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平成22年10月12日  防災農水商工常任委員会 会議録

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防災農水商工常任委員会

会 議 録

(開 会 中)

 

開催年月日    平成22年10月12日(火) 自 午前11時1分 ~ 至 午後3時5分

会 議 室      201委員会室    

出席委員        8名

                           委  員  長   末松 則子

                           副委員長   辻 三千宣

                           委   員   北川 裕之

                           委   員   藤田 泰樹

                           委   員   水谷   隆

                           委   員   吉川   実

                           委   員   西場 信行

                           委   員   藤田 正美

欠席委員        なし

出席説明員

   [農水商工部]

                           部  長                    渡邉 信一郎

                           副部長兼経営企画分野総括室長  加藤 敦央

                           農産振興分野総括室長        山田 裕典

                           農業基盤整備分野総括室長     岩﨑 光雄

                           獣害対策担当参事            広塚 耕三

                           農水商工総務室長            嶋田 宜浩

                           財務経理室長               匹田 實也

                           団体検査室長               浅野 泰彦

                           農業経営室長               近藤 和夫

                           マーケティング室長            吉仲 繁樹

                           農産物安全室長             芝田 充弘

                           農畜産室長                 赤松   斉

                           農地調整室長               藤田 敦夫

                           農業基盤室長               福岡 重栄

                           農山漁村室長               前田 佳男

                           科学技術・地域資源室長        矢下 祐二

                           企画・経営品質特命監         冨田 康成

                           農業戦略特命監             森内 和夫

                           家畜防疫衛生特命監           小畑 晴美

                                                          その他関係職員

委員会書記    議  事  課   主査    坂井  哲

                           企画法務課   主査    小野 明子

傍聴議員        なし

県政記者クラブ 2名

傍 聴 者       なし

議題及び協議事項

Ⅰ 常任委員会(農水商工部関係)

 1 所管事項の調査

  (1)「三重県食を担う農業及び農村の活性化に関する条例(仮称)」について

 

【会議の経過とその結果】

 

〔開会の宣言〕

 

Ⅰ 常任委員会(農水商工部関係)

 1 所管事項の調査

  (1)「三重県食を担う農業及び農村の活性化に関する条例(仮称)」について

    ①当局から資料に基づき説明(渡邉部長)

    ②質問

○末松委員長 ありがとうございました。
 それでは、質疑に入ります。ご質疑のある方はお願いをいたします。

○辻副委員長 質疑ではないんですけれども、4ページの基本計画にローマ数字を使っています。この6の後のⅦの表記が違うんじゃないですか。

○渡邉部長 済みません。誤っております。これではまたⅣに戻ってしまいますので、Ⅶが右側に2本棒があるということで、大変申し訳ございません。4ページでございます。

○辻副委員長 以上です。

○末松委員長 ご質疑のある方はどうぞ。

○藤田(泰)委員 基本計画のところ、同じく4ページのエの文言ですけれども、基本計画について、議会の議決を経ることとしますという表現で書いていただいてあります。そのこと自体は問題ないんですけれども、5年ごとに見直すという表現もあります。それとかかわって、この5年ごとの見直しの段階で基本計画の議決を求めるのか、それとも冒頭にありましたように、ほぼ10年というような間隔で、軽微な計画変更は議決を経なくてもというものもあります。そのへんのかかわりはどうなっていますか。

○渡邉部長 エ)に書いてあります。まず定めるときには当然議会の承認をいただくということです。「又は」以降でございますけれども、基本計画の基本的な方針及び主要な目標を変更しようとするときはということで、ここはまたご相談をさせていただきますが、多分5年ごとにそれぐらいの大きな変更が必要になってくるかなというふうににらんでおります。したがって、5年ごとに大きく変える場合には議決をお願いをするということになってくるかと思っております。

○藤田(泰)委員 わかりました。

○末松委員長 ほかにございませんか。

○藤田(正)委員 骨子の1ページの地産地消、地域で生産される農産物を当該地域において云々とあるんですけれども、これをもう少し部長なりにわかりやすく地産地消ということをご説明いただきたい。

