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平成23年3月11日 新エネルギー調査特別委員会 会議録 

 

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新エネルギー調査特別委員会

会 議 録

(開 会 中)

 

開催年月日        平成23年3月11日(金) 自  午前10時02分~至 午前11時31分

会 議 室          601特別委員会室

出席委員           13名

                           委  員  長      野田 勇喜雄

                           副委員長   藤田 宜三

                           委       員   長田 隆尚

                           委       員   中川 康洋

                           委       員   笹井 健司

                           委       員   服部 富男

                           委       員   中森 博文

                           委       員   日沖 正信

                           委       員   前田 剛志

                           委       員   藤田 泰樹

                           委       員   吉川      実

                           委       員   永田 正巳

                           委       員   萩原 量吉

出席説明員

          [政策部]

                           交通・資源政策監         辻   英典

                           土地・資源室長             紀平   勉

                                         その他関係職員

欠席委員            なし

委員会書記

                           議   事   課      主査   竹之内 伸幸

                           企画法務課     主査   石田   学

傍聴議員            なし

県政記者クラブ 2名

傍 聴 者          2名

協議事項

 1 三重県新エネルギービジョンについて

          (執行部からの聴き取り)

 

【会議の経過とその結果】

 

〔開会の宣言〕

〇野田委員長 おはようございます。
 ただいまから新エネルギー調査特別委員会を開会いたします。
 なお、本日、藤田副委員長並びに前田委員がおくれて出席されますのでご了承願います。
 調査に先立ち本日の委員会の進め方について確認させていただきます。
 本日は、政策部の関係職員の出席を求め聴き取りを行います。新たな三重県新エネルギービジョンの策定状況について把握いただくため、執行部に三重県新エネルギービジョンについての説明等をお願いしております。執行部からの説明を受けた後、各委員からの質疑を行い、その後、委員間討議を行っていただきますので、よろしくお願いします。
 ここで確認も兼ねまして、これまでの調査での主な意見、提案等をまとめさせていただきたいと思います。
 まず、県民、産業界の参画議論、全庁的な議論の必要性についてです。今までのエネルギーのあり方の見直しや検討、県民や産業界参画の議論など、全庁的な議論をしてほしい。
 次に、これまでの取組の結果の検証の必要性について、新たなエネルギービジョンにこれまでの10年間の新エネルギービジョンに対する検証結果を入れるべき。それに対しまして、執行部からは、これまで取り組んできてそういう問題があったかということを踏まえないと、今後の施策も踏み込めませんので、十分議論しながらやらせていただきたい。
 次に、新たな新エネルギービジョンの議案上程日についてはいつになるのか。これについて執行部から6月議案で上げたいと考えている。三次戦略とも密接に絡んでおり、スケジュール的に新年度になったときどうなるのかということがある。そこは相談させていただきながら考えていきたい。県の地球温暖化対策計画や環境計画の議案等とあわせて6月会議で上げていこうと考えている。
 次に、本県として普及させる新エネルギーを明確にする必要性についてです。今後、本県で期待されるものを明確化して提案していただきたい。これに対して、本県が持っている新エネルギーのポテンシャルがどこまでだったらあるのか調査を行っている。県民や事業者、市町へのアンケートも行っている。結果をまとめて提出させていただきたい。これに対して、本県が促進する新エネルギーの詳細な説明を県民にわかりやすい表現で盛り込んでいただきたいと、執行部に要請しておるところでございます。
 次に、新エネルギーの普及、目標値についてです。新エネルギーの普及はどの程度考えているのかという問いに対しまして、執行部から、国の目標値を使う、過去の傾向をそのまま伸ばさず、事業者から聴き取りを行い、実態に合った目標値にするといった方法がある。現実不可能な数字を目標値にするのではなく、実現可能な目標値にするか、あるいは少し背伸びをしてもう少し大きな目標値にするか、経済状況の変化も踏まえて考えていきたいという回答です。
 それに対しまして、委員の方からそれぞれの目標が出てきたときに、国とのギャップ、具体的な施策への展開も含めて意見交換をさせていただきたい。このように要望しております。
 次に、県民の本質的な理解の必要性についてですが、県民、事業者、行政が共通の認識を持って取り組んでいくことが大事である。新エネルギーだけですべての電力を賄うことができないこと、供給が不安定で発電コストが高いこと、適地の問題があるといった課題を県民に理解していただいた上で新エネルギーの普及に取り組む必要がある。
 また、新エネルギーがエネルギー基本計画としての多くの取組や目標、施策の中の一つであるといったエネルギーの全体像も理解していただく必要がある。これに対しまして、執行部から、三重県の新エネルギーシェアは3%しかなく、どれだけ頑張っても代替エネルギーやCO2にどれだけ貢献するかという新エネルギーの果たす役割は本当に小さい。新エネルギーに特化したビジョンであるがもう少し全体が見えるように工夫させていただきたい。
 次に、新エネルギー関連産業振興策についてです。新エネルギーの積極的な導入によって環境に貢献していくと同時に、新エネルギー関連産業の振興により経済が活気づいて、また雇用がふえていくということも大きく期待したいことである。しかし、世界が一つとなった経済の中で新エネルギーの普及に取り組んでも、海外からの輸入品が入ってくるということでは困る。どのように考えているのか。これに対して、執行部から、産業部門は農水商工部が所管している。農水商工部でもグリーンイノベーションに取り組んでいるので、どういう施策がいいかは連携をとりながらやらせていただきたい。それに対して、委員の方から、現実も踏まえた実効性のあるビジョンにしていただきたいという提案です。
 最後に諸外国の状況、調査についてですが、新エネルギー導入に関して、これまで10年間やってきた中での課題が何点かある。諸外国の状況も含めて調査していただいた上で、今後のエネルギービジョンの取組の中で対応していただきたい。執行部からは、当然ビジョンにはまず課題があって、対策があるということで、課題については明確にしていきたいと思っている。全量買い取り制度そのものの採択が今後の太陽光発電等の普及に大きくかかわってくるという予想はできていますので、ビジョンの目標値に大きく影響するということは認識している。今後の国の取組を見ながら決めていきたいと思っている。
 以上、これまでの調査も踏まえた上でご指摘いただきたいと思っております。
 それでは、これより調査に入ります。
 それでは、当局から説明を求めます。

