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三重のふるさと

座談会 全文

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(鈴木先生)

今の話を聞いいて、合併しても、合併しなくてもあまり変わらないのかな。何か変わったんですか、お二人に聞きたいのは、合併してもしなくてもそのまま延長して、ずっと地域づくりをしているということ。あまり変わらないですか、状況は。

(玉木氏)

そうですね。地域の状況は、変わった様に私は思いませんけども。

(鈴木先生)

玉木さんの状況はどうですか?

(玉木氏)

私の状況は活動範囲が広くなって、少し動きにくい部分も出てきたかなというところもあります。

(鈴木先生)

広くなって、動きにくくなったというのは、どういうことです。細かく面倒みられないということですか。

(玉木氏)

そうですね、はい。

(鈴木先生)

基本的には変わらないということですか?

(玉木氏)

基本的にはそれほど変わりませんけども、大きくなったことで、本当に農山村の活性化という様なことが、大事ではあるけれども、どのようにしていけばいいのかという形は、なかなかちょっと認知されにくい部分があるのかなとは思います。

(鈴木先生)

個別に深く、関わる時代じゃないと思われる人が多いということですか?行政がそこまで、細かく面倒をみなくてもいいのじゃないかという空気がある。

(玉木氏)

空気というか、どういう風にやっていけばいいかという手法がまだ、わからない部分があるのかなと思います。

(鈴木先生)

西出さんの方は、どうですか?合併後、地域の住民達と西出さんも、あまり変わらないですか?

(西出氏)

僕は、広報担当で、全然違う担当をさせていただいているんですけど、原稿を印刷にかけたらそれで、終わりなんで、正直、暇をもてあましているんですけど、この中で、栗谷、浦谷ということで、こそっと行かせて貰っています。総合支所の前を通っても、寄らずに行かせて貰っています。そういった形で、今の課長も非常に理解があるので、取材をするつもりで、地域に入っています。と言うと、あっそうか、そうか、という様なことで、僕自身は、あまり変わってないですけど、やっぱりそのうち、それが目に見えてくるから、もうすぐ1月経つんですけども。

(鈴木先生)

地元学や地元の組織化を、どのように考えていますか?今行政の働きかけはしているけけど、地元としては、まとまって自分達で自立してこうやっていこう。将来継続するためには、ある程度持続した力をつけるために、地域経営的な力をつけていこう。自分達で集まって組織を作っていこうとか?

(西出氏)

組織というのは、その36名の会員というだけで、その中には、会長なり事務局なりというのは作っていますけども、おのおの銘々が、個性がはっきりしておりますので、まとまりつかないようで、まとまりついているような組織で、こういう風な組織が地域で必要でしょうというところまでは、ちょっとまだ私の勉強不足で入っておりません。

(鈴木先生)

36人は、行政がやらなくても、自分達の主張とか、方向を出すなど、自立した所があるわけですね。

(西出氏)

最近は会にも呼んでくれませんので、おそらく自由にやっていただいているんじゃないかな。

(鈴木先生)

行政が、少し住民の声を聞いて、やる気を出したら自分達の組織を作って、行政から自立していこうとしているのではないのですか?

(西出氏)

そんないつまでもあんたがおる所やないで、ということは、と言ってますので。

(鈴木先生)

自立していく方向であるようですが、誰かリーダーが必要がですか?

(西出氏)

やっぱりその会なり地域の問題を共有するのであれば、そういった僕が思っているようなことを、色々情報を入れて話しした言葉を、僕より説得力のある地元の部長さんとかそのリーダーが言っていただければ、まあ、その辺は共有しやすいように思いますので、リーダーは必要かな、と。

(鈴木氏)

行政が出来るのは、その時どういうことが一番効果があったか、良かったか、西出さんとしては、どういうことが、一番良かったと思っておられますか?情報を入れられるとか、どういうことが皆独立していくきっかけになったのですか?