○渡邉部長 農業をやっていくときの1つの考え方だというふうに認識しております。特に今中山間地域等でいきますと、もともと農業生産量も非常に低くて、たくさん供給できるような状況にはございません。ただ、中には当然こだわって農業をおやりいただいて、例えば農薬なんかも余り使わずにというようなことをおやりいただく。どうしても生産量としては、残念ながら全国流通ということまでは難しい部分があるので、私はまずそういう農産物も含め、それから当然大量におつくりのところも含めてなんですが、まずは地域で食べていただくこと、これが一番実は農業にとっては望ましいことではないか。
 したがって、特に例えば別な観点で申しますと、これが全国流通になれば、当然CO2の排出を促すことになるし、そして、それが逆に言うと、地域で例えば農業をやっていらっしゃらない方も、これはああ地元産の米だということで、農業に対して非常に理解をいただく、関心を持っていただくきっかけになるというふうに私は理解をしております。ですから、単に経済的なことだけではなくて、もう少し農業に対する皆さんの理解も含めて参加という形になるかと思いますが、消費をすることによって、その農業生産に参加をしていくというようなことが地産地消の一番大きなねらいだと思っております。大量にできているものを全部地域で食べなあかんという、そういうことに歪曲化をすることではなくて、まずはそういう地域の中で理解をいただくための一番大切な考え方というふうに認識いたしております。

○藤田(正)委員 そのことは私も理解するんです。この目的のところにも地域経済の健全な発展を図ると。10ページのところでしたか、どこだったかな、新しい取組。6次産業化など新たな価値を創出していくということは、これからの農業と経済がある意味では同軸になって、それで農業者も所得を得ていく。それで環境保全も守られていく。あるいは食の安全・安心も充実していくという流れの中で、最近は地域コミュニティや、そういうところで、もう私が言うまでもございませんけど、農業も林業も小規模事業者が経営する、いわゆる中小企業にしろ、大変厳しい現状にあるんです。地域内の資金なり、地域内のものをこれからむしろ循環、そういうものを本気で考えていかなければ、グローバル経済でどれだけ日本がお金を稼いでも、地域が疲弊していくということはとめられない。そうなると、地域内の経済を循環していくという意味で、少し切り口を変えると、せっかくそういう新しい農業と商工が連携するというような流れになっていた中で、地産地消ということは非常に大切ですけれども、これは私がどうこう言うより、例えば地産他消という考え方が最近商業の方で生まれてきています。地域の資源を地域で加工して、本当にいいものを単なる市場経済で金もうけのために流通で流す、市場で流すというんじゃなくて、他の地域でいいものを消費していただく。その地域でつくって加工したものがいいものです、そういうものが他の地域で消費されて、そのお金が地域に戻ってきて、地域でお金が循環すると、そういうふうなことを念頭に置いていかないと、地域でつくったものを地域で消費するという意味はわかりますけれども、健全な経済をこれから構築していく上において、そういうふうな形を我々もしっかり考えていかないといけない。これから5年後、10年後というのは、私はそういうことが非常に大きな意味で大事だと思っている人間でございます。そういう意味で地産地消ということがどこまでの思い、どこまでの施策の中で展開されるのかなと思うんです。
 むしろ、地域でいいものを消費していただくということは、これからの10年に向けて非常に大事なポイントじゃないかな。それが単なる収益性や市場経済だけじゃないと思うんです。地域へお金が戻ってくると。地域のお金がキャピタルフライトしていくんじゃなくて、地域の人たちがいろいろやった生きがいややりがいにつながってくるような意味で、地産他消的な物の考え方、そしてもう一つは、経済と環境がトレードオフの時代もありました。環境なんかもよくすることによって収益も上がる。農業なんかも、そういう意味ではもう少しアグレッシブに展開することが私は重要ではないかなと。ここの定義の地産地消ということは、それはそれで部長の言うことはご理解しますけれども、そんな観点が少しこれから大事やないんかなということだけ申し上げさせていただいて、部長に、くどくど言いませんけど、私の思いがどこまで伝わったかということでご答弁いただきたい。

