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平成24年10月5日 防災県土整備企業常任委員会 会議録 

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防災県土整備企業常任委員会

会 議 録

 

開催年月日         平成24年10月5日(金) 自 午前10時00分~至 午後0時40分

会 議 室            202委員会室

出席委員             8名

                            委  員  長      津田 健児

                  副委員長   笹井 健司

                  委       員   下野 幸助

                  委       員   粟野 仁博

                  委       員   大久保 孝栄

                  委       員   小林 正人

                  委       員   日沖 正信

                  委       員   中村 進一

欠席委員             なし

出席説明員

            [防災対策部]

                           部  長                  稲垣   司

                           副 部 長                 後藤 友宏

                           次  長                  河合   研

                           危機管理副統括監         奥野 省吾

                           防災対策総務課長         別所 喜克

                           消防・保安課長                       辻         司

                           防災企画・地域支援課長    小林 修博

                           災害対策課長           田中 貞朗

                           危機管理課長           上村 一弥

                           コンビナート防災監        大藪 亮二

                                                                                その他関係職員

委員会書記

                  議   事   課      主査  中村 晃康

                  企画法務課     主幹  小野 明子

傍聴議員             1名

                              藤田 宜三

県政記者クラブ    4名

傍  聴  者           1名

議題及び協議事項

Ⅰ 常任委員会(防災対策部関係)

 1 議案の審査

  (1)議案第11号「工事請負契約の変更について(三重県防災通信ネットワーク更新工事(衛星系))」

 2 所管事項の調査

  (1)「『平成24年版成果レポート』に基づく今後の『県政運営』等に係る意見」への回答について(関係分)

  (2)南海トラフ巨大地震の被害推計(内閣府発表)について

  (3)三重県緊急地震対策行動計画の取組状況について

  (4)津波避難に関する三重県モデル事業の概要について

  (5)広域防災拠点の整備について

  (6)総合防災訓練等の実施状況と今後の予定について

  (7)危機管理の推進について

 

【会議の経過とその結果】

 

〔開会の宣言〕

 

Ⅰ 常任委員会(防災対策部関係)

 1 議案の審査

  (1)議案第11号「工事請負契約の変更について(三重県防災通信ネットワーク更新工事〈衛星系〉)」

    ①当局から資料に基づき補充説明(稲垣部長)

    ②質疑

〇津田委員長 御質疑があればお願いいたします。

〇日沖委員 少し聞かせてもらいます。
 平成23年度に発注してもらって、県の津波浸水予測が24年3月に出てきて、それに基づいて考慮して、いろいろと機器を高いところに置くとか、電源の確保とか、いろいろなことが必要になってきて変更していただくわけですよね。この変更するまでに、私、工程がわからないのですけど、できてしもとるとか、設置されてしもとるとか、そういうかげんはどうなっているんですか。

〇稲垣部長 機器の製作等は現契約に基づいてやっております。これにつきましては、結構防災行政無線の需要が全国的に逼迫している中、機器製作には一刻も早く取りかかりたいと思っておりまして、それはもう既に続けております。しかし、取りつけてしまいますと二重の手間というか、手戻りが起きますもので、それはやっておりません。その間に津波浸水予測の正確な結果が出て、それをどう扱おうかという議論を市町と進めておりまして、やはりこれはここにつけるべきだという議論が展開する中で決めてつけるという判断に至っておりますので、手戻りとか、そんなことは起きていません。

〇日沖委員 わかりました。

〇津田委員長 ほかにございますか。

〇中村委員 基本的なことを教えてほしいんですけど。
 この間の台風でもそうだったんですけれども、災害が起きたときに、個人の人たちでも、電源を喪失するということが結構起こってるんですが、今やろうとしていることは、行政の段階で防災関係の無線の部分の電源を確保しようということで、これはふだん県民が使っている電源とは別にずっと存在するということでよろしいですか。

〇稲垣部長 今回のこれは、あくまで衛星系防災行政無線の更新工事に伴う電源の関係です。別途庁舎の関係とか、もろもろの電源とか、また衛星系にかかわらず地上系のもありますので、そうした電源とか、そういうのも当然必要になりますので、それはそれで別途検討していかなきゃならんものでございます。

〇中村委員 だから、これは震災、あるいはいろんな災害が起こったときに、行政として、中央からのとか、いろんなところの情報をとるための電源ということでよろしいんですか。何に使うのかという全体的なことを。全く基本的な話ですけど。

〇稲垣部長 あくまで防災行政無線の話をしているんですけども、行政が通信するための設備は無線系と有線系というのがあるんですが、その中に、有線とは別に無線系の場合は、衛星を使ったものと地上系で基地をつくって使うものがあります。これはそのうちの衛星系に限った話をさせてもらってまして。
 今申し上げたように、通信の関係は有線と、無線が2種類で、大ざっぱに言うと3種類ございます。そのうちの一つであるということです。

〇中村委員 一般の県民の皆さんのところへ情報、あるいは危険を知らせたりとかいうのは結構有線でやりますよね。そういったところの電源とは全く違う話なんですか。

〇稲垣部長 市町の中では、独自に無線とかを持って、例えば移動系のハンディ機みたいなものとか、あと屋外につけて放送するとか、あれは市町でやっていただく設備で、それはそれで別途あります。
 今、私が申し上げとるこの設備は、県と国とか県と市町の間を結ぶ、そういう無線なり有線なりの通信機器でございまして。市町単位のものと県が整備するものとか、いろんな種類があって、あと通信には、衛星も使ったり、いろんな方法が、それはもう雑多にございますけども、その中の、ある意味では限られた部分を申し上げているだけで、もっとほかにいろんな種類がございます。

〇中村委員 例えば今回もそうなんですけれども、東日本でああいう災害が起こると、外から、そこに住んでない我々は、テレビの映像とか、あるいはヘリコプターとか、いろんなところで、津波がここまで来てるな、あるいはこうなってるなと、後からかもわかりませんけど見られる。ところが、災害が起きている真っ最中の市町、あるいはそこの県なんかは、これをすることでどういう情報をどういう形で、全体の災害の中でこれはどの部分に当たるんですか。ちょっとその辺教えてほしいので。こうなることによって、今度南海トラフ巨大地震が起こったときに、三重県はこんなところを今回整備したんですよと、我々が県民の皆さんに訴えるときにどの部分なのか、ちょっとその辺がわからなかったんですが。

〇田中防災対策総務課副課長 今回の整備と申しますのは、衛星系の防災行政無線の整備でございます。先ほど部長から説明がありましたように、県と市町の間を結ぶ整備でございます。ただ、これは一連の衛星系の整備の中で、平成22年度には、万が一市町の防災行政無線が壊れた場合に、災害用の機材を現地に運び込む設備を各15消防本部に配備するという工事もしております。もちろん先ほど説明があったように、市町の設備というのは御自分でやっていただくところがありますが、万が一のときにもまず確実に市役所と連絡がとれること、さらに、万が一地域住民同士で連絡がとれん場合は、そういった機材配分をしておりますので、それをすぐさま救出救助に提供できるような形をとっております。

〇中村委員 後で結構ですが、その流れみたいなもの、県民と市町と、それからと、その一つの流れの中のこの部分をこうしたんだというように整理したものをいただければありがたい。

〇稲垣部長 ポンチ絵になったものもございますから、それも含めて後でお示ししたいと思います。

〇津田委員長 ほかにございませんか。

                〔発言の声なし〕

〇津田委員長 なければ、これで本議案に対する質疑を終了いたします。

    ③委員間討議     なし 

    ④討論         なし

    ⑤採決         議案第11号   挙手(全員)   可決 

 2 所管事項の調査

  (1)「『平成24年版成果レポート』に基づく今後の『県政運営』等に係る意見」への回答について(関係分)

    ①当局から資料に基づき説明(稲垣部長)

    ②質問         なし

  (2)南海トラフ巨大地震の被害推計(内閣府発表)について

    ①当局から資料に基づき説明(後藤副部長)

    ②質問

〇津田委員長 それでは、御質問等がありましたらよろしくお願いします。

〇小林委員 質問が前後するかもわかりませんし、あくまで素人的な観点から質問させていただきたいと思うんですが、16ページの市町別最大津波高、平均津波高、あるいは津波到達時間、浸水域の表を見せていただきますと、北勢地域でいきますと、例えば四日市市は津波高が4メートルと5メートル、桑名市も4メートルと5メートル、鈴鹿市なんかは5メートルと6メートルと高いんですよね。津波の到達時間についても比べていきますと、鈴鹿市は桑名とか四日市より早く、木曽岬町もあわせてですけども、来るという中で、さっきの三重県防災通信ネットワークのシステムの設置箇所を見ておったら、鈴鹿市だけ全然設置していただけないというか、書いてなかったんですよね。それで対応できるのであればいいんですけども、その辺をちょっと教えていただきたいなと、この表を見て改めて感じましたので、よろしくお願いします。

