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平成25年06月01日

情報公開・個人情報保護

三重県情報公開審査会 答申第17号

答申

1 審査会の結論

 「別紙公文書目録記載の公文書」について、実施機関が部分開示決定により非開示とした部分のうち、各申請書類の鑑に記載されている「施設の規模又は能力」欄等の施設全体の処理能力を示す数値部分については開示すべきであるが、その余の部分について実施機関が非開示とした決定は妥当である。

2 異議申立ての趣旨

 異議申立ての趣旨は、異議申立人(以下「申立人」という。)が平成5年11月5日付けで三重県情報公開条例(昭和62年三重県条例第34号。以下「条例」という。)に基づき行った「別紙公文書目録記載の公文書」(以下「本件対象公文書」という。)の開示請求に対して、三重県知事(以下「実施機関」という。)が平成5年11月19日付けで行った部分開示決定処分の取消しを求めるというものである。

3 実施機関の部分開示理由説明要旨

 実施機関の主張を総合すると、次の理由により、本件対象公文書を部分開示にしたというものである。

(1) 産業廃棄物処理施設設置に係る手続きについて

 処理事業者が産業廃棄物処理施設を設置しようとする場合、三重県では廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃掃法」という。)に基づく手続きに先立ち、廃掃法との適合性、関係地域住民等との合意形成を確認するため、事業者の任意の協力のもと、三重県産業廃棄物処理指導要綱(以下「要綱」という。)に基づき、産業廃棄物処理事業計画書を提出させ、その手続きが終了した後、施設の種類ごとに産業廃棄物処理施設設置許可申請書を提出させている。
 また、処理事業者がその施設の構造等を変更しようとする場合は、廃掃法に基づく手続きに先立ち、要綱に基づき産業廃棄物事前協議書を提出させ、その手続きが終了した後、施設の種類ごとに産業廃棄物処理施設変更許可申請書を提出させている。
 ただし、廃掃法の改正(平成4年7月)以前には、処理事業者が産業廃棄物処理施設を設置しようとする場合は産業廃棄物処理施設設置届出書を、また、その施設の構造等を変更しようとする場合は産業廃棄物処理施設の構造又は規模の変更届出書をそれぞれ提出させていた。

(2) 本件対象公文書は○○○○(有)(以下「事業者」という。)の許可申請に関わる書類一式であり(別紙参照)、事業者に関わる許可内容は、中間処理施設( 破砕、焼却、乾燥)の設置許可である。

(3) 条例第8条第1号(個人情報)の該当性について

 個人の氏名・住所・印影等は、個人に関する情報であって、特定の個人が識別され、又は識別され得るため、条例第8条第1号に該当する。
 これら非開示とした情報はあくまでも個人等の私的な情報であり、同号ただし書イ、ロ、ハのいずれにも該当しない。

(4) 条例第8条第2号(法人情報)の該当性について

 産業廃棄物の取扱量、取引先の名称及び処理施設の仕様、能力、構造等の部分は、法人又は事業を営む個人(以下「法人等」という。)の生産、技術、営業等に関する情報であって、開示することにより、当該法人等の競争上の地位その他正当な利益を害すると認められる。
 また、同意署名一覧表に記載されている法人等の名称、所在地及び印影は、法人等に関する情報であって、開示することにより当該法人等の正当な利益を害すると認められるため、条例第8条第2号に該当する。
 しかも、本件対象公文書は、事業者が処理施設設置の許可を得るために実施機関に提出したものであり、そこに記載されている情報自体は申立人が問題としている事業者が不正又は不誠実な行為をするおそれがある情報ではないことから、同号ただし書イ、ロ、ハのいずれにも該当しない。

(5) 条例第8条第5号(行政運営情報)の該当性について

 別紙公文書目録記載の「(平成3年度)産業廃棄物処理事業計画書」に添付されている同意署名一覧表は、要綱に基づき事業者の任意の協力により実施機関に提出されたものであり、特に同意については、事業者と関係地域住民あるいは関係団体が個々の信頼関係に基づき個々の自由意思のもとで行ったものであり、非公開を前提に署名、押印を行っている。
 したがって、それらに記載されている同意者名及び同意団体の名称・所在地等(以下「同意等」という。)は、開示すると事業者と同意者、事業者と行政、同意者と行政との間の信頼関係が損なわれることが十分予想されるところである。
 その結果、事業者が要綱に対し不服従の態度を示したり、又はそれを無視したり、一方においては関係地域住民あるいは関係団体においても同意行為への非協力的な態度をとるなど要綱の円滑な運用が困難となり、産業廃棄物の適正な処理処分・再生利用・減量化の促進のための産業廃棄物処理施設の設置にも重大な影響が生じ、県下の産業活動にも重大な支障を生じることとなる。
 このことは、今後、三重県の産業廃棄物行政の適正な執行に著しい支障を生じることとなるため、条例第8条第5号に該当する。