 

 1 三重県新エネルギービジョンについて

    ①当局から資料に基づき説明(辻交通・資源政策監、紀平土地・資源室長)

    ②質問

 

〇野田委員長 それでは、ご質疑等がございましたらご発言願います。
 いかがでしょうか。

〇長田委員 新エネルギーの中で、市町に新しいビジョンの策定を呼びかけていくとあるんです。県の方のビジョンには、当然、数値目標が出てくるんですが、市町に対しては、そこまではせずに単に啓発を進めるような感じで進められるのか、その辺のところはどうされるんでしょうか。

〇辻政策監 市町においても、新エネルギーのビジョンをつくっていただいておるわけなんですけれども、どこの市をとってもそんなに、例えば、太陽光がそこだけ特に賦存といいますか、資源としてあるわけじゃなくて、大体似たり寄ったりの計画になっていまして、市町のビジョンを積み上げたものが県のビジョンになるかというと、なかなかそうではない。市町には目標値を設定していないところが多うございます。ただ、市町にとって特色のあるケース、例えば、津市や伊賀市なんかは、青山高原等で風力発電をやるとか、どこかの部分で特に太陽光発電をやるとか、バイオマスをやるとか、市町によって特色のある部分を特化してビジョンに折り込んでいるケースが多うございます。それはなぜかといいますと、国の補助をいただくというところもあって、特色のあるビジョンになっていまして、特に目標値は定めていないのが多うございます。

〇長田委員 今、補助の話も言っていただいたんですが、例えば、太陽光発電の場合は、三重県は今補助はないと思うんです。これを推進していく上で、今後それをつくっていくとか、そういう計画とかあるんでしょうか。