○渡邉部長 実は先程委員ご指摘の地産地消は、定義のところに書いてある言葉でして、これだけやるという意味ではございません。先程ご指摘をいただいた6次産業化も含めて、いろいろな新たな価値の創造という言い方をしておりますけど、そういうことが私は大事だと思っています。その中には当然地域の例えば私どもブランド戦略をやったのは、まさしく地域で食べてくださいということじゃなくて、これは全国に情報発信をして、三重県の宝となるような農産物は全国で食べていただきたいという戦略もあわせてとっております。それぞれの農村・農業で状況が違いますので、それに応じた対策で地産地消で頑張るところ、それからブランドで頑張るところ、いろいろあるかと思っております。それは委員ご指摘のようなある程度経済も視野に置きながら、それから、地域内循環ということも、それぞれの状況に応じて具体的には対策をとっていきたい。それが先程の地域の活性化計画という私どもが言っているんですけれど、地域に応じた農業のあり方、農業の今後の進め方を考えていく中で、委員ご指摘のことについては皆さんとお話していきたいなと思っております。

○藤田(正)委員 終わります。

○西場委員 委員会でいろいろ意見、要望が出たわけですが、それに対して精力的にいろいろ検討していただいて、先程ご説明いただいた。この県の姿勢は評価をさせていただくところです。そういう上で、先程の説明の中で、もう少し議論を深めさせてもらいたい数点について少し発言をさせてもらいたいんです。冒頭の名称の部分ですけれども、食を担うというものの意味合いを先程説明してもらいました。一番重要な基本的な任務が食を担うであるから、これをつけたと。しかし、決して食を担うだけではなしに、多面的なものも含めていくと、こういう説明でした。説明はわかりましたけれども、説明を聞けばそういうように読み取るんですが、普通、名は体をあらわすではないですけれども、このタイトルをつけると、三重県の今度の条例は食を担うということを最重点にした条例なんだと、こういうように読み取れてしまうんじゃないかと思うんです。
 ですから、そこのところをあえてこうだと言うんであれば、その説明をきちっとわかるようにつける工夫がいろいろなところで要るのと違うかと。食料の安定供給が最重要であるということについては私も同感ですし、そういう意味で、このタイトルをつけたと言うんであれば反対するものではないですが、最初聞いたときに、きっとイメージとしては誰しもがそう思ってしまうだろうと思います。これが1つです。こういった点で検討するところがあれば、また検討してもらえればと思います。
 次に、農業が持続的に営まれるということの意味は先程聞かせてもらったんですが、私がご要望したのは、その持続的という言葉の意味がなかなかわかりにくいところがあるから、先程の地産地消のような要望のところに簡潔に説明していただくといいかなと、こういうようなことをお願いしたんです。なかなか難しいところがあるのかもしれませんが、これきのうからCOP10が始まって、持続性とか持続可能な発展とか、いろいろそういう要望が出てきます。そういう意味のこの持続ということと同じという意味合いで理解しておいていいんでしょうか。これは質問ですので答えてもらいたい。