(西出氏)

僕自身恵まれていたから、この直属の上司が、好きにせい、という形で、好きにさせて貰ってましたので、色んな所に出て、色んな人の話を聞いてという環境がありましたので、情報として、地域におろせるというのが非常に役得があったと思いますし、当然、70、80歳のおじいさんおばあさん、そういう機動力がないので、僕がその辺の機能をカバーして、外はおじいさん、おばあさんの顔をたてて、そういった良き関係が築けたのかなーという思いもあります。

(鈴木先生)

西出さんがいることによって、地域のコミュニケーションがうまく動き、自分達で情報を集めることによって、住民組織が出てきたり、やる気も出てきたということなんですか。今聞いていますと、現地の視察にいったのが、利いているのですね。行政がバックアップしているから、いざとなれば行政も手伝ってくれるし、大丈夫なんだと思ったのか、色々な要・盾ェ、二つ、三つそういうことが動くための成功の要件になるのですか。

(西出氏)

僕が言われたのは、担当者として、頼りがいあるのか頼りがいないのか、というとおまえみたいに頼りがいない方が、いいと言ってます。頼りがいがないと、自分で動かなしゃあないという部分がつくけど、例えば教えるべきことは、教えてくれると、頼りがいないですよね、まだ25、6歳でしたので。そういった孫ぐらいの世代の人間を可愛がって、ほいほい、手のひらで転がして頂いたもんで、僕も好き勝手言うことができましたし、僕が入ったからそうだったというわけではないと思うんですけども、そんなようなことは、そうかなと思います。

(鈴木先生)

行政として強い力を発揮せずに、住民がリーダーシップを発揮しなければならないようにすること。行政がひっぱていく、すべてをするのではなくて、住民にかなり情報をあげちゃったのですね。

(西出氏)

そうですね。

(鈴木先生)

みんなが集まって話しをする時に、新しい情報で刺激していくは大切です。どのように、イニシシアティブや刺激を与えていったのですか。

(西出氏)

やっぱり、そのまだ行ったことのない地域を回って本で読んだりだとか、実際行った地域の情報は、極力、印刷物で流したりとか、話し出来る部分は話したりということで、僕の知りうる範囲では出さしていただきました。

(鈴木先生)

新しい情報を住民の人に流すのは、かなり効果があることですか?

(西出氏)

ありますね。それを話題に、話を、会議になったら、どういう進め方がいいのか僕もよくわかりませんけど、雑談の中で面白い、それに酒が入ったら一番いいんでしょうけど、雑談の中で面白い話が出きますんで。雑談のネタにでも少しでもなってくれれば僕はいいかなというつもりで、話題提供を、とまでは言わないですけども、さしていただいてます。

(鈴木先生)

行政の一人勝ちにならず、話題提供をしながら、あまりあてにして貰っても困るよ、と話の聞き役になったということですかね。

(西出氏)

そうですね。

(鈴木先生)

聞き役がいないと、地元の人同士だけだと、コミュニケーションは活性化しなのです。西出さんが来て、聞き役がいるから、頼りない役場の人が来ているというので、みんなが話をしてくれる。どのようにしてコミュニケーションの活性化がしたのか。聞きたいと思います。

(西出氏)

もう一つ、その頼りない僕が行くと教えたがるんですね。その教えてくれる中に面白い話があればいいな、ということもありましたし。

(鈴木先生)

地元学の効果は?

(西出氏)

地元学の効果というのは、一番僕が感じているのは、何にもないと言いますので何にもないことはないでしょう、と言うんですけど、何でもここにありますよ、という根拠を僕も示すことが出来なかったので、地元学ということで、模造紙に写真を貼り付けて、自由工作みたいなものですけど、それが、ドカンと目に見えてお宅の庭調べたら93種類の植物が植わってましたと言われた特には、やっぱり『おーそんなん作っとったんか』という地域の反応があったり、終わってみたら、92歳の男性が、『これはなにかしなければいけない』という反応も起きますし、今欠けているのは、何なんだという話にも今なってきましたし、それも話題提供にもなるし。

(鈴木先生)

コミュニケーションをするために足元を見て、活性化にしたり、よその情報を流して、地域の人達のコミュニケーションが活性化してくる。なんかやらなきゃという気持ちがおきる。
玉木さん、地元に住民組織が出来たんですか?まだなかなかですか

(玉木氏)

小さな組織というかグループみたいなものが出来た所と、今からできつつある所というのがあるんですけど。

(鈴木先生)

 自立して、自分達でやっていこうという空気になっているのではないのですか。玉木さんが来ると皆集まったりするのですか。グループは自主的に動き始めているんですか?

(玉木氏)

グループは自立して、取り組みは、独自でやっております。今の所そういうそばづくりや野菜作りやそういうもので、体験をしたりとかいう形のものですけども。

(鈴木先生)

今は自分達の畑を作ると、今のグループは、交流する主体ではなくて、地元の人の交流の場ですか?

