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平成26年10月7日 教育警察常任委員会 予算決算常任委員会教育警察分科会 会議録

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教育警察常任委員会

予算決算常任委員会教育警察分科会

会 議 録

(開 会 中)

 

開催年月日     平成26年10月7日(火) 自 午前10時0分~至 午後3時3分

会  議  室     502委員会室

出 席 委 員     8名

             委 員 長        吉川   新

             副委員長         中村 欣一郎

             委    員        小林 正人

             委    員        中川 康洋

             委    員        後藤 健一

             委    員        北川 裕之

             委    員        日沖 正信

             委    員        山本 教和

欠 席 委 員     なし

出席説明員

      [教育委員会]

              教 育 長                                 山口 千代己

             副教育長                                信田 信行

             次長兼総括市町教育支援・人事監(教職員・施設担当)  福永 和伸

             次長(学習支援担当)                        山口   顕

             次長(育成支援・社会教育担当)                 長谷川 耕一

             次長(研修担当)                           中田 雅喜

             教育総務課長                             荒木 敏之

             予算経理課長                              中西 秀行

             教職員課長                               梅村 和弘

             福利・給与課長                            紀平 益美

             学校施設課長                             釜須 義宏

             高校教育課長                             長谷川 敦子

             小中学校教育課長                          鈴木   憲

             特別支援教育課長                          東   直也

             生徒指導課長                             田渕 元章

             人権教育課長                             小松 貞則

             保健体育課長                             阿形 克己

             社会教育・文化財保護課長                     田中 彰二

             研修企画・支援課長                         谷口 雅彦

             研修推進課長                             松井 愼治

             学校防災推進監                            清水 英彦

             教育改革推進監                            宮路 正弘

             学力向上推進監                            山田 正廣

             特別支援学校整備推進監                       大藤 久美子

             子ども安全対策監                           倉田 幸則

             人権教育監                               松村 智広          

                                                       その他関係職員

委員会書記     議  事  課  主幹  坂井   哲  

             企画法務課  主査  新開 祐史  

傍 聴 議 員     なし

県 政 記 者     2名

傍  聴  者     2名

議題及び協議事項

Ⅰ 分科会(教育委員会関係)

 1 所管事項の調査

  (1)「三重県における補助金等の基本的な在り方等に関する条例」に基づく報告

Ⅱ 常任委員会(教育委員会関係)

 1 請願の審査

  (1)請願第48号「義務教育費国庫負担制度の存続と更なる充実を求めることについて」

  (2)請願第49号「『教職員定数改善計画』の着実な実施と教育予算拡充を求めることについて」

  (3)請願第50号「保護者負担の軽減と就学・修学支援に関わる制度の拡充を求めることについて」

  (4)請願第51号「防災対策の見直しをはじめとした総合的な学校安全対策の充実を求めることについて」

 2 所管事項の調査

  (1)「『平成26年版成果レポート』に基づく今後の『県政運営』等に係る意見」への回答について(関係分)

  (2)教育委員会制度の見直しについて

  (3)次期三重県教育ビジョン(仮称)の策定について

  (4)学力向上等の施策について

  (5)三重県特別支援教育推進基本計画(仮称)中間案について

  (6)県立学校及び各市町におけるいじめ防止基本方針の策定状況について

  (7)平成30年度全国高等学校総合体育大会の開催決定について

  (8)指定管理者が行う公の施設の管理状況報告について

  (9)審議会等の審議状況について 

 

【会議の経過とその結果】

 

〔開会の宣言〕

 

Ⅰ 分科会(教育委員会関係)

 1 所管事項の調査

  (1)「三重県における補助金等の基本的な在り方等に関する条例」に基づく報告

    ①当局から資料に基づき説明(信田副教育長)

    ②質問      なし

 2 委員間討議

    ①所管事項調査に関する事項       なし

Ⅱ 常任委員会(教育委員会関係)

 1 請願の審査

  (1)請願第48号「義務教育費国庫負担制度の存続と更なる充実を求めることについて」

  (2)請願第49号「『教職員定数改善計画』の着実な実施と教育予算拡充を求めることについて」

  (3)請願第50号「保護者負担の軽減と就学・修学支援に関わる制度の拡充を求めることについて」

  (4)請願第51号「防災対策の見直しをはじめとした総合的な学校安全対策の充実を求めることについて」

〇吉川委員長 まず、新規分の請願第48号「義務教育費国庫負担制度の存続と更なる充実を求めることについて」を議題といたします。

〇中川委員 委員長、その前に。
 先ほどのお話では、請願の審査ということで、まずは第48号からというお話しいただきましたが、私としては、今回のこの請願、特に第48号から第51号に係る、いわゆる教育に関係するこの4つの請願につきましては、今回の一般質問でも、いわゆる貧困家庭等における学力の格差とか、さらには教育の充実等、様々御意見が出たところでありますし、特に我が県において、今、教育の問題というのは非常に重要な事項であるというふうに思います。
 そういった意味において、本委員会としてはぜひ、この4つの請願について請願者から直接、我々委員会として意見をお伺いさせていただく機会を設けていただき、その上でこの請願の審査を慎重にさせていただきたい。また、その御意見を伺った上で、我々として方向性を出させていただきたいというふうに思いますが、ぜひそのような御配慮を正副委員長のほうから賜れればというふうに思っておりますので、参考人質疑等、そのような機会を設定をいただければというふうに思います。

〇吉川委員長 今、中川委員のほうから、子どもの貧困含め、教育の充実が非常に関心を呼んでおる中で、今回出されました4件について、請願者にいろんな意見を聞いてみたいと、こういう御意見がございましたが、実は、この4件の請願を1件ずつ審査していこうかなと思っておったんですが、その前に、4件一括での御意見と考えてよろしいんですね。

〇中川委員 今回の請願は、基本的には4つとも連関する部分があると思いますし、また請願者も4団体、同じ請願者でございますので、参考人質疑については、一つ一つ分けるというよりは、もし御許可いただけるのであれば、一緒にされるほうがスムーズでいいのかなというように思います。その上でこの請願をどう審査していくかというのは、分割にされるか、一括にされるかは正副委員長の御判断でいいのでないかなというようには思っておりますが、参考人として請願者にお越しいただきたいという部分においては、この4請願の請願者は一緒ですので、同一でお願いができれば、また、本来的にはそのほうが筋としていいのかなというふうに感じております。

〇吉川委員長 今の御意見は、呼ぶのは一括だけれども、委員会として審査していくのは4件個別に審査していただくんですが、前段で、一括で呼ばせていただくということについて議論いただくという理解でよろしいでしょうか。

〇中川委員 はい。

〇吉川委員長 それでは、そういうことで、中川委員の御意見に対しまして何か御意見は。

〇北川委員 私どもの会派のほうでの紹介議員になってますので、その立場で申し上げますと、中川委員のおっしゃる点はもっともだと思います。非常にいろんな課題を包含してる請願内容でございますので、いろいろ議論、確認というのもあろうかなというふうには思うんですが、ただ、この内容については、国の予算に大きくかかわってくるという点で、国の予算編成を見ながら、それに間に合うような形で請願書を上げてほしいというのが請願者の思いの中にあるというふうに思いますので、4者についてはこれから日程調整をいただいて、まあそれぞれ忙しい方だと思うんですが、そういう中で日程調整をしてもらって、出てきてもらえる日が決まって、審査をして、また本会議へという流れになると、かなり時間的に後ろに行ってしまうのかなという思いがありまして、でき得るならば、請願内容的にそれほど、前年度、前々年度と少し数字的なものは入れかわってますが、そう内容の変わっている請願ではありませんので、できれば今日のこの機会に御審査いただいて、意見書を早く上げるというところまで進めていただけると、あるいは進めてあげたいなという思いでおります。

〇吉川委員長 北川委員のほうから、今申し上げられましたように、国の予算ともかかわるとか、そういう希望が請願者からも上がっておるとか、時間的に大変だとかいうような御意見がございました。
 冒頭申し上げましたように、審査に当たって今の議論をしていただくことになったんですが、その結果によりましては時間的なこともございますので、もしお許しいただければ、この4件の請願に対する当局の御意見だけを先に聞かせていただくということはできますでしょうか。今の議論は続けていただくんですが、請願の内容で、前段で当局側の御見解みたいなもの、今の議論の中身じゃなくて、今までも請願に対して当局のお考え、御意見を聞かせていただいておりますので、それを、今日の議論の行く末においてはまた教育委員会にいろいろ御意見等を聞かんとならんということも想定いたしましてあらかじめちょっとお聞きしたいんですが、その件はいかがでしょうか。

〇中川委員 直接意見を聞きたいということで、基本的に今は参考人として4団体にお越しいただきたいということのが今の議論だと思うんですが、この委員会として決める、決まらないというのが恐らくこの後決まると思うので、その後にこの場で聴取するということでもいいのと違いますのか。

〇吉川委員長 という考えもあろうかと思いますし……。

〇中川委員 だって、仮に参考人質疑が認められないとなれば、当然、その後お聞きして審査するわけでしょうから。認められるとなったとしても、お聞きしてそこでとめておけばいい話でしょう。今のこのタイミングでこの議論を切ってそれを入れるというのは、ちょっとタイミングとして当局もしゃべりづらいかなという感じがしますけども。

〇北川委員 今の議論は、皆さん、御意見がいろいろあると思うので、そこの部分を先にお話しいただいて、当局に質問や質疑をする、しないも含めてその後、議論いただいても結構じゃないですか。

〇吉川委員長 わかりました。それでは、中川委員からの意見がございまして、北川委員のほうからの意見がございましたが、そのほか、御意見はございませんでしょうか。

〇中川委員 今、北川委員から、早く上げてあげることのほうが大事じゃないかというお話がありました。請願者の思いとしてそういうものもなくはないのかなと思うわけですけども、この後、例えば10月14日、代表質問の日も議会は設定されておりますし、10月31日、決算で委員会が開かれることもあるかと思います。加えて、うちの議会は通年議会をとっておるので、それはまさしく常に議論をするということ、さらには参考人招致とか公聴会がしやすくなるという意味合いで通年議会を開いているというところから考えると、私はやはり、ぜひこの場で、せっかくいただいた請願、請願者の生の声を、特に現場で奮闘されている方、さらには親の立場の方もおられますので、学者の意見を聞くよりもそういった生の声を聞いたほうが私は意味があるんじゃないかなというふうに思うのと、今、北川委員は、前年度と余り変わっていない内容だからというふうにおっしゃいましたが、なぜ前年度と変わっていない内容が出されているのかということも、要するに、国が全然前に向いてないというところの思いがあるのであれば、改めてやっぱりそこも聞いてみたい。さらには、ここはこう変わったというような意見もたしか昨年度我々が上げていると思うので、上げたことによってそれが評価されて国でこう変わった、こういったことも聞いてみたい。
 そういった部分からいくと、今、この教育の問題を我が県としては非常に重要な要素として捉えておりますので、こういう機会を正副委員長のほうでお持ちいただきたいと思いますし、また、国のほうの予算に絡む話というお話がありましたけども、概算要求は12月の段階ですし、最終的な予算というのは来年2月中ぐらいに国のほうで策定に入るのかなというふうに思いますので、この10月の段階で絶対に上げなければいけないということではない、それよりも、我々がしっかりと納得し切った上で、また、本当に深く理解した上で、請願者と思いを共有できるのであればして上げる、このほうが意味があるのではないのかなというふうに感じますので、今回、参考人質疑をぜひとも、請願者の日程的な御配慮をいただいてお願いしたいというふうに思います。

〇吉川委員長 今、通年議会も前提に、その趣旨を決めるのに時間的に猶予はあるんじゃないかということも含めて、また、現場の意見をしっかり把握した上で審査したいという御意見がございました。この件に関して、御意見は。

〇日沖委員 中川委員がおっしゃるように、通年議会にもなっており、参考人の方々に御理解いただけるのなら大いにお越しいただいて、議論を深めて、より理解して、より中身のある形で上げさせていただくという、それは一番いいことだというふうに私は思っています。
 ただ一方で、先ほど、予算の関係というお話もございましたんですけれども、やっぱり請願を出しておられる立場の方々は、この種の請願を出して意見書を上げていただきたいということの願意の中では、ある程度、タイミングというものもはかりながら出しておられるんだというふうに思いますので、いつ幾日までにというのはちょっと微妙なところがあるかもわかりませんけど、ある程度の時期にはやっぱり、北川委員がおっしゃられるように、そういうスケジュール的なものも、国の動きも含めてタイミングをはかって出しておられるんでしょうから、参考人をお願いするというのはいいことだと思うんですけれども、しかしながら、やっぱりタイミングはきちっと、こちらが願意を酌みながらやっていただきたいなというふうに、出していただいとる方々の思いのタイミングはぜひともはかってやっていただいて、遅滞なく採決してあげられるのであれば、そうしてあげたいなと。あげたいってごめんなさいね。委員会としてそうできればなというふうに思います。

