このページではjavascriptを使用しています。JavaScriptが無効なため一部の機能が動作しません。
動作させるためにはJavaScriptを有効にしてください。またはブラウザの機能をご利用ください。

スマートフォンサイトへ移動

三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成23年度 委員会会議録 > 平成23年8月1日 健康福祉病院常任委員会・防災農水商工常任委員会連合審査会  会議録

平成23年8月1日 健康福祉病院常任委員会・防災農水商工常任委員会連合審査会 会議録  

 

資料はこちら

健康福祉病院常任委員会・防災農水商工常任委員会

連合審査会

会 議 録

(閉 会 中)

 

開催年月日        平成23年8月1日(月) 自 午後4時31分~至 午後5時42分

会 議 室           全員協議会室

出席委員            15名

         [健康福祉病院]

                           委  員  長           今井 智広

                           副委員長     中嶋 年規

                           委       員     小島 智子

                           委       員     石田 成生

                           委       員     水谷 正美

                           委       員     日沖 正信

                           委       員     舟橋 裕幸

         [防災農水商工]

                           委  員  長           長田 隆尚

                           副委員長     服部 富男

                           委       員     藤根 正典

                           委       員     吉川   新

                           委       員     中村欣一郎

                           委       員     青木 謙順

                           委       員     前田 剛志

                           委       員     永田 正巳

欠席委員        2名 

                           委       員     貝増 吉郎

                           委       員     東         豊

出席説明員

         [健康福祉部]

                           部  長                            山口 和夫

                           副部長兼経営企画分野総括室長   亀井 秀樹

                           健康・安全分野総括室長          永田 克行

                           薬務食品室長                     増田 直樹

                           健康危機管理室長               西中 隆道

                           健康福祉総務室長                日沖 正人

                                                                  その他関係職員

         [農水商工部]

                           部  長                            渡邊信一郎

                           副部長兼経営企画分野総括室長   加藤 敦央

                           農産振興分野総括室長            田島 是則

                           農業経営室長                     近藤 和夫

                           農産物安全室長                   森本 昌孝

                           農畜産室長                      矢下 祐二

                           企画・経営品質特命監              冨田 康成

                                                                  その他関係職員

委員会書記        議   事   課      副課長    藤野 久美子

                     議   事   課     主    査    平井 靖士

                           企画法務課   主    幹    池田 和也

                           企画法務課   主    幹    小野 明子 

傍聴議員         1名

                                                 北川 裕之

県政記者クラブ   15名

傍 聴 者        4名

議題及び協議事項

Ⅰ 連合審査会

 福島県等の農家から出荷された牛の肉に関する対応等について

Ⅱ 委員間討議

 

【会議の経過とその結果】

 

〔開会の宣言〕


Ⅰ 連合審査会

 福島県等の農家から出荷された牛の肉に関する対応等について

  (1) 当局から資料に基づき補充説明(山口部長、渡邊部長、永田総括室長、田島総括室長)

  (2)質疑

〇今井委員長 それでは、ただいまのご説明に対しまして、ご質疑があればお願いいたします。

〇石田委員 6番の今後の対応についてのところなんです。県民の中に不安感が広がっている状況があって、値段に大きく変動というか風評被害が既に実態として出ているという認識はいただいておると思うんです。それをもって、県内産の全頭検査となっています。畜産農家に対しての信用度を高めるために、県内産の牛を全頭検査するわけですけれども、消費者に対しての安心を確保するという意味では、県内産だけじゃなくて県外から三重県に入ってきた3つの屠場で扱うすべての牛の検査をする必要があるんじゃないかと思っておりまして、そのことについて1つお尋ねをします。
 それから、検査体制ですが、どこが責任を持ってどういう方法でやられるのか。体制が整い次第ということがありますが、もう既に被害が出ている以上は、早く整えていただきたいんです。その放射性物質の濃度をはかる機器の購入をしていくんだと思うんですけれども、どこでどうやってされていくのか。あるいは、今回のこのことについて、費用も発生すると思うんですけれども、その費用負担はどこがしていくのかということが1つ。
 それから、3つの屠畜場があって、四日市市の検査所だけは、四日市市でもう食肉検査所がしていますから、そちらは今どうなったのか、県の職員が出向している状態になっているんですか。そこはもう四日市市に任せるのか、県の責任もあるのでとか、あるいは県の職員が出向しているので協力し合いながらやっていくというのか、その3つについてお尋ねをいたします。