4 異議申立ての理由

 申立人が、異議申立書及び口頭による意見陳述で主張している異議申立ての主たる理由は、次のように要約される。

 当該産業廃棄物処理場の計画に関しては次の4点が問題である。まず第一に、計画地の近隣には、学校や養護老人ホーム等の公共施設が多くあり、処理場の立地には適さない場所である。第二に、計画書上は廃棄物を分別して搬入することになっているが、実際は混在状態で搬入されている。第三に、地元住民の合意が不十分であり、事業者の地元住民への説明も十分ではない。また、同意をとる範囲を広げるべきである。第四に、当該事業者はその業務を遂行することにおいて、不正又は不誠実な行為をするおそれがある。
 申立人が一番知りたいのは、処理能力である。不適正処理を監視するためにも処理能力の情報が必要であり、住民に公開されるべき情報でもある。事業者は処理機械をメーカーから購入しており、そのメーカーはカタログ等で処理能力を公表し宣伝していることから、秘匿するに値しない情報である。

5 審査会の判断

(1) 本件対象公文書の内容について

 本件対象公文書は、前述の3(1)のとおりそれぞれ事業者から実施機関に対して提出されたものであることが認められる。
 また、当審査会が本件対象公文書を精査したところ、公文書の内容はかなりの部分で共通していることが認められるため、非開示とした部分を理由別に列挙する。 条例第8条第1号を理由に非開示とした情報は、経歴書、従業員名簿及び同意署名一覧表に記載されている個人の氏名、住所、印影等である。
 次に、条例第8条第2号を理由に非開示とした情報は、産業廃棄物処理施設設置届出書等に記載されている施設の処理能力、取扱い予定の産業廃棄物の種類等に記載されている平均取扱量、契約事業者名簿に記載されている事業所の所在地・名称・電話番号・1か月当たりの平均取扱量、中間処理施設事業計画に記載されている搬入車両台数・型式名・能力、焼却炉排ガス処理フロー、破砕設備フローシート、破砕施設の構造図、同意署名一覧表に記載されている法人等の名称、所在地及び印影等である。
 最後に、条例第8条第5号を理由に非開示とした情報は、同意署名一覧表に記載されている個人の住所、氏名及び印影並びに法人等の名称、所在地及び印影である。

(2) 基本的な考え方について

 条例の制定目的は、県民の公文書の開示を求める権利を保証するとともに県民の県政に対する理解と信頼を深め、開かれた県政を一層推進するというものである。条例は、原則公開を理念としているが、公文書を開示することにより、請求者以外の者の権利利益が侵害されたり、行政の公正かつ適正な執行が損なわれるなど県民全体の利益を害することのないよう、原則公開の例外として限定列挙した非開示規定を定めている。
 当審査会は、情報公開の理念を尊重し、条例を厳正に解釈して、以下について判断する。

(3) 本件審査の中心争点について

 当審査会は、事業者の事業活動及びそこから生じている問題全般について、現実に則して実質的に審査する場ではなく、実施機関の行った本件対象公文書に係る部分開示決定処分が処分時において妥当であったか否かを審査する場である。したがって、当審査会は本件対象公文書について、条例第8条第1号、第2号及び第5号の該当性の有無をそれぞれ順次判断するものとする。

(4) 条例第8条第1号(個人情報)の該当性の有無について

 本号は、基本的人権を尊重する立場から、個人のプライバシーは最大限保護する必要があること、また、個人のプライバシーの概念は法的に未成熟でもあり、その範囲も個人によって異なり、類型化することが困難であることから、個人に関する情報であって特定の個人が識別される情報は、原則として非開示とすることができる旨を定めたものである。
 本件対象公文書に記載されている個人の氏名等は、個人に関する情報であって、特定の個人が識別され、又は識別され得る情報であることは明らかである。
 ところで、申立人はこれらの部分については明確に意見を述べていないが、口頭意見陳述の中で、同一の筆跡や活字で記載されている同意署名は本人が記入したものではないから個人情報には該当しないと主張しているため、当審査会で当該同意署名一覧表を精査したところ、一部同一筆跡と認められるものがあったが、たとえ同一の筆跡や活字で記載されていたとしても特定の個人が識別され得る情報であることにはかわりがなく、条例上非公開にできる個人識別情報といえる。もっとも、申立人は、個人情報であっても、同号ただし書に該当して公開すべきと主張しているので、次に、同号ただし書の該当性の有無について判断する。

