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平成21年01月20日

情報公開・個人情報保護

三重県個人情報保護審査会 答申第7号

答申

1 審査会の結論

実施機関は、本件異議申立ての対象となった個人情報のうち、審査会が非開示妥当と判断した部分を除き、開示すべきである。

2 異議申立ての趣旨

異議申立ての趣旨は、異議申立人が平成16年4月30日付けで三重県個人情報保護条例(平成14年三重県条例第1号。以下「条例」という。)に基づき行った「請求者本人の研修の結果報告(評価)、教育委員会職員分限審査委員会議事録外」の開示請求に対し、三重県教育委員会(以下「実施機関」という。)が平成16年5月13日付けで行った部分開示決定の取消しを求めるというものである。

3 実施機関の非開示理由説明

実施機関が理由説明書及び口頭による理由説明において主張している内容は、以下のように要約される。

(1) 条例第16条第5号(審議検討情報)に該当
教育委員会職員分限審査委員会(以下「分限審査委員会」という。)の議事録が開示されると、意思形成過程でなされた委員の発言内容に対して審査対象者から曲解を受け、また、不当な恨みを買う可能性があり、その結果、委員の忌憚のない意見交換がためらわれ、事実に対する厳正な審査を行う分限審査委員会の本来の意義が損なわれるおそれがある。

(2) 条例第16条第7号(評価等情報)に該当
ア 総合教育センターでの研修の結果報告(評価)について
総合教育センターでの研修の結果報告(評価)が開示されると、研修のどのようなところに主眼をおいて評価しているかということが本人に分かり、意図的な対応がなされるおそれがあること、また、今後研修を受ける者にも伝わる可能性があり、継続して行われる指導力向上支援研修制度が適正に遂行できなくなるおそれがある。
イ 学校長による所属校研修の結果報告(評価)について
学校長による所属校研修の結果報告(評価)が開示されると、学校長と被評価者との信頼関係が損なわれ、職場復帰後のサポート体制に支障をきたすおそれがある。また、学校長が職場の円滑な人間関係を願うあまり、マイナス評価をすることに抵抗を感じ、自校の教員を率直に評価した上で報告すること自体を躊躇し、継続して行われる指導力向上支援研修制度が形骸化するおそれがある。
ウ 協力企業での社会体験研修の結果報告(評価)について
協力企業での社会体験研修の結果報告(評価)が開示されると、協力企業に対して重大な説明責任を負わせることになり、その結果、評価者がマイナス評価をすることを躊躇し、さらには研修教員の受け入れ自体に消極的になるおそれがあり、指導力向上支援研修制度の重要なプログラムの実施に支障が生じるおそれがある。

4 異議申立ての理由

異議申立人が異議申立書、意見書及び口頭による意見陳述で主張している異議申立ての主たる理由は、以下のように要約される。
(1) 分限審査委員会の議事録については、分限処分が決定されている以上、意思決定の中立性、審議、検討又は協議に影響があるとは考えられない。
(2) 総合教育センターでの研修の結果報告(評価)、学校長による所属校研修の結果報告(評価)及び協力企業での社会体験研修の結果報告(評価)については、既に職を離れているので、継続的な指導、判定、評価が適正に遂行できなくなるおそれがあるとは考えられない。結果報告(評価)を開示することにより、曖昧な評価を排除することができ、今後の評価の客観性、共通認識、基準が明確となり、評価の質の向上につながる。
(3) 協力企業の社会体験研修の結果報告については、評価者がその評価に対する説明責任を問われることは当然である。

5 審査会の判断

当審査会は、異議申立ての対象となった個人情報並びに異議申立人及び実施機関の主張を具体的に検討した結果、以下のように判断する。

(1) 本件対象個人情報について
本件異議申立てに係る対象個人情報は、以下のものである。
ア 「教育委員会職員分限審査委員会議事録」のうち、「議事」に記載された部分(以下「対象個人情報①」という。)
イ 研修分野総括マネージャーから教育長に報告された「指導力不足等教員の校外指導力向上支援研修の結果報告について(報告)」のうち、別紙の「4 研修の実施結果」の「(1) 当該教員の課題」及び「(4) 成果等(意欲・態度・理解度等)」、「5 対象教員の変容」、「6 指導者所見」並びに「7 総括マネージャー総合所見」に記載された部分(以下「対象個人情報②」という。)
ウ 「学校長による所属校研修の評価」のうち、「3 評価」の「評価」及び「所見欄」に記載された部分(以下「対象個人情報③」という。)
エ 「社会体験研修報告書(研修機関用)」のうち、「研修状況」及び「総評」に記載された部分(以下「対象個人情報④」という。)

(2) 条例第16条第5号(審議検討情報)の該当性について
 条例第16条第5号は「県、国及び県以外の地方公共団体の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、開示することにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれその他当該審議、検討又は協議に著しい支障が生じるおそれがあるもの」は、非開示とすることができることを定めたものである。
ア 対象個人情報①について
実施機関は、分限審査委員会の議事録を開示すると、意思形成過程でなされた委員の発言内容に対して審査対象者から曲解を受け、また、不当な恨みを買う可能性があり、その結果、委員の忌憚のない意見交換がためらわれ、事実に対する厳正な審査を行う分限審査委員会の本来の意義が損なわれるおそれがあると主張している。
 確かに異議申立人に係る審査は既に終了しているが、今後も同様の審査が行われるわけであり、分限審査委員会終了後に議事録が全て開示されることとなると、委員の率直な意見交換がためらわれ、事実に対する厳正な審査を行う分限審査委員会の本来の意義が損なわれるおそれがあるという実施機関の主張も理解できる。
 当審査会としても委員による率直な意見交換は保護すべきであると考えるが、当該議事録は処分内容等の概要を取りまとめただけのものであり、誰がどのような発言をしたのかも分からず、当該議事録を開示したとしても、委員による率直な意見交換、意思決定の中立性が不当に損なわれるとは認められず、開示すべきである。