〇永田総括室長 まず1番目の県内産だけではなくて県内に入ってくる、県内の屠畜場で処理される牛すべてというご質問でございます。これにつきまして、今、出荷されました肉牛については、特に福島県、宮城県には出荷停止の指示をしておりますし、今日、岩手県に、またもう少し広がるという情報もあるわけでございます。要するに、暫定基準値を超える疑いの濃い県からの出荷は今ほとんどとまっている状況でございます。この県以外にも汚染された稲わらが流通した可能性のある県がいくつかございまして、そちらの方からの出荷についての懸念だと思います。それについては、それぞれまた情報をとりますと、その県でもそれぞれ全頭検査対応であるとか、そちらの県の方でいろいろチェックをしていくという体制をとられておると聞いてございます。ある程度三重県内にはそのような可能性の高いものについては、入ってこない状況があるということが1点でございます。
 それと、先程2番のところでご説明をいたしましたけれども、汚染稲わらが流通している都県から入ってくる牛については、全頭疑わしいということで、今回の全頭検査ではなくて行政検査として対応する体制をとっております。屠畜時の生体検査時にその牛がどこから来たかとか、そういう情報を確認いたしまして、汚染された稲わらを食べている可能性が高いのか低いのか、あるいはないのかということを確認した上で、屠畜検査に入るという体制をとっておるところでございます。今のところ、その体制はまた、今日発表させていただきました全頭検査とは別の体制でとってございます。ある程度といいますか、三重県に入ってくる、屠畜場に入ってくる牛の放射性物質の問題については、担保をしておるものだというふうに考えておるところでございます。
 先程の3番目の質問でございます。四日市市の食肉検査所については、現在、四日市市の所管になってございます。三重県からの出向職員、派遣職員も当然おりますけれども、同じ三重県内にある食肉衛生検査所ということでございますので、三重県にあります松阪市、伊賀市と同じような体制で対応していただくということです。今、四日市市と調整に入っておるところでございまして、四日市市と三重県内の屠畜場がばらばらに動くということはないということだけで、今調整をしております。

〇渡邊部長 検査体制につきましては、事前にいろいろ情報を得ております。例えば保健環境研究所に機械があるわけでございますけれども、今、私どもが目算しておりますのは、毎日、大体60頭平均屠畜されている状況がございます。いろいろ情報を得る中で、60頭の牛を一度に調べることは当然、県ではできませんので、基本的には民間にあります検査機関にまずお願いしていくということが基本だと思っております。
 あと検査機器の件でございますけれど、新聞報道でもございますようにメーカーに確認しても、かなり納入に長期間かかるということでございます。できるだけ私どもとしては短期間に納入ができ、なおかつ検査が効率的にできる機械をということで今、メーカーに当たっております。当面は早急に検査体制を確立するということを考えておりますので、民間の検査機関に検査をお願いしていく方向で今、調整をしております。ただ、民間の検査機関も実は正直申し上げまして、非常にたくさんの放射能に関する検査依頼が今来ておるということも聞いております。できるだけ速やかに対応いただくところに私どもとしては依頼をしていく、候補として上げていきたいと思っておるわけでございます。
 それと、負担の問題をお話しいただきました。既に全頭検査をやられると表明された県の中で、東京電力の方へ損害賠償を求めていくとはっきり明言された知事もございます。ただ、私どもとしては新たに国の支援制度なり、この損害賠償自身も法的に有効なのかということの検証も要ると思っておりますので、まずは当面、県でそういう検査の費用は賄っていくと今は考えておるところでございます。

〇石田委員 一番初めにお尋ねした件なんです。消費者に流通されるすべての肉が、消費者に安全であると思っていただく表示ができるかどうかということだと思うんです。放射性セシウムを含んだ稲わらを食べた牛に限って全頭検査をとちょっと聞こえたんですけれども、そうじゃないものは放射性セシウムを含んだ稲わらを食べていないということを消費者に向けてきっちりと表示して、だから検査をしていないということが、私は必要じゃないかと思うんです。何も書いていないと、その含んだ稲わらを食べた可能性があっても、これはしていないんだという勘違いを、風評ってそんなものですから、そういう必要があると思います。その点はよろしくお願いをしたいと思います。

