ、藤田委員もご理解いただければ、この後、非常に難しいかとは思いますけれども、条例の中の基本計画という位置づけではありますけれども、基本計画も今日できたらご説明をいただいて、議論をさせていただきたいというふうに思うんです。

○西場委員 現実、ここまで進んどるんですから、原理原則ばかり言っておってもいけませんので、今日、ここで基本計画の出てきている内容について聞かせてもらうことは結構だと思います。
 ただ、今言われるように、条例の中に盛り込むべきものか基本計画に盛り込むべきものかというところの議論はあろうかと思います。条例は了解しました、次は基本計画ですというような段階にはなってないので……。

○末松委員長 今、現状はですね。

○西場委員 いろいろ言い方を変更してしまって申し訳ないけれども、そういうことなら基本計画の内容も聞かしてもうて、条例には盛り込んでないけれども、それが基本計画にこんなに盛り込まれているというものが再確認できればいい。余り期待できないけれど、そういうような進め方でも結構です。
 ただ、基本計画も条例も含めて、ここで出てくるさまざまな意見をもう一度しっかりと執行部の中には取り入れてもらう努力を重ねてお願いしたいと思います。

○末松委員長 あくまでも今、今日初めて骨子案を提示していただいたということでございます。これに関して、先程の議論も踏まえて、また検討ということもいただいておりますので、できましたら、この後の基本計画も説明をいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

          〔「はい」の声あり〕

○末松委員長 では、条例に関して続けます。
 この骨子案についてご質疑等ございましたら。
 まだ基本計画……

○藤田泰樹委員 それで流されるんでしたら、こちらも説明を先にしていただいた方がわかりやすいと思います。

○末松委員長 わかりました。
 じゃ、部長、基本計画の方ご説明よろしいでしょうか。

 

    ③当局から資料に基づき説明(渡邉部長)

    ④質問

○末松委員長 ありがとうございました。
 それでは、質問があればお願いをします。

○西場委員 条例と同じことを少し申し上げるようなことになってしまいますけども、基本計画の考え方の基本の中に、現在置かれておる危機的状況の認識が書かれていない。そこの位置づけが弱い。まず、どういうような大変な状況にあるのかということを書いて、そして、その危機突破のためにこれから10年間、何をやるのかということをこの計画の中に具体化していくべきものがこの条例に基づく基本計画のありようでしょ。今の説明の中ではそれが伺えないんです。その点はどう認識して、何に重きを置くようにしてあるんですか。

○渡邉部長 まず、現状認識の中でいろいろ細かくそれぞれの状況に応じて農業がどういうふうな影響を受けておる、農業がどういうふうに衰退しておるという状況を、できるだけ数字も使いながら細かくご認識いただけるように書かせていただいております。
 その中で、今後、どういう方向で農業、農村を活性化に向けて進めていくかということについては、先程の3章の基本方針の中で、それぞれの視点から書かせていただいております。あわせて16ページから18ページに整理をさせていただいて、最終的にはこういう姿にしていきたいということを19ページに書かせていただいております。ただ、まだ認識度として書きぶりが弱い、認識の度合いが低いというご指摘もございますので、このへんの内容については再度精査をさせていただきたいと思います。

