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平成22年04月15日

情報公開・個人情報保護

三重県個人情報保護審査会 答申第64号

答申

1 審査会の結論

  実施機関が行った非訂正決定は妥当である。

2 異議申立ての趣旨

 異議申立ての趣旨は、異議申立人が平成17年12月23日及び平成18年1月7日付けで三重県個人情報保護条例(平成14年三重県条例第1号。以下「条例」という。)に基づき行った「教育委員会定例会会議録や特定の裁判に関して裁判所に提出した書面等」の訂正請求に対し、三重県教育委員会(以下「実施機関」という。)が平成18年1月23日及び平成18年5月8日付けで行った非訂正決定の取消しを求めるというものである。

  3 異議申立人の主張

 (1) 異議申立人が訂正請求書、異議申立書及び意見書において主張している訂正を求める箇所及び訂正請求の内容は、以下のとおり要約される。

 ア 訂正を求める箇所

 平成○年○月○日教育委員会定例会会議録第○号議案4ページ26行目から5ページ1行目の「この強盗と言っておりますのが、平成○年に職員会議をですね、自分のポケットの中へですね、録音テープを入れておりましてそれを録音して、分かりましたので、当時の校長はですね、それを出しなさいと言ったところが出さないと言ってですね、逃げましたので、それを校長がですね、止めました。それは強盗だと称しててですね、これも告発したりですね、あるいは慰謝料請求訴訟をですね、その時の暴力がもとで自分が怪我をしたという理屈で、慰謝料請求訴訟を出しているところでございます。このような状態でございますので、校長としてもですね、再三にわたり色んな形で指導したり或いは職務命令を出しておるわけでございますけれども、一向に改める気配がございません。」との記述及び同会議録第○号議案5ページ12行目から13行目の「教員としてのですね、適格性を欠くとこういう状態が続いております。」との記述。

 イ 訂正請求の内容

 まず、会議を録音することに違法性は全くない。また、異議申立人が校長から録音を止められた事実は全くない。平成○年○月○日の事件について異議申立人は校長らを告発した。この事件にて異議申立人は重症を負った。このことについては事件当日からの診断書が存在し、また医師の証言もある。校長らの行為が強盗であることは、警察が立件し書類送検したこと、検察庁が起訴猶予としたことをみれば明らかである。したがって、異議申立人の告発は「教員としての適格性を欠く」行為ではない。ところが、アの記述は、「校長がですね、止めました。それは強盗だと称しててですね、これも告発したりですね、」などと校長らの暴力的な行為については全く触れず、「あるいは慰謝料請求訴訟をですね、その時の暴力がもとで自分が怪我をしたという理屈で、慰謝料請求訴訟を出しているところでございます。」とあたかも異議申立人が不当な告発や裁判を起こしているように記述している。校長らの行為により重症を負い、身体障害を負った異議申立人が損害賠償請求訴訟を起こすことは「教員としての適格性を欠く」行為ではなく、告発も提訴も全く正当な行為である。以上により、アに記された内容は事実ではなく、訂正されなければならない。

 (2) 異議申立人が異議申立書及び意見書において主張している内容は、以下のように要約される。

  実施機関が「総合的に評価・判断したのであるから誤りはない。」と非訂正決定をした記述は、訂正請求書で述べたように明らかに事実でないのであるから、当然、「総合的に評価・判断」しても事実でないことは明らかである。実施機関は(1)アの記述は評価、判断であるから訂正できないと言っている。また、これは事実の有無であり、評価判断などではない。実施機関が、「事件がなかった」と主張する根拠は校長の異議申立人に関する報告のみであると情報開示しているが、公益通報者保護法において、利益相反者の通報の処理の関与を禁じており、校長はそれに当たる。加害者である校長が真実を述べるとは到底考えられない。そのような者の弁を一方的に採用している実施機関には、自浄能力の欠如が感じられる。さらに、検察庁は校長と教頭を起訴猶予とし、「犯罪の嫌疑が十分で、かつ訴訟条件を備えている」ことを認めているのである。すなわち、公正な第三者機関により事件があったことは認められたわけである。それを実施機関は「事件はなかった」と言い続けているのであり、ここでも実施機関の自浄能力の欠如が示されている。また、(1)アの記述の妥当性について法廷でないと明らかにしないというところにも実施機関の情報隠蔽体質が感じられる。

4 実施機関の主張

   実施機関が非訂正決定通知書、理由説明書及び口頭による理由説明において主張している内容は、以下のように要約される。

 異議申立ての対象となった議事録の発言内容については、資料や口頭での報告等に基づき、実施機関及び人材政策チームとして総合的に判断したものであり、誤りはなく、また内容は、個人に対する評価、判断等であるため、個人情報の訂正請求の対象ではないとして、非訂正の決定をした。

 5 審査会の判断

(1) 個人情報の訂正請求権について

 条例第30条は、「何人も、条例第26条第1項又は第27条第3項の規定により開示を受けた保有個人情報に事実の誤りがあると認めるときは、当該保有個人情報を保有する実施機関に対し、その訂正(追加及び削除を含む。)を請求することができる。」旨を規定し、実施機関から開示を受けた自己に関する保有個人情報に事実の誤りがあると認めるときは、その訂正を請求することを権利として認めている。