〇今井委員長 先程の安心の表示というのも、要望ということでよろしいですか。

〇石田委員 はい、ぜひ要望したいと思います。

〇今井委員長 それでは、ほかにご質疑あれば。

〇日沖委員 まず、汚染された稲わらが県内に入って来ておる可能性について、相当神経を使っていただいて、いろいろ調査もいただいて、公表もいただいておるんで、ほとんど可能性はないでしょうけれども、今の段階で、何か個人間の付き合いの中で、知らんところでひょっとしたらあるかもわからんというような可能性というものは、まだ考えられることがあるんやろうかというようなことを、ひとつまず聞かせていただきたい。
 それと先程も全頭検査のご質問があったんですけれども、これから取り組んでいただく全頭検査、県内屠畜場において検査されるんですよね。ちょっと理解が違ったら訂正いただきたいんですけれども、そうなると、私も全部知らないですけれども、もし、県産の牛が県外の屠畜場で処理される場合は、どういうふうに網を張っていただくんかということをお聞きしたい。
 それと、もう連日、体に害のある基準というものが新聞やいろいろな報道でされているんですが、三重県は三重県として、11ページにわかりやすい表をつけていただいたんです。こういうものを利用して、三重県は三重県で県民の皆さん方に徹底して安心いただくために、こういう放射線の害についてのレベルのものを、啓発をもっとしていくんかということ、その3点をお聞かせください。

〇渡邊部長 まず、汚染された稲わらが今も入っているんじゃないかというご指摘でございます。これにつきましては、今回、非常に残念でしたけれども、見つかった段階で、いわゆる16都府県というんですか、放射能汚染された可能性のあるところからの稲わら、特に3月11日以降のものについては使わないでくださいということで、各農家に周知をさせていただいております。それまでの間は、正直申し上げて、どこの県でもそうでしたが、汚染されているかどうか非常に不明確な部分、わからない部分があった中で使用されたということをお聞きしております。そういう意味で、私どもとしては、そういう通知も含めて農家に徹底指導しておりますので、現在ではないというふうに考えておるところでございます。
 それと、全頭検査でございます。やり方については今いろいろ検討中でございまして、いわゆる採材と申しますが、材料として肉をはぐ場面がございます。それは当然、屠畜された以降でしか、生きた牛からは無理でございますので、屠畜された後に、1つは、屠畜場で保管をされておるときに採材をすることもあるでしょう。それと、これによって私どもは出荷を停止するわけではございませんので、そこからまた、基本的にはそこを原則として、材料をとらせていただく。それで検査機関の方に送らせていただくという、基本路線としてはこう考えております。
 県外につきましては、例えば私どもですと、東京都で運営されている屠畜場の方へ出ている牛がたくさんございます。そこでの採材というのは非常に難しいものでございますので、基本的には、各農家を通じて食肉業者を含めて検査をされるときに何らかの支援をさせていただこうと。県内の屠畜場のように、県がかなり運営についても賄えるというか、基本的には運営についてかなり私どもで協力させていただける部分があるんですが、県外は非常に難しいと考えております。その部分については、先程申しました検査に対する支援を何らか、今、これから検討したいと思って、具体的にはちょっとまだ済みません。ただ、県外についても対応は考えていきたいというふうに思っているところでございます。

〇山口部長 放射能の関係ですけれども、現在もホームページの方でも注意喚起はさせていただいています。マスコミ等に発表する場合もこの資料等でわかりやすく説明しているところでございますが、引き続いて県民の方の不安を払拭できるようにこういう形で徹底して啓発していきたいと思っております。

〇日沖委員 もう1回だけ済みません。
 まだ、全頭検査のことについては、これからいろいろと具体的なことなどを示していただくんだろうということで、今、説明を聞かせていただいて理解させていただきます。お聞きしておると、なかなかこれ、強制力はないんですか。農家の自主的な協力に頼るというところが多分にあるんですか。そのへんだけもう一度聞かせてください。

〇渡邊部長 これは申し上げましたように、例えば健康福祉部ですと、食品衛生法という法律がございまして、そこに、私が言うのはあれですけれども、安全性の疑われるという事例があれば、法に基づいてそういう行為ができるというのがございます。
 私どもの立場でいきますと、説明でもございましたように、あくまで安心感を取り戻す、それからブランドというものをもう一回きちんと成立させようということで、ある意味では法的に私どもの立場で進むのではなくて、農家とともに一緒にこういうピンチをぜひとも脱出するためにやっていこうということです。私どもとしては積極的に農家が、そういう意味で受けていただくような取組をしてまいりたいと思っておるところでございます。