(玉木氏)

それと、荒廃していく農地を守るという、地元の農地を守りたいという意識の中で、集まったグループとプラスそういうことです。

(鈴木先生)

お二人に聞きたいのは、女性の人が昨日、裏方で色々してくれていたと思うのですが、今まで、地域づくりの場に集まるのは、ほとんど男の人が多いです。どちらかというと、昨日の成功のポイントは、女性の人が動いているなあという感じがします。その辺に一つのキーポイントがあるのかなと思います。どうですか?

(西出氏)

全くその通りだと思いますし、先生のおっしゃってみえたおじいさん、おばあさんの世代に今世代の悩みをぶつけるという方式と、母ちゃんが笑えば、父ちゃんがついてくるというあれは、本当にはっきりした、勝利の方程式かなと、思ってます。

(鈴木先生)

ポイントは、女性の人達が動ける環境を、西出さんが作っていたことなのです。

(西出氏)

やっぱり最近は女性が強いので、自然に出てきました。

(鈴木先生)

自然に出てきたのですか。

(西出氏)

まあ、父ちゃんみたいな事を言うてたら、前には進まんという、やっぱり女性のうっぷんが飲食店営業許可を取ったとこで、パカンといったような、今の感じです。

(鈴木先生)

地域の農山村の起業家は女性の人が8割くらいと多いのですが、昨日も見ていて、男の人が威張っているけど、女の人は、何する者ぞという感じでやってました。玉木さんは、どうですか。

(玉木氏)

  そうですね、今の所、農作業とか、そういう部分では、男性の方がほとんどなんですけども、やっぱりそば打ちや、郷土料理なんかをやるという時には、やはり女性の方が自然に集まってきてくれます。まだまだ、その栗谷のような、ああいう状況ではないんですけども、少し公民館でする小さなイベントとか、そういう形のまだものなんですけども。

(鈴木先生)

昨日も見ていて、ちょっと火がついて、組織化も出来てきて、少しやる気になってきた。これからの行政の役割というのは、西出さんどのように考えられていますか?何を期待しているか、県に期待する部分も含めて、どんなことを西出さんは期待しているんですか。

(西出氏)

それは、実は今悩みで、行政の引き際というのが、いつなのか、目標を設定するのは当然というよりか、うまく相談した時点で、見えてくるんでしょうけど、行政が入り過ぎるという批判もあるでしょうし、その辺の引き際って、僕はそれ以上どこまでどう関わっていくのか、異動してきて、栗谷に関われないのかなと思っていた分ちょっと考えた部分もあって、未だに答えというかは見いだせずにおります。

(鈴木先生)

先程中間セクターと言ったのですが、行政がやりすぎるのではなくて、民間のやる気を育てたり、シンクタンクであったり、知恵をくれたり、そのようなものを作っていくという考え方はないですか。行政も入るかもしれないが、住民の研究所。黒潮実感センターや松代もそうなのですが、住民に情報をあげたり、力をくれたり、困った時には行政に相談するけれど、主体はどちらかというと住民にある中間セクター、研究所であったり、センターであったりするかもわかりませんが、行政とは違った機関を作る、というようなことは、どうですか?

(西出氏)

それは、思っていまして、京都の綾部だとか、竹田研究所、ああいうような所を見ていると、本当に今僕がぶつかっている壁を解決するならあの企画かな、という風に思ってますし、宮川村観光協会というのがあったんですけど、ああいった観光協会には、補助金出すだけではなく、結構柔軟に地域とパイプもある観光協会ですから、あんな所が役割を担えばいいのかなと必要性は感じています。

(鈴木先生)

ある意味で、第二の役場のようなもの。U・Iターン者の相談にのったり、地元の人も相談に来れる核となる所。行政も中間セクターを中心に動いていけば、サポートもできます。行政の人が入ると、クレームに弱いから、やりづらくなってきます。
玉木さんは、グリーンパークを成功させ、それを起爆剤にしていこうと思われているのですが、昨日もお会いして非常に面白い方ですね。町の施設だけを面倒みて貰うだけでなくて、町の人達の知恵者や知恵袋になっていただき、才能を生かしていく考え方はないですか?
今は、指定管理者だけをお願いしているだけですね。住民の活用できる様な仕組みにすれば、持っている能力を利用して、中間セクターとして育てる仕組みを考えてみませんか?