〇辻政策監 従来から平成20年度まで一般家庭に補助する市町に対して県は助成してまいりました。1件6万円。ただ、これはそれに市町の方々も上乗せして個々の家庭に補助していただいているところもありますし、県の補助をそのまま、市町の上乗せなしにストレートに流していただいているというところもありまして、ある意味では、家庭の太陽光発電の普及に大いに貢献したと思っております。
 ただ、ご承知のように国の方が、平成20年度後半から大きな補正を組んでいただいて、平成21年度から復活し、国が補助していただくようになりました。県としては補助をやめた部分がございますけれども、市町が上乗せしていただいているようなところからは、ぜひ県も補助をしてほしい、それから、今まで県の補助をそのまま流していただいたところは、せっかく県の補助金を各家庭に配布するために、補助金交付の要綱・要領をつくっていただいたにもかかわらず、上乗せがないものですから、その制度を諦めざるを得ない部分がございます。そういうところからは非常に強い要望がございます。県としては、できましたら家庭用に補助を復活と考えてはおるんですけれども、非常に情勢は厳しいものがございます。

〇長田委員 ありがとうございます。結構です。

〇野田委員長 他にございませんか。

〇萩原委員 全体として結構な内容だというふうに思っておりますので、この方向でぜひ取組を強めてほしい。ただ、一つだけ、各家庭、それから、個人でいろいろ車の問題なんかも含めてあると思うんですけれども、特に、今、地球温暖化を防止していくという方向で、企業の産業活動にかかわるCO2排出が物すごく大きいわけです。特に、三重県の場合は、とりわけその値が大きいという意味では、なかなか企業の活動だから難しい面もあるんでしょうけれども、ぜひそこのところに対しての啓発普及なり、これは大きな企業の場合には、補助金出してどうこうというような形にはもちろんならんと思うんです。ぜひともそういう点で今後生き抜いていく企業の生産性向上にもつながっていくんやということとのかかわりも含めて、そこのところの指導なり、あるいはまた、国の方の援助も上手にとればという問題もあるのかもしれません。そんな点を特に気をつけて強化していただきたいということを強く思います。
 かつてICETT、国際環境技術移転研究センターか、あそこを通して国からの、経済産業省からの補助金もとって、あそこと連携して各企業のCO2削減の研究をいろいろやられていたみたいに思うんです。そういうのも活用しながら、ぜひとも産業界からの温室効果ガス排出量を減らすという。もちろん家庭や個人は当然のことながらということを前提にしながらですけれども、そのことの強化をぜひ強めていただきたい。もちろん内容としては入れてもらってはありますけれども、そのことを強く要請しておきたいと思います。

〇紀平室長 萩原委員おっしゃることはもっともでございます。三重県の排出量の、ほとんどを事業者が出しております。排出量を削減しようと思うと事業者の方々に積極的にご協力いただくことが筋というのは当然でございます。我々いろいろ、政策部だけでは、そういったことも解決できませんので、いろんな部局と今連携して事業を行っております。
 今、萩原委員おっしゃられた事業につきましては、農水商工部の方で、平成23年度から新規事業ということで、生産プロセス等改善支援事業、いわゆる生産するときに、環境とか、エネルギー面、この制約がさらに強まることが予想されますので、省エネとか生産プロセスの改善に資する設備機器の導入を支援するということで、約6000万円のお金を用意させていただいております。
 こういったところにも、政策部だけではできないところを関係部局にお願いをして、取組の努力もさせていただいているところでございます。
 以上です。

〇萩原委員 よろしくお願いいたします。以上です。

〇野田委員長 他にございませんか。

〇日沖委員 今、説明いただいた中でも、それぞれ県によって地理的・風土的特性がありますので、すべての新エネルギーにうまく取り組めるかどうかという条件はあるんでしょう。その辺の三重県としての特性、特徴を生かして、どれにより取り組んでいくかというメリハリの部分なんです。それは、これでいくと14ページの新エネルギー導入目標設定の考え方で、エネルギーの種類別に考え方を書いていただいています。ここで読み取るのかなと思っていますけれども、もう一度、三重県の特性として、どこにより力を入れていくかという種類ですけれども、そのメリハリは、このビジョンのどこで読み取ればいいのか。それと、タイミング的に選挙を挟んだ時期になってきますので、新たな知事が4月には誕生されるわけなんですけれども、新たな知事の新エネルギーに対する思い入れというのも、これは無視できないことだと思います。6月に出すということになれば、新しい知事の思いを入れ込むタイミングというのは、どのように考えておられるのか、今の2点聞かせてください。