〇吉川委員長 ほかの方々、御意見は。

〇北川委員 時間の問題の話かなというふうに思います。中川委員のおっしゃっていただいたように、最終的な決定までは、予算の編成もかなり時間に猶予はあるんですが、内容的に、義務教育費の国庫負担金にしても定数の問題にしても、文部科学省としての予算の根幹、かなり大きな部分なので、一つ二つの事業を捉えてというレベルではないので、やっぱり早い段階からそういう意識というか、予算確保の考え方を持っていただきたいなという意味も含めて、できるだけ早く出していったほうがいいのではないかなというふうには思います。特に心配するのは、4者いらっしゃるので、なかなか日程、時間的にも、皆さんおそろいいただいて、我々も審査の時間をとってというと、結構時間があるようでなかなかないのかなというふうに思いますので、できればこの機会に審査いただければいいんじゃないかなというふうに思います。

〇吉川委員長 大きな枠組み的な話なので、個別の事業の予算的なものではないので、推論ですが、国のほうでも時間が要るんじゃないかという話と、4者で日程的な調整やらがいろいろ大変だろうという御意見でございました。
 日沖委員のほうからタイミングがというお話がございました。そのほかの論点で御意見はありますでしょうか。

〇小林委員 私からは個人的な意見ですけども。
 先ほどの中川委員の話も北川委員の話もよくわかります。ただ、最終の、予算的に猶予があるっていう、最終のですね。そこに猶予があるということであれば、毎年同じような請願が出てきて、うちの会派でも賛成される方、あるいは反対される方がおる中で、今回、ちょっと党の考え方が変わってきておるというのもあって、私としては一度、請願者の思いというのを聞かせていただきたいなという思いでおります。

〇吉川委員長 そのほかに御意見は。

〇日沖委員 意見というか、ストレートに申し上げて、けれどもできることならば、今日何とか審査いただけるもんならなと私は思うんです、個人的にですけれども。先ほど申し上げましたような理由なりで、もちろんお二人の御意見も聞いた上ですけれども。

〇吉川委員長 今、中川委員からの御提案の趣旨についてはいいことだという御意見の方が多くて、それに対して、タイムリミットの考えやら、その内容につきまして見解の相違といいますか、12月であったり、現実の箇所づけ等も含めた予算案なりは来年2月だという意味では間に合うんじゃないかという話と、いやいや、これだけの大きな話だと、8月から概算要求がもう始まっとるわけですから、そういった意味ではできるだけ早くするのが実効的だろうと。こういう視点で、国の想定対応に対する御意見が違う。また、通年議会の解釈でできるんじゃないかという話と、現実的な日程、あるいは相手が複数あり、そういった意味で実質、調整が難しいんじゃないかと。この論点が違うのかなというふうに聞かせていただきました。

〇中川委員 今、意見を聞いてますと、早く上げたほうがいいんじゃないかという御意見をいただいていますけども、その御意見というのは採択前提の話になっているという気がするんです。今、我々は、これを採択しようかしないかというところを議論しているわけであって、採択前提で早く上げないといかんから早く上げてくれと言うのは、ここの議論を度外視した話だと思うんです。私は、やっぱり請願者の意見を聞いて、より慎重に深くその願意を酌み取って、その上で本委員会が採択するのであれば、我々もその思いを込めて意見書を上げたほうが、単なる手続的なことだけの採択じゃなくてというふうに思うし、今の小林委員の意見を聞いていると、会派としていわゆる反対の意見のほうが多いという趣旨だと思いますよ、聞いたら。であれば、ここで急いで議論して不採択になったら、12月も来年2月もなにもない話ですわね。だったら私は、やっぱり請願者の意見を聞いてと。
 請願者も、これをぜひ国のほうに上げてもらいたいという思いを持っているのであれば、委員会としてその場をつくらせていただき御意見を聞きたいというところに対しては、やはり御日程の調整を。自分たちの意見が申し述べられ、それを聞いた上で我々が採択するか、採択しないかに参加するという意味においては御協力をいただけるものではないかなというふうに思うし、その日程の調整については、通年議会なわけですから、14日もあるし、31日もあるし、本会議だって、議長にお願いしたらできなくはないわけですので、そこはやっぱり正副委員長の御努力の中で4団体がおそろいになって、4団体、それぞれ立場は違いますから。例えばPTAの立場でおられる方、それから幼稚園の園長の立場でおられる方、さらには教職員組合として教職員の様々な思いを直接聞いていただいている方、これは県教育委員会ではつかみ切れない意見だと思いますよ。それを聞けるという場を持って、そしてその上で我々が判断をすると。そして採択されるのであれば、その思いを国に上げていく。このほうがよっぽど意味があるんじゃないでしょうかね。私は、これを仮にここでやって不採択になったら、そのほうが請願者の願意を我々委員会が受け取れずに終わってしまうということにつながるのではないかというふうに感じるところがあります。ぜひその辺のところの御配慮を正副委員長にいただきたいと思います。

〇吉川委員長 中川委員のほうから、北川委員、日沖委員の先ほど来の御意見に対して、採択前提じゃないか、そうじゃなくて根本からしといたほうが請願者の趣旨に合うんじゃないかと、こういう御意見が出されたと思うんですが、その件につきまして御意見はございますか。

〇北川委員 当然、採択、不採択については、委員会の議論を経て決するものなので、前提というわけではありません。ただ、立場上、紹介人という形で新政みえとしては受けてますから、そういう意味合いからは最終的に意見書を出すということを想定していますので、そういうことを考えるならば、本来の意味っていうのは、国まで届かないと意味のない作業なので、そういう意味で意見書の時期を気にするのです。
 あと、なかなか4者そろっていただくのも日程的に、議会サイドでは、この日、この日と実際あるんですけど、請願者1人なら、この中で幾つかというのは結構オーケーだと思うんですが、4者そろってというのは、議会側の日程とそれぞれお仕事をお持ちの方とということで、日程調整がなかなか厳しいんだろうなというのも想定されます。最終的に参考人招致をするので来ていただく話については委員会の中で決めていただく形になろうかと思いますけれども、来ない、時間的に来られないという状態も想定されるので、その辺また委員協議で時間的なことは協議いただければというふうに思います。

〇吉川委員長 大体、論点も含めまして、皆さんからの御意見といいますか、今まで出ました御意見以外の切り口の御意見があれば。なければ、議論が……。

〇日沖委員 繰り返しになるかもしれませんけど、中川委員のおっしゃることはもちろんごもっともやと思わせていただいてまして、ただ、時期的なことばかりを言うと、形の上ではということになるかもわかりませんけれども、やっぱり時期を見て出されておる性格のある請願ですし、通す前提でとおっしゃいましたけども、もちろん、私は賛成する立場の委員ですので、ぜひこれが通ればなというふうにもちろん思わせていただく立場でもありますし、中川委員がおっしゃっているのはもちろん正論ですが、どうなるにしても、できるだけ請願者の思いの時期にはどうか審査をして決をとっていただけるように、何としてもそれだけはお願いしたいなという思いなんですけれども。
 北川委員がおっしゃるように、委員会側はいいですけれども、お相手さんが現実の問題としてどうかというところがあるので、その辺も含みながら、やっぱりある程度の時期には判断していただいてということを思うんですが。それだけちょっと述べさせていただいて。

〇吉川委員長 大体、この件に関するいろんな御意見が出たのかなと思いますが、今の中川委員の御意見、御提案を踏まえまして参考人を呼ぶとなりますと、この請願につきましては引き続き審査となりますので、この4件の請願につきまして引き続き審査をするかどうかについてお諮りいたしたいと思います。よろしいでしょうか。

                〔「はい」の声あり〕

〇吉川委員長 それでは、請願第48号から請願第51号までを引き続き審査とすることに賛成の方は挙手をお願いいたします。

                〔挙手(多数)〕

〇吉川委員長 挙手多数であります。それでは、請願第48号から第51号につきましては、引き続き審査ということになりました。

〇山本委員 今、一応、委員会としての結論が出たわけですけども、請願者の立場に立ってみれば、自分たちの思い、これに対する思いというのを請願として上げてもらいたい。県議会としては、参考人としてお越しいただく。呼ぶということじゃなくて、お越しいただく。そういった、請願の思いを委員の人に聞いてもらうというのはとっても大事なことだし、ありがたいというふうに思うんですね、請願者として思えば。だから、先ほどの議論の中でもう一つ、時期がとか、4人そろわなきゃいけないから厳しいとかという議論があるんですが、まず努力してもらわなきゃいけない。こうこうこういうことを議会は思っとるけども4者の皆さん方はどうですかというようなことですから、時期が厳しいとかいうようなことはその後の話だというふうに私は思いますけどね。

〇吉川委員長 今の話で、参考人を呼ばせていただくということに決めていただきました。
 今後の話でございますが、冒頭、ちょっと申し上げましたように、あらかじめ、この請願に対しての教育委員会の御意見も賜っておきたいと思いますが、この件はいかがでしょうか。

                〔「はい」の声あり〕

    ①当局意見陳述(山口教育長)

〇吉川委員長 それでは、この4件の請願につきまして、当局の御意見があればお願いいたしたいと思います。

〇山口教育長 一括でよろしいでしょうか。

〇吉川委員長 一括でよろしいです。

〇山口教育長 請願第48号「義務教育費国庫負担制度の存続と更なる充実を求めることについて」。
 義務教育費国庫負担制度については、国の一体改革においてその存廃が議論になりましたが、平成18年度から国庫負担率が3分の1となったものの、制度自体は堅持されることとなりました。義務教育は国の将来の発展を支える根幹となるものであり、全国全ての子どもたちに対して一定の水準が維持され、また、等しくその機会が与えられることが必要です。そして、そのための財政負担については、国が確実に責任を果たしていくことが求められます。こうした見地から、必要な財源は国が責任を持って負担すべきものと考えます。県としましては、引き続き、この制度の存続、充実を求めるとともに、国の動向等を注視してまいります。
 続きまして、請願第49号「『教職員定数改善計画』の着実な実施と教育予算拡充を求めることについて」でございます。
 少人数教育については、平成26年度は、国の加配定数も活用しながら、小学校1、2年生での30人学級、中学校1年生での35人学級、いずれも下限25人でございます。小学校2年生の36人以上学級の解消を継続したところでございます。先般発表されました文部科学省の平成27年度概算要求では、教員の質と数の一体的な強化を進めるとして、新たな教職員定数改善計画案、10カ年、平成27年度から平成36年度までが示されました。その中では、授業革新等による教育の質の向上、チーム学校の推進、個別の教育課題への対応、学校規模の適正化への支援の各項目において定数改善を行うことが示され、義務標準法の改正を予定した課題解決型授業、アクティブラーニングと申します、の推進なども盛り込まれています。なお、平成27年度には2760人の定数改善案が見込まれています。教育委員会といたしましては、これまで国に対して学級編制標準の引き下げを含む教職員定数の改善について、春と秋の2回、国への提言、提案活動を行ってきたところですが、今後とも、今回の概算要求が確実に実現されるよう、引き続き働きかけてまいります。
 続きまして、請願第50号「保護者負担の軽減と就学・修学支援に関わる制度の拡充を求めることについて」でございます。
 平成26年4月から公立高等学校授業料無償制が変わり、公立高等学校の制度も高等学校等就学支援金制度にと一本化されました。これにより、収入が一定基準を下回るなどの要件を満たす世帯に属する生徒には授業料負担が生じないことになりました。奨学金制度については、個々の事情に応じ貸与金額を選択できるよう、月額でございますが、修学費で選択制を導入するなど、生徒、保護者にとって利用しやすい制度とするための改善を重ねているところです。また、平成26年4月から、低所得者を支援するため、奨学のための給付金、高校生等奨学給付金が創設され、本県でも運用を始めています。今後も、これらの制度が生徒、保護者にとって利用しやすくなるものとなるよう努めてまいります。
 最後に、請願第51号「防災対策の見直しをはじめとした総合的な学校安全対策の充実を求めることについて」でございます。
 東日本大震災の発生を受け、県では、平成23年度に策定しました三重県の学校における今後の防災対策・防災教育の在り方について〈指針〉に基づき、防災対策、防災教育に力を入れて取り組んでいるところです。
 まず1点目の耐震化の取組については、平成26年4月1日現在、公立小中学校の校舎等の耐震化率が98.5%で全国6位、県立高等学校及び県立特別支援学校では100%となっております。一方、非構造部材の耐震対策については、26年4月1日現在で、公立小中学校の耐震点検実施率が71.6%、県立高等学校では100%、県立特別支援学校では100%であり、耐震対策実施率につきましては、公立小中学校が35.6%、県立高等学校は12.1%、県立特別支援学校は18.8%となっております。こうした中、県立学校においては、校舎等の耐震化が平成25年度に完了し、今後は、24年度に実施した専門家による非構造部材の点検結果に基づく対策や、平成25年に文部科学省が策定した学校施設における天井等落下防止対策のための手引に基づく屋内運動場の天井などの耐震対策について、早期の完了を目指して計画的に進めてまいります。また、市町に対して国の補助制度についての情報提供、必要な助言を行うとともに、耐震化の促進に向けて財源の確保や補助制度の拡充を国に要望してまいります。
 次に、防災教育の取組といたしましては、児童生徒が災害時に自ら命を守ることができるようになることを目指す教材、防災ノートの見直しを行い、小学生低学年版と高学年版、中学生版、高校生版の4種類の改訂版を作成し、県内の全小中高、特別支援学校の新入生及び新小学4年生に配付いたしました。また、外国語版についても、改訂版を5カ国語で作成し、対象児童と生徒に配付しました。このほか、学校で実施する防災タウンウォッチングや防災講話などに学校防災技術指導員を派遣するなど、学校における防災教育の取組の支援もあわせて行っているところです。今後とも、防災ノートの充実とともに、防災タウンウォッチングなど防災学習、体験学習などの地域と連携した避難訓練の支援など、学校における防災教育の取組を支援してまいります。
 3点目の学校安全対策についてでございますが、平成24年4月に全国で通学路における痛ましい交通事故が相次いだことから、公立小学校及び特別支援学校小学部を対象に通学路の緊急合同点検を実施したところ、1714カ所が対策必要箇所とされました。平成24年度末現在、教育委員会、学校が実施するべき対策未定箇所は24カ所ありましたが、25年度より通学路安全対策アドバイザーを委嘱し、広域的な対策等の検討や市町単位で実施する連絡協議会及び学校への派遣等の対策を進めた結果、平成26年3月末現在、0カ所になりました。今後も、市町が作成する通学路交通安全プログラムに基づいて、関係機関と連携し、通学路の安全確保を図ってまいります。
 また、不審者事案等への対応については、地域社会全体で学校安全に取り組む体制の整備、充実を図っております。平成26年3月末現在、小学校におけるスクールガードの組織率は99.0%で、県内各地で見守り活動や巡回活動等を行っています。また、児童、生徒自身に危険予測能力などを身につけさせる取組を一層推進していくため、小中学校においては、PTAや自治会等の地域のリソースを活用しながら、地域安全マップづくりの取組を進めています。本年度は、県内4地域、5小学校において、地域安全マップづくり講習会を開催しています。県立高等学校では、平成23年度から推進校を指定し、防犯教室への支援、生徒や保護者、地域を対象とした防犯教育講演会を行っています。このほか、指導者向けの防犯教室講習会も実施しているところでございます。今後もさらに、学校、保護者、地域及び関係機関が一体となって、地域全体で見守る体制づくりと児童生徒の危険予測、回避能力を高める実践的な取組、並びに教職員の育成を推進してまいります。