〇別所課長 先ほどの議案の案件につきましては、今回、変更の案件ということで、本来のメーンの工事は機器を更新すると。ただ、今回は津波高のデータが出ましたので、いろいろ各庁舎の置いてあるところの状況を調査して、変更が必要なところについては高く上げた。先ほどの資料でいろいろ箇所が上がっておったのは、例えばアンテナを高く上げる必要がある箇所はここだ、電源を高く上げる必要があるところはここだということでそれぞれ書いてます。そういうことで、対策をすべて講じているということでございます。

〇小林委員 ということは、今までつけてあったところの電源が落ちないように高さを上げるとか、そういうための契約の更新ということであって、今後は、そういうシステムのあれにおいても検討されていくということでいいですか。

〇別所課長 今回は、この県の調査も含めて、基本的に高さはほとんどその状況に合わせて対応できていると。ほとんどできておりますので、もう今回の変更を御承認いただければ衛星系の部分は対応できるということでございます。

〇小林委員 既存のところ、この議案の内容はよくわかるんですけども、改めてこの表を見せていただくと、今、そういうふうな装置を設置してあるところよりも被害が大きくなっているところにそういうシステムがないんですよね。今後、そういうことも勘案して、設置していただけるような検討はしていただけるんでしょうかという質問なんですけど。

〇別所課長 衛星系の無線につきましては、従来、全体で100カ所余りございます。今回の見直しの中では、市町村合併もあって、旧庁舎等を改築とか、なくすということもあって、実際60ぐらいに減っております。そういうことで60カ所ございます。要するに、消防署とか市庁舎も含めて、県内で合わせて60カ所ございます。そういうことで、全て必要なところは設置しております。

〇小林委員 わかりました。既に60カ所あって、さっきの議案の場合は必要なところだけを上げるという中で、残りの四十何カ所の中で、このほかの載ってなかった市町に対しても対応はできるという捉まえ方でよろしいんですね。

〇別所課長 言われているとおり、例えば、伊賀のほうなんかは既に対応しているということで、そういう意味で、全部を調査して対応しております。

〇小林委員 理解しました。

〇津田委員長 ほかにございますか。

〇大久保委員 最大の想定死者数なんですけども、約4万3000人というふうに最初出てますが、東紀州地区ではどれぐらいの想定になるんでしょうか。

〇後藤副部長 こちらにつきましては、内閣府から示された数字でございますが、県ごとの数値しか出ておりません。市町ごとの単位についても出せないのかという質問をしたところ、やはりそれぞれを分けて出すと、一定の前提を置いているものですから、分けてやるともう一回計算をし直さなきゃいけないのでそれは出せないということで、地域ごとの数値も出せないというように聞いております。

〇大久保委員 少し前に防災についての講座とかがあったので、三重大学の川口准教授からいろいろお伺いしたときに、この約4万3000人のうち、ほとんどが東紀州で出るんじゃないかという想定が講座のほうで発表されておりました。
 今もお聞かせいただいたところで、やっぱり熊野市、御浜町とか紀宝町もそうですけど、尾鷲市、熊野市で最大津波到達時間が4分ですよね。4分で何ができるんでしょうかね、240秒の中でみんなが助かろうと思ったら。先ほど、最大限の防災対策を実施すると約4万3000人から約4600人に減ると見込まれているということですけども、最大限の防災対策と書いていただいてますけれども、この建物の耐震化を100%達成するとか、そういうことで本当にそれだけ軽減されるのかどうかがすごく疑わしいところです。4分の間に逃げなくてはいけないということを強いられたここの地区に住んでいる住民の気持ちを考えますと、本当に憤りを感じます。
 しかも、この発表をされてから、この地区では土地が全く売れない。熊野市二木島地区なんかにおけば、19メートルの津波が来るということで本当に空き家が増えていっています。この発表によってまちが殺されてるんですね。その事態を大きく受け止めていただいて、県で何ができるのか、国で何ができるのか、この発表されたことにみんなすごく困っている状況です。最初は坪25万円で売れていたところも、今はもう8万円以下でも売れない状態です。
 だからこの発表によって町や市が本当に衰退していく、その責任を大きく感じていただきたいんですね。そのために最大限の防災対策というのを、発表した限りは責任を持っていただきたい、国のほうへも強く言っていただきたいと思います。人の命を守るために何をしていただけるのか、発表して、無責任な状況ではなく、いつ起こるかもわからないものをこういうふうに発表された地区に生きる人の気持ちを考えていただきたい。
 だから、これから4分で何ができるのかをお考えいただきたいです。この地区に4分で逃げられる避難タワーなりをつくっていただけるような補助、支援とかを考えていただきたいんですけど、その辺についてはいかがでしょうか。

〇稲垣部長 まず、この国の発表の仕方なり発表内容につきまして、申し上げたかもしれませんけども、こういう出し方がいいのかというのは、私どもも以前から再三申し上げてきたつもりであります。また、発表内容につきましても、本当にこの数字、4分なり、あるいは27メートルなりという数字がピンポイントなものなのか、ある一瞬のものなのか、それすらよくわからないので、それ自体があたかも確実に4分でという事態が起きる、確実に27メートルの津波が来るような印象を与えてしまってると。その辺の説明の仕方もまずくはないかという話も再三してきたつもりですが、国は説明をしてくれたんでしょうけども、結果的に、住民の方はなかなかそう理解されない状況になっているというのは、私たちも非常に危惧しておるわけです。でも、これは事実としてもう出てしまってますので、今後の対応として、知事も代表質問なんかで述べておりますけども、私どもとしては、これはあくまで理論上の数字だからということで、あるいは千年、万年単位とまで国は言っておりますから、要は今すぐではなくて将来的に高台移転とか、まちを根幹から変えてしまうような、そうしたことを書いてる数字だというのをまず整理した上で、我々としては、もう一度、今、被害想定をと。
 我々なりに精査しようとしておるのは、100年、150年単位で、これも知事が申しておりますけども、1498年以降で記録が残っているというあの大きな地震に水準を合わせて、今、大久保委員が言われましたけども、例えば東紀州であれば本当にどんな数字になるんだろうかというのも、もう一回精査しながら地域ごとに数字を求めて、県版の対策は出していきたいなと考えております。それにはもう少し時間を頂戴せななりませんけども。
 その上で、対応を考えていきたいと考えておりますが、それにつきましては、現在も伊勢市と熊野市に分けて、津波避難のモデル事業をやっておりまして。熊野市も尾鷲市と同様、すぐにでも来るという状況ですね。まさにそういう状況で何ができるのか。それは4分か5分かわかりませんけども、すぐに来る状況で何ができるか、また、すぐに来るのをいかにして感知することができるか、それも早いうちにできないか、あるいは、もうどうしようもない、逃げられない。矛盾した言い方ではありますけども、避難できない方のための避難といいますか、そのためには、よく高知県なんかで真剣にシェルターなんて話も出てますけど、私どももそんなことを踏まえながら、そういう策もないかとか、そういうことも考えていきたいなと考えております。
 繰り返しになりますが、もう一度県なりに想定、また予測を立てて、かつそれに応じた対策も思いつく限りのものは出していくというスタンスで臨んでいきたいと考えておりますので、そのつもりで進めております。

〇大久保委員 本当に、この発表された地区に住んでいる人のお気持ちを考えて、これから取り組んでいただきたいと思います。それで、国のほうにとにかくその発表された地区への補助金なり、ちゃんとした制度を申し出ていただけるよう、お願いします。

〇津田委員長 ほかにございませんか。

〇下野委員 今の大久保委員の質問に関連しますけども、同じ12ページのところです。4の上に防災対策の効果があって、それに対して本県の対応等についてということが2行書かれておりますけども、そこのところの内容、スケジュールについてもうちょっと教えていただけないでしょうか。

〇小林課長 この被害想定が発表されているのとは別というか、もともと東日本大震災が起きてから、本県のこれまでの地震対策をやっぱり基本的に見直さなきゃいかんということで、それでまずは緊急地震対策行動計画とか、それから県独自の津波浸水予測調査を昨年度はやらせていただきました。その続きとして、改めて地震被害想定調査をやって、本格的な地震対策をと、もう一度これまで持っていた計画を見直すというような、この新地震対策行動計画(仮称)という形で、今、整理を始めておるところでございます。
 今後の予定といたしましては、地震被害想定調査につきましては、目標として、何とか年度末には何がしかのものを出せるような取組をしたいと思っております。1つに、少し条件的には国が出してきたものも参考にしたいということを考えておりまして、それが少し、国の当初の予定から申しますと、今回8月29日に出されたような内容は、実は当初の予定としては6月ぐらいに出ると聞いておったものが、被害想定とあわせて全部出てくるという感じになってきております。そういった影響も実はございまして、我々が当初もくろんでいたスケジュールからいきますと、少々正直言いまして厳しい状況というところもありますが、できるだけその作業は進めていきたいと思っております。
 それから、新地震対策行動計画(仮称)については、その地震被害想定調査の結果も踏まえていかなければならないということもございますので、今年度は、先日の代表質問でも知事から答弁させていただきましたが、新地震対策行動計画(仮称)の中間案を今年度末までには整理し、平成25年度には、できるだけ早い時期に内容を整理して成案にまとめていきたいというスケジュールを持っております。

