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平成24年03月09日

平成18年度三重県食の安全・安心フォーラム 意見交換会

意見交換会

コーディネーター 松永和紀 さん
食の安全・安心メッセージ発表者と会場の皆さん

松永さん

皆さんの、真摯な本当にまじめな取り組みというものがよく分かりました。ありがとうございました。
皆さんのお話を聞いて、植原さんのお話は非常に示唆に富むお話だと思います。実際にこんなに頑張ってる方がいらっしゃるのに、それがきちんと伝わっていないので不安につながるんだというご指摘、本当にそのとおりだと思います。いろんなレベルの取り組みがあって、悪いことをする人がいると、それが大きく報道されてその業界すべて悪い人だとなってしまう。その辺りに誤解がありますので、きちんと見て、確かな取り組みをされているまじめな方には「ありがとう。頑張ってください。」と言うことが大事だなと強く思いました。
どうでしょうか皆さん。お互いに話をお聞きになって、いろいろと思うこと、感想、もうちょっと言いたいこと、他者との協働の中でのプラン、こういうことをやりたいとか、さらにお話をいただきたいのですが。

河北さん

食の安全・安心という中で、生産者にとって安全というのは農薬をきちんと使い、管理することだと思います。では、安心は何かというとやはり信頼関係だと思います。先ほど私、人とのふれあいが好きだと言いましたが、自分の作っているものはこういうもので、こういうふうにしてやりたいし、やってますよということをまず分かって欲しいということです。それで、私の作ったねぎも袋にQRコードを入れてホームページを作って、トレーサビリティに取り組んでいます。いろんな形での質問も受けたいなと思っているんですが、そういった場を皆で持たなければいけないのです。それは、他の人や行政に頼めばいいじゃないかということではダメです。やはり自分たちで動かないとできない。そういったことを訴えながら皆さんとお話ができたらなというふうに思っています。自分なりにそういったことが夢かなと思いますし、できると思っているんですが。

松永さん

何か企画をされておられるんですよね。

河北さん

農業者自らがまとまらないかんということで、私の地元鈴鹿市久間田地区で、農業をやっている者が38名ほど集まり、この11月23日に収穫祭を兼ねた久間田農業祭りというのをやります。消費者とのふれあいが第一、地域の人に自分たちがやっていることを分かってもらおうと、大根、キャベツなどの品評会や振舞い鍋、餅つき等もやろうとしています。自分たちが発信しないことにはつながりができていきませんので、こういった形で始めています。お暇でしたらぜひ23日に来てください。よろしくお願いします。

松永さん

ありがとうございます。いろいろと頑張っておられるんですね。ぜひお近くの方、23日、行きましょう。
さて、生産者の中ではそういう一生懸命努力されている姿が見えてきているんですが、中嶋さん、消費者として見たときにどうなのか。実は、休憩時間に会場に来られている方から質問としていただいた中にちょっと気になるものがありました。ある生協で、台風で傷がついたりんごの販売に生産者支援の観点で取り組んだところ、生産者は甘えている、少しでも品質が劣るものを出荷してはいけないと言う生協組合員がいらっしゃったということでした。そういう方もいらっしゃる中で消費者団体としての活動も、今なかなか難しくなってきていると思いますが、他の方のお話を聞いて、また、これからどういうふうに動こうとされているのかお話しいただけたらと思います。

中嶋さん

消費者に地産品のPRをしていただくのに、もっと消費者に身近に感じるような呼びかけをして欲しいと思います。結局、消費者というのは、安くて見栄えのいいものを、今の傾向として望んでいます。しかし、最近では少しきゅうりが曲がっていても、短くても、少しトマトが傷物でもやっぱり地産品であれば安全であるという意識があります。四日市でも「市(いち)」がありますが、その「市」の利用者がどんどん増えてきました。「市」の利用者が増えてきたことで、意識がだんだんと変わったのではないかと思っています。
また、先ほどの質問については、消費者協会の活動もそういった方面でどんどん皆さんにPRしていくことが大切です。消費者協会では、衣・食・住全般にわたり勉強していて会員が300名おられるんですが、仲間に加わっていただくと、私たちも一緒に成長できると思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。

松永さん

ありがとうございます。消費者協会という場を学ぶ場所にしていきたい、そこを基点にして情報収集も、そのお手伝いも協会としてしますよというお話ですね。
今のお話を聞いて加藤さんは多分いろんなことを思っておられると思うので、率直な、高校生としての意見をお聞かせいただければと思いますが、いかがですか。