    ②質問

〇吉川委員長 ただいま、教育委員会のほうから4件の請願についての教育委員会としての御意見を伺いました。この件に関して御質問等はございませんでしょうか。

〇北川委員 一番初めの請願第48号にかかわって、このペーパーにある、負担金の対象外の教材費、旅費、高校教職員の給与費は一般財源の中に含まれているということで、特にその中で教材費については、国が定めた基準に対して実際に各地方で予算措置された比率、措置率が年々低下しているということが書いてあるんですが、全国平均65.3%で、三重県が49.0%、この差というのは、数字だけを見ると三重県がかなり低いように感じるんですけど、教材費とか旅費の部分というのは、小中学校の部分も一般財源にという理解でいいんですか。

〇中西課長 義務教育でございますので、小中学校の部分が小学校費、中学校費で予算措置されているということになります。

〇北川委員 そうすると、県自体が低くて49.0%ということなんですが、当然、県内の市町間でも格差があるという認識でよろしいんですか。

〇中西課長 もちろん、市町によってそれぞれ取組が異なっておりますので、予算も異なっているとは思いますが、格差がある、そこまではデータ等を持ち合わせておりません。

〇北川委員 そのあたりで体力のある市町と体力のない市町との格差がどれくらいあるのかというのも知りたいところではあるので、資料が手元にないということなんですが、後日で結構ですので、もし……、これはわからないのかな。

〇山口教育長 旅費につきましては、県費負担教職員ということで、小中学校の教職員も私ども県が持っておりますので出せると思いますし、高校の教職員の給与も、これは一括交付金でございますので私ども県が出せますが、教材費というのは、この請願者がどういう範疇のものを教材費として……。多分、文部科学省の学校基本調査か何かを捉えたのか、ちょっとわかりませんけども、そのあたりでどういうものが入っておるか、例えば市町でも、この後、子ども読書活動推進計画を議論していただきますが、図書費なり、そういうのが地方交付税の算定基礎になっておるとか、そういう様々なことが地方交付税の中に算入されておりますので、請願者とすり合わせをしないと、ちょっと資料をというのは難しいかなと思いますので、御了承いただきたいと思います。

〇北川委員 今お話に出た図書費なんていうのは、結構、市町で格差があるようにもお聞きしますので、私どものほうでもリサーチはしてみますが、何かの機会にちょっと努力いただきたいなというふうには思います。

〇中川委員 請願第50号の保護者負担の軽減のところで、いわゆる公立高等学校の授業料の無償制について、この請願の表現を読むと、所得制限が設けられたというところの表記があるんですけれども、この所得制限を設けた部分に関しては、いわゆる奨学金の充実とか、あと所得のそう高くないところに対しての増額とか、あと私学への増額という、より必要なところに振り分けられたというふうに私自身は思っているところがあるんですけども、そこの部分について何か思いなりお考えなりがあれば、教えていただければというふうに思います。

〇山口教育長 委員から御指摘のありましたように、いわゆる、それまでの無償化から本来所得のある方々が有償になって、そして下のほう、低所得者層に厚くする給付型の奨学金をつくる、あるいは私立高校に格差是正のために回すということで、一定成果はあるのかなというようには思わせていただいておりますが、まだ始まったばかりで、給付型の受給者がどのぐらいおるのかというのは、ちょっとまだ今のところつかめておりませんので御報告できませんが、統計がまとまり次第、また御報告させていただきたいと思っております。

〇中川委員 けれども、給付型の奨学金が増していけば、よく言われている、部活動とか教材費とか、授業料以外でいろんなところにかかっているみたいな声のところが、まあ完全ではないにしても、カバーされていく方向性というように、我々としては理解していいんだろうか。

〇中西課長 高校生等奨学給付金につきましては、当県におきましては扶助費ということで保護者等に給付する予定でございますので、御質問のとおり理解していただければと事務局のほうでも考えております。

〇中川委員 そうすると、やっぱり制度をどう持っていくかというところで、まさしく今、家庭の所得が教育の学力に比例するというところが一般紙等でも特集されているぐらいの中で、限られた財源をどう投入していくかというところの一つの試算にはなるのかなというふうに感じました。
 あと、防災のところで、いわゆる構造部材、校舎等に関して三重県は、非常に進んでいるというふうに思うんですが、この非構造部材への対応ですね。私は、遅れているというよりは、引き続き着実に進めていく必要があるというぐらいの範囲の表現なのかなというように思っているんやけれども、全国的にこれの取組が本県はどれぐらいの位置におるのかというところを私ちょっと確認してないもんですので、その辺のところをちょっとお教え願ってもよろしいですか。

〇釜須課長 まず学校の耐震化をほかの府県でも優先していますので、非構造部材の耐震対策自体、そんなに進んでいるというわけではないんですが、全国順位については、また確認して、後でお知らせさせていただきます。

〇中川委員 あと、最近の防災ノートの各学校においての取組というのはどんな感じですかね。私は、子どもたちだけでやるのも大事なんやけども、親子で取り組む防災教育というのも、防災ノートを通してやる必要性があるのかなと思っとるんですけども、その辺も含めて、今の取組の状況をお教えください。

〇清水推進監 今、委員のほうから、防災ノートの学校現場での状況についてということで御質問いただきました。今年度、防災ノートでは、委員から御指摘がありましたように、私どもで、家庭での学習をといいますか、児童生徒と保護者の方々に一緒に防災について考えていただけるよう、本冊とは別に、ワークシート、1枚ぺらのものを何種類か用意させていただいております。例えば避難経路を作成できるよう、1枚ぺらを御家庭で一緒に考えていただけるようにというようなものを作成させていただいておりまして、家庭でのそういった学習の促進にという思いで進めております。
 ただ、今年度の7月に配付させていただきましたので、今、どれぐらいの使用状況か、どういったぐあいかというのは、今後情報を収集したいと思っております。

〇中川委員 具体的な取組に関しては、市町教育委員会、さらにはそれぞれの学校での主体的な取組というようになると思うんですけども、願わくば、授業参観等で親子ともにワークショップ形式等みたいなことを考えながら、親にも地域の防災の状況、親と子どもがね。地域の防災の状況を共有できるような、そういったことの取組も、今後、御検討いただければと思います。

〇吉川委員長 ほかに御質問等はございませんでしょうか。

                〔「なし」の声あり〕

〇吉川委員長 なければ、請願第48号から第51号までの教育委員会の御意見の項につきましては終了します。
 なお、今日、継続して審査いただくということになりましたので、またいつか委員会等が開かれると思いますが、そのときには、この請願の件につきまして、教育委員会から御意見をいただくということはなくてよろしいでしょうか。

                〔「はい」の声あり〕

〇吉川委員長 それでは、次回のときには、この件につきましては来ていただかなくていいということでございます。
 以上で請願に係る審査を終了いたします。

 2 所管事項の調査

  (1)「『平成26年版成果レポート』に基づく今後の『県政運営』等に係る意見」への回答について(関係分)

    ①当局から資料に基づき説明(信田副教育長)

    ②質問

〇吉川委員長 それでは、御意見がありましたらお願いいたします。

〇北川委員 ありがとうございます、耳塚教授のデータも出していただいて。先般、教育改革推進会議でもいろいろ議論があったようにはお見受けするんですが、申しわけないです、ちょっと中身まで把握してませんので。
 この資料は本当に貴重な資料だなというふうに思ってまして。私どもが注意しなきゃいけないのは、この内容というのは、あくまで平均的な話ですから、ここで言われるSESが低い家庭の子どもでも当然、学力の高い子もいますし、頑張っている子どももたくさんいるということで、外向けにはあまり出したくない代物だなというふうには思ってます。ただ、逆に、施策を考える我々の立場としては、やっぱりこの部分というのはしっかりと把握しておくべきだなという思いがあって。
 特に、7ページのところなんかに書かれてある内容というのは、本当にショッキングな話だと思うんですよね。SESが低いところの子どもが3時間以上、頑張って頑張って勉強して獲得する平均正答率が、全く勉強しないSESの高いところの方を抜くことができていないという、本当につらい現実を目の当たりにしてしまいました。ただ、その下にあるような、さはさりながら、それを少しでも克服している学校があるというのがこの調査の一つの最終的な方向性だと思うので、ここの部分をしっかりやってもらわなきゃいけないんだろうなというふうには思います。
 私もいろいろ読ませていただいたんですが、この内容は、最終的に、あ、そうなんか、これかというところでもないところが一つつらいところで、この中から我々が判断して抽出していかざるを得ないのかなというふうに思います。ただ、本当に、まとめに書いていただいてあるように、学力を最も規定する要因は、家庭の社会経済的背景であって、残念ながら個々の子どもの努力や学校での取組ではない。これは先ほども申し上げたように、余り外向けには言いたくない話です。ただ、やっぱり、これを前提に、施策の中身を考えていく、いかに三重県の子どもたちの学力を上げていくかというのを考えていただきたいなというふうに思います。
 したがってこれは、先ほど中川委員もおっしゃっていただいてましたけれども、貧困家庭への対応も含めて、これは健康福祉部も含めて連携をしっかりとっていただいてやっていただかなきゃならない内容だと思いますし、前回、中川委員のお話でもありましたけども、それは健康福祉部、これは県教育委員会、みたいなことではないと思うので、その辺の連携もしっかりとっていただきながら進めていただきたいというのを改めてお願いさせていただいて終わります。

〇中川委員 まず教えてもらいたいのが、この耳塚教授のやつの、ほぼまとめのところに書いてある、管理職のリーダーシップと同僚性の構築というところの同僚性というのは、管理職と教員との同僚性なのか、いわゆる教員間における同僚性がしっかり出てくるのか、どちらを言ってるのかな。それをちょっと教えてください。

〇山口教育長 教員間の同僚性ということというように耳塚教授は言ってみえました。

〇中川委員 学校の教室環境も大事なんやけども、まさしく、教員間の環境というところをすごく問うていると思うんですよね。そこにやっぱり同僚性を持って、教科を超えた、研究授業とか、見せ合いとか、ともに深めていく努力とか。
 そういった意味においては、今回のこの成果レポートの委員会意見の3つ目の、熱意ある教師が活動しやすい場づくり、また子どもが質問しやすい学校の雰囲気づくりというのは、まさしく、この教員の同僚性からそれを管理職がどうつくり上げていくか、また教員全体がどうつくり上げていくかとうところだと思うので、この指摘を見て、さらに職場環境というのかな、教員の同僚性を高められるように、県教育委員会から学校現場まで言うのはなかなか難しいかもしれへんけども、お願いしたいというふうに思います。
 それとあと、同じく耳塚教授のほぼまとめで、学校内外に授業を見に行く、いわゆる研修に出かけるということも、きっかけとかインパクトとか新しい発見とかという意味においてすごく大事で、一定程度、そのところの旅費というのは確保されていると思うんです。特に県外研修なんかは積極的に行かれている教員が多いと思うんですけども、下手をすると、意識のある教員でこういうのを活用されてよく行かれている人もおれば、私はもういいわという教員も出てへんかと思うわけ。そこにこの差が出ているというか、だからそこはやっぱりちゃんと平均的に研修に行ってもらうというか、全体的にボトムアップしていくというか、そういった環境を。ただ手を挙げる教員がおったらその教員に何回も行ってもらっとればいいというのではなくて、そういう環境づくりも管理職のところでは大事かなと思うし、学んできて、それをその人のものだけにするんじゃなくて、現場でどうフィードバックするかというところもぜひつくり上げてもらいたいなというふうに思うんですけども。
 今回、この研究発表に同僚性の必要性が出たもんですから、その辺のところを今後、学力の向上という意味においてはどう取り組んでいくのかと。私は、教員のやる気と資質にかかっていると思うのですが、どう考えますか。