 同号ただし書は、「イ 法令の規定により、何人でも閲覧できるとされている情報」、「ロ 公表を目的として作成し、又は取得した情報」、「ハ 法令又は条例の規定に基づく許可、免許、届出等に際して作成し、又は取得した情報であって、公益上開示することが必要であると認められる情報」については、同号本文に該当する場合であっても開示することができると定めている。

 申立人の主張が、ただし書イ、ロ、ハの何れを指しているのかは必ずしも明確ではないが、実施機関が非開示とした部分には、ただし書イ、ロに該当して開示をすべき情報は認められなかったことから、ただし書ハについて検討する。

 同号ただし書ハで規定する情報は、情報それ自体に公益性を有することが認められるものと解されるところであるが、本件対象公文書中、個人の氏名等は純粋に個人の私的な情報であり、直接には人の生命、身体、健康に係る情報ではない。また、それが公にされること自体に公益性があるとは認められないことから、同号ただし書ハに該当しないことは明らかである。

 以上により、実施機関が条例第8条第1号を適用し、本件対象公文書中、個人の氏名等を非開示にしたことは妥当である。

(5) 条例第8条第2号(法人情報)の該当性の有無について

 本号は、自由経済社会においては、法人等の健全で適正な事業活動の自由を保障する必要があることから、事業活動に係る情報で、開示することにより、当該法人等の競争上の地位その他正当な利益が害されると認められるものが記録されている公文書は、非開示とすることができることを定めたものである。
 競争上の地位その他正当な利益が害されると認められる情報とは、例えば生産、技術、販売、営業上のノウハウに関する情報、経理、人事等の内部管理に関する情報のほか、開示することにより、法人等の社会的評価、社会活動の自由等が損なわれると認められる情報をいう。
 ところで、本件対象公文書に記載されている産業廃棄物の取扱量等は、法人等の事業活動に係る情報であることは明らかであることから、これらを開示することにより、当該法人等の競争上の地位その他正当な利益を害すると認められるか否かについて判断する。

ア 処理能力を除く事業活動情報について
 実施機関が本号に該当するとして非開示にした情報は、排出事業所の名称等当該事業に係る取引の相手方に関するもの、産業廃棄物の平均取扱量、処理施設の処理能力及び処理工程フロー図等企業経営に関するもの、従業員数等内部管理に関するものであるが、これらのうち処理施設の処理能力を除くその余の情報については、事業者が本来秘匿されるべきことを期待する事業取引内容あるいは事業内部情報であって、それらを開示すると、法人等の競争上の地位その他正当な利益を害すると認められる。もっとも、申立人はこれらの情報も事業者の操業実態を監視し、地域住民の健康を守るためには必要な情報であるため、非開示は違法であると主張していることから、以下で同号ただし書の該当性について判断する。

 同号ただし書は、「イ 事業活動によって生じ、又は生ずるおそれのある危害から人の生命、身体及び健康を保護するため、開示することが必要であると認められる情報」、「ロ 違法又は著しく不当な事業活動によって生じ、又は生ずるおそれのある支障から県民の生活を保護するため、開示することが必要であると認められる情報」、「ハ イ又はロに掲げる情報に準ずる情報であって、公益上開示することが必要であると認められるもの」が記録されている公文書は、本号本文に該当する場合であっても開示することができると定めている。

 ところで、ただし書に該当する情報というためには、情報それ自体に人の生命、身体及び健康等を保護するため開示する必要性が認められなければならないと解されるが、本件対象公文書に記載されている法人等に関する情報にはその必要性が認められないことから、同号ただし書に該当しないことは明らかである。