○西場委員 ぜひお願いしたいと思います。
 そして、その基本方針ですけれど、大変な努力の跡だとは思うけれど、率直に言って新しさが感じられないんです。方針の中でいく項目か挙げていただいた視点があります、持続的な供給とか多面的発揮とか、ここには消費者の視点、将来持続ですか、ありますが、これ今まででもやってきたじゃないですか、いろいろ工夫しながら。こうやってして、今までの既存の事業と既存の予算の中で、このことを一生懸命みんな取り組んできてもらっております。そのことをもう一度、それは基本計画として位置づけるということの意味だと言い切れば、話としてはわかるけども、こんなもんじゃないんでしょ。今、こんだけ時間と労力をかけて条例をつくって、そしてこの10年でどう変えるんだというようなことを今からやるんです。条例ももちろんですが、この10年のスパンの農業政策というたら、もう10年後は時代変わりますから、これ大変なことなんです。
 ですから、今までは毎年、前年のことをベースにしながら、少しずつ工夫をして予算の増減をしながらやってきた。しかし、それでは今現状のこの厳しさは抜け切れないと。こういう中で、変えようと、こうしたんですから、じゃ何が変わるのか、何を変えるのか。新しい新機軸は何かというものがないと、私はこの基本計画も条例も生きないと。
 部長は、部内の取りまとめをしっかりやっていただく責任もありますけれども、それを今度、県民や議会にきちっと説得するというのか納得させる仕事があるんです。
 ですから、私がこういうこと言っていますけども、いやそうじゃないんだと、今度の新機軸はこれなんだと、これで三重県の農業は変わりますということを言い切ってもらわないと、我々も了解しづらいです。どうでしょうか。

○渡邉部長 ここに示させていただきましたのは、方向、考え方とか具体的な理念的なことでございます。さらにわかりやすく内容として考えておりますのは、最後の推進体制でお示しします地域活性化プランをそれぞれの地域に応じて、また産地に応じて、まさしくオーダーメードでつくっていくという取組が一番の実は今回の中心になります。それぞれの政策で進めてきた内容を、まさしく地域に合った形に再度、組み立て直す必要もあるでしょうし、それから、それぞれやってきた政策の強弱と申しますか、そういうことも地域においてはさらに先程のプランを通じてやっていく。それと一番の原点は地域の方々がみずから考えていただくということを、いかに促進していくかというようなことかと思っております。これは今までも取り組まれている地域があるのも認識しております。そういうところもぜひ参考にしながら、県全体としてそういう取組が進んでいくように、そしてこの基本的な考え方で示したいろいろな政策の観点がまさしく地域にマッチをした形で政策展開できるような形になれば、非常に大きく地域が変わってくるのじゃないかなというふうに認識しております。

○西場委員 条例をつくり、基本計画をつくるんですから、農業のそれぞれの施策に到達すべき姿というものを描いて、そしてそれに向ける政策づくりをこうあるんだともっと書いていかないと、私はせっかくの条例づくり、基本計画づくりは生きないと思います。
 ですから、今の内容ではちょっと不十分ですが、それでも部長が最後に説明された地域活性化のためのプランを応援していくための基本計画なんだと、その条例なんだと、こういうように仮に、仮にといいますか、あなたが言われるようにするんだとすれば、そこに焦点を当てて、私は、条例の目的と基本計画の目的はちょっとそぐわないと思うんです。これは一つの手段だと思いますけれども、目指すべき姿をやって、それを県の施策はこう講じますというものをやってくのが本来の姿だけども、それを応援する推進体制をこうつくりますというのがその中の一番主要な推進のもんだと、こういうようにしたとすれば、そこに産地づくり、技術普及、そういう人材の拡充も含めた指導支援体制の充実がなけりゃいかん。県でできる普及の組織の拡充なり、そして市町村や団体や、地域全体を巻き込んだこれからの産地づくりのさまざまな連携支援推進機構、組織、こういうものをつくっていくということをきちっと位置づけて、そして基本計画の中にそれをもう少し明確に、確実なものにすると、そこに焦点を当てるんなら、せめてそれをやるべきでしょう。いかがでしょうか。

○渡邉部長 今日お示ししたのはまだイメージということで、具体的に本格的な、そういう意味では政策の取り組む内容についての記述が不足しております。さっきのご指摘も踏まえて、どういう形でこの基本計画をご理解いただいて、その推進に向けて皆さんがご賛同いただけるかという内容のものにできればしていくように努力させていただきたいと思います。