〇日沖委員 ありがとうございました。

〇今井委員長 ほかにご質疑はございませんか。

〇吉川委員 ちょっと放射能のことがわかっていないんですが、まずセシウムが葉についておるのか、吸収されるのかどちらかを1つお聞きしたい。要するに稲わらにほこりとしてついたことが問題なのか、稲わらは枯れとるのであれやけど、植物に吸収されてそれが問題なのかということが聞きたい。それと、粒子の粒でどれぐらいの大きさなのか、要するにフィルターやらそんなので捕捉できるようなものなのか、揮発性なのか、要は焼却したら空中へ出ていくものなのか、灰に残留するかどうかを知りたかった。
 それからもう1点は、体内被曝と言われていますように、放射性物質を、ここにも1000ベクレルのを食べたら1年間で0.016ミリシーベルトに相当しますと言いながら、半減期はあるんですけれども、体の中に粒があると、要するに半減期の期間というか、ずっと放射し続けるわけですから、その線量を全部累積した計算で危険か危険でないかを判断すべきだと思うんです。ここのグラフでは瞬間的というか、1年とってもどうやという議論で書かれていますので、そのへんが若干疑問かなと。
 それからもう一つは、人間が食べたときにそういったセシウムなりは排泄されていくのか、体内に取り込まれるのか、両方だと思いますが、その割合がどうなるかと。そこらへんがちょっとわかっていないもので、そのへんを教えてください。

〇永田総括室長 最後の方の質問からですけれども、人間の体内に取り込まれた場合でございます。筋肉内にセシウムは残留するというふうに言われておりますが、これは当然人間の代謝の中で、生きているということは代謝を行いますので、その中で排出をされていきます。ですから、人間としては尿、糞便の中に代謝をされて出ていく部分もございます。取り込まれる量と出ていく量の微妙な難しい計算がございまして、そのへんの計算の中で先程の表ができております。食べる量だけの計算ではなくて、出ていく分の引き算も必要になってまいりますので、非常に複雑な計算で構成されているというところが1点でございます。
 例えば、セシウムは自然界では100のものが50になるのに30年と言われておりますが、人間の体に取り込まれた場合、50歳代の成人ですと、大体90日で半分になるというふうに言われております。小さいお子さんですと、もっと短い期間で半分の量になる。要するに排出されてしまうということでございます。そのようなことが食品安全委員会のホームページ等でも公表されておりますので、そのようにお考えいただければと思います。
 それと、先程の稲わらのどこに入るかという点でございますが、稲わらはちょうど中が空洞になってございますので、そのへんの空洞の中に入り込むというように言われております。ですから、たくさん残留するのは、そういう空洞があって入り込みやすい状態だということも言われておるところでございます。
 あと、焼却については、当然焼却灰のところにも残ってまいります。ただ、私どもが扱っておりますこの牛肉問題については、厚生労働省にも確認をしましたけれども、そういう汚染された肉はどう処分するのかというところで、通常の焼却処分でいいというふうに聞いております。ただし、清掃センターであるとか、そういうところについては、その焼却灰の放射線基準というのがございますので、その基準を超えない範囲内であれば、通常の処理でいいというふうに言われております。
 あと、残った点につきましては、室の方からちょっと答えさせていただきます。

〇増田室長 セシウムなんですけれども、最初に爆発したときに一緒に灰になって飛んだものがあると思うんです。そのところにセシウムの原子の形でついていまして、金属的なものでございますので、そのままくっついた形で雨と一緒に落ちてきて、わらの中に入って染み込んだということでございまして、それを摂食、食べたと。牛については、その汚染が広がったということでございます。

〇吉川委員 お聞きした質問の意味が通じてなかったのか、要は体外へ排泄されていくというのはわかっておるんですが、どれぐらい取り込まれて、どれぐらい残るのかをお聞きしたかったのが1点と、粒子なのか、要するに細かいフィルターで捕まるのか、揮発性で捕まらんのかが知りたかったんです。今言われた説明はわかっておるつもりです。

〇増田室長 粒子という外へ揮発するというものではございませんので、そのままいます。燃やしても、そんなに飛び散るものではございませんので、灰の中に入るということでございます。

〇吉川委員 排泄、要するにすぐにうんちに出ていくか、徐々に筋肉にしても、出ていくのはわかりましたけれども、入り口で筋肉へ取り込まれるのと排泄するのがどんなものかという質問だったんです。

〇増田室長 牛なんかで言われているのは、10%ぐらい入るというふうに言われています。それで、その後排泄されていきますので、そこらへんの兼ね合いというか、それもすぐに入ってたまるわけではございません。しばらく時間、やはり何十日というか、その中で10%というふうになっていきますので、その間にまた排泄をされるという、ちょっと入りながら、たまりながら排泄もされるという、そういうふうな微妙な状況でございます。ある一定の係数をかけて、どれだけ入るかというのを計算しているということでございます。