(3) 条例第16条第7号(評価等情報)の該当性について
 条例第16条第7号は「個人の指導、診断、判定、評価等に関する情報であって、開示することにより、当該事務の適正な遂行を著しく困難にすると認められるもの」は、非開示とすることができることを定めたものである。
ア 対象個人情報2について
実施機関は、総合教育センターでの研修の結果報告(評価)が開示されると、研修のどのようなところに主眼をおいて評価しているかということが本人に分かり、意図的な対応がなされるおそれがあること、また、今後研修を受ける者にも伝わる可能性があり、継続して行われる指導力向上支援研修制度が適正に遂行できなくなるおそれがあると主張している。
 しかしながら、当該結果報告(評価)は、指導力向上支援研修でのそれぞれの研修を総括的に評価し、実施結果として研修分野総括マネージャーから教育長に報告されたものであり、個々の研修指導者の異議申立人に対する評価を記載しているものではないこと、また、それぞれの研修のどのようなところに着目して評価しているかということが分かったとしても、研修内容そのものが評価の対象となることは当然想定されるところであり、これをもって指導力向上支援研修制度が適正に遂行できなくなるおそれがあると認めることはできない。
 したがって、当該結果報告(評価)を開示することにより指導力向上支援研修制度の適正な遂行に著しい支障があるとは認められず、開示することが妥当である。
イ 対象個人情報3について
実施機関は、学校長による所属校研修の結果報告(評価)を開示すると、学校長と被評価者との信頼関係が損なわれ、職場復帰後のサポート体制に支障をきたすおそれがあり、また、学校長が職場の円滑な人間関係を願うあまりマイナス評価を行うことを避けるなど、今後の継続的な指導、診断、判定、評価等が適正に遂行できなくなるおそれがあると主張している。
 当審査会としては、開示を前提とするか否かを問わず、学校長は、客観的かつ公正な視点に立って評価する責務があり、一方、学校長がありのままを率直に評価できることを保障する必要があると考える。
 当該結果報告(評価)を開示することになると、実施機関が主張するように、本人が評価に不満がある場合には学校長との対立が生じ、学校長による指導等をさらに困難にし、職場内での信頼関係・一体性を失わせ、学校長の業務執行能力を低下させるおそれがあり、また、学校長が率直な評価をためらい、今後継続して行われる指導力向上支援研修制度が形骸化するおそれがあると認められるので、実施機関の決定は妥当である。
ウ 対象個人情報4について
協力企業における社会体験研修は、研修教員の社会性の向上、基本的なマナーの育成及びコミュニケーション能力の育成を目的とするものであり、協力企業の理解なくして実現できないものであると認められる。
 異議申立人は、協力企業の評価者が、その評価に対する説明責任を問われることは当然であると主張するが、社会体験研修の研修報告(評価)を開示することになると、協力企業の評価者が率直な評価をすることをためらい、さらには研修教員の受け入れ自体に消極的になるおそれがあり、結果として指導力向上支援研修制度の重要なプログラムである社会体験研修の実施を著しく困難にするおそれがあることは否定できず、実施機関が非開示とした部分については非開示が妥当である。

(4) 結論
よって、主文のとおり答申する。

6 審査会の処理経過

当審査会の処理経過は、別紙1審査会の処理経過のとおりである。

別紙1 審査会の処理経過

年月日 処理内容
平成16年 5月20日 ・ 諮問書の受理
平成16年 5月24日 ・ 実施機関に対して非開示理由説明書の提出依頼
平成16年 6月 4日 ・ 非開示理由説明書の受理
・ 異議申立人に対して非開示理由説明書(写)の送付、意見書の提出依頼及び口頭意見陳述の希望の有無の確認
平成16年 6月22日 ・ 意見書及び口頭意見陳述申出書の受理
・ 実施機関に対して意見書(写)の送付
平成16年 6月28日 ・ 書面審理
・ 実施機関の補足説明
・ 異議申立人の口頭意見陳述
・ 審議
(第14回個人情報保護審査会)
平成16年 7月29日 ・ 審議
(第15回個人情報保護審査会)
平成16年 8月21日 ・ 審議
(第16回個人情報保護審査会)
平成16年 9月24日 ・ 審議
(第17回個人情報保護審査会)
平成16年11月1日 ・ 審議
・ 答申
(第18回個人情報保護審査会)

三重県個人情報保護審査会委員

職名 氏名 役職等
会長 曽和 俊文 関西学院大学法科大学院教授
会長職務代理者 浅尾 光弘 弁護士
委員 稲葉 一将 愛知学院大学法学部講師
委員 豊島 明子 三重大学人文学部助教授
委員 松井 真理子 四日市大学総合政策学部助教授

本ページに関する問い合わせ先

三重県 総務部 情報公開課 情報公開班 〒514-0004 
津市栄町1丁目954(栄町庁舎1階)
電話番号:059-224-2071 
ファクス番号:059-224-3039 
メールアドレス:koukai@pref.mie.lg.jp

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