〇山口教育長 おっしゃるとおりで、我々としては、そこの後ろに旅費の確保が課題と書いてありますので、教育委員会としては旅費をしっかりとつけるということが大事かなということをまず思わせていただいたことと、やはり切磋琢磨する意味からも、同僚性というのはお互いの授業を見せ合いっこして相互批判をし合う、それでより授業の質を高めていくということは大切なことだと思っておりまして、今後の方法としては、我々が学校現場へ直接言えるわけじゃないので、管理職、特に校長の研修がございますが、そのあたりでこのあたりについての徹底を図っていきたいなというように思っています。
 特定の人が研修に出かけるということもないように、より多くの方が行ってもらえるようにと。確かに学校現場では担任なんかを持っておるとなかなか出にくいということで、みんなが交代で出ていくという、そんなことも考えていただければというようなことも思わせていただいてますし、講師時間数とか非常勤講師時間数もありますことから、そういうものを活用していただければというようなことを思わせていただいています。ただ、本県の場合は、全国学力・学習状況調査の学校質問紙を見ますと、研修を実施しておる回数は全国平均よりも高いということでございますので、そのあたりは研修の中身を校長先生方がどうリードしていくかということも大切かなと思いますし、本当に委員のおっしゃるとおりで、そのあたりは今後、肝に銘じてやっていきたいと思っております。

〇中川委員 やっぱり職場環境内で批評と評価を恐れずにやっていただくことの必要性がというか、下手をすると、それぞれの島というか、クラスでの閉鎖性みたいなものも出ると、やっぱりよくないのかなというふうに思ったりするもんですから、よろしくお願いしたいなと。
 それと、この3つ目のところでの家庭訪問とか補習とか朝勉強とか夏休みの補講を、教員の皆さんは忙しいから大変だと思うんだけど、ぜひやっていただきたい。そこでつまずきの解消を図ってもらいたいなと思うんですけど、そこに対する答えとしては、土曜日等を活用して、そこでは地域の教育力を生かした補助学習等を支援していくと。それによって教員が子どもと向き合う時間を確保するということで、ちょっと間接的な書き方をしているような気がするんやけど、私は、教員自らがこういったところに対してもっとダイレクトにぶつかっていってもらいたいというか、指導力が一番高いのは教員だと思うし、子どもたちの状況を一番つかんでいるのも教員だと思うので、もっとダイレクトに教員がそこにアタックしていくというか、そういう時間の共有というのはできないのかなと。何かこの書き方は、少し間接的で、時間の確保をすることに努める、みたいなところでとまっているような気がするんやけども、この辺のところは思い並びに意気込みとしてどうなんだろうか。

〇山口教育長 土曜日等を活用してということになっておりますのは、土曜授業をやって、教員が直接、授業を見るところもありますし、その土曜授業も、例えば平準化、ふだんの月曜日から金曜日までは授業が過密やもんで土曜日にそれを回すというところもあって、そういう意味で軽減というのか、向き合う時間を確保する、ゆったり持つという、そういう学校もあれば、あるいは土曜補習をやって、体験活動をやって、ふだん2時間、3時間の体験活動ができないという学校では、地域の人にも入ってきていただいて自然体験をするとか、そういう学校もありまして、様々なバリエーションがある中でこれというのがなかなか言えないというので、間接話法やないかという御指摘でございますけども、それぞれの学校現場で自分のところが土曜授業だけやなしに学校地域支援本部とか様々なツールを使って子どもたちと向き合う時間を確保していただければということでこういう書き方にさせていただいておりますので、当然、教員が一番教授方法については詳しいとは思っておりますけども、外の風を入れながらチームティーチングでやるとか、様々な方法があるということで御理解をいただければと思います。

〇中川委員 外の風を入れるという意味においては理解するところも一定あります。学力の向上という意味においてはやはり、基礎学力のところをどうボトムアップしていくか、それも、1人を50%上げるんじゃなくて、全体を1%どう上げていくかということが学校教育では大事で、まあ、そう言いながら、教育長も一般質問の答弁の中で、まだまだ現場に浸透していないということをおっしゃってたと思うんですけども、県教育委員会と市町教育委員会との関係、さらには現場との関係において、主体性という意味においては非常に難しいところがあるのは十分理解するところなんです。
 しかし、ちょっと飛び越えた意見になってしまうかもしれんけど、私思うに、子どもの学力というのは、学力に対しては、最後は誰も責任をとってくれないと思うんですよ。教員が私が責任をとりますという状況はないですね。子どもの学力に関しては、最後はどこも責任をとらない。ゆえにこういった途中段階において、もっと積極的に、今、すごく意識しているわけですから、ダイレクトな取組が現場で本当に図られるように、こんな間接的なじゃなくて、もっとダイレクトな文言なりダイレクトな思いなりを持っていって、それでやったらいいぐらいと違うかなという感じがするので、よろしくお願いしたいと思います。教員なり親なりがその子の学力に最後まで責任を持ってくれたらいいですけど、そんな状況はないもん。そうしたらやっぱり、その一瞬のどう取り組むかというところにもっと注力するような、そんな書きぶりとか意識を持ってもらいたいなというふうに思います。そういう教育をその当時の教員から受けてきた一人として、感想までに述べました。

〇吉川委員長 よろしいですか。

〇中川委員 結構です。

〇後藤委員 先ほどから教員の資質とかやる気とかいうようなことが出ておりますけれども、もちろん、そのことも重要な、まあ学力とかかわってくる、学力の向上に向けての部分だと思うんですが、現場の教職員、教員がですね、どんな状況で日々教育実践に取り組んでいるのかというところを教育委員会としてしっかりと理解していただきたいと思いますし、特に、先ほど出てました研修の旅費はともかく、お互い譲り合って研修に行ってこいというのはわかるんですけども、担任をして、授業をしてと、いろんなことで御迷惑を仲間うちにかけ、理解があればということなんですけども、それだけではと、人的配置等も含めてしっかりと対応していただかないと、なかなか進んでいかないというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

〇吉川委員長 大分、後の学力の向上の分野の話も議論されておりますが、この成果レポートに関してほかに御意見はありますか。

〇日沖委員 スマートフォンや携帯電話の扱いについての委員会意見に対して回答いただいたものを見せていただいておって、委員会としての、一定の方向性、外形的なルール作成を検討すべきやないかという意見に対してですけれども、どういうスタンスでおっていただくのかというのがこの回答ではよくわからないんですけれども、本当に、これからまだまだ深刻な事案がいろいろ出てきたりする心配もあるようなことでございますが、子どもたちの孤立化につながったり、また使いようによってはいじめになったりと、いろんな弊害を生んで社会問題になってきておることですので、しっかりとした対応を考えてもらうべきやなと私も思うんですけども。
 この回答を読ませていただいておると、生徒が自ら考える機会の設定やPTA等の関係機関との意見交換をしながら、今後の対応について検討を行ってまいりますということなので、これはもう、それぞれの学校の自主性に任せていくということなのか。委員会意見で述べられておるように、一定の方向性、外形的なルール作成に向けた検討を行っていくのかどうかというところなんですけれども、私は、自主性を尊重するのが一番なんですけれども、こういう問題については、ぜひ教育委員会にもしっかり乗り出していただいて、県立学校についてはある程度の統一した方向性を示していっていただきたいなというふうに思うので、ちょっとこの辺はどういうふうに進めていかれるのか、捉え方をもう一度聞かせていただけませんか。

〇山口教育長 石川県のように条例で定める、あるいは刈谷市内の中学校のように生徒会で自分たちのルールをつくるとか、様々な一定の方向性が出てる自治体もあるわけなんですが、関係団体、校長会等と話をすると、一律はどんなもんやろうという話が現場を預かっとる校長からは出ておりまして、さはさりながら、やはり一定の概要でも何とかできないかとか、それぞれ思いがある中でトップダウンで物事をやって、逆に生徒指導上、問題になる、課題になるというようなことになってもいけませんので、それぞれの思いを聞きながらある程度、例えば、このぐらいやったらみんなで統一した考え方で行動できるよねという話になれば、それは我々としてはウエルカムな話なんですけども、物事というのはそれぞれ、10人おれば10人違うということ、100人おればもっと違うであろうということが想定されますので、そのあたり、保護者なり、あるいは高校生ぐらいになったら生徒本人も、そのあたりのことについてもきちっとした意見を持ってみえると思うので、そのあたりで、強制じゃなしに自発的なところ、そして、ある最低限譲れないところをどこに持ってくるかということを検討できればということで、こういう書き方をさせていただいておるということでございます。

〇日沖委員 学校側というか、現場側から一律はどうかというような意思の御意見があるのならば、それはぜひ、しっかりとその自主性を尊重してやっていただければと思うんですけれども、重要なことですので、やっぱりある程度の方向性というのか、そういうものはしっかりと協議しながら向き合っていっていただきたいというふうに思います。

〇吉川委員長 ほかに、成果レポートの件に関しましてございませんか。

                〔「なし」の声あり〕

〇吉川委員長 なければ、「『平成26年版成果レポート』に基づく今後の『県政運営』等に係る意見」への回答について(関係分)の調査を終わります。

  (2)教育委員会制度の見直しについて

  (3)次期三重県教育ビジョン(仮称)の策定について

    ①当局から資料に基づき説明(信田副教育長)

    ②質問

〇吉川委員長 それでは、御質問等がありましたらお願いいたします。

〇後藤委員 教育委員会制度の見直しのところで、3ページですけれども、改正の趣旨で。
 政治的中立性、継続性、安定性は、職務権限が従来どおりということで、大丈夫だと言うと言い方がおかしいですけども、そういう捉え方をして、この制度が変わるということなんですけども、首長の政治的な思想といいますか、党派的な影響とか、どういう考えをお持ちの方が首長になられるかによって教育現場に対する影響が変わってくる。継続性の問題だとか中立性の問題だとか、それを心配するという考え方も一方にはあります。まだこれからですので、どうなっていくかというのはわからないんですけれども、そのあたりについて、もし今、教育長のお考えとして聞かせていただくことができれば、この新しい制度について、ちょっと聞かせていただければと思います。

〇山口教育長 やはり現行制度で足りない部分については補っていく必要があろうかと思っておりまして、先ほど冒頭ので、これまでの経緯の3点、連携を密にするとか、責任の所在とか、あるいは迅速性ということについては、教育委員会に籍を置く者としてしっかりと取り組んでいく必要があるのかなと思っております。
 それから、政治的中立性とか継続性とか安定性ということを言われましたけど、教育委員会は引き続き執行機関であると。補助機関ではないということでございますので、そのあたりについても、教育長としては他の教育委員方と連携した取組が必要なのではないかなと。独断専行ということではいけないのではないかなと思っておりますので。新教育長ということですので、今後、どういう方がなられるのかわかりませんけども、そのあたりはしっかりと法改正の趣旨を捉まえて努めていただきたいなと思っております。

〇後藤委員 その任命、罷免が知事とか市長、町長の権限ということになっておりまして、そういう権限が強化されると影響を受けるのではないかと、いわゆる中立性ですね。そういった部分で心配する向きもありますので、教育委員会としてしっかり頑張っていただきたい。一言申し上げまして、終わりにさせていただきます。

〇日沖委員 次期三重県教育ビジョンの策定についてお伺いしたいんですけれども、今年度から三重県の最重点課題になっています少子化対策ですけれども、少子化対策は、今までに加えて、あらゆるライフステージの場面で切れ目のない対策をしていくんだということで、強力に今年度から推し進めていくんだという思いのもとに進んでいるわけなんですが、今、教育の場面でも、家庭観とか、子どもを持つことの喜びというか、産み育むことの喜びとか、そういうことを何らかの形で取り入れてというようなお考えも示されたりしておりますけれども、今回の次期三重県教育ビジョンを策定するに当たって、今日のこれだけのものを見せていただいた中では、三重県の最重点課題の少子化対策に取り組む教育の場面での部分というのがなかなか、ここからでは何も見えないんですが、教育ビジョンの中にはそういうものを反映していかないんですか。どうなんですかね。

〇山口教育長 もちろん、少子化対策ということでは、現在、重点化施策の中で教育委員会は子ども・家庭局と子育て、思春期というライフステージのところで取組をさせていただいておりまして、中でも幼児教育の充実とか、あるいは健康教育の推進というあたりが基本施策でいえば②と③あたりの中に含まれておるわけでございますが、やはりそういうライフプラン教育の推進ということを私どもとしては今、重点化施策の中の一事業として取り組んでおるわけですけど、それについて表記をしていったほうがいいのかどうかということは、オール県庁の中で重点化施策をやってますので、共通幹事会とか部局長会議とか様々な場面で、やはりこれは表記したほうがいいのではないかということであれば、当然、表記はしていきますが、今のところは幼児教育の充実だとか様々な健康教育の推進だとかいうところで取組を進めさせていただこうかなと思っております。このあたりについても、来年になれば、総合教育会議というのがありまして、当然、そこで議論のすり合わせもあったりしますので、今のところ、こういう状況で推移しておるということでございます。