〇今井委員長 よろしいですか。ほかにご質疑は。

〇永田委員 今、生産農家とか、そういった点のいろいろ議論されて報告がございました。やりとりも聞かせていただきました。
 ただ、販売をしていらっしゃる、普通で言う肉屋です。もう既に風評被害と称するわけですが、かなり売り上げが落ちているということを聞きます。そういう点を考えますときに、今日もデータで、暫定規制数値を超えたのが2頭あるという数字が出ています。そうしますと、こういうデータが出ると、三重県内で販売されている肉については、安全性に問題があるとはというふうな話になってしまいますと、まさしく風評被害で、さらに県民が肉を摂取するというのが敬遠されていくわけです。
 そういうことを考えますと、販売というのも非常に被害が大きいと言わざるを得ないんです。ここでひとつ、そういうような情報提供をこれからどのようにしてやっていくのか。ホームページという話もありましたが、今後どうしていくのかというのが1点と、今、そういう補償問題については、生産農家等がいろいろと東京電力とか何だかんだで言ってみえましたけれども、販売店の方のそういった風評被害に対する何か、補償とはいかんと思うんですが、そんなの考えられることがあるんですか。その2点です。ちょっとお伺いします。

〇渡邊部長 販売店の風評被害の補償という趣旨で2点目、今おっしゃっていただきましたが、当然ですけれども、これもまさしく今、東京電力がいろいろ風評被害の補償も農産物等ではおやりになっていただいています。ただ、どこまでが対象になるかもちょっと見極めがまだよくわからない。特にこの肉牛について、まだ実は明確な東京電力の方からメッセージがございません。したがって、委員お尋ねのことについては、現時点では私どもはどういう形で風評被害のことを補償するのかというのは把握いたしておりません。
 ただ、当然ですけれども、おっしゃる意味での風評被害も考えられますので、そういうのは声を大にして、国の方にも含めて要望してまいりたいとは考えております。

〇永田委員 県民に対する、その情報の提供方法は、今のままでいきますか。

〇山口部長 私の方では、先程申し上げましたように、それぞれ検査すべきものをとらまえて、その検査結果につきましては速やかに情報提供しております。あと、もちろん私どもは、食べないような、そういう摂食をとめるという面での情報提供もやっています。検査結果が出て500ベクレル以下ということであれば、流通は問題ないということでございますので、そういう意味の情報もその都度発信しております。また、もう少しホームページ以外でもできるのであれば、マスコミの方にも提供させていただいて案内して、引き続いてやっていきたいと思います。

〇永田委員 いずれにしても、とにかく県民にとって県内で売られる牛肉については、こういうことで非常にきちんと県としても対応をしているから、安心してどうかひとつお召し上がりくださいというようなことも、ひとつ方法としてどうしていくかって大変大事なものであると思うんです。これは1つ要望として申し上げておきますので、怠らずにきちんとやっていってほしいです。
 以上です。

〇今井委員長 それでは、ほかにご質疑はございませんか。

〇吉川委員 この放射能というのは、エックス線やらガンマ線で、何で体に悪いかといったら、遺伝子をやられるとかそういう理解をしておるんです。それで正しいですかというのが1点。そういう意味でいきますと、11ページの胎児に影響がないとされる線量とか、10万マイクロシーベルト/累積というのは、これは生涯なのかどうかよくわからんのです。知識がなくて想定なんですけれども、妊婦が体内被曝したときにできかけの分裂し出した赤ちゃんというか、その前のところに非常にデリケートに影響がするような気がするんです。そういった線量と比較すると大きいような気がするんですけれども、そのへん、妊婦の許容量とか、胎児に影響がないとされる線量が10万マイクロシーベルト/累積という表現等がちょっとわかっていなくて聞いておるんですが、そこらへんはどういうふうに理解したらいいのですか。

〇西中室長 いわゆる放射性物質が体内でどういった影響が起こるかといいますと、発がんということだと思います。セシウムに関して言うならば、筋肉に蓄積することが非常に多いということで、筋肉のような中でがんというのはありませんので、そういった意味では、セシウムに関して筋肉で蓄積されてがんになるということは考えにくいということでございます。

〇吉川委員 高エネルギーのエックス線にしろガンマ線でも、レントゲンに使うぐらいで、近傍がやられるだけじゃなくて、当然体全部、物質から通過するわけなので、四方八方に、放射状に線が出ておるはずなんです。今の、筋肉ではがんが起こらないかもわからないけれどもというご説明では、ちょっと説明になっとらんような気がするんです。

〇増田室長 最初に申されたように、放射性物質が入るとDNAに損傷が起こる、そのとおりでございます。部位によっていろいろ起こるところが違うと思いますが、ヨウ素の場合ですと甲状腺に集まるとか、ものによって集まる部位が違ってきます。そこで放射線を照射しますので、その近傍にある細胞が損傷をする、そしてがんになるとか、そういうふうなことでございます。
 胎児の件につきましては、赤ちゃんの被曝量は50ミリシーベルト以上だとやはり影響が出るという報告もございます。それから、母乳に関しては調査がまだ全部ちゃんとできていないのかもしれませんけれども、余り出てきていないというような報告もございます。

