HTLV-1は、主に母乳を介して母子感染するとされています。
お母さんがHTLV-1に感染している場合は、授乳方法を工夫することによって、
赤ちゃんがHTLV-1に感染する可能性を低くできることが分かっています。
HTLV-1ウイルスについて
HTLV-1とは、ヒトT細胞白血病ウイルス(Human T-cell Leukemia Virus Type 1)の略称で、
血液中の白血球のひとつであるリンパ球に感染するウイルスです。
HTLV-1に感染していても、ほとんどの方は生涯病気になることはありません。
しかし、一部の方は、ATL(成人T細胞白血病)といわれる血液の病気や、
HAM(HTLV-1関連脊髄症)といわれる神経の病気などを発症する場合があります。
主な感染経路は、母子感染と性行為による感染です。
普通の日常生活で感染するものではありません。
HTLV-1抗体検査について
HTLV-1抗体検査は、妊娠30週頃までに、妊婦健診を受診した際の血液検査で行います。
この検査で陰性であれば感染はしていません。この検査で陽性となった場合は、この検査だけでは
本当に感染しているかどうか分からないので、さらに精密検査を受ける必要があります。
HTLV-1母子感染について
赤ちゃんへの主な感染経路は、HTLV-1に感染したお母さんの母乳を介した母子感染です。
母乳を3ヶ月以上与えた場合、感染率は約18%と報告されています。
したがって、母子感染を防ぐ最も有効な方法は、母乳をあげずに人工乳のみをあげることです。
(ただし、母乳をあげなかった場合でも一部の赤ちゃんに感染が起こる可能性があるとされています)
医療関係者、支援に携わる方へ
三重県におけるHTLV-1母子感染予防対策について、マニュアルを作成しています。
医療関係者や市町保健師等、支援に携わる方はぜひ下記をご参照ください。
三重県HTLV-1母子感染予防対策マニュアル
参考リンク
平成28年度厚生労働行政推進調査事業費補助金・成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業「HTLV-1 母子感染予防に関する研究:HTLV-1 抗体陽性妊婦からの出生児のコホート研究」(研究代表者:昭和大学医学部小児科学講座 板橋 家頭夫)
平成22年度厚生労働科学研究費補助金「本邦におけるHTLV-1感染及び関連疾患の実態調査と総合対策」(研究代表者 山口一成)