三重県教育委員会では、三重県の教育改革に関する重要事項について審議し、今後の施策に生かしていくため、令和元年度第4回三重県教育改革推進会議を開催しました。会議の概要は以下のとおりでした。
1 日時 令和元年12月10日(火曜日)14時00分から15時45分まで
2 場所 三重県勤労者福祉会館 6階 研修室
3 出席者 三重県教育改革推進会議委員7名
(中田委員、松田委員、耳塚委員、村田委員、山田委員の5名が欠席)
4 概要 「次期三重県教育ビジョン(仮称)中間案(修正版)」について審議を行いました。
5 主な意見
・ 施策「不登校児童生徒への支援」の指標については、高校生の現状値が低いうえに、目標値も小中学生と比べると低くないか。
・ 施策「学びのセーフティネットの構築・学びの継続」の指標「高等学校(全日制)における中途退学率」は全国平均値である(0.8%)を下回っている現状からさらに高い目標を掲げている旨がわかるように記載したらどうか。
・ 施策「幼児教育の推進」の現状と課題に「非認知能力の基礎を培う」と記載しているが、文部科学省では「学びに向かう力」をキーワードにしているので、合わせたらどうか。幼児教育・保育の無償化とともに、新幼稚園教育要領や新保育所保育指針についてもふれたらどうか。小学校教育への円滑な接続に向けた取組では、実践研究園だけでなく、小学校も加えて、双方に取組を紹介してほしい。小学校生活に向けたアプローチプログラムだけでなく、小学校におけるスタートカリキュラムを含めた接続プログラムの促進も検討してはどうか。
・施策「家庭の教育力の向上」で、ネットの活用についての記述があるが、子どものスマホ長時間使用問題の背景には、親のスマホ依存の影響がある。
・「教育ビジョンの実現に向けて」にある「企業等」の役割で、「教育環境の改善」は「子育てと両立しやすい柔軟な働き方や企業風土」という言い方もできるのではないか。
・ 施策「幼児教育の推進」では、地域から孤立している方は、社会との関わりは幼稚園のみの場合もあることから、地域の人々とふれあう具体的な取組を示してはどうか。
・施策「健康教育・食育の推進」のライフデザインの推進において、性に関しては親子で教えるのは難しいので、教育現場で担って行く必要があると思う。
・施策「知識を活用して新たな価値を創り出す力の育成」におけるプログラミング教育について、論理的思考力だけでなく、創造的思考力も大切ではないか。
・ 施策「地域とともにある学校づくり」では、コーディネータ―の養成について具体的に記述してはどうか。
・施策「家庭の教育力の向上」で、男性の積極的な育児への参画とあるが、育児だけでなく子育ての観点から、地域全体で子どもを育てる旨の記述をしてはどうか。
・ 施策「不登校児童生徒への支援」では、新たな不登校を生まない環境づくりが大事であり、不登校が増えている原因を究明し、その対応が重要である。
・ 「三重の教育における基本方針」の(3)で「自らの能力・可能性を最大限に伸ばす」とあるが、子どもたちが常に頑張り続けることを求めるような表現はいかがか。
・ 施策「体力の向上と学校スポーツの推進」では指標が2つあるので、施策「学力の育成」でも同様に全国調査の結果と子どもたちの意欲に関する指標を設定してはどうか。
・ 部活動ガイドラインをつくり、教員の働き方を考えていかなければならないが、大会運営にも教員が関わっており、部活の意義については、大きな見地から議論していく必要がある。
・ 教育施策大綱には生涯学習の観点がある。子どもたちが大人になっても学び続けられる学び方を身につける必要がある。
・ ライフデザインについては、健康教育の面だけでなく、人権教育・道徳教育とも関連しており、人権教育では性の多様性も関係すると思う。施策「人権教育の推進」では、「部落問題、障がい者、外国人、子ども、女性の人権に係わる問題をはじめ、さまざまな人権に係わる問題」と記述されており、さまざまな人権に使われる問題の1つに「性的マイノリティ」があげられているが、人権問題に濃淡はないので、並列で記述するべきではないか。
・不登校児童生徒への対応だけでなく、不就学についての記述を充実する必要があるのではないか。