〇北川委員 これは、今年度、これから教育改革推進会議で議論されていくということですが、我々から今のような話の注文は、今言わせてもらってもいいんですか。そのタイミングがわからんのですが。

〇吉川委員長 もちろん。 

〇北川委員 5つの重点取組方針を挙げていただいている中で、③のグローカル人材の育成のところなんですが。
 選定理由もしかり、それから取組の柱もしかりなんですが、グローバル、ローカルの両方を含んでますけど、これからはやっぱり、国際社会に出ていって、あるいはまた逆に来られた方との交流も含めて、国際社会の中での相互理解、こういう観点がぜひ欲しいなと思う、この取組の柱の中に。せっかくやっていただくのであれば、国際社会の中で通用するっていう人材という面でもそういう相互理解をいかに互いに見出していくかというのは非常に重要な点だと思うので、ぜひその点を盛り込んでいただきたいなと思うんですが、いかがですか。

〇信田副教育長 今後、重点取組も、施策も含めて考えていきたいと思っておりますので、今いただいた意見については、また考えていきたいなと思っております。

〇北川委員 よろしくお願いします。

〇吉川委員長 ほかにありませんでしょうか。

                〔「なし」の声あり〕

〇吉川委員長 なければ、教育委員会制度の見直しについて、及び次期三重県教育ビジョン(仮称)の策定についての調査を終わります。

                (休  憩)

  (4)学力向上等の施策について

    ①当局から資料に基づき説明(山口次長)

    ②質問

〇吉川委員長 それでは、御質問がありましたらお願いします。

〇山本委員 いわゆる県民局の時代というのがありましたよね。県民局の中に教育事務所があったり、建設事務所があったり、いろいろあって、教育事務所はまさに県の本庁と地域の学校現場との中継地点といいますか、その辺で重要な役割を担っていたように思うんです。ところが本庁一括というようなことになっているわけでありますが、こんなときこそ、教育事務所をそれぞれの庁舎の中に張りつかせて、指導主事の先生方たちが現場に行って、どんな課題があるんだろうかとか、学校へ行ったり、または地域に行ったりしながら、地域の声を吸い上げるということが非常に大事なことじゃないかなというふうに思うし、先ほど聞かせてもらったんですが、この教育事務所が廃止されたのは平成18年度ということですよね。まずこれを復活させ。機構改革ですから、なかなか教育事務所だけということにはならないと思いますけど、そういう意見があるのかどうかは、私も含めて質問させてもらっとるんですが、どうなんでしょうかね。まずこれから聞かせてもらいたいんですが。

〇山口教育長 教育事務所は委員の指摘のように平成18年度から廃止ということで、その背景でございますけれども、御案内のとおり、平成の大合併があって、例えば津市の場合だったら、10市町村が1つになったとか、中勢教育事務所が所管しておったところが1自治体になったとか、そういう地方自治体の合併が非常に大きくて、その際に市町では、独自に自分のところで自前の指導主事を置くとか、専門的教育職員を置くというようなことが進んだということが1点です。それから2点目に、IT、情報通信の基盤整備ができてきて、大概ITで依頼とかあるいは照会とか、そういうこともできるのではないかということで、この2つが教育事務所を廃止していく大きな流れだったと思っております。市町の教育委員会が地域住民に近い立場で小中学校を管理、運営する、それが活性化につながるのではないか。あるいはそれが自主、自立的な教育行政、例えば志摩市やったら志摩市が特色ある教育活動をできる、あるいは鈴鹿市だったら鈴鹿市が自分のところの特色に合った教育活動ができるのではないかという考えから、地方分権の進展ということも含めてそういう措置に出たところでございます。
 せんだって、この全国学力・学習状況調査の今年度の成績を町村会の首長にお話ししたときに、ある町長からは、やはり自前で指導主事を置けないところもあるので、教育事務所というのを置いてもらうとありがたいよねという話を直接、町長からいただいたり、あるいは、教育長方の中からも、やはり教育事務所が欲しいと。教育長方の中には、屋上屋を架すので教育事務所はなくてもいいよねと言う方との両方があるわけですけども、概して町レベルの自前がなかなか難しいところについては、ぜひ、というような声も聞かせていただいております。

〇山本委員 志摩市だけではないんでしょうけども、我々の地域、志摩市は、志摩郡がそのまま市になったわけですね。市の教育委員会も頑張っていただいとるというのは、我々も目の当たりにして感じておるんですけども、今回のこのような学力の低飛行といいますか、非常に厳しい状況の中でどうやって地域の学力向上を図っていくんだというふうに思うと、この教育事務所をもう一回復活させるというのが一つの起爆剤になるんじゃないかなというふうに思うんです。
 それと、我々が小学校とか中学校のころというのは、子どもが多いせいもあって、自分の家に勉強部屋がある子というのはなかなかなかったですよね。みんなお勝手でというか、居間というのがあったかどうかは別にして、そういうところで苦労しながらとか、まあ、そんなことでした。だけど、今の時代というのは、みんな自分の部屋があって、親がなかなか中へ入っていけないと。だから、恐らく勉強してるんだろうというふうに親は思っとるけども、そうじゃない場合もあるかもわかりません。それは、三重県に限らず全国みんなそうですから、一概には言えないんでしょうけれども、言えるのは、地域力が完全に落ちていると。時代が変遷して、この地域なら小学校にどこの子がおるんだよな、朝、通学するときには車に気をつけないといかんなとか、そういった地域の声というのが今のところなかなか聞けないと。だから、確実に地域力の低下というのがある。
 それ以上に低下しているのが家庭、いわゆる親の家庭力というんですかね、それが落ちていると。近くの人に聞いてみますと、親は子どもにどんな教育をしていいかわからないと言ってるんですよ。これも、三重県だけじゃなくてほかの地域もそうかもわかりませんけども、親の子どもに対する向き合い方とか教育力の低下ということに言えるというふうに思うんです。これをどう図っていくかというのは、もちろん学校現場の教員方たちは一生懸命になって家庭訪問をしたりしながら頑張っていただいておるんですけど、この辺の県教育委員会の交わり方、地域とか家庭の教育への交わり方というのをどんなふうに図っていけばいいのかなということで、もし何かあったら教えてもらいたいんですが。

〇山口教育長 教育事務所の復活が起爆剤になるのではないかという点につきましては、今回、尾鷲庁舎に3名配置しましたので、その様子を見ながら、そして本当に必要なところに必要な資源を投入することが必要かなと思っております。ただ、やっぱり屋上屋を架すことは避けたいというふうに、地方自治体の裁量というのも当然、自治ということでございますので、そのあたりには気をつけていきたいなと思っております。
 それから、2点目に、地域力が落ちている、あるいは家庭教育力が落ちていると。当然、学校教育力も落ちていると私自身は思っておるんですけども、家庭の教育力につきましては、この前も教育改革推進会議で、ある委員の方が、県PTA連合会の顧問の方なんですけども、全国調査を見ても、三重県の通塾率は全国でも高位にあると。そんな中で保護者は、子どもを学習塾へ預けたらもう、勉強しとるもんやということで、家庭での教育をしてないのではないかと。そのことについて県PTA連合会の保護者の中で、そういうことについてもう少し真剣に踏み込んで自分たちで話をしていこうという、そういうことを提起しておるというように県P連の顧問の方が言われてまして、我々もぜひ、そのあたりへ参加させてもらいながら、そういう全国質問紙の中の子どもたちの生活状況から浮き彫りになるような項目を提示して、これはやっぱり家庭でやってくださいねということをしっかりと話し合っていきたいなと思っております。 
 それから、地域力が落ちているというのは、高齢社会になってきておりますので、一線からリタイアされた方に、孫の教育、孫のような世代の子どもたちに教育をしてもらうということも含めて、学び場づくりというのをやっておりまして、せんだっての質問にも出ましたが、この学び場ということでは、子どもたちの興味や関心を引くような、そういう機会、場所と言ってもいいんですけども、1回ごとに29市町でそういう場づくりをし、ぜひ地域の人に入っていただいて、子どもたちの学びにつなげていきたいなと思っておるところでございます。

〇山本委員 塾の話が出ました。我々が小学校のころも、習い屋さんとかいって、塾というのはあったんですね。学校から帰ってきて、ランドセルをほっぽり出して遊びに行く子もおれば、習い屋さんへ行く子もおりました。
 だけど、私は思うんです。塾は、もちろん実力もつくんでしょう、子どもにとって学力の向上には欠かせないものだというふうに思いますけども、小学校の入学式で私はこういうことを言ったことがあるんですよ。わからないことがあれば、その場で聞くと。手を挙げて先生に聞くと。恥ずかしければ終わった後で職員室へ行って先生に聞きなさいねと。そういうことを言ったことあるんですけど、日本人というのは、みんなの前で手を挙げて、先生、わかりませんというのがなかなかないというふうにも思うんですけども、その場で疑問点を解決するというのはとても大事なことだというふうに思うんですね。まあいいや、学校が終わってから塾で教えてもらえばいいやとか、明日この問題をやればいいやということがだんだんと先送りされて、最後は非常に厳しい局面が待っておるというようなこともあるもんですから、子どもたちがどこまで理解しておったかはわかりませんけども、わからない言葉はなるべくその場で解決すると。学校で解決するということが非常に大事だというふうに思うもんですから、学校の先生方から子どもたちに対して、もしわからへんことがあれば職員室へ来させるように、そんな手だてをわざわざ言ってもらうのも、一つの解決策かなというふうには思うんですね。
 それと、これは私の個人的な思いですが、藤原正彦さんというのがおりますよね、お茶の水女子大学の名誉教授で。あの人は、いろんな本を書いていますけど、常に国語が一番大事だと。英語とかいろんなことを、今、英語力をつけるために世間で言われとるけども、あの人はもう十数年前から自分の本の中で、国語力が人間をつくる上において一番大事だということを言われ続けておりましたから、そのときはそうかなと思ったけども、今考えてみれば、こういった統計で、国語力が非常に大事だということがわかってきたもんですから、この辺のところも、国語の先生がということじゃなくて、学校側が真剣になって取り組まなきゃいけないと、そんなふうに思いますね。
 それと、校長先生をはじめとして現場の先生方、管理職と言われる人たちがやっぱり危機感をもっと深めて、先進地というか、そんなところがあるかどうかはわかりませんけども、行って視察してくるとか、学習してくるとか、参考にしてくるとか、研修してくるとかいうことは大事だと思いますが、その辺だけ最後に聞かせてもらいます。

〇山口教育長 わからないことは学校で解決していくというのは、そのとおりだと思っておりまして、全国学力・学習状況調査の子どもたちへの質問紙では、子どもたちが学校の先生に聞く率は非常に高いということで、そこは三重県の優位性の一つになっております。ただ、そのことについても、先生と子どもの間がなれ合いになっているのではないかというスクールカウンセラーの話があったり、そんな話が意見としてありますので、先生に聞く雰囲気はできているということで、先生方にはそういう雰囲気づくりをしていただいていると感謝申し上げます。
 それから、2つ目の国語が大事ということについては、もうおっしゃるとおりで、全国学力・学習状況調査の算数Bの問題を見ますと、読みくだかないと答えられないということから、先ほど次長が申しましたけど、やっぱり読解力とか表現力、作文、そういうところが問われておると思いますので、無解答率を減らす、国語について、しっかりと読む力をつけさせるということが大事かなと思っております。町長の話の中では、読み書きそろばんはしっかりさせといてほしいという言葉が私の中にちょっと印象に残っておるもんで、御披露申し上げます。
 それから、校長をはじめとして危機感を持ってもらうということは本当にそうでございまして、実は、みえ高校生未来人育成塾で、高校生が知事に、何で三重県の子どもたちは学力が低いんですかということを私の目の前で聞いたということが1点と、もう一つは、中学校の野球部の子どもたちが全国学力・学習状況調査の結果発表の翌日に、全国学力・学習状況調査の話で、三重県の学力は低いらしい、そやけど沖縄県や北海道があるやろ、だけども、負けたらしいぜと。それはやばいやんか、僕ら、高校や大学は大丈夫なんやろうかという、そんな会話を身内の者から聞かせていただいて、子どもたちにとって余りにもと。それは、いいときもあれば悪いときもあると。開始以来、ずっと低位にあるということが、私自身は、子どもたちの心の勢いというんですか、三重高校が頑張ってああやって活躍してくれる。いろんな活躍の仕方はあると思うんですけども、学力でも、ずっと下ではなしに、たまにはいいところにもあるという、そういう状況をつくっていかないと、自尊感情も、学力だけが自尊感情ではないという意見もございますが、そのあたりについても配慮していきたいなと思っております。そのためには、何よりも、先生方にすぐれた学校の事例とかすぐれた教育行政を見ていただいて、ぜひ主体的に動いていただけると、そのために県教育委員会が何をしたらいいのかということも話をしていただければなと思っております。