加藤さん

りんごの話ですが、自分の家がすごく田舎の方なもので、ちょっとぐらい傷がついていても食べられるだろうという意識があるんですが、傷がついていると見栄えも悪くなるんで、そういう意味ではやっぱりきれいなほうがいいのかなと考えてしまいます。フルーツを例に挙げますと、ジャムやジュースにして加工品にしたら、傷ついたりんごも捨てられずに済むんだと思います。野菜ですと、その傷ついた部分を取り除いてまた違う加工品などにしたほうが捨てずに済むというのがあると思います。

松永さん

ありがとうございます。具体的にいかに付加価値を付けるかということを言っていただきました。どうでしょう、今のお話を聞いてイオンの植原部長はいかがお考えでしょうか。

植原さん

まず今日参加させていただいての感想なんですが、三重県というのは食の安全に対して非常に活力がある、特に、地域産業に力を入れている。まさに産官学、これがうまくお互いに力を発揮しあって協力し合っているという印象を強く受けました。この向こうの会場でも三重大学がいろんな研究や取り組みを発表し、情報発信しています。それと、行政も非常に考え方が新しくて進んでいる。イオンが2002年に食の安全のいろんな問題に対して取り組んでいこうという時期、そのときに三重県は同じようなことを考えて、同じような概念でGAPを作り、私は非常に驚いたんです。また、昨日もテレビを見ていましたら伊藤さん(食の安全・安心グループ)が出ておられて、食の安全・安心を県民にアピールしている。そういうところがすごい県だなと率直に思いました。また、今日の発表の中で、高校生の実行力、地域の中に入って取り組んでいる。本当にうまく調和された状態だと思います。県民の皆さんの意識が高いので、こういったことが非常によい形でできている。もっともっとこういう場が作られて、その地域の商品が三重県だけではなくて、中京圏あるいは全国に広がっていくような信頼されるものづくりにつながっていくのではないか。非常に私は感動を受けました。

松永さん

ありがとうございます。全く、私も同じ意見で本当にすばらしい県だなと思いました。ただ、いろいろなところに行ってよく思うんですが、自分たちの価値というものを意外に地元の方はご存知ないんです。三重で行われていることが三重の方にとっては当たり前です。よその地域、国の取り組みを知るということは、実は自分たちのことも知るという結果にもなりますのでやっぱりいろんなことを学んでいただきたい、情報収集していただきたいと思います。
それで、植原さん、輸入商品もたくさん扱ってみえますが、フェアトレードという問題も含めて輸入品の問題を捉えていこうとされているようですが、その辺りをお話しいただけますか。

植原さん

イオンの企業理念で、地域産業を大切にしていきたい、その地域に住んでいる人たちの生活向上を図っていきたい。これは国内だけの話ではなくてイオンが今、アジアでも出店しておりますし、すべての人たちが豊かに暮らせる平和な世界を作っていこうというのがイオンの大きな柱の一つです。非常に困っている地域の人たちが自立できるような公正な貿易という視点での「フェアトレード」という運動があり、イオンはその根底にある考え方に共感できるということで、メキシコで作ったコーヒーを7月から発売いたしました。食の安全・安心だけではなく、食を通じて少しでも社会貢献していきたいということで取り組んでいることです。

松永さん

ありがとうございます。「フェアトレード」という概念は、地元の頑張っておられる方に「その取り組みに対してきちんとお金を払いますよ。」ということもそのひとつだと思います。河北さんがあまり詳しくおっしゃらなかったんですが、例えば、水耕ねぎの農薬を減らすということは非常に大変なんです。病気や衛生管理、毎日厳しく商品を観察し、適切な対応を早く取るという意味では非常に難しいことにチャレンジしておられる。そういう地元の方の頑張りというものを見ていくのも立派なトレードになるのではと思っております。
それでは、会場も含めて、質問をお受けしたいと思います。いくつか、質問用紙でもいただいたんですけど、ひとつ非常に気になる重要なご指摘をいただいてまして、これを皮切りに進めたいと思います。
津市の方ですが、「農薬が使われて、それが流れ出して魚介類に蓄積して影響が出ることもあります。先月ある県で省力化・安定生産に大きく貢献する除草剤が魚介類に蓄積したという事実があり、たれ流しでは困ります。」というご指摘がありました。これは、おそらく島根県だと思うんですが、しじみに除草剤がたくさん蓄積しているのが一部の地域で見つかりました。農薬は、人への残留農薬の影響等はかなり管理されてきていますが、環境影響を測るというのは非常に難しく、調べるのに今の科学ではまだまだ限界があります。多分この問題もそういうことだろうと思います。ここで、重要なのは農業者が、自分の利益でやっていることが、実は漁業者の方に影響が出てくることがあるということです。自分たちだけのことを考えていてはだめで、お互いに考えなければいけないというご指摘だったと思います。これから、相互理解を深め、表面化した問題に対してきちんと対策を進めるべきだろうと思います。ありがとうございます。
それでは、会場のほうでこれはちょっとおかしいとか、あるいは4人の方今日お見えですので、聞いてみたいことなどありましたらお受けしたいと思います。