○渡邉部長 まず、条例の名称で食を担うについてご意見をいただきました。確かに当然食料供給、これは農業が食料を、産業の中で自然から生産できる唯一の産業だということで、例えば農業、林業も、水産業もそうですけれども、当然1次産業としての一番私は根幹にかかわるものじゃないのかと。この機能を外してはなかなか多面的機能だけと。ただ、ウエートとして食を供給することによって得る収入でありますとか、要するに農業として成り立つかどうかというのは、またこの置かれた状況がございますので、私は必ず多面的機能と食料生産の二面があるんだと思っています。
 ただ、まずどこから私どもしては進めていくべきかといったときに、やっぱり食を担う、食料生産ということをどのような地域に合った形でやっていくことが、当然多面的機能を支える1つの大きな役割にもなるんだと思っています。当然ですけれども、条例でありますので、なかなか名称が長くなってしまうと難しいので、あえて食を担うということで書かせていただいております。ご意見も踏まえながら少し検討させていただきたいと思います。
 それと、ごめんなさい、持続的の意味で、COP10の話を私自身が十分理解しているかどうかはあれですけれども、ただ、持続可能というのは、それ自身がなくなっては困る機能であるということが大前提と思っています。ですから、生物の多様性がなくなったら、もう人類が成り立たなくなるという大前提の中でお考えいただいた概念だと思います。それをどのようにして支えていくのか、どのようにして継続的にできるような形で支えるのかということが持続的という言葉です。これでもう一つ定義をおっしゃっていただいたんですが、非常にさまざまな要素がこの中に入ってこざるを得ないものですから、先程別紙でお示ししたような、かえって定義をすることが私としては非常に難しいということで説明にかえさせていただいたところでございます。

○西場委員 この持続性という言葉は、あえて修正して基本理念の中に入ってきたんです。基本理念ですよね。違っていましたか。そうですね。また基本理念の中には、幾つもにわたって持続的という言葉が出てくるわけですので、かなりキーワードだと。今特にこういう持続可能なとか、サステナビリティーとか、そういう横文字もあって、一般企業経営の中にも持続可能な経営、産業の持続性とか出てくるわけです。だから、あえてそういう時期にこれを使うということが、三重県の農業を持続可能なものにしていくということの意思であれば、それは農業にとってどういう経営なんだ、あるいは農業はどういう機能をこれから担っていくんだということを、この持続性というものを条例に規定するということはきっと他県でも余りないだろうと思うんだけれども、あえてこうやって出すんであれば、持続可能な経営、産業とは何かということも、この機会にこの条例に入れ込むことによってはっきりさせていくという役割も一つあるのと違うかと。従来にないそういう持続可能なこれからの農業のあり方というものを目指していくんであれば、それはそういうようにしっかりと取り組んでいく契機になればなという思いがあります。今少しこの点についても明確な説明ができるように、さらに努力をしてもらうようお願いをしておきたいと思います。
 それから、あといろいろ普及関係の方も直接的な表現はないんですけれども、しっかり取り組んでいただくことの説明をいただきまして、そのへんは了解をいたしたいと思います。
 1つ、目的等に危機的な農業の現状を踏まえたこと等、この条例制定の意義みたいなものを盛り込んでほしいと、こういうことについて基本計画の方でそれを入れるという説明の繰り返しでありました。基本計画は条例のもとにつくられる年限を区切られた計画ですから、その基本計画のもとになる条例に、特に農業の現状というよりか、むしろだけじゃなくて、こういうことで条例を制定したいという思い、条例の意義を、この目的などの冒頭にきちっと書いていただく方が条例としての形もいい。また内容は、これから仮に基本計画の切りかえの10年後あるいは見直しの5年後の中にそのもとになる条例の理念といいますか、指し示す目的に沿って、見直しなり、新たな基本計画をつくっていくということになるんですから、基本計画のように多くを書く必要はないと思います。そのエッセンスだけはきちっと書いていただく必要があるということで再度要望いたしたいと思います。
 それと、もう一つ、需要に応じたという部分なんです。少しこれ部長とも議論をさせてもらいたいんですけれども、部長は農産物のマーケットから支持されることが大事だと、こういうように言われるんです。それももちろんそのとおりでございまして、今までずっとそういうふうにやってきたんですけれども、そういうマーケットは本当に消費者の要求をちゃんと反映して動いているかどうか。逆に需要をマーケットがつくる場合だってあるわけですし、さらにマスコミやテレビがさまざまな需要をつくり出していくという場合もあるわけです。
 みのもんたさんのテレビで、バナナが健康にいいと言われたら、もう一気にバナナが店頭から消えるというような事態も入ってくるというようなことを思うと、本当に県民が消費者として求めておるものが何かというものについて、県内産農産物を生産していくというそういうシステムを我々はつくっていければと思うときに、「需要に応じて」という言葉がそれで代表されるのかと。もう少し工夫した表現がないかと、こんなことを思います。それに今まで消費者のニーズというのは最大大事なテーマではありますけれども、今その消費者のニーズに応えられる供給サイドの生産体制がもう品目によって崩壊に近い状況でありまして、三重県産の農産物は、もう来年、再来年にはどうなるかわからんという状況がいっぱいあるわけです。ですから、そういう意味において、生産サイドの立場というものも並行して、この条例の柱として盛り込んでいただく工夫が要ると。
 ですから、需要に応じたという言葉の表現をさらに検討していただきたいのと同時に、需要を喚起するための1項目、例えば前回我々も視察してきましたけれども、米粉などを使って、県内産の米の消費拡大を図るとか、そういう部分にもう少し力点も置いていただいて、それを何とかもう少ししかるべき場所に、しかるべき記述があれば結構だと、こういうようなことも思うんです。この点についてはいかがでしょうか。