〇山本委員 最後にしますが、この日曜日、台風の日でしたから、おとついやったかな、土曜日やったかな、志摩市が市になって10周年という記念式典があったんです。これからのバラ色の志摩市を語っていかなきゃいけないんですけど、私は、もう時代はそうじゃないと。今求められておるのは、一番大事なのは何かといったら教育やと。教育環境を含めてやっぱりしっかりしていかないと、子どもを持っている若い世代はこの地域に住み続けていかないだろうと。だからしっかりとした教育の充実が大事だと、そんな話をさせてもらいました。10年たって、地域の小学校がそれぞれ再編、統合されて、自分のところの在所に小学校がなくなるという非常に厳しい時代がやってくるんですけど、お母さんたちが、地域に学校がなくなるということは、もうここへ住む意味がなくなるよねということで、田舎から去って都会のほうへ行っちゃうというようなことがあってはいかんわけで、しっかりとした教育の充実、そんな環境をつくっていくということがとても大事だということを訴えたんですが、今後とも県教委がそれぞれの、志摩のことはたまたま私が言いましたけども、同じような悩みを持っている市町がたくさんありますから、しっかりとした支援をお願いしたいなと。そんなことを思って終わります。

〇北川委員 山本委員の御発言に関連させていただいて。
 大先輩のお話でございますので、含蓄のあるお話で、聞かせていただいて、感動させていただきました。特に前段でお話のあった教育事務所の話ですが、全く同感だなというふうに思わせていただきました。効率化の名のもとにこの部分は廃止されてきた部分があるんですけれども、今回特に、重点取組として学校訪問をしていただきますよね。これはどなたがどんなふうに行かれるのかお聞きしたいところです。
 学力テストの結果なり、学習状況調査の詳細な数字的な分析はいろいろなされているんですが、結局、県がいろいろアドバイスをしていこうにも、地域の中の事情がどれだけ把握できてるんだろうかというところで少し疑問が残ります。なかなかぱっと出向いていって、まあ、それぞれの地域担当の指導主事もいらっしゃいますから、ある程度の情報はつかんでらっしゃるのかもわかりませんが、やっぱりその地域地域の個別の地域性だとか、学校のありようだとか、保護者の方のいろんな背景だとか、あるいはそこの教員の状況だとか、いろんなものをトータルで把握しながらアドバイスをしていかないと、あの数字だけを捉えていって、ああですよね、こうですよねというのはなかなか難しいんじゃないかなと感じます。
 そういう意味では、本当に、以前あった教育事務所という役割が、そういう地域の中を常に見ていただいて、いろんな状況を把握もしながら、適切なアドバイスをしていただける状況に近かったのではないかなというふうに感じさせていただいています。私も30年前は地元の教育委員会におりましたので、前にいらっしゃる信田副教育長は上野の教育事務所の主事で座ってらっしゃいましたからね。そういう時代を思いますと、やっぱりきめ細やかな支援なりアドバイスなりがあの時代はあったんだろうなというふうに思い起こします。そういう面で、ちょっと距離感があり過ぎて、今のスタイルで、この学力の向上について、本当にこの体制でやっていけるのかなと。
 今回は尾鷲庁舎に職員を3名張りつけてということでやっていただくわけですので、これは本当に評価させていただきたいというふうに思います。願わくば、しっかりと地域に根差して、地域に入り込んで、各学校、地域に入り込んで、サポートをしていただくと。事務所に座って指図ということではなくて、やっぱりしっかりとサポートしていただきたいですし、そういう面から新たな教育事務所的な機関のあり方というのは検討に値するんじゃないかなというのがまず1点ありますが、改めて所見を伺いたいと思います。

〇山口教育長 まず、学校訪問がどのように行われるのかということでございますが、当然、該当の市町の教育委員会を通してやらせていただくということと、例えば、実践推進校が100校ございますので、そのあたりに当然入らせていただくということになります。
 それから、学校のありようとか背景とか保護者の状況とか、そういうものについても、我々としては、データ的なことを市町教育委員会に提供いただきながら、分析もしながら、例えばここは就学援助率が高い学校ですよねとか、いろんなことも聞かせてもらいながらやらないと、全国学力・学習状況調査の教科の学習だけではなかなか改善につながらないと。児童生徒質問紙とか学校質問紙、これも大事でございますので。我々としては、教科よりはこの質問紙のほう、学校質問紙あるいは児童生徒質問紙のほうが宝の山やと思っておりまして、そこは改善のあれを拾っていけるところだと思っております。
 それから、教育事務所のあり方を検討するということでございますが、まずは尾鷲庁舎でどういうようなことになっておるのかということ、それから、市町の教育長方には、やっぱりまた県がかぶせてくるのかという教育長も実際みえまして、そのあたりを整理していかなきゃいけないので、私自身、よく現場からはトップダウンの教育長やとよく言われますけれども、そんなつもりは毛頭なくて、市町の教育長の意見を最大集約しながらやっていきたいと思っておりますので、教育事務所のあり方についても慎重に検討してまいりたいと思います。

〇北川委員 ぜひ検討いただきたいと思います。
 ちょっと気になったのが一、二あって。1つは、学力向上アドバイザーというのは、今、稼働しているんですよね、どんな状況なのか、書きぶりが見つからなかったもので、以前にも聞いていますからあれなんですけど、改めて、そこの部分というのは何かアクションが変わるんですか。

〇山田推進監 学力向上アドバイザーでございますが、元校長先生ということで、学校経営にも、あるいは授業の指導にも、いろいろ御造詣の深いアドバイザーに5人来ていただいておりまして、県内の小中学校100校を担当していただいて、それぞれの学校へ行っていただいております。その中で、校長先生の学校経営についての御相談に乗らせていただいたりとか、あるいはそれぞれの教員方の授業を見せていただきまして、今求められている力とはどういうことなのか、それに対してどのような授業方法があるのかというようなことを一緒に相談させていただいたりしながら研修を深めて、指導、アドバイスをさせていただいておると。このような状況で取組を進めさせていただいております。

〇北川委員 そこの部分が十分機能していたらいいんですがと、ちょっと心配するのと、私の目が悪いのか、何も書き込みがないので、あれ、この制度はなくなったのかと。

〇山口教育長 学力向上アドバイザーとか実践推進校というのはあるんですけども、今回は、今回の事態を受けての主な重点的な取組ということで、ないがしろにするわけじゃなく、予算もつけてしっかりやりますので、書き漏らしということじゃなしに、精査したということで御理解を賜れればと思います。

〇北川委員 もう1点は、御自分でトップダウンの教育長だと言われているということで、いや、そんなことはないです、市町の御意見を最大集約しながらということを伺ったんですが、今回、学力向上緊急対策チームも設置いただいて、今議論させていただいたようないろんな取組も発案いただいているんですけれども、ちょっと拙速ではなかったかなという思いがあって。
 それは何かというと、多分、市町の教育委員会も今、これを受けて、どういう対応でそれぞれの学校なり市町なりとして取り組んでいこうか、足らざるものは何か、自力で何ができるのか、あるいは県のアドバイスとして何が望まれるのか、そんなことも含めて、あるいは家庭、保護者ともどういう連携をとっていくんだとか、いろんな分析を続けていただいている最中ではないかなというふうに推測するんですよね。一朝一夕にできる話ではないので、それ相応の時間がかかるということを考えると、このあたりは、せっかくやっていただくのであれば、もう少し市町のいろんな考え方なり声なりも聞いていただく中でこの緊急対策の重点取組というのを打ち上げてもらったほうがよかったのではないかなというふうに思います。
 ちょっと、お聞きしていると、余り市町の教育委員会はこの内容について、事前の情報としても余り得てないみたいですし、内容的に議論させていただいたという経過も、あったらごめんなさい、ないように聞いています。一方で17ページのスケジュールの中では、地域別市町教育長会議での改善方策の周知徹底と、こう出てくるんですけど、市町も当然ながらいろんな危機感を持って、うちはどうするんや、うちの学校はどうするんやということでいろいろ議論していただいている最中だと思うので、そんなところの意見も酌み上げていただきながら改善方策を立ち上げていただく形のほうが、県の教育委員会と市町の教育委員会がいい関係で、よし、これをやっていこうという流れをつくっていくのには、そういう形のほうがよかったのではないかなというふうに思うんですが、そのあたりはいかがですか。

〇山口教育長 市町との関係でございますけども、今回の全国学力・学習状況調査の結果発表が8月25日にあって、8月28日に市町教育長会議を持ってございまして、そこでも公表とか様々な議論をさせていただきましたが、それを迎えるに当たっては、市の教育長会会長、町の教育長会会長と、モデル様式とか全国学力・学習状況調査についての取り扱いについてどのようにやっていこうかということを会長に二、三回、担当推進監が話をさせていただいてやらせていただいておったということでございまして、十分ではないということなのかもわかりませんけども、一応、そういう会を持って、県としての考え方というんですか、今回の危機的な状況については共有してもらえるようにということで話をさせていただいて、そして今回の公表に当たっては、先ほど山口次長のほうから別冊の概要版のことについても同意をいただけるようにということで、一応手順は踏んできたつもりでおります。
 地域別市町教育長会議での改善方策の周知徹底ということについては、市町教育長会議を地域別にやると、小ぢんまりとブロック別にやるということでこれまでもやってきておりまして、その中で昨年度も実は、この地域別市町教育長会議で学力の向上についてをメーンテーマにして、2時間のうち1時間半近くをこれに割かせていただいて、教育長だけじゃなしに教育委員長なり教育委員なりも入った会をやってきておりますので、今年度、新たにこれをやるというイメージじゃなく、この市町教育長会議、地域別市町教育長会議のテーマについても御相談させていただいてやっておりますので、周知徹底という言い方を、協議すればもっといいんでしょうけども、本当にそこは申しわけございません。私の考えが十分出てないのか、あるいは考えが足りなかったのかということで申し上げさせていただきます。
 それで、よい取組をということで、例えば土曜授業について、市町の教育長方からの県で統一的な方針を示してもらえないかということで半年以上かけてやらせていただいたり、みえスタディ・チェックについても、小規模自治体から主として「活用」に関する問題が弱いので何とか県のほうで業者テストじゃないものにかわるものをつくっていただけないかということで申し入れを受けた中でやらせてきていただいたりしておったと。ただそれが、全部の29市町がまとまってウエルカムかとかいうと、そうでもないというのが事実でございまして、そこを最後の最後まで調整できるのかというところで私自身、三重県教育行政を預からせてもらう者として非常にじくじたる思いがあるというのは事実でございます。なるべく29市町の教育長方に御理解いただけるような姿勢で努力はしておるつもりでございますけども、まだまだ足りないところがあろうと思いますので、御批判もいただければなと思っております。

〇北川委員 十分認識はいただけるのかなと期待はさせていただくところですが、やっぱり教育長の強い思い、危機感を持ってやっていただこうとする思いもわかりますし、県教育委員会の危機感を共有したいという強い思いもわかるんですが、それだけでは前に進んでいきませんので、市町の教育委員会なり、あるいは家庭、保護者も含めてですけれども、いい方向で手を携えて前に進めていけるような、そういう環境も大事やと思いますので、ちょっと今回は急ぎ過ぎたのかなという印象を持ちました。今からでも遅くはありませんので、地域別市町教育長会議は新しいスタイルで進めていただくことですから、忙しいとは思いますが、それぞれのお立場で、この全国学力・学習状況調査の結果なりについて、市町の対応の考え方、あるいは県への要望も含めてしっかり意見交換していただく場を早目に、かつ複数回、きっちりと持っていただいた上で進めていただきたいというふうに思います。
 以上、要望にさせていただきます。

〇日沖委員 先ほど北川委員がいろいろおっしゃいましたけれども、とにかく学力向上の策を進めていくに当たっては、ぜひ市町の教育委員会なり、また学校現場、地域とのいろんな共有の中で連携をとっていただいて進めていっていただけるよう、私もそのように思わせていただきましたので、そういう感想をまず伝えさせていただきたいというふうに思います。
 それと、これは私の捉え方なんでしょうけれども、課題なんかを見せていただくと、教員等の学力向上に対する危機意識が低いとか、校内研修の実施率が高いにもかかわらず、学習指導要領の趣旨等の浸透が浅く、全国学力・学習状況調査結果にあらわれていませんとか、それぞれ要因はあるのかもわかりませんけれども、何となく精神力で頑張っていけよというように、そういうわけではないんでしょうけども、感じられる部分もあったりして、まあ、それはそれでちょっと感想として述べるだけなんですけども、ただ、やっぱり物心両面が必要やと思いますので、例えば、学力向上への取組で、学校現場にはいろんな新たなことが起こってきます、取り組まなければならないことがいろいろ起こってきますので、支援すべきところで物的に必要なところは、やっぱり環境を整えていただいた上で、先ほどのように、市町、現場と一緒に盛り上げていくようにしていっていただきたいんです。
 例えば、みえスタディ・チェックです。7月に試行実施したということで、試験の問題は学校現場でダウンロードして印刷して配って採点してというようなことやとお聞きしたんですが、これについても、本年度の検証をもとに市町教育委員会や学校の意見を踏まえて改善を行っていきますというようなことを書いていただいていますので期待したいんですけど、例えばこういうことを取り上げても、本当に一体となって取り組んでいこうとするのなら、こういうところにきちっと予算をつけていただいて、年3回、これからしていくのであれば運営面についてはきちっと県教育委員会のほうに支えてやっていただいて、そして現場の教員がその結果を効果的に今後につないでいくようなそういう形を任せてしまうのではなしに、必要な部分は手当てしてやっていただけるとか、そういうところは必要やと思うんですが、そんなところはいかがですか。

