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情報公開・個人情報保護

三重県個人情報保護審査会 答申第4号

答申

1 審査会の結論

  1. 実施機関が、三重県個人情報保護条例第16条第1号に規定する法令秘情報を理由として、勤務評定を非開示とした決定は妥当でない。
  2. 実施機関は、本件異議申立ての対象となった処分事由説明書に係る部分開示決定を取消し、開示すべきである。

2 異議申立ての趣旨

異議申立ての趣旨は、異議申立人が平成16年6月7日付けで三重県個人情報保護条例(平成14年三重県条例第1号。以下「条例」という。)に基づき行った「請求者本人の○○年度から○○年度までの勤務評定、○○年○○月○○日の人事異動通知書及び分限処分理由書」の開示請求に対し、三重県教育委員会(以下「実施機関」という。)が平成16年6月8日付けで行った非開示決定及び部分開示決定の取消しを求めるというものである。

3 実施機関の非開示理由説明

実施機関が理由説明書及び口頭による理由説明において主張している内容は、以下のように要約される。

  1. 勤務評定を非開示とした理由
    ア 勤務評定は、三重県市町村立学校職員の勤務成績の評定に関する規則(昭和33年4月30日三重県教育委員会規則第21号。以下「教育委員会規則」という。)第8条第3項で公開しないものとすることが規定されており、条例第16条第1号(法令秘情報)に該当することから非開示とした。
    イ 非開示決定した際の非開示理由は、条例第16条第1号(法令秘情報)であるが、さらに条例第16条第7号(評価等情報)を非開示理由として追加したい。
    ウ 学校長は非公開を前提として、公正な判断に基づいたありのままの評価を記載しており、仮に勤務評定が開示されると、学校長に対する不信感や個人的不満、対立関係を生じさせる可能性がある。その結果、学校長による指導等を困難にし、職場内の信頼関係・一体感を失わせ、業務執行能力を低下させ、さらに、学校長が被評価者との関係悪化等をおそれて、本人に不利益な評価を避け、寛大な評価や一律の評価をするなど、勤務評定制度が形骸化、空洞化するおそれがあり、条例第16条第7号(評価等情報)に該当することから非開示とした。
  2. 処分事由説明書を部分開示とした理由
    処分事由説明書の非開示部分には、児童生徒の状況等の個人情報があり、氏名、住所等は記載されていないが、児童生徒名簿等の他の情報と照合することにより容易に個人を特定することができ、開示請求者から当該児童生徒等の個人情報が第三者に伝わるおそれがあるため、条例第16条第2号(開示請求者以外の個人情報)に該当することから部分開示とした。

4 異議申立ての理由

異議申立人が異議申立書、意見書及び口頭による意見陳述で主張している異議申立ての主たる理由は、以下のように要約される。

  1. 勤務評定について
    ア 実施機関は、教育委員会規則第8条第3項で非公開となっているとして、条例第16条第1号(法令秘情報)に該当すると主張するが、規則は法令等に含まれず、同号に該当しない。
    イ 実施機関は、条例第16条第1号(法令秘情報)を理由に非開示決定を行い、異議申立てが出されると、条例第16条第7号(評価等情報)を非開示理由として追加しているが、非開示理由の追加は認められない。
  2. 処分事由説明書について
    実施機関は、他の情報と照合することにより個人を特定することができる根拠として、他の情報を具体的に示していないので、非開示にすることはできない。