(玉木氏)

そうですね、出来たらそういう形で、この前新潟の上越後山里ファンクラブというところも見に行ったんですけども、山奥に若者が、そういう形で、地元の方と一緒に地域をつくるという形、そこに1人知恵袋が必要だということで、Iターンなり、Uターンなりという形を含めた上で、作っていけたらいいなと思っています。

(鈴木先生)

今は行政に、余剰の人口がいて余裕がある、地域の面倒をこまめに見ていくということを出来ると思うのですが、効率的な面から見ると問題は出てきます。頑張ってもあと5年、長くても10年位、行政がやらなきゃいけないかもしれませんが、税金や財源の問題から考えると、そうしたことを育てる必要があるのかな、と感じたりします。今日、会場の中に県職員や、市町村や民間の方も来られていると思うのですが、これからの地域づくりや地域経営は、行政だけではだめだ。二人の担当者の悩みでもあると思うんですが、会場の方からいいアイディアや質問を聞いてみたいと思いますが、どうでしょうか?どなたでも結構です。地物一番なんていうのも直接、県がやらなくても、中間セクターを育てていけば、やり易い面もあるんじゃないか。地元の人が相談に行ったりするんじゃないか。行政が直であまりやらない方が、地域の産業おこしもいい面もあるのかな、という感じています。どうでしょうか?遠慮無く。

(会場から)

個々の活動を生み出していく地元学という手法があるというのは、非常に参考になったんですけどれも、それをどんどんどんどん色んな所で、やっていくのはいいと思うんですけども、一方で、まちづくり全体のこの町は、例えば大紀町、大内山でもいいんですけども、大内山地区をどういう風な土地にしていきたいのか、という風な青写真みたいなものを行政が、考えて住民は関係ないからという形で、お任せ主義でやっていくんじゃなくて、住民も関わって考えていけたら、いいのかなと今ちょっと、考えているんですけれども、本屋へ行くとまちづくり協議会と言う風なことで、都市部における取り組み、まちづくり協議、市町含めてそんなことは、載っているんですけども、中山間地域においてのそういうまちづくりの青写真を作るような団体というのは、どういう風なのがあるのかな、とか、そういうのが必要ないというのか、教えて貰えたらなと思います。

(鈴木先生)

町全体として、どういう方向にいくか、と住民の人の力を借りてやっていく方向も必要だと思う。その点については、どう考えているかということですが、一担当者では、言いづらいかもわかりません。住民参画、住民と一緒になって協働で計画を作っていくと言うことですけど、どうしても自分の出身の所に力を入れていきたい。地域間の温度差については、みなさんどのように考えられているのですか。個々を魅力的にしていけば、全体が魅力的になりますが、どうですか?

(西出氏)

さっき言いましたけど、今度大台町、宮川村合併して、第一期の総合計画というのが、あります。それを機会に、今までのコンサルで見栄えのいい総合計画を作るんじゃなくて、A4の紙、役場でも印刷してもいいと思うんで、泥臭い総合計画ができたらな、と思うんですけど、その泥臭いというのは、役場の色んな分野、農林、観光商工、福祉、教育、色々あるんですけど、そういった分野で、地域の住民と行政が一緒に話しする場、とか何とか旧小学校区に分けて、我が地域について考えるみたいな議論をしていくいい機会なんだなと思っています。まだ今は提案する時期ではないらしくて、私の課の会議をするらしいので、その時に又聞いてくれると思うんですけど、その時にそういう総合計画ができたらな、それは、大いに高柳町のやり方とか、ああいった事を勉強したりもし、総合計画をいい機会にしてしたいな、と思ってます。私も、全然大台町についての土地勘が全然ありませんので。

(鈴木先生)

玉木さん何かありますか?

(玉木氏)

やはりその全体で、課題を一つにするとか、どういう町づくりをしていくか、というふうに考える場合、やっぱり先程言われたように、小さな地域コミュニティ単位での住民の方々の思いと、まちづくりというのを、小さな単位でつくり上げてそれを一つまとめる様な形のまちづくり計画が必要かなと思います。

(鈴木先生)