○渡邉部長 委員ご指摘のように、需要に応じてということはある意味取り方によってはご指摘のとおりの部分もあるかもわかりません。ただ、おっしゃっていただいた、例えば県内産の小麦からつくったパンであるとか、米粉からつくったパンであるとかというのも今いろいろな方がお取組いただいております。そういうものについてはちょっと藤田委員からありましたが、例えば地産地消という動きの中で、地域でできた米からつくられたパンということで、ある意味で需要喚起をしていく政策を具体的にもうやっております。十分な部分だけではございませんが、そういう意味では需要喚起をして、その需要をつくることによって、またそれは需要が発生したことによって、それに応じたものをさらにつくるというような動きが連鎖反応で私は起こってくると思っております。したがって、自然発生的にというんですか、消費者がいろいろな形で、例えばマスコミであるとか、いろいろな雑誌、ほかの媒体からこんなものが食べたいとか、こんなものが欲しいというような意味での需要が起こってくる場合もございますし、消費者ご自身がお考え、例えば私は無農薬米がいいというような、それからさっき委員がご指摘になったように、まさしく仕掛けていってと言っては言い方は悪いんですが、戦略として需要をつくっていく取組、これもこの中に、具体性は少し条例では乏しいですけれど、新しい価値創造ということで需要創造をしていくような取組も当然入っております。それを総称して、私どもとしては需要に応じたという言葉を使わせていただいております。ただ、それが適切かどうかというのはまた検討させていただきたいと思いますけれど、ただ、思いとしては、私は多分西場委員と同じ思いで、一方的に消費者が言っているものだけをつくっていくんじゃなくて、そういうことも含めて需要に応じたということで考えておるところでございます。

○西場委員 私と思いが一緒だということで安心しますが、そういう需要に対する喚起の取組とか、そういうものを新しく価値の部分に位置づけてもらうんであれば、そこに直接的な表現が欲しいんです。できたらこの理念あたりにやっていただく方がいいかとは思います。少し繰り返しになりますが、仮に三重県の消費者がこれだけのものを、こういうものを食べたいと、こういう需要ニーズが出たとしても、三重県産のものを供給する、しないはマーケットが持っておるんです。三重県産の大根を食べたいというときでも、大根の状況を見て県外から持ってくるわけです。あるいは国外からのものを持ってくるんです。それはすべてマーケットが握っておるわけです。県内の産地はそのマーケットから完全に押さえられているんです。買い手市場。しかし、消費者は安心な県内産を食べたいという人がたくさんおるわけです。そういう意味において、県がもうちょっとこの単にマーケットが言う事情に応じてじゃなくて、もっと真の意味の需要といいますか、県民の要求に応じる農産物の供給と、部長もそういう思いがあるということですから、そういうものが感じられるような表現にしてもらいたいと。これも要望です。