〇吉川委員 正直言って、何でこういう質問したかというと、安全・安心をするときに仕組みを言わないと、数字だけで安全安全と言うてもなかなか納得が、特にお母さんなんかは不明確なやつはもう心配という話で、風評に通じるかなという気持ちで質問させてもらいました。

〇今井委員長 ほかにご質疑は。

〇中村委員 スーパーなんかで、今回この全頭検査したやつが、今までとどういう形で消費者の目に触れるか。検査済みとかというような、例えば地物一番のようなラベルが張ってあるのか、そのへん末端ではどう目に映るのか、わかりますか。

〇渡邊部長 県が音頭を取ってそういうマークをということではなくて、それぞれ販売業者の方がそういう証明をどうやって生かされるのか、店店によってやり方がございます。一方的にではなくて、安全だということを何らか表示をいただける根拠は私どもは提供させていただく。店によっては、考え方がいろいろございますので、表示しないという店もあるかはわかりませんし、積極的に表示をされる店もあるんです。この販売戦略としては、私どもはまさしく消費者と一番接点を持っていらっしゃる販売店がいろいろ工夫いただくのかなというふうに思って、一律にするという考えは今ございません。

〇中村委員 そうすると、積極的に働きかけた中で、それに協力願えない人がいるとなると、そういったものも店頭には混入するということですか。

〇渡邊部長 県産牛を、基本的には全頭私どもで受け入れる体制を用意いたします。そこへぜひご参加をいただくということですが、いわゆる参加されない方については、それぞれまたお考えがあります。先程申しました店はそれぞれ個体識別番号で全部牛は区別できますので、この牛はきちんと証明書がついている、ついていないということは店は確実にわかります。そこは店がどういう戦略をとられるのか、まさしくある大手小売店ではもう全頭やるんやということで、実際におやりになっているところがございまして、それは消費者の安心感を買っておるというような報道も聞いております。
 したがって、普通考えますと、たぶん県産牛を扱う店であれば、一定の放射能検査も求められるという話も聞いております。私どもがやるのを積極的にご活用いただけるのではないのかなというふうには考えておりますが、逆に私どもも全頭になるように、ぜひ農家の方にも働きかけていって、要するに皆さんと一緒に、三重県の牛、特に三重県産の牛が安全だということを客観的に、ともにやっていくという姿勢が大事ではないかなと思っております。

〇今井委員長 よろしいですか。ほかにご質疑はございませんか。

〇中嶋副委員長 それぞれのご質問に対しての関連なんです。
 最初に強い要望をさせていただきたいのは、今回、県内の1農家で導入された稲わらの一部に汚染が認められてということで、今、状態としては出荷を自粛されていらっしゃいます。加えてその稲わらの処分もできず、その牛が出す排泄物の処理もできていない状況だというふうに聞いております。この農家には、何の落ち度もないと私は思っていますので、ぜひとも絶大なる支援をお願いしておきたいと思います。
 まず日沖委員がご質問された中で、県産肉牛で他の都府県で屠畜した場合の検査について、何らかの支援を考えたいというふうなことを渡邊部長おっしゃられたんですが、もう少し踏み込んで、どういった支援なのかということを教えていただきたいのが1つ目です。
 それから、永田委員がご質問された風評被害のことなんです。例えば今回は自然災害的な部分もあって、そういう食肉流通業者とか、もっといくと焼肉屋とか、そういったところまで例えば災害資金だとか経営安定資金の対象として、低利の無担保の融資、緊急的な融資というのをしてもらえないのかということのお考えを聞かせていただきたいと思います。
 それと3つ目が、中村委員がさっきご質問された表示の問題なんです。全頭検査をして、それを表示するかしないかというのはまさに小売店の考え方だということは私も理解するんです。その表示されたことが事実かどうかということ、これは食品衛生法上の偽装の観点からチェックすることは、県として考えていらっしゃるのかを確認させてほしいんです。