〇辻政策監 三重県の特色として、当然太平洋側に面していますので、豊富な日照時間とか、日照量です。したがって、太陽光はどこの地域においても取り組めるものだと思っております。
 ただ、導入普及実績からいくと、軒数も全国の都道府県で言うと25位前後ですし、設備の規模からいっても28位ぐらいで、そんなに太陽光が進んでいるとは言えない。
 もう一つの特色としては、パネルを設置しているわけじゃございませんけれども、亀山市に関連する液晶の工場もありますし、伊勢市には太陽光の工場もあります。永田委員いつもおっしゃっておられますように、三重県内には太陽光の液晶パネルに関連する企業が多く立地しているんじゃないか、そういう特色もあると思う。
 もう一つは、ご承知のように大型風力が、特に青山高原を中心にして、この中部や近畿では突出した数の立地がある。こういうのが特色だと思っております。
 あとの新しい知事との件でございます。私ども昨年の委員会では、できましたら、現在のビジョンが本年度、平成22年度で切れるわけですから、切れ間なく平成23年度の早い段階で改定できたらということで、6月議会にということを昨年12月には説明させていただいたところです。日沖委員おっしゃられますように、当然新しい知事とも相談させていただいて、できましたら、今日のところでは平成23年度という形でさせていただいたもので、特段6月にこだわっているわけではございません。

〇野田委員長 他にございませんか。

〇中川委員 資料の2ページの導入目標のところでいわゆる削減量のところです。1点目に聞きたいのは、温室効果ガス削減効果としてCO2換算で169万トンに相当するということなんですけれども、これ県としての全体のCO2削減量に占める割合として何%くらいあるのかということ。新エネルギーの導入によって、国が示している25%削減目標というのがありますけれども、それに対してどれぐらいの寄与をするのかというところ教えていただきたいのが一つと。
 それと、もう一つが平成32年度に原油換算で81万3000キロリットルの削減効果がある。これは県内における最終エネルギー消費の約10%に当たるということですけれども、残りのエネルギーを2020年度当たりで県としてはどういう割合で考えているのか、特に化石燃料の割合当たり。それから、新エネルギーの割合、今、新エネルギーは国ベースでは3.1%ぐらいという話ですけれども、そういった全体の割合の計算等はあるのかどうか、この辺を教えてください。

〇紀平室長 今、ご指摘ございましたように、CO2は3057万7000t-CO2で5.5%、非常にややこしくて、環境森林部の方が言っています10%削減というのが、まず、1990年にCO2削減が2638万4000トン、これが1990年の数字です。そして、2020年にそれを2386万7000トンということで10%削減しようということでございます。
 今、我々が言っている5.5%は、1990年に2638万4000トンというのが、何も施策を打たずにそのまま放置すれば3057万7000トンという数字になります。ですので、今、言っております169万という数字は3057万7000トンという何もせずにやったときの新エネの効果が5.5%削減できるということでございます。
 ですから、環境森林部が言っている10%に何%貢献できるかというお話は、ちょっと具体的には計算できません。1990年から何も、手を打たずに放っておけば3000万トンぐらいになりますので、そのうちの5.5%の削減効果は、この新エネルギーでまずできるということが1点目でございます。
 それから、国の25%のお話でございます。これは別冊の資料の15ページをごらんいただきたいと思います。そこに、3―2という表をつけさせていただいております。その推計方法の一番右側に、温室効果ガス削減の試算、これが今15%削減分を置かしていただいておりますけれども、これのさらに高い25%というのが中川委員がご指摘された部分でございます。この25%削減と15%何が違うのかというお話をさせていただきますと、国の方で25%といいますのは、国内だけで25%削減するのか、あるいは15%削減するのか。ですから、海外のカーボンオフセットみたいな取引がございますけれども、そういった取引をせずに、本当に純粋に国内だけで15%を削減するのか、25%削減するのかという違いでございます。
 ただ、我々は25%はちょっときついということで、15%の方を採用させていただきました。これを見ていただくと、ほとんど、網かけした部分が三重県の目標でございますので、国が示した国内15%よりも積極的な数字を採用させていただいております。25%よりは低いかもわかりませんけれども、いわゆる妥当な数字、国の15%削減よりもややさらに積極的な数字を採用させていただいております。
 先程の原油のお話でございます。17ページごらんいただきたいと思います。
 17ページの下段の4行目、これはと書いてあります。県内の最終エネルギー、これが平成20年度になりますと消費量が837万キロリットルになります。今、三重県が目標としております原油換算が81万3000キロリットルでございますので、約10%です。今、ご質問にお答えするとしたら、残りの90%は新エネルギー以外で対応していただくということになりますけれども、さらに、これは新エネルギーも、新エネルギー単体で効果を発揮するのではなくて、いわゆるコラボレーションということで、新エネルギーと化石燃料との組み合わせで、より率の高い効果を生み出すことができます。仮に10%と計算しておりますけれども、よりベストミックスすることによって、さらにこれよりも高い効果を生み出していきたいというふうに思っております。今のところは、これの10%、残りは化石燃料という計算にはなっておりますけれども、うまくそれをベストミックスさせることによって、効果をさらに何倍かに上げていけるというふうには思っております。
 以上でございます。