会場

河北さんにお聞きします。企業化されるについて、資本は総額どれくらい必要であったか。また、それを回収するについて経営が軌道に乗るまでの運営について、ご説明願います。

河北さん

最初の質問なんですが、実はまだ個人でして、企業化していません。自分なりにこれぐらいまでになったら企業化したいなというのはありますが、まだまだとてもそこまでいっておりません。それと、今、ハウスが、4,300㎡あるんですけれども、国の資金を借りて建てたんですが、全部あわせますと1億になります。
それから、食の安全・安心の中で、自分はこうやっていくんだというのがあります。例えば農薬を使用するのが自分自身あまり好きではないんです。よとうむしという虫が、一番多いときには夜中にバリバリ音がするくらい発生し、一晩で丸坊主になってしまうので、夜中にバケツをもって手で採り歩きます。そういった形で、農薬よりは少々虫に食われてもという形でやってますけど、自分たちが嫌なものはやっぱり皆さんも嫌なんだから、なるべく使わないようにするし、少々は食われてもいいんじゃないかという気になって今やっています。
それと、1週間ほど前にいろんな方と話をする機会があり、そこで出た話ですが、消費者はきゅうりは曲がったものは安全で、まっすぐなものは農薬がかかっていると思っているそうです。曲がるのは自然の生理現象ですし、今は品種改良で全部まっすぐなものもできるようになっていますから、両方とも同じなんです。落花生も、これ木にならんやないかって、学校の先生が言ったんです。そういった意味から、食育や食農は、自分たちが作ってみて理解してもらわないと無理だと思うんです。自給自足に少しでも携わってもらうとそういうことも理解してもらえるのかなと思います。

松永さん

ありがとうございます。おもしろいですね。どうぞ質問してください。こういうお話をもっとたくさん聞きましょう。

会場

河北さんに質問なんですが、水耕栽培の水というのは安全なんでしょうか?

河北さん

70mほど掘り、井戸でやっています。その井戸水ですが、以前にO-157が問題になったときに、検査に出して、5品目ぐらい調べていただいて、全部OKでした。家の水、本当においしいんです。それと、パートさんが持ってきてくれためだかが、その水ですでに10数年育ってるんです。ペットボトルに水を取っておくと1ヶ月はまず、そのままです。藻も何も生えません。一度ぜひ、来てみてください。

会場

植原さんにお聞きしたいのですが、食の安全・安心に関わり非常に努力されている経営者、個人、団体の活動は、イオンさんの活動とマッチしていると思います。そういった方々の経営を支え、あるいは助長していくという方向でイオンさんが連携して支える、発展していくというような方策がとれないものかお聞きします。

植原さん

直接は、事案ごとにいろんな判断が必要だと思います。イオンとしましては、例えば県の「みえの安心食材」に取り組んでいる方、あるいはエコファーマー等取り組んでいる方、そういった方の商品を優先的に取り扱っていこうという姿勢は持っております。その地域の中でお客さんが本当に喜んでいただける視点というのを第一において、地域で本当に優れた、特に行政とタイアップして地域の中で取り組んで見える方と、商品について一緒に取り組むというのは十分考えていますので、また何かありましたらよろしくお願いします。

松永さん

他にいかがでしょうか。加藤さん、食育で小学校に行かれていますが、食品を作る、そして作るという行為を通して子どもたちに教えるという活動の中でどんなことをお感じになっていらっしゃいますか。

加藤さん

小学生に教えるということはすごく難しいと初めは思っていたんですが、正しい手洗い方法を教えてあげると「こうやって洗うんだ」とか「きれいになったよ」といってくれる子が何人かいました。饅頭作りに入ると、「楽しい」「おいしそう」、蒸している時間になるとおいしそうなにおいがしてきて、「おいしそう」という声があったりして、小学校でこういう活動をしていると反対に励まされるということが多くありました。