〇渡邊部長 おっしゃるとおり、今回残念なことでしたけれども、県内で発生した事案につきましては、稲わら、排泄物は国の方から農家外に出してはだめだというご指導をいただいています。それはそれぞれ処分の方法なり安全の基準について、まだ具体的に決まっていないということで、これは大変申し訳ないんですけれども、私どもの県の権限では及ばない。ただ、当然いずれかの時期に農場外へ出せるような1つの目安が出てまいりますので、それについてはしっかりまた県としても応援させていただこうかと思っております。
 それと、県産牛について、何らかの県外に出すときの支援をと。県内におきましては、農家から例えばこの牛をぜひ検査してほしいということで、私どもにお知らせいただければ、屠畜場等で最終的に十分把握できます。ただ、県外になりますと、申し訳ないんですが、他県の屠畜場でそういうのは非常に難しいものですから、多分、今、他県においてはそういうものを、放射能検査をおやりいただいている部分があるのかなと。そこの支援を何とかというのは、ちょっと今、余り申し上げられないんですけれども、そこがスムーズに行くように支援をさせていただければどうかなと。ですから、県内の状況とはちょっと、申し訳ないですけれども、支援のあり方が違うというご認識をいただければありがたいと思っています。
 それと、焼肉屋まで確かに今ご承知のようにいろいろな被害を受けていらっしゃいますが、ここはちょっと検討課題ということで、そういう支援ができるのかどうかは持ち帰って検討をさせていただきたいと思っております。

〇永田総括室長 先程の表示の件でございます。今回の全頭検査によるものを表示する、間違ってといいますか偽装するとかそういうことについては、食品衛生法上の問題ではなくて、不当景品表示防止法というのがございます。要するに事実誤認を起こさせる、いいものだと思わせるという観点から規制がかかってくるもので、検査もしていないのに検査済みということを表示することは法律で違反になってくると。それは食品衛生法ではございませんけれども、他法令でそういう形になるというふうに認識しております。

〇中嶋副委員長 経営が苦しいところの資金的な面での対応というのは、ぜひ前向きにご検討をいただきたいと思います。産地が違うとか、そういう産地偽造なんかの場合も、今おっしゃられたようなやつは……

          〔「それはJAS」の声あり〕

〇中嶋副委員長 それは、JASの関係になる。いろいろと法令が入り組んでいますが、結局、我々が今日の委員会で申し上げたかったのは、全頭検査をするという、市場へまず出るところでチェックしていただくのは、これは非常にありがたいとは思っておるんです。それが消費者の手にわたるときまで、本当にそれが正しい情報なのかどうか、そこまで、どこまで行政として見ていただけるのかというところがポイントだと思っています。ぜひとも、そのあたりのチェック体制についても、まさに各部横断的にご検討をいただきたいと思います。
 あと、検査の機器等で、今後の話なんですが、これは新聞報道なんですけれども、検査費用が1頭当たり約2万円かかると。1頭で三、四時間かかるという報道が一部でございまして、三重県ですと年間1万頭とすると、1頭当たり2万円だと2億円かかる単純計算になるんです。それぐらいの費用がかかる見積もりなのかどうか、そのあたりちょっと考え方を。

〇渡邊部長 今、検査費用はいろいろ値段がございますが、概して大体2万円前後というのが多うございます。したがいまして、民間の検査機関を使えば、当然、たくさんすることで値引きいただけるかどうかわかりませんけれども、一定そういう金額は当然必要になってまいります。
 あと検査時間ですけれども、これは実は機械の性能によってかなり違うというふうに聞いております。したがって、必ずしも三、四時間すべてがかかるということではなくて、そこがお持ちの機械の性能によって時間短縮も可能だというふうに聞いております。これは今、まさしく調べているところでございまして、私どもとしてはできるだけ短時間におやりいただけるとか、できたらお値打ちにやっていただける、それから検査機関の場所も余り遠方にあると、そこでのやりとりもまたかかるので、できるだけ近隣の検査機関にお願いできればと思っています。ただ申し上げたように、なかなか選べる状況ではなくて、もうある意味では残っておる検査機関にどういうふうに私どもとしてお願いしていくのかと、今、そういうのでちょっと苦慮はしております。

〇中嶋副委員長 非常に難しいところもあると思いますけれども、本当に迅速な対応をお願いしたいと思います。今日の時点ではいつ始められるということまでは言えないんだと思いますが、本当にできるだけ早くやっていただきたいと思います。そのために必要な予算について、どういう形でやっていくのかというのは、この後、委員間協議の中でも議論したいと思っておるんですが、場合によっては先議もありなのかなと。先議というか、場合によってはですが、ちょうど今休会中なので、そのまま専決でやっていただくとか、今議決している予算を流用していただくとか、そういうことも柔軟に考えていく必要もあるのかなというのが私個人の考え方です。そのあたり、いずれにしてもいくらぐらいかかるのか、どうやってやるのかということがわからないと議論のしようもないので、速やかにできるだけ情報をまとめていただきたいというふうに思います。
 あと、今日、日経新聞の1面に富士電機が短時間でセシウムの量を調べるという機械を開発されて、9月ぐらいから売り出すということでした。今日は牛肉の問題でしたけれども、今後、お米だとか野菜だとか魚だとかどんどん出てくるということを想定されると、こういった最新の機器についても、ぜひ県の皆さんも情報収集していただいていると思いますが、それの活用についてもぜひご検討いただきたいということをお願いします。
 私の方からは以上です。