〇下野委員 地震被害想定調査のほうは年度末までに何からの形で出していただけるという理解でよろしいですね。

〇小林課長 どのようなところまで出せるのかというとこはまだちょっと、我々のほうも今まさにやっている最中でございますので。ここまでのものとかいうのを今なかなか具体的な形でお示しはできないんですが、我々も何がしかの整理をしていかないと、次の対策とかの検討にも行きませんので、そういう整理はやっていきたいということで、現在作業をしております。

〇稲垣部長 補足させてください。
 今、小林課長が申し上げた年度内に何とかという思いで、間違いなくやっているんですけども、現在、具体的な計画のほうも、川口准教授とか、浅野准教授とか、三重大学の先生のお力を借りながら、全庁的な体制でワーキンググループをつくってやっております。
 地震被害想定調査のほうも学者に入っていただいてやっているんですけども、とりわけ津波断層モデルという、盛んに絵で示しましたこの部分なんかは、どうしても国のほうをベースにしなきゃなりません。今まで使っていた2003年モデルというのがあって、これは新しい2012年モデルなんですけども、私どもはこのほうをベースにしてともに算定していくつもりでおるんですが、どうも、内閣府における今後の検討予定についてというところでも若干触れましたけども、ここにも今後修正していくという話がありまして。そもそも2003年モデルのほうも若干さわるみたいな話も聞こえてきてますものですから、それを踏まえるとなると、どうしてもそのために遅れざるを得ないという状況がありますもので、私どもの思いとしては何とか年度内にと言っても、そのベースとなるものが変わってきたら、それによって相当左右されてしまうのかなと懸念しておるところであります。

〇下野委員 もう1点。先ほど部長から内閣府におけるという話があって、同じ12ページの一番下の(2)の南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググ・求[プについて、冬ごろを目途にということなんですが、これはまず県単位でということになってくるかと思うんですけども、これも最終的に市町単位で細かく情報が出てくるんでしょうか。

〇小林課長 この南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループは中央防災会議に設置されておるワーキンググループで、一応国としての南海トラフ巨大地震対策の全体像を出していくということでございます。ですので、特に津波からの避難対策については、この夏ぐらいに一度中間報告というような形で一旦は出ておりますが、それらも踏まえ、その他の対策も含めて、「冬頃」というのが一応の内閣府が示しておるスケジュールで、今年度になるのか、年内になるのか、そこら辺までは今わからないんですけれども、一応これらの全体像は出てまいります。私どももまた県にとって影響が出てくる内容と思っておりますので、十分に注視していきたいと思います。

〇下野委員 冬ごろに出てくるこの情報に対しての、県のこの情報の生かし方みたいなのをもう一度教えていただけないでしょうか。どのような展開になっていくか。

〇小林課長 国としての基本的な方針とか、それからあと、それらを踏まえて、当然各省庁においても様々な具体的な対策とかが検討される形になろうと思います。ですので、まずこれが国としての基本方針としてまず出てくるであろうと思っておりますので、それらを踏まえると、地方自治体としての取組とかにも当然影響があるのかなと思っております。そこら辺は出てくる内容いかんという部分もあるんですが、新たな県の新地震対策行動計画(仮称)をつくっていく上においても、これが出てきた段階でも、十分に国との整合性を図っていく必要が出てくるのかなと思っているところでございます。

〇稲垣部長 今、小林課長が申し上げたとおり、まだ出てこないものでわかりにくい部分はあるんですけども、現在出ている人的被害を例にとって言いますと、約32万3000人という全国規模の死者が出るのを、例えばですけども、国はマクロでどんなふうにするか。もちろん対策のためでもあるんですが、災害時の自衛隊とかの救助活動を考えたとき三重県でしたら、陸上自衛隊33普通科連隊ってありますけども、その上には名古屋市の守山駐屯地のほうに第10師団があり、それをくくる大きな中部方面隊というのがあり、その中部方面隊の規模で、約32万3000人はほとんどそのエリアに入ってくる。東海、近畿、中国、四国が入りますので。そういったところがどういう展開をと、マクロで見るときに使う数字になってくるわけです。
 我々として必要なのは、三重県内のどこへどういう救助活動を展開するかで、南部なのか、北部なのか、それは各市町単位の数字を出さないと決まってこないというのがあります。それは我々がしなきゃなりません。ですから、国は大きく、近畿地方の救助活動をやるのかという目でしか数字を捉えてないのが実態なんです。そのためのマクロの数字、経済的な被害も恐らくそうだと思います。今度出たときには、どこからまず復旧、復興していかなあかんかというのは、東海が中心かとか、そういう目で見てると思います。その中は、どうしても県単位で改めてもう一度数字を出して考えていくしかないと思います。

〇津田委員長 ほかにございませんか。

〇日沖委員 先ほど来のお話の延長でもう一度聞かせていただくんですけども。
 知事も、三重県の地震対策の前提というものは、この南海トラフ巨大地震の被害想定は出たけれども、この千年、万年に1回と言われる極端な、そのうちの最高の被害想定というものに一喜一憂することなく、津波の想定も県として想定したものをもとにする、この南海トラフ巨大地震の被害想定というものを参考にはするけれども、あくまで県としての想定モデル、対策をできるだけ早くクリアしていくことに取り組んでいくんだとおっしゃっています。
 これは100年から150年に1度の頻度の地震やということですけれども、そういうふうに言われとるわけですよね。それを確認させていただいた上で、この名前自体も、以前は東海・東南海・南海という大地震が来るぞということで、みんなが冷や冷やしながら、地震対策に行政と県民の皆さんが連携して取り組んできたわけなんですけれども、東日本で想定をはるかに超えて、想像したこともないようなことが起こったものでこういうことになってきとるんだなというふうに感じさせていただきますが、それを境に南海トラフ巨大地震ということを言うようになってきましたよね。いつの間に変わってきたんかなということを思ったりするんですけども。そうすると、これから新地震対策行動計画(仮称)も含めて改めて地震対策に取り組んでいっていただかんならんですけれども、三重県が想定する地震というものは南海トラフ巨大地震ではなしに、依然として東海・東南海・南海地震クラスのものを想定して、その被害想定をベースにしてやっていくのか。今話を聞かせていただくと、三重県独自と言いつつも、やっぱりこの南海トラフ巨大地震を何かベースに、100年、150年に1度を想定しつつも、結局は南海トラフ巨大地震を大変意識しながら、何か両方をベースにしとるようなことでいくのか、もう一回お聞きしたい。やっぱりこういうことになってくると、今、ここでこれまで議論して、質問されてみえる内容も、皆さんが聞かれるベースはこの南海トラフ巨大地震の被害想定に基づいた話になってくるわけですよね。いくら県が、県もこういうものが出てくると、どうやってこれを生かしていくか、反映したらええんかとか、三重県は三重県のやり方があるしとか、いろいろ大変だとは思わせていただくので、決して非難するわけじゃないんですけれども。やっぱり三重県は三重県として100年から150年頻度の現実的な地震を想定してといえども、それも知事の話によると、市町ともきちっと連携して、意思統一もしながら向き合っていきますといえども、先ほどの大久保委員のお話にもございましたように、現地、現場ではそんなこととは別に、もうこれに基づいて話が行われていますし、これに基づいたいろんな事実も起こっとるということがあるわけですよね。そうすると、それをどう調整していくんかなと。また同じことの質問になってくると大変だなと思うので、その辺で、もう一度話をしてもらえることがあったら。