松永さん

小学生が喜んでいる姿を見て、自分たちが励まされると言うことですね。食品というのは、こんなに大変ないろんな努力が必要なんだよということを小学生に伝えられますね。そうやって高校生が頑張る。子どもたちも理解する。子どもたちが食全体の理解を深めていくすごく大きなきっかけになっていくだろうと思います。他に質問のある方いらっしゃいますか。

会場

学校の中の食育で、給食をどういうふうにすれば食の大事な部分を子どもたちに広げていけるかということについて、参考までにお聞かせ願います。

植原さん

今イオンでは、食育の関連でお店に小学生に来ていただいて、食品、特に野菜・果物ですが、食品の持つ色の意味を理解してもらおうとしています。チームを作って赤チームは赤色の、青チームは青色の、黄色チームは黄色というふうに食品を売り場から探してもらって、その食品の色を通じて、食品が持つ大切さ、おいしさとか栄養などに興味をもっていただく。それを給食につなげていけば、自分たちがさわったものがメニューに出ると、ああこれは○○なんだと分かる。それも食育につながっていくんじゃないかと思うんです。ひとつのアイデアです。

中嶋さん

私は家庭の母親、女性という視点から健康ということにはすごく関心を持っています。学校は学校の立場での食育があり、媒体として給食があると思うんですが、家庭での食育が非常に大事だと思います。今日私たちが家庭人としてここで学んだことを家庭でそれぞれ生かすことと、同時に一人でも多くの方に伝えることが、今日のこの場のあるべき意味だと思います。食は子育てにも、家庭の絆でも非常に大きな役割を持っているので、私たち消費者一人ひとりが食の安全についての正しい知識を持つことが非常に大事ではないかと思います。

松永さん

ありがとうございます。給食の話はなかなか難しいですね。皆さん「市」はひとつにまとまっているとお思いかもしれませんが、給食に関しては教育委員会と農林水産と立場が違いますので、生産側の事情と教育側の同水準のものを公平に提供するという事情の間でいろんな問題が起き、誤解があり歩み寄れていないという印象があります。そして、そのことを消費者にも理解していただきたいんです。地場産の給食をやろうとおっしゃるけれど、なかなか容易なことではないし、コストの問題もあるし、そういう中で地場産の給食を実現しようと頑張っている自治体があるんだということを理解していただくのがまず大事なのではないかという気がしています。
今のお話の中でも、食育は家庭が大事とか、市町村でやる給食をどうしたらいいんですかという質問もありました。今までは食の安全確保を、国や食品安全委員会から言われていましたが、これからはボトムアップなんですね。家庭で努力する、市町村で、それぞれの生産現場で努力する。そのことを今皆さんがそれぞれの立場で一生懸命取り組んでおられるんだと思います。
今日のお話はなかなかまとまりがつきませんが、少し結論めいたことを言わせてもらうと、やはり他者を知る、理解する、そして言われて何かをするんではなく自分たち自身が頑張るんだ、自治体のレベルでも、家庭のところでも努力するんだ。それぞれの県民の方たちが主体的に努力していくということを続けていくことが大事なんじゃないかと思います。県民運動という形にしていくのが大事だし、三重県というところは宝物がたくさんありますので、県民運動の中でさらに新しい宝物を発見して努力して学んで、理解しあって思いやりをもって頑張っていっていただきたいと思います。
4人の皆さん、補足したいということございませんか。よろしいでしょうか。

中嶋さん

皆さんの話を聞いて、時代とともにどんどん本当に変わっているんだな、でも行き着くところは安全・安心だなと思いました。また、イオンさんのグリーンアイ商品とか、河北さんの水耕栽培であるとか、こういう言葉はいろんな勉強の機会の多い方は分かると思いますが、徹底して消費者に行き渡ると言う部分がまだまだではないかなと思います。特に新しい取り組みについては、もっと消費者にアピールする機会を作ると、消費者も関心を持って利用させていただくと思いました。よろしくお願いします。

松永さん

アピールしていただく努力も必要、消費者も学ぶ努力が必要なんです。両方があって、理解しあって思いやりがあって、そこから新しい良いものができてきますし社会は変わると思いますので、どうぞ皆で努力していきましょう。今日は、どうもありがとうございました。

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三重県 農林水産部 農産物安全・流通課 食の安全・安心班 〒514-8570 
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