イ 処理能力に関する情報について
 次に、処理能力に関する情報について検討する。
 申立人は、処理機械は、事業者が自社開発したものではなく、機械メーカーから購入しているところから、機械製造ノウハウが存在することは無く、また、メーカーは販売促進のためのカタログ等で処理能力を公表し宣伝しているので、秘匿するに値しない情報であり、さらに、処理能力を求めているのは、処理能力以上の廃棄物を引き受けているのではないかという疑念があるからと主張しているため、以下で同号の該当性について判断する。

 本件対象公文書に記載されている処理能力は次の二種類に分別される。一つは、当該事業者が設置する処理機械の処理能力であり、もう一つは排出事業者との処理契約書の中に記載されている契約処理能力であり、具体的には事業者間の契約処理量といえる。後者の契約処理量は事業者間で任意に取り決められた契約内容であり、私的取引の実態を示す事業活動情報であることは明らかであることから、開示すると、法人等の競争上の地位、その他正当な利益を害すると認められる。
 次に、処理機械の処理能力について判断する。
 実施機関は、第一に、処理機械の能力の決定は企業にとって事業の採算性、設備投資額の妥当性等重要な意思決定の要素となっており、その情報は最高機密に属すると考えられる。第二に、同業他社が当該情報を容易に入手可能となると当該事業者が極めて不利な立場となる。第三に、カタログ等でメーカー側が営業目的で広く頒布していることは多く見受けられるが、許可申請書に添付し、行政庁へ提出した時点で、その事業者が数多くある機種の中からその機種を選択したこと自体が、その機種の処理能力を含め、法人の営業上の情報として、保護されるべきものであると主張している。
 そこで、当審査会は処理機械の処理能力及び機種選定に関わる情報を開示した場合、当該事業者の競争上の地位、その他正当な利益を害すると認められるか否かについて判断する。
 先ず、事業者が一定の処理機械の採用を決定をしたとの情報であるが、もともと我が国の自由経済社会においては、自由な競争が原理原則であり、同業他社の経営情報を収集し、企業活動を営んでいくことは広く見られるところであるが、しかし、本件で問題となっている採用機種を決定した情報は幾多ある機種の中から特定の型式を選定したという企業の経営戦略を表す内部情報であることから、その情報を開示すると法人等の競争上の地位、その他正当な利益を害するとする主張は、一応是認できるところである。他方では、処理機械の処理能力を示す情報は、公共的性格の強い廃棄物処理場の全体規模、能力を示すものであって、許可制の下で運用される公共的活動の規模自体は、公開の要請が強い情報といえる。処理能力を非公開にすることによって保護される事業者の利益と公開することによって地域住民の事業者や行政に対する不信を払拭することの利益との比較衡量はにわかに判断し難いところであるが、当県では、平成7年3月15日に環境基本条例が制定されるなど、環境に関する必要な情報の提供を進めるべく努めている近年の状況から考えると実施機関の主張はにわかに認め難いと考える。したがって、事前協議書、事業計画書、申請書及び届出書の鑑部分の施設の規模又は能力の欄等に記載されている数値は条例第8条第2号に該当せず開示すべきものと判断する。
 なお、過去においては同種の情報である処理能力を非開示相当としてきた経緯があるが、環境保全に関する新たな理念や手段を示す環境基本法が制定され、また、当県においても環境基本条例が制定されており、同条例第19条(情報の提供)では環境の状況その他の環境の保全に関する必要な情報を適切に提供するよう努めると規定しているなど、環境に対する行政及び国民、地域住民の意識は高まりをみせており、近県においても、環境に関わる行政の情報は従前にも増してかなりの範囲まで住民に多くの情報が提供される状況下になっていることなどを背景に審議を行い、上記の結論に至ったものである。

(6) 条例第8条第5号(行政運営情報)の該当性の有無について

 本号は、事務事業の内容及び性質からみて、開示をすることにより当該事務事業の目的を失い、又は公正若しくは適正な執行ができなくなるおそれのある情報は非開示とすることを定めたものである。
 また、反復的又は継続的な事務事業については、当該事務事業執行後であっても、当該情報を開示することにより、将来の同種の事務事業の目的が達成できなくなるもの又は将来の同種の事務事業の公正若しくは適正な執行に著しい支障を及ぼすものがあるので、これらに係る情報が記録されている公文書も非開示とすることとするものである。