〇中川委員 まず、CO2の削減量の目標に関して、1990年ベース、何もしなかった場合の中での5.5%削減ができるだろうというところはよくわかりました。2020年度の削減量も国内の15%目標には、各新エネルギーが推進していけば、ほぼクリアするだろうという話もわかりました。
 だけど、これはあくまでも実績的、実現性の高い削減として15%を想定しているということです。国が言うた、誰が言うたかもう忘れましたけど、25%はちょっと難しいだろうというところで、三重県の新エネルギーは立てていると、CO2削減の部分においては現実的な考え方で三重県はいくということです。
 それと、あと2020年度の全体エネルギーの中の10%を新エネルギーでと、さまざまなコラボレーションの中でという意味もわかったんですけれども、最後の方に残り9割は化石燃料でいくという話がありました。残り9割を化石燃料でという考え方は、国としてのエネルギー政策においても、新エネルギーのほかは化石燃料という考え方はないとは思うんです。その新エネルギーのビジョンを考えていく中で、新エネルギーの10%はわかったんだけど、ほか9割という化石燃料の位置づけでいいということでいいんですか。

〇紀平室長 ちょっと説明不十分で申しわけございませんでした。
 そもそもエネルギー施策と言われますのは、国策ということで、県レベルではいかんともしがたい部分がたくさんございます。最終的には、国の動向を見ながら、それに応じて県も何らかの施策を打っていかなければならないというふうに思っております。県単独では、なかなかエネルギー施策というのは難しくございますので、国の動向をしっかり見守っていきたいと考えております。

〇中川委員 そうすると、あくまでもこの新エネルギーのビジョンを立てる中で、全体の消費量の10%を新エネルギーないしは新エネルギーとさまざまなエネルギーのコラボレーションの中で賄っていきたいというところを策定したということで、全体のバランスとしても、あくまでも目標値、全体のバランスの中での1割を新エネルギーが占めるという全体割合までの計算は、国のエネルギー動向も含めて、県としてはまだ策定がし切れていないと、こういう考え方ですね、わかりました。
 もう一ついいですか。新エネルギーに関しては、この導入方向なりビジョンというのは、非常に大事だというふうに私は思うんです。長田委員もおっしゃったんですけれども、当然この新エネルギーは非常にコストが高いというところで、導入によるコスト、これは県が賄わなければいかんコストとか、個人に転嫁しないかんコストとかさまざまあると思うんですけれども、導入によるコストをどう考えるか。それと、導入の方向性と、必要なコストとのバランス、バランスというか関係です。こういったところをどう考えていくか、これ新エネルギーのビジョンの中には明記されていないような気がするんです。その辺の導入によるコストというのは、何でもコストをかければええという問題でもないでしょうから、どう考えていくかということです。ここのもし考えがあればお聞かせ願いたい。それと、そこに対するいわゆる公共投資です。今、長田委員からは県の補助金ないしは県の必要施策はどんなものかというご質問がありましたけれども、県としての今後の予算ボリューム、この新エネルギー導入に向けてどんどん予算ボリュームは増していっていいんだというような考えのもとでいくのか、いやいや、そこはそれなりのバランスがあるんだとか、この辺の導入によるコストというのをどう考えていくのか、この辺のところお考えがあればお聞かせ願いたい。そういったことも含めてビジョンに入れていこうとしているのか、この辺をお聞かせください。