〇山口教育長 意識改革が頭に来ておるということで、危機意識が低い傾向にあると。教員のモチベーションを下げるようなことばかり書いてあるやんかということなんだろうと思うんですけれども、1点目のことについては、授業における開始のときの目標の提示とか、学習内容を振り返る、授業の終わりごろに今日はこういうことをやりましたねということは基本のキやと、私は思っております。あるいは、校長先生が授業を見回るというのは、管理職のマネジメントとしては、必要最小限やっていただけることではないかなと思って、このことについては口を酸っぱくしていろんな場面で言ってきておるのにもかかわらず、改善が見られないということは、やはりそれは危機意識がないのではないかなと思っております。
 県民から電子メールとかはがきとか電話での12件を私は今ここに持っておるんですけども、保護者の方が、親御さんがですけども、親として心配だから先生に大丈夫ですかと聞いたら、大丈夫、全然心配要らんと言っていました、現場に危機感がないんですと。そういう県民からの電子メールが来て、私自身に対する、あるいは教育委員会の職員に対する、三重県教育委員会は何をしてるのかという投書や電子メール、電話が来ておるということで、こういうことについては、私も今日初めて申し上げますけども、やはり非常につらい。こういう県民、保護者は、先生にはよう言わないんだと私は思っております。ですので、そういう保護者なり県民の声を、我々としてはこうやった形で、意識改革をと。これは努力しなくても、教員としてやってほしいイロハのイだと、私は思っているんですね、教授法で。今日はこの時間にこれをやりましょうと目標を最初に述べる、1時間たって、これは終わりましたね、こういうことをやってきましたねということは、やはり指導のイロハだと思っておりますので、こういう書き方になっておるのかなと思っております。
 物的支援については、本県で全国に先駆けて平成15年度から少人数学級をやってきて、10年たって効果がまだ出てないというのは、私自身は、これはどうかなと。申しわけないなと私自身、思っております。教育行政に長く携わって、不登校対策とか適応指導教室、あるいは少人数教育でいろいろ人的支援を歴代の知事にお願いしてきてもらっていますけれども、例えばそれの習熟度別学習だとかTTに使われている率が20ポイントも全国平均より低いということがございます。こういうことについては、やはりTTなり習熟度別学習なりというのをやっていただく必要があるのではないかと。ですので、そのあたりについてはやり方も含めて、単なる精神論で終わらずに、こういう指導の改善方法があるんですよということで一緒になって、先生方と汗をかいていきたいなと思っております。
 それから、みえスタディ・チェックについても、運用ということでいろいろ意見をいただいております。全国でやっとるから三重県もということを申すつもりはございませんけども、やはり改善すべきところは改善して、現場がやりやすいような形で、少しでも子どもたちの学力が上がるような形にしていきたいなと思っておりますので、予算面も含めて、トータルとして考えさせていただきたいなと思っております。

〇日沖委員 意識改革のところでは、私も教育者ではございませんので今の教育長のお話になかなかよう反論もしませんけども、そこのところを声高におっしゃられるもんで、どうしても精神論がまず来とるみたいに感じてしまいますという感想を申し上げたところなんですけれども、それは結構でございます。
 今の教育長の御答弁では、みえスタディ・チェックのような新たな取組のところで、市町の教育委員会、学校の意見も踏まえながらこれからやっていきますと答弁いただいたんだということで、ここにも書いていただいてあるように理解させていただきますので、これからその辺はおいおい、お互いいい力を出せるように、ひとつ、現場のことを考えていただきながら、効果があるように、よろしくお願いいたしたいというふうに思います。

〇中川委員 精神論と技術論を織り交ぜて質問したいと思うんですけども、これをずらずらっと14ページから20ページまで読ませていただいて、直感的な感想としては、子どもには責任がないなというふうに思いました。
 幾つか紹介すると、無解答率が高いと。その理由は、結局、基礎的な能力の育成が体系的にできてない、だから答えたくても答えられないという状況がもうつくられているということでしょ。だから、答える意欲や粘りが出ないということですよ。これを本人のそこの能力に責任があるのかといったら、教え切れてないところに責任があるんじゃないかなというように思うのを、これ、感想までに。
 15ページの③のところで、教育長がおっしゃりましたけれども、授業の進め方、校長の授業の見回り、少人数指導の実施云々というところで、組織的、継続的に取り組む授業改善や学校体制の確立に課題がある。これは学校の問題やわね、技術論ですよ。次の、小学校においては全国学力・学習状況調査等の学校全体での活用に課題がある、これも技術論ですよ。やればできる話だと思います。
 16ページの(2)の①のア、意識改革の頭で、日沖委員もおっしゃりましたけど、「教員等の学力向上に対する危機意識が低い傾向にあります」、これは教育長も一般質問で答えてたところだと思います。
 それから、ウの体制づくりの(イ)で、「学校、家庭、地域が一体となった学習環境づくりが不十分と考えられます」、よく家庭に問題があるという話をずっと、ここ5年ぐらい聞いてきたけど、結局、学校がそれを引っ張ってないということでしょ。家庭に対しての意識づけができてないから結局、一体的にそういう環境ができてないということだと、私は今回理解しました。
 17ページの2の学力向上緊急対策チームの設置についてにおける(1)の②では、「『みえの学力向上県民運動』において、特に学校の取組の改善が遅れていることを踏まえ、学校教育を中心に重点的に取り組む」、これ、教育委員会としての総括をされている。結局、学校現場に問題があるということじゃないですか。そこを改革しない限り、幾ら予算をつけても、子どもの状況を把握しても、結局はだめということでしょ。もうそこに期待できない親は、悲しい言い方、悲しいかな、今、通塾率が高いと御説明があったけども、結局、そこにかけてしまっているわけでしょ。こんな悲しい三重の教育の状況があるということを、私は全国によう発信しないですよ。やっぱり学校教育においてしかるべき教育が身につくような、学力が身につくような方向性をつくっていただきたいというように私は思うわけです。今、5点ほど紹介させていただいた部分、これ、県教育委員会としての総括ですけども、改めてそこに対する感想をお述べいただきたいと思います。

〇山口教育長 子どもに責任がないということではもう事実、私自身もそのように思わせていただいております。この際、どこに責任があるかということを言っている場合ではないと。学校に意識がないと言うんじゃなしに、教育行政として十分に学校の教員方に灯をともすだけの支援ができてなかったことも事実かと思いますので、そのあたりについては、私ども教育行政を預かっとる者と市町の教育行政の方々とが一緒になってやっていく必要があると思っております。この際、どこに問題があるかと言っていることを、責任を追及し合うんじゃなしに、県教育委員会がそう思っておる、市町教育委員会も次の一手を、足らざるところはどこかと検討しておるんやったら、一緒にテーブルに座っていただいて議論をし、実効性のある取組をしないといけないなと思っておりますので、ぜひまた知恵をいただきたいと思います。

〇中川委員 その上で、今回のこれを読ませていただいて改めて感じたのは、教育委員会と学校現場、先生と言っていいですかね。それから指導主事と学校の先生たちとの関係、それから学校の管理職と先生たちとの関係で、ここで意思疎通というのはされていくわけですよね。学校現場を回るというお話しいただきましたけども、指導主事が回るわけですよね。大事なのは、そういうことを伝えていく意味において、現場から尊敬される教育委員会や指導主事や管理職にならないとあかんこと。また、信頼関係がそこに築かれなきゃ、どれだけこれをやっても、だめなような気がする。教育現場というのは人づくりですから、やっぱりそういう思いを持ってやっていくことの必要性、これは強烈な精神論かもしれんけど、三重の教育現場はこういったところから。結局、また指導主事が来て難しいことを言っとるわ、教育委員会がまた仕事を増やしとるわという意識で捉えられたら、どれだけいいことをやっても、どれだけ分析しても、どれだけ金をつけても、だめでしょ。中には尊敬される管理職や指導主事もおりますよ。先生の言われることはすごい、あの先生のもとでならしっかり頑張りたいという教育現場もある。それをどれだけ増やしていって、目的は1つ、子どものため、三重の子どものため、この1点で、今言った、どこに責任があるかじゃなくて、一体的にいけたら、それは必然的に物事は変わっていくんじゃないですか。
 私が今日、非常に精神論を言っているのは自分でもわかっている。しかし、現場から尊敬される教育委員会や指導主事や管理職にならなかったら、どれだけ回ってもだめでしょ。どれだけシステムをつくっても、ああ、またみえスタディ・チェックか、こんなもの、適当にやっておけばいいんやわとなったら、もったいないもんな。だから、そういうことも含めて教育行政のトップを担う人には頑張ってもらいたいなというふうに思うけど。強烈なる精神論で悪いけど、どうですか。

〇山口教育長 尊敬されるかどうかはわかりませんけれども、一生懸命汗をかかせていただいて、子どもらのためという1点で、いろんな方々の意見をいただきながら、この難しい状況を突破したいなと思っております。
 私は、教職員定数についても、あるいは教育課題についての対応にしても、財政的支援は十分いただいておると私自身の中では思っておりまして、これをどう効果的に実践できるか、あるいはその担い手となれるか、担い手となるような職員をどうやって増やしていくかということを私自身も肝に銘じてやらせていただきたいと思います。

〇中川委員 私は尊敬できる人にしかこういうことを言いませんから、期待をしているわけであって。また、市町教育委員会のトップや教育長にも、この県教育委員会がどれだけ悩み、苦しみ、頑張ろうとしているかということを見てもらいたいと思うよね。その上で、やっぱりそこを頑張ってもらいたい。
 そして、技術的にはどういったことをつくり上げていくかということを18ページに体制整備と重点取組例でお書きいただいてて、これで山口次長にずっと御説明いただいたわけですが、私は、これが具体的にどれぐらい行くかというのはまだまだこれからだと思うんだけれども、思いをどう伝えていくかというところは、やっぱり教育長なりにトップとしてやってもらいたいと思う。こんなことを言ったら失礼になるかもしれんけど、次長には、文部科学省からお越しいただいて、三重県という現場を認識されて、こういう体制整備とか事例を書いていただいたと思うんやけども、やっぱり、三重県でこういったシステムをつくり上げて、残して、それが非常に浸透して効果があったというものを何かつくっていってもらいたいなというように私なんかは非常に期待するわけ。お越しいただいているわけだから。それに対して、別にこの例に沿わんでもいいから、こういったことができるとか、そういう思いでおるとかというところを。次長は学習支援担当なわけだから、もろにそこの担当やと思うんやけど、責任者だと思うんですけども、そこの部分の思いとかをちょっと一回聞かせてくれへんかな。

〇山口次長 私もその思いで、このタイミングで一緒に汗を流せる機会を得たことを最大限に前向きに生かして、三重県はもとより、全国に発信していけるような事例をつくりたいと思っております。

〇中川委員 恐らくずっと低位に来たという話なんやけど、今ほどこのことに対して県が一体となって何とかしようという意識を持っているときというのはないと思うんです。そのときに次長にお越しいただいた。この時のタイミングというのはあると思うの。やっぱ、この時のタイミングを生かしていただくかどうかという意味においても、ぜひそこは、今、汗をかいてというようにおっしゃっていただいたんだけど、そのとき結果が出ないにしても、お戻りになったときに、三重県でこういう取組をし、こういう結果が、そのとき何にしても、今まさしくあらわれているみたいな、そういうシステムをおつくりいただきたいというか、私は無学で知識がないからこれがいいというようにはよう言えへんけど、今年度から来ていただいたという意味においては、現場の声も聞いていただいて、ぜひそういったお取組を何かお願いしたいなというように思って、今日は具体的な話を聞かんでもいいんやけども、そこはお願いするところです。
 もう一つ、どう育成していくか、研修をしていくかということと、どう人材を確保していくかというところも、今やポイントになってきていると思うんです。子どもも減っているけども、教員になろうとしている人も減ってきているわけで、まさしく全国からどういう人材を採用していくかというところも含めてのいわゆる人材の確保という観点、ここもひとつ大事になってくるんじゃないかなというように思うんですけども。採用の要項にはいろいろ書いてあるのはわかるんやけど、改めて、ここに対しての県教育委員会の思いなり方向性なり課題なりがあるならば聞かせていただけますか。

〇福永次長 私どもも、おっしゃるように、教職員の資質の向上なり確保なりは非常に大事だと思っております。採用試験でできるだけすぐれた職員を確保するために、今年度も採用試験でいろんな工夫などをして、すばらしい人材をできるだけ確保できるように工夫し続けております。これからもその辺はしっかり認識しまして、人材の確保とか適材適所、それから環境の整備、そういったところを総合的に考えていきたいと思っております。