5 審査会の判断

当審査会は、異議申立ての対象となった個人情報並びに異議申立人及び実施機関の主張を具体的に検討した結果、以下のように判断する。

  1. 勤務評定について
    ア 本件対象個人情報について
    ○○年度以前の勤務評定は保存期間が経過し、廃棄していることから、本件異議申立てに係る対象個人情報は、請求者本人の○○年度及び○○年度の「勤務評定」である。
    イ 条例第16条第1号(法令秘情報)の該当性について
    条例第16条第1号は「法令等の定めるところにより又は実施機関が法律上従う義務を有する各大臣その他国の機関の指示により、開示することができないと認められる情報」は、非開示とすることができることを定めたものである。
     実施機関は、「勤務評定書は、公開しないものとし、・・・(略)・・・」と規定している教育委員会規則第8条第3項を根拠として、条例上の法令秘情報に該当すると判断したと主張している。
     しかしながら、個人情報の開示請求があった場合、条例では原則として開示しなければならない義務を課しているにもかかわらず、実施機関の裁量で制定される規則を理由として非開示とすることは条例の趣旨に反するものであり、「法令等の定めるところ」の「法令等」とは、法律及び政令、省令その他の命令(国の行政機関によって制定されるもの)並びに法形式としての条例であると厳格に解すべきである。
     したがって、当審査会は、実施機関が規定した規則を理由に、条例上の法令秘情報に該当するとして非開示とした実施機関の主張を認めることはできない。
    ウ 非開示理由の追加について
    実施機関は、非開示決定にあたり、条例第16条第1号(法令秘情報)に該当するとして非開示としたが、非開示理由説明書で条例第16条第7号(評価等情報)にも該当するとして、非開示理由を追加したいとしている。
     非開示理由の付記が行政手続きの一環として条例第22条第1項に規定されているにもかかわらず、異議申立ての段階で非開示理由の追加を無制限に認めると、非開示理由の付記を求めた条例の趣旨が没却され、信義に反する結果となる。したがって、異議申立人の攻撃防御の機会を実質的に奪うような理由の追加は許されないと解すべきである。
     本件異議申立ての場合、追加した理由について異議申立人に意見陳述の機会が付与されてはいるが、異議申立人が非開示理由の追加を認めていない以上、当審査会としてもこれを認めることはできない。
     したがって、当審査会は、条例第16条第7号(評価等情報)の該当性については判断しないものとする。
  2. 処分事由説明書について
    ア 本件対象個人情報について
    本件異議申立てに係る対象個人情報は、異議申立人の「処分事由説明書」のうち、児童生徒等の状況について記載された部分である。
    イ 条例第16条第2号(開示請求者以外の個人情報)の該当性について
    条例第16条第2号は「開示請求者以外の個人に関する情報であって、開示することにより、当該個人の権利利益を侵害するおそれがあるもの」は、非開示とすることができることを定めたものである。
     実施機関は、児童生徒の氏名等の記載はなくても、その当時の児童生徒名簿等と照合すれば個人が特定され、異議申立人から開示された情報が漏れるおそれがあると主張している。
     しかし、児童生徒名簿は一般人が通常入手し得る情報ではないことから、特定の個人を識別することができるとは言い難く、また、処分事由説明書は異議申立人が処分を受けた際に手渡されるものであることから、当然異議申立人が知り得る情報であるので、非開示とする理由にはならず、開示すべきである。
  3. 結論
    よって、主文のとおり答申する。

6 審査会の処理経過

当審査会の処理経過は、別紙1審査会の処理経過のとおりである。

別紙1 審査会の処理経過

年月日 処理内容
平成16年 7月 5日 ・ 諮問書の受理
平成16年 7月 7日 ・ 実施機関に対して非開示理由説明書の提出依頼
平成16年 7月20日 ・ 非開示理由説明書の受理
平成16年 7月26日 ・ 異議申立人に対して非開示理由説明書(写)の送付、意見書の提出依頼及び口頭意見陳述の希望の有無の確認
平成16年 7月29日 ・ 書面審理
・ 実施機関の補足説明
・ 審議
第15回個人情報保護審査会)
平成16年 8月10日 ・ 意見書及び口頭意見陳述申出書の受理
平成16年 8月11日 ・ 実施機関に対して意見書(写)の送付
平成16年 8月21日 ・ 異議申立人の口頭意見陳述
・ 審議
(第16回個人情報保護審査会)
平成16年 9月24日 ・ 審議
・ 答申
(第17回個人情報保護審査会)

三重県個人情報保護審査会委員

職名 氏名 役職等
会長 曽和 俊文 関西学院大学法科大学院教授
会長職務代理者 浅尾 光弘 弁護士
委員 稲葉 一将 愛知学院大学法学部講師
委員 豊島 明子 三重大学人文学部助教授
委員 松井 真理子 四日市大学総合政策学部助教授

本ページに関する問い合わせ先

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津市栄町1丁目954(栄町庁舎1階)
電話番号:059-224-2071 
ファクス番号:059-224-3039 
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