〇辻政策監 コストの話がございました。太陽光発電について言えば、一つの家庭に設置するのに、設置コストから言うと、例えば1993年だと約370万円しているわけなんです、1キロワット当たりなんですけれども。それが15年ぐらいたって、最近では1キロワット当たり70万円ぐらいで、非常に技術革新があって、設置コストはどんどん下がっているわけです。
 したがって、1キロワット当たりの発電コストも非常に下がっている部分がございます。国もそういうことがありましたので、例えば、かつては1キロワット当たり90万円の補助をしておったわけです。それがどんどん減ってまいりまして、平成17年度は1キロワット当たり2万円でした。平成18年度から、これはゼロになったわけでございます。県としても、平成13年度くらいから県も補助しておったわけですけれども、国は先程言いましたように、平成20年の補正で復活しました。平成21年度も1キロワット当たり7万円の補助をしております。これは家庭用の太陽光です。県は、国が補助を復活していただいたということもありましたから、補助を諦めざるを得ないというか、やめさせていただいたわけなんです。設置コストが70万円になってきて、その中の国の補助が7万円、県はかつては6万円、これは1戸当たりですので、例えば、3キロワット設置していただいても、1戸当たり6万円ということなんです。そういう意味では、非常に設置コストから言ってわずかである。
 ただ、メーカー、設置業者といいますか、いわゆる太陽光のシステムを設置される方々にとってすれば、国の補助もあります。それから、お住まいの市町の補助もあります。なおかつ県もありますというセールスが非常に有効であるということもお聞きしております。ただ、その中で国と市があって県はないというのは、非常に我々かた苦しいところもあるんです。ただ、設置コスト全体から言えば、わずかでございます。国や県の補助があるから設置しないという方はほとんどいなくて、やはり意識の高い方が設置していただくという意味で、ある意味では、県は国が補助しない中小の10キロワット未満の事業者の方に、家庭用じゃなくて事業者の方に補助させていただいているのが現状でございます。
 ただ、そういう形でインセンティブといいますか、太陽光の普及啓発効果としての役割しか果たしていないという感じは持っております。

〇紀平室長 別冊のエネルギービジョン中間案の27ページごらんいただきたいと思います。
 先程説明を簡略化しまして、27ページの新エネルギーに関する情報提供、普及啓発の具体的な取組の黒四角の一番上ですね、今、中川委員にご指摘いただいた、そのものズバリのことをここに書かせていただいております。確かに、新エネルギーはコストが高い状況でございます。ですから、県民の方々も二の足を踏むところがございますので、今、国の方で、全量買い取り制とか、いろいろ新しい制度も考えています。そういった情報等も普及啓発しながら、あるいは国の補助金、市町の補助金等の情報も適宜情報提供しながら、コストの部分については、県民の方々に理解しやすいような説明をしていきたいというふうに、まず1点考えております。
 あと、農水商工部の方でございますけど、企業誘致の関係で、平成22年度から環境新エネルギー部門ということで、新しく枠を拡大していただきまして、企業誘致の補助金もいろいろ検討していただいているところでございます。そういったところとも連携をとりながら、こういった問題は検討していきたいというふうに考えております。
 以上です。