○西場委員 少なくとも10年の基本計画は、私は期間としていかにも長過ぎると、今の時代の変化、農業の変化を踏まえて、10年はもう一度検討した方がいいんではないか。さらに、基本計画ですから、条例を支えるという立場では、それぞれ品目別の方針が明記されるように再度、書き込みをしてもらうようにお願いをしておきたいと思います。
 以上、これは要望です。

○末松委員長 ほかにございませんか。よろしいですか。

          〔「なし」の声あり〕

○末松委員長 「三重県食を担う農業及び農村の活性化に関する条例(仮称)」について及び基本計画につきましては、以上で質疑を終わります。もう一つ、事項行かせてもらってよろしいですか。

 

  (6)「三重県水産業・漁村振興ビジョン(仮称)」の今後の進め方について

    ①当局から資料に基づき説明(藤吉総括室長)

    ②質問

○末松委員長 それでは、質疑を行います。質問がある方はどうぞ。

○西場委員 さすがに、だんだんと手も挙げにくくなってきたけど、ちょっとよろしいですか。
 このビジョンの中で、「文化力」、「新しい時代の公」、「地域政策」の3つをベースにと書いてあるけども、どうして漁業振興にこれが持ち出されてこなあかんのですか。

○藤吉総括室長 ここの部分は、先程、どちらかというと生産であるとか消費の部分を中心に説明させていただきましたけども、漁業者の方は、漁業生産を通じて海を守るというような結構働きを持ってみえます。例えば干潟を守るとか藻場を守る働きという活動をしてみえます。その中では、いろいろ地域の環境関係のボランティアの方と一緒に現場での学習会の先生をやったり、そういう意味では、「新しい時代の公」という意味で、住民と一緒に水産業なり水産物というのは何なんだ、海とは何なんだというような考え方をしたりとか、あとは「文化力」の部分では結構、三重県の漁村には漁業を基軸とした祭りとか伝統文化というのがあります。非常に伝統的な漁法、例えばイセエビをとるにしても、タコを見せてイセエビがびっくりしたところをタモでとるような、本当に伝統的な漁法というのもありますので、そのあたりが「文化力」という部分なのかなと。あとは「地域政策」という意味では漁村の地域、先程説明しましたように非常に高齢化して、もう買い物も行けないような方がみえる中で、本当に漁協として地域をどうしてくんだ、漁業をこれから漁村地域の産業としてどうしていくのかという意味では、「地域政策」という面も取り入れたような格好で議論をしていきたいなということで、この3点についてベースにさせていただきたい、そんな考えでちょっと触れさせていただきました。

○西場委員 最後の「地域政策」で地域を重視してということは、それはそのとおりです。しかし、漁村文化とかもいいですけども、今、重要なことは、言うまでもないように、20年前にあった漁獲高が半分になってきて、後継者もいつまで保持できるかわからないという、これまた大変厳しい状況の中で、この漁業そのものをどう維持してくのか、どう振興してくのかと。海の環境も大事です、海の文化も大事だけれども、この漁業に携わる人のそこを支えてやるということが重要なんです。そこに重きを置くとしたら、「文化力」や「新しい時代の公」と書いたら、知事には受けがいい。しかし、知事よりか漁民を中心にして、せっかくのビジョンですから、これをつくってください。林業振興条例できた、農業振興条例、今やっている、今度、水産だなとみんな待っているんだ。
 この有識者懇話会メンバー、漁業者代表はお1人です。1人でいいんですか、これ。漁業でも魚があり、貝があり、ワカメ、ノリがあり、さまざまですし、伊勢湾と英虞湾と熊野灘と違います。そういう地域事情それぞれの、あるいは魚種によってそれぞれの代表がいるじゃないですか。そういう意見をしっかりと聞く場が別にあるんであれば、それはそれでいいけれども、私はこの有識者懇話会でこれをつくっていくんだとしたら、このメンバーだけでは漁業者の思いというのが非常に弱いんじゃないかと思いますが、そのへんの工夫はありますか。