〇稲垣部長 東海・東南海・南海の3連動という表現がいつの間に南海トラフになってきたかというのは、昨年度から今年度にかけて何となくなってきて、どういう経緯でどうなったか、という詳細はわかりませんけども、恐らく今までは東海地震、東南海地震、南海地震と切り分けていたのを、それぞれの対策がばらばらだと、救助活動も含めてですけども、いろんな意味でそごを来たすので、もう1本でやった方がいいという発想だと思うんです。だから、起きることは多分一緒なんだと思うんですよ。したがって、それを南海トラフで起きることという表現にしたんだと思いますけども、それがもう別々に起きるものじゃないということですね。どんな事象かは知らんが、そこで起きるあらゆることを包含して言おうという発想だと思うんです。
 だから、そういう意味では基本的な違いはないと思いますけども、問題は、千年、万年単位、100年、150年単位をどうするかという話なんです。さっき大久保委員からもありましたけども、そもそもここで国から余り極端に大きく出されてしまい、しかも、それも経験則に基づくんじゃなくて理論値だというのを前面に押し出して施策を打とうと思っても、これは住民の方も混乱するだけだし、現実問題、27メートルの津波にハードで対応しようがありませんし、現実問題、4分で逃げようもございませんと。だから、それを前面に押し出したような施策は、もう万歳状態になるのかなと、お手上げ状態になってしまう可能性もあります。
 また、3月31日以降、避難放棄者という言葉も生まれてきました。要するに今まででしたら、それまで、東日本大震災以降、昨年度ぐらいまでは、みんなで、特に自助というのが結構浸透しつつあった、一生懸命防災・減災対策をとろうという住民が増えつつあったかと思うんです。しかしながら、余りにも極端な数字になってしまったものですから、もう無理となっちゃって、自助もだめや、こんなのは公助しかできないじゃないですかと、そういう方向に逆行してしまった嫌いもあると思うんです。それはもう新聞の論調なんかにもあります。そうした意味で、この最大クラスに言及して、限定して物を言うのは、非常にリスクが高いと。防災・減災対策を進めるに当たっては非常にリスクが高いし、正直言って無理であると考えています。
 一方で知事が申し上げております100年、150年単位のもの、これも巨大地震ですから、これに対して、今まではマグニチュード8.7のイメージで来てるんですけれども、それならばまだハード対応、それも物すごい、かなりのものですけど、ハード対応も何とかできるだろうと。また、それを目安にした方が、現実問題として、本当にみんなが助かる最短の道ではないかという発想で、まずそれをやろうと。まずと申し上げとるのは、とにかくそれをやって、その上で今言った最大クラスのものについても、これも無視するわけじゃないと。それも参考にと申し上げとるのは、先ほど議論してますように、それはあくまでマクロの数字で、県単位、大きな数字しか出てませんもので、それを踏まえて数字も出しつつ、将来の高台移転とか、もうこの沿岸部に人は住まないとか、大きなまちごと移転とか。これはもう早急にできるものではありませんから、10年、20年、30年と、そういった長いスパンでやっていく施策に何とか使っていこうじゃないかと、そういう切り分けを明確にして、その辺を住民の方にも訴えながら、その違いはこうなんだよと。だから、知事があんまり一喜一憂するなと言っとるのは、その27メートルのことはあんまり気にしないでください、4分を気にしないでくださいと。でも、それも将来のまちづくりには最後には何とかしたいと思うと。でも、それには住民のコンセンサスが必要ですから、その辺は皆さんも考えてくださいねと言いつつ、今やるべきことは、今までも被害が甚大に起きてきた地震に対して対応しようじゃないですか、津波に対応しようじゃないですかと。それで、100年、150年単位のものでやりましょうと。
 で、今度どんなのが来るかわかりませんけども、少なくとも理論上のものがいきなりぼんと来るとは確率からも考えにくいだろうと。そういった意味で、今こうやって住んで、生きている人々が最大に救われるための方策は、やはり100年、150年単位の今までやってきた発展だ。これも全然できてませんから、まずそのベースでもって施策をやっていくのが最善だろう、そういう切り分けのつもりであります。説明になったでしょうか。

〇日沖委員 部長に説明いただいたことはよくわかりました。それを前提として、そしたらその想定のレベルというか、意識というか、地震対策に対する向き合い方というか、それをどう市町とか、県民の皆さんとかと、どうきちっと共有して、信頼関係をつくって進めていくかというところなんですよ。繰り返しになりますけども、現場ではもうこの南海トラフのことですごいことになるという話をしてまして。やっぱり市町単位でいくと、南のほうは被害想定が大きいですから、県と一緒に市町がこれはまあ極端なケースなんでということをいえども、話をしとればそれがベースの話になっていってしまいますよね。それをどう共有してやっていくかというと、地道にいかなければ仕方がないのかもわかりませんけれども、その方策とか考え方とかがあれば聞きたいのと、今までは地震対策で、東海・東南海・南海地震というものが基準の、これに対するというのがありました。言葉も出てきてましたし。これからはやっぱり地震対策の想定に南海トラフ巨大地震という名前が出てくるわけですか。その名前をどう扱うかということもあわせてお聞きしたいんですけど。

〇稲垣部長 名前をどう扱うかは、本当に日沖委員の言われるとおり、確かに悩ましい話で、恐らく南海トラフになるのかもしれませんけども、近県、他県での表現がどんなふうに表現していくだろう、その辺との整合もとりながら、国がこれを定着せえと言うのか、その辺の様子も見ながら検討させていただきたいと思います。ただ、内容的には同じことなんだという理解でお願いしたいと思いますけども。
 市町との共有の部分ですが、今回の議会の答弁でも、知事も防災対策部長が市町を回ったときの話をしてくださいましたけども、私らも委員の皆さんが懸念されたような市町の混乱とかを本当に危惧しましたものですから、かなり早いうちから首長のところを回ろうというところから始めて、こんなことがあるんだ、こういう状況になりそうだ、予想される混乱が来そうだという話は、盛んにしてきたつもりです。それをやった上で、市長会、町村会でもやりながら、また担当レベルでは課長たちと同じような議論をしながら今やってます。恐らくそれだけでは足らないと思いますので、今、盛んに出てくる三重大学の川口准教授とも話をしてまして、学者の側からも、同じようなことをまずは市町の職員に訴えていこう、そういう場を設けようということで、そういう議論の場も設けていただいて、私らも入って話し合う場も今立ち上がっております。そういうのを、今、委員が地道にとおっしゃったけども、もう本当に地道に続けていくのかなと。
 啓発につきましても、今までよりもっと実効性のある啓発というのを考えてます。また、一方的な説明の啓発だけじゃなくて、相互に議論もできるようなこともやりながら、市町の方の率直な声も聞きながら、住民の方の声も聞きながら何とか説明もできんかなと考えております。先ほど申し上げた2003年モデル、2012年モデルの使い方、最大クラスの使い方、切り分け、そうしたものも当局できちんと整理した上で、その整理の考え方を市町の役所の方にも伝えた上で、住民の方にもわかりやすい言葉をできるだけ選びたいとは思ってます。わかりやすい言葉にかえて伝えていくというのは、繰り返ししつこく続けていくのかなと、そんなふうに思ってます。

〇日沖委員 大変御苦労も多いことやと思いますけれども、引き続きそのようによろしくお願いいたします。

〇津田委員長 ほかに。

〇中村委員 今の説明をずっと聞いておってちょっと気になるんですが、大久保委員の話もありましたけども、この被害想定として全国で約32万3000人が努力したら約6万1000人に軽減されるということは、各県から、あるいは各市町から、これぐらいの津波が来たらうちはこんな状態になりますよということの積み上げやなしに、国から先にこういう最大の津波等々が起こったときにこうなる、いわゆる国からこうなんですよと流れてきたわけで。ということは、一定程度確率とかも加味された形で計算されてきたと考えてよろしいんでしょうか。

〇稲垣部長 確率というか、一定の想定をつくりまして。先ほどの夕方云々とか、いろんな条件を加味して、そのときには津波の浸水エリアがこれだけある、これだけある人は何メートル逃げられるという想定もしまして、はっきり言って算術的に出した代物になります。

〇中村委員 ということは、県によって、地域によって、市町によって、そこの住民なり行政なり、そういったところの努力によって、全体的な数字はかなり変わってくると考えていいんですよね。

〇稲垣部長 それが一番大きいと思います。要するに、津波に関していえば、住民の方がどんなふうに意識してとかも含めて、逃げの態勢をいかに構えておくかが全てだと思います。そこにおる人の、例えば住民の環境が変わらなくても、その人が何かあったら逃げるんだというのと人に言われるまで逃げないんだったら、もう決定的に違いますので。それは地域の訓練の成果とかで全く変わってきます。

〇中村委員 ということは、三重県の場合は最大約4万3000人だけど努力したら約4600人に軽減されるということですよね。ということは、この数字というのはもしかしたら、場合によってはゼロにすることもできるわけですよね。

〇稲垣部長 ゼロというのは本当に願わくはの数字だと思います。けれども、実際避難できる人、こんな言い方がいいのかわかりませんけども、丈夫な足があって、自ら逃げられる人なんかのことを考えたときにはほとんど目指せるかもしれません。しかしながら要援護者と呼ばれる方もみえまして、逃げようと思っても逃げられない人、そういう人の体制も考えながら、その人たちも何とか守れる体制ができたらと。ゼロが可能かというのはここでは言えませんけども、目指すべき数字だと思います。