 ところで、実施機関は、別紙公文書目録記載の(5)産業廃棄物処理事業計画書の公文書は、要綱に基づき事業者の任意の協力により提出されたものであり、特に同意等については、事業者と関係地域住民あるいは関係団体が個々の信頼関係に基づき個々の自由意思のもとで行ったものであり、非公開を前提に署名、押印を行っていることから、それらに記載されている同意者名及び同意団体の名称等は開示すると、事業者と同意者、事業者と行政、同意者と行政との間の信頼関係が損なわれ、このため、今後、要綱の円滑な運用が困難となり、その結果、将来の産業廃棄物行政の公正又は適正な執行に著しい支障が生ずると主張しているのに対し、申立人は要綱で同意を要する範囲を半径500m以内としているが、知事が特に必要と認めた場合は、その範囲を変更できるとしており、今回の場合は範囲を広げるべきであると主張している。
 そこで、同意者名及び同意団体の名称等を開示した場合、将来の産業廃棄物行政の適正な執行に著しい支障を生ずるおそれがあるか否かについて判断する。

 実施機関は産業廃棄物行政の一環として、独自に要綱を制定し、それに基づく事前協議の中で関係地域住民との合意形成を図ることを廃棄物業者に対し求めているが、その趣旨はできるだけ事後の紛争を少なくし、産業廃棄物の適正な処理施設の確保及び適正な処理処分の推進を図ることにあることが認められる。

 ところで、事業者は、その同意等を取得するに際して、目的外に同意者名を公開しないことを前提に取得していることが認められ、かつ、そのような方法で取得することが一般的であり、また、同意者も非公開を期待していることが十分予想されるところであること、さらに、その同意等を取得するか否かは廃棄物業者の理解と協力のもとに成り立っていることを考え合わせると、同意者名及び同意団体の名称等の開示により、事業者もしくは廃棄物業者、同意者及び行政相互間の信頼関係が損なわれることは十分予想されるところであり、その結果、要綱の円滑な運用が困難となり、ひいては将来の産業廃棄物行政の適正な執行に著しい支障を生ずるおそれがあると認められる。
 一方、申立人が主張する同意の範囲の変更及び、詳細な説明のない状況下での同意であるため、真の同意を反映したものではないとする点については、当審査会の判断にはなじまないものと考える。

 以上により、実施機関が条例第8条第5号を適用し、本件対象公文書中、同意者名及び同意団体の名称等を非開示にしたことは妥当である。

(7) 結論

 総合して判断すると、本件対象公文書の内、各申請書類の鑑に記載されている「施設の規模又は能力」欄等の施設全体の処理能力を示す数値部分は開示すべきであるが、その余の部分についての実施機関が行った部分開示決定処分は妥当である。

6 審査会の処理経過

 当審査会の処理経過は、別紙審査会の処理経過のとおりである。


別紙

公文書目録

1 ○○○○(有)に係る

  1. (平成4年度)産業廃棄物事前協議書
  2. (平成4年度)産業廃棄物処理施設変更許可申請書(焼却施設)
  3. (平成4年度)産業廃棄物処理施設変更許可申請書(乾燥施設)
  4. (平成4年度)産業廃棄物処理施設変更許可申請書(破砕施設)
  5. (平成3年度)産業廃棄物処理事業計画書
  6. (平成3年度)産業廃棄物処理施設設置届出書(焼却施設)
  7. (平成3年度)産業廃棄物処理施設設置届出書(乾燥施設)
  8. (平成3年度)産業廃棄物処理施設設置届出書(破砕施設)

別紙

審査会の処理経過

年月日 処理内容
6. 1.17 ・諮問書受理
6. 1.24 ・実施機関に対して部分開示理由説明書の提出依頼
6. 4.22 ・部分開示理由説明書受理
6. 5.23 ・異議申立人に対して部分開示理由説明書(写)の送付、
意見書提出依頼及び口頭意見陳述の希望の有無の確認
7. 2.23 ・書面審理                  (第45回審査会)
7. 3.17 ・口頭意見陳述申出書受理
7. 3.20 ・実施機関からの部分開示理由説明の聴取及び審議(第46回審査会)
7. 6. 8 ・実施機関からの部分開示理由説明の再聴取及び審議
・異議申立人からの口頭意見陳述の聴取、参考人からの意見聴取及び審議
                       (第47回審査会)
7. 7.13 ・審議                    (第48回審査会)
7. 8.22 ・答申

本ページに関する問い合わせ先

三重県 総務部 情報公開課 情報公開班 〒514-0004 
津市栄町1丁目954(栄町庁舎1階)
電話番号:059-224-2071 
ファクス番号:059-224-3039 
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