最新の海域情報(第1回)
第1回海域情報 平成29年9月27日(水)提供
今週はまだ浦村海域のみの出荷ですが、浄化前のカキからノロウイルス遺伝子は検出されませんでした。また、感染性胃腸炎の流行は認められず、海水温も10℃を下回っていません。降水量も50mmを超えていないことから、健康被害発生の可能性は低いと考えられます。
(5要因の判定基準)
カキからのウイルス遺伝子検出結果は、養殖段階でのサンプリング結果であり 浄化後の製品検査結果ではありません。
鳥羽海域安楽島の二地は鳥羽海域浦村と接しており、海洋条件が過去のデータから一致しているため、鳥羽海域浦村の情報に含めています。
+:条件に該当する。 -:条件に該当しない。
過去の海域情報カキなどの二枚貝に使用する調理器具は専用とするか、二次汚染しないよう十分に洗浄消毒しましょう。
用便後や調理前には十分に手洗いをしましょう。
体調不良(下痢等)の方は調理に従事することを控えましょう。
●カキを食べられる皆様へ:
幼児やお年寄り・体調が優れない方はカキを十分に加熱調理してお召し上がりください。
用便後や食事前には十分に手洗いをしましょう。
●生産者の皆様へ:
以下の点について遵守してください。
- 作業前には十分に手洗いをすること
- 作業工程、手順等の自主管理を徹底すること
- 消費者等への情報提供を十分に行うこと
三重県における過去の調査・研究結果から、健康被害の発生予測には以下の条件が大きく関与していることがわかってきています。
- 伊勢湾周辺地域で感染性胃腸炎の流行があったとき
- カキ養殖海域の水温が10℃以下となる時期
- ノロウイルス遺伝子がカキのサンプルから検出されたとき
- 一度に50mmを超える雨が降り、河川水が大量に海に流れ込んだとき
- カキの健康被害があったとき
- プランクトンから検出されるウイルス遺伝子の動向及び消長
これらの要因を総合的に判断し、情報を提供していくこととしています。
海域情報(5要因)の判定基準
本システムでは、カキが原因となるノロウイルスによる健康被害(食中毒に限らず、健康被害の原因としてカキが疑われるものすべてを含みます。)の発生を未然に防止するため、過去の事例と次の6要因を総合的に判断して鳥羽海域・的矢湾のカキの取扱いについて助言を行っています。
5要因の判定基準は次のとおりです。(以下の健康被害の記述はすべてカキが原因となるノロウイルスを想定しています。)
カキとノロウイルス、健康被害との関係はこちらをご覧ください。
要因1 伊勢湾周辺地域で感染性胃腸炎の流行があったとき・・・
伊勢湾に河川が流れ込んでいる三重県内の地域の感染症発生動向調査で流行を確認しています。
本システムでは、感染性胃腸炎が流行していると判断した時点で「+」と表記します。
要因2 カキ養殖海域の水温が10℃以下となる時期・・・
養殖海域の海水温を測定しています。
本システムでは、海水温が10℃以下になった時点で「+」と表記します。
要因3 ノロウイルス遺伝子がカキのサンプルから検出されたとき・・・
水深3~3.5mのカキ1検体(各養殖海域でサンプリングし、浄化していないカキ3個を1検体とする)のノロウイルス検査を実施しています。
本システムでは以下のとおり表示します。
水深 | 検出検体数 | 評価 |
---|---|---|
3~3.5m | 0/1 | - |
1/1 | + |
※「1/1」は検査したサンプル1検体からノロウイルス遺伝子が検出されたことを示します。
※RT-PCR法により検出しています。
※サンプルは浄化前のものを使用します。
要因4 一度に50mmを超える雨が降り、河川水が大量に海に流れ込んだとき・・・
各養殖海域の最寄りの観測局の1日の降水量を確認しています。
本システムでは、1日の降水量が50mmを超えたとき「+」と表記します。
要因5 カキの健康被害があったとき・・・
次のような条件に合致する健康被害が発生したか確認しています。
- 鳥羽海域あるいは的矢湾産のカキを食べている
- 症状、食べてから発症するまでの時間がノロウイルスによる健康被害と類似する。
- 調査依頼(届出)を受けた保健所が調査している
本システムでは、上記の条件すべてに合致したとき「+」と表記します。