〇中村委員 私はゼロを目指さないかんと思うんですよ。今回、ここの軽減の内訳のところ、津波のところで約3万2000人を約3100人とあります。大体、これは国の想定ですけれども、こういう数字が置かれるということは、今はまだ具体的な地域は挙がっていませんけれども、見殺しという形に僕はなると思うんですよ。ここに国が出した様々な手当て、対策がありますが、さらにゼロにするには、この辺の高齢者がどう、障がい者がどう、あるいは津波が来るまでの時間が4分とかいうのがありますけれども、そんなことも含めて、絶対に無理ということはないと思いますので、物理的なことも含めてゼロに向けた目標をきちっとつくって、そちらへ向いて動いていくような議論をこれからしていっていただかないかんのじゃないですかと思うんです。その辺の考え方を聞かせてください。

〇稲垣部長 先ほど来、私は、被害想定を出す意味を救助のためのものという側面から話しましたけども、もちろん被害想定は、地域の実情に応じた防災対策をいかにとるかのためのものであって、そのための計画を練って計画目標を定めるためのもの、まずこれが大事ですので、私どもは、新地震対策行動計画(仮称)の中でも、被害想定をベースに、これをどうするんだという目標を設定して、そのためにはこうするんだと、そういう形で示していきたいと考えてます。それがゼロと言えるのかどうかというのはここで断言できませんけども、それを目指すという方向でやりたいと思います。

〇中村委員 ゼロに向けて県民は何をすればいいのか、市町は何をすればええのか、あるいは地域は何をすればいいのか、そういうことを整理していくと、高齢者の問題だとか、障がい者の問題だとか、あるいは施設の問題だとか、避難場所の問題がもっとくっきりと挙がってくると思うんですよね。津波の高さが大き過ぎるとか、なんとかかんとかという議論もありますけれども、最大の状況に置いといた上で、そこの地域やったら何をすべきか、そういうシェルター的なものが必要であれば、本気で人の命を救うのに少々お金がかかっても必要であれば、そのことも含めて、きちっと今から。県民に何と何を、おたくの地域はそのままいったら丸々やられますけれども、あるいは逃げるところは非常に厳しいですけれども、こういう状況をすればこうなりますとかなんとか、そういう本当にわかりやすい丁寧な施策をつくれるように、これからの対策の中で議論していくということが大事かと思うんですが。

〇稲垣部長 おっしゃるとおりであると思います。今、モデル事業をやってますけども、それもそうしたモデル事業を踏まえて、それが各地域にどう生かせるかというのを描き出すためのものでありますし、それらを踏まえて新地震対策行動計画(仮称)、地域防災計画の抜本的見直しを考えていくというスタンスでやっておりますものですから、その中で、そうしたことをわかりやすく伝えていくように何とかしたいと思ってます。

〇中村委員 ゼロ、本当に亡くなる方がない形に向けて動き出すことで様々な問題点を浮かび上がらせて、一つ一つつぶしていくような議論をしていっていただくように、私のほうからはお願いしておきます。

〇粟野委員 この数字が出るということに関しては、私もちょっと疑問に思ってまして。知事は一喜一憂するなという話をされてましたけれども、やはりこれが出ることによっていろんな風評被害も出てくるのかなというふうに思っております。
 そういった中で、この数字の中に山側の数字というのは入り込んでいるものなんでしょうか。

〇小林課長 これは、例えば死者数の数字とかということでありますれば、これは全県下を対象にしたものでございます。

〇粟野委員 津波、津波という形で、今回の中央防災会議、そしてワーキンググループから出てきた数字も、どっちかというと水の津波の話に特化してしもうてんのかなというのが、全体的な印象として、報道関係の報道の仕方も含めてあると思います。
 ただ実際、私も伊賀ですし、例えば日沖委員なんかもいなべですので山地、いわゆる海の水は来ないと言われている地域であります。しかしながら、山津波であったり、急傾斜地の崩壊であったり、山地崩壊であったり、いろんな事故といいますか、災害が考えられます。そういった中で、今回、軽減の内訳の中に急傾斜地崩壊によって約60人の死者が出るかもしれない、しかしながらこれは軽減することによってゼロになるという形で書かれております。想定で見込んだ防災対策の中に急傾斜地崩壊危険箇所整備率100%の達成という形で書かれておるんですが、先に数字を教えてください。今、危険箇所として指定されてるのは、県で何カ所あるんでしょうか。

〇小林課長 済みません、現在の三重県内でこの急傾斜地の危険箇所として指定されてる数字は今、持ち合わせておりませんので、また後ほど報告させていただきたいと思います。

〇粟野委員 そこって非常に大事なところでして。何でこの約60人亡くなる、それが100%整備が終わったらゼロになるという数字をどこから出したんやという話です。だから、これは津波の話になるんですけれども、約3万2000人が約3100人になりますよと。一体これは、何を整備してどうこうしたときに、どこを整備したときにこの数字になるのかという、根拠が全く見えてこない。さっきの、一番最初の話になるんですけども、それを表に出すということは、単に風評被害を増やしとるだけじゃないのかなという気がします。
 確かにこれは国がやったことですから、県としてはそれにしっかり対応していかなければならないということもありますし、実際、この図1の南海トラフの巨大地震の想定震源断層域、さらにこの15ページの、南海トラフの巨大地震の津波断層モデルのすべり量の設定というのもありますけれども、これは津波が発生するということで表には書かれておるんですが、見てみますと、もちろん陸地も含まれとるわけですよね。そうすると、津波発生のためだけのパワーがかかるわけではなくて、もちろん山津波であったり、山地崩壊が起こるパワーもかかるわけですよね。そういったことを想定し、まず山側の理屈を言わせていただきますと、山側はほったらかしになってないかというのが1点。2点目が、想定するに当たっては個別にしっかりチェックをかけていかんと、余りこういう具体的な数字を出さないほうがいいんじゃないのかと個人的には思いますが、そのあたりに対する見解を伺いたいと思います。

〇稲垣部長 これにつきましては、はっきり言って国のほうから示されて、県のほうでこれを市町に示すようにという形で示されているものですから、示さないわけにはいかない数字なんです。私どもも数字のひとり歩きを物すごく危惧し、懸念したもので、いかがなものかとはずっと言い続けてはきたんですけども、結果的にこれはそういう形で公表を求められ、公表している、そういう数字です。中身についても、私どもも確認すべきところは相当確認しているんですけども、詳細については、正直、今の危険箇所の数字についても、それがなぜ約60人になるかとかもよくわかっていないのが実態です。

〇粟野委員 もう一度確認します。この軽減によって、例えば津波の死者数も3万2000人から3100人という形で書かれておりますが、この3100人という数字は県でつくったわけではなくて、国からおりてきたというものですか。

〇稲垣部長 はい、そうです。

〇粟野委員 なるほど、わかりました。
 続いてですけども、やはり国に対しても、何でこの数字なのかという、根拠はぜひ伺っていただきたいと思います。やはり市町、県もですけども、対応するに当たって、例えば急傾斜地崩壊危険箇所の整備を100%やっとったら本当にゼロになるのかという思いもありますし、国に対して聞いていただきたいのでは、何でその箇所を100%やったらゼロになるのかというのも絶対必要やと思うんですね。そもそも国が三重県に何カ所あるかをつかんでるのか、つかんでないのかというのもわかりませんし、そういった中でこの数字がひとり歩きするというのは非常に残念であると思いますので、そのあたりはちょっと神経質になって、数字の公表もお考えいただければと具申させていただきたいと思います。

〇津田委員長 1点お伺いしますけども。先ほどの急傾斜地の地点の資料提供なんですけど、それは県側から出るものなんですか。

〇小林課長 急傾斜地の、今の県土整備部において取組をやっていただいて指定箇所をしているという、それはありますが。ただ、今回の国の被害想定のベースになってるかどうかというのは別の話で、そこまでは確認しておりません。

〇津田委員長 わかりました。マッチできているかどうかわからないですけども、県として危険だろうと思われる箇所については県土整備部のほうで把握してるので、それを粟野委員のほうに出していただくということで。そのデータ資料ですけども、委員の方々にも配っていただきますようによろしくお願いします。
 ほかにございませんか。

                〔発言の声なし〕

〇津田委員長 なければ、南海トラフ巨大地震の被害推計(内閣府発表)についての調査を終わります。

  (3)三重県緊急地震対策行動計画の取組状況について

    ①当局から資料に基づき説明(後藤副部長)