○渡邉部長 骨子の8ページをごらんいただけないでしょうか。先程申しました新たな価値の創出の中に、①の新たな価値の創出に向けた取組の促進で、ア)の2行目です。生産若しくは需要の開拓又は役務の開発云々ということでございますし、イ)の中にも2行目で需要の開拓というのをちょっとくどいぐらい使わせていただいています。まさしくおっしゃる意味で需要、これが開拓か創造というふうに読みかえていただければ、委員ご指摘のとおり、ここがそういうことを一生懸命やるということで明言をさせていただいた部分だというふうに認識しております。ちょっとそのへんはご了解をいただければ幸いかと思います。

○西場委員 最後になりますが、地域づくり、産地づくり、そういう支援体制の部分なんです。先程の説明の中で、市町はじめJAやこの関係団体、さまざまなセクターと連携していくというようなお話でございました。この条例の中の書き方は、市町と連携しという書き方に限定されているわけです。最大のパートナーではあるけれども、こういう農業に対する思いとか、いろいろな団体もたくさんあります。特に農業に対する技術や知識を持った多くの有能な個人の方もあります、県の普及職員のOBとか。そういう団体に所属していなくても、そういう人たちも全部連携できるような体制づくりの説明が県の方の支援体制の中にもあったように思います。先程も説明があったんですから、ここをこの市町と連携しという限定した表現じゃなくて、市町等々と連携しというような表現にしていただく必要があるんではないかと、こういうように思います。ご検討をお願いします。

○渡邉部長 実はア)のところに先程下線部で説明をさせていただきました専門的知識を有する人材の参画という、例えば県職員であれば当然普及の人間であるし、それから、さっき委員がご指摘のように、まさしくOBの方かもわかりませんし、それからJAで普及なんかをやり、営農なんかをおやりになっている方でもあるだろうし、実はここでかなりいろいろな方々の参画を求めるという意思表示をまず1点目させていただきました。その中で具体的に、ここの中には当然市町の人材も入ってくるということで、実はたくさんメンバーとしてみえますので、余り羅列的に書くのもどうかなということで、ある程度専門性を有するという言葉で区切っております。ちょっとそのへんが読めるかどうかも含めて、ここはちょっと検討させていただきたいと思います。

○末松委員長 ほかにございませんか。

○北川委員 今回の文言訂正じゃないんで恐縮ですが、2回程委員会も抜けていますので、確認だけ。5ページに水田と園芸と畜産と分けて書いていただいて、水田は最適な利用、これはわかりますし、園芸は産地の形成というのが書かれてある。畜産は健全な発展と、こう書いていただいてあって、この健全な発展というのはどういうことを意味して意図される部分なのか確認だけ。

○渡邉部長 畜産経営、今回特に口蹄疫等の中で実は私どもも認識不足だったというんですか、まさしくこういういろいろな形の高度化をやっていらっしゃるんです。例えば非常に狭いところでお飼いいただいているので、こういう口蹄疫が起こった場合、本当に対応できるのかというと、実はまだまだ問題があると。農業経営としては畜産は本当にすばらしくて、非常に高度化をされた、私は三重県の中でも非常にすぐれた業態だと思っています。ただそういう意味で、今後いわゆるこの畜産経営を本当に永劫的に続けていくには、そういうことも念頭に置いて進めていく必要がございます。単に高い値段で供給と需要が賄えるだけではなくて、あとの方で例えば家畜衛生の向上というようなことも含めて書かせていただいておるんですけれど、トータルな意味で畜産経営の将来性、将来方向というのをきちっと書き込んでいかなければならないということで、あえてこの言葉を使わせていただきました。
 ですから、当然その中には今すべての畜産経営がそうだということではございませんが、そういうことも意識されて畜産経営をやっていらっしゃるところもございますし、なかなかそこまでまだ目が届いていないようなところもございます。非常にそういう意味では口蹄疫だけじゃございませんけれども、ああいうところに致命的なものということについては非常に私どもも憂慮しておりますので、そこも含めた表現というふうにご理解をいただければ幸いです。