今、内閣府のホームページで“わが町元気”を見ていただくと、一昨年10月に全国の市町村1600位に、モデルにしたい町がどこにあるかとアンケートをしました。モデルになる所がないというのが85%だった。モデルなき時代になってしまった。モデルになる町のトップが、ニセコ町だった。2番目が小布施町。そこで、ニセコ住民にアンケートを、昨年10月にとったのです。なぜモデルになっているかといえば、制度のまちづくりなのです。住民自治を保証する制度、まちづくり条例というものを作った。そうしたことが、本当に住民にとって幸せにつながっているのか、アンケートを採ったのです。小学校、中学校のまちづくり委員会もあり、子供の時から、まちづくりを経験させていますが、子供達の本当に浸透しているかなと、アンケートを採り、集計をやっています。その座長をしています。合併後の問題は、首長が代わ・驍スびに、ころころ方針が代わっていってしまう。住民自治だといっても、それも代わってしまう可能性がある。その制度のまちづくり、条例を作っていくことによって、本当に、それが保証されるかどうかと調査しています。ニセコ町の前逢坂町長は、昨年の衆議院選に出て当選しましたが、その後町長選挙があって、反町長派の人が町長になったのです。首長が代わっても、住民自治のまちづくりが継承できるか、そして、その制度の町づくりというものが、住民にとって幸せにつながっているかどうか。町の計画も住民自治から作っていくというのを、制度的に保証にしていこうとしている。前町長は、民主党から出馬しましたが、それをモデルにしていいのかと議論が出ました。そんなこと関係ないと、本当にこれから必要なことを調査探するためには、自民であろうと、民主であろうと、きちんとそれを評価していく、科学的なデーターは出していこうということをしています。
今、大切なのは、制度設計をどうするかということです。担当者に聞いても、市長が代われば変わってします。地方自治のまちづくりの問題だと思うのです。制度化される仕組みを作っていかないと、職員の人が継続的に安定して仕事ができない。市長が代わる、議会議員の多数決で決まるということだけでは、だめじゃないか。アンケート結果は生で出します。かなり細かいクロス集計もだします。内閣府が金を出して、地元のNPOが中心となって、全住民に配っています。小学校や中学校でもしています。今までニセコ町がやってきた生徒のまちづくりの評価を行っています。出てきた結果をみなさんが、ホームページを見ていただいて、意見を言っていただきたい。ニセコ町の役場や住民はオープンにして議論していただいていい、そのデーターを全部外へ出していいということで、アンケートを採ったのです。ニセコ町の情報共通のすごい所なんです。町長が代わっても、議論をしていこうということです。 
私が言いたいのは、制度設計をきちっと考えていくべきだと思います。制度で保証しなければ、役場の職員は安心して、長期に渡っての仕事はできない。合併するときにも、合併しても集落やコミュニティの自治を保証する、住民の意見を吸い上げる仕組み、制度設計を設けているかどうかが大事です。美麻村では、住民自治と協働のまちづくりへの提案をしています。美麻村は編入合併です。人口は1,300、が、3万の大町と合併したのが、今年の1月1日です。国土交通省の地方振興アドバイザーとして、ニセコ町の職員の片山さんと、地域の自治組織の制度設計を合併の条件にしました。住民が、議論をした結果に対して、首長さんに責任ある回答を迫ったのです。制度設計を通じて、住民が美麻村を活性化するとともに、大町を活性化する。大台町では、制度設計の議論がされていない。これからルールを決めて、自分達の小さい所もルールに従ってやっていくというのであれば、安心して、これまでの個性ある地域づくりを継続してできます。今の所は、住民自治に対するルールがないというところが、大きな問題だと思います。

他にどうですか、何か質問等はないですか?

(会場から)

少子対策活性化なんかをやっている事もあるんですが、その点でお聞きしたいと思います。そのようなまちづくりを進める中で、やはりリーダー的な存在っていうのが不可欠なんかな、というようなことを考えているんですけども、西出さんや玉木さんが関わったというまちづくりなんかでも、リーダーという存在はいたんでしょうか?それからリーダーというものを見いだしていく、或いは養成という部分でも関わられたのでしょうか?先生にお聞きしたいのは、先程、制度設計という話がでてましたが、まちづくりの、リーダーを育てるというのも、制度設計の中で、必要なことでしょうか?