    ②質問

〇津田委員長 それでは、御質問等がありましたらお願いします。

〇下野委員 1つ教えていただきたいんですけど。割愛された表のところなんですけども、23ページの下のほうで、高齢者とか障がい者の方が市町への働きかけで避難訓練に参画するよう促進しまして、それを実施しましたということになっているかと思うんですが、平成23年度実績は、最後、「依頼した」と書いてありますけど、実際のところの今後の流れというのを教えていただけないでしょうか。というのは、先ほど、努力して4万3000人が4600人になるというお話もありましたけども、その中で、高齢者、障がい者はまだ対応がというふうに感じていますので。そこら辺の今後のステップを教えていただけないでしょうか。

〇後藤副部長 ここの記載につきましては、協会などに呼びかけといったことにとどまっておりますが、この後説明いたします避難計画、津波避難などにつきまして、モデル事業をつくっております。その中で、障がい者の方ですとかお年寄りといった方の避難計画をどうするかを具体的に検討を進めておりまして、それを市町にもお示しして、参考に市町での対応をとってもらいたいと考えております。

〇稲垣部長 補足させてもらいます。なかなか進みにくいのが実態だと思いますけども、今年度、9月2日の総合防災訓練では鈴鹿市の協力を得て、災害時要援護者の方に加わってもらって避難をしました。次回は11月に総合防災訓練をするつもりでおります。これは鳥羽市と協働でやるんですが、そこでも災害時要援護者の方に加わっていただくことを考えておりまして、この緊急地震対策行動計画での呼びかけをきっかけにして、今度はそれを実践で広げていくべく今年度は始めておりますので、来年度以降もそれを続けていきたいなと思っています。

〇下野委員 私も9月の鈴鹿市でのほうは参加させていただきましたし、今度鳥羽市でもやられるということで、もちろんああいう大規模な訓練も定期的に実施されたいと思いますし、御協力いただきたいと思いますし、老人協会みたいな細かなケアもぜひともお願いしたいと思います。

〇稲垣部長 次回鳥羽市でやる際も、そちらのほうからの参加の申し出があったりしてやってもらいますので、どっちかというとそういうものですが、いつまでも三重県として大々的にやるばかりではとてもできませんので、地道な形で広げていきたいと考えております。

〇津田委員長 ほかにございませんか。

                〔「ないです」の声あり〕

〇津田委員長 なければ、三重県緊急地震対策行動計画の取組状況についての調査を終わります。

  (4)津波避難に関する三重県モデル事業の概要について

    ①当局から資料に基づき説明(後藤副部長)

    ②質問

〇津田委員長 それでは、御質問等がありましたらお願いします。

〇大久保委員 私どものモデル地区に選んでもらってありがたく思ってます。
 ここで書いてある第2回検討会はあさってですかね。「第2回検討会として、住民全体を対象とした説明会」とあるんですけども、そのときに、住民全体に説明する機会ってあるんですか。

〇後藤副部長 実際には全員に来てもらえるわけではありませんが、これはその地区の住民全体に御案内を出しております。

〇大久保委員 私も芝園地区に住んでおりますので、一番地形とかはわかってるんですけど、国道と熊野灘に並行して長く密集してる地区で、歩いて高台に避難するには必ず20分以上はかかる地区で、高いビルも無いですし、本当にいろいろモデル地区として有効な地区であると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

〇津田委員長 よろしいですか。

                〔発言の声なし〕

〇津田委員長 なければ、津波避難に関する三重県モデル事業の概要についての調査を終わります。

  (5)広域防災拠点の整備について

    ①当局から資料に基づき説明(河合次長)

    ②質問

〇津田委員長 それでは、御質問等がありましたらよろしくお願いします。

〇日沖委員 まず、この北勢広域防災拠点の考え方ですけども、東日本大震災の大変な惨状を見るに、県内の拠点となる広域防災拠点の施設をつくって、後方支援の体制をつくってやっていくという考え方はそうだと思わせていただきますし、ぜひこういう方向で進んでいただきたいと思います。また、これからつくる北勢地域の拠点にそういう役割を担わせるということについては、自分たちの住んどるところなんでええふうに言うわけではないんですけども、やっぱり日本列島の真ん中に位置しますし交通の要衝でもありますから、県外からのいろんな支援をここで集約し、整理して流れをつくるという役割の拠点となると思いますので、ぜひそういう考え方で進めていただきたいなと思うんです。幹線道路網とか、県外からどういう道路を経由して支援を受け入れて、そして県内にどういう道路を使って循環させていくかということを、やっぱり後々のことがありますんで、よく考えていただきたいと思っております。
 この広域防災拠点施設等構想検討委員会の選定いただいた委員の中で、北勢地域の地理的事情とか、交通アクセス事情とか、そういうのを、一番よく知ってみえる方はどなたになるのかということをお聞きしたいのと、細かいことを言えば切りがないんですけども、やっぱり一旦決まってしまうと、まあまあ後でというわけにはいきませんので、事前にお聞きしときたいんですが、三重県内全体を支援する拠点の施設ということを考えたときに、自衛隊は東日本のほうから来ていただくということですけども、いろんな支援物資については、どこからとなく支援いただくと思いますので、岐阜県を経由して入れていただく、滋賀県を経由して入れていただく、愛知県を経由して入れていただくということになると思うんですけども、太平洋沿岸がずっと津波の影響を受けた場合に、やっぱり海側はある程度どこかで寸断されるので、内陸のルートを常に意識しながら三重県へ来るルートを考えていただかんならんと思うんですけれども。ちょっと話し合われとる中で、県外から入ってくる道路のルート、そして北勢拠点から三重県全体へ循環させるルートというのはどういうふうに話し合われとるのか、お願いします。

〇河合次長 まず、委員が聞かれた北勢地域の道路事情に詳しい委員はどなたなのだろうかなということにつきましては、構成員の表を見ていただきたいんですけども、三重県消防長会の川北会長は四日市市消防本部の方でございますし、それから三重県警察本部の警備二課長も非常に県内の道路事情に詳しい方でございます。あと、地方独立行政法人三重県立総合医療センターの看護師長の奥田さんも北勢地方にお住まいで、非常に詳しい方でございます。
 あと、北勢拠点のあり方について。私が最初に社会状況の変化ということも御説明させていただきましたけども、この社会状況の変化というところでは、先ほど委員に言っていただいた拠点を結ぶ陸上輸送に必要な緊急輸送道路、これのいろいろな部分も変わってきているということもあって、今後県内の、ここの北勢拠点と、後の答えにも関連してくるんですけど、西のほうからの応援につきましては、伊賀の拠点を、物資とか、そういうものの集約といいますか、そこへ集まってくる後方支援の基地として考えております。西からの部分は伊賀、東からの部分は北勢、その中で、この両方の拠点からどういうふうにして県内の各拠点へ運んでいくのか、そういうことにつきましては、今後のこの拠点の検討委員会のあり方、そこでマネジメントといいますか、運用も含めて詳しく検討していくこととなっております。

〇日沖委員 もう時間があれなんで協力させてもらいますが、ちょっといじけたような話で申し訳ないんですけど。粟野委員からも先ほど、地震対策のときに内陸部はほったらかしとかいう意見というか、感想がありましたけど、北勢も内陸部ってこれまであんまり見られてなかったんですよね。それは事実なんですよ。道路網のこと、いろんなことでも。やっぱり三重県も沿岸部に関心が行って、内陸部のアクセスとかは、知っとるといえどもなかなか意識が届いてない地理的環境にありましたので、ぜひその辺の理解を深めていただきながら、後で憂いのない選定をしていただきたいなと思います。
 やっぱりどうしても津波を意識してしまいますが、日本列島も沿岸部をずっとやられますと、なかなか想定しとる道路が使えなかったりとかいうのが出てきますので、東名阪自動車道はもちろんそうですけども、国道306号も北から来て、そして中勢バイパスにつながって、三重県の内陸部をずっと行ってますので、例えばそういうものの想定とか、いろいろある程度よく吟味し、検討していっていただきたいなというふうなことを要望させていただいて、終わっときます。

〇津田委員長 ほかにございませんか。

                〔発言の声なし〕

〇津田委員長 なければ、次の議題に移りたいと思いますけれども。正午を回っておりますけども、続けてさせていただいてもよろしいですか。

                〔発言の声なし〕

〇津田委員長 そしたら、各事項別々なんですけども、(6)と(7)を一括して説明していただきますようにお願いします。

  (6)総合防災訓練等の実施状況と今後の予定について

  (7)危機管理の推進について

    ①当局から資料に基づき説明(河合次長、奥野副統括監)