 「事実の誤り」とは、氏名、住所、年齢、職歴、資格等の客観的な正誤の判定になじむ事項に誤りがあることをいう。したがって、個人に対する評価、判断等のように客観的な正誤の判定になじまない事項については、訂正請求の対象とすることはできないため、評価等に関する個人情報の訂正請求については、訂正を拒否することになる。

(2) 訂正請求の手続きについて

    条例第31条第1項は、「訂正請求をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した請求書を実施機関に提出しなければならない。」と規定し、同項第5号に「訂正請求の内容」をあげ、当該事項を訂正請求書に記載すべき事項と定めている。「訂正請求の内容」とは、訂正が必要な箇所及び訂正すべき内容をいう。また、同条第2項は、「訂正請求をしようとする者は、実施機関に対し、当該訂正請求の内容が事実と合致することを証明する書類等を提示しなければならない。」と規定している。

(3) 個人情報の訂正義務について

 条例第32条は、「実施機関は、訂正請求があった場合において、必要な調査を行い、当該訂正請求の内容が事実と合致することが判明したときは、当該訂正請求に係る保有個人情報が次の各号のいずれかに該当するときを除き、当該保有個人情報を訂正しなければならない。」と規定し、同条第1号で「法令等の定めるところにより訂正をすることができないとされているとき」、同条第2号で「実施機関に訂正の権限がないとき」、同条第3号で「その他訂正しないことについて正当な理由があるとき」と定めている。

 (4) 本件対象保有個人情報について

 本件対象保有個人情報は、平成○年○月○日教育委員会定例会会議録第○号議案の記述である。

(5) 保有個人情報の非訂正の妥当性について

 (1)で述べたとおり、保有個人情報の訂正請求権は客観的な正誤の判定になじむ事項の誤りについて認められるものであって、個人に対する評価、判断等のように客観的な正誤の判定になじまない事項については訂正請求の対象とすることはできないものである。ただし、一見評価に関する事項であると思われる場合であっても、事実に関する情報が含まれる場合があるので、十分精査した上で判断する必要がある。

異議申立人は、実施機関が「事件はなかった。」と主張する根拠は、加害者である校長の報告のみであり、公益通報者保護法において、利益相反者の通報の処理の関与を禁じており、それに当たる校長が真実を述べるとは到底考えられず、当該記述は事実ではないと主張する。さらに、校長の行為が強盗であることは警察が立件し書類送検したこと、検察庁が起訴猶予としたことをみれば明らかであるのに、あたかも異議申立人が不当な告発や裁判を行ったかのような記述であり、これは事実でないので訂正されなければならないと主張する。

 しかしながら、「この強盗と言っておりますのが、平成○年に職員会議をですね、自分のポケットの中へですね、録音テープを入れておりましてそれを録音して、分かりましたので、当時の校長はですね、それを出しなさいと言ったところが出さないと言ってですね、逃げましたので、それを校長がですね、止めました。それは強盗だと称しててですね、これも告発したりですね、あるいは慰謝料請求訴訟をですね、その時の暴力がもとで自分が怪我をしたという理屈で、慰謝料請求訴訟を出しているところでございます。このような状態でございますので、校長としてもですね、再三にわたり色んな形で指導したり或いは職務命令を出しておるわけでございますけれども、一向に改める気配がございません。」との記述及び「教員としてのですね、適格性を欠くとこういう状態が続いております。」との記述は実施機関が主張するように、校長の行為や異議申立人の行為及び適格性に対する実施機関らの評価であり、客観的な正誤の判定になじむものではなく、訂正請求の対象とならないものと認められる。

 (6) 結論

   よって、主文のとおり答申する。

6 審査会の処理経過

  当審査会の処理経過は、別紙1審査会の処理経過のとおりである。

 

別紙1

審査会の処理経過

 

 

年 月 日

 

処理内容

 

平成18年  10月13日

 

・ 諮問書の受理

 

 

平成18年  10月19日

 

・ 実施機関に対して理由説明書の提出依頼

 

 

 平成18年    10月23日

 

・ 理由説明書の受理

 

 

平成18年   10月27日

 

・ 異議申立人に対して理由説明書(写)の送付、意見書の提出依頼及び口頭意見陳述の希望の有無の確認

 

 

平成18年   10月29日

 

・ 意見書の受理

 

 

平成18年    10月31日

 

・ 実施機関に対して意見書(写)の送付

 

 

平成22年  2月24日

 

・ 書面審理

・ 実施機関の補足説明

・ 審議

 

(第79回個人情報保護審査会)

 

平成22年     3月24日

 

・ 審議

・ 答申

 

(第80回個人情報保護審査会)

 

三重県個人情報保護審査会委員

職名

氏名

役職等

会長

浅尾 光弘

弁護士

委員

合田 篤子

三重大学人文学部准教授

会長職務代理者

樹神 成

三重大学人文学部教授

委員

寺川 史朗

三重大学人文学部准教授

委員

安田 千代

司法書士、行政書士

 

 

 

本ページに関する問い合わせ先

三重県 総務部 情報公開課 情報公開班 〒514-0004 
津市栄町1丁目954(栄町庁舎1階)
電話番号:059-224-2071 
ファクス番号:059-224-3039 
メールアドレス:koukai@pref.mie.lg.jp

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