(西出氏)

リーダーと呼ぶのか、代弁者というのか、先程言いました様に説得力に欠ける部分をみんなから、信望ある名士というのは、必ずといって言う程いるんじゃないかな、と思うんですけど、私共の小さな宮川村という集落内で考えると、そういった何かの構想を考える長老の役割の方がいると思うんですけど、そういった方がたまたま、来ていただけましたんで、そういう方の発言力というのは、大きいかなと思ってますので、リーダーは、必要かな、と思っております。

(玉木氏)

大内山や大紀町の場合は、又宮川村とよく似た形なんですけど、自然に、会長なり、リーダー的な方は、出て来ておりまして、取り組む時点で既にその方はしてくれております。特に養成という様なことは、まだ今のところしてないですけども、リーダーというのはそういった形でしてくれています。

(鈴木先生)

地域のリーダーは、2つあると思います。組織のリーダーと、住民のリーダーです。宮川の場合は、組織のリー・_ーで、前村長さんが頑張ってきた。組織のリーダーは、首長やJA幹部、商工会議所や商工会の人たちで、力が強いですが、期間が短かったりするわけです。もう一つは、住民のリーダーで、面倒見がいい、期間は長いリーダーです。地域の中で、組織のリーダーと住民のリーダーとがうまく絡み合うといいのです。湯布院町は合併して湯布市になりましたが、住民のリーダーが非常に強いから、いつも組織のリーダーがそれに押されて、いつもトラブルが起きていました。小布施町も住民のリーダー方が強い。組織のリーダーがやってきたところが、首長だけが元気で、住民も職員もくたびれてきた。組織のリーダーと住民のリーダーの関係は、住民のリーダーが選挙に勝って組織のリーダーになることがある。組織のリーダーが役職を辞めて住民のリーダーになることがある。さらに、リーダー論からコーディネーター論に変わってくるのではないか。地域に必要な人を上手に持ち上げたり、必要に応じてを人と人をくっつけたりする、コーディネート力が必要になってきた。自分がリーダーになるのではなくて、コーディネート力のある人が、例えばデザイナーを連れて来たり、その時に必要な人を連れてくる。竹田研究所はコーディネート力の成果です。1人のリーダーが言うことをみんなが待っていて、その方向性に従うのではなくて、コーディネーターがいて、その時必要な人に参加してもらう。地元学も、コーディネーターが上手にやっていくと意見が出てくる。地元学では、意見を言う時にメモさせる。メモはみんなの前で発言しづらい人も書く事は出来る。
コーディネーターという手法は、商店街でも上手にやっています。必要な人を連れてきたり、必要なことをやっていくコーディネート力が要求されます。そういうコーディネート力を中間セクターのような役割をしているのが、江釣子の商工会。面倒見のいい人がいて、長く生き残っていく。住民のリーダーがあまりリーダーシップを発揮するんじゃなくて、みんなの意見を聞きながら、必要に応じて色んな人を組み合わせていく人が、地域の中にもっと必要じゃないかなと思っています。
コーディネーターも一つのリーダーと考えれば、熱い情熱だけでなくて、冷静にクールな論理性を持っていないと、実は長持ちしない。冷静になる時代、細く長く続ける時代がきていると思います。
最後にお二人に一言ずつもまとめていただいて、終わりにしたいと思います。

(西出氏)

宮川村という名がなくなりまして、大台町と何回も言っておりますけど、これに懲りずに又、皆さんにお越しいただけることを願っておりますし。県の方に非常に助けて頂く部分が、私ずっと多かったものすから、まあ色んな方とのネットワークを構築して、私自身非常に良かったなと思っておりますので、又これを機会に栗谷に足を運んで、こうなんじゃないというのが、あったら又大台町役場の企画課へ電話1本いただければな、と思います。よろしくお願いします。

(玉木氏)

これからもこういう形で、地域活性化に携わっていくと思います。何かいい情報があったら、ご連絡下さい。又指導して下さい。

(鈴木先生)

地域は、論じる前に、愛でるものと思います。情報も届けばいいんじゃなくて、愛情から品質を良くすることができます。公務員の方に一番重要なのは、住民を励まし、力をあげることだと思います。いい時もあり、悪い時もあり、又悪い時もあり、いい時もある、と学生にも言っています。心のトレーニングをして、心の腹筋力を付けていこう。悪い時には耐えていかなきゃいけない。そして、とにかくいいもの見ようよと、いい経験を頭の中に入れて行くと必ずそれを実現できる時がある。だから、好きな事を一生懸命やって、いいものを見て、心のトレーニングをしていこうと言っております。
公務員にとって、もっと厳しい時代が来ると思いますし、域自体にとっても厳しい時代が来ます。やはりいいものを見て、いい時がきたら、そのチャンスをタイムリーにやれることが大事だと思います。それも、日本だけでなくて外国も見にいき、心の腹筋力を付けていただけたらと思います。今日は私のつたないコーディネートで、申し訳ありませんでした。じゃこれで終わりにしたいと思います。

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