    ②質問

〇津田委員長 それでは、御質問等がありましたらお願いします。

〇粟野委員 7番の危機管理の推進についてですけれども。最初にお伺いしたいのが、今回、防災対策部という名前になっておりますが、そういった中で、港湾改修工事とかの危機管理を担当するというのであれば、部の名前をもうちょっと考えたほうがええのかなと、御提案させていただきたいと思います。
 それはメーンの話じゃなくて、もう一つ別の話がありまして。今回、台風が来ましたが、今回の台風によって危機管理といいますか、防災対策部の指揮系統で、各県民センターに対しても、それはうまいこといっていたんでしょうか。どこかトラブル等々はなかったんでしょうか。

〇稲垣部長 トラブルはなかったと思っています。ただ、それぞれの市町において、対応の遅れと言っていいのかどうかわかりませんが、いろんな意味で悩んで対応するという部分は多分にあったと思います。今回私どもとしましては、まず予防段階から入りまして、あれは土・日曜日に来るのが予想されてましたから、金曜日の段階から庁内で、県民センターも含めてまず会議をして、部長会議を行ったということです。土・日曜日というのは一番盲点になるわけですので、行政としては、まずその対応を万全にするというところから始まって、とりわけ尾鷲市、熊野市に対しては、防災対策部のほうから尾鷲市に2名、熊野市に2名ということで、職員を日曜日の朝6時から派遣して市町に入れるようにしました。そういう態勢をとった上で、とりわけ県土整備部とは、建設事務所を通じかなり情報を密にしてやりとりを一晩じゅう続けておりましたから、そういった意味での情報共有も含めて結構スムーズにいっていたと思います。
 しかしながら、現実問題として、鈴鹿市で不幸にして死者が出ました。自然災害そのものを防げたかとか、そういうこと等々を言うつもりはございませんけども、そういった意味で、まだまだ反省すべき点はあったのかもしれません。避難勧告のタイミングとかは新聞紙上でも言われておりますし、いろいろあったと思いますけども、万全とは言いませんが、可能な限りのことは、本庁も、県民センターもそうですし、市町もやっておったと思います。

〇粟野委員 今、ちょっと派遣の話が出たんですけども、実はこれがメーンの話でして、知事がよくリエゾンという形で人を派遣すると。そこで例えば担当といいますか、基礎自治体であったり、もしくは県民センターであったりと情報を共有しながら、ある意味、そこで決められることはすぐ決めていこうという話だと思うんですね。
 今回、実は我が伊賀でいろんなトラブルというか、連携がうまくいかなかったということがありまして。それは何かといいますと、結局、市町並びに県の管轄がどこやというのでなかなか連携がうまくいかなかったんです。わかりやすく言えば、例えば県道、国道を止めにいくのは県土整備部ですよね。市道であれば市であります。ただ、一般市民から情報が一元的に流れてくるのは、ほぼ間違いなく市役所だと思うんです。そうなると、市役所から「県、済まんな、あそこへ行ってくれ。これは市やからうちでやるわ。」とか、いろんな形で采配をしなければならなくなってくる。その采配をするマンパワーも時間もなかったというのが現実にあったんです。県におきましても、そもそも何班か用意はしていただいておったと思うんですけれども、今回はゲリラ豪雨的に一気に来たもんですから、全部に出払ってしまって連絡もつかんという状況まで出てしまったというのが現実でした。
 ですので、例えば災害対策本部をもし市のほうに置くのであれば、せめて県から1人派遣して、そこで連絡役をつくるとか、調整をするとかいうのでも一つ手が打てるでしょうし、逆に言うと、越権行為になるかもしれませんけれども、ふだんであれば県が動かなあかんところを市に権限移譲して、もう勝手にやってくれても構わん、後の責任はうちがとると。
 一番大事な話が1つありまして、消防なんですよね。今、消防というのは市町消防です。言うならば県から直接命令を出すということはできない。団員もそうです。ただ、消防職員、消防団員というのは、地域の実情をよくわかっているわけですよね。例えばこういう雨が降ったらここがあかんようになるとか、この山が危ないとかわかっとるわけですが、じゃあ市町がそこに対して、例えばここの道を止めに行ってくれということが言えるのかというと、県道やから消防団員は行かせられへんとか、すれ違いがあるんですよね。ですので、そういったところの権限移譲というか、今後のシステムづくりの中で御一考いただければなと思うんですけれども、お考えがあれば、ぜひ。

〇稲垣部長 今回の災害の後に、市町の対応がどうやったかというのを検証というか、チェックするために、私どもの地域支援グループの職員が実際行ってヒアリングもしながら、今、粟野委員が言われたようなことも含めて聞き取りもしてるんです。それはもう当局の災害対策本部だけやなくて県民センター等も含めてなんですけど、それを踏まえて今後の当局の災害対策体制がどうあるべきか考えていかなあかんと考えております。
 今、地域機関の見直しもやってますものですから、私どもにも地方の体制がつくりにくいというジレンマがあるんですけども、本部から市町へどんな体制でいったらいいのかとかも踏まえ、それも検討していきたいと思ってますし、今検討しております。
 もう1点、救助機関の関係ですね。消防の関係とか。これは今回の災害対策本部の中で、派遣班以外に救助班というのをつくり、救助班が核となって各救助機関との実効性のある連携をどうやっていくかというのも、自衛隊とか、そういう部分も含めてですけど、議論、検討を始めています。だから消防との関係も、全部、法的なものもクリアして、どうのこうのというところまではいかんとは思いますけども、今、三重県としてとれる体制はどうかとか、その辺も検討していく体制をとっておりますので、それもみんな反省点も踏まえながら、来年度に向けて体制をつくっていきたいと考えています。

〇粟野委員 前向きな御答弁、ありがとうございます。
 災害対策基本法の第26条か第80条やったか、どっちかに、災害時、有事には、市町は越権で派遣できるというのがあったと思うんで。ただ、それを基礎自治体が余り理解してなくて、やっぱり県道は県や、国道は国やという感じで判断されているところも多いと思います。先ほどの話は、とどのつまりは消防の広域化やと僕は思っとるんです。これってやっぱり推進していかないと、とてもじゃないけれども、いざ県で何か一元的にばっとおろすといったときに、市町、基礎自治体というパイプを通さなければならなくなってしまうと、どうしても動きが鈍くなってしまう。だから、これに関してもぜひ前向きに推進していただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

〇稲垣部長 広域化の方も、当局もあきらめず、しつこくといいますか、推進に向けて頑張っていきたいと思ってます。ただ、広域化の話じゃないですけど、地域、地域の事情がありますものですから、この地域でどういう体制をとったらいいかというのは、市町とも慎重に議論をしていかないかんかなと。十把一からげの議論というわけにもいきませんので、その辺も踏まえて議論をしていきたいと思います。

〇中村委員 38ページの三重県国民保護共同実動訓練で、ちょっと私、余り参加したことないのですが、これは毎年やっているのかどうなのかというのが1点。それから、サンアリーナでやるということなんですが、規模的にはどんなものなのか、どれぐらいの人数で、どういう体制でやられるのか。それから、次のページに訓練参加機関・団体とありますが、29市町村はわかるんですけど、実動訓練参加機関の25機関とありますが、これはどんなところなのか簡単に教えてください。

〇田中課長 まず、毎年やっているかということでございますけども、国との共同訓練ということで、いろんな県で順番にやってまして、三重県では初の実動訓練でございます。
 あと、規模につきまして。

〇奥野副統括監 これは国もそうですけれども、県と市、警察、消防、自衛隊、海上保安庁、あと今回は医療機関がたくさん入ってきます。それで、この訓練に参加するメンバーは、まだ概数ですけれども、200名、300名ぐらいになってくるかと思います。

〇中村委員 今おっしゃった機関、医療機関とか、自衛隊とか、海上保安庁とか、そういった参加するところが200名から300名ということですか。あと様々な市民とか地元の自治会とか、そういった参加の状況というのはどんな形になってるんですか。

〇奥野副統括監 この訓練に参加していただく方は、要するに被害者という形で、看護学校の方とか、皇學館大学の方とかに特にお願いして100名ほど参加していただきますけれども、今回は一般人の方が参加することは予定しておりません。

〇中村委員 テロが発生したときに、それに対して特に国関係の機関なんかがかなり積極的に絡んで、そこと市町、それからその間に県の防災関係が入る、そういった機関同士の連携みたいなもの、そういったものを今回はしてもらうということですよね。
 あと宇治山田港のほうでも何か船を使った、小型船舶で逃走する云々とありますが、この辺は、この地域の自治会とかは関連せずに、海上保安庁とか、あるいは地元警察とか、そういったところが絡むということで理解させてもらっていいんでしょうか。