〇今井委員長 ほかに。

〇長田委員長 先程の中で、検査された牛が店頭に並んでいるときに、表示として検査済みかどうかまではちょっとわかりませんということだったんですが、例えば、個体識別番号とかがあるんですが、県としてはこの個体識別番号は検査しましたと、そういう情報は公開される予定はあるんでしょうか。

〇渡邊部長 公表については、今まだ検討中でございます。1つのやり方ではあるかと考えますが、今時点ではまだ検査方法も決まっていない中で、表示のことまではまだ検討中ということで、今日のご意見もまた参考にさせていただきながら、検討を進めたいと思っています。

〇長田委員長 やはり買う側から見て、あるスーパーが今、全部全頭検査済みですよというのを見ると安心がありますので、せっかく検査入れられたんであれば、それがわかるような方法を何かとっていただければと思います。よろしくお願いします。

〇今井委員長 ほかによろしかったですか。
 それでは、これから検討をさまざましていただくんですが、今日出ましたいろいろな意見、要望等を踏まえて、今後検討を進めてください。
 ほかに質疑はないようでありますので、これで質疑を終了いたします。当局には大変ご苦労さまでございました。

          〔当局 退室〕

 

Ⅱ 委員間討議

〇今井委員長 ご意見のある方はお願いをいたします。

〇中嶋副委員長 先程ちょっと申し上げたんですが、今回どれぐらいの予算が必要になってくるのか、人員も含めてですが、全くわからない中なんですけれども、急を急ぐ中で、この予算等の扱いをどうしたらいいのかというのは、この委員会だけで決められる話ではないかもしれないんですが、この両委員会の中でこうした方がいいんじゃないかという意見を出されるなら出しておく方が、県もスムーズに対応できるかなと思うんです。方法としては、さっき申し上げたようにもう、今、議会はちょうど開かれていないので、専決をやってしまうという方法と、今、議決している予算を流用してもらうという方法、それから臨時会を開いてでも、その日1日でやってしまうという方法もあるでしょう。時期にもよるんですけれども、そのあたりは、ほかの委員の皆さん、どんなお考えなのかちょっと聞かせてほしいと思います。

〇中村委員 中嶋委員、さっき、その1万頭という話が出たんですけれども、1日60頭やと2万頭ぐらいになるんですけれども、それはどんな話やったのですか。そっちの委員会で出ていた頭数なんですか。それによって、値段的には倍になってくるもんですから、事前にちょっと聞いておきたいんですけれども。

〇中嶋副委員長 県内で産出されている牛の量が年間1万頭、年間約1万頭の県産牛が食肉処理されているということで、すべてが県内ではないと思っているんです。県外に出されている分も含めて一応1万頭ということなので。

〇今井委員長 ちょっといいですか、この部分に関して。
 県内産で県内で屠畜されている牛が約1万頭で、県内産で県外の屠畜場で屠畜されている牛が約4000頭で、県外の牛で県内へ持ち込まれて県内で屠畜されている牛が約2000頭と、そのように聞いております。よろしいですか。

〇中村委員 はい。

〇今井委員長 それでは、先程の中嶋副委員長の提案に対しまして、何かご意見等は。

〇舟橋委員 結局、予算執行するタイミングもわからない、金額もわからないですから、とにかく安全性を担保するために、必要であれば、今、閉会中ですから専決も、それはフリーハンドにしておいてあげるべきじゃないですか。余りこちらから縛るんじゃなくて。

〇今井委員長 ほかによろしいですか。

〇中嶋副委員長 大先輩からの今ご意見もいただく中で、専決も含めてフリーハンドで考えたらどうだというぐらいの考え方で持っておればいいと。ただ、物すごく額が大きなことになっていくと、それはそうもいかない。事と場合によるということではあるけれども、それぐらい緊急性と柔軟性を持った対応を議会としても考えてもいいというふうな理解を今させていただきました。それが両委員会の共通の思いということであれば、非常にありがたいというのが私の意見で、それで討論を終わります。

〇今井委員長 それでは、ほかに何かございませんか。よろしいですか。
 なければ、これで委員間討議を終了いたします。


〔閉会の宣言〕

 

三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。

健康福祉病院常任委員長  

今井 智広

 

防災農水商工常任委員長

長田 隆尚

ページID:000020349
ページの先頭へ