〇中川委員 最後はよろしくお願いしますとしか言いようがないんやけど、頑張りましょう。

〇北川委員 精神論のお話が出ましたので、私も最後に一言、精神論を申し上げたいと思いますが。
 多分、以前お話ししたと思うんですよね、こういう危機的状況をいかに乗り切っていくかというときに大事なのは、やっぱり相互理解だというふうに私は思っています。
 自分で言うのもあれですけども、この十数年間、一番しんどい思いをして取り組んできた医療問題があって、これをどうするかというので10年前の状況というのは、やっぱりそれぞれ批判のし合いですよ。行政は病院に向かって、何じゃ、もうこっちの言うことは聞かんのか、どうなっているんやと。医師は医師で、そんなことを言うけど、何かコンビニ受診で来て、わけのわからん患者が来た、こんなもの、診てられるかと怒鳴って、市民は市民で、挨拶もまともにできやん医者がいて、ちゃんと説明もしてくれんのやけど、何やこれ、どうなっとるんやと。そういうのから、負のスパイラルというか、どんどん回っていくと、結局、いい方向に向かないというときに全国的に大きな動きがあったのは、やっぱりそれぞれ言いたいことがあると。あるんですよ、当然。こちらも見て言いたいのはあります。医者を見て、どうなんやというのはありますし、一般市民の声を聞いて、いや、それはちょっとなと思いながらも、でもそこはぐっと抑えながらも、やっぱり自分たちそれぞれの立場で努力できることを最大限やっていこうということから始めることが一番大事だというふうに思ってシンポジウムをさせてもらったり、相互理解が進むような機会をたくさんつくらせていただいたという経過があるんですけども、この問題も、非常に危機的な状況やと思います、数字だけを見ればね。どの程度危機的なのかというのではいろんな考え方があるので、そこを議論したらまた時間がかかってしまいますから、今日のところは、やっぱりこれは低いままでは困るよね、何とか上げたいよねという思いの中でどうしていくかというときには、誰かが悪いとかどこを非難ということじゃなくて、お互い努力できるところを最大限努力しながら協力し合うという関係づくりをしないと、こういう危機的な課題というのは解決しないと思います。そういう意味でぜひ、先ほど、教育長がそういう意味合いできちんとおっしゃっていただいたので、ぜひそういうマインドで三重県の学力向上に取り組んでいただきたいと思いますが、よろしくお願い申し上げます。

〇吉川委員長 要望でよろしいですね。
 ほかに。

〇山本委員 私はもう発言しないつもりでおったんですけど、今おっしゃったように医師の問題でかんかんがくがくの議論をしてました。
 先ほどは教育の充実なくして若い世代が住み続けないだろうということを言いましたけども、それともう一つ、医療、福祉、介護の充実なくして人生の最期をその地域で迎えることはできないと。お年寄りも行ってしまうと。だから2040年問題で人口が減っていくという地域が伊勢からずっと、紀州にかけて発表されているわけですよね。そんな中で、なぜ地方に医師が来ないのかということをよくよくドクターに聞いたことがあるんです。そうしたら、自分は行ってもいいけど、嫁がベーやと。べーということは、そこへ行きたくないということ。なぜか。その地域へ行って自分たちの子どもに本当に充実した教育ができるかなと思うと、なかなかそうじゃないからと。それだったら伊勢までだねとかで、なかなか地域へ来ないと。こんな現実があるんですよ、実際の話。ですから医師の確保ができない、また疲弊しちゃうと。こういう悪循環があるわけで、まさに教育の充実が地域振興の大きな要素だということを地域住民が行政も含めて真剣に考えていかなきゃますます地域が疲弊しちゃうと。こんなことですので、どうぞ一丸となって取り組んでいくようによろしくお願いしたいと、こんなふうに思います。

〇中村副委員長 B問題が苦手ということで、これがわからないということは、勉強だけでなく、いじめとか人権のこととか、あと、それこそ防災のことについても理解できにくいっていう、一番大もとがだめだということで、教育委員会だけの問題ではなしに、ほかのほうでも危機的なことなんだなということを改めて感じました。
 あと、本会議でもありましたが、もちろん、危機は危機ですけども、これからどれだけ挽回の余地があるかということを考えると、何か自虐的ですけども、期待感も十分あるわけなので、そこのところを、いろいろ議論があったように、それぞれの関係性で克服していくことを、本当に試されているときかなというふうに思いますので、私どもも同じですけども、よろしくお願いしたいというふうに思います。

〇吉川委員長 要望ですね。

〇中村委員 はい、要望です。

〇吉川委員長 ほかにありませんか。

〇北川委員 1つ、学力向上にかかわっての要望ですが。これは委員長に要望なんですけど、何度か貧困家庭の学習支援の話とかも出てますので。
 そういうのは健康福祉部所管になるんですよね。何か一緒に聞かせていただくような機会というのはできないものでしょうかね。まあ、それぞれで聞けばいいんですけど、まあ一度考えてみてください。要望だけです。

〇吉川委員長 はい、わかりました。
 ほかに。
                〔「なし」の声あり〕

〇吉川委員長 なければ、学力向上等の施策についての調査を終わります。

  (5)三重県特別支援教育推進基本計画(仮称)中間案について

    ①当局から資料に基づき説明(山口次長)

    ②質問

〇吉川委員長 それでは、御質問等がありましたらお願いします。

〇中川委員 質問というよりも要望ですけど、今後の特別支援学校の整備については様々な要望もあると思うので、そこを適時適切に。この前、くわな特別支援学校、杉の子特別支援学校石薬師分校の整備をしていただいて、現場では非常に喜ばれていると思います。この整備のあり方について、適時適切に現場の要望を受けていく形でとお願いしたい。また、寄宿舎の整備、整備というか考え方についても、特にお父さん、お母さん方の思いなんかも聞きながら慎重に進めていっていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。要望です。

〇北川委員 いつも同じ話で恐縮ですが、この三重県特別支援教育推進基本計画(仮称)中間案の25ページのところでは、発達障がいの子どもという書き方はしてないのかな。学習面または行動面で著しい困難を示す児童生徒は小中学校の通常の学級において6.5%ということで、34ページの高等学校のところにいくと、発達障がいの可能性のある生徒の在籍率は1.4%ということですが、この辺のギャップというのは教育改革推進会議の中でどんな議論がされてるんですか。

〇東課長 小中学校のところは25ページの、発達障がいの可能性のある児童生徒ということで6.5%の数字を上げ、高校のほうでは、県の独自調査ということではございますが、1.4%と。このことについてまず説明をさせていただきますが、義務教育の段階の6.5%は、小学1年生から中学3年生までの平均値ということで御理解いただきたいと思います。
 したがいまして、小学1年生の段階では9%ぐらいの数字が上がってまいりますが、中学3年生の段階では、これが2%、3%という数字になっているという状況がございます。ただ、この数字というのは、ドクターの所見に基づいたものではなくて、学校の先生方、複数の目ということはあるんですけども、そこでの気づきの調査の結果ということもひとつ御理解いただきたいと思います。ただ、数字が下がっているというのは、障がいの特性を加味しながらの日ごろの指導の中で何らかの改善が見られ、学校生活に適応してきている。だからその数字が学年進行とともに下がってきているという背景もあるというふうに考えております。加えて、逆に見えにくくなってきているというふうな状況もあろうかと思ってますが、数字の変化については、現状でそのように分析しているところでございます。

〇北川委員 何か、どう受け取っていいのかよくわからないところはあるんですが、言わんとするところは、高等学校における特別支援教育、特に発達障がいの子どもも含めて、その受け入れの議論をぜひ深めていただきたい。これはいつもお願いしている話なので。
 個別の指導計画とか教育支援計画というのは、当然、特別支援学級にいる子どもにはつくられてるんですよね。通常学級にいらっしゃる発達障がいだとか、そういう子どもについても、同じように全て、こういう支援の計画というのが個別につくられている形なんですか、今は。

〇東課長 通常学級においてのこれらの計画の策定については、義務づけはされておりません。ただ、委員御指摘のように、通常学級にもこういった困り感を持っている生徒がたくさんいるという状況の中で、県としては、なるだけこの策定についてお願いしたいということで周知を図っているという状況でございます。

〇北川委員 この中間案の中身というところまでは行かない話なので、またその辺の実態は別途教えてください。

〇日沖委員 高等学校における特別支援教育の推進のところで1つお聞きさせていただきたいんですけども。
 私どもも高等学校での特別支援教育というものの現状をもうちょっと知らないとあかんなとは思わせていただいとるところですけども、この中間案の中の課題として取り上げていただいとるところに、中学校からの個別の教育支援計画等の引き継ぎが十分に行えるようなシステムになってないということで、これを確実に引き継いで指導していけるように取り組んでいかれるというようなことが書いてございまして、何でかというと、保護者の自分の子どもに対する理解が十分にできていない場合があるためで、それを深めることも必要ですと、一部、この中間案の中には記述もあるんですけれども、改めて、引き継ぐに当たってどういう課題があって、そして、それをどう整理、克服して、スムーズに引き継ぎが行えるようにしていこうとされているのか、ちょっとお聞かせいただけませんか。

〇東課長 引き継ぎについての課題ですが、1つは、先ほどの北川委員の御質問への答えとも重複するところでございますけど、まだまだ通常学級においては策定の状況が低いというのがございます。加えて、中学校ではつくってはあるんだけども、進学先が決まった段階で、中学校から高等学校のほうにつくったものが上手につながっていっていないというふうな現状もやっぱりあるかなというふうに思っておりますので、その部分につきましては、進学先が決まった後でもいいので、中高連絡会のようなそういった場を設定するということも一つの案としてあるのかなと思ったりもしますし、高等学校のほうから提供を求められたときに、きちっとそれを渡していただくというふうな形で、まずは周知を図っていきたいというふうに思っております。
 ただ、通常学級の策定率はまだまだ低いという状況にあるのはたしかですので、通常学級での策定率を上げていくという取組もあわせてやっていきたいというふうに考えております。

〇日沖委員 通常学級の策定率が低いということは今お聞かせいただきましたけども、それはそれとして、進学の前後にかかわらず、情報を受け渡しするっていう、その連携というのか仕組みというものはないわけなんですか、今のところは。

〇東課長 地域別、決まったような形でのそういう場というのは設定し切れておりません。ただ、地域によっては、先ほど申し上げました中高連絡会のようなもので、特別支援に限らず、いろんな子どもの様子について引き継ぎが行われている地域もございますので、そういった先行の事例も参考にしながら、取組を幅広く周知させることができたらと考えております。

〇日沖委員 そうやってありましたよね、中間案の策定に当たって。さらにその点をしっかりと、子どもたちの将来のためにやっていっていただきますように、よろしくお願いします。

〇吉川委員長 ほかに。

                〔「なし」の声あり〕

〇吉川委員長 なければ、三重県特別支援教育推進基本計画(仮称)中間案についての調査を終わります。

  (6)県立学校及び各市町におけるいじめ防止基本方針の策定状況について

  (7)平成30年度全国高等学校総合体育大会の開催決定について

  (8)指定管理者が行う公の施設の管理状況報告について

  (9)審議会等の審議状況について

    ①当局から資料に基づき説明(長谷川次長、信田副教育長)

    ②質問      なし

  (10) その他

〇吉川委員長 最後に、これまで議論された調査項目以外で特にございましたら、御発言をお願いします。

〇中川委員 1点だけ。資料をお願いしたいんですけど。
 飲酒運転0をめざす条例ができて、教育現場で飲酒運転の根絶教育を行い始めていただいていると思うんですが、その具体的な教育実例の資料をいただければなと思うので、よろしくお願いします。

〇山口教育長 しかるべくお届けいたします。
 それと、委員長、よろしいでしょうか。
 先ほども出ましたが、杉の子特別支援学校の石薬師分校、それからあとくわな特別支援学校、9月に2回、セレモニーをさせていただきまして、教警常任委員会の委員の皆様方には、本当に出席、ありがとうございました。

〇福永次長 午前中に中川委員から御質問のありました非構造部材の耐震対策の状況の全国との比較ですけれども、平成26年4月に文部科学省が公表している数値では上から何番目にあるのかを拾ってみましたところ、小中学校が35.6%で36位、高等学校が12.1%で39位、それから特別支援学校が18.8%で41位という状況でした。ただ、この順位については、ちょっと参考程度にとどめていただきたいんですけれども。
 その理由は、まだ各県とも点検が終わっておりませんので。点検すると、対応しなければならない箇所が増えて分母が増えますもんですから、耐震対策実施率は下がるんですね。まだ耐震対策、点検をしてないのに結構高い県がありますので、その辺は下がってくるだろうと思います。現に、吊り天井なんかは、文部科学省が去年、基準を変えまして、本県も今ちょうど点検をしているところでございます。ですので、本当の意味で全国的な状況がわかっていくのはもう少し時がたってからではないかと思いますので、どうか御理解いただければと思います。よろしくお願いします。

〇吉川委員長 ほかにありませんですね。なければ、これで所管事項の調査を終了いたします。

 3 委員間討議

    ①所管事項調査に関する事項          なし

    ②執行部に処理経過の報告を求める事項  なし

 

〔閉会の宣言〕

 

三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。

教育警察常任委員長  

予算決算常任委員会教育警察分科会委員長

吉川 新

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