○北川委員 イメージ的に口蹄疫のことがすぐに文言的に頭の中でつながるものですから、そこに力点、重点が逆に来過ぎているようなイメージを持ってしまいます。もう少し表現がないのかなというのをちょっと思うところですが、無理には申し上げません。検討があればということで置かしてもらいます。

○末松委員長 ほかにございませんか。

○水谷委員 条例を全体的に見直ししていただいて、非常によくはなっていっているというふうに私は思っています。その中でも特に、こういった条例をつくるという話をしますと、どこへ行っても出るのがやっぱり鳥獣災害、これが出るんです。これは捕獲ということも入れていただいたし、どういう形でこれから実際にやっていくかということはこれからの問題でしょうけれども、非常にこれはありがたいことだと思っています。
 それと、いろいろな情報の中で、西場委員もまだまだ満足されていない、不満足な面もあるみたいで、特に目的の方ですよね。これがまだまだ平行線をずっと行くような感じですけれども、私はもちろん危機的な農業あるいは農村の現状といったものを当然踏まえた中での目的であるという部長の説明に納得はするんです。けれども、こういったものを踏まえて、きちっとした形で入れる基本計画では納得しないというのが西場委員の話でしょうから、そのへんは例えば条例として前文というものに入れられるものであるというふうに思っています。そういったものを前文の中に少し入れていただくといったことも僕は可能ではないかなというふうに思うわけです。そのへんも一度検討をしていただいたらどうかなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

○渡邉部長 まず、1点目の野生鳥獣は私どもも非常に危機感を持っております。この条例の1つの特徴としては、野生鳥獣対策について条例で明記させていただくのは多分全国でも初めてだと思っています。それぐらい私どもとしても危機感を持っておりますし、対策をどう進めていくかは真剣に考えさせていただきたいと思っています。
 それと、先程の危機的な状況につきましては、私どもとしては基本計画で書かせていただいた方がより適切かなということでご発言させていただきました。委員のご指摘等については、一応検討させていただきたいと思っております。

○末松委員長 ほかにございませんか。
 よろしいですか。
 それでは、ご質疑がないようでございますが、ここで暫時休憩といたしたいと思います。
 再開は午後3時といたしますので、よろしくお願いをいたします。

          (休  憩)

○末松委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
 1時から委員協議をさせていただきました。委員協議の中でいろいろなご意見がございましたが、2点だけ申し上げたいと思います。私の方から申し上げさせていただきますので、よろしくお願いします。
 骨子案についてでございますが、いろいろ文言の議論が午前中11時からの質疑の中でありました。おおむね委員間で協議をさせていただいた結果、ここに書かれている文言はこれで了解をさせていただこうということでございますので、その旨ご報告をさせていただきたいというふうに思います。
 もう1点、委員それぞれ意見がございましたけれども、この条例の制定に向けての背景、それと制定の目的というもの、これを目的というところではなく、この条文の前にできれば前文というような形で制定に向けての背景並びにこの目的、要するにどういったことを目的としてこの条例をつくったかというような、そういう思いを書いていただくようなことはできないかという議論になりました。いろいろ賛否ありましたけれども、正副で話し合いをさせていただきました結果、ここの部分をぜひ執行部の方で検討していただきたいということでお願いをさせていただきたいと思います。この2点一応委員協議の中で決定をさせていただきましたので、ご報告をさせていただきたいと思います。
 よろしいでしょうか。何か。

○渡邉部長 ご議論いただきました結果については、一度どういうことで対応できるのか、やり方も含めて検討させていただきたいと思っております。それで、できれば12月会議において、先程骨子をご了解いただきましたので、次期は議案という形で条例案を進めさせていただければと思っておりますので、よろしくご了解いただきたいと思います。

○末松委員長 委員の皆様、よろしいでしょうか。

          〔「はい」の声あり〕

○末松委員長 それでは、これで三重県食を担う農業及び農村の活性化に関する条例骨子案についての調査を終了いたします。
 執行部の皆様にはご苦労さまでございました。ありがとうございました。

 

〔閉会の宣言〕

 

三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。

防災農水商工常任委員長

末松 則子

 

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