〇中川委員 県としての結構個別な話を前半はいただいたと思うんですけれども、導入によるコストは、以前に比べると割合的には少なくなってきている。それは、当然技術が進めば、量販されていけばそうなると思うんです。けど、全体エネルギーから見るとコストが高いということは事実だと思うんです。そこを超えてでも新エネルギーを普及していくんだという認識をまず県民にも持っていただかないかんということがあると思います。そうじゃないと、やっぱり進んでいかない。
 だからといって、それを個人に転嫁していくだけでは、なかなかインセンティブは効いていかないだろう。2020年度といっても、そんなに遠い先ではないですから、そうすると、国とかの補助があったとしても、やっぱり県としての、補助というか、新エネルギーの導入に対する予算ボリュームというのは、特別な部分の枠づけも含めて考えていくとか、そういったことがないと、なかなか難しいと。今、太陽光でつけて、それなりの補助はあるけれども、例えば、皆さん何でつけるかというと、意識が高い部分と、それと買い取り制度が進んでいく中で、例えば、10年、20年ベースでペイするだろうと、そこでの理解でつけていただいている方が多いと思いますので、相当なインセンティブがないと難しいというのがあります。
 それと、このコスト高でありながら、新エネルギーの普及を本当に続けていっていいのかというような全体の議論です。こういったのも今後必要になってくると思うので、その辺のところも考えながらの新エネルギーのビジョンの方向性の位置づけというか、実現性を持たせていってほしいというふうに思います。

〇紀平室長 まさしくおっしゃるとおりでございます。今、新エネルギーに関する予算は大体年間2000万円ぐらいしか政策部は持っておりません。今回、骨格予算でございますので、来年度の6月補正に何らか反映できるものは反映できるように考えてはいきたいと思っております。あと、国等へもいろんな要望等をさせていただきまして、しっかり国の状況を見ながら新エネルギービジョンを進めていきたいと思います。
 以上でございます。

〇中川委員 最後に意見だけ、県としても予算措置はしっかりしていかなあかんと思うし、国としても25%を本当に目指そうとしているんやったら、それだけの施策と予算措置を国としてもせなあかんというふうに思います。ここで25%を掲げながら、ほんとにそこに向けてやる気があるんやろうかという感じもするので、それは県としても、この新エネルギーを進めていく。さらにはCO2削減を進めていくのであれば、国と協調しながら、国にももっと本気になってもらわなあかんというところはお伝えをいただきたいというふうに思います。
 以上。

〇野田委員長 要望ですな。

〇中川委員 はい。

〇野田委員長 他にございませんか。

〇中森委員 新エネルギー導入による効果というのを見せていただきまして、これが進められると非常に大きな効果があるということが見受けられます。
 ただ、効果の反面リスクというんですか、逆に言えばデメリットも見え隠れする部分があるんですが、デメリットについては表現を差し控えていただいているということとなっております。デメリットというのは、うがった考えでいきますと、例えば、余剰電力を買い取るだけですと、電力供給業者からすれば、売り上げが減るんです。そうすると、どんどんこれが進めば電力業者の売り上げが減る。初期投資と維持管理からすると、新エネルギーを導入しない世帯、できない世帯に転嫁せざるを得ない。そうすると、電気代が上がるということとなるんです。このまま行き着くところ、そういうことが表現されていないので、そういうことは触れないほうがいいのか、現実そういうことはあり得るわけです。それと化石燃料の代替が、非常に国とすれば、日本とすれば、そうすべき方向なんですけれども、行き着くところ、それにかわる代替エネルギーを供給するための電力供給業者からすれば、また別の意味で設備投資がいるということが現実にあるわけです。
 そういうことを考えたときに、三重県のエネルギービジョンの中に、そのような考え、心配点をどこかで整理しておくことはないのかなというふうに思うのです。その点はどうですか。

〇紀平室長 また別冊冊子の27ページ、先程ご説明させていただきました、新エネルギーに関する情報提供の具体的な取組の、一番上の黒四角、上から3行目の後段です。また、再生可能エネルギーの全量買い取り制度に伴う負担等についても、国とともに理解を求めていく必要があります。おっしゃられるように、全量買い取り制度を誰が負担するかというと、新エネルギーを設置されていない一般の方々が電気料金にオンをしてお支払いをするという問題点がございます。こういった問題点につきましても、県民の皆様にはご周知申し上げるとともに、国の方にも、いろいろもっとほかにいい制度がないかという施策提言などをやっていきたいというふうに思っております。
 先程、中森委員からご指摘ありましたように、新エネルギーは盤石ではございません。ある一定の何かを伴わないと、一体的に整備しないと効率を発揮しないとか、いろんな問題がございます。そういったことも、これから十分検討しながら勉強をさせていただきたいと思っております。
 以上です。