○藤吉総括室長 有識者メンバーはこういう形でございますけども、漁連であるとか、あとは漁協の青壮年部との意見交換とかそういうものをやったり、あとは養殖の振興の協議会等の会長とかも意見交換させていただいて、そういった魚種別の漁業の意見を十分反映させていただいた形でビジョンをつくっていきたいと思っております。そのへんはしっかり現場の意見も聞いたビジョンにつくっていきたいと思っています。

○西場委員 終わりますが、この漁協組織、今大変です。もう本当のあがきの中でみんな苦しんでやっているんです。そういう中でこの振興策をつくるんですから、そこに焦点を当てて、水産県三重を何としてでも維持、保全するんだというところにつながるようなものをつくってもらうように、ぜひともお願いしたい。これは要望やな。

○藤田泰樹委員 ちょっと一つだけ確認させてください。
 今の西場委員のお話ですけども、いろんな団体とかとお話ししていただく、大変重要なことだと思うんだけども、どの時点で話されるんですか。

○藤吉総括室長 9ページにスケジュールがございます。1月という格好になっていますけども、漁業者とのいろいろな会合の場面もございますので、そのあたりでどんな今、問題があるんかということは今でも既にそういった会合の場で意見を聞いたりしております。ビジョンということだけじゃなくて、これからどうやってやってくんだというところはもう既に進めさせていただいております。

○藤田泰樹委員 それなら結構です。中間案までにはそういう意見というのは聞き取っておかれるべきだというふうに思いますので、その点だけお願いしときます。

○末松委員長 ほかにございませんか。

          〔「なし」の声あり〕

○末松委員長 なければ、私の方から一つ、済みません。
 今、西場委員も、それから藤田委員も言われましたとおり、大変水産というのがうちの地元も含めまして非常に危機に瀕しています。いろんな意味でいろんな魚種がありますけれども、農業みたいに条例ではなくビジョンということですから、多分即効性というかアクションプランも4年間で計画をしていただくということですので、もう少し詳しいものを次のときには説明を求めたいというふうに思います。今藤田委員言われたみたいなところは、できればこういう時期にやるというようなことをまた委員の方にお示しをしっかりしていただいて、なるべく明記を、明記というか情報を提供していただけるようにお願いをしたいと思います。
 それと、系統団体も水産振興ビジョンでしたか、ビジョンというのをつくっておられます。これ仮称と書いていただいてありますので、ネーミングを変更してくれとまでは言いませんけれども、系統団体も作っておりますし、こちらもビジョンというような形でございます。ちょっと紛らわしいかなというような気はいたしますので、もし可能であればそこらへんも検討していただければというふうに思います。

○藤吉総括室長 このビジョンの名称でございますけど、県の方でビジョンを検討していたら、漁連の方もあわせて同じように10年後見たいということでビジョンという名前でつくられております。そのあたり、名前については紛らわしいということもご意見伺っておりますんで、そのへん十分検討して、次回にはこれで行くのか、新しい案で行くのか、またお示しさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

○末松委員長 ぜひ期待の持てる画期的なネーミングにしていただきますようにお願いを申し上げたいと思います。
 ほかにこの件に関しまして、ご質疑等がございませんか。よろしいですか。

          〔「なし」の声あり〕

○末松委員長 それでは、三重県水産業・漁村振興ビジョン(仮称)の今後の進め方についてを終了いたします。
 なお、まだ事項が残っておりますけれども、本日はここで本日の委員会を終了させていただきたいと思います。残りの事項に関しましては、6日の防災危機管理部の委員会終了後に続けさせていただくということでよろしいでしょうか。

          〔「了解」の声あり〕

〔閉会の宣言〕

 

  三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。

  防災農水商工常任委員会委員長

  予算決算常任委員会防災農水商工分科会委員長

 末松 則子

 

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