〇奥野副統括監 そのとおりでございます。地元の住民の方は絡まずに、海上保安庁と警察がこの訓練を実施するということになります。

〇津田委員長 ほかにございますか。

〇日沖委員 危機管理の推進のところで、1番の危機対応等の状況の(1)②の2つ目の白丸、「四日市コンビナートなど、県内工場における火災やガス・油漏れ事故等の情報収集・管理」のところですが。
 先般、姫路市のコンビナートで、1人亡くなられて、負傷者も出た大変な火災がありました。あれを例にお聞きしたいんですけども、あのコンビナート火災に駆けつけた状況をテレビや新聞なんかで見ると、何がその施設の中にあったか、どんな危険性のあるものかというのを、現場の消防士がさっぱりわからないまま対応しておられて、気がついたら何か茶色いような液体が出てきとって、そのうちに爆発して上から火が降ってきたとか、そういう描写をテレビや何かでやって、話をしておられましたけども、そういうものの情報というのは、一応この情報収集・管理というところに当たる話なのかどうかということと、ここで言う「火災やガス・油漏れ事故等の情報収集・管理」というのは県がするとしても、県にはこの情報収集・管理をして必要なところへ伝達する役割があるのか、その辺を確認させてほしいんですけど。

〇大藪防災監 例えばコンビナートにおける事故発生のような場合には、法律に基づいて事業者が第一番に消防機関へ通報することに決められています。その通報の中で、事業者はできるだけわかっている内容、どういう状態であるのか、例えば今回の姫路市の場合には、自己反応らしいんですけれども、アクリル酸という非常に反応性が高い物質の異常反応ですが、どういった状況かということを事業者はできる限り把握して通報の中で伝える。それから、現場に到着した消防隊員にも、すぐに事業所のほうから、現在どういう状況にあるのか、どういったものが入っているのかといったことを伝えるようにする。それが法律上の義務なんですけれども、今回の場合、よく把握していなかったということもありますけれども、なかなかそれをどうも事業所側がそれをうまく伝えていなかったということが、悲惨な事故になった一つの原因かとも思います。けれども、第一義的には、事業所のほうで、一番わかってるところですので、もう少し詳しく伝えるべきではなかったかなと。
 それから、もう1点、県の関係ですけれども。こういった情報は、消防機関からこちらのほうにまた連絡が来るわけですけれども、必要に応じて、それが拡大するような場合には周辺の市町にも連絡をしなければいけませんし、大事故の場合には他県の消防機関に応援を要請するとかいったこともございますので、そういったことも含めて県のほうにも情報をいただくということで対処しております。

〇日沖委員 今のお話を聞かせていただくと、消防機関の現場からの情報を県が受けて、必要とあらば市町なり関係機関へ伝達すると。それは法律に基づいてそういう役割になっているんですか。

〇大藪防災監 石油コンビナート等災害防止法の中でそういった異常現象の通報ということが義務づけられていますし、周辺への伝達ということまでは書かれておりませんけれども、当然に県の責務として、そういった状態になった場合には、当然周辺へも伝えなければいけないというふうに考えております。

〇日沖委員 もう一回だけ。またこの姫路市の例を挙げますけども、そうすると、ああいうことが起こった場合には、現場で起こっておる情報を県が把握して、避難なり何なりが周辺に必要となれば、県の役割として、周辺の市町なりへ伝達して安全対策を図るとか、そういうことをするわけですね。

〇大藪防災監 おっしゃるとおり、そのような格好で対処するようにしております。現実問題として、今までそのような事態になった事故は、三重県の場合、幸いにして発生してないと考えていますけれども、今後もしそのような事態になった場合には、的確に対応したいと思っております。

〇日沖委員 わかりました。

〇津田委員長 ほかにございませんか。

                〔発言の声なし〕

〇津田委員長 なければ、総合防災訓練等の実施状況と今後の予定についてと、危機管理の推進についての調査を終わります。

  (8)その他

〇津田委員長 最後に、これまで議論された調査項目以外で特にございましたら、御発言をお願いいたします。

〇大久保委員 熊野市で防災訓練があったときに婦人会の方からお話をいただいたんですが、先ほどの南海トラフの巨大地震の件ですけれども、4分で何ができるかを家族で考えたときに、おばあちゃんは行方不明にならんように柱へくくってくれという話が出とるらしいんです。もう生きることはあきらめていて、4分あったら自分の遺体が流されたりしないように縛れるというような話もすごく出てるんですね。あきらめている方がすごく多い。4分で逃げる方のほうが多分少ないと思うんですよ。
 それで私はいつもあいさつさせてもらうたびに絶対生きることをあきらめないということを言わせてもらってるんですけど、あきらめずに逃げるという、避難するということを今度検討会があったときにも伝えてあげてほしいんですね。ほとんどの方があきらめています。そうなるとすごく危険なんで、あきらめない様子というか、そういう対策を伝えてあげてほしいと思うんです。
 中にはひどい話で、ショッキングやったんですけど、おばあちゃんの首を切れと話をしている家族もいるんです。おばあちゃんから、自分はいいからほかの人は逃げられるようにしたい、他の家族はおばあちゃんを助けようと思って絶対助けに来るから、とかいう話も聞いたんで、これは危険やなと思って。4分で十何メートル来るということだけが頭に残っているので、そうではなくて、いきなり高いのが来るわけじゃないので逃げられるということを前面にお伝えしていっていただきたいと思うんです。防災対策の中にそういうことを折り込んでいただきたいと思って、あきらめる前にできることがあるということを入れていただきたいのを要望とさせていただきます。

〇稲垣部長 先ほど避難放棄者という言葉を使いました。私らも本当につらいですけども、国のああいう大きな数字が出て、避難を放棄すると言う方が確かに出てみえるというのは聞いております。新聞紙上でも言われています。それは本当にあってはならんことですので、国に対して相当私なりに強く言ったことがあるんです。そういういいかげんな出し方はやめてほしいという言い方で。だけども出てしまってますので、それはそれとしてということで言わざるを得ないんですが、私どもとしましては、先ほど中村委員からもありましたが、ゼロが本当にできるのかどうかというのはありますけども、それを目指してありとあらゆる方策を考えながら検討していきたいし、そのことを市町や住民の皆さんにも強く訴えていく覚悟でやっていきたいと思います。

〇大久保委員 ぜひよろしくお願いします。

〇津田委員長 ほかにございませんでしょうか。

〇日沖委員 こんなことは捉え方だけだと言われるかもわかりませんけれども、今日もこの話の中に沿岸部と内陸部の差の話が出てきましたが、地震対策のいろんな予算でも、やっぱり命にかかわる危険性は津波が高いものですから、沿岸部の津波対策に重点が行っている。例えば、市町の感じられとったことなんですけども、事業名をちょっと忘れて申しわけないんですが、避難所の鍵のボックスを共同で管理しとらんといざというときにあけられませんので、何かそういうボックスを設置する予算があるんですかね。ちょっと教えてください。
 とにかく、内陸部に対する震災対策の予算というのは、どうも薄いように実際に捉えられておって、やっぱり沿岸部は命の危険性が高いので、やむを得んとわかるんですけども、今日も広域防災拠点施設の話に出てきましたが、いざというときにはやっぱり支援体制も必要なので。あんまり内陸部を軽んじてしまうと、いざというときに行けんようになってくるとあきませんので。もちろん自分のところの住民の方々を守らんならんという役目もあるし、被害が少ない内陸部は、ひょっとしたら沿岸部から来られる避難者の方を受け入れんならんということがあるかもわからんですし、やっぱりある程度そういうことも含めて、いろんな事業、予算なんかも考えていただけたらなと、平等とまではいかんかもわからんですけど、ちょっと気を使っていただけたらなと思います。

〇稲垣部長 阪神・淡路大震災以降、内陸部も沿岸部もかかわりなく、耐震ということがずっと言われてきたと思うんですね。そういう意味では、今回は、全国的に東日本大震災を受けて津波というふうに大きい目が向いたという状況だと思います。沿岸部は津波が喫緊に来るかもしれんということで、今まではむしろそんなになかったですから、強化しなきゃいかんという話で緊急的にそっちのほうへシフトしてますけども、今後、新地震対策行動計画(仮称)の中では、沿岸部の津波対策だけではなくて、全般的にいきたいと思ってます。今ある地域減災力強化推進補助金というのも津波対策補助が多いんですけども、パイははっきり言って小さいですけど、内容的にはもう少し内陸部も含めた方向でいきたいと思っております。何よりも、津波対策以前に耐震じゃなかったら話になりませんし、耐震は内陸部も沿岸も関係ありませんから、そういう意味で、沿岸だけを重視してやっていくというスタンスではないということだけは御理解願いたいと思います。

〇津田委員長 ほかによろしいですか。

                〔発言の声なし〕

〇津田委員長 なければ、これで終了いたします。
 当局には御苦労さまでございました。

                〔当局 退室〕

  (9)委員間討議   なし

 

〔閉会の宣言〕

 

三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。

防災県土整備企業常任委員長

津田 健児

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