〇中森委員 あと1点、電力会社の方に聞くと、送電の仕方、配電ですね、それと変圧装置等々、三重県全体の供給システムは送電用にされていると聞いているんです。売電がどんどん進めば進むほど、いろんな三重県全体の送電の計画を再編成しなくてはいけなかったり、変電所のまたいろんな改造が必要であったりというのは、私も専門家ではありませんので、わかりませんけれども、そのようなことも非常に電力供給業者からすれば、政策の転換というんですか、これからの政策のあり方について見直しをしなくてはいけない、こんな話を聞いたことがあるんです。それに関してはいかがですか。

〇辻政策監 私も電力を供給する電気会社の方、電力会社の方々ともいろんな意見交換をする中で、そのような心配もされています。新聞等でも、例えば、電力会社にとってすれば、従来のRPS法という形で、新エネルギー等の一定の電力供給のシェアを求められている中で、新エネルギーはやっぱり不安定ということで、送電に関してはかなり難しい操作がつきまとう。それから、季節変動、日変動等も供給量にありますので、安定供給を使命とする電力会社にすれば、なかなか難しいと。そういう意味で、最近では賢い供給といいますか、スマートグリッドというような形で、電力の需要と供給を瞬時に使い分ける送電システムを研究されているように、電力会社もそういう形で取り組んでおられるというふうに聞いております。
 我々が取り組みます新エネルギーは、まさにそういう形で、いろんな意味で、例えば、新エネルギー導入そのものが新しい産業の創造なり、また地域の活性化にもつながっていくというふうな役割も担っていると思います。いろんな意味でそういう新しい活性化につながっていくことも期待するものでございますので、よろしくお願いします。

〇中森委員 これは要望ですけれども、住宅関連で施工業者、例えば、そういう販売店とかに、しっかりとネットワークをしていただいて、太陽光発電も含めた新エネルギー導入の住宅産業への、また住宅を求める県民の方々にもPRしていただいて、より効率的かつそれが積極的な取組につながるような啓発を進めていただきたいと要望いたします。

〇辻政策監 中森委員今おっしゃられました、いわゆる住宅関連事業者の方々、それから、例えば、家庭用のソーラーシステムの設置業者の方々、我々もう現に取り組んでおりまして、事業者向けの説明会、それから、県民向けの太陽光設置説明会等をやっております。例えば、県下の住宅展示場なんかをお借りしまして、そこへ県の職員が出向きまして、太陽光のシステムの説明ですとか、普及啓発に努めている。もう既にやっておりますので報告させていただきます。

〇野田委員長 他にございませんか。
 1点、家庭負担が大きくなるということに関して、少し新聞記事でもあるんですけれども、例えば、マンションです。太陽光パネルを設置できないようなマンションとか、あと電力消費の方の業界、こういったところには、非常にそういった負担があるんではないのかということもあります。そういうことに関する課題も一つ検討すべきじゃないかというふうに思いますので、その点についてどう思いますか。

〇紀平室長 おっしゃるとおり、つけたくてもつけられない、あるいはお家の方が、例えば、耐久性がないとか、いろんな問題の方々がございます。そういった方々に対して、例えば、住宅の改造の補助金まで出してつくっていただくのかというような問題もございます。そこら辺は、そういった方々に対して、どう対応していったらいいのかというのが、長期的な課題で勉強させていただきたいと思っております。

〇野田委員長 わかりました。大きな課題として検討していただきたいと思います。
 他によろしいですか。
 それでは、ないようですので、ほかになければこれで調査を終了いたします。
 当局にはご苦労さまでした。ご退室願います。

          〔当局退室〕

〇野田委員長 それでは、本日の委員会を受けまして、委員間討議を行いたいと思います。
 今日の議論につきまして何かご意見等がございましたらご発言願います。
 よろしいですか。

          〔「委員長報告はどうなるの」の声あり〕

〇野田委員長 委員間討議ということで、よろしいですか、今のを受けてです。
 ないようですので、委員間討議を終了いたします。
 特にほかになければ、これで委員間討議を終了いたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、これで新エネルギー調査特別委員会を閉会いたします。

 

〔閉会の宣言〕

三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。 

新エネルギー調査特別委員長

野田 勇喜雄  

 

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